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JPH11165369A - ガスバリアフィルム - Google Patents

ガスバリアフィルム

Info

Publication number
JPH11165369A
JPH11165369A JP33221497A JP33221497A JPH11165369A JP H11165369 A JPH11165369 A JP H11165369A JP 33221497 A JP33221497 A JP 33221497A JP 33221497 A JP33221497 A JP 33221497A JP H11165369 A JPH11165369 A JP H11165369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas barrier
barrier film
resin
layered compound
inorganic layered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33221497A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryukichi Matsuo
龍吉 松尾
Toshiaki Yoshihara
俊昭 吉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP33221497A priority Critical patent/JPH11165369A/ja
Publication of JPH11165369A publication Critical patent/JPH11165369A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度劣化や温度依存性が抑制され、加工適性
や保存適性にも優れたガスバリアフィルムを得る。 【解決手段】 基材の少なくとも片面に、樹脂と無機層
状化合物とを含む複合被膜が形成されているガスバリア
フィルムにおいて、該複合被膜中の無機層状化合物の層
間距離を、樹脂との複合被膜形成前の該無機層状化合物
単体時の層間距離に対して1.2倍以上に拡大させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品、医薬品、電
子部材、電子機器等が、酸素や水蒸気等によって劣化し
たり変質したりすることを抑制する包装用フィルムとし
て好適なガスバリアフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、電子部材、電子機器等
が、酸素や水蒸気等によって劣化したり変質したりする
ことを抑制するため、それらの包装用に、酸素や水蒸気
の透過度を抑制したガスバリアフィルムが使用されてい
る。
【0003】従来、ガスバリアフィルムとしては、ポリ
ビニルアルコール(PVA)とエチレンビニルアルコー
ルとの共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等の樹脂フ
ィルム、あるいはこれらの樹脂がコートされたフィルム
が使用されている。しかしながら、これらのガスバリア
フィルムは、湿度依存性が大きく、また、酸素透過度が
1cc/m2・day・atm以下という高いガスバリ
ア性を実現することができない。
【0004】一方、ガスバリアフィルムとしては、Si
x、Al23等の無機物を蒸着法によりプラスチック
フィルム基材上に蒸着した、所謂、セラミック蒸着フィ
ルムが開発され、その優れたガスバリア性から注目され
ている。しかしながら、セラミック蒸着フィルムは、そ
の蒸着層がセラミックからなる故に脆く、可撓性に欠け
るので、包装材料としての加工適性に問題を有するもの
となっている。
【0005】そこで、ポリウレタン樹脂等の樹脂溶液中
に特定のアスペクト比を有するマイカ粉末等の無機物を
分散させた塗液を基材上に塗布することにより形成した
有機無機複合膜や、セラミック蒸着フィルム上にPVA
等の樹脂保護層を積層した積層体が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
樹脂中に無機化合物を分散させた有機無機複合膜もガス
バリア性が十分とはいえず、また、湿度劣化や温度依存
性に対する耐性も十分とはいえず、これらを改善するこ
とが課題となっている。
【0007】また、セラミック蒸着フィルム上に樹脂保
護膜を形成した積層体も、その樹脂保護膜は、セラミッ
ク蒸着層を外力による機械的損傷等から保護するための
単なる保護膜にすぎず、ガスバリア性を十分に向上させ
るものとはなっていない。そのため、この積層体には温
度依存性や高湿度下でのガスバリア性の劣化が見られ、
また、撓みや引っ張りによって損傷しやすく、ラミネー
トや製袋等に対する加工適性が依然として不十分である
という問題を有している。
【0008】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、優れたガスバリア性を有
し、湿度劣化や温度依存性が抑制され、また加工適性や
保存適性にも優れたガスバリアフィルムを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、基材の少なくとも片面に、樹脂と無機層
状化合物とを含む複合被膜が形成されているガスバリア
フィルムにおいて、該複合被膜中の無機層状化合物の層
間距離が、樹脂との複合被膜形成前の該無機層状化合物
単体時の層間距離に対して1.2倍以上、より好ましく
は2倍以上に拡大していることを特徴とするガスバリア
フィルムを提供する。
【0010】さらに、かかる複合被膜中に、Si、Al
又はTiの金属アルコキシドの加水分解物が含まれてい
る態様を提供する。
【0011】また、好ましい態様として、複合被膜を構
成する樹脂が、ポリビニルアルコール系樹脂である態
様、無機層状化合物がモンモリロナイトである態様、基
材が、プラスチックフィルムにセラミックが蒸着したセ
ラミック蒸着フィルムである態様を提供する。
【0012】本発明のガスバリアフィルムは、樹脂と無
機層状化合物とを含む複合被膜からなり、この複合被膜
中の無機層状化合物の層間距離は、無機層状化合物単体
時の層間距離に対して1.2倍以上に拡大している。こ
の複合被膜中においては、無機層状化合物の層間に樹脂
成分等が入り込んでその層間を広げ、樹脂と無機層状化
合物とが分子レベルで複合化し、層間で樹脂が拘束され
るので、湿度劣化や温度依存性が著しく抑制されると考
えられる。また、これにより加工適性や保存適性も向上
すると考えられる。
【0013】さらに、この複合被膜中に金属アルコキシ
ドの加水分解物を含有させると、均一なハイブリッド構
造が得られるので、一層、酸素透過度が減少し、加工特
性や保存特性が向上したものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明のガスバリアフィルムは、基材の少
なくとも片面に、樹脂と無機層状化合物とを含む複合被
膜が形成されている。そしてこの複合被膜中の無機層状
化合物の層間距離が、その無機層状化合物の樹脂との複
合被膜形成前の無機層状化合物単体時の層間距離に対し
て1.2倍以上、より好ましくは2倍以上に拡大してい
ることを特徴としている。
【0016】この層間距離は、X線回折法により、複合
被膜中の無機層状化合物の底面反射(001面)を求め
ることにより算出することができる。即ち、X線回折法
に基づく算出によると、樹脂と混合する前の上述の無機
層状化合物の層間距離は、当該無機層状化合物の種類や
樹脂の種類に応じて異なるが、通常7〜15Åとなる。
これに対して、本発明のガスバリアフィルムの複合被膜
中における無機層状化合物の層間距離は、その1.2倍
以上となり、より好ましいガスバリア性を有するものは
2倍以上となる。
【0017】本発明においては、複合被膜中で無機層状
化合物と樹脂とが単に混合分散しているのではなく、無
機層状化合物の層間に樹脂がその層間を拡大させるほど
に入り込み、無機層状化合物と樹脂とが分子レベルで複
合化している。このため、この複合被膜はガスバリア性
が高く、かつ湿度劣化や温度依存性の抑制された優れた
特性を発揮するものとなる。
【0018】本発明において、かかる複合被膜の形成に
使用する無機層状化合物とは、層状構造を有する結晶性
の無機化合物をいい、例えば、カオリナイト族、スメク
タイト族、マイカ族等に代表される粘土鉱物をあげるこ
とができる。無機層状化合物である限り、その種類、粒
径、アスペクト比等は、そのガスバリアフィルムの使用
目的等に応じて適宜選択することができ、特に限定され
ない。一般的には、層状構造の層間に樹脂成分等が入り
込み、層間が拡大した複合体を得やすい点から、スメク
タイト族の無機層状化合物が適している。スメクタイト
族の無機層状化合物の具体例としては、モンモリロナイ
ト、ヘクトライト、サポナイト等をあげることができ、
これらの中でも、溶液中の安定性や、塗工性等の点から
好ましいものとしてモンモリロナイトをあげることがで
きる。
【0019】一方、複合被膜の形成に使用する樹脂とし
ては、特に限定はないが、無機層状化合物と容易に混合
し、無機層状化合物の層間に入り込みやすいものを使用
することが好ましい。例えば、無機層状化合物として上
述のカオリナイト族、スメクタイト族、マイカ族等を使
用する場合、PVA系樹脂、セルロース系樹脂、アクリ
ル系樹脂等の水系高分子が好ましく、特に、ガスバリア
性の点からPVA系樹脂が好ましい。
【0020】このPVA系樹脂は、一般にポリ酢酸ビニ
ルをケン化して得られるものである。ケン化の程度には
特に限定はなく、酢酸基が数十%残存している所謂部分
ケン化PVAから、数%しか残存していない完全ケン化
PVAまで広く包含する。
【0021】複合被膜の形成方法としては、例えば、ま
ず上述の無機層状化合物と樹脂とを含むコーティング剤
を調製する。ここで、無機層状化合物と樹脂との配合割
合としては、無機層状化合物と樹脂との重量比を1:9
9〜90:10の範囲とすることが好ましい。次に、コ
ーティング剤を、ディッピング法、ロールコート法、ス
クリーン印刷法、スプレー法等の公知の塗工方法によっ
て基材の少なくとも一方の面上にコーティングし、乾燥
させる。これにより、基材上に複合被膜を形成すること
ができる。
【0022】ここで、複合被膜を基材の片面に形成する
場合には、乾燥後の複合被膜の厚さが約0.01〜10
0μmとなるようにコーティングすることが好ましく、
特に、0.01〜50μmとすることが好ましい。被膜
が薄すぎると塗膜が形成されにくく、反対に被膜が厚す
ぎると不経済である。なお、複合被膜を基材の両面に形
成する場合、複合被膜の厚さは、0.01〜20μmと
することが好ましい。
【0023】この複合被膜の形成方法において、複合被
膜中の無機層状化合物の層間距離の調整は、使用する無
機層状化合物と樹脂との組み合わせ、配合割合、混合時
の加熱温度等を適宜選択することにより行うことができ
る。
【0024】本発明のガスバリアフィルムにおいて、複
合被膜は以上のように無機層状化合物と樹脂とから形成
することができるが、この複合被膜には、必要に応じ
て、耐水性を付与し、バリア性の温度依存性を改善する
ため、金属アルコキシドの加水分解物を含有させること
ができる。
【0025】金属アルコキシドとしては、次の一般式 M(OR)n (式中、MはSi、Al、Ti等の金属であり、Rはメ
チル、エチル等の低級アルキル基である。)で表される
ものをあげることができ、より具体的には、テトラエト
キシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム等をあげ
ることができる。
【0026】また、この金属アルコキシドの加水分解物
としては、そのアルコキシド基の一部又は全部が加水分
解しているものを使用することができる。
【0027】金属アルコキシドの加水分解物を含有させ
た複合被膜を得る場合に、その複合被膜の形成方法とし
ては、上述の無機層状化合物と樹脂からなるコーテイン
グ剤中にさらに金属アルコキシドの加水分解物を配合す
ればよい。この場合、金属アルコキシドの加水分解物の
配合割合は、耐水性、可撓性の点から、1〜80重量%
とすることが好ましい。
【0028】無機層状化合物と樹脂からなるコーテイン
グ剤には、この他、顔料分散剤等を配合することもでき
る。
【0029】一方、本発明のガスバリアフィルムにおい
て基材としては、従来よりガスバリア性フィルムの基材
として使用されている種々のシート状又はフィルム状の
基材を、当該ガスバリアフィルムの用途に応じて適宜選
択し、使用することができる。例えば、ポリオレフィン
(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド
(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリイミド等あるいはこれらの高分子の共重合体を
使用することができる。
【0030】この基材としては、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤を含有し
たものを使用することができる。また、表面に、コロナ
処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、その表
面に形成される複合被膜との密着性を向上させたものも
使用することができる。
【0031】ガスバリア性をいっそう向上させる場合、
基材として、セラミック蒸着フィルムを使用してもよ
い。このセラミック蒸着フィルムとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリオレフィン等のプラスチックフ
ィルム上に、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ
気相成長法(CVD法)等の真空プロセスにより、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着膜を形成し
たものを使用することができる。
【0032】基材として、セラミック蒸着フィルムを使
用する場合に、その蒸着膜の好ましい膜厚は、当該ガス
バリアフィルムの用途や蒸着膜の膜組成等に応じて異な
るが、通常、数十Å〜5000Åの範囲が好ましく、5
0Å〜3000Åがより好ましい。この蒸着膜が薄すぎ
ると蒸着膜の連続性が維持されなくなり、反対に厚すぎ
ると可撓性が低下し、クラックが発生しやすくなる。
【0033】本発明のガスバリアフィルムには、必要に
応じて、上述の基材及び複合被膜の他、さらにヒートシ
ールを可能とする熱可塑性樹脂層、印刷層等を積層する
ことができる。この場合、積層する各層は、溶融押出に
より積層してもよく、接着剤を用いて積層してもよい。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0035】実施例1〜6 ウレタン系のアンカーコート層を設けた厚さ20μmの
2軸延伸のポリプロピレンフィルムを基材とした。ま
た、表1又は表2の配合になるように、モンモリロナイ
ト(単体での層間距離11〜12Å)、ポリビニルアル
コール(PVA)及びテトラエトキシシランの加水分解
物からコーティング剤を調製した。このコーティング剤
を、グラビアコーターを用いて基材上に塗工し、100
℃のオーブンに通して乾燥させ、乾燥膜厚0.5μmの
複合被膜を形成し、ガスバリアフィルムとした。
【0036】比較例1,2 表1に示すように、モンモリロナイトに代えてマスコバ
イト(単体での層間距離10Å)の微粉末を使用する以
外は実施例1を繰り返し(比較例1)、また同様に、表
2に示すように、モンモリロナイトに代えてマスコバイ
トを使用する以外は実施例4を繰り返し(比較例2)、
ガスバリアフィルムを作成した。
【0037】評価 実施例1〜6及び比較例1,2で得られた各ガスバリア
フィルムの(1)層間距離、(2)酸素通過度、(3)水蒸気通
過度を次のように測定した。この場合、(2)酸素通過
度、(3)水蒸気通過度については、各ガスバリアフィル
ムを40℃、90RH%の雰囲気下に1ヶ月保存し、保
存前後で測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0038】(1)層間距離 X線回折装置(X線源=CuKα、出力100W)を用
いて001反射のピークプロファイルを測定し、最大ピ
ークの半値位置の中心d値(半価d値)を算出し、層間
距離とした。
【0039】(2)酸素通過度 酸素通過度測定装置(モダンコントロール社製、OXT
RAN 10/40A)を用いて30℃、70RH%雰
囲気下で測定した。
【0040】(3)水蒸気通過度 水蒸気通過度測定装置(モダンコントロール社製、PE
RMATRAN W6)を用いて40℃、90RH%雰
囲気下で測定した。
【0041】
【表1】 コーテインク゛剤配合(wt%) 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 モンモリロナイト ← ← マスコハ゛イト 無機層状化合物 60 40 20 60 PVA 40 60 80 40 評価 (1)層間距離(Å) 25 33 45 10 (2)酸素通過度(cc/m2・day・atm) 保存前 1.0 1.5 2.0 3.0 保存後 2.3 3.0 10.0 200以上 (3)水蒸気通過度(g/m2・day) 保存前 2.3 3.2 4.5 6.2 保存後 3.4 3.4 5.3 6.3
【0042】
【表2】 コーテインク゛剤配合(wt%) 実施例4 実施例5 実施例6 比較例2 モンモリロナイト ← ← マスコハ゛イト 無機層状化合物 30 23 20 30 PVA 30 23 40 30 テトラエトキシシラン加水分解物 40 54 40 40評価 (1)層間距離(Å) 18 18 21 10 (2)酸素通過度(cc/m2・day・atm) 保存前 0.5 0.5 0.5 1.0 保存後 0.7 0.5 1.2 200以上 (3)水蒸気通過度(g/m2・day) 保存前 3.6 5.2 4.8 6.2 保存後 3.9 5.3 5.3 6.3
【0043】表1及び表2から、複合被膜中にマスコバ
イトを含有させた比較例1及び比較例2のガスバリアフ
ィルムにおいては、そのマスコバイトの層間距離が複合
被膜形成の前後で変わりないが、複合被膜中にモンモリ
ロナイトを含有させた実施例1〜3のガスバリアフィル
ムにおいては、複合被膜中のモンモリロナイトの層間距
離が複合被膜の形成の前後で2.1倍以上の25Å以上
に拡大しており、また表2から、複合被膜中にテトラエ
トキシシランの加水分解物を含有させた実施例4〜6に
おいても1.5倍以上の18Å以上に拡大していること
がわかる。したがって、実施例のガスバリアフィルムの
複合被膜においては、モンモリロナイトと樹脂とが単に
分散混合しているのではなく、両者が複合化しているこ
とがわかる。
【0044】また、上述のように複合化が進行している
実施例のガスバリアフィルムは、比較例のガスバリアフ
ィルムに対して酸素透過度及び水蒸気透過度のいずれも
低く、保存後にもこの優れたガスバリア性が維持される
こと、これに対して比較例のガスバリアフィルムは保存
前後のいずれにおいても実施例のガスバリアフィルムに
対してガスバリア性が劣り、特に、保存後の酸素に対す
るバリア性が著しく劣っていることがわかる。
【0045】実施例7,8 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを
蒸着基材とし、金属アルミニウムを蒸着材料とし、電子
ビーム加熱方式の巻き取り式蒸着装置を用いて、酸素を
導入しながら蒸着基材上にアルミニウムを酸素雰囲気下
で反応蒸着させ、酸化アルミニウム蒸着フィルムを作成
した。
【0046】得られた酸化アルミニウム蒸着フィルムを
基材としてこの上に実施例1と同様の複合被膜を形成
し、さらにその上にポリオールイソシアネート系接着剤
を用いて未延伸ポリプロピレン(厚さ30μm)を接着
し、ガスバリアフィルムを作成した(実施例7)。また
同様に、酸化アルミニウム蒸着フィルムを基材としてこ
の上に実施例4と同様の複合被膜を形成し、さらにその
上にポリオールイソシアネート系接着剤を用いて未延伸
ポリプロピレン(厚さ30μm)を接着し、ガスバリア
フィルムを作成した(実施例8)。
【0047】比較例3〜6 実施例7,8と同様の酸化アルミニウム蒸着フィルムを
基材とし、この上に比較例1と同様にしてマスコバイト
を含有させた複合被膜を有するガスバリアフィルムを作
成し(比較例3)、また、酸化アルミニウム蒸着フィル
ムを基材として比較例2と同様の複合被膜を有するガス
バリアフィルムを作成した(比較例4)。
【0048】また、酸化アルミニウム蒸着フィルムを基
材とし、この上に、無機層状化合物を含有させることな
く、ポリビニルアルコールのみからなる被膜を形成した
比較例のガスバリアフィルム(比較例5)を作成した。
さらに、被膜を形成することなく、酸化アルミニウム蒸
着フィルムのみも比較例のガスバリアフィルムとした
(比較例6)。
【0049】評価 実施例7,8及び比較例3〜6で得た各ガスバリアフィ
ルムに対してそれぞれ引っ張り試験機で5%引っ張り試
験を行い、この引っ張り試験前後の酸素通過度と水蒸気
通過度とを前述と同様にして測定した。これらの結果を
表3に示す。
【0050】
【表3】 実施例7 実施例8 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 酸素通過度(cc/m2・day・atm) 引張前 0.5 0.4 1.2 1.2 1.5 2.4 引張後 1.2 0.5 15.2 18.0 43.3 64.3 水蒸気通過度(g/m2・day) 引張前 0.5 0.3 1.5 1.5 2.3 2.2 引張後 0.9 0.4 4.5 5.4 6.9 7.2
【0051】表3の結果から、実施例のガスバリアフィ
ルムは、引張後においても、被膜のない基材のみのフィ
ルム(比較例6)や、無機層状化合物を含有しない被膜
を基材上に形成したフィルム(比較例5)に比してガス
バリア性が著しく高く、さらに、モンモリロナイトに代
えてマスコバイトを含有させたフィルム(比較例3,
4)に比してもガスバリア性が高く、本発明のガスバリ
アフィルムは加工特性に優れていることがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、酸素通過度と水蒸気通
過度とが低く、湿度劣化や温度依存性が抑制され、加工
適性や保存適性にも優れたガスバリアフィルムを得るこ
とができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面に、樹脂と無機層
    状化合物とを含む複合被膜が形成されているガスバリア
    フィルムにおいて、該複合被膜中の無機層状化合物の層
    間距離が、樹脂との複合被膜形成前の該無機層状化合物
    単体時の層間距離に対して1.2倍以上に拡大している
    ことを特徴とするガスバリアフィルム。
  2. 【請求項2】 複合被膜中の無機層状化合物の層間距離
    が、樹脂との複合被膜形成前の該無機層状化合物単体時
    の層間距離に対して2倍以上に拡大している請求項1記
    載のガスバリアフィルム。
  3. 【請求項3】 複合被膜中に、さらに金属アルコキシド
    の加水分解物が含まれている請求項1又は2記載のガス
    バリアフィルム。
  4. 【請求項4】 金属アルコキシドを構成する金属が、S
    i、Al又はTiである請求項3記載のガスバリアフィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 樹脂がポリビニルアルコール系樹脂であ
    る請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリアフィル
    ム。
  6. 【請求項6】 無機層状化合物がモンモリロナイトであ
    る請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリアフィル
    ム。
  7. 【請求項7】 基材が、プラスチックフィルムにセラミ
    ックが蒸着したセラミック蒸着フィルムである請求項1
    〜6のいずれかに記載のガスバリアフィルム。
  8. 【請求項8】 セラミック蒸着フィルムを構成するセラ
    ミックが、酸化ケイ素又は酸化アルミニウムである請求
    項7記載のガスバリアフィルム。
JP33221497A 1997-12-02 1997-12-02 ガスバリアフィルム Pending JPH11165369A (ja)

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