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JPH11218602A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

Info

Publication number
JPH11218602A
JPH11218602A JP3664598A JP3664598A JPH11218602A JP H11218602 A JPH11218602 A JP H11218602A JP 3664598 A JP3664598 A JP 3664598A JP 3664598 A JP3664598 A JP 3664598A JP H11218602 A JPH11218602 A JP H11218602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic lens
hydroxyphenyl
ultraviolet absorber
benzotriazole
resin material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3664598A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Murata
直樹 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP3664598A priority Critical patent/JPH11218602A/ja
Publication of JPH11218602A publication Critical patent/JPH11218602A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線吸収剤の影響によるレンズの黄色化、屈
折率の変化等がなく、さらにレンズの機械的強度が低下
しないプラスチックレンズを提供する。 【解決手段】本発明のプラスチックレンズは主としてウ
レタン樹脂を含む樹脂材料と、極大吸収波長が相異なる
紫外線吸収剤を少なくとも2種類とを含有するプラスチ
ックレンズ用組成物を用いて製造される。紫外線吸収剤
は、クロロホルム溶液中における極大吸収波長が345
nm未満である紫外線吸収剤(A)と、前記極大吸収波長
が345nm以上である紫外線吸収剤(B)とを含むこと
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はプラスチックレン
ズ、特に紫外線吸収能を有するウレタン樹脂からなるプ
ラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、ガラスレンズに
比べ軽量で割れにくく、染色が可能であり、精密成形が
容易である等の点から、近年眼鏡レンズ、カメラレン
ズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、プリズム
等の光学用レンズ製品に急速に普及してきている。なか
でも、ウレタン樹脂は光学歪みが小さく、透明性や耐衝
撃性に優れるため安全性が高く、眼鏡用レンズ等として
用いられてきた。
【0003】さらに、このようなプラスチックレンズに
紫外線吸収能を付与し、紫外線による障害から目等を保
護するものが提案されている。しかしながら、紫外線吸
収能を付与するために、レンズ用樹脂材料自体に紫外線
吸収能を有するものを使用したり、プラスチックレンズ
の表面を紫外線吸収層でコーティングすることが行われ
ていた。
【0004】しかし、これらの方法ではレンズ用樹脂材
料や紫外線吸収剤自体の色(黄色)により、レンズが黄
色化したり、屈折率が変化したり、またかかる黄色化を
調整するために添加される補色剤により、レンズの機械
的強度が低下する等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紫外
線吸収剤の影響によるレンズの黄色化、屈折率の変化等
がなく、さらにレンズの機械的強度の低下のないプラス
チックレンズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(17)の本発明により達成される。
【0007】(1) 主としてウレタン樹脂材料を含む
樹脂材料と、極大吸収波長が相異なる紫外線吸収剤を少
なくとも2種類とを含有するプラスチックレンズ用組成
物を用いて製造することを特徴とするプラスチックレン
ズ。
【0008】(2) 前記樹脂材料100wt%に対する
前記紫外線吸収剤の総添加量が0.02〜1.8wt%で
ある上記(1)に記載のプラスチックレンズ。
【0009】(3) 前記紫外線吸収剤はクロロホルム
溶液中における前記極大吸収波長が345nm未満である
紫外線吸収剤(A)と、前記極大吸収波長が345nm以
上である紫外線吸収剤(B)とを含む上記(1)または
(2)に記載のプラスチックレンズ。
【0010】(4) 前記紫外線吸収剤(A)は、2−
(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−オクチル−2
−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールからなる群
から選択された少なくとも1種である上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
【0011】(5) 前記紫外線吸収剤(B)は、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾールからなる群から選択された少なくと
も1種である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載
のプラスチックレンズ。
【0012】(6) 前記紫外線吸収剤(A)と前記紫
外線吸収剤(B)の添加量の比((B)/(A))が
0.001〜0.5である上記(3)ないし(5)のい
ずれかに記載のプラスチックレンズ。
【0013】(7) 前記樹脂材料はメルカプト基含有
化合物を含むものである上記(1)ないし(6)のいず
れかに記載のプラスチックレンズ。
【0014】(8) 前記プラスチックレンズ用組成物
はブルーイング剤を0.01〜10ppm含有する上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載のプラスチックレ
ンズ。
【0015】(9) 主としてプラスチックレンズを構
成する樹脂材料と、クロロホルム溶液中における極大吸
収波長が345nm未満の紫外線吸収剤(A)として、2
−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−オクチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールからなる
群から選択された少なくとも1種と、クロロホルム溶液
中における極大吸収波長が345nm以上の紫外線吸収剤
(B)として、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,
5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールからなる群から
選択された少なくとも1種とを含有するプラスチックレ
ンズ用組成物を用いて製造されることを特徴とするプラ
スチックレンズ。
【0016】(10) 前記紫外線吸収剤の総添加量は前
記樹脂材料100wt%に対し0.02〜1.8wt%であ
る上記(9)に記載のプラスチックレンズ。
【0017】(11) 前記紫外線吸収剤(A)と前記紫
外線吸収剤(B)との比((B)/(A))が0.00
1〜0.5である上記(9)または(10)に記載のプラ
スチックレンズ。
【0018】(12) 前記樹脂材料は主としてウレタン
樹脂からなるものである上記(9)ないし(11)のいず
れかに記載のプラスチックレンズ。
【0019】(13) 前記樹脂材料はメルカプト基含有
化合物を含む上記(12)に記載のプラスチックレンズ。
【0020】(14) 前記プラスチックレンズ用組成物
はブルーイング剤を0.01〜10ppm含有する上記
(9)ないし(13)のいずれかに記載のプラスチックン
ズ。
【0021】(15) 2mm厚における400nmの分光透
過率が10%以下である上記(1)ないし(14)のいず
れかに記載のプラスチックレンズ。
【0022】(16) 2mm厚における黄色度(YI値)
が1.5以下である上記(1)ないし(15)のいずれか
に記載のプラスチックレンズ。
【0023】(17) 前記プラスチックレンズは光学用
レンズである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載
のプラスチックレンズ。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラスチックレン
ズを詳細に説明する。
【0025】本発明のプラスチックレンズは、用途に応
じて適宜レンズ材料(樹脂材料)を選択することがで
き、例えばPMMA樹脂、ポリカーボネート、ポリウレ
タン、ポリスチレン、MS樹脂(メチルメタクリレート
−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−
スチレン共重合体)、CR−39(ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート)等を主とするものが挙げら
れる。
【0026】なかでもポリウレタン(ウレタン樹脂)
は、特に光学用レンズとしての用途において、レンズ製
品に要求される透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性が
良好でかつ表面硬度、機械的強度に優れた高屈折率のプ
ラスチックレンズを製造することができる。
【0027】本発明の樹脂材料は、イソシアネート基を
有する化合物とメルカプト基含有化合物とを含むものが
好ましい。これによりプラスチックレンズの屈折率を向
上させることができる。
【0028】メルカプト基含有化合物としては、他の樹
脂材料、プラスチックレンズ用組成物との相溶性がよい
ものであれば特に限定されず、例えば脂肪族チオール化
合物、脂環族チオール化合物、芳香族チオール化合物、
複素環含有チオール化合物等が挙げられ、これらを単独
または2以上組合わせて使用してもよい。
【0029】本発明のプラスチックレンズは、上記樹脂
材料と、極大吸収波長が相異なる紫外線吸収剤を少なく
とも2種類とを含有するプラスチックレンズ用組成物を
用いて製造されることを特徴とする。これにより、紫外
線吸収能を付与しつつ紫外線吸収剤自体の色によるレン
ズの黄色化を抑制することができる。
【0030】極大吸収波長が相異なる2種類の紫外線吸
収剤として、例えばクロロホルム溶液中における前記極
大吸収波長が345nm未満の紫外線吸収剤(A)と、前
記極大吸収波長が345nm以上の紫外線吸収剤(B)と
を含むことが好ましい。このような紫外線吸収剤(A)
および(B)とを組合わせて使用することにより、目に
有害な紫外線を効果的に吸収し、かつレンズの黄色化を
抑制することができる。
【0031】紫外線吸収剤(A)を単独で使用する場
合、紫外線吸収剤(B)と組合わせて使用する場合に比
べて、同等の紫外線吸収効果を得るためには添加量を増
やさざるを得ず、プラスチックレンズの屈折率の低下や
紫外線吸収剤のブリードアウト等のおそれがある。一
方、紫外線吸収剤(B)を単独で使用する場合、ウレタ
ン樹脂の黄色化が著しく、そのため多量のブルーイング
剤を添加する必要がある。多量のブルーイング剤を添加
すると、レンズの透明性、強度が著しく低下する等の問
題を生じる場合がある。
【0032】したがって、本発明のように紫外線吸収剤
(A)と(B)とを組合わせることにより、上記のよう
な問題を生じるおそれがない。
【0033】本発明において使用し得る紫外線吸収剤
(A)としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−t−ブチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(5−t−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
トリアゾールからなる群から選択された少なくとも1種
であることが好ましく、紫外線吸収剤(B)としては、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ア
ミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールからなる群から選択された少な
くとも1種であることが好ましい。
【0034】これらの各化合物はプラスチック樹脂組成
物、特にウレタン樹脂組成物との相溶性が極めて良く、
重合時またはレンズの使用時に紫外線吸収剤がブリード
アウトを生じて性能の劣化や変質するおそれがない。さ
らに、プラスチックレンズの紫外線吸収能を効果的に付
与しつつ、レンズの黄色化の抑制に優れた効果を発揮す
る。
【0035】また、ウレタン樹脂からなるプラスチック
レンズの場合、紫外線吸収剤(A)および(B)として
各々先に列挙したもの同士を組合わせることが特に好ま
しい。これにより、ウレタン樹脂レンズの紫外線吸収能
をより効果的に付与しつつ、レンズの黄色化の抑制に極
めて顕著な効果を発揮する。さらにレンズの機械的強度
が低下することがない。
【0036】本発明において紫外線吸収剤の総添加量
は、樹脂材料100重量部に対して0.02〜1.8wt
%であることが好ましく、0.5〜1.5wt%がさらに
好ましい。紫外線吸収剤の添加量が0.02wt%未満で
あると十分な紫外線吸収効果が得られず、一方、1.8
wt%を超えるとレンズの黄色化や屈折率低下等の光学的
特性の変化を生じ、さらにレンズの機械的強度が低下す
るおそれがある。
【0037】紫外線吸収剤(A)と紫外線吸収剤(B)
との添加量の比((B)/(A))は0.001〜0.
5であることが好ましく、0.01〜0.1がさらに好
ましい。0.5を超える場合、レンズの著しい黄色化を
招く場合があり、一方、0.001よりも小さい場合、
紫外線吸収効果が十分に得られない場合がある。
【0038】なお、これらの各紫外線吸収剤の添加順
序、配合方法については特に限定されず、ウレタン樹脂
等の樹脂材料の重合過程のいずれかの段階において添加
してもよく、あるいは重合後に添加してもよい。また紫
外線吸収剤(A)および(B)は、両者を同時に添加し
てもよく、片方づつ逐次添加してもよい。
【0039】さらにプラスチックレンズ用組成物に補色
剤としてブルーイング剤を添加することが好ましい。こ
れにより例えば樹脂材料や紫外線吸収剤自体に基づくレ
ンズの僅かな黄色味をも解消することができる。
【0040】ブルーイング剤の添加量としては0.01
〜10ppmが好ましく、0.1〜1ppmがより好ましい。
添加量が少なすぎると黄色味の解消が十分でない場合が
あり、多すぎるとブルーイング剤の吸収が強くなり過ぎ
てレンズの透過率が悪くなるおそれがある。
【0041】ブルーイング剤としては、例えばウレタン
樹脂等の樹脂材料に適用可能なものであれば特に限定さ
れず、例えばアントラキノン系化合物、フタロシアニン
系化合物、モノアゾ系化合物、ジアゾ系化合物、トリア
リルメタン系化合物等が挙げられる。
【0042】以上のようなプラスチックレンズ用組成物
を用いて例えばキャスト重合、射出成形、押出成形等の
一般的な成形方法により所定の形状に成形し、本発明の
プラスチックレンズを製造することができる。
【0043】本発明のプラスチックレンズは、2mm厚に
おける400nmの分光透過率が10%以下が好ましく、
5%以下がさらに好ましい。これにより、紫外線、なか
でも生体組織に有害なUV−AおよびUV−Bを効果的
に吸収でき、安全性に優れたプラスチックレンズとする
ことができる。
【0044】また、本発明のプラスチックレンズは、2
mm厚における黄色度(YI値)が1.5以下であること
が好ましい。黄色度(YI値)が1.5を超える場合、
レンズが黄色味を帯びる場合がある。
【0045】このようなプラスチックレンズは光学用レ
ンズであることが好ましい。光学用レンズとしては、例
えば眼鏡用レンズ、コンタクトレンズ、フレネルレン
ズ、ロッドレンズ、レンチキュラーレンズ、fθレンズ
等が挙げられる。
【0046】以上、本発明のプラスチックレンズについ
て説明したが、本発明は、これらに限定されるものでは
なく、例えば、プラスチック用組成物に必要に応じて、
紫外線吸収剤の他、酸化防止剤、顔料、沈降防止剤、消
泡剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種の添加剤を添加して
製造されたプラスチックレンズであってもよい。
【0047】また、本発明のプラスチックレンズは、用
途等に応じて反射防止、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、
表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理等の化学的
処理あるいは物理的処理を施したものであってもよい。
【0048】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0049】1.プラスチックレンズの作製 (実施例1)
【0050】下記の樹脂材料、紫外線吸収剤、添加剤
(補色剤)を含むプラスチックレンズ用組成物から、2
mm厚の度無しのウレタン樹脂製プラスチックレンズを作
製した。
【0051】 <樹脂材料> m−キシリレンジイソシアネート :43.5wt% ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート) :56.5wt%
【0052】 <紫外線吸収剤> 紫外線吸収剤(A) : 1.0wt% 2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール (λmax:340nm)
【0053】 紫外線吸収剤(B) :0.05wt% 2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール (λmax:345nm) ((B)/(A)=0.05)
【0054】<添加剤> ブルーイング剤:三菱化学(株)「ダイアレジン ブル
ーD」:0.6ppm
【0055】上記樹脂材料100重量部と、触媒として
ジブチルチンジクロライド0.02重量部とを混合しモ
ノマー混合液を調製した。
【0056】このモノマー混合液に、上記紫外線吸収剤
とブルーイング剤とを添加し、均一になるように混合し
た。
【0057】次いで、この混合溶液を脱気した後、型に
注入し熱重合を行ってレンズの成形品を得た。各構成材
料および各組成を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】(実施例2)紫外線吸収剤(A)を代えた
以外は実施例1と同様にしてプラスチックレンズを作製
した。各構成材料および各組成を表1に示す。
【0060】(実施例3)樹脂材料を代えた以外は実施
例1と同様にしてプラスチックレンズを作製した。各構
成材料および各組成を表1に示す。
【0061】(実施例4)紫外線吸収剤(A)を代えた
以外は実施例3と同様にしてプラスチックレンズを作製
した。各構成材料および各組成を表1に示す。
【0062】(実施例5)紫外線吸収剤(A)および
(B)の添加量を変えた以外は実施例1と同様にしてプ
ラスチックレンズを作製した。
【0063】(実施例6)紫外線吸収剤(A)および
(B)の添加量を変えた以外は実施例3と同様にしてプ
ラスチックレンズを作製した。
【0064】(比較例)下記の構成材料を含むプラスチ
ックレンズ用組成物から、2mm厚の度無しのポリカーボ
ネート樹脂製プラスチックレンズを作製した。
【0065】 <樹脂材料> ポリカーボネート樹脂粉末: :100wt%
【0066】 <紫外線吸収剤> 紫外線吸収剤(A) :0.33wt% 2−2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール (λmax:340nm)
【0067】 紫外線吸収剤(B) :0.02wt% 2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル−5−クロロベン ゾトリアゾール(λmax:353nm) ((B)/(A)=0.06)
【0068】<添加剤> ブルーイング剤:三菱化学(株)「ダイアレジン ブル
ーD」:0.6ppm
【0069】上記ポリカーボネート樹脂粉末、紫外線吸
収剤(A)および(B)、ブルーイング剤とを混合し、
射出成形によりレンズの成形品を得た。各構成材料およ
び各組成を表1に示す。
【0070】2.プラスチックレンズの性能評価 上記実施例1〜6および比較例の各プラスチックレンズ
について下記の性能評価を行った。
【0071】 黄色度(YI値) JIS K7200に準拠して測定を行った。その測定
値を以下のように3段階で評価した。
【0072】YI値が1.5以下 ・・○ YI値が1.5〜2.0・・△ YI値が2.0以上 ・・×
【0073】 紫外線吸収能 分光高度計U−3200(日立製作所(株)製)を用い
て、400nmにおける分光透過率を測定した。
【0074】屈折率 アツベ屈折計を用いて589.3nmのD線の屈折率を2
0℃において測定した。
【0075】さらに、紫外線吸収剤を添加したプラスチ
ックレンズの屈折率と、紫外線吸収剤を含有しない以
外、同じ条件で作製した各プラスチックレンズ(2mm厚
度無しレンズ)の屈折率とを比較し、両者の間に変化が
ないものを○、変化したものを×とした。
【0076】機械的強度 実施例1〜6および比較例で作製したプラスチックレン
ズの機械的強度と、実施例1〜6および比較例各々の樹
脂材料のみからなるプラスチックレンズ(2mm厚度無し
レンズ)の機械的強度とを比較し、実施例1〜6および
比較例で作製したプラスチックレンズが、樹脂材料のみ
からなるプラスチックレンズに比べて機械的強度が小さ
い場合を×、機械的強度に差がない場合を○とした。
【0077】なお、機械的強度の比較は、シャルピー衝
撃試験(JIS K7111)により行った。これらの
結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】以上の結果から、実施例1〜6のプラスチ
ックレンズは優れた紫外線吸収能を発揮しつつ、レンズ
の黄色化や機械的強度が低下せず、さらに高屈折率を維
持するものであった。
【0080】一方、比較例のプラスチックレンズは紫外
線(400nm)吸収能に劣るものであり、さらに紫外線
吸収剤によりレンズの機械的強度が低下した。
【0081】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のプラスチッ
クレンズは、優れた紫外線吸収能を発揮しつつ、紫外線
吸収剤によるレンズの黄色化がなく、さらに機械的強度
や高屈折率を維持しているため、安全で高精度な光学用
レンズとして幅広い用途に用いることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】<添加剤> ブルーイング剤:三菱化学(株)「ダイアレジン ブル
」:0.6ppm
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】<添加剤> ブルーイング剤:三菱化学(株)「ダイアレジン ブル
」:0.6ppm

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてウレタン樹脂材料を含む樹脂材
    料と、極大吸収波長が相異なる紫外線吸収剤を少なくと
    も2種類とを含有するプラスチックレンズ用組成物を用
    いて製造することを特徴とするプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 前記樹脂材料100wt%に対する前記紫
    外線吸収剤の総添加量が0.02〜1.8wt%である請
    求項1に記載のプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 前記紫外線吸収剤はクロロホルム溶液中
    における前記極大吸収波長が345nm未満である紫外線
    吸収剤(A)と、前記極大吸収波長が345nm以上であ
    る紫外線吸収剤(B)とを含む請求項1または2に記載
    のプラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 前記紫外線吸収剤(A)は、2−(5−
    メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
    ル、2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
    ベンゾトリアゾール、2−(5−t−オクチル−2−ヒ
    ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールからなる群から
    選択された少なくとも1種である請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のプラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】 前記紫外線吸収剤(B)は、2−(3,
    5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
    クロロベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5
    −メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベン
    ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−
    ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,
    5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾ
    トリアゾールからなる群から選択された少なくとも1種
    である請求項1ないし4のいずれかに記載のプラスチッ
    クレンズ。
  6. 【請求項6】 前記紫外線吸収剤(A)と前記紫外線吸
    収剤(B)の添加量の比((B)/(A))が0.00
    1〜0.5である請求項3ないし5のいずれかに記載の
    プラスチックレンズ。
  7. 【請求項7】 前記樹脂材料はメルカプト基含有化合物
    を含むものである請求項1ないし6のいずれかに記載の
    プラスチックレンズ。
  8. 【請求項8】 前記プラスチックレンズ用組成物はブル
    ーイング剤を0.01〜10ppm含有する請求項1ない
    し7のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
  9. 【請求項9】 主としてプラスチックレンズを構成する
    樹脂材料と、 クロロホルム溶液中における極大吸収波長が345nm未
    満の紫外線吸収剤(A)として、2−(5−メチル−2
    −ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5
    −t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
    ゾール、2−(5−t−オクチル−2−ヒドロキシフェ
    ニル)ベンゾトリアゾールからなる群から選択された少
    なくとも1種と、 クロロホルム溶液中における極大吸収波長が345nm以
    上の紫外線吸収剤(B)として、2−(3,5−ジ−t
    −ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベン
    ゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−
    2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
    ール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
    フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t
    −ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
    ルからなる群から選択された少なくとも1種とを含有す
    るプラスチックレンズ用組成物を用いて製造されること
    を特徴とするプラスチックレンズ。
  10. 【請求項10】 前記紫外線吸収剤の総添加量は前記樹
    脂材料100wt%に対し0.02〜1.8wt%である請
    求項9に記載のプラスチックレンズ。
  11. 【請求項11】 前記紫外線吸収剤(A)と前記紫外線
    吸収剤(B)との比((B)/(A))が0.001〜
    0.5である請求項9または10に記載のプラスチック
    レンズ。
  12. 【請求項12】 前記樹脂材料は主としてウレタン樹脂
    からなるものである請求項9ないし11のいずれかに記
    載のプラスチックレンズ。
  13. 【請求項13】 前記樹脂材料はメルカプト基含有化合
    物を含む請求項12に記載のプラスチックレンズ。
  14. 【請求項14】 前記プラスチックレンズ用組成物はブ
    ルーイング剤を0.01〜10ppm含有する請求項9な
    いし13のいずれかに記載のプラスチックンズ。
  15. 【請求項15】 2mm厚における400nmの分光透過率
    が10%以下である請求項1ないし14のいずれかに記
    載のプラスチックレンズ。
  16. 【請求項16】 2mm厚における黄色度(YI値)が
    1.5以下である請求項1ないし15のいずれかに記載
    のプラスチックレンズ。
  17. 【請求項17】 前記プラスチックレンズは光学用レン
    ズである請求項1ないし16のいずれかに記載のプラス
    チックレンズ。
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