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JPH11328890A - ヘッドアクチュエータ機構、およびこれを備えた磁気ディスク装置 - Google Patents

ヘッドアクチュエータ機構、およびこれを備えた磁気ディスク装置

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Publication number
JPH11328890A
JPH11328890A JP13332198A JP13332198A JPH11328890A JP H11328890 A JPH11328890 A JP H11328890A JP 13332198 A JP13332198 A JP 13332198A JP 13332198 A JP13332198 A JP 13332198A JP H11328890 A JPH11328890 A JP H11328890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
head
actuator mechanism
drive
drive coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13332198A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Takekado
茂 竹門
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP13332198A priority Critical patent/JPH11328890A/ja
Priority to US09/156,299 priority patent/US6295184B1/en
Publication of JPH11328890A publication Critical patent/JPH11328890A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ヘッドを安定かつ高精度で位置決めするこ
とができるとともに、機械的強度および組立性の向上し
たヘッドアクチュエータ機構、およびこれを備えた磁気
ディスク装置を提供することにある。 【解決手段】磁気ヘッド40を回動自在に支持したヘッ
ドアクチュエータ機構22の駆動部70は、ボイスコイ
ル44と、ボイスコイルの駆動に起因する共振を打ち消
す圧電素子と、を有している。ボイスコイルおよび圧電
素子は、樹脂によりこれらと一体に成形された保持枠7
4によって保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクに対
して情報の記録、読み出しを行う磁気ヘッドを移動し
て、目標位置に位置決めするためのヘッドアクチュエー
タ機構、およびこれを備えた磁気ディスク装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置として、例えば、小型
のハードディスクドライブ(以下、HDDと略称する)
は、従来からラップトップ型やノートブック型パーソナ
ルコンピュータの内蔵型記憶装置として使用されてい
る。
【0003】一般に、HDDでは、大別して速度制御と
位置制御とを行なうサーボシステムにより、磁気ヘッド
の位置決め制御が実行される。このサーボシステムは、
磁気ヘッドを支持して磁気ディスクの半径方向に移動さ
せるヘッドアクチュエータ機構を駆動制御することによ
り、磁気ヘッドを目標位置に位置決めする。
【0004】近年、パーソナルコンピュータの高性能化
に伴い、小型で且つ大容量のHDDに対する要求がより
高まってきているが、HDDの記憶容量を増大させるに
は、記録媒体である磁気ディスクのトラック密度および
線記録密度を向上させ、磁気ディスクの高記録密度化を
図ることが必要である。
【0005】このような高記録密度化を実現するため様
々な試みがなされているが、高記録密度化に伴い、磁気
ディスク上の目標トラックに、磁気ヘッドを高精度に位
置決めする技術が重要となる。このため、前述したサー
ボシステムの制御技術と共に、アクチュエータの機構上
の各種の工夫が試みられている。
【0006】一般に、HDDは、アルミ合金等からなる
ケースの内部に、磁気ディスク、磁気ディスクを支持お
よび回転駆動するスピンドルモータ、磁気ヘッドを磁気
ディスクに対して移動自在に支持した回転揺動型のヘッ
ドアクチュエータ機構、アクチュエータ機構を駆動する
ボイスコイルモータ(以下、VCMと略称する)、およ
び回路基板等を内蔵している。そして、磁気ディスク
は、スピンドルモータにより高速回転運動をする。ま
た、回路基板は、磁気ヘッドからのリード信号を増幅す
る磁気ヘッドアンプ等の各種回路部品を実装している。
【0007】ヘッドアクチュエータ機構は、磁気ヘッド
を支持しているサスペンションと、サスペンションを支
持して回転駆動力を伝達する支持アームと、支持アーム
を支持しているVCMの駆動力により回転軸を中心とし
て回転駆動するアクチュエータ本体と、を備えている。
【0008】VCMは、略V字型構造のコイル保持枠に
設けられた駆動用コイル、永久磁石、対向ヨークから構
成されている。コイル保持枠は、アクチェータ本体から
支持アームと反対方向に延出し、このコイル保持枠およ
び駆動用コイルは、ヘッドアクチュエータ機構と一体的
に回動可能となっている。また、磁気回路を構成する永
久磁石および対向ヨークはケース側に固定され、駆動用
コイルを挟んで互いに対向して配置されている。そし
て、VCMは、永久磁石と対向ヨークとの間に生じる磁
界と、駆動用コイルに通電することにより発生する電磁
力との相互作用により、アクチュエータを回動させる。
【0009】サーボシステムは、磁気ディスクのサーボ
エリアに予め記録されたサーボデータに基づいてVCM
の駆動電流を制御し、アクチュエータの駆動制御を実行
する。
【0010】上記構成のHDDにおいて、アクチュエー
タを高精度に駆動して、磁気ヘッドを目標位置に高精度
に位置決めする際の障害要因として、アクチュエータを
構成する支持アーム等の構成要素に発生する機械的振動
がある。
【0011】ヘッドアクチュエータ機構の機械的振動
は、アクチュエータ本体に設けられたボールベアリング
の回転ばね特性による共振ピークと、ヘッドアクチュエ
ータ機構自体の共振モードに起因するピークと、が存在
する。
【0012】ヘッドアクチュエータ機構自体の共振モー
ドは、ヘッドアクチュエータ機構の駆動時、VCMの駆
動用コイルとこれを保持しているコイル保持枠とが、磁
気ディスクの回転(円周)方向に変形するモードにより
発生すると推定できる。そして、ヘッドアクチュエータ
機構自体の構造に起因する共振モードは1kHz以上の
高周波数であり、磁気ヘッドの位置決め制御を行なうサ
ーボシステムに悪影響を及ぼし、オフトラックなどの誤
動作の原因となる。
【0013】すなわち、ヘッドアクチュエータ機構によ
る振動は、磁気ヘッドの位置決め精度低下の要因とな
り、特にトラック方向の記録密度(トラック密度)の低
下を招くことになる。したがって、サーボシステムに対
する悪影響を極力低減するため、ヘッドアクチュエータ
機構において、機構的振動を極力排除し、かつ支持アー
ム等の共振周波数を高めるなどの工夫が必要となる。
【0014】更に、HDDの外部からの振動や、HDD
の内部でスピンドルモータ等から生じる振動等に起因す
るオフトラックを極力小さくする必要がある。この場
合、サーボシステムの開ループ特性でのゲイン交差周波
数(ゲインがOdBをよぎる周波数)をできるだけ高く
する必要がある。
【0015】このようなサーボシステムの開ループ特性
でのゲイン交差周波数を高くする方法は、例えば特開昭
51−36924号公報、あるいは電子情報通信学会論
文誌における「磁気磁気ディスク装置2ステージアクセ
スサーボ系のトラック追従制御」(V01.J75,N
o.11,653頁〜662頁)に記載されている。
【0016】上記公報及び文献では、複数の磁気ヘッド
を一体的(同時に)長ストローク移動させる主アクチュ
エータ(前記のVCMによる駆動)に加えて、個々の磁
気ヘッドをそれぞれ独立して微少移動させる補助アクチ
ュエータ(圧電素子から構成されている)を設ける方式
が提案されている。
【0017】この方式については、例えば特開昭51−
39012号公報にも記載されている。この公報の方式
は、重い質量部の主アクチュエータは低い周波数帯域で
可動し、また軽量の補助アクチュエータは高周波帯域で
可動するように、2重サーボ方式により磁気ヘッドが狭
トラックピッチに追従するように構成されている。
【0018】さらに、特開昭51−36924号公報、
特開平3−69072号公報、特開平3−102684
号公報、特開平3−183070号公報には、磁気ヘッ
ドを支持する支持アーム毎に補助アクチュエータを搭載
した方式が記載されている。これらの方式は、補助アク
チュエータにより、個々の磁気ヘッドが別々に移動でき
る構成である。
【0019】特開平3−69072号公報、特開平3−
102684号公報、特開平3−183070号公報に
は、サーボ面サーボ方式に適用した場合について記載さ
れており、いわゆる熱オフトラックの補正手段として補
助アクチュエータを用いた方式が記載されている。
【0020】熱オフトラックは、複数本ある支持アーム
が装置内外の温度変化により、磁気ディスクの半径方向
にそれぞれ変形してしまう現象により発生する。このた
め、磁気ディスクのサーボ面の位置情報と、各データ面
のセクターの位置情報に基づいて、磁気ヘッドのDC成
分だけ補正する手法が用いられている。この場合、各支
持アーム毎に補助アクチュエータを配置する必要があ
り、更に、アクチュエータを個々に制御している。
【0021】上記構成のHDDにおいて、主アクチュエ
ータおよび補助アクチュエータは一体に構成されている
ため、主アクチュエータの共振点は補助アクチュエータ
でも共振点として現れ、補助アクチュエータを用いてサ
ーボ帯域を広げることは難しい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】支持アーム毎に補助ア
クチュエータが設けられている従来のヘッドアクチュエ
ータ機構の場合、以下の問題を生じる。まず、第1に、
補助アクチュエータとなる圧電素子が支持アームの本数
だけ必要となる。このため、各圧電素子の特性にばらつ
きがある場合、磁気ヘッドの微少移動や磁気ヘッドスラ
イダーの浮上特性等にばらつきが生じる危険性が高くな
る。
【0023】また、補助アクチュエータを駆動するため
のケーブルや駆動回路が支持アームの本数だけ必要にな
り、補助アクチュエータを個々に制御するため、制御方
式も複雑化する。
【0024】更に、支持アーム毎に補助アクチュエータ
を駆動しているため、アクチュエータ構造全体の共振モ
ードを誘起し、結果的に磁気ヘッド位置決め系でのサー
ボ帯域を高くすることができないという問題もある。
【0025】本発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、磁気ヘッドを安定かつ高精度で位置決
めすることができるとともに、機械的強度および組立性
の向上したヘッドアクチュエータ機構、およびこれを備
えた磁気ディスク装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係るヘッドアクチュエータ機構は、磁気
ヘッドに対して情報の記録、読み出しを行う磁気ヘッド
を支持したサスペンションと、上記サスペンションを支
持したアームと、上記アームを回動自在に支持した支持
部と、上記アームを回動させるための駆動力を発生する
駆動部と、を備え、上記駆動部は、駆動コイルと、圧電
素子と、樹脂により上記駆動コイルおよび圧電素子と一
体的に成形され、上記駆動コイルおよび圧電素子を保持
した保持枠と、を備えていることを特徴としている。
【0027】また、この発明に係る磁気ディスク装置
は、磁気ディスクと、磁気ディスクを支持および回転駆
動する駆動手段と、磁気ヘッドに対して情報の記録、読
み出しを行う磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドを支持した
サスペンションと、上記サスペンションを支持したアー
ムと、上記アームを回動自在に支持した支持部と、上記
アームを回動させるための駆動力を発生する駆動部と、
を有するヘッドアクチュエータ機構と、を備え、上記ヘ
ッドアクチュエータ機構の駆動部は、駆動コイルと、圧
電素子と、樹脂により上記駆動コイルおよび圧電素子と
一体的に成形され、上記駆動コイルおよび圧電素子を保
持した保持枠と、を備えていることを特徴としている。
【0028】上記ヘッドアクチュエータ機構および磁気
ディスク装置において、上記圧電素子は、細長い形状を
有しているとともに、長手方向両端部に設けられた切欠
又は透孔を有していることを特徴とする。
【0029】上記ヘッドアクチュエータ機構および磁気
ディスク装置において、上記駆動部は、上記駆動コイル
および圧電素子の少なくとも一方に接続された複数の端
子を有し、樹脂により上記保持枠と一体的に成形された
コネクタを備えていることを特徴としている。
【0030】上記のように構成されたヘッドアクチュエ
ータ機構および磁気ディスク装置によれば、駆動コイル
と共に圧電素子を設けることにより、磁気ヘッドの共振
をキャンセルするように駆動部を制御することができ、
磁気ヘッドを安定かつ高精度で位置決めすることができ
る。
【0031】また、駆動コイルおよび圧電素子は、樹脂
からなる保持枠によって一体的に連結および保持されて
いるため、駆動部の機械的強度を向上させ、同時に、組
立性の向上を図ることができるとともに、駆動部の薄
型、軽量化を図ることが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態に係るHDDについて詳細に説明す
る。図1に示すように、HDDは、例えばアルミ合金等
によって形成され上面の開口した矩形箱状のケース12
と、複数のねじ11によりケースにねじ止めされてケー
スの上端開口を閉塞するトップカバー14と、を有して
いる。
【0033】ケース12内には、磁気記録媒体としての
磁気ディスク16、この磁気ディスクを支持および回転
駆動するスピンドルモータ18、磁気ディスクに対して
情報の書き込み、読み出しを行なう複数の磁気ヘッド4
0、これらの磁気ヘッドを磁気ディスク16に対して移
動自在に支持した回転型のヘッドアクチュエータ機構2
2、ヘッドアクチュエータ機構を駆動するボイスコイル
モータ(以下、VCMと略称する)24、およびヘッド
IC等を有する基板ユニット21が収納されている。
【0034】また、ケース12の底壁外面には、基板ユ
ニット21を介してスピンドルモータ18、VCM2
4、後述する圧電素子、および磁気ヘッドの動作を制御
する図示しないプリント回路基板がねじ止めされてい
る。
【0035】磁気ディスク16は、直径65mm(2.
5インチ)に形成され、上面および下面に磁気記録層を
有している。磁気ディスク16は、スピンドルモータ1
8の図示しないハブに同軸的に嵌合されているとともに
クランプばね17により保持されている。そして、磁気
ディスク16は、スピンドルモータ18によって所定の
速度で回転駆動される。
【0036】図2ないし図4に示すように、ヘッドアク
チュエータ機構22は、ケース12の底壁上に固定され
た軸受組立体26を備えている。支持部として機能する
軸受組立体26は、ケース12の底壁に対して垂直に立
設された枢軸27と、枢軸に一対の軸受を介して回転自
在に支持された円筒形状のハブ28と、を有している。
ハブ28の上端には環状のフランジ30が形成され、下
端部外周にはねじ部31が形成されている。
【0037】また、ヘッドアクチュエータ機構22は、
ハブ28に取り付けられた2本のアーム32a、32b
およびスペーサリング34と、各アームに支持された2
つの磁気ヘッド組立体36と、を備えている。
【0038】アーム32aおよび32bは、例えば、S
US304等のステンレス系の材料により、板厚250
μm程度の平板状に形成され所定の剛性を有していると
ともに、その一端、つまり、基端には円形の透孔33が
形成されている。同様に、スペーサリング34もステン
レス等によって形成されている。
【0039】各磁気ヘッド組立体36は、弾性変形可能
な細長い板状のサスペンション38と、サスペンション
の先端に固定された磁気ヘッド40と、を備えている。
サスペンション38は、板ばねにより構成され、その基
端がスポット溶接あるいは接着によりアーム32a、3
2bの先端に固定され、アームから延出している。
【0040】各磁気ヘッド40は、ほぼ矩形状のスライ
ダとこのスライダに形成された記録再生用のMR(磁気
抵抗)ヘッドとを有し、サスペンション38の先端部に
設けられた図示しないジンバル部に固定されている。ま
た、各磁気ヘッド40は、図示しない4つの電極を有し
ている。
【0041】磁気ヘッド組立体36が取り付けられたア
ーム32aおよび32bは、透孔33にハブ28を挿通
することにより、フランジ30上に積層された状態でハ
ブの外周に嵌合されている。また、スペーサリング34
は、アーム32a、32b間に挟まれた状態でハブ28
の外周に嵌合されている。
【0042】ハブ28の外周に嵌合された2本のアーム
32a、32b、およびスペーサリング34は、ハブ2
8のねじ部31に螺合されたナット42とフランジ30
との間に挟持され、ハブの外周面上に固定保持されてい
る。それにより、2本のアーム32a、32bは、所定
の間隔を置いて互いに平行に位置しているとともにハブ
28から同一の方向へ延出している。
【0043】アーム32a、32bに取り付けられた磁
気ヘッド組立体36の磁気ヘッド40は互いに向かい合
って位置し、アームおよびハブ28と一体的に回動可能
となっている。また、保持部として機能するスペーサリ
ング34には、後述するメインFPCの延出端部をねじ
止めするためのねじ孔34aが形成されているととも
に、アクチュエータ駆動部70が一体的に設けられ、ア
ーム32a、32bから離間する方向へ延出している。
【0044】図2ないし図5に示すように、アクチュエ
ータ駆動部70は、VCM16の一部を構成するボイス
コイル44と、圧電素子72と、を備え、これらは並ん
だ状態で配置されているとともに、合成樹脂で覆うこと
により一体的に保持されている。
【0045】詳細に述べると、ボイスコイル44はほぼ
台形状に巻回され、軸受組立体26とほぼ同芯の円弧状
に形成された内周部44aおよび外周部44bと、軸受
組立体に対してほぼ放射状に延びた一対の作用辺部44
c、44dと、を構成している。そして、ボイスコイル
44の内周部44a、外周部44b、および一方の作用
辺部44dの外側面は、合成樹脂からなる保持枠74に
よって被覆されている。保持枠74はボイスコイル44
とほぼ同一の厚さに形成されている。
【0046】圧電素子72は細長い矩形板状に形成さ
れ、ボイスコイル44の他方の作用辺部44cの外側面
とほぼ平行に並んで配置されているとともに、その両端
部が保持枠74内に埋め込まれた状態で保持されてい
る。図6(a)および6(b)に示すように、圧電素子
74の両端部には、合成樹脂との結合強度を高めるた
め、切欠75あるいは透孔76が形成されている。
【0047】また、保持枠74の一端部には、保持枠と
スペーサリング34とを連結するための断面L字状の取
付部80が形成されている。これに対し、スペーサリン
グ34の一端部には、図7に示すように、保持枠74の
取付部80が固定された所定幅の凹所77が形成され、
凹所の底面上には、取付部80とスペーサリングとの結
合強度を高めるため、複数の島状突起78が形成されて
いる。
【0048】保持枠74において、圧電素子72の一端
およびスペーサリング34に隣接した一端側面には、コ
ネクタ82が取り付けられている。このコネクタ82
は、ボイスコイル44に接続された2端子と、圧電素子
72に接続された2端子と、の金属4ピンを有してい
る。
【0049】更に、保持枠74において、圧電素子72
および取付部80から離間した一端側面には、側方に突
出したストッパ83が一体に形成されている。ストッパ
83には、衝撃力を低減するための透孔84が形成され
ばね性を有しているとともに、強磁性材料からなるマグ
ネットロック用のロックピン86が立設されている。
【0050】上記構成のアクチュエータ駆動部70は、
ボイスコイル44、圧電素子72、スペーサリング3
4、コネクタ82、およびロックピン86を所定の位置
関係に配置した状態で合成樹脂を充填することにより、
保持枠74と一体的に成形される。合成樹脂としては、
熱可塑性樹脂が好ましく、特に、成形温度が低く、成形
精度が高く、かつ、曲げ剛性の高い液晶ポリマー等が最
適である。なお、上記のように、圧電素子72は、その
両端部のみを保持枠74内に埋め込む構成とした場合、
保持枠74成形時、圧電素子の過度の温度上昇を防止
し、損傷を防止することができる。
【0051】図1からよくわかるように、上記構成のア
クチュエータ機構22をケース12に組み込んだ状態に
おいて、磁気ディスク16はアーム32a、32b間に
位置している。そして、アーム32a、32bから延び
るサスペンション38に取り付けられた磁気ヘッド40
は、磁気ディスク16の上面および下面にそれぞれ接触
し、磁気ディスク16を両面側から挟持している。各磁
気ヘッド40は、サスペンション38のばね力により所
定のヘッド荷重が印加され、磁気ディスク表面側に付勢
されている。
【0052】また、ヘッドアクチュエータ機構22をケ
ース12に組み込んだ状態において、アクチュエータ駆
動部70のボイスコイル44は、ケース12上に固定さ
れた一対のヨーク48間に位置し、これらのヨークおよ
び一方のヨークに固定された図示しない磁石とともにV
CM24を構成している。そして、ボイスコイル44に
通電することにより、ヘッドアクチュエータ機構22が
回動し、磁気ヘッド40は磁気ディスク16の所望のト
ラック上に移動および位置決めされる。
【0053】図1に示すように、基板ユニット21は、
ケース12の底壁上に固定された矩形状の基板本体51
を有し、この基板本体上には、磁気ヘッド40からのリ
ード信号を増幅する磁気ヘッドアンプ等の各種回路部
品、コネクタ等が実装されている。また、基板ユニット
21は、基板本体51から延出した帯状のメインフレキ
シブルプリント回路基板(以下メインFPCと称する)
54を一体に有している。
【0054】メインFPC54は、磁気ヘッド40と磁
気ヘッドアンプとを接続するための信号線や、ヘッドア
クチュエータ機構22のボイスコイル44、および圧電
素子72を駆動するためのケーブル等の配線パターンか
ら構成されている。また、メインFPC54の延出端部
54aは、ヘッドアクチュエータ機構22のスペーサリ
ング34にねじ止め固定されているとともに、この延出
端部には、図示しない多数の接続パッドが設けられてい
る。
【0055】一方、各磁気ヘッド40は、それぞれ中継
フレキシブルプリント回路基板(以下中継FPCと称す
る)60を介してメインFPC54の対応する接続パッ
ドに電気的に接続されている。図3および図4に示すよ
うに、中継FPC60は、各アーム32a、32bおよ
びサスペンション38の表面に貼り付け固定され、サス
ペンションの先端からアームの基端に亘って延びてい
る。
【0056】中継FPC60は、全体として細長い帯状
に形成され、サスペンション38の先端に位置した先端
部60aと、アーム32a、32bの基端から導出した
接続端部60bと、を有している。先端部60aには、
磁気ヘッド40の電極に電気的に接続された図示しない
4つの第1電極パッドが設けられている。また、接続端
部60bには4つ第2電極パッド62が設けられ、これ
らの第2電極パッドは、メインFPC54の延出端部に
設けられた接続パッドに半田付けされている。これによ
り、磁気ヘッド40は、中継FPC60を介してメイン
FPC54に電気的に接続されている。
【0057】以上のように構成されたHDDによれば、
作動時、スピンドルモータ18によって磁気ディスク1
6が高速で回転駆動されるとともに、図示しないサーボ
システムは、VCM24のボイスコイル44に駆動電流
を供給する。すると、ボイスコイル44から発生する磁
界とヨーク48に設けられた永久磁石からの磁界との相
互作用によりボイスコイルの作用辺部44c、44dに
電磁力が発生し、ヘッドアクチュエータ機構22が軸受
組立体26を中心として回転する。各磁気ヘッド40
は、磁気ディスク16上を浮上した状態で、磁気ディス
ク半径方向に移動し、目標位置に位置決めされる。
【0058】一方、サーボシステムは、上述したように
VCM24のボイスコイル44に駆動電流を供給する一
方で、圧電素子72にも駆動電圧を供給する。図2に示
すように、圧電素子72は、駆動電圧の供給に応じて長
手方向(矢印A方向)に数ミクロン程度伸縮してヘッド
アクチュエータ機構22に共振モードを励起し、ボイス
コイル44を加振する。
【0059】そして、圧電素子72は、磁気ヘッド40
に対して、回転中心である軸受組立体26の反対側に位
置しているとともに、ヘッドアクチュエータ機構22の
軸線C(共振モードの不動点)から外れて位置してい
る。この結果、圧電素子72の長手方向Aの伸縮に応じ
て、各磁気ヘッド40は、共振モード時、矢印B方向に
微少距離駆動される。これにより、ヘッドアクチュエー
タ機構22のボイスコイル44に起因する機械的共振モ
ードを、圧電素子72により安定して打ち消すことがで
きる。従って、ヘッドアクチュエータ機構22による磁
気ヘッドの位置決め制御に悪影響を与える機械的共振モ
ードを無くし、高周波帯域までフラットな特性にするこ
とができる。これにより、高周波帯域まで良好な位置決
めサーボ系を実現でき、結果的に高精度の磁気ヘッド位
置決め動作を実現する事が可能となる。
【0060】ここで、ヘッドアクチュエータ機構22の
制御系の構成について説明する。本実施の形態に係る制
御系によれば、ヘッドアクチュエータ機構22全体の機
械的共振モードを打ち消すために作用する圧電素子72
の制御ループにバンドパスフィルタ100が設けられ、
圧電素子72の作動周波数範囲は、最適範囲に制限され
る。
【0061】図8は、本実施の形態に係るのヘッドアク
チュエータ機構22の制御系を構成するフィードバック
制御系を示している。図8において、制御系の入力信号
Eは、磁気ヘッド40の目標位置に対する位置誤差を示
す位置誤差信号である。この位置誤差信号ば、磁気ディ
スク16のサーボエリアに予め記録されたサーボデータ
(速度制御用のシリンダ番号と位置制御用のバーストデ
ータ)を磁気ヘッド4によって読取り、読取った位置誤
差信号に基づいて生成される。
【0062】図8に示すように、位置誤差信号Eは、補
償器102を介してボイスコイル2のコイル駆動部10
4(へッド伝達特性をP1(S)と表現する)に入力さ
れる。コイル駆動部104は、入力された位置誤差信号
Eに基づいてVCM24を駆動する。
【0063】一方、位置誤差信号Eは、反転アンプ10
6により位相が逆転され、2kHz〜6kHzの帯域の
みを通過させるバンドパスフィルタ108により不要帯
域がカットされゲイン部110(ゲインをKと表現す
る)により所定のゲインKを掛けられて、圧電素子72
用の素子駆動部112(ヘッド伝達特性をP2(S)と
表現する)に入力される。
【0064】そして、コイル駆動部104と素子駆動部
112との各出力の加算結果に基づいて、磁気ヘッド4
0が磁気ディスク16上の目標位置に制御される。この
ようなフィードバック系を形成した駆動制御方式によ
り、ヘッドアクチュエータ機構22の4.6kHzにあ
る第2主共振のピークを打ち消して、磁気ヘッド40を
目標位置に高精度に位置決めすることができる。
【0065】すなわち、上記制御系の動作原理について
説明すると、図9は、ヘッドアクチュエータ機構22に
関して、有限要素法構造解析の固有値解析ルーチンを用
いて解析することにより得られたヘッドアクチュエータ
機構全体の機械的共振モードを示すもので、ボイスコイ
ル44および保持枠74が大きく変形するモードで、こ
の場合の共振周波数は4.6kHzである。
【0066】図10は、VCM24に関するヘッド伝達
特性P1(S)の解析結果と、圧電素子72に関するへ
ッド伝達特性P2(S)の解析結果とを磁気ヘッド40
毎に示したグラフであり、両者ともに4.6kHzの周
波数で第2主共振のピークを作っていることが分かる。
これは、図9に示す振動モードに起因するものである。
【0067】VCM24に関わる第2主共振のピークと
圧電素子72に関わる第2主共振のピークとは、位相が
一致しゲインのみ異なっているという関係にある。この
ため、素子駆動部112の前段におけるゲインKを、上
記2つの第2主共振ピークが一致するように定めること
により、4.6kHzの共振ピークを打ち消して無くす
ことができる。
【0068】ここで、図10の要部を拡大して示した図
11および図12に示すように、4.6kHz近傍の位
相は、磁気ヘッド40に対して揃っており、かつ各磁気
ヘッドに関する4.6kHzのゲインのピーク値も揃っ
ている。このことは、上述した4.6kHzの共振ピー
クの打ち消す際、複数の磁気ヘッドのうち特定のへッド
の共振が残ることなく、複数の磁気ヘッドをばらつきな
く制御できることを意味している。
【0069】また、バンドパスフィルタ106の通過帯
域(2〜6kHz)は、上述した解析結果に基づいて定
められている。すなわち、打ち消す必要のある共振周波
数は1kHz以上であり、かつ数kHz以上の高い共振
はそもそも絶対ゲインが小さくなっているため無視でき
る。従って、バンドパスフィルタ108の通過周波数帯
域は、打ち消すべき第2主共振周波数4.6kHzを中
心として両側に適宜広げた値に設定すればよいことにな
る。また、不要な位相回転防止の観点から、第2主共振
周波数をバンドパスフィルタ108の通過周波数帯域の
略真ん中に設定すべきという点についても考慮される。
【0070】上述した点を考慮した上で、バンドパスフ
ィルタ108の通過帯域の上限周波数および下限周波数
は、第2主共振のピークを中心として、他のピークを含
まないように、第2主共振が立ち上がる周波数(図11
参照)である2kHzおよび6kHzにそれぞれ設定さ
れている。
【0071】このようにバンドパスフィルタ108の通
過帯域を2〜6kHzに定めた場合、バンドパスフィル
タ108の後段に設けられた素子駆動部112により駆
動される圧電素子6は、周波数2〜6kHzの範囲で作
動し、この周波数2〜6kHzの間にある第2主共振の
ピークのみ打ち消する。従って、他のピークの共振周波
数には、圧電素子72影響が現れないようにすることが
できる。
【0072】換言すれば、バンドパスフィルタ108に
よってDCを含む低減および数kHz以上の高周波域を
カットし圧電素子72の作動帯域を2〜6kHzに制限
することにより、圧電素子72を含むことによるサーボ
系の安定度の低下を防止することができる。
【0073】その結果、サーボ系のゲインクロス周波数
を高くすることができる。即ち、磁気ヘッド40は、高
周波帯域まで磁気ディスク16上の目標トラックに追従
することができる。したがって、へッド位置決め精度が
向上し、磁気ディスク16上のトラックピッチを小さく
することが可能となり、結果的に記憶容量の増大化を実
現することができる。
【0074】また、圧電素子72を動作させる周波数範
囲が制限されるため、圧電素子の消費電力を低減するこ
とができる。以上説明したように、本実施の形態に係る
HDDによれば、ヘッドアクチュエータ機構22のVC
M24に起因する機械的共振モードを、圧電素子72に
よって安定して打ち消すことができる。これにより、磁
気へッド位置決め制御系の開ループ特性を高周波帯域ま
でフラットな特性にすることができ、高周波帯域まで良
好な位置決めサーボ系を実現できる。その結果、高精度
のへッド位置決め動作を実現する事が可能となる。
【0075】また、上記構成のHDDによれば、アクチ
ェータ駆動部70のボイスコイル44、圧電素子72、
およびスペーサリング34は、合成樹脂からなる保持枠
74によって一体的に連結および保持されている。従っ
て、アクチェータ駆動部70の機械的強度の向上、組立
性の向上を図ることができるとともに、アクチェータ駆
動部の薄型、軽量化を図ることができる。
【0076】更に、ボイスコイル44および圧電素子7
2の電源用のコネクタ82は、樹脂によりアクチュエー
タ駆動部70と一体的に形成されているため、配線の簡
素化、接続不良の低減を図ることができる。
【0077】圧電素子72は、比較的スペースに余裕の
あるボイスコイル近傍に配置されているため、スペース
的に余裕の無い支持アーム側の構成部材に制約を受ける
ことがない。このためHDD全体を薄型化することがで
きる。
【0078】また、上記実施の形態では、圧電素子72
の両端部のみを保持枠74内に埋め込んで保持し、他の
部分は外部に露出している。そのため、保持枠74とし
て、形成温度の高い樹脂、例えば、ポリカーボネイト等
を使用することができる。
【0079】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、ヘッドアクチュエータ機構22の制御系
は、図13に示すように、マイクロプロセサ(MPU)
を使用したデジタル制御方式としてもよい。
【0080】このデジタル制御方式によれば、磁気へッ
ド40により磁気ディスク16から読み込まれた位置誤
差信号Eは、A/D変換器120によってデジタルデー
タに変換されて、MPU122に入力される。
【0081】MPU122は、その内部構成として、デ
ジタルフィルタである補償器123aおよびフィルタ1
23bを有している。即ち、補償器123aおよびフィ
ルタ123bの機能は、MPU122のデジタルフィル
タ演算処理により得られる。補償器123aから出力さ
れたデジタル制御出力は、D/A変換器124aにより
アナログ信号に変換され、更に、駆動アンプ126aに
より増幅され、コイル駆動部104に入力される。
【0082】一方、フィルタ123bから出力されたデ
ジタル制御出力は、D/A変換器124bによりアナロ
グ信号に変換されて、更に、ゲイン部110によりゲイ
ンKを掛けられて駆動アンプ126bにより増幅され
る。駆動アンプ126bの出力は、素子駆動部112に
入力される。ゲイン部110は、MPUの内部演算中に
設定されていてもよい。
【0083】以下、A/D変換器120のサンプリング
周波数の設定について説明する。主共振周波数は、伝達
特性で位相が180度回転する周波数であるが、第1
(1次)主共振周波数は、略10〜20Hzの間、第2
(2次)主共振周波数は、4.6kHz程度、第3(3
次)主共振周波数は、7kHz程度になる(図10乃至
図12参照)。
【0084】圧電素子72によって打ち消すべき共振周
波数は、4.6kHzの第2主共振周波数である。第2
主共振周波数を打ち消すと、ヘッドアクチュエータ機構
22のシーク方向に関する第3主共振は逆に増幅される
ため、このままではサーボ系は不安定となる。
【0085】ここで、離散的なサーボ系では、サンプリ
ング周波数でゲイン零、1/2サンプリング周波数で−
4dBのノッチフィルター特性を持つため、サンプリン
グ周波数の1/2以上に3次主共振周波数が存在するよ
うにするとゲインが低下しサーボ系が安定化する。更
に、サーボ系にとって意味を持つ周波数範囲は、DC〜
サンプリング周波数の1/2までであるため、サンプリ
ング周波数の1/2以上に3次主共振周波数を設定する
と、3次共振はサーボ系に現れなくなり安定度に影響し
なくなる。
【0086】従って、サーボ系を安定させるには、サー
ボシステムのサンプリング周波数、すなわちA/D変換
器120のサンプリング周波数は、その1/2の値がV
CM24の第3主共振周波数以下に設定すればよい。言
い換えれば、A/D変換器120のサンプリング周波数
は、VCM24の駆動に起因する第3主共振周波数の2
倍以下に設定すればよい。図1ないし図4に示したヘッ
ドアクチュエータ機構22においては、第3主共振周波
数が7kHz(図11および図12参照)であるため、
サンプリング周波数は14kHzに設定すればよいこと
になる。この結果、第3主共振のピークが抑圧されサー
ボ系の安定性が向上する。
【0087】更に、この発明によれば、上述した制御系
の他、アクチュエータ駆動部70の構成についても種々
変形可能である。例えば、図14に示すように、アクチ
ュエータ駆動部70において、圧電素子72とボイスコ
イル44との間にも合成樹脂を充填してもよく、この場
合、アクチュエータ駆動部の機械的強度を一層向上する
ことができる。
【0088】また、図15に示すように、アクチュエー
タ駆動部70において、圧電素子72の外側面を合成樹
脂で覆ってもよく、この場合、外部衝撃に対して圧電素
子72を保護することができる。
【0089】あるいは、図16に示すように、アクチュ
エータ駆動部70において、圧電素子72全体を樹脂で
覆う構成としてもよく、この場合、アクチュエータ駆動
部の機械的強度を向上、圧電素子72の耐衝撃性の向上
を図ることができる。
【0090】また、上述した実施の形態において、圧電
素子72は、ボイスコイル44の左側に設けられている
が、これに限らず、図17に示すように、ボイスコイル
44の他側、つまり、ストッパ83側に設けられていて
もよく、あるいは、図18に示すように、ボイスコイル
44の両側に設けられていてもよい。
【0091】上記実施の形態では、保持枠74をボイス
コイル44とほぼ同一の厚さとすることによりHDD全
体の薄型化を図る構成としたが、HDD自体に厚さの余
裕がある場合、ボイスコイル全面を樹脂で覆う構成とし
てもく、この場合、アクチュエータ駆動部の機械的強度
を一層向上させることができる。
【0092】また、保持枠74に埋め込まれたコネクタ
82は、ボイスコイル44に接続された2端子、あるい
は圧電素子72に接続された2端子のいずれか一方のみ
を備えた構成としてもよい。その他、例えば、磁気ディ
スクの枚数、これに対応する磁気ヘッドの数、アームの
数等は、必要に応じて増加可能である。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、駆動コイルおよび圧電素子を備えたヘッドアクチュ
エータ機構において、磁気ヘッドを安定かつ高精度で位
置決めすることができるとともに、機械的強度および組
立性の向上したヘッドアクチュエータ機構、およびこれ
を備えた磁気ディスク装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るHDDを示す分解斜
視図。
【図2】上記HDDに設けられたヘッドアクチュエータ
機構の平面図。
【図3】上記ヘッドアクチュエータ機構の斜視図。
【図4】上記ヘッドアクチュエータ機構の分解斜視図。
【図5】上記ヘッドアクチュエータ機構のアクチュエー
タ駆動部を示す平面図および側面図。
【図6】上記アクチュエータ駆動部の圧電素子を示す平
面図。
【図7】上記ヘッドアクチュエータ機構のスペーサリン
グを示す平面図。
【図8】上記ヘッドアクチュエータ機構の駆動制御系を
示すブロック図。
【図9】上記ヘッドアクチュエータ機構の機械的共振モ
ードを概略的に示す図。
【図10】上記ヘッドアクチュエータ機構の伝達特性の
解析結果を示す図。
【図11】図10の領域Aを拡大して示す図。
【図12】図10の領域Bを拡大して示す図。
【図13】この発明の他の実施の携帯に係る制御系を示
すブロック図。
【図14】この発明の他の実施の形態に係るヘッドアク
チュエータ機構のアクチュエータ駆動部を示す平面図。
【図15】この発明の他の実施の形態に係るヘッドアク
チュエータ機構のアクチュエータ駆動部を示す平面図。
【図16】この発明の他の実施の形態に係るヘッドアク
チュエータ機構のアクチュエータ駆動部を示す平面図。
【図17】この発明の他の実施の形態に係るヘッドアク
チュエータ機構のアクチュエータ駆動部を示す平面図。
【図18】この発明の他の実施の形態に係るヘッドアク
チュエータ機構のアクチュエータ駆動部を示す平面図。
【符号の説明】
12…ケース 16…磁気ディスク 21…基板ユニット 22…ヘッドアクチュエータ機構 24…ボイスコイルモータ 26…軸受組立体 38…サスペンション 40…磁気ヘッド 44…ボイスコイル 70…アクチュエータ駆動部 72…圧電素子 74…保持枠 82…コネクタ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ヘッドに対して情報の記録、読み出し
    を行う磁気ヘッドを支持したサスペンションと、上記サ
    スペンションを支持したアームと、上記アームを回動自
    在に支持した支持部と、上記アームを回動させるための
    駆動力を発生する駆動部と、を備え、 上記駆動部は、駆動コイルと、圧電素子と、樹脂により
    上記駆動コイルおよび圧電素子と一体的に成形され、上
    記駆動コイルおよび圧電素子を保持した保持枠と、を備
    えていることを特徴とするヘッドアクチュエータ機構。
  2. 【請求項2】上記圧電素子は、上記駆動コイルの一側に
    沿って延出して配置され、上記保持枠は、上記圧電素子
    の長手方向両端部、および上記駆動コイルの他の側面を
    覆っていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドア
    クチュエータ機構。
  3. 【請求項3】上記圧電素子は、上記駆動コイルの一側に
    沿って延出して配置され、上記保持枠は、上記圧電素子
    の長手方向両端部、上記圧電素子の上記駆動コイル側の
    側縁、および上記駆動コイルの全周を覆っていることを
    特徴とする請求項1に記載のヘッドアクチュエータ機
    構。
  4. 【請求項4】上記圧電素子は、上記駆動コイルの一側に
    沿って延出して配置され、上記保持枠は、上記圧電素子
    の長手方向両端部、上記圧電素子の上記駆動コイルと反
    対側の側縁、および上記駆動コイルの他の側面を覆って
    いることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアクチュ
    エータ機構。
  5. 【請求項5】上記圧電素子は、上記駆動コイルの一側に
    沿って延出して配置され、上記保持枠は、上記圧電素子
    全体、および上記駆動コイルの全周を覆っていることを
    特徴とする請求項1に記載のヘッドアクチュエータ機
    構。
  6. 【請求項6】上記駆動コイルは、上記支持部に対してほ
    ぼ放射状に延出した一対の作用辺部を有し、上記圧電素
    子は、少なくとも一方の操作辺部に沿って延出して配置
    されていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれ
    か1項に記載のヘッドアクチュエータ機構。
  7. 【請求項7】上記圧電素子は、細長い形状に形成され上
    記保持枠に埋め込まれた長手方向両端部を有していると
    ともに、上記長手方向両端部に設けられた切欠又は透孔
    を有していることを特徴とする請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載のヘッドアクチュエータ機構。
  8. 【請求項8】上記駆動部は、上記駆動コイルおよび圧電
    素子の少なくとも一方に接続された複数の端子を有し、
    樹脂により上記保持枠と一体的に成形されたコネクタを
    備えていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    か1項に記載のヘッドアクチュエータ機構。
  9. 【請求項9】上記支持部に取付られた板状の保持部を備
    え、上記駆動部は、上記アームから離間する方向に沿っ
    て上記駆動部から延出し、 上記保持枠は、上記保持部に一体に成形された取付け部
    を有していることを特徴とする請求項1ないし8のいず
    れか1項に記載のヘッドアクチュエータ機構。
  10. 【請求項10】磁気ディスクと、 磁気ディスクを支持および回転駆動する駆動手段と、 磁気ヘッドに対して情報の記録、読み出しを行う磁気ヘ
    ッドと、 上記磁気ヘッドを支持したサスペンションと、上記サス
    ペンションを支持したアームと、上記アームを回動自在
    に支持した支持部と、上記アームを回動させるための駆
    動力を発生する駆動部と、を有するヘッドアクチュエー
    タ機構と、を備え、 上記ヘッドアクチュエータ機構の駆動部は、駆動コイル
    と、圧電素子と、樹脂により上記駆動コイルおよび圧電
    素子と一体的に成形され、上記駆動コイルおよび圧電素
    子を保持した保持枠と、を備えていることを特徴とする
    磁気ディスク装置。
  11. 【請求項11】上記圧電素子は、細長い形状に形成され
    上記保持枠に埋め込まれた長手方向両端部を有している
    とともに、上記長手方向両端部に設けられた切欠又は透
    孔を有していることを特徴とする請求項10に記載の磁
    気ディスク装置。
  12. 【請求項12】上記駆動部は、上記駆動コイルおよび圧
    電素子の少なくとも一方に接続された複数の端子を有
    し、樹脂により上記保持枠と一体的に成形されたコネク
    タを備えていることを特徴とする請求項10又は11に
    記載の磁気ディスク装置。
  13. 【請求項13】上記駆動コイルおよび圧電素子を駆動制
    御するサーボシステムを備え、 上記サーボシステムは、上記磁気ヘッドにより磁気ディ
    スクから読み取ったサーボデータに基づいて生成された
    位置誤差信号に含まれる周波数成分から、上記駆動コイ
    ルの駆動に起因して上記磁気ヘッドに発生する共振周波
    数を含む所定周波数帯域以外の周波数成分を除去するフ
    ィルタを有し、上記フィルタを通過した上記位置誤差信
    号に基づいて上記圧電素子を駆動することを特徴とする
    請求項10ないし12のいずれか1項に記載の磁気ディ
    スク装置。
  14. 【請求項14】上記駆動コイルおよび圧電素子をデジタ
    ル制御方式により駆動制御するサーボシステムを備え、 上記サーボシステムにおいて、上記磁気ヘッドにより上
    記磁気ディスクから読み取ったサーボデータに基づいて
    生成された位置誤差信号をA/D変換する際のサンプリ
    ング周波数は、上記駆動コイルの駆動に起因して発生す
    る上記磁気ヘッドの移動方向に関する3次の主共振周波
    数の2倍より高く設定されていることを特徴とする請求
    項10ないし12のいずれか1項に記載の磁気ディスク
    装置。
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