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JPH11311103A - 高温部品、ガスタービン用高温部品およびこれらの製造方法 - Google Patents

高温部品、ガスタービン用高温部品およびこれらの製造方法

Info

Publication number
JPH11311103A
JPH11311103A JP10117616A JP11761698A JPH11311103A JP H11311103 A JPH11311103 A JP H11311103A JP 10117616 A JP10117616 A JP 10117616A JP 11761698 A JP11761698 A JP 11761698A JP H11311103 A JPH11311103 A JP H11311103A
Authority
JP
Japan
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gas turbine
temperature
heat
temperature component
thermal barrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10117616A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Takahashi
雅士 高橋
Kazuhide Matsumoto
一秀 松本
Masayuki Ito
昌行 伊藤
Masahiro Saito
正弘 齋藤
Kunihiko Wada
国彦 和田
Akinori Koga
昭紀 古閑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Industrial Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Industrial Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Industrial Technology Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10117616A priority Critical patent/JPH11311103A/ja
Priority to DE19918900A priority patent/DE19918900B4/de
Priority to CH00777/99A priority patent/CH694164A5/de
Priority to US09/300,399 priority patent/US6398503B1/en
Publication of JPH11311103A publication Critical patent/JPH11311103A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L59/00Thermal insulation in general

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】晒される環境に応じて遮熱コーティングの遮熱
特性を制御できる高温部品およびその製造方法を提供す
る。また、ガスタービンの熱効率および寿命を向上させ
て、信頼性に優れたガスタービン用高温部品およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】強度を有する基材と、この基材表面に被覆
された遮熱コーティングとから構成される高温部品にお
いて、この高温部品が晒される環境に、前記遮熱コーテ
ィングの遮熱特性を制御し、基材の表面温度を均一化し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンおよ
びジェットエンジンなどの高温腐食または酸化性雰囲気
で使用される高温部品に関する技術であり、特に、金属
基材表面に遮熱コーティング(TBC)を施して、特に
遮熱特性を向上させた高温部品、ガスタービン用高温部
品およびこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンおよびジェットエンジンな
どの原動機においては、熱効率の向上を目指し、高温化
(作動ガス温度の上昇)のための研究開発が精力的に行
われている。材料面からみれば、この高温化は構成材料
をより高温の過酷な使用環境に強いる方向にある。した
がって、ガスタービン部品のなかでも、特に動翼、静翼
および燃焼器などの燃焼ガスに直接接する部品は、高温
環境での使用に耐え得るように、冷却特性向上策と材料
の耐熱温度向上策との大きく2つの観点から検討がなさ
れている。
【0003】まず、構成材料の温度を下げるための冷却
特性向上策の検討について説明する。
【0004】冷却特性を向上させるためには、原理的
に、熱容量の高いガスを使用するか、または冷却用ガス
流量を増加させるのが効果的である。ところが、単に熱
容量の高いガスを使用する方法または冷却用ガス流量を
増加させる方法では、燃焼ガスの温度低下につながり、
逆に熱効率は低下する場合が多い。そこで、燃焼ガス温
度を低下させることなく冷却性能を向上させる方法とし
て、材料と冷却ガスとの間の熱伝達率を増大する方法や
材料と冷却ガスとの接触面積を増大する方法がなされて
いる。
【0005】材料と冷却ガスとの間の熱伝達率を増大す
る方法としては、フィルム冷却またはインピンジ冷却が
代表として挙げられる。また、材料と冷却ガスとの接触
面積を増大する方法としては、翼冷却流路のリターンフ
ロー構造に代表されるなど、必要に応じて効率的に徐熱
する方法がなされている。ところが、これらの方法はい
ずれの場合も機器構造の大型化および部品構造の複雑化
につながるため、機器の製造コストの上昇およびシステ
ムの複雑化を招いてしまう。
【0006】次に、材料の耐熱温度向上策の検討につい
て説明する。
【0007】従来より、耐熱性の構造材料として、Ni
基、Co基またはFe基のいずれか1つを主成分とし
て、一方向凝固または単結晶化させた超合金の開発が継
続されている。一方、NbおよびMo系などの元素を添
加して、耐酸化性に優れた金属間化合物の開発により、
さらに、高温強度を向上させる試みもある。しかしなが
ら、一方向凝固または単結晶化させた超合金では、超合
金の融点から考えてもせいぜい1000℃が使用限界温
度である。また、NbおよびMo系などの元素を添加し
て耐酸化性を向上させたものでは、加工性が悪く、かつ
コストが高いという欠点を有していた。
【0008】さらに、融点が高くかつ耐酸化性および耐
食性に優れたセラミック材料を高温部品に適用すること
により、高温部品の耐熱性を向上させる方法が開発され
ている。実際、SiCおよびSiをベースとした
セラミックを適用する試みもあるが、セラミックは金属
材料に比べると靭性が劣り、加工性も悪くかつコストが
高いという欠点を有する。このため、セラミックを高温
部品の構造材料として幅広く適用するためには、高温強
度およびコストなどの面で多くの課題が残されていた。
【0009】一方、靭性に優れる金属材料を高温部品の
基材として用い、この金属基材の表面に遮熱コーティン
グ(TBC;Thermal Barrier Coating )を施して、高
温部品の耐熱性を向上させる方法がある。この遮熱コー
ティングは、低熱伝導率の酸化物系セラミック層であ
り、この遮熱コーティングを金属基材表面に形成するこ
とで熱を遮断し、金属基材の温度上昇を防止するもので
ある。
【0010】例えば、特開昭62-211387 号公報等に掲載
されているように、金属基材の表面に数百μmの遮熱セ
ラミック層を形成し、金属基材表面の温度上昇を数十℃
低減できるという方法が提案されている。この方法によ
り、金属基材の温度上昇を抑制でき、ガスタービンの高
温化が可能となる。すなわち、遮熱コーティングでは、
定性的には、遮熱セラミック層の厚さが大きいほど遮熱
性能に優れ、より金属基材の温度を低減できる。また、
遮熱コーティングを施すことにより、燃焼ガス側から冷
却空気側に向かっての熱流速が小さくなり、冷却ガス流
量も低減できるという長所を有する。
【0011】ところが、コーティングされた遮熱セラミ
ック層は割れや基材からの剥離が最大の問題となるた
め、従来から剥離低減を目指した種々の検討がなされて
いる。
【0012】剥離低減を目指した遮熱コーティングは、
二層構造のものが代表的であり、この二層構造は金属基
材表面に被覆したMCrAlY合金層(MはFe、Co
またはNi)とこのMCrAlY合金層の表面に熱伝導
性の低い酸化物系セラミック層とを被覆して形成され
る。なお、酸化物系セラミック層としてジルコニア系の
セラミックが用いられている。
【0013】二層構造の遮熱コーティングは通常溶射法
により形成されるが、大気中でコーティングを施した場
合には、遮熱コーティング層が多孔質となってしまう、
金属基材との密着性に乏しい、または耐食性および耐酸
化性に劣るなどの欠点を有していた。これらの欠点を改
善するために、近年、実質的に空気を含まない減圧の不
活性ガス雰囲気中でプラズマ溶射する方法(一般的に
は、減圧プラズマ溶射法と呼ばれている)が開発され、
遮熱コーティングの耐久性が飛躍的に向上した。
【0014】また遮熱セラミック層を形成する材料に関
しても、種々検討がなされている。
【0015】具体的には、ジルコニア(ZrO)は1
200℃付近で相変態を起こすため、このジルコニアを
安定化させる添加剤を加えて相安定化および熱サイクル
特性の向上を図っている。
【0016】さらに、遮熱セラミック層を形成する際に
電子ビーム物理蒸着法(EB−PVD法)を用いて、柱
状組織を有する遮熱コーティング層を形成し、構造面か
ら改良を加えてガスタービンの寿命を向上させるという
方法も検討されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たこれらの遮熱コーティングは一般的に熱伝導率が低い
ジルコニア系セラミックを用い、遮熱性能を制御する試
みはほとんどなされておらず、優れた遮熱性能を有する
遮熱コーティングを得ることができなかった。
【0018】また、高温の燃焼ガスに晒される、例え
ば、ガスタービン動翼、静翼および燃焼器において、当
然部位により温度負荷条件が異なる。しかし、その温度
負荷条件により適正な遮熱性能になるような制御はほと
んどなされておらず、せいぜい遮熱セラミック層の厚さ
を変える程度であった。このため、遮熱セラミック層の
厚さはどの部位においても均一であることから部位によ
る遮熱特性が同じであり、強度部材である金属基材の表
面温度は部位によりかなり異なる傾向にあった。
【0019】このように遮熱特性が考慮されていないた
め、冷却媒体を多く必要としたり、また、相対的に板厚
方向の温度勾配が大きく、燃焼ガスおよび冷却ガスなど
のガスだまりにより、局所的に高温となるホットスポッ
トが存在するなどの問題があり、金属基材寿命、ガスタ
ービンの熱効率および信頼性という面から、改善が必要
であった。
【0020】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、晒される環境に応じて遮熱コー
ティングの遮熱性能を制御して、基材の表面温度を均一
化し、遮熱特性を向上させた高温部品およびその製造方
法を提供するものである。
【0021】また、燃焼ガス雰囲気で使用するガスター
ビンの遮熱コーティングにおいて、金属基材の表面温度
を均一化し、ガスタービンにおける熱効率の向上、長寿
命化および信頼性の向上を図ったガスタービン用高温部
品およびその製造方法を提供するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の高温部品
は、強度を有する基材と、この基材表面に被覆された遮
熱コーティングとから構成される高温部品において、こ
の高温部品が晒される環境に応じて、前記遮熱コーティ
ングの遮熱特性を制御し、基材の表面温度を均一化した
ことを特徴とする。
【0023】本発明によれば、遮熱コーティングの遮熱
特性を高温部品の部位により変化させることで、基材の
表面温度を均一化することができる。このため、部位に
よる基材の表面温度差が少ないため、基材の寿命が向上
し、高温部品の信頼性を確保することができる。また、
高温部品としては、例えば、高温環境に晒されるジェッ
トエンジンまたはロケットの機体外壁などが該当する。
【0024】請求項2記載の発明は、請求項1記載の高
温部品において、基材の表面温度は、部位による差が1
00℃以内であることを特徴とする。
【0025】本発明によれば、基材表面温度の部位によ
る差を100℃以内とすると良く、この温度範囲内にあ
れば、基材の寿命を向上させることができる。
【0026】請求項3記載の発明は、請求項1記載の高
温部品において、遮熱コーティングの遮熱特性は、遮熱
セラミック層の厚さまたは気孔率を部位により変化させ
て制御したことを特徴とする。
【0027】本発明によれば、遮熱セラミック層の厚さ
を大きくまたは気孔率を大きくすることで、遮熱コーテ
ィングの遮熱特性を向上させることができる。
【0028】請求項4記載のガスタービン用高温部品
は、Ni基、Co基またはFe基の少なくとも一種類を
主成分とした耐熱合金からなる金属基材と、この金属基
材の表面に被覆された遮熱コーティングとから構成され
るガスタービン用高温部品において、このガスタービン
用高温部品が晒される環境に応じて、前記遮熱コーティ
ングの遮熱特性を制御し、金属基材の表面温度を均一化
したことを特徴とする。
【0029】金属基材は、従来より強度を確保するため
に種々開発がなされており、Ni基、Co基またはFe
基などの一種類を主成分として、一方向凝固および単結
晶化させた超合金などが種々開発されている。この強度
を有する金属基材に遮熱性を確保するために遮熱コーテ
ィング層を設け、高温環境においても強度を有する高温
部品を得ることができる。
【0030】本発明によれば、晒される温度環境に応じ
て、遮熱コーティングの遮熱特性を高温部品の部位によ
り変化させることで、金属基材の表面温度を均一化する
ことができる。このため、金属基材の表面温度の均一化
により、冷却媒体を低減できることからガスタービン用
高温部品の性能を向上することできる。また、板厚方向
の温度勾配を低減できることからガスタービン用高温部
品の長寿命化を図れる。さらに、燃焼ガスと冷却ガスと
のガスだまりとなるホットスポットを低減することがで
きることから、ガスタービン用高温部品の信頼性向上を
図れる。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項4記載のガ
スタービン用高温部品において、ガスタービン用高温部
品は、動翼または静翼などのガスタービン部品であるこ
とを特徴とする。
【0032】動翼または静翼などのガスタービン部品
は、特に、高温蒸気に晒される部品であるが、本発明に
おいて、これらの部品の遮熱特性を向上させることによ
り、高温においても信頼性を有するガスタービン用高温
部品を得ることができる。
【0033】請求項6記載の発明は、請求項4記載のガ
スタービン用高温部品において、金属基材の表面温度
は、部位による差が100℃以内であることを特徴とす
る。
【0034】本発明によれば、基材表面温度の部位によ
る差を100℃以内とすると良く、この温度範囲内にあ
れば、基材の長寿命化を図れる。
【0035】請求項7記載の発明は、請求項4記載のガ
スタービン用高温部品において、遮熱コーティングの遮
熱特性は、遮熱セラミック層の厚さを部位により変化さ
せて制御したことを特徴とする。
【0036】本発明によれば、遮熱セラミック層の厚さ
を変えることにより、温度場を決める遮熱セラミック層
の熱抵抗を制御することができる。
【0037】請求項8記載の発明は、請求項5記載のガ
スタービン用高温部品において、相対的に温度が高くな
る動翼または静翼の前縁まわりまたは後縁まわりの少な
くとも一方の遮熱セラミック層の厚さを、他の部位より
も厚くしたことを特徴とする。
【0038】本発明において、動翼または静翼における
温度が高温となる前縁まわりまたは後縁まわりの遮熱セ
ラミック層の厚さを大きくすることで、金属基材の表面
温度を均一化することができる。
【0039】請求項9記載の発明は、請求項5記載のガ
スタービン用高温部品において、相対的に温度が高くな
る動翼または静翼の背側の遮熱セラミック層の厚さを相
対的に温度が低くなる腹側の遮熱セラミック層の厚さよ
り大きくしたことを特徴とする。
【0040】本発明において、動翼または静翼における
温度が高温となる背側または腹側の遮熱セラミック層の
厚さを大きくすることで、金属基材の表面温度を効果的
に均一化することができる。
【0041】請求項10記載の発明は、請求項8または
9記載のガスタービン用高温部品において、遮熱コーテ
ィング層の厚さを、厚い側で0.1mm以上1.0mm
以下とし、また薄い側で0mmを超え0.5mm以下と
し、かついずれの場合も厚い側よりも薄い側の遮熱コー
ティング層の厚さを薄くしたことを特徴とする。
【0042】本発明において、上記のように厚さを規定
することで、金属基材の温度を均一化することができ
る。
【0043】請求項11記載の発明は、請求項4記載の
ガスタービン用高温部品において、遮熱コーティングの
遮熱特性は、遮熱セラミック層の気孔率を部位により変
化させて制御したことを特徴とする。
【0044】本発明によれば、気孔、つまり空間が大き
な熱抵抗を有するために、遮熱セラミック層を構成する
材料の気孔率を変えることにより、温度場を決める遮熱
セラミック層の熱抵抗を制御することができる。すなわ
ち、晒される温度環境に応じてこの遮熱セラミック層の
気孔率を変えることで、金属基材の表面温度を均一化す
ることができる。
【0045】請求項12記載の発明は、請求項5記載の
ガスタービン用高温部品において、相対的に温度が高く
なる前縁まわり、または後縁まわりの少なくとも一方の
遮熱コーティング層の気孔率を他の部位より大きくする
ことで金属基材の表面温度を均一化したことを特徴とす
る。
【0046】遮熱セラミック層の厚さを大きくする程、
または気孔率を大きくする程、熱抵抗は大きくなり遮熱
機能は向上する傾向にある。ガスタービン動翼および静
翼において、他の部位より温度環境が厳しい傾向にある
前縁まわり、または後縁まわりの遮熱セラミック層の熱
抵抗を大きくすれば、金属基材の表面温度を均一化する
ことができる。
【0047】請求項13記載の発明は、請求項5記載の
ガスタービン用高温部品において、相対的に温度が高く
なる背側の気孔率を腹側より大きくすることで金属基材
の表面温度を均一化したことを特徴とする。
【0048】本発明におけるガスタービン動翼および静
翼において、腹側より温度環境が厳しい傾向にある背側
の遮熱セラミック層の熱抵抗を大きくすれば、金属基材
表面温度を均一化することができる。
【0049】請求項14記載の発明は、請求項12また
は13記載のガスタービン用高温部品において、遮熱セ
ラミック層の気孔率を、大きい側で10%以上40%以
下とし、小さい側で2%以上20%以下としたことを特
徴とする。
【0050】本発明において、上記のように気孔率を規
定することで、金属基材の表面温度を均一化することが
できる。
【0051】請求項15記載の発明は、請求項5記載の
ガスタービン用高温部品において、遮熱セラミック層の
材料として、ZrOを主成分とし、MgO、CaO、
またはCeOのうちの少なくとも一つ以上を
添加した酸化物系セラミックを用いたことを特徴とす
る。
【0052】遮熱セラミック層の材料として、ZrO
を主成分としているが、このZrOは1200℃の温
度を超えると結晶変態を起こすため、従来、ZrO
を8%程度添加して部分安定化させた酸化物系
セラミックが用いられていた。本発明においても、この
ZrOにYを8%程度添加した材料を用いてい
るが、Yのほかに、MgO、CaO、またはCe
を添加した材料を用いて良い。
【0053】請求項16記載の発明は、請求項15記載
のガスタービン用高温部品において、酸化物系セラミッ
クの主成分として、Al、HfO、ThO
たはBeOのうちの1つを用いたことを特徴とする。
【0054】本発明におては、遮熱セラミック層の材料
として、ZrOを主成分とするかわりに、ZrO
りも融点の高いHfO、ThOまたはBeOを用い
ても良い。また、コストを低減できるAlを用い
ても良い。
【0055】請求項17記載の高温部品の製造方法は、
基材表面に遮熱セラミック層を形成して高温部品を製造
する際、部位により遮熱セラミック層の厚さまたは気孔
率を変化させて高温部品を形成したことを特徴とする。
【0056】本発明においては、遮熱セラミック層の厚
さまたは気孔率を変化させることにより遮熱セラミック
層の熱抵抗を制御できる高温部品を得ることができる。
【0057】請求項18記載のガスタービン用高温部品
の製造方法は、Ni基、Co基またはFe基の少なくと
も一種類を主成分とした耐熱合金からなる金属基材の表
面に遮熱セラミック層を形成してガスタービン用高温部
品を製造する際、部位により遮熱セラミック層の厚さま
たは気孔率を変化させてガスタービン用高温部品を形成
したことを特徴とする。
【0058】本発明においても、遮熱セラミック層の厚
さまたは気孔率を変化させて、遮熱特性を向上させたガ
スタービン用高温部品を得ることができる。
【0059】請求項19記載の発明は、請求項18記載
のガスタービン用高温部品の製造方法において、遮熱セ
ラミック層は、プラズマなどの高温熱源で溶融した遮熱
セラミックの原料粉末を高速で金属基材に吹き付けて形
成したことを特徴とする。
【0060】本発明においては、溶射法を用いて金属基
材の表面に遮熱セラミック層を形成している。溶射法に
よれば、原料粉末を高速で金属基材に吹き付けているこ
とから、遮熱セラミック層に適度な気孔が形成されるた
め、遮熱セラミック層のもろさを改善することができ
る。
【0061】請求項20記載の発明は、請求項19記載
のガスタービン用高温部品の製造方法において、原料粉
末の供給量、原料粉末の粘度、溶射ガンの移動速度、溶
射ガンの角度、溶射距離および溶射出力を最適化して、
1パスあたりに形成する皮膜厚さである成膜速度を変
え、部位により遮熱セラミック層の厚さまたは気孔率を
変化させることを特徴とする。
【0062】本発明においては、溶射法により遮熱セラ
ミック層を形成する場合に、原料粉末の供給量および粒
度、溶射ガンの移動速度および角度、溶射距離、出力を
変えることで、遮熱セラミック層の成膜速度を変化させ
ることができることから、遮熱セラミック層の厚さまた
は気孔率を変えることができる。すなわち、部位により
意図的にこれらの条件を変えることにより、部位により
遮熱セラミック層の厚さおよび気孔率が変化した遮熱セ
ラミック層を形成することができる。
【0063】請求項21記載の発明は、請求項18記載
のガスタービン用高温部品の製造方法において、金属基
材の表面に遮熱セラミック層を形成する際、ターゲット
材料を電子ビームなどの高温熱源を用いて加熱し蒸発さ
せ、得られた蒸気を金属基材の表面に堆積させて遮熱セ
ラミック層を形成したことを特徴とする。
【0064】本発明においては、物理蒸着法を用いて金
属基材の表面に遮熱セラミック層を形成している。物理
蒸着法によれば、金属基材の表面に堆積された遮熱セラ
ミック層がたての結晶成長により形成されているため、
金属基材と遮熱セラミック層とが剥離し難くなる。
【0065】請求項22記載の発明は、請求項19また
は21記載のガスタービン用高温部品の製造方法におい
て、隙間率の異なる板状の板に遮熱セラミックの原料粉
末を通過させて成膜速度を変化させたことを特徴とす
る。
【0066】本発明において、溶射法または物理蒸着法
により遮熱セラミック層を形成する場合、隙間率の異な
る板状の板、例えば、メッシュの異なる網を通して皮膜
形成すれば、遮熱セラミック層の成膜速度を変えること
ができる。すなわち、部位により意図的に隙間率を変え
れば、部位により遮熱セラミック層の厚さまたは気孔率
が変化した遮熱セラミック層を形成することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1〜図8を参照して説明する。
【0068】本実施形態においては、遮熱コーティング
を施したガスタービン動翼およびその製造方法について
説明する。
【0069】図1は、本発明による遮熱コーティングを
施したガスタービン動翼の断面を示す模式図である。
【0070】図1に示すように、ガスタービン動翼1
は、Ni、CoまたはFeをベースとした高温強度に優
れた超合金の動翼基材2上に、耐食性および耐酸化性に
優れたMCrAlY合金層3(MはCr、CoまたはN
i)を形成し、このMCrAlY合金層3上に低熱伝導
率で化学的に安定なY部分安定化ZrO層4を
形成して、MCrAlY合金層3とY部分安定化
ZrO層4とにより、遮熱コーティング層を構成して
いる。
【0071】特に、相対的に晒される燃焼ガス温度条件
が厳しい、図1に示すガスタービン動翼1の前縁まわり
5の遮熱コーティングおよび後縁まわり6の遮熱コーテ
ィングは、0.1mm以上1.0mm以下の厚さとし、
他の部位よりY部分安定化ZrO層4の厚さを
大きくした。また気孔率についても、10%以上40%
以下の範囲として他の部位より大きくして遮熱性能を強
化し、動翼基材2の表面温度差が100℃以内となる構
成とした。
【0072】図2は、ガスタービン動翼における遮熱コ
ーティングの熱抵抗と動翼基材の表面温度との関係を示
す図である。
【0073】図2に示すように、遮熱コーティングの熱
抵抗を大きくすると、強度部材としての動翼基材の表面
温度を低くすることができ、遮熱性能を向上させること
ができる。一方、この遮熱コーティングの熱抵抗は、遮
熱コーティングの厚さまたは遮熱コーティングを構成す
る材料の熱伝導率などにより変化させることができる。
特に、材料の熱伝導率は材料特有の物性ではあるが、断
熱効果が大きい気孔、つまり空間を設けることにより、
熱伝導率の絶対値を変えることができる。
【0074】図3は、Y部分安定化ZrO層の
気孔率と熱伝導率との関係を示す図である。
【0075】図3に示すように、Y部分安定化Z
rO層の気孔率は、熱伝導性に大きく影響を及ぼすこ
とが明らかであり、気孔率を大きくするほど熱伝導率が
小さくなる傾向にある。
【0076】また、Y部分安定化ZrO層の材
料組成を変えることで熱伝導率の絶対値を変えることも
できる。
【0077】図4は、Y部分安定化ZrO層に
おいて、Yの組成比率と熱伝導率との関係を示す
図である。
【0078】図4に示すように、Y部分安定化Z
rO層におけるYの組成比率が熱伝導率に大き
く影響するのは明らかであり、Yの組成比率を小
さくするほど熱伝導率は小さくできる傾向にある。
【0079】次に、遮熱コーティングを施したガスター
ビン動翼1の製造方法を、以下に説明する。
【0080】まず、Ni、CoまたはFeをベースとし
た高温強度に優れた超合金の動翼基材2に対し、プラズ
マまたは燃焼ガスなどの高温熱源中にMCrAlY合金
粉末(MはCr、CoまたはNi)を導入して、溶融し
たMCrAlY合金粒子を高速で動翼基材2上に吹き付
け、MCrAlY合金層3を形成した。
【0081】その後、プラズマまたは燃焼ガスなどの高
温熱源中にY部分安定化ZrO粉末を導入し
て、溶融したY部分安定化ZrO粒子をMCr
AlY合金層3上に高速で吹き付けて、Y部分安
定化ZrO層4を形成した。
【0082】前縁まわりの遮熱コーティング5および後
縁まわりの遮熱コーティング6のY部分安定化Z
rO層4を形成する際には、原料粉末の供給量、原料
粉末の粒度、溶射ガンの移動速度、溶射ガンの角度、溶
射距離、溶射出力などの溶射プロセスパラメータを変え
て、他の部位よりも厚さおよび気孔率を大きくして、相
対的に遮熱性能を強化した。なお、成膜速度に関して
は、隙間率の異なる板状の板であるメッシュの異なる網
に溶射材料を通して、Y部分安定化ZrO層4
を形成した。
【0083】具体的には、原料粉末の供給量は1〜30
cm/minの範囲とし、原料粉末の粒度は1〜20
0μm、溶射ガンの移動速度は100〜1000mm/
sec、溶射ガンの角度は30〜90°、溶射距離は5
0〜300mmおよび溶射出力は20〜100kWの範
囲とした。
【0084】図5は、溶射法を用いてY部分安定
化ZrO層を形成する場合に、成膜速度に及ぼす各種
溶射プロセスパラメータの効果を示す図である。
【0085】図5に示すように、溶射プロセスパラメー
タとして、Y部分安定化ZrOの原料粉末量
A、溶射ガンの移動速度B、溶射ガンの角度C、溶射距
離Dおよび溶射出力Eを変えることにより、成膜速度を
大きく変化させることができる。 通常、動翼基材と遮
熱コーティング層との剥離を防止するための溶射プロセ
スパラメータが設定され、具体的には、点線aに示す値
で各パラメータが設定されている。
【0086】ガスタービン動翼1に遮熱コーティングを
溶射施工する際、この溶射プロセスパラメータを変える
ことで、1パスあたりに形成するY部分安定化Z
rO層の厚さである成膜速度を制御できる。このこと
から、同じパス数の溶射を繰り返した場合においても所
定の膜厚分布を有するY部分安定化ZrO層の
形成が可能である。すなわち、溶射する部位と連動して
溶射プロセスパラメータを制御すれば成膜速度が変化す
るために、結果として、前縁まわり5および後縁まわり
6のY部分安定化ZrO層の厚さが大きいガス
タービン動翼1を製造できる。ここで、前縁まわり5お
よび後縁まわり6のY部分安定化ZrO層の厚
さは、製造上の制約と耐久性から、0.1mm以上1.
0mm以下の範囲内とするのが望ましい。
【0087】図6は、溶射法により網を介して動翼基材
上にY部分安定化ZrO層を形成する場合に、
網のメッシュ粗さと成膜速度との関係を示した図であ
る。
【0088】図6に示すように、網のメッシュ粗さを粗
くすることにより、時間あたりのY部分安定化Z
rO層4の形成厚さである成膜速度は速くなる。この
ため、タービン動翼1に遮熱コーティングを溶射施工す
る際に、この網のメッシュ粗さを変えることでY
部分安定化ZrO層4の成膜速度が制御できるため、
同じパス数の溶射を繰り返した場合においても、所定の
膜厚分布を有するY部分安定化ZrO層4を形
成することができる。すなわち、溶射する部位と連動し
て網のメッシュ粗さを変えれば成膜速度が変化するため
に、結果として、前縁まわり5および後縁まわり6のY
部分安定化ZrO層4の厚さを大きくしたガス
タービン動翼1を製造することができる。
【0089】図7は、溶射法を用いてY部分安定
化ZrO層を形成する場合、気孔率に及ぼす各種溶射
プロセスパラメータの効果を示したものである。
【0090】図7に示すように、溶射プロセスパラメー
タとしてY部分安定化ZrOの原料粉末量A、
粉末粒度F、溶射ガンの移動速度B、溶射ガンの角度
C、溶射距離Dを変えることにより、Y部分安定
化ZrO中の気孔率を大きく変化させることができ
る。ガスタービン動翼1に遮熱コーティングを溶射施工
する際、この溶射プロセスパラメータを変えることでY
部分安定化ZrO層中の気孔率を制御できる。
このため、部位により異なる気孔率を有するY
分安定化ZrO層の形成が可能である。すなわち、溶
射する部位と連動して溶射プロセスパラメータを制御す
れば気孔率が変化し、結果として、前縁まわりおよび後
縁まわりのY部分安定化ZrO層の気孔率を大
きくすることで、遮熱性能が強化されたガスタービン動
翼1を製造できる。ここで、気孔率を大きくすると強度
が低下する傾向にあるので、気孔率は10%以上40%
以下の範囲内とするのが望ましい。
【0091】なお、ガスタービン動翼1のMCrAlY
合金層3(MはCr、CoまたはNi)上にY
分安定化ZrO層4を形成する際、Y部分安定
化ZrO製のターゲットを電子ビームなどの高温熱源
により加熱蒸発させ、得られた蒸気を堆積させる物理蒸
着法を用いてもよい。
【0092】図8は、網のメッシュを介して物理蒸着法
を用いてY部分安定化ZrO層を形成する場合
に、網のメッシュ粗さと膜成長速度との関係を示したも
のである。
【0093】図8に示すように、網のメッシュ粗さを粗
くすることにより、膜成長速度は速くなる。このため、
ガスタービン動翼1に遮熱コーティングを施工する際、
この網のメッシュ粗さを変えることでY部分安定
化ZrO層4の膜成長速度が制御できるため、所定の
膜厚分布を有するY部分安定化ZrO層4を物
理蒸着法により形成できる。すなわち、予めメッシュの
異なる網で覆った状態で物理蒸着を施せば部位により膜
成長速度が異なるために、結果として、前縁まわり5お
よび後縁まわり6のY部分安定化ZrO層4の
厚さを大きくしたガスタービン動翼1を製造することが
できる。
【0094】本実施形態によれば、ガスタービン動翼に
おける遮熱コーティングの熱抵抗を変えることで容易に
遮熱性能を制御できることが明らかである。このことか
ら、晒される燃焼ガス条件に応じて遮熱コーティングの
熱抵抗を制御することで、動翼基材の表面温度を均一化
することができる。すなわち、相対的に晒される燃焼ガ
ス温度条件が厳しい前縁まわりおよび後縁まわりの遮熱
コーティングは、他の部位に比べ相対的に遮熱コーティ
ングの熱抵抗を大きくすることにより、動翼基材の表面
温度を均一化することができる。遮熱コーティングの熱
抵抗は、Y部分安定化ZrO層の厚さを大きく
すること、Y部分安定化ZrO層の気孔率を大
きくすること、Y部分安定化ZrO層における
の組成比率を小さくすることにより、大きくす
ることができる。
【0095】特に、本実施形態によれば、晒される燃焼
ガス温度条件が厳しい前縁まわりや後縁まわりの遮熱性
能が強化された遮熱コーティングで構成されているた
め、動翼基材の表面温度を均一化できる。このために、
晒される燃焼ガス温度条件に応じて遮熱性能を制御する
ために、必要以上の冷却を行う必要がなく、その結果、
冷却媒体の絶対量が低減でき、ガスタービンの効率が向
上できる。
【0096】また、晒される燃焼ガス温度条件に応じて
遮熱性能を制御するために、燃焼ガス温度条件が厳しい
部位での動翼基材表面温度が低減するとともに、動翼基
材の板厚方向の温度勾配も低減するために、動翼基材の
熱応力を低減できる。その結果、ガスタービンを長寿命
化できる。
【0097】さらに、晒される燃焼ガス温度条件に応じ
て遮熱性能を制御するために、燃焼ガスおよび冷却ガス
などのガスだまりにより生じる局部的に高温となるホッ
トスポットを低減することができる。その結果、遮熱コ
ーティングの剥離にもつながるMCrAlY層および基
材の急激な酸化および大きな熱応力の発生を低減するこ
とができる。
【0098】なお、Y部分安定化ZrO以外に
も、遮熱コーティング材料として有効な低熱伝導率の化
学的にも安定な酸化物系セラミックスとして、Al
、HfO、ThOおよびBeOなどがある。熱伝
導率は材料特有の物性であることから、これらの酸化物
系セラミックの熱伝導率は大幅に異なる。したがって、
溶射する部位と連動して溶射材料を制御すれば、結果と
して、前縁まわりおよび後縁まわりの遮熱性能を強化し
た遮熱コーティングを施したガスタービン動翼を製造で
きる。
【0099】その他の実施形態(図9) 本実施形態においては、遮熱コーティングを施したガス
タービン静翼およびその製造方法について説明する。
【0100】図9は、本発明による遮熱コーティングを
施したガスタービン静翼の断面を示す模式図である。
【0101】図9に示すように、ガスタービン静翼7
は、Ni、CoまたはFeをベースとした高温強度に優
れた超合金の静翼基材8上に、耐食性および耐酸化性に
優れたMCrAlY合金層9(MはCr、CoまたはN
i)を形成し、このMCrAlY合金層9上に低熱伝導
率で化学的に安定なY部分安定化ZrO層10
を形成して、MCrAlY合金層9とY部分安定
化ZrO層10とにより、遮熱コーティング層を構成
している。
【0102】特に、相対的に晒される燃焼ガス温度条件
が厳しい、図9に示すガスタービン静翼7の背側11お
よび腹側12の遮熱コーティングは、0.1mm以上
1.0mm以下の厚さとし、他の部位よりY部分
安定化ZrO層4の厚さを大きくした。また気孔率に
ついても、10%以上40%以下の範囲として他の部位
より大きくして遮熱性能を強化し、静翼基材8の表面温
度差が100℃以内となる構成とした。
【0103】次に、遮熱コーティングを施したガスター
ビン静翼7の製造方法を、以下に説明する。
【0104】まず、Ni、CoまたはFeをベースとし
た高温強度に優れた超合金の静翼基材8に対し、プラズ
マまたは燃焼ガスなどの高温熱源中にMCrAlY合金
粉末(MはCr、CoまたはNi)を導入して、溶融し
たMCrAlY合金粒子を高速で静翼基材8上に吹き付
け、MCrAlY合金層9を形成した。
【0105】その後、プラズマまたは燃焼ガスなどの高
温熱源中にY部分安定化ZrO粉末を導入し
て、溶融したY部分安定化ZrO粒子をMCr
AlY合金層9上に高速で吹き付けて、Y部分安
定化ZrO層10を形成した。背側11および腹側1
2の遮熱コーティングのY部分安定化ZrO
10を形成する際には、原料粉末の供給量、原料粉末の
粒度、溶射ガンの移動速度、溶射ガンの角度、溶射距
離、溶射出力などの溶射プロセスパラメータを変えて、
他の部位よりも厚さおよび気孔率を大きくして、相対的
に遮熱性能を強化した。なお、成膜速度に関しては、隙
間率の異なる板状の板であるメッシュの異なる網に溶射
材料を通して、Y部分安定化ZrO層10を形
成した。
【0106】具体的には、原料粉末の供給量は1〜30
cm/minの範囲とし、原料粉末の粒度は1〜20
0μm、溶射ガンの移動速度は100〜1000mm/
sec、溶射ガンの角度は30〜90°、溶射距離は5
0〜300mmおよび溶射出力は20〜100kWの範
囲とした。
【0107】ガスタービン静翼7を製造する際には、前
述したガスタービン動翼1と同じように、図5に示すよ
うに、溶射プロセスパラメータとして、Y部分安
定化ZrOの原料粉末量、粉末粒度、ガンの移動速
度、ガンの角度、溶射距離、出力を変えることにより、
成膜速度を大きく変化させることができる。したがっ
て、ガスタービン静翼7に遮熱コーティングを溶射施工
する際、この溶射プロセスパラメータを変えることでY
部分安定化ZrO層10の成膜速度を制御でき
る。このため、同じパス数の溶射を繰り返した場合も所
定の膜厚分布を有するY部分安定化ZrO層1
0を形成することができる。すなわち、溶射する部位と
連動して溶射プロセスパラメータを制御すれば成膜速度
が変化するために、結果として、腹側12に比べ背側1
1のY部分安定化ZrO層の厚さを大きくした
ガスタービン静翼7を製造することができる。
【0108】また図6に示したように、溶射法で網のメ
ッシュ粗さを変えることにより、成膜速度は大きく変化
することができる。したがって、ガスタービン静翼7に
遮熱コーティングを溶射施工する際、この網のメッシュ
粗さを変えることでY部分安定化ZrO層10
の成膜速度を制御できる。このため、同じパス数の溶射
を繰り返した場合も所定の膜厚分布を有するY
分安定化ZrO層10を形成することができる。すな
わち、溶射する部位と連動して網のメッシュ粗さを変え
れば成膜速度が変化するため、結果として、腹側12に
比べ背側11のY部分安定化ZrO層10の厚
さを大きくしたガスタービン静翼7を製造することがで
きる。
【0109】また図7に示したように、溶射プロセスパ
ラメータとして、Y部分安定化ZrOの原料粉
末量、粉末粒度、ガンの移動速度、ガンの角度、溶射距
離、出力を変えることにより、Y部分安定化Zr
中の気孔率を大きく変化させることができる。ガス
タービン静翼7に遮熱コーティングを溶射施工する際、
この溶射プロセスパラメータを変えることでY
分安定化ZrO層10中の気孔率を制御できる。この
ため、部位により異なる気孔率を有するY部分安
定化ZrO層10を形成できる。すなわち、溶射する
部位と連動して溶射プロセスパラメータを制御すれば気
孔率が変化し、結果として、腹側12に比べ背側11の
部分安定化ZrO層10の気孔率を大きくす
ることで遮熱性能を強化したガスタービン静翼7を製造
できる。
【0110】図8に示したように、物理蒸着法で網のメ
ッシュ粗さを変えることにより、膜成長速度は大きく変
化させることができる。したがって、ガスタービン静翼
7に遮熱コーティングを施工する際、この網のメッシュ
粗さを変えることでY部分安定化ZrO層10
の膜成長速度を制御できる。このため、所定の膜厚分布
を有するY部分安定化ZrO層10を物理蒸着
法により形成できる。すなわち、予めメッシュの異なる
網で覆った状態で物理蒸着を施せば、部位により膜成長
速度が異なるために、結果として、腹側12に比べ背側
11のY部分安定化ZrO層10の厚さを大き
くしたガスタービン静翼7を製造することができる。
【0111】本実施形態におけるガスタービン静翼7に
おいても、遮熱コーティングの熱抵抗を変えることで容
易に遮熱性能を制御できる。このため、晒される燃焼ガ
ス条件に応じて遮熱コーティングの熱抵抗を制御すれ
ば、静翼基材8の表面温度を均一化することができる。
すなわち、相対的に晒される燃焼ガス温度条件が厳しい
背側11の遮熱コーティングは、腹側12の遮熱コーテ
ィングより熱抵抗を大きくすることで、静翼基材8の表
面温度を均一化することができる。遮熱コーティングの
熱抵抗は、Y部分安定化ZrO層10の厚さを
大きくすること、Y部分安定化ZrO層10の
気孔率を大きくすること、Y部分安定化ZrO
の組成比率を小さくすることにより、大きくすることが
できる。
【0112】また、本実施形態によれば、晒される燃焼
ガス温度条件が厳しい背側11の遮熱性能が強化された
遮熱コーティングで構成されており、静翼基材8の表面
温度を均一化できる。これにより、晒される燃焼ガス温
度条件に応じて遮熱性能を制御するために、必要以上の
冷却を行う必要がなく、その結果、冷却媒体の絶対量が
低減でき、ガスタービンの効率を向上させることができ
る。
【0113】また、晒される燃焼ガス温度条件に応じて
遮熱性能を制御するために、燃焼ガス温度条件が厳しい
部位での静翼基材8の表面温度が低減するとともに、静
翼基材8の板厚方向の温度勾配も低減するため、静翼基
材8の熱応力が低減できる。その結果、ガスタービンを
長寿命化できる。
【0114】さらに、晒される燃焼ガス温度条件に応じ
て遮熱性能を制御するために、ホットスポットが低減で
きる。このため、遮熱コーティングの剥離にもつながる
MCrAlY層9および静翼基材8の急激な酸化および
大きな熱応力の発生を低減することができる。
【0115】なお、本実施形態においてはガスタービン
動翼1およびガスタービン静翼7に遮熱コーティングを
施した場合について説明したが、高温環境に晒されるジ
ェットエンジンまたはロケットの機体外壁などの高温部
品にも適用できる。
【0116】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明による高
温部品、ガスタービン用高温部品およびこれらの製造方
法によれば、晒される環境に応じて遮熱コーティングの
遮熱特性を制御することができる高温部品を得られるた
め、特に、この高温部品を燃焼ガス雰囲気で使用するガ
スタービンなどの高温の酸化腐食雰囲気で使用するガス
タービン用高温部品として適用することで、熱効率、ガ
スタービンの寿命および信頼性に優れたガスタービン用
高温部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における、遮熱コーティング
を施したガスタービン動翼の断面を示す模式図。
【図2】本発明の実施形態における、遮熱コーティング
の熱抵抗と動翼基材表面温度との関係を示す図。
【図3】本発明の実施形態における、Y部分安定
化ZrO層の気孔率と熱伝導率との関係を示す図。
【図4】本発明の実施形態における、Y部分安定
化ZrO層の組成比率が熱伝導率に及ぼす影響を示す
図。
【図5】本発明の実施形態における、溶射法による成膜
速度に及ぼす各種溶射プロセスパラメータの影響を示す
図。
【図6】本発明の実施形態における、溶射法による網の
メッシュ粗さと成膜速度との関係を示す図。
【図7】本発明の実施形態における、溶射法による気孔
率に及ぼす各種溶射プロセスパラメータの影響を示す
図。
【図8】本発明の実施形態における、物理蒸着法による
網のメッシュ粗さと成膜速度との関係を示す図。
【図9】本発明のその他の実施形態における、遮熱コー
ティングを施したガスタービン動翼の断面を示す模式
図。
【符号の説明】
1 ガスタービン動翼 2 動翼基材 3 MCrAlY合金層 4 Y部分安定化ZrO層 5 前縁まわり 6 後縁まわり 7 ガスタービン静翼 8 静翼基材 9 MCrAlY合金層 10 Y部分安定化ZrO層 11 背側 12 腹側 A 原料粉末量 B 溶射ガンの移動速度 C 溶射ガンの角度 D 溶射距離 E 溶射出力 F 粉末粒度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 昌行 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 齋藤 正弘 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 和田 国彦 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 古閑 昭紀 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 東芝アイテック株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強度を有する基材と、この基材表面に被
    覆された遮熱コーティングとから構成される高温部品に
    おいて、この高温部品が晒される環境に応じて、前記遮
    熱コーティングの遮熱特性を制御し、基材の表面温度を
    均一化したことを特徴とする高温部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高温部品において、基材
    の表面温度は、部位による差が100℃以内であること
    を特徴とする高温部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高温部品において、遮熱
    コーティングの遮熱特性は、遮熱セラミック層の厚さま
    たは気孔率を部位により変化させて制御したことを特徴
    とする高温部品。
  4. 【請求項4】 Ni基、Co基またはFe基の少なくと
    も一種類を主成分とした耐熱合金からなる金属基材と、
    この金属基材の表面に被覆された遮熱コーティングとか
    ら構成されるガスタービン用高温部品において、このガ
    スタービン用高温部品が晒される環境に応じて、前記遮
    熱コーティングの遮熱特性を制御し、金属基材の表面温
    度を均一化したことを特徴とするガスタービン用高温部
    品。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のガスタービン用高温部品
    において、ガスタービン用高温部品は、動翼または静翼
    などのガスタービン部品であることを特徴とするガスタ
    ービン用高温部品。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のガスタービン用高温部品
    において、金属基材の表面温度は、部位による差が10
    0℃以内であることを特徴とするガスタービン用高温部
    品。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のガスタービン用高温部品
    において、遮熱コーティングの遮熱特性は、遮熱セラミ
    ック層の厚さを部位により変化させて制御したことを特
    徴とするガスタービン用高温部品。
  8. 【請求項8】 請求項5記載のガスタービン用高温部品
    において、相対的に温度が高くなる動翼または静翼の前
    縁まわりまたは後縁まわりの少なくとも一方の遮熱セラ
    ミック層の厚さを、他の部位よりも厚くしたことを特徴
    とするガスタービン用高温部品。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のガスタービン用高温部品
    において、相対的に温度が高くなる動翼または静翼の背
    側の遮熱セラミック層の厚さを相対的に温度が低くなる
    腹側の遮熱セラミック層の厚さより大きくしたことを特
    徴とするガスタービン用高温部品。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載のガスタービン
    用高温部品において、遮熱コーティング層の厚さを、厚
    い側で0.1mm以上1.0mm以下とし、また薄い側
    で0mmを超え0.5mm以下とし、かついずれの場合
    も厚い側よりも薄い側の遮熱コーティング層の厚さを薄
    くしたことを特徴とするガスタービン用高温部品。
  11. 【請求項11】 請求項4記載のガスタービン用高温部
    品において、遮熱コーティングの遮熱特性は、遮熱セラ
    ミック層の気孔率を部位により変化させて制御したこと
    を特徴とするガスタービン用高温部品。
  12. 【請求項12】 請求項5記載のガスタービン用高温部
    品において、相対的に温度が高くなる前縁まわり、また
    は後縁まわりの少なくとも一方の遮熱コーティング層の
    気孔率を他の部位より大きくすることで金属基材の表面
    温度を均一化したことを特徴とするガスタービン用高温
    部品。
  13. 【請求項13】 請求項5記載のガスタービン用高温部
    品において、相対的に温度が高くなる背側の気孔率を腹
    側より大きくすることで金属基材の表面温度を均一化し
    たことを特徴とするガスタービン用高温部品。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載のガスター
    ビン用高温部品において、遮熱セラミック層の気孔率
    を、大きい側で10%以上40%以下とし、小さい側で
    2%以上20%以下としたことを特徴とするガスタービ
    ン用高温部品。
  15. 【請求項15】 請求項5記載のガスタービン用高温部
    品において、遮熱セラミック層の材料として、ZrO
    を主成分とし、MgO、CaO、YまたはCeO
    のうちの少なくとも一つ以上を添加した酸化物系セラ
    ミックを用いたことを特徴とするガスタービン用高温部
    品。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のガスタービン用高温
    部品において、酸化物系セラミックの主成分として、A
    、HfO、ThOまたはBeOのうちの1
    つを用いたことを特徴とするガスタービン用高温部品。
  17. 【請求項17】 基材表面に遮熱セラミック層を形成し
    て高温部品を製造する際、部位により遮熱セラミック層
    の厚さまたは気孔率を変化させて高温部品を形成したこ
    とを特徴とする高温部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 Ni基、Co基またはFe基の少なく
    とも一種類を主成分とした耐熱合金からなる金属基材の
    表面に遮熱セラミック層を形成してガスタービン用高温
    部品を製造する際、部位により遮熱セラミック層の厚さ
    または気孔率を変化させてガスタービン用高温部品を形
    成したことを特徴とするガスタービン用高温部品の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載のガスタービン用高温
    部品の製造方法において、遮熱セラミック層は、プラズ
    マなどの高温熱源で溶融した遮熱セラミックの原料粉末
    を高速で金属基材に吹き付けて形成したことを特徴とす
    るガスタービン用高温部品の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のガスタービン用高温
    部品の製造方法において、原料粉末の供給量、原料粉末
    の粘度、溶射ガンの移動速度、溶射ガンの角度、溶射距
    離および溶射出力を最適化して、1パスあたりに形成す
    る皮膜厚さである成膜速度を変え、部位により遮熱セラ
    ミック層の厚さまたは気孔率を変化させることを特徴と
    するガスタービン用高温部品の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項18記載のガスタービン用高温
    部品の製造方法において、金属基材の表面に遮熱セラミ
    ック層を形成する際、ターゲット材料を電子ビームなど
    の高温熱源を用いて加熱し蒸発させ、得られた蒸気を金
    属基材の表面に堆積させて遮熱セラミック層を形成した
    ことを特徴とするガスタービン用高温部品の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項19または21記載のガスター
    ビン用高温部品の製造方法において、隙間率の異なる板
    状の板に遮熱セラミックの原料粉末を通過させて成膜速
    度を変化させたことを特徴とするガスタービン用高温部
    品の製造方法。
JP10117616A 1998-04-27 1998-04-27 高温部品、ガスタービン用高温部品およびこれらの製造方法 Pending JPH11311103A (ja)

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