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JPH11189547A - 安定化されたニコランジル製剤及びその製造方法 - Google Patents

安定化されたニコランジル製剤及びその製造方法

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Publication number
JPH11189547A
JPH11189547A JP9359403A JP35940397A JPH11189547A JP H11189547 A JPH11189547 A JP H11189547A JP 9359403 A JP9359403 A JP 9359403A JP 35940397 A JP35940397 A JP 35940397A JP H11189547 A JPH11189547 A JP H11189547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nicorandil
cholesterol
preparation
mannitol
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9359403A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadaichi Shibahara
貞一 柴原
Toshifumi Suzuki
利文 鈴木
Hideko Shigefuji
秀子 重藤
Yukio Hirooka
幸男 広岡
Kiyoshi Masuda
清 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP9359403A priority Critical patent/JPH11189547A/ja
Publication of JPH11189547A publication Critical patent/JPH11189547A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用化が容易で、特殊な包装形態や環境保管
条件を構じなくても充分な安定化効果と速効性が期待さ
れる、コンパクトで服用し易いニコランジル含有製剤を
提供すること。 【解決手段】 ニコランジルにコレステロール、また
は、さらにアルギン酸または微細化マンニトールを適量
配合することにより安定化したニコランジル製剤が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニコランジルとコ
レステロール、またはさらにアルギン酸または微細化マ
ンニトールを含有させることを特徴とする安定化された
ニコランジル製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニコランジルは、冠血管拡張作用、冠動
脈攣縮抑制作用を有し、心・血行動態へ及ぼす影響の少
ない各種病型の狭心症に有用な薬物である。
【0003】しかしながら、ニコランジルの結晶は常
温、乾燥状態では比較的安定であるにもかかわらず、高
温、多湿条件下においては急激に分解が進むといわれて
いる。従って、製剤化に当たっては製剤諸原料の含有水
分や吸湿性、あるいはまた製剤過程における圧縮力や水
分関与の度合いがニコランジルの安定性に著しく悪影響
を与えるため、圧縮成形や防湿等に関しては充分な配慮
が必要とされ、安定化対策が強く要望されている。
【0004】これまでに、ニコランジル製剤の安定化に
は、錠剤を製造する際、打錠圧による含量低下に対して
微粉化(粒子径10ミクロン以下)された糖類を使用す
る方法(特開昭61−143316号)、ニコランジル
の結晶を常温で固体の脂ろう状物質で被覆したのちに打
錠する方法(特開昭57−145659号)が提案され
ている。また、保存中の経時変化による含量低下を防止
する目的で、打錠時に常温で固体の飽和高級脂肪酸もし
くは飽和高級アルコールを混合するか(特開昭62−2
52723号)、あるいはこれらに有機酸を追加配合す
る方法(特開昭63−270624号)も知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法も安定化効果、製造操作の繁殖性及び生産経費な
どの点でなお満足し得ないものがある。
【0006】そこで、本発明者らは、実用化が容易であ
ることを前提とし、特殊な包装形態や環境保管条件を構
じなくても充分な安定化効果と速効性が期待される、コ
ンパクトで服用し易いニコランジル含有製剤を提供する
ために鋭意研究を重ねた。
【0007】即ち、製剤化に際しての圧縮成形時におけ
る粒子間内部摩擦を軽減すること、及び製剤保存時にお
ける水分関与による分解を防止する目的で各種添加剤の
効果を調べた。例えば、セルロース、デンプン、天然高
分子化合物及びそれらの誘導体、ステロイド、糖類、油
脂、アミノ酸、ビタミン類等について、高温加湿条件
下、ニコランジルの安定化効果を検討した結果、意外に
もコレステロールの配合、またはコレステロール及びア
ルギン酸、もしくは微細化マンニトールの併用がニコラ
ンジルの保存安定性を著しく向上することを見い出し
た。これらの安定化機構としては、分子構造の立体性に
よる圧縮成形時の加重分散性能及び吸水性による外湿の
補足性能が関与しているものと推案される。
【0008】更に有効性を高めるために研究を重ねた結
果、賦形剤に用いるマンニトールをある程度予備粉砕
(粒子径20〜50ミクロン)して製剤化すると、ニコ
ランジルの安定化に対する相加性が現れることを認め
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ニコラ
ンジルにコレステロールまたはさらにアルギン酸または
微細化マンニトールを適量配合することにより安定化し
たニコランジル製剤が得られる。製剤化に際して、コレ
ステロールの添加はニコランジルと同量から1/10ま
でが適量である。添加量がこのように少ないため、均一
性と有効性を考慮するとコレステロールは少量の溶剤に
溶かして添加するのが好ましい。また錠剤に成形する場
合、製造過程で水分関与の少ない乾式直打法によるのが
適切で、その場合の賦形剤としてはマンニトール賦形顆
粒が好ましい。
【0010】他方の安定化剤として使用するアルギン酸
の添加量は、ニコランジルに対して1:5〜0.5の範
囲で用いるのが好ましい。特に、製剤の小型化を図るた
め、ニコランジルと同量(製剤中5%)程度用いるのが
好ましい。また、賦形剤としてのマンニトールを補助安
定剤として用いる場合は、ジェットミルのような特殊な
微超粉粉砕機を使用する必要はなく、通常の製剤用ハン
マーミルまたはボールミル程度での予備粉砕で充分であ
る。この場合、コレステロールの添加量はニコランジル
の1/10量でよく、しかも湿式法による打錠が可能と
なり、ニコランジルの保存安定性も更に向上する。
【0011】好適な製剤方法としては、例えば、ニコラ
ンジル及び安定剤としてコレステロールを少量の塩化メ
チレンに溶かし、溶媒を蒸発乾固したものに、あるいは
安定化剤としてアルギン酸を併用混和したものにマンニ
トール賦形顆粒(マンニトールにHPC5%添加して造
粒したもの)を加えて混合した後、さらに滑沢剤として
ステアリン酸カルシウムを少量配合して通常のロータリ
ー打錠機で成形する。好ましくは、1錠約80mg(錠剤
硬度約3kg)の錠剤とする。
【0012】
【実施例】以下に、実施例、参考例および試験例を示
し、本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明
を何ら限定するものではない。
【0013】(参考例)無添加処方 ニコランジル1重量部にマンニトール賦形顆粒(HPC
添加造粒物:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-
SSL)10gを95.5%エタノールに溶かして全量1
00mlとする。この液を用いて、D−マンニトール50
0g及びECG-505 30gの混合品を練合造粒し、乾
燥後、整粒する。)14.84重量部を加えて混合し、2
2メッシュの篩を通したものにステアリン酸カルシウム
0.16重量部を加えてポリ袋中で1分間混合する。ロ
ータリー打錠機を用い、圧縮成形圧700kgで1錠80
mgになるように打錠した。
【0014】(実施例1)コレステロール+アルギン酸
処方 ニコランジル1重量部、コレステロール1重量部、アル
ギン酸1重量部をとり混合したものにマンニトール賦形
顆粒12.84重量部を加えて混合し、22メッシュの
篩を通したものにステアリン酸カルシウム0.16重量
部を加えてポリ袋中で1分間混合する。ロータリー打錠
機を用い、圧縮成形圧700kgで1錠80mgになるよう
に打錠した。
【0015】(実施例2)コレステロール処方 ニコランジル1重量部に16重量%コレステロール・塩
化メチレン溶液をニコランジルに対してコレステロール
0.1重量部になるように加えて練合し、乾燥したのち
22メッシュの篩を通したものにマンニトール賦形顆粒
を14.74重量部加えてポリ袋中で5分間混合し、ス
テアリン酸カルシウム0.16重量部を加えてさらに1
分間混合する。ロータリー打錠機を用い、圧縮成形圧7
00kgで1錠80mgになるように打錠した。
【0016】(実施例3)コレステロール+微細化マン
ニトール処方 ニコランジルに対して微細化マンニトール(マンニトー
ル25、ローヌ・プラン社製、平均粒子径25ミクロ
ン)14.74重量部に実施例2で得たニコランジル・
コレステロール顆粒1.1重量部を加えてポリ袋中で5
分間混合し、ステアリン酸カルシウム0.16重量部を
加えてさらに1分間混合する。ロータリー打錠機を用
い、圧縮成形圧700kgで1錠80mgになるように打錠
した。
【0017】上記参考例及び実施例により得られた錠剤
各1錠中の配合成分量(処方)を第1表に示す。
【表1】
【0018】(試験例)実施例で得られた本発明製剤及
び参考例で得られた対照製剤について、ニコランジルの
安定性を市販のニコランジル製剤(中外製薬株式会社
製、シグマート錠5mg)と比較した結果を以下に示す。
【0019】(安定性苛酷試験)錠剤を、乾燥用シリカ
ゲルを入れたポリ瓶に入れて密栓し、相対湿度75%、
温度60℃及び50℃の恒温器内に3〜7日間保存す
る。また、錠剤を、シリカゲル未使用のガラス瓶に入れ
て開放のまま相対湿度75%、温度30℃の恒温器内に
14日間保存する。
【0020】(ニコランジルの定量)一定経日後、錠剤
3錠を80%メタノール中超音波粉砕機で微細に粉砕し
て、ニコランジルを溶出する。溶出液を適当に処理した
のち、高速液体クロマトグラフィーでニコランジルを定
量する。苛酷試験前の定量値に対する苛酷試験後の定量
値を残存率で表した。
【0021】試験結果は、第2表の通りで、数値は測定
3回の平均値を示す。
【表2】
【0022】
【発明の効果】第2表においてみられるように、本発明
製剤は対照製剤に比して苛酷試験におけるニコランジル
の分解が極めて少ない。また、市販製剤と比べても同等
以上の安定性を示すことから、本発明製剤は製品化され
て上市されても実用上安定性に問題はなく、一般的な医
薬品製剤の品質保証期間中、有効成分の含量維持は確保
できるものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 清 滋賀県大津市一里山3丁目28番16号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニコランジルと共にコレステロールを含
    有することを特徴とする、安定なニコランジル製剤。
  2. 【請求項2】 さらに、アルギン酸または微細化マンニ
    トールを含有する、請求項1記載の製剤。
  3. 【請求項3】 コレステロール及びアルギン酸の添加量
    が、ニコランジルに対し重量比で1:2〜0.05及び
    1:5〜0.5である、請求項2記載の製剤。
  4. 【請求項4】 微細化マンニトールの平均粒子径が25
    ミクロンである、請求項2記載の製剤。
  5. 【請求項5】 ニコランジルとコレステロールを含有さ
    せることを特徴とする、安定なニコランジル製剤の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 さらに、アルギン酸または微細化マンニ
    トールを含有させる、請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 コレステロール及びアルギン酸の添加量
    が、ニコランジルに対し重量比で1:2〜0.05及び
    1:5〜0.5である、請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 微細化マンニトールの平均粒子径が20
    ミクロンである、請求項6記載の製造方法。
JP9359403A 1997-12-26 1997-12-26 安定化されたニコランジル製剤及びその製造方法 Pending JPH11189547A (ja)

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