JPH11117989A - トルク変動制御装置 - Google Patents
トルク変動制御装置Info
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- JPH11117989A JPH11117989A JP28087497A JP28087497A JPH11117989A JP H11117989 A JPH11117989 A JP H11117989A JP 28087497 A JP28087497 A JP 28087497A JP 28087497 A JP28087497 A JP 28087497A JP H11117989 A JPH11117989 A JP H11117989A
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- engine
- torque
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 トルク変動の高次成分までの必要トルク変動
低減量を正確に算出する。 【解決手段】 クランク軸に加える加振トルクを調整可
能な加振装置31を有するエンジンにおいて、加振装置
31の発生する加振トルクを検出手段32が、エンジン
−パワートレインの振動加速度を検出手段33がそれぞ
れ検出し、これら検出値から加振装置31の発生する加
振トルクとエンジン−パワートレインの振動加速度との
伝達関数を算出手段34が算出する。この伝達関数に基
づいてエンジンロール振動を低減するように加振装置3
1の加振トルクを制御手段35が制御する。
低減量を正確に算出する。 【解決手段】 クランク軸に加える加振トルクを調整可
能な加振装置31を有するエンジンにおいて、加振装置
31の発生する加振トルクを検出手段32が、エンジン
−パワートレインの振動加速度を検出手段33がそれぞ
れ検出し、これら検出値から加振装置31の発生する加
振トルクとエンジン−パワートレインの振動加速度との
伝達関数を算出手段34が算出する。この伝達関数に基
づいてエンジンロール振動を低減するように加振装置3
1の加振トルクを制御手段35が制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼加振力や慣
性力により発生するエンジンのトルク変動をアクティブ
に低減するための装置に関する。
性力により発生するエンジンのトルク変動をアクティブ
に低減するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オルタネータもしくはモータジェネレー
タの負荷をエンジンが発生するトルクとは逆相で発生さ
せることによりクランク軸のトルク変動を低減すること
が可能となる。この場合、トルク変動は回転系のイナー
シャにクランク軸の回転角加速度を乗じたもので表現可
能であるから、クランク軸の回転角速度を検出し、この
値を微分演算して回転角加速度を求め、この値に比例さ
せてトルク変動を求め、このトルク変動の位相を考慮し
て逆相のトルク負荷を発生させるようにしたものがある
(1993年の機械学会論文集(C編)59巻560号
(論文No.92−1175)の「電気補機のアクティ
ブトルク制御による自動車アイドリング振動低減」参
照)。
タの負荷をエンジンが発生するトルクとは逆相で発生さ
せることによりクランク軸のトルク変動を低減すること
が可能となる。この場合、トルク変動は回転系のイナー
シャにクランク軸の回転角加速度を乗じたもので表現可
能であるから、クランク軸の回転角速度を検出し、この
値を微分演算して回転角加速度を求め、この値に比例さ
せてトルク変動を求め、このトルク変動の位相を考慮し
て逆相のトルク負荷を発生させるようにしたものがある
(1993年の機械学会論文集(C編)59巻560号
(論文No.92−1175)の「電気補機のアクティ
ブトルク制御による自動車アイドリング振動低減」参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置のように、トルク変動の検出のため、クランク軸の回
転角速度を検出し、この値の微分演算によって回転角加
速度を求めるのでは、回転角加速度の検出精度が低い。
また、回転角速度を検出するにはクランク軸(あるいは
これに同期して回転する軸)の回転に応じて所定数のパ
ルスを発生させることになるが、クランク軸1回転当た
りの検出パルス数が少ないと、変動トルクの高次成分の
検出精度が一層低くなる(パルス数を大きくするとサン
プリング周波数を改善する必要が発生しコスト高とな
る)。
置のように、トルク変動の検出のため、クランク軸の回
転角速度を検出し、この値の微分演算によって回転角加
速度を求めるのでは、回転角加速度の検出精度が低い。
また、回転角速度を検出するにはクランク軸(あるいは
これに同期して回転する軸)の回転に応じて所定数のパ
ルスを発生させることになるが、クランク軸1回転当た
りの検出パルス数が少ないと、変動トルクの高次成分の
検出精度が一層低くなる(パルス数を大きくするとサン
プリング周波数を改善する必要が発生しコスト高とな
る)。
【0004】さらに、自動変速機のギア位置がNレンジ
にあるときとDレンジにあるときとでエンジン状態が変
化するのに、ギア位置に関係なくクランク軸の回転変動
を検出するのではロール振動を低減するための制御精度
が不十分となる(トランスミッション側の回転変動も考
慮する必要がある)。
にあるときとDレンジにあるときとでエンジン状態が変
化するのに、ギア位置に関係なくクランク軸の回転変動
を検出するのではロール振動を低減するための制御精度
が不十分となる(トランスミッション側の回転変動も考
慮する必要がある)。
【0005】そこで本発明は、ロール振動加速度と加振
装置からのトルク入力との伝達関数を所定の運転条件で
算出し、ロール振動が問題となる運転条件になると、こ
の伝達関数に基づいてロール振動を低減するように制御
することにより、トルク変動の高次成分までの必要トル
ク変動低減量を正確に算出することを目的とする。
装置からのトルク入力との伝達関数を所定の運転条件で
算出し、ロール振動が問題となる運転条件になると、こ
の伝達関数に基づいてロール振動を低減するように制御
することにより、トルク変動の高次成分までの必要トル
ク変動低減量を正確に算出することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図6に示
すように、クランク軸に加える加振トルクを調整可能な
加振装置31を有するエンジンにおいて、前記加振装置
31の発生する加振トルクを検出する手段32と、エン
ジン−パワートレインの振動加速度を検出する手段33
と、これら検出値から前記加振装置31の発生する加振
トルクとエンジン−パワートレインの振動加速度との伝
達関数を算出する手段34と、この伝達関数に基づいて
エンジンロール振動を低減するように前記加振装置31
の加振トルクを制御する手段35とを設けた。
すように、クランク軸に加える加振トルクを調整可能な
加振装置31を有するエンジンにおいて、前記加振装置
31の発生する加振トルクを検出する手段32と、エン
ジン−パワートレインの振動加速度を検出する手段33
と、これら検出値から前記加振装置31の発生する加振
トルクとエンジン−パワートレインの振動加速度との伝
達関数を算出する手段34と、この伝達関数に基づいて
エンジンロール振動を低減するように前記加振装置31
の加振トルクを制御する手段35とを設けた。
【0007】第2の発明では、第1の発明において前記
加振装置によりエンジン始動時に既知のインパルス入力
を与えたときのエンジンロール振動の変化より前記伝達
関数を算出する。
加振装置によりエンジン始動時に既知のインパルス入力
を与えたときのエンジンロール振動の変化より前記伝達
関数を算出する。
【0008】第3の発明は、第1の発明においてロール
振動が問題となる運転条件であってエンジン始動後初め
て経験する運転条件の初期状態で前記加振装置により既
知の入力を与えたときのエンジンロール振動の変化より
前記伝達関数を算出する。
振動が問題となる運転条件であってエンジン始動後初め
て経験する運転条件の初期状態で前記加振装置により既
知の入力を与えたときのエンジンロール振動の変化より
前記伝達関数を算出する。
【0009】第4の発明では、第1から第3までのいず
れか一つの発明において前記加振装置がモータジェネレ
ータである。
れか一つの発明において前記加振装置がモータジェネレ
ータである。
【0010】第5の発明は、第4の発明において前記モ
ータジェネレータをスタータとして兼用させ、フライホ
イールのリングギアと噛み合うようにするとともに、エ
ンジン側壁に剛に結合してモータジェネレータの加振力
の反作用がエンジンブロックに作用するように設ける。
ータジェネレータをスタータとして兼用させ、フライホ
イールのリングギアと噛み合うようにするとともに、エ
ンジン側壁に剛に結合してモータジェネレータの加振力
の反作用がエンジンブロックに作用するように設ける。
【0011】
【発明の効果】第1の発明では、伝達関数の逆数にエン
ジン−パワートレインの振動加速度を乗ずることによ
り、エンジン−パワートレインの振動を低減するために
必要な加振トルクを求めているので、従来装置と比較し
て微分演算が必要でなく、トルク変動の高次成分までの
必要トルク変動低減量を正確に算出できる。この結果、
アイドル振動やロックアップこもり音が大幅に低減可能
である。
ジン−パワートレインの振動加速度を乗ずることによ
り、エンジン−パワートレインの振動を低減するために
必要な加振トルクを求めているので、従来装置と比較し
て微分演算が必要でなく、トルク変動の高次成分までの
必要トルク変動低減量を正確に算出できる。この結果、
アイドル振動やロックアップこもり音が大幅に低減可能
である。
【0012】エンジン始動時はもともと外乱が発生する
タイミングであるから、第2の発明によりエンジン始動
時に加振装置による加振力を加えても振動の違和感を感
知させることなく伝達特性の把握が可能となる。
タイミングであるから、第2の発明によりエンジン始動
時に加振装置による加振力を加えても振動の違和感を感
知させることなく伝達特性の把握が可能となる。
【0013】第3の発明では、制御対象の変動(つま
り、同じ運転条件でもガタの違い(個体差、経時変化な
ど)により、また同じ個体、同じ回転数でも負荷により
伝達関数が変化するということ)に追従してきめ細かく
制御可能である。言い換えると、ロール振動をどの使用
状況にあっても直接的にキャンセル可能である。また、
エンジン始動後2度目以降にロール振動が問題となる運
転条件となったときにも伝達関数を算出するのでは、そ
の都度、加振力による振動の違和感を感知させることに
なるが、第3の発明ではそうしたこともなくなる。
り、同じ運転条件でもガタの違い(個体差、経時変化な
ど)により、また同じ個体、同じ回転数でも負荷により
伝達関数が変化するということ)に追従してきめ細かく
制御可能である。言い換えると、ロール振動をどの使用
状況にあっても直接的にキャンセル可能である。また、
エンジン始動後2度目以降にロール振動が問題となる運
転条件となったときにも伝達関数を算出するのでは、そ
の都度、加振力による振動の違和感を感知させることに
なるが、第3の発明ではそうしたこともなくなる。
【0014】ベルトはトルクを伝達しようとする場合に
伸縮する。この場合、補機やプーリをイナーシャ、また
ベルトを伸縮方向のバネとして、たとえば20Hzから
30Hzのあいだに共振点が存在する(エンジンの回転
速度では1200rpm程度)ため、共振周波数以上で
はトルクが同相で伝わらなくなる。したがって、エンジ
ンの燃焼タイミングに合わせてモータジェネレータに発
生させるトルクを制御し続けると位相が合わなくなり、
かえってトルク変動を大きくしてしまうことがある。こ
れに対して、第5の発明では、ベルト(あるいはチェー
ン)駆動方式によるこうした駆動系共振の影響を受ける
ことがなく、正確な伝達特性の把握やトルク変動低減制
御が可能となる。
伸縮する。この場合、補機やプーリをイナーシャ、また
ベルトを伸縮方向のバネとして、たとえば20Hzから
30Hzのあいだに共振点が存在する(エンジンの回転
速度では1200rpm程度)ため、共振周波数以上で
はトルクが同相で伝わらなくなる。したがって、エンジ
ンの燃焼タイミングに合わせてモータジェネレータに発
生させるトルクを制御し続けると位相が合わなくなり、
かえってトルク変動を大きくしてしまうことがある。こ
れに対して、第5の発明では、ベルト(あるいはチェー
ン)駆動方式によるこうした駆動系共振の影響を受ける
ことがなく、正確な伝達特性の把握やトルク変動低減制
御が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はパワープラント1(エンジ
ン−パワートレイン)の斜視図である。図において、3
はシリンダブロック、4はアルミ製のオイルパン、5は
板金製のオイル溜まり、6はシリンダブロック3にボル
トで一体結合されているシリンダヘッド、7はシリンダ
ヘッド6を覆うロッカーカバーで、これらからエンジン
2が構成され、このエンジン2にトルクコンバータ(図
示しない)を介してパワートレインとしてのトランスミ
ッション8が接続される。エンジンおよびパワートレイ
ンからなるこのパワープラント1は、図3に示したよう
にエンジンマウント9を介して車体10に固定される。
ン−パワートレイン)の斜視図である。図において、3
はシリンダブロック、4はアルミ製のオイルパン、5は
板金製のオイル溜まり、6はシリンダブロック3にボル
トで一体結合されているシリンダヘッド、7はシリンダ
ヘッド6を覆うロッカーカバーで、これらからエンジン
2が構成され、このエンジン2にトルクコンバータ(図
示しない)を介してパワートレインとしてのトランスミ
ッション8が接続される。エンジンおよびパワートレイ
ンからなるこのパワープラント1は、図3に示したよう
にエンジンマウント9を介して車体10に固定される。
【0016】本来、エンジンは燃焼加振力によるピスト
ンの往復運動をコンロッドとクランク軸によるリンク機
構から回転出力に変換しているが、燃焼加振力が大きく
変動していると、クランク-コンロッド機構の揺動から
トルク変動が発生する。このトルク変動は、フライホイ
ール、クラッチ(またはトルクコンバータ)を介してト
ランスミッションに伝達される。一方、クランク軸に作
用するこれらのトルク変動は、反作用としてエンジンブ
ロックにも加振力として加わる。この結果、エンジンが
ロール振動し、エンジンマウントへの変位加振となって
車体へ加振力が伝達される。これらの現象は、アイドル
時にはアイドル振動としてステアリングや車体のフロア
振動を増大させ、また定常ロックアップ走行時にはロッ
クアップこもり音などとして問題になる。
ンの往復運動をコンロッドとクランク軸によるリンク機
構から回転出力に変換しているが、燃焼加振力が大きく
変動していると、クランク-コンロッド機構の揺動から
トルク変動が発生する。このトルク変動は、フライホイ
ール、クラッチ(またはトルクコンバータ)を介してト
ランスミッションに伝達される。一方、クランク軸に作
用するこれらのトルク変動は、反作用としてエンジンブ
ロックにも加振力として加わる。この結果、エンジンが
ロール振動し、エンジンマウントへの変位加振となって
車体へ加振力が伝達される。これらの現象は、アイドル
時にはアイドル振動としてステアリングや車体のフロア
振動を増大させ、また定常ロックアップ走行時にはロッ
クアップこもり音などとして問題になる。
【0017】この場合、オルタネータもしくはモータジ
ェネレータの負荷をエンジンが発生するトルクとは逆相
で発生させることにより(正確にはオルタネータの場合
は吸収トルクを大きくしたり小さくしたりしている)、
クランク軸のトルク変動を低減することが可能となるた
め、クランク軸の回転角速度を微分演算することによっ
て回転角加速度を求め、これに比例させてトルク変動を
求め(トルク変動は、回転系のイナーシャに回転角加速
度を乗じたもので表現可能)、このトルク変動の位相を
考慮して逆相のトルク負荷を発生させるようにしたもの
が提案されているが、クランク軸の回転角速度の微分演
算によって回転角加速度を求めるのでは、回転角加速度
の検出精度が低いし、トランスミッションのギア位置が
NレンジにあるときとDレンジにあるときとでエンジン
状態が変化するのに、ギア位置に関係なくクランク軸の
回転変動を検出するだけではロール振動を低減するため
の制御精度が不十分である。
ェネレータの負荷をエンジンが発生するトルクとは逆相
で発生させることにより(正確にはオルタネータの場合
は吸収トルクを大きくしたり小さくしたりしている)、
クランク軸のトルク変動を低減することが可能となるた
め、クランク軸の回転角速度を微分演算することによっ
て回転角加速度を求め、これに比例させてトルク変動を
求め(トルク変動は、回転系のイナーシャに回転角加速
度を乗じたもので表現可能)、このトルク変動の位相を
考慮して逆相のトルク負荷を発生させるようにしたもの
が提案されているが、クランク軸の回転角速度の微分演
算によって回転角加速度を求めるのでは、回転角加速度
の検出精度が低いし、トランスミッションのギア位置が
NレンジにあるときとDレンジにあるときとでエンジン
状態が変化するのに、ギア位置に関係なくクランク軸の
回転変動を検出するだけではロール振動を低減するため
の制御精度が不十分である。
【0018】これに対処するため本発明では、エンジン
のロール振動加速度(エンジン−パワートレインの振動
加速度)と加振装置からのトルク入力との伝達関数を運
転中に算出し、この運転中に得た伝達関数に基づいてロ
ール振動を低減するように制御する。
のロール振動加速度(エンジン−パワートレインの振動
加速度)と加振装置からのトルク入力との伝達関数を運
転中に算出し、この運転中に得た伝達関数に基づいてロ
ール振動を低減するように制御する。
【0019】このため、シリンダブロック3の一部に
は、ロール方向振動を検出するための加速度ピックアッ
プ11が装着されている。このピックアップ11の装着
位置は、パワープラント1の慣性主軸25(図3参照)
からなるべく離れていてかつロール振動の接線方向に加
速度ピックアップ11の主軸が向くように配向すること
が望ましい。
は、ロール方向振動を検出するための加速度ピックアッ
プ11が装着されている。このピックアップ11の装着
位置は、パワープラント1の慣性主軸25(図3参照)
からなるべく離れていてかつロール振動の接線方向に加
速度ピックアップ11の主軸が向くように配向すること
が望ましい。
【0020】シリンダブロック3の側壁には加振装置と
して働くとともにスタータを兼用するモータジェネレー
タ12が台座13を介して固定される。加振装置として
働くときはインバータ14(図3参照)からの出力に応
じて駆動され、モータジェネレータ12の発生するトル
クが加振トルクとしてパワープラント1の全体に作用す
る。
して働くとともにスタータを兼用するモータジェネレー
タ12が台座13を介して固定される。加振装置として
働くときはインバータ14(図3参照)からの出力に応
じて駆動され、モータジェネレータ12の発生するトル
クが加振トルクとしてパワープラント1の全体に作用す
る。
【0021】このモータジェネレータ12からの加振ト
ルクをエンジンが発生するトルクと逆相で発生させるこ
とにより、クランク軸のトルク変動を低減することが可
能となる。さらに説明すると、トルク変動を低減するた
めの原理図である図2において、エンジンの燃焼加振力
によりピストンサイドフォースがライナに作用している
が、これの反力がクランク軸に加わったものがクランク
軸中心より右に向かう図示の力F1で、この力F1と燃
焼加振力とでエンジン2を反時計回りに回転させようと
する力となる。これに対して、モータジェネレータ12
より右斜め上に向かう力F2とクランク軸中心より左下
に向かう力F3はギアのかみ合いによる反力で、r1+
r2の距離分を腕としてエンジン1を時計方向に回転さ
せる偶力となる。この偶力が上記の燃焼加振力に伴う反
時計回りの力をキャンセルするのである。
ルクをエンジンが発生するトルクと逆相で発生させるこ
とにより、クランク軸のトルク変動を低減することが可
能となる。さらに説明すると、トルク変動を低減するた
めの原理図である図2において、エンジンの燃焼加振力
によりピストンサイドフォースがライナに作用している
が、これの反力がクランク軸に加わったものがクランク
軸中心より右に向かう図示の力F1で、この力F1と燃
焼加振力とでエンジン2を反時計回りに回転させようと
する力となる。これに対して、モータジェネレータ12
より右斜め上に向かう力F2とクランク軸中心より左下
に向かう力F3はギアのかみ合いによる反力で、r1+
r2の距離分を腕としてエンジン1を時計方向に回転さ
せる偶力となる。この偶力が上記の燃焼加振力に伴う反
時計回りの力をキャンセルするのである。
【0022】なお、図2において、メインフライホイー
ルのイナーシャをI1(2リッタークラスのガソリンエ
ンジンであれば0.1kgm2程度)、サブホイールと
してのモータジェネレータのイナーシャをI2としたと
き、I2は理想的にはギア比(r1/r2)の逆数をI
1に乗じた値であることが望ましい。したがって、スペ
ースの関係でこの値にまでモータジェネレータのイナー
シャを大きくとれないときは、その分だけロール振動の
低減効果が少なくなる。
ルのイナーシャをI1(2リッタークラスのガソリンエ
ンジンであれば0.1kgm2程度)、サブホイールと
してのモータジェネレータのイナーシャをI2としたと
き、I2は理想的にはギア比(r1/r2)の逆数をI
1に乗じた値であることが望ましい。したがって、スペ
ースの関係でこの値にまでモータジェネレータのイナー
シャを大きくとれないときは、その分だけロール振動の
低減効果が少なくなる。
【0023】図3は図1に示したメカ構成に電気回路を
追加したものである。
追加したものである。
【0024】加速度ピックアップ11の出力は、出力が
安定している電圧タイプのものが望ましく、アンプ21
に入力させる。このアンプ21からの出力信号のうち不
要な高周波成分をカットするため(加速度出力は一般的
に高周波数領域ほど大きいためオーバーロードを意識す
るとS/N比が低下するので)、ローパスフィルタ22
を介して演算装置23に入力させる。
安定している電圧タイプのものが望ましく、アンプ21
に入力させる。このアンプ21からの出力信号のうち不
要な高周波成分をカットするため(加速度出力は一般的
に高周波数領域ほど大きいためオーバーロードを意識す
るとS/N比が低下するので)、ローパスフィルタ22
を介して演算装置23に入力させる。
【0025】エンジン回転数、ブースト圧、トランスミ
ッションのギア位置などの信号が入力される演算装置2
3では、所定の運転条件でモータジェネレータ12を加
振装置として働かせ、このときのロール振動加速度とモ
ータジェネレータ12からのトルク入力との伝達関数H
を求め、その後にエンジンのロール振動が問題となる運
転条件になると、この伝達関数Hに基づいて加振装置と
してのモータジェネレータ12に与える制御トルクを求
め、この制御トルクによりロール振動を低減するように
制御する。
ッションのギア位置などの信号が入力される演算装置2
3では、所定の運転条件でモータジェネレータ12を加
振装置として働かせ、このときのロール振動加速度とモ
ータジェネレータ12からのトルク入力との伝達関数H
を求め、その後にエンジンのロール振動が問題となる運
転条件になると、この伝達関数Hに基づいて加振装置と
してのモータジェネレータ12に与える制御トルクを求
め、この制御トルクによりロール振動を低減するように
制御する。
【0026】主にマイコンからなる演算装置23で実行
される伝達関数の算出方法を図4のフローチャートを用
いて詳述する。
される伝達関数の算出方法を図4のフローチャートを用
いて詳述する。
【0027】ここで、伝達関数が必要となる運転条件は
ロール振動が問題となる運転条件であるから、エンジン
始動後初めてロール振動が問題となる運転条件となった
とき伝達関数を算出し、記憶させておく。
ロール振動が問題となる運転条件であるから、エンジン
始動後初めてロール振動が問題となる運転条件となった
とき伝達関数を算出し、記憶させておく。
【0028】ロール振動が問題となるのは、エンジン
がアイドル状態のときの車両(フロアーやステアリン
グ)のアイドル振動や自動変速機をロックアップした
ときに発生するロックアップこもり音である。したがっ
て、ロール振動が問題となる運転条件としては比較的低
回転かつ低負荷の領域(たとえば2000rpm以下か
つ1/2負荷以下)である。以下では簡単のため、上記
のとを対象とする場合で述べる。
がアイドル状態のときの車両(フロアーやステアリン
グ)のアイドル振動や自動変速機をロックアップした
ときに発生するロックアップこもり音である。したがっ
て、ロール振動が問題となる運転条件としては比較的低
回転かつ低負荷の領域(たとえば2000rpm以下か
つ1/2負荷以下)である。以下では簡単のため、上記
のとを対象とする場合で述べる。
【0029】ステップ1ではイグニッションキースイッ
チをみて、これがON状態のときはステップ2でギア位
置をみてNレンジにあるかDレンジにあるかを確認して
ステップ3に進む。
チをみて、これがON状態のときはステップ2でギア位
置をみてNレンジにあるかDレンジにあるかを確認して
ステップ3に進む。
【0030】ステップ3ではエンジン回転数とブースト
圧(負荷)を読み込み、ステップ4においてこれらが上
記の運転域(比較的低回転かつ低負荷の領域)にあるか
どうかをみる。
圧(負荷)を読み込み、ステップ4においてこれらが上
記の運転域(比較的低回転かつ低負荷の領域)にあるか
どうかをみる。
【0031】上記の運転域であるときは、ステップ5に
進み、始動後に当該運転域で伝達関数をすでに算出済み
であるかどうかをみる。当該運転域で伝達関数をまだ算
出していない場合にステップ6に進む。
進み、始動後に当該運転域で伝達関数をすでに算出済み
であるかどうかをみる。当該運転域で伝達関数をまだ算
出していない場合にステップ6に進む。
【0032】ステップ6ではモータジェネレータを加振
装置として働かせるため、モータジェネレータ12への
駆動電流を指示する。このとき、ギア比(モータジェネ
レータ12とフライホイール15(図3参照)のギア
比)も考慮してモータジェネレータ12に駆動トルク
(始動時に伝達関数を求めるときは始動に必要なDCト
ルク)を発生させると同時に、燃焼加振力とは無相関の
変動成分も重ね合わせた信号を与える。
装置として働かせるため、モータジェネレータ12への
駆動電流を指示する。このとき、ギア比(モータジェネ
レータ12とフライホイール15(図3参照)のギア
比)も考慮してモータジェネレータ12に駆動トルク
(始動時に伝達関数を求めるときは始動に必要なDCト
ルク)を発生させると同時に、燃焼加振力とは無相関の
変動成分も重ね合わせた信号を与える。
【0033】ここで、燃焼加振力とは無関係の変動成分
も重ねた合わせた信号を与えるのは次の理由からであ
る。計測される振動加速度にはエンジンが燃焼すること
によって発生する振動も含まれている。これを分離する
ために無相関な信号を重ね合わせたものである。また、
エンジン側の燃焼加振力から燃焼加振力に対する伝達特
性も明らかになる。
も重ねた合わせた信号を与えるのは次の理由からであ
る。計測される振動加速度にはエンジンが燃焼すること
によって発生する振動も含まれている。これを分離する
ために無相関な信号を重ね合わせたものである。また、
エンジン側の燃焼加振力から燃焼加振力に対する伝達特
性も明らかになる。
【0034】ステップ7では、このときのロール振動加
速度を測定し、これをステップ8においてモータジェネ
レータ12の発生する駆動トルクで除することにより伝
達関数Hを算出する。
速度を測定し、これをステップ8においてモータジェネ
レータ12の発生する駆動トルクで除することにより伝
達関数Hを算出する。
【0035】なお、モータジェネレータ12に発生する
駆動トルクは、モータの電流もしくは電圧と素直な比例
関係にあるため、インバータ14に与えた電流もしくは
電圧を用いて推定している。
駆動トルクは、モータの電流もしくは電圧と素直な比例
関係にあるため、インバータ14に与えた電流もしくは
電圧を用いて推定している。
【0036】ステップ9ではメモリにそのときのギア位
置に応じて最新の値を格納する。
置に応じて最新の値を格納する。
【0037】ここで、上記の運転域(比較的低回転かつ
低負荷の領域)の全体に対して1つの伝達関数を求める
のではなく、この運転域をさらに複数の小さな領域に区
分しており、その小さな領域毎に伝達関数(周波数ごと
の伝達関数)を格納している。つまり、回転数と負荷を
パラメータとする伝達関数のマップをギア位置ごとに持
っており(NレンジとDレンジに対して1つずつのマッ
プ)、その各マップ上の小さな領域ごとに別々の値が格
納されることになる。
低負荷の領域)の全体に対して1つの伝達関数を求める
のではなく、この運転域をさらに複数の小さな領域に区
分しており、その小さな領域毎に伝達関数(周波数ごと
の伝達関数)を格納している。つまり、回転数と負荷を
パラメータとする伝達関数のマップをギア位置ごとに持
っており(NレンジとDレンジに対して1つずつのマッ
プ)、その各マップ上の小さな領域ごとに別々の値が格
納されることになる。
【0038】図5のフローチャートは、このようにして
伝達関数を求めた後にロール振動が問題となる運転条件
になったとき、その求めた伝達関数に基づいてトルク制
御を行うためのものである。
伝達関数を求めた後にロール振動が問題となる運転条件
になったとき、その求めた伝達関数に基づいてトルク制
御を行うためのものである。
【0039】ステップ11ではエンジン回転数とブース
ト圧を読み込み、ステップ12においてこれらが所定の
運転域にあるかどうかをみる。この所定の運転域は前述
したロール振動が問題となる運転域である。所定の運転
域でないときはロール振動が問題とならないので、その
まま今回の処理を終了する。
ト圧を読み込み、ステップ12においてこれらが所定の
運転域にあるかどうかをみる。この所定の運転域は前述
したロール振動が問題となる運転域である。所定の運転
域でないときはロール振動が問題とならないので、その
まま今回の処理を終了する。
【0040】所定の運転域であるときは、ステップ13
に進んでギア位置がNレンジにあるのかDレンジにある
のかを確認したあと、ステップ14、15において加速
度ピックアップ11により検出されるそのときのロール
振動加速度Aを測定し、車両感度やマウントインシュレ
ータ(ばね定数)等より決定されるエンジンマウント振
動の目標加速度とこの実際の加速度Aの差を0と比較す
る。
に進んでギア位置がNレンジにあるのかDレンジにある
のかを確認したあと、ステップ14、15において加速
度ピックアップ11により検出されるそのときのロール
振動加速度Aを測定し、車両感度やマウントインシュレ
ータ(ばね定数)等より決定されるエンジンマウント振
動の目標加速度とこの実際の加速度Aの差を0と比較す
る。
【0041】比較の結果、目標値−Aの値が0より大き
い場合は、ロール振動を低減する必要があるので、ステ
ップ16以降に進み、モータジェネレータ12を加振装
置として働かせてエンジンマウント振動を抑制する方向
に加振力を加える。
い場合は、ロール振動を低減する必要があるので、ステ
ップ16以降に進み、モータジェネレータ12を加振装
置として働かせてエンジンマウント振動を抑制する方向
に加振力を加える。
【0042】詳細には、ステップ16で摂動トルクTに
ギア位置に応じた伝達関数H(t)を乗算した値を、モ
ータで制御したときの加速度レベルAcとして求め、上
記の目標値−Aの値とこのAcをステップ17において
比較し、目標値−Aの値がこのAcと一致するまでステ
ップ16、17の操作を繰り返す。
ギア位置に応じた伝達関数H(t)を乗算した値を、モ
ータで制御したときの加速度レベルAcとして求め、上
記の目標値−Aの値とこのAcをステップ17において
比較し、目標値−Aの値がこのAcと一致するまでステ
ップ16、17の操作を繰り返す。
【0043】上記の摂動トルクTは、モータジェネレー
タの必要発生トルクTm0(平均的な数値)を初期値に
して摂動させるトルクのことで、Tm0はマップ検索に
より求める。このマップも、エンジン回転数と負荷をパ
ラメータとするマップで、伝達関数のマップと同じに複
数の領域に区分けしている。
タの必要発生トルクTm0(平均的な数値)を初期値に
して摂動させるトルクのことで、Tm0はマップ検索に
より求める。このマップも、エンジン回転数と負荷をパ
ラメータとするマップで、伝達関数のマップと同じに複
数の領域に区分けしている。
【0044】上記の目標値−Aの値がAcと一致したと
きはステップ17よりステップ18、19に進み、この
ときの摂動トルクTの値を制御トルクTmに移し、この
制御トルクTm(の得られる電流値)をインバータに出
力する。
きはステップ17よりステップ18、19に進み、この
ときの摂動トルクTの値を制御トルクTmに移し、この
制御トルクTm(の得られる電流値)をインバータに出
力する。
【0045】単純に考えると、制御トルクTmを求める
のに、Tm=(目標値−A)/h(t)とすればよいわ
けであるが、伝達関数H(t)の逆数をとるときに伝達
関数H(t)が限りなく0に近い場合(反共振点)、誤
差が拡大されてしまうため、乗算の形で収束計算を行わ
せてTmを求めることで、制御精度の低下を防止するの
である。もちろん、Tm=(目標値−A)/h(t)に
より制御トルクTmを求めてもよいことはいうまでもな
い。
のに、Tm=(目標値−A)/h(t)とすればよいわ
けであるが、伝達関数H(t)の逆数をとるときに伝達
関数H(t)が限りなく0に近い場合(反共振点)、誤
差が拡大されてしまうため、乗算の形で収束計算を行わ
せてTmを求めることで、制御精度の低下を防止するの
である。もちろん、Tm=(目標値−A)/h(t)に
より制御トルクTmを求めてもよいことはいうまでもな
い。
【0046】このようにして、伝達関数に基づいて求め
た制御トルクTmをモータジェネレータ12よりパワー
プラント1に与えることで、エンジンの目標ロール振動
加速度に対する実際のロール振動加速度Aとの差分をキ
ャンセルすることができる。
た制御トルクTmをモータジェネレータ12よりパワー
プラント1に与えることで、エンジンの目標ロール振動
加速度に対する実際のロール振動加速度Aとの差分をキ
ャンセルすることができる。
【0047】次に、本発明の作用を説明する。
【0048】通常、トルク変動の検出は回転角速度を検
出し、これを微分演算することにより回転角加速度を求
め、これにエンジンのイナーシャIpを掛け合わせるこ
とでトルク変動を算出する。一般的に微分演算の精度が
低いこともあり、トルク変動の高次成分を算出するため
には検出パルス数を上げなければならないが、この場
合、演算に時間を要するため、時時刻々の制御は無理で
あり、何サイクルか前の状態で制御することになる。
出し、これを微分演算することにより回転角加速度を求
め、これにエンジンのイナーシャIpを掛け合わせるこ
とでトルク変動を算出する。一般的に微分演算の精度が
低いこともあり、トルク変動の高次成分を算出するため
には検出パルス数を上げなければならないが、この場
合、演算に時間を要するため、時時刻々の制御は無理で
あり、何サイクルか前の状態で制御することになる。
【0049】これに対して、伝達関数を用いてのトルク
変動低減方式である本発明では、微分演算が発生せず、
エンジンマウント振動を低減するために必要なトルクT
mを伝達関数の逆数にエンジンマウント振動加速度Aを
乗ずる(時間領域では畳み込み積分)ことにより求めて
いるので、従来装置と比較すると、トルク変動の高次成
分までの必要トルク変動低減量を正確に算出できる。
変動低減方式である本発明では、微分演算が発生せず、
エンジンマウント振動を低減するために必要なトルクT
mを伝達関数の逆数にエンジンマウント振動加速度Aを
乗ずる(時間領域では畳み込み積分)ことにより求めて
いるので、従来装置と比較すると、トルク変動の高次成
分までの必要トルク変動低減量を正確に算出できる。
【0050】また、モータジェネレータにも所定のイナ
ーシャを持たせることにより、ロール振動を低減させる
際のシステムをコンパクトにすることが可能である。従
来のように電気モータだけでトルク変動をキャンセルし
ようとすると、非常に大きなモータが必要となり、レイ
アウトや重量が現実的でなかったが(エンジンは平均的
な出力に比べ変動分が大きく、この傾向は負荷が大きい
と顕著だから)、所定のイナーシャを持たせたモータジ
ェネレータであれば、物理的にキャンセルできるトルク
が存在するため、残った変動成分を電気的にキャンセル
するだけでよくなるためコンパクトなシステムとなるの
である。
ーシャを持たせることにより、ロール振動を低減させる
際のシステムをコンパクトにすることが可能である。従
来のように電気モータだけでトルク変動をキャンセルし
ようとすると、非常に大きなモータが必要となり、レイ
アウトや重量が現実的でなかったが(エンジンは平均的
な出力に比べ変動分が大きく、この傾向は負荷が大きい
と顕著だから)、所定のイナーシャを持たせたモータジ
ェネレータであれば、物理的にキャンセルできるトルク
が存在するため、残った変動成分を電気的にキャンセル
するだけでよくなるためコンパクトなシステムとなるの
である。
【0051】実施形態では、伝達関数を実際に算出する
場合で説明したが、計算負荷を低く抑えるのであれば、
周波数毎の伝達関数をギア位置毎の運転領域のマップに
格納したものを予め用意しておき、トルク制御は、この
マップに応じて行うようにすることもできる。
場合で説明したが、計算負荷を低く抑えるのであれば、
周波数毎の伝達関数をギア位置毎の運転領域のマップに
格納したものを予め用意しておき、トルク制御は、この
マップに応じて行うようにすることもできる。
【0052】実施形態では、ロール振動が問題となる運
転条件をエンジン始動後初めて経験したときモータジェ
ネレータにより既知の入力を与えてエンジンロール振動
の変化より伝達関数を算出する場合で説明したが、モー
タジェネレータによりエンジン始動時に既知のインパル
ス入力を与えたときのエンジンロール振動の変化より伝
達関数を算出させてもかまわない。
転条件をエンジン始動後初めて経験したときモータジェ
ネレータにより既知の入力を与えてエンジンロール振動
の変化より伝達関数を算出する場合で説明したが、モー
タジェネレータによりエンジン始動時に既知のインパル
ス入力を与えたときのエンジンロール振動の変化より伝
達関数を算出させてもかまわない。
【0053】伝達関数を求める場合、入力となる加振力
の周波数特性と応答となるエンジンマウント振動の周波
数特性のわり算を実行することになる。このため、加振
力と加速度レベルの計測と周波数分析が必要となる。本
実施形態では、この加振力がモータジェネレータによる
トルク入力であるため、この計測が必要となる。この場
合に、トルクセンサを用いてトルクを計測するのも一例
ではあるが、コストがかさむため、モータジェネレータ
を流れる電流とトルクの関係を予め求めておき、その電
流を計測することでトルクに換算する。このとき、限ら
れた時間にトルクを発生させるという意味合いで上記
「インパルス」という表現を用いている。モータ駆動電
流により発生トルクを予測すれば実際の電流を計測する
ことも必要でない。エンジン始動時はもともと外乱が発
生するタイミングであるから、エンジン始動時にモータ
ジェネレータにより加振力を加えても振動の違和感を感
知させることなく伝達特性の把握が可能となる。
の周波数特性と応答となるエンジンマウント振動の周波
数特性のわり算を実行することになる。このため、加振
力と加速度レベルの計測と周波数分析が必要となる。本
実施形態では、この加振力がモータジェネレータによる
トルク入力であるため、この計測が必要となる。この場
合に、トルクセンサを用いてトルクを計測するのも一例
ではあるが、コストがかさむため、モータジェネレータ
を流れる電流とトルクの関係を予め求めておき、その電
流を計測することでトルクに換算する。このとき、限ら
れた時間にトルクを発生させるという意味合いで上記
「インパルス」という表現を用いている。モータ駆動電
流により発生トルクを予測すれば実際の電流を計測する
ことも必要でない。エンジン始動時はもともと外乱が発
生するタイミングであるから、エンジン始動時にモータ
ジェネレータにより加振力を加えても振動の違和感を感
知させることなく伝達特性の把握が可能となる。
【0054】ただし、ギア位置がNレンジにあるエンジ
ン始動時に求まる伝達関数は、ギア位置がNレンジにあ
るときに最適な値となるので、このときの伝達関数を、
ギア位置がDレンジにあるロックアップ時に用いたので
は、ズレが生じる。したがって、ロックアップ時に用い
る伝達関数は、ギア位置がDレンジにあるときに求めた
伝達関数であることが望ましい。
ン始動時に求まる伝達関数は、ギア位置がNレンジにあ
るときに最適な値となるので、このときの伝達関数を、
ギア位置がDレンジにあるロックアップ時に用いたので
は、ズレが生じる。したがって、ロックアップ時に用い
る伝達関数は、ギア位置がDレンジにあるときに求めた
伝達関数であることが望ましい。
【0055】実施形態では、伝達関数を算出するのに、
運転域のほかギア位置を考慮したが、補機の駆動状態に
ついても考慮することで、さらにトルク制御の精度を高
めることができる。
運転域のほかギア位置を考慮したが、補機の駆動状態に
ついても考慮することで、さらにトルク制御の精度を高
めることができる。
【図1】第1実施形態のパワープラント1の斜視図であ
る。
る。
【図2】トルク変動を低減するための原理図である。
【図3】第1実施形態の制御システム図である。
【図4】伝達関数の算出を説明するためのフローチャー
トである。
トである。
【図5】伝達関数に基づいたトルク制御を説明するため
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図6】第1の発明のクレーム対応図である。
1 パワープラント 2 エンジン 8 トランスミッション(パワートレイン) 12 モータジェネレータ 14 インバータ 21 加速度ピックアップ 23 演算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅原 康之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】クランク軸に加える加振トルクを調整可能
な加振装置を有するエンジンにおいて、 前記加振装置の発生する加振トルクを検出する手段と、 エンジン−パワートレインの振動加速度を検出する手段
と、 これら検出値から前記加振装置の発生する加振トルクと
エンジン−パワートレインの振動加速度との伝達関数を
算出する手段と、 この伝達関数に基づいてエンジンロール振動を低減する
ように前記加振装置の加振トルクを制御する手段とを設
けたことを特徴とするトルク変動制御装置。 - 【請求項2】前記加振装置によりエンジン始動時に既知
のインパルス入力を与えたときのエンジンロール振動の
変化より前記伝達関数を算出することを特徴とする請求
項1に記載のトルク変動制御装置。 - 【請求項3】ロール振動が問題となる運転条件であって
エンジン始動後初めて経験する運転条件の初期状態で前
記加振装置により既知の入力を与えたときのエンジンロ
ール振動の変化より前記伝達関数を算出することを特徴
とする請求項1に記載のトルク変動制御装置。 - 【請求項4】前記加振装置はモータジェネレータである
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに
記載のトルク変動制御装置。 - 【請求項5】前記モータジェネレータをスタータとして
兼用させ、フライホイールのリングギアと噛み合うよう
にするとともに、エンジン側壁に剛に結合してモータジ
ェネレータの加振力の反作用がエンジンブロックに作用
するように設けることを特徴とする請求項4に記載のト
ルク変動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28087497A JPH11117989A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | トルク変動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28087497A JPH11117989A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | トルク変動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11117989A true JPH11117989A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17631162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28087497A Pending JPH11117989A (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | トルク変動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11117989A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002816A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Denso Corp | 電動圧縮機の制御装置およびその制御方法 |
JP2010048145A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-03-04 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の振動低減装置 |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP28087497A patent/JPH11117989A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002816A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Denso Corp | 電動圧縮機の制御装置およびその制御方法 |
JP2010048145A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-03-04 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の振動低減装置 |
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