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JPH11295284A - クロロベンゼン類の分析装置 - Google Patents

クロロベンゼン類の分析装置

Info

Publication number
JPH11295284A
JPH11295284A JP10094759A JP9475998A JPH11295284A JP H11295284 A JPH11295284 A JP H11295284A JP 10094759 A JP10094759 A JP 10094759A JP 9475998 A JP9475998 A JP 9475998A JP H11295284 A JPH11295284 A JP H11295284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chlorobenzenes
gas
adsorber
gas chromatograph
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10094759A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Miyazawa
邦夫 宮澤
Hideki Nagano
英樹 永野
Takaaki Kondo
隆明 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP10094759A priority Critical patent/JPH11295284A/ja
Publication of JPH11295284A publication Critical patent/JPH11295284A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 除湿器を必要とせず長期間連続測定可能であ
るクロロベンゼン類の分析装置を提供する。 【解決手段】 吸着器と、ガスクロマトグラフ装置と、
検出器と、必要によりデータ処理装置とを備えたクロロ
ベンゼン類の分析装置において、吸着器は試料ガスの入
側から直列に2個接続されており、これら2つの吸着器
2、3の間の配管32には前記ガスクロマトグラフ装置
5に試料ガス21を導入するための配管35が接続され
ていることを特徴とするクロロベンゼン類の分析装置。
さらに、試料ガス21の入側から遠い方の吸着器3は、
ドライパージ機能36を有するとともにコンパクトかつ
急速昇温可能であり、ガスクロマトグラフ装置5の分離
カラムには、ポリシロキサン系の化学結合型溶融シリカ
キャピラリーカラムを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、一般廃棄
物および産業廃棄物を焼却した際発生する燃焼排ガス、
あるいは金属精錬プロセスから排出されるガスなどに含
まれる塩素系有機化合物を自動的に分析する装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種の廃棄物を焼却する際に焼
却炉から極めて猛毒のダイオキシン類が発生する。これ
ら排ガス中に含まれるダイオキシン類の濃度は、ダイオ
キシンおよびその同族体、ならびにジベンゾフランおよ
びその同族体を凡て合わせても、1ng/Nm3(毒性
換算値)程度以下であるため、現在の技術では直接測定
することは不可能である。
【0003】そこで大気汚染学会誌第28巻第5号27
4頁(1993年)第6図に記載されているようにクロ
ロベンゼン類はダイオキシン類と高度の相関があるた
め、クロロベンゼン類を測定し、相関関係のあるダイオ
キシン類の濃度を計算して求めるものがある。したがっ
て、排ガス中のクロロベンゼン類あるいはクロロフェノ
ール類を正確に求めることは極めて重要である。
【0004】排ガス中のクロロベンゼン類・クロロフェ
ノール類の自動分析技術としては、横浜国大環境研紀要
第18巻1〜8頁(1992年)に記載されているもの
がある。すなわち、排ガス中に含まれている水蒸気を除
去するためのガラス製のトラップ、樹脂吸着剤を充填し
た濃縮管(吸着器)とこれを加熱できるヒーター、およ
びガスクロマトグラフ装置を基本とするものである。
【0005】これによると、先ず、排ガスは濃縮管の下
流にあるポンプで引かれてガラス製トラップによって水
蒸気を取り除かれ、濃縮管を通過する。このとき、濃縮
管はとくに冷却、あるいは昇温しておらず略常温である
ので、排ガス中のクロロベンゼン類・クロロフェノール
類は樹脂吸着剤に吸着する。次に、濃縮管を270℃に
昇温すると同時にラインを切り替えて、ガスクロマトグ
ラフ装置のキャリアガスを、濃縮管に通すようにしてガ
スクロマトグラフ装置に送り込む。これにより、吸着し
たクロロベンゼン類・クロロフェノール類は脱着して、
ガスクロマトグラフ装置(検出手段は水素炎イオン化検
出器)によって定量される。
【0006】なお、因に、このときの排ガス中のクロロ
ベンゼン類・クロロフェノール類の濃度は、モノクロロ
ベンゼンで4〜34μg/Nm3、1、4−ジクロロベ
ンゼンで4〜65μg/Nm3、ヘキサクロロベンゼン
で3〜10μg/Nm3、2、4−ジクロロフェノール
で27〜186μg/Nm3、2、3、4、6−テトラ
クロロフェノールで4〜45μg/Nm3と報告されて
おり、排ガスの濃縮量は3.2リットルであると報告さ
れている。
【0007】また、特開平5−312796号公報に記
載されている、ダイオキシン類代替指標としてのクロロ
ベンゼン類の自動分析技術では、高感度検出のための電
子捕獲型検出器を用いることも想定はしているものの、
高感度化技術としてのコールドトラップインジェクタ
ー、あるいはその他の高感度化技術を採用していない。
したがって、約6リットルの排ガスを濃縮するとの記載
があり、当然のことながら排ガス中水分のガスクロマト
グラフ装置への持ち込みが多くなるため、前処理として
除湿を行うことが必要条件となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ガラス製トラップ、あ
るいは電子冷却式除湿器などでごみ焼却炉排ガス中の水
蒸気(水分)を取り除く際、クロロベンゼン類、とくに
塩素付加数の多い高沸点のクロロベンゼン類あるいはク
ロロフェノール類が、凝縮した水に取り込まれる。さら
に、その量が排ガス中の水分濃度(量)によって影響を
受けるため、計測精度が低くなるという問題があった。
この他に除湿器は冷却されているので、クロロベンゼン
類自身が凝縮し、除湿器内に付着するという問題があっ
た。
【0009】また、最近の新鋭ごみ焼却炉(いわゆるダ
イオキシン対策炉)の排ガスは、全体的には、クロロベ
ンゼン類の含有量が従来の1/100程度と少なくなっ
てきている。例えば、ジクロロベンゼンで0.5μg/
Nm3程度である。そのため、クロロベンゼン類の除湿
器内水分への取り込み、あるいは除湿器内部での凝縮・
付着が起きると、ガスクロマトグラフ装置に導入される
クロロベンゼン類の絶対量が減少して、検出できなくな
るという問題があった。
【0010】現状の低排出レベルでは、ガスクロマトグ
ラフ−質量分析計を用いた場合、少なくとも10リット
ル程度の排ガスを濃縮する必要がある。そこで、ただ単
に除湿器を取り外したのみでは、ごみ焼却炉排ガス中に
含まれる水分と塩化水素、塩素、あるいは硫黄酸化物な
どとが原因であると思われる作用によって、ガスクロマ
トグラフ装置内の分離カラムが劣化あるいは損傷する。
排ガス中にはクロロベンゼン類・クロロフェノール類の
他に主として窒素、酸素、塩素・塩化水素、硫黄酸化
物、ならびに種々の有機化合物などが含まれているため
に、分離カラムが劣化するとそれぞれが分離できなくな
り、定量できなくなる。
【0011】また、分離カラム内面に付着させているポ
リシロキサンを主成分とする、いわゆる液相成分が流出
して、検出されるときもあるので、これが原因となって
定量できなくなる場合もある。
【0012】これらの従来技術における問題は、検討の
結果、次のようにして軽減できる。検討の過程で、ごみ
焼却炉排ガス中に含有されるクロロベンゼン類の塩素に
対して高感度である検出器の電子捕獲型検出器を用い、
さらなる感度向上を図るため樹脂吸着剤濃縮器を低温に
温度制御して吸着・濃縮を行うと、ガスクロマトグラム
のピーク幅が狭くなることを見い出した。その結果、信
号/ノイズの比が良好になり、排ガスのような複雑な混
合物で、かつ分離カラムを劣化する物質を含有するもの
でも吸引・濃縮量が少なくても検出可能となる。
【0013】これは、低温で吸着・濃縮を行うと、吸着
効率が向上して、濃縮器に吸着する際に小さい領域(樹
脂吸着剤の微小部分)で吸着でき、ガスクロマトグラフ
装置に導入するときに、狭いバンド幅で導入を行うこと
ができるためと推察される。そのため、ガスクロマトグ
ラフ装置に導入される水分の絶対量が少なくなるので、
除湿器は不要になる。
【0014】しかしながら、この状態で長期間連続測定
を続けていると、結果的には大量の排ガスを吸引してい
ることになる。その結果、排ガス中に極めて微量含まれ
る高沸点の化合物、または金属塩化物など無機系塩素化
合物が吸着剤に付着(残存・蓄積)して吸着能が低下を
惹き起こし、あるいは、窒素酸化物と微量の水分が吸着
剤そのものの劣化(表層の分解など)を惹き起こすこと
がある。したがって、吸着剤の微小部分でのクロロベン
ゼン類の吸着が不可能となり、ガスクロマトグラムのピ
ーク幅が広がって定量不能となる。
【0015】本発明は、廃棄物焼却排ガス、あるいは金
属精錬プロセス排ガスに含まれるクロロベンゼン類なら
びにクロロフェノール類の分析装置におけるこのような
問題点を解決するためになされたもので、除湿器を必要
とせず長期間連続測定可能であるクロロベンゼン類の分
析装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段・作用】第1の発明は、吸
着器と、ガスクロマトグラフ装置と、検出器と、必要に
よりデータ処理装置とを備えたクロロベンゼン類の分析
装置において、吸着器は試料ガスの入側から直列に2個
接続されており、これら2つの吸着器の間の配管にはガ
スクロマトグラフ装置に試料ガスを導入するための配管
が接続されていることを特徴とするクロロベンゼン類の
分析装置である。
【0017】この発明は、前述の問題の解決のため鋭意
検討を重ねた結果、なされたものである。検討の過程
で、の前に、高沸点化合物、無機系塩素化合物、あるい
は窒素酸化物などを吸着・除去するためのガード(後続
の吸着器の保護)用に、さらに吸着器を設ければよいこ
とを見い出し、本発明技術の完成に至った。したがっ
て、上記課題は2つの吸着器、ガスクロマトグラフ装置
および好ましくは検出手段としての電子捕獲型検出器か
ら構成されている自動分析装置によって達成される。
【0018】使用に当っては、前段の吸着器はクロロベ
ンゼン類が吸着しない程度の比較的高温に保持し、高沸
点化合物、無機系塩素化合物、あるいは窒素酸化物など
を吸着させる。これに接続する後段の吸着器には、これ
ら高沸点化合物等が除去された試料ガスが導入される。
後段の吸着器では、目的とするクロロベンゼン類を吸着
させるため、温度を低温に保つ。
【0019】後段の吸着器にクロロベンゼン類が吸着し
た後、後段の吸着器を加熱してクロロベンゼン類を脱着
させる。それと同時に、キャリアガスを吸着器の出側か
ら逆に流して、ガスクロマトグラフ装置に導入する。こ
れは、クロロベンゼン類の吸着量は吸着器の入側(試料
ガスの上流側)に集中しているので、その状態を崩さず
にクロロベンゼン類を短時間でガスクロマトグラフ装置
に導入するためである。
【0020】仮に、吸着器の入側からキャリアガスを流
すと、脱着したクロロベンゼン類が吸着器の中を通過す
ることになる。吸着器の中には吸着剤が充填されてお
り、その中を通過している間にクロロベンゼン類の移動
についての時間幅が広がる。このような、ガスクロマト
グラフ装置への導入のバンド幅の拡大、即ちガスクロマ
トグラムのピークの幅の広がりによる測定精度の低下
を、上記のようにこの発明では防止している。
【0021】第2の発明は、2つの吸着器のうち試料ガ
スの入側から遠い方の吸着器は、ドライパージ機能を有
するとともにコンパクトかつ急速昇温可能であり、ガス
クロマトグラフ装置の分離カラムには、ポリシロキサン
系の化学結合型溶融シリカキャピラリーカラムを用いる
ことを特徴とする第1の発明のクロロベンゼン類の分析
装置である。
【0022】この発明で、2つの吸着器のうち試料ガス
の入側から遠い方の吸着器というのは、クロロベンゼン
類を吸着・濃縮する吸着器である。この吸着器について
は、ドライパージ機能により、吸着剤に吸着している微
量水分を取り除くことができる。その結果、多量の排ガ
スを吸引しても、水分と窒素酸化物等との反応による吸
着剤の劣化が防止でき、試料ガス中のクロロベンゼン類
を十分に吸着し濃縮することができる。
【0023】上記の吸着器は、コンパクトであるため、
クロロベンゼン類の吸着する部分が小さい領域に集中し
ているので、脱着の際の位置の広がりを狭くすることが
できる。さらに、急速昇温可能であるため、脱着する時
間も短時間で済み、時間の広がりも狭くすることができ
る。この両方の効果により、ガスクロマトグラフ装置へ
の導入のバンド幅を狭くし、ガスクロマトグラムでシャ
ープなピークを得ることができるので測定精度が向上す
る。
【0024】また、ガスクロマトグラフ装置の分離カラ
ムには、ポリシロキサン系の化学結合型溶融シリカキャ
ピラリーカラムを用いているので、クロロベンゼン類を
効率よく分離することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】この発明の実施に当っては、排ガ
ス中にダストやミストが含まれていると測定阻害を惹き
起こしたり測定装置を汚したりするので、先ず、除塵器
を設けて測定装置に供給する排ガスからダストやミスト
を除去する。この除塵器には、一般的な除塵フィルター
を用いればよいが、クロロベンゼン類・クロロフェノー
ル類が吸着しないように温度管理する必要がある。つま
り、全体を恒温槽に入れる、あるいはヒーターを巻くな
どして100〜300℃、好ましくは120〜160℃
になるようにする。ただし、都市ごみ焼却プロセスのバ
グフィルターの下流側の配管など、排ガス中のダスト・
ミストが非常に少ない、すなわち十分綺麗な排ガスの測
定のときは除塵器を省略できる場合もある。
【0026】ガード用の吸着器は、ガラス製、または金
属製の管に、各種吸着剤を充填すればよいが、クロロベ
ンゼン類が吸着しないような吸着剤を選択する必要があ
る。また、操作温度についても、クロロベンゼン類が吸
着しないように、少なくとも100℃以上には昇温でき
るようにしておくことが好ましく、これはヒーターを取
り付けることで容易に達成できる。
【0027】クロロベンゼン類の吸着器は、樹脂吸着剤
を充填したガラス製、または金属製の管(吸着管)、ヒ
ーターなど吸着管を300℃程度まで昇温可能な装置、
上述の除塵器・除湿器を通して排ガスを吸引できるポン
プとガス流量計、ならびにヘリウムガスなど不活性なガ
スを吸着管を通過してガスクロマトグラフ装置に送り込
める機構を有していればよい。
【0028】吸着管に低温空気、液化炭酸ガスなどを吹
き付ける機構も保持させ、排ガス中成分(クロロベンゼ
ン類・クロロフェノール類)の吸着操作のとき低温に温
度制御できる機能を有していることが必要である。排ガ
スを吸着・濃縮する際の温度としては、原理的な処から
考えると、低い温度の方がよい。しかし、一般的には−
80℃程度以下にするには、液体窒素を用いて冷却する
ため付帯設備が大きくなるので、現実的には−70〜5
0℃程度が好ましい。
【0029】また、排気するラインを設けて、吸着剤に
吸着している微量水分を取り除くというドライパージ操
作をできるようにしておくと、多量の排ガスを吸引して
も支障がでないので、非常に好ましい。
【0030】ガスクロマトグラフ装置は、通常のキャピ
ラリ−カラムを装着でき、300℃程度迄の昇温機能が
付いていればよい。検出器には、感度向上を図るためク
ロロベンゼン類の塩素に対して高感度な電子捕獲型検出
器を用いることが必要である。クロロベンゼン類に含ま
れている塩素に対して高感度の電子捕獲型検出器を採用
し、吸着・濃縮温度を低温とすることにより感度向上を
図れるので、排ガス濃縮量が1/10〜1/100程度
に減らすことが可能となる。そのため、ガスクロマトグ
ラフ装置(分離カラム)への水分持ち込み量が極めて少
なくなり、除湿器がなくとも分離カラムが劣化しなくな
る。
【0031】また、検出器から出力された信号を受け取
り、クロロベンゼン類・クロロフェノール類量に変換す
ることのできるデータ処理機能を必要とする。。さら
に、この自動分析の主な目的からは、クロロベンゼン類
とダイオキシン類の相関関係を予め求めておき、ダイオ
キシン類の量に変換できることが望ましい。排ガス分析
の際のこの排ガス分析システム全体の制御はシ−ケンサ
−によっても可能であるが、上述のデータ処理装置によ
って行うことができる。
【0032】
【実施例】図1は、排ガス中のクロロベンゼン類・クロ
ロフェノール類を自動的に分析するための排ガス分析装
置の一実施例を示す構成図である。この装置は、フィル
ターを内臓する除塵器1、吸着剤を詰めてあるガード用
吸着器2、樹脂吸着剤を充填したガラス管を冷却・加熱
できるようにした吸着器3、ガスクロマトグラフ装置5
(電子捕獲型検出器6を装備)、分析システム全体を制
御するシーケンサー7、および測定されたクロマトグラ
ムから、クロロベンゼン類・クロロフェノール類を計算
するためのデータ処理装置8から構成される。
【0033】除塵器1は、繊維フィルターを用いてお
り、全体を恒温槽に入れて150℃に保時した。
【0034】ガード用の吸着器2としては、5mm径、
100mmの長さのガラス管に、シリカゲルと2,6−
ジフェニル−p−フェニレンオキシド樹脂吸着剤の混合
物を充填し、加熱用のヒーターを取り付けた。
【0035】クロロベンゼン類の吸着器3としては3m
m径、100mmの長さのガラス管に、2,6−ジフェ
ニル−p−フェニレンオキシド樹脂吸着剤を詰め、ヒー
ターを巻くとともに、炭酸ガスボンベ80から液化炭酸
ガスを吹き付けれるようにして、−80〜300℃に温
度コントロールできるようなものを試作した。また、ヘ
リウムガスボンベ60からのヘリウムガスを、ライン6
1で吸着器3に送り、ライン32・36で排気するとい
うドライパージ操作をできるようにした。
【0036】さらに、ラインをライン35に切り替え、
吸着器3を昇温することにより、吸着器3のクロロベン
ゼン類がガスクロマトグラフ装置5に導入されるよう
に、配管系を接続した。ガスクロマトグラフ装置5はH
P5890型、検出器はバルコ社製の電子捕獲型のもの
を、またデータ処理装置はパソコンタイプのものを用い
た。また、カラムはジ−エルサイエンス(株)製の微極
性カラムを用いた。
【0037】その他、シ−ケンサ−7は試作したもの
を、濃縮器を通して排ガスを吸引するためのポンプ10
としてはダイアフラム式ポンプを、排ガス流量を計測す
るための流量計12としては積算式のものを用いた。さ
らに、とくに細かく記述をしてはいないが各機器類を連
結する配管に適宜バルブを取り付け(通常のバルブ、三
方バルブ、六方バルブ)、以下の操作ができるようにし
た。
【0038】自動分析は次の手順(操作)によって行っ
た。ガスクロマトグラフ装置5は、ヘリウムボンベ60
からライン62を通して、キャリア−ガスのヘリウムを
供給してスタンバイ状態とする。最新鋭のごみ焼却炉に
おいて燃焼負荷が100%で極めて燃焼状態が安定して
いるときの排ガス21を、ライン31−吸着器2−ライ
ン32を順次通して、吸着器3にポンプ10により50
0ml(ミリリットル)吸引した。このとき吸着器2は
200℃、吸着器3を0℃に保った。
【0039】ここで、ヘリウムボンベ60からライン6
1を通して吸着器3にヘリウムを送る。吸着器3の出側
はライン32と36であり、吸着器3を0℃としたまま
で、ドライパージを2分間行った。
【0040】次に、ライン36をライン35に切り替
え、吸着器3をヒーターにより250℃迄急速に昇温し
始めると、吸着しているクロロベンゼン類が脱着して、
ライン35を通り、ガスクロマトグラフ装置5に入る。
同時にライン62のヘリウム供給を停止した。ガスクロ
マトグラフ装置5の初期設定温度(恒温槽温度)は室温
とし、10℃/minで280℃迄昇温した。このよう
に、クロロベンゼン類がガスクロマトグラフ装置5に送
られる結果、自動的に分析値がデータ処理装置8から出
力される。
【0041】図2に、200回連続的に測定を繰り返し
たときに得られた結果を示す(200回目の測定で得ら
れたガスクロマトグラム)。クロロベンゼン類に対応す
るピ−クの形状が良好なことが判る。なお、各測定の前
には、通常行われているように、吸着器3を300℃に
昇温し、ライン63でヘリウムガスを送ってライン35
で排気するという、30分間程度の吸着剤の再生操作を
行った。
【0042】また、吸着・濃縮温度のみ10℃とした試
験を行ったときも同様の結果が得られた。
【0043】比較例としては、実施例と同一の装置を用
い、吸着器2を取り外した以外は、実施例と同様の試験
を実施した。図3に200回目の測定で得られたガスク
ロマトグラムを示す。この図に見られるように、クロロ
ベンゼン類のピークがベースラインに埋もれて検出でき
ず、また、ベースラインも大きく変動しており、測定困
難である。
【0044】
【発明の効果】本発明技術では、高感度化の技術である
低温での排ガスの吸着・濃縮技術を採用し、クロロベン
ゼン類の吸着器の前にガード用の吸着器を設けることに
より、分析値精度に悪影響のある除湿器を省略すること
を可能とし、長期間連続的に自動測定できるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明技術の一実施例である分析装置の概略
図。
【図2】実施例で得られたガスクロマトグラム。
【図3】比較例で得られたガスクロマトグラム。
【符号の説明】
1 除塵器 2 吸着器(ガード用) 3 吸着器(クロロベンゼン類用) 5 ガスクロマトグラフ装置 6 電子捕獲型検出器 7 シーケンサー 8 データ処理装置 10 ポンプ 12 流量計 21 ガス(分析用) 22 ガス(排気) 31〜36 配管(分析ガス用) 60 ボンベ(ヘリウム) 61、62 配管(ヘリウム用) 80 ボンベ(液化炭酸ガス) 81 配管(液化炭酸ガス用) P1 クロロベンゼンに対応するピーク P2 ジクロロベンゼンに対応するピーク P3 トリクロロベンゼンに対応するピーク P4 テトラクロロベンゼンに対応するピーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 30/46 G01N 30/46 A 30/48 30/48 L 30/54 30/54 A 30/88 30/88 C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着器と、ガスクロマトグラフ装置と、
    検出器と、必要によりデータ処理装置とを備えたクロロ
    ベンゼン類の分析装置において、吸着器は試料ガスの入
    側から直列に2個接続されており、これら2つの吸着器
    の間の配管にはガスクロマトグラフ装置に試料ガスを導
    入するための配管が接続されていることを特徴とするク
    ロロベンゼン類の分析装置。
  2. 【請求項2】 2つの吸着器のうち試料ガスの入側から
    遠い方の吸着器は、ドライパージ機能を有するとともに
    コンパクトかつ急速昇温可能であり、ガスクロマトグラ
    フ装置の分離カラムには、ポリシロキサン系の化学結合
    型溶融シリカキャピラリーカラムを用いることを特徴と
    する請求項1記載のクロロベンゼン類の分析装置。
JP10094759A 1998-04-07 1998-04-07 クロロベンゼン類の分析装置 Pending JPH11295284A (ja)

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