JPH11151507A - 表面光沢に優れた鋼管の製造方法 - Google Patents
表面光沢に優れた鋼管の製造方法Info
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- JPH11151507A JPH11151507A JP32142697A JP32142697A JPH11151507A JP H11151507 A JPH11151507 A JP H11151507A JP 32142697 A JP32142697 A JP 32142697A JP 32142697 A JP32142697 A JP 32142697A JP H11151507 A JPH11151507 A JP H11151507A
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課 題】 冷間高縮径潤滑加工におけるオイルピット
発生を効果的に抑制でき、該加工後の製品の表面粗さが
小さく表面光沢の格段に優れる製品が得られる鋼管の製
造方法を提供する。 【解決手段】 素管を酸洗後ロールまたはダイスを用い
て冷間縮径加工して製品とする管の製造方法において、
管軸直交断面の結晶平均粒径がdi (μm)である母鋼
管を加熱または均熱し、425 〜775 ℃の圧延温度範囲で
かつ圧延平均温度θm (℃)、合計縮径率Tred (%)
が次式を満足する範囲で絞り圧延して得た鋼管を素管と
し、冷間縮径加工では50℃での粘度が50cSt 以下の潤滑
剤を適用し、最終加工用のロールまたはダイスの表面粗
さRa を0.25μm以下とする。 【数3】
発生を効果的に抑制でき、該加工後の製品の表面粗さが
小さく表面光沢の格段に優れる製品が得られる鋼管の製
造方法を提供する。 【解決手段】 素管を酸洗後ロールまたはダイスを用い
て冷間縮径加工して製品とする管の製造方法において、
管軸直交断面の結晶平均粒径がdi (μm)である母鋼
管を加熱または均熱し、425 〜775 ℃の圧延温度範囲で
かつ圧延平均温度θm (℃)、合計縮径率Tred (%)
が次式を満足する範囲で絞り圧延して得た鋼管を素管と
し、冷間縮径加工では50℃での粘度が50cSt 以下の潤滑
剤を適用し、最終加工用のロールまたはダイスの表面粗
さRa を0.25μm以下とする。 【数3】
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面光沢に優れた
鋼管の製造方法に関し、とくに縮径加工によって製造さ
れる表面光沢に優れた鋼管の製造方法に関する。
鋼管の製造方法に関し、とくに縮径加工によって製造さ
れる表面光沢に優れた鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管(製品)の表面光沢を向上させるた
め、一般には、ブライトロールやダイス(工具と総称)
を用いた縮径加工によって素管の表面を平滑化する(表
面粗さを小さくする)ことが行われる。すなわち、ブラ
イト仕上げにより表面粗さを小さくされた工具を用いて
素管を縮径加工することによって、工具の平滑な表面性
状を縮径中の鋼管に転写し、製品の表面光沢を向上させ
ようとする。
め、一般には、ブライトロールやダイス(工具と総称)
を用いた縮径加工によって素管の表面を平滑化する(表
面粗さを小さくする)ことが行われる。すなわち、ブラ
イト仕上げにより表面粗さを小さくされた工具を用いて
素管を縮径加工することによって、工具の平滑な表面性
状を縮径中の鋼管に転写し、製品の表面光沢を向上させ
ようとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法には以下のように相互に絡み合う問題点があって、高
水準の表面光沢を有する縮径加工鋼管が得られるに至っ
ていない。 1)上記転写による表面光沢向上効果を得るには強加工
(高縮径加工)する必要があるが、強加工を行うと鋼管
と工具とが焼付く。 2)この焼付きを防止するには、潤滑剤(潤滑油など)
を用いた潤滑加工を行うのが有効であり、顕著な効果を
得るには鋼管と工具との界面への潤滑剤の導入量を多く
するのが望ましいが、そうするとオイルピットが形成さ
れて鋼管の表面粗さが大きくなって、結果的に製品の表
面光沢を向上させることが困難である。
法には以下のように相互に絡み合う問題点があって、高
水準の表面光沢を有する縮径加工鋼管が得られるに至っ
ていない。 1)上記転写による表面光沢向上効果を得るには強加工
(高縮径加工)する必要があるが、強加工を行うと鋼管
と工具とが焼付く。 2)この焼付きを防止するには、潤滑剤(潤滑油など)
を用いた潤滑加工を行うのが有効であり、顕著な効果を
得るには鋼管と工具との界面への潤滑剤の導入量を多く
するのが望ましいが、そうするとオイルピットが形成さ
れて鋼管の表面粗さが大きくなって、結果的に製品の表
面光沢を向上させることが困難である。
【0004】オイルピットは素管表面の粗さの凹部に形
成されるのみならず、工具との界面において流体潤滑状
態となる被加工材にあっては、加工中に表面が自由変形
することにより結晶粒界で区画された部分を単位として
表面に凹凸ができ、この凹凸の凹部にもオイルピットが
形成される。特に粒界割れが生じた場合にはこのオイル
ピット形成が助長される。
成されるのみならず、工具との界面において流体潤滑状
態となる被加工材にあっては、加工中に表面が自由変形
することにより結晶粒界で区画された部分を単位として
表面に凹凸ができ、この凹凸の凹部にもオイルピットが
形成される。特に粒界割れが生じた場合にはこのオイル
ピット形成が助長される。
【0005】従来、縮径加工によって表面粗さの小さい
鋼管製品を得る技術として、圧延ロールの小径化、被圧
延材(縮径素管)表面の粗さ予備処理、潤滑油の低粘度
化などが知られているが、これらの技術は、上記結晶粒
径単位の凹凸に起因するオイルピット発生を抑制する効
果がない。そこで本発明は、冷間高縮径潤滑加工におけ
るオイルピット発生を効果的に抑制でき、該加工後の製
品の表面粗さが小さく表面光沢の格段に優れる製品が得
られる鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
鋼管製品を得る技術として、圧延ロールの小径化、被圧
延材(縮径素管)表面の粗さ予備処理、潤滑油の低粘度
化などが知られているが、これらの技術は、上記結晶粒
径単位の凹凸に起因するオイルピット発生を抑制する効
果がない。そこで本発明は、冷間高縮径潤滑加工におけ
るオイルピット発生を効果的に抑制でき、該加工後の製
品の表面粗さが小さく表面光沢の格段に優れる製品が得
られる鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定の絞り圧延条件で絞り圧延して管軸直交断
面の結晶平均粒径を3μm以下に調整した素管を、酸洗
後、特定の冷間潤滑加工条件で縮径加工することによ
り、前記課題を解決できるという知見を得た。かかる知
見に基づいてなされた本発明は、以下のように構成され
る。 (1)素管を酸洗後ロールまたはダイスを用いて冷間縮
径加工して製品とする管の製造方法において、管軸直交
断面の結晶平均粒径がdi (μm)である母鋼管を加熱
または均熱し、孔型ロールを有する複数のスタンドをタ
ンデムに配置した絞り圧延機を用いて、425 〜775 ℃の
圧延温度範囲でかつ圧延平均温度θm (℃)、合計縮径
率Tred (%)が下記[1] 式を満足する範囲で絞り圧延
して得た鋼管を素管とし、冷間縮径加工では50℃での粘
度が50cSt 以下の潤滑剤を適用し、最終加工用のロール
またはダイスの表面粗さRa を0.25μm以下とすること
を特徴とする表面光沢に優れた鋼管の製造方法。
の結果、特定の絞り圧延条件で絞り圧延して管軸直交断
面の結晶平均粒径を3μm以下に調整した素管を、酸洗
後、特定の冷間潤滑加工条件で縮径加工することによ
り、前記課題を解決できるという知見を得た。かかる知
見に基づいてなされた本発明は、以下のように構成され
る。 (1)素管を酸洗後ロールまたはダイスを用いて冷間縮
径加工して製品とする管の製造方法において、管軸直交
断面の結晶平均粒径がdi (μm)である母鋼管を加熱
または均熱し、孔型ロールを有する複数のスタンドをタ
ンデムに配置した絞り圧延機を用いて、425 〜775 ℃の
圧延温度範囲でかつ圧延平均温度θm (℃)、合計縮径
率Tred (%)が下記[1] 式を満足する範囲で絞り圧延
して得た鋼管を素管とし、冷間縮径加工では50℃での粘
度が50cSt 以下の潤滑剤を適用し、最終加工用のロール
またはダイスの表面粗さRa を0.25μm以下とすること
を特徴とする表面光沢に優れた鋼管の製造方法。
【0007】
【数2】
【0008】ここに、θm =(θi +θf )/2,Tre
d =(Di−Df)×100 /Di,θi :圧延開始温度
(℃),θf :圧延終了温度(℃),Di:圧延前外径
(mm),Df:圧延後外径(mm)。 (2)加熱または均熱は、800 ℃以下の温度範囲で行う
(1)記載の方法。 (3)絞り圧延前の母鋼管にデスケーリングを施す
(1)または(2)記載の方法。 (4)少なくとも第1スタンドの孔型ロールを表面粗さ
Ra :3μm以上のダルロールとした(1)〜(3)の
いずれかに記載の方法。 (5)少なくとも最終2スタンドおよび/または少なく
とも開始2スタンドおよび/または縮径率/スタンド:
6%以上のスタンドに潤滑剤を適用する(1)〜(4)
のいずれかに記載の方法。 (6)少なくとも最終スタンドの孔型ロールを表面粗さ
Ra :0.5 μm以下のブライトロールとした(1)〜
(5)のいずれかに記載の方法。 (7)絞り圧延を終えた直後の鋼管を急速冷却する
(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
d =(Di−Df)×100 /Di,θi :圧延開始温度
(℃),θf :圧延終了温度(℃),Di:圧延前外径
(mm),Df:圧延後外径(mm)。 (2)加熱または均熱は、800 ℃以下の温度範囲で行う
(1)記載の方法。 (3)絞り圧延前の母鋼管にデスケーリングを施す
(1)または(2)記載の方法。 (4)少なくとも第1スタンドの孔型ロールを表面粗さ
Ra :3μm以上のダルロールとした(1)〜(3)の
いずれかに記載の方法。 (5)少なくとも最終2スタンドおよび/または少なく
とも開始2スタンドおよび/または縮径率/スタンド:
6%以上のスタンドに潤滑剤を適用する(1)〜(4)
のいずれかに記載の方法。 (6)少なくとも最終スタンドの孔型ロールを表面粗さ
Ra :0.5 μm以下のブライトロールとした(1)〜
(5)のいずれかに記載の方法。 (7)絞り圧延を終えた直後の鋼管を急速冷却する
(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の冷間縮径加工に係
る限定理由を下工程から説明する。最終加工用のロール
またはダイスの表面粗さRa を0.25μm以下としたの
は、最終加工用の工具のRa が0.25μm超であると、こ
の粗さが転写された製品のRa も0.25μm超となり、十
分なレベルの表面光沢が得られないことによる。
る限定理由を下工程から説明する。最終加工用のロール
またはダイスの表面粗さRa を0.25μm以下としたの
は、最終加工用の工具のRa が0.25μm超であると、こ
の粗さが転写された製品のRa も0.25μm超となり、十
分なレベルの表面光沢が得られないことによる。
【0010】50℃での粘度が50cSt 以下の潤滑剤を適用
するのは、冷間高縮径加工での焼付き防止に加え、オイ
ルピット発生を防止するためである。50℃での粘度が50
cSt超の潤滑剤を適用すると、高縮径加工時に被加工材
の表面粗さあるいは結晶粒単位の凹凸の凹部に潤滑材が
トラップされこの部分の静水圧が過大となってオイルピ
ットが発生しやすくなり、結果的に製品の表面光沢が劣
化する。
するのは、冷間高縮径加工での焼付き防止に加え、オイ
ルピット発生を防止するためである。50℃での粘度が50
cSt超の潤滑剤を適用すると、高縮径加工時に被加工材
の表面粗さあるいは結晶粒単位の凹凸の凹部に潤滑材が
トラップされこの部分の静水圧が過大となってオイルピ
ットが発生しやすくなり、結果的に製品の表面光沢が劣
化する。
【0011】さらに、酸洗後このような冷間縮径潤滑加
工を施される素管は、管軸直交断面(C断面)の結晶平
均粒径がdi (μm)である母鋼管を加熱または均熱
し、孔型ロールを有する複数のスタンドをタンデムに配
置した絞り圧延機を用いて、425 〜775 ℃の圧延温度範
囲でかつ圧延平均温度θm (℃)、合計縮径率Tred
(%)が前記[1] 式を満足する範囲で絞り圧延した鋼管
である必要がある。
工を施される素管は、管軸直交断面(C断面)の結晶平
均粒径がdi (μm)である母鋼管を加熱または均熱
し、孔型ロールを有する複数のスタンドをタンデムに配
置した絞り圧延機を用いて、425 〜775 ℃の圧延温度範
囲でかつ圧延平均温度θm (℃)、合計縮径率Tred
(%)が前記[1] 式を満足する範囲で絞り圧延した鋼管
である必要がある。
【0012】ここに、結晶平均粒径はC断面の光学顕微
鏡または走査型電子顕微鏡による観察像からクロスカッ
ト法で測定され、本発明において切断線との交点として
カウントされるミクロ組織境界は、粒組織がオーステナ
イトまたはフェライトのときはそれぞれの粒界、パーラ
イトのときはパーライトコロニー境界、マルテンサイト
もしくはべイナイトのときはパケット境界である。
鏡または走査型電子顕微鏡による観察像からクロスカッ
ト法で測定され、本発明において切断線との交点として
カウントされるミクロ組織境界は、粒組織がオーステナ
イトまたはフェライトのときはそれぞれの粒界、パーラ
イトのときはパーライトコロニー境界、マルテンサイト
もしくはべイナイトのときはパケット境界である。
【0013】上記素管製造要件は、薄いスケールを有
し、表面粗さが小さく、かつ結晶粒の小さい素管を、孔
型ロールを有する複数のスタンドをタンデムに配置した
絞り圧延機を用いた温間絞り圧延によって効率よく得る
ためのものである。1スタンドに組み込まれる孔型ロー
ルは円周方向に2本、3本、あるいは4本以上何本配置
されてもよい。
し、表面粗さが小さく、かつ結晶粒の小さい素管を、孔
型ロールを有する複数のスタンドをタンデムに配置した
絞り圧延機を用いた温間絞り圧延によって効率よく得る
ためのものである。1スタンドに組み込まれる孔型ロー
ルは円周方向に2本、3本、あるいは4本以上何本配置
されてもよい。
【0014】母鋼管の加熱または均熱方法はとくに限定
されないが、加熱炉あるいは誘導加熱によるのが好まし
い。なかでも誘導加熱方式は加熱速度が大きいので、生
産能率あるいは結晶粒成長抑制の観点から好ましい。加
熱または均熱温度は結晶粒が粗大化せずまたスケール生
成量の少ない温度域である800 ℃以下とするのが好まし
い。ただし、800 ℃を超える加熱、均熱であっても圧延
条件を上記範囲とすれば絞り圧延後の結晶粒は微細化す
る。
されないが、加熱炉あるいは誘導加熱によるのが好まし
い。なかでも誘導加熱方式は加熱速度が大きいので、生
産能率あるいは結晶粒成長抑制の観点から好ましい。加
熱または均熱温度は結晶粒が粗大化せずまたスケール生
成量の少ない温度域である800 ℃以下とするのが好まし
い。ただし、800 ℃を超える加熱、均熱であっても圧延
条件を上記範囲とすれば絞り圧延後の結晶粒は微細化す
る。
【0015】絞り圧延の圧延温度は425 〜775 ℃の温度
範囲とする。775 ℃超では再結晶さらには粒成長が促進
されて素管の結晶粒が大きくなり冷間潤滑縮径加工でオ
イルピットが生じやすくなる。また、425 ℃未満では青
熱脆化あるいは加工硬化を生じて素管の延性・靱性が劣
化し、冷間縮径加工が困難となる。さらに、圧延平均温
度θm (℃)、合計縮径率Tred (%)が前記[1] 式を
満足するように絞り圧延する。図1は本発明での絞り圧
延可能範囲を例示するグラフである。これにより、素管
の結晶平均粒径を3μm以下に抑制することができ、冷
間潤滑縮径加工時の自由変形表面における結晶粒単位の
凹凸を小さくすることができ、これに起因するオイルピ
ット発生を抑制できて製品表面の光沢が格段に向上す
る。
範囲とする。775 ℃超では再結晶さらには粒成長が促進
されて素管の結晶粒が大きくなり冷間潤滑縮径加工でオ
イルピットが生じやすくなる。また、425 ℃未満では青
熱脆化あるいは加工硬化を生じて素管の延性・靱性が劣
化し、冷間縮径加工が困難となる。さらに、圧延平均温
度θm (℃)、合計縮径率Tred (%)が前記[1] 式を
満足するように絞り圧延する。図1は本発明での絞り圧
延可能範囲を例示するグラフである。これにより、素管
の結晶平均粒径を3μm以下に抑制することができ、冷
間潤滑縮径加工時の自由変形表面における結晶粒単位の
凹凸を小さくすることができ、これに起因するオイルピ
ット発生を抑制できて製品表面の光沢が格段に向上す
る。
【0016】また、絞り圧延中のスケール噛込みによる
素管の肌荒れを防止する観点から、必要に応じて、温間
絞り圧延前の母鋼管にデスケーリングを施す、あるい
は、絞り圧延機の少なくとも第1スタンドの孔型ロール
を表面粗さRa :3μm以上のダルロールとして絞り圧
延するのが好ましい。前記デスケーリングを行うには、
絞り圧延機の入側に、例えばショットブラスト装置ある
いはブラシロール装置などのデスケーリング装置を配設
するのが好適である。なお、前記デスケーリングと前記
ダルロールを組合わせることもできる。
素管の肌荒れを防止する観点から、必要に応じて、温間
絞り圧延前の母鋼管にデスケーリングを施す、あるい
は、絞り圧延機の少なくとも第1スタンドの孔型ロール
を表面粗さRa :3μm以上のダルロールとして絞り圧
延するのが好ましい。前記デスケーリングを行うには、
絞り圧延機の入側に、例えばショットブラスト装置ある
いはブラシロール装置などのデスケーリング装置を配設
するのが好適である。なお、前記デスケーリングと前記
ダルロールを組合わせることもできる。
【0017】また、絞り圧延時の焼付きを回避するため
に、必要に応じて、少なくとも最終2スタンドおよび/
または少なくとも開始2スタンドおよび/または縮径率
/スタンド:6%以上のスタンドに潤滑剤を適用するの
が好ましい。潤滑剤としては、鉱油あるいは鉱油+合成
エステル等、通常の圧延油を使用できる。また、製品の
表面光沢をさらに向上させるには素管の表面粗さをより
小さくしておくことが有効であり、そのためには、絞り
圧延機の少なくとも最終スタンドの孔型ロールを表面粗
さRa :0.5 μm以下のブライトロールとして絞り圧延
するのが好ましい。
に、必要に応じて、少なくとも最終2スタンドおよび/
または少なくとも開始2スタンドおよび/または縮径率
/スタンド:6%以上のスタンドに潤滑剤を適用するの
が好ましい。潤滑剤としては、鉱油あるいは鉱油+合成
エステル等、通常の圧延油を使用できる。また、製品の
表面光沢をさらに向上させるには素管の表面粗さをより
小さくしておくことが有効であり、そのためには、絞り
圧延機の少なくとも最終スタンドの孔型ロールを表面粗
さRa :0.5 μm以下のブライトロールとして絞り圧延
するのが好ましい。
【0018】また、絞り圧延後酸洗までの間のハンドリ
ングで素管のスケールが不均一に剥離しないことが好ま
しく、素管にそのようなスケールを付与するには、絞り
圧延を終えた直後の鋼管を急速冷却するのが望ましい。
ングで素管のスケールが不均一に剥離しないことが好ま
しく、素管にそのようなスケールを付与するには、絞り
圧延を終えた直後の鋼管を急速冷却するのが望ましい。
【0019】
【実施例】(実施例1)表1に示すサイズ、結晶粒径
(C断面の結晶平均粒径)を有するJIS STKM13B相当の
母鋼管を、3ロール組(孔型ロールを円周方向に3本配
置)のスタンドをタンデムに20基連ねた絞り圧延機を用
い、同表に示す温間絞り圧延条件(絞り圧延前は加熱炉
で加熱)で絞り圧延して素管となし、この素管を酸洗
後、同表に示す冷間縮径加工条件で縮径加工して製品と
した。素管の結晶粒径、スケール厚、表面粗さRa 等、
および製品の表面光沢度を同表に示す。
(C断面の結晶平均粒径)を有するJIS STKM13B相当の
母鋼管を、3ロール組(孔型ロールを円周方向に3本配
置)のスタンドをタンデムに20基連ねた絞り圧延機を用
い、同表に示す温間絞り圧延条件(絞り圧延前は加熱炉
で加熱)で絞り圧延して素管となし、この素管を酸洗
後、同表に示す冷間縮径加工条件で縮径加工して製品と
した。素管の結晶粒径、スケール厚、表面粗さRa 等、
および製品の表面光沢度を同表に示す。
【0020】製品の表面光沢度は、JIS Z 8741の鏡面光
沢度測定方法5(Gs20°) により測定し、値が950 以上
を特A,800 以上950 未満をA,600 以上800 未満を
B,400 以上600 未満をC,400 未満をDとランク付け
して示した。表1より、本発明要件を満たす実施例は、
満たさない比較例(*が発明範囲外)に比べて、製品の
表面光沢度が格段に優れることがわかる。
沢度測定方法5(Gs20°) により測定し、値が950 以上
を特A,800 以上950 未満をA,600 以上800 未満を
B,400 以上600 未満をC,400 未満をDとランク付け
して示した。表1より、本発明要件を満たす実施例は、
満たさない比較例(*が発明範囲外)に比べて、製品の
表面光沢度が格段に優れることがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】かくして本発明によれば、冷間高縮径潤
滑加工におけるオイルピット発生を効果的に抑制でき、
該加工後に表面粗さが小さく表面光沢の格段に優れる製
品が得られるという優れた効果を奏する。
滑加工におけるオイルピット発生を効果的に抑制でき、
該加工後に表面粗さが小さく表面光沢の格段に優れる製
品が得られるという優れた効果を奏する。
【図1】本発明での絞り圧延可能範囲を例示するグラフ
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板谷 元晶 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 橋本 裕二 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 西森 正徳 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 岡部 能知 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 金山 太郎 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内
Claims (7)
- 【請求項1】 素管を酸洗後ロールまたはダイスを用い
て冷間縮径加工して製品とする管の製造方法において、
管軸直交断面の結晶平均粒径がdi (μm)である母鋼
管を加熱または均熱し、孔型ロールを有する複数のスタ
ンドをタンデムに配置した絞り圧延機を用いて、425 〜
775 ℃の圧延温度範囲でかつ圧延平均温度θm (℃)、
合計縮径率Tred (%)が下記[1] 式を満足する範囲で
絞り圧延して得た鋼管を素管とし、冷間縮径加工では50
℃での粘度が50cSt 以下の潤滑剤を適用し、最終加工用
のロールまたはダイスの表面粗さRa を0.25μm以下と
することを特徴とする表面光沢に優れた鋼管の製造方
法。 【数1】 ここに、θm =(θi +θf )/2,Tred =(Di−D
f)×100 /Di,θi :圧延開始温度(℃),θf :圧
延終了温度(℃),Di:圧延前外径(mm),Df:圧延後
外径(mm)。 - 【請求項2】 加熱または均熱は、800 ℃以下の温度範
囲で行う請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 絞り圧延前の母鋼管にデスケーリングを
施す請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】 少なくとも第1スタンドの孔型ロールを
表面粗さRa :3μm以上のダルロールとした請求項1
〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 少なくとも最終2スタンドおよび/また
は少なくとも開始2スタンドおよび/または縮径率/ス
タンド:6%以上のスタンドに潤滑剤を適用する請求項
1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 少なくとも最終スタンドの孔型ロールを
表面粗さRa :0.5μm以下のブライトロールとした請
求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 絞り圧延を終えた直後の鋼管を急速冷却
する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32142697A JPH11151507A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 表面光沢に優れた鋼管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32142697A JPH11151507A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 表面光沢に優れた鋼管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11151507A true JPH11151507A (ja) | 1999-06-08 |
Family
ID=18132425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32142697A Pending JPH11151507A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 表面光沢に優れた鋼管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH11151507A (ja) |
-
1997
- 1997-11-21 JP JP32142697A patent/JPH11151507A/ja active Pending
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