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JPH11266872A - NF−κBの活性化を抑制する物質のスクリーニング方法 - Google Patents

NF−κBの活性化を抑制する物質のスクリーニング方法

Info

Publication number
JPH11266872A
JPH11266872A JP10090664A JP9066498A JPH11266872A JP H11266872 A JPH11266872 A JP H11266872A JP 10090664 A JP10090664 A JP 10090664A JP 9066498 A JP9066498 A JP 9066498A JP H11266872 A JPH11266872 A JP H11266872A
Authority
JP
Japan
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activation
sequence
gene
expression
hinos
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10090664A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Nunokawa
陽一 布川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Ltd filed Critical Suntory Ltd
Priority to JP10090664A priority Critical patent/JPH11266872A/ja
Priority to US09/272,706 priority patent/US6156516A/en
Priority to EP99302196A priority patent/EP0955372A3/en
Publication of JPH11266872A publication Critical patent/JPH11266872A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6897Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids involving reporter genes operably linked to promoters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NF−κBの活性化を抑制する物質の新規な
スクリーニング方法。 【解決手段】 NF−κB認識配列、並びにヒト誘導型
一酸化窒素合成酵素(hiNOS)遺伝子の3’−非翻
訳領域(3’−UTR)の少なくとも一部分及び3’−
フランキング領域の少なくとも一部分を含む発現制御配
列;並びに、この発現制御配列を有し、NF−κBの活
性化を検出し得る細胞を被験物質で処理し、レポーター
遺伝子の発現量の変化を観察することを特徴とする、N
F−κBの活性化を抑制する物質のスクリーニング方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト誘導型一酸化
窒素合成酵素(hiNOS )の発現を制御する配列を有する
遺伝子を利用した、NF−κB の活性化を阻害する合成化
合物又は天然物由来の化合物を簡便且つ高感度にスクリ
ーニング及び評価する方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】炎症性疾患の原因は、多くの種類のメデ
ィエーターの産生であることが明らかにされており、疾
患の原因を一つのメディエータに特定できないことが炎
症性疾患治療薬の開発を困難にしている。上記のメディ
エーターの産生を制御する要因のひとつにNF−κB の活
性化が挙げられる。
【0003】NF−κB は、遺伝子発現の調節を行うタン
パク質、いわゆる転写因子の一つである。正常細胞をイ
ンターロイキン(IL)−1や腫瘍壊死因子(TNF)
−αといった炎症性サイトカインやリポ多糖で、また紫
外線などで刺激するとNF−κB は活性化されて細胞質か
ら核内へ移行し、ゲノム DNA上の特異塩基配列に結合
し、種々の遺伝子の発現に関与するようになる(Blackw
ell, T. S. and Christman, J. W. (1997) Am J Respir
Cell Mol Biol, 17, 3-9 )。
【0004】NF−κB によって発現調節を受けていると
されている遺伝子は、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNO
S)、TNF-α、IL-1、IL-6、IL-8等の炎症性サイトカイ
ンや、ICAM-1、VCAM-1、ELAM-1等の細胞接着因子など免
疫炎症反応に関与するものに多く認められている(Coll
ins, T., Read, M. A., Neish, A. S., Whitley, M.
Z., Thanos, D. and Maniatis, T. (1995) Faseb J, 9
, 899-909)。更に、炎症性サイトカインは、レセプタ
ーに結合すると種々の経路によって、NF−κB を活性化
するシグナルを伝達していくことが知られており、その
ことが炎症を一層悪化させる原因とも考えられている。
このように、炎症においてNF−κB の活性化は、疾病の
原因及び増悪因子として理解されている(Baeuerle, P.
A. and Baichwal, V. R. (1997) Adv Immunol , 65,
111-137 )。
【0005】また、 HIV、HTLV-1、CMV 、アデノウイル
スなどは宿主細胞におけるNF−κBを活性化をすること
が近年報告されている(Dezube, B. J., Pardee, A.
B., Beckett, L. A., Ahlers, C. M., Ecto, L., Allen
-Ryan, J., Anisowicz, A., Sager, R. and Crumpacke
r, C. S. (1992) J Acquir Immune Defic Syndr, 5 , 1
099-1104 、Nabel, G. and Baltimore, D. (1987) Natu
re, 326 , 711-713 、Fazely, F., Dezube, B. J., Al
len-Ryan, J., Pardee, A. B. and Ruprecht, R.M. (19
91) Blood, 77, 1653-1656 、Munoz, E. and Israel,
A. (1995) Immunobiology, 193 , 128-136 )。NF−κ
B の活性化によってその転写が活性化され、ウイルスの
増殖と感染が進行する。
【0006】更に、種々の慢性炎症疾患におけるNF−κ
B の活性化が確認されている(Marok R, Winyard PG, C
oumbe A, Kus ML, Gaffney K, Blades S, Mapp PI, Mor
risCJ, Blake DR, Kaltschmidt C, Baeuerle PA (1996)
Arthritis Rheum 39, 583-591 )。
【0007】NF−κB の活性化は様々な炎症性疾患に関
する遺伝子の発現に影響を与え、既に述べたようにiNOS
の場合もその遺伝子の発現に影響を受ける一例である。
iNOSはL-アルギニンを基質として一酸化窒素(NO)を生
合成する酵素であり、hiNOSについては 5'-フランキン
グ領域約 0.4-kb の配列を含む当該構造遺伝子の全構造
が明らかにされている(Chartrain, N. A., Geller, D.
A., Koty, P. P., Sitrin, N. F., Nussler, A. K., H
offman, E. P., Billiar, T. R., Hutchinson,N. I., a
nd Mudgett, J. S. (1994) J. Biol. Chem., 269 , 676
5-6772 )。iNOSの過剰な発現誘導が原因となって産生
される過剰な NO が正常細胞に傷害を与え、種々の病態
を引き起こすと考えられる。
【0008】iNOSは種を越えて炎症状態によって誘導さ
れることが報告されており、その酵素活性及び発現の抑
制は症状緩和に効果があることが示されている(Cattel
l, V. and Jansen, A. (1995) Histochem J ., 27, 77
7-784 、Nussler, A. K. andBilliar, T. R. (1993) J
Leukoc Biol, 54, 171-178 )。また、マウスの iNOS
(miNOS )のノックアウトマウスを用いた実験では、敗
血症やカラゲニンによる炎症の抵抗性が示されており、
iNOSが発現することはこれらの病態の原因であることが
明らかとなっている(Wei, X. Q., Charles, I. G., Sm
ith, A., Ure,J., Feng, G. J., Huang, F. P., Xu,
D., Muller, W., Moncada, S. and Liew,F. Y. (1995)
Nature, 375 , 408-411 )。
【0009】従って、活性化されたNF−κB を抑制する
ことができれば iNOSのみならず、その他の炎症性サイ
トカインや接着分子などをコードする遺伝子及びウイル
スの発現誘導を一網打尽に抑制することが可能であると
考えられる。このような現状下において、炎症の原因と
して関与する蛋白質の産生や発現を広く阻害できる低分
子化合物が望まれており、このような物質は、特にNF−
κBの活性化が直接又は間接的に原因となる疾患に対す
る治療薬や予防薬、例えば種々の自己免疫疾患の治療薬
や予防薬、免疫抑制剤、ウイルス感染治療薬や予防薬と
して有望である。しかしながら、NF−κB の活性化を評
価することにより、当該活性を抑制する物質(特に医薬
品候補物質)をスクリーニングするために用いることが
できる十分な評価方法がないために、更に簡便で且つ高
感度な評価方法が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、NF−κB
の活性化を抑制することができる合成化合物又は天然物
由来の化合物を簡便且つ高感度にスクリーニングできる
方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】ある転写因子の活性化を
簡便かつ高感度に知る方法として、レポーター遺伝子が
利用されている(横田崇、新井賢一、(1993)バイオマニ
ュアルシリーズ 4、羊土社)。レポーター遺伝子は、テ
ストを行う転写因子の活性化を直接検出する代わりに用
いられるもので、現在、クロラムフェニコールアセチル
トランスフェラーゼ(CAT )、β−ガラクトシダーゼ
(β−Gal )、ルシフェラーゼなどが汎用されている。
レポーター遺伝子の翻訳領域の上流または下流にテスト
を行う転写因子の認識配列を含む遺伝子を挿入したプラ
スミドを作製し、当該転写因子の機能を高感度に検出す
ることができる。
【0012】現在汎用されているレポーター遺伝子は、
熟成 mRNA を発現させる目的で通常SV40 由来のポリA
付加を示す領域を加えて構築されている。過去の他グル
ープの報告に用いられているプラスミドを含め、発明者
の用いた pGL3 basic プラスミド(プロメガ社(米
国))にも当該構築がなされている(図1、配列番号:
1)。そのため、テストされる遺伝子の誘導が転写の活
性化によるものだけでなく、産生された mRNA の不安定
さにも起因する場合には、レポーター遺伝子構築系にそ
れらの要素を組み込む必要が考えられる。本発明に係る
課題を解決するために、本発明者はNF−κB の認識配列
を有するhiNOS 遺伝子の発現が 5'-フランキング領域以
外で制御されている可能性に着目した。
【0013】即ち、hiNOS 遺伝子にはNF−κB の認識配
列が存在しており、hiNOS 遺伝子の発現はNF−κB によ
って制御されていると考えられるが、hiNOS 遺伝子の発
現制御の機作は十分解明されていないのが現状である。
hiNOS 遺伝子の 5'-フランキング領域約 3.2-kb とレポ
ーター遺伝子を連結したプラスミドを細胞に導入して解
析を行ったところ、NF−κB 認識配列が含まれているの
にもかかわらず、当該領域を用いるだけでは hiNOS誘導
の機作を説明することができない(Nunokawa,Y., Oikaw
a, S., and Tanaka, S. (1996) Biochem. Biophys. Re
s. Commun., 223 , 347-352 )。言い換えれば、hiNOS
の発現に関与するNF−κB の活性化に関しては、hiNOS
のプロモーター領域を含む5'- フランキング領域だけで
は説明できない。
【0014】一方で、hiNOS 遺伝子のexon 26(配列番
号:2;図2)中の3'- 非翻訳領域(UTR )の配列を精
査検討したところ、hiNOS 遺伝子の 3'-UTR にはその m
RNA の不安定化に関与すると報告されている配列(AUUUA
配列) が 4ヶ所認められたので(図2の下線部)、 hiN
OS発現にはその遺伝子を不安定にする要素が誘導を支配
している可能性があると考えた。そこで、 3'-UTR とそ
の下流のフランキング領域を用いることで、より本来の
hiNOS 遺伝子の発現形式を模倣することができ、hiNOS
の誘導に関与するNF−κB の活性化を検出できるのでは
ないかと考えた。
【0015】従って、上記の発現ベクターにおいて、NF
−κB 認識配列を含むhiNOS 遺伝子のプロモーター領
域、レポーター遺伝子の下流に更に hiNOS遺伝子の 3'-
UTR と3'-フランキング領域を含む約 1-kb を挿入して
みたところ、当該領域がNF−κB 認識配列を含むプロモ
ーター領域と協調して強い発現誘導に関与することが見
出された。即ち、上記領域を挿入することで、従来技術
において問題となっていた非誘導条件下でのレポーター
遺伝子の発現は消失し、サイトカインを作用させること
で初めてNF−κB の活性が認められるような評価系を確
立することができた。
【0016】即ち、本発明で記述されている hiNOS遺伝
子の 3' −領域を利用することによって、これまで評価
し得なかったNF−κB の活性化を評価することができる
ようになり、これによりNF−κB の活性化に基づく疾患
の治療用医薬を製造するための候補化合物(即ち、NF−
κB の活性化を抑制する化合物)をスクリーニングする
方法が完成した。本発明の主な目的は、遺伝子発現の制
御に関与するNF−κB の活性化に係る評価系を確立し、
NF−κB の活性化を抑制することができる合成化合物又
は天然物由来の化合物を簡便且つ高感度にスクリーニン
グできる方法を提供することであるが、具体的には本発
明は以下の各発明からなる。
【0017】(1)NF−κB 認識配列、並びにhiNOS 遺
伝子の3'- UTRの少なくとも一部分及び3'- フランキ
ング領域の少なくとも一部分を含む発現制御配列又はhi
NOS遺伝子の3'- フランキング領域が配列番号15の塩
基配列からなる場合の当該発現制御配列。 (2)上記発現制御配列を含む発現ベクター及びレポー
ター遺伝子を更に含む発現ベクター。 (3)(ア)プロモーター領域を含むhiNOS 遺伝子の5'
- フランキング領域、(イ)レポーター遺伝子及び
(ウ)請求項1又は2記載の発現制御配列を、5'側から
この順序で含む発現ベクター。 (4)上記発現ベクターのうち何れかの発現ベクターで
形質転換された細胞。
【0018】(5)上記発現制御配列を有する細胞を被
験物質で処理し、レポーター遺伝子の発現量の変化を観
察することを特徴とする、NF−κB の活性化を抑制する
物質のスクリーニング方法。 (6)発現制御配列を有する細胞が形質転換体である場
合の上記スクリーニング方法。 (7)被験物質が混合物であることを特徴とする上記の
スクリーニング方法。 (8)上記の細胞を含む、NF−κB の活性化を抑制する
物質をスクリーニングするためのキット。
【0019】(9)上記スクリーニング方法を用いて得
ることができるNF−κB の活性化を抑制する化合物。 (10)上記化合物を有効成分として含有するNF−κB
の活性化の異常を伴う疾患を治療するための医薬組成
物。 (11)NF−κB の活性化に起因する疾患を治療するた
めの医薬組成物の調製のための上記化合物の使用。 (12)上記化合物を投与することを含む、NF−κB の
活性化の異常を伴う疾患を治療又は予防する方法。
【0020】本発明に用いられる hiNOS遺伝子の 5'-フ
ランキング領域、5'-UTR、3'-UTR及び 3'-フランキング
領域を構成するDNA には、ヒト細胞から単離されたもの
のみならず、合成によって製造されたものも含まれる。
また、これらの DNAに化学的修飾を加えたものや、これ
らの塩基に、置換、欠失、付加などの改変が加えられた
DNAも、発現制御が維持されるかぎり用いられる。な
お、本発明に好適に用いられる hiNOS遺伝子の 3'-フラ
ンキング領域を構成する DNAとしては、例えば配列番
号:15(図5の枠外の配列)に記載の塩基配列を有す
るものがあげられる。
【0021】本発明のレポーター遺伝子としては、その
発現産物の活性又は生産量(mRNAの生産量も含まれる)
を当業者が測定可能なものであれば、いかなるペプチ
ド、タンパク質をコードする遺伝子も用いられる。例え
ば、既に述べたようにクロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ(CAT )、β−ガラクトシダーゼ(β
-Gal)、ルシフェラーゼ等を酵素活性を測定することで
利用できる。また、分泌型成長ホルモンなどは、免疫抗
体反応法などでその生産量を測定することで利用するこ
とができる。
【0022】本発明に係るNF−κB の活性化を評価する
のに用いられる発現ベクターは、NF−κB 認識配列、hi
NOS 遺伝子の3'- UTRの少なくとも一部分及び3'- フ
ランキング領域の少なくとも一部分を有する発現制御配
列を、複製可能なベクター中に挿入することによって得
ることができる。該複製可能なベクターとしては、例え
ば大腸菌内で複製可能なものとして、pUC18 、pGEM-3Z
などが挙げられる。本発明においてNF−κB の活性化を
阻害する物質をスクリーニングする際には、本発明に係
る発現ベクターで形質転換された細胞、又は天然の細胞
であっても本発明で示された発現制御配列を有し、NF−
κB の活性化を検出し得る細胞を用いることができる。
当該細胞としては、哺乳動物細胞が好適に用いられる。
【0023】形質転換は、通常の方法によって行うこと
ができる。また、本発明に用いられる形質転換細胞とし
ては、ベクターが定常的(パーマネント)に宿主染色体
に組み込まれたものの他、ベクターが一時的(トランジ
エント)に宿主に導入されたものが用いられる。ベクタ
ーが定常的に宿主染色体に組み込まれたものの選択は、
導入したいベクター内に選択マーカー遺伝子を組み込ん
だベクター、又は、導入したいベクターと同時に選択マ
ーカーを含むベクターで宿主細胞を形質転換し、該選択
マーカーを有しているものだけが生存できる培地で該形
質転換された細胞を培養することによって行うことがで
きる。
【0024】本発明におけるNF−κB の活性化を抑制す
る物質のスクリーニングは、具体的には例えば、一定時
間培養した形質転換細胞に、被験物質の任意の量を添加
し、一定時間後の該細胞が発現するレポーターの量を酵
素活性として、又は発現タンパク質の量として測定する
ことによって行うことができる。スクリーニングの被験
物質は、天然物でも合成物でもよい。また、単一物質で
も、混合物でもよい。例えば、候補となる単一物質を独
立して試験してもよく、いくつかの候補となる物質を混
合したものについて試験をしてもよい。更に、コンビナ
トリアルライブラリーについて試験することも可能であ
る。また、細胞抽出物のような混合物を分画したものに
ついて試験を行い、分画を重ねて、最終的にNF−κB の
活性化に影響を与える物質を単離することも可能であ
る。
【0025】更に、本発明における、NF−κB の活性化
に影響を与える特定の物質の活性を変化させる物質のス
クリーニングは、具体的には、例えば、一定時間培養し
た形質転換細胞に、候補物質の任意の両を添加し、一定
時間後の当該細胞におけるレポーター遺伝しの発現量の
変化を、酵素活性の変化として、又は発現タンパク質の
量の変化として測定することによって行うことができ
る。スクリーニングの候補物質については、NF−κB の
活性化に影響を与える物質のスクリーニングと同様であ
る。
【0026】本発明に係るNF−κB の活性化を阻害する
物質の効力については、哺乳動物に関わるNF−κB を活
性化しうる細胞又はその生体組織がNF−κB を活性化し
うる条件下で、当該物質の添加又は投与によって培養
液、血液、尿などに放出されるNO や TNF- αなどの炎
症性タンパク質の産生量の低下の度合いを調べることに
よって測定することができる。NOの生成量は、グリース
法に代表される公知の方法によって、炎症性タンパク質
の産生量は抗体作製が可能なものに関しては、酵素免疫
測定法によって測定することができる。また、細胞の増
殖などを指標にした生理活性を測定することができる。
上記のような、本発明のスクリーニング方法又はスクリ
ーニング用キットを用いて得られるNF−κB の活性化を
抑制する化合物の具体例としては、図11の化学式で表
される化合物が挙げられる。
【0027】本発明に係る物質は、直接又は間接的にNF
−κB の活性化を抑制することができるため、NF−κB
の過剰な活性化が原因となる疾患、例えば種々の炎症メ
ディエーターの過剰産生やウイルスの増殖に起因する疾
病に対する予防薬、治療薬としての有効性が期待され
る。具体的には、例えば、 NO や TNF- αの過剰産生が
発症原因として考えられる疾患、敗血症ショック、変形
性関節症、慢性関節リウマチ、悪液質、多臓器不全、炎
症性腸疾患、マラリア、後天性免疫不全症候群、ヒト T
細胞白血病、髄膜炎、肝炎、II型糖尿病、多発性硬化
症、ベーチェット病、全身性紅斑性狼瘡、全身性エリテ
マトーデス、虚血性心疾患などに対する治療及び予防薬
として有用である。
【0028】本発明のスクリーニング方法又はスクリー
ニング用キットを用いて得られる化合物を上述の医薬組
成物として使用する場合、例えば、錠剤、カプセル剤、
エリキシル剤、マイクロカプセル剤等の剤形で経口的
に、あるいは水若しくはそれ以外の薬学的に許容し得る
液との溶液、又は懸濁液剤等の注射剤の形で非経口的に
使用できる。例えば、当該化合物と、生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、安定剤等とを、一般に認め
られた形態で混和することによって製造することができ
る。
【0029】錠剤等に混和することができる添加剤とし
ては、例えば、ゼラチンのような結合剤、コーンスター
チのような膨化剤、結晶性セルロースのような賦形剤、
ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤等を用いるこ
とができる。カプセルの剤形である場合には、前記の組
成物に更に液状担体を含有することができる。注射のた
めの無菌組成物も、通常の処方を適用することができ
る。
【0030】注射用の水溶液としてはブドウ糖等を含む
等張液等が挙げられ、ポリエチレングリコールのような
適当な溶解補助剤等と併用してもよい。また、緩衝剤、
安定剤、保存剤、酸化防止剤、無痛化剤等を配合しても
よい。このようにして得られる製剤は、例えば、ヒトを
はじめとする哺乳動物に対して投与することができる。
投与量は、症状等により差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に成人においては、1日につき約0.01〜100m
g 、好ましくは約0.1 〜50mg、より好ましくは約1.0 〜
25mgである。非経口的に投与する場合は、例えば、注射
剤の場合、一般的に成人においては、1日につき約0.00
1 〜50mg程度、好ましくは約0.01〜25mg程度、より好ま
しくは約0.1 〜10mg程度を静脈注射により投与するのが
好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明する。実施例1. 発現ベクターの構築 1)hiNOS 5'- フランキング領域のクローニング2.5 x
106 個からなるヒトゲノムライブラリー(クロンテック
社、アメリカ、EMBL 3ベクターに組み込まれたファージ
ライブラリー)から、プラークハイブリダイゼーション
によって、hiNOS 5'- フランキング領域 DNAを含むクロ
ーンのスクリーニングを行うためのプローブを作製し
た。
【0032】プローブは、発明者が単離したラット由来
iNOS cDNA (VSM-NOS)(Nunokawa,Y., Ishida, N., and
Tanaka, S. (1993) Biochem. Biophys. Res. Commun.,
191 , 89-94 )を鋳型にし、SU802 プライマー(ラッ
ト VSM-NOS cDNA の -138 番〜 -117 番に相当/配列番
号:3、図4)及び MI103プライマー(同 168番〜 188
番に相当/配列番号:4、図4)を用いて、ポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR )によって増幅した cDNA を用いた。
PCR は、Taq ポリメラーゼ(宝酒造社)とその添付緩衝
液を用いて行なった。この cDNA は、 hiNOS構造遺伝子
の 5' 末端の塩基配列と相同性が高いことが明らかであ
る。プラークハイブリダイゼションは、ECLダイレクト
DNAラベリング検出システム(アマシャム社、英国)を
用いてその実験手順法に従って行なった。
【0033】陽性プラークをキアゲンラムダキット(キ
アゲン社、ドイツ)を用いて精製した後、 EcoR I で消
化し、このプローブを用いたサザンブロット解析によっ
て約5-kb の DNAがハイブリダイズすることを確認し
た。EcoR Iで消化された約 5-kb の DNAを pUC 118プラ
スミド(宝酒造社)の EcoR I 部位にサブクローニング
した後、 Nco I認識部位作製のため、図3(配列番号:
11)で示したように塩基配列を置換した変異体プラス
ミドを作製した。作製はクロンテック社キットを用いて
その実験手順法に従った。作成後、Kpn I 及び Nco Iで
消化しその DNA断片を以下の3)の実験で用いた。
【0034】2)前記hiNOS 3'- UTR 及びその領域を含
む下流約 1-kb の遺伝子断片のクローニング 前記1)で用いたヒトゲノムライブラリーを 60 のサブ
プール(1プールあたり約4万クローン)に分け、hiNO
S cDNA 3'-UTR の配列(図5の枠内部分)を基に2種の
フォワード(SA101 /配列番号:5、SA102 /配列番
号:7)及びリバースプライマー(KI101 /配列番号:
6、KI102 /配列番号:8)を作成し(図4)、PCR に
よって 3'-UTR を含むプールを同定した。更にその陽性
プールを 30 のサブプールに分け、同様の PCRをおこな
って陽性クローンが含まれるプールを同定した。
【0035】この時点で、プールの中には計算上約 100
0 以上のクローンが含まれていると思われたが、同定し
たサブプールの全クローンを含むファージを培養し、キ
アゲンラムダキット(キアゲン社)を用いてファージ D
NAを精製した後、SA101 と KI101を用いる PCRによって
DNAの増幅が認められたことから、 hiNOSの 3'-UTRが
含まれていることを確認した。PCR の確認は上記1)と
同じ方法で行なった。
【0036】次に、精製 DNAを鋳型にしてフォワードプ
ライマー(SA101 )とファージベクター上の EMBL 3 右
アーム SP6プロモーター部分の塩基配列を基に作成した
リバースプライマー(KI103 /配列番号:9、図4)を
用いて PCRによって 3'-UTRを含むその下流部分の DNA
を増幅した。増幅された DNAの塩基配列を蛍光シークエ
ンサーによる直接塩基配列決定法によって決定した。そ
の結果を配列番号:13及び図5に示す。その塩基配列
分析から、増幅された DNAはhiNOS 3'-UTRを含む領域で
あることが確認できたので、その情報を基にポリ A付加
部位を決定し、3'- フランキング領域の塩基配列を基に
KI105リバースプライマー(配列番号:12)を作製し
た(図4、図5)。
【0037】精製 DNAを鋳型にして SA103(配列番号:
10、図4)と KI105 を用いた PCRによって、3'-UTR
及び 3'-フランキング領域を含む約 1-kb のDNA を増幅
した。SA103 は、5'末端に Nhe I認識部位を、KI105 は
5' 末端に BamH I 認識部位を導入してあるので、 Bam
H I 及び Nhe Iで消化しその DNA断片(3'-UTR+3'-フラ
ンキング領域)を以下の3)の実験で用いた。
【0038】3)pGL3/hiNOSである各プラスミドの構築
(図6) A.プラスミドpGLNOS5+SV3 の構築 5'- フランキング領域と 5'- UTRを pGL3 basic プラス
ミドのルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入したプラスミ
ドpGLNOS5+SV3 を構築するために、pGL3 basicプラスミ
ド(プロメガ社、米国)を制限酵素 Kpn I及び Nco Iで
消化し、上記1)で作製した DNA断片を挿入した(図6
A )。
【0039】B.プラスミドpGLNOS3Aの構築 pGL3 basicプラスミドに含まれるルシフェラーゼ遺伝子
の終止コドン直下からSV40 由来ポリA 付加シグナルの
領域までが除去され、その代わりに hiNOS遺伝子の 3'-
UTR と 3'-フランキング領域を含む約 1-kb の断片のみ
を pGL3 basicルシフェラーゼ遺伝子の下流に挿入した
プラスミドpGLNOS3Aを構築するために、pGL3 basicプラ
スミドを BamH I 及び Xba Iで消化し、上記2)で作製
した DNA断片(3'-UTR+3'-フランキング領域)を挿入し
た(図6B )。
【0040】C.プラスミドpGLNOS53A の構築 pGL3 basicルシフェラーゼ遺伝子の上流にhiNOS 遺伝子
の 5'-フランキング領域と 5'- UTRが挿入され、更にル
シフェラーゼ遺伝子の終止コドン直下から SV40 由来ポ
リA 付加シグナルの領域までが除去され、その代わりに
hiNOS遺伝子の3'-UTR と 3'-フランキング領域を含む
約 1-kb の断片を挿入したプラスミドpGLNOS53A を構築
するために、pGL3 basicプラスミドを BamH I 及び Xba
Iで消化し、上記2)で作製した DNA断片(3'-UTR+3'-
フランキング領域)を挿入した。当該プラスミドを制限
酵素 Kpn I及び Nar Iで消化し、上記1)で作製した D
NA断片を挿入した(図6C )。
【0041】実施例2. pGL3/hiNOSの一過性発現系にお
ける反応 サイトカイン刺激によって hiNOSを発現することが知ら
れているヒト肺癌由来株細胞 A549 を ATCC より入手し
(カタログ番号;CCL185)、5% CO2インキュベーター内
で GIT培地(和光純薬)で培養した。実施例1で作製し
た各pGL3/hiNOSプラスミドを A549 細胞に一過性に細胞
導入し、ヒト IL-1 β(1 ng/ml )及びヒト IL-1 β
(1 ng/ml )+ ヒト IFN-γ(1000 U/ml )+ ヒト TNF
- α(500ng/ml )(この混合物を以下「CM」と称する
ことがある)を添加した6時間後の反応を調べた(図
7)。
【0042】ルシフェラーゼ活性測定は、ルシフェラー
ゼアッセイシステム(プロメガ社、米国)のプロトコー
ルに従って行った。ヒト IL-1 βは、ゼンザイム社(米
国)より購入した。ヒト IFN-γ及びヒト TNF- αは、
サントリー生物医学研究所で通常の方法により製造した
ものを使用した。この実験の場合、アッセイの標準化を
行なうため対象ベクターとしてβ-Gal発現ベクター(pS
V-β-Galコントロールベクター、プロメガ社)を同時に
導入し結果を補正した。pGLNOS5+SV3 を導入した場合、
非刺激時の高い発現が認められ、サイトカインによる強
い誘導は認められなかった。5'- フランキング領域を欠
いた pGLNOS3Aプラスミドを用いた場合には、非刺激時
の発現だけでなくサイトカインによる刺激によっても発
現の誘導はみられなかった。
【0043】しかしながら hiNOS遺伝子の 3'-UTR と
3'-フランキング領域を含むプラスミドであるpGLNOS53A
を用いた場合、非刺激時にはルシフェラーゼの発現が
殆ど認められず、IL-1βの添加ではじめて高い発現を認
められるようになり、更に3種のサイトカインの添加に
よって非常に強い発現を示すようになった。即ち、hiNO
S 遺伝子は、その遺伝子の 5'- UTRを含む上流部分と
3'- UTRを含む下流部分領域の両方が協調して発現制御
が行なわれることがわかった。これにより、本発明にお
いて用いられるプラスミドはレポーター遺伝子の前後に
それぞれ両領域の少なくとも一部分が挿入されることで
初めて実現可能であり、いずれか一方のみでは実現不可
能であることが示された。
【0044】実施例3. 形質転換体(A549/hiNOSLuc 及
びA549/NF-κBLuc)の作製 pGLNOS53A を安定導入した A549 細胞(A549/hiNOSLuc
)及びNF−κB 認識配列によって制御されているルシ
フェラーゼプラスミド(pNF κB-Luc )を安定導入した
A549 細胞(A549/NF-κBLuc)を作製するために以下の
操作を行った。即ち、A549細胞にリポフェクトアミン
(ライフテックオリエンタル社、東京)を用いて、pGLN
OS53A 又は pNFκB-Luc (ストラタジーン社、米国)と
pSV2neo(クローンテック社、米国)を同時にトランス
フェクションし、G418 硫酸塩 (1 mg/ml 、ライフテッ
クオリエンタル社)を培地に添加することにより、 pGL
NOS53A又は pNFκB-Luc が安定導入された細胞(A549/h
iNOSLuc 及びA549/NF-κBLuc)を選択した。
【0045】実施例4. A549/hiNOSLuc 及び A549/NF−
κBLucのサイトカイン刺激に対する反応 表1 に示すように、サイトカインに対する反応を調べる
と、A549/hiNOSLuc の場合、IL-1βのみの添加によって
も反応を示したが、hiNOS の誘導に必須であるIL-1 β+
IFN- γ+TNF- αの3 つのサイトカイン(CM)の添加に
よってコントロールの 500倍以上という非常に高い誘導
を得ることができた。
【0046】また一方、 A549/NF−κBLucを用いた場合
には、hiNOS の発現誘導の場合とは異なる反応を示し、
IL-1β及び TNF- α単独の刺激によって誘導がかかるこ
とがわかったが、IFN-γを作用させた場合の影響は少な
く、最大40倍程度の誘導を認めるにとどまった。これら
のことから、pGLNOS53A と pNFκB-Luc を活性化するシ
グナルは区別されており、A549/hiNOSLuc は、hiNOS の
発現に関与するNF−κB の活性化を評価するのに有用で
ある。
【0047】
【表1】
【0048】実施例5. hiNOS 発現誘導に関与する遺伝
子配列 ゲルシフト法によって、hiNOS 遺伝子の 5'-フランキン
グ領域〔転写開始点の上流131 塩〜97塩基(-131番〜-9
7 番);配列番号:14〕に存在するNF−κB認識配列
〔転写開始点の上流115 塩基〜106 塩基(-115番〜 -10
6 番)、配列番号:14における17番(G) 〜26番(C) 〕
に結合する蛋白質を、サイトカイン刺激によって認める
ことができる。
【0049】ゲルシフト法は、本配列をディゴキシゲニ
ン(DIG )化し、 A549 細胞から抽出した核画分とイン
キュベートし、7.5 % ポリアクリルアミドゲルを用いて
4℃で電気泳動することによって行なった。また、細胞
の核画分は細胞を無刺激及びIL-1 β(1 ng/ml )及び
CM で4時間刺激した細胞をシュライバーらの方法(Sch
reiber, E., Matthias, P., Muller, M. M., and Schaf
fner, W. (1989) Nucleic Acids Res. 17, 6419 )で抽
出した。電気泳動の終わったゲル中の DNAを電気転写法
を用いてナイロン膜に移し替え、化学発光する DIG認識
抗体で DIG化された DNA検出する。
【0050】図8は、その結果を示したものであるが、
本配列には非刺激時の A549 核画分にも非特異的に結合
する蛋白質 (A)が認められることがわかった。しかし、
IL-1βや CM 刺激によって強い別の結合蛋白質 (B)が結
合するようになることがわかった。これらのことから、
本発明に用いるhiNOS 遺伝子の 5'-フランキング領域に
は、サイトカイン刺激に応答するNF−κB 認識配列が含
まれていることが示された。
【0051】実施例6. 公知化合物による確認 NF−κB の活性化を阻害することが知られている化合物
により、本発明に係るスクリーニング方法がNF−κB の
活性化を評価できることを確認した。 1)糖質ステロイドによる評価 デキサメサゾン(Dex )は強力な抗炎症作用を有してお
り、その作用メカニズムの一つは、転写因子NF−κB の
活性化の抑制であることが知られている(Ray,A., and
Prefontaine, K. E. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 91, 752-756 )。Dex は10μM 以下の濃度で、IL-
1β(1 ng/ml )及び CM を24時間処理した場合に活
性化するレポーター遺伝子の発現を抑制した(図9)。
【0052】2)蛋白質分解酵素阻害剤の影響蛋白質分
解酵素は I- κB (NF−κB の活性化を細胞質内で抑制
している蛋白 質)の分解を介して、NF−κB の活性化に関与すると考
えられている。蛋白質分解酵素阻害剤の一つである TLC
K はNF−κB の活性化を阻害することが知られている
( Griscavage, J. M., Wilk, S., and Ignarro, L. J.
(1995) Biochem.Biophys. Res. Commun., 215 , 721-
729 )。前述1)と同様な実験を行った結果、 TLCK は
IL-1 β(1 ng/ml )及び CMによる発現を約10μM で
抑制することが示された(図10)。以上の実験結果か
ら、NF−κB の活性化を阻害することが知られている化
合物が、本発明に係るスクリーニング方法によって評価
できることが示された。
【0053】実施例7. NF−κB の活性化に影響を与え
る化合物 NF−κB の活性化に影響を与えうることが未知である化
合物及び化合物の混合物を IL-1 β及び TNF- α添加1
時間前に A549 細胞に添加し、実施例6と同様な方法
で、IL-1β及び TNF- α添加 24 時間後のルシフェラー
ゼ活性を測定した。その結果、フェニルメチルベンゾキ
ノン誘導体である化合物 I(図11)が濃度依存的にル
シフェラーゼ活性を抑制することが明かとなった(図1
2)。更に、逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT-P
CR)法で検出したところ CM 刺激のhiNOS mRNA の発現
も抑制していることが明らかとなった(図13)。
【0054】実施例8. 化合物 Iの作用(1) 実施例5で述べられた方法に準じてゲルシフト法を実施
すると、本スクリーニング方法によって見いだされた化
合物 I(20μg/ml)は、サイトカインを添加した A549
細胞のNF−κB の活性化を抑制していることが確認され
た(図14)。更に、化合物 Iは、A549/NF-κBLucをIL
-1β又は TNF- αで刺激した場合においてもルシフェラ
ーゼ活性を抑制することが確認された(図15)。
【0055】実施例9. 化合物 Iの作用(2) 細胞が実際に、NOを産生していることを間接的に知る方
法として、ジアゾ化反応を利用したグリース法が知られ
ている(Green, L. C., Wagner, D. A., Glogowski,
J., Skipper, P. L., Wishnok, J. S., and Tannenbau
m, S. R. (1982) Anal. Biochem., 126 , 131-138
)。グリース法は、ナフチルエチレンジアミンとスル
ファニル酸を混合したグリース試薬と培養液中の NO2 -
イオンを反応させてその発色を 540 nm の吸収で測定す
る。この方法によって、24時間後の細胞培養液中に蓄
積された NO 量を測定した結果、リポ多糖(LPS )刺激
をした RAW264.7 細胞(ATCCカタログ番号;TIB-71)か
ら遊離されてくる NO の産生を化合物 Iが抑制すること
が明らかとなった(図16A )。
【0056】実施例10. 化合物 Iの作用(3) TNF- αは LPS刺激によってNF−κB が活性化されると
産生されることが知られているが(Blackwell, T. S. a
nd Christman, J. W. (1997) Am J Respir Cell Mol Bi
ol, 17, 3-9 、Collins, T., Read, M. A., Neish, A.
S., Whitley, M. Z., Thanos, D. and Maniatis, T. (1
995) Faseb J., 9 , 899-909 )、驚くべきことに、化
合物 Iは LPSで4時間刺激をした RAW264.7 細胞から遊
離されてくる TNF- αの産生をも抑制することがわかっ
た(図16B )。
【0057】更に、これらの抑制の機作は、RAW264.7細
胞から抽出した mRNA を RT-PCR 法で検出したところ i
NOS 及び TNF- αの遺伝子発現レベルでの抑制であるこ
とが確認された(図17)。以上の結果は、本発明に係
るスクリーニング方法が、これまでNF−κB の活性化を
抑制するという有用性が知られていなかった物質を見い
だすことに対しても有用であることを示している。
【0058】
【発明の効果】本発明者は、 hiNOS遺伝子の 5'-プロモ
ーター領域及び 3'-非翻訳領域の機能を保持したプラス
ミドを作製し、このプラスミドをヒト株細胞に安定導入
したものを用いることによって、NF−κB の活性化を抑
制する作用を有する化合物を簡便に且つ高感度で評価す
ることができることを見いだした。更に、本発明に係る
方法を用いることによって、これまで脳機能改善治療薬
として知られていたフェニルメチルベンゾキノン誘導体
がNF−κB 阻害作用を有することを新たに見いだした。
【0059】本願明細書の実施例から、本発明に係る方
法はNF−κB の活性化を抑制する化合物及びNF−κB の
活性化によって誘導されるタンパク質の過剰発現を抑制
する化合物を簡便且つ高感度にスクリーニングする目的
に有用であることが示された。NF−κB の活性化を抑制
する化合物は、種々の炎症メディエーターの過剰産生や
ウイルスの増殖に起因する疾病に対する予防薬、治療薬
としての有効性が期待される。
【0060】本発明に係る方法は、例えば NO や TNF-
αの過剰産生が発症原因として考えられる疾患、敗血症
ショック、変形性関節症、慢性関節リウマチ、悪液質、
多臓器不全、炎症性腸疾患、マラリア、後天性免疫不全
症候群、ヒト T細胞白血病、髄膜炎、肝炎、II型糖尿
病、多発性硬化症、ベーチェット病、全身性紅斑性狼
瘡、全身性エリテマトーデス、虚血性心疾患などの治療
及び予防薬を探索する目的に有用である。
【0061】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:296 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 CTAGAGTCGG GGCGGCCGGC CGCTTCGAGC AGACATGATA AGATACATTG ATGAGTTTGG 60 ACAAACCACA ACTAGAATGC AGTGAAAAAA ATGCTTTATT TGTGAAATTT GTGATGCTAT 120 TGCTTTATTT GTAACCATTA TAAGCTGCAA TAAACAAGTT AACAACAACA ATTGCATTCA 180 TTTTATGTTT CAGGTTCAGG GGGAGGTGTG GGAGGTTTTT TAAAGCAAGT AAAACCTCTA 240 CAAATGTGGT AAAATCGATA AGGATCCGTC GACCGATGCC CTTGAGAGCC TTCAAC 296
【0062】配列番号:2 配列の長さ:604 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 AGCCAGAAGC GCTATCACGA AGATATCTTC GGTGCTGTAT TTCCTTACGA GGCGAAGAAG 60 GACAGGGTGG CGGTGCAGCC CAGCAGCCTG GAGATGTCAG CGCTCTGAGG GCCTACAGGA 120 GGGGTTAAAG CTGCCGGCAC AGAACTTAAG GATGGAGCCA GCTCTGCATT ATCTGAGGTC 180 ACAGGGCCTG GGGAGATGGA GGAAAGTGAT ATCCCCCAGC CTCAAGTCTT ATTTCCTCAA 240 CGTTGCTCCC CATCAAGCCC TTTACTTGAC CTCCTAACAA GTAGCACCCT GGATTGATCG 300 GAGCCTCCTC TCTCAAACTG GGGCCTCCCT GGTCCCTTGG AGACAAAATC TTAAATGCCA 360 GGCCTGGCGA GTGGGTGAAA GATGGAACTT GCTGCTGAGT GCACCACTTC AAGTGACCAC 420 CAGGAGGTGC TATCGCACCA CTGTGTATTT AACTGCCTTG TGTACAGTTA TTTATGCCTC 480 TGTATTTAAA AAACTAACAC CCAGTCTGTT CCCCATGGCC ACTTGGGTCT TCCCTGTATG 540 ATTCCTTGAT GGAGATATTT ACATGAATTG CATTTTACTT TAATCACAAA AAAAAAAAAA 600 AAAA 604
【0063】配列番号:3 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 CTTCTCAGCC ACCTTGGTGA GG 22
【0064】配列番号:4 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 TTCTGTGCAG TCCCAGTGAG G 21
【0065】配列番号:5 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 AGCCAGAAGC GCTATCACG 19
【0066】配列番号:6 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 TGTGATTAAA GTAAAATGCA ATTCATG 27
【0067】配列番号:7 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 GCCTGGAGAT GTCAGCGCTC TG 22
【0068】配列番号:8 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 GGGGAACAGA CTGGGTGTTA G 21
【0069】配列番号:9 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 CATTTAGGTG ACACTATAG 19
【0070】配列番号:10 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 GGCGCTAGCC TACAGGAGGG GTTAAAGCT 29
【0071】配列番号:11 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成 DNA) 配列 ATGGCCTGTC CCATGGAAAT TTCTGTT 27
【0072】配列番号:12 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸( 合成 DNA) 配列 GCGCGGATCC GGCCCACTCT CCTAAG 26
【0073】配列番号:13 配列の長さ:1026 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 TGAGGGCCTA CAGGAGGGGT TAAAGCTGCC GGCACAGAAC TTAAGGATGG AGCCAGCTCT 60 GCATTATCTG AGGTCACAGG GCCTGGGGAG ATGGAGGAAA GTGATATCCC CCAGCCTCAA 120 GTCTTATTTC CTCAACGTTG CTCCCCATCA AGCCCTTTAC TTGACCTCCT AACAAGTAGC 180 ACCCTGGATT GATCGGAGCC TCCTCTCTCA AACTGGGGCC TCCCTGGTCC CTTGGAGACA 240 AAATCTTAAA TGCCAGGCCT GGCGAGTGGG TGAAAGATGG AACTTGCTGC TGAGTGCACC 300 ACTTCAAGTG ACCACCAGGA GGTGCTATCG CACCACTGTG TATTTAACTG CCTTGTGTAC 360 AGTTATTTAT GCCTCTGTAT TTAAAAAACT AACACCCAGT CTGTTCCCCA TGGCCACTTG 420 GGTCTTCCCT GTATGATTCC TTGATGGAGA TATTTACATG AATTGCATTT TACTTTAATC 480 ACACTGTATG CGTGTGTGGG TGTTTTGTAG GGAAAGCTCT TCTCAGAGTG GGGAGCTGGT 540 GGGTGTCACA GCCTGGACAG ATCCCCGACA GAGGGACACC CCAGCCAGTC CATGGCTCCT 600 CTGAAATGGC TGCCAGGTGT GCCAGCAGCA GATGGAGCTT CGTGCTGGTC CAAAGACCTG 660 TGGTAGGGCA GGGGGCGCAG GCCTGCCTCC CACACAAAGT ATCTGAAACG GGGTCTGGTG 720 AGGGTGGGAT TGTCGCATAA GGCCAGTGTT TCGAGGAAGG CCTTGAGCTT CTTCTTGGAC 780 ACTGTCTTAG AAAGCGTTTT GCTCTGGGGC CACCAGTCTC ATGCGAGACT GTGTGCCTTG 840 GCCAGTACGG ATGTGGTCCC TGGGAAGGCA GCGTGTCGAG GCGAGTGTGG GCCACAACAT 900 CCTCGCCTGA GGGACTGGGG ACCCTCTTGG GTTTGGAGCA GGCCAAGGAA TCCTTCTTAG 960 GAGAGTGGGC CCCGTTTCCT TCTCCTGGTC AGAACCCAAA AAGGAGCTCA GCGGCGGCCA 1020 CTGGGG 1026
【0074】配列番号:14 配列の長さ:35 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 AACTGTACAC AAGCTGGGGA CACTCCCTTT GGAAA 35
【0075】配列番号:15 配列の長さ:544 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列 ACTGTATGCG TGTGTGGGTG TTTTGTAGGG AAAGCTCTTC TCAGAGTGGG GAGCTGGTGG 60 GTGTCACAGC CTGGACAGAT CCCCGACAGA GGGACACCCC AGCCAGTCCA TGGCTCCTCT 120 GAAATGGCTG CCAGGTGTGC CAGCAGCAGA TGGAGCTTCG TGCTGGTCCA AAGACCTGTG 180 GTAGGGCAGG GGGCGCAGGC CTGCCTCCCA CACAAAGTAT CTGAAACGGG GTCTGGTGAG 240 GGTGGGATTG TCGCATAAGG CCAGTGTTTC GAGGAAGGCC TTGAGCTTCT TCTTGGACAC 300 TGTCTTAGAA AGCGTTTTGC TCTGGGGCCA CCAGTCTCAT GCGAGACTGT GTGCCTTGGC 360 CAGTACGGAT GTGGTCCCTG GGAAGGCAGC GTGTCGAGGC GAGTGTGGGC CACAACATCC 420 TCGCCTGAGG GACTGGGGAC CCTCTTGGGT TTGGAGCAGG CCAAGGAATC CTTCTTAGGA 480 GAGTGGGCCC CGTTTCCTTC TCCTGGTCAG AACCCAAAAA GGAGCTCAGC GGCGGCCACT 540 GGGG 544
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、pGL3 basicプラスミドの構造と SV40
由来 poly A 付加部位の塩基配列(配列番号:1)を示
す図である。poly A付加に関与する「Poly Aシグナル」
と「G/T クラスター」には、下線を施した。
【図2】図2は、hiNOS cDNA exon 26の塩基配列(配列
番号:2)を示す図である。左端は、翻訳領域開始の塩
基を1 とした時の番号を示す。ATTTA 配列は下線を施
し、想定されるポリ A付加部位は↑で示した。太字は h
iNOS翻訳領域における翻訳停止配列を示す。また、本発
明において用いたプライマーの基となる塩基配列を明記
した。
【図3】図3は、制限酵素 Nco I部位導入のための塩基
配列の置換を示す図である(配列番号:11)。太字で
示した塩基 Tを CA に置換し、変異体プラスミドを構築
した。
【図4】図4は、本発明において用いた PCRプライマー
の配列を示す図である。制限酵素認識部位を下線で示
す。
【図5】図5は、hiNOS 遺伝子の3'-UTRと 3'-フランキ
ング領域の配列を示す図である。左端は、翻訳領域開始
の塩基を1 とした時の番号を示す。枠内はエキソン 26
の 3'-UTR を示す。3'-flanking 領域内のポリ A付加の
ための認識配列 (YGTGTTYY) を下線で示した。太字は h
iNOS翻訳領域における翻訳停止配列を示す。また、本発
明において用いたプライマーの基となる塩基配列を明記
した。
【図6】図6は、本発明に係るプラスミドの構築を示す
図である。AはプラスミドpGLNOS5+SV3 を示し、Bはプ
ラスミドpGLNOS3Aを示し、CはプラスミドpGLNOS53A を
示す。
【図7】図7は、一過性アッセイにおける hiNOS遺伝子
5'- 及び 3'-領域のサイトカイン刺激に対する影響を
示す図である。
【図8】図8は、A549細胞をサイトカイン刺激したとき
の核抽出物のゲルシフトアッセイの結果を示す図であ
る。レーン1;抽出物無し、レーン2及び3;サイトカ
イン刺激無し、レーン4及び5;IL-1β4時間刺激、レ
ーン6及び7;CM 4時間刺激の場合を示す。レーン
3、5及び7は20倍濃度の DIG-free プローブを添加
した。
【図9】図9は、サイトカイン存在下でのデキサメサゾ
ンの影響を示す図である。
【図10】図10は、CM刺激によるhiNOS 誘導に対す
るプロテアーゼ阻害剤(TLCK)の効果を示す図である。
【図11】図11は、化合物I の化学式を示す図であ
る。
【図12】図12は、本発明に係るアッセイ系における
化合物 I による影響を示す図である。
【図13】図13は、hiNOS のmRNA発現に対する化合物
I による影響を示す図である。
【図14】図14は、ゲルシフトアッセイにより化合物
I がCM刺激後のNF−κB の活性化を抑制しているこ
とを示す図である。Lは、NF−κB 認識配列を含む標識
プローブと核抽出物との複合体を示し、Fは、Lと同じ
条件で更に非標識プローブを標識プローブの100倍添
加した場合の実験結果を示す。
【図15】図15は、A549/NF-κBLucを IL-1 又は TNF
で刺激した場合の化合物 Iによる影響を示す図である。
化合物 I を添加し、1時間後に IL-1 又は TNFで4時
間刺激後のレポーター遺伝子の活性を測定した結果を示
す。
【図16】図16は、マウスマクロファージ由来 RAW26
4.7 を用いて LPS刺激後の NO やTNF の産生に対する化
合物 I による影響を示す図である。化合物 Iを LPS刺
激1時間前に培養液中に添加し、刺激24時間後の培養
液中の NO レベル (A)及び4時間後の培養液中のTNF レ
ベル (B)を測定した結果を示す。
【図17】図17は、RAW264.7細胞における iNOS 及び
TNF- αの mRNA 量の変化を示した図である。Aは、LP
S 刺激6時間後の細胞内 iNOS mRNA レベル及び TNF m
RNA レベルを測定した結果を示す。Bは、化合物 I(20
mg/ml)を LPS刺激1時間前に培養液中に添加し、刺激
6時間後の細胞内 iNOS mRNA レベル及び TNF mRNA レ
ベルを測定した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/15 A61K 37/02 ABE // C07D 295/10 C12N 5/00 B (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NF−κB 認識配列、並びにヒト誘導型一
    酸化窒素合成酵素(hiNOS)遺伝子の3’−非翻訳領域
    (3'- UTR)の少なくとも一部分及び3'- フランキン
    グ領域の少なくとも一部分を含む発現制御配列。
  2. 【請求項2】 hiNOS 遺伝子の3'- フランキング領域が
    配列番号15の塩基配列からなる請求項1記載の発現制
    御配列。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の発現制御配列を含
    む発現ベクター。
  4. 【請求項4】 レポーター遺伝子を更に含む請求項3記
    載の発現ベクター。
  5. 【請求項5】 (1)プロモーター領域を含むhiNOS 遺
    伝子の5'- フランキング領域、(2)レポーター遺伝子
    及び(3)請求項1又は2記載の発現制御配列を、5'側
    からこの順序で含む発現ベクター。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5の何れか1項に記載の発現
    ベクターで形質転換された細胞。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の発現制御配列を有
    し、NF−κB の活性化を検出し得る細胞を被験物質で処
    理し、レポーター遺伝子の発現量の変化を観察すること
    を特徴とする、NF−κB の活性化を抑制する物質のスク
    リーニング方法。
  8. 【請求項8】 発現制御配列を有する細胞が請求項6記
    載の細胞である請求項7記載のスクリーニング方法。
  9. 【請求項9】 被験物質が混合物であることを特徴とす
    る請求項7記載のスクリーニング方法。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の細胞を含む、NF−κB
    の活性化を抑制する物質をスクリーニングするためのキ
    ット。
  11. 【請求項11】 請求項7〜9のいずれか1項に記載の
    スクリーニング方法を用いて得ることができるNF−κB
    の活性化を抑制する化合物。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の化合物を有効成分と
    して含有するNF−κB の活性化に起因する疾患を治療す
    るための医薬組成物。
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