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JPH11129610A - インクジェット記録用シートおよびそれを用いたインクジェット印字方法 - Google Patents

インクジェット記録用シートおよびそれを用いたインクジェット印字方法

Info

Publication number
JPH11129610A
JPH11129610A JP9309642A JP30964297A JPH11129610A JP H11129610 A JPH11129610 A JP H11129610A JP 9309642 A JP9309642 A JP 9309642A JP 30964297 A JP30964297 A JP 30964297A JP H11129610 A JPH11129610 A JP H11129610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink jet
recording sheet
jet recording
ink
printing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9309642A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Mochizuki
博孝 望月
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Masato Igarashi
正人 五十嵐
Akiko Konishi
昭子 小西
Masayuki Koyano
正行 小谷野
Takanori Tsuyuki
孝範 露木
Ikuko Tanaka
郁子 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9309642A priority Critical patent/JPH11129610A/ja
Publication of JPH11129610A publication Critical patent/JPH11129610A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクの吸収速度が速く、かつ、定着性に優
れ、さらにベタ印字や二色印字の際に濃度むらを生じな
いインクジェット記録用シートを提供する。 【解決手段】 透明な支持体上に少なくとも2層以上の
水溶性樹脂の皮膜からなるインク受容層を設けたインク
ジェット記録用シートであって、前記受容層の最外層が
固形分10wt%の水溶液のpHが5.5以下の水溶性
樹脂からなり、かつ、該シートをθ°(θ≦90)傾
け、該シート上方から前記受容層上にMμlの純水の液
滴を落とし、液滴が該受容層表面に接触後、下方に進ん
だ距離がLcmのとき、下記式(1)を満たすことを特
徴とするインクジェット記録用シート。 K=Lcos(πθ/180)/M ……(1) ただし、K<0.275(cm/μl)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置を用いてオーバーヘッド透明画像を形成するのに
適した記録用シートおよびそれを用いた記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録は騒音が
少なく、高速記録が可能で、またカラー化が容易である
などの理由により、近年急速に普及している。インクと
しては、安全性や記録適性の面から水性インクが使用さ
れている。また記録材としては普通紙の他、インクの吸
収性を改良した記録材が使用されている。インクの吸収
性を改善したインクジェット記録材として、紙、プラス
チックフィルム、ガラス板などの支持体の上に水溶性樹
脂からなるインク受容層を設けた記録材が知られてい
る。この中でオーバーヘッドプロジェクター(OHP)
用として使用されるシートの多くは支持体上に吸水性樹
脂、特に水溶性樹脂を塗布(被覆)して製造されてい
る。
【0003】これらOHPシートはマゼンタ、シアン、
イエロー等の単一色では問題視されないが、レッド、ブ
ルー、グリーン等の2色の混合色では、インクの吸収性
が滞る場合には印字画像に濃度ムラが生じてしまう。ま
た多数のインクドットが重なり合う場合、つまり単位面
積当たりのインクの付着量が多いときには印字後の画像
に濃度ムラを生じてしまう。
【0004】これを解決する方法として、普通紙または
専用紙に印字するモードに分けて、専用OHPシートモ
ードで印字している。例えば第1カラードットと重なる
位置に時間差を設けて第2のカラードットを印字する方
法(特開昭63−312155号公報)、記録操作を各
インクごとに複数回に分けて記録する方法(特開平1−
264852)が開示されている。しかしこれらの方法
で印字するだけでは濃度ムラの問題は解決されず、この
ような問題のないOHPシート、特にインク受容層の開
発が急務とされている。
【0005】また濃度ムラと同様に問題になっているも
のの一つに定着性が挙げられる。これを解決する手段と
してインク受容層に用いる樹脂を固形分10wt%水溶
液のpHが5以下のものにするという方法が提案されて
いる(特開平7−81213号公報)。しかしながらイ
ンク受容層全てに前述の樹脂を用いるとインクの定着性
は向上するが、インクの吸液量が落ちてしまい、濃度ム
ラが起きてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みてなされたもので、インクの吸収速度が速く、
かつ、定着性に優れ、しかもベタ印字や二色印字の際に
濃度むらを生じない、オーバーヘッドプロジェクターな
どに用いて好適なインクジェット記録用シートを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、透明な支持体上に少なくとも2層以上の水溶性樹脂
の皮膜からなるインク受容層を設けたインクジェット記
録用シートであって、前記受容層の最外層が固形分10
wt%の水溶液のpHが5.5以下の水溶性樹脂からな
り、かつ、該シートをθ°(θ≦90)傾け、該シート
上方から前記受容層上にMμlの純水の液滴を落とし、
液滴が該受容層表面に接触後、下方に進んだ距離がLc
mのとき、下記式(1)を満たすことを特徴とするイン
クジェット記録用シートが提供される。
【数2】 K=Lcos(πθ/180)/M ……(1) ただし、K<0.275(cm/μl)
【0008】第二に、上記第一に記載したインクジェッ
ト記録用シートにおいて、上記最外層の水溶性樹脂が酸
性官能基または該酸性官能基の4級アンモニウム置換体
のいずれかを有することを特徴とするインクジェット記
録用シートが提供される。
【0009】第三に、上記第一または第二に記載したイ
ンクジェット記録用シートにおいて、該シートが純水と
の前進接触角が100°〜45°の範囲にあり、かつ、
後退接触角が90°〜25°の範囲にあることを特徴と
するインクジェット記録用シートが提供される。
【0010】第四に、インクジェット記録用シートに2
色重ね印字する方法において、上記第一〜第三に記載し
たいずれかのインクジェット記録用シートを用い、第一
のカラードットと重なる位置に時間差を設けて第二のカ
ラードットを印字することを特徴とするインクジェット
印字方法が提供される。
【0011】第五に、インクジェット記録用シートに2
色重ね印字する方法において、上記第一〜第三に記載し
たいずれかのインクジェット記録用シートを用い、第一
のカラードットを複数回に分けて印字し、第一のカラー
ドットと重なる位置に第二のカラードットも複数回に分
けて印字することを特徴とするインクジェット印字方法
が提供される。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
インクジェット記録用シートは支持体上に2層以上の水
溶性樹脂被覆層からなるインク受容層が設けられたもの
で、この内最表面にある最外層は固形分10wt%の水
溶液のpHが5.5以下となる水溶性樹脂からなる。そ
してさらに図1に例示するような測定方法にて測定し、
下記一般式(1)を満足するものである。このようなシ
ートによれば上述した濃度むらが抑えられ、かつ、優れ
た定着性が得られる。
【数3】 K=Lcos(πθ/180)/M ……(1) ただし、K<0.275(cm/μl) 式(1)において、Mは滴下する純水の量(μl)、L
は液滴がシート上を下方に進んだ距離(cm)、θはシ
ートを傾けた角度(°)を表す。
【0013】本発明のインクジェット記録用シートは、
受容層を2層構造にすることにより、機能を分離し、最
外層にて色素を定着し、下側層にてインクを吸収するも
のであり、このような2層構造によって、上述した効果
が実現される。そのため最外層には色素を定着するのに
最適な樹脂を用いる。また、下側層にはインクを吸収す
るのに最適な樹脂を用いる。このような最外層の樹脂と
しては上述の固形分10wt%の水溶液のpHが5.5
以下となる水溶性樹脂である。中でも酸性官能基または
該酸性官能基の4級アンモニウム置換体のいずれかを有
するものが最も有効である。また、下側層樹脂としては
水溶性樹脂、中でもポリビニルアルコールおよびその誘
導体やポリビニルピロリドンおよびその誘導体等、イン
ク吸収性の高い樹脂である。
【0014】本発明のインクジェット記録用シートは、
上述のような2層からなる水溶性樹脂の受容層を有し、
さらに図1に例示するような測定法により式(1)を満
足するシートである。本発明における測定法はOHPシ
ートとして用いられるインクジェット記録用シートが水
性インクを吸収する速度を測定するものであり、図1に
例示すように、65°に傾けたステージ1の上にOHP
シート2を貼り、OHPシート2の真上から純水3を2
0μl滴下し、OHPシートに接触した純水3がシート
2上を流れる距離を測定する。
【0015】OHPシートの吸水速度が速いほど流れる
純水の距離は短くなり、吸水速度が遅いほど流れる距離
は長くなる。また、この測定法は単位面積当たりの付着
量が少ない場合よりは、多数の液滴が同時に付着した時
のOHPシートが液滴を吸収する速度を表わしている。
シートを傾ける角度は65°に限られるものではなく、
また滴下する純水の量もOHPシートにより順次変えら
れる。
【0016】また、本発明のインクジェット記録用シー
トが、純水との前進接触角が45〜100°、後退接触
角が25〜90°を有するときは、上述した濃度むらや
定着性の効果を一層向上させることができる。すなわ
ち、インクジェット記録用シートと水性インクとの濡れ
性を検討する尺度として、該シートと純水との動的接触
角が考えられる。その前進接触角は45〜100°が適
当である。前進接触角が100°以上であればインクと
の濡れ性が不十分でべタ印字や二色印字時に濃度ムラが
発生し、45°以下であれば濡れ性は十分であるが、必
要画素以上に大きくなり、画像濃度が不十分になる。ま
た後退接触角は25〜90°が適当で、25°以下であ
れば濡れ性は十分であるが、必要画素以上に大きくな
り、画像濃度が不十分になる。好ましくは純水との後退
接触角は30〜85°である。
【0017】以下本発明の実施の形態を説明する。本発
明のインクジェット記録用シートに用いられる透明支持
体としては、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメチ
ルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポ
リカーボネートなどのプラスチックフィルムもしくはシ
ート、紙、ガラス板などである。これらの支持体の中か
ら用途により適当なものが選定される。
【0018】次に本発明のインクジェット記録用シート
のインク受容層は、少なくとも2層以上の水溶性樹脂の
皮膜で構成される。このうち最外層の働きは色素の定着
であり、これに用いられるものとしては吸水性高分子、
特に水溶性樹脂であり、固形分10 wt%の水溶液の
pHが5.5以下になるものである。好ましくはpH2
〜4の水溶性高分子を主成分として形成される。pHが
5.5以上になると特にアニオン系の染料を用いたイン
クの定着性が損なわれ、また、pHが2以下であるとイ
ンクの性質によっては発色性が損なわれることがある。
【0019】例えばポリビニルアルコール誘導体、ポリ
アクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリメタクリル
酸、ポリビニルピロリドン誘導体が挙げられ、特にポリ
ビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン誘導
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体が望まし
い。ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルビロリド
ン誘導体としては−COOM,−SO3M,−OSO
3M,−PO(OM)2(但し、Mは水素または4級アン
モニウムを表わす)からなる群より選ばれる少なくとも
一つの親水基用ユニットを有する変成ポリビニルアルコ
ール、変性ポリビニルピロリドン、カチオン変性ポリビ
ニルアルコールなどが挙げられる。
【0020】また最外層の内側にある下側層の働きとし
てはインクの吸収であり、これに用いられるものとして
は吸水性高分子、特に水溶性樹脂、例えばポリビニルア
ルコールおよびその誘導体、デンプン、カゼイン、アラ
ビアゴム、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセル
ロース、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドンが挙げ
られ、特にポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポ
リビニルピロリドンおよびその誘導体が望ましい。
【0021】ポリビニルアルコールはけん化度が50〜
95%のものが適当であり望ましくは60〜90%であ
る。95%を越えるものは耐水性が出現するが吸水性が
低下する。また50%に満たないものは親油性が高くな
り、これも吸水性が低下する。ポリビニルアルコールの
誘導体としては最外層と同様に−COOM,−SO
3M,−OSO3M,−PO(OM)2(但し、Mは水素
または4級アンモニウムを表わす)からなる群より選ば
れる少なくとも一つの親水基用のユニットを有する変成
ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらの変性
ポリビニルアルコール誘導体のけん化度も50〜95%
のものが適当であり望ましくは60〜90%である。
【0022】またポリビニルピロリドンおよびその誘導
体は一般の高分子材料としては実現できない高い吸収性
を有している。ポリビニルピロリドンは分子量が100
00〜400000のものが適当である。ポリビニルピ
ロリドンの誘導体としてはポリビニルピロリドンと酢酸
ビニルの共重合体が適当である。このポリビニルピロリ
ドンと酢酸ビニルの共重合体でのビニルピロリドン/酢
酸ビニル比は7/3〜3/7が適当である。これらの樹
脂を相分離しない程度に混合して用いることも可能であ
る。本発明に用いられる吸水性高分子はこれだけに限定
されるものではない。
【0023】前記支持体上に水溶性樹脂からなるインク
受容層を設ける方法としては、それぞれの樹脂溶液をロ
ールコータ法、ブレードコータ法などの公知の方法で、
支持体上に塗布後乾燥させ被覆する。
【0024】インク受容層(最外層、下側層ともに)は
一般に乾燥重量で0.6〜14g/m2程度塗工され
る。0.6g/m2未満ではインク受容層としての効果
が現れず、逆に14g/m2より多い場合は透明度が落
ち、さらに単位面積当たりのインクの付着量が多いとき
と少なぃときに濃度ムラが生じてしまう。
【0025】なお、インク受容層に用いられる樹脂に
は、この発明の目的を達成を妨げない程度に公知の各種
の添加剤を配合させることができる。このような添加剤
はインクの吸収性能を改善させるためのグリセリン、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、界面活性
剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、消泡剤、防腐剤、pH
調整剤、シリカ、タルク、クレー、アルミナ等の充填剤
が挙げられる。
【0026】次に本発明のインクジェット記録用シート
に使用される水溶性インクは、水溶性染料、水、湿潤
剤、界面活性剤、そのほかの水混和性有機溶剤(湿潤
剤、浸透剤)、防腐剤等からなるものである。該水溶性
染料は直接染料、酸性染料を用いることができる。具体
的には酸性染料および食用染料として、 C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,
79,142 C.I.アシッドレッド 1,8,13,14,18,
26,27,35,37,42,52,82、87,8
9,92,97,106,111,114,115,1
34,186,249,254,289 C.I.アシッドブルー 9,2 9,4 5,92,2
49 C.I.アシッドブラック 1,2,7,24,26,
94 C.I.フードイエロー 3,4 C.I.フードレッド 7,9,14 C.I.フードブラック 1,2 直接性染料として、 C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,26,
33,44,50,86,120,132,142,1
44 C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,13,17,
20,28,31,39,80,81,83,89,2
25,227 C.I.ダイレクトオレンジ 26,29,62,10
2 C.I.ダイレクトブルー 1,2,6,15,22,
25,71,76,79,86,87,90,98,1
63,165,199,202 C.I.ダイレクトブラック 19,22,32,3
8,51,56,71,74,75,77, 154,
168,171 である。
【0027】また、インクジェット用として新たに開発
された染料ももちろん用いることができる。例えば、ゼ
ネカ社が上市しているProjet Fast Blac
k2、 Projet Fast Magenta 2、P
rojet Fast Yellow 2、 Projet
Fast Cyan 2(登録商品名)が挙げられる。
直接染料は染料自体が中性(ノニオン性)であり、金
属、アンモニウム等と塩を形成しているものが多いが、
これを酸性にした場合、析出するものが本発明には好ま
しい。染料はインク総量に対して1〜10wt%であ
り、色により適宜決められる。
【0028】OHPシートとインクとの濡れ性を制御す
る添加剤として界面活性剤が挙げられるがアニオン系、
ノニオン系界面活性剤が望ましい。酸性染料とノニオン
系界面活性剤は相互作用によりインクの表面張力が低下
しない場合があるため、この場合はアニオン系界面活性
剤をさらに添加する必要がある。界面活性剤の添加量は
インク総量に対して0.01〜3%であり、好ましくは
0.5〜1.5%である。0.01%以下は表面張力が
低下せず、OHPとの接触角が低下しない。3%以上は
逆に表面張力が低下しすぎて接触角が低くなりすぎる。
【0029】吸液性を向上させるためと表面張力を調整
する目的から他に添加する浸透剤としてジエチレングリ
コールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ
フェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレン
グリコールクロロフェニルエーテルなどの多価アルコー
ルのアルキルおよびアリールエーテル類、フッ素系界面
活性剤、アセチレン系界面活性剤、エタノール、2−プ
ロパノールなどの低級アルコール類が挙げられるが、特
に好ましいのはジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルである。
【0030】本発明で用いられるインクには、インクの
乾燥防止や溶解安定性向上等の目的から下記有機溶媒を
使用することができる。エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオ
ール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペ
トリオール等の多価アルコール類、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エ
チレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリ
コールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリー
ルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒド
ロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム
等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド
類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキ
シド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物
類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチ
ロラクトン等である。これらの溶媒は単独もしくは複数
混合して用いられる。
【0031】また、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナ
トリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオー
ル−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、
ペンタクロロフェノールナトリウム等が使用できる。
【0032】また、pH調整剤としては調合されるイン
クに悪影響を及ぼさずにpHを7以上に調整できるもの
であれば任意の物質を使用することができる。例えばジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4
級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化
物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の
アルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0033】次に上述した本発明のインクジェット記録
用シートに印字する方法において、二色印字の際に濃度
むらを生じない印字方法について説明する。カラーイン
クジェット記録の場合では2色混色(2色重ね)部は単
色インクの色重ねによって実現される方式であるため、
同一画素に対するインクの打ち込み量が単色に対して2
倍になり、定着性が悪く、かつ、濃度ムラが発生しやす
い。そのために印字モードも、インクがより乾燥しやす
く、インクジェット記録用シートに吸収しやすいものに
すべきである。つまり、一回の打ち込み量を少なくする
か、打ち込んだインクドットが乾燥し始めてから印字を
行うことである。これらのモードで印字することによ
り、さらに濃度ムラが抑えられることが見出された。具
体例として以下に印字モードを記載する。
【0034】モード1 第一回目の走査時には一色のカラーのみが記録シートに
印字され、走査直後に第1のカラードットに重ねて、第
2のカラードットを印字せずに第1回目の走査は終了す
る。第1回目の走査完了後、プリントヘッドはライン始
点まで戻る。さらに走査が繰り返され、既に印字された
ドットの上に同一カラーのドットを印字するか、または
既に印字されたドットの上に異なるカラードットの印字
が行われる。いずれの場合も合計2滴のインクが印字さ
れ、この2回の印字により一方のカラードットの上に他
方のカラードットが印字されることになる。第1回目の
走査完了後にプリントヘッドがライン始点に戻るのに要
した時間内に第1のカラードットの媒体への吸収が始ま
っているため、第2のカラードットを印字した場合でも
濃度のムラは生じない。
【0035】モード2 本例は1画素を形成するインク付着量(Mj)を複数に
分解し、複数回印字することによって、本来の1画素を
印字する。第一回目の走査時には一色のカラーのみがM
jの1/nを記録シートに印字し、その後、走査直後に
第1のカラードットに重ねて、第2のカラードットの1
/nのMjを記録シートに印字する。第1回目の走査完
了後、プリントヘッドはライン始点まで戻る。さらに走
査が繰り返され、既に印字されたドットの上に第1回目
のカラーのMjの1/nを記録シートに印字し、その
後、走査直後に第1のカラードットに重ねて、第2のカ
ラードットのMjの1/nを記録シートに印字する。こ
の1回の走査時間の内にインクはOHPシートに吸液さ
れる。この印字操作をn回繰り返し、印字を終了する。
一回の走査の間にインクが吸液されるため、n回の印字
の際にドット径が拡がることはない。
【0036】モード3 本例は1画素を形成するインク付着量(Mj)を複数に
分解し、複数回印字することによって、本来の1画素を
印字する。第一回目の走査時には一色のカラーのみがM
jの1/nを記録シートに印字し、その後、走査直後に
第1のカラードットに重ねて、第2のカラードットを印
字せずに第1回目の走査は終了する。プリントヘッドは
ライン始点まで戻る。さらに走査が繰り返され、既に印
字されたドットの上に第1のカラードットに重ねて、第
1色のカラーのみがMjの1/nを記録シートに印字
し、印字をn回行って、第1カラードットは完了する。
この1回の走査時間の内にインクはインクジェット記録
用シートに吸液される。その後、完了した第1のカラー
ドットに重ねて第2のカラーを同様にn回に分けて印字
し2色重ねのカラードットは完了する。 一回の走査の
間にインクが吸液されるため、n回の印字の際にドット
径が拡がることはない。
【0037】モード4 データの単位を副走査方向に複数に分解し、各データに
基づいて行うもので、第1回目の走査時に第1カラーデ
ータの1/nを印字し、走査直後には重ねて印字せずに
第1回目の走査は終了する。第1回目の走査完了後、プ
リントヘッドライン始点まで戻る。さらに走査が繰り返
され、副走査方向に分割された印字されていない2/n
データを印字する。この走査をn回繰り返すことによ
り、副走査方向の第1カラーデータ(第1カラーライ
ン)を印字する。その後印字された第1カラーラインに
重ねて、第2カラーデータも第1カラーデータと同様に
印字し2色混色のカラーラインが完了する。
【0038】モード5 データの単位を副走査方向に複数に分解し、各データに
基づいて行うもので、第1回目の走査時に第1カラーデ
ータの1/nを印字し、走査直後に重ねて第2カラーデ
ータの1/nを印字し、第1回目の走査は終了する。第
1回目の走査完了後、プリントヘッドはライン始点まで
戻る。さらに走査が繰り返され、副走査方向に分割され
た印字されていない第1カラーデータ、次に色重ねする
第2カラーデータの2/nデータを印字する。この走査
をn回繰り返すことにより、副走査方向の第1および第
2カラーデータの2色混色のカラーラインが完了する。
本発明に用いられる印字モードはこれだけに限定される
ものではない。
【0039】
【実施例】
《受容層形成液の作製》ポリビニルアルコール溶液の調製 カチオン変性ポリビニルアルコール(4級アンモニウム
により置換されたPVA:(けん化度85%、クラレ社
製))を水に溶解させ、固形分10wt%のカチオン変
性ポリビニルアルコール水溶液を調製した。ポリアクリル酸水溶液の調製 ポリアクリル酸溶液(25%:和光純薬社製)を純水に
より希釈して固形分10wt%のポリアクリル酸水溶液
を調製した。ポリアクリル酸共重合体水客液の調製 ポリアクリル酸共重合体(固形分40%:日本純薬社
製)を純水にて希釈し、固形分10wt%のポリアクリ
ル酸共重合体水溶液を調製した。ポリビニルピロリドン溶液の調製 ポリビニルピロリドン(ISP社製)を水に溶解させ、
固形分10wt%のポリビニルピロリドン水溶液を調製
した。ポリアクリル酸ソーダ水溶液の調製 ポリアクリル酸ソーダ溶液(30%:日本触媒社製)を
純水により希釈して固形分10wt%のポリアクリル酸
ソーダ水溶液を調製した。
【0040】《インクジェット記録用シートの作製》厚
さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムの片面をプラズマ処理により表面処理をした後、
前述のポリビニルアルコール溶液、もしくはポリビニル
ピロリドン溶液などを塗布、乾燥させて下側層を得た。
さらに、この上からカチオン変性ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸、ボリアクリル酸共重合体水溶液な
どを塗布、乾燥させて目的のインクジェット記録用シー
トを得た。
【0041】《インクジェット記録用シートの評価》動的接触角測定 作製したインクジエット記録用シートの純水との動的接
触角は動的接触角測定装置(オリエンテックス社製)に
て測定した。印字 サーマルインクジェット方式、ピエゾインクジェット方
式のインクジェットプリンタにてマゼンタ、イエロー、
シアンインクを記録シート上に5×5mmの範囲でべタ
印字(ニ色印字:レッド、グリーン、ブルー)した。マゼンタ、イエロー、シアンインクの処方 マゼンタ:Direct red 227 2wt%、ジ
エチレングリコール/グリセリン(=3/1)20wt
%、界面活性剤1wt%、防腐防かび剤0.4wt% シアン :Fast cyan 3wt%、ジエチレング
リコール/グリセリン(=3/1)20wt%、界面活
性剤1wt%、防腐防かび剤0.4wt% イエロー:Fast yellow 2/Direct
yellow142 2wt%、ジエチレングリコール
/グリセリン(3/1)20wt%、界面活性剤1wt
%、防腐防かび剤0.4wt%印字モード 上述の印字モード1、2、4にて印字した。濃度ムラ 実際にOHPにて投影し、投影時に濃度ムラがほとんど
ないものには○、若干あるものを△、それ以外を×とし
た。定着性 べタの2色印字1分後に印字部に濾紙をのせ、その上か
ら20g/cmの荷重をかけた後、濾紙へのインク転移
の有無で評価した。
【0042】実施例1〜6、比較例1〜5 表1〜2に示すような構成および成分で、インクジェッ
ト記録用シートを作製し評価した。また、評価結果を表
3〜4に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表中、印字モード×は2色重ね印字する
際、一回の走査で2次色(2色)を印字したものである。
【0048】表3〜4から、受容層最外層に特定範囲の
pH値を有する水溶性樹脂を用い、かつ、特定のK値を
有する実施例のシートは濃度むらが抑えられ、定着性が
優れていること、また、本発明で特定された範囲の前進
接触角および後退接触角を有することがさらに好ましい
ことが分かる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明のインクジェット
記録用シートによれば、2色合一時の濃度むらが改善さ
れると共に2色印字による優れた定着性が得られる。ま
た、該シートを用いた本発明の印字方法によれば、該シ
ートに2色の混色を印字する際に2色合一時の濃度むら
が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録用シートのインクを吸収す
る速度を測定する方法を説明するための図(側面)であ
る。
【符号の説明】
1 ステージ 2 インクジェット記録用シート 3 純水の液滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 昭子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小谷野 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 露木 孝範 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 郁子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な支持体上に少なくとも2層以上の
    水溶性樹脂の皮膜からなるインク受容層を設けたインク
    ジェット記録用シートであって、前記受容層の最外層が
    固形分10wt%の水溶液のpHが5.5以下の水溶性
    樹脂からなり、かつ、該シートをθ°(θ≦90)傾
    け、該シート上方から前記受容層上にMμlの純水の液
    滴を落とし、液滴が該受容層表面に接触後、下方に進ん
    だ距離がLcmのとき、下記式(1)を満たすことを特
    徴とするインクジェット記録用シート。 【数1】 K=Lcos(πθ/180)/M ……(1) ただし、K<0.275(cm/μl)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録用シ
    ートにおいて、前記最外層の水溶性樹脂が酸性官能基ま
    たは該酸性官能基の4級アンモニウム置換体のいずれか
    を有することを特徴とするインクジェット記録用シー
    ト。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のインクジェット
    記録用シートにおいて、該シートが純水との前進接触角
    が100〜45°の範囲にあり、かつ、後退接触角が9
    0〜25°の範囲にあることを特徴とするインクジェッ
    ト記録用シート。
  4. 【請求項4】 インクジェット記録用シートに2色重ね
    印字する方法において、請求項1〜3記載のいずれかの
    インクジェット記録用シートを用い、第一のカラードッ
    トと重なる位置に時間差を設けて第二のカラードットを
    印字することを特徴とするインクジェット印字方法。
  5. 【請求項5】 インクジェット記録用シートに2色重ね
    印字する方法において、請求項1〜3記載のいずれかの
    インクジェット記録用シートを用い、第一のカラードッ
    トを複数回に分けて印字し、第一のカラードットと重な
    る位置に第二のカラードットも複数回に分けて印字する
    ことを特徴とするインクジェット印字方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009014241A1 (en) * 2007-07-23 2009-01-29 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet image-forming method, ink jet color image-forming method and ink jet recording apparatus
JP2016165902A (ja) * 2016-04-28 2016-09-15 セイコーエプソン株式会社 印刷物の製造方法、印刷物

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