JPH11287267A - ディスクブレーキ - Google Patents
ディスクブレーキInfo
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- JPH11287267A JPH11287267A JP10103545A JP10354598A JPH11287267A JP H11287267 A JPH11287267 A JP H11287267A JP 10103545 A JP10103545 A JP 10103545A JP 10354598 A JP10354598 A JP 10354598A JP H11287267 A JPH11287267 A JP H11287267A
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- caliper
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Abstract
ブレーキパッドの引きずりなくし、かつディスクロータ
の異常摩耗を防止する。 【解決手段】 車両の非回転部に固定されるキャリア2
1にキャリパ23を浮動可能に支持させるピンスライド
機構24のピン穴60内に、ピン58と協働して容積可
変室Sを形成し、この容積可変室Sを、ピン58を覆う
ダストブーツ62内の補給室S′に対し、ピン穴内面と
ピンとのわずかのクリアランスCにて連通し、容積可変
室Sおよび補給室S′を含む全空域に高粘度のグリース
を封じ込め、制動時におけるキャリパ23の急激な移動
で容積可変室Sに負圧を発生させて、この負圧を制動解
除時のキャリパ23の戻しに利用し、ブレーキパッドの
摩耗により拡大する容積可変室Sの拡大分を補給室S′
からのグリースの流入で補って、ブレーキパッドが摩耗
してもキャリパ23が一定量だけ戻るようにする。
Description
るディスクブレーキに係り、特に車両の非回転部に固定
されるキャリアにピンスライド機構を介してキャリパを
支持させたキャリパ浮動型のディスクブレーキ関する。
従来一般には図7〜9に示すような構造を有していた。
これらの図において、1は車両の非回転部に固定される
キャリア、2は、キャリア1の左右の支持部1aにピン
スライド機構3を介して浮動可能に支持されたキャリ
パ、4,5は、ディスクロータDの両側(インナおよび
アウタ側)に配置されたブレーキパッドで、各ブレーキ
パッド4,5は、前記キャリア1の支持部1aに摺動可
能に吊下支持されている。なお、各ブレーキパッド4,
5は、裏金4a,5aとこれに接合されたライニング材
4b,5bとからなっており、そのライニング材4b,
5bがディスクロータDに対向させられている。
タDより車両内側(インナ側)に配置された本体部2a
と、この本体部2aからディスクロータDを跨いで車両
外側(アウタ側)へ延ばされたディスクパス部2bとこ
のディスクパス部2bからディスクロータDの半径内方
向へ延ばされた爪部2cとからなっており、その本体部
2aに形成したボア6内にピストン7が摺動可能に収め
られている。一方、上記ピンスライド機構3は、キャリ
ア1の左右支持部1a内に形成されたピン穴8と、キャ
リパ2の本体部2aから左右方向へ延ばした一対のアー
ム9にボルト10を用いて取付けられたピン11とから
なっており、そのピン11は、ピン穴8に摺動可能に挿
入されている。なお、ピン11の周りはダストブーツ1
2により覆われている。
おいては、ボア6内に油圧を供給すると、ピストン7が
伸長動作してインナ側ブレーキパッド4をディスクロー
タDの片面に押付け、この押付け反力でキャリパ2がピ
ンスライド機構3を介してインナ側へ移動し、その爪部
2cがアウタ側ブレーキパッド5をディスクロータDの
反対側面に押付け、この結果、ディスクロータDが両ブ
レーキパッド4,5により挟持される状態となって、所
望の制動力が発生する。
には、断面角形のゴム製シール(リトラクトシール)1
3が装着されており、このリトラクトシール13は、上
記制動時にピストン7に追従して弾性変形するようにな
っている。したがって、制動解除時には、このリトラク
トシール13の弾性復元力によってピストン7が自動的
に原位置に戻され、ディスクロータDの面振れによりイ
ンナ側とアウタ側のブレーキパッド4、5がディスクロ
ータDから速やかに離間するようになると共に、アウタ
側ブレーキパッド5はディスクロータDから離間する際
に、キャリパ2の爪部2cをディスク軸方向に押すこと
で、キャリパ2はキャリア1に対して制動時の位置から
非制動時の中立位置に戻る。
側ブレーキパッド4を押圧するピストン7は、例えば前
述したリトラクトシール13からなる戻し機構によっ
て、強制的にディスクロータDから離間させて戻すこと
が可能であるが、アウタ側ブレーキパッド5を押圧する
キャリパ2の爪部2cについては直接作用する戻し機構
がなく、ディスクロータDの面振れでアウタ側ブレーキ
パッド5がディスクロータDから離れて、キャリパ2の
爪部2cを戻す構成になっているため、キャリパ2の大
型化、重量増大によりキャリパ2の戻りが悪くなり、非
制動時にブレーキの引きずりを生じて燃費の悪化を招
き、その上、ディスクロータDが異常摩耗を起してジャ
ダ性能の悪化を招くという問題点があった。
は、キャリパ2の本体部2aに、上記ピストン7に代え
て電動装置を配設した、いわゆる電動式のディスクブレ
ーキがあるが(例えば、国際公開第96/03301号
参照)、このような電動式ディスクブレーキにあって
は、電動装置を内装してキャリパの本体部の重量が著し
く重くなっているため、上記した問題が顕著に現れるこ
とになる。
たもので、その目的とするところは、キャリパに戻し力
を作用させることを可能にし、もって燃費の向上とブレ
ーキ特性の安定維持に大きく寄与するディスクブレーキ
を提供することにある。
め、本発明は、車両の非回転部に固定されるキャリアに
ピンスライド機構を介してキャリパを支持させたキャリ
パ浮動型ディスクブレーキにおいて、前記ピンスライド
機構を構成するピン穴内に、制動時のキャリパ移動に応
じてピンとの間隙を広げ、容積を拡大する容積可変室を
設け、前記ピン穴の内部または外部に前記容積可変室と
オリフィス通路にて連通する補給室を設け、さらに、前
記容積可変室と前記補給室とに潤滑剤を封入する構成と
したことを特徴とする。
いては、制動時にはキャリパの移動で容積可変室の容積
が急激に拡大するので、該容積可変室内に負圧が発生
し、この負圧発生により制動解除と共にキャリパが非制
動時の中立位置に戻る。しかして、ブレーキパッドの摩
耗によりキャリパの移動量が増えて、容積可変室の容積
が拡大する状態では、補給室からオリフィス通路を経て
容積可変室へ潤滑剤が補給され、これによりキャリパ
は、制動解除と共に常に一定量だけ戻る。
うダストブーツの内側に設定し、上記オリフィス通路
を、ピン穴の内周面とピンの外周面とのクリアランスに
より提供する構成としても良いもので、このように構成
する場合は、既存のピンスライド機構のわずかの改良で
所期の目的を達成できる。本発明また、上記潤滑剤の種
類を特に問うものではないが、比較的粘度の高いグリー
スを用いるのが望ましい。このようなグリースを用いる
ことにより、容積可変室への潤滑剤の流入がより制限さ
れ、制動時に容積可変室に確実に負圧が発生する。
ーキは、キャリパ浮動式であれば特にその形式を問うも
のではなく、上記した油圧式のディスクブレーキはもち
ろん、電動式のディスクブレーキも対象とし得る。
図面に基いて説明する。
たものである。本第1の実施の形態は、油圧式ディスク
ブレーキを対象としてなされたもので、その構造は、前
出図7および図8に示したものと同一であるので、ここ
では、要部としてのピンスライド機構3のみを示し、か
つ同一部分には同一符号を付して、全体の説明を省略す
ることとする。本第1の実施の形態においては、キャリ
ア1の両側の支持部1aに設けられたピン穴8に対し
て、キャリパ2のアーム9に取付けられたピン11をわ
ずかのクリアランスCをもって挿入し、さらに、ピン穴
8の内底部に形成される容積可変室S、前記ピン穴8の
内周面とピン11の外周面との間のクリアランスCおよ
びダストブーツ12の内側の室(補給室)S′の全空域
に比較的高粘度のグリースを封入している。
おいては、制動時にピン11がキャリパ2と共に車両内
側(インナ側)へ急激に移動することで、ピン穴8の底
部の容積可変室Sが拡大する。この時、ピン穴8の内周
面とピン11の外周面とのクリアランスCがオリフィス
通路として潤滑剤に流動抵抗を与えていることに加え、
比較的高粘度のグリースを用いていることもあって、ダ
ストブーツ12の内側の補給室S′から容積可変室S内
へのグリースの流動が抑えられ、前記したキャリパ2の
移動により容積可変室Sには負圧が発生する。そして、
この負圧の発生により制動解除と同時に、ピン11がピ
ン穴8内に引き込まれ、キャリパ2は車両外側(アウタ
側)へ移動して非制動時の中立位置に戻る。
は、前記したように制動時にキャリパ2と一体にピン1
1がインナ側へ移動することで拡大するが、その拡大量
は、アウタ側ブレーキパッド5のライニング材5b(図
8)が摩耗するに従って増大し、該ライニング材5bの
最大摩耗限界において最大となる。しかるに、本実施の
形態では、容積可変室Sはもとよりダストブーツ12の
内側の補給室S′内にもグリースを封入しているので、
その封入量は、前記容積可変室Sが最大となる容積より
も十分に多い量となっている。これにより、繰り返し制
動を重ねるうちに、前記容積可変室Sの拡大分のグリー
スが補給室S′からピン11周りのクリアランスCを介
して徐々に補給され、したがって、ブレーキパッド5の
摩耗程度によらずキャリパ2の戻り量は一定となる。
たものである。本第2の実施の形態の特徴とするところ
は、上記第1の実施の形態におけるピン11の先端部に
環状溝11aを形成して、該環状溝11a内に弾性体か
らなるシール部材20を嵌合し、このシール部材20を
ピン穴8の内周面にわずか接触させた点にある。シール
部材20は、制動時、キャリパ2と一体にピン11が急
激に抜け方向へ移動する時には完全なシール効果を発揮
するが、通常はわずかなグリース漏れを生じるようにな
っている。すなわち、このシール部材20とピン穴8の
内周面との間は可変オリフィス状に機能し、これにより
グリースとして、それほど高粘度のものを選択しなくて
も、制動時には容積可変室S内に十分な負圧が発生する
ようになる。また、ピン穴8の内周面とピン11の外周
面とのクリアランスCを十分に大きくとることができる
ので、キャリア1に対するキャリパ2の組付は簡単とな
る。すなわち、キャリパ2の戻り位置が、ブレーキパッ
ド5の摩耗程度に応じて調整され、ディスクロータDと
アウタ側ブレーキパッド5との間には、常に適正な戻り
間隔が維持されることとなり、結果として、ブレーキタ
イミングに遅れをきたすことはなくなる。
給室S′をダストブーツ12の内側に設けるようにした
が、この補給室S′を設ける箇所は任意であり、例え
ば、ピン穴8の内面またはピン11の外周に環状の溝を
形成して、この溝内を補給室としても、あるいはキャリ
ア1の支持部1aの外側に、別途独立した補給室を設け
ても良いものである。
態を示したものである。本第3の実施の形態は電動式デ
ィスクブレーキを対象としてなされたもので、車両の非
回転部に固定されるキャリア21には、後述の電動装置
22を内蔵するキャリパ23が後述の左・右ピンスライ
ド機構24を介して浮動可能に支持されると共に、ディ
スクロータDの両側に配置されたブレーキパッド25,
26が支持されている。なお、各ブレーキパッド25,
26は、裏金25a,26aとこれに接合されたライニ
ング材25b,26bとからなっており、そのライニン
グ材25b,26bがディスクロータDに対向させられ
ている(図4)。
に、車両の非回転部に対する固定部27と、ディスクロ
ータDを跨いでアウタ側へ延ばされるブリッジ部28
と、このブリッジ部28の先端からディスクロータDの
半径内方向へ延ばされた垂下部29とを備えており、そ
の固定部27と垂下部29には、それぞれインナ側ブレ
ーキパッド25、アウタ側ブレーキパッド26を吊下支
持するための凹部27a、29aが形成されている。一
方、キャリパ23は、図4に良く示されるように、前記
電動装置22を収めた本体部30と、この本体部30か
らディスクロータDを跨いでアウタ側へ延ばされたディ
スクパス31とこのディスクパス部31の先端からディ
スクロータDの半径内方へ延ばされた爪部32とを備え
ている。
34とモータ33の回転を可動部材34の直線運動に変
換する運動変換機構35とから概略構成されている(図
4)。モータ33は、キャリパ23の本体部30に嵌合
固定されたステータ(コイル)36と、該本体部30に
軸受37を介して回動自在に支持された中空のロータ3
8とからなっている。ロータ38にはマグネット39が
外嵌されており、ステータ36への通電に応じて左回転
または右回転する。なお、ステータ36は、キャリパ2
3の本体部30の開口端にボルト40を用いて固定した
蓋体41により本体部30内の段差に押圧固定されてい
る。
材34が挿入されており、両者は、前記した運動変換機
構35を介して相互に嵌合している。運動変換機構35
は、ここではロータ38の内面に設けたねじ溝と可動部
材34の外周面に設けたねじ溝との間にボールを介在さ
せた、いわゆるボールねじ機構からなっており、したが
って、ロータ38および可動部材34は、該ボールねじ
機構を構成するナット、ねじ軸としてそれぞれ共用され
るものとなっている。可動部材34の基端には、ボルト
42を用いて円板状の回り止部材43が固定され、一
方、キャリパ23に固定した蓋体41には、前記回り止
部材43の突起を受入れる縦溝44を有する円筒部45
が突設されている。すなわち、可動部材(ねじ軸)34
は、回り止部材43と縦溝44との係合により、軸方向
へは移動できるが回転は不能となるように設けられてお
り、これにより、いまモータ33のロータ(ナット)3
8が左回転または右回転すると、運動変換機構(ボール
ネジ機構)35が作動して可動部材34がロータ38内
を進退動するようになる。
側ブレーキパッド24の背面に突き当てられており、こ
れにより、モータ33ののロータ38の回転に応じて可
動部材34がディスクロータD側へ前進すると、インナ
側ブレーキパッド24がディスクロータDの片面に押付
けられ、この押付け反力でキャリパ23が前記ピンスラ
イド機構24を介してインナ側へ移動し、その爪部32
によってアウタ側ブレーキパッド26がディスクロータ
Dの反対側面に押付けられ、この結果、ディスクロータ
Dが両ブレーキパッド25、26により挟持される状態
となって所望の制動力が発生する。なお、可動部材34
の先端部外周とキャリパ23の内面との間にはリング状
のダストシート46が張設されており、このダストシー
ト46によって、キャリパ23内の電動装置22へのゴ
ミ等の侵入が防止されている。
構成する本体部30とディスクパス部31との境界部分
に配置したロータリエンコーダ47により監視されてい
る。このロータリエンコーダ47は、ロータ38の前端
に固定されたスリット付きの板状リング48と、キャリ
パ23の本体部30の前端に固定された検出部49とか
らなっており、その検出部49の信号は、可動部材34
に形成した半径方向孔50と軸方向孔51とを挿通して
キャリパ23外へ取り出したリード線52を通じて制御
装置(図示略)へ送出されるようになっている。前記制
御装置は、ロータリエンコーダ47からの信号に基づい
てステータ36に供給する電力量をフィードバック制御
する機能を有しており、これによりロータ38の回転量
(回転角度)すなわち可動部材34の移動量が調整さ
れ、所望の制動力が発生するようになる。この場合、蓋
体41の円筒部45の長さ、すなわち回り止部材43と
縦溝44との係合長さは十分となっているので、可動部
材34の確実な移動が保証される。なお、制動後は、ロ
ータ38が逆回転して可動部材34が原位置に復帰す
る。
動可能に支持するピンスライド機構24は、図3および
図5に示されるように、キャリア21に設けられた一対
の支持部55,56と、この一対の支持部55と56の
間に橋架されたボルト付ピン57と、キャリパ23の両
側に一体に設けられ、前記ボルト付ピン57の一端側の
ピン部58が挿通するピン穴60を内部に有する円筒部
61と、ピン部58の露出部を覆う前後一対のダストブ
ーツ62とを備えている。なお、ボルト付ピン57は、
その他端側がボルト部59として構成されている。
5,56のうち、一方の支持部55はキャリア21の固
定部27の上部に、他方の支持部56は前記固定部27
からインナ側へ延ばした腕部63の先端にそれぞれ設け
られ、これら一対の支持部55と56はディスクロータ
Dの軸方向に対立する状態で配置されている。そして、
ディスクロータD側に位置する一方の支持部55にはね
じ孔55aが、他方の支持部56には凹穴56aがそれ
ぞれ設けられており、ボルト付ピン57は、車両外側か
ら前記ねじ孔55aを挿通させたピン部58の先端部を
前記凹穴56aに嵌入させると共に、その頭部側のねじ
部59を前記ねじ孔55aにねじ込むことによりキャリ
ア21に対して固定されている。
部59側の大径軸部58aと先端側の小径軸部58bと
を連接してなっており、一方、キャリパ23の円筒部6
1内のピン穴60は、前記ピン部58の大径軸部58a
を収めた大径穴部60aと小径軸部58bをわずかのク
リアランスCをもって挿通させる小径穴部60bとを連
接してなっており、ピン穴60内には、ピン部58の段
差面とピン穴60の段差面とで区画される環状の容積可
変室Sが形成されている。そして、この容積可変室S、
前記ピン穴60の小径穴部60bの内周面とピン部58
の小径軸部58bとのクリアランスC、ダストブーツ6
2の内側の室(補給室)S′を含む全空域には、比較的
高粘度のグリースが封入されている。
においては、制動時にキャリパ23の円筒部61が車両
内側(インナ側)へ急激に移動することで、ピン穴60
の底部の容積可変室Sが拡大する。この時、ピン穴60
の内周面とピン部58の外周面とのクリアランスCがオ
リフィス通路として潤滑剤に流動抵抗を与えていること
に加え、比較的高粘度のグリースを用いていることもあ
って、ダストブーツ62の内側の補給室S′から容積可
変室S内へのグリースの流動が抑えられ、前記したキャ
リパ23の移動により容積可変室Sには負圧が発生す
る。そして、この負圧の発生により制動解除と同時に、
キャリパ23の円筒部61がボルト付ピン57のボルト
部59側へ引き寄せられ、キャリパ23は車両外側(ア
ウタ側)へ移動して非制動時の中立位置に戻る。
Sは、前記したように制動時にキャリパ23の円筒部6
1がインナ側へ移動することで拡大するが、その拡大量
は、アウタ側ブレーキパッド25のライニング材25b
が摩耗するに従って増大し、該ライニング材25bの最
大摩耗限界において最大となる。しかるに、本第3の実
施の形態では、容積可変室Sはもとよりダストブーツ6
2の内側の補給室S′内にもグリースを封入しているの
で、その封入量は、前記容積可変室Sが最大となる容積
よりも十分に多い量となっている。これにより、繰り返
し制動を重ねるうちに、前記容積可変室Sの拡大分のグ
リースが補給室S′から前記クリアランスCを介して補
給され、したがって、ブレーキパッド25の摩耗程度に
よらずキャリパ23の戻り量は一定となる。すなわち、
キャリパ23の戻り位置が、ブレーキパッド25の摩耗
程度に応じて調整され、ディスクロータDとアウタ側ブ
レーキパッド25との間には、常に適正な戻り間隔が維
持されることとなり、結果として、ブレーキタイミング
に遅れをきたすことはなくなる。
電動装置22を含むキャリパ23は、ピンスライド機構
24を構成する一対の支持部55,56の間に両持ちば
り式に支持されているので、重量の重いキャリパ23の
本体部30は安定し、ディスクロータDの制動面に対し
てキャリパ23が傾むくことはなくなり、結果として引
ずりトルクが低減すると共にジャダ性能も向上する。ま
た、上記ボルト付ピン57は、ディスクロータD側に位
置する支持部55に車両外側からねじ込むようになって
いるので、車両外側からこのボルト付ピン57を外して
簡単にブレーキパッド25,26を交換することができ
る。しかも、上記一対の支持部55,56が、ディスク
ロータDの軸方向に見て、キャリア21のブリッジ部2
8の上方位置に設定されているので(図5)、ボルト付
ピン57の組付けに際してブリッジ部28との干渉が回
避され、したがって、キャリア21のブリッジ部28に
余分な溝加工をしたり、あるいはキャリパ23の円筒部
61を側方へ拡張した位置に設けるなどの対策が不要と
なり、コスト的にまたは小型化の面で有利となる。
線52が、可動部材34に形成した半径方向孔50と軸
方向孔51とを挿通してキャリパ23外へ取り出されて
いるので、キャリパ23の外面を通してリード線52を
取り出す場合に比べて、キャリパの周りが簡素となって
車両へ搭載性が向上し、かつリード線52の断線の危険
も薄れるので、安全性も向上する。
たものである。本第4の実施の形態の特徴とするところ
は、上記第3の実施の形態におけるボルト付ピン57の
ピン部58の大径軸部58aと小径軸部58bとのそれ
ぞれに環状溝を形成して、該環状溝内に弾性体からなる
シール部材65,66を嵌合し、このシール部材60を
ピン穴60の内周面にわずか接触させた点にある。シー
ル部材60は、制動時、キャリパ23の円筒部61が急
激にインナ側へ移動する時には完全なシール効果を発揮
するが、通常はわずかなグリース漏れを生じるようにな
っている。すなわち、このシール部材60とピン穴60
の内周面との間は可変オリフィス状に機能し、これによ
りグリースとして、それほど高粘度のものを選択しなく
ても、制動時には容積可変室S内に十分な負圧が発生す
るようになる。また、ピン穴60の小径穴部60bとピ
ン部58の小径軸部58bとのクリアランスCを十分に
大きくとることができるので、キャリア1に対するキャ
リパ2の組付は簡単となる。
て、補給室S′をダストブーツ62の内側に設けるよう
にしたが、この補給室S′を設ける箇所は任意であり、
例えば、ピン穴60の内面またはピン部58の外周に環
状の溝を形成して、この溝内を補給室としても、あるい
はキャリパ23の円筒部61の外側に、別途独立した補
給室を設けても良いものである。
ブレーキによれば、キャリパに直接戻し力が作用するた
め、アウタ側ブレーキパッドの戻りが良くなり、ブレー
キの引きずりがなくなって燃費が向上し、その上、ディ
スクロータの異常摩耗がなくなってジャダ発生が防止さ
れ、特に、電動化等でキャリパの重量が増大する場合
に、これら効果が顕著となる。また、ブレーキパッドの
摩耗に応じてキャリパの戻り量が一定となるので、安定
した戻し機能を発揮するものとなる。また、ピンスライ
ド機構のピン穴内に容積可変室を設けて、この中に潤滑
剤を封入するだけなので、従来のピンスライド機構のわ
ずかの改良で対処でき、製造コスト的にも有利となる。
特に補給室を、ピンの周りを覆うダストブーツの内側に
設定すると共に、この補給室から容積可変室へ通じるオ
リフィス通路を、ピン穴の内周面とピンの外周面とのク
リアランスにより提供した場合は、従来のピンスライド
機構をほとんどそのまま利用でき、製造コスト的に著し
く有利となる
ィスクブレーキの要部構造を示す断面図である。
ィスクブレーキの要部構造を示す断面図である。
ィスクブレーキの全体構造を示す平面図である。
ィスクブレーキの要部構造を示す断面図である。
す平面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 車両の非回転部に固定されるキャリアに
ピンスライド機構を介してキャリパを支持させたキャリ
パ浮動型ディスクブレーキにおいて、前記ピンスライド
機構を構成するピン穴内に、制動時のキャリパ移動に応
じてピンとの間隙を広げ、容積を拡大する容積可変室を
設け、前記ピン穴の内部または外部に前記容積可変室と
オリフィス通路にて連通する補給室を設け、さらに、前
記容積可変室と前記補給室とに潤滑剤を封入したことを
特徴とするディスクブレーキ。 - 【請求項2】 補給室が、ピンの周りを覆うダストブー
ツの内側に設定されており、オリフィス通路が、ピン穴
の内周面とピンの外周面とのクリアランスにより提供さ
れていることを特徴とする請求項1に記載のディスクブ
レーキ。 - 【請求項3】 潤滑剤が、グリースからなることを特徴
とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10103545A JPH11287267A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10103545A JPH11287267A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | ディスクブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11287267A true JPH11287267A (ja) | 1999-10-19 |
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ID=14356816
Family Applications (1)
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