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JPH11322786A - 非天然アミノ酸を含有するデプシペプチド - Google Patents

非天然アミノ酸を含有するデプシペプチド

Info

Publication number
JPH11322786A
JPH11322786A JP11016785A JP1678599A JPH11322786A JP H11322786 A JPH11322786 A JP H11322786A JP 11016785 A JP11016785 A JP 11016785A JP 1678599 A JP1678599 A JP 1678599A JP H11322786 A JPH11322786 A JP H11322786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
solution
added
acid
depsipeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11016785A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Yanai
誠 谷内
Masashi Suzuki
雅士 鈴木
Norio Oshida
紀男 押田
Tsuneji Kawamura
恒二 川村
Shigeru Hiramoto
茂 平本
Orie Yasuda
織恵 保田
Nobusuke Kinoshita
宣祐 木下
Akiko Magai
明子 真貝
Masako Takasu
雅子 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP11016785A priority Critical patent/JPH11322786A/ja
Publication of JPH11322786A publication Critical patent/JPH11322786A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 アポリポプロテインE産生促進薬として有用
な新規な非天然アミノ酸を含有するデプシペプチドの提
供。 【解決手段】 このデプシペプチドは、一般式(1) [式中、R1は、炭素数5〜20のアルキル基等を、R2
は、 (式中、Xは、N(R7)−CH2、などを示し、R5
6、R7は、水素またはC1〜C6アルキル基を示す)を
示し、R3は、 (式中、Yは、N(R12)−CO、などを示し、nは1〜
3の整数を示し、R9、R10、R12、R13は、水素また
は直鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルキル基を示
し、R11はアミンの保護基を示す)を示し、R4は、水
酸基、直鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルコキシ
基、ベンジルオキシ基、A、A−B、を示し、A及びB
は、アミノ酸残基またはアミノ酸残基のN−メチル体を
示す。]で示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なデプシペプ
チドおよびこれを有効成分とする医薬に関する。本発明
のデプシペプチドは、アポリポプロテインEの産生促進
作用を有し、神経損傷治療薬、特に痴呆症治療薬として
有用であり、さらに高脂血症の治療薬としても有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】老人性痴呆症の治療薬として、脳循環代
謝改善薬が主として使用されているが、これらの薬物
は、老人性痴呆症の原因と考えられている中枢神経系の
崩壊には何ら改善作用を示さない。その結果痴呆の中核
的症状というべき記憶障害や計算能力障害に対しても何
ら改善作用を示さない。そこで新しいタイプの老人性痴
呆症の治療薬として、神経系の修復、成長を促進し、中
枢神経の崩壊を抑制する薬物が求められている。他方、
アポリポプロテインEは、損傷し回復しつつある神経系
部位で高レベルで発現することが報告されており(例え
ば、M.J. Igunalius etal., Pro. Natl.Acad. Sci. U.
S.A., 83:1125(1986)参照)、神経系の修復に重要な役
割を担うであろうことが示唆されている。さらに最近、
アポリポプロテインEをヒトの家族性高コレステロール
血症ホモ接合体のモデル動物であるWHHLウサギに静脈投
与すると、血漿コレステロール濃度の著明な減少が認め
られることが報告され(Yamada,et. al., Proceeding
ofNational Academy Science USA, Vol.86, pp665-66
9,1989)、また、マウス肝臓にラットアポリポプロテ
インEの遺伝子を導入してアポリポプロテインEを大量
に発現させると、血漿コレステロールとトリグリセリド
が顕著に低下することが報告された(Shimano, H. et.
al., Journal of Clinical Investigation, Vol.90,pp
2084-2091, 1992)。
【0003】これらの報告で明らかになったように、血
漿アポリポプロテインE濃度を上昇させることは、高脂
血症、特に今までの薬剤では治療が困難だとされてきた
家族性高コレステロール血症ホモ接合体の治療法として
極めて有効とされている。本発明者らはさきに血漿アポ
リポプロテインE濃度を上昇させる有力な方法として、
アポリポプロテインEの主要な産生臓器である肝臓での
アポリポプロテインE産生能の促進作用を有し、経口投
与可能な低分子の化合物として、種々のデプシペプチド
化合物が有用であることを見出して特願平8−1839
60号、特願平8−271321号の発明を完成させ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の許におい
て、本発明者らはアポリポプロテインEの産生を促進す
る薬物を提供するべく鋭意研究の結果、特定構造のデプ
シペプチド誘導体がこれらの作用を有することを見いだ
して本発明を完成したのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化3】 [式中、R1は、直鎖状もしくは有枝鎖状のC5〜C20
ルキル基または直鎖状もしくは有枝鎖状のC5〜C15
ルコキシメチル基を示し、R2は、 −O−CO−CH(R5)−X−CH(R6)−NH− (式中、Xは、N(R7)−CO、N(R8)−CH2、CH2
−CO、CH2−CH2、CH=CH、CH2−CH(O
H)、CH(OH)−CH(OH)を示し、R5、R6、R7
8は、水素または直鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6
アルキル基を示す)を示し、R3は、
【化4】 (式中、Yは、N(R12)−CO、N(R13)−CH2、C
2−CO、CH2−CH2、CH=CH、CH2−CH
(OH)、CH(OH)−CH(OH)を示し、nは1〜3の
整数を示し、R9、R10、R12、R13は、水素または直
鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルキル基を示し、R
11はアミンの保護基としてペプチド化学で通常用いられ
る保護基を示す)を示し、R4は、水酸基、直鎖状もし
くは有枝鎖状のC1〜C6アルコキシ基、ベンジルオキシ
基、A、A−B、または −NH−CH(R14)−Z−CH(R15)−COR16 (式中、Zは、CH2−N(R17)、CO−CH2、CO−
N(R18)、CH2−CH2、CH=CH、CH(OH)−C
2、CH(OH)−CH(OH)を示し、R14は水素、C1
〜C6アルキル基または−(CH2)m−COR19を示し、
15、R17、R18は、水素または直鎖状もしくは有枝鎖
状のC1〜C6アルキル基を示し、R16は、水酸基、直鎖
状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルコキシ基またはベン
ジルオキシ基を示し、R19は水酸基、アミノ基またはC
1〜C6アルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示す)
を示し、Aは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、アスパ
ラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、
セリン、リシンおよびβ−t−ブチルアラニンからなる
アミノ酸残基またはこれらのアミノ酸残基のN−メチル
体を示し、Bは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、セリン、トレオニン、リシン、ヒドロキシリシ
ン、アルギニン、システイン、メチオニン、フェニルア
ラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロ
リン、4−ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、アス
パラギン、グルタミン酸、グルタミン、ピペリジン−4
−カルボン酸、ホモプロリン、オクタヒドロインドール
−2−カルボン酸、ノルバリン、ノルロイシン、α−t
−ブチルグリシン、シクロヘキシルグリシン、アゼチジ
ン−2−カルボン酸、3−(3−ピリジル)アラニン、
(3−N−メチル)ピペリジルアラニン、3−(2−ナ
フチル)アラニン、β−シクロヘキシルアラニン、β−
t−ブチルアラニン、9−アントラセニルアラニン、α
−メチルアラニンおよび2−アミノブタン酸から選ばれ
るアミノ酸残基またはこれらのアミノ酸残基のN−メチ
ル体を示し、AまたはBにおける遊離のアミノ基、遊離
のカルボキシル基、遊離のω−カルバミド基、遊離の水
酸基、遊離のメルカプト基および/またはN−末端のア
ミノ基はそれらの保護基としてペプチド化学で通常用い
られる保護基でそれぞれ保護されていてもよく、そして
上記AまたはBにおけるアミノ酸残基がリシン、ヒドロ
キシリシン、グルタミン酸またはアスパラギン酸である
場合は、隣接するアミノ酸とペプチド結合するアミノ基
またはカルボキシル基はα−位にあるものでもまたはω
−位にあるものでもよい。ただし、XがN(R7)−CO
であり、YがN(R12)−COであり、R4が水酸基、直
鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルコキシ基、ベンジ
ルオキシ基、A、A−Bまたは−NH−CH(R14)−Z
−CH(R15)−COR16{ZはCO−N(R1 8)である}
である場合を除く。]で示される非天然アミノ酸を含有
するデプシペプチドまたはその薬理学的に許容される塩
に関する。
【0006】本発明はまた、上記した非天然アミノ酸を
含有するデプシペプチドまたはその薬理学的に許容され
る塩を有効成分とする医薬にも関する。本発明は具体的
には、上記した非天然アミノ酸を含有するデプシペプチ
ドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする
アポリポプロテインE産生促進薬に関する。本発明はよ
り具体的には、上記した非天然アミノ酸を含有するデプ
シペプチドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成
分とする神経損傷治療薬に関する。本発明はより具体的
には、上記した非天然アミノ酸を含有するデプシペプチ
ドまたはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする
痴呆症治療薬にも関する。本発明はさらに、上記した非
天然アミノ酸を含有するデプシペプチドまたはその薬理
学的に許容される塩を有効成分とする高脂血症治療薬に
も関する。
【0007】前記一般式(1)において好ましくは、Xは
CH=CHまたはCH2−CH2であり、YはN(R12)−
COまたはN(R13)−CH2であり、R4は水酸基、A、
A−Bまたは−NH−CH(R14)−Z−CH(R15)−C
OR16(ZはCH=CHである)である。前記一般式
(1)の好ましい化合物は、XがCH=CHであり、Yが
N(R12)−COまたはN(R13)−CH2であり、R4が水
酸基、A、A−Bまたは−NH−CH(R14)−Z−CH
(R15)−COR16(ZはCH=CHである)であるデプ
シペプチドまたはその薬理学的に許容される塩、および
XがCH2−CH2であり、YがN(R12)−COであり、
4がA−Bであるデプシペプチドまたはその薬理学的
に許容される塩である。前記一般式(1)において、R4
が水酸基であるか、またはAがアスパラギン酸、アスパ
ラギン、グルタミン酸またはグルタミンであり、Bがア
ラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルア
ラニン、チロシン、プロリン、アスパラギン酸、アスパ
ラギン、グルタミン酸、グルタミンまたはβ−t−ブチ
ルアラニンである非天然アミノ酸を含有するデプシペプ
チドまたはその薬理学的に許容される塩が好ましい。ま
た、前記一般式(1)において、R16は水酸基であること
が好ましい。
【0008】上記した本発明の一般式(1)を有する非天
然アミノ酸を含有するデプシペプチドを構成する上記ア
ミノ酸は、L−体またはD−体のいずれであってもよ
く、そして一般式(1)中のAおよびBにおける遊離のア
ミノ基、遊離のカルボキシル基、遊離のω−カルバミド
基、遊離の水酸基、遊離のメルカプト基および/または
N−末端のアミノ基はそれらの保護基としてペプチド化
学で通常用いられる保護基でそれぞれ保護されていても
よく、そして上記AおよびBのアミノ酸残基がリシン、
ヒドロキシリシン、グルタミン酸またはアスパラギン酸
である場合は、隣接するアミノ酸とペプチド結合するア
ミノ基またはカルボキシル基はα−位にあるものでもま
たはω−位にあるものでもよい。
【0009】そして上記した遊離のアミノ基の保護基と
してはt−ブトキシカルボニル(以下、「Boc」とい
う)基、ベンジルオキシカルボニル(以下、「Cbz」
という)基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基
または9−フルオレニルメトキシカルボニル(以下、
「Fmoc」という)基等が、また、遊離のカルボキシ
ル基の保護基としてはベンジルオキシ(以下、「OBz
l」という)基、t−ブトキシ(以下、「OtBu」と
いう)基またはフェナシルオキシ(以下、「OPac」
という)基等が、GlnまたはAsnのω−カルバミド
基の保護基としては4,4′−ジメトキシベンズヒドリ
ル(以下、「Mbh」という)基またはトリチル(以下
「Trt」という)基等が、遊離の水酸基の保護基とし
てはOBzl基、OtBu基等が、アミノ酸残基におけ
る遊離のメルカプト基の保護基としてはベンジル基、T
rt基、アセタミドメチル基等が挙げられる。上記デプ
シペプチドのN−末端アミノ基の保護基としては、Bo
c基、Cbz基、p−メトキシベンジルオキシカルボニ
ル基およびFmoc基などのペプチド化学で通常用いら
れる保護基が用いられる。上記デプシペプチドのC−末
端カルボキシル基の保護基としては、OBzl基、Ot
Bu基、OPac基等が用いられる。
【0010】本発明の前記一般式(1)を有するデプシペ
プチドは、肝臓の諸機能を備えたHep G2細胞のア
ポリポプロテインE産生を促進する作用を有する。アポ
リポプロテインEは神経損傷の修復作用を有し、さらに
コレステロールとトリグリセリドの血中濃度を低下させ
る作用を有するので、アポリポプロテインEの産生促進
作用を有する本発明のデプシペプチドは、神経損傷治療
薬、特に痴呆症治療薬および高脂血症治療薬として有用
である。
【0011】本発明の前記一般式(1)で示される非天然
アミノ酸を含むデプシペプチドまたはその薬理学的に許
容される塩は、ペプチド合成において通常使用される方
法で製造することができる。例えば、泉屋信夫他著「ペ
プチド合成の基礎と実験」丸善(株)1985年などに記
載された縮合剤法、アジド法、クロリド法、酸無水物
法、混合酸無水物法、活性エステル法、酸化還元法、酵
素法などを用いることができる。
【0012】例えば、本発明の非天然アミノ酸を含有す
るデプシペプチドまたはその薬理学的に許容される塩
は、一般式(2)
【化5】 (式中、R1は前述したものと同一意義を有する)を有
する3−ヒドロキシカルボン酸のヒドロキシル基または
カルボキシル基を保護または活性化した後、この3−ヒ
ドロキシカルボン酸のヒドロキシル基には必要なN−末
端を保護したアミノカルボン酸すなわち P−HN−CH(R6)−X−CH(R5)−COOH (式中、Pはアミノ基の保護基を示す)のカルボキシル
基を、またこの3−ヒドロキシカルボン酸のカルボキシ
ル基には必要なアミノカルボン酸誘導体、すなわち H2N−CH(R14)−Z−CH(R15)−COR16 のアミノ基をそれぞれ定法により縮合させ、N−末端ま
たはC−末端の保護基を脱保護した後に、そのアミノ基
およびカルボキシル基をペプチド合成の定法に従って順
次所望のアミノ酸と縮合させることにより製造すること
ができる。
【0013】あるいは別法として、上記したアミノカル
ボン酸に先にあらかじめ必要なアミノ酸を縮合させ、次
いで上記した3−ヒドロキシカルボン酸のヒドロキシル
基またはカルボキシル基にエステル結合またはアミド結
合によって結合させることによって製造することができ
る。
【0014】上記した一般式(2)の化合物のカルボキシ
ル基の保護は、エーテル、メタノールなどの溶媒中、氷
冷下ないし室温でジアゾメタンと反応させるメチルエス
テル化反応や、ジメチルホルムアミド(以下、「DM
F」という)、ジメチルスルホキシド(以下、「DMS
O」という)などの溶媒中、室温〜加熱下で、塩基性物
質例えばトリエチルアミンの存在下、ベンジルブロミド
を反応させるベンジルエステル化などによって行うこと
ができる。
【0015】カルボキシル基が保護された化合物のヒド
ロキシル基への、アミノカルボン酸の縮合は、エーテ
ル、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エ
チル、DMF、テトラヒドロフラン(以下、「THF」
という)、アセトニトリル、DMSOなどの溶媒中、氷
冷下ないし室温で、好ましくはジメチルアミノピリジン
(以下、「DMAP」という)のようなアシル化触媒の
存在下で縮合試薬としてのN,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド(N,N′−Dicyclohexylcarbodiimide)
(以下、「DCC」という)や、1−エチル−3−(3′
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1−Ethy
l−3−(3′−dimethylaminopropyl)carbodiimide)塩
酸塩、すなわち水溶性カルボジイミド(以下、「WSC
I」という)を用いて行われる。
【0016】本発明のデプシペプチドの出発原料となる
一般式(2)の3−ヒドロキシカルボン酸の具体例として
は、3−ヒドロキシカプリル酸、3−ヒドロキシペラル
ゴン酸、3−ヒドロキ−カプリン酸、3−ヒドロキシラ
ウリン酸、3−ヒドロキシミリスチン酸、3−ヒドロキ
シパルミチン酸、3−ヒドロキシマルガリン酸、3−ヒ
ドロキシステアリン酸、4−オクチルオキシ−3−ヒド
ロキシ酪酸、4−ノニルオキシ−3−ヒドロキシ酪酸、
4−デシルオキシ−3−ヒドロキシ酪酸、4−ウンデシ
ルオキシ−3−ヒドロキシ酪酸、4−ドデシルオキシ−
3−ヒドロキシ酪酸または4−トリデシルオキシ−3−
ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。これらの一般式(2)の
3−ヒドロキシカルボン酸はR−体またはS−体の光学
活性体並びにラセミ体を用いることができるが、R1
直鎖状または有枝鎖状のC5〜C20アルキル基の場合は
R−体を用いることが好ましく、R1が直鎖状または有
枝鎖状のC5〜C15アルコキシメチル基である場合はS
−体を用いることが好ましい。
【0017】前記一般式(1)を有するデプシペプチドを
製造するに際して、縮合剤法を用いる場合は、DCC、
WSCI、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イ
ル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムテト
ラフルオロボレート(TBTU)、ベンゾトリアゾール
−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)またはO
−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,2,
3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェー
ト(HATU)等を用いることができる。また、同時
に、ラセミ化を抑制するために通常用いられる添加剤、
例えばN−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(1−Hydroxybenzotriazole)(以
下、「HOBt」という)、N−ヒドロキシ−5−ノル
ボネン−2,3−ジカルボジイミドまたは1−ヒドロキ
シ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)等を加え
ることも好ましい。また、アジド法で用いられる主な縮
合剤としては、ジフェニルリン酸アジド(以下、「DP
PA」という)等が挙げられる。なお、縮合反応を行う
前に、通常公知の手段によって当該縮合反応に関与しな
いカルボキシル基、アミノ基、水酸基、メルカプト基な
らびにω−カルバミド基等へ保護手段を施すことが好ま
しい。この場合、保護手段に用いる保護基としては、前
述の各種保護基を用いることができる。
【0018】本発明のデプシペプチドの製造工程におけ
る保護基の脱離反応は、ペプチド結合に影響を与えずに
保護基を脱離できるものが必要であり、用いる保護基の
種類に応じて適宜選択すればよい。前記の各ペプチド合
成に用いる溶媒としては、例えばクロロホルム、ジクロ
ロメタン、酢酸エチル、DMF、DMSO、ピリジン、
ジオキサン、THF、ジメトキシエタン、アセトニトリ
ルなどが挙げられ、必要に応じて2種以上の溶媒を合わ
せて用いてもよい。また、この縮合反応は通常の場合と
同様に、約−20〜50℃の範囲で行われる。また、ペ
プチド合成は、液相法および固相法のいずれによっても
製造でき、更にカラム法、バッチ法のいずれを用いても
よい。
【0019】本発明のデプシペプチドが塩の形態の化合
物である場合には、これを遊離の形態の化合物に変換
し、またこのようにして製造された本発明のデプシペプ
チドが遊離の形態の化合物である場合にはこれをその薬
理学的に許容される塩の形態の化合物に変換することが
できる。そして後者の場合においてこのデプシペプチド
がカルボキシル基の存在によって酸性化合物である時に
は、無機塩基との塩、例えばナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、アンモニウム塩など、または有機塩
基との塩を、またこのペプチド誘導体がアミノ基の存在
によって塩基性化合物である時には、無機酸との塩、例
えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など、ま
たは有機酸との塩、例えば酢酸塩、コハク酸塩、シュウ
酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩などの薬理学的に許容され
る塩を形成させうる。
【0020】本発明のデプシペプチドまたはその薬理学
的に許容しうる塩は種々の投与形態の製剤とすることが
できる。すなわち、この製剤は経口的に錠剤、糖衣錠、
硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製
剤および溶液、エマルジョンまたは懸濁液等の液体製剤
の形態で投与することができる。また、非経口投与の場
合には注射剤、坐剤等の形態で投与される。これらの製
剤の調製にあたっては製剤化のための慣用の添加剤、例
えば賦形剤、安定剤、防腐剤、溶解剤、湿潤剤、乳化
剤、滑沢剤、甘味剤、着色剤、香味剤、張度調製剤、緩
衝剤、酸化防止剤などを添加して製剤化することができ
る。
【0021】添加剤としては、例えばデンプン、白糖、
果糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、
沈降性炭酸カルシウム、結晶セルロース、カルボキシメ
チルセルロース、デキストリン、ゼラチン、アラビアゴ
ム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース等が挙げられる。
【0022】本発明のデプシペプチドを液剤、注射剤と
して用いるときは本発明のデプシペプチドを慣用の希釈
剤中に溶解または懸濁して用いることができる。希釈剤
としては、生理食塩水、リンゲル液、ブドウ糖水溶液、
アルコール類、脂肪酸エステル類、グリコール類、グリ
セリン、動植物由来の油脂、パラフィン類などが含まれ
る。また、これらの製剤は、通常の方法で製造すること
ができる。
【0023】そして通常の臨床投与量として、成人一人
当たり経口の場合、0.5〜2000mgの範囲、好まし
くは1〜1000mgの範囲、さらに好ましくは5〜50
0mgの範囲で用いられる。また、成人一人一日あたり非
経口の場合は、0.05〜5000mgの範囲で用いられ
る。
【0024】次に本発明のデプシペプチドの製造方法の
具体例を実施例として、また本発明のデプシペプチドの
アポリポプロテインE産生能についての試験を試験例と
して、また本発明のデプシペプチドを有効成分とする製
剤についての具体例を製剤例としてそれぞれ述べること
にする。
【0025】そして、実施例1における反応工程は反応
スキーム1に、実施例2における反応工程は反応スキー
ム2に、実施例3における反応工程は反応スキーム3
に、実施例4における反応工程は反応スキーム4に、実
施例5における反応工程は反応スキーム5にそして実施
例6における反応工程は反応スキーム6に示した。そし
て各実施例中の化合物番号は各反応スキーム中に示され
た化合物とその番号に対応するものである。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【実施例】実施例1 1−i) 5−アミノ−3−ペンテン酸(1.00g)の
ジオキサン(17mL)、水(8.7mL)そして1M炭酸
ナトリウム水溶液(8.7mL)の混合溶液にジ−t−ブ
チルジカーボネート(2.09g)を氷冷下加えた。こ
の溶液を室温で5時間撹拌した後、溶液を約15mLまで
減圧下に濃縮した。この溶液を氷冷下10%クエン酸水
溶液で約pH3にした。水層を酢酸エチルで抽出し、合
わせた有機層を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去した後、酢酸エチル−ヘキサン系で再結晶を
行ない5−Bocアミノ−3−ペンテン酸(中間体化合
物1)1.81gを得た。1 H-NMR (d ppm, CDCl3) : 6.10 (1H, br s), 5.55-5.75
(2H, m), 4.66 (1H,br s), 3.65-3.80 (2H, m), 3.11
(2H, d, J=6.4 Hz), 1.45 (9H, s).
【0034】1−ii) 3−ヒドロキシミリスチン酸5.
00gをDMF50mLに溶解し、トリエチルアミン2.
85mLと臭化ベンジル2.43mLを室温で加えた。この
反応混合物を室温で一夜撹拌した。溶媒を留去し、残留
物に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離し、水で二度
洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製して、3−ヒドロキシミリスチン酸ベンジル(中間
体化合物2)3.69gを得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.33-7.40(m, 5H), 5.16(s, 2
H), 3.95-4.05(m, 1H), 2.85(d, J=4.4Hz, 1H), 2.56(d
d, J=2.9, 17Hz, 1H), 2.46(dd, J=9.0, 17Hz,1H), 1.2
0-1.60(m, 20H), 0.88(t, J=6.8Hz, 3H)
【0035】1−iii) 中間体化合物1(1.00
g)、中間体化合物2(1.55g)およびジメチルア
ミノピリジン(40mg)のジクロロメタン(40mL)溶
液に氷冷下、DCC(1.44g)を加え、氷冷下で2
時間、続いて室温で一晩撹拌した。析出物を濾別した
後、ジクロロメタンを留去した。残留物に酢酸エチルと
10%クエン酸水溶液を加えた。分液した酢酸エチル層
を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液そして水で順番に
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを
留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製し中間体化合物3を2.29g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :7.30-7.40 (5H, m), 5.50-5.
68 (2H, m), 5.20-5.25 (1H, m), 5.11 (2H, s), 4.59
(1H, br s), 3.71 (2H, br s), 2.96 (2H, d,J=4.9 H
z), 2.57-2.66 (2H, m), 1.50-1.65 (2H, m), 1.44 (9
H, s), 1.20-1.35(18H, m), 0.88 (3H, t, J=6.8 Hz).
【0036】1−iv) 中間体化合物3(1.29g)を
トリフルオロ酢酸(以下、「TFA」という)(13m
L)に溶解し、溶液を室温で30分撹拌した。TFAを
留去した後、残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液で洗浄した。これを無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、酢酸エチルを留去してアミン体を得た。
得られたアミン体とFmoc−L−アスパラギン酸β−
t−ブチルエステル(Fmoc−Asp(OtBu))(1.00g)
とHOBt・1水和物(0.41g)とのジクロロメタ
ン(30mL)溶液に氷冷下、WSCI(0.51g)を
加えた。この溶液を氷冷下で2時間撹拌した後、室温で
一晩撹拌した。ジクロロメタンを留去した後、残留物を
酢酸エチルに溶解し、10%クエン酸水溶液、水、5%
炭酸水素ナトリウム水溶液そして水で順番に洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを留去
した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し
て化合物1を1.59g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :7.76 (2H, d, J=7.3 Hz), 7.
58 (2H, d, 7.3 Hz),7.40 (2H, t, 7.3 Hz), 7.27-7.35
(7H, m), 6.53 (1H, br s), 5.94 (1H, d, J=7.8 Hz),
5.62-5.67 (1H, m), 5.45-5.55 (1H, m), 5.19-5.26
(1H, m), 5.10(2H, s), 4.50 (1H, br s), 4.43 (2H,
d, J=6.8 Hz), 4.22 (1H, t, J=6.8 Hz), 3.80-3.85 (2
H, m), 2.94 (2H, d, J=6.8 Hz), 2.89 (1H, br s), 2.
50-2.65(3H, m), 1.50-1.65 (2H, m), 1.44 (9H, s),
1.20-1.35 (18H, m), 0.88 (3H,t, J=6.8 Hz).
【0037】1−v) 化合物1(1.59g)のDMF
(21mL)溶液にジエチルアミン(2.1mL)を加え室
温で4時間撹拌した。溶媒を留去した後、得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製しア
ミン体を0.92g得た。得られたアミン体(0.50
g)とCbz−L−バリン(0.21g)およびHOB
t・1水和物(0.14g)のジクロロメタン(30m
L)溶液に氷冷下、WSCI(0.17g)を加えた。こ
の溶液を氷冷下で2時間撹拌した後、室温で一晩撹拌し
た。ジクロロメタンを留去した後、残留物に酢酸エチル
と10%クエン酸水溶液を加えた。分液した酢酸エチル
層を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液そして水で順番
に洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル
を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し化合物2を0.63g得た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) :7.25-7.35 (10H, m), 5.45-
5.70 (2H, m), 5.15-5.25 (1H, m), 5.05-5.15 (4H,
m), 4.60-4.70 (1H, m), 3.85-3.90 (2H, m), 3.65-3.7
5 (1H, m), 2.55-2.90 (6H, m), 2.00-2.10 (1H, m),
1.50-1.65 (2H, m),1.43 (9H, s), 1.20-1.45 (18H,
m), 0.80-1.00 (9H, m).
【0038】1−vi) 化合物2(0.53g)のメタノ
ール(15mL)溶液に蟻酸アンモニウム(0.24g)
と5%パラジウム炭素(25mg)を加え、約70℃で4
時間撹拌した。パラジウム炭素を濾別し、メタノールを
留去した後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し化合物3を0.28g得た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) :7.25-7.40 (5H, m), 5.50-5.
75 (2H, m), 5.15-5.30 (1H, m), 5.11, 5.10 (2H, 2
s), 4.60-4.70 (1H, m), 3.85-3.90 (1H, m), 3.70-3.8
0 (2H, m), 2.35-3.05 (6H, m), 2.00-2.15 (1H, m),
1.50-1.65 (2H, m), 1.43, 1.44 (9H, 2s), 1.20-1.40
(18H, m), 0.85-1.05 (9H, m).
【0039】1−vii) 化合物3(0.14g)とN−
γ−Mbh−L−グルタミンエチルエステル(Gln(Mb
h)−OEt)(75mg)およびHOBt・1水和物(32m
g)のジクロロメタン(10mL)溶液に氷冷下、WSC
I(40mg)を加えた。この溶液を氷冷下で2時間撹拌
した後、室温で一晩撹拌した。ジクロロメタンを留去し
た後、残留物に酢酸エチルと10%クエン酸水溶液を加
えた。分液した酢酸エチル層を水、5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液そして水で順番に洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。酢酸エチルを留去した後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し化合物4を0.08g
得た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) :7.25-7.40 (5H, m), 7.10-7.
15 (4H, m), 6.85 (4H, d, J=8.8 Hz), 6.08 (1H, s),
5.45-5.70 (2H, m), 5.15-5.25 (1H, m), 5.09(2H, s),
4.60-4.75 (1H, m), 4.30-4.40 (1H, m), 4.10-4.20
(2H, m), 3.88(1H, d, J=6.4 Hz), 3.76 (6H, s), 3.60
-3.80 (2H, m), 2.95-3.05 (2H, m), 2.25-2.85 (6H,
m), 1.90-2.20 (3H, m), 1.50-1.70 (2H, m), 1.42, 1.
43 (9H,2s), 1.20-1.45 (21H, m), 0.85-1.00 (9H, m).
【0040】1−viii) 化合物4(0.08g)のTF
A(2mL)溶液を室温で3.5時間撹拌した。TFAを
留去した後、残留物に酢酸エチルと5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加えた。分液した水層を酢酸エチルで洗浄
後、濃塩酸で約pH4にした。生成した固体を濾取・乾
燥して化合物5を0.02g得た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) :7.25-7.40 (5H, m), 5.65-5.
75 (1H, m), 5.50-5.60 (1H, m), 5.15-5.30 (1H, m),
5.11 (2H, 2s), 4.65-4.75 (1H, m), 4.35-4.45 (1H,
m), 4.10-4.20 (2H, m), 3.90 (1H, d, J=6.4 Hz), 3.6
0-3.80 (2H, m),3.00-3.10 (2H, m), 2.00-3.00 (8H,
m), 1.85-2.00 (1H, m), 1.55-1.70 (2H,m), 1.20-1.40
(21H, m), 0.85-1.05 (9H, m).
【0041】1−ix) 上記した化合物4の合成過程で
用いたGln(Mbh)−OEtは次のようにして合成し
た。N−α−Cbz−N−γ−Mbh−L−グルタミン
(Cbz−Gln(Mbh))(5.00g)および炭酸水素ナトリ
ウム(1.66g)のDMF(50mL)懸濁液に臭化エ
チル(7.52mL)のDMF(50mL)溶液を室温で滴
下して加えた。この反応溶液を室温で一晩撹拌した後、
水を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機
層を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去
した後、得られた粗生成物を酢酸エチル−ヘキサン系で
再結晶を行ない、Cbz−Gln(Mbh)−OEtを
4.62g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.27-7.40 (5H, m), 7.14
(4H, dd, J=6.1, 7.8 Hz), 6.84 (4H, dd, J=0.92, 8.8
Hz), 6.45 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.14 (1H, d,J=7.8 H
z), 5.60 (1H, d, J=7.8 Hz), 5.09 (2H, s), 4.29-4.3
8 (1H, m), 4.11-4.22 (2H, m), 3.78 (6H, s), 2.19-
2.40 (3H, m), 1.90-2.02 (1H, m), 1.25(3H, t, J=7.1
Hz).
【0042】このCbz−Gln(Mbh)−OEt
(2.62g)をメタノール(50mL)に溶解し5%パ
ラジウム炭素(0.26g)を加え、水素雰囲気下室温
で4時間撹拌した。パラジウム炭素を濾別し、メタノー
ルを留去した後、得られた粗生成物を酢酸エチル−ヘキ
サン系で再結晶を行ない、Gln(Mbh)−OEtを
1.95g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.13 (4H, d, J=8.8 Hz),
6.85 (4H, td, J=2.6,8.8 Hz), 6.52 (1H, d, J=7.8 H
z), 6.14 (1H, d, J=7.8 Hz), 4.16 (2H, q, J=7.2 H
z), 3.79 (6H, s), 3.40-3.47 (1H, m), 2.33-2.48 (2
H, m), 2.08-2.20 (1H, m), 1.78-1.89 (1H, m), 1.56
(2H, s), 1.26 (3H, t, J=7.3 Hz).
【0043】実施例2 2−i) 化合物3(120mg)とGln(Mbh)−Ot
Bu(86mg)およびHOBt・1水和物(25mg)の
ジクロロメタン(10mL)溶液に氷冷下、WSCI(3
1mg)を加えた。この溶液を氷冷下で2時間撹拌した
後、室温で一晩撹拌した。ジクロロメタンを留去した
後、残留物に酢酸エチルと10%クエン酸水溶液を加え
た。分液した酢酸エチル層を水、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液そして水で順番に洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。酢酸エチルを留去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し化合物6を0.08g得
た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) :7.28-7.41 (8H, m), 7.11-7.
18 (4H, m), 6.62-6.96 (6H, m), 6.16 (1H, d, J=8.3
Hz), 5.53-5.78 (1H, m), 5.12-5.53 (2H,m),5.05-5.12
(2H, m), 4.65-4.76 (1H, m), 4.39-4.49 (1H, m), 3.
96-4.05 (1H,m), 3.63-3.85 (8H, m), 2.78-3.04 (2H,
m), 2.52-2.67 (1H,m), 2.08-2.51 (7H, m), 1.73-1.96
(1H, m), 1.51-1.67 (2H, m), 1.33-1.50 (18H, m),
1.21-1.33 (18H, m), 0.85-1.00 (9H, m).
【0044】2−ii) 化合物6(0.08g)のTFA
(2mL)溶液を室温で1時間撹拌した。TFAを留去し
た後、残留物に酢酸エチルと5%炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えた。分液した水層を濃塩酸で約pH4にし
た。生成した固体を濾取・乾燥して化合物7を0.01
g得た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) :7.23-7.39 (5H, m), 5.65-5.
74 (1H, m), 5.50-5.59 (1H, m), 5.17-5.29 (1H, m),
5.11 (1H, s), 5.10 (1H, s), 4.64-4.74 (1H,m), 4.32
-4.40 (1H, m), 3.87-3.92 (1H, m), 3.68-3.79 (2H,
m), 3.01-3.07(1H, m), 2.72-2.91 (2H, m), 2.45-2.56
(2H, m), 2.22-2.40 (3H, m), 2.04-2.19 (2H, m), 1.
89-1.99 (1H, m), 1.55-1.67 (2H, m), 1.21-1.37 (18
H, m), 0.86-1.07 (9H, m).
【0045】2−iii) 上記した化合物6の合成過程で
用いたGln(Mbh)−OtBuは次のようにして合成
した。すなわちN−α−Cbz−N−γ−Mbh−L−
グルタミン(Cbz−Gln(Mbh))(3.00g)と第三ブチ
ルアルコール(0.62mL)とジメチルアミノピリジン
(0.36g)のDMF(20mL)溶液に氷冷下、WS
CI(1.25g)を加えた。この溶液を氷冷下で2時
間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。DMFを留去した
後、残留物に酢酸エチルと10%クエン酸水溶液を加え
た。分液した酢酸エチル層を水、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液そして水で順番に洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。酢酸エチルを留去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーおよび酢酸エチル−ヘキサン系で
の再結晶化で精製しN−α−Cbz−N−γ−Mbh−
L−グルタミン−t−ブチルエステル(Cbz−Gln(Mbh)
−OBu)1.28gを得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.24-7.39 (5H, m), 7.04-
7.20 (4H, m), 6.76-6.88 (4H, m), 6.57 (1H, d, J=7.
3 Hz), 6.13 (1H, d, J=8.3 Hz), 5.52 (1H, d,J=8.3 H
z), 5.08 (2H, s), 4.16-4.26 (1H, m), 3.78 (6H, s),
2.12-2.41 (3H, m), 1.84-2.06 (1H, m), 1.44 (9H,
s).
【0046】このCbz−Gln(Mbh)−OBu
(0.11g)をメタノール(5mL)に溶解し5%パラ
ジウム炭素(10mg)を加え、水素雰囲気下で4時間撹
拌した。パラジウム炭素を濾別し、メタノールを留去し
てGln(Mbh)−OBuを得た。
【0047】実施例3 3−i) N−t−ブチルカルボニル−D−ロイシン・1
水和物(Boc−D−Leu−OH・H2O)(2.5g)のTHF
(12mL)溶液にトリエチルアミン(1.25g)を加
えた後、氷冷下クロルギ酸エチル(1.09g)を加え
た。この溶液を氷冷下30分間撹拌し濾過した。濾液に
NaBH4(946mg)の水(12mL)懸濁液を氷冷下
に徐々に加えた。この溶液を氷冷下4時間撹拌しエーテ
ル(100mL)を加えた。水層をクロロホルム(200
mL)で3回抽出し合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し中間体化合物4を1.35g得
た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :4.55 (1H, br s), 3.64-3.72
(2H, m), 3.47-3.52(1H, m), 2.43 (1H, br s), 1.61-
1.72 (1H, m), 1.24-1.36 (2H, m), 1.45 (9H, s), 0.9
2-0.95 (6H, m).
【0048】3−ii) 中間体化合物4(1.35g)と
トリエチルアミン(1.9g)とのジクロロメタン(4
0mL)溶液に氷冷下メシルクロライド(1.78g)を
加えた。この溶液を氷冷下1時間撹拌後、クロロホルム
(100mL)を加え、水(50mL)で2回洗浄した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し中間
体化合物5を1.76g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :4.50-4.56 (1H, m), 4.16 (1
H, br d, J=4.0 Hz),4.15 (1H, dd, J=4.0, 10 Hz), 3.
92 (1H, br s), 3.03 (3H, s), 1.65-1.73 (1H, m), 1.
44 (9H, s), 1.28-1.45 (2H, m), 0.94 (3H, d, J=3.2
Hz), 0.93 (3H, d, J=3.2 Hz).
【0049】3−iii) ナトリウムメトキサイド(1.
03g)とチオフェノール(2.17g)のTHF(8m
L)とメタノール(3mL)溶液に中間体化合物4(1.7
6g)のTHF(7mL)溶液を加えた。この溶液を50
℃で4時間撹拌した後、クロロホルム(50mL)と10
%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加えた。有機層
を5%水酸化ナトリウム水溶液と飽和重曹水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し中間体化合
物6を1.77g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :7.37-7.40 (2H, m), 7.26-7.
29 (2H, m), 7.15-7.19 (1H, m), 4.50-4.57 (1H, m),
3.75-3.91 (1H, m), 2.93-3.10 (2H, m), 1.57-1.65 (1
H, m), 1.41 (9H, s), 1.38-1.48 (2H, m), 0.90 (3H,
d, J=6.4 Hz),0.87 (3H, d, J=6.4 Hz).
【0050】3−iv) 別法として、3−i)で得られた
中間体化合物4(1.20g)のTHF(15mL)溶液
に氷冷下、ジフェニルジスルフィド(1.88g)とト
リn−ブチルフォスフィン(1.68g)を加えた。こ
の溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を留去した後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し中間体化
合物6を1.70g得た。
【0051】3−v) 得られた中間体化合物6(1.7
0g)のジクロロメタン(45mL)溶液に氷冷下mCP
BA(3.03g)を加えた。この溶液を氷冷下で1時
間撹拌した後、クロロホルム(50mL)と15%水酸化
ナトリウム水溶液(15mL)そして亜硫酸水素ナトリウ
ム(15mL)を加えた。水層をクロロホルム(20mL)
で2回抽出後、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去した後、ヘキサン−酢酸エチルよ
り結晶化し中間体化合物7を1.74g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :7.91-7.94 (2H, m), 7.64 (1
H, m), 7.55-7.59 (2H, m), 4.82 (1H, br s), 3.94-4.
01 (1H, m), 3.41-3.44 (1H, m), 3.23-3.28 (1H, m),
1.50-1.72 (3H, m), 1.40 (9H, s), 0.87-0.90 (6H,
m).
【0052】3−vi) 1−メチル−(S)−2−ヒドロ
キシプロピオン酸メチル(1.18g)とジヒドロピラ
ン(1.10g)のジクロロメタン(20mL)溶液に室
温下、p−トルエンスルホン酸(50mg)を加えた。こ
の溶液を室温で4時間撹拌した後、クロロホルム(10
0mL)と水(80mL)を加えた。水層をクロロホルム
(20mL)で抽出し合わせた有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し中間体化合物8を2.03g
得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :4.60 and 4.62 (1H, t, J=3.
2 Hz), 3.74-3.94 (2H, m), 3.70 (s, 3H), 3.42-3.62
(2H, m), 2.74 (1H, m), 1.52-1.80 (6H, m),1.18 and
1.20 (3H, d, J=6.8 Hz).
【0053】3−vii) 中間体化合物7(683mg)の
THF(24mL)溶液に、−78℃でメチルリチウム
(ジエチルエーテル中 1.03M)(4.27mL)を加え
た。この溶液を−78℃で30分間撹拌した(溶液
A)。中間体化合物8(971mg)のジエチルエーテル
(14mL)溶液に、−78℃でDIBAH(ヘキサン溶
液中0.95M)(5.5mL)を滴下した。この溶液を−
78℃で30分間撹拌した(溶液B)。溶液Bを溶液A
にカニューレを用いて加え−78℃で30分間撹拌し
た。この溶液にジエチルエーテル(100mL)、水(8
0mL)、飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加
え、室温まで昇温後飽和ロッシェル塩水溶液(100m
L)を加えた。水層をジエチルエーテル(100mL)で
2回抽出後、合わせた有機層を飽和ロッシェル塩水溶
液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で順
次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
留去した後、得られた中間体化合物9をそのまま次の反
応に用いた。
【0054】3−viii) 得られた中間体化合物9のメ
タノール(40mL)溶液にリン酸ナトリウム(3.25
g)と5%ナトリウムアマルガム(12.5g)を氷冷
下加えた。この溶液を氷冷下4時間撹拌した後、濾過し
た。濾液を減圧濃縮後、ジエチルエーテル(100mL)
を加え、水(50mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し中間体化合物10
を330mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :5.51-5.59 (1H, m), 5.31-5.
41 (1H, m), 4.55-4.60 (1H, m), 4.25-4.41 (1H, m),
4.00-4.16 (1H, m), 3.81-3.88 (1H, m), 3.45-3.63 (2
H, m), 3.17-3.30 (1H, m), 2.41-2.49 (1H, m), 1.39
(9H, s), 1.23-1.87 (9H, m), 1.02 and 1.03 (3H, d,
J=4.4 Hz), 0.92 (3H, d, 4.4 Hz), 0.90 (3H, d, J=4.
4 Hz).
【0055】3−ix) 中間体化合物10(330mg)
のアセトン(50mL)溶液に、ジョーンズ試薬(1.9
2M)(1.6mL)を氷冷下加えた。この溶液を氷冷下で
2時間撹拌後、水(100mL)、ジエチルエーテル(5
0mL)を加えた。水層をジエチルエーテル(50mL)で
2回抽出後、合わせた有機層を5%水酸化ナトリウム水
溶液(50mL)で3回洗浄した。水層に3N塩酸水を加
え、pH3〜4とした後、ジエチルエーテル(50mL)
で3回抽出し合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を留去した後、得られた中間体化合物11
をそのまま次の反応に用いた。
【0056】3−x) 得られた中間体化合物11にT
FA(3mL)を加え室温で2時間撹拌した。溶媒を留去
した後、得られた中間体化合物12をそのまま次の反応
に用いた。
【0057】3−xi) 得られた中間体化合物12の1
0%炭酸ナトリウム水溶液(6mL)にFmoc−Cl
(365mg)のジオキサン(6mL)溶液を加えた。この
溶液を室温で4時間撹拌した後、イソプロピルエーテル
(20mL)と水(10mL)を加えた。水層をイソプロピ
ルエーテルで洗浄後、pH3まで3N塩酸水を加え酢酸
エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し中間体化合物13を50mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :7.73-7.75 (2H, m), 7.56-7.
58 (2H, m), 7.36-7.37 (2H, m), 7.27-7.31 (2H, m),
5.28-5.76 (2H, m), 4.63-4.75 (1H, m), 4.34-4.54 (2
H, m), 4.13-4.28 (2H, m), 2.96-3.22 (1H, m), 1.50-
1.67 (1H, m),1.14-1.43 (5H, m), 0.69-0.99 (6H, m).
【0058】3−xii) 中間体化合物13(160mg)
と中間体化合物14(369mg)のジクロロメタン(5
mL)溶液にジメチルアミノピリジン(10mg)とDCC
(99mg)を氷冷下加えた。この溶液を室温で6時間撹
拌した後、セライト濾過した。濾液から溶媒を留去した
後、クロロホルムを加え水、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し中間体
化合物15を310mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.71-7.81 (2H, m), 7.52-
7.69 (2H, m), 7.09-7.43 (8H, m), 6.48-6.89 (5H,
m), 6.07-6.28 (1H, m), 5.35-5.78 (1H, m), 5.05-5.2
8 (1H, m), 3.98-4.48 (7H, m), 3.76 and 3.78 (3H,
s), 3.75 and 3.76(3H, s), 3.41-3.54 (1H, m), 1.41
and 1.42 (9H, s), 1.02-2.46 (3H, m), 0.67-0.96 (15
H, m).
【0059】3−xiii) 中間体化合物15(310mg)
のDMF(3mL)溶液にジエチルアミン(0.3mL)を
室温で加えた。この溶液を室温で2.5時間撹拌した
後、溶媒を留去した。残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し中間体化合物16を200mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.60-7.69 (1H, m), 7.12-
7.25 (4H, m), 6.63-6.88 (5H, m), 6.15-6.23 (1H,
m), 5.59-5.76 (1H, m), 5.38-5.53 (1H, m), 5.13-5.2
2 (1H, m), 4.25-4.46 (2H, m), 3.78 and 3.79 (3H,
s), 3.76 and 3.78(3H, s),, 3.29-3.41 (1H, m), 3.00
-3.16 (1H, m), 2.32-2.77 (4H, m), 1.40and 1.42 (9
H, s), 1.17-1.67 (31H, m), 0.82-0.94 (15H, m).
【0060】3−xiv) 中間体化合物16(200mg)
とFmoc−L−アスパラギン酸β−t−ブチルエステ
ル(FmocAsp(OtBu))(106mg)のジクロ
ロメタン(5mL)溶液にHOBt・1水和物(35mg)
とWSCI(50mg)を氷冷下に加えた。この溶液を室
温で66時間撹拌後、溶媒を留去し、残査をクロロホル
ムに溶解した。この溶液を水、5%炭酸水素ナトリウム
水溶液、10%クエン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残
査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し化合
物8を220mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.72-7.79 (2H, m), 7.51-
7.62 (m, 2H), 7.27-7.43 (4H, m), 7.03-7.24 (5H,
m), 6.56-6.87 (6H, m), 6.07-6.48 (2H, m), 5.54-5.7
5 (1H, m), 5.35-5.49 (1H, m), 5.09-5.22 (1H, m),
4.17-4.73 (7H, m),3.76 and 3.77 (3H, s), 3.76 (3H,
s), 1.88-3.08 (7H, m), 1.42 and 1.43 (9H, s), 1.4
1 and 1.42 (9H, s), 1.09-1.70 (31H, m), 0.71-0.92
(15H, m).
【0061】3−xv) 化合物8(220mg)のDMF
(2mL)溶液にジエチルアミン(0.2mL)を室温下に
加えた。この溶液を室温で2.5時間撹拌した後、溶媒
を留去した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し化合物9を160mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.27-7.58 (2H, m), 7.12-
7.25 (4H, m), 6.62-7.01 (6H, m), 6.19-6.25 (1H,
m), 5.55-5.77 (1H, m), 5.39-5.51 (1H, m), 5.12-5.2
5 (1H, m), 4.25-4.47 (3H, m), 3.79 and 3.79 (6H,
s), 3.58-3.70 (1H,m), 2.99-3.10 (1H, m), 2.78-2.87
(1H, m), 2.28-2.51 (5H, m), 1.45 (9H,2s), 1.43 (9
H, s), 1.15-2.15 (31H, m), 0.82-0.93 (15H, m).
【0062】3−xvi) 化合物9(160mg)とFmo
c−L−バリン(59mg)のジクロロメタン(3mL)溶
液にHOBt・1水和物(24mg)とWSCI(33m
g)を氷冷下加えた。この溶液を室温で16時間撹拌
後、溶媒を留去し、残査をクロロホルムに溶解した。こ
の溶液を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、10%ク
エン酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し粗目的物を得た。これ
をクロロホルム−酢酸エチル−ヘキサン系により固化さ
せて、化合物10を200mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.73-7.80 (2H, m), 7.27-
7.61 (8H, m), 7.09-7.23 (5H, m), 6.60-6.97 (6H,
m), 6.18-6.26 (1H, m), 5.31-5.73 (3H, m), 5.09-5.2
3 (1H, m), 4.75-4.96 (1H, m), 4.15-4.52 (6H, m),
3.96-4.11 (1H, m),3.76 (3H, 2s), 3.74 and 3.76 (3
H, s), 2.17-3.04 (7H, m), 1.08-2.15 (32H, m), 0.75
-1.00 (21H, m).
【0063】3−xvii) 化合物10(200mg)をT
FA(3mL)に溶解した。この溶液を室温で3時間撹拌
した後、溶媒を留去した。残査をクロロホルム−メタノ
ール−ジエチルエーテル系により固化させて化合物11
を70mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.79 (2H, d, J=7.6 Hz),
7.41-7.75 (2H, m), 7.39 (2H, t, J=7.6 Hz), 7.32 (2
H, t, J=7.6 Hz), 5.54-5.70 (1H, m), 5.38-5.49 (1H,
m), 5.10-5.25 (1H, m), 4.65-4.80 (1H, m), 4.20-4.
50 (6H, m), 3.83-3.90 (1H, m), 2.71-3.04 (3H, m),
2.22-2.58 (4H, m), 1.85-2.14 (3H, m),1.06-1.78 (29
H, m), 0.81-1.00 (21H, m).
【0064】実施例4 4−i) ジオキサン(162mL)、水(83mL)、1M
炭酸ナトリウム水(83mL)の混合溶液に5―アミノ吉
草酸(10g)を加えた。この溶液にジ―t―ブチル―
ジカルボナート(19.9g)を氷冷下加えた。室温で
一晩攪拌後、溶液を約100mLまで減圧下濃縮した。氷
冷下、10%クエン酸水でpH3に調整した後、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水で洗浄後、硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を除いた後、ヘキサン−酢酸エチル系
で再結晶を行いN−Boc−5−アミノ吉草酸を17g
得た。1 H-NMR(δ ppm, CDCl3) : 5.78 (1H,br s), 4.61 (1H,
br s), 3.05-3.20 (2H, m), 2.38 (2H, t, J=7.3 Hz),
1.60-1.70 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.35-1.60(2H, m).
【0065】4−ii) 得られたN−Boc−5−アミ
ノ吉草酸(3g)、ジメチルアミノピリジン(0.15
g)とベンジルアルコール(1.36mL)のジクロロメ
タン(50mL)溶液に氷冷下WSCI(2.89g)を
加えた。この溶液を氷冷下で2時間攪拌した後、室温で
一晩攪拌した。溶媒を留去した後、残留物に酢酸エチル
と水を加えた。分液した酢酸エチルを5%炭酸水素ナト
リウム水溶液で2回、水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製してN−Boc−5−アミノ
吉草酸ベンジルを4g得た。1 H-NMR(δ ppm, CDCl3) : 7.27-7.37 (5H, m), 5.11 (2
H, s), 4.53 (1H, brs), 3.05-3.15 (2H, m), 2.38 (2
H, t, J=7.3 Hz), 1.55-1.70 (2H, m), 1.44 (9H, s),
1.35-1.60 (2H, m).
【0066】4−iii) 得られたN−Boc−5−ア
ミノ吉草酸ベンジル(4g)にTFA(50mL)を加え
て20分室温で攪拌した。TFAを留去した後、酢酸エ
チルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。分液し
た酢酸エチルを無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
留去して5−アミノ吉草酸ベンジルを2.7g得た。1 H-NMR(δ ppm, CDCl3) : 7.80 (2H, br s), 7.25-7.38
(5H, m), 5.07 (2H,s), 2.85-2.95 (2H, m), 2.35-2.4
5 (2H, m), 1.60-1.70 (4H, m).
【0067】4−iv) 得られた5−アミノ吉草酸ベン
ジル(2.04g)、Fmoc−アスパラギン酸β−t−
ブチルエステル(2.03g)とHOBt・1水和物
(0.83g)のジクロロメタン(30mL)溶液に氷冷
下WSCI(1.04g)を加えた。この溶液を氷冷下
で2時間攪拌した後、室温で一晩攪拌した。溶媒を留去
した後、残留物を酢酸エチルに溶解し、10%クエン酸
水溶液、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液そして水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して
中間体化合物17を2.41g得た。1 H-NMR(δ ppm, CDCl3) : 7.76 (2H, d, J=7.8 Hz), 7.
58 (2H, d, J=7.3 Hz), 7.23-7.46 (6H, m), 6.52 (1H,
br s), 5.94 (1H, d, J=8.0 Hz), 5.09 (2H,s), 4.36-
4.55 (3H, m), 4.22 (1H, t, J=6.8 Hz), 3.15-3.29 (2
H, m), 2.90 (1H, d, J=17 Hz), 2.59 (1H, dd, J=6.4,
17 Hz), 2.37 (2H, t, J=7.3 Hz), 1.58-1.82 (2H,
m), 1.44 (9H, s), 1.35-1.58 (2H, m).
【0068】4−v) 中間体化合物17(Fmoc−
Asp(OtBu)−NH−(CH2)4−CO2Bzl)
(0.69g)と5%パラジウム炭素(70mg)のメタノ
ール(20mL)懸濁液を水素雰囲気下(2kg/cm2)室
温で5時間反応させた。パラジウム炭素を濾別し、メタ
ノールを留去した後、得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、さらにヘキサン−ジ
エチルエーテル系により固化させて中間体化合物18を
0.26g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.76 (2H, d, J=7.3 Hz),
7.58 (2H, d, J=7.3 Hz), 7.40 (2H, t, J=7.3 Hz), 7.
31 (2H, t, J=7.6 Hz), 6.62 (1H, t, J=5.9 Hz), 6.03
(1H, d, J=8.8 Hz), 4.49 (1H, br s), 4.43 (2H, d,
J=6.8 Hz), 4.21(1H, t, J=7.1 Hz), 3.26 (2H, q, J=
6.3 Hz), 2.89 (1H, dd, J=3.9, 18 Hz),2.61 (1H, dd,
J=6.8, 17 Hz), 2.35 (2H, t, J=7.1 Hz), 1.60-1.70
(2H, m),1.50-1.59 (2H, m), 1.44 (9H, s).
【0069】4−vi) 中間体化合物2(3−ヒドロキ
シミリスチン酸ベンジルエステル)(0.16g)、中間
体化合物18(0.25g)、ジメチルアミノピリジン
(4mg)のジクロロメタン(5mL)溶液にDCC(0.
15g)を氷冷下加えた。この溶液を氷冷下で2時間さ
らに室温で4日間撹拌した。析出物を濾別した後、ジク
ロロメタンを留去した。残査に酢酸エチルと10%クエ
ン酸水溶液を加えた。得られた有機層を水、5%炭酸水
素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製し化合物12を0.3
6g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.76 (2H, d, J=7.3 Hz),
7.58 (2H, d, J=7.3 Hz), 7.40 (2H, t, J=7.3 Hz), 7.
28-7.38 (7H, m), 6.53 (1H, br s), 5.95 (1H,d, J=8.
3 Hz), 5.22 (1H, qui., J=6.3Hz), 5.10 (2H, s), 4.4
7 (1H, br s),4.43 (2H, d, J=6.8 Hz), 4.22 (1H, t,
J=7.1 Hz), 3.22 (2H, q, J=6.5 Hz),2.90 (1H, dd, J=
4.2, 16 Hz), 2.53-2.65 (3H, m), 2.21 (2H, dt, J=2.
9, 7.3Hz), 1.44 (9H, s), 1.41-1.65 (4H, m), 1.04-
1.41 (20H, m), 0.88 (3H, t,J=6.8 Hz).
【0070】4−vii) 化合物12(0.36g)のD
MF(5mL)溶液にジエチルアミン(0.5mL)を室温
下加えた。この溶液を室温で2時間撹拌した後、減圧濃
縮した。得られたアミン体とFmoc−L−バリン
(0.18g)およびHOBt・1水和物(0.08g)
のジクロロメタン(10mL)溶液に氷冷下、WSCI
(0.10g)を加えた。この溶液を氷冷下で2時間撹
拌した後、室温で一晩撹拌した。ジクロロメタンを留去
した後、残留物にクロロホルムと10%クエン酸水溶液
を加えた。分液したクロロホルム層を水、5%炭酸水素
ナトリウム水溶液そして水で順番に洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。クロロホルムを留去した後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製し化合物13を
0.40g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.77 (2H, d, J=7.3 Hz),
7.60 (2H, dd, J=3.7,6.8 Hz), 7.40 (2H, t, J=7.1 H
z), 7.24-7.36 (8H, m), 6.74 (1H, br s), 5.30 (1H,
d, J=7.3 Hz), 5.21 (1H, qui., J=6.3 Hz), 5.10 (2H,
s), 4.66-4.74(1H, m), 4.37-4.48 (2H, m), 4.23 (1
H, t, J=6.8 Hz), 4.01 (1H, br s), 3.10-3.26 (2H,
m), 2.86-2.97 (1H, m), 2.51-2.65 (3H, m), 2.17 (2
H, dt, J=3.1, 7.3 Hz), 2.14-2.20 (1H, m), 1.35-1.6
3 (4H, m), 1.41 (9H, s), 1.04-1.35 (20H, m), 0.98
(3H, d, J=6.8 Hz), 0.93 (3H, d, J=6.3 Hz), 0.88 (3
H, t,J=6.8 Hz).
【0071】4−viii) 化合物13(0.40g)をメ
タノール(20mL)に溶解し5%パラジウム炭素(40
mg)を加え、水素雰囲気下室温で10時間撹拌した。パ
ラジウム炭素を濾別し、メタノールを留去した後、得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し化合物14を0.34g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) : 7.76 (2H, d, J=7.3 Hz),
7.54-7.67 (3H, m), 7.40 (2H, d, J=7.6 Hz), 7.31 (2
H, t, J=7.6 Hz), 6.87-6.98 (1H, m), 5.73 (1H, br
s), 5.19-5.30 (1H, m), 4.71-4.80 (1H, m), 4.33-4.4
5 (2H, m), 4.19-4.25 (1H, m), 4.03-4.11 (1H, m),
3.06-3.34 (2H, m), 2.75-2.87 (1H, m), 2.49-2.72 (3
H, m), 2.10-2.37 (3H, m), 1.40-1.71 (4H, m), 1.40
(9H, s), 1.16-1.35 (20H, m), 0.98 (3H, d, J=6.8 H
z), 0.94 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.88 (3H, t, J=6.8 H
z).
【0072】4−ix) 化合物14(0.34g)とGl
n(Mbh)−Leu−OtBu(0.22g)およびHO
Bt・1水和物(0.06g)のDMF(10mL)溶液
に氷冷下、WSCI(0.08g)を加えた。この溶液
を氷冷下で2時間撹拌した後、室温で一晩撹拌した。D
MFを留去した後、残留物にクロロホルムと10%クエ
ン酸水溶液を加えた。分液したクロロホルム層を水、5
%炭酸水素ナトリウム水溶液そして水で順番に洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを留去し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し化
合物15を0.47g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) :7.76 (2H, d, J=7.8 Hz), 7.
59 (2H, d, J=7.3 Hz), 7.40 (2H, t, J=7.6 Hz), 7.30
(2H, dt, J=1.1, 7.6 Hz), 7.28-7.47 (3H, m), 7.14
(2H, dd, J=2.4, 8.8 Hz), 7.16 (2H, t, J=7.6 Hz),
7.05-7.21 (1H,m), 6.85-7.04 (2H, m), 6.82 (4H, dd,
J=2.0, 8.8 Hz), 6.20 (1H, d, J=7.8Hz), 5.52, 5.47
(1H, 2d, J=8.3 Hz), 5.12-5.22 (1H, m), 4.66-4.77
(1H, m), 4.30-4.49 (4H, m), 4.21 (1H, dt, J=2.9,
6.8 Hz), 3.95-4.05 (1H, m), 3.76 (6H, 2s), 3.06-3.
27 (2H, m), 2.72-2.83 (1H, m), 2.51-2.65 (1H, m),
2.32-2.48 (4H, m), 1.99-2.27 (4H, m), 1.43 (9H,
s), 1.39 (9H, s), 1.35-1.66 (7H, m), 1.17-1.34 (20
H, m), 0.80-0.99 (15H, m).
【0073】4−x) 化合物15(0.47g)をTF
A(5mL)に溶解した。この溶液を室温で2時間撹拌し
た後、減圧濃縮した。残査にクロロホルムを加えた後、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて約pH7にし
た。得られた固体を濾取した後、クロロホルムで洗浄
し、乾燥させて化合物16を0.29g得た。1 H-NMR (δ ppm, DMSO-d6) : 8.10-8.30 (1H, m), 7.97
-8.07 (1H, m), 7.86(2H, d, J=7.8 Hz), 7.68-7.89 (3
H, m), 7.40 (2H, t, J=7.3 Hz), 7.31 (2H,t, J=7.3 H
z), 7.28-7.43 (1H, m), 7.15-7.24 (1H, m), 6.78-6.8
4 (1H, m), 6.62 (1H, br s), 5.04-5.12 (1H, m), 4.4
8-4.56 (1H, m), 4.11-4.34 (5H, m),3.82-3.88 (1H,
m), 3.66-3.75 (1H, m), 2.95-2.98 (2H, m), 2.31-2.6
8 (4H,m), 2.15-2.23 (2H, m), 1.83-2.12 (4H, m), 1.
59-1.76 (2H, m), 1.33-1.57(7H, m), 1.16-1.30 (20H,
m), 0.79-0.92 (15H, m).
【0074】実施例5 5−i) 中間体化合物2(3.18g)、Fmoc−L
−イソロイシン(3.70g)およびジメチルアミノピ
リジン(0.10g)のジクロロメタン(250mL)溶
液に氷冷下、DCC(3.14g)を加え、氷冷下で1
時間、続いて室温で一晩撹拌した。析出物を濾別した
後、ジクロロメタンを留去した。残留物に酢酸エチル
(30mL)を加え、不溶物を濾別した後、酢酸エチルを
留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、中間体化合物19を7.14g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.29-7.77 (13H, m), 5.27-5.
33 (2H, m), 5.11 (2H, s), 4.29-4.34 (3H, m), 4.23
(1H, t, J=6.8 Hz), 2.57-2.72 (2H, m), 1.07-1.90 (2
3H, m), 0.86-0.95 (9H, m).
【0075】5−ii) 中間体化合物19(7.14g)
をDMF(70mL)に溶解し、ジエチルアミン(7mL)
を加え,室温で5時間撹拌した。溶媒を留去した後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体化
合物20を4.33g得た。1 H-NMR (δppm, CDCl3) 7.33-7.36 (5H, m), 5.24-5.31
(1H, m), 5.11 (2H,s), 3.19 (1H, d, J=4.9 Hz), 2.5
7-2.66 (2H, m), 1.05-1.75 (25H, m), 0.86-0.94 (9H,
m).
【0076】5−iii) Fmoc−L−アスパラギン酸
t−ブチルエステル(9.05g)、D−ロイシンベン
ジルエステル(4.43g)およびHOBt・1水和物
(3.37g)のジクロロメタン(80mL)溶液に、W
SCI(4.22g)を氷冷下に加え、この温度で2時
間さらに室温で一晩撹拌した。ジクロロメタンを留去し
た後、酢酸エチルを加え10%クエン酸水溶液、水、5
%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、得られた
粗生成物をヘキサン−酢酸エチルから結晶化して精製
し、中間体化合物21を8.36g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.77(2H, d, J=7.3Hz), 7.59
(2H, d, J=7.8Hz), 7.40(2H, t, J=7.3Hz), 7.28-7.37
(7H, m), 6.94(1H, d, J=7.8Hz), 5.96(1H, d, J=7.8H
z), 5.17(1H, d, J=12Hz), 5.13(1H, d, J=12Hz), 4.53
-4.67(2H, m), 4.39(2H, d, J=6.8Hz), 4.23(1H, t, J=
7.1Hz), 2.89(1H, dd, J=3.2, 17Hz), 2.62(1H, dd, J=
6.8, 17Hz), 1.51-1.70(3H, m), 1.44(9H, s), 0.90(3
H, d, J=2.4Hz), 0.88(3H, d, J=2.4Hz).
【0077】5−iv) 中間体化合物21(6.15g)
をDMF(100mL)に溶解し、ジエチルアミン(10
mL)を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去して中
間体化合物22を3.93g得た。1 H-NMR (δ ppm, d6-DMSO) 7.86(1H, d, J=7.8Hz), 7.6
8-7.75(3H, m), 7.49(1H, d, J=8.3Hz), 7.38-7.42(2H,
m), 7.29-7.33(2H, m), 4.18-4.41(5H, m), 2.64-2.69
(1H, m), 2.43-2.49(1H, m), 1.69-1.73(1H, m), 1.42-
1.48(1H, m), 1.37(9H, s), 0.86(9H, s).
【0078】5−v) 中間体化合物22(3.93
g)、Fmoc−L−バリン(3.39g)およびHO
Bt・1水和物(1.53g)のDMF(70mL)溶液
に、WSCI(1.92g)を氷冷下に加え、この温度
で2時間さらに室温で一晩撹拌した。DMFを留去した
後、クロロホルムを加え10%クエン酸水溶液、水、5
%炭酸水素ナトリウム水溶液および水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、得られた
粗生成物をクロロホルム−ジエチルエーテルから固化し
て中間体化合物23を6.19g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.77(2H, d, J=7.3Hz), 7.60
(2H, d, J=8.3Hz), 7.40(2H, dt, J=3.4, 7.3Hz), 7.27
-7.37(7H, m), 7.22(1H, d, J=7.8Hz), 7.08(1H, d, J=
7.3Hz), 5.29(1H, d, J=6.8Hz), 5.09(2H, s), 4.79-4.
86(1H, m), 4.56-4.63(1H, m), 4.41(2H, d, J=7.3Hz),
4.23(1H, t, J=6.8Hz), 4.01(1H, t, J=6.3Hz), 2.90
(1H, dd, J=4.4, 17Hz), 2.58(1H, dd, J=6.5, 17Hz),
2.10-2.20(1H, m), 1.56-1.68(3H, m), 1.42(9H, s),
0.98(3H, d, J=6.8Hz), 0.93(3H, d,J=6.8Hz), 0.85-0.
91(6H, m).
【0079】5−vi) 5−アミノ−3−ペンテン酸
(0.57g)のジオキサン(20mL)溶液に氷冷下、
濃硫酸(0.6mL)とイソブチレン(1.5mL)を含むジ
クロロメタン(2.5mL)溶液を順次加え、密栓して室
温で14時間撹拌した。反応容器を氷冷してから開栓
し、反応液に水酸化ナトリウム(1.7g)を含む水
(30mL)溶液を加え、ジエチルエーテルおよびクロロ
ホルムで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去し、中間体化合物25を0.
14g得た。1 H-NMR (δ pm, CDCl3) 5.68-5.66(2H, m), 3.32(2H, b
r s), 2.97-2.99(2H,m), 1.87(2H, br s), 1.45(9H,
s).
【0080】5−vii) 中間体化合物23(5.12
g)をDMF(15mL)に溶解し、メタノール(250
mL)で希釈した。この溶液に10%パラジウム炭素
(0.96g)を加え、得られた懸濁液を水素雰囲気下
(1気圧)に室温で2時間撹拌した。パラジウム炭素を
濾別し、濾液のメタノールを留去して、中間体化合物2
4を4.87g得た。このうち3.84gをDMF(1
0mL)に溶解し、ジクロロメタン(20mL)で希釈し
た。この溶液に中間体化合物20(2.68g)、HOBt
・1水和物(1.04g)を室温で加えた後、氷冷し、
WSCI(1.77g)を加え、氷冷下で2時間、続い
て室温で一晩撹拌した。反応液をクロロホルム(50m
L)で希釈し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を留去した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し、化合物17を4.88g得
た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.27-7.76(13H, m), 6.99(1H,
br), 6.91(2H, br),6.83(1H, br), 5.57(1H, br), 5.1
9-5.24(1H, m), 5.02-5.10(2H, m), 3.95-4.85(7H, m),
2.46-2.86(4H, m), 1.08-2.11(36H, m), 0.85-0.95(21
H, m).
【0081】5−viii) 化合物17(4.88g)をメ
タノール(350mL)に溶解し、10%パラジウム炭素
(0.98g)を加え、得られた懸濁液を水素雰囲気下
に室温で2時間撹拌した。パラジウム炭素を濾別し、濾
液のメタノールを留去した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し、化合物18を3.58g得た。1 H-NMR (δ ppm, d6-DMSO) 12.25(1H, br), 7.28-8.27
(12H, m), 5.04-5.09(1H, m), 4.56-4.58(1H, m), 4.14
-4.31(5H, m), 3.81-3.84(1H, m), 2.38-2.70(4H, m),
1.87-2.01(1H, m), 1.74-1.78(1H, m), 1.09-1.53(34H,
m), 0.78-0.87(21H, m).
【0082】5−ix) 中間体化合物25(0.19
g)、化合物18(0.52g)およびHOBt・1水
和物(0.19g)のジクロロメタン(20mL)溶液
に、WSCI(0.32g)を室温で加え、22時間撹
拌した。ジクロロメタンを留去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し、化合物19を0.56
g得た。1 H-NMR (δ ppm, d6-DMSO) 7.76(2H, d, J=7.3Hz), 7.5
9-7.64(3H, m), 6.90-7.42(8H, m), 6.20-6.27(1H, m),
5.64-5.72(1H, m), 5.50-5.54(1H, m), 5.14-5.21(1H,
m), 4.81-4.88(1H, m), 4.21-4.51(6H, m), 3.71-3.98
(4H, m), 2.73-2.99(2H, m), 2.15-2.51(2H, m), 1.08-
1.92(45H, m), 0.86-0.99(21H, m).
【0083】5−x) 化合物19(0.56g)をTF
A(3mL)に溶解し、溶液を室温で90分間撹拌した。
クロロホルム(30mL)で希釈し、水洗した。有機層を
分離し、溶媒を留去した。残留物(0.33g)にジエ
チルエーテルとヘキサンを加え、析出した沈殿物を濾取
し、減圧乾燥して化合物20を0.33g得た。1 H-NMR (δ ppm, d6-DMSO) 12.18(1H, br), 8.27(1H, b
r), 7.68-8.00(7H, m), 7.29-7.42(6H, m), 5.44-5.65
(2H, m), 5.08-5.15(1H, m), 4.54-4.56(1H, m), 4.12-
4.31(5H, m), 3.83-3.89(1H, m), 3.57-3.69(2H, m),
2.96(2H, d, J=6.6Hz), 2.28-2.67(4H, m), 1.01-2.00
(27H, m), 0.82-0.87(21H, m).
【0084】実施例6 6−i) オキサリルクロライド(0.40mL)を含むジ
クロロメタン(5mL)溶液に、DMSO(0.70mL)
を含むジクロロメタン(3mL)溶液を−60℃で滴下
し、10分間撹拌した後、Fmoc−L−バリノール
(1.00g)を含むジクロロメタン(15mL)溶液を
15分間で滴下し、−60℃で30分間撹拌した。反応
液にジイソプロピルエチルアミン(2.6mL)を加え、
室温下で30分間撹拌した後、飽和食塩水を加えた。ジ
クロロメタン層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。ジクロロメタンを留去した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し、中間体化合物26を1.2
5g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 9.66(1H, s), 7.76(2H, d, J=
7.3Hz), 7.60(2H, d,J=7.3Hz), 7.41(2H, t, J=7.3Hz),
7.30-7.34(2H, m), 5.36(1H, d, J=7.8Hz),4.17-4.62
(4H, m), 2.30-2.35(1H, m), 1.04(3H, d, J=6.8Hz),
0.96(3H, d, J=7.3Hz).
【0085】6−ii) 中間体化合物26(1.25
g)、L−アスパラギン酸 α−ベンジルβ−t−ブチ
ルエステル(0.86g)を1,2−ジクロロエタン(1
5mL)に溶解し、室温で撹拌しながらナトリウムトリア
セトキシボロヒドリド(0.89g)を加え、13時間
撹拌した。反応液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、分離した有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。1,2−ジクロロエタンを留去し
た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、
中間体化合物27を1.55g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.75(2H, d, J=7.3Hz), 7.59-
7.62(2H, m), 7.27-7.52(10H, m), 5.17(1H, d, J=12H
z), 5.13(1H, d, J=12Hz), 4.84(1H, d, J=7.8Hz), 4.3
5-4.45(2H, m), 4.22(1H, t, J=6.8Hz), 3.65(1H, br),
3.46(1H, br),2.51-2.76(3H, m), 1.87(1H, br), 1.40
(9H, s), 0.84-0.88(6H, m).
【0086】6−iii) 中間体化合物27(0.81
g)をメタノール(50mL)に溶解し、5%パラジウム
炭素(0.20g)を加え、得られた懸濁液を水素雰囲
気下に室温で30分間撹拌した。パラジウム炭素を濾別
し、メタノールを留去して、中間体化合物28を0.5
9g得た。1 H-NMR (δ ppm, d6-DMSO) 7.86(2H, d, J=7.3Hz), 7.6
7-7.71(2H, m), 7.30-7.42(4H, m), 7.05(1H, d, J=8.3
Hz), 4.21-4.36(3H, m), 3.44(2H, brs), 2.44-2.78(4
H, m), 1.78(1H, br), 1.39(9H, s), 0.80-0.84(6H,
m).
【0087】6−iv) (R)−3−ヒドロキシミリスチ
ン酸(2.50g)とトリエチルアミン(1.43mL)の
DMF(25mL)溶液にフェナシルブロマイド(2.0
4g)を室温で加え一晩撹拌した。溶媒を除いた後、酢
酸エチルを加え水で3回洗浄した。無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、酢酸エチルを留去して、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製し,中間体化合物29を3.5
3g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.92 (2H, d, J=6.8Hz), 7.63
(1H, d, J=7.3Hz),7.50 (2H, d, J=7.6Hz), 5.48 (1
H, d, J=17Hz), 5.37 (1H, d, J=17Hz), 4.09-4.18
(1H, m), 3.41 (1H, br s), 2.70 (1H, dd, J=2.9, 15
Hz), 2.57 (1H, dd, J=9.3, 15Hz), 1.19-1.67 (20H,
m), 0.88 (3H, t, J=6.8Hz).
【0088】6−v) 5−アミノ−3−ペンテン酸
(1.00g)の10%炭酸ナトリウム水溶液(20m
L)及びジオキサン(10mL)溶液に氷冷下、Fmoc
−Cl(2.20g)のジオキサン(10mL)溶液を加
え,一夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、10
%炭酸ナトリウム水溶液で3回抽出した。水層を1N塩
酸で酸性とした後,酢酸エチルで抽出した。有機層を
水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。酢酸エチルを留去し、中間体化合物30を2.
44g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.75-7.76 (2H, m), 7.57-7.5
9 (2H, m), 7.37-7.41(2H, m), 7.28-7.32 (2H, m), 5.
50-5.70 (2H, m), 4.88 (1H, m), 4.40-4.43(2H, m),
4.20-4.30 (1H, m), 3.60-3.82 (2H, m), 3.00-3.12 (2
H, m).
【0089】6−vi) 中間体化合物29(0.86
g)、中間体化合物30(0.93g)およびDMAP
(61mg)のジクロロメタン(30mL)溶液に氷冷下、
DCC(0.77g)を加え、氷冷下で2時間、続いて
室温で一晩撹拌した。析出物を濾別した後、ジクロロメ
タンを留去した。残留物に酢酸エチル(30mL)を加
え、10%クエン酸水溶液、水、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、中間体化合物31を
1.54g得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.88 (2H, d, J=6.8Hz), 7.75
(2H, d, J=7.8Hz),7.58 (2H, d, J=7.3Hz),7.58 (1H,
t, J=7.6Hz), 7.45 (2H, t, J=7.6Hz), 7.39(2H, t,
J=7.6Hz), 7.30 (2H, t, J=7.3Hz), 5.69-5.80 (1H,
m), 5.57-5.68(1H, m), 5.27-38 (3H, m), 4.99 (1H, b
r s), 4.36 (2H, d, J=6.8 Hz), 4.19(1H, t, J=6.6 H
z), 3.81 (2H, br s), 3.05-3.17 (2H, m), 2.77 (1H,
dd, J=3.4Hz), 2.75 (1H, d, J=1.5Hz), 1.53-1.76 (2
H, m), 1.18-1.41 (18H, m), 0.88 (3H, t, J=6.8Hz).
【0090】6−vii) 中間体化合物31(0.33
g)をDMF(5mL)に溶解し、ジエチルアミン(0.
4mL)を加え室温で90分間撹拌した。反応液を減圧濃
縮し、中間体化合物32を得た。得られた中間体化合物
32(0.31g)にDMF(30mL)を加えて溶解
し、室温で撹拌しながら中間体化合物28(0.25
g)、HOBt・1水和物(90mg)を加えた。この溶液
を氷冷し、WSCI(0.14g)を加え、室温で一晩
撹拌した。不溶物を濾別し、濾液の溶媒を留去した後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して化合物
21を0.10g得た。1 H-NMR (δppm, CDCl3) 7.87(2H, d, J=7.3Hz), 7.75(2
H, d, J=7.3Hz), 7.28-7.61(11H, m), 5.66-5.74(1H,
m), 5.52-5.59(1H, m), 5.25-5.31(3H, m), 4.86(1H,
d, J=9.8Hz), 4.47-4.51(1H, m), 4.33-4.37(1H, m),
4.19-4.22(1H, m),3.76-3.88(2H, m), 3.57(1H, br),
3.34-3.37(1H, m), 3.00-3.11(2H, m), 2.46-2.77(5H,
m), 1.74-1.79(1H, m), 1.65(2H, br s), 1.41(9H, s),
1.24-1.28(18H, m), 0.86-0.92(9H, m).
【0091】6−viii) 化合物21(77mg)を酢酸
(3mL)に溶解し、亜鉛粉末(150mg)を加え、50
℃で4時間撹拌した。不溶物を濾別し、濾液の溶媒を留
去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
して化合物22を41mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CDCl3) 7.75(2H, d, J=7.3Hz), 7.54-
7.61(2H, m), 7.29-7.41(5H, m), 6.46(1H, d, J=8.8H
z), 5.53-5.67(2H, m), 5.09-5.20(2H, m), 4.32-4.55
(3H, m), 3.81(2H, br s), 3.51-3.60(2H, m), 2.31-3.
02(7H, m), 1.03-1.81(30H, m), 0.78-0.94(9H, m).
【0092】6−ix) 化合物22(41mg)をTFA
(1mL)に溶解し、溶液を室温で1時間撹拌した。TF
Aを留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製して化合物23を31mg得た。1 H-NMR (δ ppm, CD3OD) 7.78(2H, d, J=7.3Hz), 7.64-
7.67(2H, m), 7.28-7.40(4H, m), 5.55(2H, br s), 5.3
6(1H, br s), 4.50-4.54(1H, m), 4.20-4.34(2H, m),
3.90-3.95(1H, m), 3.56(1H, br s), 3.42(1H, br s),
2.92-3.05(2H, m), 2.39-2.67(7H, m), 1.71(1H, br
s), 1.26-1.29(20H, m), 0.87-0.94(9H, m).
【0093】
【試験例】次に本発明のデプシペプチドがHep G2
細胞において、アポリポプロテインE産生能およびアポ
リポプロテインB産生能に与える影響を、試験方法とと
もに記す。まず、Hep G2細胞1×105個/ml(ダ
ルベッコ変法イーグル培地(日水製薬社製;以後「D−
MEM培地」と呼ぶ)に10%の牛胎児血清を加えたも
のに懸濁)を24穴組織培養用プレートに1mlずつ注入
し、37℃で炭酸ガス5%および空気95%の混合ガス
雰囲気下で培養した。3日後に、培地をピペッターにて
除去し、新たにD−MEM培地1mlを加え、さらに表1
に示す濃度の、本発明のデプシペプチドである化合物
5、化合物7、化合物11、化合物16、化合物20お
よび化合物23のMeOH溶液10μlを加えた。18
時間後、培地を再び交換(D−MEM培地)し、このペ
デプシペプチドのメタノール溶液10μlを加え、さら
に37℃で8時間培養し、その上澄み液をサンプル溶液
とした。培地中に生成したアポリポプロテインEおよび
アポリポプロテインBを以下に示すエンザイムイムノア
ッセイ法によって定量した。なお、エンザイムイムノア
ッセイ法で使用した緩衝液の組成を以下に示す。なお、
PBSとはリン酸緩衝液を、PBS−TはTween
20を添加したリン酸緩衝液を、ブロッキング液は大日
本製薬社製の乳タンパク質由来の免疫用ブロック剤「Bl
ock Ace」を含むリン酸緩衝液を示す。
【0094】 PBS(pH7.2) KH2PO4 0.2g Na2HPO4・12H2O 2.9g NaCl 8.0g KCl 0.2g 蒸留水 適量 全量 1000ml
【0095】 PBS−T(pH7.2) KH2PO4 0.2g Na2HPO4・12H2O 2.9g NaCl 8.0g KCl 0.2g Tween 20 0.5g 蒸留水 適量 全量 1000ml
【0096】ブロッキング液(pH7.2) Block Ace 250ml KH2PO4 0.2g Na2HPO4・12H2O 2.9g NaCl 8.0g KCl 0.2g 蒸留水 適量 全量 1000ml
【0097】1) アポリポプロテインEの測定 マウス抗ヒトアポリポプロテインEモノクローナル抗体
(仏国BYOSIS,S.A.社製)を0.05M炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(pH9.5)に5μg/mlの濃度で溶解し
た。この50μlをヌンクイムノプレートに分注し、4
℃で16時間静置した。PBS 300μlで3回洗浄
後、ブロッキング液300μlを加え、37℃で2時間
静置し、その後4℃で16時間静置した。再びPBS
300μlで3回洗浄し、サンプル溶液50μl(He
p G2細胞の培地)を加え、室温で2時間静置した。
PBS−T 300μlで3回洗浄後、ヤギ抗アポリポ
プロテインEポリクローナル抗体(米国ケミコン社製)
の3000倍希釈液(10% Block Ace水溶液)50μ
lを加え、室温で2時間静置した。PBS−T 300
μlで3回洗浄し、ペルオキシダーゼ標識抗ヤギIgG
ポリクローナル抗体(英国バインディングサイト社製)
の5000倍希釈液(10% Block Ace水溶液)を加
え、室温で2時間静置した。PBS−T 300μlで
5回洗浄後、発色液(組成:0.1Mクエン酸カリウムp
H4.5 1ml、30%過酸化水素水0.4μl、オルトフ
ェニレンジアミン1mg)100μlを加え、そのまま2
分間放置した。2N硫酸100μlを加え反応を止め、
650nmを対照としたときの490nmの吸光度を測定し
た。市販のアポリポプロテインE(米国ケミコン社製)
を標品とした場合の検量線より本発明のデプシペプチド
のアポリポプロテインEの量を求めた。
【0098】本試験例において、本発明のデプシペプチ
ドのメタノール溶液のかわりに単にメタノールを加えた
以外は本試験例と同様に行ない、アポリポプロテインE
量を測定し、これをコントロールとした。本発明のデプ
シペプチドの相対アポリポプロテインE量はコントロー
ルを100とした場合の相対値(%)で表した。表1に
示すように、本発明のデプシペプチドは、1ないし5μ
Mの濃度でアポリポプロテインEの産生能を強力に促進
することが認められた。
【0099】
【表1】
【0100】
【製剤例】次に本発明のデプシペプチドを有効成分とす
る製剤の製剤例を示す。 化合物20、けい酸マグネシウム及び乳糖を混合し、こ
れをヒドロキシプロピルセルロースを溶解したアルコー
ル液で練合し、次いで適当な粒度に造粒し、乾燥、整粒
後さらにステアリン酸マグネシウム及び植物硬化油を添
加混合し均一な顆粒とする。次いでロータリー式打錠機
により直径7.0mm、重量150mgおよび硬度6kgの錠
剤を調製した。
【0101】 上記処方例中ヒドロキシプロピルセルロースを除いた各
原料を均一に混合し、これにヒドロキシプロピルセルロ
ースを溶解したアルコール溶液を加えて練合した後押出
造粒機により造粒し、乾燥して顆粒を得た。この顆粒を
整粒して12メッシュの篩を通過し48メッシュの篩上
に残留するものを顆粒剤とした。
【0102】 白糖、D−ソルビトール、パラオキシ安息香酸エチル、
パラオキシ安息香酸プロピル及び化合物20を精製水
(温水)60gに溶解する。冷却後香味料を溶解したグ
リセリン及びエタノールの溶液を加える。次にこの混合
物に精製水を加えて100mlにする。
【0103】 炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム及びこの化合物2
0のナトリウム塩を蒸留水に加えて溶解し、全量を1
0.0mlとする。
【0104】 化合物20にグリセリンを加えて溶解する。そこへ、マ
クロゴール4000を加えて加温し溶解後、坐剤型に注
入して冷却固化し1個あたり1.5gの坐剤を製造す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 237/12 C07K 5/06 C07K 5/06 A61K 37/02 (72)発明者 川村 恒二 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 平本 茂 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 保田 織恵 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 木下 宣祐 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 真貝 明子 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内 (72)発明者 高須 雅子 埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 日清製粉株式会社創薬研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中、R1は、直鎖状もしくは有枝鎖状のC5〜C20
    ルキル基または直鎖状もしくは有枝鎖状のC5〜C15
    ルコキシメチル基を示し、 R2は、 −O−CO−CH(R5)−X−CH(R6)−NH− (式中、Xは、N(R7)−CO、N(R8)−CH2、C
    2−CO、CH2−CH2、CH=CH、CH2−CH
    (OH)、CH(OH)−CH(OH)を示し、R5、R6、R
    7、R8は、水素または直鎖状もしくは有枝鎖状のC1
    6アルキル基を示す)を示し、 R3は、 【化2】 (式中、Yは、N(R12)−CO、N(R13)−CH2、C
    2−CO、CH2−CH2、CH=CH、CH2−CH
    (OH)、CH(OH)−CH(OH)を示し、nは1〜3の
    整数を示し、R9、R10、R12、R13は、水素または直
    鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルキル基を示し、R
    11はアミンの保護基としてペプチド化学で通常用いられ
    る保護基を示す)を示し、 R4は、水酸基、直鎖状もしくは有枝鎖状のC1〜C6
    ルコキシ基、ベンジルオキシ基、A、A−B、または −NH−CH(R14)−Z−CH(R15)−COR16 (式中、Zは、CH2−N(R17)、CO−CH2、CO−
    N(R18)、CH2−CH2、CH=CH、CH(OH)−C
    2、CH(OH)−CH(OH)を示し、R14は水素、C1
    〜C6アルキル基または−(CH2)m−COR19を示し、
    15、R17、R18は、水素または直鎖状もしくは有枝鎖
    状のC1〜C6アルキル基を示し、R16は、水酸基、直鎖
    状もしくは有枝鎖状のC1〜C6アルコキシ基またはベン
    ジルオキシ基を示し、R19は水酸基、アミノ基またはC
    1〜C6アルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示す)
    を示し、 Aは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フ
    ェニルアラニン、チロシン、プロリン、アスパラギン
    酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、セリ
    ン、リシンおよびβ−t−ブチルアラニンからなるアミ
    ノ酸残基またはこれらのアミノ酸残基のN−メチル体を
    示し、 Bは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セ
    リン、トレオニン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギ
    ニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チ
    ロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、4−
    ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、アスパラギン、
    グルタミン酸、グルタミン、ピペリジン−4−カルボン
    酸、ホモプロリン、オクタヒドロインドール−2−カル
    ボン酸、ノルバリン、ノルロイシン、α−t−ブチルグ
    リシン、シクロヘキシルグリシン、アゼチジン−2−カ
    ルボン酸、3−(3−ピリジル)アラニン、(3−N−
    メチル)ピペリジルアラニン、3−(2−ナフチル)ア
    ラニン、β−シクロヘキシルアラニン、β−t−ブチル
    アラニン、9−アントラセニルアラニン、α−メチルア
    ラニンおよび2−アミノブタン酸から選ばれるアミノ酸
    残基またはこれらのアミノ酸残基のN−メチル体を示
    し、 AまたはBにおける遊離のアミノ基、遊離のカルボキシ
    ル基、遊離のω−カルバミド基、遊離の水酸基、遊離の
    メルカプト基および/またはN−末端のアミノ基はそれ
    らの保護基としてペプチド化学で通常用いられる保護基
    でそれぞれ保護されていてもよく、そして上記Aまたは
    Bにおけるアミノ酸残基がリシン、ヒドロキシリシン、
    グルタミン酸またはアスパラギン酸である場合は、隣接
    するアミノ酸とペプチド結合するアミノ基またはカルボ
    キシル基はα−位にあるものでもまたはω−位にあるも
    のでもよい。ただし、XがN(R7)−COであり、Yが
    N(R12)−COであり、R4が水酸基、直鎖状もしくは
    有枝鎖状のC1〜C6アルコキシ基、ベンジルオキシ基、
    A、A−Bまたは−NH−CH(R14)−Z−CH(R15)
    −COR16{ZはCO−N(R1 8)である}である場合を
    除く。]で示される非天然アミノ酸を含有するデプシペ
    プチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 XがCH=CHである請求項1記載のデ
    プシペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  3. 【請求項3】 XがCH=CHであり、YがN(R12)−
    COまたはN(R13)−CH2である請求項2記載のデプ
    シペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  4. 【請求項4】 XがCH=CHであり、YがN(R12)−
    COまたはN(R13)−CH2であり、R4が水酸基、A、
    A−Bまたは−NH−CH(R14)−Z−CH(R15)−C
    OR16(ZはCH=CHである)である請求項3記載の
    デプシペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  5. 【請求項5】 XがCH=CHであり、YがN(R12)−
    COであり、R4が水酸基、AまたはA−Bである請求
    項3記載のデプシペプチドまたはその薬理学的に許容さ
    れる塩。
  6. 【請求項6】 XがCH=CHであり、YがN(R13)−
    CH2であり、R4が水酸基である請求項3記載のデプシ
    ペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  7. 【請求項7】 XがCH2−CH2である請求項1記載の
    デプシペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  8. 【請求項8】 XがCH2−CH2であり、YがN(R12)
    −COである請求項7記載のデプシペプチドまたはその
    薬理学的に許容される塩。
  9. 【請求項9】 XがCH2−CH2であり、YがN(R12)
    −COであり、R4がA−Bである請求項7記載のデプ
    シペプチドまたはその薬理学的に許容される塩。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の非天然アミノ酸を含
    有するデプシペプチドまたはその薬理学的に許容される
    塩を有効成分とする医薬。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の医薬がアポリポプ
    ロテインE産生促進薬である医薬。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の医薬が神経損傷治
    療薬である医薬。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の医薬が痴呆症治療
    薬である医薬。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の医薬が高脂血症治
    療薬である医薬。
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