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JPH11245257A - 熱可塑性樹脂の射出成形法 - Google Patents

熱可塑性樹脂の射出成形法

Info

Publication number
JPH11245257A
JPH11245257A JP4846698A JP4846698A JPH11245257A JP H11245257 A JPH11245257 A JP H11245257A JP 4846698 A JP4846698 A JP 4846698A JP 4846698 A JP4846698 A JP 4846698A JP H11245257 A JPH11245257 A JP H11245257A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
mold
pressure
gas
mold cavity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4846698A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamaki
宏 山木
Yoshinobu Matsuura
良暢 松浦
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP4846698A priority Critical patent/JPH11245257A/ja
Publication of JPH11245257A publication Critical patent/JPH11245257A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1701Component parts, details or accessories; Auxiliary operations using a particular environment during moulding, e.g. moisture-free or dust-free
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/32Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C43/52Heating or cooling
    • B29C2043/527Heating or cooling selectively cooling, e.g. locally, on the surface of the material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1701Component parts, details or accessories; Auxiliary operations using a particular environment during moulding, e.g. moisture-free or dust-free
    • B29C2045/1702Component parts, details or accessories; Auxiliary operations using a particular environment during moulding, e.g. moisture-free or dust-free dissolving or absorbing a fluid in the plastic material

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂の射出成形において、金型表面
状態を高度に成形品に転写し、外観の優れた成形品を得
る。 【解決手段】 予め金型キャビティ内に二酸化炭素ガス
等熱可塑性樹脂への溶解度の高い特定のガス体を大気圧
〜5PPa注入し、次いで溶融樹脂を射出充填して上記
ガス体を1.2〜10倍、且つ樹脂充填終了時の圧力で
15MPa以下となるように圧縮し、保圧して射出圧力
により上記樹脂を型壁面に十分に押しつける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂の射出
成形法に係わり、金型表面状態を成形品表面に高度に転
写する射出成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の射出成形において、通
常、金型の温度は成形樹脂の固化する温度よりも十分に
低い温度に保たれる。これは、熱伝導性が著しく低い樹
脂素材を、短時間で溶融状態から、成形品として取り出
せる温度にまで冷却するために必要なことである。ま
た、金型表面状態を高度に成形品に転写するには粘度が
低い状態の樹脂を高い圧力で金型に押しつける必要があ
る。しかし、樹脂の固化温度よりも金型温度が低いと、
樹脂充填と樹脂の固化が同時に進行することになり、樹
脂流動先端部(フローフロント)付近で金型に接触した
樹脂は、急激に冷却され粘度が高くなるとともに、金型
表面に低い圧力で押し付けられた状態で固化するため、
金型表面状態を高度に成形品に転写することは困難とな
る。このため通常の射出成形では、光沢ムラ、ウエルド
ライン、フローマーク、ジェッティングなどの外観不良
や、光ディスク等の精密成形品では微細なピットの転写
不良を起こしやすく、薄肉部品ではショートショットを
起こすこともある。
【0003】金型表面の転写性を高めるには、樹脂充填
工程中の樹脂の固化を防止したり、最小限にとどめるこ
とが必要となる。
【0004】熱可塑性樹脂の射出成形等では、成形サイ
クルタイムを長くせず、経済的に金型表面転写性を高め
ることが常に要求されてきた。金型表面転写性を高める
手段としてこれまで種々の方法が提案されており、例え
ば、次のような方法がある。
【0005】(1)金型に熱媒と冷媒を交互に流して金
型表面の加熱、冷却を繰り返す方法(Plastic
Technology,VOL.34(June),1
50(1988)等)。 (2)成形直前に高周波誘導加熱で金型表面を選択的に
加熱する方法(USP4439492等)。 (3)金型表面に絶縁層と導電層を設け、導電層に通電
して加熱する方法(Polym.Eng.Sci.,V
ol.34(11),894(1994)等)。 (4)金型表面を輻射加熱する方法(合成樹脂,Vo
l.42(1),48(1996)等)。 (5)樹脂を振動させつつ成形する方法(第40回レオ
ロジ討論会、A105(1992))。 (6)金型を振動させつつ成形する方法(特公平6−6
309号公報)。 (7)金型表面を断熱層で被覆し、成形樹脂自身の熱で
金型表面を加熱しつつ成形する断熱層被覆法(USP
5362226,WO97/04938等)。
【0006】B.H.Kimの報告(Polym.Pl
ast.Technol.Eng.,Vol.25
(1),73(1986))では、成形直前に電気等の
外部エネルギーで金型表面を加熱する上記の(1)〜
(6)の方法をアクティブ・コントロール法、それに対
して、外部エネルギーを加えず、成形樹脂自身の熱で金
型表面を加熱する(7)の方法をパッシブ・コントロー
ル法と称している。
【0007】アクティブ・コントロール法も、パッシブ
・コントロール法もいずれも射出成形時に金型表面を加
熱しつつ成形する方法である。すなわち、射出された溶
融樹脂が金型壁面に押し付けられる時に金型表面が該樹
脂の固化温度以上に加熱されていることにより金型表面
転写性を良くする成形法である。
【0008】また、発泡剤や水分を含有する発泡性樹脂
の射出成形において、発泡ガスによる成形品表面のスワ
ールマーク等の表面不良をなくすために、樹脂充填に先
立ち金型キャビティに加圧ガス体を注入して加圧状態に
して成形する、いわゆるカウンタプレッシャ法がある。
この方法は金型キャビティを流動する溶融樹脂のフロー
フロントで、発泡ガスあるいは気化した水分により生じ
た気泡が破裂し、表面不良の原因となることを防ぐため
に、金型キャビティにあらかじめガス圧力をかける方法
であり、この場合のガス体は樹脂を酸化劣化させないも
のであれば良く、一般に空気が使用され、不活性なガス
体は全てこの成形法に使用できる。
【0009】このカウンタプレッシャ法は発泡剤含有樹
脂や、乾燥が不十分な樹脂の射出成形に使用される方法
であり、一般の非発泡性樹脂の成形にカウンタプレッシ
ャ法を使用すると、キャビティ内に存在するガス体が、
溶融樹脂と金型の間に入り込み転写を阻害したり、ガス
体が空気の場合、キャビティ内で樹脂により空気が圧縮
される部分では、高温で高酸素濃度の状態となり、樹脂
の酸化劣化を引き起こしたりするなどの問題が生じるだ
けであり、金型表面転写性を高める効果はないと一般に
考えられてきた。このため、金型表面状態を高度に成形
品に転写するには、樹脂充填時のみ金型をわずかに開き
キャビティ内の空気を逃がしたり、真空ポンプにより金
型内を減圧にするなどの方法も使用されている。
【0010】特開昭62−231715号公報には、水
分含有ポリマーアロイの射出成形にカウンタプレッシャ
法を用いて成形する方法が示されており、金型キャビテ
ィを予備加圧するガス体として空気、窒素、二酸化炭素
等の不活性ガス体があげられている。
【0011】更に特開昭61−213111号公報に
は、二種のモノマーを混合し、射出する反応射出成形
(RIM)について、金型キャビティを大気圧の二酸化
炭素で置換した後に成形することで、樹脂充填時に樹脂
中にエアが巻き込まれて発生するボイドを減少させる方
法が示されている。しかし、二種以上のモノマーを混合
した原料の温度よりも金型温度の方が高い反応射出成形
法であり、樹脂充填工程中の樹脂の固化に起因した金型
表面転写性不良を改良する手法を開示するものではな
い。
【0012】一方、 J.Appl.Polym.Sc
i.,Vol.30,2633(1985)など、多く
の文献に示されるように、二酸化炭素を樹脂に吸収させ
ると、樹脂の可塑剤として働き、ガラス転移温度を低下
させることが知られているが、樹脂の成形加工に広く応
用されるに至ってはいない。わずかな応用事例として、
ドイツ国特許DE4314869号に、生体吸収性のポ
リエステルに高圧容器内で超臨界状態の二酸化炭素や炭
化水素などを溶解させてガラス転移温度を低下させ、5
0℃程度の低温で樹脂を成形する方法が開示されてい
る。しかし、この方法では樹脂全体のガラス転移温度が
低下するため、成形にはガラス転移温度の低下分だけ通
常よりも低い金型温度を使用する必要があり、樹脂充填
工程中の固化に基づく転写不良を防止する効果はない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱可
塑性樹脂の射出成形において、金型表面状態を高度に成
形品に転写する方法を経済的に提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明者らは検討の結果、金型表面状態が成形品に高度
に転写できることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、熱可塑性樹脂の射出成形におい
て、(1)金型キャビティの加圧ガス体を密封できるシ
ール構造とし、(2)ガス体の熱可塑性樹脂への溶解度
が、樹脂の固化温度において空気及び/又は窒素の2倍
以上であるガス体を、該金型キャビティに大気圧以上5
MPa未満に充填し、(3)射出された樹脂圧力により
金型キャビティに充填されたガス体を1.2〜10倍、
かつ樹脂充填終了時のガス体圧力が15MPa以下とな
るように圧縮し、(4)射出圧力により樹脂が型壁面を
十分に押し付けるまで金型キャビティの該圧縮ガス体圧
力を保持する、ことを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成
形法である。
【0015】本発明においては、上記熱可塑性樹脂とし
て非結晶性熱可塑性樹脂が好適に用いられる。また、上
記ガス体としては二酸化炭素が好ましく用いられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明は、従来、金型表面の転写を阻害す
ると考えられていた金型キャビティ内のガス体に着目し
たものであり、その効果が発現される基本的なメカニズ
ムは次のように考えられる。
【0018】すなわち、金型キャビティに二酸化炭素な
どの特定のガス体が、適度なガス圧力で存在すると、該
特定ガス体は樹脂表面層に溶解する。樹脂に溶解したガ
ス体は可塑剤として作用し、樹脂表面だけ固化温度を選
択的に低下させたり、樹脂の溶融粘度を下げる。薄い樹
脂表面層だけ固化温度が下がり、固化温度が金型表面温
度以下となれば、成形品の金型表面転写性を著しく改良
することができることになる。樹脂表面層に溶解したガ
ス体は、時間とともに樹脂内部に拡散し、樹脂表面層の
固化温度が上昇するため、通常の樹脂冷却時間内で表面
層は固化し、製品として取り出すことができる。
【0019】本発明が特に強調することは、樹脂の射出
に先立ち金型キャビティに充填する二酸化炭素等の特定
ガス体の圧力が低くても、射出される樹脂により該特定
ガス体の金型キャビティ内圧力が昇圧でき、射出圧力に
より樹脂が型表面に十分に押し付けられるまで、昇圧さ
れた特定ガス体の圧力が保持されれば、成形品の大部分
にわたって樹脂表面層の固化温度を下げることができ、
金型表面転写性を良くできることを発見し、本発明に至
った。
【0020】本発明で使用される樹脂は、一般の射出成
形等に使用できる熱可塑性樹脂である。良好に使用でき
るのは非結晶性熱可塑性樹脂、非結晶性樹脂が主成分の
熱可塑性ポリマーアロイ、あるいは結晶化度が比較的低
い一部の結晶性熱可塑性樹脂である。ポリスチレン、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム強化ポリスチ
レン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、AB
S樹脂、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン
共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト、メチルメタクリレート−スチレン共重合体等のメタ
クリル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンエーテルあるいはポリスチレン等を
配合した変成ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリ
レート、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体等の塩化ビニール系樹脂等は特に良好に使用できる。
更にこれらの樹脂のブレンド、これらの非結晶性樹脂に
一部の結晶性樹脂を配合した樹脂、難燃剤や補強材など
の無機物や有機物の各種充填材が配合された樹脂であ
る。二酸化炭素等の本発明の特定ガス体を吸収しやすい
各種化合物の適量を樹脂に配合することは良好に使用で
きる。
【0021】また、本発明に述べる金型キャビティに充
填するガス体とは、ガス体の熱可塑性樹脂への溶解度が
大きく、樹脂の固化温度において空気及び/又は窒素の
2倍以上であり、樹脂の可塑化効果を有するガス体であ
る。すなわち、ガス体は金型キャビティに存在し、樹脂
充填工程中に樹脂表面に吸収されて、金型に接する樹脂
表面の固化温度を低下させるガス体である。樹脂への溶
解度が空気や、窒素程度のガス体では、従来から知られ
るように、キャビティ中で金型表面の転写を阻害するだ
けであり、少なくともこれらの2倍以上の溶解度が必要
であり、好ましくは3倍以上、更に好ましくは5倍以上
である。また、樹脂を劣化させないこと、金型や成形す
る環境に対し危険性がないこと、安価であることなどの
制約から選定される。ガス体は溶解度が大きいものであ
れば2種以上の混合物であっても使用できる。具体的に
は二酸化炭素、メタン、エタン、プロパンなどの炭化水
素、およびその一部水素をフッ素などで置換したフロン
などであり、使用する熱可塑性樹脂により最適な物が選
択される。
【0022】上記ガス体の中で、二酸化炭素は安全性、
価格、取り扱いやすさ等の点で最も良好に使用できるだ
けでなく、樹脂に良く溶解して可塑剤となり、樹脂の固
化温度を低下させる効果も大きい。ガス体として二酸化
炭素を使用する場合、二酸化炭素との親和性が高く、二
酸化炭素の溶解度が高い樹脂、例えばポリスチレン、ゴ
ム強化ポリスチレン、変性ポリフェニレンエーテル、ポ
リカーボネート等はより大きな効果が得られる。更に本
発明では、各種難加工性樹脂で、成形品外観が悪くなる
樹脂も効果が大きく現れる。
【0023】次に本発明に最も良好に使用されるガス体
である二酸化炭素の各樹脂への溶解量、二酸化炭素溶解
による樹脂のガラス転移温度(以後Tgと略称する)の
低下等について図を用いて説明する。
【0024】図1〜図10は各種文献に記載の報告を示
したものである。すなわち、図1と図2は、成形加工′
96,279(1989)より、図3、図4、図5、図
6と図9は、J.Appl.Polym.Sci.,V
ol.30,4019(1985)より、図7と図10
はJ.Appl.Polym.Sci.,Vol.3
0,2633(1985)より、図8はJ.Membr
ane Sci.,Vol.5,63(1979)から
それぞれ引用した図である。
【0025】図1と図2はポリスチレンへの二酸化炭素
と窒素の溶解量を示した図であり、二酸化炭素は窒素の
約10倍の溶解量がある。
【0026】図3と図4は液状可塑剤を含むポリスチレ
ンへの二酸化炭素の溶解量を示し、図5は二酸化炭素溶
解によるTgの低下量を示す。ポリスチレンは二酸化炭
素を溶解させることにより、容易にTgを下げることが
できる。
【0027】図6と図7はポリメチルメタクリレートお
よびポリフッ化ビニリデンポリマーアロイへの二酸化炭
素の溶解量と、二酸化炭素溶解によるTgの低下量を示
した図であり、二酸化炭素溶解によりTgを下げること
ができる。
【0028】図8と図9はポリカーボネートとポリスル
ホンへの二酸化炭素溶解量を示した図である。
【0029】図10は各樹脂の二酸化炭素溶解によるT
g低下量をまとめて示した図である。二酸化炭素溶解に
よるTgの低下量はポリカーボネートを除けばほぼ同一
である。ポリカーボネートは二酸化炭素溶解によるTg
の低下が特に大きい。
【0030】本発明では熱可塑性樹脂の射出に先立ち、
ガスの熱可塑性樹脂への溶解度が、樹脂の固化温度にお
いて空気及び/又は窒素の2倍以上であるガス体を、該
金型キャビティに大気圧以上5MPa未満に充填され
る。金型キャビティに充填するガス体圧力は樹脂の種類
(固化温度、ガス体の吸収速度等)、金型温度、次工程
のガス体圧縮倍率等により上記の範囲から選定される。
本発明に述べるガス体圧力は絶対圧力で示す。
【0031】本発明では、射出された樹脂圧力により金
型キャビティに充填されたガス体を1.2〜10倍、好
ましくは1.5〜5倍に圧縮する。このガス体圧縮倍率
は前工程で金型キャビティに充填するガス体の種類、圧
力等と、樹脂の種類、金型表面温度により前記圧縮倍率
から選定される。
【0032】本発明では金型キャビティを加圧ガス体を
密封できるシール構造にする。通常、カウンタプレッシ
ャ成形などで金型を気密構造にするには、パーティング
面や各プレート間Oリングでシールし、キャビティに連
通する突き出しピンなどの可動ピンもOリングでシール
したり、突き出しピンが固定された突き出しプレート部
分全体を覆い気密とするなどの方法が採られているが、
同様にOリングでシールすることが本発明では良好に使
用できる。半径方向の断面形状がU字形状のゴムパッキ
ン(以下、Uパッキン)でシールすることが本発明では
更に良好に使用できる。Uパッキンは突き出しピン挿入
時に挿入抵抗が少なく、ピン先端のエッジで傷ついた
り、ねじれたりすること容易に金型組立ができ、高い信
頼性のシール性を得ることできる。
【0033】また、可動ピンをパッキンでシールする場
合、キャビティとパッキン間でピンまわりの隙間に入っ
た加圧ガス体は、樹脂充填により隙間に閉じこめられ、
成形品表面が冷え金型表面から離れると、キャビティに
流れ出し、十分に固まっていない成形品表面を凹ませた
り、型開き時に成形品を膨らませ変形させることがあ
る。このような問題が生じる場合は、ピンまわりの隙間
に入った加圧ガス体を、キャビティ以外の経路から金型
外に排出できる溝や穴を金型に設け、樹脂が充填され射
出圧力が樹脂に十分にかかった後、キャビティから押し
出されたガス体の排出と同時に排気することが望まし
い。
【0034】本発明は、金型キャビティを加圧ガス体を
密封できるシール構造とした金型を使用し、ガス体の熱
可塑性樹脂への溶解度が樹脂の固化温度において空気及
び/又は窒素の2倍以上であるガス体を、該金型キャビ
ティに大気圧以上5MPa未満に満たした後、射出され
た熱可塑性樹脂により金型キャビティのガス体を圧縮
し、射出シリンダーから加えられる射出圧力により樹脂
が型壁面を十分に押し付けるまで金型キャビティの圧縮
ガス体圧力を保持する、熱可塑性樹脂の射出成形法であ
る。
【0035】我々は本発明の射出成形法が成形品の大部
分にわたって型表面転写性を良好にするメカニズムを次
の様に推定している。すなわち、金型キャビティが加圧
ガス体を密封できるシール構造であるため、金型キャビ
ティに封入された特定のガス体は樹脂の射出量に応じて
圧縮され高圧になる。圧縮された高圧ガス体は未充填の
金型キャビティ部に存在するだけではなく、既に樹脂が
充填された部分の金型壁面と樹脂のわずかな界面にも入
り込み、樹脂の充填が完了して射出圧力が樹脂に伝達さ
れて、樹脂に高圧の射出圧力が加わると樹脂と金型の界
面に存在するガス体は更に圧縮されて樹脂表面に溶け込
み樹脂の軟化温度を低下させる。射出工程中の流動しつ
つある樹脂には型表面を十分に押し付ける圧力がかかっ
ていないため、樹脂と型表面の界面にもガス体が入り込
むことができ、上記のメカニズムによりゲートに近い部
分の型表面転写性も改良する働きをするものと推定して
いる。
【0036】従来の発泡射出成形等に使用されているカ
ウンタプレッシャ法と称される、金型キャビティに空気
等の加圧ガス体を充填した後に樹脂の射出を行う公知の
射出成形法では射出された樹脂が金型キャビティを満た
す直前に金型キャビティの加圧ガス体を金型外に放出し
て大気圧に近づけることが一般に行われている。すなわ
ち従来法は射出された樹脂が金型キャビティを流動中に
ガス体が高圧に保たれていることが必要であり、樹脂が
金型キャビティの流動端部に達して樹脂に保圧や発泡圧
が加わる時には、ガス体圧力は大気圧に近い方が良好な
成形品が得られていた。
【0037】すなわち、樹脂に保圧や発泡圧が加わる時
に、型表面と樹脂界面の空気等の樹脂への溶解度が低い
ガス体が高圧力で存在することは、成形品外観に不良を
もたらすだけであると考えられてきた。加圧ガス体を樹
脂充填完了の前に急速に放出し、樹脂に射出圧力が加わ
る時には型表面と樹脂の界面のガス体は大気圧に近い低
い圧力である程好ましいとされてきた。これに対して本
発明では樹脂に射出圧力が十分にかかり、樹脂が型表面
を十分に押し付けて型表面を転写するまで金型キャビテ
ィの圧縮された特定ガス体圧力を保持し、該特定ガス体
を成形品表面に含浸させることを特徴としている。
【0038】金型キャビティのガス圧力は、高い圧力に
なるほど多量のガス体が樹脂に溶解するため、より固化
温度が低くなり、低い金型温度でも樹脂充填工程中の固
化を防止できることになる。実用的には要求する金型表
面転写性の程度、樹脂やガス体の種類、金型温度等から
必要なガス圧力が決まり、高い溶解性を持つガス体を使
用し、金型温度を高く設定すれば比較的低いガス圧力で
転写性を得ることもできる。
【0039】本発明では熱可塑性樹脂の射出に先立ち金
型キャビティに大気圧以上5MPa未満の特定ガス体を
満たす。本発明では比較的低圧の特定ガス体を金型キャ
ビティに満たして射出成形しても、高圧の特定ガス体を
満たして射出成形した場合と同様な効果が得られること
に特徴がある。特定ガス体の圧力を低くすることはそれ
だけ特定ガス体の使用量も少なくなり、特定ガス体の供
給装置も簡易化でき、経済的に実施できる。従って金型
キャビティを満たすガス体圧力は、型表面転写性が発現
される範囲であれば極力低い圧力のガス体圧力であるこ
とが好ましく、大気圧以上5MPa未満が実用的であ
る。5MPa以上の圧力では樹脂によりガス体を圧縮し
なくても、十分な金型表面転写性の改良効果を得られる
ことが多い。
【0040】金型キャビティ内のガス体圧力の下限は、
樹脂に溶解したガス体の可塑剤効果と射出された樹脂に
より昇圧されるガス体圧力等からきまる。好ましくは樹
脂の固化温度において、樹脂により圧縮された昇圧後の
ガス体圧力の平衡状態で0.1重量%樹脂に溶解する状
態に至らしめるガス体圧力をかけることであり、更に好
ましくは0.5重量%溶解するガス体圧力である。ここ
で用いるガス体の樹脂への溶解度は、圧力降下法による
測定値である。樹脂の射出に応じて金型キャビティのガ
ス体圧力は増大し、その昇圧される圧力の上限は特に限
定はないが、あまりに高圧になると金型を開こうとする
力が無視できなくなったり、金型のシールが難しくなる
こと、安全性などの問題が生じやすいことから、15M
Pa以下が実用的であり、好ましくは10MPa以下で
ある。これ以上のガス体圧力になる場合は、安全弁など
から金型外へガス体を放出して、これ以下のガス体圧力
に保つことが好ましい。射出圧力により樹脂が型表面を
十分に押し付けられて型表面を十分に転写した後は、直
ちにガス体を金型外に放出する。樹脂充填後は金型表面
状態を成形品に十分に転写するため、成形品表面が固化
するまでキャビティ内の樹脂に十分な圧力を保持する。
【0041】キャビティへのガス体の注入は、一般にキ
ャビティのガス抜きに用いられる金型構造を用いれば可
能であり、キャビティ外周のパーティング面に設けたス
リット、金型入れ子や突き出しピンの隙間、ガス抜きピ
ン、多孔質焼結体でできた入れ子などが使用できる。ま
た必要に応じて金型スプルからガス体を吹き込む方法も
使用できる。
【0042】本発明では樹脂の射出量に応じて圧縮され
た高圧ガス体は、金型壁面と樹脂のわずかな界面に入り
込み、樹脂に高圧の射出圧力が加わると樹脂と金型の界
面の特定ガス体は樹脂表面に溶け込み樹脂の軟化温度を
低下させる。射出された樹脂により金型キャビティで圧
縮されたガス体は樹脂が最後に充填される金型キャビテ
ィ部分に集まるが、この圧縮ガス体をすでに樹脂が充填
されている部分、特に金型キャビティのゲート部に還流
し易くしてやることが好ましい。すなわち圧縮ガス体は
一般の金型表面でも樹脂と型表面のすきまに入り込んで
樹脂の流れと反対方向、つまりゲート方向へも流れて行
くが、金型表面にガス体は通過できるが樹脂は通過でき
ない程度の微細な溝を設けて、加圧ガス体がゲート部へ
容易に行きやすくしてやることが好ましい。
【0043】例えば金型表面に樹脂流動端部からゲート
へ通じる10〜100μm幅程度の溝を設けることは良
好に使用できる。図11(a)に示す様に金型キャビテ
ィ周辺のパーティング面にガス体の吸排気用溝2を設
け、パーティング面から特定ガス体を還流することも勿
論有効である。
【0044】本発明に使用する金型は、金型キャビティ
の加圧ガス体を密封できるシール構造を有し、金型キャ
ビティに充填される樹脂によりガス体は1.2〜10倍
に圧縮される。ガス体の圧縮倍率は、金型キャビティ容
量と(ガス体がシールされる全体容量−金型キャビティ
容量)との比率により調節できる。成形中にシールされ
た加圧ガス体の微小漏れがある場合にはその分だけの圧
縮倍率の低下があり、この微小漏れを考慮に入れる必要
がある。図12は樹脂の充填により金型キャビティガス
体の圧縮を説明する金型装置の図である。
【0045】図12の金型断面は、図11におけるB−
B’断面に相当する。図12において、金型9の金型キ
ャビティ1はOリング4によりシール構造になってい
る。金型キャビティ1は金型パーティング面の隙間1
0、吸排気用溝2、ガス体の導通路11を通して、ガス
体供給源12、安全弁13につながっている。開閉弁1
4を閉じ、開閉弁15を開いて金型キャビティ1に加圧
ガス体を供給し、開閉弁15を閉じた後に、樹脂を金型
キャビティ1に充填する。樹脂は金型キャビティ1のゲ
ート部付近7から充填され、金型キャビティ1の充填流
動端部付近8に達するにつれ、金型キャビティ1のガス
体は圧縮される。圧縮されたガス体の圧力は圧力計16
で見る。この時のガス体の圧縮倍率は金型キャビティ1
の容量と加圧ガス体がシールされる全容量によりきま
る。加圧ガス体がシールされる全容量は、金型キャビテ
ィ1、吸排気用溝2、Oリング用溝16の一部の各容量
の合計に、更に開閉弁14、開閉弁15、安全弁13に
至るまでのガス体の導通路11の容量を加えた容量であ
る。金型キャビティ1のガス体の圧縮倍率は、金型キャ
ビティ1容量と(加圧ガス体がシールされる全容量−金
型キャビティ容量)の比率により決まる。
【0046】本発明では各種の射出成形法が良好に使用
できる。一般に、金型表面転写性に劣るとされる、ガス
アシスト射出成形、液体アシスト射出成形、射出圧縮成
形などの低圧射出成形法も良好に使用できる。
【0047】また本発明では、前述した金型表面温度を
高める既存の各種金型表面転写性改良法と組み合わせて
使用することもできる。これらの成形法では、金型温度
が高いため、樹脂充填時に樹脂と金型が密着しやすく、
キャビティ内の空気が樹脂と金型の間にトラップされる
と、樹脂表面に凹みとなることが多い。本発明と組み合
わせることにより樹脂表面の凹み不良が改善されるだけ
でなく、より低い金型温度で高い金型表面転写性が得ら
れ加熱効率を高めることができる。
【0048】
【実施例】本実施例に使用した樹脂はゴム補強ポリスチ
レン(旭化成工業製「スタイロン400」)であり、キ
ャビティを満たすガスには純度99%以上の二酸化炭素
を使用する。
【0049】成形機は住友重機械工業製「SG50」を
使用する。射出シリンダの設定温度を220℃とし、金
型キャビティへの樹脂充填時間は0.5秒とする。
【0050】金型装置は図11と図12に示す装置を使
用する。成形品は厚み2mmで縦横が80mm、40m
mの長方形平板である。図11は金型を開いて移動側の
型表面を示した図(a)と、該型表面部のA−A’断面
図(b)を示す。図11において、金型キャビティ1の
周囲には金型キャビティに二酸化炭素を吸排気する吸排
気用溝2があり、該吸排気用溝2は二酸化炭素の供給源
と金型外通気用穴3を通してつながっている。金型キャ
ビティの外側には金型キャビティを加圧状態に保持する
ためのOリング溝があり、その中にOリング4を設置す
る。固定側金型キャビティの表面には断面形状が高さ6
0μm、ピッチ120μmの直角二等辺三角形の繰り返
し形状(以下、直角のこぎり形状)の平行溝を成形品の
短辺方向に設けている。樹脂はランナ5を経てゲート6
から金型キャビティ1に射出される。図11(a)のA
−A’部の断面を図11(b)に示し、その寸法を示
す。また、射出成形品の型表面転写性については、ゲー
ト6に近い部分7と樹脂流動端部付近8で測定し、その
比較を示す。
【0051】射出成形品の型表面転写性は成形品表面の
直角のこぎり形状の高さを測定して判断する。直角のこ
ぎり形状の高さの測定は、接触式表面粗さ計として東京
精密製「サーフコム575A」を用い、成形品の長辺方
向に10ピッチの山の平均高さを求める。
【0052】(実施例1)図11及び図12に示す金型
装置を用い、金型表面温度を60℃に設定した。開閉弁
14を閉じ、開閉弁15開けて二酸化炭素供給源12か
ら3MPaの二酸化炭素を導通路11、金型外通気用穴
3、吸排気用溝2を通して金型キャビティ1へ充填し
た。スプル、ランナを含む金型キャビティ容積が、開閉
弁14、開閉弁15、安全弁13から給排気用溝2に至
る部分の容積の約1.2倍となるよう導通路11の配管
長さを調整し、一方、金型キャビティに充填され樹脂で
圧縮されるガス体は6MPa以上の圧力になると放出さ
れ、ほぼ6MPaの圧力が保持される様に安全弁13を
設定した。開閉弁15を閉じ、3MPaの二酸化炭素で
満たされた金型キャビティ1にゴム強化ポリスチレンを
射出した。射出成形の進行にともない、金型キャビティ
の二酸化炭素は射出樹脂により圧縮されて圧力は6MP
aまで増大した。金型キャビティが樹脂により満たさ
れ、樹脂の高圧射出圧力が加わってから0.1秒後に、
開閉弁14を解放して金型キャビティの二酸化炭素を金
型外へ放出した。保圧はシリンダ内圧力120MPaで
5秒間、冷却時間は20秒とした。射出成形品のゲート
付近部7と樹脂流動端部付近8の直角のこぎり形状の高
さを測定したところ、樹脂流動端部付近の高さは51μ
m、ゲート付近部の高さは50μmであり、共に高い転
写性を示していた。
【0053】(比較例1)金型キャビティを大気圧の空
気で満たし、開閉弁14を解放したままにした他は実施
例1と同様にして成形した。成形品の樹脂流動端部付近
の直角のこぎり形状の高さは41μm、ゲート付近部の
高さは40μmであり、実施例1の成形品に比較して全
体に低い転写性を示していた。
【0054】(比較例2)金型キャビティへの二酸化炭
素供給圧力を3MPaとし、二酸化炭素圧力がほぼ3M
Paの圧力が保持される様に安全弁13を設定し、樹脂
充填中は開閉弁15を開いたままとした他は実施例1と
同様にして成形した。成形品の樹脂流動端部付近の直角
のこぎり形状の高さは47μm、ゲート付近部の高さは
45μmであり、実施例1と比較例1の成形品の中間の
転写性を示していた。
【0055】(比較例3)金型キャビティへの二酸化炭
素供給圧力を6MPaとし、二酸化炭素圧力がほぼ6M
Paの圧力が保持される様に安全弁13を設定し、樹脂
充填中は開閉弁15を開いたままとした他は実施例1と
同様にして成形した。成形品の樹脂流動端部付近の直角
のこぎり形状の高さは51μm、ゲート付近部の高さは
51μmであり、実施例1の成形品と同等の転写性を示
していた。
【0056】(比較例4)金型キャビティへの二酸化炭
素供給圧力を3MPaとし、通常の発泡性樹脂のカウン
タプレッシャ成形と同様のガス解放タイミングとして、
射出された樹脂が金型キャビティの約80%を満たした
時点で開閉弁14を解放し、金型キャビティの圧縮二酸
化炭素を金型外へ放出した以外は、実施例1と同様にし
て成形した。すなわち、樹脂が金型キャビティを充填し
て樹脂高圧射出圧力が加わる時点の金型キャビティの二
酸化炭素圧力を低下させて成形する。成形品の樹脂流動
端部付近の直角のこぎり形状の高さは45μm、ゲート
付近部の高さは50μmであり、実施例1の成形品より
も樹脂流動端部付近の転写性に劣っていた。
【0057】以上の結果から、実施例1の様に樹脂によ
り金型キャビティ内の二酸化炭素を圧縮し、樹脂保圧ま
で保持することにより、比較例3の様にあらかじめ高い
圧力の二酸化炭素を金型キャビティに供給しなくても、
高い金型表面転写性が得られることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、経済的に金型表面状態
を高度に成形品に転写することが可能となるため、従
来、成形品の外観が悪い場合にやむをえず施されていた
塗装などの後工程が不要になり、部品の大幅なコストダ
ウンができるほか、微細な金型表面状態を成形品に均一
に転写することができる。
【0059】本発明の成形法で良好に成形される成形品
には、弱電機器、電子機器、事務機器等のハウジング、
各種自動車部品、各種日用品、等の樹脂射出成形品があ
げられる。多点ゲートで射出成形され、その結果ウエル
ドラインが多数発生する電子機器、電気機器、事務機器
のハウジング等や、艶消し状成形品、パターンしぼ成形
品の外観向上に適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリスチレンへの二酸化炭素の溶解量を示す図
である。
【図2】ポリスチレンへの窒素ガスの溶解量を示す図で
ある。
【図3】ポリスチレンへの二酸化炭素の溶解量を示す図
である。
【図4】ポリスチレンへの二酸化炭素の溶解量を示す図
である。
【図5】ポリスチレンへの二酸化炭素溶解によるTgの
低下量を示す図である。
【図6】PMMA/PVF2 系ポリマーアロイへの二酸
化炭素の溶解量を示す図である。
【図7】PMMA/PVF2 系ポリマーアロイへの二酸
化炭素溶解によるTgの低下量を示す図である。
【図8】ポリカーボネートへの二酸化炭素の溶解量を示
す図である。
【図9】ポリスルホンへの二酸化炭素の溶解量を示す図
である。
【図10】各合成樹脂の二酸化炭素溶解によるTgの低
下を示す図である。
【図11】本発明に使用する金型の構造を示す。
【図12】本発明に使用する金型装置を示す。
【符号の説明】
1 金型キャビティ 2 吸排気用溝 3 金型外通気用穴 4 Oリング 5 ランナ 6 ゲート 7 金型キャビティのゲート部付近 8 金型キャビティの樹脂流動端部付近 9 金型 10 パーティング面の隙間 11 ガス体の導通路 12 ガス体供給源 13 安全弁 14 開閉弁 15 開閉弁 16 圧力計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の射出成形において、
    (1)金型キャビティの加圧ガス体を密封できるシール
    構造とし、(2)ガス体の熱可塑性樹脂への溶解度が、
    樹脂の固化温度において空気及び/又は窒素の2倍以上
    であるガス体を、該金型キャビティに大気圧以上5MP
    a未満に充填し、(3)射出された樹脂圧力により金型
    キャビティに充填されたガス体を1.2〜10倍、かつ
    樹脂充填終了時のガス体圧力が15MPa以下となるよ
    うに圧縮し、(4)射出圧力により樹脂が型壁面を十分
    に押し付けるまで金型キャビティの該圧縮ガス体圧力を
    保持する、ことを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形
    法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が非結晶性熱可塑性樹脂で
    ある請求項1の熱可塑性樹脂の射出成形法。
  3. 【請求項3】 ガス体が二酸化炭素である請求項1ある
    いは2の熱可塑性樹脂の射出成形法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1179405A1 (en) * 2000-08-11 2002-02-13 Tohoku Munekata Co., Ltd Injection moulding method
JP2011062973A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Canon Inc ガスアシスト射出成形方法、及びその成形用金型
EP2647480A1 (en) 2012-04-05 2013-10-09 Canon Kabushiki Kaisha Molded-article manufacturing method, mold, and optical element including fresnel lens

Cited By (4)

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