JPH11271434A - 位相モノパルスレーダ装置 - Google Patents
位相モノパルスレーダ装置Info
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- JPH11271434A JPH11271434A JP10076164A JP7616498A JPH11271434A JP H11271434 A JPH11271434 A JP H11271434A JP 10076164 A JP10076164 A JP 10076164A JP 7616498 A JP7616498 A JP 7616498A JP H11271434 A JPH11271434 A JP H11271434A
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- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 12
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- 230000035559 beat frequency Effects 0.000 description 7
- 238000012935 Averaging Methods 0.000 description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 6
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- NCGICGYLBXGBGN-UHFFFAOYSA-N 3-morpholin-4-yl-1-oxa-3-azonia-2-azanidacyclopent-3-en-5-imine;hydrochloride Chemical compound Cl.[N-]1OC(=N)C=[N+]1N1CCOCC1 NCGICGYLBXGBGN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ターゲットの方位の検出の信頼性を向上す
る。 【解決手段】 ターゲットからの反射波は左右2チャネ
ルの受信アンテナ16a,16bで受信される。信号処
理装置20は、各チャネルの受信波の周波数分析を行っ
て、振幅のピークをもつピーク周波数およびそのピーク
振幅を求める。同一ターゲットに対する複数チャネルの
ピークのペアとして、所定しきい周波数差以下のピーク
周波数差および所定しきい振幅差以下のピーク振幅差を
もつペアが選ばれる。このピークペアの位相差に基づい
て位相モノパルス方式でターゲットの方位が検出され
る。多数の物体の反射波が合成されて受信される状況で
も、周波数差に加えて振幅差を参照することにより、確
実に同一ターゲットのピークのペアを選定できる。
る。 【解決手段】 ターゲットからの反射波は左右2チャネ
ルの受信アンテナ16a,16bで受信される。信号処
理装置20は、各チャネルの受信波の周波数分析を行っ
て、振幅のピークをもつピーク周波数およびそのピーク
振幅を求める。同一ターゲットに対する複数チャネルの
ピークのペアとして、所定しきい周波数差以下のピーク
周波数差および所定しきい振幅差以下のピーク振幅差を
もつペアが選ばれる。このピークペアの位相差に基づい
て位相モノパルス方式でターゲットの方位が検出され
る。多数の物体の反射波が合成されて受信される状況で
も、周波数差に加えて振幅差を参照することにより、確
実に同一ターゲットのピークのペアを選定できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターゲットからの
反射波を複数チャネルで受信して、チャネル間の受信波
の位相差に基づいてターゲットの方位を検出する位相モ
ノパルスレーダ装置に関し、特に、ターゲットの方位検
出の信頼性を向上するものに関する。
反射波を複数チャネルで受信して、チャネル間の受信波
の位相差に基づいてターゲットの方位を検出する位相モ
ノパルスレーダ装置に関し、特に、ターゲットの方位検
出の信頼性を向上するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ターゲットの方位、距離、速
度を検出するために各種レーダが利用されている。例え
ば、道路における先行車両との相対方位、相対距離、相
対速度の検出にもレーダが用いられる。方位を検出する
レーダの1つとして、位相モノパルスレーダがある。ま
た、距離および速度を検出するレーダの1つとして、F
MCW(周波数変調連続波)レーダがある。
度を検出するために各種レーダが利用されている。例え
ば、道路における先行車両との相対方位、相対距離、相
対速度の検出にもレーダが用いられる。方位を検出する
レーダの1つとして、位相モノパルスレーダがある。ま
た、距離および速度を検出するレーダの1つとして、F
MCW(周波数変調連続波)レーダがある。
【0003】[位相モノパルスレーダ]位相モノパルス
レーダは、送信アンテナから電波を放射することで得ら
れるターゲットからの反射波を複数の受信アンテナで受
信する。複数の受信アンテナは空間的に位置が異なるの
で、同一のターゲットからの反射波の位相が受信アンテ
ナ間で異なる。この位相ずれを検出することでターゲッ
トの方位を検出することができる。この位相モノパルス
レーダは、基本的に送信アンテナ及び受信アンテナを機
械的に動かす必要がないというメリットがある。
レーダは、送信アンテナから電波を放射することで得ら
れるターゲットからの反射波を複数の受信アンテナで受
信する。複数の受信アンテナは空間的に位置が異なるの
で、同一のターゲットからの反射波の位相が受信アンテ
ナ間で異なる。この位相ずれを検出することでターゲッ
トの方位を検出することができる。この位相モノパルス
レーダは、基本的に送信アンテナ及び受信アンテナを機
械的に動かす必要がないというメリットがある。
【0004】図1を参照すると、ターゲットまでの距離
をR0、二つの受信アンテナの間隔をL、ターゲットの
方位をθとする。アンテナ1およびアンテナ2からター
ゲットまでの距離R1、R2は、
をR0、二つの受信アンテナの間隔をL、ターゲットの
方位をθとする。アンテナ1およびアンテナ2からター
ゲットまでの距離R1、R2は、
【数1】R1=R0+(L/2)sinθ R2=R0−(L/2)sinθ である。二つの受信アンテナの受信信号(波長:λ)の
位相差Δφは、
位相差Δφは、
【数2】Δφ=(L/λ)・sinθ であり、従って、ターゲットの方位θは、
【数3】θ=sin-1{(λ/L)Δφ} である。このようにして、受信信号の位相差からターゲ
ットの方位を求めることができる。
ットの方位を求めることができる。
【0005】[FMCWレーダ]FMCWレーダは、連
続波を用いてターゲットの距離および速度を検出するも
のである。FMCWレーダと位相モノパルスレーダを組
み合わせれば、ターゲットの距離、速度および方位を求
めることができる。
続波を用いてターゲットの距離および速度を検出するも
のである。FMCWレーダと位相モノパルスレーダを組
み合わせれば、ターゲットの距離、速度および方位を求
めることができる。
【0006】FMCWレーダは、連続波の送信信号にF
M変調を施している。図2は、FMCWレーダによる相
対距離及び相対速度検出の原理を示すものである。例え
ば、送信波を三角波で周波数変調する。これによって、
送信波の周波数は増加減少を順次繰り返す。この送信波
がレーダから放射され、ターゲットで反射して受信され
ると、送信波と受信波の周波数は、図2(上)に示すよ
うな関係をもつ。ただし、ターゲットの相対速度が0の
場合である。そして、参照波(送信波)で受信波を検波
することにより、送信周波数と受信周波数の差の周波数
成分を持つビート信号(図2(下))が得られる。
M変調を施している。図2は、FMCWレーダによる相
対距離及び相対速度検出の原理を示すものである。例え
ば、送信波を三角波で周波数変調する。これによって、
送信波の周波数は増加減少を順次繰り返す。この送信波
がレーダから放射され、ターゲットで反射して受信され
ると、送信波と受信波の周波数は、図2(上)に示すよ
うな関係をもつ。ただし、ターゲットの相対速度が0の
場合である。そして、参照波(送信波)で受信波を検波
することにより、送信周波数と受信周波数の差の周波数
成分を持つビート信号(図2(下))が得られる。
【0007】伝搬遅延時間τは、送信波が受信されるま
での時間である。ターゲットまでの相対距離をR、光速
をcとするとτ=2R/cである。さらに、FMの繰り
返し周波数(図2における三角波の周波数)をfm、F
Mの周波数偏移幅(参照波の周波数の変化幅)をΔfと
すると、ビート周波数frは、
での時間である。ターゲットまでの相対距離をR、光速
をcとするとτ=2R/cである。さらに、FMの繰り
返し周波数(図2における三角波の周波数)をfm、F
Mの周波数偏移幅(参照波の周波数の変化幅)をΔfと
すると、ビート周波数frは、
【数4】fr=4R・fm・Δf/c で表される。従って、ビート信号からビート周波数fr
を求めれば、相対距離Rが決定される。
を求めれば、相対距離Rが決定される。
【0008】図3(上)は、ターゲットの相対速度が0
でない場合における、送信波と受信波の周波数の関係を
示している。ターゲットがレーダに対して相対速度を有
すると、ドップラ周波数fdだけ受信波の周波数が上ま
たは下にシフトする。図3(下)にはビート信号が示さ
れている。このビート信号は、送信波の周波数が増加し
ている上りフェーズ期間においては、相対速度0のター
ゲットのビート周波数frにドップラ周波数fdだけ加
算されたものになる。一方、送信波の周波数が減少して
いる下りフェーズ期間においては、ビート周波数frか
らドップラ周波数fdだけ減算されたものがビート信号
になる。従って、このビート信号の上りフェーズ期間及
び下りフェーズ期間の周波数からドップラシフトが求め
られ、これからターゲットの相対速度が求められる。
でない場合における、送信波と受信波の周波数の関係を
示している。ターゲットがレーダに対して相対速度を有
すると、ドップラ周波数fdだけ受信波の周波数が上ま
たは下にシフトする。図3(下)にはビート信号が示さ
れている。このビート信号は、送信波の周波数が増加し
ている上りフェーズ期間においては、相対速度0のター
ゲットのビート周波数frにドップラ周波数fdだけ加
算されたものになる。一方、送信波の周波数が減少して
いる下りフェーズ期間においては、ビート周波数frか
らドップラ周波数fdだけ減算されたものがビート信号
になる。従って、このビート信号の上りフェーズ期間及
び下りフェーズ期間の周波数からドップラシフトが求め
られ、これからターゲットの相対速度が求められる。
【0009】すなわち、上りフェーズ期間及び下りフェ
ーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、
ーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、
【数5】fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。そこで、ビート信号から周波数fbu、fbd
を個別に求めれば、相対距離を表すビート周波数fr、
相対速度を表すドップラ周波数fdが求められる。
を個別に求めれば、相対距離を表すビート周波数fr、
相対速度を表すドップラ周波数fdが求められる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の位相モノパルス
レーダは、単一のターゲットだけが存在するような極め
て理想的な環境では、ターゲットの方位を正確に検出す
ることができる。しかしながら、様々な物体からの反射
波が合成されて受信されるレーダ使用環境では、単に2
つの受信アンテナからの信号の位相差を用いただけでは
信頼性の高いターゲット方位検出は困難である。
レーダは、単一のターゲットだけが存在するような極め
て理想的な環境では、ターゲットの方位を正確に検出す
ることができる。しかしながら、様々な物体からの反射
波が合成されて受信されるレーダ使用環境では、単に2
つの受信アンテナからの信号の位相差を用いただけでは
信頼性の高いターゲット方位検出は困難である。
【0011】道路における先行車の検出を行う場合を考
えると、ターゲットたる先行車の反射波の位相に基づい
て、この先行車の方位を検出できる。この際、受信波か
ら先行車の反射波を抽出したり選別する必要がある。と
ころが、自動車レーダ使用環境では、複数の先行車が存
在し、さらに、先行車以外の樹木やガードレールなどの
物体が存在する。このような多数の物体からの反射波が
影響を及ぼす中においては、従来の位相モノパルス方式
を単に適用したのでは、同一ターゲットからの信号を的
確に組み合わせて正確に方位を検出することは難しい。
えると、ターゲットたる先行車の反射波の位相に基づい
て、この先行車の方位を検出できる。この際、受信波か
ら先行車の反射波を抽出したり選別する必要がある。と
ころが、自動車レーダ使用環境では、複数の先行車が存
在し、さらに、先行車以外の樹木やガードレールなどの
物体が存在する。このような多数の物体からの反射波が
影響を及ぼす中においては、従来の位相モノパルス方式
を単に適用したのでは、同一ターゲットからの信号を的
確に組み合わせて正確に方位を検出することは難しい。
【0012】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、複数のターゲットやターゲット以外
の物体などの反射波が合成されて受信されるレーダ使用
環境でも信頼性の高い方位検出が可能な位相モノパルス
レーダ装置を提供することにある。
あり、その目的は、複数のターゲットやターゲット以外
の物体などの反射波が合成されて受信されるレーダ使用
環境でも信頼性の高い方位検出が可能な位相モノパルス
レーダ装置を提供することにある。
【0013】本発明の別の目的は、位相モノパルスレー
ダとFMCWレーダを組み合わせたレーダ装置であっ
て、周波数変調を利用することによって、さらに確実な
方位検出ができるレーダ装置を提供することにある。
ダとFMCWレーダを組み合わせたレーダ装置であっ
て、周波数変調を利用することによって、さらに確実な
方位検出ができるレーダ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、ターゲ
ットからの反射波を複数チャネルの受信部で受信して、
チャネル間の受信波の位相差に基づいてターゲットの方
位を検出する位相モノパルスレーダ装置において、各チ
ャネルの受信波の周波数分析を行って、ピーク周波数お
よびそのピーク振幅を求める分析部と、分析結果に基づ
いて、同一ターゲットに対する複数チャネルのピークの
組である方位検出用ピークペアを求めるピークペア検出
部と、前記ピークペア検出部が求めた前記方位検出用ピ
ークペアのピークの位相差に基づいてターゲットの方位
を検出する方位検出部と、を含み、前記ピークペア検出
部は、所定しきい周波数差以下のピーク周波数差および
所定しきい振幅差以下のピーク振幅差をもつピークの組
を方位検出用ピークペアに選ぶことを特徴とする。
ットからの反射波を複数チャネルの受信部で受信して、
チャネル間の受信波の位相差に基づいてターゲットの方
位を検出する位相モノパルスレーダ装置において、各チ
ャネルの受信波の周波数分析を行って、ピーク周波数お
よびそのピーク振幅を求める分析部と、分析結果に基づ
いて、同一ターゲットに対する複数チャネルのピークの
組である方位検出用ピークペアを求めるピークペア検出
部と、前記ピークペア検出部が求めた前記方位検出用ピ
ークペアのピークの位相差に基づいてターゲットの方位
を検出する方位検出部と、を含み、前記ピークペア検出
部は、所定しきい周波数差以下のピーク周波数差および
所定しきい振幅差以下のピーク振幅差をもつピークの組
を方位検出用ピークペアに選ぶことを特徴とする。
【0015】本発明によれば、各受信チャネルの受信波
の周波数分析、例えば、フーリエ変換処理が行われる。
周波数分析により、振幅のピークをもつピーク周波数
と、そのピークの振幅値が求められる。チャネルが異な
っても、同一ターゲットに対応するピークの周波数は、
同一か近いはずである。さらに、ピークの振幅値も、タ
ーゲットが同じなら、チャネルが異なっても同一か近い
はずである。そこで、所定しきい周波数差以下のピーク
周波数差および所定しきい振幅差以下のピーク振幅差を
もつピークの組が方位検出用ピークペアに選ばれる。こ
れにより、同一ターゲットのピークの組を確実に選定で
きる。このようにして選ばれたピークペアの位相差に基
づいて方位を検出するので、信頼性の高い方位検出がで
きる。
の周波数分析、例えば、フーリエ変換処理が行われる。
周波数分析により、振幅のピークをもつピーク周波数
と、そのピークの振幅値が求められる。チャネルが異な
っても、同一ターゲットに対応するピークの周波数は、
同一か近いはずである。さらに、ピークの振幅値も、タ
ーゲットが同じなら、チャネルが異なっても同一か近い
はずである。そこで、所定しきい周波数差以下のピーク
周波数差および所定しきい振幅差以下のピーク振幅差を
もつピークの組が方位検出用ピークペアに選ばれる。こ
れにより、同一ターゲットのピークの組を確実に選定で
きる。このようにして選ばれたピークペアの位相差に基
づいて方位を検出するので、信頼性の高い方位検出がで
きる。
【0016】ここで、道路のように複数のターゲットや
ターゲット以外の物体が存在するレーダ使用環境では、
様々な物体の反射波が合成されて受信される。周波数だ
けを基準にピークペアを選ぶと、様々な物体の反射波の
影響で多数のピークペアができてしまう。この多数のピ
ークペアには、同一ターゲットのピークの組でないもの
も含まれる可能性がある。
ターゲット以外の物体が存在するレーダ使用環境では、
様々な物体の反射波が合成されて受信される。周波数だ
けを基準にピークペアを選ぶと、様々な物体の反射波の
影響で多数のピークペアができてしまう。この多数のピ
ークペアには、同一ターゲットのピークの組でないもの
も含まれる可能性がある。
【0017】一方、本発明によれば、ピーク周波数差と
ピーク振幅差がともに小さいピークペアが選ばれる。す
なわち、ピーク周波数の近いピークのペアのすべてに対
して方位演算を行うのではなく、ピーク間の振幅差の小
さいペアのみを用いて方位を求める。従って、周波数が
近いピークの中から同一ターゲットのピークをさらに選
別できる。これにより、他の物体などの反射波の影響を
受けないようにして、信頼性の高い方位検出が可能とな
る。
ピーク振幅差がともに小さいピークペアが選ばれる。す
なわち、ピーク周波数の近いピークのペアのすべてに対
して方位演算を行うのではなく、ピーク間の振幅差の小
さいペアのみを用いて方位を求める。従って、周波数が
近いピークの中から同一ターゲットのピークをさらに選
別できる。これにより、他の物体などの反射波の影響を
受けないようにして、信頼性の高い方位検出が可能とな
る。
【0018】(2)本発明の好ましい一態様の位相モノ
パルスレーダ装置は、周波数が上昇する上りフェーズと
下降する下りフェーズとを含む周波数変調波を送信する
送信部と、送信波に基づいて受信波を検波してビート信
号を生成するビート信号生成部と、を含み、前記分析部
では、ビート信号の周波数分析が行われ、上りフェーズ
の受信波から得られる方位検出用ピークペアと下りフェ
ーズの受信波から得られる方位検出用ピークペアとを比
較して、より小さいピーク振幅差をもつペアを方位演算
の対象にする。
パルスレーダ装置は、周波数が上昇する上りフェーズと
下降する下りフェーズとを含む周波数変調波を送信する
送信部と、送信波に基づいて受信波を検波してビート信
号を生成するビート信号生成部と、を含み、前記分析部
では、ビート信号の周波数分析が行われ、上りフェーズ
の受信波から得られる方位検出用ピークペアと下りフェ
ーズの受信波から得られる方位検出用ピークペアとを比
較して、より小さいピーク振幅差をもつペアを方位演算
の対象にする。
【0019】この態様では、位相モノパルスレーダにF
MCWレーダが一体化され、周波数変調された送信波が
送信される。前述のように、周波数変調された送信波
は、上りフェーズと下りフェーズをもち、周波数の増加
減少を繰り返す。この上りフェーズと下りフェーズのそ
れぞれで、複数チャネルの信号から上記(1)の方位検
出用ピークペアが求められる。2つのピークペアともし
きい振幅差以下のピーク振幅差をもっており、それらの
ピークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より
小さなピーク振幅差をもつピークペアの方が、さらに高
い信頼性を与える。そこで、上りと下りの2つピークペ
アからピーク振幅差の少ない方のペアが選択され、選択
されたピークペアを用いて方位演算が行われる。これに
より、さらなる検出信頼性の向上を図ることができる。
MCWレーダが一体化され、周波数変調された送信波が
送信される。前述のように、周波数変調された送信波
は、上りフェーズと下りフェーズをもち、周波数の増加
減少を繰り返す。この上りフェーズと下りフェーズのそ
れぞれで、複数チャネルの信号から上記(1)の方位検
出用ピークペアが求められる。2つのピークペアともし
きい振幅差以下のピーク振幅差をもっており、それらの
ピークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より
小さなピーク振幅差をもつピークペアの方が、さらに高
い信頼性を与える。そこで、上りと下りの2つピークペ
アからピーク振幅差の少ない方のペアが選択され、選択
されたピークペアを用いて方位演算が行われる。これに
より、さらなる検出信頼性の向上を図ることができる。
【0020】(3)本発明の他の好ましい一態様の位相
モノパルスレーダ装置は、周波数変調された送信波を送
信する送信部と、送信波に基づいて受信波を検波してビ
ート信号を生成するビート信号生成部と、を含み、前記
分析部は、ビート信号の周波数分析を行い、前記ピーク
ペア検出部は、周波数変調の上りフェーズの受信波に基
づく方位検出用ピークペアと下りフェーズの受信波に基
づく方位検出用ピークペアとをそれぞれ検出し、前記方
位検出部は、上りフェーズと下りフェーズの方位検出用
ピークペアのそれぞれから算出される2つの方位を両ペ
アのピーク振幅差の相違に基づいて平均化して、ターゲ
ットの方位を決定する。
モノパルスレーダ装置は、周波数変調された送信波を送
信する送信部と、送信波に基づいて受信波を検波してビ
ート信号を生成するビート信号生成部と、を含み、前記
分析部は、ビート信号の周波数分析を行い、前記ピーク
ペア検出部は、周波数変調の上りフェーズの受信波に基
づく方位検出用ピークペアと下りフェーズの受信波に基
づく方位検出用ピークペアとをそれぞれ検出し、前記方
位検出部は、上りフェーズと下りフェーズの方位検出用
ピークペアのそれぞれから算出される2つの方位を両ペ
アのピーク振幅差の相違に基づいて平均化して、ターゲ
ットの方位を決定する。
【0021】この態様では、周波数変調の上りフェーズ
と下りフェーズで、それぞれ方位検出用ピークペアが検
出された後、上りと下りのピークペアからそれぞれ方位
が算出され、これらの方位の平均が算出される。ここ
で、(2)で説明したように、2つのピークペアともし
きい振幅差以下のピーク振幅差をもっており、これらの
ピークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より
小さなピーク振幅差をもつピークペアから得た方位の方
が、高い信頼性をもつ。そこで、両ペアのピーク振幅差
の相違に応じた平均化を行う。ピーク振幅差が小さい方
のピークペアから算出した方位の重み付けを大きくした
重み付け平均化処理が好適である。信頼性がより高いほ
うの方位の重みが大きくなるからである。このようにし
て、さらなる検出信頼性の向上を図ることができる。
と下りフェーズで、それぞれ方位検出用ピークペアが検
出された後、上りと下りのピークペアからそれぞれ方位
が算出され、これらの方位の平均が算出される。ここ
で、(2)で説明したように、2つのピークペアともし
きい振幅差以下のピーク振幅差をもっており、これらの
ピークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より
小さなピーク振幅差をもつピークペアから得た方位の方
が、高い信頼性をもつ。そこで、両ペアのピーク振幅差
の相違に応じた平均化を行う。ピーク振幅差が小さい方
のピークペアから算出した方位の重み付けを大きくした
重み付け平均化処理が好適である。信頼性がより高いほ
うの方位の重みが大きくなるからである。このようにし
て、さらなる検出信頼性の向上を図ることができる。
【0022】(4)本発明の別の態様は、FMCW方式
と位相モノパルス方式を組み合わせてターゲットの距
離、速度および方位を検出するレーダ装置であって、周
波数変調された送信波を送信する送信部と、ターゲット
からの反射波を複数チャネルで受信する受信部と、送信
波に基づいて受信波を検波してビート信号を生成するビ
ート信号生成部と、各チャネルのビート信号の周波数分
析を行って、ピーク周波数およびそのピーク振幅を求め
る分析部と、同一ターゲットに対する上りフェーズおよ
び下りフェーズのピークの周波数に基づいてFMCW方
式でターゲット距離および速度を検出する距離・速度演
算部と、同一ターゲットに対する複数チャネルのピーク
の位相差に基づいて位相モノパルス方式でターゲット方
位を検出する方位検出部と、を含み、さらに、複数チャ
ネルのそれぞれに属するピークの組であって、所定しき
い周波数差以下のピーク周波数差および所定しきい振幅
差以下のピーク振幅差をもつ組を、方位検出部で使用す
る方位検出用ピークペアとして求めるピークペア検出部
を含み、このピークペア検出部は、上りフェーズの受信
波から得られる方位検出用ピークペアと下りフェーズの
受信波から得られる方位検出用ピークペアとを比較し
て、より小さいピーク振幅差をもつペアを方位演算の対
象にする。
と位相モノパルス方式を組み合わせてターゲットの距
離、速度および方位を検出するレーダ装置であって、周
波数変調された送信波を送信する送信部と、ターゲット
からの反射波を複数チャネルで受信する受信部と、送信
波に基づいて受信波を検波してビート信号を生成するビ
ート信号生成部と、各チャネルのビート信号の周波数分
析を行って、ピーク周波数およびそのピーク振幅を求め
る分析部と、同一ターゲットに対する上りフェーズおよ
び下りフェーズのピークの周波数に基づいてFMCW方
式でターゲット距離および速度を検出する距離・速度演
算部と、同一ターゲットに対する複数チャネルのピーク
の位相差に基づいて位相モノパルス方式でターゲット方
位を検出する方位検出部と、を含み、さらに、複数チャ
ネルのそれぞれに属するピークの組であって、所定しき
い周波数差以下のピーク周波数差および所定しきい振幅
差以下のピーク振幅差をもつ組を、方位検出部で使用す
る方位検出用ピークペアとして求めるピークペア検出部
を含み、このピークペア検出部は、上りフェーズの受信
波から得られる方位検出用ピークペアと下りフェーズの
受信波から得られる方位検出用ピークペアとを比較し
て、より小さいピーク振幅差をもつペアを方位演算の対
象にする。
【0023】この態様では、本発明が、FMCWレーダ
と位相モノパルスレーダを一体化したレーダ装置という
かたちで実現される。周波数変調された送信波が送信さ
れ、ターゲットからの反射波は複数チャネルで受信され
る。送信波に基づいて受信波を検波してビート信号が生
成され、このビート信号の周波数分析が行われ、振幅の
ピークが求められる。同一ターゲットに対する上りフェ
ーズおよび下りフェーズのピークの周波数に基づいてF
MCW方式でターゲット距離および速度が検出される。
また、同一ターゲットに対する複数チャネルのピークの
位相差に基づいて位相モノパルス方式でターゲット方位
が検出される。この同一ターゲットに対する複数チャネ
ルのピークの組を検出するために、上記(1)に示した
ように、ピーク振幅差が参照され、これにより、方位検
出の信頼性の向上を図ることが可能になる。
と位相モノパルスレーダを一体化したレーダ装置という
かたちで実現される。周波数変調された送信波が送信さ
れ、ターゲットからの反射波は複数チャネルで受信され
る。送信波に基づいて受信波を検波してビート信号が生
成され、このビート信号の周波数分析が行われ、振幅の
ピークが求められる。同一ターゲットに対する上りフェ
ーズおよび下りフェーズのピークの周波数に基づいてF
MCW方式でターゲット距離および速度が検出される。
また、同一ターゲットに対する複数チャネルのピークの
位相差に基づいて位相モノパルス方式でターゲット方位
が検出される。この同一ターゲットに対する複数チャネ
ルのピークの組を検出するために、上記(1)に示した
ように、ピーク振幅差が参照され、これにより、方位検
出の信頼性の向上を図ることが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、本発明の
好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、
図面を参照し説明する。
好適な実施の形態(以下、実施形態という)について、
図面を参照し説明する。
【0025】図4は、本発明の実施形態のFMCW・位
相モノパルスレーダ装置の構成を示している。このレー
ダ装置は、車両用のものであり、周波数変調された送信
波を送信し、ターゲットからの反射波を左右のチャネル
で受信する。そして、位相モノパルス方式の原理に従
い、左右のチャネルの受信波からターゲットの方位を求
める。また、FMCW方式の原理に従い、上りフェーズ
と下りフェーズの受信波からターゲットの距離と速度を
求める。
相モノパルスレーダ装置の構成を示している。このレー
ダ装置は、車両用のものであり、周波数変調された送信
波を送信し、ターゲットからの反射波を左右のチャネル
で受信する。そして、位相モノパルス方式の原理に従
い、左右のチャネルの受信波からターゲットの方位を求
める。また、FMCW方式の原理に従い、上りフェーズ
と下りフェーズの受信波からターゲットの距離と速度を
求める。
【0026】電圧制御発振器(VCO)10は周波数変
調器として機能する。このVCO10には、電圧が時間
に応じて増減する三角波が供給される。VCO10は、
この三角波で周波数変調された高周波を発生する。この
高周波は、分配器12で分配され、その一つが送信アン
テナ14に送られる。このようにして、三角波で周波数
変調された高周波が、電波として外部に向けて放射され
る。
調器として機能する。このVCO10には、電圧が時間
に応じて増減する三角波が供給される。VCO10は、
この三角波で周波数変調された高周波を発生する。この
高周波は、分配器12で分配され、その一つが送信アン
テナ14に送られる。このようにして、三角波で周波数
変調された高周波が、電波として外部に向けて放射され
る。
【0027】送信アンテナ14から放射された電波はタ
ーゲットで反射する。図中には2つの先行車両が、ター
ゲット1、2として示されている。反射信号は、左右2
つの受信アンテナ16a,16bで受信される。この2
つの受信アンテナ16a,16bは、空間的に所定距離
Lだけ離れて配置されている。そして、この受信アンテ
ナ16a、16bには、検波器18a,18bがそれぞ
れ接続されている。検波器18a,18bには、分配器
12から、三角波で周波数変調された高周波(送信信
号)が参照波として供給されている。検波器18a,1
8bでは、受信波と参照波を混合して同期検波して、送
信周波数と受信周波数の差の周波数成分をもつビート信
号が得られる。このようにして、左右それぞれの受信ア
ンテナに対応した2つのビート信号が信号処理装置20
に供給される。
ーゲットで反射する。図中には2つの先行車両が、ター
ゲット1、2として示されている。反射信号は、左右2
つの受信アンテナ16a,16bで受信される。この2
つの受信アンテナ16a,16bは、空間的に所定距離
Lだけ離れて配置されている。そして、この受信アンテ
ナ16a、16bには、検波器18a,18bがそれぞ
れ接続されている。検波器18a,18bには、分配器
12から、三角波で周波数変調された高周波(送信信
号)が参照波として供給されている。検波器18a,1
8bでは、受信波と参照波を混合して同期検波して、送
信周波数と受信周波数の差の周波数成分をもつビート信
号が得られる。このようにして、左右それぞれの受信ア
ンテナに対応した2つのビート信号が信号処理装置20
に供給される。
【0028】信号処理装置20において、周波数分析部
22a,22bおよびピーク検出部24a,24bは、
本発明の分析部として機能する。周波数分析部22a,
22bは、それぞれ、左チャネルおよび右チャネルの受
信信号から得られたビート信号の周波数分析を行い、信
号の周波数成分についてのデータを得る。ここでは、複
素FFT(高速フーリエ変換)が行われ、適当な周波数
間隔をおいた周波数binごとの複素振幅(電圧)が求
められる。以降は、binの番号が周波数を表す。ピー
ク検出部24a,24bは、周波数分析結果に基づき、
位相モノパルスの左、右チャネルのそれぞれでピーク
(ピークをもつ周波数binの番号およびその周波数b
inの複素振幅値)を検出する。
22a,22bおよびピーク検出部24a,24bは、
本発明の分析部として機能する。周波数分析部22a,
22bは、それぞれ、左チャネルおよび右チャネルの受
信信号から得られたビート信号の周波数分析を行い、信
号の周波数成分についてのデータを得る。ここでは、複
素FFT(高速フーリエ変換)が行われ、適当な周波数
間隔をおいた周波数binごとの複素振幅(電圧)が求
められる。以降は、binの番号が周波数を表す。ピー
ク検出部24a,24bは、周波数分析結果に基づき、
位相モノパルスの左、右チャネルのそれぞれでピーク
(ピークをもつ周波数binの番号およびその周波数b
inの複素振幅値)を検出する。
【0029】図5(a)、(b)は、それぞれ左チャネ
ルおよび右チャネルの周波数分析結果の例である。左チ
ャネルにおいて、大きい振幅をもつピークUL1,DL
1は、それぞれターゲット1の上りフェーズおよび下り
フェーズのピークである。下りフェーズのピークの周波
数が上りフェーズより大きいのは、ターゲット1が自車
よりも相対的に遅い(近づいている)ことを示してい
る。また、小さい振幅をもつピークUL2,DL2は、
それぞれターゲット2の上りフェーズおよび下りフェー
ズのピークである。下りフェーズのピークの周波数が上
りフェーズより小さいのは、ターゲット2が自車よりも
相対的に速い(遠ざかっている)ことを示している。同
様に、右チャネルでは、ピークUR1,DR1は、それ
ぞれターゲット1の上りフェーズおよび下りフェーズの
ピークである。また、ピークUR2,DR2は、それぞ
れターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズのピ
ークである。
ルおよび右チャネルの周波数分析結果の例である。左チ
ャネルにおいて、大きい振幅をもつピークUL1,DL
1は、それぞれターゲット1の上りフェーズおよび下り
フェーズのピークである。下りフェーズのピークの周波
数が上りフェーズより大きいのは、ターゲット1が自車
よりも相対的に遅い(近づいている)ことを示してい
る。また、小さい振幅をもつピークUL2,DL2は、
それぞれターゲット2の上りフェーズおよび下りフェー
ズのピークである。下りフェーズのピークの周波数が上
りフェーズより小さいのは、ターゲット2が自車よりも
相対的に速い(遠ざかっている)ことを示している。同
様に、右チャネルでは、ピークUR1,DR1は、それ
ぞれターゲット1の上りフェーズおよび下りフェーズの
ピークである。また、ピークUR2,DR2は、それぞ
れターゲット2の上りフェーズおよび下りフェーズのピ
ークである。
【0030】ただし、本実施形態ではレーダ装置が車両
に搭載されて道路で使用される。このようなレーダ使用
環境では複数のターゲット(先行車)が存在し、さら
に、ターゲット以外の樹木やガードレールなどの物体が
存在する。レーダには様々な物体の反射波が合成されて
受信される。従って、実際には、図5に示すピークの他
にもさらに多数のピークが存在している。このような多
数のピークから、以下のようにして同一ターゲットの左
右チャネルのピークが選ばれる。
に搭載されて道路で使用される。このようなレーダ使用
環境では複数のターゲット(先行車)が存在し、さら
に、ターゲット以外の樹木やガードレールなどの物体が
存在する。レーダには様々な物体の反射波が合成されて
受信される。従って、実際には、図5に示すピークの他
にもさらに多数のピークが存在している。このような多
数のピークから、以下のようにして同一ターゲットの左
右チャネルのピークが選ばれる。
【0031】図4に戻り、方位検出用ピークペア選択部
26および振幅差検出・判定部28は、本発明のピーク
ペア検出部として機能する。チャネルが異なっても、同
一ターゲットに対応するピークの周波数は、同一か近い
はずである。そこで、選択部26では、近い周波数bi
nをもつピークが左、右チャネルから選ばれ、選ばれた
2つのピークはピークペアとされる。ここでは、左、右
チャネル間での周波数binの差が所定しきい周波数差
以下のピークペアが選択される。
26および振幅差検出・判定部28は、本発明のピーク
ペア検出部として機能する。チャネルが異なっても、同
一ターゲットに対応するピークの周波数は、同一か近い
はずである。そこで、選択部26では、近い周波数bi
nをもつピークが左、右チャネルから選ばれ、選ばれた
2つのピークはピークペアとされる。ここでは、左、右
チャネル間での周波数binの差が所定しきい周波数差
以下のピークペアが選択される。
【0032】この段階では、まだかなり多数のピークペ
アが選出されている。前述のように、道路では複数のタ
ーゲットやターゲット以外のガードレールや樹木などの
物体が存在し、これらの様々な物体の反射波が合成され
て受信される。周波数だけを基準にピークペアを選ぶ
と、様々な物体の反射波の影響で多数のピークペアがで
きてしまう。この多数のピークペアには、同一ターゲッ
トのピークの組でないものも含まれる可能性がある。
アが選出されている。前述のように、道路では複数のタ
ーゲットやターゲット以外のガードレールや樹木などの
物体が存在し、これらの様々な物体の反射波が合成され
て受信される。周波数だけを基準にピークペアを選ぶ
と、様々な物体の反射波の影響で多数のピークペアがで
きてしまう。この多数のピークペアには、同一ターゲッ
トのピークの組でないものも含まれる可能性がある。
【0033】そこで、選択部26で選択されたピークペ
アを候補として、振幅差検出・判定部28により、振幅
値を頼りにさらなる絞り込みが行われる。判定部28で
は、選択部26が選択したピークペアの両ピークの振幅
値(ピーク振幅)が参照され、両ピークの振幅値の差
(ピーク振幅差:絶対値)が求められる。チャネルが異
なっていても、同一ターゲットに対応するピークの振幅
は、同一か近いはずである。そこで、ピーク振幅差の大
きさが調べられ、小さい振幅差をもつピークペアが選別
される。ここでは、ピーク振幅差が所定のしきい振幅差
と比較される。しきい振幅差以下のピーク振幅差をもつ
ピークペアのみが、最終的な方位検出用のピークペアに
選ばれる。
アを候補として、振幅差検出・判定部28により、振幅
値を頼りにさらなる絞り込みが行われる。判定部28で
は、選択部26が選択したピークペアの両ピークの振幅
値(ピーク振幅)が参照され、両ピークの振幅値の差
(ピーク振幅差:絶対値)が求められる。チャネルが異
なっていても、同一ターゲットに対応するピークの振幅
は、同一か近いはずである。そこで、ピーク振幅差の大
きさが調べられ、小さい振幅差をもつピークペアが選別
される。ここでは、ピーク振幅差が所定のしきい振幅差
と比較される。しきい振幅差以下のピーク振幅差をもつ
ピークペアのみが、最終的な方位検出用のピークペアに
選ばれる。
【0034】このようにして、周波数が近いピークペア
を候補として、これらの候補のなかから、振幅差を頼り
に同一ターゲットのピークペアがさらに選別される。図
5を参照すると、上りフェーズでは、左チャネルのピー
クUL1と右チャネルのピークUR1が、方位検出用ピ
ークペアに選ばれる。また、ピークUL2,UR2もピ
ークペアになる。同様に、下りフェーズでは、ピークD
L1,DR1およびピークDL2,DR2がピークペア
になる。
を候補として、これらの候補のなかから、振幅差を頼り
に同一ターゲットのピークペアがさらに選別される。図
5を参照すると、上りフェーズでは、左チャネルのピー
クUL1と右チャネルのピークUR1が、方位検出用ピ
ークペアに選ばれる。また、ピークUL2,UR2もピ
ークペアになる。同様に、下りフェーズでは、ピークD
L1,DR1およびピークDL2,DR2がピークペア
になる。
【0035】信号処理装置20の方位演算部30は、本
発明の方位検出部に相当し、判定部28で選ばれた方位
検出用ピークペアを用いてターゲットの相対方位を演算
する。ここでは、位相モノパルス処理により方位が求め
られる。
発明の方位検出部に相当し、判定部28で選ばれた方位
検出用ピークペアを用いてターゲットの相対方位を演算
する。ここでは、位相モノパルス処理により方位が求め
られる。
【0036】図1を用いて説明したように、2つの受信
アンテナ16a,16bで受信した信号の位相を比較す
ることで、その位相差から方位が求められる。方位角θ
は、2つの受信波の位相差をΔφ、2つの受信アンテナ
の距離をL、電波の波長をλとすれば、
アンテナ16a,16bで受信した信号の位相を比較す
ることで、その位相差から方位が求められる。方位角θ
は、2つの受信波の位相差をΔφ、2つの受信アンテナ
の距離をL、電波の波長をλとすれば、
【数6】θ=sin-1{(λ/L)Δφ} であらわされる。本実施形態では、ビート信号の対応す
る2つのピークの位相差から方位が求められる。
る2つのピークの位相差から方位が求められる。
【0037】また、距離・速度検出部32は、ピーク検
出部24a,24bにて検出されたピークを用いて、別
途、ターゲットの相対距離、相対速度を求める。ここで
は、FMCW処理により距離及び速度が求められる。す
なわち、図2、図3を用いて説明したように、ビート信
号は、ターゲットの距離に応じた受信波の遅延に基づく
成分と、ターゲットの速度に応じたドップラシフトに基
づく成分からなっている。上りフェーズ期間及び下りフ
ェーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、相対距離を表すビート周波数をfr、相対速度を表
すドップラ周波数をfdとすると、
出部24a,24bにて検出されたピークを用いて、別
途、ターゲットの相対距離、相対速度を求める。ここで
は、FMCW処理により距離及び速度が求められる。す
なわち、図2、図3を用いて説明したように、ビート信
号は、ターゲットの距離に応じた受信波の遅延に基づく
成分と、ターゲットの速度に応じたドップラシフトに基
づく成分からなっている。上りフェーズ期間及び下りフ
ェーズ期間におけるビート信号の周波数fbu、fbd
は、相対距離を表すビート周波数をfr、相対速度を表
すドップラ周波数をfdとすると、
【数7】fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。従って、周波数fbu、fbdから、ビート周
波数frおよびドップラ周波数fdが求められ、相対距
離および相対速度が求められる。本実施形態では、上
り、下りフェーズの対応するピークのbin番号に基づ
いて、距離および速度を求める。このbin番号はその
ピークのもつ周波数に対応している。また、左右チャネ
ルのそれぞれの受信波に基づいて独立して距離および速
度を求めることができ、両検出値を用いてより精度の高
い検出結果が得られる。
波数frおよびドップラ周波数fdが求められ、相対距
離および相対速度が求められる。本実施形態では、上
り、下りフェーズの対応するピークのbin番号に基づ
いて、距離および速度を求める。このbin番号はその
ピークのもつ周波数に対応している。また、左右チャネ
ルのそれぞれの受信波に基づいて独立して距離および速
度を求めることができ、両検出値を用いてより精度の高
い検出結果が得られる。
【0038】方位演算部30および距離・速度検出部3
2によって求められた距離、速度および方位は、例え
ば、先行車両への自動追尾制御に利用される。自動追尾
制御のために、カルマンフィルタやα−βフィルタなど
の予測フィルタを用いることが好適である。予測フィル
タでは、予測位置データと測定位置データを使って、平
滑化された位置および速度が求められ、平滑化されたデ
ータがターゲット情報として出力される。
2によって求められた距離、速度および方位は、例え
ば、先行車両への自動追尾制御に利用される。自動追尾
制御のために、カルマンフィルタやα−βフィルタなど
の予測フィルタを用いることが好適である。予測フィル
タでは、予測位置データと測定位置データを使って、平
滑化された位置および速度が求められ、平滑化されたデ
ータがターゲット情報として出力される。
【0039】以上、本実施形態のレーダ装置について説
明した。上記のように、本実施形態では、位相モノパル
スの左、右チャネルで得られるピークペアのすべてに対
して方位演算を行うのではなく、ピーク間の振幅差が小
さい(しきい振幅差以下)ピークペアだけを用いて方位
演算を行う。これにより、他のターゲットやターゲット
以外の樹木やガードレールなどの物体からの反射波の影
響が少ない場合を選択して検出結果が得られるようにな
るので、信頼性の高い方位検出が可能になる。なお、本
実施形態のしきい周波数差およびしきい振幅差は、予め
適当な値に決められている。しきい周波数差は、同一タ
ーゲットの反射波から得られるピークの周波数のばらつ
きの大きさに基づいて設定することが好適である。同様
に、しきい振幅差は、同一ターゲットの反射波から得ら
れるピークの振幅のばらつきの大きさに基づいて設定す
ることが好適である。例えば、両しきい値を、ばらつき
の標準的な大きさに設定したり、ばらつきの最大値に設
定することができる。しきい周波数差およびしきい振幅
差は、実験結果や経験に基づいて設定してもよい。
明した。上記のように、本実施形態では、位相モノパル
スの左、右チャネルで得られるピークペアのすべてに対
して方位演算を行うのではなく、ピーク間の振幅差が小
さい(しきい振幅差以下)ピークペアだけを用いて方位
演算を行う。これにより、他のターゲットやターゲット
以外の樹木やガードレールなどの物体からの反射波の影
響が少ない場合を選択して検出結果が得られるようにな
るので、信頼性の高い方位検出が可能になる。なお、本
実施形態のしきい周波数差およびしきい振幅差は、予め
適当な値に決められている。しきい周波数差は、同一タ
ーゲットの反射波から得られるピークの周波数のばらつ
きの大きさに基づいて設定することが好適である。同様
に、しきい振幅差は、同一ターゲットの反射波から得ら
れるピークの振幅のばらつきの大きさに基づいて設定す
ることが好適である。例えば、両しきい値を、ばらつき
の標準的な大きさに設定したり、ばらつきの最大値に設
定することができる。しきい周波数差およびしきい振幅
差は、実験結果や経験に基づいて設定してもよい。
【0040】[実施の形態2]次に、本発明の第2の実
施形態を説明する。本実施形態の構成は、図4に示した
実施形態1の構成と同様であり、重複部分の説明は適宜
省略する。実施形態2は、振幅差検出・判定部28の動
作が実施形態1と異なる。
施形態を説明する。本実施形態の構成は、図4に示した
実施形態1の構成と同様であり、重複部分の説明は適宜
省略する。実施形態2は、振幅差検出・判定部28の動
作が実施形態1と異なる。
【0041】実施形態1と同様にして、方位検出用ピー
クペア選択部26では、周波数分析結果の多数のピーク
から、チャネル間でしきい周波数差以下のピーク周波数
差をもつピークペアが選ばれる。さらに、振幅差検出・
判定部28では、選択部26が選んだピークペアから、
しきい振幅差以下のピーク振幅差をもつピークペアが選
ばれる。
クペア選択部26では、周波数分析結果の多数のピーク
から、チャネル間でしきい周波数差以下のピーク周波数
差をもつピークペアが選ばれる。さらに、振幅差検出・
判定部28では、選択部26が選んだピークペアから、
しきい振幅差以下のピーク振幅差をもつピークペアが選
ばれる。
【0042】上記のピークペアの選定は、周波数変調の
上りフェーズと下りフェーズのそれぞれで行われる。上
りフェーズの送受信波からピークペアが得られ、さらに
下りフェーズの送受信波からもピークペアが得られる。
実施形態2の特徴として、振幅差検出・判定部28で
は、同一ターゲットに対応する上りフェーズのピークペ
アと下りフェーズのピークペアとが比較される。そし
て、小さいピーク振幅差をもつ方のピークペアが、最終
的な方位検出用のピークペアに指定される。方位演算部
30は、判定部28で指定されたピークペアを用いてタ
ーゲットの方位を求める。
上りフェーズと下りフェーズのそれぞれで行われる。上
りフェーズの送受信波からピークペアが得られ、さらに
下りフェーズの送受信波からもピークペアが得られる。
実施形態2の特徴として、振幅差検出・判定部28で
は、同一ターゲットに対応する上りフェーズのピークペ
アと下りフェーズのピークペアとが比較される。そし
て、小さいピーク振幅差をもつ方のピークペアが、最終
的な方位検出用のピークペアに指定される。方位演算部
30は、判定部28で指定されたピークペアを用いてタ
ーゲットの方位を求める。
【0043】図5を参照すると、上りフェーズでは、左
チャネルのピークUL1と右チャネルのピークUR1が
ターゲット1のピークペアになる。下りフェーズでは、
ピークDL1,DR1がピークペアになる。ピークペア
(UL1,UR1)とピークペア(DL1,DR1)が
比較され、小さな振幅差をもつ方のピークペアが、方位
検出用のピークペアに選ばれる。
チャネルのピークUL1と右チャネルのピークUR1が
ターゲット1のピークペアになる。下りフェーズでは、
ピークDL1,DR1がピークペアになる。ピークペア
(UL1,UR1)とピークペア(DL1,DR1)が
比較され、小さな振幅差をもつ方のピークペアが、方位
検出用のピークペアに選ばれる。
【0044】以上、実施形態2のレーダ装置について説
明した。本実施形態では、位相モノパルスレーダとFM
CWレーダを一体化したことによって、上りフェーズと
下りフェーズのそれぞれで、方位検出用ピークペアが求
められることに着目している。2つのピークペアともし
きい振幅差以下のピーク振幅差をもっており、それらの
ピークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より
小さなピーク振幅差をもつピークペアの方が、さらに高
い信頼性を与える。そこで、上りと下りの2つピークペ
アからピーク振幅差の少ない方のペアが選択され、選択
されたピークペアを用いて方位演算が行われる。これに
より、さらなる検出信頼性の向上を図ることができる。
明した。本実施形態では、位相モノパルスレーダとFM
CWレーダを一体化したことによって、上りフェーズと
下りフェーズのそれぞれで、方位検出用ピークペアが求
められることに着目している。2つのピークペアともし
きい振幅差以下のピーク振幅差をもっており、それらの
ピークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より
小さなピーク振幅差をもつピークペアの方が、さらに高
い信頼性を与える。そこで、上りと下りの2つピークペ
アからピーク振幅差の少ない方のペアが選択され、選択
されたピークペアを用いて方位演算が行われる。これに
より、さらなる検出信頼性の向上を図ることができる。
【0045】[実施の形態3]次に、図6を参照して、
本発明の第3の実施形態を説明する。上記の実施形態2
では、上りフェーズと下りフェーズのピークペアの一方
が選択され、選択されたピークペアから方位演算結果を
得ていた。一方、実施形態3では、両方のピークペアを
用いて個別に方位演算を行い、その後に方位出値の加重
平均を求める。図6において、図4の実施形態1の構成
と同様の構成要素には同一符号を付し、これらの構成要
素の説明は適宜省略する。
本発明の第3の実施形態を説明する。上記の実施形態2
では、上りフェーズと下りフェーズのピークペアの一方
が選択され、選択されたピークペアから方位演算結果を
得ていた。一方、実施形態3では、両方のピークペアを
用いて個別に方位演算を行い、その後に方位出値の加重
平均を求める。図6において、図4の実施形態1の構成
と同様の構成要素には同一符号を付し、これらの構成要
素の説明は適宜省略する。
【0046】実施形態3の信号処理装置40において、
方位検出用ピークペア選択部26および振幅差検出・判
定部28では、実施形態1と同様にして、しきい周波数
以下のピーク周波数差およびしきい振幅差以下のピーク
振幅差をもつピークペアが選ばれる。上記のピークペア
の選定は、FMCW変調の上りフェーズと下りフェーズ
のそれぞれで行われる。上りフェーズの送受信波からピ
ークペアが得られ、さらに下りフェーズの送受信波から
もピークペアが得られる。
方位検出用ピークペア選択部26および振幅差検出・判
定部28では、実施形態1と同様にして、しきい周波数
以下のピーク周波数差およびしきい振幅差以下のピーク
振幅差をもつピークペアが選ばれる。上記のピークペア
の選定は、FMCW変調の上りフェーズと下りフェーズ
のそれぞれで行われる。上りフェーズの送受信波からピ
ークペアが得られ、さらに下りフェーズの送受信波から
もピークペアが得られる。
【0047】前述の実施形態2では、上り、下りフェー
ズの方位検出用ピークペアから、小さい振幅差をもつ方
のピークペアが選ばれた。実施形態3では、このような
選択、指定は行わない。従って、方位演算部30は、上
り、下り両フェーズに関して方位演算を行う。すなわ
ち、上りフェーズの受信波に基づいて得られた方位検出
用ピークペアの位相差に基づいてターゲットの方位が算
出され、さらに、下りフェーズの受信波に基づいて得ら
れた方位検出用ピークペアの位相差に基づいてターゲッ
トの方位が算出される。
ズの方位検出用ピークペアから、小さい振幅差をもつ方
のピークペアが選ばれた。実施形態3では、このような
選択、指定は行わない。従って、方位演算部30は、上
り、下り両フェーズに関して方位演算を行う。すなわ
ち、上りフェーズの受信波に基づいて得られた方位検出
用ピークペアの位相差に基づいてターゲットの方位が算
出され、さらに、下りフェーズの受信波に基づいて得ら
れた方位検出用ピークペアの位相差に基づいてターゲッ
トの方位が算出される。
【0048】方位平均化部42は、方位演算部30とと
もに本発明の方位検出部を構成している。平均化部42
は、上り、下りフェーズのそれぞれのピークペアの振幅
差を参照する。上り、下りフェーズのそれぞれで得られ
た方位算出値が、ピークペアの振幅差に基づいた重みを
付けて、平均化される。
もに本発明の方位検出部を構成している。平均化部42
は、上り、下りフェーズのそれぞれのピークペアの振幅
差を参照する。上り、下りフェーズのそれぞれで得られ
た方位算出値が、ピークペアの振幅差に基づいた重みを
付けて、平均化される。
【0049】上記の重み付け平均による方位φaveは、
例えば、
例えば、
【数8】 φave=(Dd・φu+Du・φd)/(Du+Dd) で求められる。ここで、Du,Ddはそれぞれ上りフェー
ズのピークペアの振幅差、下りフェーズのピークペアの
振幅差である。φu,φdはそれぞれ上りフェーズのピー
クペアから求めた方位、下りフェーズのピークペアから
求めた方位である。このような加重平均によって得られ
る方位φaveが、最終的なターゲット方位として出力さ
れる。
ズのピークペアの振幅差、下りフェーズのピークペアの
振幅差である。φu,φdはそれぞれ上りフェーズのピー
クペアから求めた方位、下りフェーズのピークペアから
求めた方位である。このような加重平均によって得られ
る方位φaveが、最終的なターゲット方位として出力さ
れる。
【0050】以上、実施形態3のレーダ装置について説
明した。実施形態3でも、実施形態2と同様に、位相モ
ノパルスレーダとFMCWレーダを一体化したことによ
って、上りフェーズと下りフェーズのそれぞれで、方位
検出用ピークペアが求められることに着目している。そ
して、上りと下りのピークペアからそれぞれ方位が算出
され、これらの方位の平均が算出される。ここで、上り
フェーズと下りフェーズのピークペアは、両方ともしき
い振幅差以下のピーク振幅差をもっており、これらのピ
ークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より小
さなピーク振幅差をもつピークペアから得た方位の方
が、高い信頼性をもつ。そこで、両ペアのピーク振幅差
の相違に応じて方位の加重平均を求める。上記のφave
算出式に示されるように、振幅差の小さい方、すなわ
ち、信頼性の高い方の方位の重みを大きくする。これに
より、検出信頼性の向上を図ることができる。
明した。実施形態3でも、実施形態2と同様に、位相モ
ノパルスレーダとFMCWレーダを一体化したことによ
って、上りフェーズと下りフェーズのそれぞれで、方位
検出用ピークペアが求められることに着目している。そ
して、上りと下りのピークペアからそれぞれ方位が算出
され、これらの方位の平均が算出される。ここで、上り
フェーズと下りフェーズのピークペアは、両方ともしき
い振幅差以下のピーク振幅差をもっており、これらのピ
ークペアに基づく方位は信頼性が高い。しかし、より小
さなピーク振幅差をもつピークペアから得た方位の方
が、高い信頼性をもつ。そこで、両ペアのピーク振幅差
の相違に応じて方位の加重平均を求める。上記のφave
算出式に示されるように、振幅差の小さい方、すなわ
ち、信頼性の高い方の方位の重みを大きくする。これに
より、検出信頼性の向上を図ることができる。
【0051】このように、FMCW方式の上り、下りフ
ェーズそれぞれで、位相モノパルスの左および右チャネ
ルで得られるピークペアに対して方位を演算し、ピーク
間の振幅差に基づく重みをつけて両方位を平均化するこ
とにより、他のターゲットやターゲット以外の樹木やガ
ードレールなどの物体からの反射波の影響を少なくで
き、さらに信頼性の高い方位検出が可能になる。
ェーズそれぞれで、位相モノパルスの左および右チャネ
ルで得られるピークペアに対して方位を演算し、ピーク
間の振幅差に基づく重みをつけて両方位を平均化するこ
とにより、他のターゲットやターゲット以外の樹木やガ
ードレールなどの物体からの反射波の影響を少なくで
き、さらに信頼性の高い方位検出が可能になる。
【図1】 位相モノパルスレーダの原理を示す図であ
る。
る。
【図2】 FMCWレーダの原理を示す図である。
【図3】 FMCWレーダの原理を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態の構成を示す図であ
る。
る。
【図5】 図4の装置の左チャネルおよび右チャネルの
受信信号の周波数分析結果を示す図である。
受信信号の周波数分析結果を示す図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態の構成を示す図であ
る。
る。
10 電圧制御発振器(VCO)、14 送信アンテ
ナ、16a,16b 受信アンテナ、18a,18b
検波器、20,40 信号処理装置、22a,22b
周波数分析部、24a,24b ピーク検出部、26
方位検出用ピークペア選択部、28 振幅差検出・判定
部、30 方位演算部、32 距離・速度検出部、42
方位平均化部。
ナ、16a,16b 受信アンテナ、18a,18b
検波器、20,40 信号処理装置、22a,22b
周波数分析部、24a,24b ピーク検出部、26
方位検出用ピークペア選択部、28 振幅差検出・判定
部、30 方位演算部、32 距離・速度検出部、42
方位平均化部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 知育 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 直之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 ターゲットからの反射波を複数チャネル
の受信部で受信して、チャネル間の受信波の位相差に基
づいてターゲットの方位を検出する位相モノパルスレー
ダ装置において、 各チャネルの受信波の周波数分析を行って、ピーク周波
数およびそのピーク振幅を求める分析部と、 分析結果に基づいて、同一ターゲットに対する複数チャ
ネルのピークの組である方位検出用ピークペアを求める
ピークペア検出部と、 前記ピークペア検出部が求めた前記方位検出用ピークペ
アのピークの位相差に基づいてターゲットの方位を検出
する方位検出部と、 を含み、 前記ピークペア検出部は、所定しきい周波数差以下のピ
ーク周波数差および所定しきい振幅差以下のピーク振幅
差をもつピークの組を方位検出用ピークペアに選ぶこと
を特徴とする位相モノパルスレーダ装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の位相モノパルスレーダ
装置において、 周波数が上昇する上りフェーズと下降する下りフェーズ
とを含む周波数変調波を送信する送信部と、 送信波に基づいて受信波を検波してビート信号を生成す
るビート信号生成部と、を含み、 前記分析部では、ビート信号の周波数分析が行われ、 上りフェーズの受信波から得られる方位検出用ピークペ
アと下りフェーズの受信波から得られる方位検出用ピー
クペアとを比較して、より小さいピーク振幅差をもつペ
アを方位演算の対象にすることを特徴とする位相モノパ
ルスレーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10076164A JPH11271434A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 位相モノパルスレーダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10076164A JPH11271434A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 位相モノパルスレーダ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11271434A true JPH11271434A (ja) | 1999-10-08 |
Family
ID=13597441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10076164A Pending JPH11271434A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 位相モノパルスレーダ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11271434A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6577273B2 (en) | 2000-02-23 | 2003-06-10 | Fujitsu Limited | Radio transceiver and method of controlling direction of radio-wave emission |
JP2005037215A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Fujitsu Ltd | レーダ装置、レーダ装置の目標測定方法、およびレーダ装置の目標測定プログラム |
US7096140B2 (en) | 2003-10-30 | 2006-08-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Test system, test method and test program for an integrated circuit by IDDQ testing |
JP2007240313A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Denso Corp | 方位検出装置 |
JP2010038832A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Mitsubishi Electric Corp | パルスレーダ装置 |
JP2012503198A (ja) * | 2008-09-18 | 2012-02-02 | レイセオン カンパニー | 全てディジタルの見通し線(los)プロセッサアーキテクチャ |
CN103323838A (zh) * | 2012-03-19 | 2013-09-25 | 富士通天株式会社 | 雷达装置 |
CN110826518A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-02-21 | 中国地质科学院矿产资源研究所 | 一种遥感影像隐伏地质构造信息提取方法 |
-
1998
- 1998-03-24 JP JP10076164A patent/JPH11271434A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6577273B2 (en) | 2000-02-23 | 2003-06-10 | Fujitsu Limited | Radio transceiver and method of controlling direction of radio-wave emission |
US6864839B2 (en) | 2000-02-23 | 2005-03-08 | Fujitsu Limited | Radio transceiver and method of controlling direction of radio-wave emission |
US7026991B2 (en) | 2000-02-23 | 2006-04-11 | Fujitsu Limited | Radio transceiver and method of controlling direction of radio-wave emission |
US7391371B2 (en) | 2000-02-23 | 2008-06-24 | Fujitsu Limited | Radio transceiver and method of controlling direction of radio-wave emission |
JP2005037215A (ja) * | 2003-07-18 | 2005-02-10 | Fujitsu Ltd | レーダ装置、レーダ装置の目標測定方法、およびレーダ装置の目標測定プログラム |
US7096140B2 (en) | 2003-10-30 | 2006-08-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Test system, test method and test program for an integrated circuit by IDDQ testing |
JP2007240313A (ja) * | 2006-03-08 | 2007-09-20 | Denso Corp | 方位検出装置 |
JP2010038832A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Mitsubishi Electric Corp | パルスレーダ装置 |
JP2012503198A (ja) * | 2008-09-18 | 2012-02-02 | レイセオン カンパニー | 全てディジタルの見通し線(los)プロセッサアーキテクチャ |
CN103323838A (zh) * | 2012-03-19 | 2013-09-25 | 富士通天株式会社 | 雷达装置 |
CN110826518A (zh) * | 2019-11-14 | 2020-02-21 | 中国地质科学院矿产资源研究所 | 一种遥感影像隐伏地质构造信息提取方法 |
CN110826518B (zh) * | 2019-11-14 | 2022-06-03 | 中国地质科学院矿产资源研究所 | 一种遥感影像隐伏地质构造信息提取方法 |
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