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JPH1113250A - 耐汚染性に優れた幕板 - Google Patents

耐汚染性に優れた幕板

Info

Publication number
JPH1113250A
JPH1113250A JP16303797A JP16303797A JPH1113250A JP H1113250 A JPH1113250 A JP H1113250A JP 16303797 A JP16303797 A JP 16303797A JP 16303797 A JP16303797 A JP 16303797A JP H1113250 A JPH1113250 A JP H1113250A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
group
fluororesin
modesty panel
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16303797A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Morita
浩 森田
Takashi Takayanagi
敬志 高柳
Bunji Uchino
文二 内野
Tamiyuki Yamano
民幸 山野
Hiromitsu Haraguchi
博光 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP16303797A priority Critical patent/JPH1113250A/ja
Publication of JPH1113250A publication Critical patent/JPH1113250A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】建築物外観の意匠を損なう雨すじ汚れが発生し
にくい幕板を提供する。 【解決手段】4官能加水分解性シラン化合物の多量体の
配合された塗料などを塗装することによって、水の接触
角が65°以下である親水性塗膜を形成した耐汚染性に
優れた幕板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性に優れた
幕板に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物、特に戸建て住宅は、施工の簡便
さ、意匠性の向上などの目的から、外壁にサイディング
材を用いることが多くなっている。また、サイディング
材を用いた建築物は、上下方向の板の隙間をうめる目
的、あるいは、意匠上のアクセントなどの目的で横に長
く張った板、いわゆる幕板(または、建築用胴差し、破
風、はなかくしと呼ばれることもある)が使われること
が多い。
【0003】また、建築物は、汚れ、特に雨水が流れ落
ちた跡に黒っぽくすじ状に発生する汚れ(以下、雨すじ
汚れという)を防止するために、ひさし、笠木などの構
造的な対策を施していることが多い。一方、幕板は、1
階と2階の中間部分など、建物の中心部分に施工される
ことが多い。また、幕板は、その大きさ、設置目的、構
造上から、雨水を板面以外の方向に逃がして流すことが
困難である場合が多い。したがって、幕板部分に雨すじ
汚れが発生し、建築物の外観を損ねることが度々ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決しようとするものである。すなわち、設計、構
造、施工などに影響されることなく、雨すじ汚れの発生
を低減させた幕板を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は水の接触角が6
5°以下である親水性塗膜が形成された幕板である。
【0006】
【発明の実施の形態】
[幕板]本発明における幕板としては、通常幕板または
建築用胴差しなどとして呼ばれるものであって、特にそ
の構造、材質などによる制約を受けるものではない。材
質は、樹脂系、金属系およびセメント系などの材料があ
るが、重量、耐久性、成形性などの観点から、セメント
系のものが好ましく使用される。
【0007】[親水性塗膜の形成方法]水の接触角が6
5°以下である親水性塗膜は、テトラアルコキシシラン
の部分縮合物を加水分解させたいわゆるシリカゾルを塗
装し、シリカ系の薄い塗装を施すことにより、または塗
装により親水性の塗膜を形成可能な塗料を塗装すること
により形成できる。
【0008】水の接触角が65°以下である親水性塗膜
を形成可能な塗料としては以下の塗料などが例示され
る。ポリエチレングリコールやその変性体などの親水性
物質を添加した塗料。テトラアルコキシシランの部分縮
合物など、塗膜形成後に反応により塗膜に親水性を与え
る添加物を添加した塗料。カルボン酸化合物をフッ素化
ビニルエーテルなどでブロックさせた化合物のように、
塗膜形成後分解(解離)により親水性の基を表面に残す
化合物を添加した塗料。皮膜形成性樹脂の一部または全
部に親水性の基(ポリエチレングリコール鎖、カルボン
酸塩またはスルホン酸塩が末端にある基など)を導入し
た塗料。
【0009】塗膜の耐久性、耐水性、効果の持続性など
を考慮するとテトラアルコキシシランの部分縮合物な
ど、塗膜形成後に反応により塗膜に親水性を与える添加
物を添加した塗料が好ましい。有機系の親水性物質を添
加した場合には、長期的に見ると分解したり雨に流され
たりして効果が低下することがある。また、皮膜形成性
樹脂に親水性の基を導入したものは、塗膜の耐水性が低
下し、エフロなどが発生しやすく好ましくない。
【0010】また、使用される塗料としてはフッ素樹脂
塗料が耐候性の観点から好ましく、特に皮膜形成性樹脂
は官能基含有フッ素樹脂であることが総合的な塗膜性能
の点から好ましい。
【0011】官能基含有フッ素樹脂(a)(以下単に樹
脂(a)という)としては、特に限定されずに広範囲の
ものが使用でき、塗料用フッ素樹脂として知られるフル
オロオレフィンおよびこれと共重合可能な単量体を共重
合して得られる樹脂(a)が溶剤に対する溶解性、塗膜
の耐候性、塗装作業性などの点から好ましい。
【0012】フルオロオレフィンとしてはテトラフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピ
レン、ペンタフルオロプロピレンなどの炭素数2または
3のフルオロオレフィンが挙げられる。
【0013】このフルオロオレフィンと共重合可能な単
量体としては、ビニルエーテル、カルボン酸ビニルエス
テル、アリルエーテル、カルボン酸アリルエステル、イ
ソプロペニルエーテル、カルボン酸イソプロペニルエス
テル、メタリルエーテル、カルボン酸メタリルエステ
ル、α−オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステルなどから選ばれる1種以上の単量体が挙げら
れる。
【0014】ビニルエーテルとしては、エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニル
エーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)などのアルキルビニル
エーテルが例示される。カルボン酸ビニルエステルとし
ては分岐状のアルキル基を有するベオバ−10(シェル
化学製商品名)、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸
ビニル、バーサチック酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエス
テルが例示される。
【0015】アリルエーテルとしては、エチルアリルエ
ーテル、シクロヘキシルアリルエーテルなどのアルキル
アリルエーテルが例示される。カルボン酸アリルエステ
ルとしては、プロピオン酸アリル、酢酸アリルなどの脂
肪酸アリルエステルが例示される。イソプロペニルエー
テルとしてはメチルイソプロペニルエーテルなどのアル
キルイソプロペニルエーテルが例示される。α−オレフ
ィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレンな
どが例示される。
【0016】フルオロオレフィンの共重合割合が少なす
ぎると、耐候性塗料として充分に優れた耐候性が発揮さ
れない。また、フルオロオレフィンの共重合割合が多す
ぎると、溶剤への溶解性や光沢、顔料分散性などが低下
する。したがって、樹脂(a)としては、フルオロオレ
フィンに基づく重合単位を30〜70モル%の割合、特
には40〜60モル%の割合、で含む樹脂であることが
好ましい。
【0017】樹脂(a)はフルオロオレフィンの他に上
述のような化合物が共重合されていることが、溶剤に対
する溶解性などの面から好ましい。特にビニルエーテ
ル、カルボン酸ビニルエステル、アリルエーテル、カル
ボン酸アリルエステルがフルオロオレフィンとの共重合
性に優れる点から好ましい。なかでも、炭素数1〜10
の直鎖状、分岐状または脂環状のアルキル基を有するア
ルキルビニルエーテル、脂肪酸ビニルエステル、アルキ
ルアリルエーテル、脂肪酸アリルエステルがより好まし
い。
【0018】樹脂(a)は、上記のような共重合成分の
他に、硬化剤(b)と架橋反応しうる官能基を有するた
めにより強靭な塗膜が得られる。この官能基としては、
イソシアネート系硬化剤やアミノプラスト系硬化剤など
と反応しうる活性水素含有基、例えば水酸基、アミノ
基、アミド基、カルボキシル基などが例示される。ま
た、それ以外にエポキシ基、ハロゲン原子、二重結合な
どの官能基も例示される。好ましくは活性水素含有基で
あり、特に好ましくは水酸基である。また、官能基とし
てトリアルコキシシリル基などの加水分解性シリル基を
有するフッ素樹脂は特に硬化剤を使用しなくとも三次元
的な架橋塗膜を形成できる。
【0019】このような官能基の導入方法としては、重
合にあずかる二重結合以外の官能基を有する単量体、例
えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシブ
チルアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエ
ーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ウンデセン
酸、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエー
テル、ビニルトリエトキシシランなどを共重合せしめる
方法がある。
【0020】また、共重合体を変性せしめることにより
官能基を導入する方法、例えば、水酸基またはエポキシ
基に、無水コハク酸のような多塩基酸無水物を反応せし
めてカルボキシル基を導入する方法、イソシアネートア
ルキルメタクリレートなどを反応せしめて二重結合を導
入する方法、イソシアネートアルキルトリアルコキシシ
ランを反応させて加水分解性シリル基を導入する方法で
も官能基を導入できる。官能基を有する共重合単位は、
共重合体中2〜40モル%含まれていることが好まし
い。
【0021】こうした塗料用フッ素樹脂としては、例え
ば商品名ルミフロン(旭硝子製)、セフラルコート(セ
ントラル硝子製)、ザフロン(東亞合成化学工業製)、
ゼッフル(ダイキン工業製)、フルオネート(大日本イ
ンキ化学工業製)、フローレン(日本合成ゴム製)など
として市販されているものを使用できる。
【0022】[硬化剤(b)]硬化剤(b)としては樹
脂(a)を架橋しうるものであれば特に限定されない。
常温で樹脂(a)と架橋反応するものとしては、多価イ
ソシアネート化合物や多塩基酸が例示される。また、一
液塗料として焼き付け塗装に使用する硬化剤としては、
アミノプラスト系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬
化剤などを挙げられる。この硬化剤(b)が樹脂(a)
と架橋することによって優れた物性を有する硬化塗膜を
形成される。
【0023】アミノプラスト系硬化剤としては、メチロ
ールメラミン類、メチロールグアナミン類、メチロール
尿素類などを使用できる。メチロールメラミン類として
は、ブチル化メチロールメラミン、メチル化メチロール
メラミンなどの低級アルコールによりエーテル化された
メチロールメラミン、エポキシ変性メチロールメラミン
などが例示される。メチロール尿素類としては、メチル
化メチロール尿素、エチル化メチロール尿素などのアル
キル化メチロール尿素などが例示される。アミノプラス
ト系硬化剤を用いた場合、酸性触媒の添加により架橋反
応の促進もできる。
【0024】ブロックイソシアネート系硬化剤として
は、多価イソシアネート化合物のブロック化物がある。
多価イソシアネート化合物は、2以上のイソシアネート
基を有する化合物であり、またその変性体や多量体から
なる2以上のイソシアネート基を有する化合物であって
もよい。
【0025】多価イソシアネート化合物としては、具体
的にはエチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシア
ネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族多価イソ
シアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、ジイソシアネー
トメチルシクロヘキサンなどの脂環族多価イソシアネー
ト化合物、およびm−キシレンジイソシアネート、p−
キシレンジイソシアネートなどの無黄変性芳香族イソシ
アネート化合物が例示できる。
【0026】多価イソシアネート化合物の変性体や多量
体としては、例えばウレタン変性体、ウレア変性体、イ
ソシアヌレート変性体、ビューレット変性体、アロファ
ネート変性体、カルボジイミド変性体などと呼ばれてい
るものがある。特に3量体であるイソシアヌレート変性
体やトリメチロールプロパンなどの多価アルコールとの
反応生成物であるウレタン変性体などが好ましい。
【0027】好ましい多価イソシアネート化合物として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネートなどの無黄変性イソシアネート類やこれら
の多量化物などが挙げられる。
【0028】多価イソシアネート化合物やブロックイソ
シアネート化合物を用いた場合、ジブチル錫ジラウレー
トなどの公知の触媒の添加により架橋反応の促進もでき
る。
【0029】また、多塩基酸としては、長鎖脂肪族ジカ
ルボン酸類、芳香族多価カルボン酸類などが有用であ
り、その酸無水物も有用である。
【0030】[塗膜形成後に反応により塗膜に親水性を
与える添加物]塗膜形成後に反応により塗膜に親水性を
与える添加物としては、4官能加水分解性シラン化合物
またはその多量体が好ましい。特に多量体は、少量の添
加で機能が発揮されるため好ましい。4官能加水分解性
シラン化合物は4個の加水分解性基がケイ素原子に直接
結合した化合物である。多量体はこの化合物を縮合によ
り多量化したものである(以下、多量体(c)とい
う)。
【0031】加水分解性基としては、アルコキシ基、ア
ルコキシアルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキ
シ基、アミノキシ基、アミド基、ケトオキシム基、イソ
シアネート基、ハロゲン原子などが例示される。好まし
くはアルコキシ基、アルコキシアルコキシ基などの1価
アルコールの水酸基の水素原子を除いた基である。特に
アルコキシ基が好ましく、その炭素数は4個以下、特に
1〜2個が好ましい。
【0032】多量体(c)は、含フッ素塗料用組成物中
でゲル状生成物を生成しない多量化度のものである。ま
た多量体(c)は、溶剤に可溶な多量化度の化合物また
は液状の化合物である。ここで、多量化度とは4官能加
水分解性シラン化合物の縮合分子数を意味する。
【0033】多量体には直鎖状、分枝状、環状、網目状
構造を持つものがあり、通常は直鎖状構造を持つものま
たは直鎖状構造を持つものに分枝状、環状、網目状構造
を持つものが含まれている混合物であると考えられる。
本発明で用いる多量体(c)はこれらの構造を持つもの
をそれぞれ単独で使用してもよく、これらの構造を持つ
ものの混合物として使用してもよい。
【0034】好ましい多量体(c)としては、テトラア
ルコキシシランの多量体が挙げられる。これを直鎖状構
造を持つものとして示せば、一般式RO(Si(OR)
2 O)n Rで表される。
【0035】一般式中、nは多量体の多量化度を表す。
通常入手できる多量体はnが異なる多量体の混合物であ
る。一般式中、Rとしては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などの低級アルキル基が例示される。
アルコキシ基の加水分解性、縮合性などの面から、Rが
メチル基であるテトラメトキシシランの多量体またはR
がエチル基であるテトラエトキシシランの多量体が好ま
しい。少量で効果を発現し、他の塗膜特性の低下をおこ
すことなく雨すじ汚れ発生の防止効果を有する点からは
メチル基が特に好ましい。複数のRは1分子中で異なっ
ていてもよい。
【0036】テトラアルコキシシランなどの4官能加水
分解性シラン化合物およびその多量体の多量化の程度を
「シリカ分」で表すこともある。「シリカ分」とは、そ
の化合物から生成するシリカ(SiO2 )の重量割合を
いい、その化合物を完全に加水分解し焼成して生成する
シリカの量を測定することにより得られる。
【0037】また、「シリカ分」はその化合物1分子に
対してその1分子から生成するシリカの割合を示すもの
であり、式[シリカ分(重量%)=多量化度×(SiO
2 の分子量)×100/(その化合物の分子量)]で計
算される値である。
【0038】本発明においては、多量体(c)としてG
PC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による
重量平均分子量Mw と数平均分子量Mn の比(Mw /M
n )が2以上であるものを使用することが重要である。
【0039】Mw /Mn の小さいものは、樹脂(a)や
硬化剤(b)と相溶性が高まるため、比較的多量の多量
体(c)を配合しないと雨すじ汚れ防止効果が達成され
ない。また、塗膜内部に残留した多量体(c)が塗膜の
硬化性に悪い影響を与え、耐溶剤性などを低下させた
り、塗膜の機械的物性を低下させることがあるため、好
ましくない。より好ましくは、Mw /Mn が2〜3のも
のである。
【0040】また、多量体の分子量は、Mn では500
以上、Mw では1000以上のものが好ましい。より好
ましくは、Mn で500〜1000のもの、また、Mw
で1000〜3000のものである。
【0041】[溶媒(d)]本発明の組成物は、樹脂
(a)、多量体(c)および必要により硬化剤(b)を
溶解または分散できる溶媒(d)とともに使用できる。
例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
などのケトン類、酢酸ブチル、酢酸エチルなどのエステ
ル類、キシレン、トルエンなどの芳香族系溶剤、さらに
は、脂肪族系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤、水な
どが例示される。これらの溶媒は2種以上併用してもよ
い。本発明の組成物は、樹脂(a)、多量体(c)およ
び必要により硬化剤(b)を有機溶媒または水性媒体に
分散させたものでもよい。
【0042】[組成割合]本発明の組成物中の樹脂
(a)、硬化剤(b)、多量体(c)の含有割合は樹脂
(a)100重量部に対して硬化剤(b)0〜100重
量部、多量体(c)0.1〜100重量部の割合が好ま
しい。硬化剤の含有割合が100重量部を超える場合は
加工性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。特に好
ましい割合は樹脂(a)100重量部に対して硬化剤
(b)1〜50重量部、多量体(c)1〜50重量部の
割合である。
【0043】樹脂(a)が水酸基含有フッ素樹脂の場
合、ブロックイソシアネート系硬化剤または多価イソシ
アネート化合物の含有割合は水酸基含有フッ素樹脂の水
酸基1モルに対してイソシアネート基が0.8モル以上
になるように使用することが好ましい。0.8モルより
小さいと被覆用組成物の硬化が不充分となり耐溶剤性な
どが低下することがあり好ましくない。特に、1.1モ
ル以上になると雨すじ汚れ発生の防止効果が増大して好
ましい。
【0044】上限は特に限定されないが、未反応のイソ
シアネート基が塗膜中に残存し、耐候性その他の性能に
悪影響を起こすことがあるため、好ましくは2.0以
下、さらに好ましくは1.2〜1.6である。
【0045】多量体(c)がテトラメトキシシランの多
量体やテトラエトキシシランの多量体の場合は、その含
有割合は樹脂(a)100重量部に対してそれぞれ1〜
50重量部の割合であることが好ましい。含有割合が1
重量部未満では目的の雨すじ汚れ発生の防止効果が低
く、50重量部を超えると塗膜の硬化不良を引き起こし
やすく好ましくない。
【0046】[他の配合物]幕板表面に形成された親水
性の塗膜を形成可能な塗料の塗膜表面付近で多量体
(c)が加水分解を起こすと考えられる。この加水分解
を促進する触媒を使用してもよい。このような触媒とし
て金属キレート、金属エステル、金属アルコキシドなど
の金属化合物触媒が用いられ、金属としてはアルミニウ
ム、チタン、ケイ素、錫、亜鉛などが挙げられる。
【0047】具体的には、アルミニウムモノアセチルア
セトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニ
ウムトリス(アセチルアセトネート)などが挙げられ
る。使用量は多量体(b)100重量部に対して0.1
〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0048】本発明における塗料組成物は、上記成分の
他に硬化触媒、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリ
ング剤、つや消し剤、界面活性剤、タレ防止剤または塗
膜の付着性向上のためのシランカップリング剤などが含
まれていてもよい。また雨すじ汚れ発生防止に支障ない
範囲で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、シリコーン樹脂などの他の塗料用樹脂を併用しても
よい。
【0049】かかる塗料組成物は、通常の塗装方法、例
えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、フロー
コーターによる塗装など特に塗装方法に限定なく塗装で
きる。また、工場で塗装してもよく、施工の済んだ建築
物の幕板に現地で塗装してもよい。
【0050】
【実施例】
「例1(実施例)」水酸基を有するフッ素樹脂(クロロ
トリフルオロエチレン/シクロヘキシルビニルエーテル
/エチルビニルエーテル/ヒドロキシブチルビニルエー
テル=50/15/25/10モル%の共重合体)のキ
シレン溶液(固形分60重量%、水酸基価50mgKO
H/g)167重量部に、テトラメトキシシランの多量
体[シリカ分56重量%、GPCによるMn が760、
w が1820、Mw /Mnが2.4]5重量部、アル
ミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセト
アセテート)0.5重量部を添加し均一に混合した。さ
らに、多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン製
コロネート−HX:NCO含量21.3重量%)18.
5重量部と酢酸ブチルを添加してフッ素樹脂濃度を35
重量%に調整して、塗料用組成物(以下、塗料用組成物
1という)を得た。
【0051】無石綿石膏ボードからなり、ポリウレタン
系白色塗料の塗装された幕板を試験用壁面に設置した。
この幕板部分の一部に塗料用組成物1を刷毛を用いて塗
装した。3ヶ月後に塗料用組成物1の塗装されていない
幕板部分に雨すじ汚れが発生したが、塗料用組成物1を
塗装した幕板は6ヶ月経過しても雨すじ汚れは発生しな
かった。なお、塗料用組成物1を塗装した幕板における
塗膜の水の接触角は47°であった。
【0052】「例2(実施例)」水酸基を有するフッ素
樹脂(クロロトリフルオロエチレン/シクロヘキシルビ
ニルエーテル/エチルビニルエーテル/ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル=50/15/25/10モル%の共
重合体)のキシレン溶液(固形分60重量%、水酸基価
50mgKOH/g)167重量部に、酸化チタン(石
原産業製CR−93)80重量部、酢酸ブチル83重量
部を混合し、ペイントシェーカーにて撹拌し、均一な溶
液とした。
【0053】この溶液に、テトラメトキシシランの多量
体[シリカ分59重量%、GPCによるMn が810、
w が1820、Mw /Mn が2.2]5重量部、酸化
チタン(石原産業製CR−90)43重量部、アルミニ
ウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセ
テート)0.5重量部を添加し均一に混合した。さら
に、多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン製コ
ロネート−HX:NCO含量21.3重量%)18.5
重量部と酢酸ブチルを添加してフッ素樹脂濃度を35重
量%に調整して、塗料用組成物(以下、塗料用組成物2
という)を得た。
【0054】無石綿石膏ボードからなる幕板に、エポキ
シ系下塗り材を塗装し、塗料用組成物2を塗装した。こ
の塗装物を100℃にて10分間乾燥させた後、試験用
壁面に設置した。この幕板は、6ヶ月を経過しても雨す
じ汚れは発生しなかった。、塗料用組成物2を塗装した
幕板における塗膜の水の接触角は46°であった。
【0055】「例3(比較例)」また、比較のために、
塗料用組成物2においてテトラメトキシシランの多量体
を配合しない塗料用組成物を同様に塗装したものについ
ても試験用壁面に設置した。この幕板は、1ヶ月後から
雨すじ汚れが観察され3ヶ月以後には雨すじ汚れが著し
く目立つようになっていた。
【0056】
【発明の効果】本発明の幕板は、建築物外観の意匠を損
なう雨すじ汚れが発生しにくく、この幕板を使用した建
築物は、長い間新築直後の外観を維持できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野 民幸 東京都文京区本郷1−28−10 旭硝子外装 建材株式会社内 (72)発明者 原口 博光 東京都文京区本郷1−28−10 旭硝子外装 建材株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水の接触角が65°以下である親水性塗膜
    が形成された耐汚染性に優れた幕板。
  2. 【請求項2】親水性塗膜が、4官能加水分解性シラン化
    合物の多量体が配合された塗料を塗装することにより形
    成されたものである請求項1に記載の幕板。
  3. 【請求項3】4官能加水分解性シラン化合物が、テトラ
    メトキシシランまたはテトラエトキシシランである請求
    項2に記載の幕板。
  4. 【請求項4】塗料が、フッ素樹脂塗料である請求項2ま
    たは3に記載の幕板。
  5. 【請求項5】塗料が、皮膜形成性樹脂として官能基含有
    フッ素樹脂を使用した塗料である請求項2、3または4
    に記載の幕板。
JP16303797A 1997-06-19 1997-06-19 耐汚染性に優れた幕板 Pending JPH1113250A (ja)

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