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JPH11326591A - ジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法 - Google Patents

ジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法

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Publication number
JPH11326591A
JPH11326591A JP13003298A JP13003298A JPH11326591A JP H11326591 A JPH11326591 A JP H11326591A JP 13003298 A JP13003298 A JP 13003298A JP 13003298 A JP13003298 A JP 13003298A JP H11326591 A JPH11326591 A JP H11326591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
zircaloy
solid waste
radioactive solid
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13003298A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Komatsu
征彦 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP13003298A priority Critical patent/JPH11326591A/ja
Publication of JPH11326591A publication Critical patent/JPH11326591A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設備コストおよび運転コストを安価に抑えた
上で、効率的に乾燥処理を施すことが可能であり、しか
も、乾燥処理後の圧縮減容処理時にジルカロイハルの発
火が全く起こらないようにすることができるようにす
る。 【解決手段】 ジルコニウム合金を含むジルカロイハル
等Wを、乾燥容器2内における190℃〜500℃の雰
囲気下で加熱処理することによって乾燥する。ジルカロ
イハル等Wに含まれるジルカロイファインの量を、上記
雰囲気の容量に対して100g/m3以下に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジルカロイ製の使
用済の燃料被覆管等のジルコニウム合金を含む放射性固
体廃棄物を減容処理する前に予め乾燥するジルコニウム
合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ジルカロイは、ジルコニウムを主体とし
た合金であり、熱中性子の吸収断面積が小さいため、原
子炉材料として多用されており、特に原子炉の燃料被覆
管用として好んで使用されている。このようなジルカロ
イからなる燃料被覆管内に装填された例えば軽水型の原
子炉用の燃料を再処理するときは、まず、使用済みの燃
料棒が装填された燃料被覆管の集合体を数cm単位に裁
断して得られた細片を溶解槽に投入し、溶解槽内で核燃
料物質と、被覆管剪断片(以下ジルカロイハルという)
や集合体部品(以下ハードウエアという)とに分離す
る。
【0003】分離された核燃料物質は再利用のための処
理工程に送られるが、ジルカロイハルやハードウエア等
の放射性固体廃棄物は、従来、ハル缶と呼ばれるステン
レス鋼製の収納容器に発生状態のまま納められ貯蔵設備
内に保管されていた。しかしながら、ジルカロイハル等
が収納されたハル缶は、使用済み核燃料の再処理が行わ
れる毎に増加するため、貯蔵設備がすぐに満杯状態にな
ってしまうという問題点を有していた。そこで、ジルカ
ロイハル等の放射性固体廃棄物に減容処理を施し、その
結果貯蔵空間を少ないものにすることが試みられてい
る。
【0004】ところで、保管される放射性固体廃棄物に
水が付着していると、この水が放射線によって分解して
水素が発生し、保管空間に水素が充満するという不都合
が生じるため、減容処理を施す前に予め放射性固体廃棄
物に乾燥処理が施される。
【0005】従来、放射性固体廃棄物の乾燥について
は、例えば、特開平3−89200号公報に記載されて
いるように、乾燥空間に加熱された不活性ガスを導入し
たり、特開平9−218295号公報に記載されている
ように、放射性固体廃棄物の温度を150℃以下に抑え
ることが行われ、これによってジルカロイファインの発
火を防止するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記乾
燥空間に不活性ガスを導入する方式にあっては、不活性
ガス用の設備を設けなければならないばかりか、高価な
不活性ガスを使用しなければならず、設備コストおよび
運転コストが嵩むという問題点を有している。
【0007】また、放射性固体廃棄物の温度を150℃
以下の温度に管理する方式では、加熱温度が相対的に低
温であるため、乾燥効率が悪いという問題点を有してい
る。
【0008】さらに、放射性固体廃棄物が乾燥されても
ジルカロイファインはそのまま残留するため、乾燥処理
後の圧縮減容処理時に発火を防止するための方策を採用
しなければならず、この方策の採用で非常に多くの費用
がかかるという問題点が存在する。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、設備コストおよび運転コス
トを安価に抑えた上で、効率的に乾燥処理を施すことが
可能であり、しかも、乾燥処理後の圧縮減容処理時に高
価な発火防止の方策を採用する必要のないジルコニウム
合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
放射性固体廃棄物の乾燥方法は、ジルコニウム合金を含
む放射性固体廃棄物を、酸素を有する190℃〜500
℃の雰囲気下で加熱処理することによって乾燥すること
を特徴とするものである。
【0011】この放射性固体廃棄物の乾燥方法によれ
ば、190℃〜500℃の雰囲気下で放射性固体廃棄物
に付着している水分が急速に蒸発し、これによって放射
性固体廃棄物の迅速な乾燥が実現する。そして、放射性
固体廃棄物中のジルコニウム合金は、表層部分のジルコ
ニウムや、ジルカロイファインが酸素を有する高温環境
で酸化されて不活性な酸化ジルコニウムになるため、そ
の後の放射性固体廃棄物のハンドリング時や圧縮減容処
理時にジルカロイファインに起因した発火は確実に防止
される。
【0012】従って、以後の放射性固体廃棄物のハンド
リング時や圧縮減容処理時に真空環境や不活性ガス環境
を形成する必要がなくなり、その分廃棄物処理設備の全
体的な設備仕様の簡素化が実現し、設備コストの軽減化
を図ることが可能になる。
【0013】また、放射性固体廃棄物を190℃〜50
0℃に加熱することにより、放射性固体廃棄物に随伴し
ているセルローズ等の有機物が熱分解され、これによっ
て放射性固体廃棄物の容量が少なくなるとともに、有機
物を予め熱分解しておくことにより、放射性固体廃棄物
の保管時に有機物が放射線の照射を受けて分解し、爆発
の可能性の大きい水素が発生するという不都合が防がれ
る。
【0014】本発明の請求項2記載のジルコニウム合金
を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法は、請求項1記載の
ジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法に
おいて、上記放射性固体廃棄物に含まれるジルカロイフ
ァインの量を、上記雰囲気の容量に対して100g/m
3以下に設定することを特徴とするものである。
【0015】このジルコニウム合金を含む放射性固体廃
棄物の乾燥方法によれば、放射性固体廃棄物に含まれる
ジルカロイファインの量を100g/m3以下にするこ
とにより、ジルカロイファインは粉塵爆発することなく
穏やかに燃焼する。
【0016】本発明の請求項3記載の放射性固体廃棄物
の乾燥方法は、請求項1または2記載の放射性固体廃棄
物の乾燥方法において、上記放射性固体廃棄物を所定の
収納容器に装填し、ついで収納容器内の放射性固体廃棄
物を収納容器ごと加熱処理することを特徴とするもので
ある。
【0017】この放射性固体廃棄物の乾燥方法によれ
ば、収納容器ごと放射性固体廃棄物を乾燥処理すること
により、以後の移送時や圧縮減容処理時に放射性固体廃
棄物の移し替えを行うことなく収納容器ごと処理するこ
とが可能になり、その分処理作業が簡素化されて処理コ
ストの低減化が実現する。
【0018】本発明の請求項4記載の放射性固体廃棄物
の乾燥方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の放射
性固体廃棄物の乾燥方法において、上記放射性固体廃棄
物を、上記加熱処理の前に水洗することを特徴とするも
のである。
【0019】この放射性固体廃棄物の乾燥方法によれ
ば、乾燥処理の前に水洗によって放射性固体廃棄物から
発火の原因となるジルカロイファインが予め除去される
ため、発火抑制効果がさらに向上する。
【0020】本発明の請求項5記載の放射性固体廃棄物
の乾燥方法は、請求項4記載の放射性固体廃棄物の乾燥
方法において、上記水洗は、超音波の付与された水中に
放射性固体廃棄物を沈めて行う超音波洗浄および放射性
固体廃棄物に高圧水を噴射して行う高圧水洗浄の内のい
ずれか一方または双方であることを特徴とするものであ
る。
【0021】この放射性固体廃棄物の乾燥方法によれ
ば、ジルカロイファインが効率的に除去される。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の乾燥方法を含む
放射性固体廃棄物の減容圧縮処理に係る工程図である。
この図に示すように、放射性固体廃棄物(ジルカロイハ
ルとハードウエアとが混ざり合ったもの、以下ジルカロ
イハル等Wという)は、それを洗浄処理して洗浄済ジル
カロイハル等W1にする洗浄工程P1と、洗浄後の洗浄
済ジルカロイハル等W1をコンテナ(収納容器)Cに装
填する装填工程P2と、コンテナCに装填された洗浄済
ジルカロイハル等W1を乾燥処理して乾燥済ジルカロイ
ハル等W2にする乾燥工程P3と、乾燥済ジルカロイハ
ル等W2をコンテナCごと圧縮減容処理する圧縮減容工
程P4とを経て処理され、最後の圧縮減容工程P4で得
られた減容処理物W3は、所定の保管場所に移送されて
保管される。
【0023】コンテナCには、乾燥効率を良好にするた
めに、その側面および底面の内のいずれか一方または双
方に微小な水抜き孔を設けてもよい。ただしこの場合、
ジルカロイハル等がコンテナC外に抜け出さないように
孔径寸法を設定することは勿論として、ファインも抜け
出難い孔径寸法にすることが好ましい。
【0024】上記洗浄工程P1では、ジルカロイハル等
Wに超音波洗浄および高圧射洗浄のいずれか一方または
双方が施される。
【0025】超音波洗浄を行う場合は、網目容器にジル
カロイハル等Wを装填し、水が満たされたプールに網目
容器ごとジルカロイハル等Wを水没させた後、超音波発
生機からの超音波をプール中の水に付与して水を微振動
させ、この微振動によってジルカロイハル等Wに付着し
ているジルカロイファイン等を振るい落すようにされ
る。また、高圧水洗浄を行う場合は、ポンプによって所
定の圧力に昇圧された水を、ジルカロイハル等Wに向け
て満遍なく噴射することによりジルカロイファインが洗
い落される。このようにしてジルカロイハル等Wから取
り除かれジルカロイファイン等は、集められて別途処理
される。
【0026】このような洗浄工程P1で予めジルカロイ
ファイン等が取り除かれた洗浄済ジルカロイハル等W1
は、所定量がつぎの装填工程P2においてドラム缶のよ
うな簡易容器であるコンテナCに装填され、所定の搬送
手段を用いて乾燥工程P3に送り込まれる。
【0027】図2は、乾燥工程P3で使用される乾燥装
置の第1実施形態を示す断面視の説明図である。この図
に示すように、乾燥装置1は、フロアF上に複数本の支
持脚21を介して縦置きされ、かつ、上記洗浄済ジルカ
ロイハル等W1の装填されたコンテナCが装入される金
属製の円筒状の乾燥容器2と、この乾燥容器2の上部開
口を閉止する天蓋3と、乾燥容器2内に空気を送り込む
送風手段4と、乾燥容器2内を高温雰囲気にしての乾燥
室2aに装填された洗浄済ジルカロイハル等W1を加熱
乾燥処理する加熱手段5とを備えた基本構成を有してい
る。
【0028】上記乾燥容器2は、円筒状の周壁22と、
この周壁22の底面を閉止した底板23とからなってい
る。底板23の中央部分には排水孔23aが穿設されて
いるとともに、この排水孔23aにドレン管24が接続
され、乾燥室2a内で洗浄済ジルカロイハル等W1から
滴下した水がこのドレン管24を通して外部に導出され
るようになっている。
【0029】また、乾燥室2a内の底板23上には、複
数本の脚部25aに支持された支持台25が配設され、
コンテナCがこの支持台25上に載置された状態で内部
の洗浄済ジルカロイハル等W1に乾燥処理が施されるよ
うになっている。
【0030】上記天蓋3は、下端の周縁部に外方に向か
って突設された天蓋側フランジ31を有している一方、
上記乾燥容器2の上縁部には天蓋側フランジ31に対応
した容器側フランジ26が設けられ、天蓋3で乾燥容器
2内の乾燥室2aを閉しした状態で天蓋側フランジ31
の下面と容器側フランジ26の上面とが当接するように
なっている。そして、天蓋側フランジ31の下面には天
蓋側フランジ31を一周するように環状溝が凹設されて
いるとともに、この環状溝に耐熱性の弾性材からなるシ
ール部材32が装着され、天蓋3で乾燥室2aを閉じる
ことによって両フランジ26,31間の隙間が確実に閉
止されるようになっている。
【0031】また、天蓋3の上方には、上下方向に延び
るようにエアシリンダ33が配設され、このエアシリン
ダ33のピストンロッド34の下端部が天蓋3の上面中
央部に連結され、エアシリンダ33の駆動によるピスト
ンロッド34の出没によって天蓋3が乾燥容器2に対し
て閉開するようになっている。
【0032】また、乾燥容器2の周壁22には、容器側
フランジ26より若干下部に送風手段4からの空気を乾
燥室2a内に導くための空気導入管27が設けられてい
るとともに、この空気導入管27の対向位置に排気管2
8が設けられている。
【0033】上記送風手段4は、送風ブロア41と、加
熱器42とからなっている。上記加熱器42は、内部に
ニクロム線等の通電発熱体が配設され、この通電発熱体
からの熱によって送風ブロア41からの空気を予め所定
温度に加熱するものである。この送風手段4からの加熱
空気は、空気導入管27を通して乾燥容器2の乾燥室2
a内に導入され、洗浄済ジルカロイハル等W1の乾燥に
供されるようになっている。
【0034】上記加熱手段5は、乾燥容器2の周壁22
外周面を囲繞した環状のジャケット51と、周壁22を
取り囲むようにこのジャケット51に内装された通電発
熱体52とからなっている。上記送風手段4から乾燥室
2a内に送り込まれた加熱空気は、通電されることによ
って発熱した通電発熱体52からの熱を得てさらに加熱
され、この加熱空気を介してコンテナC内の洗浄済ジル
カロイハル等W1が乾燥されるとともに、洗浄済ジルカ
ロイハル等W1中のジルコニウムの表面や、洗浄工程P
1で残留したジルカロイファインが爆発に到らず、酸化
ジルコニウムになるようにしている。
【0035】そして、乾燥室2a内で洗浄済ジルカロイ
ハル等W1の酸化時に生成した燃焼排ガスは、排気管2
8を通して乾燥容器2外に導出され、フィルター等の内
装された後処理手段29によって清浄化された後、系外
に排出されるようになっている。
【0036】このような乾燥装置1を利用する乾燥工程
P3は、コンテナCを乾燥室2aに装入するコンテナ装
入工程P31と、コンテナC内の洗浄済ジルカロイハル
等W1を乾燥させるとともにジルコニウム表面を酸化さ
せる酸化工程P32と、ジルコニウム表面が酸化した後
の乾燥済ジルカロイハル等W2が内装されたコンテナC
を乾燥室2aから取り出すコンテナ取出し工程P33と
からなっている。
【0037】そして、上記コンテナ装入工程P31にお
いては、上記送風手段4の駆動が停止された状態でエア
シリンダ33の駆動によるピストンロッド34の上昇で
天蓋3が上昇され、これによって開放された乾燥容器2
の上部開口から、所定の作業機械を用いて洗浄済ジルカ
ロイハル等W1の装填されたコンテナCが乾燥室2a内
に装入され、支持台25上に載置される。
【0038】ついで、エアシリンダ33の駆動によるピ
ストンロッド34の下降によって天蓋3で乾燥容器2の
上部開口が閉止された後、酸化工程P32が実行され
る。酸化工程P32においては、送風ブロア41が駆動
されるとともに、通電発熱体52に通電され、これによ
って加熱器42を通って予備加熱された空気が乾燥室2
a内に供給されてさらに通電発熱体52によって加熱さ
れ、コンテナC内の洗浄済ジルカロイハル等W1に乾燥
処理が施されるとともに、ジルコニウムが酸化される。
【0039】酸化工程P32において所定時間が経過
し、ジルカロイハル等の乾燥が完了した時点でつぎのコ
ンテナ取出し工程P33が実行される。コンテナ取出し
工程P33においては、エアシリンダ33の駆動による
ピストンロッド34の上昇によって天蓋3が開放された
後、乾燥室2a内のコンテナCは作業機械によって外部
に取り出され、圧縮減容工程P4に供される。
【0040】そして、本発明においては、上記酸化工程
P32における乾燥室2a内の雰囲気温度が190℃以
上で、かつ、500℃以下に温度設定され、これによっ
てジルコニウムの酸化(すなわち燃焼)が確実に行われ
るようにしている。
【0041】上記雰囲気温度を190℃以上に設定した
のは、190℃未満であるとジルカロイファインの酸化
が抑制されてジルコニウムが酸化しないからである。そ
して、ジルカロイファインが乾燥室2a内で酸化しない
まま放置されると、活性状態のジルカロイフィンがコン
テナCから飛散して乾燥室2a内の底板23上に蓄積さ
れ、この蓄積量が多くなると、振動その他で舞い上がっ
て粉塵雲が形成された乾燥容器2内で爆発するという不
都合が生じやすくなるが、雰囲気温度を190℃以上に
設定することによりこのような不都合は確実に防止され
る。
【0042】また、上記雰囲気温度を500℃以下に設
定したのは、500℃を越える温度になると、トリチウ
ム等の排ガス量が多くなること等により莫大な設備投資
と運転コストとが必要になり、経済的に不利になるから
である。
【0043】また、本発明においては、コンテナC内の
ジルカロイファインの量は、コンテナCの単位容量(m
3)当り100g以下になるようにコントロールされて
いる。このようなファイン量が設定されたのは、コンテ
ナ内に存在するファインが振動等により舞い上がって粉
塵雲を形成したとしても、ファイン量が100g/m3
以下であれば爆発に到らず、ジルカロイファインが穏や
かに燃焼するだけであることが種々の試験によって確認
されたことによる。
【0044】そして、本実施形態の場合、ジルカロイハ
ル等Wは、洗浄工程P1における洗浄処理によってほと
んどのジルカロイファインが除去された洗浄済ジルカロ
イハル等W1にされた後、乾燥工程P3に供給されるよ
うにしており、この洗浄済ジルカロイハル等W1の場合
は、それをコンテナCに装填した状態でジルカロイファ
インは100g/m3以下になっていると考えられるた
め、酸化工程P32においてコンテナC内のジルカロイ
ファインに起因した爆発が起こることはない。
【0045】そして、乾燥工程P3における所定の乾燥
処理が完了すると、コンテナ取出し工程P33が実行さ
れてコンテナCが乾燥容器2から取り出され、ついで乾
燥済ジルカロイハル等W2はコンテナCごとつぎの圧縮
減容工程P4に送り込まれ、ここで所定の圧縮減容処理
設備による圧縮減容処理が施され、減容処理物W3とな
って所定の保管場所に保管される。
【0046】図3は、乾燥装置の第2実施形態を示す側
面断面視の説明図である。この実施形態においては、乾
燥装置10として洗浄済ジルカロイハル等W1を半連続
式に処理する方式のものが採用されている。すなわち、
乾燥装置10は、乾燥炉20と、この乾燥炉20の上流
側(図3の左方)に形成された待機室30と、待機室3
0の上流側から待機室30および乾燥炉20を貫通して
フロアF上に敷設されたローラコンベヤ40と、乾燥炉
20内を加熱する加熱手段50とを備えた基本構成を有
している。
【0047】そして第2実施形態においては、洗浄済ジ
ルカロイハル等W1を運ぶものとして台車C1が用いら
れ、この台車C1をローラコンベヤ40上で待機室30
および乾燥炉20内を順次移動させることにより台車C
1に搭載された洗浄済ジルカロイハル等W1に乾燥処理
を施すようにしている。なお、ローラコンベヤ40は、
図略の駆動手段の駆動によって軸心回りに時計方向に回
転し、これによってローラコンベヤ40上の台車C1は
上流側から下流側に向けて順次移送されるようになって
いる。
【0048】上記乾燥炉20の乾燥室20a上部には、
天井壁201が設けられているとともにこの天井壁20
1のさらに上部に天板202が設けられ、これら天井壁
201と天板202との間に通電発熱体52が配設され
ている。この通電発熱体52への電力供給による発熱に
よって天井壁201を介して乾燥室20a内が加熱され
るようになっている。また、乾燥炉20には、天井壁2
01および天板202を貫通した排気筒203が設けら
れている。
【0049】そして、上記待機室30の上流端には第1
ゲート401が設けられているとともに、待機室30と
乾燥炉20との間には第2ゲート402が設けられ、さ
らに乾燥炉20の下流端には第3ゲート403が設けら
れている。上記各ゲート401,402,403は、そ
れぞれ別個に設けられた図略の昇降手段の駆動によって
昇降し、これによって待機室30の前後、および乾燥炉
20の前後が開閉し得るようになっている。
【0050】このような乾燥装置10においては、操業
中は通電発熱体52に常に通電されて乾燥室20a内が
190℃以上で、かつ、500℃以下の所定の設定温度
に制御されている。そして、洗浄工程P1後の洗浄済ジ
ルカロイハル等W1は各台車C1に所定量ずつ搭載さ
れ、ローラコンベヤ40の駆動で乾燥炉20内に順次送
り込まれるようにしている。
【0051】そして、1台の台車C1に注目して乾燥装
置10の操業について説明すると以下のとおりになる。
まず第1ゲート401が開放され、この状態で待機室3
0内より上流側のローラコンベヤ40が駆動されて台車
C1が待機室30内に送り込まれる。ついで、台車C1
が待機室30内に装入された後、一旦第1ゲート401
が閉止され、ついで第2ゲート402が開放され、待機
室30と乾燥炉20とが連通状態にされる。この状態で
待機室30内と乾燥炉20内のローラコンベヤ40が駆
動され、台車C1が待機室30から乾燥炉20に移され
てから第2ゲート402が閉止される。これによって洗
浄済ジルカロイハル等W1の搭載された台車C1が乾燥
室20a内に装入された状態になる。
【0052】この状態で台車C1は所定時間滞留され、
この間に洗浄済ジルカロイハル等W1中のジルカロイフ
ァインが酸化させられる。上記台車C1の乾燥室20a
内の滞留時間としては、洗浄済ジルカロイハル等W1中
のジルカロイファインが完全に酸化するのに必要かつ十
分な時間が採用されている。ついで、上記所定の滞留時
間が経過後、第3ゲート403が開けられた後、乾燥室
20a内および乾燥炉20の下流側のローラコンベヤ4
0が同時に駆動され、これによって台車C1は乾燥室2
0aから外部に導出される。
【0053】そして、後続の台車C1も上記と同様に待
機室30および乾燥炉20内に少量ずつ順次送り込まれ
ることによって洗浄済ジルカロイハル等W1のジルカロ
イファインに対する酸化処理が半連続的に行われる。
【0054】なお、第2実施形態の乾燥装置10におい
ては、先の第1実施形態の乾燥装置1に設けられている
ような送風手段4は設けられておらず、第2ゲート40
2および第3ゲート403の開放時に高温雰囲気の乾燥
室20a内に向かう気流によって乾燥室20a内に燃焼
空気を供給するようにしている。
【0055】また、台車C1に搭載される洗浄済ジルカ
ロイハル等W1の量は、それに含まれるジルカロイファ
インの量が乾燥室20aの容量に対して100g/m3
以下になるように設定され、これによって酸化時にジル
カロイファインによる爆発が起こらないようにしてい
る。
【0056】第2実施形態の乾燥装置10によれば、乾
燥室20a内の温度を常に所定の温度に設定しておくこ
とができるため、第1実施形態の乾燥装置1の場合のよ
うに、各バッチ処理毎に乾燥室2a内の雰囲気を昇温す
る必要がなくなり、その分処理能力が向上する。
【0057】また、乾燥炉20の上流側には第2ゲート
402によって隔絶される待機室30を設けたため、ジ
ルカロイファインの燃焼が上流側に飛び火することが防
止され、安全性が向上する。
【0058】本発明は、以上詳述したように、ジルカロ
イハル等W中のジルカロイファインを、乾燥工程P3に
おける乾燥処理時に、粉塵爆発が起こらない環境を設定
した上で積極的に酸化させるようにしているため、ジル
カロイファインは、一旦酸化してしまえば発火が起こら
ない酸化ジルコニウムになり、従って、圧縮減容工程P
4においてジルカロイファインが舞い上がって粉塵雲を
形成し、この粉塵雲が発火して爆発するという従来の不
都合が確実に防止される。
【0059】また、本発明に係るジルカロイファインの
事前酸化処理は、ジルカロイハル等Wの各種の処理環境
を真空環境にしたり不活性ガス環境にする従来の方式に
比べて設備規模や運転操作が簡略化されるため、その分
設備コストおよび運転コストの低減化を図ることが可能
になる。
【0060】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0061】(1)上記の実施形態においては、乾燥工
程P3の洗浄工程P1が設定され、この洗浄工程P1で
予めジルカロイハル等Wが洗浄処理されるようにしてい
るが、本発明は、洗浄工程P1を設けてジルカロイハル
等Wを事前洗浄することに限定されるものではなく、特
に洗浄工程P1を設けずにジルカロイハル等Wを乾燥工
程P3に直接導入するようにしてもよい。但しこの場合
は、酸化環境の容量に対してジルカロイファインの量を
100g/m3以下にすることが必要である。
【0062】(2)上記の実施形態においては、洗浄工
程P1でのジルカロイハル等Wの洗浄処理は、超音波洗
浄または高圧水洗浄によって行うようにしているが、高
圧水洗浄を行ってから超音波洗浄を行ったり、あるいは
その逆を行う等、両洗浄方式を併用してもよい。
【0063】(3)上記の実施形態においては、酸素を
有する気体として空気を採用しているが、本発明は酸素
を有する気体が空気であることに限定されるものではな
く、各種の排気ガス等であって、所定量以上の酸素が含
有されているものを有効利用してもよいし、空気分離に
よって得られた酸素を利用してもよい。
【0064】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の放射性固体廃棄
物の乾燥方法によれば、ジルコニウム合金を含む放射性
固体廃棄物を、酸素を有する190℃〜500℃の雰囲
気下で加熱処理するようにしているため、高温下での水
分の急速な蒸発によって放射性固体廃棄物の迅速な乾燥
を実現させることができる。そして、放射性固体廃棄物
中のジルコニウム合金は、表層部分のジルコニウムやジ
ルカロイファインが酸素を有する高温環境で酸化されて
不活性な酸化ジルコニウムになるため、その後の放射性
固体廃棄物のハンドリング時や圧縮減容処理時にジルカ
ロイファインに起因した発火を確実に防止することがで
きる。
【0065】従って、以後の放射性固体廃棄物のハンド
リング時や圧縮減容処理時に真空環境や不活性ガス環境
を形成する必要がなくなり、その分廃棄物処理設備の全
体的な設備仕様を簡素化することができ、設備コストの
軽減化を実現することができる。
【0066】また、放射性固体廃棄物を190℃〜50
0℃に加熱することにより、放射性固体廃棄物に随伴し
ているセルローズ等の有機物が熱分解され、これによっ
て放射性固体廃棄物の容量が少なくなるとともに、有機
物を予め熱分解しておくことにより、放射性固体廃棄物
の保管時に有機物が放射線の照射を受けて分解し、爆発
の可能性の大きい水素が発生するという不都合を確実に
防止することができる。
【0067】本発明の請求項2記載のジルコニウム合金
を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法によれば、放射性固
体廃棄物に含まれるジルカロイハルの量を、乾燥雰囲気
の容量に対して100g/m3以下に設定しているた
め、爆発を抑えた上でジルカロイファインを穏やかに燃
焼させることができる。
【0068】本発明の請求項3記載の放射性固体廃棄物
の乾燥方法によれば、放射性固体廃棄物を所定の収納容
器に装填し、ついで収納容器内の放射性固体廃棄物を収
納容器ごと加熱処理するようにしているため、以後の移
送時や圧縮減容処理時に放射性固体廃棄物の移し替えを
行うことなく収納容器ごと処理することが可能になり、
その分処理作業が簡素化されて処理コストの低減化を実
現することができる。
【0069】本発明の請求項4記載の放射性固体廃棄物
の乾燥方法によれば、放射性固体廃棄物を、加熱処理の
前に水洗するようにしているため、水洗によって放射性
固体廃棄物から発火の原因となるジルカロイファインの
多くが除去され、これによって発火抑制効果がさらに向
上させることができる。
【0070】本発明の請求項5記載の放射性固体廃棄物
の乾燥方法によれば、超音波の付与された水中に放射性
固体廃棄物を沈めて行う超音波洗浄および放射性固体廃
棄物に高圧水を噴射して行う高圧水洗浄の内のいずれか
一方または双方によって放射性固体廃棄物を水洗するよ
うにしているため、これらの水洗方法は微粉の除去に適
しており、放射性固体廃棄物からジルカロイファインを
効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射性固体廃棄物の減容圧縮処理
の工程図である。
【図2】乾燥装置の第1実施形態を示す断面視の説明図
である。
【図3】乾燥装置の第2実施形態を示す断面視の説明図
である。
【符号の説明】
P1 洗浄工程 P2 装填工程 P3 乾燥工程 P4 圧縮減容工程 C コンテナ C1 台車 F フロア 1,10 乾燥装置 2 乾燥容器 20 乾燥炉 2a、20a 乾燥室 21 支持脚 22 周壁 23a 排水孔 24 ドレン管 25 支持台 25a 脚部 26 容器側フランジ 27 空気導入管 28 排気管 29 フィルター 201 天井壁 202 天板 203 排気筒 3 天蓋 30 待機室 31 天蓋側フランジ 32 シール部材 33 エアシリンダ 34 ピストンロッド 4 送風手段 41 送風ブロア 42 加熱器 401 第1ゲート 402 第2ゲート 403 第3ゲート 5 加熱手段 51 ジャケット 52 通電発熱体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄
    物を、酸素を有する190℃〜500℃の雰囲気下で加
    熱処理することによって乾燥することを特徴とするジル
    コニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 上記放射性固体廃棄物に含まれるジルカ
    ロイファインの量を、上記雰囲気の容量に対して100
    g/m3以下に設定することを特徴とする請求項1記載
    の記載のジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾
    燥方法。
  3. 【請求項3】 上記放射性固体廃棄物を所定の収納容器
    に装填し、ついで収納容器内の放射性固体廃棄物を収納
    容器ごと加熱処理することを特徴とする請求項1または
    2記載のジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾
    燥方法。
  4. 【請求項4】 上記放射性固体廃棄物を、上記加熱処理
    の前に水洗することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物
    の乾燥方法。
  5. 【請求項5】 上記水洗は、超音波の付与された水中に
    放射性固体廃棄物を沈めて行う超音波洗浄および放射性
    固体廃棄物に高圧水を噴射して行う高圧水洗浄の内のい
    ずれか一方または双方であることを特徴とする請求項4
    記載のジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥
    方法。
JP13003298A 1998-05-13 1998-05-13 ジルコニウム合金を含む放射性固体廃棄物の乾燥方法 Withdrawn JPH11326591A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009271022A (ja) * 2008-05-12 2009-11-19 Toshiba Corp 遠心式薄膜乾燥機およびその洗浄方法
CN112006605A (zh) * 2020-09-28 2020-12-01 三门核电有限公司 一种水下吸尘器滤芯屏蔽容器

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