JPH11288778A - 抵抗素子 - Google Patents
抵抗素子Info
- Publication number
- JPH11288778A JPH11288778A JP8745298A JP8745298A JPH11288778A JP H11288778 A JPH11288778 A JP H11288778A JP 8745298 A JP8745298 A JP 8745298A JP 8745298 A JP8745298 A JP 8745298A JP H11288778 A JPH11288778 A JP H11288778A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tungsten
- temperature
- trisilicide
- pentatungsten
- seconds
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Resistance Heating (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 1500℃以上での使用が可能であって、制
御回路を設けることなく、約3秒以内で1100℃以上
に急速昇温しうるとともに、昇降温の繰り返しや高温で
の酸化に耐えるなどの耐久性に優れたセラミックスから
なる、着火性能のよい通電式の抵抗素子を安いコストで
提供する。 【解決手段】 絶縁体材料基板層と、その上に設けら
れ、若しくはその中に埋設された導電体層との積層構造
焼結体からなる抵抗素子において、前記導電体層を、タ
ングステンと、三ケイ化五タングステンとの重量比4
8:52ないし76:24の混合物を用いて形成する。
御回路を設けることなく、約3秒以内で1100℃以上
に急速昇温しうるとともに、昇降温の繰り返しや高温で
の酸化に耐えるなどの耐久性に優れたセラミックスから
なる、着火性能のよい通電式の抵抗素子を安いコストで
提供する。 【解決手段】 絶縁体材料基板層と、その上に設けら
れ、若しくはその中に埋設された導電体層との積層構造
焼結体からなる抵抗素子において、前記導電体層を、タ
ングステンと、三ケイ化五タングステンとの重量比4
8:52ないし76:24の混合物を用いて形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な抵抗素子、さ
らに詳しくは、コンピューターなどを応用した制御回路
を設けることなく、約3秒以内で1100℃以上の急速
昇温が可能であり、かつ昇降温の繰り返しや高温での酸
化に耐えるなど、耐久性に優れ、気体燃料や液体燃料の
着火などに使用され、また1200℃以上の高温に耐え
うるサーミスタとしても使用可能な抵抗素子に関するも
のである。
らに詳しくは、コンピューターなどを応用した制御回路
を設けることなく、約3秒以内で1100℃以上の急速
昇温が可能であり、かつ昇降温の繰り返しや高温での酸
化に耐えるなど、耐久性に優れ、気体燃料や液体燃料の
着火などに使用され、また1200℃以上の高温に耐え
うるサーミスタとしても使用可能な抵抗素子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然ガス、プロパンガス、灯油な
どの気体燃料や液体燃料の着火には、セラミックスを用
いた通電式の抵抗素子が一般に用いられている。この種
の着火用抵抗素子は、3秒以内に少なくとも1000℃
以上の温度に達するという急速昇温と、少なくとも12
00℃以上の高温に耐えるために、優れた耐熱衝撃性及
び耐酸化性を有することが要求される。
どの気体燃料や液体燃料の着火には、セラミックスを用
いた通電式の抵抗素子が一般に用いられている。この種
の着火用抵抗素子は、3秒以内に少なくとも1000℃
以上の温度に達するという急速昇温と、少なくとも12
00℃以上の高温に耐えるために、優れた耐熱衝撃性及
び耐酸化性を有することが要求される。
【0003】このような要求に応えるために、従来のセ
ラミックス抵抗素子は、通常窒化ケイ素(Si3N4)な
どの絶縁体にタングステンなどの発熱体を埋設し、焼成
することによって、作製されていた。
ラミックス抵抗素子は、通常窒化ケイ素(Si3N4)な
どの絶縁体にタングステンなどの発熱体を埋設し、焼成
することによって、作製されていた。
【0004】しかしながら、この場合、窒化ケイ素は難
焼結性であるため、焼結助剤として希土類元素などを、
焼結体に対して5重量%程度添加しており、その結果、
1400℃以上の温度領域において、耐酸化性が著しく
低下するのを免れない。したがって、許容される耐久温
度が低い場合、着火温度である1100℃に到達する時
間が長くなるため、使用温度を1300℃程度に抑え、
昇温速度を犠牲にするか、急速昇温が求められる場合に
は、コスト高となるコンピューターなどを応用した制御
回路を設ける必要があった。
焼結性であるため、焼結助剤として希土類元素などを、
焼結体に対して5重量%程度添加しており、その結果、
1400℃以上の温度領域において、耐酸化性が著しく
低下するのを免れない。したがって、許容される耐久温
度が低い場合、着火温度である1100℃に到達する時
間が長くなるため、使用温度を1300℃程度に抑え、
昇温速度を犠牲にするか、急速昇温が求められる場合に
は、コスト高となるコンピューターなどを応用した制御
回路を設ける必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、1500℃以上での使用が可能であっ
て、制御回路を設けることなく、約3秒以内で1100
℃以上に急速昇温することができ、かつ昇降温の繰り返
しや高温での酸化に耐えるなどの耐久性に優れたセラミ
ックスからなる、着火性能のよい通電式の抵抗素子を安
いコストで提供することを目的としてなされたものであ
る。
事情のもとで、1500℃以上での使用が可能であっ
て、制御回路を設けることなく、約3秒以内で1100
℃以上に急速昇温することができ、かつ昇降温の繰り返
しや高温での酸化に耐えるなどの耐久性に優れたセラミ
ックスからなる、着火性能のよい通電式の抵抗素子を安
いコストで提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れた性
能を有する抵抗素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、内部発熱体であるタングステンは、焼成時又は通電
発熱時に、その一部が該タングステンと窒化ケイ素母材
との境界において層状にケイ化されて、二ケイ化タング
ステンとなっており、このものは熱膨張係数が6.7〜
7.9×10-6/℃程度であって、窒化ケイ素(3.2
×10-6/℃程度)やタングステン(4.3×10-6/
℃程度)に比べて大きいため、オン−オフサイクル試験
において破壊発生点となり、短いサイクル回数で素子が
破壊するという現象に着目し、タングステンに対し、熱
膨張係数が二ケイ化タングステンより小さい三ケイ化五
タングステン(5.0〜6.0×10-6/℃)を所定の
割合で加え、均一に分散させた混合物を用いて発熱体層
(導電体層)を形成することにより、破壊が防止しうる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
能を有する抵抗素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、内部発熱体であるタングステンは、焼成時又は通電
発熱時に、その一部が該タングステンと窒化ケイ素母材
との境界において層状にケイ化されて、二ケイ化タング
ステンとなっており、このものは熱膨張係数が6.7〜
7.9×10-6/℃程度であって、窒化ケイ素(3.2
×10-6/℃程度)やタングステン(4.3×10-6/
℃程度)に比べて大きいため、オン−オフサイクル試験
において破壊発生点となり、短いサイクル回数で素子が
破壊するという現象に着目し、タングステンに対し、熱
膨張係数が二ケイ化タングステンより小さい三ケイ化五
タングステン(5.0〜6.0×10-6/℃)を所定の
割合で加え、均一に分散させた混合物を用いて発熱体層
(導電体層)を形成することにより、破壊が防止しうる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、絶縁体材料基板層
と、その上に設けられ、若しくはその中に埋設された高
融点、低熱膨張率及び低電気抵抗の導電体層との積層構
造焼結体からなる抵抗素子において、前記導電体層が、
タングステンと、三ケイ化五タングステンとの重量比4
8:52ないし76:24の混合物から形成されたもの
であることを特徴とする抵抗素子を提供するものであ
る。
と、その上に設けられ、若しくはその中に埋設された高
融点、低熱膨張率及び低電気抵抗の導電体層との積層構
造焼結体からなる抵抗素子において、前記導電体層が、
タングステンと、三ケイ化五タングステンとの重量比4
8:52ないし76:24の混合物から形成されたもの
であることを特徴とする抵抗素子を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の抵抗素子は、絶縁体材料
基板層と、その上に設けられ、若しくはその中に埋設さ
れた導電体層との積層構造焼結体からなるものであっ
て、上記絶縁体材料基板層としては、従来急速昇温発熱
素子において用いられる公知の材料の中から、適宜選択
して用いることができるが、特に窒化ケイ素と酸化アル
ミニウムを含むサイアロンを主成分とし、場合により、
酸化ケイ素や希土類元素酸化物を配合した組成物で構成
されたものが好適である。前記サイアロンにおける主成
分の窒化ケイ素(Si3N4)は、酸化されると表面に純
粋なSiO2保護膜が形成され、耐酸化性が付与される
ことが知られている。しかしながら、窒化ケイ素は難焼
結性のため、単独では焼結によるち密化が達成されな
い。
基板層と、その上に設けられ、若しくはその中に埋設さ
れた導電体層との積層構造焼結体からなるものであっ
て、上記絶縁体材料基板層としては、従来急速昇温発熱
素子において用いられる公知の材料の中から、適宜選択
して用いることができるが、特に窒化ケイ素と酸化アル
ミニウムを含むサイアロンを主成分とし、場合により、
酸化ケイ素や希土類元素酸化物を配合した組成物で構成
されたものが好適である。前記サイアロンにおける主成
分の窒化ケイ素(Si3N4)は、酸化されると表面に純
粋なSiO2保護膜が形成され、耐酸化性が付与される
ことが知られている。しかしながら、窒化ケイ素は難焼
結性のため、単独では焼結によるち密化が達成されな
い。
【0009】したがって、本発明においては、この窒化
ケイ素焼結体のち密化を促進するために、窒化ケイ素1
00モル当り、酸化アルミニウム(Al2O3)4〜10
モル程度を加え、焼成により、サイアロンを主成分とし
た組成物からなる絶縁体材料が好ましく用いられる。こ
こで、サイアロンとは、Si6-zAlzOzN8-zに相当す
る組成を有し、基本的にはSi3N4の結晶構造をもち、
その中のSiの一部がAlで、またNの一部がOで置換
された置換型固溶体のことである。アルミニウムの量が
酸化アルミニウム換算で4モル未満では得られる絶縁体
材料のち密化が十分に達せられないし、10モルを超え
ると絶縁体材料の耐酸化性が低下する。
ケイ素焼結体のち密化を促進するために、窒化ケイ素1
00モル当り、酸化アルミニウム(Al2O3)4〜10
モル程度を加え、焼成により、サイアロンを主成分とし
た組成物からなる絶縁体材料が好ましく用いられる。こ
こで、サイアロンとは、Si6-zAlzOzN8-zに相当す
る組成を有し、基本的にはSi3N4の結晶構造をもち、
その中のSiの一部がAlで、またNの一部がOで置換
された置換型固溶体のことである。アルミニウムの量が
酸化アルミニウム換算で4モル未満では得られる絶縁体
材料のち密化が十分に達せられないし、10モルを超え
ると絶縁体材料の耐酸化性が低下する。
【0010】本発明においては、得られる絶縁体材料の
耐酸化性を向上させるために、場合により、前記酸化ア
ルミニウムと共に、酸化ケイ素(SiO2)を窒化ケイ
素100モル当り、1〜12モル程度の割合で配合する
ことができる。この酸化ケイ素の配合量が1モル未満で
は耐酸化性の向上効果が十分に発揮されないおそれがあ
るし、12モルを超えると、低温部では温度の上昇と共
に抵抗値が増大するPTC特性(Positive T
emperature Coefficient)を示
すものの、高温部では温度上昇に対して抵抗値が減少す
るNTC特性(Negative Temperatu
re Coefficient)が現われ、不安定な抵
抗温度特性を示す傾向がある。ヒータとして使用するに
は熱暴走のないPTC特性が好ましく、SiO2配合量
が12モル以下では、一般にPTC特性を示す。
耐酸化性を向上させるために、場合により、前記酸化ア
ルミニウムと共に、酸化ケイ素(SiO2)を窒化ケイ
素100モル当り、1〜12モル程度の割合で配合する
ことができる。この酸化ケイ素の配合量が1モル未満で
は耐酸化性の向上効果が十分に発揮されないおそれがあ
るし、12モルを超えると、低温部では温度の上昇と共
に抵抗値が増大するPTC特性(Positive T
emperature Coefficient)を示
すものの、高温部では温度上昇に対して抵抗値が減少す
るNTC特性(Negative Temperatu
re Coefficient)が現われ、不安定な抵
抗温度特性を示す傾向がある。ヒータとして使用するに
は熱暴走のないPTC特性が好ましく、SiO2配合量
が12モル以下では、一般にPTC特性を示す。
【0011】また、本発明においては、焼結性を向上さ
せ、よりち密化を図るために、所望により、前記酸化ア
ルミニウムと共に、希土類元素酸化物を窒化ケイ素10
0モル当り、0.3モル以下、好ましくは0.001〜
0.3モルの割合で配合することができる。この希土類
元素酸化物の配合量が0.001モル未満では、それを
配合した効果が十分に発揮されないし、0.3モルを超
えると得られる絶縁体材料の耐酸化性が著しく低下す
る。ここで、希土類元素酸化物としては、例えばイット
リウム、サマリウム、ランタン、セリウム、ネオジウム
などの酸化物を挙げることができるが、これらの中でイ
ットリウム酸化物、ランタン酸化物及びセリウム酸化物
が好適である。これらの希土類元素酸化物は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
せ、よりち密化を図るために、所望により、前記酸化ア
ルミニウムと共に、希土類元素酸化物を窒化ケイ素10
0モル当り、0.3モル以下、好ましくは0.001〜
0.3モルの割合で配合することができる。この希土類
元素酸化物の配合量が0.001モル未満では、それを
配合した効果が十分に発揮されないし、0.3モルを超
えると得られる絶縁体材料の耐酸化性が著しく低下す
る。ここで、希土類元素酸化物としては、例えばイット
リウム、サマリウム、ランタン、セリウム、ネオジウム
などの酸化物を挙げることができるが、これらの中でイ
ットリウム酸化物、ランタン酸化物及びセリウム酸化物
が好適である。これらの希土類元素酸化物は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】一方、本発明の抵抗素子における導電体層
としては、高融点、低熱膨張率及び低電気抵抗を有する
材料が用いられ、特に融点2000℃以上、熱膨張率
6.0×10-6/℃以下及び電気抵抗10-5Ω・cm以
下のものが好適である。
としては、高融点、低熱膨張率及び低電気抵抗を有する
材料が用いられ、特に融点2000℃以上、熱膨張率
6.0×10-6/℃以下及び電気抵抗10-5Ω・cm以
下のものが好適である。
【0013】本発明においては、このような材料とし
て、タングステンと三ケイ化五タングステンとの重量比
48:52ないし76:24の混合物が用いられる。三
ケイ化五タングステンをこのような割合でタングステン
に配合することにより、タングステンが焼成時又は通電
発熱時に、前記サイアロン母材との境界において層状に
ケイ化され、好ましくない二ケイ化タングステンが形成
されるのを、無視できる程度に抑えることができる。三
ケイ化五タングステンの量が上記範囲より少ないと本発
明の効果が十分に発揮されないし、上記範囲より多いと
熱膨張係数が大きくなりすぎ、所望の特性が得られな
い。
て、タングステンと三ケイ化五タングステンとの重量比
48:52ないし76:24の混合物が用いられる。三
ケイ化五タングステンをこのような割合でタングステン
に配合することにより、タングステンが焼成時又は通電
発熱時に、前記サイアロン母材との境界において層状に
ケイ化され、好ましくない二ケイ化タングステンが形成
されるのを、無視できる程度に抑えることができる。三
ケイ化五タングステンの量が上記範囲より少ないと本発
明の効果が十分に発揮されないし、上記範囲より多いと
熱膨張係数が大きくなりすぎ、所望の特性が得られな
い。
【0014】次に、本発明の抵抗素子の製造方法につい
ては特に制限はなく、従来セラミックス系発熱素子の製
造において慣用されている方法を用いることができる。
例えば、まず所要量の平均粒径0.1〜1.5μm程度
の窒化ケイ素(α‐Si3N4又はβ‐Si3N4)粉末
と、酸化アルミニウム粉末と、所望により用いられる酸
化ケイ素粉末や希土類元素酸化物粉末とを、適当な溶媒
を用い、必要ならば、さらに公知のバインダーや分散剤
などを用いて、ボールミルなどにより湿式混合して、ス
ラリーを調製する。次いで、ドクターブレード法、プレ
ス成形法、押出し成形法などにより、所望形状に成形す
る。
ては特に制限はなく、従来セラミックス系発熱素子の製
造において慣用されている方法を用いることができる。
例えば、まず所要量の平均粒径0.1〜1.5μm程度
の窒化ケイ素(α‐Si3N4又はβ‐Si3N4)粉末
と、酸化アルミニウム粉末と、所望により用いられる酸
化ケイ素粉末や希土類元素酸化物粉末とを、適当な溶媒
を用い、必要ならば、さらに公知のバインダーや分散剤
などを用いて、ボールミルなどにより湿式混合して、ス
ラリーを調製する。次いで、ドクターブレード法、プレ
ス成形法、押出し成形法などにより、所望形状に成形す
る。
【0015】次に、このようにして得られた成形体の表
面に、タングステンと三ケイ化五タングステンとを所定
の割合で含有する導体ペーストを用いて所定のパターン
に印刷し、それを積層又は巻き付けて所望形状に成形し
たのち、この成形物を焼成する。焼成方法については特
に制限はなく、公知の方法、例えばホットプレス焼成
法、常圧焼成法、窒素ガス圧力焼成法、熱間静水圧(H
IP)焼成法などが用いられる。また、焼成温度は、通
常1900℃以下、好ましくは1700〜1900℃の
範囲で選ばれる。この焼成においては、窒素ガス雰囲気
下などの非酸化性雰囲気下で実施するのが有利である。
次に、このようにして得られた焼結体に、表面研削加工
や切断加工を施し、外部電源に接続するための電極を導
電層に取付けることにより、所望の抵抗素子が得られ
る。
面に、タングステンと三ケイ化五タングステンとを所定
の割合で含有する導体ペーストを用いて所定のパターン
に印刷し、それを積層又は巻き付けて所望形状に成形し
たのち、この成形物を焼成する。焼成方法については特
に制限はなく、公知の方法、例えばホットプレス焼成
法、常圧焼成法、窒素ガス圧力焼成法、熱間静水圧(H
IP)焼成法などが用いられる。また、焼成温度は、通
常1900℃以下、好ましくは1700〜1900℃の
範囲で選ばれる。この焼成においては、窒素ガス雰囲気
下などの非酸化性雰囲気下で実施するのが有利である。
次に、このようにして得られた焼結体に、表面研削加工
や切断加工を施し、外部電源に接続するための電極を導
電層に取付けることにより、所望の抵抗素子が得られ
る。
【0016】
【発明の効果】本発明の抵抗素子においては、導電体層
に特定の比率のタングステンと三ケイ化五タングステン
とからなる混合物を用いることにより、焼成時や通電発
熱時におけるタングステンの層状ケイ化が制御され、そ
の結果1400℃以上の温度で15秒間通電、15秒間
停止を繰り返すサイクル試験で、50000回以上の使
用が可能となる。本発明の抵抗素子は、例えば天然ガ
ス、プロパンガス、灯油などの気体燃料や液体燃料の着
火用として好適に用いられる。また、本発明の抵抗素子
はサーミスタとしても利用することができ、特に120
0℃以上の高温において用いるのに適している。
に特定の比率のタングステンと三ケイ化五タングステン
とからなる混合物を用いることにより、焼成時や通電発
熱時におけるタングステンの層状ケイ化が制御され、そ
の結果1400℃以上の温度で15秒間通電、15秒間
停止を繰り返すサイクル試験で、50000回以上の使
用が可能となる。本発明の抵抗素子は、例えば天然ガ
ス、プロパンガス、灯油などの気体燃料や液体燃料の着
火用として好適に用いられる。また、本発明の抵抗素子
はサーミスタとしても利用することができ、特に120
0℃以上の高温において用いるのに適している。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0018】実施例 α‐Si3N4粉末100モルに対し、Al2O3粉末6.
86モル、SiO2粉末10モル及びアクリル系バイン
ダーとエタノール及びトルエンをそれぞ適量加え、ボー
ルミルで混合することにより、スラリーを調製した。次
いで、このスラリーをドクターブレード法によりシート
状に成形したのち、乾燥処理して厚さ500μmのシー
トを作製し、一辺が60mmの正方形に切断した。
86モル、SiO2粉末10モル及びアクリル系バイン
ダーとエタノール及びトルエンをそれぞ適量加え、ボー
ルミルで混合することにより、スラリーを調製した。次
いで、このスラリーをドクターブレード法によりシート
状に成形したのち、乾燥処理して厚さ500μmのシー
トを作製し、一辺が60mmの正方形に切断した。
【0019】次に、タングステンと三ケイ化五タングス
テンの割合を表1に示すように変化させた導体ペースト
を、上記シートに印刷し、この印刷シートの上下に、印
刷をしていないシートを4層、計9層となるように積層
し、積層体を作製した。
テンの割合を表1に示すように変化させた導体ペースト
を、上記シートに印刷し、この印刷シートの上下に、印
刷をしていないシートを4層、計9層となるように積層
し、積層体を作製した。
【0020】この積層体を、1気圧の窒素ガス雰囲気
中、250kg/cm2の加圧下で1750℃で1時間
ホットプレス焼成して、積層構造焼結体を得た。次に、
この積層構造焼結体をダイヤモンド砥石により切断加工
し、次いで切断面における導電体層の露出部にタングス
テン−ニッケル電極を焼き付け後、ニッケルメッキ処理
し、さらにその部位にニッケル製のリードフレームを銀
蝋で熔接することにより、電極端子を設け、抵抗素子を
作製した。この抵抗素子について、以下に示す評価を行
った。
中、250kg/cm2の加圧下で1750℃で1時間
ホットプレス焼成して、積層構造焼結体を得た。次に、
この積層構造焼結体をダイヤモンド砥石により切断加工
し、次いで切断面における導電体層の露出部にタングス
テン−ニッケル電極を焼き付け後、ニッケルメッキ処理
し、さらにその部位にニッケル製のリードフレームを銀
蝋で熔接することにより、電極端子を設け、抵抗素子を
作製した。この抵抗素子について、以下に示す評価を行
った。
【0021】(1)オン−オフサイクル試験 所定の電圧を印加し、空気中、15秒間通電させること
で1500℃に昇温させ、15秒間停止することで室温
付近まで冷却させることを繰り返すサイクル試験を行っ
た。初期抵抗値より10%増大した点における回数(昇
降温の両過程で1回のカウントとする)を調べた。試料
数はそれぞれ20であり、回数は平均値を採用した。結
果を表1に示す。なお、50000回以上を合格とす
る。
で1500℃に昇温させ、15秒間停止することで室温
付近まで冷却させることを繰り返すサイクル試験を行っ
た。初期抵抗値より10%増大した点における回数(昇
降温の両過程で1回のカウントとする)を調べた。試料
数はそれぞれ20であり、回数は平均値を採用した。結
果を表1に示す。なお、50000回以上を合格とす
る。
【0022】(2)連続通電試験 所定の電圧を印加し、抵抗素子が1500℃に保持され
るように連続通電した際、抵抗値の変化が初期値に対し
て10%変化するに要する時間を調べた。試料数はそれ
ぞれ20であり、平均値を採用した。結果を表1に示
す。なお、1000時間以上を合格とする。
るように連続通電した際、抵抗値の変化が初期値に対し
て10%変化するに要する時間を調べた。試料数はそれ
ぞれ20であり、平均値を採用した。結果を表1に示
す。なお、1000時間以上を合格とする。
【0023】
【表1】
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁体材料基板層と、その上に設けら
れ、若しくはその中に埋設された高融点、低熱膨張率及
び低電気抵抗の導電体層との積層構造焼結体からなる抵
抗素子において、前記導電体層が、タングステンと、三
ケイ化五タングステンとの重量比48:52ないし7
6:24の混合物から形成されたものであることを特徴
とする抵抗素子。 - 【請求項2】 絶縁体材料基板層が、窒化ケイ素100
モル当り、希土類元素を酸化物換算で0.3モル以下の
割合で含有するサイアロンからなる請求項1記載の抵抗
素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8745298A JPH11288778A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 抵抗素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8745298A JPH11288778A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 抵抗素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11288778A true JPH11288778A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=13915261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8745298A Withdrawn JPH11288778A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 抵抗素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11288778A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6416848B2 (en) | 2000-02-21 | 2002-07-09 | Tdk Corporation | Resistance element and method of production of same |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP8745298A patent/JPH11288778A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6416848B2 (en) | 2000-02-21 | 2002-07-09 | Tdk Corporation | Resistance element and method of production of same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2201627C (en) | High voltage ceramic igniter | |
JPH0536470A (ja) | セラミツクヒータ | |
US5997998A (en) | Resistance element | |
US5086210A (en) | Mo5 Si3 C ceramic material and glow plug heating element made of the same | |
JP3137264B2 (ja) | 新規なセラミック点火器とその使用方法 | |
TW444113B (en) | Novel ceramic igniter having improved oxidation resistance, and method of using same | |
SE524114C2 (sv) | Kompositioner för keramiska tändanordningar | |
JP4340143B2 (ja) | セラミックヒータ | |
JPH11288778A (ja) | 抵抗素子 | |
JP2001230060A (ja) | 抵抗素子 | |
JPS632916B2 (ja) | ||
JP3425097B2 (ja) | 抵抗素子 | |
JP4183186B2 (ja) | セラミックヒータ | |
JP2004259610A (ja) | セラミックヒータとその製造方法、およびグロープラグ | |
JP2537606B2 (ja) | セラミツクヒ−タ | |
JP2534847B2 (ja) | セラミツクヒ−タ | |
JPH07106055A (ja) | 急速昇温発熱素子およびその製造方法 | |
JPH11162619A (ja) | 急速昇温発熱素子 | |
JP3466399B2 (ja) | セラミック発熱体 | |
JPH08255678A (ja) | 急速昇温発熱素子およびその製造方法 | |
JPH1154246A (ja) | セラミック発熱体 | |
JP2000323263A (ja) | 発熱素子 | |
JP2547423B2 (ja) | 導電性サイアロンの製造方法 | |
JPH08321404A (ja) | BaTiO3基サーミスター及びその製造方法 | |
JPH0697631B2 (ja) | セラミツクヒ−タ及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050607 |