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JPH11244563A - ミシンの中押え機構 - Google Patents

ミシンの中押え機構

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Publication number
JPH11244563A
JPH11244563A JP4794798A JP4794798A JPH11244563A JP H11244563 A JPH11244563 A JP H11244563A JP 4794798 A JP4794798 A JP 4794798A JP 4794798 A JP4794798 A JP 4794798A JP H11244563 A JPH11244563 A JP H11244563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
presser
intermediate presser
sewing
upper shaft
sewing machine
Prior art date
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Granted
Application number
JP4794798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3945891B2 (ja
Inventor
Tsutomu Imai
力 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP04794798A priority Critical patent/JP3945891B2/ja
Priority to CNB991054261A priority patent/CN1133771C/zh
Publication of JPH11244563A publication Critical patent/JPH11244563A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3945891B2 publication Critical patent/JP3945891B2/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被縫製物の所定の範囲内において任意の形状
に沿って縫い目を設けることができるサイクルミシンの
中押え機構の簡略化を図る。 【解決手段】 中押え機構10は、縫製中に中押え12
を下げ、停止中に上げる中押え上下動部20と、縫製中
にミシン針7に対応して中押え12を上下動させる中押
え縫製動作部30とを有する。これら中押え上下動部2
0及び中押え縫製動作部30からの中押え12を上下動
させる動きを一つの中押えリンク40が中押え12に伝
動する。また、中押え縫製動作部30には、上軸3に設
けられた中押えカム31と、中押えカム31の従節とな
る中押え駆動腕32とを有する。また、中押えカム31
は、中押え駆動腕32に接触する位置から上軸に沿って
後方に後退可能となっている。そして、中押えカム31
を後退させて中押え駆動腕32から離すことにより、縫
製中の中押え12の上下動を止めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被縫製物の所定の
範囲内において任意の形状に沿って縫い目を設けること
ができるミシンの中押え機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、被縫製物(布、生地等)の所定
の範囲内において任意の形状に沿って縫い目を設けるこ
とができるサイクルミシンは、被縫製物を例えば、枠状
の上下の押さえ板(布押さえ外枠及び下板)で押さえて
保持する保持手段と、該保持手段をミシン針と直交する
水平面内で移動する送り機構とを有し、枠状の上下の押
さえ板により周囲を押さえられて張られた状態の被縫製
物の任意の位置をミシン針で刺せるようになったもので
ある。
【0003】すなわち、上記サイクルミシンは、ミシン
針に対して被縫製物を任意の範囲内で水平方向に移動可
能とすることにより、一針毎に縫う位置を変更して、縫
い目を任意の形状に沿ったものとすることができるもの
であり、例えば、各種マークの輪郭線に沿った縫い目を
付けたり、所定の形状(例えば、シートベルトの縫い合
わせ)の縫い目を付けたりすることができるようになっ
たものである。
【0004】そして、上記サイクルミシンにおいては、
枠状の上下の押さえ板により所定の範囲の外側で布を押
さえた状態となっているので、ミシン針を下方に移動し
て被縫製物を刺した後に針を引き上げた際に被縫製物の
ミシン針が刺された部分を上方に引っ張ってしまうの
で、ミシン針の近傍において、被縫製物を下方に押さえ
る中押えが設けられている。また、中押えは、ミシン針
の近傍において被縫製物を下方に押えることになるの
で、中押えの平面上の位置は、基本的にミシン針の位置
に対して固定となり、上記保持手段が水平方向に移動す
ることにより、被縫製物が移動しても中押えは移動しな
いことになる。
【0005】従って、被縫製物の移動時に、中押えが被
縫製物を下方に押したままだと、被縫製物の移動が中押
えにより妨げられる可能性がある。そこで、中押えは、
ミシン針の上下動に対応して上下動するようにされてお
り、ミシン針が上がって、被縫製物が移動する際には、
中押えも上方に上がるようになっている。なお、このよ
うな中押えの動作は、ミシン針に動力を伝達する上軸を
用いて行われるようになっており、上軸の回転によりミ
シン針が上下動するとともに、中押えが上下動するよう
になっている。また、中押えは、ミシン停止中において
は、被縫製物の保持手段への着脱が可能なように大きく
上がった状態とされ、縫製中は上述のように被縫製物を
押えるために下方に下がった状態とされるとともに、被
縫製物の移動時に、僅かに上昇して被縫製物の移動を妨
げないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、中押えにも
種類があり、中押えによっては、被縫製物の移動時にも
被縫製物を押したままで使用するようになっているもの
があり、縫製中にミシン針の上下動に対応して中押えを
上下動させなくとも良いものがある。すなわち、中押え
の下面と被縫製物との間に大きな摩擦が生じないような
場合には、縫製中、中押えが被縫製物を下方に押した状
態となっていても、中押えに対して被縫製物が滑ること
により、被縫製物の移動が妨げられない。
【0007】従って、中押えの種類を代えられるように
なっている場合には、中押えの動作機構が、二種類の異
なる動作を行えるようになっている必要があり、中押え
の動作機構を煩雑なものとしていた。また、通常の中押
えの動作を見た場合にも、その動作には、縫製開始時に
中押えを大きく下げるとともに、縫製停止時に中押えを
大きく上げる動作と、縫製中に中押えを小さく上下動さ
せる動作の二種類があり、二種類の動作を行うために動
作機構が複雑なものとなっていた。
【0008】また、中押えの動作においては、上軸に設
けられた中押え用偏心カムが用いられるとともに、バネ
が用いられており、針の上死点と中押さえの上死点はほ
ぼ一致している。そして、ミシンを停止させた際に、中
押え用カムの回転角度によっては、カムの斜面が上記バ
ネにより付勢され、中押え用カム、すなわち、上軸に回
転力がかかる可能性があった。特に、ミシンにおいて
は、ミシン針が上死点となる上軸の回転角度から50度
前後回転したところで、ミシンが停止するようにされて
おり、この際には、中押えが下降する途中となり、中押
えカムの斜面がバネにより押されて回転力がかかった状
態で停止するようになっている。
【0009】従って、上軸の回転に対する抵抗力がかか
っていないものとすれば、ミシンが停止しても中押えが
下がるまで回転してしまい、所定のミシン針の位置でミ
シンを停止できない可能性があった。なお、上軸が例え
ばベルトドライブ方式で回転させられるような場合に
は、外部から上軸を回転させるような僅かな力がかって
も、Vベルト等による上軸3の回転に対する抵抗力で上
軸の回転が抑止されるが、ダイレクトドライブ方式で上
軸が回転するような場合には、上軸の回転に対する抵抗
力があまり大きくなく、ミシン停止時に中押え用カムか
ら上軸に回転力がかかった際に、上軸が僅かに回転して
停止時のミシン針の位置が下がってしまう可能性があっ
た。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、中押えの駆動機構の簡略化を図ることができ、ま
た、ミシン停止後に中押えの駆動機構から上軸にかかる
回転力を低減することが可能なミシンの中押え機構を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ミシンの中押え機構は、被縫製物を保持する保持手段
と、該保持手段を水平方向に移動させて、該保持手段に
保持された上記被縫製物の任意の位置に、上軸の回転に
よって上下動するミシン針を刺すことを可能とする送り
手段とを備え、上下動する上記ミシン針に対して上記被
縫製物を水平方向に移動することによって上記ミシン針
により設けられる縫い目を任意の形状に沿ったものとす
ることが可能なミシンに設けられ、かつ、上記ミシン針
の近傍において、上記被縫製物を下方に押さえる中押え
を備えるとともに、該中押えを駆動するものであって、
縫製中に上記中押さえを上記ミシン針の上下動に対応し
て上下動させる中押さえ縫製動作手段を有し、上記中押
さえ縫製動作手段は、上記上軸と一体に回転する中押え
カムと、該中押えカムの従節となって、上記上軸の回転
に対応して上記中押えを上下に駆動する中押え駆動手段
とを備え、上記中押えカムは、上記中押え駆動手段に接
触して上記中押えを上下に駆動可能な位置と、上記中押
え駆動手段から離れて上記中押えが被縫製物を下方に押
えたままの状態となる位置との間を移動可能とされてい
ることを上記課題の解決手段とした。
【0012】上記構成によれば、縫製動作中に上下動す
る通常の中押えを使用する場合には、中押えカムを中押
え駆動手段に接触して上記中押えを上下に駆動可能な位
置に配置し、上軸の回転と一体に中押えカムを回転させ
て、従節となる中押え駆動手段を駆動し、該中押え駆動
手段により中押えを上下動させることになる。また、縫
製動作中に被縫製物を下方に押えたままとする中押えを
使用する場合には、中押えカムを中押え駆動手段と接触
しない位置に配置し、上軸とともに中押えカムが回転し
ても中押え駆動手段が動かない状態とすることで、中押
えを下方に下げた状態に保持させることになる。
【0013】従って、この中押え機構においては、中押
えカムを移動させるだけで、通常の中押えを用いて縫製
中に中押えを上下動させる動作と、縫製中に上下動しな
い中押えを用いて縫製中に中押えを下げた状態に保持さ
せる動作とを切り替えることができる。すなわち、上軸
に取り付けられた中押えカムを用いて通常の中押えを上
下駆動する機構に、中押えカムの位置を移動できる機構
を加えるだけで、上述のような二種類の中押えの動作を
切り替え可能とすることができるので、縫製中に二種類
の中押えの動作を切り替えて行える中押え機構の構成を
極めて簡略なものとすることができる。そして、中押え
機構の構成を簡略化することにより、部品点数の減少を
図って、製造工程を容易なものとすることができるとと
もに、製造コストを低減することができる。
【0014】なお、中押えカムは、挿通孔が形成され、
該挿通孔に上軸が挿通した状態とされ、かつ、止めねじ
等の接合部材により中押えカムを上軸に固定可能となっ
ていることが好ましく、接合部材により中押えカムの上
軸への固定を解除することにより、中押えカムが上軸の
軸方向に沿って移動可能となっているものとすれば、中
押えを移動させる機構を極めて簡単なものとすることが
できる。また、このようにした場合には、中押えカムを
中押え駆動手段と接触させる際に、中押えカムの位置と
角度を容易に決められるようになっていることが好まし
い。また、中押え駆動手段から中押えカムを離した場合
に、中押え駆動手段を中押えを下げた状態に保持する位
置に固定できるようになっている必要があり、中押えカ
ムを中押え駆動手段から引き離した際に、中押え駆動手
段が中押えを下げた状態とする位置で中押えカムに変わ
って中押え駆動手段に接触する部材が設けられているこ
とが好ましい。
【0015】本発明の請求項2記載のミシンの中押え機
構は、被縫製物を保持する保持手段と、該保持手段を水
平方向に移動させて、該保持手段に保持された上記被縫
製物の任意の位置に、上軸の回転によって上下動するミ
シン針を刺すことを可能とする送り手段とを備え、上下
動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方向に
移動することによって上記ミシン針により設けられる縫
い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能なミシ
ンに設けられ、かつ、上記ミシン針の近傍において、上
記被縫製物を下方に押さえる中押えを備えるとともに、
該中押えを駆動するものであって、上記中押えを上下に
駆動する駆動部と、該駆動部からの動きを上記中押えに
伝動することにより、上記中押えを上下に移動させる一
つの中押えリンク機構とを備え、上記リンク機構は縫製
中に上記中押えを下げて上記被縫製物を下方に押えるこ
とが可能な状態とし、縫製停止中に上記中押えを上げて
上記被縫製物の上記保持手段への着脱を可能な状態とす
る中押え上下動手段と、縫製中に上記被縫製物を下方に
押えた状態の上記中押えを上記ミシン針の上下動に対応
して上下動させて、上記ミシン針が上がった際に被縫製
物の水平移動を容易とする中押え縫製動作手段とを備え
ていることを上記課題の解決手段とした。
【0016】上記構成によれば、中押えを駆動する駆動
部に中押え上下動手段と、中押え縫製動作手段との少な
くとも二つがあり、該二つの駆動装置から一つの中押え
を駆動するものとしても、これら二つの駆動装置から中
押えに駆動力を伝動する伝動手段として一つの中押えリ
ンク機構だけが用いられているので、二つの駆動装置と
中押えとの間を連結するのに二つのリンク機構を用いた
場合に比較して、部品点数の減少を図ることができる。
従って、この中押え機構によれば、部品点数の減少を図
ることにより、製造工程の省力化と製造コストの削減を
図ることができる。
【0017】上記リンク機構は、縫製停止中に被縫製物
の着脱を容易に行えるように中押えを大きく上げた状態
とし、縫製開始時に被縫製物を押えられるように中押え
を大きく下げ、さらに、縫製中においては、大きく下げ
られた状態の中押えを被縫製物の水平移動が可能な程度
に小さく上げたり下げたりする必要がある。従って、上
記リンク機構は、中押え上下動手段から伝動された動き
により中押えお大きく下げた状態で、中押え縫製動作手
段から伝動された動きにより中押え小さく上下動させる
のを妨げない状態となっている必要がある。
【0018】本発明の請求項3記載のミシンの中押え機
構は、被縫製物を保持する保持手段と、該保持手段を水
平方向に移動させて、該保持手段に保持された上記被縫
製物の任意の位置に、上軸の回転によって上下動するミ
シン針を刺すことを可能とする送り手段とを備え、上下
動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方向に
移動することによって上記ミシン針により設けられる縫
い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能なミシ
ンに設けられ、かつ、上記ミシン針の近傍において、上
記被縫製物を下方に押さえる中押えを備えるとともに、
該中押えを駆動するものであって、上記中押えを下方に
付勢した状態で上下動自在に支持する中押え支持手段
と、縫製中に中押え支持手段により下方に付勢された状
態の上記中押えに上記上軸の回転を伝動して、上記中押
えを上下動させる中押え縫製動作手段とが備えられ、上
記中押え縫製動作手段による上記上軸の回転に対応した
上記中押えの上下運動には、上記上軸の回転角度が縫製
停止時に上記上軸が停止する所定の回転角度となる付近
で、上記中押えの上下動を一時的に休止する休止期間が
設けられていることを上記課題の解決手段とした。
【0019】上記構成によれば、縫製中、中押え支持手
段に下方に付勢された状態の中押えに、中押え縫製動作
手段が上軸の回転を伝動して上下動させるようになって
いるので、縫製を停止して上軸の回転が止まった際に、
中押えを下方に付勢する付勢力が中押え縫製動作手段を
介して上軸に伝動される可能性があり、仮に、中押え縫
製手段による中押えの上下運動において、上記休止期間
が設けられていない場合には、所定の回転角度で停止す
る上軸に対して回転力がかかり、例えば、上軸がダイレ
クトドライブ方式により回転するような場合には、上軸
の回転を抑止するような抵抗力がベルトドライブ方式に
比較して弱いので、上軸が所定の回転角度で停止せずに
少しずれて停止する可能性がある。
【0020】しかし、この中押え機構の中押えの上下運
動においては、上軸の回転角度が縫製停止時に上軸が停
止する所定の回転角度となる付近で、中押えの上下動を
一時的に休止する休止期間が設けられているので、この
休止期間内において、上軸が回転しても中押えが上下動
しない。すなわち、上記休止期間においては、中押え縫
製動作手段が上軸の回転力を中押えに伝動しておらず、
実質的に中押え縫製動作手段が上軸と中押えとの間での
伝動を停止した状態となっている。
【0021】従って、逆に、この休止期間に対応する回
転角度で上軸が停止しても中押えを下方に付勢する付勢
力が中押え縫製動作手段を介して中押えに伝動されるこ
とがない。これにより、中押えを下方に付勢するばね等
の付勢力により上軸が回転してしまうのを防止すること
ができる。なお、通常のミシンでは、針棒上死点(ミシ
ン針の上死点)となる上軸の回転角度を0度とした場合
に、上軸の停止する回転角度が50度前後となる。従っ
て、上記休止期間は、上軸の回転角度がおおよそ50度
となる付近に設けられることになる。また、ミシンによ
っては、上軸の回転角度が0度すなわち針棒上死点とな
る上軸の回転角度でミシンを停止できるように設定でき
るものもあるので、このような場合には、上軸の回転角
度が0度となる付近に上記休止期間を設けるようにして
も良い。
【0022】本発明の請求項4記載のミシンの中押え機
構は、上記中押え縫製動作手段が、上記上軸と一体に回
転する中押えカムと、該中押えカムの従節となって、該
中押えカムから上記中押えに動きを伝達する中押え駆動
手段とを備え、上記中押えカムの上記中押え駆動手段が
当接するカム面に、上記休止期間において上記中押えの
上下動を停止させる面が形成されていることを上記課題
の解決手段とした。
【0023】上記構成によれば、基本的には、中押えカ
ムのカム面に従節となる中押え駆動手段が動かない状態
となる面を形成することになるが、この面の形成とは、
例えば、中押えカムが側面カムの場合には、上軸の回転
角度が所定の停止角度となった際に、中押えカムの中押
え駆動手段が接触する部分に中押えカムの回転軸に直交
する平面を設けることである。また、例えば、中押えカ
ムが板カムの場合に、上記面の形成とは、上軸の回転角
度が所定の停止角度となった際に、中押えカムの中押え
駆動手段が接触する部分に回転軸からの距離が一定の円
弧状の曲面を設けることである。
【0024】すなわち、中押えカムによる中押えの上軸
の回転角度に対する運動曲線において、上記休止期間と
して中押えが上下動しない水平な直線となる部分を設け
れば良いことになる。従って、中押えカムの形状を少し
変えるだけの極めて簡単な方法で、上述のように上軸の
回転の防止を図ることができる。すなわち、部品点数を
増やすしてコストをかけることなく、上述ような上軸の
回転を抑止することができる。
【0025】本発明の請求項5記載のミシンの中押え機
構は、被縫製物を保持する保持手段と、該保持手段を水
平方向に移動させて、該保持手段に保持された上記被縫
製物の任意の位置に、上軸の回転によって上下動するミ
シン針を刺すことを可能とする送り手段とを備え、上下
動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方向に
移動することによって上記ミシン針により設けられる縫
い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能なミシ
ンに設けられ、かつ、上記ミシン針の近傍において、上
記被縫製物を下方に押さえる中押えを備えるとともに、
該中押えを駆動するものであって、上記中押えを下方に
付勢した状態で上下動自在に支持する中押え支持手段
と、縫製中に中押え支持手段により下方に付勢された状
態の上記中押えに上記上軸の回転を伝動して、上記中押
えを上下動させる中押え縫製動作手段とが備えられ、上
下動する上記中押えの上死点となる上軸の回転角度が、
縫製停止時に上軸が停止する所定の回転角度に近いもの
とされるか、もしくは、上記ミシン針の上死点となる上
軸の回転角度より大きくされ、かつ、上軸が停止する所
定の回転角度以下とされていることを上記課題の解決手
段とした。
【0026】上記構成によれば、中押えが上死点となっ
た瞬間は、中押えの運動が上昇から降下に変わるときで
あり、中押えの上下運動が瞬間的に止まった状態となっ
ているので、中押えが上死点となった際には、中押え縫
製動作手段により上軸の回転力が中押えの上昇もしくは
降下として伝動されていない状態となっている。また、
中押えを上下動させる上では、中押えが中押え上死点に
至るまで等速で上昇し、中押え上死点で停止し、そのご
上昇時と等速で下降するものとした場合に、ほとんど不
可能な急停止及び急加速を行うことになるで、実際に
は、中押え上死点付近での中押えの上下動を緩やかなも
のとする必要がある。
【0027】すなわち、中押えの上死点においては、上
軸と中押さえとの間の伝動がほとんど0となるととも
に、中押えの上死点の前後においては、上軸と中押えと
の間の伝動が低いものとなっている。従って、中押えの
上死点及びその付近においては、中押え縫製動作手段に
より上軸と中押えとの間で伝動が実質的に行われていな
い状態もしくは少ししか行われていない状態なので、中
押えの上死点となる上軸の回転角度が上軸が停止する回
転角度とほぼ等しくなるようにすれば、上軸にかかる駆
動系(ダイレクトドライブ)の抵抗力を越えるほどの回
転力が上軸にかかるのを防止することができる。
【0028】また、ミシンによっては、上述のように上
軸の回転角度が50度付近となったところで上軸の回転
を停止するだけではなく、設定を変えることで、上軸の
回転角度が針棒上死点となった場合にも上軸を停止でき
るようになったものがあるが、中押えの上死点を上述の
二つの上軸の停止回転角度の間とすることにより、中押
えが上死点となる上軸の回転角度と二つの回転停止角度
と間隔がそれぞれ近づくことになり、二つの回転停止角
度における中押え縫製動作手段から上軸にかかる回転力
をなるべく小さなものとすることができ、上軸に回転力
がかかるとしても、その回転力の大きさが上軸に駆動系
等からかかる回転に対する抵抗力の大きさより大きくな
るのを防止することができる。
【0029】すなわち、上軸が中押え縫製動作手段から
逆流する力により回転するのを防止することができる。
また、中押えが上述の請求項4の記載のように中押えカ
ムにより駆動されるものとした場合には、中押えカムの
上軸への取付角度を変更するだけで、上軸に中押え縫製
動作手段から回転力がかかるのを停止することができ、
ほとんどコストも手間もかけることなく、上軸を正確な
位置で停止することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例のを図面を参照して説明する。図1はこの一例のミシ
ン1の外観を示すものであり、図2はミシン1の機枠2
内の中押え機構10を示すものであり、図3は中押え機
構10を展開した状態で示すものであり、図4〜図6
は、中押え機構10だけをミシン1から取り出した状態
を示したものであり、図7はミシン1の上軸3への中押
えカム31の取付構造を示すものであり、図8は中押え
12の運動曲線を示すものであり、図9は中押え機構1
0からミシン1の上軸3にかかる回転力を運動曲線に対
応して図示したものである。
【0031】図1に示すように本発明の中押え機構10
を有するミシン1は、下板4と布押え外枠5との間に被
縫製物を挟持して保持する保持機構6と、該保持機構6
を水平方向に移動させる送り機構(図示略)とを有し、
水平平面内での位置が固定された状態のミシン針7に対
して、被縫製物を水平方向に移動させることにより、所
定の範囲(例えば、下板4及び布押え外枠5の内側、も
しくは、ミシン針7に対する保持機構6の送り機構によ
る移動可能範囲)内の任意の位置に糸を通して縫い目を
付けることが可能となっている。すなわち、ミシン1
は、各種形状に対応した縫い目を付けることができるサ
イクルミシンである。
【0032】そして、ミシン1においては、その保持機
構6が、下板4と布押え外枠5とにより被縫製物の縫製
を行う部分の外側を保持しており、被縫製物のミシン針
7が上下動する位置を保持機構6の布押え外枠5が押え
た状態となっていないので、本発明に係る中押え機構1
0の中押え12が被縫製物のミシン針7が上下動する部
分を上から押えるようになっている。すなわち、ミシン
1においては、布押え外枠5と中押え12により被縫製
物を下方に押えるようになっている。
【0033】ここで、この一例におけるミシン1の中押
え機構10について説明する。図2〜図6に示すよう
に、中押え機構10は、上述のように被縫製物のミシン
針7が上下動する部分を押える中押え12を有して、該
中押え12を駆動するものである。そして、中押え機構
10は、中押え12を備えるとともに中押え12を上下
動可能に支持する中押え支持部11と、ミシン1におい
て縫製中に中押え12を下げて被縫製物を押えることが
可能な状態とし、縫製停止中に中押え12を上げて被縫
製物のセットや交換等を可能な状態とする中押え上下動
部20と、該中押え上下動部20により被縫製物を押え
ることが可能な状態とされた中押え12を縫製中にミシ
ン針7の動作に対応して小刻みに上下動させる中押え縫
製動作部30と、これら中押え上下動部20及び中押え
縫製動作部30からの中押え12を上下動させるための
動きを中押え支持部11に伝動する一つの中押えリンク
40とからなるものである。
【0034】上記中押え支持部11は、上述のように被
縫製物を押える中押え12と、該中押え12の上部に接
合される中押え棒13と、該中押え棒13の上部に接合
される筒状の中押え棒メタル14と、該中押え棒メタル
14内部に挿入されている中押え案内棒15と、中押え
棒13の外周部分に固定されるとともに、中押えリンク
40が当接する中押え棒抱き16と、該中押え案内棒1
5の上端部に接続されるとともに機枠2に取り付けら
れ、かつ、中押え案内棒15の上下位置を調節する中押
え調節ねじ17及び中押え調節ナット18と、中押え1
2を下方に付勢する中押えばね19(図3に図示)とを
備えたものである。
【0035】上記中押え12は、その下端部の下面が被
縫製物を押えるようになっているとともにリング状に形
成され、該下端部をミシン針7が貫通して上下動するよ
うになっている。すなわち、中押え12は、ミシン針7
の周囲において被縫製物を押えるようになっている。ま
た、中押え12は、図3に示すように、その上部がねじ
12a及び座金12bにより中押え棒13に取り付けら
れ、また、これらねじ12a及び座金12bにより中押
え12とともに、指ガード12cが中押え棒13に取り
付けられている。また、中押え12のねじ12a用のね
じ孔は上下に長い長孔とされ、中押え12の上下位置を
微調整可能となっている。
【0036】上記中押え棒13は、中押え12を接合す
るものである。上記中押え棒メタル14は、筒状とされ
るとともに、内部に中押え棒13が挿入され、中押え1
2を上下動可能とするものである。
【0037】上記中押え案内棒15は、中押えばね19
内に挿入され、中押えばね19を支持するようになって
いる。上記中押え棒抱き16は、中押え棒13が貫通し
た状態とされるとともに、止めねじ16aにより中押え
棒13に固定されている。また、中押え棒抱き16に
は、ねじ16b及び座金16cにより中押え棒抱き受け
板16dが取り付けられている。
【0038】そして、中押え棒抱き受け板16dは、そ
の下面側に中押えリンク40が係止した状態に当接され
ており、中押え棒抱き16の下方への移動が中押えリン
ク40により規制され、中押え12,中押え棒13が重
力及び中押えばね19の付勢力により下方に落下するの
を防止するとともに、中押えリンク40により中押え棒
抱き16が上方に押圧されることで、中押え12,中押
え棒13を上方に上げることができるようになってい
る。
【0039】すなわち、中押え棒抱き16に中押えリン
ク40から動きが伝動されて、中押え12を上下に駆動
できるようになっている。上記調節ねじ17及び中押え
調節ナット18は、中押えばね19の付勢力を調整して
中押え12の被縫製物に対する押圧力を調整するもので
ある。上記中押えばね19は、中押え12を下方に押圧
する例えばコイルばねであり、中押え12の被縫製物に
対する押圧力を生じさせるものである。
【0040】上記中押え上下動部20は、図2〜図6に
示すように、中押え上げリンク21及び中押え上げばね
22からなる中押え上げ機構23と、ソレノイド24及
び三つの中押え下げリンク25,26,27からなる中
押え下げ機構28とからなるものである。上記中押え上
げ機構23は、中押えリンク40に先端部が連結された
中押え上げリンク21を、その後端部に接続された中押
え上げばね22(コイルばね)で中押えばね19の張力
に抗してミシン1の後方側に引っ張るようになったもの
であり、これにより中押えリンク40を中押え12を上
げた状態とする位置に保持するようになっている。
【0041】中押え上げリンク21は、細い直線状の棒
体であり、その先端部の中押えリンク40と連結する部
分が曲げられてU字状とされている。そして、中押え上
げリンク21の先端部は、中押え上げリンク21が中押
え上げばね22により後方に付勢されて、後方に移動す
る際に、中押えリンク40の一端部(上端部)に係合し
て中押せリンク40をその一端部が後方に移動するよう
に回転するようになっているが、中押え上げリンク21
が中押え下げ機構28により、後述するように前方に移
動させられた際には、中押え上げリンク21の先端部と
中押えリンク40の一端部とが係合しないようになって
いる。
【0042】従って、中押え上げリンク21を前方に移
動させた際には、中押え上げリンク21の移動により、
中押えリンク40の一端部を前方に移動するようにさせ
ることができないが、この際には、中押えばね19の付
勢力により中押えリンク40の一端部が前方に移動する
ように中押えリンク40が回転する。そして、中押え1
2の下方への移動が後述する中押えロッド33により規
制されることにより、中押えリンク40の回転が止まる
ようになっている。
【0043】そして、この状態においては、中押えリン
ク40の一端部が後方に移動するのを中押え上げリンク
21のU字状の先端部がある程度の範囲内において規制
しないようになっているので、上記中押え縫製動作部3
0により、中押えリンク40の一端部を後方に移動した
り戻したりするようにすることが可能となっている。す
なわち、中押えリンク40と中押え上げリンク21との
連結部は、長孔とピンとにより連結したのとほぼ同じ状
態、すなわち、大きな遊びが設けられた状態となってお
り、遊びの範囲内において、中押えリンク40は、中押
え上げリンク21に影響を与えることなく回転できるよ
うになっている。なお、図3に示すように、中押え上げ
リンク21と中押え上げばね22の先端部とは、中押え
下げリンク27のピン27aと止め輪27bにより、中
押え下げリンク27とともに連結されている。また、中
押え上げばね22の後端部は、機枠2にねじ22a、2
2aにより固定されたばね掛け22bに掛けられて固定
されている。
【0044】上記中押え下げ機構28は、そのソレノイ
ド24のプランジャー24cと、中押え上げリンク21
の後端部とを三つの中押え下げリンク25,26,27
でつないだものであり、ソレノイド24をオンとしてプ
ランジャー24cを後退させることにより、三つの中押
え下げリンク25,26,27を介して中押え上げリン
ク21を中押え上げばね22の付勢力に抗して前方に押
し出すものである。そして、中押え上げリンク21を前
方に押し出すことで、中押えリンク40を中押え12を
上げた状態とする位置に保持することが解除され、中押
え12が、中押えばね19の付勢力により下方に下がる
ようになっている。
【0045】上記ソレノイド24は、取付板24aを介
してねじ24b…により機枠2に固定されている。上記
中押え下げリンク25は、略く字状に形成されるととも
に、その中央部が止めねじ25aにより機枠2に固定さ
れた支点軸25bにより回動自在に支持されている。ま
た、中押え下げリンク25の下端は、接続ピン24b及
び松葉ピン24e、24eによりソレノイド24のプラ
ンジャー24cに連結されている。
【0046】また、中押え下げリンク25の上端部は、
段ねじ25cにより中押え下げリンク26に連結されて
いる。そして、中押え下げリンク26は、略く字状に形
成されるとともに、その下端部が中押え下げリンク26
に連結されるとともに、その上端部が段ねじ26aによ
り中押え下げリンク27に連結されている。そして、中
押え下げリンク27は、側面視して略L字状に形成さ
れ、その中央部が機枠2に固定された支点軸(図示略)
に回動自在に支持されている。また中押え下げリンク2
7は、その後端部が中押え下げリンク26に連結される
とともに、その先端部が上述のように中押え上げリンク
21と中押え上げばね22との連結部でこれらに連結さ
れている。
【0047】ソレノイド24がオフの状態では、中押え
上げばね22の付勢力により、中押え下げリンク27が
時計回りに回転して、中押え下げリンク27に連結され
た中押え上げリンク21を後方に移動させることにな
る。
【0048】そして、図5に示すように、ソレノイド2
4がオンの状態では、そのプランジャー24cが後方に
後退し、中押え下げリンク25が反時計回りに回転し
て、中押え下げリンク26を押し上げるとともに、中押
え下げリンク26が中押え下げリンク27の後端部を上
方に押し上げることになる。そして、中押え下げリンク
27は、図中、反時計回りに回転してその前端部が前方
に移動し、中押え下げリンク27に連結された中押え上
げリンク21を中押え上げばね22の付勢力に抗して前
方に移動させることになる。これにより、中押えリンク
40が中押え12を上方に引き上げた状態となる。
【0049】上記中押え縫製動作部30は、図2〜図6
に示すように、縫製中に中押え12を僅かに上下動させ
るためのものであり、上軸3に固定された中押えカム3
1と、該中押えカム31の従動節となる中押え駆動腕3
2と、中押え駆動腕32の動きを中押えリンク40に伝
動する中押えロッド33と、中押えカム31の位置を決
めるカム用スラストカラー34と、後述するように中押
え縫製動作を停止する際に中押え駆動腕32を受ける受
け部35とを備えたものである。
【0050】上記中押えカム31は、図7に示すよう
に、筒部31aとその後方に設けられたカム部31bと
位置決めピン31cとを備え、上軸3に外挿された状
態、すなわち、上軸3が貫通した状態となっているとと
もに、止めねじ31d、31dにより上軸3に固定され
ている。そして、中押えカム31は、そのカム部31b
の前側の側面がカムとなった側面カムであり、上軸3が
ミシン針7を上下動させるために回転した際に、従節と
なる中押え駆動腕32をカム部31bの前側側面に形成
された曲面に沿って駆動させるようになっている。
【0051】また、中押えカム31は、止めねじ31
d、31dを弛めて上軸に沿って後方に移動させること
が可能となっており、これにより中押え駆動腕32と中
押えカム31との係合を解除できるようになっている。
また、中押えカム31は、上軸3に固定されたカム用ス
ラストカラー34により前後位置を規制されるようにな
っており、上述のように中押えカム31を後退させた後
に、中押えカム31を元の位置に戻す際に、カム用スラ
ストカラー34に中押えカム31の筒部31aの前面を
当接させることで容易に位置決めできるようになってい
る。
【0052】なお、筒部31aは、中押えカム31の前
側に配置されるカム用スラストカラー34が中押え駆動
腕32の動きを妨げないように、カム用スラストカラー
34とカム部31bとの距離を離すようになっている。
また、位置決めピン31cは、筒部31aの前面から前
方に延出するように設けられ、カム用スラストカラー3
4に設けられた孔34aに挿入されることで、中押えカ
ム31の角度を決めるようになっている。
【0053】すなわち、中押え12は、ミシン針7と連
動して動作するものであるが、中押えカム31を上述の
ように後退させた場合に、中押えカム31が多少回転し
てしまう可能性が高く、中押えカム31の前後位置を上
述のように合わせても、中押え12の動作とミシン針7
の動作とのタイミングがずれてしまうことになるが、上
述のように中押えカム31の位置決めピン31cと、カ
ム用スラストカラー34の孔34aとで中押えカム31
の角度が決められるようになっていることで、中押えカ
ム31を移動させる場合があっても、容易に中押え12
とミシン針7との動作のタイミングを合わせることがで
きる。なお、カム用スラストカラー34は、リング状に
形成されるとともに、上軸が貫通した状態で、止めねじ
34b、34bにより上軸3に固定されるものである
が、一度上軸3に位置及び角度を決め手固定された後
は、基本的に動かしたり取り外したりしないものとなっ
ている。
【0054】上記中押え駆動腕32は、図3に示すよう
に、その中央部が段ねじ32aにより機枠2に回動自在
に支持されるようになっている。そして、中押え駆動腕
32の上端部側には、コロ軸32b及びコロ軸ナット3
2cによりコロ32dが回動自在に取り付けられてい
る。また、中押え駆動腕32の上端部には、中押えカム
31を後退させた場合に、機枠2に固定された受け部3
5に当接する当接部32eが設けられている。
【0055】また、中押え駆動腕32の下端部には、長
孔32fが形成され、該長孔32fに挿通される段ねじ
33a及びナット33bにより中押えロッド33の後端
部が該長孔の任意の位置で回動自在に連結されている。
上記中押えロッド33は、その後端部が上述のように中
押え駆動腕32の下端部と連結され、その前端部に前後
に長い長孔33cが形成され、該長孔33cの部分で中
押えロッド33が中押えリンク40に回動可能及び摺同
可能に連結されている。
【0056】上記中押えリンク40は、略L字状を有
し、止めねじ41により機枠2に固定された支点軸42
と、該支点軸42に外挿されたスラストカラー43とに
より、回動自在に機枠2に支持されている。そして、中
押えリンク40の後端部(上端部)は、中押えリンクピ
ン44及び中押えリンクナット45により、中押えロッ
ド33及び中押え上げリンク21の前端部に連結されて
いる。なお、図2等においては、基本的に中押え機構1
0及びそれに関係する部材だけを図示したが、図2にお
いては、保持機構6及び保持機構の布押え外枠5を上下
させる機構などが図示されている。
【0057】次に、上記ミシン1における中押え機構1
0の動作及び作用について説明する。まず、ミシン1の
停止中においては、図4に示すように、中押え上下動部
20の中押え下げ機構28のソレノイド24がオフの状
態で、中押えばね22の付勢力により、中押え下げリン
ク27が時計方向に回転した状態となっており、この際
には、中押え下げリンク26、27を介してプランジャ
ー24cが延出した状態となっている。そして、中押え
下げリンク27の前端部に連結された中押え上げリンク
21が、中押え上げばね22により後方に付勢されると
ともに、中押え下げリンク27により後退した状態とさ
れている。
【0058】そして、中押え上げリンク21が後退した
状態では、中押えリンク40の上端部が後退して、中押
えリンク40の前端部が上昇した状態となっている。こ
れにより、下面に中押えリンク40の前端部が当接した
状態の中押え支持部11の中押え棒抱き16が中押え棒
13及び中押え12とともに、中押えばね19(図3に
図示)の付勢力に抗して上昇した状態となっている。す
なわち、中押え12が上昇して、被縫製物を押えてない
状態、すなわち、被縫製物の保持機構6への着脱が可能
な状態となっている。
【0059】また、この際には、中押え縫製動作部30
においては、中押えロッド33が中押えリンク40によ
り前方に引かれた状態となっておらず、中押えロッド3
3は略フリーの状態となっているとともに、中押え駆動
腕32もその下端部が中押えロッド33に前方に引かれ
ることがなく、略フリーの状態となっている。
【0060】なお、中押え縫製動作部30においては、
中押えロッド33の中押えリンク40が連結される部分
が長孔33cとされているので、中押え12が上昇した
図4に示す状態では、中押え縫製動作部30が作動して
も、中押えリンク40及び中押え12は、影響を受けな
いようになっている。
【0061】次に、縫製を開始する際には、図5に示す
ようにソレノイド24がオンとなり、そのプランジャー
24cが後退するこれにより、押し下げリンク25,2
6を介して押し下げリンク27の後端部が上昇するよう
に回転することで、押し下げリンク27の前端部が、中
押え上げばね22の付勢力に抗して前進して、押し上げ
リンク21を前進させる。そして、中押えリンク40の
上端部を引っ張っていた状態の押し上げリンク21の先
端部が前方に移動することで、中押えリンク40をの上
端部を後方に保持した状態が解除される。
【0062】この際には、中押えばね19の付勢力によ
り中押え棒13,中押え12及び中押え棒抱き16が下
方に移動し、これにより、中押えリンク40の前端部が
下方に押し下げられて、中押えリンク40は、その上端
部が前方に移動する。これにより中押え12が下方に降
りて、被縫製物を押えた状態とすることができる。一
方、中押え縫製動作部30においては、図5に示すよう
に、中押えばね19の付勢力により中押えリンク40が
その前端部を下方に移動させるように回転した場合に、
中押えリンク40の上端部が前方に移動する。
【0063】そして、中押えリンク40の上端部に連結
された中押えロッド33が前方に移動し、中押えロッド
33が連結された中押え駆動腕32の下端部が前方に引
っ張られることにより、中押え駆動腕32が回転して、
その上端部のコロ32dが後方に移動し、中押えカム3
1の前側の側面に当接する。そして、中押え駆動腕32
のコロ32dが中押えカム31に当接することにより、
中押え駆動腕32の上端部をさらに後方に移動させる回
転、すなわち、下端部をさらに前方に移動させる回転が
規制される。
【0064】これにより、中押えロッド33の前方への
移動が規制されるとともに、中押えリンク40の上端部
を前方に移動させる回転、すなわち、中押えばねにより
中押え棒抱き16及び中押え12が下方に押され、中押
え棒抱き16により中押えリンク40の前端部が下方に
移動させられる回転が規制される。これにより、中押え
12の下降が停止することになる。
【0065】そして、ミシン1の縫製開始によりミシン
針7を上下動するための上軸3が回転する。これにより
上軸3に固定された側面カムである中押えカム31も回
転し、中押えカム31の側面にコロ32dを当接させた
押え駆動腕32の上端部が中押えカム31の側面の起伏
に対応して前後動することになる。そして、これにより
中押え駆動腕32に連結された中押えロッド33が前後
に移動する。なお、中押え駆動腕に対する中押えロッド
33の連続位置を中押え駆動腕32の長孔32f内で調
整することにより、中押えロッド33の前後移動量が変
更可能である。さらに、中押えロッド33に連結された
中押えリンク40の上端部が前後に移動し、これにより
中押えリンク40が前後に回転して、中押えリンク40
の前端部が上下に移動する。
【0066】そして、中押えリンク40の前端部の上下
動により中押え棒抱き16が上下に移動し、中押え棒抱
き16に中押え棒13を介して接合された中押え12が
上下動することになる。すなわち、上軸3の回転により
上下動するミシン針7に対応して、中押え12が上下動
することになる。なお、この際には、中押え上下動部2
0の中押え上げリンク21の前端部が連結された中押え
リンク40の上端部が前後動することになるが、中押え
上げリンク21は、そのU字状の先端部の部分で大きな
遊びを持った状態で中押えリンク40と連結されている
ので、中押えリンク40が中押え縫製動作部30により
小さな角度範囲で前後に移動するのを妨げることがな
い。
【0067】そして、縫製を停止させた際には、再び、
中押え上下動部20のソレノイド24がオフとなって、
図4に示すように中押え上げばね22の付勢力に抗して
前方側に保持されていた中押え上げリンク21が中押え
上げばね22により後方に引かれることになる。これに
より、中押え上げリンク21に連結された中押えリンク
40の上端部が後方に移動するとともに中押えリンク4
0の前端部が上方に移動し、中押えリンク40により中
押え棒抱き16が押し上げられて中押え12が上昇す
る。
【0068】なお、中押え上下動部20による縫製開始
時の中押え12の下降距離及び縫製停止時の中押え12
の上昇距離は、例えば、20mm程度であり、中押え縫
製動作部30による縫製中の中押え12の上下動の距離
は、例えば、4mm程度である。また、中押え上下動部
20による中押え12の降下は、縫製開始時だけに行わ
れるものではなく、例えば、縫製停止時に、ミシン針7
と中押え12が共に上昇した状態では、ミシン針7への
糸通しが中押え12の先端部に邪魔されることになるの
で、糸通し時にもソレノイド24をオンとして縫製開始
時と同様に中押えを下げることが可能となっている。
【0069】次に、縫製中に上下動を必要としない中押
え12(実際には、図中の中押え12とは異なる形状を
有する)を中押え支持部11に取り付けた場合について
説明する。この場合には、予め、図6に示すように、中
押えカム31を上軸3に沿って後方に移動しておく。そ
して、縫製開始時における中押え12の降下は、上述の
場合と同様に行われる。
【0070】そして、縫製開始時において、中押え上下
動部20により、中押えリンク40を前方に回転させ
て、その前端部を下方に移動することにより、中押え1
2を下げた場合には、中押えリンク40の上端部が前方
に移動することにより、中押えロッド33が前方に移動
し、中押えロッド33に連結された中押え駆動腕32の
下端部が前方に移動するように中押え駆動腕32が回転
する。
【0071】これにより、中押え駆動腕32の上端部が
後方に移動することになるが、この際には、中押えカム
31が後退した状態となっているので、中押え駆動腕3
2の上端部のコロ32dが中押えカム31に当接する前
に、中押え駆動腕32の上端部の当接部32eが機枠に
固定された受け部35に当接するようになっている。こ
れにより、中押え駆動腕32のそれ以上の後方側への回
転が規制されることにより、中押えロッド33の前方へ
の移動、中押えリンク40の前方への回転が規制され、
最終的に中押え12のそれ以上の下方への移動が規制さ
れる。
【0072】従って、中押え12が所定位置まで下降し
た状態に保持されることになる。すなわち、コロ32d
と中押えカム31とは、当接しない状態となり、上軸3
が回転しても中押え駆動腕32が駆動せず、縫製中に、
中押え12は、所定位置に下降した状態で保持される。
なお、このような状態においては、中押え12はその上
方への移動が、中押えばね19の下方への付勢力により
規制された状態であり、中押えばね12の付勢力に抗す
る力が外部からかかった場合には、中押え12は上昇可
能である。
【0073】そして、縫製停止時には、上述の場合と同
様に、中押え12が上昇する。また、上述のような縫製
中に上下動が必要ない中押え12を、通常の上下動が必
要な中押え12に交換した際には、再び、中押えカム3
1を前方に移動して上軸3に固定することになるが、こ
の際には、図7に示すように、中押えカム31の筒部3
1aの前端面をカム用スラストカラー34に当接させる
とともに、この際に、中押えカム31のピン31cをカ
ム用スラストカラー34の孔34aに挿入させることに
より、中押えカム31を容易に元の位置に元の角度で固
定することができる。
【0074】すなわち、中押えカム31の上軸3への固
定を状況に応じて解除するようにしても、容易に元の位
置に元の角度で固定することができる。すなわち、中押
えカム31の位置がずれたり、角度がずれたりした場合
には、中押え12の上下位置がずれたり、中押え12と
ミシン針7との動作のタイミングがずれたりしてしまう
が、この一例においては、中押えカム31を正常な位置
と角度で容易に、上軸3に固定することができるので、
上述のような問題が生じることがない。
【0075】次に、中押えカム31による中押え12の
縫製中の動作について説明する。図8は、中押え12の
従来の運動曲線の例と、この一例において、カム曲線を
変更して休止期間を設けた運動曲線の例と、この一例に
おいて、カム曲線の移動をずらした運動曲線の例とを示
したものである。また、図9は、中押え12が上記運動
曲線に示す各位置にある場合に、中押えカム31に対し
て中押え駆動腕32のコロ32dを押し付ける力によ
り、上軸3にかかる回転力を示したものである。
【0076】なお、上軸3を回転させる力とは、コロ3
2dが接触した部分のカム面の傾斜角によるものであ
り、上軸3の軸方向に直角になった面では、回転力が略
0となり、上軸3を正転方向に回転させた場合に、上記
軸方向に沿って後退するように傾斜したカム面上にコロ
32dが当接している場合には、上軸3に正転方向の力
がかかり、上軸3を正転方向に回転させた場合に、上記
軸方向に沿って前進するように傾斜したカム面上にコロ
32dが当接している場合には、上軸3に逆転方向の力
がかかる。
【0077】また、上軸3に直角な面に対する傾斜角が
大きいほど、上軸3にかかる回転力が大きくなるように
なっている。そして、まず、従来例の中押え12の運動
曲線について説明する。従来例においては、基本的に針
棒上死点及び針棒下死点(上下するミシン針7が最も高
くなる上軸の角度と最も低くなる上軸の角度)が、中押
え12の上死点及び下死点と略一致し、ミシン針7の上
下動と略同じタイミングで中押え12が上下動するよう
になっている。
【0078】また、ミシンにおいては、基本的に被縫製
物の交換等のミシン停止時の作業が困難にならないよう
に、ミシン針7がある程度上がった状態でミシンを停止
するようになっているが、一般的に、ミシンの縫製停止
に際してミシン針7が上死点より少し下降した段階で上
軸3の回転を停止するようになっている。そして、ミシ
ン針7を支持する針棒が上死点となる上軸3の角度を0
度とした場合に、ミシン針7が停止する上軸3の角度
は、一般的に50度付近とされている。なお、被縫製物
として、例えば、厚物素材を扱う場合には、被縫製物の
交換時等においてできるだけ針が上がっていることが好
ましいので、ミシンによっては、針棒上死点で上軸3を
停止できるように設定できるものがあり、このミシン1
も針棒上死点での停止が可能となっている。
【0079】そして、50度とされたミシン停止角度に
おける中押え12の位置は、従来の中押え12の上下動
のタイミングとミシン針7の上下動タイミングが同じ場
合に、図8に示すように、上死点から少し下降した位置
となる。そして、この場合には、中押え駆動腕32のコ
ロ32dが中押えカム31の斜面に当接しているので、
図9に示すように、コロ32dを中押えカム31に押し
付けた場合に、上軸3に正転方向の力がかかることにな
る。
【0080】すなわち、中押えばね19の付勢力が、中
押え棒抱き16、中押えリンク40及び中押えロッド3
3を介して中押え駆動腕32のコロ32dを中押えカム
31に押圧した場合に、上軸3に中押えばね19の付勢
力に基づく正転方向の力がかかる。なお、従来のミシン
は、一般的に、上軸3がベルト駆動となっており、停止
した状態で上軸3の回転を抑止するように抵抗力がかか
った状態となっているので、中押えばね19の付勢力程
度で上軸3が回転することがないようになっている。
【0081】しかし、この一例のミシン1においては、
上軸3の駆動を、例えば、回転ロスの防止、応答性の向
上などのためにダイレクトドライブとしており、ベルト
駆動等に比べて、ミシン停止時に上軸3にかかる回転を
抑止する負荷が小さくなっており、中押えばね19の付
勢力程度の力でも、上軸3が僅かに回転する可能性があ
り、ミシン針7の停止位置が変わる可能性があった。そ
こで、この一例のカム曲線を変更して休止期間を設けた
場合においては、中押えカム31のカム面において、上
軸3の回転角度が0度付近(針棒上死点)と50度付近
(ミシン停止角度)とにおいて、上記コロ32dが当接
する部分に、ある程度の範囲で、上軸3に直角な平面を
形成している。
【0082】従って、図8に一点鎖線で示される休止期
間を設けた場合のように、中押え12が上死点(針棒上
死点と同じ)付近にある場合と、上軸3の回転角度が5
0度付近にある場合とにおいて、中押え12の上下動が
一時的に停止(休止)するようになっている。すなわ
ち、中押え12の上下動の休止期間が設けられている。
そして、上軸3の回転角度が0度付近と50度付近とに
おいて、中押え駆動腕32のコロ32dが中押えカム3
1のカム面に形成された上軸3に対して直角な平面に当
接することにより、図9に示すように、上軸3の上死点
(0度付近)の前後とミシン停止角度(50度付近)の
前後とにおいて、中押え縫製動作部30により生じる上
軸3への回転力が0となっている。
【0083】なお、実際にミシンを停止する角度を、例
えば、針棒上死点から50度程度上軸3が回転した角度
に固定してしまう場合には、針棒上死点となる上軸3の
回転角度(0度)に対応する中押えカム31の位置に上
述のような平面を設ける必要はない。また、針棒上死点
と中押え12の上死点が一致している場合には、針棒上
死点において、中押え縫製動作部30から上軸3への回
転力が略0となるとともに、針棒上死点近傍における上
記回転力も低いので、針棒上死点で上軸3の回転を止め
る場合にも、必ずしも針棒上死点となる上軸3の回転角
度(0度)に対応する中押えカム31の位置に上述のよ
うな平面を設ける必要はない。
【0084】また、逆に、実際にミシンを停止する上軸
3の回転角度を、例えば、針棒上死点となる回転角度に
固定してしまう場合には、上述の50度付近に対応する
中押えカム31の位置に上述のような平面を設ける必要
はなく、中押えカム31の針棒上死点に対応する位置に
上記平面を設ければ良い。そして、以上のように中押え
カム31の上軸3が停止する位置に対応する部分に平面
を設けることで、中押え縫製動作部30から上軸3に回
転力がかかるのを防止することができる。
【0085】また、カム曲線の位相をずらした場合にお
いては、基本的に中押えカム31による中押え12の運
動曲線の形状を代えることなく、位相をずらしている。
すなわち、中押え12が上死点となる上軸3の回転角度
を針棒と同じ0度とせずに、針棒上死点となる回転角度
よりも大きくし、中押えカム31が上死点となる上軸の
角度をミシン停止角度(50度付近)に近づけたもので
ある。
【0086】なお、図9に示すように、中押え上死点付
近では、上軸3にかかる回転力が低くなり、上死点で
は、回転力が略0となる。従って、上軸3のミシン停止
角度と中押え12が上死点となる上軸3の回転角度を一
致させれば、ミシン停止時に上軸3に中押え縫製動作部
30から回転力がかかるのを略完全に防止できることに
なる。
【0087】しかし、この一例のミシン1においては、
設定を代えることによりミシン停止時の上軸の回転角度
を針棒上死点(0度)に対応するものとすることも可能
となっている。そして、上述のように、針棒上死点に対
して中押え12の上死点を遅らせた場合には、針棒上死
点において上軸3の回転を停止した際に、上軸3に逆転
方向の力が作用するようになってしまう。そこで、カム
曲線の位相をずらした場合においては、上軸3の針棒上
転となる角度(0度)と、ミシンの通常の停止角度(5
0度付近)との間の略真ん中の角度、例えば、25度付
近に、中押え12の上死点を配置している。
【0088】すなわち、中押えカム31を通常の角度よ
り25度程度、位相をずらすように上軸3に対して回転
させた状態で配置している。このようにした場合に、図
9に示すように、上軸3の上軸上死点となる角度及びミ
シン停止角度において、それぞれ逆転方向及び正転方向
の回転力が、中押え縫製動作部30から上軸3に作用す
るものの、いずれも、従来例のミシン停止角度において
上軸3にかかる回転力よりも小さな回転力が作用するも
のとなっている。
【0089】また、上軸3をダイレクトドライブ方式と
した場合に、上軸3の回転に対する抵抗力は、ベルトド
ライブ方式に比べると小さなものとなるが、完全に0と
なるわけではないので、上軸3にかかる回転力をある程
度減少させれば、上軸3の回転を抑止することができ
る。従って、上述のように、中押えカム31による中押
え12の上下動のタイミングの位相を、ミシン針7の上
下動のタイミングに対してずらすことで、上軸3が所定
の角度で停止した際に、上軸3に上軸3を回転させる可
能性がある大きさの回転力がかかるのを防止することが
できる。また、中押え下死点の角度をずらすことが問題
になる場合には、中押えの上死点のみをずらしたカム曲
線のカムとする事も可能である。
【0090】なお、中押えカム31及びカム用スラスト
カラー34は、上述のものに限定されるものではなく、
例えば、図10に示すように、中押えカム51(機能は
中押えカム31と同様のもの)とカム用スラストカラー
52を用いるものとしても良い。上記中押えカム51
は、上述の中押えカム31と同様に筒部51aとカム部
51bを有するとともに、位置決めピン31cに代えて
突条51cが形成されている。なお、中押えカム51
は、上軸3に止めねじ51d、51dで固定されるとと
もに、止めねじ51d、51dを緩めることにより、後
退させることが可能となっている。
【0091】また、カム用スラストカラー52は、孔3
4aに代えて、中押えカム31の先端部が挿入される凹
部52aを有する。また、カム用スラストカラー52の
凹部52aの内周面には、中押えカム51の突条51c
に対応する溝52bが形成されている。そして、中押え
カム51を後退させた後に元の位置に戻す場合には、中
押えカム51の筒部51aの先端部をカム用スラストカ
ラー52の凹部52a内に挿入した状態で、筒部51a
の先端面をカム用スラストカラー52に当接させること
で、中押えカム51の前後位置が決められる。また、筒
部51aの先端部をカム用スラストカラー52の凹部5
2aに挿入させる際に、中押えカム51の突条51cの
位置と、カム用スラストカラー52の溝52bの位置と
が一致していないと、筒部51aの先端部を凹部52a
に挿入できないようになっているので、筒部51aの先
端部に凹部52aを挿入することにより、中押えカム5
1の角度も合わせられるようになっている。なお、カム
用スラストカラー52も止めねじ52c、52cにより
上軸3に固定されるようになっている。
【0092】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のミシンの中押え
機構によれば、中押えカムを移動させるだけで、通常の
中押えを用いて縫製中に中押えを上下動させる動作と、
縫製中に上下動しない中押えを用いて縫製中に中押えを
下げた状態に保持させる動作とを切り替えることができ
る。従って、通常の中押えを中押えカムを用いて上下駆
動する機構に、中押えカムの位置を移動できる機構を加
えるだけで、上述のような二種類の中押えの動作を切り
替え可能とすることができるので、縫製中に二種類の中
押えの動作を切り替えて行える中押え機構の構成を極め
て簡略なものとすることができる。そして、中押え機構
の構成を簡略化することにより、部品点数の減少を図っ
て、製造工程を容易なものとすることができるととも
に、製造コストを低減することができる。
【0093】本発明の請求項2記載のミシンの中押え機
構によれば、中押えを駆動する駆動部に中押え上下動手
段と、中押え縫製動作手段との少なくとも二つがあり、
該二つの駆動装置から一つの中押えを駆動するものとし
ても、これら二つの駆動装置から中押えに駆動力を伝動
する伝動手段として一つの中押えリンク機構だけが用い
られているので、二つの駆動装置と中押えとの間を連結
するのに二つのリンク機構を用いた場合に比較して、部
品点数の減少を図ることができる。従って、この中押え
機構によれば、部品点数の減少を図ることにより、製造
工程の省力化と製造コストの削減を図ることができる。
【0094】本発明の請求項3記載のミシンの中押え機
構によれば、上記休止期間においては、縫製動作手段が
上軸の回転力を中押えに伝動しておらず、実質的に中押
え縫製動作手段が上軸と中押えとの間での伝動を停止し
た状態となっている。従って、逆に、この休止期間に対
応する回転角度で上軸が停止しても中押えを下方に付勢
する付勢力が中押え縫製動作手段を介して中押えに伝動
されることがない。これにより、中押えを下方に付勢す
るばね等の付勢力により上軸が回転してしまうのを防止
することができる。
【0095】本発明の請求項4記載のミシンの中押え機
構によれば、基本的には、中押えカムのカム面に従節と
なる中押え駆動手段が動かない状態となる面を形成する
ことになるが、これにより、中押えカムによる中押えの
上軸の回転角度に対応する運動曲線において、上記休止
期間として中押えが上下動しない水平な直線となる部分
が設けられることになる。従って、中押えカムの形状を
少し変えるだけの極めて簡単な方法で、上述のような上
軸の回転の防止を図ることができる。すなわち、部品点
数を増やすしてコストをかけることなく、上述ような上
軸の回転を防止することができる。
【0096】本発明の請求項5記載のミシンの中押え機
構によれば、中押えの上死点及びその付近においては、
中押え縫製動作手段により上軸と中押えとの間で伝動が
実質的に行われていない状態もしくは少ししか行われて
いない状態なので、中押えの上死点となる上軸の回転角
度が上軸が停止する回転角度とほぼ等しくなるようにす
れば、上軸にかかる駆動系(ダイレクトドライブ)の抵
抗力を越えるほどの回転力が上軸にかかるのを防止する
ことができる。
【0097】また、ミシンによっては、上述のように上
軸の回転角度が53度付近となったところで上軸の回転
を停止するだけではなく、上軸の回転角度が針棒上死点
となった場合にも上軸を停止できるようになったものが
あるが、中押えの上死点を上述の二つの上軸の停止回転
角度の間とすることにより、中押えが上死点となる上軸
の回転角度と二つの回転停止角度とがそれぞれ近づくこ
とになり、二つの回転停止角度における中押え縫製動作
手段から上軸にかかる回転力をなるべく小さなものとす
ることができ、上軸に回転力がかかるとしても、その回
転力の大きさが上軸に駆動系等からかかる回転に抵抗す
る抵抗力の大きさより大きくなるのを防止することがで
きる。
【0098】すなわち、上軸が中押え縫製動作手段から
逆流する力により回転するのを防止することができる。
また、中押えが上述の請求項4の記載のように中押えカ
ムにより駆動されるものとした場合には、中押えカムの
上軸への取付角度を変更するだけで、上軸に中押え縫製
動作手段から回転力がかかるのを停止することができ、
ほとんどコストも手間もかけることなく、上軸を正確な
位置で停止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例のミシンの中押え機
構を備えたミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】ミシンの機枠内部に配置された上記例のミシン
の中押え機構を示す側面図である。
【図3】上記例のミシンの中押え機構を示す展開斜視図
である。
【図4】上記例のミシンの中押え機構を示す側面図であ
る。
【図5】上記例のミシンの中押え機構を示す側面図であ
る。
【図6】上記例のミシンの中押え機構を示す側面図であ
る。
【図7】上記例のミシンの中押え機構における中押えカ
ムを示す斜視図である。
【図8】上記例のミシンの中押え機構における中押えの
運動曲線を示す図面である。
【図9】上記例のミシンの中押え機構における中押えか
ら上軸への回転力を示す図面である。
【図10】上記例のミシンの中押え機構における中押え
カムの変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ミシン 3 上軸 6 保持機構(保持手段) 7 ミシン針 10 中押え機構 11 中押え支持部 12 中押え 20 中押え上下動部(駆動部、中押え上下動手段) 30 中押え縫製動作部(駆動部、中押え縫製動作手
段) 31 中押えカム 32 中押え駆動腕(中押え駆動手段) 51 カム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製物を保持する保持手段と、 該保持手段を水平方向に移動させて、該保持手段に保持
    された上記被縫製物の任意の位置に、上軸の回転によっ
    て上下動するミシン針を刺すことを可能とする送り手段
    とを備え、 上下動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方
    向に移動することによって上記ミシン針により設けられ
    る縫い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能な
    ミシンに設けられ、 かつ、上記ミシン針の近傍において、上記被縫製物を下
    方に押さえる中押えを備えるとともに、該中押えを駆動
    するミシンの中押え機構であって、 縫製中に上記中押さえを上記ミシン針の上下動に対応し
    て上下動させる中押さえ縫製動作手段を有し、 上記中押さえ縫製動作手段は、上記上軸と一体に回転す
    る中押えカムと、該中押えカムの従節となって、上記上
    軸の回転に対応して上記中押えを上下に駆動する中押え
    駆動手段とを備え、 上記中押えカムは、上記中押え駆動手段に接触して上記
    中押えを上下に駆動可能な位置と、上記中押え駆動手段
    から離れて上記中押えが被縫製物を下方に押えたままの
    状態となる位置との間を移動可能とされていることを特
    徴とするミシンの中押え機構。
  2. 【請求項2】 被縫製物を保持する保持手段と、 該保持手段を水平方向に移動させて、該保持手段に保持
    された上記被縫製物の任意の位置に、上軸の回転によっ
    て上下動するミシン針を刺すことを可能とする送り手段
    とを備え、 上下動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方
    向に移動することによって上記ミシン針により設けられ
    る縫い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能な
    ミシンに設けられ、 かつ、上記ミシン針の近傍において、上記被縫製物を下
    方に押さえる中押えを備えるとともに、該中押えを駆動
    するミシンの中押え機構であって、 上記中押えを上下に駆動する駆動部と、 該駆動部からの動きを上記中押えに伝動することによ
    り、上記中押えを上下に移動させる一つの中押えリンク
    機構とを備え、 上記リンク機構は縫製中に上記中押えを下げて上記被縫
    製物を下方に押えることが可能な状態とし、縫製停止中
    に上記中押えを上げて上記被縫製物の上記保持手段への
    着脱を可能な状態とする中押え上下動手段と、 縫製中に上記被縫製物を下方に押えた状態の上記中押え
    を上記ミシン針の上下動に対応して上下動させて、上記
    ミシン針が上がった際に被縫製物の水平移動を容易とす
    る中押え縫製動作手段とを備えていることを特徴とする
    ミシンの中押え機構。
  3. 【請求項3】 被縫製物を保持する保持手段と、 該保持手段を水平方向に移動させて、該保持手段に保持
    された上記被縫製物の任意の位置に、上軸の回転によっ
    て上下動するミシン針を刺すことを可能とする送り手段
    とを備え、 上下動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方
    向に移動することによって上記ミシン針により設けられ
    る縫い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能な
    ミシンに設けられ、 かつ、上記ミシン針の近傍において、上記被縫製物を下
    方に押さえる中押えを備えるとともに、該中押えを駆動
    するミシンの中押え機構であって、 上記中押えを下方に付勢した状態で上下動自在に支持す
    る中押え支持手段と、 縫製中に中押え支持手段により下方に付勢された状態の
    上記中押えに上記上軸の回転を伝動して、上記中押えを
    上下動させる中押え縫製動作手段とが備えられ、 上記中押え縫製動作手段による上記上軸の回転に対応し
    た上記中押えの上下運動には、上記上軸の回転角度が縫
    製停止時に上記上軸が停止する所定の回転角度となる付
    近で、上記中押えの上下動を一時的に休止する休止期間
    が設けられていることを特徴とするミシンの中押え機
    構。
  4. 【請求項4】 上記中押え縫製動作手段は、上記上軸と
    一体に回転する中押えカムと、該中押えカムの従節とな
    って、該中押えカムから上記中押えに動きを伝達する中
    押え駆動手段とを備え、 上記中押えカムの上記中押え駆動手段が当接するカム面
    に、上記休止期間において上記中押えの上下動を停止さ
    せる面が形成されていることを特徴とする請求項3記載
    のミシンの中押え機構。
  5. 【請求項5】 被縫製物を保持する保持手段と、 該保持手段を水平方向に移動させて、該保持手段に保持
    された上記被縫製物の任意の位置に、上軸の回転によっ
    て上下動するミシン針を刺すことを可能とする送り手段
    とを備え、 上下動する上記ミシン針に対して上記被縫製物を水平方
    向に移動することによって上記ミシン針により設けられ
    る縫い目を任意の形状に沿ったものとすることが可能な
    ミシンに設けられ、 かつ、上記ミシン針の近傍において、上記被縫製物を下
    方に押さえる中押えを備えるとともに、該中押えを駆動
    するミシンの中押え機構であって、 上記中押えを下方に付勢した状態で上下動自在に支持す
    る中押え支持手段と、 縫製中に中押え支持手段により下方に付勢された状態の
    上記中押えに上記上軸の回転を伝動して、上記中押えを
    上下動させる中押え縫製動作手段とが備えられ、 上下動する上記中押えの上死点となる上軸の回転角度
    が、縫製停止時に上軸が停止する所定の回転角度に近い
    ものとされるか、もしくは、上記ミシン針の上死点とな
    る上軸の回転角度より大きくされ、かつ、上軸が停止す
    る所定の回転角度以下とされていることを特徴とするミ
    シンの中押え機構。
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