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JPH11270696A - 軸封装置及び圧縮機 - Google Patents

軸封装置及び圧縮機

Info

Publication number
JPH11270696A
JPH11270696A JP10074190A JP7419098A JPH11270696A JP H11270696 A JPH11270696 A JP H11270696A JP 10074190 A JP10074190 A JP 10074190A JP 7419098 A JP7419098 A JP 7419098A JP H11270696 A JPH11270696 A JP H11270696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lip ring
peripheral surface
rotating shaft
ring
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10074190A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Kenji Takenaka
健二 竹中
Hirohiko Tanaka
洋彦 田中
Kazuya Kimura
一哉 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP10074190A priority Critical patent/JPH11270696A/ja
Priority to EP99105758A priority patent/EP0945653A1/en
Publication of JPH11270696A publication Critical patent/JPH11270696A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/16Sealings between relatively-moving surfaces
    • F16J15/32Sealings between relatively-moving surfaces with elastic sealings, e.g. O-rings
    • F16J15/324Arrangements for lubrication or cooling of the sealing itself

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Compressor (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Of Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】軸封装置の長寿命化を図って信頼性を向上す
る。 【解決手段】回転軸13とフロントハウジング12との
間のシール収容室122にはリップシール33が収容さ
れている。リップシール33は、リングケース34と、
リングケース34の外周側の凹条341に嵌められたゴ
ム製のオーリング35と、リングケース34の内周側に
配置された一対のリング形状の保持金具36,37と、
保持金具36に保持されたゴム製のリップリング38
と、保持金具37に保持されたフッ素樹脂製のリップリ
ング39と、リング形状の姿勢保持金具40とからな
る。回転軸13の周面132に対して摺接するゴム製の
リップリング38の摺接部381及びフッ素樹脂製のリ
ップリング39の摺接部391には固体潤滑層42,4
3が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リップリングを回
転軸の周面に接触させて前記周面に沿った流体の洩れを
防止する軸封装置及び圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平7−139633号公報に開示さ
れるように、回転軸の周面に沿った流体の洩れを防止す
るためにゴム製のシールエレメント(本願でいうリップ
リング)を備えた軸封装置が用いられる。この種の軸封
装置は例えば冷凍回路を構成する圧縮機の回転軸に適用
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圧縮機内では潤滑を要
する摺接部があり、このような摺接部を潤滑するために
冷媒と共に流動可能な潤滑油が必要不可欠である。しか
し、圧縮機を組み付けた後に圧縮機を運転したときには
シールエレメントと回転軸の周面との間の摺接部におけ
る前記潤滑油による潤滑が不足している。このような潤
滑不良状態で回転軸とゴム製のリップリングとが摺接す
ると、ゴム製のリップリングが異常摩耗を起こす。ゴム
製のリップリングの異常摩耗は軸封装置の寿命を短くす
る。
【0004】本発明は、軸封装置の長寿命化を図って信
頼性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために請求項1乃至
請求項5の本発明では、リップリングを回転軸の周面に
接触させて前記周面に沿った流体の洩れを防止する軸封
装置を対象とし、請求項1の発明では、前記回転軸の周
面に対する前記リップリングの摺接部に固体潤滑層を設
けた。
【0006】請求項2の発明では、請求項1において、
ゴム製のリップリング及びフッ素樹脂製のリップリング
を備えた軸封装置を構成し、前記回転軸の周面に対する
前記ゴム製のリップリングの摺接部及び前記回転軸の周
面に対する前記フッ素樹脂製のリップリングの摺接部の
少なくとも一方に固体潤滑層を設けた。
【0007】請求項3の発明では、請求項2において、
前記回転軸の周面に対する前記ゴム製のリップリングの
摺接部に固体潤滑層を設けた。請求項4の発明では、及
び請求項3のいずれか1項において、前記回転軸の周面
に対する前記フッ素樹脂製のリップリングの摺接部に固
体潤滑層を設けた。
【0008】請求項1乃至請求項4の発明では、回転軸
の周面とリップリングの摺接部との間の潤滑が不良とな
る使用初期においても、前記固体潤滑層がこの固体潤滑
層を備えたリップリングの異常摩耗を防止する。
【0009】請求項5の発明では、圧縮室を区画する圧
縮動作体を回転軸の回転によって動かし、前記圧縮動作
体の動作によって吸入圧領域から前記圧縮室へ冷媒を吸
入すると共に、前記圧縮室から吐出圧領域へ冷媒を吐出
する圧縮機の前記回転軸の周面に沿った冷媒の洩れを請
求項1乃至請求項4のいずれかの軸封装置によって防止
するようにした。
【0010】圧縮機組み付け後の圧縮機初動時の潤滑不
良状態においても、前記固体潤滑層がこの固体潤滑層を
備えたリップリングの異常摩耗を防止する。請求項6乃
至請求項9の発明では、圧縮室を区画する圧縮動作体を
回転軸の回転によって動かし、前記圧縮動作体の動作に
よって吸入圧領域から前記圧縮室へ冷媒を吸入すると共
に、前記圧縮室から吐出圧領域へ冷媒を吐出し、ゴム製
のリップリング及びフッ素樹脂製のリップリングを備
え、前記ゴム製のリップリング及びフッ素樹脂製のリッ
プリングを回転軸の周面に接触させて前記周面に沿った
流体の洩れを防止する軸封装置を備えた圧縮機を対象と
し、請求項6の発明では、前記ゴム製のリップリングに
対する前記回転軸の周面の摺接領域及び前記フッ素樹脂
製のリップリングに対する前記回転軸の周面の摺接領域
の少なくとも一方に固体潤滑層を設けた。
【0011】請求項7の発明では、請求項6において、
前記回転軸の周面全体に固体潤滑層を設けた。請求項8
の発明では、請求項6及び請求項7のいずれか1項にお
いて、前記回転軸の周面に対する前記ゴム製のリップリ
ングの摺接部及び前記回転軸の周面に対する前記フッ素
樹脂製のリップリングの摺接部の少なくとも一方に固体
潤滑層を設け、この固体潤滑層の組成と前記回転軸側の
固体潤滑層の組成とを異ならせた。
【0012】請求項6乃至請求項8の発明では、圧縮機
組み付け後の圧縮機初動時の潤滑不良状態においても、
前記固体潤滑層がこの固体潤滑層に摺接するリップリン
グの異常摩耗を防止する。
【0013】請求項9の発明では、請求項6乃至請求項
8の圧縮機は、吐出圧領域から制御圧室へ冷媒を供給す
ると共に、前記制御圧室から吸入圧領域へ冷媒を抜き出
し、前記制御圧室の制御圧と前記吸入圧領域の吸入圧と
の差圧に基づいて吐出容量を変える可変容量型圧縮機と
し、前記軸封装置は、前記制御圧室から前記回転軸の周
面に沿った冷媒洩れを防止するようにした。
【0014】圧力変動の大きい制御圧が作用する場合、
固体潤滑層のないリップリングは圧縮機組み付け後の潤
滑不良時に特に異常摩耗を生じやすい。本発明の軸封装
置は可変容量型圧縮機の軸封装置として好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、クラッチレス可変容量型圧
縮機に本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図
3に基づいて説明する。
【0016】図1に示すように、シリンダブロック11
と制御圧室121を形成するフロントハウジング12と
の間に架設支持された回転軸13は、車両エンジン(図
示略)から回転駆動力を得る。回転軸13には斜板14
が回転軸13と一体的に回転可能かつ傾動可能に支持さ
れている。シリンダブロック11の中心部にスライド可
能に収容された遮断体15は斜板14の傾動に連動し、
図1の鎖線で示す位置に斜板14が配置された状態では
遮断体15が吸入通路16を遮蔽する。遮断体15は軸
受け46を介して回転軸13を支持する。斜板14は図
1の実線で示す最大傾角位置と鎖線で示す最小傾角位置
との間で傾動する。
【0017】シリンダブロック11に貫設されたシリン
ダボア111内には圧縮動作体であるピストン17が収
容されている。斜板14の回転運動はシュー18を介し
てピストン17の前後往復揺動に変換される。リヤハウ
ジング19内の吸入圧領域となる吸入室191の冷媒
は、シリンダボア111内に圧縮室112を区画するピ
ストン17の復動によって吸入弁20を押し退けながら
吸入ポート21から圧縮室112へ吸入される。圧縮室
112の冷媒は、ピストン17の往動によって吐出弁2
2を押し退けながら吐出ポート23からリヤハウジング
19内の吐出圧領域となる吐出室192へ吐出される。
吸入室191と吸入通路16とは遮断体15の収容室1
13を介して接続している。
【0018】吸入室191へ冷媒ガスを導入する吸入通
路16と、吐出室192とは外部冷媒回路24で接続さ
れている。外部冷媒回路24上には凝縮器25、膨張弁
26及び蒸発器27が介在されている。膨張弁26は蒸
発器27の出口側のガス温度の変動に応じて冷媒流量を
制御する。
【0019】吐出室192と制御圧室121とを接続す
る圧力供給通路28上には電磁開閉弁29が介在されて
いる。圧力供給通路28は吐出室192の冷媒を制御圧
室121へ供給する。電磁開閉弁29はコントローラ3
0の励消磁制御を受け、コントローラ30は室温検出器
31によって得られる検出室温及び室温設定器32によ
て設定された目標室温に基づいて電磁開閉弁29の励消
磁を制御する。
【0020】制御圧室121の冷媒は、回転軸13内の
通路131、遮断体15の筒内、遮断体15に形成され
た絞り通路151、収容室113を介して吸入室191
へ流出する。図1の状態では電磁開閉弁29が励磁状態
にあり、弁体291が閉弁位置にある。この励磁状態に
おいては吐出室192の冷媒が制御圧室121へ送られ
ることはなく、制御圧室121の冷媒が通路131を経
由して吸入室191へ流出する。従って、制御圧室12
1の内の制御圧と吸入圧とのピストン17を介した差圧
が小さくなり、斜板14が最大傾角側へ移行する。電磁
開閉弁29の消磁状態では弁体291が開弁位置にあ
り、吐出室192の冷媒が制御圧室121へ送られる。
従って、制御圧室121の内の制御圧と吸入圧とのピス
トン17を介した差圧が大きくなり、斜板14が最小傾
角側へ移行する。遮断体15が吸入通路16を遮蔽した
ときには吸入通路16から吸入室191への冷媒流入が
なくなり、実質的な吐出作用は行われない。
【0021】以上のような容量可変動作を行なうクラッ
チレス可変容量型圧縮機のフロントハウジング12には
軸封装置であるリップシール33が組み付けられてい
る。回転軸13とフロントハウジング12との間にはシ
ール収容室122が形成されており、リップシール33
がシール収容室122に収容されている。
【0022】リップシール33は、リングケース34
と、リングケース34の外周側の凹条341に嵌められ
たゴム製のオーリング35と、リングケース34の内周
に配置された一対のリング形状の保持金具36,37
と、保持金具36に保持されたゴム製のリップリング3
8と、保持金具37に保持されたフッ素樹脂製のリップ
リング39と、リング形状の姿勢保持金具40とからな
る。フッ素樹脂製のリップリング39は例えばポリテト
ラフルオロエチレン製である。リングケース34はシー
ル収容室122の端面123と、シール収容室122の
周面124に組み込まれたサークリップ41との間に位
置規制されている。オーリング35はリングケース34
の外周側の凹条341とシール収容室122の周面12
4とに接合されている。保持金具36、37、ゴム製の
リップリング38、フッ素樹脂製のリップリング39の
各外周縁部は、リングケース34の内周側の凹条342
に配置されている。姿勢保持金具40はゴム製のリップ
リング38とフッ素樹脂製のリップリング39との間に
配置されている。
【0023】図2はリップシール33に回転軸13を通
していない状態を示す。図1に示すようにシール収容室
122にリップシール33を組み付けてリップシール3
3に回転軸13を通した状態では、ゴム製のリップリン
グ38の内周側及びフッ素樹脂製のリップリング39の
内周側が回転軸13の周面132に接触する。回転軸1
3の周面132に対して摺接するゴム製のリップリング
38の摺接部381には固体潤滑層42が設けられてい
る。回転軸13の周面132に対して摺接するフッ素樹
脂製のリップリング39の摺接部391には固体潤滑層
43が設けられている。フッ素樹脂製のリップリング3
9の摺接部391には図3(b)に示すような螺旋溝3
92が形成されている。リップシール33の組立前のフ
ッ素樹脂製のリップリング39は図3(b)に示すよう
に平板なリングである。螺旋溝392は図3(a)に示
すように固体潤滑層43をフッ素樹脂製のリップリング
39に設けた後に形成される。螺旋溝392は回転軸1
3との間の相対回転によって潤滑油を制御圧室121側
へ送り返す。
【0024】本実施の形態では、固体潤滑層42,43
は、二硫化モリブデンとグラファイトとポリアミドイミ
ド系の熱硬化性樹脂との混合物である。二硫化モリブデ
ン及びグラファイトは固体潤滑剤として優れており、ポ
リアミイミド系の熱硬化性樹脂は接着剤として機能す
る。リップシール33の組立前にゴム製のリップリング
38及びフッ素樹脂製のリップリング39の摺接部38
1,391にこれらの混合物を塗布してから乾燥すれ
ば、固体潤滑層42,43が摺接部381,391に付
着する。前記混合物の塗布は、スプレー塗装、パッド印
刷等によって行える。
【0025】本発明の固体潤滑剤としては、四フッ化エ
チレンなどのポリマー、二硫化モリブデン、グラファイ
ト、二硫化タングステン、酸化鉛、窒化ホウ素や、鉛、
金、インジュウム、錫等の軟質金属等を単独、あるいは
複数を組み合わせた物が使用可能である。接着剤として
はポリイミド系、ポリイミド系の熱硬化性樹脂が使用可
能である。鉛、金、インジュウム、錫等の軟質金属はメ
ッキ法により形成してもよい。
【0026】第1の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1-1)回転軸13の周面132に摺接するゴム製のリ
ップリング38及びフッ素樹脂製のリップリング39
は、制御圧室121からの回転軸13の周面132に沿
った冷媒の洩れを防止する。オーリング35は制御圧室
121からのシール収容室122の周面124に沿った
冷媒の洩れを防止する。
【0027】圧縮機を組み付けた後には制御圧室121
に潤滑油が入れられているが、圧縮機組み付け後の圧縮
機の初動時には潤滑油がシール収容室122へ充分に供
給されない。そのため、ゴム製のリップリング38の摺
接部381と回転軸13との間、及びフッ素樹脂製のリ
ップリング39の摺接部391と回転軸13との間では
潤滑油による潤滑が不足している。固体潤滑層42,4
3がない場合には、ゴム製のリップリング38はフッ素
樹脂製のリップリング39に比して摩耗しやすい。固体
潤滑層42,43は、圧縮機初動時の潤滑油不足による
摩耗を引き受ける。従って、圧縮機の初動時のシール収
容室122における潤滑油不足によるゴム製のリップリ
ング38の異常摩耗、フッ素樹脂製のリップリング39
の異常摩耗が防止される。このようなゴム製のリップリ
ング38、フッ素樹脂製のリップリング39の異常摩耗
の防止はリップシール33の長寿命化をもたらす。 (1-2)制御圧室121の制御圧は吐出圧相当になるこ
とがあり、制御圧室121の制御圧は大きく変動する。
圧力変動の大きい制御圧がゴム製のリップリング38に
作用する場合、固体潤滑層42がない場合には、ゴム製
のリップリング38は圧縮機組み付け後の初動時の潤滑
油不足時に特に異常摩耗を生じやすい。固体潤滑層42
を備えたリップシール33は可変容量型圧縮機の軸封装
置として特に好適である。 (1-3)一般に、ゴム製のリップリング38に比べフッ
素樹脂製のリップリング39の回転軸13との接触面積
が大きいため、フッ素樹脂製のリップリング39の発熱
を抑えることはゴム製のリップリング38の耐久性の向
上に寄与する。固体潤滑層43はフッ素樹脂製のリップ
リング39の摺接部における発熱を低減し、隣接するゴ
ム製のリップリング38のゴムの劣化が抑制される。
【0028】フッ素樹脂製のリップリング39はゴム製
のリップリング38に比して摩耗しにくく、しかも、シ
ール機能はゴム製のリップリング38が専ら受持つ。そ
のため、フッ素樹脂製のリップリング39の異常摩耗の
影響はゴム製のリップリング38の異常摩耗に比して軽
微である。そこで、図4の第2の実施の形態で示すよう
にゴム製のリップリング38側にのみ固体潤滑層42を
設けたリップシール33でも寿命が延びて信頼性が向上
する。
【0029】本発明では、フッ素樹脂製のリップリング
39側にのみ固体潤滑層42を設けた実施の形態も可能
である。この実施の形態では、フッ素樹脂製のリップリ
ング39の異常摩耗の低減や信頼性の向上のほか、フッ
素樹脂製のリップリング39の摺接部における発熱が低
減され、隣接するゴム製のリップリング38のゴムの劣
化が抑制されるという効果が得られる。一般に、ゴム製
のリップリング38に比べフッ素樹脂製のリップリング
39の回転軸13との接触面積が大きいため、フッ素樹
脂製のリップリング39の発熱を抑えることはゴム製の
リップリング38の耐久性の向上に寄与する。
【0030】本発明では、図5に示すように、リップシ
ール33の組み立て前にゴム製のリップリング38の全
表面に固体潤滑層42を塗布すると共に、フッ素樹脂製
のリップリング39の全表面に固体潤滑層43を塗布す
る第3の実施の形態、図6に示すように、リップシール
33の組み立て後にリップシール33の全表面に固体潤
滑層44を塗布する第4の実施の形態も可能である。
【0031】次に、図7の第5の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。この実施の形態では、ゴム製のリップリング3
8の摺接部381及びフッ素樹脂製のリップリング39
の摺接部391に接する回転軸13の周面132の摺接
領域に固体潤滑層45が設けられている。固体潤滑層4
5は錫メッキである。固体潤滑層45は圧縮機の初動時
のシール収容室122における潤滑油不足を補償し、圧
縮機の初動時の潤滑油不足によるゴム製のリップリング
38の異常摩耗、フッ素樹脂製のリップリング39の異
常摩耗が固体潤滑層45の存在によって防止される。
又、固体潤滑層45はフッ素樹脂製のリップリング39
の発熱を低減し、隣接するゴム製のリップリング38の
ゴムの劣化が抑制される。
【0032】本発明では以下のような実施の形態も可能
である。 (1)ゴム製のリップリング38の摺接部381に接す
る回転軸13の周面132の摺接領域にのみ固体潤滑層
45を設けること。 (2)フッ素樹脂製のリップリング39の摺接部391
に接する回転軸13の周面132の摺接領域にのみ固体
潤滑層45を設けること。 (3)固体潤滑層45として、錫メッキに代えて二硫化
モリブデン及びグラファイトの固体潤滑剤とポリアミイ
ミド系の熱硬化性樹脂との混合物を採用すること。 (4)回転軸13の周面132全体に固体潤滑層45を
設けること。即ち、斜板14に当接する回転軸13の周
面132の領域、斜板傾角変更時に斜板14と摺接する
回転軸13の周面132の領域、及び遮断体15内で回
転軸13を支持する軸受け46と摺接する回転軸13の
周面132の領域に固体潤滑層45が設けられる。 (5)第5の実施の形態におけるリップシールに代えて
第1の実施の形態におけるリップシールを採用するこ
と。
【0033】この場合、回転軸13の周面132に設け
られた錫メッキからなる固体潤滑層45に対し、ゴム製
のリップリング38及びフッ素樹脂製のリップリング3
9に設けられた二硫化モリブデン及びグラファイトの固
体潤滑剤とポリアミイミド系の熱硬化性樹脂との混合物
からなる固体潤滑層42,43が摺接する。異なる組成
の固体潤滑層の組み合わせによる摺接は、摺接時の溶着
を回避し、リップシール33の摺接部381,391の
耐久性及びリップシールの信頼性が向上する。 (6)圧縮機内の吸入圧領域から回転軸に沿った冷媒の
洩れを防止する軸封装置に本発明を適用すること。 (7)圧縮機以外の回転軸に沿った流体の洩れを防止す
る軸封装置に本発明を適用すること。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、回転軸
の周面に対するリップリングの摺接部に固体潤滑層を設
けたので、回転軸の周面とリップリングの摺接部との間
の潤滑が不良となる使用初期におけるリップリングの異
常摩耗を防止して軸封装置の寿命を延ばし得るという優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、要部拡大断面図を組
み込んだ圧縮機全体の側断面図。
【図2】要部拡大断面図。
【図3】(a)はリップシールの組立前のフッ素樹脂製
のリップリングに固体潤滑層を塗布した状態を示す正面
図。(b)は螺旋溝を形成した状態を示す正面図。
【図4】第2の実施の形態を示す要部拡大断面図。
【図5】第3の実施の形態を示す要部拡大断面図。
【図6】第4の実施の形態を示す要部拡大断面図。
【図7】第5の実施の形態を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
33…軸封装置であるリップシール、38…ゴム製のリ
ップリング、39…フッ素樹脂製のリップリング、38
1,391…摺接部、42,43…固体潤滑層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 一哉 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リップリングを回転軸の周面に接触させて
    前記周面に沿った流体の洩れを防止する軸封装置におい
    て、 前記回転軸の周面に対する前記リップリングの摺接部に
    固体潤滑層を設けた軸封装置。
  2. 【請求項2】前記軸封装置は、ゴム製のリップリング及
    びフッ素樹脂製のリップリングを備え、前記回転軸の周
    面に対する前記ゴム製のリップリングの摺接部及び前記
    フッ素樹脂製のリップリングの摺接部の少なくとも一方
    に固体潤滑層を設けた請求項1に記載の軸封装置。
  3. 【請求項3】前記回転軸の周面に対する前記ゴム製のリ
    ップリングの摺接部に固体潤滑層を設けた請求項2に記
    載の軸封装置。
  4. 【請求項4】前記回転軸の周面に対する前記フッ素樹脂
    製のリップリングの摺接部に固体潤滑層を設けた請求項
    2及び請求項3のいずれか1項に記載の軸封装置。
  5. 【請求項5】圧縮室を区画する圧縮動作体を回転軸の回
    転によって動かし、前記圧縮動作体の動作によって吸入
    圧領域から前記圧縮室へ冷媒を吸入すると共に、前記圧
    縮室から吐出圧領域へ冷媒を吐出する圧縮機において、 請求項1乃至請求項4のいずれかの軸封装置によって前
    記回転軸の周面に沿った冷媒の洩れを防止するようにし
    た軸封装置。
  6. 【請求項6】圧縮室を区画する圧縮動作体を回転軸の回
    転によって動かし、前記圧縮動作体の動作によって吸入
    圧領域から前記圧縮室へ冷媒を吸入すると共に、前記圧
    縮室から吐出圧領域へ冷媒を吐出し、ゴム製のリップリ
    ング及びフッ素樹脂製のリップリングを備え、前記ゴム
    製のリップリング及びフッ素樹脂製のリップリングを回
    転軸の周面に接触させて前記周面に沿った流体の洩れを
    防止する軸封装置を備えた圧縮機において、 前記ゴム製のリップリングに対する前記回転軸の周面の
    摺接領域及び前記フッ素樹脂製のリップリングに対する
    前記回転軸の周面の摺接領域の少なくとも一方に固体潤
    滑層を設けた圧縮機。
  7. 【請求項7】前記回転軸の周面全体に固体潤滑層を設け
    た請求項6に記載の圧縮機。
  8. 【請求項8】前記回転軸の周面に対する前記ゴム製のリ
    ップリングの摺接部及び前記回転軸の周面に対する前記
    フッ素樹脂製のリップリングの摺接部の少なくとも一方
    に固体潤滑層を設け、この固体潤滑層の組成と前記回転
    軸側の固体潤滑層の組成とを異ならせた請求項6及び請
    求項7のいずれか1項に記載の圧縮機。
  9. 【請求項9】圧縮機は、吐出圧領域から制御圧室へ冷媒
    を供給すると共に、前記制御圧室から吸入圧領域へ冷媒
    を抜き出し、前記制御圧室の制御圧と前記吸入圧領域の
    吸入圧との差圧に基づいて吐出容量を変える可変容量型
    圧縮機であり、前記軸封装置は、前記制御圧室から前記
    回転軸の周面に沿った冷媒洩れを防止する請求項6乃至
    請求項8のいずれか1項に記載の圧縮機。
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