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JPH11150417A - 発振回路 - Google Patents

発振回路

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Publication number
JPH11150417A
JPH11150417A JP31391397A JP31391397A JPH11150417A JP H11150417 A JPH11150417 A JP H11150417A JP 31391397 A JP31391397 A JP 31391397A JP 31391397 A JP31391397 A JP 31391397A JP H11150417 A JPH11150417 A JP H11150417A
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JP
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output
oscillation
circuit
filter
signal
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JP31391397A
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Inventor
Akihiro Murayama
明宏 村山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH11150417A publication Critical patent/JPH11150417A/ja
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 IC内蔵可能な注入型発振器で、自走発振周
波数がばらついたときは注入信号に追尾する機能を追加
して、入力信号に対し正確な位相関係が保て、かつ正弦
/余弦波の発振信号を得ることにある。 【解決手段】 gm可変型フィルタ回路を用いた発振器
にあって、帰還路のアンプ2やgmフィルタ3内部のノ
ードに対し、注入信号Vinを加算することにより、注
入型の発振器を構成する。発振出力は、アンプ2やgm
フィルタ3の任意の箇所(6a,6b)から取り出せ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明の回路は、主にPL
Lにより原信号にロックした正弦波信号を簡易な構成で
得る用途、特にTV受像機の色副搬送波再生の分野に用
いて好適な発振回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来インジェクションロックと呼ばれる
VCOまたはPLLが知られ、実用に供されている。同
期させたい信号を発振器に注入(インジェクション)す
ると、その発振信号が注入信号に位相同期するもので、
弛張発振器を用いて行うのが一般的である。発振器単体
で位相同期するので、位相比較器などの周辺回路が不
要、簡便でIC内蔵に適している。PLLとも発振器と
も言えるが、以下注入型発振器と呼ぶ。このような発振
器の一例として引例1:特開平9−93042号「イン
ジェクションロック方式FM復調回路」がある。入力信
号に同期した注入発振器出力と入力信号をかけ算するこ
とにより、FM復調を行うもので、入力周波数(デビエ
ーション)により発振器の同期位相が異なることを利用
している。
【0003】一般的に正弦波発振が必要な場合、引例1
のような弛張発振器を用いた注入発振器では発振波形が
矩形波なので、ポストフィルタで高調波を除去しないと
正弦波出力が得られず、コストアップを招く。また、T
V受信機の色副搬送波処理では、4相の正弦/余弦波が
必要となるが、弛張発振器では自走周波数と入力信号周
波数が異なると直交位相出力が得られない。加えて前記
のようにフィルタを用いた場合には、フィルタ間の特性
ばらつきにより出力信号の相対位相がずれ、映像の色相
がずれるという問題を発生する。
【0004】一方、IC内蔵可能な正弦波発振器の一例
として、引例2:特開昭63−191403号「発振回
路」がある。いわゆるgm可変型のフィルタ回路を用
い、帰還路に増幅回路を配して正弦波出力を得たもので
ある。
【0005】この引例2では注入ロックに関する内容の
記載がなく、正弦波の注入型発振器を実用化できないと
いう問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術で正
弦波発振が必要な場合、引例1では弛張発振器を用いた
注入発振器では正弦波出力が得られず、TV受信機の色
副搬送波処理では、4相の正弦/余弦波が必要となる
が、弛張発振器では自走周波数と入力信号周波数が異な
ると直交位相出力が得られない。フィルタを用いた場合
には、映像の色相がずれるという問題を発生する。ま
た、引例2の分野では注入ロックに関する記載がなく、
正弦波の注入型発振器を実用化できないという問題があ
る。
【0007】この発明の目的は、IC内蔵可能な注入型
発振器で、自走発振周波数がばらついた際には注入信号
に追尾する機能を追加して、入力信号に対し正確な位相
関係が保て、かつ正弦/余弦波の発振信号を得ることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明の発振回路はgm可変型のフィルタ回
路を用いた発振器において、帰還路のアンプやgmフィ
ルタ内部のノードに対し入力信号を加算(注入)するこ
とにより、注入型の発振器を構成する。注入信号と90
度位相差を持つフィルタ回路内部信号とを位相比較し、
その位相誤差を検出してgmフィルタの自走発振周波数
を補正する。
【0009】この手段によれば、帰還路のアンプやgm
フィルタ内部の任意のノードに信号を注入すると、その
ノードの発振信号に対して位相シフトする作用となり、
フィルタの位相特性によって発振条件が変化し引き込み
動作する。最終的には注入したノードでの発振信号の位
相が注入信号と同相になるようロックし、発振器を実現
できる。
【0010】また、伝達関数が2次関数となるgmフィ
ルタ回路では、注入ノードの信号と90度位相差を持つ
信号ノードが存在する。自走発振周波数が注入信号周波
数とずれている場合、注入ノードの信号位相は同相から
ずれるので、その2つの信号位相差から自走周波数が注
入信号からずれていることが判る。位相比較結果でgm
フィルタの自走発振周波数を制御すれば、最終的に注入
信号と自走周波数を等しくすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、こ
の発明の第1の実施の形態について説明するためのシス
テム図である。1は発振器であり、アンプ2とトランス
コンダクタンス可変型のgmフィルタ3から成る。入力
端子4に注入される信号源からの注入信号Vinとgm
フィルタ3の出力信号とをアンプ2に入力する。このア
ンプ2は、gmフィルタ3の出力と注入信号Vinとの
差あるいは和を増幅する。アンプ3の出力をgmフィル
タ3の入力に帰還して発振ループを構成する。発振出力
はループ内の任意のノードで発生した信号を発振出力と
して取り出すことができる。
【0012】gmフィルタ3の自走発振周波数foは、
周波数制御端子5に入力される制御信号により決定す
る。制御信号とは例えば定電流源や定電圧源であり、こ
れらの値を変えることで、自走発振周波数foを変化で
きる。gmフィルタ3の出力と注入信号Vinとの差を
増幅する場合には、アンプ2の正負入力端子に両入力を
接続し、和を増幅する場合には、アンプ2内に加算器を
含むものとする。図1(a)ではアンプ2の出力を出力
端子6aから、図1(b)ではgmフィルタ3の出力を
出力端子6bから発振出力を取り出している。このよう
に、ループ内の任意のノードから所望の発振信号を得る
ことができる。
【0013】このことから、以降の各実施の形態の説明
をする中では、特定のノード信号を指さないものとす
る。従って、発振出力が供給される出力端子は、浮かし
た状態で示すものとする。
【0014】図1の具体的な回路構成例を図2に示して
さらに説明する。アンプ2は加算器21とリミッタアン
プ22から成り、加算器21の一方には入力端子4より
注入信号Vinを入力する。加算器21の出力はリミッ
タアンプ22で増幅する。
【0015】gmフィルタ3は一例として帯域通過(B
PF)特性の回路接続を示した。従来で示した例2と同
型であり、伝達関数と回路パラメータの対応等の説明は
省略する。
【0016】BPFに代表される2次伝達関数を持つフ
ィルタ回路では、入力信号のある特定の周波数成分だけ
を通過させ、位相は180度回転する。BPFの場合、
出力振幅が最も大きくなる周波数で、出力位相は0度と
なる。アンプを設け出力信号を増幅して入力に帰還する
経路を設ければ、発振条件を満足させることができる。
発振ループ、すなわちアンプ2の出力からgmフィルタ
3を介してアンプ2に入力に戻る経路での利得は、BP
Fの最大の利得周波数近傍で1倍を越えるが、位相特性
は回転しており、振幅最大となる周波数でのみ0度とな
る。従って、位相0度となる周波数が発振周波数とな
る。
【0017】gmフィルタ3は、BPF特性としたた
め、アンプ2の出力の発振信号が例え矩形波であって
も、高調波成分はフィルタで抑制され、gmフィルタ3
の出力は正弦波に近くなる。このためIC内に内蔵可能
な正弦波発振回路として、BPFを用いた発振回路が多
用されている。
【0018】図2において、31,32はそれぞれgm
可変型のgmアンプである。正入力が接地されたgmア
ンプ31の出力は、コンデンサC1を介して供給される
リミッタアンプ22からの出力信号S1とともに、バッ
ファアンプB1を介してgmアンプ32の正入力に入力
する。gmアンプ32の出力は、一端が接地されたコン
デンサC2とバッファアンプB2を介して出力端子6に
入力する。バッファアンプB2の出力S2は、アンプ2
の加算器21の他方に入力する。さらにバッファアンプ
B2の出力S2は、gmアンプ32の負入力および減衰
器mを介してgmアンプ32の負入力に入力する。gm
アンプ31,32はバイアス電流源33からの電流によ
りバイアスされており、電流に応じたgmの値を持ち、
gmは周波数制御端子5により所望の値に制御する。
【0019】BPFであるgmフィルタ3の特性を図3
に示す。(a)が振幅特性で(b)が位相特性である。
自走発振周波数foで最大振幅となり、このときの位相
は0度である。ループの利得を1以上に設定すると、自
走発振周波数foで自走発振する。リミッタアンプ22
の出力信号S1には高調波が含まれるが、BPFで高調
波を抑圧するので、出力端子6からは正弦波の発振出力
が得られる。
【0020】図2の回路では、注入信号Vinに対して
gmフィルタ3の出力の信号位相が0度すなわち同相と
なるように位相ロックする。これについて図4(a)を
用いて説明する。gmフィルタ3の出力信号S2の位相
を基準にとり、aベクトルとし、自走発振周波数foと
全く同じ周波数の注入信号Vinを注入したと仮定し
て、その位相をbベクトルとする。加算器21でこれら
2つの信号を加算すると合成ベクトルはcとなり、自走
時のa位相から進みシフトされたことと等価になる。ル
ープの中に進み移相が混入したので、発振条件が変わ
り、図3(b)でいうと、全体が進み(上)方向へず
れ、0度を与える周波数が高くなる。これにより、発振
器は、より高い周波数で発振し、進み位相方向すなわち
b位相へ追従するように動く。この過渡応答が終了した
後、図4(b)のようにa,b,cすべてのベクトルは
同じ向きでロックすることになる。
【0021】ところで、2次フィルタ回路では、gmア
ンプを2段従属接続して伝達関数を実現するため、BP
Fを構成した場合においてもBPF特性の出力の他に、
gmアンプ段間の信号を出力することができる。例え
ば、図2のgmアンプ31と32の間から出力を取った
場合はHPF特性となる。HPF特性は、BPF特性と
位相が90度ずれており、BPF特性に対して直交する
信号として用いることができる。
【0022】次に、注入信号Vinの周波数が自走発振
周波数foと異なる場合について図5を用いて説明す
る。いま、注入信号Vinの周波数は自走発振周波数f
oより低いfaとする。この場合、図5(a)のように
gmフィルタ3の出力信号S2のaベクトルに対し、注
入信号Vinのbベクトルが遅れになり、aとbを合成
したcベクトルがφ度の遅れとなる。これはgmフィル
タ3の出力信号S2での位相をφ度遅れ(下)方向へシ
フトしたことになるので、図5(b)のように0度と交
わる周波数faで発振する。発振条件はfaでループ位
相が0度になることであるから、その条件が成り立つよ
うループの位相特性をシフトする状態で収束するとも言
える。シフト位相は注入信号Vinとgmフィルタ3の
出力信号S2との位相差で発生する。自走発振周波数f
oよりも高い周波数の場合はこの逆で、φが進み位相と
なる。注入信号Vinの周波数が自走発振周波数foか
ら離れるほどφは大きくなる。
【0023】この実施の形態によれば、正弦波出力の注
入型発振器を実現することができる。さらに、図2のA
点はgmフィルタ3の出力信号S2と常に90度位相差
を持つので、正弦/余弦の直交信号を同時に得ることが
できる。自走発振周波数foから遠い周波数信号を注入
すると、φが0からずれたとしても必ず直交し、相対的
な位相関係が変わることはない。
【0024】ここで、加算器21の配置について説明す
る。図4(b)で説明したように、注入信号Vinはg
mフィルタ3の出力信号S2と同相でロックするので、
加算器21の出力は自走時の振幅よりも大きくなる。し
かし、自走発振周波数foから離れた注入信号Vinほ
どφが大きくなり、合成したベクトルの振幅増加量は小
さくなるので、周波数によって加算器21の出力振幅が
変わってしまう(foで最大)。加算器21をリミッタ
アンプ22の前段に配置しておけば、リミッタアンプ2
2の出力振幅は一定なので、周波数による発振振幅変化
を避けることができる。
【0025】図2ではアンプ2を注入信号Vinとの和
で実現したが、単純な差動アンプによるリミッタアンプ
22を作成し、正入力にgmフィルタ3の出力信号S2
を負入力に注入信号Vinを接続して差信号増幅とし、
回路規模を簡略化することも可能である。この場合、図
4(b)のbベクトルはaの逆相になる。ただし、通常
はgmフィルタ3の出力の直流動作点(gm1の正入力
電位と同じになる)がオフセットし易いので、差動入力
には、このオフセットを許容できるだけのダイナミック
レンジが必要となる。和をとる場合は抵抗で簡易に加算
器21を実現することが可能である。注入信号Vinを
gmフィルタ3の出力の直流動作点に対しC結合で入力
できるため、オフセットの問題を解決することが可能で
ある。さらに、加算器21で実現すると別のメリットが
派生するが、これについては後述することとする。
【0026】アンプ2については、リミッタアンプ22
を例にしたが、自動利得制御機能の付いたリニアアンプ
を用いても構わない。アンプ2の出力振幅を検波し、あ
る一定振幅になるようアンプ2の利得を制御すれば、ル
ープの利得を正確に1に保つことができ、発振ループ内
の全てのノードで正弦波の発振が得られる。
【0027】gmフィルタ3の特性はBPFを例にとっ
たが、低域通過(LPF)でも全域通過(APF)でも
実現可能である。gmフィルタ3の出力位相に対して発
振条件が成り立つよう、考慮されていればよい。BPF
の場合、φは周波数に対して線形に変化しないため、F
M復調には適さないが、位相変化が線形なAPFが適し
ている。また、φはフィルタのQや注入信号の大きさに
依存する。Qが高いほど位相回転の微分傾きは大きくな
るので、同じデビエーションに対するφは大きくなる。
従って、Sカーブ特性の傾きがQでも制御でき、注入信
号Vinが小さいほどφが大きくなる。
【0028】図1の実施の形態では、帰還路にアンプ2
を備え、アンプ2に注入信号Vinを注入した例である
が、図6、図7に示すようにgmフィルタ3に注入信号
Vinを注入する入力端子を設けることが可能である。
図6は、この発明の第2の実施の形態を、図7はこの発
明の第3の実施の形態について説明するためのシステム
図である。
【0029】すなわち、図6ではgmフィルタ3aの出
力をアンプ2aに入力し、アンプ2aの出力をgmフィ
ルタ3aに正帰還する。アンプ2aの具体例については
図2の説明で述べた通りである。
【0030】また、図7ではgmフィルタ3bに、この
フィルタ3bのQを制御する制御信号QcをQ制御回路
71から供給する。gmフィルタ3bの出力をフィルタ
3bの入力端子とQ制御回路71に供給し、発振条件が
成り立つような制御信号Qcをgmフィルタ3bに供給
してgmフィルタ3bのQを制御する。図3(a)で言
えば、Qが高いほど自走発振周波数foでの利得は高く
なるので、例えば利得が1になるよう制御すれば、アン
プが無くても発振条件を満足させることができる。図2
では減衰器mの値を変えることによりQの制御が可能で
ある。
【0031】図6、図7の構成では図2の加算器を省略
することが可能である。図8の回路構成図を用い、この
ことについて説明する。
【0032】図8は、一例として図2のBPF特性のフ
ィルタ部分を基本としており、図2と同一の機能部分に
は同一の符号を付して説明する。BPFの接続ではコン
デンサC2およびgmアンプ31の正入力端子を交流接
地に接続する。これらの端子を接地せず、直接注入信号
の入力端子とすることが可能で、例えばノードNAやN
Bを端子とすれば回路を追加することなく注入すること
ができる。コンデンサC1やC2を分割して入力端子を
設けることもでき、この場合もトータルの容量値を変え
ずに注入できる。
【0033】gmフィルタ3a,3bに、注入信号Vi
nを入力する入力端子4を設けるという意味では、素子
追加になるがgmアンプ81を追加することも1つの手
段である。
【0034】どのノードから注入しても、前述の通り、
注入したノードでの発振位相が同相となるようにロック
する。gmアンプを介した場合にはgm出力端子で同相
ロックとなる。
【0035】gmフィルタの交流発振ループではなく、
通常直流信号を与える周波数制御端子に入力することも
可能である。この場合も加算器の追加が必要ない。図9
のシステム図を用いて、この発明の第4の実施の形態に
ついて説明する。図9ではアンプなどの正帰還ループを
省略している。この場合、gmフィルタ3cの周波数を
制御する周波数制御端子5と注入信号Vinを入力する
入力端子4は同じ箇所からとする。発振ループ内の任意
のノード信号を発振信号として取り出す。
【0036】図9の動作ベクトルは前述と異なるので、
図10を用いて説明する。gmフィルタ3cは、例えば
図8で用いたBPF特性と仮定する。注入信号Vinは
周波数制御端子5からバイアス電流源33を通り、gm
アンプ31,32と容量C1,C2にて電圧信号に変換
される。このときgmアンプ31,32と容量C1,C
2が等しいとすると、容量C1,C2で変換された注入
信号Vinは同じベクトルとなる。
【0037】図10で、フィルタ入力を基準ベクトルd
とすると、gmアンプ31の出力では90度進むため、
eベクトルとなる。これに注入信号Vinのfベクトル
が加算されるので、図8のA点での合成ベクトルはgと
なる。gベクトルをgmアンプ32では、90度遅れ方
向に回転するのでhベクトルを出力するが、ここでもf
ベクトルを加算するので、合成ベクトルがiとなり基準
ベクトルdと同位相に戻る。この回路は注入信号Vin
を基準として、+45度位相でロックする。周波数が自
走発振周波数foからずれた信号に対しては、45度か
らφだけずれた位相でロックする。
【0038】この場合、注入信号Vinと同位相の発振
信号が得られないが、やはり加算器は削除できる。逆に
π/4の移相器として、TV受像機の色あい制御用正弦
波に用いたり、QPSK復調に用いることもできる。g
mアンプ21,32の出力は直交しており、4相出力間
の位相がずれることはない。注入信号Vinに対しπ/
2相が必要な場合には、π/4相の直交信号から隣り合
う2軸の加算で合成できる。
【0039】以上述べてきた注入型発振器はIC内蔵を
前提としており、IC製造工程での時定数ばらつきによ
り、自走発振周波数がばらついてしまう。注入信号Vi
nが自走発振周波数foからずれても正弦/余弦出力の
相対直交位相はばらつかないが、キャプチャレンジがば
らつく。これが許容できない場合には、別途追尾する機
能を設ける必要があり、これについて図11を用いて説
明する。注入型発振器は前述のもの全てが該当する。こ
の発振器から注入信号と90度位相差を生じる信号とを
出力し、位相比較器111にて位相比較する。その比較
結果をLPF112にて平滑し、発振器の周波数制御端
子5に帰還する。
【0040】90度位相差を生じる信号とは、自走発振
周波数foで注入信号Vinと90度位相差を持ち、か
つVinがfoからずれた場合の位相差φを検出可能な
信号である。図9を除く発振器からは得ることができ
る。図2で言うとA点信号となる。A点の位相はfoで
進み90度であり、注入信号Vinの周波数がfoから
ずれると90度からφよりも大きくずれる。これを位相
比較器で検出して常に90度位相差となるようgmフィ
ルタを制御すれば、自走発振周波数foを注入信号と等
しくすることができる。図6や図7の例でも同様に選ぶ
ことができ、図8のノードNAから注入した場合には、
gmアンプ31の出力から90度位相信号を取り出せば
よい。
【0041】製造ばらつきが大きく自走発振周波数fo
のずれが大きいと、注入信号Vinにロックできないこ
とがあり、追尾調整不能に陥るので、これを避ける手段
について図12の回路構成図を用いて説明する。
【0042】追尾調整を行う間は注入ロック可能な周波
数レンジ(キャプチャレンジ)を広くし、調整完了とと
もに所定のレンジに戻せば、確実に追尾調整できる。レ
ンジを広くするには注入する信号利得を変えればよく、
利得制御回路を追加すればよい。この利得制御回路は、
図2のアンプ2を兼用することも可能である。以下、そ
のことについて説明する。
【0043】図12は図2のアンプ2にて実現した例で
ある。加算器21は抵抗Rとgmアンプ121で構成
し、加算信号をリミッタアンプ22に入力する。gm1
21にgm値を可変できる制御端子122を設け、この
制御端子122に例えばカラーか白黒を判定した結果を
入力すれば、注入信号Vinの利得を変えることができ
る。また、図2では加算器21で合成するので、加算比
を変える手段を追加することが容易であるが、図6や図
7では直接注入してしまうので、別途利得切換回路を追
加する必要がある。この一例としては図8のgmアンプ
81のような配置も考えられ、gmアンプ81のgmを
切り換えることで実現できる。
【0044】レンジ切り換えの制御信号としては、所定
の時間のパルスでもよいが、例えばカラーTV受信機の
色副搬送波にこのような注入型発振器を用いた場合、カ
ラーキラー回路が白黒と判定している場合には追尾モー
ドで広いレンジに設定し、カラーと判定した場合にはレ
ンジを狭くするような処理も可能である。このようにレ
ンジを切換えておけば、製造工程のばらつきによらず常
に安定した注入ロック性能を得て、追尾調整を確実に行
うことができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、IC内蔵可能で正
弦/余弦の発振信号が得られる注入型の発振器としたの
で用途が拡大するばかりか、自走発振周波数がばらつい
た際には注入信号に追尾する機能を追加して、入力信号
に対し正確な位相関係を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態について説明する
ためのシステム図。
【図2】図1を具体例について説明するための回路構成
図。
【図3】図2のBPFの特性を示した特性図。
【図4】図2の位相同期過程の動作を説明するためのベ
クトル図。
【図5】図2の静止ロック位相を説明するための特性
図。
【図6】この発明の第2の実施の形態について説明する
ためのシステム図。
【図7】この発明の第3の実施の形態について説明する
ためのシステム図。
【図8】図6と図7のgmフィルタの具体例について説
明するための回路構成図。
【図9】この発明の第4の他の実施の形態について説明
するためシステム図。
【図10】図9のロック位相について説明するためのベ
クトル図。
【図11】この発明の注入型発振器の自走発振周波数を
追尾調整する適用した例について説明するためのシステ
ム図。
【図12】図11の注入利得切換機能について説明する
ための回路構成図。
【符号の説明】
1…発振器、2,2a…アンプ、3,3a,3b…gm
フィルタ、4…入力端子、5…周波数制御端子、6a,
6b…出力端子、21…加算器、22…リミッタアン
プ、31,32,81,121…gmアンプ、33…バ
イアス電流源、71…Q制御回路、111…位相比較
器、112…LPF、Vin…注入信号、B1,B2…
バッファアンプ、m…減衰器、C1,C2…コンデン
サ、R…抵抗。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数制御端子を備えたトランスコンダ
    クタンス(gm)可変型のフィルタ回路と、 前記フィルタ回路の出力と注入信号とを入力し差あるい
    は和を増幅するアンプ回路と、 前記アンプ回路の出力を前記フィルタ回路に入力して発
    振ループを構成する手段と、 前記発振ループ内の任意のノードから発振出力を取り出
    す手段とからなることを特徴とする発振回路。
  2. 【請求項2】 アンプ回路は、フィルタ出力信号と注入
    信号を加算する加算回路と、加算出力をリミッタ増幅す
    るリミッタアンプとにより構成してなることを特徴とす
    る請求項1に記載の発振回路。
  3. 【請求項3】 周波数制御端子と注入信号入力端子を持
    つgm可変型のフィルタ回路と、 前記フィルタ回路の出力を入力して増幅するアンプ回路
    と、 前記アンプ回路の出力を前記フィルタ回路に入力して発
    振ループを構成する手段と、 前記発振ループ内の任意のノードから発振出力を取り出
    す手段とからなることを特徴とする発振回路。
  4. 【請求項4】 周波数制御端子と注入信号入力端子を持
    つgm可変型のフィルタ回路と、 前記フィルタ回路の出力振幅を検波してある所定振幅で
    あるか否かを検出する検出回路と、 前記検出回路の検出結果に基づき、前記フィルタ回路の
    Qを制御する制御手段と、 前記フィルタ回路の出力を、該フィルタ回路のフィルタ
    入力に帰還して発振ループを構成する手段と、 前記発振ループ内の任意のノードから発振出力を取り出
    す手段とからなることを特徴とする発振回路。
  5. 【請求項5】 gm可変型のフィルタ内部の交流接地端
    子を注入信号入力端子としたことを特徴とする請求項
    3,4のいずれかに記載の発振回路。
  6. 【請求項6】 gm可変型のフィルタ回路の内部ノード
    に対し、gmアンプまたは受動素子の加算回路を介して
    注入信号入力端子からの信号を注入したことを特徴とす
    る請求項3,4のいずれかに記載の発振回路。
  7. 【請求項7】 周波数制御端子を持つgm可変型のフィ
    ルタ回路と、 前記フィルタ回路の出力端子を入力端子に帰還して発振
    ループを構成する手段とを備え、 前記発振ループ内の任意のノードから発振出力を取り出
    し、前記周波数制御端子に注入信号を注入したことを特
    徴とする発振回路。
  8. 【請求項8】 gm可変型のフィルタ回路は、2個のg
    mアンプにより構成したものであって、前記各gmアン
    プの出力から発振出力を取り出したことを特徴とする請
    求項1,3,4,7のいずれかに記載の発振回路。
  9. 【請求項9】 注入信号に対し90度位相差を示す発振
    ループ内の信号と注入信号とを入力して位相比較する位
    相比較器と、 前記位相比較出力を平滑するLPFとを設け、 前記LPFの出力を周波数制御端子に接続したことを特
    徴とする請求項1,3,4,7のいずれかに記載の発振
    回路。
  10. 【請求項10】 注入信号の注入利得を制御する端子を
    備えた利得制御回路を備え、外部からの制御信号によ
    り、注入信号の利得を変えたことを特徴とする請求項
    1,3,4,7のいずれかに記載の発振回路。
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