[go: up one dir, main page]

JPH11209426A - オレフィンの重合法 - Google Patents

オレフィンの重合法

Info

Publication number
JPH11209426A
JPH11209426A JP1094498A JP1094498A JPH11209426A JP H11209426 A JPH11209426 A JP H11209426A JP 1094498 A JP1094498 A JP 1094498A JP 1094498 A JP1094498 A JP 1094498A JP H11209426 A JPH11209426 A JP H11209426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
hydrocarbon
bis
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1094498A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroharu Oda
弘治 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP1094498A priority Critical patent/JPH11209426A/ja
Publication of JPH11209426A publication Critical patent/JPH11209426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 50℃以上の高温で高い重合活性を有し、分
子量分布が狭く高分子量のポリマーを与える新規な触媒
系を用いたオレフィンの重合方法を提供する。 【解決手段】 (A)2価の周期律表第10族遷移金属
化合物と下記一般式[1]で表される化合物との反応生
成物、並びに(B)有機アルミニウムオキシ化合物、有
機アルミニウム化合物及び有機ホウ素化合物からなる群
から選ばれた少なくとも一種のルイス酸性化合物からな
る触媒の存在下、オレフィンを重合する方法。式[1]
中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基、シリル基置換炭化水素基、炭化水素基
で置換されたシリル基、アルキルオキシ基、フルオロ炭
化水素基を表し、Zは無置換または炭化水素基で置換さ
れたメチレン基、炭化水素基で置換されたシリレン基、
カルボニル基からなる群から選ばれた2価の連結基を表
す。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な触媒系を用い
たオレフィンの重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、周期律表第10族遷移金属化合
物、中でもニッケル化合物はオレフィンの低分子量体の
合成に有用な触媒であることが知られている(The
Organic Chemistry of Nick
el,1975年,Academic Press,
P.W.Jolly and G.Wilke)。一
方、オレフィンの高分子量体を得るために、触媒の配位
子を設計、合成する様々な試みも成されてきた。例え
ば、エチレン重合用触媒系として、イリドが配位したニ
ッケル化合物で重合を行う方法(Journal of
Molecular Catalysis,1987
年,41巻,123頁、Angewante Chem
ie,International Edition
in English,1987年,26巻,63頁、
Journal of ChemicalSociet
y,Chemical Communication
s,1994年,615頁、Journal of M
olecular Catalysis,1994年,
92巻,21頁等)、アミノビスイミノホスホランが配
位したニッケル化合物で重合を行う方法(Angewa
nte Chemie,International
Edition in English,1981年,
20巻,116頁、同1985年,24巻,1001頁
等)が知られている。しかしながら、これらの方法で得
られる重合体はオリゴマーであるか、高分子量であって
も重合活性が低いことが記載されている。この問題点を
解決する提案として、ジイミンが配位したニッケル、パ
ラジウム化合物を用いて重合を行う方法(Journa
l of American Chemical So
ciety,1995年,117巻,6414頁、WO
96/23010等)が提案されている。この化合物は
0℃から50℃の低温では高分子量のオレフィン重合体
を効率よく与えるが、それ以上の温度では短時間で急激
に活性を失うため工業的に用いるには問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、50℃以上
の高温度で高い重合活性を有し、高分子量のポリマーを
与える、新規な触媒系を用いたオレフィンの重合方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)2価の
周期律表第10族遷移金属化合物と下記一般式[1]で
表される化合物との反応生成物、並びに(B)有機アル
ミニウムオキシ化合物、有機アルミニウム化合物及び有
機ホウ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種
のルイス酸性化合物からなる触媒の存在下、オレフィン
を重合する方法である。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 〜R8 はそれぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素の一部がケイ素で置換された炭素数1〜20のシリル
基置換炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基で置換
されたシリル基、炭素数1〜20のアルキルオキシ基、
水素の一部またはすべてがフッ素基で置換された炭素数
1〜20のフルオロ炭化水素基を表し、Zは無置換また
は炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたメチレン
基、炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリレン
基、カルボニル基からなる群から選ばれた2価の連結基
を表し、R1 とR 2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5
6 、R6 とR7 、R7 とR8 はそれぞれ独立に互いに
結合して縮合環を形成していてもよい。) 以下に、本発明に係わるオレフィン重合用触媒および該
触媒を用いたオレフィンの重合方法について詳細に説明
する。
【0007】なお、本発明において「重合」という語
は、単独重合のみならず、共重合を包含した意で用いら
れるものであり、また「重合体」という語は単独重合体
のみならず共重合体を包含した意で用いられる。本発明
において、(A)成分は2価の周期律表第10族遷移金
属化合物と一般式[1]で表される化合物との反応生成
物である。
【0008】2価の周期律表第10族遷移金属化合物と
は、酸化数2のニッケル、パラジウムまたは白金化合物
であり、具体例としてはフッ化ニッケル(II)、塩化
ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッ
ケル(II)、ジクロロ(1,2−ジメトキシエタン)
ニッケル(II)、ジブロモ(1,2−ジメトキシエタ
ン)ニッケル(II)、ジクロロテトラキスエタノール
ニッケル(II)、ジブロモテトラキスエタノールニッ
ケル(II)、ニッケルアセテート(II)、塩化パラ
ジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラ
ジウム(II)、ジクロロ(ビスアセトニトリル)パラ
ジウム(II)、ジクロロ(ビスベンゾニトリル)パラ
ジウム(II)、アリルパラジウムクロリド(II)、
パラジウムアセテート(II)、パラジウムトリフルオ
ロアセテート(II)、塩化白金(II)、臭化白金
(II)、ヨウ化白金(II)等を挙げることができ
る。
【0009】式[1]で表される化合物の具体例として
は、ビス(2−ピリジル)メタン、ビス(6−フルオロ
−2−ピリジル)メタン、ビス(6−クロロ−2−ピリ
ジル)メタン、ビス(5−クロロ−2−ピリジル)メタ
ン、ビス(3−クロロ−2−ピリジル)メタン、ビス
(3,5−ジクロロ−2−ピリジル)メタン、ビス(6
−ブロモ−2−ピリジル)メタン、ビス(5−ブロモ−
2−ピリジル)メタン、ビス(6−メチル−2−ピリジ
ル)メタン、ビス(5−メチル−2−ピリジル)メタ
ン、ビス(6−エチル−2−ピリジル)メタン、ビス
(5−エチル−2−ピリジル)メタン、ビス(6−n−
プロピル−2−ピリジル)メタン、ビス(5−n−プロ
ピル−2−ピリジル)メタン、ビス(6−イソプロピル
−2−ピリジル)メタン、ビス(5−イソプロピル−2
−ピリジル)メタン、ビス(6−n−ブチル−2−ピリ
ジル)メタン、ビス(5−n−ブチル−2−ピリジル)
メタン、ビス(6−イソブチル−2−ピリジル)メタ
ン、ビス(5−イソブチル−2−ピリジル)メタン、ビ
ス(6−トリフルオロメチル−2−ピリジル)メタン、
ビス(5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)メタ
ン、ビス(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−
ピリジル)メタン、ビス(3−メトキシ−2−ピリジ
ル)メタン、ビス(3−メトキシ−6−メチル−2−ピ
リジル)メタン、ビス(6−ベンジル−2−ピリジル)
メタン、ビス(5−ベンジル−2−ピリジル)メタン、
ビス(6−トリメチルシリル−2−ピリジル)メタン、
ビス(5−トリメチルシリル−2−ピリジル)メタン、
ビス(6−トリエチルシリル−2−ピリジル)メタン、
ビス(5−トリエチルシリル−2−ピリジル)メタン、
ビス(6−ジメチル−n−プロピルシリル−2−ピリジ
ル)メタン、ビス(5−ジメチル−n−プロピルシリル
−2−ピリジル)メタン、ビス(6−ジメチルイソプロ
ピルシリル−2−ピリジル)メタン、ビス(5−ジメチ
ルイソプロピルシリル−2−ピリジル)メタン、ビス
(6−tert−ブチルジメチルシリル−2−ピリジ
ル)メタン、ビス(5−tert−ブチルジメチルシリ
ル−2−ピリジル)メタン、ビス(6−フェニルジメチ
ルシリル−2−ピリジル)メタン、ビス(5−フェニル
ジメチルシリル−2−ピリジル)メタン、ビス(6−ト
リメチルシリルメチル−2−ピリジル)メタン、ビス
(5−トリメチルシリルメチル−2−ピリジル)メタ
ン、ビス(6−フェニルジメチルシリルメチル−2−ピ
リジル)メタン、ビス(5−フェニルジメチルシリルメ
チル−2−ピリジル)メタン、上記化合物群の連結基を
メチレン基からジメチルシリレン基に置き換えた化合物
群、同じくメチレン基をエチルメチルシリレン基、メチ
ルフェニルシリレン基、ジエチルシリレン基、エチリデ
ン基、ベンジリデン基等に置き換えた化合物群などを挙
げることができる。
【0010】本発明による触媒の(A)成分は、上記の
2価の周期律表第10族遷移金属化合物と一般式[1]
で表される化合物とを窒素雰囲気下、適当な有機溶媒を
用いて−78〜120℃の範囲で反応させることにより
得ることができる。式[1]で表される化合物は、2価
の周期律表第10族遷移金属化合物に対し通常モル比で
1〜10、好ましくは1〜2の範囲で用いられる。この
時に使用される有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、メタノール、エタノール、アセトニトリル、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン等が
挙げられる。有機溶媒の使用量は、該遷移金属化合物と
式[1]の化合物が均一に溶解または分散できればよ
く、特に限定されない。
【0011】本発明において、(B)成分は有機アルミ
ニウムオキシ化合物、有機アルミニウム化合物及び有機
ホウ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の
ルイス酸性化合物である。有機アルミニウムオキシ化合
物は、式(−AlR9 O−)n (式中、R9 はハロゲン
原子、炭素数1〜10の炭化水素基を表し、1≦n≦4
0である。)で示される直鎖状、あるいは環状重合体で
ある。R9 の具体例として塩素原子、臭素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、またはこれらの混合物等が挙
げられるが、特にメチル基またはメチル基とその他の基
の混合物が好ましい。また繰り返し数nは好ましくは2
ないし40の範囲から選ばれるが、5以上であることが
更に好ましい。この有機アルミニウムオキシ化合物を合
成するには公知の方法、例えば炭化水素溶媒に後述する
有機アルミニウム化合物を溶解させ、該有機アルミニウ
ム化合物に対して当量の水を徐々に加えて加水分解する
方法、炭化水素溶媒に硫酸銅水和物や硫酸アルミニウム
水和物を懸濁させ、該水和物結晶水に対して1から3倍
当量の有機アルミニウム化合物を接触させてゆっくりと
加水分解する方法、あるいは炭化水素溶媒に懸濁した未
脱水シリカゲルの吸着水に対して1から3倍当量の有機
アルミニウム化合物を接触させゆっくりと加水分解する
方法等で製造することができる。
【0012】本発明で用いられる有機アルミニウム化合
物は、式AlR10 m 3-m (式中、R10は炭素数1〜1
0の炭化水素基、Xはハロゲン原子を示し、0≦m≦3
である。)で示される。具体例としては、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリフェニ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジイソブ
チルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロ
リド等を挙げることができる。
【0013】また本発明で用いられる有機ホウ素化合物
としては、中性タイプおよびイオン対タイプのものが挙
げられる。中性タイプの有機ホウ素化合物は、式BR11
3 (R11は炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数
6〜20のアリール基を表し、アルキル基としてはハロ
ゲン置換アルキル基を含み、アリール基としてはハロゲ
ン置換アリール基およびアルキル置換アリール基を含
む。R11は互いに同じであっても異なってもよい。)で
示される。R11の具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ペンタフルオ
ロフェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基等が
挙げられる。
【0014】中性タイプの有機ホウ素化合物の具体例と
しては、トリフェニルボラン、トリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフ
ルオロフェニル)ボラン、トリス(2,4,6−トリフ
ルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3−ジフルオロ
フェニル)ボラン、トリス(2−フルオロフェニル)ボ
ラン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フ
ェニル]ボラン、トリス[4−(トリフルオロメチル)
フェニル]ボラン、トリメチルボラン、トリエチルボラ
ン、トリス(トリフルオロメチル)ボラン、ジフェニル
フルオロボラン、ビス(ペンタフルオロフェニル)クロ
ロボランなどが挙げられ、特にトリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボランが好適に用いられる。
【0015】イオン対タイプの有機ホウ素化合物は、式
[On]+ [BR12 4 - ([On]+ は周期律表第8
〜12族の金属陽イオン、またはカルボニウム、シロニ
ウム、オキソニウム、スルホニウム、アンモニウム、お
よびホスホニウム等のオニウムイオンであり、[BR12
4 - は非配位性または配位性に乏しいアニオンであ
り、R12は前記のR11と同じである。)で示される。具
体例としては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフル
オロフェニル)ボレート、銀(I)テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、銅(I)テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、水銀(II)ビス
[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]、
パラジウム(II)ビス[テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート]、白金(II)ビス[テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート]、ジフェニルヒ
ドロカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルシ
ロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、トリシクロヘキシルカルボニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、トリエチルオキソニウ
ムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ト
リエチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、ジエチルアニリニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフ
ェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート等のテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート塩などが挙げられる。
【0016】本発明による触媒は、(A)2価の周期律
表第10族遷移金属化合物と一般式[1]で表される化
合物との反応生成物、並びに(B)有機アルミニウムオ
キシ化合物、有機アルミニウム化合物及び有機ホウ素化
合物からなる群から選ばれた少なくとも一種のルイス酸
性化合物から成る触媒とを不活性炭化水素溶媒中または
オレフィン媒体中で混合することにより調製することが
できる。この際の混合順序は任意に選ばれる。不活性炭
化水素溶媒として具体的には、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキ
サデカン、オクタデカン等の脂肪族系炭化水素、シクロ
ペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シ
クロオクタン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ガソリン、軽油等
の石油留分等が挙げられる。
【0017】本発明の触媒を用いて重合を行う場合の各
成分の濃度は、重合方法や各種の重合条件により異なり
一義的には定められないが、重合反応系内におけるA成
分の遷移金属原子の濃度が通常10-8〜10-1モル/リ
ットル、好ましくは10-7〜5×10-2モル/リットル
となる範囲で用いられる。一方B成分のルイス酸性化合
物の濃度は、有機アルミニウムオキシ化合物を用いる場
合においては、アルミニウム原子/A成分の遷移金属原
子のモル比が通常1〜106 、好ましくは10〜104
となる範囲で用いられる。またB成分として有機アルミ
ニウム化合物を用いる場合には、アルミニウム原子/A
成分の遷移金属原子のモル比が通常1〜105 、好まし
くは10〜103 となる範囲で用いられる。さらに有機
ホウ素化合物をB成分として用いる場合には、ホウ素原
子/A成分の遷移金属原子のモル比が、通常0.1〜1
0、好ましくは1〜2となる範囲で用いられる。
【0018】本発明における触媒の(A)成分および/
または(B)成分は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、
あるいは高分子等の担体に担持して用いることも可能で
ある。本発明では、オレフィンの重合はスラリー重合、
溶液重合、気相重合等のいずれの重合法においても実施
することができる。本発明において、スラリー重合を実
施する際には、重合温度は通常−50〜100℃、好ま
しくは20〜90℃の範囲であることが望ましい。溶液
重合を実施する際には、重合温度は通常0〜300℃、
好ましくは100〜250℃の範囲であることが望まし
い。また気相重合を実施する際には、重合温度は通常0
〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であるこ
とが望ましい。
【0019】重合圧力は、通常、常圧〜100kg/c
2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であ
る。重合は、回分式、反連続式、連続式のいずれの方式
においても行うことができる。さらに重合を反応条件の
異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られ
るオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素などの連
鎖移動剤を存在させる、あるいは重合温度を変化させる
ことによって調節することができる。
【0020】また本発明では、オレフィン重合に際して
本発明の触媒にオレフィンを予備重合させて用いること
も可能である。この場合オレフィンは、本発明の触媒1
g当たり0.05〜500g、好ましくは0.1〜10
0gの量で予備重合されることが望ましい。本発明にお
いては、オレフィン重合に際して上述の各成分以外にも
オレフィン重合に有効な他の成分を含むことができる。
また、マルチモーダル重合等の目的のために本発明の触
媒を複数種組み合わせて用いたり、当分野で公知の他の
触媒成分を本発明の触媒と組み合わせて用いることも可
能である。
【0021】本発明に係るオレフィン重合方法により重
合することができるオレフィンとしては、エチレンおよ
び炭素数が3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−
テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、
1−エイコセン、炭素数が3〜20の環状オレフィン、
例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、2−メチル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン等を挙げることがで
きる。さらに、スチレン、ビニルシクロヘキセンやジエ
ン等を用いることもできる。また、これらオレフィンを
2成分以上用い共重合を行うことができる。例えば、エ
チレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン
/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン等である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明に
ついて詳細に説明する。遷移金属化合物の製造に際して
原料は、市販品を用いた。実施例中の触媒活性は、触媒
金属1モル、反応時間1時間当たりのポリマー生成量
(キログラム)を表す。ポリマーの分子量、および分子
量分布はポリスチレンを標準物質として、ウォーターズ
社製150CVゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーを用いて示差屈折率より求めた。
【0023】
【合成例1】ビス(6−メチル−2−ピリジル)ジメチ
ルシランの合成 J.Organomet.Chem.,56 P.53
(1973)、同,104 P.153(1976)、
Organometallics,9 P.347(1
990)等に記載された方法を参考にして合成を行っ
た。窒素雰囲気下、内容積200mlのガラス製反応器
中に2,6−ジブロモピリジン10.0g(42.2m
mol)と乾燥テトラヒドロフラン80mlを導入し、
−90℃に冷却した。ここにn−ブチルリチウムのヘキ
サン溶液27.7ml(44.3mmol)を加え15
分撹拌した後、ヨウ化メチル6.29g(44.3mm
ol)を加えた。−90℃のまま30分間撹拌を続け、
室温まで昇温した後、水にあけて生成物をジクロロメタ
ンで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し
て得られた油状生成物を減圧蒸留し、2−ブロモ−6−
メチルピリジンを84.1%の収率で得た。
【0024】次にこの2−ブロモ−6−メチルピリジン
3.0g(17.4mmol)と乾燥テトラヒドロフラ
ン40mlを窒素雰囲気下にて内容積200mlのガラ
ス製反応器中に導入し、−78℃に冷却した。ここにn
−ブチルリチウムのヘキサン溶液11.4ml(18.
3mmol)を加え50分間撹拌した後、ジメチルジク
ロロシラン1.19g(9.2mmol)を加えた。−
78℃のまま30分間撹拌を続け、室温まで昇温した
後、水にあけて生成物をジクロロメタンで抽出した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して得られた油状生
成物を減圧蒸留し、ビス(6−メチル−2−ピリジル)
ジメチルシランを60.6%の収率で無色の結晶として
得た。
【0025】
【合成例2】ビス(6−トリメチルシリル−2−ピリジ
ル)ジメチルシランの合成 窒素雰囲気下、内容積200mlのガラス製反応器中に
2,6−ジブロモピリジン10.0g(42.2mmo
l)と乾燥テトラヒドロフラン80mlを導入し、−9
0℃に冷却した。ここにn−ブチルリチウムのヘキサン
溶液27.7ml(44.3mmol)を加え20分撹
拌した後、トリメチルクロロシラン4.81g(44.
3mmol)を加えた。−90℃のまま約50分間撹拌
を続け、室温まで昇温した後、水にあけて生成物をジク
ロロメタンで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮して得られた油状生成物を減圧蒸留し、2−ブ
ロモ−6−トリメチルシリルピリジンを84.4%の収
率で得た。
【0026】次にこの2−ブロモ−6−トリメチルシリ
ルピリジン2.76g(12.0mmol)と乾燥テト
ラヒドロフラン30mlを窒素雰囲気下にて内容積20
0mlのガラス製反応器中に導入し、−90℃に冷却し
た。ここにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液7.9m
l(12.6mmol)を加え約20分間撹拌した後、
ジメチルジクロロシラン0.81g(6.3mmol)
を加えた。−90℃のまま30分間撹拌を続け、室温ま
で昇温した後、水にあけて生成物をジクロロメタンで抽
出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して得ら
れた油状生成物を減圧蒸留し、ビス(6−トリメチルシ
リル−2−ピリジル)ジメチルシランを53.4%の収
率で無色のオイルとして得た。
【0027】
【合成例3】ビス(2−ピリジル)ジメチルシランの合
成 窒素雰囲気下、内容積200mlのガラス製反応器中に
2−ブロモピリジン4.74g(30.0mmol)と
乾燥テトラヒドロフラン60mlを導入し、−90℃に
冷却した。ここにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液2
0.6ml(33.0mmol)を約7分かけて添加
し、添加後直ちにジメチルジクロロシラン1.94g
(15.0mmol)を加えた。−90℃のまま約1時
間撹拌を続け、室温まで昇温した後、水にあけて生成物
をジクロロメタンで抽出した。無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、濃縮して得られた油状生成物を減圧蒸留し、ビ
ス(2−ピリジル)ジメチルシランを52.6%の収率
で無色のオイルとして得た。
【0028】
【実施例1】窒素雰囲気下、内容積100mlのガラス
製反応器中にジブロモ(1,2−ジメトキシエタン)ニ
ッケル(II)0.463g(1.5mmol)と合成
例1で得たビス(6−メチル−2−ピリジル)ジメチル
シラン0.388g(1.6mmol)を秤量し、乾燥
ジクロロメタン20mlを加えて室温で終夜撹拌した。
生成した緑色の沈殿を濾別し、真空下で乾燥した。
【0029】窒素置換した1.6リットルのオートクレ
ーブに、トルエン600ml、ニッケル換算で5μmo
lに相当する上記反応生成物のトルエン溶液1ml、ア
ルミニウム換算で5mmolに相当するメチルアルミノ
キサンのトルエン溶液2.5ml加え、80℃、エチ
レン圧10kg/cm2Gにて、エチレンを補給し全圧
を保ちつつ1時間重合反応を行った。反応終了後、未反
応エチレンを除去し、反応混合物を塩酸−メタノールに
投入し、沈殿物を濾別し、12時間以上乾燥させ、3
0.0gのポリマーが得られた。触媒活性は6000k
g/mol−Ni・hr、分子量Mwは234000、
分子量分布Mw/Mnは2.91であった。
【0030】
【実施例2】窒素雰囲気下、内容積100mlのガラス
製反応器中にジブロモ(1,2−ジメトキシエタン)ニ
ッケル(II)0.463g(1.5mmol)と合成
例2で得たビス(6−トリメチルシリル−2−ピリジ
ル)ジメチルシラン0.574g(1.6mmol)を
秤量し、乾燥ジクロロメタン20mlを加えて室温で終
夜撹拌した。生成した緑色の沈殿を濾別し、真空下で乾
燥した。
【0031】窒素置換した1.6リットルのオートクレ
ーブに、トルエン600ml、ニッケル換算で5μmo
lに相当する上記反応生成物のトルエン溶液1ml、ア
ルミニウム換算で5mmolに相当するメチルアルミノ
キサンのトルエン溶液2.5mlを加え、80℃、エチ
レン圧10kg/cm2Gにて、エチレンを補給し全圧
を保ちつつ1時間重合反応を行った。反応終了後、未反
応エチレンを除去し、反応混合物を塩酸−メタノールに
投入し、沈殿物を濾別し、12時間以上乾燥させ、1
3.7gのポリマーが得られた。触媒活性は2740k
g/mol−Ni・hr、分子量Mwは583000、
分子量分布Mw/Mnは2.44であった。
【0032】
【実施例3】窒素雰囲気下、内容積100mlのガラス
製反応器中にジブロモ(1,2−ジメトキシエタン)ニ
ッケル(II)0.463g(1.5mmol)と合成
例3で得たビス(2−ピリジル)ジメチルシラン0.3
43g(1.6mmol)を秤量し、乾燥ジクロロメタ
ン15mlを加えて室温で終夜撹拌した。生成した緑色
の沈殿を濾別し、真空下で乾燥した。
【0033】窒素置換した1.6リットルのオートクレ
ーブに、トルエン600ml、ニッケル換算で5μmo
lに相当する上記反応生成物のトルエン溶液1ml、ア
ルミニウム換算で5mmolに相当するメチルアルミノ
キサンのトルエン溶液2.5mlを加え、80℃、エチ
レン圧10kg/cm2Gにて、エチレンを補給し全圧
を保ちつつ1時間重合反応を行った。反応終了後、未反
応エチレンを除去し、反応混合物を塩酸−メタノールに
投入し、沈殿物を濾別し、12時間以上乾燥させ、2
1.9gのポリマーが得られた。触媒活性は4380k
g/mol−Ni・hr、分子量Mwは325000、
分子量分布Mw/Mnは2.43であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の新規な触媒を用いてオレフィン
重合を行うと、50℃以上の高温でも重合活性を損なう
ことなく分子量分布が狭く高分子量のオレフィン重合体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオレフィン重合用触媒の調製工程を示
すフローチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)2価の周期律表第10族遷移金属
    化合物と下記一般式[1]で表される化合物との反応生
    成物、並びに(B)有機アルミニウムオキシ化合物、有
    機アルミニウム化合物及び有機ホウ素化合物からなる群
    から選ばれた少なくとも一種のルイス酸性化合物からな
    る触媒の存在下、オレフィンを重合する方法。 【化1】 (式中、R1 〜R8 はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素の一部がケ
    イ素で置換された炭素数1〜20のシリル基置換炭化水
    素基、炭素数1〜20の炭化水素基で置換されたシリル
    基、炭素数1〜20のアルキルオキシ基、水素の一部ま
    たはすべてがフッ素基で置換された炭素数1〜20のフ
    ルオロ炭化水素基を表し、Zは無置換または炭素数1〜
    20の炭化水素基で置換されたメチレン基、炭素数1〜
    20の炭化水素基で置換されたシリレン基、カルボニル
    基からなる群から選ばれた2価の連結基を表し、R1
    2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR
    7 、R7 とR8 はそれぞれ独立に互いに結合して縮合環
    を形成していてもよい。)
JP1094498A 1998-01-23 1998-01-23 オレフィンの重合法 Pending JPH11209426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1094498A JPH11209426A (ja) 1998-01-23 1998-01-23 オレフィンの重合法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1094498A JPH11209426A (ja) 1998-01-23 1998-01-23 オレフィンの重合法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11209426A true JPH11209426A (ja) 1999-08-03

Family

ID=11764327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1094498A Pending JPH11209426A (ja) 1998-01-23 1998-01-23 オレフィンの重合法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11209426A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6521724B2 (en) 2000-03-10 2003-02-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polymerization process
CN111349116A (zh) * 2020-04-27 2020-06-30 万华化学集团股份有限公司 一种双吡啶结构配体和制备方法、一种基于双吡啶结构的催化体系及其在乙烯齐聚中的应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6521724B2 (en) 2000-03-10 2003-02-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polymerization process
CN111349116A (zh) * 2020-04-27 2020-06-30 万华化学集团股份有限公司 一种双吡啶结构配体和制备方法、一种基于双吡啶结构的催化体系及其在乙烯齐聚中的应用
CN111349116B (zh) * 2020-04-27 2022-08-05 万华化学集团股份有限公司 一种双吡啶结构配体和制备方法、一种基于双吡啶结构的催化体系及其在乙烯齐聚中的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101637026B1 (ko) 메탈로센 담지 촉매 및 이를 이용하는 폴리올레핀의 제조방법
RU2435789C2 (ru) Бис-ариларилокси каталитическая система для получения гомополимеров этилена или сополимеров этилена с альфа-олефинами
JP5302219B2 (ja) 新規なシクロペンタジエニルリガンドを有する第4族遷移金属化合物、その製造方法、およびそれを用いたオレフィン系重合体の製造方法
RU2374267C2 (ru) Система арилфеноксикатализатора для получения гомополимера этилена или сополимеров этилена и альфа-олефинов
JP2816766B2 (ja) オレフィン重合用改質モノシクロペンタジエニル遷移金属/アルモキサン触媒系
KR101768193B1 (ko) 메탈로센 담지 촉매 및 이를 이용하는 폴리올레핀의 제조 방법
KR20150058938A (ko) 메탈로센 화합물, 이를 포함하는 촉매 조성물, 및 이를 이용하는 폴리올레핀의 제조방법
JP3338190B2 (ja) α‐オレフィン重合用触媒成分およびそれを用いたα‐オレフィン重合体の製造法
JPH08231573A (ja) メタロセン化合物及び触媒成分としてのその使用
EP0791607B1 (en) Substituted metallocene catalyst for the (co)polymerization of olefins
KR101785764B1 (ko) 신규한 리간드 화합물 및 전이금속 화합물의 제조방법
US6537943B1 (en) Catalyst system composed of metallocenes comprising substituents containing fluorine
JPH11209426A (ja) オレフィンの重合法
KR101910232B1 (ko) 신규한 전이금속 화합물을 포함하는 촉매 조성물
KR101787166B1 (ko) 신규한 리간드 화합물 및 전이금속 화합물의 제조방법
KR101828645B1 (ko) 신규한 리간드 화합물 및 전이금속 화합물
JP4781623B2 (ja) オレフィンブロック共重合体、及びその製造方法
KR101931234B1 (ko) 신규한 리간드 화합물 및 전이금속 화합물
JP4133734B2 (ja) 新規な遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法
US7166684B2 (en) Transition metal compound, catalyst for olefin polymerization and method for producing polyolefin
KR102765043B1 (ko) 테트라하이드로인덴 유도체로부터 메탈로센 화합물을 제조하는 방법
US20070155619A1 (en) Hydrogenated catalyst
KR20170095036A (ko) 신규한 리간드 화합물 및 전이금속 화합물의 제조방법
JP3946615B2 (ja) オレフィン重合触媒用遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒ならびにポリオレフィンの製造方法
JP2005179322A (ja) 遷移金属錯体、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法