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JPH11222575A - 塗料組成物及び塗装鋼板 - Google Patents

塗料組成物及び塗装鋼板

Info

Publication number
JPH11222575A
JPH11222575A JP2629698A JP2629698A JPH11222575A JP H11222575 A JPH11222575 A JP H11222575A JP 2629698 A JP2629698 A JP 2629698A JP 2629698 A JP2629698 A JP 2629698A JP H11222575 A JPH11222575 A JP H11222575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
glass transition
steel sheet
transition temperature
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2629698A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Tanaka
正一 田中
Takashi Nakano
多佳士 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2629698A priority Critical patent/JPH11222575A/ja
Publication of JPH11222575A publication Critical patent/JPH11222575A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロメート防錆顔料を使用しなくても、耐食
性、加工性及び耐酸性の優れたプレコート鋼板を得るこ
とができる塗料組成物を得る。 【構成】 (A)ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、かつガラス転
移温度が10〜100℃、数平均分子量が2,000〜
25,000である水酸基含有樹脂65〜95重量部及
び(B)アミノアルデヒド樹脂及びブロック化ポリイソ
シアネート化合物から選ばれる硬化剤5〜35重量部、
からなる皮膜形成性樹脂成分の合計量100重量部に対
して、(C)カルシウムイオン交換された非晶質シリカ
微粒子30〜100重量部を含有する塗料であって、か
つ該塗料の硬化塗膜のガラス転移温度が40〜115℃
である塗料組成物、及び各種鋼板上に、上記の塗料組成
物による下塗塗膜上にガラス転移温度が20〜80℃の
上塗塗膜が設けられた塗装鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸性、耐食性及
び加工性に優れた塗装鋼板を得るのに適した鋼板用塗料
組成物及びこの塗料組成物の硬化塗膜の上に上塗塗膜が
設けられた塗装鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
家電製品における塗装は、鋼板を成型後、家電メーカー
側で塗装する、いわゆるポストコートが多く行われてい
たが、塗装焼付時における溶剤蒸気、ホルマリンなどの
揮散により、作業環境の悪化、地球環境とりわけ大気の
汚染に悪影響を及ぼしている。
【0003】そこで、近年、作業環境、地球環境への悪
影響をなくすため、また家電メーカー側での塗装による
煩雑さをなくすため、鋼板を鋼板メーカー側でコイルコ
ーティング法、シートコーティング法などにより塗装し
クローズドシステムにて焼付けて塗装鋼板(以下、「プ
レコート鋼板」と略称することがある)を得、この塗装
鋼板を家電メーカーで成型加工する、いわゆるプレコー
ト法が採用されてきている。
【0004】またプレコート鋼板において、上塗塗膜の
ガラス転移温度(以下、「Tg」と略すことがある)は
通常、20〜80℃の範囲であり、特に加工時にプレス
成型などの厳しい加工が行われる場合には加工性に優れ
たものとする必要があり、上塗塗膜のTgは一般に20
〜65℃程度と低いものが使用されている。
【0005】プレコート鋼板においては、上記加工部に
おける耐食性や塗膜表面に傷が付いた場合の傷部の耐食
性が非常に重要である。これらの耐食性を満足させるた
め、一般に塗料の樹脂組成の改良、クロメート防錆顔料
量の増大などの対策が取られている。しかしながら、樹
脂組成の改良だけでは十分な耐食性を得ることはできて
おらず、またクロメート防錆顔料は、6価クロムを発生
するため安全衛生上の問題を有する。
【0006】さらにプレコート鋼板は、エアコン室外機
などの室外用途に使用される場合も増えており、室外で
は酸性雨の問題から耐酸性を要求されることが多くなっ
てきている。しかしながらプレコート鋼板は上記の如
く、一般に、下塗塗膜は溶出しやすいクロメート防錆顔
料の濃度が高く、また上塗塗膜のTgは一般的に低く、
さらに合計塗装膜厚が薄いので、プレコート鋼板がpH
の低い酸性液と接触した場合、塗膜内を酸性液が容易に
透過し、鋼板表面を溶解させブリスタを生じやすく耐酸
性が悪いという問題があった。
【0007】そこで本発明者らは、これらの問題点を解
決し、クロメート防錆顔料を使用しなくても、加工部や
傷部における耐食性、加工性及び耐酸性の優れたプレコ
ート鋼板を得ることができる塗料組成物を開発するため
鋭意検討を行った結果、カルシウムイオン交換されたシ
リカ微粒子を、特定の皮膜形成性樹脂成分と組合せた塗
料を使用することによって上記目的を達成できることを
見出し本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる
少なくとも1種の樹脂であって、かつガラス転移温度が
10〜100℃で、数平均分子量が2,000〜25,
000である水酸基含有樹脂65〜95重量部及び
(B)アミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化
合物から選ばれる少なくとも一種の硬化剤5〜35重量
部からなる皮膜形成性樹脂成分の合計量100重量部に
対して、(C)カルシウムイオン交換された非晶質シリ
カ微粒子30〜100重量部を含有する塗料であって、
かつ該塗料を加熱硬化させて得られる硬化塗膜のガラス
転移温度が40〜115℃であることを特徴とする塗料
組成物を提供するものである。
【0009】また、本発明は、化成処理されていてもよ
い、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板又はアルミニ
ウムメッキ鋼板上に、請求項1記載の塗料組成物による
下塗塗膜が設けられており、該下塗塗膜上にガラス転移
温度が20〜80℃の上塗塗膜が設けられていることを
特徴とする塗装鋼板を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の塗料組成物の各成分につ
いて、以下に詳細に説明する。
【0011】水酸基含有樹脂(A) 本発明組成物の(A)成分である水酸基含有樹脂として
は、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれるも
のであって、ガラス転移温度が10〜100℃、好まし
くは25〜90℃で、数平均分子量が2,000〜2
5,000、好ましくは3,000〜20,000の水
酸基含有樹脂であり、好ましくは、水酸基価2〜100
mgKOH/gを有する。本発明において、ガラス転移
温度(Tg)は、示差走査熱分析(DSC)測定による
ものである。
【0012】水酸基含有樹脂(A)の一つである上記ポ
リエステル樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂
であり、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキ
ド樹脂、また、これらの樹脂の変性物、例えばウレタン
変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂、エ
ポキシ変性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0013】上記オイルフリーポリエステル樹脂は、多
塩基酸成分と多価アルコール成分とのエステル化物から
なるものである。多塩基酸成分としては、例えば無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無
水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フ
マル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸など
から選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級
アルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じ
て安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸など
の一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセ
ントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上
の多塩基酸などが併用される。多価アルコール成分とし
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオー
ル、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必要
に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上
の多価アルコールを併用することができる。これらの多
価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して使
用することができる。また上記酸成分、アルコール成分
の一部をジメチロールプロピオン酸、オキシピバリン
酸、パラオキシ安息香酸など;これらの酸の低級アルキ
ルエステル;ε−カプロラクトンなどのラクトン類など
のオキシ酸成分に置き換えることもできる。これらの成
分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既知
の方法によって行うことができる。酸成分としては、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸の低級アル
キルエステル化物が特に好ましい。
【0014】アルキド樹脂は、上記オイルフリーポリエ
ステル樹脂の酸成分及びアルコール成分に加えて、油脂
肪酸をそれ自体既知の方法で反応せしめたものであっ
て、油脂肪酸としては、例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂
肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油
脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などを挙げ
ることができる。アルキド樹脂の油長は30%以下、特
に5〜20%程度のものが好ましい。
【0015】ウレタン変性ポリエステル樹脂としては、
上記オイルフリーポリエステル樹脂、又は上記オイルフ
リーポリエステル樹脂の製造の際に用いられる酸成分及
びアルコール成分を反応させて得られる低分子量のオイ
ルフリーポリエステル樹脂を、ポリイソシアネート化合
物とそれ自体既知の方法で反応せしめたものが挙げられ
る。また、ウレタン変性アルキド樹脂は、上記アルキド
樹脂、又は上記アルキド樹脂製造の際に用いられる各成
分を反応させて得られる低分子量のアルキド樹脂を、ポ
リイソシアネート化合物とそれ自体既知の方法で反応せ
しめたものが包含される。ウレタン変性ポリエステル樹
脂及びウレタン変性アルキド樹脂を製造する際に使用し
うるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、2,4,6−トリイソシアナトトルエンなどが挙
げられる。上記のウレタン変性樹脂は、一般に、ウレタ
ン変性樹脂を形成するポリイソシアネート化合物の量が
ウレタン変性樹脂に対して30重量%以下の量となる変
性度合のものを好適に使用することができる。
【0016】エポキシ変性ポリエステル樹脂としては、
上記ポリエステル樹脂の製造に使用する各成分から製造
したポリエステル樹脂を用い、この樹脂のカルボキシル
基とエポキシ基含有樹脂との反応生成物や、ポリエステ
ル樹脂中の水酸基とエポキシ樹脂中の水酸基とをポリイ
ソシアネート化合物を介して結合した生成物などの、ポ
リエステル樹脂とエポキシ樹脂との付加、縮合、グラフ
トなどの反応による反応生成物を挙げることができる。
かかるエポキシ変性ポリエステル樹脂における変性の度
合は、一般に、エポキシ樹脂の量がエポキシ変性ポリエ
ステル樹脂に対して、0.1〜30重量%となる量であ
ることが好適である。
【0017】水酸基含有樹脂(A)の一つである上記エ
ポキシ樹脂は、水酸基を含有するエポキシ樹脂であり、
飽和脂肪族モノカルボン酸、二塩基酸、ダイマー酸など
の重合脂肪酸、イソシアネート化合物などの変性剤で変
性されたエポキシ樹脂も包含する。
【0018】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、及びこれら
の変性エポキシ樹脂が好適に使用される。変性エポキシ
樹脂の製造において、その変性時期は、限定されるもの
ではなく、エポキシ樹脂製造の際に変性しても、エポキ
シ樹脂製造後に変性してもよい。
【0019】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例
えば、エピハロヒドリン、ビスフェノール類および必要
に応じて飽和脂肪族モノカルボン酸、二塩基酸、重合脂
肪酸などの変性剤を常法に従い反応させて得ることがで
きる。原料として用いられる上記エピハロヒドリンとし
ては、特にエピクロルヒドリンが好ましい。また、ビス
フェノール類としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン[略称、ビスフェノールF]、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[略称、ビスフ
ェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン[略称、ビスフェノールB]、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−
ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロ
パン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オ
キシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス
(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノンなどを挙げることができる。
【0020】また、エポキシ樹脂として使用できるノボ
ラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフェノー
ルグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノボラッ
ク型エポキシ樹脂を挙げることができる。
【0021】硬化剤(B) 硬化剤(B)は、上記水酸基含有樹脂(A)と反応して
樹脂(A)を硬化させることができるものであり、アミ
ノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選
ばれる少なくとも1種である。
【0022】上記アミノ樹脂としては、メラミン、尿
素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログア
ナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミ
ノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロー
ル化アミノ樹脂が挙げられる。上記反応に用いられるア
ルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げ
られる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なア
ルコールによってエーテル化したものもアミノ樹脂とし
て使用できる。エーテル化に用いられるアルコールの例
としてはメチルアルコール、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタ
ノール、2−エチルヘキサノールなどが挙げられる。
【0023】上記アミノ樹脂のうち、メラミン樹脂が好
適であり、なかでもメチルエーテル化メラミン樹脂、メ
チルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラ
ミン樹脂、又はメチルエーテル化メラミン樹脂もしくは
上記混合エーテル化メラミン樹脂を60重量%以上含有
しブチルエーテル化メラミン樹脂を40重量%以下含有
する混合メラミン樹脂であることが好ましい。
【0024】上記メラミン樹脂の具体例としては、例え
ばサイメル300、同303、同325、同327、同
350、同730、同736、同738[以上、いずれ
も三井サイテック(株)製]、メラン522、同523
[以上、いずれも日立化成(株)製]、ニカラックMS
001、同MX430、同MX650[以上、いずれも
三和ケミカル(株)製]、スミマールM−55、同M−
100、同M−40S[以上、いずれも住友化学(株)
製]、レジミン740、同747[以上、いずれもモン
サント社製]などのメチルエーテル化メラミン樹脂;ユ
ーバン20SE、同225[以上、いずれも三井東圧
(株)製]、スーパーベッカミンJ820−60、同L
−117−60、同L−109−65、同47−508
−60、同L−118−60、同G821−60[以
上、いずれも大日本インキ化学工業(株)製]などのブ
チルエーテル化メラミン樹脂;サイメル232、同26
6、同XV−514、同1130[以上、いずれも三井
サイテック(株)製]、ニカラックMX500、同MX
600、同MS35、同MS95[以上、いずれも三和
ケミカル(株)製]、レジミン753、同755[以
上、いずれもモンサント社製]、スミマールM−66B
[住友化学(株)製]などのメチルエーテルとブチルエ
ーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げるこ
とができる。これらのメラミン樹脂は1種で又は2種以
上の混合物として使用することができる。
【0025】前記ブロック化ポリイソシアネート化合物
は、ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネー
ト基をブロック化剤によってブロック化してなる化合物
である。
【0026】上記ブロック化する前のポリイソシアネー
ト化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ートもしくはトリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
トの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレ
ンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネー
トの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイ
ソシアネートもしくは4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類の如き有
機ジイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ジ
イソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステ
ル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き
各有機ジイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソ
シアネート・ビウレット体等が挙げられる。
【0027】イソシアネート基をブロックするブロック
化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレ
ノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−
バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラ
クタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−
又はi−プロピルアルコール、n−,i−又はt−ブチ
ルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミド
キシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエ
チルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェ
ノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム
系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸
エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活
性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用すること
ができる。
【0028】上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロ
ック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソ
シアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロッ
クすることができる。
【0029】硬化剤(B)は、1種の架橋剤からなって
いてもよいし、2種以上の架橋剤の混合物であってもよ
い。
【0030】本発明組成物において、前記水酸基含有樹
脂(A)と前記硬化剤(B)との配合量は、(A)と
(B)との合計固形分100重量部中、水酸基含有樹脂
(A)が、65〜95重量部、好ましくは75〜92重
量部、硬化剤(B)が、35〜5重量部、好ましくは8
〜25重量部である。
【0031】カルシウムイオン交換された非晶質シリカ
微粒子(C) 本発明組成物において、(C)成分であるカルシウムイ
オン交換された非晶質シリカ微粒子(以下、「イオン交
換シリカ」と略称することがある)は、微細な多孔質の
シリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオンが導
入されたシリカ微粒子である。塗膜中に配合されたイオ
ン交換シリカは、塗膜を透過してきたH+ イオンとイオ
ン交換され、防錆種イオンであるカルシウムイオンCa
2+が放出されて金属表面を保護するものと考えられる。
イオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX
(シールデックス、登録商標)C303、同AC−3、
同C−5(以上、いずれもW.R.Grace & C
o.社製)などを挙げることができる。
【0032】本発明組成物において、イオン交換シリカ
(C)の配合量は、前記水酸基含有樹脂(A)と前記硬
化剤(B)との合計固形分100重量部に対して、30
〜100重量部、好ましくは40〜70重量部の範囲内
である。
【0033】本発明の塗料組成物は、水酸基含有樹脂
(A)、硬化剤(B)及びイオン交換シリカ(C)から
実質的になることができるが、通常、有機溶剤が配合さ
れ、さらに必要に応じて、硬化触媒、チタン白などの顔
料類;塗料用としてそれ自体既知の消泡剤、塗面調整
剤、沈降防止剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0034】上記有機溶剤は、本発明組成物の塗装性の
改善などのために必要に応じて配合されるものであり、
水酸基含有樹脂(A)及び硬化剤(B)を溶解ないし分
散できるものが使用でき、具体的には、例えば、トルエ
ン、キシレン、高沸点石油系炭化水素などの炭化水素系
溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤、酢
酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテートなどのエステル系溶剤、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの
アルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアル
コール系溶剤などを挙げることができ、これらは単独
で、あるいは2種以上を混合して使用することができ
る。
【0035】前記硬化触媒は、水酸基含有樹脂(A)と
硬化剤(B)との反応を促進するために必要に応じて配
合されるものであり、硬化剤(B)の種類などに応じて
適宜選択して使用される。
【0036】硬化剤(B)がメラミン樹脂、特に低分子
量の、メチルエーテル化またはメチルエーテルとブチル
エーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を含有する場
合には、硬化触媒としてスルホン酸化合物又はスルホン
酸化合物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン
酸化合物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスル
ホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げる
ことができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけ
るアミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミ
ンのいずれであってもよい。これらのうち、塗料の安定
性、反応促進効果、得られる塗膜の物性などの点から、
p−トルエンスルホン酸のアミン中和物及び/又はドデ
シルベンゼンスルホン酸のアミン中和物が好適である。
【0037】硬化剤(B)がブロック化ポリイソシアネ
ート化合物である場合には、架橋剤であるブロック化ポ
リイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する
硬化触媒が好適であり、好適な硬化触媒として、例え
ば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノ
エート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエー
ト)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを
挙げることができる。
【0038】これらの硬化触媒は、配合する場合、通
常、水酸基含有樹脂(A)と硬化剤(B)とからなる皮
膜形成性樹脂成分の合計量100重量部に対して、通
常、0.1〜2.0重量部の範囲で配合する。硬化触媒
量は、硬化触媒がスルホン酸化合物又はスルホン酸化合
物のアミン中和物である場合には、スルホン酸量に換算
した量を意味し、硬化触媒が有機金属触媒の場合には、
固形分量を意味する。
【0039】本発明組成物は、本発明組成物から得られ
る硬化塗膜のガラス転移温度が40〜115℃、好まし
くは50〜105℃であることが塗膜の耐酸性、耐食性
及び加工性などの点から好適である。塗膜のガラス転移
温度は、DINAMIC VISCOELASTOME
TER MODEL VIBRON(ダイナミックビス
コエラストメータ モデルバイブロン) DDV−II
EA型(東洋ボールドウィン社製、自動動的粘弾性測
定機)を用いて周波数110Hzにおける温度分散測定
によるtanδの変化から求めた極大値の温度である。
【0040】次に本発明組成物を用いた塗装鋼板につい
て説明する。
【0041】本発明組成物は、例えば、鋼板用下塗塗料
として使用できるが、被塗物である鋼板としては、冷延
鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛
合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス
鋼板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板など、及びこれらの
鋼板に燐酸塩処理やクロム酸塩処理などの化成処理を施
した鋼板を挙げることができ、なかでも化成処理され
た、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウ
ムメッキ鋼板が好ましい。
【0042】本発明組成物は、上記鋼板上に、ロールコ
ート法、スプレー法、刷毛塗り法、浸漬法などの公知の
方法により塗装することができる。本発明組成物から得
られる塗膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、
通常2〜10μm好ましくは3〜6μmの範囲で使用さ
れる。塗膜の乾燥は、使用する樹脂の種類などに応じて
適宜設定すればよいが、コイルコーティング法などによ
って塗装したものを連続的に焼付ける場合には、通常、
素材到達最高温度が160〜250℃、好ましくは18
0〜230℃となる条件で15〜60秒間焼付けられ
る。バッチ式で焼付ける場合には、80〜140℃で1
0〜30分間焼付けることによっても行うことができ
る。
【0043】本発明の塗装鋼板は、化成処理されていて
もよい、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アルミ
ニウムメッキ鋼板上に、上記本発明下塗塗料組成物によ
る下塗塗膜が設けられており、該下塗塗膜上にTgが2
0〜80℃、好ましくは30〜65℃の上塗塗膜が設け
られたものである。下塗塗膜の膜厚は、通常、2〜10
μm、好ましくは3〜6μmであり、上塗塗膜の膜厚
は、通常、8〜30μm、好ましくは10〜25μmで
ある。
【0044】この塗装鋼板は、本発明の下塗塗料をロー
ルコート法により塗装し、焼付けた後、上塗塗料をロー
ルコート法により塗装し、焼付けることによって好適に
得ることができる。上記上塗塗膜を形成する上塗塗料と
しては、例えばプレコート鋼板用として公知の、ポリエ
ステル樹脂系、アルキド樹脂系、シリコン変性ポリエス
テル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、フッ素樹脂
系などの上塗塗料を挙げることができる。加工性が特に
重視される場合には高度加工用のポリエステル系上塗塗
料を使用することによって加工性の特に優れた塗装鋼板
を得ることができる。本発明の塗装鋼板は、耐酸性、耐
食性及び加工性に優れた塗膜性能を示すことができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお「部」及び「%」は、いずれも重量基準
によるものとする。
【0046】実施例1 30%バイロンEP−2940[東洋紡(株)製、固形
分30%のエポキシ変性ポリエステル樹脂溶液、樹脂の
数平均分子量は約10000、ガラス転移温度は約72
℃]を250部(固形分量で75部)、シールデックス
C303(W.R.Grace & Co.社製、カル
シウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子、平均粒子
径約3μm)35部、チタン白30部及び混合溶剤[ソ
ルベッソ150(エッソ石油社製、芳香族炭化水素系溶
剤)とシクロヘキサノンとの1/1(重量基準)混合溶
剤]の適当量を混合し、ツブ(顔料粗粒子の粒子径)が
10ミクロン以下となるまで分散を行った。次いで、こ
の分散物にサイメル303[三井サイテック(株)製、
メチル化メラミン樹脂]25部及びネイキュア5225
(米国キング・インダストリー社製、ドデシルベンゼン
スルホン酸のアミン塩、有効成分 約25%)1.5部
を加えて均一に混合し、さらに上記混合溶剤を加えて粘
度約80秒(フォードカップ#4/25℃)に調整して
塗料組成物を得た。
【0047】実施例2〜7及び比較例1〜4 塗料配合組成を後記表1に示す組成とする以外は実施例
1と同様にして塗料組成物を得た。表1中における配合
量は重量部(固形分量または有効成分量)にて表示す
る。
【0048】表1における(註)は下記のとおりであ
る。
【0049】(注1)40%バイロンGK−78CS:
東洋紡(株)製、固形分40%のポリエステル樹脂溶
液、樹脂の数平均分子量は約10,000、ガラス転移
温度は約40℃。 (注2)40%バイロン29CS:東洋紡(株)製、固
形分30%のポリエステル樹脂溶液、樹脂の数平均分子
量は約20,000、ガラス転移温度は約72℃。 (注3)50%バイロン59CS:東洋紡(株)製、固
形分50%のポリエステル樹脂溶液、樹脂の数平均分子
量は約6,000、ガラス転移温度は約15℃。 (注4)40%スーパーベッコライトTF−787:大
日本インキ化学工業(株)製、固形分40%のポリエス
テル樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約2,0000、
ガラス転移温度は約−3℃。
【0050】(注5)40%エポキー820 40C
X:三井化学(株)製、固形分40%のウレタン変性エ
ポキシ樹脂溶液、樹脂の数平均分子量は約6,000、
ガラス転移温度は約64℃。 (注6)40%エピコート1010:油化シェルエポキ
シ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂溶液、樹
脂の数平均分子量は約5,500、ガラス転移温度は約
70℃。
【0051】(注7)コロネート2507:日本ポリウ
レタン(株)製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイ
ソシアヌレートのブロック体、固形分約80%。 (注8)タケネートTK−1:武田薬品(株)製、有機
錫系ブロック剤解離触媒、固形分約10%。
【0052】実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた
塗料組成物から得られる硬化塗膜のガラス転移温度を下
記方法により測定した。また、上記実施例及び比較例で
得られた各塗料組成物について塗膜性能試験を行った。
これらの結果を後記表1に示す。
【0053】硬化塗膜のガラス転移温度 ブリキ板に、上記各例の塗料組成物を乾燥膜厚が約15
μmになるように塗装し、ブリキ板の最高到達温度が2
20℃となるように30秒間焼付けて硬化させた。この
硬化塗膜を水銀アマルガム法によりブリキ板から剥離し
て、フリー塗膜を得た。このフリー塗膜を所定の大きさ
に切断し、3枚重ねにして、DINAMIC VISC
OELASTOMETER MODEL VIBRON
(ダイナミックビスコエラストメータ モデルバイブロ
ン) DDV−II EA型(東洋ボールドウィン社
製、自動動的粘弾性測定機)を用いて周波数110Hz
における温度分散測定によるtanδの変化から求めた
極大値の温度である。
【0054】塗膜性能試験 クロメート処理してなる厚さ0.4mmの溶融亜鉛メッ
キ鋼板(亜鉛目付量60g/m2 )に、前記実施例1〜
7及び比較例1〜4で得た各塗料組成物を乾燥膜厚が5
ミクロンとなるようにバーコータにて塗装し、素材到達
最高温度が220℃となるように40秒間焼付けて下塗
塗膜を得た。次いでこれらの各下塗塗膜上に、アレステ
ックAT2000ホワイト[関西ペイント(株)製、高
度加工用ポリエステル樹脂系上塗塗料、白色、硬化塗膜
のガラス転移温度は約31℃]をバーコータにて膜厚が
約18ミクロンとなるように塗装し、素材到達最高温度
が230℃となる条件にて60秒間焼付けて塗装板を得
た。この塗装板を下記の各種塗膜性能試験に供し、表面
の総合塗膜の評価を行った。試験結果を後記表1に示
す。
【0055】加工性:塗装板を70×150mmの大き
さに切断し、20℃の室温において、塗装板の表面を外
側にして上記塗装板を万力にて180度折曲げて、折曲
げ部分にワレが発生しなくなる最小のT数を表示した。
T数とは、折曲げ加工を行う際に、折曲げ部分の内側に
挟む塗装板と同じ厚さの板の枚数を意味し、T数が小さ
いほど加工性が良好であることを示す。折曲げ部分の内
側に何も挟まずに180度折曲げを行った場合を0T,
塗装板と同じ厚さの板を1枚挟んで折曲げた場合を1
T、2枚の場合を2T、3枚の場合を3Tとする。
【0056】耐食性:塗装板を70×150mmの大き
さに切断した後、裏面及び切断面を防錆塗料にてシール
した。次いで、この塗装板のほぼ中央部に素地に到達す
るクロスカットを入れ、塗装板の端から約1cmの箇所
に1T折り曲げ加工を行ったものを試験板とし、この試
験板をJIS Z−2371に準じて塩水噴霧試験に供
した。塩水噴霧試験時間を700時間とし、加工部につ
いては錆の発生程度を、クロスカット部については平均
のフクレ幅を、目視により下記基準にて評価した。
【0057】加工部における錆の発生程度 ◎:加工部に錆の発生が認められない、 ○:錆の発生程度が加工部の長さの10%未満であるが
認められる、 △:錆の発生程度が加工部の長さの10%以上、30%
未満である、 ×:錆の発生程度が加工部の長さの30%以上である、クロスカット部の平均のフクレ幅 ◎:クロスカット部にフクレが認められない、 ○:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm未満で
ある、 △:カット傷からの片側の平均フクレ幅が1mm以上で
5mm未満である、 ×:カット傷からの片側の平均フクレ幅が5mm以上で
ある。
【0058】耐酸性:塗装板を70×150mmの大き
さに切断し、裏面及び切断面を粘着テープでシールし、
濃度3%の硫酸水溶液に浸漬した後の塗膜のフクレ面積
%を調べた。浸漬条件は、液温20℃で200時間とし
た。 ◎:塗膜にフクレの発生が認められない、 ○:塗膜フクレ面積が10%未満である、 △:塗膜フクレ面積が10%以上で50%未満である、 ×:塗膜フクレ面積が50%以上である。
【0059】実施例8〜10 下塗塗料として実施例2の塗料を用い、素材として、ク
ロメート処理してなる厚さ0.4mmの溶融亜鉛メッキ
鋼板のかわりに、それぞれ下記の素材を使用する以外
は、実施例2の場合と同様に塗装板を作成をし上記と同
様に各種塗膜性能試験に供した。これらの試験結果を下
記表1に示す。
【0060】実施例8〜10で使用した素材種は、以下
のとおりである。
【0061】実施例8においては厚さ0.4mmのクロ
メート処理された亜鉛−アルミニウム合金メッキ(メッ
キ中のアルミニウム含有量約5%)鋼板[表1中におい
て「Zn−5%Al」と略記する]、実施例9において
は厚さ0.4mmのクロメート処理された亜鉛−アルミ
ニウム合金メッキ(メッキ中のアルミニウム含有量約5
5%)鋼板[表1中において「Zn−55%Al」と略
記する]、実施例10においては厚さ0.4mmのクロ
メート処理されたアルミニウムメッキ鋼板[表1中にお
いて「Al鋼板」と略記する]をそれぞれ使用した。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、耐食性、加工性
及び耐酸性に優れた塗膜を形成できるので下塗塗料組成
物として好適に使用できる。本発明の塗料組成物は、防
錆顔料としてクロメート系顔料を使用しなくてもよいの
で、6価クロムによる問題を解決でき安全衛生上有利で
ある。
【0064】本発明塗料組成物からの下塗塗膜上に上塗
り塗膜を形成した塗装鋼板は、耐食性、加工性及び耐酸
性に優れた塗膜を形成することができるものであり、本
発明塗料組成物は、プレコート塗装鋼板用の下塗塗料と
して好適に使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリエステル樹脂及びエポキシ樹
    脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であって、かつガ
    ラス転移温度が10〜100℃で、数平均分子量が2,
    000〜25,000である水酸基含有樹脂65〜95
    重量部及び (B)アミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化
    合物から選ばれる少なくとも一種の硬化剤5〜35重量
    部からなる皮膜形成性樹脂成分の合計量100重量部に
    対して、 (C)カルシウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子
    30〜100重量部を含有する塗料であって、かつ該塗
    料を加熱硬化させて得られる硬化塗膜のガラス転移温度
    が40〜115℃であることを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 水酸基含有樹脂(A)がポリエステル樹
    脂である塗料であって、該塗料を加熱硬化させて得られ
    る硬化塗膜のガラス転移温度が40〜80℃であること
    を特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 水酸基含有樹脂(A)がエポキシ樹脂で
    ある塗料であって、該塗料を加熱硬化させて得られる硬
    化塗膜のガラス転移温度が70〜115℃であることを
    特徴とする請求項1記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 化成処理されていてもよい、亜鉛メッキ
    鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板又はアルミニウムメッキ鋼板
    上に、請求項1記載の塗料組成物による下塗塗膜が設け
    られており、該下塗塗膜上にガラス転移温度が20〜8
    0℃の上塗塗膜が設けられていることを特徴とする塗装
    鋼板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181574A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及びこの組成物を用いた塗装金属板
JP2002038082A (ja) * 2000-07-28 2002-02-06 Dainippon Ink & Chem Inc 塗料組成物及び塗装金属板
CN108300223A (zh) * 2016-09-12 2018-07-20 国网辽宁省电力有限公司锦州供电公司 一种适合海洋性气候电力钢铁结构防腐漆及其制备方法

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