JPH11200894A - ガスタービン及びその圧縮空気漏洩防止装置 - Google Patents
ガスタービン及びその圧縮空気漏洩防止装置Info
- Publication number
- JPH11200894A JPH11200894A JP10003696A JP369698A JPH11200894A JP H11200894 A JPH11200894 A JP H11200894A JP 10003696 A JP10003696 A JP 10003696A JP 369698 A JP369698 A JP 369698A JP H11200894 A JPH11200894 A JP H11200894A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seal member
- side seal
- gas turbine
- transition piece
- compressed air
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Abstract
(57)【要約】
【課題】サイドシール部材およびトランジッションピー
ス双方の接触摩耗量を減ずることができ、ガスタービン
燃焼器の定期検査に至る前にガスタービンの運転を停止
することがなく、安定したガスタービンの運転と電力供
給を実現することが可能なガスタービンおよびその圧縮
空気漏洩防止装置を提供する。 【解決手段】燃焼器からの作動流体をタービンに導く複
数のトランジッションピース5と、このトランジッショ
ンピースの隣接間に配置され、圧縮空気の漏洩を防止す
るサイドシール部材6とを備え、前記サイドシール部材
が前記トランジッションピースに設けられている溝に嵌
合保持されるように形成されているガスタービンの圧縮
空気漏洩防止装置において、前記サイドシール部材6の
トランジッションピースと嵌合接触する面の一部にの
み、耐摩耗コーティングを施工するようにした。
ス双方の接触摩耗量を減ずることができ、ガスタービン
燃焼器の定期検査に至る前にガスタービンの運転を停止
することがなく、安定したガスタービンの運転と電力供
給を実現することが可能なガスタービンおよびその圧縮
空気漏洩防止装置を提供する。 【解決手段】燃焼器からの作動流体をタービンに導く複
数のトランジッションピース5と、このトランジッショ
ンピースの隣接間に配置され、圧縮空気の漏洩を防止す
るサイドシール部材6とを備え、前記サイドシール部材
が前記トランジッションピースに設けられている溝に嵌
合保持されるように形成されているガスタービンの圧縮
空気漏洩防止装置において、前記サイドシール部材6の
トランジッションピースと嵌合接触する面の一部にの
み、耐摩耗コーティングを施工するようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービンおよび
ガスタービンの圧縮空気漏洩防止装置の改良に係り、特
に隣接するトランジッションピースの間に、圧縮空気の
漏洩を防止するサイドシール部材を備え、このサイドシ
ール部材がトランジッションピースに設けられている溝
に嵌合保持されるように形成されているガスタービンの
圧縮空気漏洩防止装置に関するものである。
ガスタービンの圧縮空気漏洩防止装置の改良に係り、特
に隣接するトランジッションピースの間に、圧縮空気の
漏洩を防止するサイドシール部材を備え、このサイドシ
ール部材がトランジッションピースに設けられている溝
に嵌合保持されるように形成されているガスタービンの
圧縮空気漏洩防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来一般的に、複数個の燃焼器を有する
ガスタービンにおいては、トランジッションピース間の
洩れ空気量を極力少なくすることを目的として、トラン
ジッションピース間に板状のサイドシール部材を設置す
るようにしている。この場合、サイドシール部材の保持
は、トランジッションピースに溝を設け、この溝に板状
のサイドシール部材を挿入,すなわち嵌合して保持する
ようにしている。
ガスタービンにおいては、トランジッションピース間の
洩れ空気量を極力少なくすることを目的として、トラン
ジッションピース間に板状のサイドシール部材を設置す
るようにしている。この場合、サイドシール部材の保持
は、トランジッションピースに溝を設け、この溝に板状
のサイドシール部材を挿入,すなわち嵌合して保持する
ようにしている。
【0003】ところがこのサイドシール部材が流体振動
あるいは燃焼振動により振動し、トランジッションピー
スとサイドシール間に接触摩耗が発生し、板状のサイド
シール部材が破損に至る恐れがある。従来においてはこ
の接触摩耗を防止するために、サイドシール部材の表面
に耐摩耗コーティングを施工することが行われたが、板
状のサイドシール部材の破損は減少するものの、体格の
大きなトランジッションピース側に摩耗が生じ、トラン
ジッションピースの寿命が短くなる嫌いが生ずる。 こ
のため、一般には図3および図4にも示されているよう
に、サイドシール部材の内側および外側フローティング
シールとの接触摩耗を防止するための耐摩耗コーティン
グしか施工されておらず、トランジッションピースとサ
イドシールとの接触摩耗に対する解決策が要望されてい
る。
あるいは燃焼振動により振動し、トランジッションピー
スとサイドシール間に接触摩耗が発生し、板状のサイド
シール部材が破損に至る恐れがある。従来においてはこ
の接触摩耗を防止するために、サイドシール部材の表面
に耐摩耗コーティングを施工することが行われたが、板
状のサイドシール部材の破損は減少するものの、体格の
大きなトランジッションピース側に摩耗が生じ、トラン
ジッションピースの寿命が短くなる嫌いが生ずる。 こ
のため、一般には図3および図4にも示されているよう
に、サイドシール部材の内側および外側フローティング
シールとの接触摩耗を防止するための耐摩耗コーティン
グしか施工されておらず、トランジッションピースとサ
イドシールとの接触摩耗に対する解決策が要望されてい
る。
【0004】因みに、このサイドシール部材が折損した
場合、サイドシール部材はトランジッションピースの間
から脱落し、当然のことながらトランジッションピース
間の隙間からの洩れ空気量増加となり、ガスタービンの
熱効率低下の原因になるとともに、さらに、トランジッ
ションピース出口ガス温度が局部的に高くなってしま
う。すなわち、トランジッションピース出口ガス温度が
高くなった場合、トランジッションピースおよびその下
流側にあるタービン静翼・動翼等のメタル温度が上昇し
高価な高温部品の寿命を著しく低下させてメンテナンス
コストを大幅に増加させることとなる。
場合、サイドシール部材はトランジッションピースの間
から脱落し、当然のことながらトランジッションピース
間の隙間からの洩れ空気量増加となり、ガスタービンの
熱効率低下の原因になるとともに、さらに、トランジッ
ションピース出口ガス温度が局部的に高くなってしま
う。すなわち、トランジッションピース出口ガス温度が
高くなった場合、トランジッションピースおよびその下
流側にあるタービン静翼・動翼等のメタル温度が上昇し
高価な高温部品の寿命を著しく低下させてメンテナンス
コストを大幅に増加させることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
現状においては接触摩耗を防ぐことは困難であるため、
サイドシール部材を消耗品と考え、ガスタービン燃焼器
の定期検査(1回/年;運転時間約8000時間)時に
交換することとしている。しかしサイドシール部材の折
損は最短で約1000時間の運転で発生している場合も
あり、その都度ガスタービンの運転を停止し、サイドシ
ール部材を交換しなければならない事態が発生し、運転
信頼性を著しく損なわせている。
現状においては接触摩耗を防ぐことは困難であるため、
サイドシール部材を消耗品と考え、ガスタービン燃焼器
の定期検査(1回/年;運転時間約8000時間)時に
交換することとしている。しかしサイドシール部材の折
損は最短で約1000時間の運転で発生している場合も
あり、その都度ガスタービンの運転を停止し、サイドシ
ール部材を交換しなければならない事態が発生し、運転
信頼性を著しく損なわせている。
【0006】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、サイドシール部材およびトランジ
ッションピース双方の接触摩耗量を減ずることができ、
ガスタービン燃焼器の定期検査に至る前にガスタービン
の運転を停止することがなく、安定したガスタービンの
運転と電力供給を実現することができるガスタービンお
よびその圧縮空気漏洩防止装置を提供するにある。
目的とするところは、サイドシール部材およびトランジ
ッションピース双方の接触摩耗量を減ずることができ、
ガスタービン燃焼器の定期検査に至る前にガスタービン
の運転を停止することがなく、安定したガスタービンの
運転と電力供給を実現することができるガスタービンお
よびその圧縮空気漏洩防止装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、燃焼
器からの作動流体をタービンに導く複数のトランジッシ
ョンピースと、このトランジッションピースの隣接間に
配置され、圧縮空気の漏洩を防止するサイドシール部材
とを備え、前記サイドシール部材が前記トランジッショ
ンピースに設けられている溝に嵌合保持されるように形
成されているガスタービンの圧縮空気漏洩防止装置にお
いて、前記サイドシール部材のトランジッションピース
と嵌合接触する面の一部に、耐摩耗コーティングを施工
するようにし所期の目的を達成するようにしたものであ
る。
器からの作動流体をタービンに導く複数のトランジッシ
ョンピースと、このトランジッションピースの隣接間に
配置され、圧縮空気の漏洩を防止するサイドシール部材
とを備え、前記サイドシール部材が前記トランジッショ
ンピースに設けられている溝に嵌合保持されるように形
成されているガスタービンの圧縮空気漏洩防止装置にお
いて、前記サイドシール部材のトランジッションピース
と嵌合接触する面の一部に、耐摩耗コーティングを施工
するようにし所期の目的を達成するようにしたものであ
る。
【0008】また本発明は、燃焼器からの作動流体をタ
ービンに導く複数のトランジッションピースと、このト
ランジッションピースの隣接間に配置され、圧縮空気の
漏洩を防止するサイドシール部材とを備え、前記サイド
シール部材が前記トランジッションピースに設けられて
いる溝に嵌合保持されるように形成されているガスター
ビンの圧縮空気漏洩防止装置において、前記サイドシー
ル部材のトランジッションピースと嵌合接触する面で、
かつ端部近傍部のみに、耐摩耗コーティングを施工する
ようにしたものである。またこの場合、前記耐摩耗コー
ティングの厚さを1mm以下としたものである。
ービンに導く複数のトランジッションピースと、このト
ランジッションピースの隣接間に配置され、圧縮空気の
漏洩を防止するサイドシール部材とを備え、前記サイド
シール部材が前記トランジッションピースに設けられて
いる溝に嵌合保持されるように形成されているガスター
ビンの圧縮空気漏洩防止装置において、前記サイドシー
ル部材のトランジッションピースと嵌合接触する面で、
かつ端部近傍部のみに、耐摩耗コーティングを施工する
ようにしたものである。またこの場合、前記耐摩耗コー
ティングの厚さを1mm以下としたものである。
【0009】また本発明は、複数個の燃焼器と、この燃
焼器にそれぞれ設けられ、燃焼器からの作動流体をター
ビンに導くトランジッションピースとを備え、前記トラ
ンジッションピースの隣接間に圧縮空気の漏れを防止す
るサイドシール部材が嵌合配置されているガスタービン
において、前記サイドシール部材のトランジッションピ
ースと嵌合接触する面で、かつその一部に耐摩耗コーテ
ィングを施工するようにしたものである。
焼器にそれぞれ設けられ、燃焼器からの作動流体をター
ビンに導くトランジッションピースとを備え、前記トラ
ンジッションピースの隣接間に圧縮空気の漏れを防止す
るサイドシール部材が嵌合配置されているガスタービン
において、前記サイドシール部材のトランジッションピ
ースと嵌合接触する面で、かつその一部に耐摩耗コーテ
ィングを施工するようにしたものである。
【0010】すなわちこのように形成されたガスタービ
ンの圧縮空気漏洩防止装置であると、サイドシール部材
のトランジッションピースと嵌合接触する面の一部に、
耐摩耗コーティングが施工されることから、サイドシー
ル部材のコーティング部の接触摩耗が防止されるととも
に、トランジッションピース側の摩耗も一部の耐摩耗コ
ーティングとの接触なので、摩耗量は少なく、したがっ
てサイドシール部材およびトランジッションピース双方
の接触摩耗量を減ずることができ、ガスタービン燃焼器
の定期検査に至る前にガスタービンの運転を停止するこ
とがなく、安定したガスタービンの運転と電力供給を実
現することができるのである。
ンの圧縮空気漏洩防止装置であると、サイドシール部材
のトランジッションピースと嵌合接触する面の一部に、
耐摩耗コーティングが施工されることから、サイドシー
ル部材のコーティング部の接触摩耗が防止されるととも
に、トランジッションピース側の摩耗も一部の耐摩耗コ
ーティングとの接触なので、摩耗量は少なく、したがっ
てサイドシール部材およびトランジッションピース双方
の接触摩耗量を減ずることができ、ガスタービン燃焼器
の定期検査に至る前にガスタービンの運転を停止するこ
とがなく、安定したガスタービンの運転と電力供給を実
現することができるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図示した実施例に基づいて本
発明を詳細に説明する。図1にはそのガスタービンの要
部が断面で示されている。ガスタービンは、空気圧縮機
部1、燃焼器部2およびタービン部3から構成されてい
る。空気圧縮機部1にて圧縮された空気は、燃焼器ライ
ナ4に導入され、ここで燃料とともに燃焼し、高温の気
体となりトランジッションピース5を経てタービン部3
へ導かれる。
発明を詳細に説明する。図1にはそのガスタービンの要
部が断面で示されている。ガスタービンは、空気圧縮機
部1、燃焼器部2およびタービン部3から構成されてい
る。空気圧縮機部1にて圧縮された空気は、燃焼器ライ
ナ4に導入され、ここで燃料とともに燃焼し、高温の気
体となりトランジッションピース5を経てタービン部3
へ導かれる。
【0012】トランジッションピース5は、図2に示さ
れているように、周方向に複数個配置されているため、
各トランジッションピース5間には熱伸びを吸収すめた
めの間隙が必要となる。ところが、この間隙から直接空
気がタービン部3へ洩れ出すとガスタービンの熱効率低
下の原因となるため、洩れ空気量を極力少なくすること
を目的として、トランジッションピース5間には板状の
サイドシール部材が設置されている。
れているように、周方向に複数個配置されているため、
各トランジッションピース5間には熱伸びを吸収すめた
めの間隙が必要となる。ところが、この間隙から直接空
気がタービン部3へ洩れ出すとガスタービンの熱効率低
下の原因となるため、洩れ空気量を極力少なくすること
を目的として、トランジッションピース5間には板状の
サイドシール部材が設置されている。
【0013】サイドシール部材6は、トランジッション
ピース5に設けられた溝部に挿入,すなわち嵌合され、
また熱膨張差を吸収するために固定ピン7にルーズな状
態で取り付けられている。また、このサイドシール部材
6には、部分的な耐摩耗コーティングが施工されてい
る。
ピース5に設けられた溝部に挿入,すなわち嵌合され、
また熱膨張差を吸収するために固定ピン7にルーズな状
態で取り付けられている。また、このサイドシール部材
6には、部分的な耐摩耗コーティングが施工されてい
る。
【0014】すなわち、図5および図6に示されている
ように、サイドシール部材6には、そのトランジッショ
ンピースと嵌合接触する面の一部分に、耐摩耗コーティ
ングが施工されている。なお、ここでは耐摩耗コーティ
ングがサイドシール部材のトランジッションピースと嵌
合接触する面で、かつ端部近傍部のみに施工された場合
の例が示されている。すなわち、トランジッションピー
ス5との接触面の両端部に端部を起因として、組立誤差
あるいは熱伸びによるサイドシール部材6の位置ずれを
考慮し中央側およびその反対側に長さ5mmずつ以上の
耐摩耗コーティングが施工されているのである。
ように、サイドシール部材6には、そのトランジッショ
ンピースと嵌合接触する面の一部分に、耐摩耗コーティ
ングが施工されている。なお、ここでは耐摩耗コーティ
ングがサイドシール部材のトランジッションピースと嵌
合接触する面で、かつ端部近傍部のみに施工された場合
の例が示されている。すなわち、トランジッションピー
ス5との接触面の両端部に端部を起因として、組立誤差
あるいは熱伸びによるサイドシール部材6の位置ずれを
考慮し中央側およびその反対側に長さ5mmずつ以上の
耐摩耗コーティングが施工されているのである。
【0015】耐摩耗コーティングとしては、容射(コバ
ルト、ニッケル、セラミック、アルミナ)が好ましく、
特にステライト容射が好ましい。容射は、コーティング
厚さの調節が容易で、基礎(サイドシ−ル部材6)に対
して肉盛ることができ、コーティング厚さを薄くできる
からである。
ルト、ニッケル、セラミック、アルミナ)が好ましく、
特にステライト容射が好ましい。容射は、コーティング
厚さの調節が容易で、基礎(サイドシ−ル部材6)に対
して肉盛ることができ、コーティング厚さを薄くできる
からである。
【0016】このように構成することにより、折損発生
部位におけるサイドシール部材6側およびトランジッシ
ョンピース側の接触摩耗を防止することができ、接触摩
耗による減肉に起因したサイドシール部材6の折損を防
止することが可能となる。一方、このような構成である
と、両端部より中央側に、未コーティング部が形成され
ることによりサイドシール部材6側を摩耗させ、トラン
ジッションピース5側の接触摩耗量を少なくすることが
可能となる。
部位におけるサイドシール部材6側およびトランジッシ
ョンピース側の接触摩耗を防止することができ、接触摩
耗による減肉に起因したサイドシール部材6の折損を防
止することが可能となる。一方、このような構成である
と、両端部より中央側に、未コーティング部が形成され
ることによりサイドシール部材6側を摩耗させ、トラン
ジッションピース5側の接触摩耗量を少なくすることが
可能となる。
【0017】すなわち、この図7および図8のようなサ
イドシール部材6に施工された耐摩耗コーティングによ
り、初期の接触摩耗による減肉発生部はトランジッショ
ンピース5側となり、サイドシール部材6側に接触摩耗
は発生しない。その後、運転時間の増加に伴い、トラン
ジッションピース5側の接触摩耗量が耐摩耗コーティン
グ厚さと同一となると、未コーティング部であるサイド
シール部材6の中央部がトランジッションピース5に接
触するため、ここで初めてサイドシール部材6側に接触
摩耗が発生することになる。
イドシール部材6に施工された耐摩耗コーティングによ
り、初期の接触摩耗による減肉発生部はトランジッショ
ンピース5側となり、サイドシール部材6側に接触摩耗
は発生しない。その後、運転時間の増加に伴い、トラン
ジッションピース5側の接触摩耗量が耐摩耗コーティン
グ厚さと同一となると、未コーティング部であるサイド
シール部材6の中央部がトランジッションピース5に接
触するため、ここで初めてサイドシール部材6側に接触
摩耗が発生することになる。
【0018】その結果、従来折損の発生していた部位の
接触摩耗を防止して折損の発生をなくし、接触摩耗発生
順序を当初はトランジッションピース5、次にサイドシ
ール部材6とすることにより、サイドシール部材6およ
びトランジッションピース5の両方を均等に摩耗させる
ことが可能となる。
接触摩耗を防止して折損の発生をなくし、接触摩耗発生
順序を当初はトランジッションピース5、次にサイドシ
ール部材6とすることにより、サイドシール部材6およ
びトランジッションピース5の両方を均等に摩耗させる
ことが可能となる。
【0019】また、耐摩耗コーティングの厚さを変化さ
せることにより、サイドシール部材6の接触摩耗量を制
御することができる。すなわち、耐摩耗コーティングの
厚さを厚くすることによりトランジッションピース5の
接触摩耗量を増加させ、サイドシール部材6の接触摩耗
量を少なくしサイドシール部材6の寿命を延ばすことが
可能となるが(図9参照)、トランジッションピース5
とサイドシール部材6間の初期間隙が大きくなりトラン
ジッションピース5間からの洩れ空気量が大きくなるた
め、耐摩耗コーティングの厚さは1mm以下とすること
が必要となる。なお、定期検査に対応したサイドシール
部材6の交換時期を考慮すると、0.3mm程度が好ま
しい。
せることにより、サイドシール部材6の接触摩耗量を制
御することができる。すなわち、耐摩耗コーティングの
厚さを厚くすることによりトランジッションピース5の
接触摩耗量を増加させ、サイドシール部材6の接触摩耗
量を少なくしサイドシール部材6の寿命を延ばすことが
可能となるが(図9参照)、トランジッションピース5
とサイドシール部材6間の初期間隙が大きくなりトラン
ジッションピース5間からの洩れ空気量が大きくなるた
め、耐摩耗コーティングの厚さは1mm以下とすること
が必要となる。なお、定期検査に対応したサイドシール
部材6の交換時期を考慮すると、0.3mm程度が好ま
しい。
【0020】また、本発明の応用例として、サイドシー
ル部材6の耐摩耗コーティングの幅を1年毎に変えるこ
とによりさらに本発明の効果が大となる。すなわち、当
初の1年間はサイドシール部材6の耐摩耗コーティング
幅を短くしたもの(例えば、接触面両端1/8ずつ)と
することにより、サイドシール部材6とトランジッショ
ンピース5の接触摩耗範囲が狭くなる。
ル部材6の耐摩耗コーティングの幅を1年毎に変えるこ
とによりさらに本発明の効果が大となる。すなわち、当
初の1年間はサイドシール部材6の耐摩耗コーティング
幅を短くしたもの(例えば、接触面両端1/8ずつ)と
することにより、サイドシール部材6とトランジッショ
ンピース5の接触摩耗範囲が狭くなる。
【0021】次に、1年目のガスタービン燃焼器の定期
検査時には耐摩耗コーティング幅を長くした(例えば、
接触面両端1/4ずつ)サイドシール部材6と交換す
る。これにより、サイドシール部材6とトランジッショ
ンピース5との接触面が新たな場所となり1年間の運転
では、トランジッションピース5の分解・補修を行わず
に、サイドシール部材6の交換のみでガスタービンを運
転することが可能となる。
検査時には耐摩耗コーティング幅を長くした(例えば、
接触面両端1/4ずつ)サイドシール部材6と交換す
る。これにより、サイドシール部材6とトランジッショ
ンピース5との接触面が新たな場所となり1年間の運転
では、トランジッションピース5の分解・補修を行わず
に、サイドシール部材6の交換のみでガスタービンを運
転することが可能となる。
【0022】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、サイドシール部材およびトランジッションピース双
方の接触摩耗量を減ずることができ、ガスタービン燃焼
器の定期検査に至る前にガスタービンの運転を停止する
ことがなく、安定したガスタービンの運転と電力供給を
実現することができるガスタービンの圧縮空気漏洩防止
装置を得ることができる。
ば、サイドシール部材およびトランジッションピース双
方の接触摩耗量を減ずることができ、ガスタービン燃焼
器の定期検査に至る前にガスタービンの運転を停止する
ことがなく、安定したガスタービンの運転と電力供給を
実現することができるガスタービンの圧縮空気漏洩防止
装置を得ることができる。
【図1】本発明のガスタービンの一実施例を示す縦断側
面図である。
面図である。
【図2】本発明のガスタービントランジッションピース
部の配列図である。
部の配列図である。
【図3】従来のガスタービントランジッションピース部
の正面図である。
の正面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】本発明のガスタービンに用いられるサイドシー
ル部材の正面図である。
ル部材の正面図である。
【図6】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図7】本発明によるサイドシール部材およびガスター
ビントランジッションピース部の接触摩耗発生順序を示
すサイドシール部材の側面図である(運転初期)。
ビントランジッションピース部の接触摩耗発生順序を示
すサイドシール部材の側面図である(運転初期)。
【図8】本発明によるサイドシール部材およびガスター
ビントランジッションピース部の接触摩耗発生順序を示
すサイドシール部材の側面図である(運転後)。
ビントランジッションピース部の接触摩耗発生順序を示
すサイドシール部材の側面図である(運転後)。
【図9】サイドシール部材の接触摩耗量と運転時間の関
係を示す特性図である。
係を示す特性図である。
1…空気圧縮機部、2…燃焼器部、3…タービン部、4
…燃焼器ライナ、5…トランジッションピース、6…サ
イドシール部材、7…サイドシール部材固定ピン。
…燃焼器ライナ、5…トランジッションピース、6…サ
イドシール部材、7…サイドシール部材固定ピン。
フロントページの続き (72)発明者 山中 庸博 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 燃焼器からの作動流体をタービンに導く
複数のトランジッションピースと、このトランジッショ
ンピースの隣接間に配置され、圧縮空気の漏洩を防止す
るサイドシール部材とを備え、前記サイドシール部材が
前記トランジッションピースに設けられている溝に嵌合
保持されるように形成されているガスタービンの圧縮空
気漏洩防止装置において、 前記サイドシール部材のトランジッションピースと嵌合
接触する面の一部に、耐摩耗コーティングを施工するよ
うにしたことを特徴とするガスタービンの圧縮空気漏洩
防止装置。 - 【請求項2】 燃焼器からの作動流体をタービンに導く
複数のトランジッションピースと、このトランジッショ
ンピースの隣接間に配置され、圧縮空気の漏洩を防止す
るサイドシール部材とを備え、前記サイドシール部材が
前記トランジッションピースに設けられている溝に嵌合
保持されるように形成されているガスタービンの圧縮空
気漏洩防止装置において、 前記サイドシール部材のトランジッションピースと嵌合
接触する面で、かつ端部近傍部のみに、耐摩耗コーティ
ングを施工するようにしたことを特徴とするガスタービ
ンの圧縮空気漏洩防止装置。 - 【請求項3】 前記耐摩耗コーティングは、その厚さが
1mm以下である請求項1または2記載のガスタービン
の圧縮空気漏洩防止装置。 - 【請求項4】 複数個の燃焼器と、この燃焼器にそれぞ
れ設けられ、燃焼器からの作動流体をタービンに導くト
ランジッションピースとを備え、前記トランジッション
ピースの隣接間に圧縮空気の漏れを防止するサイドシー
ル部材が嵌合配置されているガスタービンにおいて、 前記サイドシール部材のトランジッションピースと嵌合
接触する面で、かつその一部に耐摩耗コーティングを施
工するようにしたことを特徴とするガスタービン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10003696A JPH11200894A (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | ガスタービン及びその圧縮空気漏洩防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10003696A JPH11200894A (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | ガスタービン及びその圧縮空気漏洩防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11200894A true JPH11200894A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=11564554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10003696A Pending JPH11200894A (ja) | 1998-01-12 | 1998-01-12 | ガスタービン及びその圧縮空気漏洩防止装置 |
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JP (1) | JPH11200894A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003185140A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-03 | Hitachi Ltd | ガスタービン燃焼器 |
JP2003193866A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-09 | Hitachi Ltd | ガスタービン燃焼器 |
WO2007023734A1 (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-01 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | ガスタービン燃焼器のシール構造 |
DE102010036347B4 (de) | 2009-07-20 | 2021-09-30 | General Electric Co. | Dichtungen für eine Turbinenmaschine und Verfahren zur Montage einer Turbinenmaschine |
-
1998
- 1998-01-12 JP JP10003696A patent/JPH11200894A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2007023734A1 (ja) * | 2005-08-23 | 2009-02-26 | 三菱重工業株式会社 | ガスタービン燃焼器のシール構造 |
US7788932B2 (en) | 2005-08-23 | 2010-09-07 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Seal structure for gas turbine combustor |
JP4672728B2 (ja) * | 2005-08-23 | 2011-04-20 | 三菱重工業株式会社 | ガスタービン燃焼器のシール構造 |
US8069673B2 (en) | 2005-08-23 | 2011-12-06 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Seal structure for gas turbine combustor |
DE102010036347B4 (de) | 2009-07-20 | 2021-09-30 | General Electric Co. | Dichtungen für eine Turbinenmaschine und Verfahren zur Montage einer Turbinenmaschine |
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