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JPH11146778A - 発酵麦芽飲料及びその製造法 - Google Patents

発酵麦芽飲料及びその製造法

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Publication number
JPH11146778A
JPH11146778A JP9332311A JP33231197A JPH11146778A JP H11146778 A JPH11146778 A JP H11146778A JP 9332311 A JP9332311 A JP 9332311A JP 33231197 A JP33231197 A JP 33231197A JP H11146778 A JPH11146778 A JP H11146778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nigerooligosaccharide
malt
weight
storage stability
fermented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9332311A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Tanigawa
満 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP9332311A priority Critical patent/JPH11146778A/ja
Publication of JPH11146778A publication Critical patent/JPH11146778A/ja
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れた発酵麦芽飲料及びその製
造法を提供すること。 【解決手段】 麦芽と、麦芽に対して2.5〜100重
量%のニゲロオリゴ糖とを含有する発酵原料液を、酵母
により発酵させる。ニゲロオリゴ糖としては、グルコー
ス重合度2以上の糖を糖固形分中に50重量%以上含有
する糖水溶液からなる基質に、糖転移・縮合反応により
ニゲロオリゴ糖を生成する酵素を作用させて得られる、
ニゲロオリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上含有する
ニゲロオリゴ糖含有シラップを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保存安定性に優れた
発酵麦芽飲料及びその製造法に関し、詳しくはニゲロオ
リゴ糖を特定量含む発酵原料液を酵母により発酵させて
なる保存安定性に優れた発酵麦芽飲料及びその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の嗜好の多様化にともな
い、嗜好品のひとつであるビールを中心とする発酵麦芽
飲料においても多数の新商品が上市され、原料に従来使
用していない糖類を添加することで新しいタイプの香味
を有する発酵麦芽飲料を創製しようという試みはしばし
ば行われてきている。
【0003】特開平4−200378号公報には、ゲン
チオオリゴ糖及び/又はその還元処理物を糖質原料の一
つとして使用することにより、ホップに似た特有の苦味
を有すると共に、低カロリーで腸内ビフィズス菌及び乳
酸桿菌の増殖を活性化する機能を有するビールを醸成す
ることが記載されている。
【0004】また、特開平6−237750号公報に
は、もろみ、その発酵液及び発酵終了液のいずれかにサ
イクロデキストリンを添加するか、あるいは澱粉質副原
料を含むもろみにサイクロデキストリングルカノトラン
スフェラーゼを作用させサイクロデキストリンを生成さ
せてなる、香気成分の包接作用のあるサイクロデキスト
リンを含有する、後香に特徴を有し、味にコク味を有す
る発泡酒の製造法が記載されている。
【0005】さらに、特開平7−501045号公報に
は、グルコースが主としてα−1,6結合を有するイソ
マルトオリゴ糖(イソマルトース、イソマルトトリオー
ス、パンノース等)を麦汁、その発酵液及び発酵終了液
に添加する、コク味を増強させたビールの製造法が記載
されている。
【0006】その他、特開平7−143872号公報に
は、ニゲロース等のα−結合オリゴ糖及び苦みを有する
ゲンチオビオース等のβ−結合オリゴ糖を含有する酸糖
化ぶどう糖を使用するコク味がありながらさっぱりとし
た味を呈する3倍増醸清酒又は合成酒の製造方法が記載
されている。
【0007】他方、M.Stacey and J.
M.Webber:Methodsin Carboh
ydrate Chemistry,I,339−34
1,Academic Press(1962)には、
微生物の生産する多糖類である、ニゲラン、エルシナン
等を基質として、酵素或いは酸類などを用いて加水分解
してニゲロオリゴ糖を製造する方法が提案されている。
また公知のα−グルコシダーゼの糖転移・縮合反応を用
いてニゲロースを調製する方法も知られている(金谷憲
一他,日本農芸化学会誌,53,385−390(19
79)、H.Fujimoto et al.,Agr
ic.Biol.Chem.,52,1345−135
1(1988)など)。
【0008】そしてまた、特開平3−22958号公報
には、澱粉加水分解物に、サイクロデキストリン生成酵
素を作用させてニゲロースを製造する方法が開示されて
いる。さらに、特開平7−59559号公報には、α−
1,4グルコシド結合したポリサッカライドまたはオリ
ゴサッカライドを含む基質にα−1,3グルコシド結合
をもたらす糖転移酵素のうち1種または2種以上、具体
的にはアクレモニウム(Acremonium)属に属
し、α−1,3結合をもたらす糖転移酵素を生産する真
菌、例えば Acremonium sp. S4G1
3(FERMBP−4373)を常法に従い、培養する
ことによって調製される糖転移酵素を作用させてニゲロ
オリゴ糖を製造する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決すべき課題】ビール等の発酵麦芽飲料は、
その保存状態にもよるが、製造日から日数が経過するに
したがって、酸化臭と呼ばれる好ましくない臭いを呈す
ることがあり、その保存安定性の向上が希求されてい
た。そして、上記のように原料に従来使用していない糖
類を添加することで新しいタイプの香味を有する発酵麦
芽飲料等を創製しようという試みはしばしば行われてき
ているものの、発酵原料液に従来使用していない糖類を
利用することでビール等の発酵麦芽飲料の保存安定性を
向上させることは知られていなかった。本発明の課題
は、保存安定性に優れた発酵麦芽飲料及びその製造法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意研究し、発酵麦芽飲料の原料発酵液
に高濃度のニゲロオリゴ糖含有シラップを添加して酵母
により発酵させたたところ、保存安定性に優れた発酵麦
芽飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0011】すなわち本発明は、麦芽と、麦芽に対して
2.5〜100重量%、好ましくは10〜75重量%の
ニゲロオリゴ糖を含有する発酵原料液を、酵母により発
酵させることにより得られる保存安定性に優れた発酵麦
芽飲料やニゲロオリゴ糖を1リットル当たり3〜70g
含有する保存安定性に優れた発酵麦芽飲料に関する。
【0012】また本発明は、麦芽と、麦芽に対して2.
5〜100重量%、好ましくは10〜75重量%のニゲ
ロオリゴ糖とから調製された発酵原料液を、酵母により
発酵させることを特徴とする保存安定性に優れた発酵麦
芽飲料の製造法に関する。
【0013】さらに本発明は、ニゲロオリゴ糖として、
グルコース重合度2以上の糖を糖固形分中に50重量%
以上含有する糖水溶液からなる基質に、糖転移・縮合反
応によりニゲロオリゴ糖を生成する酵素を作用させて得
られる、ニゲロオリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上
含有するニゲロオリゴ糖含有シラップを用いる上記保存
安定性に優れた発酵麦芽飲料及びその製造法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、「発酵麦芽飲
料」とは、麦芽とニゲロオリゴ糖と、必要に応じてさら
に他の澱粉原料を含有する発酵原料液を調製し、それを
酵母により発酵させた飲料であればいかなるものでもよ
い。また、上記発酵麦芽飲料の製造原料として、通常ビ
ールでは使用することを義務付けられているホップを使
用することが望ましい。
【0015】また、上記発酵麦芽飲料の製造原料である
麦芽としては特に制限はないが、黒ビールの製造原料で
ある焙煎した麦芽など特殊な麦芽を使用するよりも、淡
色の発酵麦芽飲料の製造原料である通常の麦芽を使用す
る方が、保存安定性の発現という本発明の効果の点で好
ましい。
【0016】本発明において、「ニゲロオリゴ糖」と
は、ニゲロース、ニゲロシルグルコース、ニゲロシルマ
ルトースなどのように、少なくとも1つ以上のα−1,
3グルコシド結合を含むグルコース重合度2以上のオリ
ゴ糖を意味し、好ましくはグルコース重合度2〜10の
オリゴ糖、より好ましくは重合度2〜7のオリゴ糖であ
る。また本発明における「ニゲロオリゴ糖」には、α−
1,3グルコシド結合のみからなるオリゴ糖の他に、α
−1,3グルコシド結合とそれ以外の結合(例えばα−
1,1、α−1,2、α−1,4、α−1,6グルコシ
ド結合など)とからなるオリゴ糖も包含される。
【0017】原料発酵液におけるニゲロオリゴ糖の含有
量は、麦芽に対して2.5〜100重量%、好ましくは
10〜75重量%であり、2.5重量%より少ないと保
存安定性の効果が発揮されず、100重量%より多く添
加しても保存安定性の向上が望めない上に、ニゲロオリ
ゴ糖の添加濃度を高くすると、同じエキス濃度の麦汁中
では相対的に酵母資化性の高い糖類が減り、製品の香味
バランスが崩れてしまうことになる。また、10〜75
重量%の範囲で用いると、より優れた保存安定性の他
に、風味・香味の点でもより好ましい結果が得られる。
そして、ビール酵母はニゲロオリゴ糖を資化しないか
ら、原料発酵液において麦芽に対して2.5重量%のニ
ゲロオリゴ糖を添加し酵母により発酵すると、製品発酵
麦芽飲料1リットル当たり3gのニゲロオリゴ糖が含ま
れることになり、また同様に、麦芽に対して100重量
%のニゲロオリゴ糖を添加した場合は、製品発酵麦芽飲
料1リットル当たり70gのニゲロオリゴ糖が含まれる
ことになる。
【0018】本発明に用いられるニゲロオリゴ糖は、前
記した従来から知られているいずれの方法で製造したも
のでもよい。ニゲロオリゴ糖の調製方法のうち、M.S
tacey and J.M.Webber:Meth
ods in Carbohydrate Chemi
stry,I,339−341,AcademicPr
ess(1962)に記載された方法は、ニゲラン、エ
ルシナン等が非常に高価であることから、工業的に安価
に大量生産する方法としては適していない。また公知の
α−グルコシダーゼの糖転移・縮合反応を用いてニゲロ
ースを調製する方法においては、ニゲロオリゴ糖の生成
量が少量であり好ましくない。
【0019】そしてまた、特開平3−22958号公報
に開示された方法は、通常の50倍以上のサイクロデキ
ストリン生成酵素が必要とされ、しかもニゲロオリゴ糖
の生成量が少なく有利な方法とはいえない。現在までに
知られている方法の中で最も経済的な面で優れていると
考えられるのは、前記特開平7−59559号公報に記
載された糖転移酵素(ニゲロオリゴ糖生成酵素)を用い
る方法である。
【0020】さらに、高濃度のニゲロオリゴ糖の調製方
法としては、特願平8−145172号明細書に記載さ
れているように、澱粉糖化液にα−アミラーゼ、β−ア
ミラーゼ、オリゴ糖生成アミラーゼ、枝切り酵素から選
ばれた1種又は2種以上を作用させて得られる、グルコ
ース重合度2以上の糖を糖固形分中に50重量%以上含
有する糖水溶液からなる基質に、上記特開平7−595
59号公報に開示されているような糖転移・縮合反応に
よりニゲロオリゴ糖を生成する酵素を作用させて、ニゲ
ロオリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上生成させる方
法を挙げることができる。そして、このようにして得ら
れるニゲロオリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上含有
するシラップを用いると、保存安定性においてより好ま
しい結果が得られる。
【0021】また、特願平8−145172号明細書に
記載されているように、澱粉糖化液にα−アミラーゼ、
β−アミラーゼ、オリゴ糖生成アミラーゼ、枝切り酵素
から選ばれた1種又は2種以上と、糖転移・縮合反応に
よりニゲロオリゴ糖を生成する酵素とを同時に作用させ
て、ニゲロオリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上生成
させる方法を採用することも同様に好ましい。
【0022】このような方法で調製される糖類(シラッ
プ)中には、ニゲロース、ニゲロシルグルコース、ニゲ
ロシルマルトース等のように、少なくとも1種以上のα
−1,3グルコシド結合を含むグルコース重合度2以上
のオリゴ糖(ニゲロオリゴ糖)の他に、グルコース等の
単糖類、α−1,3結合以外の結合からなる各種オリゴ
糖(マルトース等)あるいはデキストリンなども含有し
ている場合があるが、ニゲロオリゴ糖が含有されていれ
ば本発明に使用可能である。また、ニゲロオリゴ糖がニ
ゲロース単独であってももちろん使用できるし、重合度
の異なる混合オリゴ糖を含むものであってもよいし、必
要に応じて所望の単一重合度を有するオリゴ糖を分離
(クロマト分画法などによる)して用いることもでき
る。
【0023】また、必要に応じてニゲロオリゴ糖含有シ
ラップをさらに精製して、その含量を高めたものも使用
することもできる。精製の方法としては、例えば、ニゲ
ロオリゴ糖含有シラップにアルコール類等の有機溶媒を
添加してオリゴ糖類を沈殿分別する方法、活性炭カラ
ム、ゲル濾過等の分子量による分離法を採用したクロマ
トグラフィー、あるいはイオン交換樹脂を用いたクロマ
ト分画によりニゲロオリゴ糖以外の糖類を除去する方
法、シラップに酵母を添加して発酵性糖類を資化させる
方法等を挙げることができる。さらに、用いられるニゲ
ロオリゴ糖の形態は上記のシラップ状の他、凍結乾燥
状、粉末状、顆粒状など任意の形態でよい。
【0024】本発明において使用される「酵母」として
は、通常のビール醸造に用いられるビール酵母等を使用
することができる。また、本発明において「酵母資化性
の他の澱粉原料」としては、麦芽やニゲロオリゴ糖含有
シラップ等に含まれる糖質以外のもの、例えばコーンス
ターチ、米澱粉又はこれらの酵素作用等による処理物を
例示することができる。
【0025】ビール等の発酵麦芽飲料は、その保存状態
にもよるが、製造日から日数が経過するにしたがって、
いわゆる酸化臭と呼ばれる好ましくない臭いを呈するこ
とはよく知られている。本発明において「保存安定性」
とは、ビール等の発酵麦芽飲料が保存中に成分変化を起
こすことにより生じる酸化臭の発生を遅延させ、またそ
の程度を軽減させる性質をいい、したがって保存安定性
のよい発酵麦芽飲料ほど、酸化臭が製造日からより遅く
発生し、また酸化臭の程度がより小さいといえる。
【0026】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1(ニゲロオリゴ糖の調製) コーンスターチを常法によりα−アミラーゼを用いて液
化させ、濃度30重量%、グルコース当量7の澱粉液化
液を調製した。次いでこの澱粉液化液をpH5に調整し
た後、原料としたコーンスターチ1重量部に対して0.
001重量部のβ−アミラーゼ(商品名「β−アミラー
ゼ1500」ナガセ生化学工業株式会社製)と、0.0
001重量部のイソアミラーゼ(林原生化学研究所株式
会社製)とを添加して、55℃で24時間反応させて基
質を調製した。この基質に、特開平7−59559号公
報に記載の方法で調製したアクレモニウムsp.S4G
13株( Acremonium sp.S4G13、FERM BP−43
73)が生産するニゲロオリゴ糖生成酵素を0.8単位
/g基質の量で添加して、55℃の条件下に48時間反
応させて、糖固形分約74%のニゲロオリゴ糖含有シラ
ップを得た。得られたニゲロオリゴ糖含有シラップの糖
組成を分析し、その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】なお、表中の数値は、糖固形分当たりの重
量%を示す。また、三糖類、四糖類以上の糖類中のかっ
こ内は、糖固形分当たりのニゲロオリゴ糖含有量を示し
ている。したがって、ニゲロオリゴ糖の含有総量は、ニ
ゲロース、三糖類、四糖類以上のニゲロオリゴ糖の合計
量である。
【0029】実施例2 通常の麦芽に対して副原料として実施例1で得られたニ
ゲロオリゴ糖含有シラップ41重量%(麦芽に対してニ
ゲロオリゴ糖約10重量%)を添加して約11°P(プ
ラトー度)の麦汁を使用した以外は、全く通常のビール
製造と同様に主発酵、後発酵を行い、本発明の発酵麦芽
飲料を得た。この発酵麦芽飲料の真正発酵度は61%、
真正エキスは4.3%であった。ニゲロオリゴ糖を添加
した麦汁、及び製品発酵麦芽飲料中の糖分析値を表2に
示す。
【0030】
【表2】
【0031】麦汁及び製品発酵麦芽飲料中のニゲロオリ
ゴ糖の合計量は、麦芽由来の未知物質が多く測定するこ
とができなかったが、表2の「その他」の項目中の約半
分はニゲロオリゴ糖と考えられる。
【0032】比較例1 ニゲロオリゴ糖をハイマルトースMC55(日本食品化
工株式会社製)に代えた以外は実施例1同様に製造し
た。真正発酵度は66%、真正エキスは3.7%であっ
た。ハイマルトースMC55の物性を表3に示す。ま
た、ハイマルトースMC55を添加した麦汁、及び製品
発酵麦芽飲料中の糖分析値を表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】(保存安定性の評価)実施例2で得られた
発酵麦芽飲料及び比較例1で得られた発酵麦芽飲料を2
5℃で2ヶ月間暗所で保存後試料とし、保存安定性の評
価を熟練したパネラー10名の官能検査により実施し
た。各パネラーは各試料を試飲し、1点(酸化臭を感じ
ない)、2点(酸化臭を弱く感じる)、3点(酸化臭を
やや強く感じる)、4点(酸化臭を強く感じる)で評点
し、その平均値を求めたところ、実施例2で得られた本
発明の発酵麦芽飲料は「2.3」であるのに対し、比較
例1で得られた発酵麦芽飲料は「3.4」であり、本発
明の麦芽飲料が比較例のものに比べて、保存安定性にお
いて優れていることが明確になった。
【0036】実施例3 通常の麦芽に対して副原料として実施例1で得られたニ
ゲロオリゴ糖含有シラップ301重量%(麦芽に対して
ニゲロオリゴ糖約73.5重量%)を添加して11°P
の麦汁を使用した以外は、全く通常のビール製造と同様
に主発酵、後発酵を行い、本発明の発酵麦芽飲料を得
た。この発酵麦芽飲料の真正発酵度は57%、真正エキ
スは4.7%であった。
【0037】比較例2 ニゲロオリゴ糖をハイマルトースMC55(日本食品化
工社製)に変えた以外は実施例3同様に製造した。真正
発酵度は71%、真正エキスは3.2%であった。
【0038】(保存安定性の評価)実施例3で得られた
発酵麦芽飲料及び比較例2で得られた発酵麦芽飲料を2
5℃で2ヶ月間暗所で保存後試料とし、保存安定性の評
価を熟練したパネラー10名の官能検査により実施した
ところ、上記とほぼ同様の結果が得られ、本発明の麦芽
飲料が比較例のものに比べて、保存安定性において優れ
ていることが明確になった。
【0039】
【発明の効果】本発明によると、特定量のニゲロオリゴ
糖を含有する発酵原料液を酵母により発酵することによ
り、保存安定性に優れた発酵麦芽飲料が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 麦芽と、麦芽に対して2.5〜100重
    量%のニゲロオリゴ糖とを含有する発酵原料液を、酵母
    により発酵させて得られることを特徴とする保存安定性
    に優れた発酵麦芽飲料。
  2. 【請求項2】 ニゲロオリゴ糖として、グルコース重合
    度2以上の糖を糖固形分中に50重量%以上含有する糖
    水溶液からなる基質に、糖転移・縮合反応によりニゲロ
    オリゴ糖を生成する酵素を作用させて得られる、ニゲロ
    オリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上含有するニゲロ
    オリゴ糖含有シラップを用いることを特徴とする請求項
    1記載の保存安定性に優れた発酵麦芽飲料。
  3. 【請求項3】 麦芽と、麦芽に対して2.5〜100重
    量%のニゲロオリゴ糖とを含有する発酵原料液を、酵母
    により発酵させることを特徴とする保存安定性に優れた
    発酵麦芽飲料の製造法。
  4. 【請求項4】 ニゲロオリゴ糖として、グルコース重合
    度2以上の糖を糖固形分中に50重量%以上含有する糖
    水溶液からなる基質に、糖転移・縮合反応によりニゲロ
    オリゴ糖を生成する酵素を作用させて得られる、ニゲロ
    オリゴ糖を糖固形分中に30重量%以上含有するニゲロ
    オリゴ糖含有シラップを用いることを特徴とする請求項
    3記載の保存安定性に優れた発酵麦芽飲料の製造法。
  5. 【請求項5】 ニゲロオリゴ糖を1リットル当たり3〜
    70g含有することを特徴とする保存安定性に優れた発
    酵麦芽飲料。
JP9332311A 1997-11-18 1997-11-18 発酵麦芽飲料及びその製造法 Pending JPH11146778A (ja)

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