[go: up one dir, main page]

JPH1123450A - ガス濃度検知方法及び装置 - Google Patents

ガス濃度検知方法及び装置

Info

Publication number
JPH1123450A
JPH1123450A JP18330997A JP18330997A JPH1123450A JP H1123450 A JPH1123450 A JP H1123450A JP 18330997 A JP18330997 A JP 18330997A JP 18330997 A JP18330997 A JP 18330997A JP H1123450 A JPH1123450 A JP H1123450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
laser
measurement target
target area
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP18330997A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Nakagawa
潤 中川
Kenji Katsumata
賢二 勝俣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP18330997A priority Critical patent/JPH1123450A/ja
Publication of JPH1123450A publication Critical patent/JPH1123450A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分解能を有する分光器や狭帯域干渉フィル
タ等の如き精密かつ複雑な波長弁別器を用いることなく
共鳴状態の信号と非共鳴状態の信号とを分離して得るこ
とができ、しかも、照射大気のゆらぎやレーザー強度の
ふらつきの影響を受けることなくガス濃度の計測を行な
うことができるようにする。 【解決手段】 広帯域レーザー光1を計測対象領域2に
照射する照射工程と、計測対象領域2から後方に向けて
散乱される後方散乱光4を集光する集光工程と、後方散
乱光4を2つの光線6a,6bに分割する分割工程と、
一方の光線6aを高濃度の計測対象気体中に透過させて
第1の光検知器10aに導入すると共に、他方の光線6
bをそのまま第2の光検知手段10bに導入する導入工
程と、光検知手段10a,10bにてそれぞれ検知され
た後方散乱光強度に基づいて計測対象領域2におけるガ
ス平均濃度を計算する計算工程とを順次に施行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー後方散乱光
検知機構を有するガス濃度検知装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特定波長の単色光がある特定の気体に吸
収され易いことを利用したガスセンシング技術は、工業
計測,公害監視などに広く用いられている。特に、波長
の異なる2種類の高強度パルスレーザー光を大気中に照
射し、両者の後方散乱光強度の時間変化の差異から、特
定ガス種の濃度及びその分布を導出(検知)する手法
は、差分吸収ライダー(DIAL)として知られてお
り、大気圏上層部や成層圏におけるオゾン,水の分布の
計測,都市部での炭酸ガス,SOX ,NOX の計測に用
いられている。
【0003】図4は従来の差分吸収ライダーの全体シス
テムを示している。この差分吸収ライダーは、図4に示
すように、計測対象領域の目的気体の吸収線に共鳴させ
た吸収線幅程度の波長幅をもつ狭帯域レーザー光30を
大気中に照射する第1のレーザー31と、計測対象領域
の目的気体の吸収線に非共鳴の狭帯域レーザー光32を
大気中に照射する第2のレーザー33とそれぞれ具備し
ており、これらの第1及び第2のレーザー31,33か
ら照射される共鳴及び非共鳴の2種類の狭帯域レーザー
光すなわち共鳴レーザー光30及び非共鳴レーザー光3
2が、レーザー光伝送・合成用ミラー34,35をそれ
ぞれ介して伝送されると共に互いに合成され、合成され
たレーザー光36がレーザーミラー37を介して計測対
象領域38に照射されるように構成されている。
【0004】そして、この計測対象領域38から後方散
乱されてくる光(後方散乱光)39は、レーザー光36
と光軸を合せた望遠鏡40にて集光され、光電子増倍
管,フォトダイオード等から成る光検知器41、及びア
ンプ42を含んだ光検知系で検知する。なお、必要であ
れば分光器,干渉フィルタ等から成る波長弁別器43を
図4に示す如く前記光検知系に入れ、外光の影響を少な
くする。かくして、この信号を信号処理部(制御部)4
4に送り、濃度分布を導出(計算)する。なお、共鳴レ
ーザー光30と非共鳴レーザー光32は、1台の装置で
時間的にずらして発振させることも可能である。
【0005】ここで、差分吸収ライダーによるガス濃度
検知の原理について概説すると、次の通りである。
【0006】光源及び検知部から距離Rだけ離れた位置
からの後方散乱光強度P(R)は、次のレーザーレーダ
方程式で与えられる。
【数1】 但し、P0 ;パルス光の出力(W)。 τ;パルス
時間幅。(P0 τがパルス出力(J)となる。) l= cτ/2;レーザーパルス空間長の半分(m)。 c;光速(m/s)。 K;送・受信光学
系の全効率(−) T(R);大気の透過率(−)。 β(R);散乱体の体積後方散乱係数(sr-1・m-1)。 Ar ;受信光学系の開口面積(m2 )。 Y(R);送信ビームと受信視野の重なりを示すパラメ
ータ。 (レーザーと受信光が同軸の場合は1である。)
【0007】上記(1)式のうち、T(R)以外の項は
共鳴、非共鳴のレーザー光波長がほぼ同じ場合には、非
常に良い近似で等しいとみなせる。また、T(R)は共
鳴、非共鳴に対し各々、下記(2)、(3)式で表わせ
る。
【数2】
【外1】
【0008】また、共鳴、非共鳴時のレーザーによる吸
収断面積をσon,σoff とすると、
【数3】 である。但し、n(R)はR位置でのターゲット分子の
密度(m-3)を示す。
【0009】上記(2)〜(5)式を上記(1)式に代
入すれば、
【数4】 となる。
【0010】実際に、時間tとt+Δtに検知器に到達
する光子による出力は、Δtがレーザー時間幅τよりも
充分長いとすれば、
【数5】 より、次式で与えられる。
【数6】 但し、Phon(t)及びPhon(t+Δt)は共鳴時の
時間t及びt+Δtにおける出力、Phoff (t)及び
Phoff (t+Δt)は非共鳴時の時間t及びt+Δt
における出力である。
【0011】ここで、I(t)を下記(11)式のよう
に定義し、上記(6)、(7)式を代入して計算すれ
ば、
【数7】 となる。
【0012】よって、共鳴、非共鳴時のレーザーによる
吸収断面積σon,σoff が既知であり、かつ、時間tと
t+Δtとでの信号が精度よく得られれば、上記(1
2)式から距離R〜R+ΔR間の平均密度n(R)(す
なわち、ターゲット分子の密度)を求めることができ
る。
【0013】かくして、従来の差分吸収ライダーにあっ
ては、目的気体の吸収線に共鳴している波長のレーザー
光と、非共鳴のレーザー光の2波長の光線を大気中に照
射し、後方散乱信号(後方散乱光)の時間変化を検知
し、前記(11),(12)式からガス平均濃度(濃度
分布)を求めるようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のシステムでは、計測対象領域にある目的気体の吸収線
に共鳴したものと、非共鳴のものの異なる2つの波長の
レーザー光を大気中に照射する必要があるため、2台の
レーザー発振器を使用するか、又は1台のレーザー発振
器で波長の異なるレーザー光を時間的にずらして発振さ
せ、大気中に照射する必要があり、装置が複雑でかつ大
型になるという問題があった。
【0015】また、1台のレーザー発振器で波長の異な
るレーザー光を時間的にずらして発振させる場合には、
2波長のレーザー光を時間的にずらして照射するため大
気のゆらぎ等で、導出されるガス平均濃度に誤差が含ま
れるという問題もある。
【0016】また、2台のレーザー発振器を用い、これ
らのレーザー発振器から2つの波長の狭帯域レーザー光
(共鳴レーザー光30及び非共鳴レーザー光32)を同
時に空間に照射する場合には、その共鳴波長と非共鳴波
長が光器や干渉フィルタで分別できる程度以上に離れて
いる必要があり、大気の散乱係数が2つの波長で異なっ
てくる可能性があるため、導出されるガス平均濃度(濃
度分布)に系統的な誤差が含まれる可能性がある。
【0017】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的は、高分解能を有する分光
器や狭帯域干渉フィルタ等の如き精密かつ複雑な波長弁
別器を用いることなく共鳴状態の信号と非共鳴状態の信
号とを分離して得ることができ、しかも、照射大気のゆ
らぎやレーザー強度のふらつきの影響を受けることなく
ガス濃度の計測を行なうことができるガス濃度検知方法
及び装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係るガス濃度検知方法では、(a) 広
帯域レーザー光を計測対象領域に照射する照射工程と、
(b) 前記計測対象領域から後方に向けて散乱される
後方散乱光を集光する集光工程と、(c) 前記後方散
乱光を2つの光線に分割する分割工程と、(d) 前記
分割された光線のうちの一方の光線を高濃度の計測対象
気体中に透過させて第1の光検知器に導入すると共に、
前記分割された光線のうちの他方の光線をそのまま第2
の光検知手段に導入する導入工程と、(e) 前記第1
及び第2の光検知手段にてそれぞれ検知された後方散乱
光強度に基づいて計測対象領域におけるガス平均濃度を
計算する計算工程と、を順次に施行するようにしてい
る。
【0019】また、本発明に係るガス濃度検知装置で
は、広帯域レーザー光を計測対象領域に照射するレーザ
ー光照射機構と、前記広帯域レーザー光が照射された計
測対象領域からの後方散乱光を集光する集光機構と、こ
の集光機構にて集光された後方散乱光を2つの光線に分
割するビームスプリッタと、高濃度の計測対象気体が充
填されたのもであってかつ前記ビームスプリッタにて分
割された光線のうちの一方の光線が透過される飽和吸収
セルと、この飽和吸収セルを透過した光線、及び、前記
ビームスプリッタにて分割された光線のうちの他方の光
線がそれぞれ導入される第1及び第2の光検知器と、こ
れらの第1及び第2の光検知器から得られる後方散乱光
強度に基づいて計測対象領域におけるガス平均濃度を計
算する信号処理部とをそれぞれ具備するようにしてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施態様につい
て図1〜図3を参照して説明する。
【0021】図1は本発明の一実施形態に係るガス濃度
検知方法を施行するために用いられるガス濃度検知装置
の全体システムを示すものである。図1に示すガス濃度
検知装置は、波長幅が吸収線幅より広い広帯域幅の広帯
域レーザー光1を計測対象領域2に照射するレーザー光
照射機構3と、広帯域レーザ−光1が照射された計測対
象領域2からの後方散乱光4を集光する集光機構5と、
この集光機構5にて集光された後方散乱光4を2つの光
線6a,6bに分割するビームスプリッタ7と、高濃度
の計測対象気体(目的気体)が充填されたのもであって
かつビームスプリッタ7にて分割された光線6a,6b
のうちの一方の光線6aが透過される飽和吸収セル8
と、この飽和吸収セル8を透過した光線9、及び、ビー
ムスプリッタ8にて分割された光線6a,6bのうちの
他方の光線6bがそれぞれ導入される第1及び第2の光
検知器10a,10bと、これらの第1及び第2の光検
知器10a,10bから得られる後方散乱光強度に基づ
いて計測対象領域2におけるガス平均濃度を計算する計
算部を含む信号処理部11とをそれぞれ具備している。
【0022】上述のレーザー光照射機構2は、広帯域レ
ーザー光1を大気中に照射する1台のレーザー12と、
このレーザー12から照射された広帯域レーザー光1を
計測対象領域2に向けて屈折させるレーザーミラー13
a,13bとから構成されている。本例のレーザー12
は、目的とする気体の吸収線の共鳴位置に同調させたも
のであって、波長幅が吸収線幅より広い広帯域幅の広帯
域レーザー光2を発振して大気中に照射する装置であ
る。また、前記集光機構4は、計測対象領域2からの後
方散乱光4を集光する望遠鏡14と、この望遠鏡14に
て集光された光線を所定径のビームに収束してビームス
プリッタ7に送る収束レンズ15とから構成されてい
る。
【0023】さらに、ビームスプリッタ7にて2分割さ
れる光線6a,6bの光路16a,16bのうちの一方
の光路16a上には、前記飽和吸収セル8と、集光レン
ズ17aと、光電子増倍管,フォトダイオード等から成
る光検知器10aとが順次に配置されている。また、前
記光路16a,16bのうちの他方の光路16b上に
は、集光レンズ17bと、光電子増倍管,フォトダイオ
ード等から成る光検知器10bとが順次に配置されてい
る。そして、前記光検知器10a,10bからそれぞれ
得られる検知信号がアンプ18a,18bをそれぞれ介
して信号処理部11の計算部に供給されるように構成さ
れている。この信号処理部11は、アンプ18a,18
bから供給される信号に基づいてガス平均濃度の計算を
行なう信号処理機能を有し、かつ、計算により得られた
ガス平均濃度を画面に表示する機能を有すると共に、既
述のレーザー12を制御する機能を有するものである。
【0024】次に、このような構成を有するガス濃度検
知装置の動作及び作用について述べると、以下の通りで
ある。まず、計測目的である気体の吸収線より広い広帯
域幅のレーザー光(広帯域レーザー光)1をレーザー1
2から照射すると、この照射された広帯域レーザー光1
がレーザーミラー13a,13bを介して屈曲されて計
測対象領域2中に照射される。そして、この計測対象領
域2からの後方散乱光4が望遠鏡14で集光され、集光
された光がビームスプリッタ7により2つの光線6a,
6bに分割される。分割光線6a,6bのうちの一方の
光線6aは、光路16aを通って、計測対象気体を含ん
だ飽和吸収セル8に導入され、この飽和吸収セル8の計
測対象気体中を透過した光線6aが集光レンズ17aに
て集光されて第1の光検知器10aに入射される。一
方、分割光線6a,6bのうちの他方の光線6bは、光
路16bを通り、集光レンズ17bにて集光されてその
まま(既述の飽和吸収セル8等を介することなく)第2
の光検知器10bに入射される。しかる後に、これらの
光検知器10a,10bからそれぞれ出力される検知信
号が信号処理部11に供給され、これらの検知信号に基
づいた所定の計算(ガス平均濃度の算出のための演算)
が信号処理部11の計算部11aにおいて行われてその
計算結果がガス平均濃度(濃度分布)として導出され
る。なお、そのガス平均濃度は信号処理部11の画面
(図示せず)に表示される。
【0025】ここで、本発明の実施形態に係る図1のガ
ス濃度検知装置及びこの装置を用いて施行されるガス濃
度検知方法の特徴について説明すると、次の通りであ
る。既述のように、従来の差分吸収ライダーでは、目的
気体の吸収線に共鳴している波長のレーザー光と、非共
鳴のレーザー光の2波長の光線を大気中に照射し、後方
散乱信号(後方散乱光)の時間変化を検知し、前記(1
1),(12)式からガス平均濃度(濃度分布)を求め
る必要がある。これに対し、本発明では、2つの波長の
レーザー光を大気中に照射する代わりに、目的気体の吸
収線よりも広い波長幅をもった広帯域レーザー光を大気
中に照射することによって、2波長のレーザー光の照射
と同じ効果を得ることができるようにしたことに本発明
は特徴を有している。
【0026】以下、メタンν3 バンドを例として具体的
にその作用について図1を参照しつつ説明する。
【0027】図2は、1.66μm付近にあるメタン2
ν3 バンドのQ−ブランチのスペクトルを示すものであ
る。最も強いQ(6)ラインに同調させた半値全幅2c
-1程度のレーザー光を図1のレーザー12で発振さ
せ、大気中(計測対象領域2)に照射する。後方散乱光
4として望遠鏡14で集光されてビームスプリッタ7に
て分割された2光線6a,6bのうち、光路16aの光
線6aは、高濃度メタンを充填した飽和吸収セル8を透
過して後、メタンによって吸収されない光が第1の光検
知器10aに集光される。そのスペクトルは、図3
(a)に示すように、メタンの吸収線に相当する周波数
のところが吸収され、後方散乱光強度がゼロになる。そ
れに対し、他方の光路16bの光線6bのスペクトル
は、大気中のメタンにより吸収された部分がその濃度に
応じて減衰されて弱くなる(図3(b)参照)。すなわ
ち、光路16aの信号(光線6a)は、メタンの吸収波
長を除いた非共鳴状態の後方散乱光強度に対応している
のに対し、光路16bの信号(光線6b)は、共鳴状態
と非共鳴状態の後方散乱光強度の和に対応する。
【0028】レーザー照射の時点から時間tを経過した
ときに第1及び第2の光検出器10a,10bよって検
知される後方散乱光強度を各々Ia t ,Ib t とすれ
ば、
【数8】 である。但し、上記(13)式及び(14)式中のα,
βは、ビームスプリッタ7以降の光の全般効率、光検知
器10a,10b及びアンプ18a,18bのゲイン等
に係わる比例定数を示す。
【0029】上記(13),(14)式からPh
on(t),Phoff (t)を求め、上記(11)式に代
入すれば、
【数9】 となる。但し、上記(15)式において、Ia t+1 ,I
b t+1 は、t+Δt時の検知信号強度である。
【0030】よって、上記(12)式と同様に、距離R
〜R+ΔR間の平均濃度n(R)は、下記(16)式か
ら求められる。
【数10】
【0031】ここで、上記(15)式中では、β/αの
値が未知数であるが、この値は、飽和吸収セル8中にメ
タンを充填しない状態で計測を行なうことにより、
a ,I b の比として得られる。
【0032】また、共鳴、非共鳴時のレーザーによる吸
収断面積σon,σoff は、ロスマン(Rothman )らがメ
タンを含む高分解能分光データ集「ハイトラン(HITRA
N)」(Appl.Opt. 26 4058(1986))にまとめているデ
ータから吸収幅を考慮して計算可能である。
【0033】以上のように、本発明の実施形態によれ
ば、ビームスプリッタ7で2分割された光路16a,1
6bのうちの一方の光路16aにおいて高濃度のメタン
等を充填した飽和吸収セル8を光検知器10aの前に配
置することにより、狭帯域分光器やフィルタ等の複雑,
精密な波長弁別器を用いることなしに、共鳴状態及び非
共鳴状態の信号を分離することができ、これらの信号に
基づいてガス(例えば、メタン等)平均濃度を算出する
ことができる。また、同一(単一)のレーザー光(パル
ス光)を用いるようにしているので、照射大気のゆらぎ
やレーザー強度のふらつきの影響を受けることなく計測
することができるという利点がある。さらに、レーザー
光をエタロン等で狭帯域幅にして共鳴レーザー光と非共
鳴レーザー光とする必要がないため、共鳴−非共鳴の制
御が不要となる。
【0034】以上、本発明の一実施形態につき述べた
が、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可
能である。例えば、計測対象気体がメタン以外の場合で
あっても本発明に係るガス濃度検知方法及び装置を適用
可能であることは言う迄もない。その場合には、飽和吸
収セル8に計測目的の気体を高濃度に充填すれば良い。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明のガス濃度検知
方法は、広帯域レーザー光を計測対象領域に照射する照
射工程と、計測対象領域から後方に向けて散乱される後
方散乱光を集光する集光工程と、後方散乱光を2つの光
線に分割する分割工程と、分割された光線のうちの一方
の光線を高濃度の計測対象気体中に透過させて第1の光
検知器に導入すると共に、分割された光線のうちの他方
の光線をそのまま第2の光検知手段に導入する導入工程
と、第1及び第2の光検知手段にてそれぞれ検知された
後方散乱光強度に基づいて計測対象領域におけるガス平
均濃度を計算する計算工程とを順次に施行するようにし
たものである。すなわち、本発明では、2つの波長のレ
ーザー光を大気中に照射する代わりに、目的気体の吸収
線よりも広い波長幅をもった広帯域レーザー光を大気中
に照射することによって、2波長のレーザー光の照射と
同じ効果を得ることができるようにしたのもであるか
ら、本発明によれば、1つの広帯域レーザー光を照射す
るだけで共鳴状態の信号と非共鳴状態の信号とを分離し
て得ることができる。また、同一(単一)の広帯域レー
ザー光を用いて共鳴状態の信号及び非共鳴状態の信号を
分離して得ることにより、大気のゆらぎやレーザー強度
のふらつきの影響を受けることなくガス濃度の計測を行
なうことができる。
【0036】また、請求項2に記載の本発明のガス濃度
検知装置は、広帯域レーザー光を計測対象領域に照射す
るレーザー光照射機構と、前記広帯域レーザー光が照射
された計測対象領域からの後方散乱光を集光する集光機
構と、この集光機構にて集光された後方散乱光を2つの
光線に分割するビームスプリッタと、高濃度の計測対象
気体(例えば、高濃度メタン)が充填されたのもであっ
てかつ前記ビームスプリッタにて分割された光線のうち
の一方の光線が透過される飽和吸収セルと、この飽和吸
収セルを透過した光線、及び、前記ビームスプリッタに
て分割された光線のうちの他方の光線がそれぞれ導入さ
れる第1及び第2の光検知器と、これらの第1及び第2
の光検知器から得られる後方散乱光強度に基づいて計測
対象領域におけるガス平均濃度を計算する信号処理部と
をそれぞれ具備するようにしたものであるから、飽和吸
収セルを光検知器の前に設置することにより、高分解能
を有する分光器や狭帯域干渉フィルタ等の如き精密かつ
複雑な波長弁別器を不要にすることができる。また、同
一(単一)の広帯域レーザー光を用いて共鳴−非共鳴状
態の信号を分離することにより、大気のゆらぎやレーザ
ー光のふらつきの影響を無視できるシステムを提供する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス濃度検知方法を施行するガス
濃度検知装置の構成図である。
【図2】メタン2ν3 バンドのQ−ブランチのスペクト
ルを示すスペクトル図である。
【図3】図3(a)は飽和吸収セルを透過した後方散乱
光のスペクトルを示すスペクトル図、図(b)は飽和吸
収セルを透過しない後方散乱光のスペクトルを示すスペ
クトル図である。
【図4】従来の差分吸収ライダーの構成図である。
【符号の説明】
1 広帯域レーザー光 2 計測対象領域 3 レーザー光照射機構 4 後方散乱光 5 集光機構 6a,6b 光線 7 ビームスプリッタ 8 飽和吸収セル 10a,10b 光検知器 11 信号処理部(計算部) 12 レーザー 14 望遠鏡 16a,16b 光路 18a,18b アンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 広帯域レーザー光を計測対象領域
    に照射する照射工程と、 (b) 前記計測対象領域から後方に向けて散乱される
    後方散乱光を集光する集光工程と、 (c) 前記後方散乱光を2つの光線に分割する分割工
    程と、 (d) 前記分割された光線のうちの一方の光線を高濃
    度の計測対象気体中に透過させて第1の光検知器に導入
    すると共に、前記分割された光線のうちの他方の光線を
    そのまま第2の光検知手段に導入する導入工程と、 (e) 前記第1及び第2の光検知手段にてそれぞれ検
    知された後方散乱光強度に基づいて計測対象領域におけ
    るガス平均濃度を計算する計算工程と、を順次に施行す
    るようにしたことを特徴とするガス濃度検知方法。
  2. 【請求項2】 広帯域レーザー光を計測対象領域に照射
    するレーザー光照射機構と、前記広帯域レーザー光が照
    射された計測対象領域からの後方散乱光を集光する集光
    機構と、この集光機構にて集光された後方散乱光を2つ
    の光線に分割するビームスプリッタと、高濃度の計測対
    象気体が充填されたのもであってかつ前記ビームスプリ
    ッタにて分割された光線のうちの一方の光線が透過され
    る飽和吸収セルと、この飽和吸収セルを透過した光線、
    及び、前記ビームスプリッタにて分割された光線のうち
    の他方の光線がそれぞれ導入される第1及び第2の光検
    知器と、これらの第1及び第2の光検知器から得られる
    後方散乱光強度に基づいて計測対象領域におけるガス平
    均濃度を計算する信号処理部とをそれぞれ具備すること
    を特徴とするガス濃度検知装置。
JP18330997A 1997-07-09 1997-07-09 ガス濃度検知方法及び装置 Withdrawn JPH1123450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18330997A JPH1123450A (ja) 1997-07-09 1997-07-09 ガス濃度検知方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18330997A JPH1123450A (ja) 1997-07-09 1997-07-09 ガス濃度検知方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1123450A true JPH1123450A (ja) 1999-01-29

Family

ID=16133441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18330997A Withdrawn JPH1123450A (ja) 1997-07-09 1997-07-09 ガス濃度検知方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1123450A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100709457B1 (ko) * 2000-07-04 2007-04-18 가부시기가이샤 디스코 반도체 웨이퍼의 연삭방법
JP2009098003A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Oputeikon:Kk 変位振動検出装置及び変位振動検出方法
JP2010175498A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 大気散乱光スペクトル強度計測器
JP2014038062A (ja) * 2012-08-20 2014-02-27 Ihi Corp 濃度測定装置及び濃度測定方法
CN106568712A (zh) * 2015-07-23 2017-04-19 苏州微纳激光光子技术有限公司 一种可远程调节的长光程有毒有害气体监测仪及其调节方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100709457B1 (ko) * 2000-07-04 2007-04-18 가부시기가이샤 디스코 반도체 웨이퍼의 연삭방법
JP2009098003A (ja) * 2007-10-17 2009-05-07 Oputeikon:Kk 変位振動検出装置及び変位振動検出方法
JP2010175498A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 大気散乱光スペクトル強度計測器
JP2014038062A (ja) * 2012-08-20 2014-02-27 Ihi Corp 濃度測定装置及び濃度測定方法
CN106568712A (zh) * 2015-07-23 2017-04-19 苏州微纳激光光子技术有限公司 一种可远程调节的长光程有毒有害气体监测仪及其调节方法
CN106568712B (zh) * 2015-07-23 2019-01-15 苏州微纳激光光子技术有限公司 一种可远程调节的长光程有毒有害气体监测仪及其调节方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7921693B2 (en) Photo-acoustic spectrometer apparatus
AU2001279533B2 (en) System and method for signal acquisition in a distance meter
WO2003073127A1 (fr) Systeme laser-radar (lidar) pour observation meteorologique
US5202570A (en) Gas detection device
US7570349B2 (en) Cars/absorption dual mode electro-optic sensor
JP3336256B2 (ja) レーザ光によるガスの分光分析方法
JPH06242002A (ja) 気道ガスのラマン分光装置およびラマン分光方法
JP2006510012A (ja) 複数の出力波長を有するレーザレーダ装置
JPS58174833A (ja) 蛍光光度計
JP2012501438A (ja) 低濃度ガスのスペクトル分析に適合したスペクトル分析装置
US8645081B2 (en) Device and method of examining absorption of infrared radiation
JPH08304282A (ja) ガス分析装置
CN108061722A (zh) 一种一氧化碳浓度的检测装置及检测方法
US7755767B2 (en) Resonator-amplified absorption spectrometer
JP2522865B2 (ja) 炭素同位体分析装置
US5667304A (en) Mesospheric temperature sensing lidar apparatus
JPH1123450A (ja) ガス濃度検知方法及び装置
JP6364305B2 (ja) 水素ガス濃度計測装置および方法
JP2008070314A (ja) ガス検出装置
KR20180072585A (ko) 대기 물질의 거리별 농도를 계측하는 광원격 계측기의 송수신 시스템
US5055692A (en) System for measuring ambient pressure and temperature
RU201025U1 (ru) Двухканальный лидар ближнего ик-диапазона
JP2020034475A (ja) ガス濃度測定装置およびガス濃度連続測定方法
KR101515980B1 (ko) 바람장 측정과 방사성물질 동시측정 라이다 장치
JP2000249649A (ja) ガス環境広域探査システム及びガス環境広域探査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041005