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JPH11177082A - Mis型電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

Mis型電界効果トランジスタおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH11177082A
JPH11177082A JP34517997A JP34517997A JPH11177082A JP H11177082 A JPH11177082 A JP H11177082A JP 34517997 A JP34517997 A JP 34517997A JP 34517997 A JP34517997 A JP 34517997A JP H11177082 A JPH11177082 A JP H11177082A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
semiconductor
conductivity type
region
effect transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34517997A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Okuda
寧 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electronics Corp filed Critical Matsushita Electronics Corp
Priority to JP34517997A priority Critical patent/JPH11177082A/ja
Publication of JPH11177082A publication Critical patent/JPH11177082A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャネル領域への電荷蓄積による寄生バイポ
ーラ動作を防止し、ノイズ耐性を良好とする。 【解決手段】 チャネル領域4,8の下にエネルギーバ
ンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度の大きい炭化シ
リコン層3,7を形成することによって、パンチスルー
の抑制と高駆動力を両立する。また、ドレイン接合付近
で発生した過剰な第2導電型キャリアは、ワイドギャッ
プ層を介してシリコン層2,6へ移動するので、寄生バ
イポーラ動作は回避される。さらに、ノイズによって半
導体基板1中に第1導電型キャリアが誘起されても、エ
ネルギー障壁に遮断されてノイズがチャネル領域まで伝
達されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板とチャ
ネル領域およびソース・ドレイン領域の間にエネルギー
バンドギャップ幅の大きい半導体層を有するMIS型半
導体装置としてのMIS型電界効果トランジスタおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図29は従来のMIS型電界効果トラン
ジスタであるnチャネルMOSFETの構造断面図を一
例を示している。図29において、1はp型シリコン基
板、2はp型シリコン基板1上に形成されたp型シリコ
ン層、31はp型シリコン層2上に形成されたシリコン
酸化膜、4はシリコン酸化膜31上に形成されたチャネ
ル領域、5はシリコン酸化膜31上に形成されたn型ソ
ース・ドレイン領域、10はシリコン酸化膜31上に形
成された素子分離領域、11はチャネル領域4上に形成
されたゲート酸化膜、12はゲート酸化膜11上に形成
されたゲート電極、13は保護膜としてBPSG膜、1
4はn型ソース・ドレイン領域5に接続された金属配線
である。
【0003】図29のnチャネルMOSFETの活性領
域は、シリコン酸化膜31上の半導体層(シリコン)、
つまりチャネル領域4およびn型ソース・ドレイン領域
5からなるが、このような構造はSOI(Silicon on I
nsulator)と呼ばれる。SOI構造のMOSFETは、
n型ソース・ドレイン領域5の底面が絶縁膜(シリコン
酸化膜31)と隣接しているので、寄生容量の低減によ
り高速かつ低消費電流動作が得られ、次世代デバイス構
造として期待されている。また、チャネル領域4を薄く
制御した場合、チャネル領域4の完全空乏化によって、
さらに電流駆動力の増大が見込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、MOSFETの動作時に、ドレイン接合
付近で発生した過剰なキャリア(nチャネルMOSFE
Tの場合はホール)が、チャネル領域4に蓄積して基板
電位が持ち上がり、寄生バイポーラ動作を引き起こす。
寄生バイポーラ動作が起こると、ラッチアップと同様
に、ゲート電圧を下げてもドレイン電流がカットオフさ
れないという致命的な問題となる。
【0005】本発明は上記問題点に鑑み、SOI構造の
MOSFETと同程度の高速かつ低消費電流動作を実現
するとともに、チャネル領域への電荷蓄積による寄生バ
イポーラ動作の起こらないMIS型電界効果トランジス
タおよびその製造方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、上述した課題を解決するにあたって、簡
略かつ低コストで制御性のよいMIS型電界効果トラン
ジスタの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】さらに、本発明のMIS型電界効果トラン
ジスタは、上述した課題を解決するだけでなく、同一の
構造によって、低電圧かつ低消費電流動作のアナログデ
バイスに要求される優れたノイズ耐性を実現することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明のMIS型電界効果トランジスタは、半導体
基板の上面に第2導電型の第1半導体層と第2導電型の
第2半導体層と第2導電型の第3半導体層が積層されて
おり、素子分離領域によって分割された第3半導体層の
一領域が第1導電型チャネルとなる第2導電型半導体領
域と第1導電型のソース領域・ドレイン領域とから構成
され、第2導電型半導体領域上にゲート絶縁膜とゲート
電極が配置されており、第2半導体層のエネルギーバン
ドギャップ幅が第1半導体層と第3半導体層のいずれの
エネルギーバンドギャップ幅よりも大きく、第2半導体
層の第2導電型不純物濃度が第1半導体層と第2導電型
半導体領域のいずれの第2導電型不純物濃度よりも大き
いという構成を備えたものである。
【0008】また、本発明のMIS型電界効果トランジ
スタは、半導体基板の上面に第2導電型の第1半導体層
と第2導電型の第2半導体層と第2導電型の第3半導体
層が積層されており、素子分離領域によって分割された
第3半導体層の一領域が第1導電型チャネルとなる第2
導電型半導体領域と第1導電型のソース領域・ドレイン
領域とから構成され、第2導電型半導体領域上にゲート
絶縁膜とゲート電極が配置されており、第2半導体層の
誘電率が第1半導体層と第3半導体層のいずれの誘電率
よりも小さいという構成を備えたものである。
【0009】また、本発明の相補型MIS型電界効果ト
ランジスタは、半導体基板の上面に第2導電型の第1半
導体層と第2導電型の第2半導体層と第2導電型の第3
半導体層が積層されており、素子分離領域によって分割
された第3半導体層の一領域が第1導電型チャネルとな
る第2導電型半導体領域と第1導電型のソース領域・ド
レイン領域とから構成され、第2導電型半導体領域上に
ゲート絶縁膜とゲート電極が配置されており、第2半導
体層のエネルギーバンドギャップ幅が第1半導体層と第
3半導体層のいずれのエネルギーバンドギャップ幅より
も大きく、第2半導体層の第2導電型不純物濃度が第1
半導体層と第2導電型半導体領域のいずれの第2導電型
不純物濃度よりも大きいことを特徴とする第1導電型チ
ャネルを有する第1のMIS型電界効果トランジスタ
と、第1のMIS型電界効果トランジスタとは逆導電型
の半導体層からなる第2導電型チャネルを有する第2の
MIS型電界効果トランジスタとから構成され、第1の
MIS型電界効果トランジスタにおける第1半導体層・
第2半導体層・第3半導体層と、それらに対応する第2
のMIS型電界効果トランジスタにおける逆導電型の半
導体層が同一の真性半導体材料を基にしているという構
成を備えたものである。
【0010】また、本発明のMIS型電界効果トランジ
スタの製造方法は、半導体基板の上面に第2導電型の第
1半導体層を形成する工程と、エネルギーバンドギャッ
プ幅と第2導電型不純物濃度が第1半導体層よりも大き
い第2半導体層を第1半導体層上に形成する工程と、エ
ネルギーバンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度が第
2半導体層よりも小さい第3半導体層を第2半導体層上
に形成する工程と、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成す
る工程と、第3半導体層から第1導電型のソース・ドレ
イン領域および第1導電型チャネルとなる第2導電型半
導体領域を形成する工程を含むという構成を備えたもの
である。
【0011】また、本発明のMIS型電界効果トランジ
スタの製造方法は、半導体基板上、所定の第2導電型不
純物の半導体層中の熱拡散係数が半導体基板の場合より
も小さく、エネルギーバンドギャップ幅が半導体基板よ
りも大きい第2半導体層を半導体基板上に形成する工程
と、所定の第2導電型不純物の半導体層内での熱拡散係
数が第2半導体層の場合よりも大きく、エネルギーバン
ドギャップ幅が第2半導体層よりも小さい第3半導体層
を第2半導体層上に形成する工程と、第2半導体層内に
おいて高濃度に分布するように第2導電型不純物をイオ
ン注入する工程と、熱処理を施すことによって第2導電
型不純物を所定の分布に熱拡散させる工程と、ゲート絶
縁膜とゲート電極を形成する工程と、第3半導体層から
第1導電型のソース・ドレイン領域および第1導電型チ
ャネルとなる第2導電型半導体領域を形成する工程を含
むという構成を備えたものである。
【0012】また、本発明のMIS型電界効果トランジ
スタの製造方法は、半導体基板の上面に第2導電型の第
1半導体層を形成する工程と、第1半導体層上の全面に
わたって、エネルギーバンドギャップ幅が第1半導体層
よりも大きい第2導電型の第2半導体層を形成する工程
と、第2半導体層上の全面にわたって、エネルギーバン
ドギャップ幅が第2半導体層よりも小さい第2導電型の
第3半導体層を形成する工程と、第3半導体層の所定の
領域を選択的に除去する工程と、第3半導体層を除去し
た部位に素子分離領域を形成することによって、第3半
導体層を半導体素子ごとに分割する工程と、ゲート絶縁
膜とゲート電極を形成する工程と、第3半導体層から第
1導電型のソース・ドレイン領域および第1導電型チャ
ネルとなる第2導電型半導体領域を形成する工程を含む
という構成を備えたものである。
【0013】また、本発明のMIS型電界効果トランジ
スタの製造方法は、半導体基板の上面に第2導電型の第
1半導体層を形成する工程と、第1半導体層上の全面に
わたって、エネルギーバンドギャップ幅が第1半導体層
よりも大きい第2導電型の第2半導体層を形成する工程
と、第2半導体層上の所定の領域に選択的に絶縁層を形
成する工程と、第2半導体層上の絶縁層が形成されてい
ない領域に選択的に、エネルギーバンドギャップ幅が第
2半導体層よりも小さい第2導電型の第3半導体層を形
成し、第3半導体層を半導体素子領域とし絶縁層を素子
分離領域とする工程と、ゲート絶縁膜とゲート電極を形
成する工程と、第3半導体層から第1導電型のソース・
ドレイン領域および第1導電型チャネルとなる第2導電
型半導体領域を形成する工程を含むという構成を備えた
ものである。
【0014】また、本発明のMIS型電界効果トランジ
スタの製造方法は、半導体基板の上面に第2導電型の第
1半導体層を形成する工程と、第1半導体層上の所定の
領域に選択的に絶縁層を形成する工程と、第1半導体層
上の絶縁層が形成されていない領域に選択的に、エネル
ギーバンドギャップ幅が第1半導体層よりも大きい第2
導電型の第2半導体層を形成する工程と、第2半導体層
上に、エネルギーバンドギャップ幅が第2半導体よりも
小さい第2導電型の第3半導体層を形成し、第3半導体
層を半導体素子領域とし絶縁層を素子分離領域とする工
程と、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する工程と、第
3半導体層から第1導電型のソース・ドレイン領域およ
び第1導電型チャネルとなる第2導電型半導体領域を形
成する工程を含むという構成を備えたものである。
【0015】また、本発明の相補型MIS型電界効果ト
ランジスタの製造方法は、半導体基板上に、エネルギー
バンドギャップ幅が半導体基板よりも大きい第2半導体
層を半導体基板上に形成する工程と、エネルギーバンド
ギャップ幅が第2半導体層よりも小さい第3半導体層を
第2半導体層上に形成する工程と、第3半導体層の所定
の領域に素子分離領域を形成することによって、第3半
導体層を複数の半導体素子領域に分割する工程と、半導
体素子領域の一部において、半導体基板の上面と第2半
導体層と第3半導体層に第2導電型不純物をイオン注入
する工程と、半導体素子領域の他の一部において、半導
体基板の上面と第2半導体層と第3半導体層に第1導電
型不純物をイオン注入する工程と、ゲート絶縁膜とゲー
ト電極を形成する工程と、半導体素子領域の一部におい
て、第3半導体層から第1導電型のソース・ドレイン領
域および第1導電型チャネルとなる第2導電型半導体領
域を形成する工程と、半導体素子領域の他の一部におい
て、第3半導体層から第2導電型のソース・ドレイン領
域および第2導電型チャネルとなる第1導電型半導体領
域を形成する工程を含むという構成を備えたものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載のMIS型
電界効果トランジスタは、半導体基板の上面に第2導電
型の第1半導体層と第2導電型の第2半導体層と第2導
電型の第3半導体層が積層されており、素子分離領域に
よって分割された第3半導体層の一領域が第1導電型チ
ャネルとなる第2導電型半導体領域と第1導電型のソー
ス領域・ドレイン領域とから構成され、第2導電型半導
体領域上にゲート絶縁膜とゲート電極が配置されてお
り、第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅が第1
半導体層と第3半導体層のいずれのエネルギーバンドギ
ャップ幅よりも大きく、第2導電型キャリアは第2半導
体層を介して第1半導体層と第3半導体層の間を容易に
移動することが可能である一方、第1導電型キャリアは
第2半導体層のエネルギー障壁に遮断されることによっ
て第1半導体層と第3半導体層の間を移動することが困
難であるという作用を有している。
【0017】この作用に関しての説明であるが、第1半
導体層と第2半導体層と第3半導体層のヘテロ接合にお
いて、第2導電型キャリア密度の大きいエネルギーバン
ド端(電子の場合伝導帯、正孔の場合価電子帯)のエネ
ルギー差が非常に小さいか、第2導電型キャリアがエネ
ルギー障壁をトンネル電流として貫通できる構造である
場合に第2導電型キャリアは容易に移動する。また、第
1半導体層と第2半導体層と第3半導体層のヘテロ接合
において、第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅
が大きいために第1導電型キャリア密度の大きいエネル
ギーバンド端のエネルギー差が大きい場合、第2半導体
層がエネルギー障壁になって第1導電型キャリアは遮断
される。
【0018】本発明の請求項2記載のMIS型電界効果
トランジスタは、半導体基板の上面に第2導電型の第1
半導体層と第2導電型の第2半導体層と第2導電型の第
3半導体層が積層されており、素子分離領域によって分
割された第3半導体層の一領域が第1導電型チャネルと
なる第2導電型半導体領域と第1導電型のソース領域・
ドレイン領域とから構成され、第2導電型半導体領域上
にゲート絶縁膜とゲート電極が配置されており、第2半
導体層のエネルギーバンドギャップ幅が第1半導体層と
第3半導体層のいずれのエネルギーバンドギャップ幅よ
りも大きく、第2半導体層の第2導電型不純物濃度が第
1半導体層と第2導電型半導体領域のいずれの第2導電
型不純物濃度よりも大きいことを特徴とする。
【0019】以上の構成では、第2半導体層のエネルギ
ーバンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度が大きいた
めに第2半導体層に空乏層が拡がりにくいので、MIS
型電界効果トランジスタのソース・ドレイン間のパンチ
スルーを抑制され、微細化(チャネル長の縮小)しても
良好なカットオフ特性が得られる。また、第1導電型チ
ャネルとなる第2導電型半導体領域の第2導電型不純物
濃度を小さく制御することできるので、良好なサブスレ
ッショルド特性(サブスレッショルド領域でのドレイン
電流―ゲート電圧特性)と高駆動力(高い伝達コンダク
タンス・高いドレイン飽和電流)を両立することができ
る。このように、本発明のMIS型電界効果トランジス
タは、微細デジタルデバイスに要求される高性能を実現
するものである。
【0020】また以上の構成では、第2半導体層のエネ
ルギーバンドギャップ幅が大きい一方、第2半導体層の
第2導電型不純物濃度が大きいために、第1半導体層と
第2半導体層と第3半導体層のヘテロ接合において、第
2導電型キャリア密度の大きいエネルギーバンド端のエ
ネルギー差が小さくなるので、第2導電型キャリアは容
易に移動することが可能である。第1導電型チャネルの
MIS型電界効果トランジスタの動作において、第3半
導体層のドレイン接合付近で発生した過剰な第2導電型
キャリアは第2半導体層を介して第1半導体層へ移動す
るので、第3半導体層の第2導電型半導体領域における
電荷蓄積による寄生バイポーラ動作は回避される。
【0021】さらに以上の構成では、第1導電型キャリ
ア密度の大きいエネルギーバンド端のエネルギー差は不
純物濃度差がない場合よりもさらに大きくなるので、第
2半導体層がエネルギー障壁になって第1導電型キャリ
アは遮断される。外部からのノイズによって半導体基板
中に第1導電型キャリアが誘起されても、第2半導体層
のエネルギー障壁に遮断されて、ノイズがチャネル領域
およびソース・ドレイン領域まで伝達されない。このよ
うに、本発明のMIS型電界効果トランジスタは、優れ
たノイズ耐性を必要とするアナログデバイスとしても有
効である。
【0022】本発明の請求項3記載のMIS型電界効果
トランジスタは、半導体基板の上面に第2導電型の第1
半導体層と第2導電型の第2半導体層と第2導電型の第
3半導体層が積層されており、素子分離領域によって分
割された第3半導体層の一領域が第1導電型チャネルと
なる第2導電型半導体領域と第1導電型のソース領域・
ドレイン領域とから構成され、第2導電型半導体領域上
にゲート絶縁膜とゲート電極が配置されており、第2半
導体層の誘電率が第1半導体層と第3半導体層のいずれ
の誘電率よりも小さいことを特徴とする。
【0023】以上の構成では、第3半導体層内のソース
・ドレイン接合に逆方向電圧が印加された場合に空乏層
が第2半導体層に拡がるが、第2半導体層の誘電率が小
さいために接合容量が小さくなるので、MIS型電界効
果トランジスタの高速動作が可能になる。本発明の請求
項4記載のMIS型電界効果トランジスタは、請求項
1、請求項2または請求項3記載のMIS型電界効果ト
ランジスタにおいて、第1半導体層および第3半導体層
がシリコン(Si)からなり、第2半導体層が炭化シリ
コン(SiC)からなる。
【0024】エネルギーバンドギャップ幅(Eg )はシ
リコンのEg =1.12eVに対して炭化シリコンは
(β−SiCの場合)Eg =2.20eVと大きく、比
誘電率(εr )はシリコンのεr=12.0に対して炭化
シリコンは(β−SiCの場合)εr =10.2と小さ
い。本発明の請求項5記載のMIS型電界効果トランジ
スタは、請求項1、請求項2または請求項3記載のMI
S型電界効果トランジスタにおいて、第1半導体層およ
び第3半導体層がシリコン(Si)からなり、第2半導
体層がガリウム砒素(GaAs)またはガリウム燐(G
aP)からなる。
【0025】エネルギーバンドギャップ幅(Eg )はシ
リコンのEg =1.12eVに対してガリウム砒素はE
g =1.43eV、ガリウム燐はEg =2.25eVと
大きく、比誘電率(εr )はシリコンのεr =12.0
に対してガリウム砒素はεr=11.5、ガリウム燐は
εr =8.4と小さい。また、格子定数はシリコンの
5.431Åに対してガリウム砒素は5.654Å、ガ
リウム燐は5.451Åと、シリコンと他の半導体材料
とのヘテロ接合の中では格子の歪みが小さいので、欠陥
の少ないヘテロ接合の形成が可能である。
【0026】本発明の請求項6記載のMIS型電界効果
トランジスタは、請求項4または請求項5記載のMIS
型電界効果トランジスタにおいて、第3半導体層がシリ
コン(Si)からなり、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜
(SiO2 )からなる。シリコンとシリコン酸化膜の界
面は非常に清浄な界面を形成することできるので、微細
加工に適した高信頼性デバイスを実現する。
【0027】本発明の請求項7記載の相補型MIS型電
界効果トランジスタは、半導体基板の上面に第2導電型
の第1半導体層と第2導電型の第2半導体層と第2導電
型の第3半導体層が積層されており、素子分離領域によ
って分割された第3半導体層の一領域が第1導電型チャ
ネルとなる第2導電型半導体領域と第1導電型のソース
領域・ドレイン領域とから構成され、第2導電型半導体
領域上にゲート絶縁膜とゲート電極が配置されており、
第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅が第1半導
体層と第3半導体層のいずれのエネルギーバンドギャッ
プ幅よりも大きく、第2半導体層の第2導電型不純物濃
度が第1半導体層と第2導電型半導体領域のいずれの第
2導電型不純物濃度よりも大きいことを特徴とする第1
導電型チャネルの第1のMIS型電界効果トランジスタ
と、第1のMIS型電界効果トランジスタとは逆導電型
の半導体層からなる第2導電型チャネルの第2のMIS
型電界効果トランジスタとから構成され、第1のMIS
型電界効果トランジスタにおける第1半導体層・第2半
導体層・第3半導体層と、それらに対応する第2のMI
S型電界効果トランジスタにおける逆導電型の半導体層
が同一の真性半導体材料を基にしていることを特徴とす
る。
【0028】相補型MIS型電界効果トランジスタを用
いて低消費電流かつ小規模な論理回路を構成することが
可能であるが、製造する際に半導体材料の種類が多くな
らないので、低コストで加工融通性のよい高性能CMO
S回路を実現する。本発明の請求項8記載の相補型MI
S型電界効果トランジスタは、請求項7記載のMIS型
電界効果トランジスタにおいて、第1半導体層および第
3半導体層がシリコン(Si)からなり、第2半導体層
が炭化シリコン(SiC)からなる。
【0029】エネルギーバンドギャップ幅(Eg )はシ
リコンのEg =1.12eVに対して炭化シリコンは
(β−SiCの場合)Eg =2.20eVと大きく、比
誘電率(εr )はシリコンのεr =12.0に対して炭
化シリコンは(β−SiCの場合)εr =10.2と小
さい。本発明の請求項9記載の相補型MIS型電界効果
トランジスタは、請求項8記載のMIS型電界効果トラ
ンジスタにおいて、第3半導体層がシリコン(Si)か
らなり、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜(SiO2 )か
らなる。
【0030】シリコンとシリコン酸化膜の界面は非常に
清浄な界面を形成することができるので、微細加工に適
した高信頼性デバイスを用いた高性能CMOS回路を実
現する。本発明の請求項10記載のMIS型電界効果ト
ランジスタの製造方法は、半導体基板の上面に第2導電
型の第1半導体層を形成する工程と、エネルギーバンド
ギャップ幅と第2導電型不純物濃度が第1半導体層より
も大きい第2半導体層を第1半導体層上に形成する工程
と、エネルギーバンドギャップ幅と第2導電型不純物濃
度が第2半導体層よりも小さい第3半導体層を第2半導
体層上に形成する工程と、ゲート絶縁膜とゲート電極を
形成する工程と、第3半導体層から第1導電型のソース
・ドレイン領域および第1導電型チャネルとなる第2導
電型半導体領域を形成する工程を含むことを特徴とす
る。
【0031】以上の構成では、第2半導体層のエネルギ
ーバンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度が大きいヘ
テロ接合を簡略な製造工程で実現する。MIS型電界効
果トランジスタの動作において、第3半導体層のドレイ
ン接合付近で発生した過剰な第2導電型キャリアは第2
半導体層を介して第1半導体層へ移動し、電荷蓄積によ
る寄生バイポーラ動作は回避される一方、外部からのノ
イズによって半導体基板中に第1導電型キャリアが誘起
されても、第2半導体層のエネルギー障壁に遮断され
て、ノイズがソース・ドレインまで伝達されない。
【0032】本発明の請求項11記載のMIS型電界効
果トランジスタの製造方法は、半導体基板上に、所定の
第2導電型不純物の半導体層中の熱拡散係数が半導体基
板の場合よりも小さく、エネルギーバンドギャップ幅が
半導体基板よりも大きい第2半導体層を半導体基板上に
形成する工程と、所定の第2導電型不純物の半導体層内
での熱拡散係数が第2半導体層の場合よりも大きく、エ
ネルギーバンドギャップ幅が第2半導体層よりも小さい
第3半導体層を第2半導体層上に形成する工程と、第2
半導体層内において高濃度に分布するように第2導電型
不純物をイオン注入する工程と、熱処理を施すことによ
って第2導電型不純物を所定の分布に熱拡散させる工程
と、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する工程と、第3
半導体層から第1導電型のソース・ドレイン領域および
第1導電型チャネルとなる第2導電型半導体領域を形成
する工程を含むことを特徴とする。
【0033】以上の構成では、第2半導体層のエネルギ
ーバンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度が大きいヘ
テロ接合を実現するために、まず半導体基板上に第2半
導体層・第3半導体層を順次形成した後、第2半導体層
内において高濃度に分布するように第2導電型不純物を
イオン注入するので、第2半導体層をエピタキシャル成
長などで堆積するのと同時に第2導電型不純物を添加す
る必要がなく、第2半導体層の形成方法に融通性があ
り、簡略な製造工程で良質なヘテロ接合と結晶方位の一
様な半導体層を形成し易い。また、第2導電型不純物の
第2半導体層中の熱拡散係数が小さく、後工程の熱処理
に対して第2半導体層中の第2導電型不純物が第1半導
体層および第3半導体層に拡散しにくいので、第2半導
体層中の第2導電型不純物を高濃度に制御よく分布させ
ることができる。
【0034】本発明の請求項12記載のMIS型電界効
果トランジスタの製造方法は、請求項11記載の第1導
電型チャネルのMIS型電界効果トランジスタの製造方
法において、第1半導体層および第3半導体層がシリコ
ン(Si)からなり、第2半導体層が炭化シリコン(S
iC)からなる。炭化シリコン中の不純物の熱拡散係数
はシリコン中の不純物の熱拡散係数に対して非常に小さ
いので、第2半導体層中の第2導電型不純物を高濃度に
制御し易い。
【0035】本発明の請求項13記載のMIS型電界効
果トランジスタの製造方法は、半導体基板の上面に第2
導電型の第1半導体層を形成する工程と、第1半導体層
上の全面にわたって、エネルギーバンドギャップ幅が第
1半導体層よりも大きい第2導電型の第2半導体層を形
成する工程と、第2半導体層上の全面にわたって、エネ
ルギーバンドギャップ幅が第2半導体層よりも小さい第
2導電型の第3半導体層を形成する工程と、第3半導体
層の所定の領域を選択的に除去する工程と、第3半導体
層を除去した部位に素子分離領域を形成することによっ
て、第3半導体層を半導体素子ごとに分割する工程と、
ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する工程と、第3半導
体層から第1導電型のソース・ドレイン領域および第1
導電型チャネルとなる第2導電型半導体領域を形成する
工程を含むことを特徴とする。
【0036】以上の構成では、第2半導体層と第3半導
体層を一様な下地の半導体層上に形成するので、簡略な
製造工程で良質で安定なヘテロ接合と結晶方位の一様な
半導体層を比較的形成し易い。本発明の請求項14記載
のMIS型電界効果トランジスタの製造方法は、半導体
基板の上面に第2導電型の第1半導体層を形成する工程
と、第1半導体層上の全面にわたって、エネルギーバン
ドギャップ幅が第1半導体層よりも大きい第2導電型の
第2半導体層を形成する工程と、第2半導体層上の所定
の領域に選択的に絶縁層を形成する工程と、第2半導体
層上の絶縁層が形成されていない領域に選択的に、エネ
ルギーバンドギャップ幅が第2半導体層よりも小さい第
2導電型の第3半導体層を形成し、第3半導体層を半導
体素子領域とし絶縁層を素子分離領域とする工程と、ゲ
ート絶縁膜とゲート電極を形成する工程と、第3半導体
層から第1導電型のソース・ドレイン領域および第1導
電型チャネルとなる第2導電型半導体領域を形成する工
程を含むことを特徴とする。
【0037】以上の構成では、第2半導体層を一様な下
地の半導体層上に形成するので、簡略な製造工程で良質
で安定なヘテロ接合と結晶方位の一様な半導体層を比較
的形成し易い。また、第2半導体層上に選択的に形成し
た絶縁層を素子分離領域とするので、複雑な製造工程を
用いることなく第3半導体層の膜厚と同程度の深さの素
子分離領域が形成される。このような構造では、ソース
・ドレイン領域の側壁部が絶縁層と隣接するので、ソー
ス・ドレイン接合の寄生容量が低減されてMIS型電界
効果トランジスタの動作速度をさらに向上させることが
できる。
【0038】本発明の請求項15記載のMIS型電界効
果トランジスタの製造方法は、半導体基板の上面に第2
導電型の第1半導体層を形成する工程と、第1半導体層
上の所定の領域に選択的に絶縁層を形成する工程と、第
1半導体層上の絶縁層が形成されていない領域に選択的
に、エネルギーバンドギャップ幅が第1半導体層よりも
大きい第2導電型の第2半導体層を形成する工程と、第
2半導体層上に、エネルギーバンドギャップ幅が第2半
導体よりも小さい第2導電型の第3半導体層を形成し、
第3半導体層を半導体素子領域とし絶縁層を素子分離領
域とする工程と、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する
工程と、第3半導体層から第1導電型のソース・ドレイ
ン領域および第1導電型チャネルとなる第2導電型半導
体領域を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0039】以上の構成では、第1半導体層上に選択的
に形成した絶縁層を素子分離領域とするので、複雑な製
造工程を用いることなく第2半導体層と第3半導体層を
合わせた膜厚と同程度の深さの素子分離領域が形成され
る。このような構造では、ソース・ドレイン接合の寄生
容量が低減されてMIS型電界効果トランジスタの動作
速度を向上させるだけでなく、深い絶縁層によって高耐
圧で接合リークの少ない素子分離が実現される。
【0040】本発明の請求項16記載のMIS型電界効
果トランジスタの製造方法は、請求項10、請求項1
1、請求項13、請求項14または請求項15記載のM
IS型電界効果トランジスタの製造方法において、第2
半導体層と第3半導体層のいずれか少なくとも一方をC
VD法(化学気相成長法)を用いたエピタキシャル成長
によって形成することを特徴とする。
【0041】例えばシリコン基板上に炭化シリコンをC
VD法を用いてエピタキシャル成長する場合、成長温度
は1000℃程度と低いので、シリコン基板に欠陥が発
生することもなく良質なヘテロ接合が形成される。本発
明の請求項17記載のMIS型電界効果トランジスタの
製造方法は、請求項10、請求項11、請求項13、請
求項14または請求項15記載のMIS型電界効果トラ
ンジスタの製造方法において、第2半導体層と第3半導
体層のいずれか少なくとも一方をMBE法(分子線エピ
タキシャル成長法)によって形成することを特徴とす
る。
【0042】シリコン基板上に炭化シリコンをMBE法
を用いて成長させる場合、CVD法よりも低温の900
℃程度で良質なヘテロ接合が形成される。本発明の請求
項18記載の相補型MIS型電界効果トランジスタの製
造方法は、半導体基板上、エネルギーバンドギャップ幅
が半導体基板よりも大きい第2半導体層を半導体基板上
に形成する工程と、エネルギーバンドギャップ幅が第2
半導体層よりも小さい第3半導体層を第2半導体層上に
形成する工程と、第3半導体層の所定の領域に素子分離
領域を形成することによって、第3半導体層を複数の半
導体素子領域に分割する工程と、半導体素子領域の一部
において、半導体基板の上面と第2半導体層と第3半導
体層に第2導電型不純物をイオン注入する工程と、半導
体素子領域の他の一部において、半導体基板の上面と第
2半導体層と第3半導体層に第1導電型不純物をイオン
注入する工程と、ゲート絶縁膜とゲート電極を形成する
工程と、半導体素子領域の一部において、第3半導体層
から第1導電型のソース・ドレイン領域および第1導電
型チャネルとなる第2導電型半導体領域を形成する工程
と、半導体素子領域の他の一部において、第3半導体層
から第2導電型のソース・ドレイン領域および第2導電
型チャネルとなる第1導電型半導体領域を形成する工程
を含むことを特徴とする。
【0043】この製造方法は、相補型MIS型電界効果
トランジスタを簡略な製造工程で実現するものであり、
製造する際に半導体材料の種類が多くならないので、低
コストで加工融通性のよい高性能CMOS回路を実現す
る。本発明の請求項19記載の相補型MIS型電界効果
トランジスタの製造方法は、請求項18記載のMIS型
電界効果トランジスタの製造方法において、第2半導体
層と第3半導体層のいずれか少なくとも一方をCVD法
(化学気相成長法)を用いたエピタキシャル成長によっ
て形成することを特徴とする。
【0044】例えばシリコン基板上に炭化シリコンをC
VD法を用いてエピタキシャル成長する場合、成長温度
は1000℃程度と低いので、シリコン基板に欠陥が発
生することもなく良質なヘテロ接合が形成される。本発
明の請求項20記載の相補型MIS型電界効果トランジ
スタの製造方法は、請求項18記載のMIS型電界効果
トランジスタの製造方法において、第2半導体層と第3
半導体層のいずれか少なくとも一方をMBE法(分子線
エピタキシャル成長法)によって形成することを特徴と
する。
【0045】シリコン基板上に炭化シリコンをMBE法
を用いて成長させる場合、CVD法よりも低温の900
℃程度で良質なヘテロ接合が形成される。本発明の請求
項21記載のデジタル信号演算回路は、請求項1、請求
項2または請求項3記載のMIS型電界効果トランジス
タを備えたことを特徴とする。請求項1、請求項2また
は請求項3記載のMIS型電界効果トランジスタは、良
好なカットオフ特性と高駆動力を有する微細デジタルデ
バイスを提供するものであり、高性能かつ高集積のデジ
タル信号演算回路を実現する。
【0046】本発明の請求項22記載のデジタル信号演
算回路は、請求項7記載の相補型MIS型電界効果トラ
ンジスタを備えたことを特徴とする。請求項7記載の相
補型MIS型電界効果トランジスタは、良好なカットオ
フ特性と高駆動力を有する微細デジタルデバイスを提供
するものであり、高性能かつ高集積のデジタル信号演算
回路を実現する。
【0047】本発明の請求項23記載のアナログ信号演
算回路は、請求項1、請求項2または請求項3記載のM
IS型電界効果トランジスタを備えたことを特徴とす
る。請求項1、請求項2または請求項3記載のMIS型
電界効果トランジスタは優れたノイズ耐性を有してお
り、アナログ信号演算回路の低電圧動作を可能にするだ
けでなく、MIS型電界効果トランジスタを用いている
のでバイポーラトランジスタよりも微細かつ低消費電流
のアナログ信号演算回路を実現する。
【0048】本発明の請求項24記載のアナログ信号演
算回路は、請求項7記載の相補型MIS型電界効果トラ
ンジスタを備えたことを特徴とする。請求項7記載の相
補型MIS型電界効果トランジスタは、優れたノイズ耐
性を有しており、アナログ信号演算回路の低電圧動作を
可能にするだけでなく、MIS型電界効果トランジスタ
を用いているのでバイポーラトランジスタよりも微細か
つ低消費電流のアナログ信号演算回路を実現する。
【0049】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施
の形態における相補型MIS型電界効果トランジスタの
構造断面図である。図1において、1はp型シリコン基
板、2はp型シリコン基板1上に形成されたp型シリコ
ン層、3はp型シリコン層2上に形成されたp型炭化シ
リコン層、4はp型炭化シリコン層3上に形成されたチ
ャネル領域、5はp型炭化シリコン層3上に形成された
n型ソース・ドレイン領域である。6はp型シリコン基
板1上に形成されたn型シリコン層、7はn型シリコン
層6上に形成されたn型炭化シリコン層、8はn型炭化
シリコン層7上に形成されたチャネル領域、9はn型炭
化シリコン層7上に形成されたp型ソース・ドレイン領
域である。10はp型炭化シリコン層3上およびn型炭
化シリコン層7上に形成された素子分離領域、11,1
1’はチャネル領域4,8上に形成されたゲート酸化
膜、12,12’はゲート酸化膜11,11’に形成さ
れたゲート電極、13は保護膜としてのBPSG膜、1
4はn型ソース・ドレイン領域5およびp型ソース・ド
レイン領域9を接続する金属配線である。101はチャ
ネル領域4,n型ソース・ドレイン領域5,ゲート酸化
膜11,ゲート電極12および金属配線14等で構成さ
れるnチャネルMOSFET、102はチャネル領域
8,n型ソース・ドレイン領域9,ゲート酸化膜1
1’,ゲート電極12’および金属配線14等で構成さ
れるpチャネルMOSFETである。
【0050】図2は、図1のnチャネルMOSFET1
01のA−A’断面におけるエネルギーバンド図であ
る。図3は、図1のpチャネルMOSFET102のB
−B’断面におけるエネルギーバンド図である。図1
は、p型炭化シリコン層3を有するnチャネルMOSF
ET101と、n型炭化シリコン層7を有するpチャネ
ルMOSFET102が金属配線14で接続された相補
型MOSFET(CMOS)構造のインバータ回路を構
成している。ゲート電極12の相互接続は図示していな
い。
【0051】nチャネルMOSFET101において、
p型炭化シリコン層3のp型不純物濃度は、p型シリコ
ン層2およびチャネル領域4よりも大きくなるように制
御されており、図2に示すように、p型シリコン層2・
p型炭化シリコン層3・チャネル領域4の価電子帯のバ
ンド端は平滑になっているので、チャネル領域4で発生
したホールはp型シリコン層2へ容易に移動する一方、
伝導帯ではエネルギーバンド幅の大きいp型炭化シリコ
ン層3がエネルギー障壁になって、ノイズによってp型
シリコン層2に誘起された電子はチャネル領域4に伝達
されない。
【0052】pチャネルMOSFET102においても
同様に、n型炭化シリコン層7のn型不純物濃度は、n
型シリコン層6およびチャネル領域8よりも大きくなる
ように制御されており、図3に示すように、チャネル領
域8で発生した電子はn型シリコン層6へ容易に移動す
るが、n型シリコン層6に誘起された電子はチャネル領
域8に伝達されない。
【0053】また、炭化シリコンはシリコンよりも誘電
率が小さいので、n型ソース・ドレイン5とp型ソース
・ドレイン9の接合容量が低減されて、インバータの遅
延時間は短縮される。図4〜図9は、本発明の第2の実
施の形態におけるMIS型電界効果トランジスタの製造
方法の工程断面図である。図4〜図9において、1はp
型シリコン基板、2はp型シリコン層、3はp型炭化シ
リコン層、4はチャネル領域、5はn型ソース・ドレイ
ン領域、10は素子分離領域、11はゲート酸化膜、1
2はゲート電極、13はBPSG膜、14は金属配線、
15はp型シリコン層、16はシリコン酸化膜、17は
シリコン窒化膜、18はレジストである。
【0054】まず、p型シリコン基板1上面にボロンイ
オン(B+ )を注入して、p型シリコン層2を形成する
(図4)。なお、このp型シリコン層2は、1000n
m(=1μm)程度の膜厚があれば十分である。この層
はp型ウェルであり、ウェルの電圧の固定およびラッチ
アップの抑制に必要な低抵抗を得るためのものである。
【0055】減圧CVD法によって、温度1000℃の
水素雰囲気でソースガスとしてトリクロルシラン(Si
HCl3 )・プロパン(C3 8 )・フォスフィン(P
3)を用いて、燐が添加されたp型炭化シリコン層3
を全面に膜厚1000nmだけエピタキシャル成長させ
た後、p型シリコン層15を全面に温度700℃で膜厚
200nmだけエピタキシャル成長させる(図5)。
【0056】p型シリコン層15表面を900℃のパイ
ロ雰囲気で熱酸化して膜厚10nmのシリコン酸化膜1
6を形成し、減圧CVD法を用いて温度700℃でシリ
コン窒化膜17を全面に膜厚150nmだけ堆積した
後、シリコン窒化膜17をパターニングして局所酸化法
(LOCOS法)を用いて素子分離領域10を膜厚40
0nmだけ形成する(図6)。
【0057】シリコン窒化膜17とシリコン酸化膜16
を除去して、p型シリコン層15表面を850℃のパイ
ロ雰囲気で熱酸化して膜厚7nmのゲート酸化膜11を
形成し、減圧CVD法を用いて温度550℃でn型多結
晶シリコン膜を全面に膜厚300nmだけ堆積した後、
レジスト18を用いてn型多結晶シリコン膜をドライエ
ッチングによりパターニングして、ゲート電極12を形
成する(図7)。
【0058】レジスト18を除去した後、燐イオン(P
+ )および砒素イオン(As+ )を注入して、p型シリ
コン層15からn型ソース・ドレイン領域5とチャネル
領域4を形成する(図8)。最後に、膜厚800nmの
BPSG膜13を堆積して850℃,30分のリフロー
によって平坦化した後、アルミニウム合金からなる金属
配線14を用いて回路接続を行う(図9)。
【0059】この実施の形態では、p型炭化シリコン層
3とp型シリコン層15を一様なp型シリコン層2上に
エピタキシャル成長するので、簡略な製造工程で良質で
なヘテロ接合が形成される。図10〜図15は、本発明
の第3の実施の形態におけるMIS型電界効果トランジ
スタの製造方法の工程断面図である。図10〜図15に
おいて、1はp型シリコン基板、2はp型シリコン層、
4はチャネル領域、5はn型ソース・ドレイン領域、1
0は素子分離領域、11はゲート酸化膜、12はゲート
電極、13はBPSG膜、14は金属配線、15はp型
シリコン層、18はレジスト、19はp型ガリウム砒素
層、20はシリコン酸化膜、21はレジストである。
【0060】まず、p型シリコン基板1上面にボロンイ
オン(B+ )を注入して、p型シリコン層2を形成し、
MBE法を用いてp型ガリウム砒素層19を全面に膜厚
1000nmだけエピタキシャル成長させる(図1
0)。減圧CVD法を用いて温度800℃でシリコン酸
化膜20を全面に膜厚250nmだけ堆積した後、レジ
スト21を用いてシリコン酸化膜20をパターニングす
る(図11)。
【0061】レジスト21を除去した後、p型ガリウム
砒素層19上にp型シリコン層15を温度800℃で膜
厚200nmだけ選択エピタキシャル成長させて、p型
シリコン層15を素子形成領域にシリコン酸化膜20を
素子分離領域10にする(図12)。p型シリコン層1
5表面を850℃のパイロ雰囲気で熱酸化して膜厚7n
mのゲート酸化膜11を形成し、減圧CVD法を用いて
温度550℃でn型多結晶シリコン膜を全面に膜厚30
0nmだけ堆積した後、レジスト18を用いてn型多結
晶シリコン膜をドライエッチングによりパターニングし
て、ゲート電極12を形成する(図13)。
【0062】レジスト18を除去した後、燐イオン(P
+ )および砒素イオン(As+ )を注入して、p型シリ
コン層15からn型ソース・ドレイン領域5とチャネル
領域4を形成する(図14)。最後に、膜厚800nm
のBPSG膜13を堆積して850℃,30分のリフロ
ーによって平坦化した後、アルミニウム合金からなる金
属配線14を用いて回路接続を行う(図15)。
【0063】この実施の形態では、p型ガリウム砒素層
19を一様なp型シリコン層2上にエピタキシャル成長
するが、シリコンとガリウム砒素は格子定数の整合性が
よいので、良質なヘテロ接合が形成される。また、シリ
コン酸化膜20によってn型ソース・ドレイン領域5と
同程度の深さの素子分離領域10を形成しているので、
良好な素子分離特性が得られるだけでなく、ソース・ド
レイン接合の寄生容量が低減されて、MOSFETの動
作速度をさらに向上させる。
【0064】図16〜図20は、本発明の第4の実施の
形態におけるMIS型電界効果トランジスタの製造方法
の工程断面図である。図16〜図20において、1はp
型シリコン基板、2はp型シリコン層、4はチャネル領
域、5はn型ソース・ドレイン領域、10は素子分離領
域、11はゲート酸化膜、12はゲート電極、13はB
PSG膜、14は金属配線、15はp型シリコン層、1
8はレジスト、20はシリコン酸化膜、21はレジス
ト、22はp型ガリウム燐層である。
【0065】まず、p型シリコン基板1上面にボロンイ
オン(B+ )を注入して、p型シリコン層2を形成し
て、減圧CVD法を用いて温度800℃でシリコン酸化
膜20を全面に膜厚1250nmだけ堆積した後、レジ
スト21を用いてシリコン酸化膜20をパターニングす
る(図16)。レジスト21を除去した後、p型シリコ
ン層2上にMBE法を用いてp型ガリウム燐層22を膜
厚1000nmだけ選択エピタキシャル成長させて、p
型ガリウム燐層22上にp型シリコン層15を温度80
0℃で膜厚200nmだけ選択エピタキシャル成長させ
て、p型シリコン層15を素子形成領域にシリコン酸化
膜20を素子分離領域10にする(図17)。
【0066】p型シリコン層15表面を850℃のパイ
ロ雰囲気で熱酸化して膜厚7nmのゲート酸化膜11を
形成し、減圧CVD法を用いて温度550℃でn型多結
晶シリコン膜を全面に膜厚300nmだけ堆積した後、
レジスト18を用いてn型多結晶シリコン膜をドライエ
ッチングによりパターニングして、ゲート電極12を形
成する(図18)。
【0067】レジスト18を除去した後、燐イオン(P
+ )および砒素イオン(As+ )を注入して、p型シリ
コン層15からn型ソース・ドレイン領域5とチャネル
領域4を形成する(図19)。最後に、膜厚800nm
のBPSG膜13を堆積して850℃,30分のリフロ
ーによって平坦化した後、アルミニウム合金からなる金
属配線14を用いて回路接続を行う(図20)。
【0068】この実施の形態では、p型ガリウム燐層2
2をp型シリコン層2上に選択エピタキシャル成長する
が、シリコンとガリウム燐は格子定数の整合性がよく、
良質なヘテロ接合が形成される。また、シリコン酸化膜
20によってp型ガリウム燐層22の底部にまで届く深
いの素子分離領域10を形成しているので、ソース・ド
レインの接合容量が低減されるだけでなく、高耐圧で接
合リークの少ない素子分離を実現する。
【0069】図21〜図28は、本発明の第5の実施の
形態における相補型MIS型電界効果トランジスタの製
造方法の工程断面図である。図21〜図28において、
1はp型シリコン基板、3はp型炭化シリコン層、4は
チャネル領域、5はn型ソース・ドレイン領域、7はn
型炭化シリコン層、8はチャネル領域、9はp型ソース
・ドレイン領域、10は素子分離領域、11,11’は
ゲート酸化膜、12,12’はゲート電極、13はBP
SG膜、14は金属配線、18はレジスト、20はシリ
コン酸化膜、21はレジスト、23は炭化シリコン層、
24はシリコン層、25はレジスト、26はp型ウェル
層、27はレジスト、28はn型ウェル層、29はレジ
スト、30はレジスト、101はnチャネルMOSFE
T領域、102はpチャネルMOSFET領域である。
【0070】まず、p型シリコン基板1上の全面に、減
圧CVD法を用いて温度800℃でシリコン酸化膜20
をに膜厚1250nmだけ堆積した後、レジスト21を
用いてシリコン酸化膜20をパターニングする(図2
1)。レジスト21を除去した後、アセチレン(C2
4 )とシリコン分子線を用いたMBE法によって、温度
900℃で炭化シリコン層23を膜厚1000nmだ
け、p型シリコン基板1上に選択エピタキシャル成長さ
せた後、シリコン層24を温度700℃で膜厚200n
mだけ、炭化シリコン層23上に選択エピタキシャル成
長させて、シリコン層24を素子形成領域にシリコン酸
化膜20を素子分離領域10にする(図22)。
【0071】レジスト25を用いてnチャネルMOSF
ET領域101に選択的にボロンイオン(B+ )を注入
して、p型ウェル層26とp型炭化シリコン層3とp型
のシリコン層24を形成する。このとき、ボロンイオン
(B+ )の飛程が炭化シリコン層23中になるようにイ
オン注入条件を設定し、p型炭化シリコン層3にボロン
(B)を高濃度に分布させる(図23)。
【0072】レジスト27を用いてpチャネルMOSF
ET領域102に選択的に燐イオン(P+ )を注入し
て、n型ウェル層28とn型炭化シリコン層7とn型の
シリコン層24を形成する。このとき、燐イオン
(P+ )の飛程が炭化シリコン層3中になるようにイオ
ン注入条件を設定し、n型炭化シリコン層7に燐(P)
を高濃度に分布させる(図24)。
【0073】レジスト27を除去した後、1000℃で
60分の熱処理を施し、ボロンイオン(B+ )および燐
イオン(P+ )を活性化させるとともに、炭化シリコン
層23とシリコン層24の成長時に発生した結晶欠陥や
イオン注入による損傷を回復させる。このとき、ボロン
(B)と燐(P)の炭化シリコン中での熱拡散係数がシ
リコン中よりも非常に小さいので、p型炭化シリコン層
3およびn型炭化シリコン層7中の不純物を高濃度に制
御することができる。
【0074】nチャネルMOSFET領域101および
pチャネルMOSFET領域102のシリコン層表面を
850℃のパイロ雰囲気で熱酸化して膜厚7nmのゲー
ト酸化膜11を形成し、減圧CVD法を用いて温度55
0℃でn型多結晶シリコン膜を全面に膜厚300nmだ
け堆積した後、レジスト18を用いてn型多結晶シリコ
ン膜をドライエッチングによりパターニングして、ゲー
ト電極12を形成する(図25)。
【0075】レジスト29を用いてnチャネルMOSF
ET領域101に選択的に燐イオン(P+ )および砒素
イオン(As+ )を注入して、p型のシリコン層24か
らn型ソース・ドレイン領域5とチャネル領域4を形成
する(図26)。レジスト30を用いてpチャネルMO
SFET領域102に選択的にボロンイオン(B+ )を
注入して、n型のシリコン層24からp型ソース・ドレ
イン領域9とチャネル領域8を形成する(図27)。
【0076】最後に、膜厚800nmのBPSG膜13
を堆積して850℃,30分のリフローによって平坦化
した後、アルミニウム合金からなる金属配線14を用い
て相補型MOSFETから構成される回路接続を行う
(図28)。この実施の形態では、熱拡散係数の小さい
炭化シリコン層23と高濃度イオン注入用いて高濃度の
ワイドギャップ層を形成しており、簡略かつ制御性のよ
いCMOSプロセスを提供するものである。
【0077】ここで、上記の実施の形態で示したMIS
型電界効果トランジスタまたは相補型MIS型電界効果
トランジスタを用いたデジタル信号演算回路およびアナ
ログ信号演算回路について説明する。まず、デジタル信
号演算回路は、上記の実施の形態で示したMIS型電界
効果トランジスタまたは相補型MIS型電界効果トラン
ジスタを用いて構成される。上記のMIS型電界効果ト
ランジスタと相補型MIS型電界効果トランジスタは、
良好なカットオフ特性と高駆動力を有する微細デジタル
デバイスを提供するものであり、高性能かつ高集積のデ
ジタル信号演算回路を実現することができる。
【0078】つぎに、アナログ信号演算回路は、上記の
実施の形態で示したMIS型電界効果トランジスタまた
は相補型MIS型電界効果トランジスタを用いて構成さ
れる。上記のMIS型電界効果トランジスタと相補型M
IS型電界効果トランジスタは、優れたノイズ耐性を有
しており、アナログ信号演算回路の低電圧動作を可能に
するだけでなく、MIS型電界効果トランジスタを用い
ているのでバイポーラトランジスタよりも微細かつ低消
費電流のアナログ信号演算回路を実現することができ
る。
【0079】
【発明の効果】請求項1記載のMIS型電界効果トラン
ジスタによれば、第2半導体層のエネルギーバンドギャ
ップ幅が第1半導体層と第3半導体層のいずれのエネル
ギーバンドギャップ幅よりも大きく、第2導電型キャリ
アは第2半導体層を介して第1半導体層と第3半導体層
の間を容易に移動することが可能である一方、第1導電
型キャリアは第2半導体層のエネルギー障壁に遮断され
ることによって第1半導体層と第3半導体層の間を移動
することが困難であるので、SOI構造のMOSFET
と同程度の高速かつ低消費電流動作を実現しつつ、チャ
ネル領域への電荷蓄積による寄生バイポーラ動作の発生
を防止することができる。
【0080】請求項2記載のMIS型電界効果トランジ
スタによれば、第2半導体層のエネルギーバンドギャッ
プ幅と第2導電型不純物濃度が大きいために第2半導体
層に空乏層が拡がりにくいので、MIS型電界効果トラ
ンジスタのソース・ドレイン間のパンチスルーを抑制さ
れ、微細化(チャネル長の縮小)しても良好なカットオ
フ特性が得られる。また、第1導電型チャネルとなる第
2導電型半導体領域の第2導電型不純物濃度を小さく制
御することできるので、良好なサブスレッショルド特性
(サブスレッショルド領域でのドレイン電流―ゲート電
圧特性)と高駆動力(高い伝達コンダクタンス・高いド
レイン飽和電流)を両立することができる。このよう
に、本発明のMIS型電界効果トランジスタは、微細デ
ジタルデバイスに要求される高性能を実現できる。
【0081】また、第2半導体層のエネルギーバンドギ
ャップ幅が大きい一方、第2半導体層の第2導電型不純
物濃度が大きいために、第1半導体層と第2半導体層と
第3半導体層のヘテロ接合において、第2導電型キャリ
ア密度の大きいエネルギーバンド端のエネルギー差が小
さくなるので、第2導電型キャリアは容易に移動するこ
とが可能である。第1導電型チャネルのMIS型電界効
果トランジスタの動作において、第3半導体層のドレイ
ン接合付近で発生した過剰な第2導電型キャリアは第2
半導体層を介して第1半導体層へ移動するので、第3半
導体層の第2導電型半導体領域における電荷蓄積による
寄生バイポーラ動作は回避される。
【0082】さらに、第1導電型キャリア密度の大きい
エネルギーバンド端のエネルギー差は不純物濃度差がな
い場合よりもさらに大きくなるので、第2半導体層がエ
ネルギー障壁になって第1導電型キャリアは遮断され
る。外部からのノイズによって半導体基板中に第1導電
型キャリアが誘起されても、第2半導体層のエネルギー
障壁に遮断されて、ノイズがチャネル領域およびソース
・ドレイン領域まで伝達されない。このように、本発明
のMIS型電界効果トランジスタは、優れたノイズ耐性
を必要とするアナログデバイスとしても有効である。
【0083】請求項3記載のMIS型電界効果トランジ
スタによれば、第3半導体層内のソース・ドレイン接合
に逆方向電圧が印加された場合に空乏層が第2半導体層
に拡がるが、第2半導体層の誘電率が小さいために接合
容量が小さくなるので、MIS型電界効果トランジスタ
の高速動作が可能になる。請求項4記載のMIS型電界
効果トランジスタによれば、請求項1、請求項2または
請求項3のMIS型電界効果トランジスタと同様の効果
がある。
【0084】請求項5記載のMIS型電界効果トランジ
スタによれば、シリコンと他の半導体材料とのヘテロ接
合の中では格子の歪みが小さいので、欠陥の少ないヘテ
ロ接合の形成が可能である。その他、請求項1、請求項
2または請求項3のMIS型電界効果トランジスタと同
様の効果がある。請求項6記載のMIS型電界効果トラ
ンジスタによれば、シリコンとシリコン酸化膜の界面は
非常に清浄な界面を形成することできるので、微細加工
に適した高信頼性デバイスを実現できる。
【0085】請求項7記載の相補型MIS型電界効果ト
ランジスタによれば、製造する際に半導体材料の種類が
多くならないので、低コストで加工融通性のよい高性能
CMOS回路を実現できる。請求項8記載の相補型MI
S型電界効果トランジスタによれば、請求項7のMIS
型電界効果トランジスタと同様の効果がある。
【0086】請求項9記載の相補型MIS型電界効果ト
ランジスタによれば、シリコンとシリコン酸化膜の界面
は非常に清浄な界面を形成することができるので、微細
加工に適した高信頼性デバイスを用いた高性能CMOS
回路を実現する。請求項10記載のMIS型電界効果ト
ランジスタの製造方法によれば、第2半導体層のエネル
ギーバンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度が大きい
ヘテロ接合を簡略な製造工程で実現できる。MIS型電
界効果トランジスタの動作において、第3半導体層のド
レイン接合付近で発生した過剰な第2導電型キャリアは
第2半導体層を介して第1半導体層へ移動し、電荷蓄積
による寄生バイポーラ動作は回避される一方、外部から
のノイズによって半導体基板中に第1導電型キャリアが
誘起されても、第2半導体層のエネルギー障壁に遮断さ
れて、ノイズがソース・ドレインまで伝達されない。
【0087】請求項11記載のMIS型電界効果トラン
ジスタの製造方法によれば、第2半導体層のエネルギー
バンドギャップ幅と第2導電型不純物濃度が大きいヘテ
ロ接合を実現するために、まず半導体基板上に第2半導
体層・第3半導体層を順次形成した後、第2半導体層内
において高濃度に分布するように第2導電型不純物をイ
オン注入するので、第2半導体層をエピタキシャル成長
などで堆積するのと同時に第2導電型不純物を添加する
必要がなく、第2半導体層の形成方法に融通性があり、
簡略な製造工程で良質なヘテロ接合と結晶方位の一様な
半導体層を形成し易い。また、第2導電型不純物の第2
半導体層中の熱拡散係数が小さく、後工程の熱処理に対
して第2半導体層中の第2導電型不純物が第1半導体層
および第3半導体層に拡散しにくいので、第2半導体層
中の第2導電型不純物を高濃度に制御よく分布させるこ
とができる。
【0088】請求項12記載のMIS型電界効果トラン
ジスタの製造方法によれば、炭化シリコン中の不純物の
熱拡散係数はシリコン中の不純物の熱拡散係数に対して
非常に小さいので、第2半導体層中の第2導電型不純物
を高濃度に制御し易い。請求項13記載のMIS型電界
効果トランジスタの製造方法によれば、第2半導体層と
第3半導体層を一様な下地の半導体層上に形成するの
で、簡略な製造工程で良質で安定なヘテロ接合と結晶方
位の一様な半導体層を比較的形成し易い。
【0089】請求項14記載のMIS型電界効果トラン
ジスタの製造方法によれば、第2半導体層を一様な下地
の半導体層上に形成するので、簡略な製造工程で良質で
安定なヘテロ接合と結晶方位の一様な半導体層を比較的
形成し易い。また、第2半導体層上に選択的に形成した
絶縁層を素子分離領域とするので、複雑な製造工程を用
いることなく第3半導体層の膜厚と同程度の深さの素子
分離領域を形成できる。このような構造では、ソース・
ドレイン領域の側壁部が絶縁層と隣接するので、ソース
・ドレイン接合の寄生容量が低減されてMIS型電界効
果トランジスタの動作速度をさらに向上させることがで
きる。
【0090】請求項15記載のMIS型電界効果トラン
ジスタの製造方法によれば、第1半導体層上に選択的に
形成した絶縁層を素子分離領域とするので、複雑な製造
工程を用いることなく第2半導体層と第3半導体層を合
わせた膜厚と同程度の深さの素子分離領域を形成でき
る。このような構造では、ソース・ドレイン接合の寄生
容量が低減されてMIS型電界効果トランジスタの動作
速度を向上させるだけでなく、深い絶縁層によって高耐
圧で接合リークの少ない素子分離を実現できる。
【0091】請求項16記載のMIS型電界効果トラン
ジスタの製造方法によれば、第2半導体層と第3半導体
層のいずれか少なくとも一方をCVD法を用いたエピタ
キシャル成長によって形成するので、成長温度を低くで
き、半導体基板に欠陥が発生することもなく良質なヘテ
ロ接合を形成することができる。請求項17記載のMI
S型電界効果トランジスタの製造方法によれば、第2半
導体層と第3半導体層のいずれか少なくとも一方をMB
E法を用いて成長させるので、CVD法よりも低い温度
で良質なヘテロ接合を形成することができる。
【0092】請求項18記載の相補型MIS型電界効果
トランジスタの製造方法によれば、相補型MIS型電界
効果トランジスタを簡略な製造工程で実現するものであ
り、製造する際に半導体材料の種類が多くならないの
で、低コストで加工融通性のよい高性能CMOS回路を
実現できる。請求項19記載の相補型MIS型電界効果
トランジスタの製造方法によれば、第2半導体層と第3
半導体層のいずれか少なくとも一方をCVD法を用いた
エピタキシャル成長によって形成するので、成長温度を
低くでき、半導体基板に欠陥が発生することもなく良質
なヘテロ接合を形成することができる。請求項20記載
の相補型MIS型電界効果トランジスタの製造方法によ
れば、第2半導体層と第3半導体層のいずれか少なくと
も一方をMBE法を用いて成長させるので、CVD法よ
りも低い温度で良質なヘテロ接合を形成することができ
る。
【0093】請求項21記載のデジタル信号演算回路に
よれば、請求項1、請求項2または請求項3記載のMI
S型電界効果トランジスタが良好なカットオフ特性と高
駆動力を有する微細デジタルデバイスであるので、高性
能化および高集積化を実現できる。請求項22記載のデ
ジタル信号演算回路によれば、請求項7記載の相補型M
IS型電界効果トランジスタが良好なカットオフ特性と
高駆動力を有する微細デジタルデバイスであるので、高
性能化および高集積化を実現できる。
【0094】請求項23記載のアナログ信号演算回路に
よれば、請求項1、請求項2または請求項3記載のMI
S型電界効果トランジスタが優れたノイズ耐性を有し、
低電圧動作が可能であるだけでなく、MIS型電界効果
トランジスタを用いているのでバイポーラトランジスタ
よりも微細化および低消費電流化を実現できる。請求項
24記載のアナログ信号演算回路によれば、請求項7記
載の相補型MIS型電界効果トランジスタは、優れたノ
イズ耐性を有し、低電圧動作が可能であるだけでなく、
MIS型電界効果トランジスタを用いているのでバイポ
ーラトランジスタよりも微細化および低消費電流化を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における相補MIS
型電界効果トランジスタの断面構造図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるnチャネル
MOSFETのエネルギーバンド図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるpチャネル
MOSFETのエネルギーバンド図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるMIS型電
界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるMIS型電
界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるMIS型電
界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるMIS型電
界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるMIS型電
界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるMIS型電
界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態におけるMIS型
電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図22】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図23】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図24】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図25】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図26】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図27】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図28】本発明の第5の実施の形態における相補型M
IS型電界効果トランジスタの製造方法の工程断面図で
ある。
【図29】従来のMIS型電界効果トランジスタの断面
構造図である。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 p型シリコン層 3 p型炭化シリコン層 4 チャネル領域 5 n型ソース・ドレイン領域 6 n型シリコン層 7 n型炭化シリコン層 8 チャネル領域 9 p型ソース・ドレイン領域 10 素子分離領域 11 ゲート酸化膜 11’ ゲート酸化膜 12 ゲート電極 12’ ゲート電極 13 BPSG膜 14 金属配線 15 p型シリコン層 16 シリコン酸化膜 17 シリコン窒化膜 18 レジスト 19 p型ガリウム砒素層 20 シリコン酸化膜 21 レジスト 22 p型ガリウム燐層 23 炭化シリコン層 24 シリコン層 25 レジスト 26 p型ウェル層 27 レジスト 28 n型ウェル層 29 レジスト 30 レジスト 31 シリコン酸化膜 101 nチャネルMOSFET 102 pチャネルMOSFET

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型チャネルを有するMIS型電
    界効果トランジスタであって、 半導体基板と、前記半導体基板の上面に配置された第2
    導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層上に配置さ
    れた第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層上
    に配置されて前記第2半導体層を介して前記第1半導体
    層と対向する第3半導体層と、前記第3半導体層を半導
    体素子ごとに分割する素子分離領域とを備え、 前記第3半導体層の一領域が、第1導電型チャネルとな
    る第2導電型半導体領域と、前記第2導電型半導体領域
    に隣接する第1導電型のソース領域と、前記第2導電型
    半導体領域に隣接して前記第2導電型半導体領域によっ
    て前記ソース領域と隔てられた第1導電型のドレイン領
    域とから構成され、 さらに前記第2導電型半導体領域上に配置されたゲート
    絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記第2導電型半
    導体領域と対向するように配置されたゲート電極とを備
    え、 前記第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅が、前
    記第1半導体層と前記第3半導体層のいずれのエネルギ
    ーバンドギャップ幅よりも大きく、 第2導電型キャリアは前記第2半導体層を介して前記第
    1半導体層と前記第3半導体層の間を容易に移動するこ
    とが可能である一方、第1導電型キャリアは前記第2半
    導体層のエネルギー障壁に遮断されることによって前記
    第1半導体層と前記第3半導体層の間を移動することが
    困難であることを特徴とするMIS型電界効果トランジ
    スタ。
  2. 【請求項2】 第1導電型チャネルを有するMIS型電
    界効果トランジスタであって、 半導体基板と、前記半導体基板の上面に配置された第2
    導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層上に配置さ
    れた第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層上
    に配置されて前記第2半導体層を介して前記第1半導体
    層と対向する第3半導体層と、前記第3半導体層を半導
    体素子ごとに分割する素子分離領域とを備え、 前記第3半導体層の一領域が、第1導電型チャネルとな
    る第2導電型半導体領域と、前記第2導電型半導体領域
    に隣接する第1導電型のソース領域と、前記第2導電型
    半導体領域に隣接して前記第2導電型半導体領域によっ
    て前記ソース領域と隔てられた第1導電型のドレイン領
    域とから構成され、 さらに前記第2導電型半導体領域上に配置されたゲート
    絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記第2導電型半
    導体領域と対向するように配置されたゲート電極とを備
    え、 前記第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅が前記
    第1半導体層と前記第3半導体層のいずれのエネルギー
    バンドギャップ幅よりも大きく、 前記第2半導体層の第2導電型不純物濃度が前記第1半
    導体層と前記第2導電型半導体領域のいずれの第2導電
    型不純物濃度よりも大きいことを特徴とするMIS型電
    界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 第1導電型チャネルを有するMIS型電
    界効果トランジスタであって、 半導体基板と、前記半導体基板の上面に配置された第2
    導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層上に配置さ
    れた第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層上
    に配置されて前記第2半導体層を介して前記第1半導体
    層と対向する第3半導体層と、前記第3半導体層を半導
    体素子ごとに分割する素子分離領域とを備え、 前記第3半導体層の一領域が、第1導電型チャネルとな
    る第2導電型半導体領域と、前記第2導電型半導体領域
    に隣接する第1導電型のソース領域と、前記第2導電型
    半導体領域に隣接して前記第2導電型半導体領域によっ
    て前記ソース領域と隔てられた第1導電型のドレイン領
    域とから構成され、 さらに前記第2導電型半導体領域上に配置されたゲート
    絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜を介して前記第2導電型半
    導体領域と対向するように配置されたゲート電極とを備
    え、 前記第2半導体層の誘電率が前記第1半導体層と前記第
    3半導体層のいずれの誘電率よりも小さいことを特徴と
    するMIS型電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 第1半導体層が第2導電型不純物を添加
    物とするシリコン(Si)からなり、第2半導体層が第
    2導電型不純物を添加物とする炭化シリコン(SiC)
    からなり、第3半導体層が所定の不純物を添加物とする
    シリコン(Si)からなることを特徴とする請求項1、
    請求項2または請求項3記載のMIS型電界効果トラン
    ジスタ。
  5. 【請求項5】 第1半導体層が第2導電型不純物を添加
    物とするシリコン(Si)からなり、第2半導体層がガ
    リウム砒素(GaAs)またはガリウム燐(GaP)か
    らなり、第3半導体層が所定の不純物を添加物とするシ
    リコン(Si)からなることを特徴とする請求項1、請
    求項2または請求項3記載のMIS型電界効果トランジ
    スタ。
  6. 【請求項6】 ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜(SiO
    2 )からなることを特徴とする請求項4または請求項5
    記載のMIS型電界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】 第1導電型チャネルを有する第1のMI
    S型電界効果トランジスタと第2導電型チャネルを有す
    る第2のMIS型電界効果トランジスタとからなる相補
    型MIS型電界効果トランジスタであって、 前記第1のMIS型電界効果トランジスタが、半導体基
    板と、前記半導体基板の上面に配置された第2導電型の
    第1半導体層と、前記第1半導体層上に配置された第2
    導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層上に配置さ
    れて前記第2半導体層を介して前記第1半導体層と対向
    する第3半導体層と、前記第3半導体層を半導体素子ご
    とに分割する素子分離領域とを備え、 前記第3半導体層の一領域が、第1導電型チャネルとな
    る第2導電型半導体領域と、前記第2導電型半導体領域
    に隣接する第1導電型のソース領域と、前記第2導電型
    半導体領域に隣接して前記第2導電型半導体領域によっ
    て前記ソース領域と隔てられた第1導電型のドレイン領
    域とから構成され、 さらに前記第2導電型半導体領域上に配置された第1の
    ゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜を介して前記
    第2導電型半導体領域と対向するように配置された第1
    のゲート電極とを備え、 前記第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅が前記
    第1半導体層と前記第3半導体層のいずれのエネルギー
    バンドギャップ幅よりも大きく、 前記第2半導体層の第2導電型不純物濃度が前記第1半
    導体層と前記第2導電型半導体領域のいずれの第2導電
    型不純物濃度よりも大きく、 前記第2のMIS型電界効果トランジスタが、前記半導
    体基板の上面に配置された第1導電型の第4半導体層
    と、前記第4半導体層上に配置された第1導電型の第5
    半導体層と、前記第5半導体層上に配置されて前記第5
    半導体層を介して前記第4半導体層と対向する第6半導
    体層と、前記第6半導体層を半導体素子ごとに分割する
    素子分離領域とを備え、 前記第6半導体層の一領域が、第2導電型チャネルとな
    る第1導電型半導体領域と、前記第1導電型半導体領域
    に隣接する第2導電型のソース領域と、前記第1導電型
    半導体領域に隣接して前記第1導電型半導体領域によっ
    て前記ソース領域と隔てられた第2導電型のドレイン領
    域とから構成され、 さらに前記第1導電型半導体領域上に配置された第2の
    ゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜を介して前記
    第1導電型半導体領域と対向するように配置された第2
    のゲート電極とを備え、 前記第5半導体層のエネルギーバンドギャップ幅が前記
    第4半導体層と前記第6半導体層のいずれのエネルギー
    バンドギャップ幅よりも大きく、 前記第5半導体層の第1導電型不純物濃度が前記第4半
    導体層と前記第1導電型半導体領域のいずれの第1導電
    型不純物濃度よりも大きく、 前記第1半導体層と前記第4半導体層が、各々所定の導
    電型不純物を添加物とする同一の第1真性半導体材料か
    らなり、 前記第2半導体層と前記第5半導体層が、各々所定の導
    電型不純物を添加物とする同一の第2真性半導体材料か
    らなり、 前記第3半導体層と前記第6半導体層が、各々所定の導
    電型不純物を添加物とする同一の第3真性半導体材料か
    らなることを特徴とする相補型MIS型電界効果トラン
    ジスタ。
  8. 【請求項8】 第1真性半導体材料および第3真性半導
    体材料がシリコン(Si)からなり、第2真性半導体材
    料が炭化シリコン(SiC)からなることを特徴とする
    請求項7記載の相補型MIS型電界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】 ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜(SiO
    2 )からなることを特徴とする請求項8記載の相補型M
    IS型電界効果トランジスタ。
  10. 【請求項10】 第1導電型チャネルを有するMIS型
    電界効果トランジスタを製造するMIS型電界効果トラ
    ンジスタの製造方法であって、 半導体基板の上面に第2導電型の第1半導体層を形成す
    る工程と、 前記第1半導体層のエネルギーバンドギャップ幅よりも
    大きいエネルギーバンドギャップ幅を有し、前記第1半
    導体層の第2導電型不純物濃度よりも大きい第2導電型
    不純物濃度を有する第2半導体層を前記第1半導体層上
    に形成する工程と、 前記第2半導体層のエネルギーバンドギャップ幅よりも
    小さいエネルギーバンドギャップ幅を有し、前記第2半
    導体層の第2導電型不純物濃度よりも小さい第2導電型
    不純物濃度を有する第3半導体層を前記第2半導体層上
    に形成する工程と、 前記第3半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極によって隔てられるように前記第3半導
    体層からなる第1導電型のソース領域およびドレイン領
    域を形成し、前記第3半導体層からなり前記ゲート絶縁
    膜を介して前記ゲート電極と対向する部位を第1導電型
    チャネルとなる第2導電型半導体領域とする工程とを含
    むMIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  11. 【請求項11】 第1導電型チャネルを有するMIS型
    電界効果トランジスタを製造するMIS型電界効果トラ
    ンジスタの製造方法であって、 半導体基板上に、所定の第2導電型不純物の半導体層中
    の熱拡散係数が、前記半導体基板の場合よりも小さい値
    になり、前記半導体基板のエネルギーバンドギャップ幅
    よりも大きいエネルギーバンドギャップ幅を有する第2
    半導体層を前記半導体基板上に形成する工程と、 前記第2導電型不純物の半導体層中の熱拡散係数が、前
    記第2半導体層の場合よりも大きい値になり、前記第2
    半導体層のエネルギーバンドギャップ幅よりも小さいエ
    ネルギーバンドギャップ幅を有する第3半導体層を前記
    第2半導体層上に形成する工程と、 前記第2半導体層内において高濃度に分布するように前
    記第2導電型不純物をイオン注入する工程と、 熱処理を施すことによって前記第2導電型不純物を所定
    の分布に熱拡散させる工程と、 前記第3半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極によって隔てられるように前記第3半導
    体層からなる第1導電型のソース領域およびドレイン領
    域を形成し、前記第3半導体層からなり前記ゲート絶縁
    膜を介して前記ゲート電極と対向する部位を第1導電型
    チャネルとなる第2導電型半導体領域とする工程とを含
    むMIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  12. 【請求項12】 第1半導体層および第3半導体層がシ
    リコン(Si)からなり、第2半導体層が炭化シリコン
    (SiC)からなることを特徴とする請求項11記載の
    MIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】 第1導電型チャネルを有するMIS型
    電界効果トランジスタを製造するMIS型電界効果トラ
    ンジスタの製造方法であって、 半導体基板の上面に第2導電型の第1半導体層を形成す
    る工程と、 前記第1半導体層上の全面にわたって、前記第1半導体
    層のエネルギーバンドギャップ幅よりも大きいエネルギ
    ーバンドギャップ幅を有する第2導電型の第2半導体層
    を形成する工程と、 前記第2半導体層上の全面にわたって、前記第2半導体
    層のエネルギーバンドギャップ幅よりも小さいエネルギ
    ーバンドギャップ幅を有する第2導電型の第3半導体層
    を形成する工程と、 前記第3半導体層の所定の領域を選択的に除去する工程
    と、 前記第3半導体層を除去した部位に素子分離領域を形成
    することによって、前記第3半導体層を半導体素子領域
    ごとに分割する工程と、 前記第3半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極によって隔てられるように前記第3半導
    体層からなる第1導電型のソース領域およびドレイン領
    域を形成し、前記第3半導体層からなり前記ゲート絶縁
    膜を介して前記ゲート電極と対向する部位を第1導電型
    チャネルとなる第2導電型半導体領域とする工程とを含
    むMIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 第1導電型チャネルを有するMIS型
    電界効果トランジスタを製造するMIS型電界効果トラ
    ンジスタの製造方法であって、 半導体基板の上面に第2導電型の第1半導体層を形成す
    る工程と、 前記第1半導体層上の全面にわたって、前記第1半導体
    層のエネルギーバンドギャップ幅よりも大きいエネルギ
    ーバンドギャップ幅を有する第2導電型の第2半導体層
    を形成する工程と、 前記第2半導体層上の所定の領域に選択的に絶縁層を形
    成する工程と、 前記第2半導体層上の前記絶縁層が形成されていない領
    域に選択的に、前記第2半導体層のエネルギーバンドギ
    ャップ幅よりも小さいエネルギーバンドギャップ幅を有
    する第2導電型の第3半導体層を形成し、前記第3半導
    体層を半導体素子領域とし前記絶縁層を素子分離領域と
    する工程と、 前記第3半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極によって隔てられるように前記第3半導
    体層からなる第1導電型のソース領域およびドレイン領
    域を形成し、前記第3半導体層からなり前記ゲート絶縁
    膜を介して前記ゲート電極と対向する部位を第1導電型
    チャネルとなる第2導電型半導体領域とする工程とを含
    むMIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  15. 【請求項15】 第1導電型チャネルを有するMIS型
    電界効果トランジスタを製造するMIS型電界効果トラ
    ンジスタの製造方法であって、 半導体基板の上面に第2導電型の第1半導体層を形成す
    る工程と、 前記第1半導体層上の所定の領域に選択的に絶縁層を形
    成する工程と、 前記第1半導体層上の前記絶縁層が形成されていない領
    域に選択的に、前記第1半導体層のエネルギーバンドギ
    ャップ幅よりも大きいエネルギーバンドギャップ幅を有
    する第2導電型の第2半導体層を形成する工程と、 前記第2半導体層上に、前記第2半導体層のエネルギー
    バンドギャップ幅よりも小さいエネルギーバンドギャッ
    プ幅を有する第2導電型の第3半導体層を形成し、前記
    第3半導体層を半導体素子領域とし前記絶縁層を素子分
    離領域とする工程と、 前記第3半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極によって隔てられるように前記第3半導
    体層からなる第1導電型のソース領域およびドレイン領
    域を形成し、前記第3半導体層からなり前記ゲート絶縁
    膜を介して前記ゲート電極と対向する部位を第1導電型
    チャネルとなる第2導電型半導体領域とする工程とを含
    むMIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  16. 【請求項16】 第2半導体層と第3半導体層のいずれ
    か少なくとも一方をCVD法(化学気相成長法)を用い
    たエピタキシャル成長によって形成することを特徴とす
    る請求項10、請求項11、請求項13、請求項14ま
    たは請求項15記載のMIS型電界効果トランジスタの
    製造方法。
  17. 【請求項17】 第2半導体層と前記第3半導体層のい
    ずれか少なくとも一方をMBE法(分子線エピタキシャ
    ル成長法)によって形成することを特徴とする請求項1
    0、請求項11、請求項13、請求項14または請求項
    15記載のMIS型電界効果トランジスタの製造方法。
  18. 【請求項18】 第1導電型チャネルを有する第1のM
    IS型電界効果トランジスタと第2導電型チャネルを有
    する第2のMIS型電界効果トランジスタを製造する相
    補型MIS型電界効果トランジスタの製造方法であっ
    て、 半導体基板上に、前記半導体基板のエネルギーバンドギ
    ャップ幅よりも大きいエネルギーバンドギャップ幅を有
    する第2半導体層を形成する工程と、 前記第2半導体層上に、前記第2半導体層のエネルギー
    バンドギャップ幅よりも小さいエネルギーバンドギャッ
    プ幅を有する第3半導体層を形成する工程と、前記第3
    半導体層の所定の領域に素子分離領域を形成することに
    よって、前記第3半導体層を複数の半導体素子領域に分
    割する工程と、 前記半導体素子領域の一部において、前記半導体基板の
    上面と前記第2半導体層と前記第3半導体層に第2導電
    型不純物をイオン注入する工程と、 前記半導体素子領域の他の一部において、前記半導体基
    板の上面と前記第2半導体層と前記第3半導体層に第1
    導電型不純物をイオン注入する工程と、 前記第3半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、 前記半導体素子領域の一部において、前記ゲート電極に
    よって隔てられるように前記第3半導体層からなる第1
    導電型のソース領域およびドレイン領域を形成し、前記
    第3半導体層からなり前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲ
    ート電極と対向する部位を第1導電型チャネルとなる第
    2導電型半導体領域とする工程と、 前記半導体素子領域の他の一部において、前記ゲート電
    極によって隔てられるように前記第3半導体層からなる
    第2導電型のソース領域およびドレイン領域を形成し、
    前記第3半導体層からなり前記ゲート絶縁膜を介して前
    記ゲート電極と対向する部位を第2導電型チャネルとな
    る第1導電型半導体領域とする工程とを含む相補型MI
    S型電界効果トランジスタの製造方法。
  19. 【請求項19】 第2半導体層と第3半導体層のいずれ
    か少なくとも一方をCVD法(化学気相成長法)を用い
    たエピタキシャル成長によって形成することを特徴とす
    る請求項18記載の相補型MIS型電界効果トランジス
    タの製造方法。
  20. 【請求項20】 第2半導体層と前記第3半導体層のい
    ずれか少なくとも一方をMBE法(分子線エピタキシャ
    ル成長法)によって形成することを特徴とする請求項1
    8記載の相補型MIS型電界効果トランジスタの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項1、請求項2または請求項3記
    載のMIS型電界効果トランジスタを備えたことを特徴
    とするデジタル信号演算回路。
  22. 【請求項22】 請求項7記載の相補型MIS型電界効
    果トランジスタを備えたことを特徴とするデジタル信号
    演算回路。
  23. 【請求項23】 請求項1、請求項2または請求項3記
    載のMIS型電界効果トランジスタを備えたことを特徴
    とするアナログ信号演算回路。
  24. 【請求項24】 請求項7記載の相補型MIS型電界効
    果トランジスタを備えたことを特徴とするアナログ信号
    演算回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7235857B2 (en) * 2001-05-25 2007-06-26 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Power semiconductor device
JP2012511256A (ja) * 2008-12-05 2012-05-17 マイクロン テクノロジー, インク. エネルギー障壁がトランジスタ・チャネルに隣接したトランジスタを有する半導体デバイス構造体および関連方法

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