JPH11155482A - 油中水型乳化油脂組成物及び該乳化油脂組成物を用いる菓子の製造方法 - Google Patents
油中水型乳化油脂組成物及び該乳化油脂組成物を用いる菓子の製造方法Info
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- JPH11155482A JPH11155482A JP9326388A JP32638897A JPH11155482A JP H11155482 A JPH11155482 A JP H11155482A JP 9326388 A JP9326388 A JP 9326388A JP 32638897 A JP32638897 A JP 32638897A JP H11155482 A JPH11155482 A JP H11155482A
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- oil
- water
- fat composition
- fat
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 風味の劣化が少なく、かつ水分を安定して保
持できる焼菓子を製造することができる油中水型乳化油
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 SFC値が20℃で4〜50、30℃で
3〜40及び40℃で10以下である特性を有する油脂
類からなる油相中に、加工澱粉を含有する水相が乳化し
ており、油相の量が30〜90重量%、加工澱粉の量が
1〜20重量%である油中水型乳化油脂組成物。
持できる焼菓子を製造することができる油中水型乳化油
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 SFC値が20℃で4〜50、30℃で
3〜40及び40℃で10以下である特性を有する油脂
類からなる油相中に、加工澱粉を含有する水相が乳化し
ており、油相の量が30〜90重量%、加工澱粉の量が
1〜20重量%である油中水型乳化油脂組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスケット、クッ
キー、ケーキなどの焼菓子の製造に好適に使用すること
ができる油中水型乳化油脂組成物及び該乳化油脂組成物
を用いる焼菓子の製造方法に関するものである。
キー、ケーキなどの焼菓子の製造に好適に使用すること
ができる油中水型乳化油脂組成物及び該乳化油脂組成物
を用いる焼菓子の製造方法に関するものである。
【従来の技術】ビスケットやクッキーなどの焼菓子や製
パンの分野では、嗜好の多様化に伴って、よりしっとり
とした食感のものが求められるようになってきている。
このような要求に従って、水分含量が約6〜約12重量
%で、保存期間が3〜6ケ月の中間水分食品(半生菓
子)といれるものが開発されてきた。従来、このような
焼菓子は、油脂に砂糖などの糖類を添加し、ついで水を
添加した後、ここに小麦粉や加工澱粉などの他の原料を
添加して混合し、ドウを形成し、これを所望の形状に成
形した後、焼成することにより製造されていた。又、場
合により、焼き上がった菓子に、水や糖類溶液を噴霧し
て水分含量を調整していた。しかしながら、このように
して製造された焼菓子は、油しみが生じ、包装紙が汚れ
たり、又しみ出た油脂が劣化して味が低下したり、澱粉
の老化に伴う粉っぽさが生じたり、風味が劣化するとの
問題があった。
パンの分野では、嗜好の多様化に伴って、よりしっとり
とした食感のものが求められるようになってきている。
このような要求に従って、水分含量が約6〜約12重量
%で、保存期間が3〜6ケ月の中間水分食品(半生菓
子)といれるものが開発されてきた。従来、このような
焼菓子は、油脂に砂糖などの糖類を添加し、ついで水を
添加した後、ここに小麦粉や加工澱粉などの他の原料を
添加して混合し、ドウを形成し、これを所望の形状に成
形した後、焼成することにより製造されていた。又、場
合により、焼き上がった菓子に、水や糖類溶液を噴霧し
て水分含量を調整していた。しかしながら、このように
して製造された焼菓子は、油しみが生じ、包装紙が汚れ
たり、又しみ出た油脂が劣化して味が低下したり、澱粉
の老化に伴う粉っぽさが生じたり、風味が劣化するとの
問題があった。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、風味の劣化
が少なく、かつ水分を安定して保持できる焼菓子を製造
することができる油中水型乳化油脂組成物を提供するこ
とを目的とする。本発明は、又、風味の劣化が少なく、
かつ水分を安定して保持できる焼菓子の製造方法を提供
することを目的とする。
が少なく、かつ水分を安定して保持できる焼菓子を製造
することができる油中水型乳化油脂組成物を提供するこ
とを目的とする。本発明は、又、風味の劣化が少なく、
かつ水分を安定して保持できる焼菓子の製造方法を提供
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の油脂か
らなる油相中に、予め特定量の加工澱粉を含有する水相
が乳化してなる油中水型乳化油脂組成物を、油脂の代わ
りに用いると、上記課題を効率的に解決できるとの知見
に基づいてなされたのである。すなわち、本発明は、S
FC値が20℃で4〜50、30℃で3〜40及び40
℃で10以下である特性を有する油脂類からなる油相中
に、加工澱粉を含有する水相が乳化しており、油相の量
が30〜90重量%、加工澱粉の量が1〜20重量%で
あることを特徴とする油中水型乳化油脂組成物を提供す
る。本発明は、又、上記油中水型乳化油脂組成物に、小
麦粉を含有する菓子生地原料を加えて混合し、次いで成
形した後、焼成することを特徴とする焼菓子の製造方法
を提供する。
らなる油相中に、予め特定量の加工澱粉を含有する水相
が乳化してなる油中水型乳化油脂組成物を、油脂の代わ
りに用いると、上記課題を効率的に解決できるとの知見
に基づいてなされたのである。すなわち、本発明は、S
FC値が20℃で4〜50、30℃で3〜40及び40
℃で10以下である特性を有する油脂類からなる油相中
に、加工澱粉を含有する水相が乳化しており、油相の量
が30〜90重量%、加工澱粉の量が1〜20重量%で
あることを特徴とする油中水型乳化油脂組成物を提供す
る。本発明は、又、上記油中水型乳化油脂組成物に、小
麦粉を含有する菓子生地原料を加えて混合し、次いで成
形した後、焼成することを特徴とする焼菓子の製造方法
を提供する。
【0003】
【発明の実施の形態】本発明で用いる油相を構成する油
脂類は、SFC値(Solid Fat Content: 固体脂含量 重
量%) が20℃で4〜50、30℃で3〜40及び40
℃で10以下の特性を有するものである。より好ましく
は、SFC値が10℃で5〜70のものである。本発明
で油脂類は、食用油脂、例えば、各種動物油や植物油自
体、又はこれらの油脂を水添したり、エステル交換した
り、又は分別などを行うことにより得た各種油脂、各種
バター、食用ワックスなどの単独又は2種以上の混合物
であって、上記特性を有するものを用いることができ
る。また、必要に応じて、乳化剤としての乳化力は低い
が、油脂類似の性質を有している融点を持った各種結晶
調整剤としての機能を有しているもの、例えばジグリセ
ライド等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタントリ
ステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖トリ
ステアリン酸エステル等の蔗糖脂肪酸エステル、プロピ
レングリコールジベヘネート等のプロピレングリコール
脂肪酸エステル等を添加しても良く、これら結晶調整剤
としての機能を有している添加物を添加する場合は、油
脂に溶解分散させれば良く、溶解分散後の混合物が上記
特性を有していれば良い。尚、上記油脂類のうち、SF
C値が10℃で15〜55、20℃で10〜40、30
℃で5〜30及び40℃で5以下の特性を有するものが
より好ましい。
脂類は、SFC値(Solid Fat Content: 固体脂含量 重
量%) が20℃で4〜50、30℃で3〜40及び40
℃で10以下の特性を有するものである。より好ましく
は、SFC値が10℃で5〜70のものである。本発明
で油脂類は、食用油脂、例えば、各種動物油や植物油自
体、又はこれらの油脂を水添したり、エステル交換した
り、又は分別などを行うことにより得た各種油脂、各種
バター、食用ワックスなどの単独又は2種以上の混合物
であって、上記特性を有するものを用いることができ
る。また、必要に応じて、乳化剤としての乳化力は低い
が、油脂類似の性質を有している融点を持った各種結晶
調整剤としての機能を有しているもの、例えばジグリセ
ライド等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタントリ
ステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖トリ
ステアリン酸エステル等の蔗糖脂肪酸エステル、プロピ
レングリコールジベヘネート等のプロピレングリコール
脂肪酸エステル等を添加しても良く、これら結晶調整剤
としての機能を有している添加物を添加する場合は、油
脂に溶解分散させれば良く、溶解分散後の混合物が上記
特性を有していれば良い。尚、上記油脂類のうち、SF
C値が10℃で15〜55、20℃で10〜40、30
℃で5〜30及び40℃で5以下の特性を有するものが
より好ましい。
【0004】本発明では、油相は、油中水型乳化油脂組
成物中、30〜90重量%であり、好ましくは45〜8
5重量%である。尚、油相には、酸化防止剤、着色料、
香料や乳化剤等を添加することができる。本発明におい
て、該油相中に乳化分散される水相は、加工澱粉を含有
する。ここで用いる加工澱粉としては、澱粉に酸、酵素
(例えばアミラーゼなど)、アルカリや熱などを加える
ことにより分解する際に生成する種々の産品(ソルブル
スターチ、デキストリン、ブリティッシュ・ガムな
ど)、や澱粉誘導体(例えば、酸化澱粉、エステル化澱
粉、エーテル化澱粉、エーテル架橋α化澱粉など)の一
種又は2種以上の混合物があげられる。これらは、水に
溶解するものでも良いが、水に懸濁や分散あるいは膨潤
するものがより望ましい。特にエーテル架橋α化澱粉が
好ましい。エーテル架橋α化澱粉は、例えば、松谷化学
工業株式会社製“パインソフトS”として容易に入手す
ることができる。本発明では、加工澱粉の量を油中水型
乳化油脂組成物全体の1〜20重量%とするのが好まし
く、より好ましくは、2〜10重量%である。又、水相
中に、加工澱粉を5〜20重量%含有させるのがよい。
成物中、30〜90重量%であり、好ましくは45〜8
5重量%である。尚、油相には、酸化防止剤、着色料、
香料や乳化剤等を添加することができる。本発明におい
て、該油相中に乳化分散される水相は、加工澱粉を含有
する。ここで用いる加工澱粉としては、澱粉に酸、酵素
(例えばアミラーゼなど)、アルカリや熱などを加える
ことにより分解する際に生成する種々の産品(ソルブル
スターチ、デキストリン、ブリティッシュ・ガムな
ど)、や澱粉誘導体(例えば、酸化澱粉、エステル化澱
粉、エーテル化澱粉、エーテル架橋α化澱粉など)の一
種又は2種以上の混合物があげられる。これらは、水に
溶解するものでも良いが、水に懸濁や分散あるいは膨潤
するものがより望ましい。特にエーテル架橋α化澱粉が
好ましい。エーテル架橋α化澱粉は、例えば、松谷化学
工業株式会社製“パインソフトS”として容易に入手す
ることができる。本発明では、加工澱粉の量を油中水型
乳化油脂組成物全体の1〜20重量%とするのが好まし
く、より好ましくは、2〜10重量%である。又、水相
中に、加工澱粉を5〜20重量%含有させるのがよい。
【0005】本発明では、油相中に、加工澱粉を含有す
る水相を乳化させる。この際、添加する乳化剤は特に指
定はなく例えば、食品用乳化剤であるグリセリン脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、リン脂質、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ルなどの一種又は二種以上の混合物を用いることができ
る。この場合、本発明の油中水型乳化油脂組成物中の油
相の量が60重量%以下、又は本発明の油中水型乳化油
脂組成物が常温で液状に近い場合や強い乳化力をする必
要がある場合は例えば、ポリ縮合リシノレン酸エステル
と蔗糖脂肪酸エステルと大豆レシチンとの組み合わせ等
を用いるのが好ましい。さらに、気泡性やクリーミー性
を付与する目的の場合には、例えば、プロピレングリコ
ールモノステアリン酸エステルとHLBが2前後の蔗糖
ステアリン酸エステルやソルビタンモノステアリン酸エ
ステルなどを併用して用いるのが好ましい。これらの場
合、乳化剤を合計で、0.5〜3.0重量%程度の量で用い
るのがよい。
る水相を乳化させる。この際、添加する乳化剤は特に指
定はなく例えば、食品用乳化剤であるグリセリン脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、リン脂質、プロピレングリコール脂肪酸エステ
ルなどの一種又は二種以上の混合物を用いることができ
る。この場合、本発明の油中水型乳化油脂組成物中の油
相の量が60重量%以下、又は本発明の油中水型乳化油
脂組成物が常温で液状に近い場合や強い乳化力をする必
要がある場合は例えば、ポリ縮合リシノレン酸エステル
と蔗糖脂肪酸エステルと大豆レシチンとの組み合わせ等
を用いるのが好ましい。さらに、気泡性やクリーミー性
を付与する目的の場合には、例えば、プロピレングリコ
ールモノステアリン酸エステルとHLBが2前後の蔗糖
ステアリン酸エステルやソルビタンモノステアリン酸エ
ステルなどを併用して用いるのが好ましい。これらの場
合、乳化剤を合計で、0.5〜3.0重量%程度の量で用い
るのがよい。
【0006】一方、本発明の油中水型乳化油脂組成物中
の油相の量が60重量%より多い場合には、特に強い乳
化力をもつ乳化剤を用いなくとも安定な油中水型乳化油
脂組成物を得ることができるが、上記と同様の乳化剤を
用いることができる。この場合、乳化剤を合計で、0.3
〜2.0重量%程度の量で用いるのがよい。本発明の油中
水型乳化油脂組成物において、水相の量は油相の残部で
あり、水を5〜60重量%含有するのが好ましい。尚、
本発明の油中水型乳化油脂組成物の性能を損ねない限
り、水相に着色料、砂糖などの各種糖質、蔗糖脂肪酸エ
ステル等の乳化剤、ソルビトール等の各種糖アルコー
ル、蛋白質、食塩、香料などを添加することができる。
の油相の量が60重量%より多い場合には、特に強い乳
化力をもつ乳化剤を用いなくとも安定な油中水型乳化油
脂組成物を得ることができるが、上記と同様の乳化剤を
用いることができる。この場合、乳化剤を合計で、0.3
〜2.0重量%程度の量で用いるのがよい。本発明の油中
水型乳化油脂組成物において、水相の量は油相の残部で
あり、水を5〜60重量%含有するのが好ましい。尚、
本発明の油中水型乳化油脂組成物の性能を損ねない限
り、水相に着色料、砂糖などの各種糖質、蔗糖脂肪酸エ
ステル等の乳化剤、ソルビトール等の各種糖アルコー
ル、蛋白質、食塩、香料などを添加することができる。
【0007】本発明の油中水型乳化油脂組成物は、常法
により製造することができるが、60〜80℃程度、好
ましくは70℃前後に油脂を加熱して油相を形成するの
がよい。一方、水を油相を同じ程度の温度に加熱し、そ
こに加工澱粉を加えて分散させて、油相とほぼ同じ温度
の加工澱粉分散液を調製し、これを油相に添加して加熱
攪拌を続けて予備乳化液を調製するのがよい。次いで、
この予備乳化液を殺菌工程を通した後、マーガリンを製
造するのと同様にコンビネーターを用いて急冷(約10
〜30℃程度に冷却)混和して、可塑性のある乳化物を
作るのがよい。本発明の油中水型乳化油脂組成物は、特
に菓子製造用に好適である。具体的には、ビスケット、
クッキー、ケーキなどの焼菓子の製造に好適に使用する
ことができる。例えば、本発明の油中水型乳化油脂組成
物に、小麦粉を含有する菓子生地原料を加えて混合し、
次いで成形(圧延、型抜きなど)した後、焼成すること
により、風味の劣化が少なく、かつ水分を安定して保持
できる焼菓子を製造することができる。焼成は170〜
240℃で行うのが好ましい。
により製造することができるが、60〜80℃程度、好
ましくは70℃前後に油脂を加熱して油相を形成するの
がよい。一方、水を油相を同じ程度の温度に加熱し、そ
こに加工澱粉を加えて分散させて、油相とほぼ同じ温度
の加工澱粉分散液を調製し、これを油相に添加して加熱
攪拌を続けて予備乳化液を調製するのがよい。次いで、
この予備乳化液を殺菌工程を通した後、マーガリンを製
造するのと同様にコンビネーターを用いて急冷(約10
〜30℃程度に冷却)混和して、可塑性のある乳化物を
作るのがよい。本発明の油中水型乳化油脂組成物は、特
に菓子製造用に好適である。具体的には、ビスケット、
クッキー、ケーキなどの焼菓子の製造に好適に使用する
ことができる。例えば、本発明の油中水型乳化油脂組成
物に、小麦粉を含有する菓子生地原料を加えて混合し、
次いで成形(圧延、型抜きなど)した後、焼成すること
により、風味の劣化が少なく、かつ水分を安定して保持
できる焼菓子を製造することができる。焼成は170〜
240℃で行うのが好ましい。
【0008】ここで、小麦粉を含有する菓子生地原料と
しては、脱脂粉乳、砂糖などの糖類、水あめ、食塩、鶏
卵、膨張剤、着色剤などがあげられる。小麦粉100重
量部当たり、本発明の油中水型乳化油脂組成物を10〜
200重量部用いるのが好ましい。本発明の油中水型乳
化油脂組成物は、特に水分含量が約6〜約12重量%の
焼菓子を製造するのに好適に用いることができるが、水
分含量がこの範囲外の2〜6重量%程度の菓子や12〜
30重量%程度の焼菓子の製造にも用いることができ
る。
しては、脱脂粉乳、砂糖などの糖類、水あめ、食塩、鶏
卵、膨張剤、着色剤などがあげられる。小麦粉100重
量部当たり、本発明の油中水型乳化油脂組成物を10〜
200重量部用いるのが好ましい。本発明の油中水型乳
化油脂組成物は、特に水分含量が約6〜約12重量%の
焼菓子を製造するのに好適に用いることができるが、水
分含量がこの範囲外の2〜6重量%程度の菓子や12〜
30重量%程度の焼菓子の製造にも用いることができ
る。
【発明の効果】本発明によれば、風味の劣化が少なく、
かつ水分を安定して保持できる焼菓子を製造することが
できる油中水型乳化油脂組成物を提供することができ
る。従って、この油中水型乳化油脂組成物を用いて、風
味の劣化が少ないビスケット、クッキー、ケーキなどの
焼菓子を簡易に製造することができる。本発明を実施例
によりさらに詳しく説明する。
かつ水分を安定して保持できる焼菓子を製造することが
できる油中水型乳化油脂組成物を提供することができ
る。従って、この油中水型乳化油脂組成物を用いて、風
味の劣化が少ないビスケット、クッキー、ケーキなどの
焼菓子を簡易に製造することができる。本発明を実施例
によりさらに詳しく説明する。
【0009】
実施例1 綿実油・菜種油混合硬化油(融点43℃:太陽油脂株式
会社製) 10重量%、コーン油・ナタネ油・パーム油
混合硬化油(融点33℃:太陽油脂株式会社製) 20
重量%、ナタネ油・コーン油混合硬化油(融点35℃:
太陽油脂株式会社製) 45重量%及びナタネ白絞油
(ホウネン株式会社製) 25重量%からなる混合油を
常法により、脱色、脱臭して脱臭油を得た。この脱臭油
のSFC値は、10℃ 43、20℃ 29、30℃
16及び40℃ 2であった。この脱臭油に、乳化剤と
着色料を混合し、70℃前後に加温して均一の油相を調
製した。一方、水を加温・攪拌しながら、加工澱粉と食
塩を加え、均一な水相を造り、攪拌を続けながら70℃
前後に調整した。
会社製) 10重量%、コーン油・ナタネ油・パーム油
混合硬化油(融点33℃:太陽油脂株式会社製) 20
重量%、ナタネ油・コーン油混合硬化油(融点35℃:
太陽油脂株式会社製) 45重量%及びナタネ白絞油
(ホウネン株式会社製) 25重量%からなる混合油を
常法により、脱色、脱臭して脱臭油を得た。この脱臭油
のSFC値は、10℃ 43、20℃ 29、30℃
16及び40℃ 2であった。この脱臭油に、乳化剤と
着色料を混合し、70℃前後に加温して均一の油相を調
製した。一方、水を加温・攪拌しながら、加工澱粉と食
塩を加え、均一な水相を造り、攪拌を続けながら70℃
前後に調整した。
【0010】上述した調製済の油相を攪拌しながら、こ
こに上記水相を加え、次に香料を加えた後も70℃前後
で加温攪拌を続け、予備乳化液を作った。この予備乳化
液を、90℃の殺菌工程を通した後、マーガリンを製造
する場合と同様にコンビネーターを使用して20℃に急
冷混和し、可塑性のある乳化物を作った。この乳化物を
27℃において24時間熱成させ、本発明の油中水型乳
化油脂組成物(本発明品1)を得た。本発明の油中水型
乳化油脂組成物の組成は次の通りである。重量%を以下
%と略称する。
こに上記水相を加え、次に香料を加えた後も70℃前後
で加温攪拌を続け、予備乳化液を作った。この予備乳化
液を、90℃の殺菌工程を通した後、マーガリンを製造
する場合と同様にコンビネーターを使用して20℃に急
冷混和し、可塑性のある乳化物を作った。この乳化物を
27℃において24時間熱成させ、本発明の油中水型乳
化油脂組成物(本発明品1)を得た。本発明の油中水型
乳化油脂組成物の組成は次の通りである。重量%を以下
%と略称する。
【0011】 油相 脱臭油 52.879% 太陽油脂(株) 乳化剤 1% 第一工業製薬(株)DKクリーマE−50 着色料 0.001% 三共(株)β−カロチン30%懸濁液 香 料 0.12% 理研香料(株)、八雲香産(株) 水相 食 塩 0.25% 加工澱粉 6% 松谷化学工業(株)パインソフトS 水 39.75% 比較用油脂組成物(比較品1)の製造 下記の成分を用い、実施例1と同様の方法で比較用油脂
組成物(比較品1)を調製した。
組成物(比較品1)を調製した。
【0012】 脱臭油 97.9241% 乳化剤 1.8519% 着色料 0.0019% 香 料 0.2221% 実施例2 本発明の油中水型乳化油脂組成物(本発明品1)又は比
較用油脂組成物(比較品1)に、これ以外の表−1に記
載の菓子生地原料を加えて混合して菓子生地を調製し、
次いで圧延及び型抜した後、185℃で焼成して、縦4
cm、横2cm、厚さ1.5cmの乾パン型の半生クッキ
ー(水分9%)を製造した。
較用油脂組成物(比較品1)に、これ以外の表−1に記
載の菓子生地原料を加えて混合して菓子生地を調製し、
次いで圧延及び型抜した後、185℃で焼成して、縦4
cm、横2cm、厚さ1.5cmの乾パン型の半生クッキ
ー(水分9%)を製造した。
【0013】
【表1】 表−1 本発明 比較例 小麦粉 100重量部 100重量部 脱脂粉乳 5 5 砂糖 35 35 水あめ 5 5 鶏卵 5 5 膨張剤 1 1 食塩 1 1.3 本発明品1 55 比較品1 − 29.6 加工澱粉(パインソフトS) − 3.3 水 − 21.8
【0014】本発明による菓子は、焼成翌日に食したと
ころ、比較例に比べ、食感がソフトでしっとりしてい
た。また上記焼成品を個包装し、25℃にて60日保存
し、菓子1枚を割るのに必要な相対荷重を次の式により
求めた。 相対荷重=(保存後にレオメーターで菓子1枚を割るの
に必要な荷重)/(焼成翌日にレオメーターで菓子1枚
を割るのに必要な荷重) その結果、60日保存した場合、本発明による菓子では
0.9とソフトさが残り、食感もしっとりしていたのに対
して、比較例による菓子では1.2と保存経過とともに硬
くなり、食感も焼成翌日は、ややのり感はあるもののソ
フトに感じたが60日保存後は硬くボソボソした食感に
なった。
ころ、比較例に比べ、食感がソフトでしっとりしてい
た。また上記焼成品を個包装し、25℃にて60日保存
し、菓子1枚を割るのに必要な相対荷重を次の式により
求めた。 相対荷重=(保存後にレオメーターで菓子1枚を割るの
に必要な荷重)/(焼成翌日にレオメーターで菓子1枚
を割るのに必要な荷重) その結果、60日保存した場合、本発明による菓子では
0.9とソフトさが残り、食感もしっとりしていたのに対
して、比較例による菓子では1.2と保存経過とともに硬
くなり、食感も焼成翌日は、ややのり感はあるもののソ
フトに感じたが60日保存後は硬くボソボソした食感に
なった。
Claims (3)
- 【請求項1】 SFC値が20℃で4〜50、30℃で
3〜40及び40℃で10以下である特性を有する油脂
類からなる油相中に、加工澱粉を含有する水相が乳化し
ており、油相の量が30〜90重量%、加工澱粉の量が
1〜20重量%であることを特徴とする油中水型乳化油
脂組成物。 - 【請求項2】 菓子製造用に用いるものである請求項1
記載の油中水型乳化油脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1記載の油中水型乳化油脂組成物
に、小麦粉を含有する菓子生地原料を加えて混合し、次
いで成形した後、焼成することを特徴とする焼菓子の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9326388A JPH11155482A (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 油中水型乳化油脂組成物及び該乳化油脂組成物を用いる菓子の製造方法 |
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1997
- 1997-11-27 JP JP9326388A patent/JPH11155482A/ja active Pending
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