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JPH11196897A - 糖化タンパク質の測定方法及び測定装置 - Google Patents

糖化タンパク質の測定方法及び測定装置

Info

Publication number
JPH11196897A
JPH11196897A JP1506498A JP1506498A JPH11196897A JP H11196897 A JPH11196897 A JP H11196897A JP 1506498 A JP1506498 A JP 1506498A JP 1506498 A JP1506498 A JP 1506498A JP H11196897 A JPH11196897 A JP H11196897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protease
immobilized
amino acid
acid oxidase
column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1506498A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshizu
博 吉津
Akihiko Okamura
明彦 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkray Inc
Original Assignee
KDK Corp
Kyoto Daiichi Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KDK Corp, Kyoto Daiichi Kagaku KK filed Critical KDK Corp
Priority to JP1506498A priority Critical patent/JPH11196897A/ja
Publication of JPH11196897A publication Critical patent/JPH11196897A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料中に存在するアマドリ化合物濃度を効率
よく且つ精度の高い測定結果を得る。 【解決手段】 プロテアーゼ及びフルクトシルアミノ酸
オキシダーゼを固定化担体に固定化したカラムを用いて
フローインジェクションによる測定装置で測定すること
により、プロテアーゼの自己消化及びプロテアーゼによ
るフルクトシルアミノ酸オキシダーゼの分解を防ぐこと
ができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は試料中に存在する糖
化タンパク質の濃度を測定する場合において、酵素を用
いる測定、具体的にはフルクトシルアミノ酸オキシダー
ゼを用いて行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】糖化タンパク質は、タンパク質を構成す
るアミノ酸のアミノ基と、アルドース等の還元糖のアル
デヒド基とが非酵素的に且つ非可逆的に結合して生成さ
れる物質であり、この非酵素的且つ非可逆的な結合をア
マドリ転位と呼ぶことからアマドリ化合物とも言われて
いる。糖化タンパク質の生成速度は、タンパク質と還元
糖の濃度、接触時間、温度に依存しており、タンパク質
と還元糖の量が多く、両者の接触時間が長い程、蛋白質
の変性が起きない程度で温度が高い程、糖化蛋白質の生
成速度は早くなり、生成量が多くなる。また生体中で
は、糖化される蛋白質の半減期によって糖化タンパク質
の濃度が異なることから、糖化タンパク質の濃度を測定
することにより、様々な情報を得ることができる。例え
ば、血液中のヘモグロビンが糖化されたアマドリ化合物
は糖化ヘモグロビン、アルブミンが糖化されたアマドリ
化合物は糖化アルブミン、血液中の糖化物の還元能はフ
ルクトサミンと呼ばれる。これらの血中濃度は、生体中
における過去一定期間の平均血糖値をそれぞれ反映して
おり、それら測定値は、糖尿病の症状の診断及び症状の
管理の重要な指標となり得るために、測定手段の確立は
臨床上極めて有用である。
【0003】従来の糖化タンパク質の測定法としては、
等電点分画電気泳動法、陽イオン交換クロマトグラフィ
ー、分光測定法、比色定量法、HPLC法、ミニカラム
法、アフィニティークロマトグラフィーなどが挙げられ
(検査と技術、第14巻 11号 第1155頁(1986)
参照)、様々な糖化タンパク質量測定が臨床に用いら
れていた。
【0004】しかしこれらの方法は、検出感度や操作性
や検体処理に長時間を有するなどの問題点が存在し、必
ずしも満足する方法とは言いがたく、実用上解決されな
ければならない。理想的には検出感度が高く、多数の検
体を短時間の内に簡便かつ高精度に測定できる方法およ
び装置が要望される。
【0005】これらの問題点を解決する方法として、糖
化タンパク質の糖化部位の一つであるグルシトールリジ
ン残基に特異的な親和性を有する抗血清やモノクローナ
ル抗体を取得し、放射性同位元素を標識した免疫測定法
(RIA)による糖化タンパク質の測定が報告されてい
る(J.Clin.Invest.,72,1427(1983)、臨床病理 第33
巻補冊(1985) 第226頁、糖尿病 第29巻第581
頁 (1986) 、Clinica.Chimica.Acta.,153,293(1986) 、
糖尿病 第28巻 第695頁 (1985) 参照)。
【0006】免疫学的測定法は、いずれも糖化タンパク
質のアマドリ化合物に対する抗還元型糖化タンパク質抗
体を使用しており、糖化タンパク質測定法としては優れ
た方法であるが、臨床的に意義の高いアルブミンやヘモ
グロビンに分離する必要があることやタンパク質の総量
を別途行う必要があること、還元反応前に糖とタンパク
質を分離する前処理が必要となるなど、特異性及び操作
性の問題点が残る(糖尿病 第34巻補冊第96頁(198
6年)参照)。
【0007】上述した問題点を解決した免疫学的測定方
法として、特定タンパク質のみを認識する固定化抗体に
よって試料中の特定タンパク質のみを選択的に捕捉せさ
てB/F分離を行い、標識化ボロン酸誘導体を添加して
糖化部位に結合させてB/F分離を行い、残存する標識
物を測定することによって特定タンパク質の糖化割合を
求める方法がある(特開5-87809号)が、B/F分離を
2回も行わなければならないため非常に操作が煩雑であ
り、結果として測定に長時間が必要となるため多数検体
処理が非常に困難となり、更に非特異的反応による影響
を受けるために精度の高い測定を行うことができない問
題点を抱えている。
【0008】測定反応系におけるpHまたはイオン強度
における変動の影響を受けにくいフェニルボロン酸のア
フィニティークロマトグラフィーは、糖化タンパク質の
分離法として優れた方法であり、アミコン・コーポレー
ションやピアス・ケミカル・カンパニーなどが、固定化
したフェニルボロン酸を含む臨床使用のためのキットを
開発している(英国特許出願公開第2,024,829号および
米国特許第4,269,605号)。しかしながら、測定のため
の試料量が比較的多く必要であることや糖化タンパク質
とフェニルボロン酸の結合が温度による影響を受けるた
め精度の高い測定ができない。
【0009】固相化したフェニルボロン酸により糖化タ
ンパク質を分離し、特定タンパク質のみを認識する標識
化抗体を用いる方法(特開62-100660 号)が報告されて
いるが、糖化割合を知るために特定タンパク質の総量を
別途測定する必要があり、また糖化タンパク質とフェニ
ルボロン酸の結合が温度による影響を受けるために精度
の高い測定ができない問題が残されている。
【0010】蛍光標識化したボロン酸誘導体を糖化アル
ブミンの検出用試薬とし、蛍光波長の変化より糖化アル
ブミンを定量する方法(Clin.Chem.Acta,149,13(1985)
)が報告されている。この方法は、原理的に検出用試
薬が不特定の糖化タンパク質と反応する点、特定タンパ
ク質の総量を別途測定する必要があり、更に特定タンパ
ク質に対する特異性が低い点で特定タンパク質の糖化割
合を測定する方法としては適していない。
【0011】これらの問題を解決する方法として、特開
64-16964号公報には、固相化した抗体により特定タンパ
ク質を分離し、グリシトールリジン、グリシトールバリ
ン残基などの還元型の糖化部分を特異的に認識するモノ
クローナル抗体にて特定糖化タンパク質量、または特定
タンパク質の糖化割合を測定する方法が報告されてい
る。この方法は、特定タンパク質の総量を測定する必要
がなく糖化割合が測定される点で優れた方法であるが、
再現性や検量線直線性が乏しく、認識糖化部位が糖化部
位の一部にすぎないこと、測定時間が5時間以上を要す
ることなどの問題点を有している。
【0012】また、蛍光色素で標識化したボロン酸誘導
体を試料中のヘモグロビンと反応させ、担体に固定化し
た抗体でヘモグロビンを捕捉し、ヘモグロビン全量を比
色によって測定し、更に糖化ヘモグロビンを蛍光測定に
て測定し、ヘモグロビンの糖化割合を測定する方法が報
告されている(米国特許第4,861,728号)。しかし、担
体に固定化された抗体量に対して大過剰に存在する試料
中の糖化ヘモグロビン全量以上の蛍光色素で標識化され
たボロン酸誘導体が必要な点が、経済的な測定法ではな
く、糖化割合を測定するのに比色測定と蛍光測定の2つ
の測定を必要とする点で、操作性、簡便性、汎用性に問
題がある。
【0013】上述した以外の方法に糖化タンパク質を測
定する方法としては、酵素を用いる測定方法があり、測
定原理は下記の反応式に示す通り、 R1−CO−CH2−NH−R2 + O2 + H2O→ R1−CO−CHO + R2−NH2 + H22 (式中、R1はアルドース残基、R2はアミノ酸、タンパ
ク質又はペプチド残基を表す)糖化タンパク質に酸化還
元酵素を作用させ、酸素の消費量又は生成物(例、過酸
化水素)の産生量を測定することにより糖化タンパク質
濃度を求めることができる(特公平5-33997号公報、特
公平6-65300号公報、特開平2-195900号公報、特開平3-1
55780号公報、特開平4-4874号公報、特開平5-192193号
公報、特開平6-46846号公報、特開平7-289253号公報、特
開平8-154672号公報、特開平8-336386号公報)。さらに、
糖尿病の診断のための糖化タンパク質の測定法も知られ
ている(特開平2-195899号公報、特開平2-195900号公
報、特開平5-192193号公報(EP0 526 150 A)、特開平6-4
6846号公報(EP 0 576 838 A)、 特開平7-289253号公
報、 特開平8-154672号公報、 特開平8-336386号公報)。
【0014】上記の反応を触媒する酵素として、様々な
微生物由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが提供
されている。フサリウム属(Fusarium)、ジベレラ属(G
ibberella)、ペニシリウム属(Penicillium)などに属
する菌由来の酵素を用いて、糖化タンパク質の測定を行
うことができる。(特開平7-289253号公報、 特開平8-15
4672号公報、 特開平8-336386号公報。)フサリウム・オ
キシスポルムS-1F4(Fusarium oxysporum S-1F4;FERM
BP-5010)及びジベレラ・フジクロイ(IFO NO.6356及びI
FO NO.6605)(Gibberella fujikuroi)が産生するフルク
トシルアミノ酸オキシダーゼ(以下、それぞれ、FAO
D−S及びFAOD−Gと称する)は、フルクトシルリ
ジン、フルクトシルポリリジンに対して強い活性を有す
ることから、アマドリ化合物の内でも特に糖化アルブミ
ンの測定に有用であることが明らかになっている(特開
平7-289253号公報)。従って、これらのフルクトシルア
ミノ酸オキシダーゼによる糖化タンパク質の測定方法が
確立されれば、汎用の自動分析装置に適応することもで
きるため、従来法に比べてもっと安価に短時間で測定を
行うことができる。更に酵素の持つ特異性によって正確
に生体成分中の糖化タンパクを求めることも可能である
ため、健康診断におけるスクリーニング検査や糖尿病患
者の治療マーカとして大いに期待されている測定方法で
ある。
【0015】フルクトシルアミノ酸オキシダーゼによる
糖化タンパク質の測定は、糖化タンパク質がフルクトシ
ルアミノ酸オキシダーゼの活性中心部に効率良く結合さ
れなければならず、糖化タンパク質の分子が大きい場合
はプロテアーゼによる前処理が必要となる。フルクトシ
ルアミノ酸オキシダーゼは、糖化タンパク質をプロテア
ーゼを用いて小断片化することにより酵素反応速度が上
がることは既に周知である。しかしプロテアーゼの種類
は非常に数多く、しかもフルクトシルアミノ酸オキシダ
ーゼの種類によって、酵素反応に理想的な基質の大きさ
が異なるため、測定反応に用いるプロテアーゼとフルク
トシルアミノ酸オキシダーゼの理想的な組み合わせは限
定されてくる。
【0016】プロテアーゼとしてスミチームMP又はプ
ロテアーゼXIVのうち、少なくとも一方を用いて糖化ア
ルブミンを小断片化した後に、FAOD−S又はFAO
D−Gのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを用いて糖
化アルブミンの濃度を測定する方法が確立されている。
(特願平9−107106号)
【0017】上述した菌を培養して分離精製されるフル
クトシルアミノ酸オキシダーゼの量は非常に少なく、多
量の酵素を得るには時間と労力が必要である。酵素反応
によって生成する過酸化水素を測定する場合は、測定し
ようとする試料毎にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
を添加する必要があるため、測定試料の数だけ酵素が必
要となり、試料当たりの経費が高くなってしまうという
欠点を有していた。同様に、糖化タンパク質の断片化処
理のために、プロテアーゼも添加する必要があり、経費
は更に高くなってしまっていた。
【0018】もう1つ重要な問題としては、断片化処理
のために添加するプロテアーゼ自身が糖化されており、
これが基質となってフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
と反応し、測定結果に誤差として大きな影響を及ぼして
しまうという問題も生じていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0019】糖化タンパク質を含む試料にプロテアーゼ
を添加して断片化処理を行った後、フルクトシルアミノ
酸オキシダーゼを添加して発生する過酸化水素量又は消
費する酸素量を求めることにより糖化量又は糖化率を測
定すると言う従来法の場合は、断片化処理された糖化タ
ンパク質とフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが特異的
に反応しなければならない。つまりフルクトシルアミノ
酸オキシダーゼと反応するのは試料中に含まれる糖化タ
ンパク質のみでなければならない。試料中に含まれる糖
化タンパク質以外に糖化タンパク質が測定系に存在する
場合、例えば糖化されたプロテアーゼや糖化されたフル
クトシルアミノ酸オキシダーゼが存在すれば、それらの
糖化部位にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが反応し
てしまうため、測定試料中に含まれる真の糖化量又は糖
化率を求めることができず、精度の高い測定ができなく
なってしまう。
【0020】酵素などのタンパク質は、鋳型となる遺伝
子をスクリーニングして大腸菌などに導入された組み替
え体を培養することによって工業的に大量生産してい
る。この組み替え体の培養時に栄養源としてグルコース
を添加するため、得られたタンパク質が糖化されてしま
う。糖は組み替え体の培養には不可欠であるため、タン
パク質と糖が共存する環境下においてはタンパク質の糖
化は避けられず、その結果糖化タンパク質の測定に用い
られるプロテアーゼやフルクトシルアミノ酸オキシダー
ゼも糖化されてしまっている。
【0021】糖化されたプロテアーゼがフルクトシルア
ミノ酸オキシダーゼの基質となって測定結果に誤差を及
ぼす場合に加えて、糖化タンパク質を断片化処理するた
めに添加したプロテアーゼがプロテアーゼ自身を断片化
するという自己消化によって糖化されたプロテアーゼが
断片化処理されることによる影響も無視できない。フル
クトシルアミノ酸オキシダーゼが認識できる基質の大き
さが、小さければ小さい程酵素の基質特異性が高くな
る。そのため糖化されたプロテアーゼが自己消化したも
のは、断片化されない糖化されたプロテアーゼ以上に、
フルクトシルアミノ酸オキシダーゼに反応することにな
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】試料中の糖化タンパク質
を測定するために、プロテアーゼ及びフルクトシルアミ
ノ酸オキシダーゼを固定化担体に固定化し、該固定化担
体を充填したプロテアーゼ固定化カラムおよびフルクト
シルアミノ酸オキシダーゼ固定化担体を予め用意し、測
定試料をプロテアーゼ固定化カラムにより断片化処理し
た後、続いてフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化
カラムにより過酸化水素を生成させ、該過酸化水素を検
出することによって、糖化率または糖化タンパク質量が
求めることができる精度の高い糖化タンパク質の測定方
法を確立できた。
【0023】ここで用いるプロテアーゼとは、糖化タン
パク質を断片化してフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
と反応のできるプロテアーゼであって、例えばプロテア
ーゼXIV、プロナーゼ、プロティナーゼK、ズブチリシ
ン、プロテアーゼS、スミチームAP、スミチームM
P、カルボキシペプチダーゼY、プロチンFAなどの内
から選ばれる酵素担体であっても良いし、複数酵素の混
合物を用いることもできる。フルクトシルアミノ酸オキ
シダーゼは、上述した酵素であれば何れの酵素であって
も良い。これらのプロテアーゼ又はフルクトシルアミノ
酸オキシダーゼを固定化する担体としては、例えばアガ
ロース、セルロース、デキストランなどの高分子多糖と
その誘導体、多孔質ガラス、シリカゲル、キトサン、ポ
リアクリルアミドポリスチレン樹脂、セラミック、ナイ
ロン、ポリビニルアルコール、アクリル、アミノ酸共重
合体が使用できる。
【0024】酵素を上述した固定化担体に結合する方法
としては、物理的吸着方法、イオン結合方法、架橋方
法、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法などの共有結
合方法など既に一般的に知られている結合方法により、
固定化された酵素が高い活性を維持することができ、固
定化された担体から離脱することなく固定化されること
が可能であれば如何なる方法であっても良い。フルクト
シルアミノ酸オキシダーゼによる酵素反応の結果生成さ
れる過酸化水素の測定に、ペルオキシダーゼ固定化担体
を充填したカラムを用いて測定することもできる。
【0025】フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化
カラムによって生成された過酸化水素は、当該技術分野
で既知の方法、例えば、発色法、過酸化水素電極を用い
る方法によって測定を行う。過酸化水素の比色法におけ
る発色系としては、ペルオキシダーゼの存在下で4−ア
ミノアンチピリン(4AA)、3−メチル−2−ベンゾ
チアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等のカップラーと
フェノール等の色原体との酸化縮合により色素を生成す
る系を用いることができる。色原体としては、フェノー
ル誘導体、アニリン誘導体、トルイジン誘導体等があ
り、例えば、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル)−m−トルイジン、N,N−ジメチル
アニリン、N,N−ジエチルアニリン、2,4−ジクロロ
フェノール、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−
エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチ
ルアニリン(MAPS)、N−エチル−N−(2−ヒド
ロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニ
リン(MAOS)等が挙げられる。又、ペルオキシダー
ゼの存在下で酸化されて呈色するロイコ型発色試薬も用
いることができ、そのようなロイコ型発色試薬は、当業
者に既知であり、o−ジアニシジン、o−トリジン、
3,3′−ジアミノベンジジン、3,3′,5,5′−テト
ラメチルベンジジン、N−(カルボキシメチルアミノカ
ルボニル)−4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ジフェ
ニルアミン・Na(DA64)、10−(カルボキシメ
チルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミ
ノ)フェノチアジン・Na(DA67)等が挙げられ
る。
【0026】色原体を用いる過酸化水素の測定には、比
色法のほか、蛍光法、化学発光法も挙げられる。蛍光法
には、酸化によって蛍光を発する化合物、例えば、ホモ
バニリン酸、4-ヒドロキシフェニル酢酸、チラミン、
パラクレゾール、ジアセチルフルオレスシン誘導体など
を用いることができる。化学発光法には、触媒としてペ
ルオキシダーゼ、フェリシアン化カリウム、ヘミン等
を、基質としてルミノール、ルシゲニン、イソルミノー
ル、ピロガロール等を用いることができる。さらに、過
酸化水素の測定には、アルコール(例、メタノール)の
存在下でカタラーゼを作用させ、生成するアルデヒドを
ハンチ反応や、MBTHとの縮合反応により発色させる
系も利用できる。このアルデヒドをアルデヒドデヒドロ
ゲナーゼと共役させ、NAD(NADH)の変化を測定
することもできる。グルコソンの測定には、ジフェニル
アミン等のアルドース試薬を用いることができる。
【0027】過酸化水素を電極を用いて測定する場合、
電極には、過酸化水素との間で電子を授受することので
きるものであれば何でも使用することができるが、例え
ば白金、金、銀などが好ましい。測定は、アンペロメト
リー、ポテンショメトリー、クーロメトリー等、当業者
既知の方法で行うことができる。また、FAOD又は基
質と電極との間の反応に電子伝達体を介在させ、得られ
る酸化、還元電流あるいはその電気量を測定することも
できる。電子伝達体としては、フェロセン誘導体、キノ
ン誘導体等、当業者に既知の物質、又は当業者が通常考
え得る電子伝達機能を有する任意の物質であって良い。
さらに、FAOD反応により生成する過酸化水素と電極
との間に電子伝達体を介在させ、得られる酸化、還元電
流あるいはその電気量を測定することもできる。また、
プロテアーゼ固定化カラムを用いて糖化タンパク質の小
断片化を行った後、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
を添加して反応によって消費する酸素量又は生成する過
酸化水素量を上述した方法により検出する方法で糖化タ
ンパク質の測定を行っても良いし、プロテアーゼ固定化
カラムを用いた後フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固
定化カラムを用いて、過酸化水素量の検出を上述した方
法により測定する方法であっても良い。
【0028】
【発明の実施の形態】糖化タンパク質をプロテアーゼ固
定化カラムによって小断片化処理を行った後、引き続き
フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化カラムによっ
て過酸化水素を生成させ、POD固定化カラムによる発
色を検出器によって測定を行った。以下に詳細な手順を
示す。今回使用したプロテアーゼは、プロテアーゼXIV
及びスミチームMPの2種類と、フルクトシルアミノ酸
オキシダーゼはFAOD−Sを用いて行った。 (実施例1)プロテアーゼ又はフルクトシルアミノ酸オ
キシダーゼ固定化カラム固定化担体の作製方法を以下に
示す。プロテアーゼ固定化カラムは、プロテアーゼとし
てプロテアーゼXIV(SIGMA社)及びスミチームM
P(新日本化学工業)を、プロテアーゼを固定化させる
担体はキトパール(BCW−2601)を用いた。プロ
テアーゼ固定化担体の作製は次の通りに行った。プロテ
アーゼXIV又はスミチームMPを0.01M−リン酸緩
衝液に溶解し、キトパールを混合して4℃で16時間撹
拌を続けた。固定化されなかったプロテアーゼXIVをリ
ン酸緩衝液で洗浄除去した後、グルタールアルデヒド溶
液を加え、室温で3時間撹拌した。次にゲルの洗浄を
0.5M−NaCL添加0.1M−Tris−HClお
よび0.1M−Tris−HClを用いて行った。 プロテアーゼXIV(Sigma) 100mg 又は スミチームMP(新日本化学工業) 100mg キトパールBCW−2601(富士紡績) 1g 0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4) 2.5%グルタールアルデヒド 8ml ゲル洗浄液 0.1MTris−HCl(pH8.0)+0.5M−NaCl 0.1MTris−HCl(pH8.0) プロテアーゼ固定化担体ゲルは4.6mmI.D.×3
0mmサイズのカラムに充填して以下プロテアーゼカラ
ムとして用いた。
【0029】フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化
担体の作製 フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化カラムは、フ
ルクトシルアミノ酸オキシダーゼとしてフサリウムオキ
シスポラムS1F4の培養物から精製されたFAOD−
Sを用い、固定化担体はキトパール(BCW−260
1)を用いた。尚フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの
作製方法は、特開平7−289253に記載の通り行っ
た。フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化担体の作
製は次の通りに行った。フルクトシルアミノ酸オキシダ
ーゼを0.01M−リン酸緩衝液に溶解し、キトパール
を混合して4℃で16時間撹拌を続けた。固定化されな
かったフルクトシルアミノ酸オキシダーゼをリン酸緩衝
液で洗浄除去した後、グルタールアルデヒド溶液を加
え、室温で3時間撹拌した。次にゲルの洗浄を0.5M
−NaCl添加0.1M−Tris−HClおよび0.
1M−Tris−HClを用いて行った。 フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ FAOD−S 100mg キトパールAL−01(富士紡績) 1g 0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4) 2.5%グルタールアルデヒド 8ml ゲル洗浄液 0.1MTris−HCl(pH8.0)+0.5M−NaCl 0.1MTris−HCl(pH8.0) フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化担体ゲルは
4.6mmI.D.×10mmサイズのカラムに充填し
て以下プロテアーゼカラムとして用いた。
【0030】POD固定化担体の作製 POD固定化カラムは、POD(オリエンタル酵母社
製)を用い、固定化担体はキトパール(BCW−260
1)を用いた。POD固定化担体の作製は次の通りに行
った。PODを0.01M−リン酸緩衝液に溶解し、キ
トパールを混合して4℃で16時間撹拌を続けた。固定
化されなかったPODをリン酸緩衝液で洗浄除去した
後、グルタールアルデヒド溶液を加え、室温で3時間撹
拌した。次にゲルの洗浄を0.5M−NaCl添加0.
1M−Tris−HClおよび0.1M−Tris−H
Clを用いて行った。 POD 100mg キトパールAL−01(富士紡績) 1g 0.01Mリン酸緩衝液(pH7.4) 2.5%グルタールアルデヒド 8ml ゲル洗浄液 0.1MTris−HCl(pH8.0)+0.5M−NaCl 0.1MTris−HCl(pH8.0) POD固定化担体ゲルは4.6mmI.D.×10mm
サイズのカラムに充填して以下PODカラムとして用い
た。
【0031】図1に糖化タンパク質の測定装置を簡単に
示す。プロテアーゼ固定化カラム、フルクトシルアミノ
酸オキシダーゼ固定化カラム、POD固定化カラムを図
に示した様にセットして測定装置とした。測定時に各カ
ラムを通る溶液は、A溶液として次に示すものを混合し
たものを使用した。 1M Tris−HCl 緩衝液(pH7.5) 2M DTT(和光純薬社製) 3mM 4−アミノアンチピリン(和光純薬社製) 3mM TOOS(SIGMA社製) A溶液容器から移送管を通ってポンプ(LC−6A 島
津社製)に流入されてインジェクションバルブを通りプ
ロテアーゼ固定化カラム、フルクトシルアミノ酸オキシ
ダーゼ固定化カラムおよびPOD固定化カラムを通る。
測定試料はインジェクションバルブから20μl注入さ
れてプロテアーゼ固定化カラムで小断片化された後、フ
ルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化カラムで糖化タ
ンパク質が分解されて過酸化水素の発生が起こる。続い
てPOD固定化カラムでの発色は吸光度計(SPD−6
AV 島津社製)を用いて555nmにおける吸光度を
測定した。今回アマドリ化合物のモデル物質として、社
内調製した糖化ポリリジンの測定を行った。調整方法は
ポリリジン(シグマ社製)100mgとD−グルコース
(ナカライ社製)500mgを蒸留水10mlに溶解し
て50℃で1週間インキュベーションした後、糖化に関
与しないD−グルコースはゲル濾過によって取り除い
た。次にフルクトサミン「BMY」(ベーリンガー・マ
ンハイム)キットを用いて濃度を測定したところ400
μmol/lであることが確認された。この糖化ポリリ
ジンを用いて、各濃度に調整された糖化ポリリジン溶液
について測定を行った結果を図2に示す。555nmに
おける吸光度は糖化ポリリジンの濃度に依存しており、
直線性が示された。
【0032】
【発明の効果】本発明によって試料中の糖化タンパク質
濃度を効率よく測定することができ、精度の高い測定結
果を得ることができる。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】 固定化カラムを用いた測定装置を示す。
【図2】 測定装置を用いて行った糖化ポリリジンの測
定結果を示す。
【0034】
【符号の説明】
溶液容器 ポンプ インジェクションバルブ プロテアーゼ固定化カラム フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化カラム POD固定化カラム オーブン 検出器 廃液ボトル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の糖化タンパク質を測定する場合
    に、プロテアーゼ固定化カラムを用いることを特徴とす
    る糖化タンパク質の測定方法。
  2. 【請求項2】 試料中の糖化タンパク質を測定する場合
    に、プロテアーゼ固定化カラムとフルクトシルアミノ酸
    オキシダーゼ固定化カラムを用いることを特徴とする糖
    化タンパク質の測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2に記載する糖化タ
    ンパク質の測定に用いるプロテアーゼ固定化カラム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載する糖化タンパク質の測
    定に用いるプロテアーゼ固定化カラムに充填するプロテ
    アーゼ固定化担体。
  5. 【請求項5】 請求項1及び請求項2に記載する糖化タ
    ンパク質の測定に用いるフルクトシルアミノ酸オキシダ
    ーゼ固定化カラム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載する糖化タンパク質の測
    定に用いるフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定化カ
    ラムに充填するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ固定
    化担体。
  7. 【請求項7】 該プロテアーゼがプロテアーゼXIV、スミ
    チームMP、プロナーゼ、プロティナーゼK、ズブチリ
    シンの内少なくとも1つが選択されることを特徴とする
    請求項3又は請求項4に記載するカラム又は固定化担
    体。
  8. 【請求項8】 プロテアーゼ固定化カラムを用いて試料
    中の糖化タンパク質を測定する測定装置。
  9. 【請求項9】 試料中の糖化タンパク質を測定する場
    合に、少なくともプロテアーゼ固定化カラムとフルクト
    シルアミノ酸オキシダーゼ固定化カラムを用いるととを
    特徴とする糖化タンパク質の測定装置。 【0001】
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004007760A1 (ja) * 2002-07-17 2004-01-22 Arkray, Inc. スルホン酸化合物を用いたタンパク質の分解方法
US7354732B2 (en) 2002-06-14 2008-04-08 Arkray, Inc. Method of assay with sulfonic acid compound and nitro compound
JP2010263921A (ja) * 2001-10-11 2010-11-25 Arkray Inc 糖化アミンを測定するための試料の前処理方法および糖化アミンの測定方法

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