JPH11255518A - 水酸化タンタル、酸化タンタルおよびそれらの製造方法 - Google Patents
水酸化タンタル、酸化タンタルおよびそれらの製造方法Info
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Abstract
フッ素やリンが可能な限り除去された高純度の水酸化タ
ンタル及び酸化タンタルを得る。 【解決手段】 タンタルコンデンサー等のタンタルスク
ラップを原料として、フッ化水素酸で浸出してタンタル
溶液を得、次いで該溶液に正リン酸エステルの抽出剤を
用いてタンタル錯塩として溶媒に抽出したものからアン
モニア性水溶液で逆抽出し、得られたタンタル溶液を吸
着剤で処理して有機分を除去する。さらに、アンモニア
性水溶液を添加して水酸化タンタルを得、また、これを
乾燥、粉砕した後、焼成して酸化タンタルを得る。
Description
料、電子材料用の高純度の酸化タンタル粉末およびその
製造方法に関する。
料に添加すると光学材料の屈折率が大きくなりまた失透
現象の防止になること、炭化タンタルの原料になり炭化
タングステン等に添加すると炭化タングステン等の靭性
が向上すること、化学的に安定で誘電率が高いこと等の
特性を持っていることから、光学ガラスや超硬工具、コ
ンデンサ等に使用されてきた。
するLiTaO3 の原料として、電子材料等の分野にも
使用されるようになった。これらの分野で使用される酸
化タンタルは、通常、タンタライト等の鉱石あるいはタ
ンタル含有の合金やコンデンサ、加工材等のスクラップ
などを原料として製造されている。
たり、粗タンタル化合物中の不純物を除去する方法とし
て以下の方法等が採用されてきた。 (1)MIBK等の抽出選択性を利用した溶媒抽出法。 (2)金属化合物の溶解度差を利用した分別結晶法。 (3)イオン交換樹脂の吸着選択性を利用したイオン交
換分離法。 (4)高温度での焼成により陰イオンを揮発除去する揮
発法。
ンタル化合物の製造方法については、特開昭63ー23
6716号公報、特開昭64ー45325号公報、特開
昭60ー195019号公報、特開昭60ー21343
号公報、特開平3ー502116号公報等に開示され
る。
昭64ー45325号公報には、それぞれタンタルのハ
ロゲン化物、アルコキシドの製造方法において利用する
溶媒抽出法が開示されている。ここでは、タンタライト
とコロンバイトの混合物をHFとH2 SO4 の混酸(ま
たはHFのみ)で溶解した水溶液を、中性リン酸エステ
ル(ケロシンで希釈した70%TBP O/A=1/
1)で5分間振とう処理後、分離した有機相を水または
0.3mol/リットル(以下、Lとする)のNH4 F
含有液で洗浄しNb2 O5 、Fe、Mn、Ti等を選択
的に除去する。Ta2 O5 を48.2g/L含有する有
機相を水で洗浄したとき(洗浄後の有機相)のNb2 O
5 の含有量は0.6g/L、Fe、Mnはそれぞれ0.
01g/L未満であり、同様に0.3mol/LのNH
4 F含有液で洗浄したとき(の洗浄後の有機相)のNb
2 O5 の含有量は0.2g/L、Fe、Mnはそれぞれ
0.001g/L未満である。つぎに洗浄後の有機相を
2.0mol/LのNH4 F水溶液で逆抽出し、分離し
た水相を10%NH3 含有水溶液で中和し沈殿物を得
る。沈殿物の乾燥後の含有量は、Ta2 O5 72.4重
量%、Nb2 O5 0.02重量%、Mn、Fe、Ti、
Sn、W、Si、Alはいずれも0.001重量%未
満、NH3 5.6重量%、HF12.6重量%である。
昭60ー21343号公報には、それぞれフッ素含有タ
ンタルアンモニウム塩、金属タンタルの製造方法におい
て利用する溶媒抽出法が開示されている。ここでは、中
性リン酸エステル(TBP等)等を芳香族、脂肪族、混
合品、ケロシン等の石油系炭化水素で2〜100%(容
積)で希釈した溶液、例えば85%TBP+15%芳香
族、60%TBP+40%アロマティック等でのタンタ
ルの抽出液を、NH4 HF2 、NH4 F等を100〜2
50g/L等を含むF含有液で、O/A=1/1で10
分間振とうし、タンタル、タンタル錯イオンを水相に移
行したのち、晶析工程で晶析しフルオロタンタルアンモ
ニウム塩を得る。
は、フルオロケイ酸で浸出した溶液から溶媒抽出法を介
して得た酸化タンタルを塩素ガス流で塩素化し、SiC
l含有量のすくない塩化タンタルの製造方法が開示され
ている。ここでは、タンタル鉱物、濃縮物をフルオロケ
イ酸(H2 SiF6 )を用い大気圧下、60〜80℃で
浸出した溶液を、脂肪族、炭化水素で希釈したTBP、
MIBK等で抽出し、分離した有機相を水相と接触させ
逆抽出し、さらに分離した水相を塩基で中和し水酸化物
を得、その水酸化物をか焼し酸化タンタルを得る。得ら
れた酸化物中のSiO2 含量は0.6%である。
ては、特開昭56ー114831号公報、特開平2ー2
12318号公報等に開示される。
には、陰イオン交換樹脂によるタンタル含有スクラップ
中のタンタルの回収方法が開示されている。ここでは、
フッ化水素酸およびアンモニア水、アンモニウム塩の混
合溶液により溶離されたタンタル溶出液に、15Nのア
ンモニア水を添加しpH6.9に調整し、得られた水酸
化タンタルの沈殿を1000℃に加熱して白色の酸化タ
ンタル粉末を得ている。酸化タンタルの不純物として
は、Cu、Mn、Fe、Si、Ca、Al、Mgはいず
れも1ppm未満のものが得られているが、Li2〜4
ppm、Ag1ppm、Nbについては3〜30ppm
となっており、Fについては特に記載はない。
アニオン交換基を有する繊維状イオン交換体によるニオ
ブ、タンタルの相互分離法が開示されている。ここで
は、ニオブとタンタルを分離できることは記載されてい
る。塩酸とシュウ酸の混合溶液によるタンタルの溶出液
の40mLのフラクション中にタンタルが0.1〜3m
g含まれていることまでは記載されているが、そのフラ
クション中にニオブがどの程度の濃度で含まれているか
は、不明である。
としては、特開昭64ー31937号公報、特開昭63
ー156013号公報、特開昭63ー295431号公
報、特開平4ー270122号公報等に開示している。
は、抽出剤を多孔質担体に固定化または架橋せしめた吸
着剤を用いたニオブとタンタルの分離方法が開示されて
いる。ここでは、工程の途中でTBPを含め中性リン酸
エステルを用いた溶媒抽出法も併用可能であることが記
載されている。多孔質担体担持吸着剤による処理後のN
H4 再生液中の含有量は、Ta2 O5 124.4g/
L、Mn、Nb2 O5 、Fe、Ti、H2 SO4 はいず
れも0.001g/L未満、NH4 36.0g/L、H
F96.3g/Lであり、Ta2 O5 を1とするとM
n、Nb2 O5 、Fe、Ti、H2 SO4 はいずれも8
ppm未満である。
ンタル化合物中に含有された微量フッ素を水蒸気を含有
する空気の流通下に焼成することによりフッ素を除去す
る方法が開示されている。ここでは、五酸化タンタル中
としてFを1418ppm含有する平均粒径0.5ある
いは1μmの水酸化タンタルを水蒸気含有空気気流下で
加熱処理し、五酸化タンタル中の残存F含有量が1pp
m未満になることが記載されている。
ウ素(ホウ酸)0.1〜2重量%の存在した鉱酸で洗浄
処理する水酸化タンタルの精製方法が開示されている。
ここでは、洗浄処理後の水酸化タンタルの120℃で2
0時間乾燥後の不純物含有量が、Ni、Co、Tiがい
ずれも最小値で1.0ppm、Fe8〜10ppm、C
a6〜12ppm、Mg0.9〜1.4ppm、Na9
〜12ppm、K1.8〜2.5ppm、Bは1ppm
未満、Clは1ppm未満(焼成持)となることが記載
されている。
は、タンタルのフッ化物含有水溶液(タンタルを含有す
るフッ化水素酸水溶液)から、洗浄用アンモニア水を再
利用するフッ素含量の少ないタンタル水酸化物の製造方
法が開示されている。ここでは、タンタルのフッ化水素
酸水溶液を、先行工程の第1洗浄段階から得られたアン
モニア水溶液中に添加し、さらに水性アンモニア溶液を
添加してpHを少なくとも9以上に調整し、得られる水
酸化物の沈殿を濾別後、第1に1〜10%のアンモニア
溶液で洗浄し、第2に純粋で洗浄する。洗浄後に得られ
るタンタル水酸化物中のFの含有量が、0.20〜0.
28%となることが記載されている。
評編集部編1996年2月1日)に高純度用酸化タンタ
ルとして、Ta2 O5 >99.99%、Nb2 O5 <
0.002%、SiO2 <0.001%、Fe2 O3 、
Al2 O3 、TiO2 、NiO、Cr2 O3 、MnOは
いずれも<0.0005%、灼熱減量<0.1%、光学
用酸化タンタルとして、Ta2 O5 >99.9%、Nb
2 O5 <0.03%、SiO2 <0.01%、Fe2 O
3 、Al2 O3 、TiO2 はいずれも<0.001%、
NiO、Cr2 O3 、MnOはいずれも<0.0005
%、灼熱減量<0.1%、セラミックス用酸化タンタル
として、成分は光学用酸化タンタルと同じで、灼熱減量
<0.2%、平均粒径0.6〜1.0μmの各種酸化タ
ンタルが記載されている。
うな従来の製造法によって得られた水酸化タンタル又は
酸化タンタルは、不純物としてのPやFをある程度まで
しか除去できないという欠点があり、光学材料や電子材
料用の高純度品が求められていたにもかかわらず、現在
までその要求を満たす粉末は得られていなかった。
法では、タンタルの選択性はよいが、溶媒が揮発しやす
いため発火性があり取り扱い上の危険性が高い、また水
への溶解度が高いため、副原料の溶媒と同時に原料の損
失が大きく、効率が悪く、生産コストが高くなるという
問題の他、タンタル化合物を溶解するには通常フッ化水
素酸を用いることから、そのため必然的にフッ素の混入
が避けられず廃液処理等が必要となっていた。あるいは
溶媒抽出のさい有機溶媒の混入が避けられず、有機溶媒
の構成成分例えばリンが最終生成物まで残留してしま
い、不純物として除去できないという問題があった。
報や特開昭64ー45325号公報では、逆抽出液がN
H4 F水溶液のため、得られる沈殿にはHFが含まれて
いることを開示し、さらに特開昭60ー195019号
公報や特開昭60ー21343号公報では、逆抽出液に
NH4 HF2 、NH4 F等を100〜250g/Lと多
量に含んでいる液を使用して、フルオロタンタルアンモ
ニウム塩を得る工程を開示するが、当然最終製品にFは
含有されている。
オロケイ酸で浸出した溶液から溶媒抽出法により酸化タ
ンタルを得ることを開示するが、酸化タンタル中のSi
O2含有量が0.6%となっていた。
理条件と多数の繰り返し処理が必要となるにもかかわら
ず、低い純度の生成物しか得られていなかったし、同様
に上記従来のイオン交換分離法では、処理速度が遅く、
しかも大量の処理を行うには大規模な設備が必要であっ
た。
られる酸化タンタル中のNb含有量については3〜30
ppmであり、またFについては特に記載はないが、溶
離液中のフッ化水素酸からのFが含まれると考えられる
他、特開平2ー212318号公報では、タンタルの溶
出液のフラクション中のニオブ濃度については不明であ
る。
オンガスが発生し、焼成炉の内部を腐食するだけでな
く、発生したガスの処理設備を設ける必要があり、経費
が嵩んでいた。
は、得られるNH4 再生液中にHFが含まれており、こ
のまま中和するとFを含有した水酸化タンタル、酸化タ
ンタルが得られると考えられる他、特開昭63ー156
013号公報では、発生したFを含有するガスを適宜処
理する必要があると考えられる。
の含有量については記載されていないが、水酸化タンタ
ル中のFe含量が8〜10ppmとなっている他、特開
平4ー270122号公報では、洗浄後に得られるタン
タル水酸化物中のFの含有量が、0.20〜0.28%
となっている。
編集部編1996年2月1日)では、酸化タンタルの金
属元素含有量についていくつか記載されているが、P、
Fについては記載されていない。
離、精製にあたり、厳密な処理条件や多数の繰り返し処
理を施すことなく、大規模な処理設備や発生ガスの処理
設備の導入を必要とせずに、従来よりも簡単な工程で、
効率よくタンタル化合物を分離し、不純物を除去できる
分離、精製方法を提供することを目的とする。
めに、本発明者等が鋭意研究を行なったところ、水酸化
タンタルを得るために中和工程(第4工程)においてタ
ンタル濃度、中和剤の選択、その濃度、添加速度、液
温、撹拌速度等を最適化することで、陰イオン、特にF
の含有量の少ない水酸化タンタル及び酸化タンタルが得
られることを見出だすことができた。本発明はこの解明
結果に基づいてなされたもので、請求項1の発明は、F
の含有量が0.1重量%以下であることを特徴とする水
酸化タンタルである。
化水素酸もしくはフッ化水素酸と他の無機酸の混酸で浸
出後、固液分離し、タンタル含有水溶液を得る第1工程
と、第1工程で得られた水溶液から正リン酸エステルの
抽出剤を用いてタンタル錯塩として溶媒にタンタルを抽
出し、得られる金属不純物と分離された抽出液を水もし
くはアンモニア性溶液で逆抽出してタンタル溶液を得る
第2工程と、第2工程で得られた溶液に多孔質吸着剤を
接触させた後、固液分離し、有機分が除去されたタンタ
ル溶液を得る第3工程と、第3工程で得られた溶液にア
ンモニア性塩基性水溶液を添加して、水酸化タンタルを
得る第4工程とを有することを特徴とする水酸化タンタ
ルの製造方法である。
量ppm以下であることを特徴とする酸化タンタルであ
る。
量ppm以下であることを特徴とする酸化タンタルであ
る。
9.9重量%以上であり、且つ比表面積が7.0m2 /
g以下であることを特徴とする酸化タンタルである。
化水素酸もしくはフッ化水素酸と他の無機酸の混酸で浸
出後、固液分離し、タンタル含有水溶液を得る第1工程
と、第1工程で得られた水溶液から正リン酸エステルの
抽出剤を用いてタンタル錯塩としてタンタルを溶媒に抽
出し、得られる金属不純物と分離された抽出液を水もし
くはアンモニア性溶液で逆抽出してタンタル溶液を得る
第2工程と、第2工程で得られた溶液に多孔質吸着剤を
接触させた後、固液分離し、有機分が除去されたタンタ
ル溶液を得る第3工程と、第3工程で得られた溶液にア
ンモニア性塩基性水溶液を添加して水酸化タンタルを得
る第4工程と、第4工程で得られた水酸化タンタルを焼
成することで、酸化タンタルを得る第5工程とを有する
ことを特徴とする酸化タンタルの製造方法である。
順に説明する。
ある。本発明の製造方法における原料は、タンタライト
等の鉱石あるいはタンタル含有の合金やタンタルコンデ
ンサ、タンタル含有ターゲット材の残部や蒸着くず、あ
るいは超硬工具材の加工くず等のスクラップなどを用い
る。この場合、原料の組成としては、タンタルを主成分
とする組成のものが好ましいが、これに限定されるもの
ではない。
ルをTa換算で少なくとも60重量%以上含有する原料
が回収率の点からは好ましい。これにより最終的に高濃
度の水酸化タンタルや、酸化タンタルを効率的に精製回
収できるが、特にこの原料濃度に限定されるものではな
い。
はフッ化水素酸と他の無機酸の混酸で浸出するが、この
場合、添加するフッ化水素酸の濃度は、タンタル含有物
が十分浸出できる濃度であればよく、一例として55重
量%工業用フッ化水素酸を使用できる。
がほぼ溶解するように添加すれば良い。
い。この理由としては、フッ化水素酸の活性化を図り、
原料中のタンタルをより浸出するためである。この場
合、浸出を促進するために溶解助剤として無機酸を適宜
添加するのが好ましく、添加する無機酸としては、塩
酸、硝酸、硫酸等が使用できる。一例として、68重量
%硝酸を使用できるが、これに限定されるものではな
い。
含有物が充分浸出するよう適宜調整するが、温度が下が
る場合は溶解助剤を適宜添加して反応熱により温度を8
0℃以上に保持してもよい。
液)と不溶解残査からなる懸濁液を固液分離し、タンタ
ル含有水溶液を得る。この場合、固液分離は濾過等で行
うが、濾過は、重力濾過や加圧濾過、あるいは減圧濾過
等のいずれでも可能である。
他、不純物としてニオブや、遷移金属を始め様々な金属
元素、さらに酸としては主としてフッ化水素酸や溶解助
剤の無機酸が含有されている。
れた水相であるタンタル含有水溶液から有機相でタンタ
ルを抽出し、その後この水相と有機相を分離する。つい
で分離後の有機相を別の水相で洗浄し、その後この水相
と有機相を分離する。分離後の有機相をさらに別の水相
で逆抽出する工程である。
溶液である浸出液から、有機相にタンタルを抽出する
が、この場合、抽出前の水相の組成は、タンタルの他、
フッ化水素酸等が含有されている。
浸出で使用したフッ化水素酸が含まれる他、第1工程で
溶解助剤として無機酸を添加したときは、その酸も含ま
れる。なお、水相がフッ化水素酸単独の場合でも、抽出
操作は可能である。
高い程タンタルの抽出率が高くなる。ここでいう抽出率
は、抽出操作後の、有機相中のタンタル含量/抽出前の
水相(浸出液)のタンタル含量である。また、水相の硫
酸濃度が高いほど同時にニオブの抽出率も高くなること
から、本発明では、タンタルの抽出率を高くし、且つタ
ンタルからのニオブの分離効率も十分な程度に水相の硫
酸の濃度を設定した。
量%が好ましく、これは10重量%未満だと抽出効率が
上がらず、逆に20重量%を超えると、ニオブを主とし
た金属との分離効率の低下を招くことによる。
15重量%、硫酸濃度を10〜20重量%とするが,こ
れにより他金属と分離されたタンタルを効率よく抽出で
きる。
当量を超えてとけず、またタンタルとほぼ同等量のフッ
化水素酸を使用して溶解しているため、それと同等量の
タンタル濃度も決まってしまうことから、本発明では、
水相中のタンタル濃度は、Ta換算で40〜120g/
Lが好ましく、この場合、40g/L未満あるいは逆に
120g/Lを超えるとニオブを主とした金属との分離
効率が低くなることによる。
ましく、特にトリブチルフォスフェート(TBP)が好
ましい。これは、メチルイソブチルケトン(MIBK)
と比較すると、沸点が高く溶媒のロスが少ない上、防火
性に勝れていることによる。
希釈剤としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、これ
らの混合物等が使用できる。
剤を用いる場合には、比重の小さい炭化水素系希釈剤を
用いると、有機相/水相の分離を向上させることができ
るのでよい。このような希釈剤としては、例えばケロシ
ンが使用でき、希釈剤の量は抽出剤/希釈剤(V/V)
で、1/3〜1/1程度が好ましい。
とうあるいは攪拌させたあと、清置する。この場合、タ
ンタルを十分抽出できるだけの抽出剤の量が好ましい
が、抽出剤としてTBPを用いる場合は、Ta換算で1
00gのタンタルに対してTBPを好ましくは1.5L
以上添加する。O/A比(有機相の体積/水相の体積)
は特に限定されないが、有機相と水相とが十分に振とう
あるいは撹拌できる範囲であればよい。
しないが、1℃以下では、有機相の粘度が上昇して抽出
ができなくなり、逆に、40℃以上では、水や抽出剤、
特に希釈剤の揮発量が上昇するため、1〜40℃が好ま
しい。
ルが有機相から水相に移行できる程度にとればよい。例
えば3〜8分程度振とうあるいは撹拌する。
できる程度にとればよい。例えば8〜12分程度静置す
る。
弗酸、硫酸等、また他の金属を若干量を含有するもので
ある。
分離後の有機相を洗浄剤としての水溶液で洗浄する。こ
の場合、洗浄剤は、硫酸の水溶液が好ましく、これは、
有機相中に含有されるタンタル以外の不純物、特にニオ
ブや他の金属元素を水相に移行させて除去するためであ
る。
〜20重量%が好ましい。これは、有機相に抽出された
若干の不純物金属を効率良く除去できるためである。
とうあるいは攪拌させたあと、清置する。この場合、O
/A比(有機相の体積/水相の体積の比)は、特に限定
されないが、洗浄水相と有機相が十分振とうあるいは撹
拌できる範囲であればよい。
は、特に規定しないが、1℃以下では、有機相の粘度が
上昇して抽出ができなくなり、逆に、40℃以上では、
水や抽出剤、特に希釈剤の揮発量が上昇するため、1〜
40℃が好ましい。
ル以外の不純物が有機相から水相へ十分に移行する程度
に十分に振とうあるいは撹拌ができれば特に限定される
ものでなく、同様に、清置時間も有機相と水相が分相し
ていれば特に限定されない。
分離した有機相について、新たな洗浄剤(8〜12重量
%程度の硫酸)で洗浄する。この洗浄操作を適宜繰り返
すことが好ましいが、これにより有機相に残留するニオ
ブや他の金属を除去するためである。
純分を除いた弗化タンタルー抽出剤の希釈剤による希釈
溶液である。特に抽出剤としてTBP、希釈剤としてケ
ロシンを用いた場合には、弗化タンタルーTBPのケロ
シン希釈溶液となる。
分離し、分離した有機相から、水相にタンタルを逆抽出
するが、この場合、使用する水溶液は、水またはアンモ
ニア水が好ましく、これは、他の無機酸やアンモニア水
以外のアルカリでは有機相から水相へタンタルが十分移
行せず逆抽出が行えないためであり、特に希アンモニア
水が最も効率が良い。
ニア水の濃度は、1重量%〜3重量%が好ましく、これ
は、アンモニア水の濃度が高い場合、タンタルが水酸化
タンタルとして沈澱してしまうためである。
相の容積比で調整し、有機相中のTa換算で100gの
タンタル当たり1〜20Lの水相が好ましい。また、逆
抽出後のタンタル濃度は、Ta換算で5〜100g/L
の範囲が好ましく、これは逆抽出後の水相のタンタル濃
度が高いと沈澱を生じる為である。
振とうあるいは攪拌させたあと、清置する。この場合、
O/A比は、特に限定されないが、有機相と水相とが十
分振とうあるいは撹拌できる範囲であればよい。
は、特に規定しないが、1℃以下では、有機相の粘度が
上昇して抽出ができなくなり、逆に、40℃以上では、
水や抽出剤や特に希釈剤の揮発量が上昇するため、1〜
40℃が好ましい。
ルが有機相から水相へ十分に移行する程度に十分に振と
うあるいは撹拌ができれば特に限定されるものでなく、
同様に、清置時間も有機相と水相が分相していれば特に
限定されない。
後の水相の組成は、不純金属分を除いたアンモニア性弗
化タンタル水溶液である。
段接触法、連続バッチ式法、向流多段抽出法等を適用す
ることができる他、ミキサーセトラー等の装置を使用す
ることもできる。以上のような方法、装置により、効率
良く抽出精製が可能である。
れた水相であるタンタル水溶液を多孔質吸着剤と接触さ
せ、多孔質吸着剤にタンタル水溶液中に混入、溶存する
抽出剤や希釈剤等の有機物を吸着させたあと、タンタル
水溶液と多孔質吸着剤を分離することにより、タンタル
水溶液中に混入、溶存する有機物をタンタル水溶液から
除去する工程である。
酸化タンタル中にリン(P)等の抽出剤や希釈剤に由来
する元素が、水酸化物や酸化物等の形で取り込まれるの
を防ぐことができる。抽出剤としてリン(P)を含む抽
出剤、例えば正リン酸エステル系抽出剤、特にTBP等
を用いた場合は、最終製品の水酸化タンタル、酸化タン
タル中にリン(P)が水酸化物、酸化物などの形で取り
込まれるのを防ぐことができる。
得られた液を多孔質吸着剤と接触させても良いが、予め
無機酸を添加するとより好ましい。これにより有機物
(油分)が水溶液中から遊離し、除去効率が向上する。
この場合、予め添加する無機酸は、硝酸、硫酸、塩酸、
酢酸等が可能であり、特に油分を酸化分解する点におい
て酸化性の無機物である硝酸が好ましい。
ないが次工程での使用薬液量を増加させないためにもで
きるだけ希薄な濃度である2N以下が好ましい。
フィルター等が可能であるが、とくに弗酸に対して耐食
性を有する活性炭が好ましい。これは、活性炭が、不純
物としての金属をより吸着する性質を有するからであ
る。この場合、使用する多孔質吸着剤の量は、処理溶液
1Lに対して5〜15gが好ましい。これは、この量で
あれば十分に金属不純物を吸着するからである。
と接触させる前に、予め無機酸で洗浄し、多孔質吸着剤
に含まれている金属元素を除去しておくとよい。これに
より、多孔質吸着剤からの、タンタル水溶液への金属元
素の混入を防止できる。
酸等が好ましいが、これらに限定されることはない。
多孔質吸着剤をタンタル水溶液中に懸濁させて行い、ま
た、多孔質吸着剤のタンタル水溶液中での懸濁は、多孔
質吸着剤の所定量をタンタル水溶液中に投入し、タンタ
ル水溶液を攪拌することにより行う。この他、タンタル
水溶液を、多孔質吸着剤をプレコートした濾材を通過さ
せることで、タンタル水溶液と多孔質吸着剤を接触させ
てもよい。
の接触時の温度は、必ずしも特定の温度に限定されるこ
とはなく、また、タンタル水溶液と多孔質吸着剤との接
触時間についても、比較的短い時間であればよく特に限
定されるものではない。
多孔質吸着剤を分離し、有機物の除去されたタンタル水
溶液を得る。この場合、タンタル水溶液と多孔質吸着剤
の分離は、重力濾過、加圧濾過、遠心分離器濾過等が可
能である。
上記の処理前の溶液中のリン濃度は、P/Taで100
0重量ppm程度あったものが、吸着処理をした後は、
P/Taで10重量ppm以下と大幅に下がる。
れたタンタル水溶液を、塩基性水溶液で中和し、陰イオ
ンの含有量の低い水酸化タンタルを得る工程である。
は、F/Taで50重量%程度含有している。
算で好ましくは10〜150g/L、とくに好ましくは
10〜50g/Lとする。これは、タンタルの濃度が低
いと中和速度が低下して急激な粒子成長による陰イオン
等の不純物の粒子内への混入が低下し、粒子成長による
粒子の粗大化を促すことが可能なため、できるだけタン
タル濃度が希薄であることが望ましいことによる。ま
た、中和時のタンタル水溶液の温度は、好ましくは10
〜90℃、特に好ましくは50〜90℃とする。これ
は、生成物の溶解度が低下して急激な粒子成長に陰イオ
ン等の不純物の粒子内への混入が低下し、粒子成長によ
る粒子の粗大化を促すことが可能なため出来るだけ高い
ことが望ましいことによる。
ア性水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等を用いるが、水
酸化ナトリウム水溶液等はナトリウム等が混入する可能
性が高いため、特にアンモニア水溶液、炭酸アンモニウ
ム水溶液のようなアンモニア性水溶液が好ましい。
て急激な粒子成長による陰イオン等の不純物の粒子内へ
の混入が低下し、水酸化物の粒子成長による粒子の粗大
化を促すことが可能なため出来るだけ希薄であることが
望ましいことから、好ましくは1〜25重量%、特に好
ましくは、1〜12重量%とする。また、塩基性水溶液
の温度は、生成物の溶解度が低下して急激な粒子成長に
陰イオン等の不純物の粒子内への混入が低下し、粒子成
長による粒子の粗大化を促すことが可能であることから
出来るだけ高い温度が望ましく、好ましくは10〜90
℃、特に好ましくは50〜90℃とする。
中に、塩基性水溶液を添加する。この場合、塩基性水溶
液中にタンタル水溶液を添加すると、急激に中和反応が
進行し、生成する水酸化物の中に陰イオンを巻き込み、
水酸化タンタルの中の陰イオンの含有量が高くなるので
好ましくない。
る直前まで塩基性水溶液を添加する初期中和を行なう。
初期中和は、予め使用する溶液の水酸化物沈澱開始に必
要な塩基性水溶液の当量を滴定法等により調べておく。
その上で沈澱開始当量よりわずかに少なめに塩基性水溶
液を添加し、初期中和液を作成する。つまり、水酸化物
についてのほぼ飽和溶液を作成することになる。
溶液に、塩基性水溶液を添加する。このとき使用する塩
基性水溶液は、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水
溶液等が使用できるが、上述のように水酸化ナトリウム
水溶液の場合は、ナトリウム等が混入する可能性がある
ことから、特にアンモニア水溶液、炭酸アンモニウム水
溶液のようなアンモニア性水溶液が好ましい。
速度が低下して急激な粒子成長による陰イオン等の不純
物の粒子内への混入が低下し、水酸化物の粒子成長によ
る粒子の粗大化を促すことが可能であることから、出来
るだけ希薄な濃度で、好ましくは1〜25重量%、特に
好ましくは1〜12重量%である。また、塩基性水溶液
の温度は、生成物の溶解度が低下して急激な粒子成長に
よる陰イオン等の不純物の粒子内への混入が低下し、粒
子成長による粒子の粗大化を促すことが可能であること
から出来るだけ高いことが望ましく、好ましくは10〜
90℃、特に好ましくは50〜90℃とする。
成物の溶解度が低下して急激な粒子成長による陰イオン
等の不純物の粒子内への混入が低下し、粒子成長による
粒子の粗大化を促すことが可能なため出来るだけ高いこ
とが望ましく、好ましくは10〜90℃、特に好ましく
は50〜90℃とする。また、得られたタンタルの水溶
液に、塩基性水溶液はタンタルの水溶液がpH9になる
まで添加する。
水酸化物の粒子成長を促すことが可能なため出来るだけ
遅いことが望ましく、反応等量/時間で0.01〜0.
10eq/分が好ましい。この場合、添加速度は、水酸
化物についての飽和溶液を作成するまでの初期中和迄は
特に限定されない。
いほど、アンモニア性水溶液は薄いほど、添加速度は遅
いほど、液温は高いほど、攪拌は緩やかなほど、タンタ
ル水酸化物の生成反応速度を遅くでき、水溶液中の陰イ
オン(とくにF−)のタンタル水酸化物の沈殿への巻き
込みが少なくなり、陰イオン含有量の低い水酸化タンタ
ルを得ることができる。
が、水酸化タンタルとそれ以外の水溶液の固液分離は、
重力濾過、加圧濾過、遠心分離濾過等が可能である。
るが、洗浄は、付着している陰イオンを除去するために
行う。この洗浄は、濾別操作のさい、濾別した水酸化タ
ンタルに洗浄剤を接触させて行う。この時、使用する洗
浄剤は、水、好ましくは一般に純水と呼ばれるイオン交
換水を用いるが、洗浄剤のpH等はとくに調整しないく
ともよい。
き続き固液分離して、水酸化タンタルを得た。この水酸
化タンタルの乾燥後の組成は、 Ta 65.0〜67.0重量% F 0.1重量%以下 P 60重量ppm以下、好ましくは6重量ppm以
下 Cu 3重量ppm以下 Mn 3重量ppm以下 Ni 3重量ppm以下 Nb 3重量ppm以下 である。この乾燥は次工程の焼成前に行うものと同様で
ある。水分量(100℃・2時間処理前後の重量差)は
3重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下であ
り、次工程で酸化タンタルを作製するのに適している。
Fの含有量は0.1重量%以下であり、次工程でFの含
有量の少ない酸化タンタルを得る原料として非常に適し
ている。また、P含有量も60重量ppm以下と、同様
にPの含有量の少ない酸化タンタルを得る原料として好
適である。同時に、Cu、Mn、Ni、Nbもそれぞれ
3重量ppm以下であり、非常に純度の高い酸化タンタ
ルを製造するための原料として最適である。
特性は、平均粒径が5.0〜15.0μm、比表面積が
20.0〜80.0m2 /gである。この乾燥・粉砕は
次工程の焼成前に行なうものと同様であり、次工程での
酸化タンタルの焼成原料として非常に好ましい粒径、比
表面積となる。
れた水酸化タンタルを、乾燥、焼成し、酸化タンタルを
得る工程である。
化タンタルを乾燥するが、この乾燥方法は、風乾、温熱
乾燥、真空乾燥等で行う。この場合、乾燥温度及び乾燥
時間は、特に限定されない。
砕する。この粉砕方法は、ロールミル、ボールミル等の
剪断効果や圧縮効果の高い方法が好ましく、これによ
り、水酸化タンタルを圧密し、嵩密度の高い水酸化タン
タルを得ることができる。
ディアはジルコニア、アルミナ、磁器製等のボール、ま
たはフッ素樹脂、フッ素樹脂ライニング等のビーズ、ボ
ールが好ましく、とくに比重の高いものが好ましいが、
特に限定されない。
し、酸化タンタルを得るが、この場合、焼成温度は、9
00〜1100℃が好ましい。これは、微量に残留した
弗素を揮発除去できるためである。
とればよく、例えば6〜10時間焼成する。また、焼成
パターンは、特に規定しないが通常の方法で良い。さら
に焼成雰囲気は、酸化を目的とするため酸素雰囲気が好
ましいが、これは、十分に酸素が供給できる条件であれ
ば、大気中でも問題は無い。
ンタルの組成は、 Ta2 O5 99.9重量%以上(Nbと遷移金属を除
く差数法による) F 0.5重量ppm以下 P 100重量ppm以下、好ましくは10重量pp
m以下 Cu 5重量ppm以下 Mn 5重量ppm以下 Ni 5重量ppm以下 Nb 5重量ppm以下 である。このようにして得られた酸化タンタルは従来に
ない特に高純度のものであり、光学材料や電子材料用等
に非常に適したものである。
性は、平均粒径が1.0〜10.0μm、比表面積が
2.0〜7.0m2 /gである。この範囲の比表面積に
することによって、粉末の飛散防止が顕著になり、さら
にこの範囲の平均粒径にすることによって、計量性等の
特性も向上し、光学材料や電子材料用等に適した酸化タ
ンタルとなる。
73.0重量%、Cu19100重量ppm、Mn10
2000重量ppm、Ni10200重量ppm、Nb
100重量ppm未満の組成のタンタル含有物200g
を、40重量%工業用フッ化水素酸200ml中に投入
し、水溶液を攪拌しながら水溶液の温度を80℃に維持
し、タンタル含有物の溶解、浸出を行った。得られたタ
ンタル含有水溶液と不溶解残からなる懸濁液を定性用濾
紙で濾過し、Ta換算で580g/Lを含有するタンタ
ル含有水溶液を250mLを得た。
含有水溶液に、適量の水と硫酸を添加し、水相のタンタ
ル濃度をTa換算で100g/L、フッ化水素酸を7重
量%、硫酸濃度を15重量%に調整した。
積比で50%のケロシン希釈溶液とし、抽出操作は、有
機相と水相をO/A(容積比)=6/1で分液漏斗に入
れ、振とう器にかけ室温で5分間振とうさせた。振とう
後、少なくとも10分間静置し有機相と水相が充分相分
離したところで、有機相と水相を分離した。
洗浄したが、この洗浄操作は、有機相と水相をO/A
(容積比)=6/1で分液漏斗に入れ、振とう器にかけ
室温で5分間振とうさせた。振とう後、少なくとも10
分間静置し有機相と水相が充分相分離したところで、有
機相と水相を分離した。
硫酸の水相を準備し、同様の洗浄操作を繰り返し、毎回
新たな10重量%硫酸の水相を準備し、合計10回の洗
浄操作を行った後、水相と分離した有機相を得た。
ア水溶液を水相として逆抽出した。この逆抽出操作は、
有機相と水相をO/A(容積比)=6/1で分液漏斗に
入れ、振とう器にかけ室温で5分間振とうさせた。振と
う後、少なくとも10分間静置し有機相と水相が充分相
分離したところで、有機相と水相を分離した。得られた
水相のタンタル濃度はTa換算で100g/L、リン
(P)の濃度はP/Taで2000重量ppmであっ
た。
相であるタンタル水溶液に、硝酸と水を適量添加し硝酸
濃度が1N、タンタル濃度がTa換算で95g/Lであ
るタンタル水溶液1525mLを得た。
0gを、予め100mLの1N硝酸中、室温で5分間攪
拌、懸濁させた後、濾過、純水で洗浄し、金属不純物を
除去したものを使用した。
去したあとの活性炭10gを添加し、室温で5分間攪
拌、懸濁させた後、濾過し、有機物を吸着した活性炭を
分離したタンタル水溶液を得た。このとき、水溶液中の
フッ素濃度は、F/Taで50重量%程度であった。
ル水溶液に適量の純水を添加し、タンタル濃度がTa換
算で50g/Lのタンタル水溶液を得、このタンタル水
溶液を60℃に加温し、攪拌しながら、60℃に加温し
た3重量%炭酸アンモニウム水溶液を徐々に添加した。
生じる直前までこの炭酸アンモニウム水溶液を添加する
初期中和を行った。初期中和は、予めタンタル水溶液の
水酸化物沈澱開始に必要な炭酸アンモニウム水溶液の当
量を滴定法等により調べておき、その上で沈澱開始当量
よりわずかに少なめに炭酸アンモニウム水溶液をこのタ
ンタル水溶液に添加し初期中和液を作成した。
成した。
液に、塩基性水溶液として60℃に加温した3重量%炭
酸アンモニウム水溶液を添加した。この中和時のタンタ
ル水溶液の温度は、引き続き60℃に維持し、このタン
タルの水溶液に、3重量%炭酸アンモニウム水溶液はp
H9になるまで添加した。この場合、添加速度は、反応
当量/時間で0.01eq/分となるようにした。
過し、懸濁液から分離した水酸化タンタルを純水で洗
浄、濾過し、水酸化タンタルを得た。
乾燥後の組成は、重量法、ICP、原子吸光光度法、液
体クロマトグラフで組成分析したところ、 Ta 67.0重量% F 0.03重量% P 3重量ppm Cu 1重量ppm未満 Mn 1重量ppm未満 Ni 1重量ppm未満 Nb 1重量ppm未満 水分 0.09重量% であった。
タルの乾燥・粉砕後の粉体特性は、平均粒径が12.0
μm、比表面積が30.0m2 /gであった。
化タンタルを、100℃、24時間で温熱乾燥し、乾燥
後、得られた乾燥水酸化タンタルをボールミルを使用し
て粉砕した。その後、加熱器で1000℃、8時間、大
気中で焼成して酸化タンタルを得た。
成は、重量法、ICP、原子吸光光度法、液体クロマト
グラフで組成分析したところ、 Ta2 O5 99.9重量% F 0.03重量ppm P 2重量ppm未満 Cu 1重量ppm未満 Mn 1重量ppm未満 Ni 1重量ppm未満 Nb 1重量ppm未満 であった。
ルの粉体特性は、平均粒径が3.0μm、比表面積が
3.0m2 /gであった。
素換算でTa96.6重量%、Cu160重量ppm、
Mn10重量ppm未満、Ni70重量ppm、Nb1
40重量ppmの組成のタンタル含有物200gを、5
5重量%工業用フッ化水素酸200mL中に投入し、水
溶液を攪拌しながら水溶液の温度を80℃に維持し、タ
ンタル含有物の溶解、浸出を行った。
含む懸濁液を定性用濾紙で濾過し、Ta換算で760g
/Lを含有するタンタル含有水溶液を255mLを得
た。
ンタル含有水溶液に、適量の水と硫酸を添加し、水相の
タンタル濃度をTa換算で70g/L、フッ化水素酸濃
度を5重量%、硫酸濃度を10重量%に調整した。
積比で50%のケロシン希釈溶液とし、抽出操作は、有
機相と水相をO/A(容積比)=6/1で分液漏斗に入
れ、振とう器にかけ室温で5分間振とうさせた。振とう
後、少なくとも10分間静置し有機相と水相が充分相分
離したところで、有機相と水相を分離した。
水相で洗浄し、洗浄操作は、有機相と水相をO/A(容
積比)=3/1で分液漏斗に入れ、振とう器にかけ室温
で5分間振とうさせた。振とう後、少なくとも10分間
静置し有機相と水相が充分相分離したところで、有機相
と水相を分離した。
硫酸の水相を準備し、同様の洗浄操作を繰り返し、毎回
新たな10重量%硫酸の水相を準備し、合計8回の洗浄
操作を行った後、水相と分離した有機相を得た。
ア水溶液を水相として逆抽出したが、この逆抽出操作
は、有機相と水相をO/A(容積比)=3/1で分液漏
斗に入れ、振とう器にかけ室温で5分間振とうさせた。
振とう後、少なくとも10分間静置し有機相と水相が充
分相分離したところで、有機相と水相を分離した。得ら
れた水相のタンタル濃度はTa換算で50g/L、リン
(P)の濃度はP/Taで1800重量ppmであっ
た。
相であるタンタル水溶液に、硝酸と水を適量添加し硝酸
濃度が1N、タンタル濃度がTa換算で45g/Lであ
るタンタル水溶液4290mLを得た。このとき素溶液
中のフッ素濃度は、F/Taで50重量%程度であっ
た。
して、金属不純物を除去したあとの活性炭50gを添加
し、室温で5分間攪拌、懸濁させた後、濾過し、有機物
を吸着した活性炭を分離したタンタル水溶液を得た。こ
の多孔質吸着剤としては、活性炭(粉状)50gを、予
め500mlの0.5N硝酸中、室温で5分間攪拌、懸
濁させた後、濾過、純水で洗浄し、金属不純物を除去し
たものを使用した。
ル水溶液に適量の純水を添加し、タンタル濃度10g/
lのタンタル水溶液を得た。このタンタル水溶液の液温
は15℃であったが、この15℃のタンタル水溶液を攪
拌しているところへ、60℃に加温した12重量%炭酸
アンモニア水を徐々に添加した。
生じる直前までこの炭酸アンモニウム水溶液を添加する
初期中和を行った。初期中和は、予めタンタル水溶液の
水酸化物沈澱開始に必要な炭酸アンモニウム水溶液の当
量を滴定法等により調べておき、その上で沈澱開始当量
よりわずかに少なめに炭酸アンモニウム水溶液をこのタ
ンタル水溶液に添加し初期中和液を作成した。
成した。
液に、塩基性水溶液として3重量%炭酸アンモニウム水
溶液を添加した。この中和時のタンタル水溶液の温度
は、加温して60℃に維持し、このタンタルの水溶液
に、3重量%炭酸アンモニウム水溶液はpH9になるま
で添加した。この場合、添加速度は、反応当量/時間で
0.05eq/分となるようにした。
過し、懸濁液から分離した水酸化タンタルを純水で洗
浄、濾過し、水酸化タンタルを得た。
乾燥後の組成は、重量法、ICP、原子吸光光度法、液
体クロマトグラフで分析したところ、 Ta 67.0重量% F 0.10重量% P 10重量ppm Cu 1重量ppm未満 Mn 1重量ppm未満 Ni 1重量ppm未満 Nb 1重量ppm未満 水分 0.10重量% であった。
ルの乾燥後の粉体特性は、平均粒径が7.5μm、比表
面積が71.7m2 /gであった。
タンタルを、100℃、24時間で温熱乾燥し、乾燥
後、得られた乾燥水酸化タンタルを、ボールミルを使用
して粉砕した。この後、加熱器で1000℃、5時間大
気中で焼成して、酸化タンタルを得た。
成は、重量法、原子吸光光度計、ICP、液体クロマト
グラフで分析したところ、 Ta2 O5 99.9重量% F 0.5重量ppm P 9重量ppm Cu 1重量ppm未満 Mn 1重量ppm未満 Ni 1重量ppm未満 Nb 1重量ppm未満 であった。
の粉体特性は、平均粒径が5.0μm、比表面積が4.
5m2 /gであった。
ルコンデンサー等のタンタルスクラップ等を原料とし
て、フッ化水素酸で浸出してタンタル溶液を得、次いで
該溶液に正リン酸エステルの抽出剤を用いてタンタル錯
塩として溶媒に抽出したものからアンモニア性水溶液で
逆抽出し、得られたタンタル溶液を吸着剤で処理して有
機分を除去し、さらに、アンモニア性水溶液を添加して
水酸化タンタルを得、また、これを乾燥、粉砕した後、
焼成して酸化タンタルを得るようにしたことにより、精
製工程において含有される不純物としてのフッ素やリン
が可能な限り除去された高純度の水酸化タンタル及び酸
化タンタルを得ることを可能にしたものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 Fの含有量が0.1重量%以下であるこ
とを特徴とする水酸化タンタル。 - 【請求項2】 タンタル含有物をフッ化水素酸もしくは
フッ化水素酸と他の無機酸の混酸で浸出後、固液分離
し、タンタル含有水溶液を得る第1工程と、 第1工程で得られた水溶液から正リン酸エステルの抽出
剤を用いてタンタル錯塩として溶媒にタンタルを抽出
し、得られる金属不純物と分離された抽出液を水もしく
はアンモニア性溶液で逆抽出してタンタル溶液を得る第
2工程と、 第2工程で得られた溶液に多孔質吸着剤を接触させた
後、固液分離し、有機分が除去されたタンタル溶液を得
る第3工程と、 第3工程で得られた溶液にアンモニア性塩基性水溶液を
添加して、水酸化タンタルを得る第4工程とを有するこ
とを特徴とする水酸化タンタルの製造方法。 - 【請求項3】 Pの含有量が100重量ppm以下であ
ることを特徴とする酸化タンタル。 - 【請求項4】 Fの含有量が0.5重量ppm以下であ
ることを特徴とする酸化タンタル。 - 【請求項5】 Ta2 O5 純度が99.9重量%以上で
あり、且つ比表面積が7.0m2 /g以下であることを
特徴とする酸化タンタル。 - 【請求項6】 タンタル含有物をフッ化水素酸もしくは
フッ化水素酸と他の無機酸の混酸で浸出後、固液分離
し、タンタル含有水溶液を得る第1工程と、 第1工程で得られた水溶液から正リン酸エステルの抽出
剤を用いてタンタル錯塩として溶媒にタンタルを抽出
し、得られる金属不純物と分離された抽出液を水もしく
はアンモニア性溶液で逆抽出してタンタル溶液を得る第
2工程と、 第2工程で得られた溶液に多孔質吸着剤を接触させた
後、固液分離し、有機分が除去されたタンタル溶液を得
る第3工程と、 第3工程で得られた溶液にアンモニア性塩基性水溶液を
添加して水酸化タンタルを得る第4工程と、 第4工程で得られた水酸化タンタルを焼成することで、
酸化タンタルを得る第5工程とを有することを特徴とす
る酸化タンタルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6003098A JPH11255518A (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 水酸化タンタル、酸化タンタルおよびそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6003098A JPH11255518A (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 水酸化タンタル、酸化タンタルおよびそれらの製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007196372A Division JP4949960B2 (ja) | 2007-07-27 | 2007-07-27 | 酸化タンタルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11255518A true JPH11255518A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13130276
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6003098A Pending JPH11255518A (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | 水酸化タンタル、酸化タンタルおよびそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11255518A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003055805A1 (fr) * | 2001-12-27 | 2003-07-10 | Mitsui Mining & Smelting Co.,Ltd. | Poudre d'oxyde de tantale ou d'oxyde de niobium et procede de production de celle-ci |
CN115703644A (zh) * | 2021-08-04 | 2023-02-17 | 稀美资源(广东)有限公司 | 一种钽铌湿法冶炼碱性废水实现零排放的生产方法 |
CN117003284A (zh) * | 2023-09-05 | 2023-11-07 | 稀美资源(广东)有限公司 | 一种低氮高纯五氧化二钽的制备方法 |
CN117396438A (zh) * | 2023-08-28 | 2024-01-12 | 广东邦普循环科技有限公司 | 一种硫酸镍钴锰溶液中提取氟的方法 |
-
1998
- 1998-03-11 JP JP6003098A patent/JPH11255518A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100339308C (zh) * | 2001-12-27 | 2007-09-26 | 三井金属鉱业株式会社 | 氧化钽或氧化铌粉末及其制造方法 |
CN115703644A (zh) * | 2021-08-04 | 2023-02-17 | 稀美资源(广东)有限公司 | 一种钽铌湿法冶炼碱性废水实现零排放的生产方法 |
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