JPH11233848A - 圧電基板、その製造方法および圧電素子 - Google Patents
圧電基板、その製造方法および圧電素子Info
- Publication number
- JPH11233848A JPH11233848A JP5130798A JP5130798A JPH11233848A JP H11233848 A JPH11233848 A JP H11233848A JP 5130798 A JP5130798 A JP 5130798A JP 5130798 A JP5130798 A JP 5130798A JP H11233848 A JPH11233848 A JP H11233848A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piezoelectric
- electrode
- piezoelectric substrate
- hole
- hole electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000000758 substrate Substances 0.000 title claims abstract description 94
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 title description 7
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 claims abstract description 24
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 17
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 16
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 10
- 238000005498 polishing Methods 0.000 claims description 10
- 239000007772 electrode material Substances 0.000 claims description 7
- 239000000919 ceramic Substances 0.000 claims description 5
- 239000010410 layer Substances 0.000 abstract description 43
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 abstract description 3
- 239000000126 substance Substances 0.000 abstract 1
- 239000006061 abrasive grain Substances 0.000 description 21
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 9
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 9
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 7
- PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N aluminium oxide Inorganic materials [O-2].[O-2].[O-2].[Al+3].[Al+3] PNEYBMLMFCGWSK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 6
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 6
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 5
- HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N silicon carbide Chemical compound [Si+]#[C-] HBMJWWWQQXIZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 5
- 229910010271 silicon carbide Inorganic materials 0.000 description 5
- 239000004020 conductor Substances 0.000 description 4
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 4
- 229910003460 diamond Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000010432 diamond Substances 0.000 description 3
- 238000003475 lamination Methods 0.000 description 3
- KDLHZDBZIXYQEI-UHFFFAOYSA-N Palladium Chemical compound [Pd] KDLHZDBZIXYQEI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 2
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 2
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N platinum Chemical compound [Pt] BASFCYQUMIYNBI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 238000003672 processing method Methods 0.000 description 2
- 229910052709 silver Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000004332 silver Substances 0.000 description 2
- 239000002356 single layer Substances 0.000 description 2
- 229910000679 solder Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910001316 Ag alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001018 Cast iron Inorganic materials 0.000 description 1
- RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N Copper Chemical compound [Cu] RYGMFSIKBFXOCR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910020220 Pb—Sn Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001252 Pd alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010949 copper Substances 0.000 description 1
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 1
- 239000011888 foil Substances 0.000 description 1
- 238000011835 investigation Methods 0.000 description 1
- HFGPZNIAWCZYJU-UHFFFAOYSA-N lead zirconate titanate Chemical compound [O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[O-2].[Ti+4].[Zr+4].[Pb+2] HFGPZNIAWCZYJU-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052451 lead zirconate titanate Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 1
- SWELZOZIOHGSPA-UHFFFAOYSA-N palladium silver Chemical compound [Pd].[Ag] SWELZOZIOHGSPA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052697 platinum Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920001721 polyimide Polymers 0.000 description 1
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電気接点として高信頼性であり、確実な接触
がはかられ均一に密着接触が可能となる圧電基板および
それを用いた圧電素子を提供する。 【解決手段】 圧電材料からなり、外部電気基板などの
電極面と電気的に接続するスルーホール電極2を有し、
該スルーホール電極2が圧電基板6の表面より1μm以
上突き出した突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あ
らさが2μm以下である圧電基板6およびそれを用いた
圧電素子。
がはかられ均一に密着接触が可能となる圧電基板および
それを用いた圧電素子を提供する。 【解決手段】 圧電材料からなり、外部電気基板などの
電極面と電気的に接続するスルーホール電極2を有し、
該スルーホール電極2が圧電基板6の表面より1μm以
上突き出した突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あ
らさが2μm以下である圧電基板6およびそれを用いた
圧電素子。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電基板、その製造
方法および圧電素子、圧電装置に関し、特に圧電素子や
圧電装置などに設けられている、圧電材料からなる圧電
基板と外部の電極面との電気的接続を目的とする圧電基
板表面上のスルーホール電極からなる電気接点に関する
ものである。
方法および圧電素子、圧電装置に関し、特に圧電素子や
圧電装置などに設けられている、圧電材料からなる圧電
基板と外部の電極面との電気的接続を目的とする圧電基
板表面上のスルーホール電極からなる電気接点に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気機械変換能を有する圧電材料
は様々な圧電素子や圧電装置として多種多用途に用いら
れている。とりわけ最近の傾向として、これらの圧電素
子や圧電装置は、単一の板状の形から多数の層を重ねた
積層化が注目されている。これは積層化により低い電圧
で大きな変形歪や大きな力が得られるとか、大きな出力
信号が得られるなどの特徴があり、小型で高性能の圧電
素子や圧電装置の実現が可能となるからである。
は様々な圧電素子や圧電装置として多種多用途に用いら
れている。とりわけ最近の傾向として、これらの圧電素
子や圧電装置は、単一の板状の形から多数の層を重ねた
積層化が注目されている。これは積層化により低い電圧
で大きな変形歪や大きな力が得られるとか、大きな出力
信号が得られるなどの特徴があり、小型で高性能の圧電
素子や圧電装置の実現が可能となるからである。
【0003】例えば、振動ジャイロ用の圧電素子の積層
化した例として特開平08−271263号公報などが
ある。また、超音波モータに使用する積層圧電素子の例
として特開平08−213664号公報などがある。
化した例として特開平08−271263号公報などが
ある。また、超音波モータに使用する積層圧電素子の例
として特開平08−213664号公報などがある。
【0004】さらに、今後その使用量が増加すると思わ
れる圧電トランスの積層化の例として特開平08−14
8733号公報などがある。これらの例の中でもわかる
ように、積層化された場合、層間の電極パターンを接続
する等のために導体電極(層間電極)として層内に埋め
込んだ電極であるスルーホール電極(バイヤホール電
極)が使われることが多い。
れる圧電トランスの積層化の例として特開平08−14
8733号公報などがある。これらの例の中でもわかる
ように、積層化された場合、層間の電極パターンを接続
する等のために導体電極(層間電極)として層内に埋め
込んだ電極であるスルーホール電極(バイヤホール電
極)が使われることが多い。
【0005】図8は、従来の積層圧電素子の一例を示す
概略図である。同図は特開平8−213664号公報に
記載されている積層圧電素子と同様の構造からなる。同
図は、スルーホール電極12を用いて、圧電基板の各層
の内部電極パターン3の導通を行っている積層圧電素子
11を示しており、スルーホール電極12−1〜12−
nの中の積層圧電素子11の素子表面に表れたスルーホ
ール電極12−1を素子表面から突き出させ、この突き
出したスルーホール電極12−1と外部電気基板(不図
示)との電気的な接続つまり導通を計り、積層圧電素子
を駆動させたり、電圧信号の出力を取り出したりするこ
とが可能である。
概略図である。同図は特開平8−213664号公報に
記載されている積層圧電素子と同様の構造からなる。同
図は、スルーホール電極12を用いて、圧電基板の各層
の内部電極パターン3の導通を行っている積層圧電素子
11を示しており、スルーホール電極12−1〜12−
nの中の積層圧電素子11の素子表面に表れたスルーホ
ール電極12−1を素子表面から突き出させ、この突き
出したスルーホール電極12−1と外部電気基板(不図
示)との電気的な接続つまり導通を計り、積層圧電素子
を駆動させたり、電圧信号の出力を取り出したりするこ
とが可能である。
【0006】このような小径の積層圧電素子表面のスル
ーホール電極12−1を外部との電気接点として用いる
ことで、素子と外部との電気接続が可能となることは素
子や装置のさらなる小型化や高信頼性が得られるばかり
でなく、これらの素子や装置を実装化するうえでも利点
があり、さらにこれらの素子や装置を使った電子機器の
小型化や高性能化にも大いに役立つものである。
ーホール電極12−1を外部との電気接点として用いる
ことで、素子と外部との電気接続が可能となることは素
子や装置のさらなる小型化や高信頼性が得られるばかり
でなく、これらの素子や装置を実装化するうえでも利点
があり、さらにこれらの素子や装置を使った電子機器の
小型化や高性能化にも大いに役立つものである。
【0007】そこで本発明者らは、圧電素子や圧電装置
の表面にある電気接点として利用するスルーホール電極
の形状の特徴やその形状を得るための加工方法について
検討を行った。
の表面にある電気接点として利用するスルーホール電極
の形状の特徴やその形状を得るための加工方法について
検討を行った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、圧電
素子の表面のスルーホール電極の突出量がある程度あれ
ば電気接点として有効であろうと思われたが、実際に圧
電素子を数多く製作し、圧電素子の表面の多数のスルー
ホール電極の各々の導通をチェックすると電気接点とし
て必ずしも同一な接触抵抗ではなく、接点として電気抵
抗のばらつきがあり、常に充分に信頼性のある電気接点
ではないことがわかった。
素子の表面のスルーホール電極の突出量がある程度あれ
ば電気接点として有効であろうと思われたが、実際に圧
電素子を数多く製作し、圧電素子の表面の多数のスルー
ホール電極の各々の導通をチェックすると電気接点とし
て必ずしも同一な接触抵抗ではなく、接点として電気抵
抗のばらつきがあり、常に充分に信頼性のある電気接点
ではないことがわかった。
【0009】本発明は、この様な従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、第一の目的は電気接
点として高信頼性であり、確実な接触がはかられ均一に
密着接触が可能となる圧電基板、その製造方法およびそ
れを用いた圧電素子、圧電装置を提供することにある。
決するためになされたものであり、第一の目的は電気接
点として高信頼性であり、確実な接触がはかられ均一に
密着接触が可能となる圧電基板、その製造方法およびそ
れを用いた圧電素子、圧電装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、圧電材
料からなり、外部電気基板などの電極面と電気的に接続
するスルーホール電極を有する圧電基板において、該ス
ルーホール電極が圧電基板面より1μm以上突き出した
突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あらさが2μm
以下であることを特徴とする圧電基板である。
料からなり、外部電気基板などの電極面と電気的に接続
するスルーホール電極を有する圧電基板において、該ス
ルーホール電極が圧電基板面より1μm以上突き出した
突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あらさが2μm
以下であることを特徴とする圧電基板である。
【0011】また、本発明は、外部電気基板などの電極
面と電気的に接続するスルーホール電極を有する上記の
圧電基板からなることを特徴とする単層圧電素子であ
る。また、本発明は、外部電気基板などの電極面と電気
的に接続するスルーホール電極を有する上記の圧電基板
上に少なくとも1層の圧電材料からなる圧電基板を積層
してなることを特徴とする積層圧電素子である。
面と電気的に接続するスルーホール電極を有する上記の
圧電基板からなることを特徴とする単層圧電素子であ
る。また、本発明は、外部電気基板などの電極面と電気
的に接続するスルーホール電極を有する上記の圧電基板
上に少なくとも1層の圧電材料からなる圧電基板を積層
してなることを特徴とする積層圧電素子である。
【0012】また、本発明は、上記の圧電基板を有する
圧電素子のスルーホール電極と、機器の外部電気基板な
どの電極面を電気的に接続してなることを特徴とする圧
電装置である。
圧電素子のスルーホール電極と、機器の外部電気基板な
どの電極面を電気的に接続してなることを特徴とする圧
電装置である。
【0013】また、本発明は、圧電素子の圧電基板面に
設けられ、該圧電基板と外部電気基板などの電極面を電
気的に接続するスルーホール電極からなる電気接点であ
って、該スルーホール電極が圧電基板面より1μm以上
突き出した突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あら
さが2μm以下であることを特徴とする電気接点であ
る。
設けられ、該圧電基板と外部電気基板などの電極面を電
気的に接続するスルーホール電極からなる電気接点であ
って、該スルーホール電極が圧電基板面より1μm以上
突き出した突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あら
さが2μm以下であることを特徴とする電気接点であ
る。
【0014】また、本発明は、圧電材料からなる圧電板
に穴を開け、該穴にスルーホール電極を形成する電極材
を充填し、表面をセラミック系の遊離砥粒と液体とを混
合した混合液と平面状のラップ盤を用いてラッピング加
工を行い、スルーホール電極を突出させると共に突出部
の表面あらさを滑らかにすることを特徴とする圧電基板
の製造方法である。
に穴を開け、該穴にスルーホール電極を形成する電極材
を充填し、表面をセラミック系の遊離砥粒と液体とを混
合した混合液と平面状のラップ盤を用いてラッピング加
工を行い、スルーホール電極を突出させると共に突出部
の表面あらさを滑らかにすることを特徴とする圧電基板
の製造方法である。
【0015】また、本発明は、圧電材料からなる圧電板
に穴を開け、該穴にスルーホール電極を形成する電極材
を充填し、表面をセラミック系の遊離砥粒と液体とを混
合した混合液と平面状のラップ盤を用いてラッピング加
工した後、さらに研磨を行い、スルーホール電極を突出
させると共に突出部の表面あらさを滑らかにすることを
特徴とする圧電基板の製造方法である。
に穴を開け、該穴にスルーホール電極を形成する電極材
を充填し、表面をセラミック系の遊離砥粒と液体とを混
合した混合液と平面状のラップ盤を用いてラッピング加
工した後、さらに研磨を行い、スルーホール電極を突出
させると共に突出部の表面あらさを滑らかにすることを
特徴とする圧電基板の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成す
るために、上記の課題の原因を種々調べた結果、電気接
点としての問題点の解決はスルーホール電極の突出量が
常に一定となるようにする他、突き出した部分の表面の
性状を一定とし、外部電気基板などの電極面と常に均一
な接触が起こるようにすることが必要であることがわか
った。
るために、上記の課題の原因を種々調べた結果、電気接
点としての問題点の解決はスルーホール電極の突出量が
常に一定となるようにする他、突き出した部分の表面の
性状を一定とし、外部電気基板などの電極面と常に均一
な接触が起こるようにすることが必要であることがわか
った。
【0017】上記目的を達成するため、本発明の第一の
発明は、圧電素子の外部電気基板との接触部である圧電
基板表面に設けられたスルーホール電極の突出部分の突
出量が1μm以上、好ましくは2μm〜数μmであるこ
とと、かつ突出部分の表面が表面あらさ2μm以下、好
ましくは1μm〜0.5μmの滑らかであることであ
る。
発明は、圧電素子の外部電気基板との接触部である圧電
基板表面に設けられたスルーホール電極の突出部分の突
出量が1μm以上、好ましくは2μm〜数μmであるこ
とと、かつ突出部分の表面が表面あらさ2μm以下、好
ましくは1μm〜0.5μmの滑らかであることであ
る。
【0018】また、本発明の第二の発明は、外部電気基
板などの電極面と電気的に接続するスルーホール電極を
有する上記の圧電基板を1層からなる圧電素子として使
用することである。
板などの電極面と電気的に接続するスルーホール電極を
有する上記の圧電基板を1層からなる圧電素子として使
用することである。
【0019】また、本発明は、外部電気基板などの電極
面と電気的に接続するスルーホール電極を有する上記の
圧電基板上に少なくとも1層の圧電材料からなる圧電基
板を積層してなる積層圧電素子である。
面と電気的に接続するスルーホール電極を有する上記の
圧電基板上に少なくとも1層の圧電材料からなる圧電基
板を積層してなる積層圧電素子である。
【0020】また、本発明の第三の構成は、第一の発明
における電気接点である上記の圧電基板のスルーホール
電極と外部電気基板などの電極面とで電気的接続を計る
ため、両者を接触させた電気接点に係るものである。
における電気接点である上記の圧電基板のスルーホール
電極と外部電気基板などの電極面とで電気的接続を計る
ため、両者を接触させた電気接点に係るものである。
【0021】さらに、本発明は、第一の発明を実現する
ための圧電基板を製造する加工方法であり、セラミック
ス系の遊離砥粒と液体とを混合した混合液を使用し、平
面状の平滑なラップ盤で湿式ラッピングを比較的粗い遊
離砥粒で行うラッピング加工によりスルーホール電極の
突出部分の突出量を1μm以上に、かつ突出部分の表面
が表面あらさ2μm以下の滑らかに加工する方法であ
る。
ための圧電基板を製造する加工方法であり、セラミック
ス系の遊離砥粒と液体とを混合した混合液を使用し、平
面状の平滑なラップ盤で湿式ラッピングを比較的粗い遊
離砥粒で行うラッピング加工によりスルーホール電極の
突出部分の突出量を1μm以上に、かつ突出部分の表面
が表面あらさ2μm以下の滑らかに加工する方法であ
る。
【0022】そして、さらにスルーホール電極の突出部
分の表面を平滑にするためには、上記のラッピング加工
した圧電基板表面のスルーホール電極を、上記の遊離砥
粒よりも細かな砥粒、例えば研磨シートで研磨すること
で、スルーホール電極の突出した部分の表面をさらに平
滑化でき電気接点として最適とすることができる。
分の表面を平滑にするためには、上記のラッピング加工
した圧電基板表面のスルーホール電極を、上記の遊離砥
粒よりも細かな砥粒、例えば研磨シートで研磨すること
で、スルーホール電極の突出した部分の表面をさらに平
滑化でき電気接点として最適とすることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
する。
【0024】実施例1 図1は、本発明の積層圧電素子の例を示す概略図であ
る。図1に示すように、積層圧電素子は、最外層の圧電
基板6に少なくとも1層以上の圧電材料からなる圧電基
板7を積層した構造からなる。各層の圧電材料からなる
圧電基板7上には複数の内部電極パターン3が設けら
れ、該内部電極パターン3の間を素子の各層内に形成し
た複数のスルーホール電極2による層間配線により導通
させた構造となっている。2−1、2−2、2−3、2
−4は各々第1層〜第4層のスルーホール電極を示す。
また、7−2、7−3、7−4は各々第2層〜第4層の
圧電基板を示す。
る。図1に示すように、積層圧電素子は、最外層の圧電
基板6に少なくとも1層以上の圧電材料からなる圧電基
板7を積層した構造からなる。各層の圧電材料からなる
圧電基板7上には複数の内部電極パターン3が設けら
れ、該内部電極パターン3の間を素子の各層内に形成し
た複数のスルーホール電極2による層間配線により導通
させた構造となっている。2−1、2−2、2−3、2
−4は各々第1層〜第4層のスルーホール電極を示す。
また、7−2、7−3、7−4は各々第2層〜第4層の
圧電基板を示す。
【0025】図1の第1層は圧電基板6を示し、第2層
は圧電基板7−2を、第3層は圧電基板7−3を、第4
層は圧電基板7−4を示す。第4層、第5層以下は、奇
数層は第3層と同じで、偶数層は第4層と同じ圧電基板
である。図2は本素子の第21層(奇数層)、第22層
(偶数層)そして最下層の第23層の圧電基板を示す。
は圧電基板7−2を、第3層は圧電基板7−3を、第4
層は圧電基板7−4を示す。第4層、第5層以下は、奇
数層は第3層と同じで、偶数層は第4層と同じ圧電基板
である。図2は本素子の第21層(奇数層)、第22層
(偶数層)そして最下層の第23層の圧電基板を示す。
【0026】この圧電素子の製造方法は、積層前の圧電
材料からなる圧電体のグリーンシートに穴を開け、その
穴にスルーホール電極となる導体ペーストを充填した
後、そのグリーンシートの表面に内部電極パターンとな
る導体ペーストを印刷して形成させ、これらの各々のグ
リーンシートを重ね熱圧着して積層化し、焼成して導体
ペーストを電極材に変化させて各層の圧電基板の積層体
を作製する。このようにすれば各層の圧電基板のスルー
ホール電極2と各層の内部電極パターン3とが一体とな
って焼結し、積層圧電素子が得られる。
材料からなる圧電体のグリーンシートに穴を開け、その
穴にスルーホール電極となる導体ペーストを充填した
後、そのグリーンシートの表面に内部電極パターンとな
る導体ペーストを印刷して形成させ、これらの各々のグ
リーンシートを重ね熱圧着して積層化し、焼成して導体
ペーストを電極材に変化させて各層の圧電基板の積層体
を作製する。このようにすれば各層の圧電基板のスルー
ホール電極2と各層の内部電極パターン3とが一体とな
って焼結し、積層圧電素子が得られる。
【0027】本発明におけるスルーホール電極2には、
スルーホール(穴)に導電材を充填した構造のスルーホ
ール電極が好ましく用いられる。また、この構造を有す
る電極であればその他の電極も用いることができ、例え
ばバイヤーホール電極と称する電極等も使用できる。
スルーホール(穴)に導電材を充填した構造のスルーホ
ール電極が好ましく用いられる。また、この構造を有す
る電極であればその他の電極も用いることができ、例え
ばバイヤーホール電極と称する電極等も使用できる。
【0028】実際に使用した積層圧電素子1の一例とし
ては、焼成後の圧電基板の層の厚さが0.1mm、積層
層数が23層、焼成後のスルーホール電極の直径がφ
0.1mm、素子の外径がφ10mm、内径がφ4mm
であり、内部電極パターンとスルーホール電極は同一の
銀とパラジウムの合金からなっている。
ては、焼成後の圧電基板の層の厚さが0.1mm、積層
層数が23層、焼成後のスルーホール電極の直径がφ
0.1mm、素子の外径がφ10mm、内径がφ4mm
であり、内部電極パターンとスルーホール電極は同一の
銀とパラジウムの合金からなっている。
【0029】このような積層圧電素子1の最外層の圧電
基板6の表面加工を行う前の表面(上面)には、複数個
のスルーホール電極2−1が不均一にやや突起していた
り、またはへこんだりしている。このような積層圧電素
子1の圧電基板6の表面加工として研削砥石を用いる研
削加工と、遊離砥粒を用いるラッピング加工を試みた。
基板6の表面加工を行う前の表面(上面)には、複数個
のスルーホール電極2−1が不均一にやや突起していた
り、またはへこんだりしている。このような積層圧電素
子1の圧電基板6の表面加工として研削砥石を用いる研
削加工と、遊離砥粒を用いるラッピング加工を試みた。
【0030】図4に各々のラッピング加工後の素子の圧
電基板の表面上のスルーホール電極の突出した部分の形
状を表面あらさ計(商品名SV−624、(株)ミツト
ヨ社製)で測定した結果を示す。図4(a)はGC砥石
(粒度#360)での加工後の代表例であるが、他の粒
度砥石でも一般的に砥石による研削加工ではスルーホー
ル電極の突出量は小さく、かつ表面は平滑でなく凸凹が
大きい。このような研削加工によるスルーホール電極で
は外部電気基板(後述)の電極パターンを押し付けても
接触抵抗が大きいばかりか、全く導通が得られないこと
がときどきあった。
電基板の表面上のスルーホール電極の突出した部分の形
状を表面あらさ計(商品名SV−624、(株)ミツト
ヨ社製)で測定した結果を示す。図4(a)はGC砥石
(粒度#360)での加工後の代表例であるが、他の粒
度砥石でも一般的に砥石による研削加工ではスルーホー
ル電極の突出量は小さく、かつ表面は平滑でなく凸凹が
大きい。このような研削加工によるスルーホール電極で
は外部電気基板(後述)の電極パターンを押し付けても
接触抵抗が大きいばかりか、全く導通が得られないこと
がときどきあった。
【0031】一方、図4(b)はGC砥粒(粒度#60
0)を用いて、平滑なラッピング盤(鋳鉄製)と水を主
成分とする砥粒とでラッピング加工(加圧力50g/c
m2、ラッピング盤との相対速度15cm/sec)し
た結果を示す。遊離砥粒を用いることで各々のスルーホ
ール電極は4〜5μm程突出し、かつ突出部の表面は、
研削加工に比べ平滑で表面あらさ1.5μm以下で滑ら
かである。そして、さらに突出部の表面を特に遊離砥粒
の粒度より細かい砥粒を有する研磨シートや研磨紙で研
磨することにより、スルーホール電極の突出部の表面
は、より平滑とすることができる。
0)を用いて、平滑なラッピング盤(鋳鉄製)と水を主
成分とする砥粒とでラッピング加工(加圧力50g/c
m2、ラッピング盤との相対速度15cm/sec)し
た結果を示す。遊離砥粒を用いることで各々のスルーホ
ール電極は4〜5μm程突出し、かつ突出部の表面は、
研削加工に比べ平滑で表面あらさ1.5μm以下で滑ら
かである。そして、さらに突出部の表面を特に遊離砥粒
の粒度より細かい砥粒を有する研磨シートや研磨紙で研
磨することにより、スルーホール電極の突出部の表面
は、より平滑とすることができる。
【0032】図5は、そのラッピング加工した後に、さ
らに研磨シートで研磨加工したスルーホール電極の突出
した部分の形状を表面あらさ計で測定した結果を示す。
本例は粒度#4000のアルミナ粒子の付着した研磨シ
ートを用いた。スルーホール電極の突出部の表面あらさ
は0.5μmである。
らに研磨シートで研磨加工したスルーホール電極の突出
した部分の形状を表面あらさ計で測定した結果を示す。
本例は粒度#4000のアルミナ粒子の付着した研磨シ
ートを用いた。スルーホール電極の突出部の表面あらさ
は0.5μmである。
【0033】さらに遊離砥粒の種類と粒度を変えてラッ
ピング実験を行い、スルーホール電極の突出量と突出し
た部分の表面の表面あらさ(平滑性)の関係を求めた。
遊離砥粒として、炭化ケイ素、アルミナ、ダイヤモンド
の3種を用いて粒度も交えて実験を行った。
ピング実験を行い、スルーホール電極の突出量と突出し
た部分の表面の表面あらさ(平滑性)の関係を求めた。
遊離砥粒として、炭化ケイ素、アルミナ、ダイヤモンド
の3種を用いて粒度も交えて実験を行った。
【0034】その結果、ダイヤモンドの場合はダイヤモ
ンド粒子特有の切削加工性が良いためか、突出量が少な
く適当でない。一方、炭化ケイ素、アルミナはほぼ同様
な結果であり、突出量が適当であり、粒度によって突出
量の変化が大きく、かつ突出部の平滑性も異なることが
わかった。図6に炭化ケイ素の砥粒の粒度と突出部分の
表面あらさおよび突出量の関係を示す。図6では、ラッ
ピング加工(加圧力50g/cm2、ラッピング盤との
相対速度15cm/sec)により、図1の積層圧電素
子を作成した。
ンド粒子特有の切削加工性が良いためか、突出量が少な
く適当でない。一方、炭化ケイ素、アルミナはほぼ同様
な結果であり、突出量が適当であり、粒度によって突出
量の変化が大きく、かつ突出部の平滑性も異なることが
わかった。図6に炭化ケイ素の砥粒の粒度と突出部分の
表面あらさおよび突出量の関係を示す。図6では、ラッ
ピング加工(加圧力50g/cm2、ラッピング盤との
相対速度15cm/sec)により、図1の積層圧電素
子を作成した。
【0035】図3は積層圧電素子のスルーホール電極
と、機器の外部電気基板の電極面とを電気的に接続した
状態を示す概略図である。図3に示す様に、外部回路と
電気的接続を計る外部電気基板4上の電極パターン5を
使って、圧電基板上のスルーホール電極2−1が電気接
点として有効かどうか検討した。図3において、外部電
気基板4は表面に導電用の金属層からなる電極パターン
5を形成されており、積層圧電素子1の第一層の圧電基
板6の表面のスルーホール電極2−1の各々の1個に対
応した位置に電極パターン5の1つが形成されている。
このような積層圧電素子1と外部電気基板4の組み合せ
で各々の条件のスルーホール電極2 −1を用いて積層圧
電素子1の第一層の圧電基板6の表面に外部電気基板4
の電極パターン5を押し当てると、各電極パターン5の
金属層が各スルーホール電極2−1に押し当てられる。
このような状態で電気的に接続し、導通を調べるため
に、オームメータ(測定電流100mAにて測定範囲
0.1mΩ〜2Ω)にて微小の電気抵抗である接触抵抗
を測定した。その結果は図6に示すように、突出量が1
μm以下の場合または突出部の表面あらさが2μm以上
の場合には接触抵抗が0.1Ω以上となり電気接点とし
ては不適であることが判明した。
と、機器の外部電気基板の電極面とを電気的に接続した
状態を示す概略図である。図3に示す様に、外部回路と
電気的接続を計る外部電気基板4上の電極パターン5を
使って、圧電基板上のスルーホール電極2−1が電気接
点として有効かどうか検討した。図3において、外部電
気基板4は表面に導電用の金属層からなる電極パターン
5を形成されており、積層圧電素子1の第一層の圧電基
板6の表面のスルーホール電極2−1の各々の1個に対
応した位置に電極パターン5の1つが形成されている。
このような積層圧電素子1と外部電気基板4の組み合せ
で各々の条件のスルーホール電極2 −1を用いて積層圧
電素子1の第一層の圧電基板6の表面に外部電気基板4
の電極パターン5を押し当てると、各電極パターン5の
金属層が各スルーホール電極2−1に押し当てられる。
このような状態で電気的に接続し、導通を調べるため
に、オームメータ(測定電流100mAにて測定範囲
0.1mΩ〜2Ω)にて微小の電気抵抗である接触抵抗
を測定した。その結果は図6に示すように、突出量が1
μm以下の場合または突出部の表面あらさが2μm以上
の場合には接触抵抗が0.1Ω以上となり電気接点とし
ては不適であることが判明した。
【0036】図7は、図3の圧電基板6の1個の良好な
スルーホール電極2−1と、外部電気基板4の接続状況
の一例を示す概略図である。図7において、スルーホー
ル電極2−1は積層圧電素子1の第2層目以下のスルー
ホール電極2−2以下と導通しており、また外部電気基
板4の表面に付けられた金属層の導体からなる電極パタ
ーン5と接触し、電気的な接触としても充分な状態を呈
している。
スルーホール電極2−1と、外部電気基板4の接続状況
の一例を示す概略図である。図7において、スルーホー
ル電極2−1は積層圧電素子1の第2層目以下のスルー
ホール電極2−2以下と導通しており、また外部電気基
板4の表面に付けられた金属層の導体からなる電極パタ
ーン5と接触し、電気的な接触としても充分な状態を呈
している。
【0037】外部電気基板4の材質としては、通常の絶
縁性の高い硬質のアルミナセラミックスであっても軟質
のポリイミドフィルムであっても良いし、電極パターン
5は通常の焼き付けた銀や銅のような導電性の良い金属
であっても箔のような金属であっても基本的に良好なス
ルーホール電極表面とは均一な密着が可能であり、接触
抵抗も小さく良好な状態となる。
縁性の高い硬質のアルミナセラミックスであっても軟質
のポリイミドフィルムであっても良いし、電極パターン
5は通常の焼き付けた銀や銅のような導電性の良い金属
であっても箔のような金属であっても基本的に良好なス
ルーホール電極表面とは均一な密着が可能であり、接触
抵抗も小さく良好な状態となる。
【0038】また、前述のようにアルミナ#4000の
粒度の細かい砥粒の付着した研磨シートを使って、例え
ば図6の砥粒#320でラッピング加工した後、圧電基
板6の表面を研磨シート上で研磨すると、スルーホール
電極の突出量は約4μmであるが、スルーホール電極の
突出部は研磨され、その表面あらさは、例えば0.5μ
mよりも滑らかにすることができ、電気接点として図6
の良好な条件と同様に良好な接触抵抗にすることができ
た。
粒度の細かい砥粒の付着した研磨シートを使って、例え
ば図6の砥粒#320でラッピング加工した後、圧電基
板6の表面を研磨シート上で研磨すると、スルーホール
電極の突出量は約4μmであるが、スルーホール電極の
突出部は研磨され、その表面あらさは、例えば0.5μ
mよりも滑らかにすることができ、電気接点として図6
の良好な条件と同様に良好な接触抵抗にすることができ
た。
【0039】以上の結果についてさらに詳しく説明する
と、図6の実験から炭化ケイ素系やアルミナ系のセラミ
ックス系の砥粒を用いて圧電基板を湿式ラッピング加工
することにより、砥粒の粒度の大きいほど(すなわち砥
粒の平均粒径の小さいものほど)、スルーホール電極の
突出量は小さく、逆に突き出した部分の表面あらさは小
さくより滑らかになる。ここで砥粒#8000のように
突出量が1μm以下であると接触抵抗は大きく、場合に
よっては導通すらおこらないこともある。一方、砥粒#
320のように突出量が大きくても表面のあらさが悪く
粗れている場合は接触抵抗が大きく電気接点としては好
ましくない。ただし前述のように表面あらさを細かくす
れば改善される。
と、図6の実験から炭化ケイ素系やアルミナ系のセラミ
ックス系の砥粒を用いて圧電基板を湿式ラッピング加工
することにより、砥粒の粒度の大きいほど(すなわち砥
粒の平均粒径の小さいものほど)、スルーホール電極の
突出量は小さく、逆に突き出した部分の表面あらさは小
さくより滑らかになる。ここで砥粒#8000のように
突出量が1μm以下であると接触抵抗は大きく、場合に
よっては導通すらおこらないこともある。一方、砥粒#
320のように突出量が大きくても表面のあらさが悪く
粗れている場合は接触抵抗が大きく電気接点としては好
ましくない。ただし前述のように表面あらさを細かくす
れば改善される。
【0040】図6においてより好ましい条件は、砥粒#
600〜#2000での加工である。なお、前述のラッ
ピング加工は積層圧電素子の上面(片面)のみの加工を
行ったが、両面ラップ盤を用いて両面同時の加工でも同
様に加工は可能である。
600〜#2000での加工である。なお、前述のラッ
ピング加工は積層圧電素子の上面(片面)のみの加工を
行ったが、両面ラップ盤を用いて両面同時の加工でも同
様に加工は可能である。
【0041】ここでラッピング加工時にスルーホール電
極が突出する理由としては、比較的もろいチタン酸ジル
コン酸鉛を主成分とし、粉末から焼結されて作成された
圧電基板と、軟らかな延性のある金属からなるスルーホ
ール電極を同時に遊離砥粒で削ったときに、砥粒の各々
材料に対する加工性が異なるためと考えられ、延性のあ
る金属の加工性が悪く、その結果、スルーホール電極が
突出するものと予想される。また加工時は多少スルーホ
ール電極は弾性変形を起こし突出量は小さくなっている
ものと考えられる。
極が突出する理由としては、比較的もろいチタン酸ジル
コン酸鉛を主成分とし、粉末から焼結されて作成された
圧電基板と、軟らかな延性のある金属からなるスルーホ
ール電極を同時に遊離砥粒で削ったときに、砥粒の各々
材料に対する加工性が異なるためと考えられ、延性のあ
る金属の加工性が悪く、その結果、スルーホール電極が
突出するものと予想される。また加工時は多少スルーホ
ール電極は弾性変形を起こし突出量は小さくなっている
ものと考えられる。
【0042】また、ラッピング加工時の加圧力によりス
ルーホール電極の突出量や表面あらさも変化するが、加
工時の素子の欠けや割れを防ぐために極端に大きな加圧
力や速度は好ましくなく、この80g/cm2〜20g
/cm2、相対速度30cm/sec〜10cm/se
cの範囲内では実質上実験結果に大きな違いはみられな
かった。
ルーホール電極の突出量や表面あらさも変化するが、加
工時の素子の欠けや割れを防ぐために極端に大きな加圧
力や速度は好ましくなく、この80g/cm2〜20g
/cm2、相対速度30cm/sec〜10cm/se
cの範囲内では実質上実験結果に大きな違いはみられな
かった。
【0043】また、外部との電気的接続を計る外部電気
基板を圧電素子の圧電基板表面のスルーホール電極に押
し当てる際に、接着剤を介して押し当てることでも突き
出したスルーホール電極ならば電気的な接続は可能で、
かつスルーホール電極以外の部分での接着剤による外部
電気基板と圧電基板表面の接着も可能となり外部電気基
板と圧電基板との固定ができる。これは従来ならば導線
をハンダで固定していたのに比べて強度的に優れ、接続
の信頼性も向上する。
基板を圧電素子の圧電基板表面のスルーホール電極に押
し当てる際に、接着剤を介して押し当てることでも突き
出したスルーホール電極ならば電気的な接続は可能で、
かつスルーホール電極以外の部分での接着剤による外部
電気基板と圧電基板表面の接着も可能となり外部電気基
板と圧電基板との固定ができる。これは従来ならば導線
をハンダで固定していたのに比べて強度的に優れ、接続
の信頼性も向上する。
【0044】その他、外部電気基板と圧電基板を機械的
に固定することで、例えば金属部品にはさみ込んで金属
部品をボルトで固定することでもスルーホール電極は電
気接点として有効である。
に固定することで、例えば金属部品にはさみ込んで金属
部品をボルトで固定することでもスルーホール電極は電
気接点として有効である。
【0045】さらにスルーホール内に充填されているス
ルーホール電極の電極材は、前述の例は銀−パラジウム
の合金であったが、そのほかにハンダ(Pb−Sn)や
銀や白金等の電極材でも同様な結果が得られた。
ルーホール電極の電極材は、前述の例は銀−パラジウム
の合金であったが、そのほかにハンダ(Pb−Sn)や
銀や白金等の電極材でも同様な結果が得られた。
【0046】また、スルーホール電極の直径はφ0.1
mmで実験を行ったが、2mm〜0.05mmであれば
同様の良好な結果が得られた。
mmで実験を行ったが、2mm〜0.05mmであれば
同様の良好な結果が得られた。
【0047】本発明の圧電基板を有する圧電素子は、圧
電基板のスルーホール電極と、機器の外部電気基板など
の電極面を電気的に接続して圧電装置を構成することが
できる。
電基板のスルーホール電極と、機器の外部電気基板など
の電極面を電気的に接続して圧電装置を構成することが
できる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電気接点として高信頼性があり、確実な接触がはかられ
均一に密着接触が可能となる圧電基板を得ることができ
る。
電気接点として高信頼性があり、確実な接触がはかられ
均一に密着接触が可能となる圧電基板を得ることができ
る。
【0049】また、本発明の圧電材料からなる圧電基板
の表面のスルーホールに充填されたスルーホール電極を
電気接点として用いて、外部電気基板との導通を計るこ
とで多種多様な圧電素子や圧電装置、例えば振動ジャイ
ロ素子、圧電トランス素子、加速度センサ素子、アクチ
ュエータ用の素子など積層化した素子、または単板の圧
電素子においても、外部との電気的な接続が容易にかつ
スペースをとらずハンダ等に比べて確実に行えるので圧
電素子や圧電装置の小型化になるばかりでなく、これら
を使用した電子機器や装置の小型化にも大きく役立つも
のである。
の表面のスルーホールに充填されたスルーホール電極を
電気接点として用いて、外部電気基板との導通を計るこ
とで多種多様な圧電素子や圧電装置、例えば振動ジャイ
ロ素子、圧電トランス素子、加速度センサ素子、アクチ
ュエータ用の素子など積層化した素子、または単板の圧
電素子においても、外部との電気的な接続が容易にかつ
スペースをとらずハンダ等に比べて確実に行えるので圧
電素子や圧電装置の小型化になるばかりでなく、これら
を使用した電子機器や装置の小型化にも大きく役立つも
のである。
【図1】本発明の積層圧電素子の一例を示す概略図であ
る。
る。
【図2】図1の第2層と第3層の間に積層されている圧
電電極板を示す概略図である。
電電極板を示す概略図である。
【図3】積層圧電素子のスルーホール電極と、機器の外
部電気基板の電極面とを電気的に接続した状態を示す概
略図である。
部電気基板の電極面とを電気的に接続した状態を示す概
略図である。
【図4】ラッピング加工後の素子の圧電基板の表面上の
スルーホール電極の突出した部分の形状を示す図であ
る。
スルーホール電極の突出した部分の形状を示す図であ
る。
【図5】ラッピング加工した後に、さらに研磨加工した
スルーホール電極の突出した部分の形状を示す図であ
る。
スルーホール電極の突出した部分の形状を示す図であ
る。
【図6】炭化ケイ素の砥粒の粒度と突き出し部の表面あ
らさおよび突出量の関係を示す図である。
らさおよび突出量の関係を示す図である。
【図7】図3の圧電基板の1個の良好なスルーホール電
極と外部電気基板の接続状況の一例を示す概略図であ
る。
極と外部電気基板の接続状況の一例を示す概略図であ
る。
【図8】従来の積層圧電素子の一例を示す概略図であ
る。
る。
1 積層圧電素子 2 スルーホール電極 3 電極パターン 4 外部電気回路基板 5 電極パタ−ン 6 圧電基板 7 圧電基板(2層目以下) 11 積層圧電素子 12 スルーホール電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 孝宏 埼玉県鴻巣市寺谷835−11 (72)発明者 江崎 徹 東京都北区浮間1−3−1−315
Claims (7)
- 【請求項1】 圧電材料からなり、外部の電極面と電気
的に接続するスルーホール電極を有する圧電基板におい
て、該スルーホール電極が圧電基板面より1μm以上突
き出した突出部分を有し、かつ該突出部分の表面あらさ
が2μm以下であることを特徴とする圧電基板。 - 【請求項2】 外部の電極面と電気的に接続するスルー
ホール電極を有する請求項1記載の圧電基板からなるこ
とを特徴とする圧電素子。 - 【請求項3】 外部の電極面と電気的に接続するスルー
ホール電極を有する請求項1記載の圧電基板上に少なく
とも1層の圧電材料からなる圧電基板を積層してなるこ
とを特徴とする圧電素子。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電
基板を有する圧電素子のスルーホール電極と、機器の外
部の電極面を電気的に接続してなることを特徴とする圧
電装置。 - 【請求項5】 圧電素子の圧電基板面に設けられ、該圧
電基板と外部の電極面を電気的に接続するスルーホール
電極からなる電気接点であって、該スルーホール電極が
圧電基板面より1μm以上突き出した突出部分を有し、
かつ該突出部分の表面あらさが2μm以下であることを
特徴とする電気接点。 - 【請求項6】 圧電材料からなる圧電板に穴を開け、該
穴にスルーホール電極を形成する電極材を充填し、表面
をセラミック系の遊離砥粒と液体とを混合した混合液と
平面状のラップ盤を用いてラッピング加工を行い、スル
ーホール電極を突出させると共に突出部の表面あらさを
滑らかにすることを特徴とする圧電基板の製造方法。 - 【請求項7】 圧電材料からなる圧電板に穴を開け、該
穴にスルーホール電極を形成する電極材を充填し、表面
をセラミック系の遊離砥粒と液体とを混合した混合液と
平面状のラップ盤を用いてラッピング加工した後、さら
に研磨を行い、スルーホール電極を突出させると共に突
出部の表面あらさを滑らかにすることを特徴とする圧電
基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5130798A JPH11233848A (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | 圧電基板、その製造方法および圧電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5130798A JPH11233848A (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | 圧電基板、その製造方法および圧電素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11233848A true JPH11233848A (ja) | 1999-08-27 |
Family
ID=12883273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5130798A Pending JPH11233848A (ja) | 1998-02-18 | 1998-02-18 | 圧電基板、その製造方法および圧電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11233848A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008211047A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Canon Inc | 圧電素子およびその製造方法、振動板ならびに振動波駆動装置 |
JP2010156704A (ja) * | 2010-02-18 | 2010-07-15 | Hokuriku Electric Ind Co Ltd | 圧電型三軸加速度センサ |
-
1998
- 1998-02-18 JP JP5130798A patent/JPH11233848A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008211047A (ja) * | 2007-02-27 | 2008-09-11 | Canon Inc | 圧電素子およびその製造方法、振動板ならびに振動波駆動装置 |
JP2010156704A (ja) * | 2010-02-18 | 2010-07-15 | Hokuriku Electric Ind Co Ltd | 圧電型三軸加速度センサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101862422B1 (ko) | 적층 세라믹 커패시터 및 그 실장 기판 | |
KR101452079B1 (ko) | 기판 내장용 적층 세라믹 전자부품 및 적층 세라믹 전자부품 내장형 인쇄회로기판 | |
US6291932B1 (en) | Stacked piezoelectric element and producing method therefor | |
TWI544507B (zh) | 嵌入式多層陶瓷電子組件及具有該電子組件的印刷電路板 | |
WO2015198942A1 (ja) | 静電チャック | |
JP2012028458A (ja) | セラミック電子部品 | |
KR20140145831A (ko) | 적층 세라믹 커패시터 및 그 실장 기판 | |
CN114496567A (zh) | 电子组件 | |
US9887040B2 (en) | Multilayer electronic component and board having the same | |
JPH11233848A (ja) | 圧電基板、その製造方法および圧電素子 | |
KR20180008832A (ko) | 적층 세라믹 커패시터 및 그 실장 기판 | |
EP3457434B1 (en) | Method for producing a semiconductor substrate for a power semiconductor module arrangement | |
JP3867823B2 (ja) | 積層圧電素子の製造方法 | |
JP2004111769A (ja) | 電子部品搭載用基板 | |
JP2000340716A (ja) | 配線基板 | |
JP3659309B2 (ja) | 圧電トランス | |
JP4986486B2 (ja) | 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置 | |
JP2907153B2 (ja) | 圧電トランスおよびその製造方法 | |
KR20180008821A (ko) | 적층 세라믹 커패시터 및 그 실장 기판 | |
JP3080033B2 (ja) | 積層型圧電トランス | |
JPH11261121A (ja) | 積層圧電素子 | |
JP2002015944A (ja) | セラミックコンデンサ | |
JP2738601B2 (ja) | セラミック配線基板の製造方法 | |
WO2021085181A1 (ja) | 積層基板、電子部品モジュール、および、積層基板の製造方法 | |
JPH11233847A (ja) | 電気−機械エネルギー変換素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080227 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080625 |