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JPH11183679A - 原子炉停止装置 - Google Patents

原子炉停止装置

Info

Publication number
JPH11183679A
JPH11183679A JP9356675A JP35667597A JPH11183679A JP H11183679 A JPH11183679 A JP H11183679A JP 9356675 A JP9356675 A JP 9356675A JP 35667597 A JP35667597 A JP 35667597A JP H11183679 A JPH11183679 A JP H11183679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
liquid metal
extension rod
pipe
sensitive pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9356675A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kajiwara
晃 梶原
Hiroaki Ikakura
尋明 猪鹿倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP9356675A priority Critical patent/JPH11183679A/ja
Publication of JPH11183679A publication Critical patent/JPH11183679A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱伸長機構の構造を単純にし、原子炉異常時の
熱伸長量を短時間で大きくして制御棒を落下し易くす
る。 【解決手段】熱伸長機構の本体となる感温パイプ30の下
端に支持板34aと円筒体34bを有するガイド機構34を取
り付ける。感温パイプ30内にコイルばね32,駆動ピスト
ン32および駆動軸31を直列接続する。コイルばね22の上
端を上部延長棒20に接続する。駆動軸31の外側を包囲し
て上端が駆動ピストン32に取り付けられ、下端がガイド
機構34に取り付けられるベローズシール26を設ける。ガ
イド機構34は駆動軸31の横方向の振れを拘束する。ガイ
ド機構34の円筒体34bを貫通する駆動軸31の下端をスト
ッパ35を介して下部延長棒21にねじ込む。ストッパ35で
コイルばね22を一定量引き延ばして駆動ピストン32の位
置を一定に保ち、ストッパ35を回転させることにより駆
動軸31の引き抜き量を調整する。駆動ピストン32の側面
に複数のガイドピン38を設け、駆動ピストン32の振れを
抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速増殖炉に設置
される熱膨張式伸長機構(以下、熱伸長機構と記す)を
改良した原子炉停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉の炉心を図2により説明す
る。図2は炉心の1ブロックを示している。すなわち、
高速増殖炉の炉心は図2に示すように六角筒状ラッパ管
内に多数本の燃料ピン1を結束して収納した複数体の燃
料集合体2をハニカム状に配列し、そのうちの数箇所に
燃料集合体2と同様のラッパ管外観形状を有する下部案
内管3が設置して構成されている。
【0003】下部案内管3の内部には制御棒本体4が挿
入されており、制御棒本体4の内部には制御棒ピンと称
する中性子吸収体5が組み込まれている。燃料集合体2
と下部案内管3は、それぞれ下部にエントランスノズル
6を有しており、エントランスノズル6は原子炉容器内
の下部に設置された炉心支持板7に多数設けられたノズ
ル8に差し込まれる。
【0004】炉心支持板7は中空の高圧プレナム9を有
する構造をしており、炉心内よりも高い圧力の冷却材が
送り込まれる。エントランスノズル6の側面には冷却材
流入孔10が設けられており、この冷却材流入孔10を通し
て高圧プレナム9からの冷却材が流れ込み、エントラン
スノズル6内に設けた連通口11を通って、燃料集合体2
のラッパ管内や下部案内管3の内部に流れ込む。
【0005】制御棒本体4の上部には延長軸12が接続さ
れて、その上端部は掴み部13を形成している。掴み部13
は制御棒駆動機構(図示せず)の延長管14の下端に設け
た連結機構15により結合される。原子炉運転時は制御棒
本体4は炉心から引き抜かれた状態になり、原子炉停止
時には制御棒本体4は下部案内管3内に挿入された状態
になる。
【0006】原子炉緊急停止時には連結機構15の位置で
制御棒本体4は切り離され、制御棒本体14は落下し、ダ
ッシュポット16にダッシュラム17が挿入する。制御棒本
体4の下部に設けたダッシュラム17が下部案内管3の底
部に設けたダッシュポット16に入り込む時の冷却材の流
体抵抗により制御棒本体4の落下時の衝撃が弱められ緩
和される。
【0007】なお、延長管14の外側には上部案内管18が
設置されており、上部案内管18の下端には傘形状導入管
19が取り付けられており、燃料集合体2を通過して加熱
された冷却材を延長軸12に導いている。
【0008】従来から提案されている原子炉停止装置
は、原子炉出力異常時に外部から人為的な出力抑制操作
を行うことなく、図3(a),(b)に示すような熱伸
長機構を設け、制御棒自身が炉心の温度上昇を検出し
て、中性子吸収部分を炉心に挿入することで、炉心出力
を抑制し高速増殖炉の安全性の向上を図っている。
【0009】熱伸長機構は図2中のA部分に相当するも
ので、この熱伸長機構の構造を図3(a),(b)によ
り説明する。なお、図3(a)は熱伸長機構の原子炉通
常運転時の状態で、図3(b)は作動状態をそれぞれ縦
断面図で示している。
【0010】図3(a),(b)において、延長軸12は
上部延長棒20と下部延長棒21に二分割されている。上部
延長棒20の下端面にコイルばね22が取り付けられてお
り、このコイルばね22に下部延長棒21が吊り下げられて
一定の間隙を保っている。
【0011】コイルばね22の外側を取り囲むようにベロ
ーズシール26が設けられ、ベローズシール26の外側は、
内筒23aと外筒23bからなる二重円筒状感温部材によっ
て構成された感温部23が設けられている。内筒23aと外
筒23bとの間の下端部は端栓24によって塞がれ、感温部
23の上端部は上部延長棒20に結合されて気密構造になっ
ている。
【0012】感温部23の内筒23a側には下部延長棒21の
振れを押さえるために、ガイド筒25を設けてガイド機能
も持たせてある。ベローズシール26の上下両端は上部延
長棒20と下部延長棒21の上下両端部下面に結合されて気
密に保たれている。上部延長棒20の下部には、感温部23
とベローズシール26との間の空間部を連通する連通孔27
が形成されており、ベローズシール26内の密封空間部に
は液体金属28が封入される。
【0013】感温部23の内筒23a側とガイド筒25の間に
は断熱部材29を充填することにより、感温部23からベロ
ーズシール26内に設けられている延長棒20,21やコイル
ばね22等の構造部材に熱が奪われないように断熱機能を
持たせてある。
【0014】次に、上記原子炉停止装置の伸長機構の作
用について説明する。原子炉通常運転時は図3(a)の
状態であるが、原子炉出力異常時は冷却材温度が上昇し
て感温部23の周囲の温度が上昇すると、感温部23は内筒
23aと外筒23bからなる薄い二重円筒体であるため、そ
の内部の液体金属28の温度もほぼ同時に温度上昇する。
温度上昇すると、感温部23内の液体金属28は体積膨張
し、感温部23から連通孔27を通ってベローズシール26内
に流れ込む。
【0015】そして、ベローズシール26内の液体金属28
の容積が増えて、図3(b)に示すように下部延長棒21
は押し下げられ制御棒本体4のダッシュラム17がダッシ
ュポット16内に挿入されることになり、原子炉出力異常
時に外部から人為的な出力抑制操作を行うことなく、制
御棒自身が炉心の温度上昇を検出して炉心出力を抑制す
ることができ、高速炉の安全性の向上につながる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の原子炉停止
装置では制御棒の延長軸12を二分割して、その分割部に
熱伸長機構を設けることにより、原子炉出力上昇時に制
御棒に原子炉出力抑制機能を持たすことができる。
【0017】しかしながら、制御棒の挿入量の更なる増
大が要求されており、原子炉容器内構造物には寸法に制
約があり、熱伸長機構の外観寸法を変えることなく、制
御棒の挿入量を増大する必要がある。また、熱伸長機構
に注入する液体金属28の注入量により伸長開始温度を設
定しているので、一旦液体金属28を注入してしまうと伸
長開始温度を容易に変更することができないなどの課題
がある。
【0018】熱伸長機構の伸長動作は、熱伸長機構本体
内部の液体金属28の温度上昇による体積増加を挿入力に
変換するものであり、熱伸長機構本体内部の液体金属28
の体積が熱膨張によって熱伸長機構の内部容積を上回る
ことにより、その容積増加分が下部延長棒21を伸長動作
させることになる。
【0019】伸長量を増大する手段としては、熱伸長機
構内部に注入する液体金属28の注入量を増加させる必要
があるが、熱伸長機構の寸法を変更することなく液体金
属28の注入量を増加させることは、非常に困難となる課
題がある。
【0020】また、熱伸長機構の構造部材も温度上昇に
より熱膨張が生じるので、熱伸長機構内の容積が増大
し、熱膨張量を吸収し伸長ロスが生じる課題がある。さ
らに、熱伸長機構の信頼性を向上するために、液体金属
28を注入する注入配管を設けて、この注入配管の封止部
にカバーを設置することも考えられるが、しかしなが
ら、スペースの制約上、カバーの設置が困難となる課題
がある。
【0021】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、熱伸長機構の外観寸法を変更することなく伸
長量の増大を図ることができ、また前記伸長量の増大と
作動時の応答性に大きく寄与する液体金属の増量を図る
ことができ、さらに熱伝達の向上および伸長開始温度の
調整を容易にでき、制御棒を落下し易くして原子炉の安
全性を図ることができる原子炉停止装置を提供すること
にある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
炉心に設置された案内管内に昇降自在に収納される制御
棒本体と、この制御棒本体の上端から上方へ延出された
延長棒と、この延長棒の上部に設けた掴み部と係合して
前記制御棒本体を吊下する延長管と、前記延長棒の一部
を二分割してその分割部の上下両端部材を構成する上部
延長棒と下部延長棒と、この上部延長棒と下部延長棒と
の間に液密に介在した感温パイプと、この感温パイプの
下端に接続されたガイド機構と、前記感温パイプ内に設
けられ前記上部延長棒に上部が取り付けられたばねと、
このばねの下部に接続した駆動ピストンと、この駆動ピ
ストンに上端が接続し,下端が前記延長棒に接続する駆
動軸と、前記駆動ピストンに上端が接続し,下端が前記
ガイド機構に伸縮自在に接続し,かつ前記駆動軸を包囲
するベローズシールと、このベローズシールの外側で前
記感温パイプ内に封入した液体金属とを具備したことを
特徴とする。
【0023】請求項2に係る発明は、前記感温パイプは
耐食性低熱膨張金属材料、例えばタングステンで薄肉円
筒状に構成されていることを特徴とする。請求項3に係
る発明は、前記ガイド機構は前記駆動軸を挿入する貫通
孔を有する支持板と、この支持板に吊設した円筒体とか
らなることを特徴とする。
【0024】請求項4に係る発明は、前記ガイド機構は
前記感温パイプの下部にシール接合してなることを特徴
とする。請求項5に係る発明は、前記ガイド機構の円筒
体の下面は前記駆動軸の下端部に形成したねじにねじ込
まれるストッパの上面に接離自在に取り付けられること
を特徴とする。
【0025】請求項6に係る発明は、前記ガイド機構
に、前記感温パイプ内に液体金属を注入する注入配管
と、この注入配管をカバーする保護キャップとを有する
液体金属封入部材を設けてなることを特徴とする。
【0026】請求項7に係る発明は、前記液体金属封入
部から前記感温パイプ内に注入する液体金属は前記感温
パイプ内の圧力上昇によって生じる変形の膨張量に相当
する温度差分だけ低下させた注入温度で注入されること
を特徴とする。
【0027】請求項8に係る発明は、前記液体金属は前
記ばねおよび懸架する制御棒重量から算出される圧力
と、それによって生じる膨張量に相当する温度差分だけ
上昇させた注入温度で注入されることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】図1(a),(b)により本発明
に係る原子炉停止装置の実施の形態を説明する。本実施
の形態は図3(a),(b)で説明した原子炉停止装置
における伸長機構を改良して内部構造物量を減らし内部
に注入する液体金属量を増大させ、伸長量の増大を図っ
たものなので、図1(a),(b)中、図3(a),
(b)と同一部分には同一符号を付し、また図2で説明
した高速増殖炉の炉心の構造の説明は省略する。図1
(a)は原子炉運転時の状態で、図1(b)は原子炉出
力異常時の状態を示している。
【0029】図1(a)において、符号30は薄肉円筒状
長尺の感温パイプで、感温パイプ30の上端部は上部延長
棒20に接続し、感温パイプ30の下端部にはガイド機構34
の支持板34aがシール接合している。ガイド機構34は中
央部に貫通孔34cを有する支持板34aと、この支持板34
aの下面に接続し前記貫通孔34cから下方向に伸びる円
筒体34bとからなっている(請求項3,4記載の発
明)。
【0030】支持板34aの下面周縁部と前記円筒体34b
の下部外周面にわたり液密に有底環状液体金属封入部材
43が取り付けられている。支持板34aの下面には感温パ
イプ30内と連通する注入配管39が接続されており、この
注入配管39を包囲する保護キャップ40が支持板34aの下
面に着脱自在に設けられている。
【0031】感温パイプ30内には上部延長棒20の下端面
に結合部33を有して上部が接続したコイルばね22と、こ
のコイルばね22の下端部と接続する駆動ピストン32と、
この駆動ピストン32に取り付けられた駆動軸31と、この
駆動軸31を包囲するベローズシール26とを有している。
【0032】ベローズシール26は上端部が駆動ピストン
32の下面に取り付けられ、下端部が支持板34aに取り付
けられ、上下両端はそれぞれシール接合されている。駆
動ピストン32の両側面に複数のガイドピン38を取り付け
駆動ピストン32の振れを抑えている。駆動軸31の下端部
にはボルトねじ36が形成され、ボルト状ねじ36にナット
状ストッパ35またはナット37がねじ込まれている。スト
ッパ35の上面にはガイド機構34の円筒部34bの下端面が
載置される。
【0033】駆動軸31は貫通孔34を挿通し、駆動軸31の
ねじ36は下部延長棒21に設けためねじにねじ込み接続さ
れている。感温パイプ30内は上記構成によって気密構造
となり、内部には液体金属封入部材43を通して液体金属
28が封入される。感温パイプ30内の液体金属28の液面41
上は空間部42を有している。
【0034】コイルばね22の上部は上部延長棒20の下端
部に結合部33を設けて結合されており、このコイルばね
22の弾発力により駆動軸31には上方に引き上げる力が加
わる。感温パイプ30の下端部は駆動軸31の昇降動作を円
滑に行うとともに、感温パイプ30の下端を塞ぐためにガ
イド機構34がシール接合される。上記構造によって感温
パイプ30内は気密構造になり、内部には液体金属28が封
入される。
【0035】前述したように駆動軸31の下端にはストッ
パ35がねじ込まれており、ストッパ35の上面がガイド機
構34の円筒体34bの下面に当たり、駆動軸31を一定位置
に保つことができる。また、ストッパ35は図に示すよう
な駆動軸31の下端に切られたねじ36とナット37に置き換
えることもでき、ナット37のねじ込み量を変えることで
駆動軸31の位置を調整する機能を与えることができる。
この調整機能は原子炉容器外で行われるため、駆動軸31
の位置調整は容易に変更可能である。
【0036】駆動ピストン32の側面には複数のガイドピ
ン38が設置されて、その先端は感温パイプ30の内壁面に
接触している。昇降時には駆動軸31はガイド機構34に、
ガイドピン38は感温パイプにガイドされて、駆動ピスト
ン32部の横振れを抑えながら昇降動作がスムーズに行わ
れる。
【0037】原子炉出力異常時は構造部材も温度上昇に
より熱膨張が生じるが、感温パイプ30などの熱膨張は、
液体金属28が封入される密封空間部の容積増加につなが
る。液体金属28の熱膨張量を駆動軸31の伸長動作に変換
する本発明の熱伸長機構では、空間部の容積増加は伸長
ロスになるので、感温パイプ30に熱膨張が小さな材料を
用いて容積増加を抑える。耐食性低熱膨張金属材料とし
ては、たとえばタングステンが好適である。
【0038】密封空間への液体金属の封入は、従来の構
造では高融点の液体金属を使用し、液体金属が固体の状
態で組み込んで、高温環境で液体金属に戻すなどの方法
がある。液体金属を固体部品として取り扱うため密封空
間への液体金属の注入が容易である。しかし、使用する
液体金属は室温で固体であるものだけに限定されてしま
うことになる。そこで、本発明では室温でも液状の液体
金属を使用するため、請求項3ないし6記載の発明のよ
うにガイド機構34に図1に示すように支持板34aを貫通
して支持板34aの下面に注入配管39を取り付け得る液体
金属封入部材43を設置する。また、感温パイプ30内に液
体金属28を封入後の注入配管39を保護するための保護キ
ャップ40を設置する。注入する液体金属28には、たとえ
ば原子炉冷却材と同じ金属ナトリウム(融点:97℃)や
ナトリウムカリウム合金(融点:−17℃)を使用する。
【0039】次に、本発明に係る原子炉停止装置の作用
について説明する。原子炉通常運転時を図1(a)に示
し、延長棒20の下部に取り付けられた図2に示す制御棒
本体4は、コイルばね22で引き上げられて、決められた
位置で固定された状態である。この状態では制御棒駆動
機構による出力制御には支障を及ぼさない。また、この
時、感温パイプ30の密封空間内は、液体金属の液面41が
ある状態で、空間部42は真空状態になっている。
【0040】伸長状態を図1(b)に示す。原子炉出力
異常時は冷却材温度が上昇して感温部材の回りの温度が
上昇する。請求項2記載の発明では感温部パイプ30は薄
肉円筒体で耐食性低熱膨張金属材料、例えばタングステ
ンで構成されているため、その内部の液体金属28の温度
もほぼ同時に温度上昇する。すると感温パイプ30内の密
封空間に封入されている液体金属28が体積膨張し、内部
の空間部容積が徐々に減少して最終的には空間部がなく
なる。
【0041】さらに温度上昇によって液体金属が熱膨張
をすると、図1(b)に示すように、制御棒を吊り上げ
ているコイルばね22のばね力を上回る力が発生し、ばね
の力に打ち勝って駆動ピストン32が押し下げられること
になる。
【0042】温度上昇がさらに続くと液体金属28の熱膨
張も継続するので、上部延長棒20が下がり制御棒本体が
炉心内に挿入されることになり、原子炉出力異常時に外
部より人為的な出力抑制操作を行うことなく、制御棒自
身が炉心の温度上昇を検出して炉心出力を抑制すること
ができ、高速炉の安全性の向上につながる。
【0043】請求項1記載の発明は、液体金属の熱膨張
による体積増加を制御棒の挿入力に変換するものである
が、制御棒を挿入する温度の設定が非常に重要である。
従来の設定方法では構造材の熱膨張や、伸長動作でスプ
リング伸びによる密封空間内の圧力上昇による構造材の
変形量を見込んで液体金属の注入量を決めている。
【0044】請求項6記載の発明では、伸長動作を開始
する温度の精度を向上する方法として、感温パイプ全体
を伸長動作させる温度で加熱して各部の熱膨張が終わり
安定した状態に保っておき、注入配管39から感温パイプ
30内部に液体金属28を注入し、感温パイプ全体を作動温
度で注入配管を潰し封じ込める。
【0045】内部空間部が満たされた状態で封じ込める
ことにより、この時の封入温度よりも感温パイプ30の温
度が下がると駆動軸31が伸長し、下がると封入時よりも
液体金属が収縮するので、感温パイプ30内に真空の空間
部ができる。
【0046】しかし、感温パイプ30内に液体金属を注入
するだけでは内部圧力は常圧の状態であるため、実際の
伸長時の感温パイプ30内の圧力上昇による構造材料の変
形が含まれず、この変形容積分だけ伸長開始温度が高温
側にずれることになる。そこで、請求項7または8記載
の発明のようにこの時の構造材の変形による感温パイプ
内容積の増加を見込み、その容積に相当する液体金属の
熱膨張温度を見込んで注入温度を修正する。
【0047】また、液体金属の注入量の誤差で伸長開始
温度がずれる可能性もあるので、請求項5記載の発明の
ように駆動軸下端のナット状ストッパのねじ込み量を調
整して、駆動軸を引き延ばし内部空間部容積が変更する
ことにより、伸長開始温度を高い側に調整することがで
きる。
【0048】また、設定する伸長開始温度をある範囲で
変更する場合は、上記特性を見込んで液体金属を注入し
伸長軸を調整すれば、目的の伸長開始温度に正確に設定
することが可能になる。液体金属を注入する注入配管の
封止部は、万一破損等が生じると液体金属が外部に抜け
出て作動しなくなることになるので、請求項6記載の発
明のように注入配管の封止部の保護と、封止部が破損し
た際に液体金属が外部に漏れないよう、保護キャップ40
を取り付ける。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、原子炉異常時の冷却材
の温度上昇を利用しているため、周囲の温度上昇に対す
る応答性が速やかで、かつ従来より確実に制御棒を炉心
内へ挿入させることができ、大きな負の制御棒反応度を
炉心に与えることができる。よって、スクラム失敗事故
が万一生じても炉出力を自動的に減衰させ、原子炉の固
有の安全性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る原子炉停止装置の第1の
実施の形態の原子炉通常運転時の状態を示す縦断面図、
(b)は(a)において原子炉出力異常時の状態を示す
縦断面図。
【図2】従来の原子炉停止装置を示す縦断面図。
【図3】(a)は図2において、原子炉通常運転時の状
態を示す縦断面図、(b)は図3において原子炉出力異
常時の状態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…燃料ピン、2…燃料集合体、3…下部案内管、4…
制御棒本体、5…中性子吸収体、6…エントランスノズ
ル、7…炉心支持板、8…ノズル、9…高圧プレナム、
10…冷却材流入孔、11…連通口、12…延長軸、13…掴み
部、14…延長管、15…連結機構、16…ダッシュポット、
17…ダッシュラム、18…上部案内管、19…導入管、20…
上部延長棒、21…下部延長棒、22…コイルばね、23…感
温部、23a…内筒、23b…外筒、24…端栓、25…ガイド
筒、26…ベローズシール、27…連通孔、28…液体金属、
29…断熱材料、30…感温パイプ、31…駆動軸、32…駆動
ピストン、33…結合部、34…ガイド機構、34a…支持
板、34b…円筒体、34c…貫通孔、35…ストッパ、36…
ねじ、37…ナット、38…ガイドピン、39…注入配管、40
…保護キャップ、41…液面、42…空間部、43…液体金属
注入部材。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心に設置された案内管内に昇降自在に
    収納される制御棒本体と、この制御棒本体の上端から上
    方へ延出された延長棒と、この延長棒の上部に設けた掴
    み部と係合して前記制御棒本体を吊下する延長管と、前
    記延長棒の一部を二分割してその分割部の上下両端部材
    を構成する上部延長棒と下部延長棒と、この上部延長棒
    と下部延長棒との間に液密に介在した感温パイプと、こ
    の感温パイプの下端に接続されたガイド機構と、前記感
    温パイプ内に設けられ前記上部延長棒に上部が取り付け
    られたばねと、このばねの下部に接続した駆動ピストン
    と、この駆動ピストンに上端が接続し,下端が前記延長
    棒に接続する駆動軸と、この駆動軸の外側を包囲し上端
    が前記駆動ピストンに取り付けられ下端が前記ガイド機
    構に取り付けられたベローズシールと、このベローズシ
    ール内および前記感温パイプ内に封入された液体金属と
    を具備したことを特徴とする原子炉停止装置。
  2. 【請求項2】 前記感温パイプは耐食性低熱膨張金属材
    料により薄肉円筒状に構成されることを特徴とする請求
    項1記載の原子炉停止装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド機構は前記駆動軸を挿入する
    貫通孔を有する支持板と、この支持板の下面に吊設した
    円筒体とからなることを特徴とする請求項1記載の原子
    炉停止装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイド機構の支持板は前記感温パイ
    プの下端部にシール接合してなることを特徴とする請求
    項3記載の原子炉停止装置。
  5. 【請求項5】 前記ガイド機構の円筒体の下面は前記駆
    動軸の下端部に形成したねじにねじ込まれるストッパの
    上面に接離自在に載置されることを特徴とする請求項3
    記載の原子炉停止装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド機構の支持板に、前記感温パ
    イプ内に液体金属を注入する注入配管と、この注入配管
    をカバーする保護キャップとを有する液体金属封入部材
    を設けてなることを特徴とする請求項3記載の原子炉停
    止装置。
  7. 【請求項7】 前記液体金属封入部から前記感温パイプ
    内に注入する液体金属は前記感温パイプ内の圧力上昇に
    よって生じる変形の膨張量に相当する温度差分だけ低下
    させた注入温度で注入されることを特徴とする請求項6
    記載の原子炉停止装置。
  8. 【請求項8】 前記液体金属は前記ばねおよび懸架する
    制御棒重量から算出される圧力と、それによって生じる
    膨張量に相当する温度差分だけ上昇させた注入温度で注
    入されることを特徴とする請求項6記載の原子炉停止装
    置。
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