JPH11328624A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents
磁気抵抗効果素子Info
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- JPH11328624A JPH11328624A JP13949898A JP13949898A JPH11328624A JP H11328624 A JPH11328624 A JP H11328624A JP 13949898 A JP13949898 A JP 13949898A JP 13949898 A JP13949898 A JP 13949898A JP H11328624 A JPH11328624 A JP H11328624A
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Abstract
なうことなくセンス電流による磁界をアンバランスにし
て、フリー層の磁化方向を制御する。 【解決手段】 第1の非磁性金属層3及び第2の非磁性
金属層5により互いに分離された第1の強磁性体層2、
第2の強磁性体層4、及び、第3の強磁性体層6を備え
るとともに、第1の強磁性体層2及び第3の強磁性体層
6の磁化方向が互いに平行に固定されたデュアルスピン
バルブ型の磁気抵抗効果素子の第1の非磁性金属層3を
Pdを含む相対的に比抵抗の大きな層で構成する。
Description
関し、特に、磁気抵抗効果を損なうことなく静磁気結合
による磁界の影響を低減するための非磁性金属層、即
ち、中間層の構成に特徴のあるデュアルスピンバルブ効
果を利用した磁気抵抗効果素子に関するものである。
容量化の需要の高まりに伴い、高密度磁気記録が可能な
ハードディスク装置の研究開発が急速に進められてお
り、この様な磁気記録装置の読取ヘッドとして低磁界で
大きな出力が得られる巨大磁気抵抗(GMR)効果を使
用した磁気センサが開発されている。
果利用の磁気抵抗センサ(特開平4−358310号公
報参照)」が提案されているが、この磁気センサは、非
磁性金属層によって分離された2つの結合していない強
磁性体層を備え、一方の強磁性体層にFeMnで代表さ
れる反強磁性体層を付着して強磁性体層の磁化Mが固定
されているサンドイッチ構造となっている。
されると、磁化が固定されていない他方の強磁性体層、
即ち、フリー(free)層の磁化方向が外部磁場に一
致して自由に回転するため、磁化が固定された強磁性体
層、即ち、ピンド(pinned)層の磁化方向と角度
差を生ずることになる。
依存した散乱が変化し、電気抵抗値が変化するので、こ
の電気抵抗値の変化を定電流のセンス電流を流すことに
よって電圧値の変化として検出し、それによって、外部
磁場の状況、即ち、磁気記録媒体からの信号磁場を取得
するものであり、このスピンバルブ磁気抵抗センサの磁
気抵抗変化率は約5%程度となる。
率を高めるために、同じくIBMにより「二重スピン・
バルブ磁気抵抗センサ(特開平6−223336号公報
参照)」が提案されており、このデュアル(二重)スピ
ンバルブ磁気抵抗効果素子は、フリー層を中心に対称的
にスピンバルブ構造を積層したものであり、この構成に
よって約2倍の磁気抵抗変化を得ているので、図4を参
照してこの様なデュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子
を説明する。
分離して示した斜視図であり、まず、基板(図示せず)
上にスパッタリング法を用いて所定方向の第1の磁界を
印加しながらTa層及びNiFe層を順次積層させて下
地層(図示せず)を形成したのち、引き続いて反強磁性
体層31、強磁性体層からなるピンド層32、非磁性金
属であるCuからなるCu中間層33、強磁性体層から
なるフリー層34、Cu中間層35、強磁性体層からな
るピンド層36、及び、反強磁性体層37を順次積層さ
せたのち、真空中で第1の磁界と直交する第2の磁界を
印加した状態で熱処理を行うことによって反強磁性体層
31,37の磁化方向を決定することによって、磁気抵
抗効果素子の基本構造を形成する。
化方向M3 ,M4 は反強磁性体層31,37の磁化方向
M1 ,M2 に固定され、一方、フリー層34の磁化方向
M5は、上下のピンド層32,36の静磁気結合による
磁界38によって、図4において細い実線で示す面内
で、破線で示す矢印の方向から実線で示す矢印の方向
に、即ち、ピンド層32,36の磁化方向M3 ,M4 と
反平行な方向に回転してしまうことになる。
転によって、外部印加磁場がないときの動作中心点、即
ち、最大抵抗と最小抵抗の中心値を与える磁場強度が中
心である零磁場からずれてしまい、動作中心点の変動に
ともなって、磁気抵抗センサのバイアス点が変動し、十
分なダイナミックレンジが確保できなくなるという問題
がある。
5 の回転は、デュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子を
ヘッドとして組み込む際のプロセス中のレジスト硬化処
理に代表される磁場中熱処理によっても、或いは、ヘッ
ドとして動作させる際に、デュアルスピンバルブ磁気抵
抗効果素子を上下から挟むシールド層から発生する漏れ
磁界によっても生ずるものである。
果素子においては、この様な静磁気結合による磁界38
の影響はセンス電流39の値を適当に選択することによ
って、センス電流による磁界によって相殺していたが、
デュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子においては、低
抵抗の2つのCu中間層33,35を中心に流れるセン
ス電流39によって、センス電流による磁界40,41
が発生するが、このセンス電流による磁界40,41は
互いに同等であり、フリー層34に対しては反対向きの
誘導磁界が作用し、結果的にセンス電流による磁界4
0,41の与える影響は相殺されることになり、フリー
層34の磁化方向M5 の制御を行うことができなかっ
た。
抵抗効果素子の反強磁性体層31,37としてPd・P
t・Mnを用いた場合には、従来のFeMnとは異な
り、下の層がどの様な結晶構造を有していても反強磁性
体特性を失わないので、上下のどちらのピンド層32,
36に対しても固定磁界を与えることができる(必要な
らば、特願平8−257068号参照)。
転の問題点を解決するために、本発明者は、センス電流
による磁界40,41をアンバランスにすることによっ
て、静磁気結合による磁界38の影響を相殺することを
提案している(必要ならば、特願平9−261641号
参照)ので、図5を参照してこの改良型デュアルスピン
バルブ磁気抵抗効果素子を説明する。 図5参照 図5も反強磁性体層31乃至反強磁性体層37の各層を
分離して示した斜視図であり、まず、Al2 O3 −Ti
Cセラミックからなる基板(図示せず)上にスパッタリ
ング法を用いてNb層及びNiFe層を順次積層させて
下地層(図示せず)を形成する。
いて、Pd31Pt17Mn52からなる反強磁性体層31、
Co90Fe10からなるピンド層32、Cu中間層33、
Co 90Fe10/Ni81Fe19/Co90Fe10からなる3
層構造のフリー層34、Ag中間層42、Co90Fe10
からなるピンド層36、及び、Pd31Pt17Mn52から
なる反強磁性体層37を順次積層させる。
固定するために、100kA/mの直流磁場を印加しな
がら、真空中で230℃で1〜3時間の熱処理を行うこ
とによって反強磁性体層31,37の磁化方向を印加し
た直流磁場の方向とすることによって、磁気抵抗効果素
子の基本構造を形成する。
2,36の磁化方向M3 ,M4 は反強磁性体層31,3
7の磁化方向M1 ,M2 に固定され、一方、フリー層3
4の磁化方向M5 はピンド層32,36の磁化方向
M3 ,M4 とほぼ直交した方向となり、電極間にセンス
電流39(Isens)を流すことによって外部印加磁場を
測定することができる。
の比抵抗が異なるため、Cu中間層33(比抵抗:1.
55×10-6Ω・cm)に比べて比抵抗の小さなAg中
間層42(比抵抗:1.47×10-6Ω・cm)の方に
多くのセンス電流39が流がれ、Ag中間層42側のセ
ンス電流による磁界40とCu中間層33側のセンス電
流による磁界41とが非対称になり、相対的に大きな誘
導磁界となるセンス電流による磁界40によって静磁気
結合による磁界38の影響を相殺しているためである。
なお、比抵抗は0℃における比抵抗であり、以下同様で
ある。
層をCuで構成し、ビンド層36側の中間層の厚さを相
対的に厚くすることによって静磁気結合による磁界38
の影響を相殺すること、及び、ビンド層36側の中間層
をCuで構成し、ピンド層32側の中間層をCuより比
抵抗の大きなPt(比抵抗9.81×10-6Ω・cm)
等で構成することにより静磁気結合による磁界38の影
響を相殺することも提案している。
型デュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子においては、
中間層としてCu以外の非磁性金属を用いた場合、得ら
れる磁気抵抗効果がCuを用いた場合に比べて小さくな
ってしまうことが知られており、フリー層34の磁化方
向M5 は制御できるものの、素子として得られる出力が
小さくなってしまうという問題がある。
なうことなくセンス電流による磁界をアンバランスにし
て、フリー層の磁化方向を制御することを目的とする。
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、第1の非磁性金属層3及び第2の非磁
性金属層5によりそれぞれ互いに分離された第1の強磁
性体層2、第2の強磁性体層4、及び、第3の強磁性体
層6を備え、第2の強磁性体層4が第1の非磁性金属層
3と第2の非磁性金属層5との間に配置されるととも
に、第1の強磁性体層2及び第3の強磁性体層6の磁化
方向が互いに平行に固定され、且つ、第1の非磁性金属
層3及び第2の非磁性金属層5の比抵抗が互いに異なる
デュアルスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子において、
相対的に比抵抗の大きな第1の非磁性金属層3が少なく
ともPdを含むことを特徴とする。
るセンス電流と第2の非磁性金属層5側に流れるセンス
電流を非対称にすることによって、センス電流による磁
界を非対称にする場合、相対的に比抵抗の大きな第1の
非磁性金属層3を少なくともPd(比抵抗:10.0×
10-6Ω・cm)を含む層で構成することによって磁気
抵抗効果の低減を防止することができ、それによって、
磁気抵抗効果を損なうことなく第2の強磁性体層4、即
ち、フリー層の磁化方向を任意に制御することができ
る。
て、第1の非磁性金属層3を、Pdの単層によって構成
することを特徴とする。
非磁性金属層3は、単層のPd層によって構成すること
が望ましく、それによって、Cuを用いた場合と同程度
以上の磁気抵抗効果を得ることができる。
て、第1の非磁性金属層3を、Pdと、Ag,Cu,A
u,Ptの内のいずれかの金属との積層構造で構成する
ことを特徴とする。
非磁性金属層3は、Pdと、Ag,Cu,Au,Ptの
内のいずれかの金属との積層構造、例えば、Cu/Pd
/Cu積層構造によって構成しても良く、それによって
も、Cuを用いた場合と同程度以上の磁気抵抗効果を得
ることができる。
て、第1の非磁性金属層3を、Pdと、Ag,Cu,A
u,Ptの内のいずれかの金属との合金層で構成するこ
とを特徴とする。
非磁性金属層3は、Pdと、Ag,Cu,Au,Ptの
内のいずれかの金属との合金層、例えば、Pd−Cu合
金層によって構成しても良く、それによっても、Cuを
用いた場合と同程度の磁気抵抗効果を得ることができ
る。
層3及び第2の非磁性金属層5によりそれぞれ互いに分
離された第1の強磁性体層2、第2の強磁性体層4、及
び、第3の強磁性体層6を備え、第2の強磁性体層4が
第1の非磁性金属層3と第2の非磁性金属層5との間に
配置されるとともに、第1の強磁性体層2及び第3の強
磁性体層6の磁化方向が互いに平行に固定され、且つ、
第1の非磁性金属層3及び第2の非磁性金属層5の比抵
抗が互いに異なるデュアルスピンバルブ型の磁気抵抗効
果素子において、相対的に比抵抗の大きな第1の非磁性
金属層3を、TaまたはWを、CuまたはPdで挟んだ
サンドイッチ構造で構成することを特徴とする。
非磁性金属層3は、高比抵抗のTa(比抵抗:12.3
×10-6Ω・cm)またはW(比抵抗:4.9×10-6
Ω・cm)をCuまたはPdで挟んだサンドイッチ構
造、例えばCu/Ta/Cu積層構造で構成しても良
く、強磁性体層と接する界面にはCu層或いはPd層が
存在するため、磁気抵抗効果を損なうことがない。
層3及び第2の非磁性金属層5によりそれぞれ互いに分
離された第1の強磁性体層2、第2の強磁性体層4、及
び、第3の強磁性体層6を備え、第2の強磁性体層4が
第1の非磁性金属層3と第2の非磁性金属層5との間に
配置されるとともに、第1の強磁性体層2及び第3の強
磁性体層6の磁化方向が互いに平行に固定され、且つ、
第1の非磁性金属層3及び第2の非磁性金属層5の比抵
抗が互いに異なるデュアルスピンバルブ型の磁気抵抗効
果素子において、相対的に比抵抗の大きな第1の非磁性
金属層3を、TaまたはWの少なくとも一方と、Cuま
たはPdの少なくとも一方との合金層で構成することを
特徴とする。
非磁性金属層3は、高比抵抗のTaまたはWの少なくと
も一方と、CuまたはPdの少なくとも一方との合金
層、例えば、Ta−Cu合金層で構成しても良く、第1
の非磁性金属層3にCu或いはPdが含有されるため、
磁気抵抗効果の劣化が少なくなる。
の第1の実施の形態の磁気抵抗効果素子を説明する。 図2参照 図2はデュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子を形成す
るための積層体の要部断面構造であり、まず、(10
0)面を主面とするシリコン基板11上に30Oe(≒
2.4kA/m)の磁界を印加しながら、スパッタリン
グ法を用いて厚さ5nmのNb層及び厚さ5nmNiF
e層を順次積層させて下地層12を形成する。
しながらスパッタリング法を用いて、厚さ10〜25n
m、例えば、25nmのPd32Pt17Mn51からなる反
強磁性体層13、厚さ1〜4nm、例えば、2nmのC
o90Fe10からなるピンド層14、厚さ2.0〜8.0
nm、例えば、2.5nmのPd中間層15、厚さ2n
mのCo90Fe10/厚さ4nmのNi81Fe19/厚さ2
nmCo90Fe10からなる3層構造のフリー層16、厚
さ2.0〜8.0nm、例えば、2.5nmのCu中間
層17、厚さ1〜4nm、例えば、2nmのCo90Fe
10からなるピンド層18、及び、厚さ10〜25nm、
例えば、25nmのPd32Pt17Mn51からなる反強磁
性体層19を順次積層させる。
固定するために、成膜時に印加した磁界と直交する20
00Oe(≒160kA/m)の磁界を印加しながら、
真空中で230℃で1時間の熱処理を行うことによって
反強磁性体層13,19の磁化方向を印加した磁界の方
向とすることによって、磁気抵抗効果素子の基本構造を
形成する。
において、Pd中間層15及びCu中間層17を構成す
るPd及びCuとNi81Fe19との間の相互拡散が生じ
ないように、フリー層16をバリアとなるCo90Fe10
を用いて3層構造としている。
向がピンド層14,18の固定された磁化方向と垂直に
なるように、この積層構造体を長さが100μm、幅が
1μmのストライプ状にパターニングしたのち、素子幅
が5μmとなるように、厚さ200nmのCuパターン
からなる4端子電極パターンを形成することによって、
デュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子が完成する。
(比抵抗:10.0×10-6Ω・cm)の比抵抗がCu
中間層17を構成するCu(比抵抗:1.55×10-6
Ω・cm)の比抵抗より6倍以上大きいため、同じ厚さ
の対称構造を形成しても、大きなセンス電流による磁界
を発生することができ、それによって、静磁気結合によ
る磁界の影響を任意に相殺してフリー層16の磁化方向
M5 を、ピンド層14,18の磁化方向M3 ,M4 とほ
ぼ直交した方向とすることができ、電極間にセンス電流
Isensを流すことによって外部印加磁場を精度良く測定
することができる。
uと同程度以上の磁気抵抗効果が得られることが発表さ
れており(例えば、甲斐、椎木,第21回日本応用磁気
学会学術講演会概要集,4pc−5,1997参照)、
Pd中間層15を用いることにより、磁気抵抗効果を損
なうことなく、且つ、層厚の対称性を崩すことなく高抵
抗の中間層を構成することができる。
d或いはCu/Pd/Cu等のPdと、Cu,Ag(比
抵抗:1.47×10-6Ω・cm),Au(比抵抗:
2.05×10-6Ω・cm),Pt(比抵抗:9.81
×10-6Ω・cm)の内のいずれかの金属との積層構造
で中間層を構成しても良く、Pdが存在することによっ
て、磁気抵抗効果を損なうことなく、且つ、層厚の対称
性を崩すことなく高抵抗の中間層を構成することができ
る。
u等のPdと、Cu,Ag,Au,Ptの内のいずれか
の金属との合金層で中間層を構成しても良く、Pdが存
在することによって、磁気抵抗効果の劣化の少ない高抵
抗の中間層を構成することができる。
の形態を説明するが、ピンド層14側の中間層の構成以
外は上記の第1の実施の形態と同様である。なお、図3
(a)はデュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子を形成
するための積層体の要部断面構造であり、また、図3
(b)は多層中間層の拡大図である。 図3(a)参照 まず、(100)面を主面とするシリコン基板11上に
30Oe(≒2.4kA/m)の磁界を印加しながら、
スパッタリング法を用いて厚さ5nmのNb層及び厚さ
5nmNiFe層を順次積層させて下地層12を形成す
る。
しながらスパッタリング法を用いて、厚さ10〜25n
m、例えば、25nmのPd32Pt17Mn51からなる反
強磁性体層13、厚さ1〜4nm、例えば、2nmのC
o90Fe10からなるピンド層14、Cu/Ta/Cuか
らなる3層構造の多層中間層20、厚さ2nmのCo 90
Fe10/厚さ4nmのNi81Fe19/厚さ2nmCo90
Fe10からなる3層構造のフリー層16、厚さ2.0〜
8.0nm、例えば、2.5nmのCu中間層17、厚
さ1〜4nm、例えば、2nmのCo90Fe10からなる
ピンド層18、及び、厚さ10〜25nm、例えば、2
5nmのPd32Pt17Mn51からなる反強磁性体層19
を順次積層させる。
のCu層21、厚さ1.0nmのTa層22、厚さ0.
7nmのCu層23を順次積層させた構造からなる。
固定するために、成膜時に印加した磁界と直交する20
00Oe(≒160kA/m)の磁界を印加しながら、
真空中で230℃で1時間の熱処理を行うことによって
反強磁性体層13,19の磁化方向を印加した磁界の方
向とすることによって、磁気抵抗効果素子の基本構造を
形成する。
において、多層中間層20及びCu中間層17を構成す
るCuとNi81Fe19との間の相互拡散が生じないよう
に、フリー層16をバリアとなるCo90Fe10を用いて
3層構造としている。
向がピンド層14,18の固定された磁化方向と垂直に
なるように、この積層構造体を長さが100μm、幅が
1μmのストライプ状にパターニングしたのち、素子幅
が5μmとなるように、厚さ200nmのCuパターン
からなる4端子電極パターンを形成することによって、
デュアルスピンバルブ磁気抵抗効果素子が完成する。
向M3 ,M4 は反強磁性体層13,19の磁化方向
M1 ,M2 に固定され、一方、フリー層16の磁化方向
M5 はピンド層14,18の磁化方向M3 ,M4 とほぼ
直交した方向となり、電極間にセンス電流Isensを流す
ことによって、上記の第1の実施の形態と同様に外部印
加磁場を測定することができる。
層14側の中間層を高抵抗にするために、比抵抗の大き
なTa(比抵抗:12.3×10-6Ω・cm)層22を
磁気抵抗効果の大きなCu層21,23で挟んだサンド
イッチ構造としており、強磁性体層、即ち、ピンド層1
4とフリー層16との界面がCu層21,23で接する
ことになるので、磁気抵抗効果を損なうことなく中間層
の抵抗を高くすることができる。
材料はTaに限られるものではなく、W(比抵抗:4.
9×10-6Ω・cm)を用いても良いものであり、ま
た、この様なTa,W等の高比抵抗層を挟み込むCu層
21,23の代わりに、Cuと同程度の磁気抵抗効果を
有するPdを用いても良いものである。
段は、多層中間層構造に限られるものではなく、Ta,
W等の高比抵抗層とCu,Pd等の磁気抵抗効果の大き
な非磁性金属との合金層を用いても良いものであり、C
u或いはPdを含有させることにより、磁気抵抗効果の
劣化の少ない高抵抗の中間層を構成することができる。
一の素子構造として説明しているが、この様な積層構造
を複数段積層させて大きな出力を得るようにしても良
く、その場合には、Cu等の非磁性層を介して積層させ
れば良く、或いは、最上層の反強磁性体層19を次段の
最下層の反強磁性体層13の一部として兼用して、最上
層の反強磁性体層19上に、直接、次段のピンド層14
を積層させても良い。
は、基板側の中間層の比抵抗を相対的に高くしている
が、逆に、フリー層上の中間層の比抵抗を相対的に高く
しても良いものであり、その場合には、センス電流を流
す方向を逆にすれば良い。
においては、基板としてシリコン基板を用いているが、
Al2 O3 −TiC基板、表面にシリコンO2 膜を形成
したシリコン基板、或いは、ガラス基板等の基板を用い
ても良いものであり、また、強磁性体及び反強磁性体と
しても、実施例に記載した以外の通常に用いられている
強磁性体及び反強磁性体を用いても良いものである。
磁気抵抗効果素子の少なくとも一方の中間層の比抵抗
を、Pdを用いることにより、或いは、高比抵抗層とC
u或いはPdとのサンドイッチ構造にすることにより高
比抵抗にすることができ、それによって、磁気抵抗効果
を損なうことなく静磁気結合による磁界を影響を相殺す
ることができるので、ダイナミックレンジの大きな信頼
性の高い磁気抵抗効果素子を実現することができる。
の説明図である。
果素子の説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 第1の非磁性金属層及び第2の非磁性金
属層によりそれぞれ互いに分離された第1の強磁性体
層、第2の強磁性体層、及び、第3の強磁性体層を備
え、前記第2の強磁性体層が前記第1の非磁性金属層と
前記第2の非磁性金属層との間に配置されるとともに、
前記第1の強磁性体層及び第3の強磁性体層の磁化方向
が互いに平行に固定され、且つ、前記第1の非磁性金属
層及び第2の非磁性金属層の比抵抗が互いに異なるデュ
アルスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子において、相対
的に比抵抗の大きな前記第1の非磁性金属層3が少なく
ともPdを含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 【請求項2】 上記第1の非磁性金属層を、Pdの単層
によって構成することを特徴とする請求項1記載の磁気
抵抗効果素子。 - 【請求項3】 上記第1の非磁性金属層を、Pdと、A
g,Cu,Au,Ptの内のいずれかの金属との積層構
造で構成することを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗
効果素子。 - 【請求項4】 上記第1の非磁性金属層を、Pdと、A
g,Cu,Au,Ptの内のいずれかの金属との合金層
で構成することを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効
果素子。 - 【請求項5】 第1の非磁性金属層及び第2の非磁性金
属層によりそれぞれ互いに分離された第1の強磁性体
層、第2の強磁性体層、及び、第3の強磁性体層を備
え、前記第2の強磁性体層が前記第1の非磁性金属層と
前記第2の非磁性金属層との間に配置されるとともに、
前記第1の強磁性体層及び第3の強磁性体層の磁化方向
が互いに平行に固定され、且つ、前記第1の非磁性金属
層及び第2の非磁性金属層の比抵抗が互いに異なるデュ
アルスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子において、相対
的に比抵抗の大きな前記第1の非磁性金属層を、Taま
たはWを、CuまたはPdで挟んだサンドイッチ構造で
構成することを特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 【請求項6】 第1の非磁性金属層及び第2の非磁性金
属層によりそれぞれ互いに分離された第1の強磁性体
層、第2の強磁性体層、及び、第3の強磁性体層を備
え、前記第2の強磁性体層が前記第1の非磁性金属層と
前記第2の非磁性金属層との間に配置されるとともに、
前記第1の強磁性体層及び第3の強磁性体層の磁化方向
が互いに平行に固定され、且つ、前記第1の非磁性金属
層及び第2の非磁性金属層の比抵抗が互いに異なるデュ
アルスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子において、相対
的に比抵抗の大きな前記第1の非磁性金属層を、Taま
たはWの少なくとも一方と、CuまたはPdの少なくと
も一方との合金層で構成することを特徴とする磁気抵抗
効果素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13949898A JP3766944B2 (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | 磁気抵抗効果素子 |
Applications Claiming Priority (1)
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