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JPH11189528A - 安定性の改善された皮膚適用製剤 - Google Patents

安定性の改善された皮膚適用製剤

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Publication number
JPH11189528A
JPH11189528A JP35970997A JP35970997A JPH11189528A JP H11189528 A JPH11189528 A JP H11189528A JP 35970997 A JP35970997 A JP 35970997A JP 35970997 A JP35970997 A JP 35970997A JP H11189528 A JPH11189528 A JP H11189528A
Authority
JP
Japan
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drug
base
layer
skin
preparation
Prior art date
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Pending
Application number
JP35970997A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Mori
政雄 森
Atsushi Mori
淳 森
Takayasu Matsuzawa
孝泰 松澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lead Chemical Co Ltd
Original Assignee
Lead Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Lead Chemical Co Ltd filed Critical Lead Chemical Co Ltd
Priority to JP35970997A priority Critical patent/JPH11189528A/ja
Publication of JPH11189528A publication Critical patent/JPH11189528A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基剤中で不安定である薬物を安定な状態で製
剤化し、貯蔵安定性に優れ、かつ簡便な方法で使用でき
る皮膚適用製剤の提供。 【解決手段】 粘着テープ上に、薬物層及び薬物と反応
する基剤層とを分離した状態で設け、皮膚適用時に薬物
層と基剤層を一体化して使用する皮膚適用製剤。粘着テ
ープ4の上に、薬物(又は基剤)を含有させた担持シー
ト5を置き、その上に溶液状態の基剤(又は薬物)6を
充填し、破壊し得るシート3でシールした容器2を載置
し、容器の縁部7を粘着テープの縁部と接着させる。使
用に際して、シート3を破壊して、容器内の溶液を担持
シート5に含浸させ、容器を剥離後、薬物を含有する担
持シート5を皮膚に貼付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬物と反応する基
剤を薬物と分離した二層性皮膚適用製剤で、皮膚適用時
に薬物層と基剤層を一体化して使用する製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】古来、薬物のヒトへの投与は、種々の経
皮適用手段によって全身的、局所的な疾病を治療しよう
とする試みがなされてきた。それらの製剤の剤型には、
軟膏剤、液剤、貼付剤等があるが、これらの剤型は、基
剤中に薬物が入っているため、薬物と基剤成分との反応
により、薬物が分解され易くなる等不安定となるため、
有効期限の短い製剤が多く、また、薬物によっては、十
分な安定性が得られないために製剤化が不可能なものも
多く存在する。
【0003】薬物の安定性を目的とした従来公知の薬物
と基剤が分離した二層性製剤には、水溶液中で不安定な
薬物に用いる用時溶解して使用する注射剤、酸性薬物と
塩基性薬物との反応を抑えるために二層とした座薬、さ
らに広い意味では、水溶液中で不安定な薬物に用いるド
ライシロップが含まれるが、皮膚適用製剤にはこのよう
な製剤はなく、基剤成分との反応によって不安定になる
薬物の製剤化は不可能であった。
【0004】なお、救急用絆創膏に本発明品と形状が多
少類似する製品(実開昭63−114626号公報)が
あるが、この製品は、基剤に溶解した薬物溶液を傷口に
使用するために、使用時までに薬物溶液を入れておく容
器が絆創膏に付いていて、使用時にこの薬物溶液をガー
ゼに染み込ませるものである。この方法の目的は、あく
まで溶液状態の薬物を傷口に適用することであり、本発
明品とは目的が明らかに異なっている。当然のことであ
るが、この救急用絆創膏のシステムでは、薬物は基剤溶
液中にあるため、基剤成分と反応する薬物の安定性は期
待できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来公
知の皮膚適用製剤の欠点を解決しようとするものであ
り、その目的とするところは、従来ならば基剤中で不安
定である薬物を安定な状態で製剤化し、製剤の貯蔵安定
性を確保し、かつ簡便な方法で使用できる皮膚適用製剤
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、皮膚適用製剤
において、薬物と反応する基剤層を薬物層と分離した状
態で製剤化し、製剤の製造時及び貯蔵時の安定性を確保
し、かつ皮膚適用時に薬物層と基剤層を一体化して使用
する製剤に関する。本発明の第1のタイプの皮膚適用製
剤は、粘着テープ上に、(A1 )薬物または(A2 )薬
物および薬と反応しない基剤を含む固相状態の薬物層A
と薬物と反応する基剤を含む溶液状態の基剤層Bが分離
した状態で設けられており、皮膚適用時に薬物層Aと基
剤層Bを一体化して使用する皮膚適用製剤である。ま
た、本発明の第2のタイプの皮膚適用製剤は、粘着テー
プ上に、薬物と反応する基剤を含む固相状態の基剤層C
と(D1 )薬物または(D2 )薬物および薬物と反応し
ない基剤を含む溶液状態の薬物層Dが分離した状態で設
けられており、皮膚適用時に基剤層Cと薬物層Dを一体
化して使用する皮膚適用製剤である。上記皮膚適用製剤
において、固相状態の薬物層A及び基剤層Cには、薬物
および/または基剤を担持する担持シートを使用するの
が好ましい。また、溶液状態の基剤層Bおよび薬物層D
は、破壊しうる容器内に封入することにより、固相状態
の薬物層A及び基剤層Cと分離した状態でテープ上に設
置するのが好ましい。上記本発明の皮膚適用製剤は、い
ずれも、粘着テープ上に薬物層と基剤層が分離して設け
られた二層性製剤であり、使用時まで薬物と基剤成分と
の反応がなく、薬物は安定であり、皮膚適用時には簡便
な方法で使用が可能である。
【0007】本発明で使用される粘着テープには、アク
リル系、シリコン系、イソプレン系、ポリイソブチレン
系、ビニル系等のいわゆる非水系粘着剤の他に、ポリア
クリル酸およびこれらの金属塩等の水溶性高分子を含有
する水性粘着剤も使用できる。
【0008】また、本発明の固相には、織布、不織布、
ネル等の布、スポンジ、脱脂綿、ガーゼ等の担持シート
を使用することができる。また、これらの担持シートに
は、それに含浸させる溶液の染み出しを防止するため
に、予めゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニ
ルアセトアミド、ポリアクリル酸およびこれらの金属塩
等の水溶性高分子、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化ア
ルミニウムゲルまたは酸化亜鉛等の金属架橋剤を含有さ
せておき、溶液状態の薬物層あるいは基剤層を素早くゲ
ル化することができる。
【0009】本発明において、固相状態および溶液状態
の基剤層には、水、ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エ
ステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の
界面活性剤、グリセリン、ブチレングリコール、ソルビ
トール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、
エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコ
ール、フェニルエチルアルコール、ブタノール等のアル
コール類、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシ
エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアル
コール、N−ビニルアセトアミド重合体、ポリアクリル
酸およびこれらの金属塩等の水溶性高分子、合成ケイ酸
アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、酸化亜鉛等の
金属架橋剤、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主
成分とした(メタ)アクリレート系の各種粘着付与性物
質、シリコンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム等の
ゴム系粘着付与性物質、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール等のビニル系粘着付与性物質、l,dl−メン
トール、l,dl−カンフル、ハッカ油、ハッカ水等の
精油成分、有機酸、有機塩基、無機酸、無機塩基等のp
H調整剤、その他クロタミトン、N−メチルピロリド
ン、乳酸セチル、流動パラフィン、尿素等の薬物溶解
剤、安定化剤、保湿剤、角質軟化剤または吸収促進剤と
成り得る成分を配合することができる。
【0010】本発明で使用される薬物としては、基剤中
の水により加水分解反応、酸化反応等を受け易い薬物、
水以外の基剤成分の反応(例えばエステル化等)により
分解する薬物および基剤の酸性度(pH)において不安
定な薬物も使用可能である。具体的には、水により加水
分解反応を受け易い薬物としては、分子内にエステル結
合、エーテル結合、アミド結合等を有するサリチル酸エ
ステル類、インドメタシン、ピロキシカム、テノキシカ
ム等の消炎鎮痛薬、塩酸アゼラスチン等の抗アレルギー
薬、アテノロール、塩酸アルプレノロール、塩酸アロチ
ノロール、塩酸インデノロール、塩酸オクスプレノロー
ル、塩酸カルテオロール、塩酸ブクモロール、塩酸プロ
プラノロール、ナドロール、ピンドロール、フマル酸ビ
ソプロロール、マレイン酸チモロール等の抗不整脈薬、
塩酸プラゾシン、レセルピン、ニルバジピン、フェロジ
ピン、塩酸ニカルジピン、ニコランジル、ピンドロー
ル、塩酸バルニジピン、リシノプリル、塩酸デラプリ
ル、塩酸キナプリル、ニソルジピン、マロン酸ボピンド
ロール、塩酸ブナゾシン、シラザプリル、塩酸ベナゼプ
リル、塩酸イミダプリル、ニトレンジピン、メシル酸ド
キサゾシン、塩酸ベタキソロール、トランドラプリル、
アラセプリル、塩酸テモカプリル、ニフェジピン、塩酸
ベニジピン、カルべジロール、マレイン酸エナラプリル
等の抗高血圧薬、ビンポセチン、ニセルゴリン等の循環
器用薬、グリベンクラミド等の糖尿病薬、メシル酸ブロ
モクリプチン等の抗パーキンソン薬、ニフェジピン等の
血管拡張薬、フルラゼバム、オキサゼパム、ゾピクロ
ン、クエン酸タンドスピロン、塩酸リルマザホン、ロラ
ゼパム、ロルメタゼパム、ハロキサゾラム、プラゼパ
ム、オキサゾラム、クロキサゾラム等の抗不安・催眠鎮
静薬、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルアトロピ
ン、臭化ブチルスコポラミン、メチル硫酸N−メチルス
コポラミン、硫酸アトロピン等の鎮けい薬、クロナゼパ
ム等の抗てんかん薬、ネモナプリド、ピモジド、リスペ
リドン等の抗精神薬、ピモベンダン等の強心薬、プラバ
スタチン等の高脂血症用薬等を挙げることができる。基
剤中の水等により酸化され易い薬物としては、分子内に
ケトン、水酸基、二重結合、三重結合、アミノ基等を有
するケトプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム等の
消炎鎮痛薬、塩酸エペリゾン、塩酸トルペリゾン、塩酸
チザニジン等の鎮けい薬、ブロムペリドール、エチゾラ
ム、ハロペリドール、フルフェナジン、ペルフェナジ
ン、エチゾラム、チオチキセン、チミペロン等の抗精神
病薬、ファモチジン等の消化性潰瘍治療薬、エスタゾラ
ム、アルプラゾラム、ジアゼパム、トリアゾラム、ニト
ラゼパム、ニメタゼパム、フルジアゼパム、メダゼパ
ム、ロラゼパム、ペルラピン、フルラゼパム等の抗不安
・催眠鎮静薬、フマル酸ケトチフェン等の抗アレルギー
薬、塩酸ピペリデン、塩酸タリペキソール、塩酸トリヘ
キシフェニジル、塩酸ピロヘプチン等の抗パーキンソン
薬、デノパミン等の強心薬、硫酸テルブタリン、硫酸サ
ルブタモール、塩酸プロカテロール等の気管支拡張薬等
を挙げることができる。また、基剤中の成分とエステル
化等の反応により分解され易い薬物として、分子内にカ
ルボニル基等を有するフルルビプロフェン、ジクロフェ
ナクナトリウム等の消炎鎮痛薬を挙げることができ。
【0011】溶液状態の薬物あるいは基剤を入れておく
容器の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、アクリル樹脂、弗素樹脂等のプラスチック
の他に、アルミニウム、ステンレス、ガラス、紙等が使
用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例、比較例を示し、本
発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。図1は本発明の皮膚適用製
剤の一実施例の斜視図、図2はその分解図、図3はその
断面図である。また、図4の(イ)乃至(ニ)は、本発
明の皮膚適用製剤の使用方法の説明図である。図1〜4
において、1は皮膚適用製剤、2は容器、3は破壊し得
るシート、4は粘着テープ、5は固相、6は容器内に封
入された液相、7は容器の縁部、8は容器に設けられた
ノッチ、9は粘着テープの粘着面、10は粘着テープの
保護面及び11は皮膚面を表す。
【0013】容器2は、ポリエチレン、ポリプロピレン
等の熱可塑性樹脂のフィルムを真空成形等の手段により
成形して溶液が入るキャビテイを形成したものが好まし
い。容器の内容積は、該容器に封入される薬物、基剤或
いは薬物と基剤の量に応じて適宜決定される。容器2は
ドーム状、台形状等任意の形状であつてよいが、使用に
際して容器をシールしているシート3を破壊するための
ノッチ8を設けるのが好ましい。図においては縦・横十
字状のノッチが設けられているが、ノッチは縦或いは横
に一本であつても良いし、また容器の中心部にシート3
に向かう1個の円錐系ノッチを設けてもよい。薬物およ
び/または基剤を含む溶液6を容器2内に充填した後、
容器の四方の縁部7をアルミ箔等の破壊し得るシート3
により密封する。一方、薬物および/または基剤を含む
固相5は粘着テープ4の粘着面9に置き、その上に、容
器の口部をシールしているシート3の面を下にして、容
器2を載置し、固相部が存在しない粘着テープ4の四方
の縁面とシート3の四方の縁面とを接着する。使用に際
し、シート3を破壊し、容器内の溶液を固相5に移した
とき、溶液が固相よりはみださないように、固相5の縦
・横の寸法は、容器2の口部の縦・横の寸法より若干大
きめにするのが良い。
【0014】本発明の皮膚適用製剤を使用する場合、図
4の(イ)に示すように、指で容器2を矢印の方向から
押し、その際ノッチ8に沿って皮膚適用製剤を若干折り
曲げてノッチ8によりシート3を破壊し、容器2内の溶
液を固相5に移動させる〔図4の(ロ)〕。溶液を固相
5に含浸させた後、図4の(ハ)に示すように、粘着テ
ープ4をシート層3から剥離し、図4の(ニ)に示すよ
うに、薬物及び基剤を含有している固相5を皮膚面に貼
付する。
【0015】<実施例1>ポリアクリル酸ナトリウム
0.09gおよび乾燥水酸化アルミニウムゲル0.05
gをエタノール1mlに分散し、大きさ40mm×50
mm、厚さ1mmの不織布に染み込ませて室温でエタノ
ールを乾燥した。次にフマル酸ケトチフェン0.01g
をエタノール1mlに溶解して、先の不織布に染み込ま
せて室温でエタノールを乾燥し薬物層とした。また、酒
石酸0.006gを水:グリセリン(7:3)1mlに
溶解し、ポリエチレン製の容器に入れ、アルミ箔をヒー
トシールし、基剤層とした。薬物層を粘着テープに貼り
付け、さらに基剤層のアルミ箔面を薬物層と一致するよ
うに、粘着テープに張り付けて検体とした。
【0016】<実施例2>ポリアクリル酸ナトリウム
0.09gおよび乾燥水酸化アルミニウムゲル0.05
gをエタノール1mlに分散し、大きさ40mm×50
mm、厚さ1mmの不織布に染み込ませて室温でエタノ
ールを乾燥した。次に塩酸ニカルジピン0.01gをエ
タノール1mlに溶解して、先の不織布に染み込ませて
室温でエタノールを乾燥し薬物層とした。また、酒石酸
0.006gを水:グリセリン:メチルピロリドン
(5.5:3:0.2)1mlに溶解し、ポリエチレン
製の容器に入れ、アルミ箔をヒートシールし、基剤層と
した。以下、実施例1と同様に処理して、皮膚適用製剤
を得た。
【0017】<実施例3>ポリアクリル酸ナトリウム
0.09g、タルク0.05gおよび乾燥水酸化アルミ
ニウムゲル0.05gをエタノール1mlに分散し、大
きさ40mm×50mm、厚さ1mmの不織布に染み込
ませて室温でエタノールを乾燥した。次にサリチル酸メ
チル0.01gをエタノール1mlに溶解して、先の不
織布に染み込ませて室温でエタノールを乾燥し薬物層と
した。以下、実施例1と同様に処理して、皮膚適用製剤
を得た。
【0018】<比較例1>水58.35mlに酒石酸
0.6gを溶解し酒石酸酸性とした後、フマル酸ケトチ
フェン1gを加えて溶解した。別にポリアクリル酸ナト
リウム9gをグリセリン30gに加えて膨潤し、先のフ
マル酸ケトチフェン水溶液を添加し、十分に混練してフ
マル酸ケトチフェン含有混合液を調製した。次に水1g
に乾燥水酸化アルミニウムゲル0.05gを懸濁し、フ
マル酸ケトチフェン含有懸濁液に加えて十分に混練し、
1%フマル酸ケトチフェン含有の膏体を得た。得られた
1%フマル酸ケトチフェン含有膏体を7g/10cm×
14cmになるように不織布に展膏し、ポリエチレンフ
ィルムを張り合わせ、40mm×50mmの大きさに裁
断して検体とした。
【0019】<比較例2>水58.35mlに酒石酸
0.6gを溶解した。別に塩酸ニカルジピン1gをメチ
ルピロリドン2.0gに加えて溶解した。別にポリアク
リル酸ナトリウム9gをグリセリン30gに加えて膨潤
し、先の塩酸ニカルジピンメチルピロリドン溶液を添加
し、十分に混練した後、更に先の酒石酸水溶液を混合し
て塩酸ニカルジピン含有混合液を調製した。次に水1g
に乾燥水酸化アルミニウムゲル0.05gを懸濁し、塩
酸ニカルジピン含有懸濁液に加えて十分に混練し、1%
塩酸ニカルジピン含有の膏体を得た。以下、比較例1と
同様に処理して、皮膚適用製剤を得た。
【0020】<比較例3>水45.85mlに酒石酸
0.6gを溶解した。別にサリチル酸メチル1gをタル
ク5gに加えて混練した後、ポリアクリル酸ナトリウム
9gおよびグリセリン30gに加えて膨潤した。次に先
の酒石酸水溶液を混合してサリチル酸メチル含有混合液
を調製した。次に水1gに乾燥水酸化アルミニウムゲル
0.05gを懸濁し、サリチル酸メチル含有懸濁液をに
加えて十分に混練し、1%サリチル酸メチル含有の膏体
を得た。以下、比較例1と同様に処理して、皮膚適用製
剤を得た。
【0021】<比較例4>ポリアクリル酸ナトリウム
0.09gおよび乾燥水酸化アルミニウムゲル0.05
gをエタノール1mlに分散し、大きさ40mm×50
mm、厚さ1mmの不織布に染み込ませて室温でエタノ
ールを乾燥した。次にフマル酸ケトチフェン0.01g
および酒石酸0.006gを水:グリセリン(7:3)
1mlに溶解し、ポリエチレン製の容器に入れ、アルミ
箔をヒートシールした。先の不織布を粘着テープに貼り
付け、さらに薬物溶液入りポリエチレン製の容器をアル
ミ箔面を不織布と一致するように、粘着テープに張り付
けて検体とした。
【0022】<比較例5>ポリアクリル酸ナトリウム
0.09gをエタノール1mlに分散し、大きさ40m
m×50mm、厚さ1mmの不織布に染み込ませて室温
でエタノールを乾燥した。次に塩酸ニカルジピン0.0
1gおよび酒石酸0.006gを水:グリセリン:メチ
ルピロリドン(5.5:3:0.2)1mlに溶解し
た。以下、比較例4と同様に処理して、皮膚適用製剤を
得た。
【0023】<比較例6>ポリアクリル酸ナトリウム
0.09gおよびタルク0.05gをエタノール1ml
に分散し、大きさ40mm×50mm、厚さ1mmの不
織布に染み込ませて室温でエタノールを乾燥した。次に
サリチル酸メチル0.01gおよび酒石酸0.006g
を水:グリセリン(7:3)1mlに懸濁した。以下、
比較例4と同様に処理して、皮膚適用製剤を得た。
【0024】<試験例>実施例1〜3および比較例1〜
6で得られた検体を室温で3年間に相当する40℃、6
ケ月保存して、薬物の残存量を測定した。その結果を表
1に示した。 表1 安定性試験(40℃、6ケ月) ────────────────────── 検体 薬物の残存率 ────────────────────── 実施例1 99.9% 実施例2 98.7% 実施例3 99.7% 比較例1 24.2% 比較例2 27.2% 比較例3 0 % 比較例4 23.8% 比較例5 26.8% 比較例6 0 % ────────────────────── 表1から明らかなように、実施例1〜3は、従来技術の
皮膚適用製剤と同様に薬物を基剤に含有させた製剤であ
る比較例1〜3よりも薬物の残存率が高いことがわか
る。また、比較例4〜6は、実開昭63−114626
の救急用絆創膏のシステムを利用した製剤であるが、こ
の製剤は薬物の安定性が低く製剤化は不可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明により、基剤成分との反応により
製剤化が困難であつた薬物でも製剤化が可能となり、ま
た従来の有効期限が短い製剤についても、有効期限をよ
り長くすることが可能となつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の皮膚適用製剤の一実施例の斜視
図である。
【図2】図2は図1の分解図である。
【図3】図3は図2の断面図である。
【図4】図4は本発明の皮膚適製剤の使用方法の説明図
である。
【符号の説明】
1. 皮膚適用製剤 2. 容器 3. 破壊し得るシート 4. 粘着テープ 5. 固相 6. 容器内に封入された液相 7. 容器の縁部 8. 容器に設けられたノッチ 9. 粘着テープの粘着面 10. 粘着テープの保護面 11. 皮膚面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着テープ上に、(A1 )薬物または
    (A2 )薬物および薬物と反応しない基剤を含む固相状
    態の薬物層Aと薬物と反応する基剤を含む溶液状態の基
    剤層Bが分離した状態で設けられており、皮膚適用時に
    薬物層Aと基剤層Bを一体化して使用する皮膚適用製
    剤。
  2. 【請求項2】 粘着テープ上に、薬物と反応する基剤を
    含む固相状態の基剤層Cと(D1 )薬物または(D2
    薬物および薬物と反応しない基剤を含む溶液状態の薬物
    層Dが分離した状態で設けられており、皮膚適用時に基
    剤層Cと薬物層Dを一体化して使用する皮膚適用製剤。
  3. 【請求項3】 基剤が、水、界面活性剤、一価アルコー
    ル類、多価アルコール類、水溶性高分子、脂溶性高分
    子、pH調整剤、無機分散剤、精油、金属架橋剤および
    粘着付与性物質の1種または2種以上から選ばれる請求
    項1または2記載の皮膚適用製剤。
  4. 【請求項4】 固相状態の層に、布、スポンジ、脱脂
    綿、ガーゼから選ばれる担持シートを使用した請求項1
    または2記載の皮膚適用製剤。
  5. 【請求項5】 溶液状態の層が破壊しうる容器内に封入
    されている請求項1または2記載の皮膚適用製剤。
  6. 【請求項6】 基剤が水であり、薬物が水と反応する薬
    物である請求項1または2記載の皮膚適用製剤。
JP35970997A 1997-12-26 1997-12-26 安定性の改善された皮膚適用製剤 Pending JPH11189528A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278782A (ja) * 2000-01-27 2001-10-10 Junichi Sudo 二層型経皮吸収製剤
JP2006056543A (ja) * 2004-08-18 2006-03-02 Kanae Technos:Kk パック用ゲルシート包装体
JP2009530314A (ja) * 2006-03-17 2009-08-27 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド 酸化に不安定な成分を含む眼科用安定組成物

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