JPH1112669A - オーステナイト系溶着金属およびその製法 - Google Patents
オーステナイト系溶着金属およびその製法Info
- Publication number
- JPH1112669A JPH1112669A JP9172023A JP17202397A JPH1112669A JP H1112669 A JPH1112669 A JP H1112669A JP 9172023 A JP9172023 A JP 9172023A JP 17202397 A JP17202397 A JP 17202397A JP H1112669 A JPH1112669 A JP H1112669A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- weld metal
- austenitic
- alloy
- austenitic weld
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Laser Beam Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高密度エネルギー熱源を用いて、軽水炉等の構
造部材等の高温高圧水中での耐応力腐食割れ性を局部的
に向上させるための耐応力腐食割れ性に優れたオーステ
ナイト系溶着金属の提供。 【解決手段】重量比でC:0.06%以下、Si:0.3
5%以下、Mn:3.5%以下、Cr:18〜30%、
Fe:40%以下を含むNi基合金、または、残余がN
iおよび不可避不純物からなり、かつ、Al:0.1〜
3%、Ti:0.2〜4.5%、Nb:2〜9%、Ta:
2〜9%、Mo:1.5〜10%から選ばれる1種以上
を2〜16%含有し、凝固セルサイズが15μm以下で
あるオーステナイト系溶着金属。
造部材等の高温高圧水中での耐応力腐食割れ性を局部的
に向上させるための耐応力腐食割れ性に優れたオーステ
ナイト系溶着金属の提供。 【解決手段】重量比でC:0.06%以下、Si:0.3
5%以下、Mn:3.5%以下、Cr:18〜30%、
Fe:40%以下を含むNi基合金、または、残余がN
iおよび不可避不純物からなり、かつ、Al:0.1〜
3%、Ti:0.2〜4.5%、Nb:2〜9%、Ta:
2〜9%、Mo:1.5〜10%から選ばれる1種以上
を2〜16%含有し、凝固セルサイズが15μm以下で
あるオーステナイト系溶着金属。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水炉あるいは新
型転換炉の炉内構造部材や燃料要素等に用いられるオー
ステナイト系合金に係り、特に、耐応力腐食割れ性に優
れたオーステナイト系溶着金属に関する。
型転換炉の炉内構造部材や燃料要素等に用いられるオー
ステナイト系合金に係り、特に、耐応力腐食割れ性に優
れたオーステナイト系溶着金属に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軽水炉あるいは新型転換炉の炉内
構造部材や燃料要素材料としてオーステナイト系合金、
例えば、オーステナイト系ステンレス鋼やインコネル系
のNi合金が多用されている。ところがこれらの合金は
熱処理条件、あるいは溶接部および溶接部近傍の熱影響
部において、応力腐食割れを生じることがあった(特開
昭55−115958号公報、特開昭55−10047
2号公報)。
構造部材や燃料要素材料としてオーステナイト系合金、
例えば、オーステナイト系ステンレス鋼やインコネル系
のNi合金が多用されている。ところがこれらの合金は
熱処理条件、あるいは溶接部および溶接部近傍の熱影響
部において、応力腐食割れを生じることがあった(特開
昭55−115958号公報、特開昭55−10047
2号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】軽水炉等に使用される
オーステナイト系合金の応力腐食割れを低減するため
に、耐応力腐食割れ性に優れた合金を表面に溶接,溶着
する方法が知られている(特開昭54−147369号
公報)が、耐応力腐食割れ性の改善は必ずしも十分であ
るとは云えず、より信頼性の高い部材が要求されてい
た。
オーステナイト系合金の応力腐食割れを低減するため
に、耐応力腐食割れ性に優れた合金を表面に溶接,溶着
する方法が知られている(特開昭54−147369号
公報)が、耐応力腐食割れ性の改善は必ずしも十分であ
るとは云えず、より信頼性の高い部材が要求されてい
た。
【0004】本発明の目的は上記に鑑み、軽水炉等の構
造部材等の高温高圧水中での耐応力腐食割れ性を局部的
に向上させる耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイト
系溶着金属の提供にある。
造部材等の高温高圧水中での耐応力腐食割れ性を局部的
に向上させる耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイト
系溶着金属の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のオース
テナイト系合金では、その化学成分、熱処理条件、加
工,溶接条件等に起因して金属組織が変化し、材料の応
力腐食割れ感受性が高くなるとの知見に基づき、これを
改善するためオーステナイト系溶着金属の化学組成、金
属組織の検討を行ない本発明に到達した。本発明の要旨
は次のとおりである。
テナイト系合金では、その化学成分、熱処理条件、加
工,溶接条件等に起因して金属組織が変化し、材料の応
力腐食割れ感受性が高くなるとの知見に基づき、これを
改善するためオーステナイト系溶着金属の化学組成、金
属組織の検討を行ない本発明に到達した。本発明の要旨
は次のとおりである。
【0006】重量比でC:0.06%以下、Si:0.3
5%以下、Mn:3.5%以下、Cr:18〜30%、
Fe:40%以下を含むNi基合金、または、残余がN
iおよび不可避不純物からなり、かつ、Al:0.1〜
3%、Ti:0.2〜4.5%、Nb:2〜9%、Ta:
2〜9%、Mo:1.5〜10%から選ばれる1種以上
を2〜16%含有し、凝固セルサイズが15μm以下で
あるオーステナイト系溶着金属にある。
5%以下、Mn:3.5%以下、Cr:18〜30%、
Fe:40%以下を含むNi基合金、または、残余がN
iおよび不可避不純物からなり、かつ、Al:0.1〜
3%、Ti:0.2〜4.5%、Nb:2〜9%、Ta:
2〜9%、Mo:1.5〜10%から選ばれる1種以上
を2〜16%含有し、凝固セルサイズが15μm以下で
あるオーステナイト系溶着金属にある。
【0007】このオーステナイト系溶着金属には、0.
005〜3%のCuを、また、MgおよびCaの少なく
とも1種を0.0004〜0.1%含有させることができ
る。
005〜3%のCuを、また、MgおよびCaの少なく
とも1種を0.0004〜0.1%含有させることができ
る。
【0008】さらにまた、溶着金属の凝固組織がオース
テナイト単相のセル組織であり、凝固セルサイズが15
μm以下、オーステナイト結晶粒が200μm以下であ
り、合金成分の偏析が少なければさらに好適である。
テナイト単相のセル組織であり、凝固セルサイズが15
μm以下、オーステナイト結晶粒が200μm以下であ
り、合金成分の偏析が少なければさらに好適である。
【0009】本発明は、上記の合金組成を有する溶加材
とすることが好ましい。
とすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、配合される各元
素の配合量について説明する。
素の配合量について説明する。
【0011】CはCrと結合してM23C6なるCr炭化
物を結晶粒界に形成する。Cが0.06%を超えると結
晶粒界に形成されるCr炭化物が増加し、耐応力腐食割
れ性が低下する。従って、Cを0.06%以下とした。
物を結晶粒界に形成する。Cが0.06%を超えると結
晶粒界に形成されるCr炭化物が増加し、耐応力腐食割
れ性が低下する。従って、Cを0.06%以下とした。
【0012】Siは合金中の不純物としての酸素を取除
く作用を持つが、反面0.35%を超えると耐応力腐食
割れ性が低下する。従って、Siを0.35%以下とし
た。
く作用を持つが、反面0.35%を超えると耐応力腐食
割れ性が低下する。従って、Siを0.35%以下とし
た。
【0013】Mnは合金中の不純物としてのSを取除く
作用を持つが、反面3.5%を超えると延性を損なう脆
化相の析出を助長する。従って、Mnを3.5%以下と
した。
作用を持つが、反面3.5%を超えると延性を損なう脆
化相の析出を助長する。従って、Mnを3.5%以下と
した。
【0014】Crは耐応力腐食割れ性を保持する上で最
も重要な元素であり、18%以上含有させる必要がある
が30%を超えると延性を損なうほかに、清浄な溶着金
属が形成できにくい。
も重要な元素であり、18%以上含有させる必要がある
が30%を超えると延性を損なうほかに、清浄な溶着金
属が形成できにくい。
【0015】Feは通常の溶解で混入する量以上に添加
することで基地組織を安定化するが、Feの含有量が多
過ぎると延性を害し、加工性が低下するため上限を40
%とした。
することで基地組織を安定化するが、Feの含有量が多
過ぎると延性を害し、加工性が低下するため上限を40
%とした。
【0016】Al,Ti,Nb,TaはNiと結合して
Ni3(Al,Ti,Nb,Ta)なるγ’相、γ''
相、あるいはη相、δ相を析出し強度を高くする。また
Ti,Nb,TaはCと結合してTiC,NbC,Ta
Cを析出し、結晶粒界に形成されるCr炭化物M23C6
を減少させる。但し、Al,Ti,Nb,Taの含有量
が増加すると溶着金属中の介在物が増加し、また、耐応
力腐食割れ性が低下する。従って、Alを0.1〜3
%、Tiを0.2〜4.5%、Nbを2〜9%,Taを2
〜9%とした。
Ni3(Al,Ti,Nb,Ta)なるγ’相、γ''
相、あるいはη相、δ相を析出し強度を高くする。また
Ti,Nb,TaはCと結合してTiC,NbC,Ta
Cを析出し、結晶粒界に形成されるCr炭化物M23C6
を減少させる。但し、Al,Ti,Nb,Taの含有量
が増加すると溶着金属中の介在物が増加し、また、耐応
力腐食割れ性が低下する。従って、Alを0.1〜3
%、Tiを0.2〜4.5%、Nbを2〜9%,Taを2
〜9%とした。
【0017】MoはCrにより高められた耐応力腐食割
れ性を補完し、耐孔食性、耐すきま腐食性を向上させる
ので、1.5%以上含有させることが好ましいが、10
%を超えると延性や加工性を阻害する。
れ性を補完し、耐孔食性、耐すきま腐食性を向上させる
ので、1.5%以上含有させることが好ましいが、10
%を超えると延性や加工性を阻害する。
【0018】Cuは耐食性、加工性に対して有効な元素
であり、0.005%より少ないと効果が十分得られ
ず、3%より多くても耐食性、加工性はそれ以上向上し
ない。
であり、0.005%より少ないと効果が十分得られ
ず、3%より多くても耐食性、加工性はそれ以上向上し
ない。
【0019】また、本発明においては、熱間加工性、冷
間加工性の改善のために、通常用いられるHf、Y等の
希土類元素、あるいは、Mg,Caを0.1%まで含有
させても、得られる性能に影響を及ぼすことはない。例
えば、高密度エネルギー熱源を照射しながら、溶着金属
に溶加材ワイヤを供給しながら形成する場合には、該ワ
イヤを予め0.5mmφ前後の線径にまで冷間加工する
必要がある。こうした熱間,冷間加工性を改善するに
は、Mg,Caを0.0004〜0.1%添加するのがよ
い。
間加工性の改善のために、通常用いられるHf、Y等の
希土類元素、あるいは、Mg,Caを0.1%まで含有
させても、得られる性能に影響を及ぼすことはない。例
えば、高密度エネルギー熱源を照射しながら、溶着金属
に溶加材ワイヤを供給しながら形成する場合には、該ワ
イヤを予め0.5mmφ前後の線径にまで冷間加工する
必要がある。こうした熱間,冷間加工性を改善するに
は、Mg,Caを0.0004〜0.1%添加するのがよ
い。
【0020】また、本発明においては、溶着金属を高密
度エネルギー熱源を用いて軽水炉炉内構造部材や燃料要
素等に溶接,溶着するが、得られた溶着金属における凝
固セルサイズが微細なことが必要である。棒状に形成さ
れる凝固セルの長手方向に垂直な断面セルサイズが15
μm以下の場合に、特に、優れた耐応力腐食割れ性を得
ることができる。凝固セルサイズが小さいと合金成分の
偏析や粗大な炭化物、金属間化合物も少なく、耐応力腐
食割れ性が向上する。
度エネルギー熱源を用いて軽水炉炉内構造部材や燃料要
素等に溶接,溶着するが、得られた溶着金属における凝
固セルサイズが微細なことが必要である。棒状に形成さ
れる凝固セルの長手方向に垂直な断面セルサイズが15
μm以下の場合に、特に、優れた耐応力腐食割れ性を得
ることができる。凝固セルサイズが小さいと合金成分の
偏析や粗大な炭化物、金属間化合物も少なく、耐応力腐
食割れ性が向上する。
【0021】さらに、得られた溶着金属部に対してブラ
スト処理、ピーニング処理等の表面に、圧縮の残留応力
を生じさせる様な残留応力緩和処理を施すと、さらに耐
応力腐食割れ性が向上する。
スト処理、ピーニング処理等の表面に、圧縮の残留応力
を生じさせる様な残留応力緩和処理を施すと、さらに耐
応力腐食割れ性が向上する。
【0022】
【実施例】表1は代表的な本発明の実施例溶着金属およ
び比較例溶着金属の化学組成を示す。実施例材A〜Eお
よび比較例材F〜Mは、いずれも二重真空溶解して得た
インゴットを熱間鍛造した後、冷間加工して得た0.4
mmφの各種合金ワイヤを用いて、次に述べるレーザー
合金化処理により母材Ni合金表面に形成した。
び比較例溶着金属の化学組成を示す。実施例材A〜Eお
よび比較例材F〜Mは、いずれも二重真空溶解して得た
インゴットを熱間鍛造した後、冷間加工して得た0.4
mmφの各種合金ワイヤを用いて、次に述べるレーザー
合金化処理により母材Ni合金表面に形成した。
【0023】
【表1】
【0024】光ファイバー伝送式YAGレーザユニット
を熱源として、予め600℃で24時間の加熱処理(鋭
敏化熱処理)を施したC含有量0.06%のNi合金イ
ンコネル600の試料(長さ150mm×幅65mm×
厚さ10mm)の表面に、各種合金ワイヤを溶着した。
なお、レーザ照射条件は次のとうりである。
を熱源として、予め600℃で24時間の加熱処理(鋭
敏化熱処理)を施したC含有量0.06%のNi合金イ
ンコネル600の試料(長さ150mm×幅65mm×
厚さ10mm)の表面に、各種合金ワイヤを溶着した。
なお、レーザ照射条件は次のとうりである。
【0025】出力:1000W連続ビーム、焦点:+3
mm外し、施行速度:5mm/秒、ワイヤ供給速度:1
〜2m/分、シールドガス:Ar20リットル/分。
mm外し、施行速度:5mm/秒、ワイヤ供給速度:1
〜2m/分、シールドガス:Ar20リットル/分。
【0026】レーザ溶着金属部をラップさせるマルチパ
ス施行(ピッチ:1.3〜1.5mm)によって一定領域
の表面溶着金属部を形成した。
ス施行(ピッチ:1.3〜1.5mm)によって一定領域
の表面溶着金属部を形成した。
【0027】例えば、実施例の溶着金属Dは、C:0.
023%以下、Cr:24.9%、Fe:0.34%、A
l:0.23%、Nb:3.8%、Mo:9.4%、C
a:0.0007%の0.4mmφ合金ワイヤを用いて、
出力100W、施行速度5mm/秒、ワイヤ供給速度2
m/分、シールドガス:Ar20リットル/分、ピッ
チ:1.5mmの条件で形成したものである。この時の
溶着金属層の厚さは約500μmであった。
023%以下、Cr:24.9%、Fe:0.34%、A
l:0.23%、Nb:3.8%、Mo:9.4%、C
a:0.0007%の0.4mmφ合金ワイヤを用いて、
出力100W、施行速度5mm/秒、ワイヤ供給速度2
m/分、シールドガス:Ar20リットル/分、ピッ
チ:1.5mmの条件で形成したものである。この時の
溶着金属層の厚さは約500μmであった。
【0028】これらの表面溶着金属部から所定の形状の
試験片を切り出し、高温水中隙間つき定ひずみ応力腐食
割れ試験(以下、隙間SCC試験と云う)を行なった。
試験片を切り出し、高温水中隙間つき定ひずみ応力腐食
割れ試験(以下、隙間SCC試験と云う)を行なった。
【0029】図1に隙間SCC試験の概要を示す。厚さ
2mmの板状試験片1の凸側表面に溶着金属部が形成さ
れている。ステンレス鋼製ホルダ2をボルト3で締めつ
け、均一曲げ歪(2%)を付与すると共に、凸側表面に
グラファイト・ウール4を挾んで隙間を形成させた状態
で高温水中に浸漬した。この高温水は288℃で約8p
pmの溶存酸素を含む再生循環純水である。500時間
連続浸漬後に取り出した試験片の断面を顕微鏡観察し、
隙間SCCの割れ深さを測定した。
2mmの板状試験片1の凸側表面に溶着金属部が形成さ
れている。ステンレス鋼製ホルダ2をボルト3で締めつ
け、均一曲げ歪(2%)を付与すると共に、凸側表面に
グラファイト・ウール4を挾んで隙間を形成させた状態
で高温水中に浸漬した。この高温水は288℃で約8p
pmの溶存酸素を含む再生循環純水である。500時間
連続浸漬後に取り出した試験片の断面を顕微鏡観察し、
隙間SCCの割れ深さを測定した。
【0030】なお、本発明の実施例A〜E材の表面溶着
金属部は、いずれもオーステナイト単相の凝固組織であ
り、そのセルサイズは15μm以下でオーステナイト結
晶粒は200μm以下であった。
金属部は、いずれもオーステナイト単相の凝固組織であ
り、そのセルサイズは15μm以下でオーステナイト結
晶粒は200μm以下であった。
【0031】表2に隙間SCC試験の結果を示す。鋭敏
化熱処理を施した0.06%C含有インコネル600母
材における隙間SCC割れ深さは最大で約80μmであ
ったが、第2表によれば、実施例材A〜Eでは、いずれ
も隙間SCC割れ深さは20μm以下であり、良好な耐
応力腐食割れ性を示した。
化熱処理を施した0.06%C含有インコネル600母
材における隙間SCC割れ深さは最大で約80μmであ
ったが、第2表によれば、実施例材A〜Eでは、いずれ
も隙間SCC割れ深さは20μm以下であり、良好な耐
応力腐食割れ性を示した。
【0032】一方、比較例材F〜Mにおける割れ深さは
50μm以上となり鋭敏化インコネル600母材と大差
がなかった。なお、比較例材HおよびLは、Fe含有量
が多いため、隙間SCC試験前の2%歪付与時に割れが
発生した。
50μm以上となり鋭敏化インコネル600母材と大差
がなかった。なお、比較例材HおよびLは、Fe含有量
が多いため、隙間SCC試験前の2%歪付与時に割れが
発生した。
【0033】
【表2】
【0034】また、本発明の実施例材に500℃で24
時間の鋭敏化熱処理を施した場合についても、隙間SC
C試験を実施したが、割れ深さはいずれも20μm以下
となり、やはり良好な耐応力腐食割れ性を示した。
時間の鋭敏化熱処理を施した場合についても、隙間SC
C試験を実施したが、割れ深さはいずれも20μm以下
となり、やはり良好な耐応力腐食割れ性を示した。
【0035】さらに、本発明の実施例材にブラスト処
理、ピーニング処理等の表面に圧縮の残留応力を生じさ
せる様な残留応力緩和処理を施すと、さらに耐応力腐食
割れ性を向上できることを確認している。
理、ピーニング処理等の表面に圧縮の残留応力を生じさ
せる様な残留応力緩和処理を施すと、さらに耐応力腐食
割れ性を向上できることを確認している。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、軽水炉あるいは新型転
換炉等の炉内構造部材や燃料要素等に用いるオーステナ
イト系合金に、耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイ
ト系溶着金属を用いることにより、軽水炉等の機器の安
全性を高め、その寿命を延長することができる。
換炉等の炉内構造部材や燃料要素等に用いるオーステナ
イト系合金に、耐応力腐食割れ性に優れたオーステナイ
ト系溶着金属を用いることにより、軽水炉等の機器の安
全性を高め、その寿命を延長することができる。
【図1】隙間SCC試験例の説明図である。
1…試験片、2…ステンレス鋼製ホルダー、3…ボル
ト、4…グラファイト・ウール。
ト、4…グラファイト・ウール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 3/30 GDDP (72)発明者 小沼 勉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中村 満夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】 重量比でC:0.06%以下、Si:0.
35%以下、Mn:3.5%以下、Cr:18〜30
%、Fe:40%以下を含むNi基合金、または、残余
がNiおよび不可避不純物からなり、かつ、Al:0.
1〜3%、Ti:0.2〜4.5%、Nb:2〜9%、T
a:2〜9%、Mo:1.5〜10%から選ばれる1種
以上を2〜16%含有し、凝固セルサイズが15μm以
下であることを特徴とするオーステナイト系溶着金属。 - 【請求項2】 重量比でC:0.06%以下、Cu:0.
005〜3%、Si:0.35%以下、Mn:3.5%以
下、Cr:18〜30%、Fe:40%以下を含むNi
基合金、または、残余がNiおよび不可避不純物からな
り、かつ、Al:0.1〜3%、Ti:0.2〜4.5
%、Nb:2〜9%、Ta:2〜9%、Mo:1.5〜
10%から選ばれる1種以上を2〜16%含有し、凝固
セルサイズが15μm以下であることを特徴とするオー
ステナイト系溶着金属。 - 【請求項3】 重量比でC:0.06%以下、Cu:0.
005〜3%、Si:0.35%以下、Mn:3.5%以
下、Cr:18〜30%、Fe:40%以下を含むNi
基合金、または、残余がNiおよび不可避不純物からな
り、かつ、Al:0.1〜3%、Ti:0.2〜4.5
%、Nb:2〜9%、Ta:2〜9%、Mo:1.5〜
10%から選ばれる1種以上を2〜16%含有すると共
に、MgおよびCaの少なくとも1種を0.0004〜
0.1%含有し、凝固セルサイズが15μm以下である
ことを特徴とするオーステナイト系溶着金属。 - 【請求項4】 溶着金属の凝固組織がオーステナイト単
相のセル組織であり、凝固セルサイズが15μm以下、
オーステナイト結晶粒が200μm以下である請求項
1,2または3に記載のオーステナイト系溶着金属。 - 【請求項5】 前記溶着金属の表面に圧縮残留応力また
は応力的に中立になるような残留応力緩和処理を施した
請求項1,2または3に記載のオーステナイト系溶着金
属。 - 【請求項6】 母材表面に施された前記溶着金属層の厚
さが1000μm以下である請求項1,2または3に記
載のオーステナイト系溶着金属。 - 【請求項7】 前記オーステナイト系溶着金属を施した
母材オーステナイト系合金が、重量比でC:0.04〜
0.08%,Cr:14〜17%,Fe:6〜40%を
含有するNi合金である請求項1〜6のいずれかに記載
のオーステナイト系溶着金属。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のオース
テナイト系溶着金属の製法において、レーザ等の高密度
エネルギー源を用いてオーステナイト系合金母材の表面
に形成させることを特徴とするオーステナイト系溶着金
属の製法。 - 【請求項9】 前記オーステナイト系合金母材が重量比
でC:0.04〜0.08%,Cr:14〜17%,F
e:6〜40%を含有するNi合金である請求項8に記
載のオーステナイト系溶着金属の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172023A JPH1112669A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | オーステナイト系溶着金属およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172023A JPH1112669A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | オーステナイト系溶着金属およびその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112669A true JPH1112669A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15934099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9172023A Pending JPH1112669A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | オーステナイト系溶着金属およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112669A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20090063162A (ko) * | 2007-12-12 | 2009-06-17 | 헤인스 인터내셔널, 인코포레이티드 | 용접성이고 산화 저항성인 니켈-철-크롬-알루미늄 합금 |
US9551051B2 (en) | 2007-12-12 | 2017-01-24 | Haynes International, Inc. | Weldable oxidation resistant nickel-iron-chromium aluminum alloy |
CN113088796A (zh) * | 2021-03-04 | 2021-07-09 | 南昌大学 | 一种应用于高温氧化性含氯气氛的Ti改性904L合金的制备方法 |
US11732332B2 (en) | 2019-05-28 | 2023-08-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nickel-base alloy welding material, welding material for nuclear reactor, nuclear power apparatus and nuclear power structure, and method of repairing nuclear power apparatus and nuclear power structure |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP9172023A patent/JPH1112669A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20090063162A (ko) * | 2007-12-12 | 2009-06-17 | 헤인스 인터내셔널, 인코포레이티드 | 용접성이고 산화 저항성인 니켈-철-크롬-알루미늄 합금 |
AU2008255259B2 (en) * | 2007-12-12 | 2012-11-01 | Haynes International, Inc | Weldable oxidation resistant nickel-iron-chromium-aluminum alloy |
TWI391496B (zh) * | 2007-12-12 | 2013-04-01 | Haynes Int Inc | 可焊接之抗氧化鎳-鐵-鉻-鋁合金 |
US8506883B2 (en) * | 2007-12-12 | 2013-08-13 | Haynes International, Inc. | Weldable oxidation resistant nickel-iron-chromium-aluminum alloy |
US9551051B2 (en) | 2007-12-12 | 2017-01-24 | Haynes International, Inc. | Weldable oxidation resistant nickel-iron-chromium aluminum alloy |
US11732332B2 (en) | 2019-05-28 | 2023-08-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nickel-base alloy welding material, welding material for nuclear reactor, nuclear power apparatus and nuclear power structure, and method of repairing nuclear power apparatus and nuclear power structure |
CN113088796A (zh) * | 2021-03-04 | 2021-07-09 | 南昌大学 | 一种应用于高温氧化性含氯气氛的Ti改性904L合金的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Segura et al. | Grain boundary and microstructure engineering of Inconel 690 cladding on stainless-steel 316L using electron-beam powder bed fusion additive manufacturing | |
Cao et al. | Effect of pre-and post-weld heat treatment on metallurgical and tensile properties of Inconel 718 alloy butt joints welded using 4 kW Nd: YAG laser | |
Schemel | ASTM manual on zirconium and hafnium | |
JP2826974B2 (ja) | 耐食性デュプレックスステンレス鋼 | |
Kostrivas et al. | Weldability of Li-bearing aluminium alloys | |
KR102059886B1 (ko) | 열간 압연용 티탄 소재 | |
CA1326143C (en) | Ferritic stainless steel and processing therefore | |
KR100535828B1 (ko) | 니켈 및 철기 수퍼합금을 처리하기 위한 야금학적 방법 | |
JP5107172B2 (ja) | Ni基合金溶接材料 | |
Kwok | Laser surface modification of alloys for corrosion and erosion resistance | |
JP5381677B2 (ja) | 溶接ワイヤの製造方法 | |
WO2017145783A1 (ja) | 溶接用Ni基合金ソリッドワイヤおよびNi基合金溶接金属 | |
JP5861599B2 (ja) | 原子炉用オーステナイト系ステンレス鋼 | |
EP2853339B1 (en) | Welding material for welding of superalloys | |
JPS6128746B2 (ja) | ||
JP3235390B2 (ja) | 析出強化型オーステナイト鋼単結晶及びその用途 | |
JPH1112669A (ja) | オーステナイト系溶着金属およびその製法 | |
US20060266450A1 (en) | Cerium-containing austenitic nickel-base alloy having enhanced intergranular attack and stress corrosion cracking resistances, and preparation method thereof | |
JP2783896B2 (ja) | 耐海水性に優れ、溶接軟化の少ない高強度オーステナイトステンレス鋼の製造方法 | |
Boyer | Processing of Titanium and Titanium Alloys | |
Tolvanen | Microstructure and mechanical properties of Ti-6Al-4V welds produced with different processes | |
JPH11241146A (ja) | 耐食性に優れた構造物およびその製造方法、ならびに、構造物の改修方法 | |
KR102232809B1 (ko) | 초합금의 용접을 위한 용접 재료 | |
JP4273339B2 (ja) | 高Cr鋼の溶接継手および溶接材料 | |
Zakharov et al. | High-strength weldable corrosion-resistant aluminum alloy for bearing building structures |