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JPH11246261A - 粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物及びこれを用いたペースト状ケイ酸アルカリ系固化材、産業廃棄物の処理方法、並びにポリマー製品 - Google Patents

粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物及びこれを用いたペースト状ケイ酸アルカリ系固化材、産業廃棄物の処理方法、並びにポリマー製品

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Publication number
JPH11246261A
JPH11246261A JP10054861A JP5486198A JPH11246261A JP H11246261 A JPH11246261 A JP H11246261A JP 10054861 A JP10054861 A JP 10054861A JP 5486198 A JP5486198 A JP 5486198A JP H11246261 A JPH11246261 A JP H11246261A
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JP
Japan
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powdered
alkali silicate
weight
parts
powdery
Prior art date
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Application number
JP10054861A
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English (en)
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JP3431486B2 (ja
Inventor
Tatsuo Izumida
龍男 泉田
Yasuo Hattori
康雄 服部
Satoru Fujii
悟 藤井
Hiroyuki Naito
博之 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NATO KENKYUSHO KK
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
NATO KENKYUSHO KK
Hitachi Ltd
Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd
Taiheiyo Cement Corp
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Publication date
Application filed by NATO KENKYUSHO KK, Hitachi Ltd, Hitachi Nuclear Engineering Co Ltd, Taiheiyo Cement Corp filed Critical NATO KENKYUSHO KK
Priority to JP05486198A priority Critical patent/JP3431486B2/ja
Publication of JPH11246261A publication Critical patent/JPH11246261A/ja
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】煩雑な現場混合工程をなくし、均質で十分な硬
度を有し、施工作業に必要な流動性・可使時間を確保で
き、白化現象を防止でき、かつ耐水性を向上できるケイ
酸アルカリ組成物を提供する。 【解決手段】Li,Na,Kのアルカリ金属元素のうち
1つをMとして、M2O・pSiO2・qH2Oで表され
る水に可溶な粉状ケイ酸アルカリと、BaO・rSiO
2・sH2Oで表されるバリウムイオンのアルカリ溶液へ
の可溶分を有する粉状バリウム塩と、tSiO2・P2
5で表されるリン酸分の徐放性を有する粉状リン酸ケイ
素と、Al23・uH2Oで表される反応性の粉状酸化
アルミニウム水和物との粉状4成分が均質に混合され、
ワンパック状態に充填されており、このときこれらは、
ケイ酸アルカリ100重量部に対し、それぞれ0.1〜
10重量部、1〜40重量部、及び10〜50重量部の
範囲となるように混合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ酸アルカリが
混合されているケイ酸アルカリ組成物に係わり、例え
ば、耐酸性や耐熱性が要求される固化体、バインダー、
接着剤等に好適なケイ酸アルカリ組成物及びこれを用い
たペースト状ケイ酸アルカリ系固化材、産業廃棄物の処
理方法、ポリマー製品に関する。
【0002】
【従来の技術】元来、窯業製品や焼物の分野において
は、加熱工程を経る無機質ポリマー製品として、陶磁
器、セラミックス、レンガ、ガラス等が広く利用されて
いる。また加熱工程を経ない常温硬化型の無機質水硬性
固化材としては、ポルトランドセメント、アルミナセメ
ントさらには石膏等が一般に広く使用されている。しか
しながら、窯業製品は加熱を必要とすることからその製
造場所が限定され、またポルトランドセメントや石膏等
はカルシウム成分を主要成分とすることから耐酸性がな
く、しかも水和型であることから熱にもろく耐熱性に乏
しいという難点があった。
【0003】これらの難点を解消するものとして、水ガ
ラスで代表される安価な液状ケイ酸アルカリ(以下適
宜、ケイ酸アルカリを単に水ガラスという)があり、そ
の結合形態がシロキサン結合(−Si−O−)を主体と
していることから、建設・土木分野での固化材、シリカ
ゲルの原料、耐酸性や耐熱性が要求される固化体、バイ
ンダー、接着剤等の用途に古くから広く利用されてい
る。
【0004】この液状ケイ酸アルカリの硬化機構は、気
乾型、水硬型、反応型とあるが、一般的に最も適用され
ているのは反応型である。この反応型は、ケイ酸アルカ
リに硬化剤を添加して脱アルカリ反応を生起させ、シラ
ノール基を脱水縮合させてポリシロキサン(−O−Si
−O−)結合のポリマーを形成させるタイプをいう。こ
の脱水縮合により生成するポリマーは、無機質ポリマー
として各種の固化体、バインダー、結着剤、コーティン
グ材、被覆材等の用途に適している。
【0005】従来商品化されているケイ酸アルカリ系固
化材の代表例は、液状の水ガラスをのり剤(主剤)と
し、これに硬化剤と骨材さらに充填剤を加えた3つで構
成されているのが一般的であり、施工に際してはこれら
3つを現場で一旦混合混練してペースト状もしくはモル
タル状に調製してから施工に付している。
【0006】ここで、上記ケイ酸アルカリ系固化材に
は、以下のような課題がある。以下それらを順次説明す
る。 現場での混合 すなわち、現場作業の中で省力化は最重要課題であるも
のの、アルカリ成分と酸性成分との混合品からなる溶液
状態での一液タイプ製品化は実質的に不可能であるた
め、ケイ酸アルカリ溶液と硬化剤との二つの原料を現場
で混合する煩雑な工程が必須となっている。 強度 一般に、ケイ酸アルカリ溶液に、強酸である硫酸や塩酸
類を添加接触させると、ケイ酸アルカリ溶液と強酸との
接触部分で優先的にケイ酸ゲルが生成してしまう。した
がって、主剤であるケイ酸アルカリ溶液と、硬化剤であ
るリン酸ケイ素とを現場で直接混合すると、リン酸が強
酸であることから必然的にゲル状部分と液状部分との不
均質な混合物が形成され、リン酸ケイ素をケイ酸アルカ
リ溶液全体へ均質拡散させた全体が均質な混合ペースト
を形成させることは不可能である。その結果、生成固化
体に均質な物性で十分な硬度を期待することはできな
い。
【0007】可使時間の確保 仮に上記のようにして生成する不均質な「おかゆ」状
態を、撹拌により強制的に混合して見かけ上均質なペー
ストを形成させたとしても、この状態でのペーストでは
その均質性は擬似的であり、均質な「おもゆ」状態とは
異なり、撹拌では「おもゆ」状態を形成させることはで
きない。実際に、この「おかゆ」状ペーストでは急速な
増粘が起り、施工作業に必要な流動性ならびに可使時間
を確保することはできない。そのため、施工作業が極度
に拘束される。
【0008】白化現象 ケイ酸アルカリのシラノール基よる縮合反応でシロキサ
ン結合からなる無機質ポリマーが生成するとき、ポリマ
ー化の縮合反応に伴ない、ケイ酸アルカリのアルカリ成
分がポリシロキサン結合から遊離して不安定状態にな
り、固化体表面で空気中の炭酸ガスと反応して、白色粉
状の炭酸アルカリ(例えば炭酸ナトリウム)を副生する
白化現象を起こす。
【0009】耐水性 アルカリ系固化材が常温施工に付されて形成される固化
体では、アルカリ成分が固化体に遊離して残っている場
合があり、この場合、水と接触があると(例えば空気中
の水分を吸収すると)遊離していたアルカリ成分がシロ
キサン結合を溶解・分解させるため、生成固化体が崩壊
する傾向となって固化体維持が困難となる。そのため、
耐水性が乏しく、屋外での使用には耐えられない。
【0010】上記〜の課題を解決する改良研究、特
に硬化剤や硬化条件に関する研究は多く、様々な改良・
開発技術が提案されている。
【0011】例えば、主として上記に対応するものと
して、特公昭58−58306号公報、特公平1−53
230号公報、特公平2−1791号公報、特公平2−
56299号公報等があり、これらには、粉状のケイ酸
アルカリをベースにワンパックされた無機結着剤組成物
が開示されている。また上記のうち、特に上記にも対
応するものとしては、特公平1−53230号公報、特
公平2−1791号公報、及び特公平2−56299号
公報では、粉状ワンパック無機結着剤組成物に特定され
た条件下(700℃以上の高温熱処理)で特別製造され
た結晶性もしくは非晶質のケイ酸バリウム粉状を硬化遅
延剤として併用することにより、そのペーストスラリー
の流動性が改善され、作業性を保持しつつ可使時間を確
保できることが開示されている。また上記のうち、特に
上記にも対応するものとしては、特公昭53−242
06号公報で、リン酸分の徐放性を特定した硬化剤を配
合した水ガラス組成物が開示されている。
【0012】以上の公報以外にも、自硬性タイプのケイ
酸アルカリ組成物が米国特許2662022号公報に開
示されており、また変性水ガラス溶液と無機質リン酸塩
の組み合わせから成る硬化組成物が特公昭53−242
12号公報、特公昭53−109558号公報、特公昭
56−6387号公報、及び特公昭57−42581号
公報等に開示されており、さらに特公昭53−2420
6号にはケイ酸アルカリに有効な各種リン酸ケイ素が詳
細に開示されている。さらに、水ガラスによる耐酸モル
タルとしてケイフッ化ソーダーを硬化剤とする例が窯協
69 284(1961)に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、依然として以下の課題が存在する。すなわ
ち、上記従来技術は、上記〜のうちいくつかを解決
しているものの、これら〜のすべてを同時に解決で
きるものはない。また特に、上記に対応する特公昭5
8−58306号公報、特公平1−53230号公報、
特公平2−1791号公報、特公平2−56299号公
報等では、ケイ酸アルカリ系固化材をワンパックされた
粉状体で供給しようとする試みているが、所詮アルカリ
成分と酸性成分がワンパックされていることから、保存
棚寿命性において安定性がなく、しかも水混合後のペー
ストの作業性確保が厳しく、具体的商品化には至ってい
ない。また、例えば特公平2−1791号公報では、特
別製造の結晶性もしくは非晶質の特注原料(=メタケイ
酸バリウム)を用いる必要があるため、製品コストが高
騰する。
【0014】また、上記及びに対応する特公平1−
53230号公報、特公平2−1791号公報、及び特
公平2−56299号公報においては、作業性が確保さ
れても硬化が遅延することに伴い固化体硬度の発現が遅
れ、商品としての用途目的を早期に発揮できない可能性
がある。
【0015】さらに、上記従来技術においては、粉状ケ
イ酸アルカリ組成物に水を一定量配合してペースト状固
化材もしくは処理剤とし、さらにあるいはこのペースト
状固化材等を単独もしくは複合された加工製品として、
さらにまた被覆材や接着剤である付着性ポリマ−製品と
して、それぞれ応用できるという具体的用途に関する開
示はない。
【0016】本発明の第1の目的は、上記〜をすべ
て解決することであり、すなわち煩雑な現場混合工程を
なくし、均質で十分な硬度を有し、施工作業に必要な流
動性・可使時間を確保でき、白化現象を防止でき、かつ
耐水性を向上できるケイ酸アルカリ組成物及びこれを用
いたペースト状ケイ酸アルカリ系固化材、産業廃棄物の
処理方法、ポリマー製品を提供することにある。本発明
の第2の目的は、固化体硬度の発現が遅れすぎるのを防
止し、早期に硬度を発現できるケイ酸アルカリ組成物及
びこれを用いたペースト状ケイ酸アルカリ系固化材、産
業廃棄物の処理方法、ポリマー製品を提供することにあ
る。
【0017】なお、本願明細書で用いられるいくつかの
用語について、明確化のために、以下のように定義す
る。
【0018】「無機質ポリマー」:本発明による粉状ケ
イ酸アルカリ組成物に水が添加混合され、ここに形成さ
れるケイ素(Si)と酸素(O)の結合からなるポリシ
ロキサン結合を主鎖とする高分子化合物をいう。この無
機質ポリマーは、不燃性で超耐候性・耐汚染性・耐薬品
性のポリマーであり、炭素(C)や水素(H)等の結合
から構成される可燃性の有機質ポリマー類とは明確に区
別される。
【0019】「ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材」:
本発明による粉状ケイ酸アルカリ組成物に一定割合の水
が添加混合されて調製されたペーストが、施工作業性の
確保された粘性を一定時間保持して、各種の材料[土
壌、砂、各種採石、各種廃棄物粉体・成型品(含む低レ
ベル放射性廃棄物)等]を固化もしくは処理するために
用いられる固化材をいう。
【0020】「産業廃棄物の処理方法」:本発明による
ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材を、特定形状の産業
廃棄物(産業廃棄物や低レベル放射性廃棄物等)ならび
にこれらの一次処理品等が収納されている所定容器中に
注入し、少なくとも常温に開放されて無機質ポリマーを
形成させて該産業廃棄物等を所定容器中で固定化処理す
る方法をいう。
【0021】「無機質ポリマー製品」:本発明による粉
状ケイ酸アルカリ組成物に水が添加混合されて調製され
たペーストが、それ自体単独で所定形状(塊、膜、シー
ト、フイルム、薄板、繊維、紐、角材、棒材、粉、球
材、砂状体、発泡体、特定形状体等)に維持された状態
て成形固化体を形成し、各種用途に供せられる製品をい
う。
【0022】「付着性ポリマ−製品」:本発明による粉
状ケイ酸アルカリ組成物に水が添加混合されて調製され
たペーストが、各種基材の表面や内面に付着した状態で
無機質ポリマーを形成して目的機能を果す製品をいう。
具体的例としては、塗料、下地材、シーラー、コ−ティ
ング材、保護材、接着剤、シ−リング材、ガスケット、
目地剤、パテ、固め材、コ−キング材、ポッティング
材、セメンティング材、アンカ−材、結着体、硬化体等
の製品が挙げられる。
【0023】「複合製品」:本発明による粉状ケイ酸ア
ルカリ組成物に水が添加混合されて調製されたペースト
が、各種金属、コンクリート、セラミックス、粘土、岩
石類、セメント、石膏、スラッグ、砂粒、骨材、体質顔
料、ガラス、レンガ、ホーロー、木・竹、紙、繊維・
布、プラッスチック、アスファルト、産業廃棄物再生処
理品等で構成される形状維持素材(例えば、塊、顆粒
体、粉体、網、ネット、織物・不織布、板、フイルム、
シート、膜、容器、包装体、ハニカム、パイプ、構造体
等)と一体化され、一体化された状態で無機質ポリマー
を形成して各種用途に供せられる複合製品をいう。具体
的例としては、複合ガラス、フイルム、シート、建材、
屋根材、家具、園芸用品、防音材、吸音材、保温剤、断
熱材、容器、道具、部品、装置・機器、特定構造物等に
有効な製品が挙げられる。
【0024】「ポリマー製品」:上記「無機質ポリマー
製品」「付着性ポリマー製品」「複合製品」の総称をい
う。
【0025】「バリウムイオン(Ba2+)のアルカリ可
溶分」:粉状バリウム塩10gを25℃の1規定苛性ソ
ーダ溶液100ml中に10分間撹拌分散させた後、該
試料溶液を濾別した溶液中のバリウムイオン(Ba2+
を定量し、採取試料中のバリウム元素(Ba)量を基準
(100)とする1規定苛性ソーダ溶液中に溶出したバ
リウム(Ba)量(%)をいう。
【0026】「リン酸分の徐放性」:下記の式(*)で
表される試料溶液の初期リン酸分の溶出量βが200以
下であり、平均加水分解速度定数αが0.2以上の範囲
にある状態をいう。 Y=αX+β … (*) 但し、X:粉状リン酸ケイ素1グラムを25℃の4規定
苛性ソーダ容積100ml中に撹拌分散させた試料溶液
の120分迄の経過時間(分)Y:試料溶液に溶出した
リン酸分(P25)の溶出積算量(mg/100ml)
「硫酸塩化合物のアルカリ溶液での難溶性」:硫酸塩化
合物10gを25℃1規定苛性ソーダ溶液100ml中
に60分間撹拌分散させ、その試料溶液を濾別した溶液
中硫酸根(SO4 2-)を定量し、採取試料中の硫酸根
(SO4 2-)を基準(100)とする1規定苛性ソーダ
溶液中に60分間撹拌分散後に溶出した硫酸根(SO4
2-)量(%)を求め、この時の溶出硫酸根(SO4 2-
量(%)が50%以下の場合を難溶性とする。
【0027】
【課題を解消するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、ケイ酸アルカリ、バリウム塩、リ
ン酸ケイ素、及び酸化アルミニウム水和物の粉状4成分
が均質に混合され、ワンパック状態に充填された粉状ワ
ンパックのケイ酸アルカリ組成物において、前記ケイ酸
アルカリは、Li,Na,Kのアルカリ金属元素のうち
1つをM、1.2〜3.2の数をp、0.5〜1.5の
数をqとして、M2O・pSiO2・qH2Oで表される
水に可溶な粉状ケイ酸アルカリの1種もしくは2種以上
の組み合わせから構成されており、前記バリウム塩は、
4.0以下の数をr、9.0以下の数をsとして、Ba
O・rSiO2・sH2Oで表されるバリウムイオンのア
ルカリ溶液への可溶分を有する粉状バリウム塩の単独も
しくは2種以上の組み合わせから構成されており、前記
リン酸ケイ素は、1.0〜8.0の数をtとして、tS
iO2・P25で表されるリン酸分の徐放性を有する粉
状リン酸ケイ素の単独もしくは2種以上の組み合わせか
ら構成されており、前記酸化アルミニウム水和物は、
0.5〜5.0の数をuとして、Al23・uH2Oで
表される反応性の粉状酸化アルミニウム水和物から構成
されており、かつ、これら粉状ケイ酸アルカリ、粉状バ
リウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウ
ム水和物は、粉状ケイ酸アルカリ100重量部に対し、
粉状バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アル
ミニウム水和物が、それぞれ、0.1〜10重量部、1
〜40重量部、及び10〜50重量部の範囲となるよう
に混合されている。
【0028】本発明においては、アルカリ土類金属の中
からバリウム元素を特定し、しかもそのバリウム元素を
含有する化合物をアルカリ溶液に可溶分を有する安価な
バリウム塩化合物とし、これを粉状ワンパックのケイ酸
アルカリ組成物(以下適宜、単に粉状組成物という)組
成物に配合することにより、粉状組成物に水を添加混合
して調製したペースト(以下適宜、単にペーストとい
う)を施工に付するときに、施工作業に必要な流動性と
可使時間を確保することができる。またこれにより、ケ
イ酸アルカリ溶液と硬化剤である酸性成分との接触部分
で起る部分的な急速ゲル化反応(部分ゲル化)を抑制で
きる。すなわち、バリウムイオン(Ba2+)をペースト
中に共存させた時には、アルカリ溶液に可溶なバリウム
元素以外のアルカリ土類金属イオンを該ペースト中に共
存させた時と異なり、施工作業に必要な流動性と可使時
間が確保できる。これは、バリウムイオンは他のアルカ
リ土類金属イオンと異なりケイ酸アルカリとのケイ酸塩
生成の反応速度が遅く、急速な脱アルカリ反応を抑制で
きる緩衝作用を有しており、その結果シラノール基の縮
合時のポリマー化速度を抑制してぺースト粘度の増加を
抑える機能を有していることに起因する。また、上記の
ようにバリウムイオンを含むことから、この粉状組成物
に配合される硬化剤の酸性成分は、本ペースト中で示す
バリウムイオンの挙動をフォロアップできる酸性成分で
なければならず、硬化剤の酸性成分がバリウムイオンの
挙動開始以前にケイ酸アルカリと反応を起こしてしまう
時には、均質な固化体生成が期待できない。そこで、本
発明においては、硬化剤として、アルカリ性溶液中で徐
々にプロトンを放出するリン酸分の徐放性を有するリン
酸ケイ素の粉状を採択している。これにより、ケイ酸塩
の部分的縮合が抑制され、縮合反応は緩慢化され、不均
質なケイ酸ゲルを生成させず均質なシロキサン結合から
なるポリマー化が起り、生成固化体はさらなる高分子量
を有するポリマーへと誘導され、生成ポリマーは緻密化
し、そのポリマー強度は高強度に移行し、無機質ポリマ
ーの生成が有効に達成される。さらに、アルカリ成分と
の反応性に優れた酸化アルミニウム水和物として、安価
な水酸化アルミニウムを本発明組成物に配合しておくこ
とにより、シラノール基の縮合により遊離分離して不安
定状態にあるアルカリ成分が固定化され、これによって
粉状組成物から生成する無機質ポリマーの生成固化体の
表面で起こる白化現象を抑制し、しかも生成する無機質
ポリマー製品に優れた耐水性を付与できる。すなわち、
本発明の粉状組成物から調製されるぺーストが、上記し
た酸性成分としてのリン酸ケイ素の役割と、この酸性成
分の役割を有効に導き出している上記したバリウムイオ
ンの役割と相まって、水酸化アルミニウムの役割に相乗
効果を与え、ここに起きる化学的現象が複合発揮され
る。これら3つの役割が共同して起こす相乗効果によっ
て、均質で高硬度の無機質ポリマー固化体が有効に生成
され、また応用される。この結果、水酸化アルミニウム
が粉状組成物に配合されぺーストが調製されていること
により、ポリシロキサン結合の生成により遊離分離して
不安定状態にあるアルカリ成分が、共存しているシリカ
と水酸化アルミニウムとに反応してゼオライトの前駆体
であるソーダーライトを生成し遊離分離しているアルカ
リ成分を固定化させることができるため、白化現象を抑
制し、耐水性等の諸物性を有効に発揮させることが可能
となる。また、ケイ酸アルカリ、バリウム塩、酸化アル
ミニウム水和物、及びリン酸ケイ素の粉状4成分をワン
パック状態に充填することにより、煩雑な現場混合工程
をなくすことができる。ここで、上記したように相乗効
果を発揮するこれら粉状状4成分(水に可溶な粉状ケイ
酸アルカリ、アルカリ性溶液に可溶なバリウム塩、リン
酸分の徐放性を有するリン酸ケイ素、及び反応性の酸化
アルミニウム水和物)は、粉状でワンパックされた組成
物を構成する時、アルカリ成分中に酸性成分(本発明に
おいてはリン酸ケイ素)をワンパックに共存させること
から、このワンパック製品は保存中に反応することなく
安定した棚寿命性を確保していなければならない。本発
明においては、上記したように水酸化アルミニウムが粉
状組成物に配合されており、これが酸性成分とアルカリ
成分との直接の接触を防止するように機能することによ
り、これらをワンパック製品とした場合にも、リン酸ケ
イ素のリン酸分の徐放性は維持されつつ、かつ水添加に
より調製されるぺーストの作業性も確保され、安定に保
存管理することができる。
【0029】各式における定数に関しては、pを1.2
以上とすることにより、アルカリ成分が多すぎて硬化速
度を遅延させたり、白化現象を発現したり、耐水性が低
下するのを防止することができ、pを3.2以下とする
ことにより、生成ポリマー形成への含有ケイ酸の良好利
用を確保し、高硬度の固化体を確実に得ることができ
る。また、qを0.5以上とすることにより、粉状ケイ
酸アルカリの水に対する溶解性が損なわれるのを防止
し、ケイ酸アルカリの有効利用を確実に図ることがで
き、qを1.5以下とすることにより、粉状ケイ酸アル
カリに潮解性が生じて粉状ワンパック品での保存性が低
下し棚寿命性を損なうのを防止できる。さらに、rを
4.0以下とすることにより、バリウムイオンの活性を
確実に有効利用することができる。また、sを9.0以
下とすることにより、ワンパック品中でのバリウム塩の
保存安定性が阻害されるのを防止できる。さらに、tを
1.0以上とすることにより、潮解性によってリン酸ケ
イ素としての安定性が欠けるようになるのを防止し、さ
らにtを8.0以下とすることにより、リン酸分の含有
量が減少し酸性成分硬化剤として機能発揮が乏しくなる
のを確実に防止する。さらに、uを0.5以上とするこ
とにより、ケイ酸アルカリ等との反応性が乏しくなって
アルカリ固定化成分としての役割を充分に発揮できなく
なるのを防止でき、uを5.0以下とすることにより、
酸化アルミニウム水和物をさらさらした粉状状に維持で
きずワンパック品にした製品保存中にトラブルを起こす
可能性をなくすことができる。
【0030】各構成要素の混合割合に関しては、バリウ
ム塩をケイ酸アルカリ100重量部に対し0.1重量部
以上混合することにより、作業可使時間に必要な時間だ
け生成ペーストの流動性を確実に確保することができ、
またバリウム塩を10重量部以下だけ混合することによ
り、固化体の硬化速度が遅くなりすぎて、無機質ポリマ
ーの製品化の実用性を損なうのを防止できる。また、リ
ン酸ケイ素をケイ酸アルカリ100重量部に対し1重量
部以上だけ混合することにより、生成固化体の生成速度
が遅くなって所定の性能を有する無機質ポリマーの生成
ができなくなるのを確実に防止し、またリン酸ケイ素を
40重量部以下だけ混合することにより、施工作業に必
要な流動性や可使時間が得難くなって無機質ポリマーの
実用性が損なわれるのを確実に防止することができる。
さらに、酸化アルミニウム水和物を10〜50重量部だ
け混合することにより、無機質ポリマーに遊離するアル
カリ成分を固定化し白化現象等の発生を確実に防止する
ことができる。
【0031】また、以上に加え、採択するバリウム塩粉
状としては、バリウムイオンのアルカリ溶液への可溶分
を有するものであれば足り、例えば高温焼成を必要とし
ないアルカリ溶液への可溶分を有する低温処理調製品か
もしくは工業的原料として大量に製造されている安価な
水酸化バリウムでよい。また、同時に採択する酸化アル
ミニウム水和物も、例えば工業的原料として大量に製造
されている安価な水酸化アルミニウム粉状でよい。した
がって、本発明の粉状組成物を、入手容易で安価な汎用
材料を選択配合して構成することができるので、無機質
ポリマー製品類を低廉コストで供給できる効果もある。
【0032】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リン酸
ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和物に加え、アル
カリ溶液で難溶性を示す粉状硫酸塩の群より選ばれた1
種もしくは2種以上の組み合わせからなる硫酸塩化合物
がさらに均質混合されており、かつ、この硫酸塩化合物
は、前記粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対し、
0.1〜10重量部の範囲となるように混合されてい
る。本発明は、アルカリ溶液への可溶分を有するバリウ
ム塩をペースト中に共存させるとともに、リン酸分の徐
放性を有するリン酸ケイ素を共存させることによってぺ
ーストの流動性と可使時間を確保するが、この確保のた
めにぺーストの硬化は阻害されており、固化体製品の諸
物性(硬度、耐水性、耐熱性等)の早期発現が困難とな
る可能性がある。そこで、粉状組成物中にアルカリ溶液
中で難溶性の硫酸塩化合物を配合することにより、施工
後の時間帯で硫酸塩化合物中の硫酸根がアルカリ中に溶
解し、共存しているバリウムと反応して不溶性の硫酸バ
リウムを形成させ、バリウムイオンの挙動を停止させる
ことができる。これにより、ぺーストの流動性と可使時
間を確保するために配合されたバリウム塩の作用は、施
工終了後は直ちに停止され硬化反応速度が急速に促進さ
れるので、固化体製品の諸物性の早期発現を促進するこ
とができる。
【0033】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リ
ン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和物に加え、
水可溶性の粉状ホウ酸塩の1種もしくは2種以上の組み
合わせからなるホウ酸アルカリがさらに均質混合されて
おり、かつ、このホウ酸アルカリは、前記粉状ケイ酸ア
ルカリの100重量部に対し、40重量部以下となるよ
うに混合されている。ケイ酸アルカリからシロキサンポ
リマー生成時の収縮によって歪エネルギーが生じるが、
規則正しいマトリックス中で逃げ場がないためにポリマ
ーに亀裂やクラックを発生させる場合がある。そこで、
緩衝帯成分として水可溶性のホウ酸のアルカリ塩である
ホウ酸アルカリを混合することにより、この歪みエネル
ギーの逃げ場を設け、亀裂・クラックの発生を防止する
ことができる。
【0034】(4)上記(1)において、また好ましく
は、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リ
ン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和物に加え、
水可溶性の粉状ケイフッ化化合物の1種もしくは2種以
上の組み合わせからなるケイフッ化アルカリがさらに均
質混合されており、かつ、このケイフッ化アルカリは、
前記粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対し、10重
量部以下となるように混合されている。これにより、ペ
ーストの流動性や可使時間を確保しかつ無機質ポリマー
の硬化速度を管理しかつ生成固化体の強度や耐水性等の
物性を向上させつつ、さらに各種基材に対する付着性を
向上させることができる。
【0035】(5)上記(1)において、また好ましく
は、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リ
ン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和物に加え、
顔料、機能性、活性剤、充填剤等より選ばれた1種もし
くは2種以上の組み合わせからなる填剤がさらに均質混
合されており、かつ、この填剤は、前記粉状ケイ酸アル
カリの100重量部に対し、8000重量部以下となる
ように混合されている。
【0036】(6)上記(1)において、また好ましく
は、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リ
ン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和物に加え、
界面活性剤、有機化合物、樹脂、改質剤等より選ばれた
1種もしくは2種以上の組み合わせからなる添加剤がさ
らに均質混合されており、かつ、この填剤は、前記粉状
ケイ酸アルカリの100重量部に対し、0.01〜20
重量部の範囲となるように混合されている。
【0037】(7)また上記目的を達成するために、本
発明は、ケイ酸アルカリ、バリウム塩、リン酸ケイ素、
及び酸化アルミニウム水和物の粉状4成分が均質に混合
され、ワンパック状態に充填された粉状ワンパックのケ
イ酸アルカリ組成物において、前記ケイ酸アルカリは、
Li,Na,Kのアルカリ金属元素のうち1つをM、
1.2〜3.2の数をp、0.5〜1.5の数をqとし
て、M2O・pSiO2・qH2Oで表される水に可溶な
粉状ケイ酸アルカリの1種もしくは2種以上の組み合わ
せから構成されており、前記バリウム塩は、4.0以下
の数をr、9.0以下の数をsとして、BaO・rSi
2・sH2Oで表されるバリウムイオンのアルカリ溶液
への可溶分を有する粉状バリウム塩の単独もしくは2種
以上の組み合わせから構成され、前記リン酸ケイ素は、
1.0〜8.0の数をtとして、tSiO2・P25
表されるリン酸分の徐放性を有する粉状リン酸ケイ素の
単独もしくは2種以上の組み合わせからなり、前記酸化
アルミニウム水和物は、0.5〜5.0の数をuとし
て、Al23・uH2Oで表される反応性の粉状酸化ア
ルミニウム水和物から構成されており、これら粉状ケイ
酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び
粉状酸化アルミニウム水和物は、粉状ケイ酸アルカリ1
00重量部に対し、粉状バリウム塩、粉状リン酸ケイ
素、及び粉状酸化アルミニウム水和物が、それぞれ、
0.1〜10重量部、1〜40重量部、及び10〜50
重量部の範囲となるように混合されており、かつ、当該
ケイ酸アルカリ組成物100重量部に対し27〜100
重量部となる水と混合されてポリシロキサン結合を主鎖
とするポリマーを形成することにより、ポリマー製品用
に用いられる。
【0038】(8)また上記目的を達成するために、好
ましくは、上記(1)〜(7)において、粉状ワンパッ
クのケイ酸アルカリ組成物と水とが混合されて構成さ
れ、かつ、前記粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物
100重量部に対し前記水が27重量部以上47重量部
以下の範囲で混合されているペースト状ケイ酸アルカリ
系固化材が提供される。このような固化材は、水和型の
セメント系固化材と異なり、ポリシロキサン結合の主鎖
で構成されていることから、不燃性であるのみならず耐
熱性があることから各種の不燃・耐熱性固化材として有
効である。
【0039】(9)また上記目的を達成するために、好
ましくは、上記(8)において、ペースト状ケイ酸アル
カリ系固化材を廃棄物を収納した容器中に注入した後、
5〜300℃の雰囲気中に開放してポリシロキサン結合
を主鎖とするポリマーを形成させることにより、前記廃
棄物を前記容器中で固定化処理することを特徴とする廃
棄物の処理方法が提供される。
【0040】(10)また上記目的を達成するために、
好ましくは、上記(1)〜(7)において、粉状ワンパ
ックのケイ酸アルカリ組成物と水とを、前記粉状ワンパ
ックのケイ酸アルカリ組成物100重量部に対し前記水
が27重量部以上47重量部以下の範囲となるように混
合してペーストを形成し、このペーストを5〜300℃
の雰囲気中に開放してポリシロキサン結合を主鎖とする
ポリマーを形成することにより製造されたことを特徴と
するポリマー製品が提供される。
【0041】(11)上記(10)において、好ましく
は、前記ポリシロキサン結合を主鎖とするポリマーを単
独で形成する。
【0042】(12)上記(10)において、また好ま
しくは、付着対象となる基材の表面で前記ポリシロキサ
ン結合を主鎖とするポリマーを形成することにより、前
記基材の表面に対し被覆、塗装、又は接着等を行う。
【0043】(13)上記(10)において、また好ま
しくは、前記ペーストを、対象とする形状維持素材と一
体化して5〜300℃の雰囲気中に開放し、前記ポリシ
ロキサン結合を主鎖とするポリマーを前記形状維持素材
と一体化された状態で形成することにより、複合体とす
る。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるいくつかの実
施形態を説明する。
【0045】(I)ケイ酸アルカリ組成物 まず、本発明による第1の実施形態として、ケイ酸アル
カリ組成物の実施形態について説明する。本実施形態に
よるケイ酸アルカリ組成物は、その必須構成要素とし
て、粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉状リン酸
ケイ素、及び反応性粉状酸化アルミニウム水和物を備え
ている。以下(1)〜(6)において、各構成成分ごと
にその実施形態について詳細に説明する。
【0046】(1−1)粉状ケイ酸アルカリ 本実施形態におけるケイ酸アルカリ組成物は、まず、シ
ロキサン結合からなるポリマーの主鎖を形成する骨格成
分として、下記平均組成式で表される水に可溶な粉状
ケイ酸アルカリを備える。
【0047】M2O・pSiO2・qH2O … 但し、M:Li,Na,Kのうちいずれかのアルカリ金
属元素 1.2≦p≦3.2 0.5≦q≦1.5 ここで、ケイ酸アルカリのアルカリ金属種Mは、入手の
容易さおよび安価であることからナトリウムNaが好適
であり、したがってケイ酸ソーダーの粉状が好適であ
る。しかし、無機質ポリマーの利用分野や使用目的、ま
た求められる作業性や固化体物性等によっては、アルカ
リ金属種にカリウムKやリチウムLiをそれぞれ単独
に、さらにはナトリウムを含めたアルカリ金属の組み合
わせからなるケイ酸アルカリ類の複合粉状を適宜選択使
用することができる。
【0048】このとき、pは、無機質ポリマーに求めら
れる用途や作業性に応じて上記の範囲から適宜選択する
ことができる。但し、pが1.2より小さい時には、ア
ルカリ成分が多すぎて硬化速度を遅延させたり、また白
化現象を発現したり耐水性に劣る無機質ポリマー固化体
となる傾向にある。また、pが3.2より大きい時は、
生成ポリマー形成への含有ケイ酸の良好利用が期待でき
ず、高硬度の固化体は得られない傾向にある。したがっ
て、一般には、pが1.2ないし3.2の範囲にあるこ
とが好ましく、pが2.5ないし3.0の範囲にあるこ
とがより好ましい。また同様に、qは、無機質ポリマー
の使用目的、用途、施工条件等に合わせて随時選ぶこと
ができる。但し、qが1.5よりも大きい時には、粉状
ケイ酸アルカリに潮解性が生じ粉状ワンパック品での保
存性が低下し、本実施形態の粉状組成物の棚寿命性を損
ない適切でない。また、qが0.5よりも小さい時に
は、粉状ケイ酸アルカリの水に対する溶解性が損なわ
れ、ケイ酸アルカリの有効利用ができず目的を達するこ
とができない。したがって、qが0.5ないし1.5の
範囲にあることが好ましい。
【0049】(1−2)粉状バリウム塩 次に、本実施形態におけるケイ酸アルカリ組成物は、粉
状組成物に水を添加混合して調製したペーストが施工作
業に必要な流動性と可使時間を確保するために、生成ペ
ーストの安定化成分として、アルカリ溶液への可溶分を
有する粉状バリウム塩を備える。このバリウム塩は、下
記組成式で表される粉状バリウム塩のうち、アルカリ
溶液への可溶分を有するバリウム塩であれば良い。
【0050】BaO・rSiO2・sH2O … 但し、r≦4.0 s≦9.0 ここで定義される「アルカリ溶液への可溶分」は、さき
に定義した、1規定苛性ソーダ溶液中へのバリウムイオ
ン(Ba2+)の溶出量%で示される。
【0051】これにより、粉状組成物に水を添加混合
し、調製したペーストを施工に付するときに、施工作業
に必要な流動性と可使時間を確保することができる。ま
たこれにより、ケイ酸アルカリ溶液と硬化剤である酸性
成分との接触部分で起る部分的な急速ゲル化反応(部分
ゲル化)を抑制できる。すなわち、バリウムイオン(B
2+)をペースト中に共存させた時には、アルカリ溶液
に可溶なバリウム元素以外のアルカリ土類金属イオンを
該ペースト中に共存させた時と異なり、施工作業に必要
な流動性と可使時間が確保できる。これは、バリウムイ
オンは他のアルカリ土類金属イオンと異なりケイ酸アル
カリとのケイ酸塩生成の反応速度が遅く、急速な脱アル
カリ反応を抑制できる緩衝作用を有しており、その結果
シラノール基の縮合時のポリマー化速度を抑制してぺー
スト粘度の増加を抑える機能を有していることに起因す
る。
【0052】ここで、この粉状バリウム塩のアルカリ溶
液への可溶分は、10%以上であることが好適である。
アルカリ溶液への可溶分が10%以下であるケイ酸バリ
ウムを本実施形態で採択する時には、本実施形態のペー
ストに施工作業に必要な流動性と可使時間を確保するこ
とは期待できない。また一方、アルカリ溶液への可溶分
が90%以上であるバリウム塩では、本実施形態のペー
ストの流動性と可使時間は確保されるが硬化時間が長期
化してしまう。また、後に説明する硬化促進剤としての
硫酸塩化合物を使用する場合には、その量を多く必要と
するため、無機質ポリマーの適切な製品化を損ない好ま
しくない。
【0053】一般には、上記のアルカリ溶液への可溶分
を満足し、入手容易で安価であるバリウム塩としては、
工業製品として市販されている化学式Ba(OH)2
8H2Oで示される水酸化バリウムが好適である。ま
た、化学式BaOの酸化バリウムを採択することも有効
である。しかし、アルカリ溶液への可溶分量が管理で
き、本実施形態のペーストの流動性と可使時間の調整を
管理できることから、本実施形態においてはバリウムイ
オンの活性がマイルドに発揮されるケイ酸バリウムが好
適である。ケイ酸バリウムとしては、水酸化バリウムと
反応性ケイ酸とを原料とした混合品を低温(好適には1
00〜200℃)処理により調製されたアルカリ溶液へ
の可溶分が10%以上である簡易型粉状ケイ酸バリウム
が、本実施形態においてはペーストの流動性と可使時間
ならびに硬化時間を管理できることから好適である。こ
の場合の簡易型粉状ケイ酸バリウムは、組成式におけ
るrが4.0以下の数である必要があり、4.0より大
きくなるとバリウムイオンの活性を有効に利用すること
ができない。また、組成式におけるsの数が9.0以
下の数である必要があり、9.0より大きくなると、本
実施形態によるワンパック品中でのバリウム塩の保存安
定性が確保されず本実施形態の目的を達することができ
ない。
【0054】また、これらのアルカリ溶液への可溶分を
有する粉状バリウム塩は、骨格成分の粉状ケイ酸アルカ
リの100重量部に対して、0.1ないし10重量部の
範囲で配合することが好ましい。配合量が0.1重量部
よりも少ないと、生成ペーストの流動性を作業可使時間
に必要な時間確保することが困難となる。また、配合量
が10重量部よりも多いと、作業可使時間は充分である
が、固化体の硬化速度を大変遅くし、無機質ポリマーの
製品化の実用性を損なう傾向にある。
【0055】(1−3)粉状リン酸ケイ素 本実施形態におけるケイ酸アルカリ組成物はさらに、硬
化剤成分として、ワンパック中での安定した棚寿命性が
確保されペースト中で共存するバリウムイオンや水酸化
アルミニウムとの共同作業で役割を果たすために、ペー
スト中でリン酸分の徐放性を有する粉状リン酸ケイ素を
備える。このリン酸ケイ素は、下記組成式で表される
リン酸分の徐放性を有する粉状リン酸ケイ素であれば良
い。
【0056】tSiO2・P25 … 但し、1.0≦t≦8.0 ここで定義される「リン酸分の徐放性」とは、さきに定
義した試料溶液の5分経過時の初期リン酸の溶出量βが
200以下であり、平均加水分解速度定数αが0.2以
上の範囲にある状態をいう。
【0057】すなわち、本実施形態による粉状組成物は
上記(1−2)で説明したバリウムイオンを含むことか
ら、配合される硬化剤の酸性成分はペースト中で示すバ
リウムイオンの挙動をフォロアップできる酸性成分でな
ければならず、硬化剤の酸性成分がバリウムイオンの挙
動開始以前にケイ酸アルカリと反応を起こしてしまう時
には、均質な固化体生成が期待できない。そこで、硬化
剤として、アルカリ性溶液中で徐々にプロトンを放出す
るリン酸分の徐放性を有するリン酸ケイ素の粉状を採択
することにより、ケイ酸塩の部分的縮合が抑制され、縮
合反応は緩慢化される。これにより、不均質なケイ酸ゲ
ルを生成させず均質なシロキサン結合からなるポリマー
化が起り、生成固化体はさらなる高分子量を有するポリ
マーへと誘導され、生成ポリマーは緻密化し、そのポリ
マー強度は高強度に移行し、無機質ポリマーの生成が有
効に達成される。
【0058】このリン酸ケイ素は、ペースト中でリン酸
分が除放性を備え、アルカリ性溶液中で簡単に加水分解
しない安定した化合物であることが望ましい。したがっ
て、採択されるリン酸ケイ素は、リン酸分の徐放性を良
好にコントロールされる観点から、組成式におけるt
が1.0〜8.0の範囲にあることが必要であり、かつ
500〜1200℃の温度範囲で焼成されることが好ま
しい。tが1.0よりも小さく、700℃以下で焼成さ
れる時は、潮解性を示しリン酸ケイ素としての安定性に
欠ける傾向にある。また、tが8.0 よりも大きく、
1200℃以上で焼成される時は、リン酸分の含有量が
減少し酸性成分硬化剤として機能発揮が乏しくなる。
【0059】なお、この粉状リン酸ケイ素は、粉状での
アルカリ成分との直接接触に対しより確実に耐えて保存
中の安定性ならびにリン酸分の徐放性を確保するため
に、当業界で公知のコーティング剤によって予め表面処
理することがより好ましい。この場合のコーティング剤
としては、アルカリ水溶液中で可溶性の有機の脂肪酸
(ステアリン酸等)もしくは脂肪酸塩(ステアリン酸カ
ルシウムやステアリン酸バリウム等)さらにはカップリ
ング剤(オルガノシロキサンモノマーやポリマーのシラ
ン、チタンカップリング剤)等が所定の方法により0.
01ないしは6%の範囲でコーティング処理されている
ことが好ましい。
【0060】これら硬化剤成分であるリン酸分の徐放性
を有する粉状リン酸ケイ素は、骨格成分の粉状ケイ酸ア
ルカリの100重量部に対して、1〜40重量部の範囲
で配合されることが好ましい。配合量が1重量部よりも
少ないと、生成固化体の生成速度が遅く、本実施形態が
目的とする性能を有する無機質ポリマーの生成が期待で
きない。また、配合量が40重量部よりも多いと、施工
作業に必要な流動性や可使時間が得難く、無機質ポリマ
ーの実用性を損なう傾向にある。
【0061】(1−4)酸化アルミニウム水和物 そして、本実施形態におけるケイ酸アルカリ組成物は、
無機質ポリマーをケイ酸アルカリから生成させていると
きに発生が懸念される白化現象や耐水性の劣化を防止す
るために、アルカリ成分の固定化成分として、反応性酸
化アルミニウム水和物を備える。この酸化アルミニウム
水和物は、下記組成式で表される酸化アルミニウム水
和物であればよい。
【0062】Al23・uH2O … 但し、0.5≦u≦5.0 これにより、シラノール基の縮合により遊離分離して不
安定状態にあるアルカリ成分が固定化され、これによっ
て粉状組成物から生成する無機質ポリマーの生成固化体
の表面で起こる白化現象を抑制し、しかも生成する無機
質ポリマー製品に優れた耐水性を付与できる。すなわ
ち、本実施形態の粉状組成物から調製されるぺースト
が、上記した酸性成分としてのリン酸ケイ素の役割と、
この酸性成分の役割を有効に導き出している上記したバ
リウムイオンの役割と相まって、水酸化アルミニウムの
役割に相乗効果を与え、ここに起きる化学的現象が複合
発揮される。これら3つの役割が共同して起こす相乗効
果によって、均質で高硬度の無機質ポリマー固化体が有
効に生成され、また応用される。この結果、水酸化アル
ミニウムが粉状組成物に配合されぺーストが調製されて
いることにより、ポリシロキサン結合の生成で遊離分離
して不安定状態にあるアルカリ成分が、共存しているシ
リカと水酸化アルミニウムとに反応してゼオライトの前
駆体であるソーダーライトを生成する。そしてこれによ
って遊離分離しているアルカリ成分を固定化させること
ができるため、白化現象を抑制し、耐水性等の諸物性を
有効に発揮させることが可能となる。
【0063】このとき、組成式におけるuは0.5以
上である必要があり、uが0.5よりも小さい時は、ケ
イ酸アルカリ等との反応性が乏しく、アルカリ固定化成
分としての役割を充分に発揮することはできない。また
uは5.0以下である必要があり、5.0よりも大きい
時は、酸化アルミニウム水和物をさらさらした粉状状に
維持しておくことが困難となり、ワンパック品にした製
品保存中にトラブルを起こす可能性があり好ましくな
い。
【0064】この酸化アルミニウム水和物としては、例
えば、入手が容易であり安価であることから工業製品と
して一般に市販されている粒径200μ以下でu=3で
ある反応性粉状水酸化アルミニウムが好適である。
【0065】また、これら反応性の粉状酸化アルミニウ
ム水和物は、無機質ポリマーに遊離するアルカリ成分を
固定化し白化現象等のトラブルを防止する観点からは、
骨格成分の粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対して
10〜50重量部だけ配合する必要があり、15〜40
重量部の範囲で配合すればさらに好ましい。
【0066】なお、この反応性粉状酸化アルミニウム水
和物は、ワンパック製品が保存中に反応するのを防止し
安定した棚寿命性を維持させる機能も果たす。すなわ
ち、本実施形態においては、ケイ酸アルカリ、バリウム
塩、酸化アルミニウム水和物、及びリン酸ケイ素の粉状
4成分を予めワンパック状態に充填することにより、煩
雑な現場混合工程をなくすものである。ここで、上記し
たように相乗効果を発揮するこれら粉状状4成分(水に
可溶な粉状ケイ酸アルカリ、アルカリ性溶液に可溶なバ
リウム塩、リン酸分の徐放性を有するリン酸ケイ素、及
び反応性の酸化アルミニウム水和物)は、粉状でワンパ
ックされた組成物を構成する時、アルカリ成分中に酸性
成分(本実施形態においてはリン酸ケイ素)をワンパッ
クに共存させることから、このワンパック製品は保存中
に反応することなく安定した棚寿命性を確保していなけ
ればならない。ここで、この水酸化アルミニウムが粉状
組成物に配合されることにより、これが酸性成分とアル
カリ成分との直接の接触を防止するように機能し、これ
らをワンパック製品とした場合にも、リン酸ケイ素のリ
ン酸分の徐放性は維持されつつ、かつ水添加により調製
されるぺーストの作業性も確保され、安定に保存管理す
ることができる。
【0067】本実施形態によるケイ酸アルカリ組成物
は、以上、4つの必須構成要素の他に、必要に応じて、
適宜他の成分を加えてもよい。以下、それら他の成分に
ついて(2)〜(6)で順番に説明する。
【0068】(2)硫酸塩化合物 本実施形態によるケイ酸アルカリ組成物は、必要に応じ
て、流動性ならびに可使時間の確保されたペーストが施
工された後に速やかに生成固化体が完成して硬度が早期
に発現されるように、さきに定義した「アルカリ溶液で
の難溶性」で50%以下の硫酸根溶出を示す硫酸塩化合
物を硬化促進剤成分として混合する。このようにアルカ
リ溶液中で難溶性の硫酸塩化合物を配合することによ
り、施工後の時間帯で硫酸塩化合物中の硫酸根がアルカ
リ中に溶解し、共存しているバリウムと反応して不溶性
の硫酸バリウムを形成させ、バリウムイオンの挙動を停
止させることができる。これにより、ぺーストの流動性
と可使時間を確保するために配合されたバリウム塩の作
用は、施工終了後は直ちに停止され硬化反応速度が急速
に促進されるので、固化体製品の諸物性の早期発現を促
進することができる。この配合される硫酸塩化合物とし
ては、水が添加された初期の段階(例えば、2時間以
内)では流動性による可使時間が確保される必要がある
ことから、アルカリ溶液に難溶性であることが大切であ
る。したがって一般的には、焼成工程等により無水化さ
れてアルカリ溶液に難溶性を示す硫酸カルシウム(無水
石膏)等が、入手容易であり、安価であることから好ま
しい。しかし、他のアルカリ溶液に難溶性を示す硫酸塩
化合物として、特定の処理が施されて難溶性を示す硫酸
マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸亜
鉛、硫酸アルミニウム等を挙げることができる。また、
これら硫酸塩化合物の配合割合は、本実施形態の粉状ケ
イ酸アルカリの100重量部に対し、0.1〜10重量
部の範囲となるように均質混合されることが好ましい。
配合量が0.1重量部より小さい時は共存するバリウム
イオンの固定能力が劣り、また配合量が10重量より多
くなると、該硫酸塩自身が起こす水和反応が固化体に悪
い影響を及ぼす傾向があり好ましくない。
【0069】(3)ホウ酸アルカリ また、本実施形態によるケイ酸アルカリ組成物は、必要
に応じて、骨格成分であるケイ酸アルカリから形成され
るシロキサン結合に生じるエネルギー歪に対応できる緩
衝帯を設けるために、その緩衝帯成分として水可溶性の
粉状状ホウ酸アルカリを備えてもよい。
【0070】すなわち本実施形態における無機質ポリマ
ーの基本は、4価のケイ素(Si)と2価の酸素(O)
からなるシロキサン結合のポリマーであり、この場合生
成マトリックスは規則正しく構成される。しかしなが
ら、ケイ酸アルカリからのシロキサンポリマー生成は、
脱水を伴うことから収縮が起り、その収縮から生じる歪
エネルギーが固化体に蓄積してくる傾向にある。一方、
マトリックスは規則正しいだけにここに生じた歪エネル
ギーには逃げ場がなく、その歪エネルギーを解消するた
めにポリマーに亀裂やクラックを発生させる場合があ
り、製品のトラブル原因となっている。これを防止する
ためには、このポリマー内に発生する歪エネルギーを吸
収できる場、所謂「遊びの場」が必要であり、その場を
緩衝帯として形成させておくのが有効である。この考え
方は、ガラスにおけるホウケイ酸ガラスの挙動に似てい
る。本実施形態の常温固化型シロキサン結合からなる無
機質ポリマーにおいても、価数の異なる3価のホウ素元
素を含有する化合物が緩衝帯成分として有効であること
が応用されている。すなわち、本実施形態においては、
ケイ酸アルカリを骨格成分としていることから、緩衝帯
成分として水可溶性のホウ酸のアルカリ塩であるホウ酸
アルカリを選択採用する。このとき、これら水可溶性の
粉状ホウ酸アルカリは、骨格成分の粉状ケイ酸アルカリ
の100重量部に対して、必要に応じて20重量部以
下、好ましくは10重量部以下の量で配合されているこ
とが、シロキサン結合からなる無機質ポリマーに歪エネ
ルギー解消の緩衝帯を形成する上で好ましい。また、選
択される水可溶性のホウ酸アルカリとしては、アルカリ
元素がカリウムもしくはナトリウムであることが好まし
く、例えば、ホウ酸カリやホウ酸ソーダーを選ぶことが
できる。また、これらのホウ酸アルカリは粉状であるこ
とから、無水塩、3水塩、5水塩、7水塩、10水塩の
中から選択することが好適である。
【0071】(4)ケイフッ化アルカリ また、本実施形態によるケイ酸アルカリ組成物は、ペー
ストの流動性や可使時間を確保して、無機質ポリマーの
硬化速度を管理し、生成固化体の強度や耐水性等の物性
を向上させるために、さらにまた各種基材に対する付着
性を向上させるために、必要に応じて水可溶性の粉状ケ
イフッ化アルカリを選び配合してもよい。
【0072】この水可溶性の粉状ケイフッ化アルカリと
しては、工業用原料として一般に市販されている、粉状
状のケイフッ化カリ、ケイフッ化ソーダ、ケイフッ化カ
ルシウム、ケイフッ化マグネシウム、ケイフッ化バリウ
ム等の中から選択配合することができる。これら粉状ケ
イフッ化アルカリは、保存中の安定性を確保ならびにリ
ン酸分の徐放性を確保するために、当業界で公知のコー
ティング剤によって予め表面処理されていても良い。ま
た、これら水可溶性の粉状ケイフッ化アルカリは、骨格
成分の粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対して、必
要に応じて10重量部以下、好ましくは8重量部以下の
量で配合されていることが、本実施形態のペーストの施
工作業性ならびに無機質ポリマーの硬化速度が管理さ
れ、シロキサン結合からなる無機質ポリマーの強度や耐
水性等の物性を向上させる上で好ましい。
【0073】(5)填剤 また、本実施形態によるケイ酸アルカリ組成物は、生成
無機質ポリマーに求められる物性、機能性、施工性、用
途目的等に応じて、200ミクロン以下の粉状である顔
料、機能剤、着色剤、活性剤、充填剤、ボリュウム材等
の粉体填剤を選択配合することができる。これらの填剤
は、ペーストの施工作業性や無機質ポリマーの諸物性を
損なわない範囲で適宜配合すればよい。具体的には、粉
状ケイ酸アルカリ100重量部に対して、填剤を800
重量部以下の量割合で、単独もしくは2種以上の組み合
わせで、予備実験による確認を経て添加配合することが
できる。
【0074】ここに採択される填剤の例を以下に順次示
す。但し、本実施形態の填剤はここに例示される填剤に
限定されるものでないことは言うまでもない。
【0075】(A)顔料 顔料としては、一般に当業界で公知の各種有色の無機質
顔料ならびに有機質顔料もしくは体質顔料を本実施形態
の粉状ワンパック組成物に好適に採択することができ
る。まず、無機質顔料としては、カーボンブラック、亜
鉛華、二酸化チタン、酸化鉄、水酸化鉄、弁柄、酸化ク
ロム、黄鉛、群青、各種金属酸化物等の無機質有色顔料
や所謂焼成顔料等を挙げることができ、本実施形態の無
機ポリマー製品類の着色を無機質体として可能にするこ
とができる。また、有機質顔料としては、例えば、赤色
や黄色で一般的に使用されている不溶性アゾ顔料、溶性
アゾ顔料、縮合多環式顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリノン系顔料、また、青色や緑色で使用されてい
るシアニンブルー、シアニングリーン等を挙げることが
できるが、予め耐アルカリ性をチェックし、必要に応じ
て適切なコーティングを施してから採用する必要があ
る。また、体質顔料としては、金属類、合金、非酸化
物、酸化物等からなる各種有色の粉状、さらにまた各種
ケイ酸塩系粉状、タルク、ホワイトカーボン、ケイ酸ア
ルミニウム、アルミナ、シリカ、溶融アルミナ、酸化亜
鉛、磁性酸化鉄、窒化ホウ素、炭化ケイ素、各種の粘土
類粉状等を挙げることができる。これら体質顔料のう
ち、アルカリ金属に易反応性のシリカ、亜鉛華、モンモ
リロナイト等は、本実施形態に配合されるアルカリ固定
化成分と相まってアルカリ成分の固定化に有効であり、
本実施形態の組成物配合剤として積極的に採択すること
が好適である。そしてさらにこれら体質顔料のうちケイ
素、アルミニウム、亜鉛等の金属類は、ケイ酸アルカリ
のアルカリと反応し、水素ガスを発生することから、緻
密な無機質ポリマーの生成を期待する時には注意を要す
る。しかし、生成無機質ポリマーに発泡体形状を期待す
る時には、これら金属類を配合することは有効である。
【0076】(B)機能剤(機能性素材) 機能性素材としては、一般に公知である防錆剤、酸化防
止剤、滑り防止剤、ブロッキング材、難燃剤、紫外線・
赤外線吸収剤、防曇剤、忌避剤、抗菌剤、夜光性顔料、
発光体、光触媒、熱伝導体、導電体、誘電体、絶縁性顔
料、発熱体、膨張体、弾性体、帯電防止剤、圧電素子、
活性材、薬剤等の素材から適宜得らび採択することがで
きる。特に、従来技術において光触媒の担持体として有
機質ポリマーを一般に採用しても、これら有機質ポリマ
ーは光触媒により破壊・分解されることから配合に成功
していない。しかるに、本実施形態によるシロキサン結
合を主成分とする無機質ポリマーにおいては、これら光
触媒等の活性物質による破壊・分解に耐性を有している
ことから好適に配合することが可能となり有効である。
【0077】(C)着色剤 また、着色剤としては、上記無機質顔料や有機質顔料も
使用可能であるが、当業界で汎用され、耐アルカリ性を
有する公知の有機系着色化合物、インキならびに染料等
の単独もしくは2種以上の組み合わせより選ぶことによ
って希望する色相の無機質ポリマーを得ることが可能と
なる。
【0078】(D)活性剤 活性剤としては、ホウ酸含有化合物、鉛含有化合物、ク
ロム酸含有化合物、リン酸含有化合物等の粉状品を選ぶ
ことができる。本実施形態の粉状組成物に活性剤を予め
配合しておくことによって、例えば鉄等の金属類が塗付
基材に選ばれる付着性ポリマー製品に採用される時に
は、該ペーストによる被覆、塗付、接着等材料として基
材との密着性を向上させ、防食性を期待できることから
好適である。この時のホウ酸含有化合物としては難燃剤
で公知の含水ホウ酸亜鉛等を挙げることができ、鉛含有
化合物としては釉薬用の鉛化合物や防錆剤のケイ酸鉛等
を挙げることができ、クロム酸含有化合物としては黄色
顔料で防錆剤のクロム酸鉛やクロム酸ストロンチウムを
挙げることができる。また、リン酸含有化合物として本
実施形態で採択される具体的な例として、リン酸カルシ
ウム[Ca3(PO42,Ca227]、リン酸マグネ
シウム[Mg3(PO4),Mg227]、リン酸バリ
ウム[Ba3(PO42,Ba227]、リン酸亜鉛
[Zn3(PO43]、リン酸アルミニウム[AlP
4,Al(H2PO43]、リン酸ケイ素[SiP
27]、リン酸チタン[TiO2・P25]、リン酸錫
[Sn(H2PO42]等の粉状物質を挙げることがで
きる。
【0079】(E)充填剤・ボリュウム材 充填剤ならびにボリュウム材としては、ステンレス、鉛
や鉄等の金属および合金のフレーク、ペースト、粉状、
さらにガラス粉状、陶磁器粉状、ダイヤモンド粉状、酸
化ケイ素粉状(硅砂、硅石、シリカ、シリカヒューム、
溶融シリカ)、マグネシヤ粉、炭酸カルシウム、ジルコ
ンサンド、各種粘土(ベントナイト、スメクタイト、ガ
イロメ、木節粘土等の精製品)、焼成クレー(ボーキサ
イト、モンモリロナイト、カオリン等の焼成品)、石
膏、フッ化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マ
グネシウム、炭酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、各種
の雲母、アスベスト、各種組成内容の釉薬、マイカ、フ
ライアッシュ、各種産業廃棄物の処理・加工品、生活ご
み等の焼却灰等の粒度200ミクロン以下の粉状;さら
にガラス繊維、ロックウール、天然鉱物繊維、カーボン
繊維等の無機質繊維;さらに各種の粒度分布ならびに形
状の硅石、硅砂、ロウ石、長石、シャモット、ムライ
ト、アルミナ、ドロマイト、マグネシヤ、ジルコニヤ、
カルシヤ、ジルコニヤ、炭素、黒鉛、炭化物、窒化物等
の耐熱耐火物等の粉状で粒度200ミクロン以下の粉体
の中から適宜選ぶことができる。
【0080】以上説明した填剤は、一般に水分やOH基
等を保有しているケースが多く、これら水分やOH基を
予め除去する処理工程、例えば乾燥・焼成や脱水処理等
に付してから使用することが一般に好ましい。また、作
業性や使用目的ならびに保存性や施工後の硬化条件等を
考慮して、その粒度構成、形状、細孔容積、比表面積、
吸水性、吸油性等の性状を充分調査して、粉砕、分級、
混合、燒結、精製等の前処理や各種カップリング剤や界
面活性剤等により予め表面処理された粉状に調製してか
ら採択することが有効である。また、これらの填剤は、
目的等に応じ単独もしくは2種以上の組み合わせで、本
粉状組成物中に800重量部以下の量で配合採択される
ことが好適である。
【0081】(6)添加剤 また、本実施形態によるケイ酸アルカリ組成物は、必要
に応じて、生成無機ポリマーの改質成分として、組成物
の光沢性、レベリング性、分散性、含浸性、消泡性、流
動性、粘性、塗付性、付着性、作業性、貯蔵安定性等の
諸性能や諸物性を改善することができる添加剤を配合し
ておくことができる。これらの添加剤は、該粉状組成物
の性能・物性ならびに作業性等を損なわない範囲で適宜
配合すればよい。具体的には、粉状ケイ酸アルカリ10
0重量部に対して、添加剤を0.01〜20重量部とな
るように、単独もしくは2種以上の組み合わせで、予備
実験による確認を経て添加配合すればよい。
【0082】このときの添加剤は特に限定されるもので
ないが、当業界において公知でかつ汎用されており効果
を挙げている各種の界面活性剤や各種の有機化合物、樹
脂類、改質剤等を挙げることができる。これらの添加剤
は、予備実験による質ならびに量の確認を行った上で適
宜選び採用することが好適である。
【0083】なお、上記(1)〜(6)で説明した各粉
状成分を混合・分散する手段は、粉状成分の内容や配合
量比、さらに使用目的等によりおのずと異なってくる
が、土木業界、セメント業界、コンクリート業界、食品
業界、化学品製造業界等で一般に用いられている粉体の
混合機や分散機、例えば、撹拌機、各種混合機、各種混
合・分散ミル等の中から適宜選んで均質な粉体の混合状
態が得られる方法・手段を採用すればよい。また、混合
分散に際しては、混合分散時や施工作業時の季節、気象
・環境条件等を考慮して、混合分散前の各成分材料を予
め冷却もしくは加温等の処理調整を行ってから混合する
ことも有効である。さらにまた、均質混合粉状組成物の
求められる状態によっては、特に顔料や少量の添加剤の
混合分散に際しては、その混合分散の効率を上げるため
に多段に分割して行うことも有効である。
【0084】(II)ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材 上記(I)で説明した第1の実施形態の粉状ワンパック
のケイ酸アルカリ組成物に水を添加配合することによ
り、ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材を調製し、後述
するように、各種の産業廃棄物の処理ならびに無機質ポ
リマー製品、付着性ポリマー製品、複合製品等に応用す
ることができる。そこで、本発明による第2の実施形態
として、ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材の実施形態
について説明する。
【0085】まず、ペーストの調製は、第1の実施形態
の粉状組成物100重量部に対して水を27〜47重量
部の範囲(水混合重量部比=0.27〜0.47)で添
加混合する。水の添加量が27重量部より少ない時には
ペーストが作業性可能な流動性を維持することができ
ず、また水の添加量が47重量部より多い時にはペース
トはシャビシャビ状態となりまとまったケイ酸アルカリ
系固化材としての目的を達成することはできない。この
とき、均質混合手段としては、前述したのと同様、土木
業界、セメント業界、コンクリート業界、塗料・接着業
界、食品業界、化学品製造業界等で公知である粉体−液
体の混合機や分散機類、例えば、撹拌機、各種混合・分
散機、ミル類、モルタルミキサー、ホモジナイザー、ロ
ール、ペイントシェカー、SGミル等の中から適宜選べ
ば良く、粉体−液体の均質混合物がペースト状、マヨネ
ーズ状、ミルク状、ペイント状、モルタル状、モチ状等
で得られる方法・手段を採用すればよい。
【0086】次に、以上のようにして均質に混合・分散
調製されたペーストを、それ自体公知の方法、例えば、
吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、ハ
ケ塗り、ローラー塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ
法、ノズル法、巻き取り法、流し塗り、流し込み、盛り
付け法、パッチング法、各種成型・加工法等当業界で一
般に採用されている自動もしくは手動の施工方法によ
り、目的や用途に合わせた各種の処理に応用し、製品母
体もしくは形状加工品に仕上げる。このとき、ペースト
を、5〜300℃、好適には常温ないし250℃の雰囲
気中に開放して乾燥・脱水条件下に暴露することにより
硬化反応を進行させ、シロキサン結合を主鎖とする固形
状の無機質ポリマーを形成させることにより、無機質ポ
リマーが持つ機能・特長が発揮された各種製品を製造で
きる。そしてこの時の乾燥・脱水条件は、比較的低温の
5℃でも充分であるが、好適には常温ないしは300℃
の範囲、好ましくは250℃以下なら加熱下でも、加圧
下でも、脱気条件下でも与えることができる。また所望
により減圧下、窒素ガス等の不活性ガスや炭酸ガス等の
雰囲気中で硬化反応をスタートさせることもできる。
【0087】このようにして生成させた本実施形態のペ
ースト状ケイ酸アルカリ系固化材は、水和型のセメント
系固化材と異なり、ポリシロキサン結合の主鎖で構成さ
れていることから、不燃性であるのみならず耐熱性があ
ることから各種の不燃・耐熱性固化材として有効であ
る。また、各種成型用型材の流し込み成型固め材とし
て、また、耐火炉材、煙突、ボイラー、構造物等の損傷
箇所の流し込み補修材料としても有用である。
【0088】(III)産業廃棄物処理方法 上記第2の実施形態によるペースト状ケイ酸アルカリ系
固化材は、上述した特性を備えることにより、各種産業
廃棄物(産業廃棄物、各種焼却灰、低レベル放射性廃棄
物、フライアッシュ、高炉スラグ等)の粉体を砂粒状、
顆粒状等の粒状に成型する固化剤として有効である。そ
こで次に、そのペースト状ケイ酸アルカリ系固化材を用
いて各種の産業廃棄物の固化処理を行う産業廃棄物の処
理方法の実施形態を、第3の実施形態として説明する。
【0089】本実施形態による固化処理においては、ま
ず、特定形状の産業廃棄物(例えば低レベル放射性廃棄
物、フライアッシュ、これら一次処理品等)を所定の容
器に収納しておく。その後、その容器に上記第2の実施
形態のペースト状ケイ酸アルカリ系固化材を容器中に注
入する。そして、5〜300℃の雰囲気中に開放するこ
とにより、既に述べた原理によってポリシロキサン結合
を主鎖とするポリマーを形成させる。これにより、産業
廃棄物を容器中で固定化処理することができる。
【0090】また特に、第2の実施形態のペーストは、
ポルトランドセメント等のミルクに比べて流動性がよい
ことから、ガラクタ状もしくは特定な形状に成型された
産業廃棄物、例えば、原子力発電所等から出る放射性廃
棄物の成型体への注入固化材として有用である。
【0091】(IV)ポリマー製品 さらに、上記第2の実施形態の粉状組成物からなる水添
加量の異なる各ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材は、
下記に示す対象物や被施工場所等での施工製品化が適切
であり、特に限定されるものではないが、ポリマー製品
に適用される場合の例として、以下を挙げることができ
る。
【0092】(1)無機質ポリマー製品 無機質ポリマー製品としては、調製されたペーストが、
それ自体単独で所定形状である塊、膜、シート、フイル
ム、薄板、繊維、紐、角材、棒材、球材、粉体、砂状
体、発泡体、特定形状体等に維持された状態て成形固化
体を形成し、各種用途に供せられる製品を挙げることが
できる。すなわち、これらを製造する場合には、上記第
1の実施形態による粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組
成物と水とを、粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物
100重量部に対し水が27重量部以上47重量部以下
の範囲となるように混合してペーストを形成し、このペ
ーストを5〜300℃の雰囲気中に開放してポリシロキ
サン結合を主鎖とするポリマーをそれ自体単独で形成さ
せればよい。
【0093】(2)付着性ポリマー製品 付着性ポリマ−製品としては、調製されたペーストが、
各種基材の表面や内面に付着した状態で無機質ポリマー
を形成して、付着体としての目的機能を果す製品であ
り、具体的には、塗料、下地材、シーラー、コ−ティン
グ材、保護材、接着剤、シ−リング材、ガスケット、目
地剤、パテ、固め材、コ−キング材、ポッティング材、
セメンティング材、アンカ−材、結着体、硬化体等の製
品を挙げることができる。また、本実施形態の付着性ポ
リマ−製品は、タンク、タワー、建造物等の構造物や装
置類のアンカー固定材、さらに上記した各分野での埋め
込みや可塑性パッチング材や発泡性埋め込み材等求めら
れる箇所での各種の固定セメンティング材としても有用
に使用することができる。特に、本実施形態による無機
質ポリマーを用いれば、鉄等の金属製品、セメント等に
よるコンクリート製品、窯業セラミック・粘土類製品、
ホーロー製品、天然素材による木・竹、紙等の製品やそ
の合成加工製品等の各種建築資材表面やその内面に塗付
等の施工を行うことによって、各種有効な大小様々な耐
久性に優れ、耐汚染性に優れた建築資材や各種構造物を
製造することができる。さらに、本実施形態による無機
質ポリマーは、上記各箇所における補修、下地処理、前
処理、穴埋め材、仕上げ材、盛り付け材、耐スベリ材等
の材料として有用に使用することができる。さらにま
た、この無機質ポリマーに各種の窯業材料、繊維質材
料、研磨材、耐摩耗材、各種の無機化合物等を配合し
て、耐水、耐熱、耐火、耐酸等の各種ニーズに答える材
料に応用できるし、上記と同様の各種材料の固化材、加
工材、接着剤、結着剤、目地材等として、化学工場、食
品工場、メッキ工場、温泉、食堂、ホテル等の厨房、煙
道、排水溝、建材等に応用できる。
【0094】以上のような付着性ポリマー製品を製造す
る場合には、上記第1の実施形態による粉状ワンパック
のケイ酸アルカリ組成物と水とを、粉状ワンパックのケ
イ酸アルカリ組成物100重量部に対し水が27重量部
以上47重量部以下の範囲となるように混合してペース
トを形成し、このペーストを5〜300℃の雰囲気中に
開放し、付着対象となる基材の表面でポリシロキサン結
合を主鎖とするポリマーを形成することにより、基材表
面の被覆、塗装、又は接着等を行えばよい。
【0095】(3)複合製品 複合製品としては、調製されたペーストが、各種の金
属、コンクリート、セラミックス、セメント、岩石類、
粘土類、石膏、スラッグ、砂粒、骨材、体質顔料、ガラ
ス、レンガ、ホーロー、木・竹類、紙、繊維・布、プラ
ッスチック、アスファルト、廃棄物の再生処理品等で構
成される形状維持素材(例えば、塊、顆粒体、粉体、
網、ネット、織物・不織布、板、フイルム、シート、容
器、包装体、ハニカム、パイプ、構造体等)と一体化さ
れ、一体化された状態で無機質ポリマーを形成して各種
用途に供せられる複合製品であり、具体的には、各種部
品、各種材料、構造物、各種装置、複合ガラス、フイル
ム、シート、床、壁、建材、ブロック、煙道、煙突、炉
および炉回り、家具、園芸、防音材、吸音材、保温剤、
断熱材、容器類、道具類、装置・機器、ハニカム、各種
成型体、特定構造物等の製品を挙げることができる。
【0096】以上のような複合製品を製造する場合に
は、上記第1の実施形態による粉状ワンパックのケイ酸
アルカリ組成物と水とを、粉状ワンパックのケイ酸アル
カリ組成物100重量部に対し水が27重量部以上47
重量部以下の範囲となるように混合してペーストを形成
し、このペーストを対象とする形状維持素材と一体化し
て5〜300℃の雰囲気中に開放し、ポリシロキサン結
合を主鎖とするポリマーを形状維持素材と一体化された
状態で形成することにより複合体を構成すればよい。
【0097】以上、(I)〜(IV)で説明したように、
本発明の各実施形態により製造される各製品は、ポリシ
ロキサン結合が持つ特徴が生かされた、熱や火に強い
耐熱・不燃・難燃素材、各種光線暴露に強い耐候性発
揮の耐久素材、汚染に負けない美麗素材、酸性雨や
薬品類、かびに勝つ耐性素材、常温もしくは焼付施工
を可能にする作業性に優れた素材として、幅広い用途分
野、例えば社会・生活関連、製造・工業界、建設・土木
業界、サービス業界等での使用が可能で、地球環境に優
しく、都市防災・危機管理に役立つ製品として有効であ
る。
【0098】
【実施例】以下、本発明の各具体的実施例を説明する。
【0099】(I)第1の実施例 まず、本発明の第1の実施例として、粉状ワンパックの
ケイ酸アルカリ組成物の実施例を表1〜表7により説明
する。但し、本実施例においては、粉状ワンパックのケ
イ酸アルカリ組成物の各構成成分をそれぞれ下記の略記
号を用いて表示する。 ・水に可溶な粉状ケイ酸アルカリ(A) からなる骨格成分 :A成分 ・酸化アルミニウム水和物(B) からなるアルカリ成分の固定化成分:B成分 ・可溶なバリウム塩(C) からなる生成ペーストの流動性安定化成分:C成分 ・リン酸分の徐放性を有するリン酸化合物(D) からなる硬化剤成分:D成分 ・水可溶性のホウ酸アルカリ塩(E) からなる緩衝帯成分 :E成分 ・ケイフッ化アルカリ(F) からなる反応助剤成分 :F成分 ・各種の機能性が付与できる填剤(G) からなる機能性成分 :G成分 ・作業性・物性・性能を向上させる添加剤(H) からなる改質成分 :H成分 ・Ba2+を固定化する難溶性硫酸塩(J) からなる硬化促進剤成分 :J成分 ・A成分とE成分とで調製した変性ケイ酸アルカリ(K) :K成分 また、本実施例で採用した原料は、下記略記で表示す
る。 SS:ケイ酸ソーダ PS:ケイ酸カリ LS:ケイ酸リチウム SB:ホウ酸ソーダ PB:ホウ酸カリ HA:水酸化アルミニウム HB:水酸化バリウム SB:酸化バリウム EB:簡易型ケイ酸バリウム SP:リン酸ケイ素 ZP:リン酸亜鉛 SF:ケイフッ化アルカリ CS:ケイ酸カルシウム PS:オルカ゛ノシロキサン(SR 2402) SN:消泡剤 また、本明細書において「%」および「部」は、特記の
ない限り「重量」をもって表示する。
【0100】本実施例の粉状ワンパックのケイ酸アルカ
リ組成物は、その基本成分(上記A成分〜K成分)とし
て、下記表1に示す各成分を採択した。
【0101】
【表1】
【0102】なお、この表1中、配合例1〜6とあるの
は、各成分の典型的な配合例(後述)によって調製した
ことを示している。これら配合例における調整方法の詳
細を以下順次、説明する。
【0103】(1)配合例1 本配合例は、本実施例の骨格成分として採用される粉状
のケイ酸アルカリ(A)若しくは、このケイ酸アルカリ
(A)と水可溶性のホウ酸アルカリ塩(E)とからなる
その変性ケイ酸アルカリ(K)の調製方法の典型的な例
である。すなわち、粉状ケイ酸アルカリのA成分として
は、2号粉状ケイ酸ソーダ[代表的組成(%)SiO2
55.5、Na2O 23.0、SiO2/Na2Oモル比
2.5;略記号 2SS]、ケイ酸カリウム粉状[代表
的組成(%)SiO2 40.6、K2O 20.0、Si
2/K2Oモル比 3.0;略記号 3PS]、メタケイ
酸リチウム粉状[Li2O・SiO2;略記号 LS ]を
用いる。また、変性に採用した水可溶性のホウ酸アルカ
リE成分としては、ホウ酸ソーダ粉状[Na247
10H2O ; 略記号 SB ]ならびにホウ酸カリウム粉
状[K247・8H2O ; 略記号 PB ]を選んだ。
これら原料の配合内容・割合ならびにその試料番号(ケ
イ酸アルカリ(A)試料番号もKシリーズ番号で統一し
た)を表2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】(2)配合例2 本配合例は、本実施例で採用される安定化成分としての
バリウム塩(C)の一例である簡易型ケイ酸バリウム
(EB)の調製方法の典型的な例である。
【0106】すなわち、シリカ原料に酸性白土の酸処理
品シルホナイト[代表的組成(%)SiO2 93.0、
Al23 1.5、 Fe23 0.3、 MgO 0.
3、 CaO 0.2、 Ig.Loss 3.7]を選
び、一方バリウム原料に市販工業用結晶性水酸化バリウ
ムを選び、両者をSiO2/BaOのモル比で1.0に
なるよう均質に混合し、ついで200℃×60分間乾燥
した後、乾燥品をハンマー衝撃型粉砕機を用い200メ
ッシュパスになるように粉砕する。ここに調製された簡
易型ケイ酸バリウムは、X線回析によりケイ酸バリウム
を主成分とすることが同定された。この簡易型ケイ酸バ
リウムを試料番号EB−1とする。
【0107】なお、本配合例における簡易型ケイ酸バリ
ウムのアルカリ溶液への可溶分(Ba2+)は、下記に示
す方法により測定し、その結果は、800mg/lであ
った。 「アルカリ溶液への可溶分」の測定方法:粉状バリウム
塩試料10gを25℃の1規定苛性ソーダ溶液100m
l中に10分間撹拌分散させた後、試料溶液を濾別して
回収した溶液中のバリウムイオンを定量分析し、採取試
料中のバリウム元素量を基準(100)とする1規定苛
性ソーダ溶液中に溶出したバリウムイオン(Ba2+)量
(mg/l)で算出した。
【0108】また、本配合例で採択した粉状水酸化バリ
ウム[HB:Ba(OH)2]ならびに酸化バリウム
[SB:BaO]のアルカリ溶液への可溶分を同様に測
定した結果、それぞれHBが7300mg/lであり、
SBが15000mg/lであった。
【0109】(3)配合例3 本配合例は、本実施例で採用される硬化剤成分としての
リン酸化合物(D)の一つであるリン酸ケイ素の調製方
法の典型的な例である。
【0110】すなわち、シリカ原料に酸性白土の酸処理
品シルホナイト[代表的組成(%)SiO2 93.0、
Al23 1.5、 Fe23 0.3、 MgO 0.
3、CaO 0.2、 Ig.Loss 3.7]を選
び、リン酸原料に市販工業用リン酸液[ H3PO4濃度
85.0%]を選び、両者をモル比がSiO2/P25
で2.0〜3.0(但し、酸性白土の酸処理品中の塩基
性成分例えばAl23等と正塩を形成するリン酸分は別
途添加する)になるよう均質に混合する。ついで、17
0〜200℃で60分間乾燥した後,回転キルンを用い
て800〜1100℃で30分間焼成する。この各焼成
品を粗粉砕した後、ハンマー衝撃型粉砕機を用い200
メッシュ篩いを全通するように粉砕して供試料とした。
ここに調製された各リン酸ケイ素は、X線回析によりS
iP27のリン酸ケイ素を主成分とすることが同定され
た。また、モル比ならびに焼成温度を異にする各リン酸
分の徐放性(前述した式(*)における定数αとβ)を測
定し、その結果を表3に併せて表示する。また、本実施
例で採用されるリン酸ケイ素以外の硬化助剤成分として
下記表3に示す粉状リン酸化合物(DA)を選んだ。こ
れらの粉状リン酸化合物(DS)に関しても、リン酸分
の徐放性(定数αとβ)を測定し、その結果を表3に併
せて表示する。
【0111】
【表3】
【0112】なお、本配合例におけるリン酸ケイ素を含
むリン酸化合物試料のリン酸分の徐放性は、下記に示す
方法により測定した。 「リン酸分徐放性」の測定方法:粉状試料1gを25℃
の4規定苛性ソーダ溶液100ml中に撹拌分散させた
試料溶液を、経過時間5分後と120分後にそれぞれ分
別濾過し、ここに得た濾液中のリン酸分(P25)を定
量してmg/100mlで表示し、横軸に経過時間
(分)を、縦軸にリン酸分(P25)の溶出積算量(m
g/100 ml)をとりグラフにプロットして直線を
得て、上掲した式 Y=αX+β ……(*) における初期リン酸分の溶出量βおよび平均加水分解速
度定数αを算出した。
【0113】(4)配合例4 本配合例は、本実施例で採用される機能性成分である填
剤(G)を複合物としたときの典型的な例を示したもの
である。その組成内容(重量部)を表4に示す。
【0114】
【表4】
【0115】これらのG成分は、公知の市販粉状材料
(顔料、機能剤、着色剤、充填剤等)もしくは各種産業
廃棄物類の粉状より選んでいる。なお、本実施例の粉状
ワンパックのケイ酸アルカリ組成物に採択されるG成分
は、本配合例で示される材料、産業廃棄物類ならびにそ
れらの複合物に限定されるものでない。
【0116】(5)配合例5 本配合例は、本実施例で採択されるBa2+を固定する難
溶性硫酸塩(J) 成分の典型的な例である。本配合例
では、J成分として、硫酸カルシウム( CaSO4:無
水石膏)の微粉状[試料番号J−1]を選んでいる。
【0117】(6)配合例 本配合例は、本実施例で採用される作業性・物性・性能
を向上させる改質添加剤(H) H成分の典型的な例で
ある。それらを表5に示す。
【0118】
【表5】
【0119】以上のようにして、粉状ワンパックのケイ
酸アルカリ組成物の基本成分(A成分〜K成分)を採択
した後、下記表6に示す配合組成(重量部)で配合し、
撹拌による乾式混合法により混合し、28種類の粉状組
成物(試料番号1−1 〜1−28)を調製した。なお
このとき、本実施例の効果を明確にするために、比較例
として下記表6に示す配合組成(重量部)で混合した4
種類の粉状組成物(試料番号1−29 〜1−32)を
調製した。
【0120】
【表6】
【0121】
【0122】
【0123】以上のようにして調製された各粉状試料に
ついて、表7に示す水混合比(水/粉状の重量比)で水
を添加して撹拌混合により流動性ペーストを調製した。
【0124】
【表7】
【0125】また、ペーストについて、下記に示す各物
性評価試験を行って評価した。その内容は、以下の通り
である。この評価結果も表7に併せて示している。
【0126】[物性評価試験方法] 1.流動性ペーストの粘性 すなわち、30℃に保たれた粉状供試料(粉状組成物)
に35℃の水を用いて所定の水混合比(水/粉状の重量
比)で撹拌混合し、ここに調製された流動性ペーストを
52℃の恒温槽中で養生し、所定時間後のペースト粘性
をC型粘度を用いて測定し、センチポィズ(CP)で表
示した。なお、本実施例によるペーストが施工作業性、
特に注入固化法等で採用されるペースト限界を、ペース
ト調製10分後のペースト粘性が8,000CPを越え
ない範囲とし、一方作業可能な可使時間を1時間とし
て、その間にペースト粘性が20,000CPを越えな
い範囲を作業性良好なペーストとして合格範囲とした。
表7に示されるように、本実施例による試料I−1〜2
8によるペーストはすべて上記合格範囲となっており、
施工作業に必要な流動性と可使時間を確保できているこ
とがわかる。なお、本実施例によるペーストを後述する
ような放射性廃棄物の固化処理に用いる場合には、ペー
スト調製60分後の粘性が10,000CPを越えない
ことが好ましい。また、本実施例によるペーストをコテ
等を用いた盛付や接着・目地等に採用する時には、ペー
スト調製10分後の粘性が8000CPを越えても施工
作業性を損なうものではない。
【0127】2.一軸圧縮強度 すなわち、粉状供試料から調製されたペーストを、60
×90mmの型に注入し、25℃で所定時間養生固化し
て一軸圧縮強度測定用供試体とした。各供試体は、圧縮
強度試験機により一軸方向の圧縮破壊強度試験に付し、
その強度を測定し、kg/cm2で表示した。なお、本
実施例の供試体は、一軸圧縮強度が7日養生で150〜
200kg/cm2、28日養生で250kg/cm2
上の強度を示す場合を一つの目安として合格とした。表
7に示されるように、本実施例による試料I−1〜28
によるペーストはすべて合格範囲となっており、均質な
固化体生成により十分な強度を確保できていることがわ
かる。なお、固化体の使用目的によっては、上記目安値
に拘束されるものでないことは言うまでもない。
【0128】3.棚寿命性 すなわち、粉状供試料を温度25±5 ℃で関係湿度8
0±10%に維持された部屋に6ヶ月間保存し、6ヶ月
後における粉状供試料の流動性ペーストの粘性ならびに
固化体の一軸圧縮強度に異常変動のない状態を棚寿命性
ありとして「合格」と評価した。表7に示されるよう
に、本実施例による試料I−1〜28によるペーストは
すべて合格範囲となっており、保存中に反応することな
く安定した棚寿命性を確保できていることがわかる。
【0129】(II)第2の実施例 次に、本発明の第2の実施例として、原子力発電所から
発生する低レベル放射性廃棄物粉状をペレット状に成型
してドラム缶中で貯蔵保管するに際して、その貯蔵容量
を減量するために、第1の実施例の粉状ワンパックのケ
イ酸アルカリ組成物に水が配合された流動性ペーストを
無機質ポリマーからなる注入固化剤として、低レベル放
射性廃棄物を貯蔵体として処理処分する廃棄物処理方法
の実施例について説明する。
【0130】まず、粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組
成物試料として、第1の実施例における試料番号1−4
の方法により調製した試料を選び、この粉状試料に水混
合比が0.32になるように水を加え混合し、流動性ペ
ーストを固化剤として調製した。
【0131】一方、原子力発電所から発生する低レベル
放射性廃棄物のペレットとして、硫酸ソーダーを主成分
とする低レベル放射性廃棄物の乾燥粉体を約25×25
×13mmのアーモンド状に圧縮成型されたペレットを
選択し、この260kgを特殊セメントで内張されてい
る200リットルドラム缶に充填し、被固化体とした。
【0132】その後、該被固化体に試料番号1−4の流
動性ペースト(比重約1.7)110kgを8分間で注
入し、注入を完了した。ここで、ペレット260kgが
200リットルドラム缶に充填された状態の空隙容積を
算出すると、約65リットルとなるが、その一方、注入
した流動性ペースト110kgの容積を算出すると、約
64.7リットルとなる。これにより、ペレットの充填
されたドラム缶の空隙を流動性ペーストがほぼ完全に満
たしていおり、本実施例による流動性ペーストが良好な
作業性と充填性を有していることがわかった。
【0133】その後、流動性ペーストの注入されたペレ
ット入れドラム缶は、25℃に2日間放置した後、固化
体表面は充分な硬度(350kg/cm2以上)を発現
し、低レベル放射性廃棄物のペレットを湿潤膨潤させる
ことなく一体化された固化体を形成していることが確認
された。
【0134】(III)第3の実施例 次に、本発明の第3の実施例として、第1の実施例の粉
状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物に水が配合された
流動性ペーストを、無機質ポリマー製品としての不燃性
の外壁用建材の調製に応用する場合の実施例を表8を用
いて説明する。
【0135】まず、粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組
成物試料として、第1の実施例における試料番号1−3
の方法により調製した粉状試料を選び、この粉状試料に
表8に示す水混合比で水を加え混合して流動性ペースト
を固化剤として調製した。
【0136】一方、無機質ポリマー製品の骨材として、
表8に示すような複合骨材を選んだ。
【0137】
【表8】
【0138】その後、調製した流動性ペースト固化剤に
選んだ複合骨材を練り込み、ついで板状の成型型枠(5
0×30×2cm)に練り込み材料を流し込み成型し、
80℃のオーブン中に60分放置して固化させた後、成
型型枠から板を取り出すことにより、不燃性の外壁用建
材を作成した。
【0139】このとき、作成した外壁用建材は、その圧
縮強度と曲げ強度を測定し、不燃性を下記試験方法で確
認した。その結果も併せて図8に示している。この確認
試験方法は、以下の通りである。すなわち、供試体の板
を650℃に維持された電気炉中に15分間暴露し、つ
いで常温で放冷した後、その供試体の圧縮強度を測定
し、加熱前の圧縮強度に比べての減少率が50%以下で
ある場合を不燃性試験に「合格」とした。表8に示され
るように、本実施例による試料2−1〜4はすべて合格
となっており、十分な不燃性を確保できていることがわ
かる。なお、水和型固化体であるセッコウボードやセメ
ント系固化体板では、この650℃確認試験で全て不合
格となることを本願発明者等は確認した。以上の結果、
不燃性で耐久性に優れた外壁用建材が製造できることが
わかった。
【0140】(IV)第4の実施例 次に、本発明の第4の実施例として、第1の実施例の粉
状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物に水が配合された
流動性ペーストを、付着性ポリマー製品である接着剤と
して応用する場合の実施例を表9を用いて説明する。
【0141】まず、被接着材料としては、インターロッ
キング用レンガ基材(セメント2次製品:197×97
×60mm)と焼物タイルを用意した。
【0142】一方、付着性ポリマー製品である接着剤に
用いるための試料として、第1の実施例における試料番
号1−3の方法により調製した粉状ワンパック試料を選
び、この粉状試料に所定の水混合比で水を加え、さらに
必要に応じて体質顔料を混練し流動性ペースト状の無機
質バインダー(接着剤)を調製した。このときの水混合
比及び体質顔料を表9に示す。
【0143】
【表9】
【0144】このようにして調製した接着剤を、前述し
たレンガ基材に約1mm厚になるように塗り伸ばし、そ
の上に焼物タイルを載せて軽く圧し、常温に7日間放置
して化粧されたインターロッキングとした。そして、こ
のときの接着強度を強研式接着力試験法により測定し
た。この結果を表9に併せて示している。
【0145】以上の結果、上記第1の実施例に基づく流
動性ペーストが、優れた不燃性の無機質バインダーとな
ることが分かった。
【0146】(V)第5の実施例 次に、本発明の第5の実施例として、第1の実施例の粉
状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物に水が配合された
流動性ペーストを接着剤として利用することにより複合
製品に応用した場合について説明する。本実施例は、軽
量のビーズ状骨材を粟おこし状の板にまとめた複合型不
燃性防音・保温材の実施例である。
【0147】まず、軽量のビーズ状骨材として、ガラス
屑を軽量ビーズにしたもの(見掛け比重:0.4g/c
c)を用意した。
【0148】一方、付着性ポリマー製品である接着剤に
用いるための試料として、第1の実施例における試料番
号1−3の方法により調製した粉状ワンパック試料を選
び、この粉状試料に水混合比が0.32になるように水
を加えて流動性ペースト状の無機質バインダーを調製し
た。
【0149】その後、前述した軽量のビーズ状骨材30
0重量部に、上記のようにして調製した流動性ペースト
状の無機質バインダー100重量部を加え、ビーズ状骨
材に無機質バインダーが全体に万遍なく行き渡るように
混ぜた後、900×900×50mmの型枠に流し込
み、常温で7日間放置して固化し、型枠より固化体の粟
おこし板を取り出し、複合型不燃性防音・保温材とし
た。そして、この複合型不燃性防音・保温材の製品試験
を行った。この結果を表10に示す。
【0150】
【表10】
【0151】以上の結果、上記第1の実施例に基づく流
動性ペーストが、複合型不燃性防音・保温材用の優れた
不燃性の無機質バインダーとなることが分かった。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、煩雑な現場混合工程を
なくし、均質で十分な硬度を有し、施工作業に必要な流
動性・可使時間を確保でき、白化現象を防止でき、かつ
耐水性を向上できるケイ酸アルカリ組成物及びこれを用
いたペースト状ケイ酸アルカリ系固化材、産業廃棄物の
処理方法、ポリマー製品を提供することができる。また
このとき、形成された無機質ポリマーは地球環境に優し
く、かつ都市防災・危機管理に役立つように有効利用す
ることができ、産業活動、都市計画、生活環境等の各分
野において重要な役割を果たす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C04B 28/26 22:08 22:16 22:06) (71)出願人 390002004 日立ニユークリアエンジニアリング株式会 社 茨城県日立市幸町3丁目2番2号 (72)発明者 泉田 龍男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 服部 康雄 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 藤井 悟 山口県小野田市大字小野田6276番地 秩父 小野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 内藤 博之 東京都港区南青山六丁目6番20号 有限会 社 ナトー研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ酸アルカリ、バリウム塩、リン酸ケイ
    素、及び酸化アルミニウム水和物の粉状4成分が均質に
    混合され、ワンパック状態に充填された粉状ワンパック
    のケイ酸アルカリ組成物において、(a)前記ケイ酸ア
    ルカリは、Li,Na,Kのアルカリ金属元素のうち1
    つをM、1.2〜3.2の数をp、0.5〜1.5の数
    をqとして、 M2O・pSiO2・qH2O で表される水に可溶な粉状ケイ酸アルカリの1種もしく
    は2種以上の組み合わせから構成されており、(b)前
    記バリウム塩は、4.0以下の数をr、9.0以下の数
    をsとして、 BaO・rSiO2・sH2O で表されるバリウムイオンのアルカリ溶液への可溶分を
    有する粉状バリウム塩の単独もしくは2種以上の組み合
    わせから構成されており、(c)前記リン酸ケイ素は、
    1.0〜8.0の数をtとして、 tSiO2・P25 で表されるリン酸分の徐放性を有する粉状リン酸ケイ素
    の単独もしくは2種以上の組み合わせから構成されてお
    り、(d)前記酸化アルミニウム水和物は、0.5〜
    5.0の数をuとして、 Al23・uH2O で表される反応性の粉状酸化アルミニウム水和物から構
    成されており、 かつ、これら粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウム塩、粉
    状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和物は、
    粉状ケイ酸アルカリ100重量部に対し、粉状バリウム
    塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水和
    物が、それぞれ、0.1〜10重量部、1〜40重量
    部、及び10〜50重量部の範囲となるように混合され
    ていることを特徴とする粉状ワンパックのケイ酸アルカ
    リ組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の粉状ワンパックのケイ酸ア
    ルカリ組成物において、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状
    バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニ
    ウム水和物に加え、アルカリ溶液で難溶性を示す粉状硫
    酸塩の群より選ばれた1種もしくは2種以上の組み合わ
    せからなる硫酸塩化合物がさらに均質混合されており、
    かつ、この硫酸塩化合物は、前記粉状ケイ酸アルカリの
    100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲となる
    ように混合されていることを特徴とする粉状ワンパック
    のケイ酸アルカリ組成物。
  3. 【請求項3】請求項1記載の粉状ワンパックのケイ酸ア
    ルカリ組成物において、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状
    バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニ
    ウム水和物に加え、水可溶性の粉状ホウ酸塩の1種もし
    くは2種以上の組み合わせからなるホウ酸アルカリがさ
    らに均質混合されており、かつ、このホウ酸アルカリ
    は、前記粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対し、4
    0重量部以下となるように混合されていることを特徴と
    する粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の粉状ワンパックのケイ酸ア
    ルカリ組成物において、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状
    バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニ
    ウム水和物に加え、水可溶性の粉状ケイフッ化化合物の
    1種もしくは2種以上の組み合わせからなるケイフッ化
    アルカリがさらに均質混合されており、かつ、このケイ
    フッ化アルカリは、前記粉状ケイ酸アルカリの100重
    量部に対し、10重量部以下となるように混合されてい
    ることを特徴とする粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組
    成物。
  5. 【請求項5】請求項1記載の粉状ワンパックのケイ酸ア
    ルカリ組成物において、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状
    バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニ
    ウム水和物に加え、顔料、機能性、活性剤、充填剤等よ
    り選ばれた1種もしくは2種以上の組み合わせからなる
    填剤がさらに均質混合されており、かつ、この填剤は、
    前記粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対し、800
    0重量部以下となるように混合されていることを特徴と
    する粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物。
  6. 【請求項6】請求項1記載の粉状ワンパックのケイ酸ア
    ルカリ組成物において、前記粉状ケイ酸アルカリ、粉状
    バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニ
    ウム水和物に加え、界面活性剤、有機化合物、樹脂、改
    質剤等より選ばれた1種もしくは2種以上の組み合わせ
    からなる添加剤がさらに均質混合されており、かつ、こ
    の填剤は、前記粉状ケイ酸アルカリの100重量部に対
    し、0.01〜20重量部の範囲となるように混合され
    ていることを特徴とする粉状ワンパックのケイ酸アルカ
    リ組成物。
  7. 【請求項7】ケイ酸アルカリ、バリウム塩、リン酸ケイ
    素、及び酸化アルミニウム水和物の粉状4成分が均質に
    混合され、ワンパック状態に充填された粉状ワンパック
    のケイ酸アルカリ組成物において、(a)前記ケイ酸ア
    ルカリは、Li,Na,Kのアルカリ金属元素のうち1
    つをM、1.2〜3.2の数をp、0.5〜1.5の数
    をqとして、 M2O・pSiO2・qH2O で表される水に可溶な粉状ケイ酸アルカリの1種もしく
    は2種以上の組み合わせから構成されており、(b)前
    記バリウム塩は、4.0以下の数をr、9.0以下の数
    をsとして、 BaO・rSiO2・sH2O で表されるバリウムイオンのアルカリ溶液への可溶分を
    有する粉状バリウム塩の単独もしくは2種以上の組み合
    わせから構成されており、(c)前記リン酸ケイ素は、
    1.0〜8.0の数をtとして、 tSiO2・P25 で表されるリン酸分の徐放性を有する粉状リン酸ケイ素
    の単独もしくは2種以上の組み合わせから構成されてお
    り、(d)前記酸化アルミニウム水和物は、0.5〜
    5.0の数をuとして、 Al23・uH2O で表される反応性の粉状酸化アルミニウム水和物から構
    成されており、これら粉状ケイ酸アルカリ、粉状バリウ
    ム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニウム水
    和物は、粉状ケイ酸アルカリ100重量部に対し、粉状
    バリウム塩、粉状リン酸ケイ素、及び粉状酸化アルミニ
    ウム水和物が、それぞれ、0.1〜10重量部、1〜4
    0重量部、及び10〜50重量部の範囲となるように混
    合されており、 かつ、当該ケイ酸アルカリ組成物100重量部に対し2
    7〜100重量部となる水と混合されてポリシロキサン
    結合を主鎖とするポリマーを形成することにより、ポリ
    マー製品用に用いられることを特徴とする粉状ワンパッ
    クのケイ酸アルカリ組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のうちいずれか1項記載の粉
    状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物と水とが混合され
    て構成され、かつ、前記粉状ワンパックのケイ酸アルカ
    リ組成物100重量部に対し前記水が27重量部以上4
    7重量部以下の範囲で混合されていることを特徴とする
    ペースト状ケイ酸アルカリ系固化材。
  9. 【請求項9】請求項8記載のペースト状ケイ酸アルカリ
    系固化材を廃棄物を収納した容器中に注入した後、5〜
    300℃の雰囲気中に開放してポリシロキサン結合を主
    鎖とするポリマーを形成させることにより、前記廃棄物
    を前記容器中で固定化処理することを特徴とする廃棄物
    の処理方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のうちいずれか1項記載の
    粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物と水とを、前記
    粉状ワンパックのケイ酸アルカリ組成物100重量部に
    対し前記水が27重量部以上47重量部以下の範囲とな
    るように混合してペーストを形成し、このペーストを5
    〜300℃の雰囲気中に開放してポリシロキサン結合を
    主鎖とするポリマーを形成することにより製造されたこ
    とを特徴とするポリマー製品。
  11. 【請求項11】請求項10記載のポリマー製品におい
    て、前記ポリシロキサン結合を主鎖とするポリマーを単
    独で形成したことを特徴とするポリマー製品。
  12. 【請求項12】請求項10記載のポリマー製品におい
    て、付着対象となる基材の表面で前記ポリシロキサン結
    合を主鎖とするポリマーを形成することにより、前記基
    材の表面に対し被覆、塗装、又は接着等を行ったことを
    特徴とするポリマー製品。
  13. 【請求項13】請求項10記載のポリマー製品におい
    て、前記ペーストを、対象とする形状維持素材と一体化
    して5〜300℃の雰囲気中に開放し、前記ポリシロキ
    サン結合を主鎖とするポリマーを前記形状維持素材と一
    体化された状態で形成することにより、複合体としたこ
    とを特徴とするポリマー製品。
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