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JPH11116779A - リジッドプリント配線板に適した樹脂組成物 - Google Patents

リジッドプリント配線板に適した樹脂組成物

Info

Publication number
JPH11116779A
JPH11116779A JP28385497A JP28385497A JPH11116779A JP H11116779 A JPH11116779 A JP H11116779A JP 28385497 A JP28385497 A JP 28385497A JP 28385497 A JP28385497 A JP 28385497A JP H11116779 A JPH11116779 A JP H11116779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
aromatic compound
condensed polycyclic
printed wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28385497A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunari Nawa
一成 那和
Haruyuki Kano
治之 狩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Air Water Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd, Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP28385497A priority Critical patent/JPH11116779A/ja
Publication of JPH11116779A publication Critical patent/JPH11116779A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない難燃剤の配合量でUL規格V−0相当
の優れた燃焼性を持ち、力学的性質の良好なリジッドプ
リント配線板の絶縁材料となる樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) 縮合多環芳香族化合物 (例、ナフタ
レン) または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物
(例、フェノール) との混合物からなる原料物質を、少
なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメチル基
を有する芳香族化合物 (キシリレングリコール) からな
る架橋剤と反応させて得た縮合多環多核芳香族樹脂100
重量部に対して、(B) トリフェニルホスフェート、三酸
化アンチモン、五酸化アンチモン、無水テトラクロロフ
タル酸、塩素化パラフィン、臭素化ビスフェノールA、
および臭素化ナフタレンから選ばれた少なくとも1種の
化合物を1〜10重量部配合した樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リジッドプリント
配線板の含浸用樹脂として使用するのに適した難燃性の
樹脂組成物、この樹脂組成物を用いたリジッドプリント
配線板の製造に適したプリプレグ、このプリプレグから
作製したリジッドプリント配線板用の銅張り積層体(ま
たは他の導体層を有する積層体)、およびこの積層体か
ら形成されたリジッドプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】ICパッケージ等の電子部品を搭載する
基板としてプリント配線板が広く利用されている。プリ
ント配線板は、絶縁層が樹脂単味のフレキシブル型と、
絶縁層が繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化させ
た複合材料からなるリジッド型とに大別される。リジッ
ドプリント配線板は、繊維基材に樹脂を含浸させ乾燥さ
せたプリプレグと呼ばれる複合材料を利用して製造され
る。
【0003】リジッドプリント配線板において、繊維基
材の含浸用樹脂としてこれまで使用されてきた主な樹脂
は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂である。これらの樹
脂は、単独系では燃焼性が高いため、安全性を考慮に入
れた場合、樹脂単独では繊維基材の含浸材料として使用
しがたい。そこで、これらの樹脂に難燃性を付与するた
め、アンチモン化合物、臭素化合物、リン化合物といっ
た難燃剤を配合した材料系が一般に使用されている。
【0004】本発明者らは先に、縮合多環芳香族化合
物、または縮合多環芳香族化合物と単環芳香族化合物と
の混合物、からなる原料物質を、少なくとも2個のヒド
ロキシメチル基またはハロメチル基を有する芳香族化合
物からなる架橋剤と反応させて得た縮合多環多核芳香族
樹脂が、耐熱性および絶縁性に優れた樹脂であることに
着目し、この樹脂を含浸用樹脂として用いたリジッドプ
リント配線板を提案した(特開平6−224525号公報参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この縮合多環多核芳香
族樹脂をガラス基材に含浸させた複合材料は、樹脂の耐
熱性が高いため、樹脂に難燃剤を配合しなくても、よく
使われる多層リジッドプリント配線板の厚みである1.6
mmの板厚で、UL規格のV−1に相当する優れた燃焼性
を示す。しかし、近年の安全性重視の風潮の高まりか
ら、リジッドプリント配線板の絶縁材料には、UL規格
V−0相当というさらに高度の燃焼性 (難燃性) が要求
されるようになってきた。
【0006】フェノール樹脂やエポキシ樹脂の場合、U
L規格V−0相当の燃焼性を実現するには、難燃剤を、
例えば材料全体の5重量%以上と多量に配合する必要が
あった。
【0007】本発明の課題は、少ない難燃剤の配合量で
UL規格V−0相当の燃焼性を持ち、かつ力学的強度に
優れたリジッドプリント配線板の絶縁材料を与えること
ができる樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
縮合多環多核芳香族樹脂に特定の難燃剤を配合すること
で上記課題を解決することができることを知り、本発明
に到達した。
【0009】ここに、本発明は、下記(A) 成分 100重量
部と(B) 成分 1〜10重量部との混合物からなる樹脂組
成物である。 (A) 縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳香族化合
物と単環芳香族化合物との混合物、からなる原料物質
を、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメ
チル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤と反応させ
て得た縮合多環多核芳香族樹脂、(B) トリフェニルホス
フェート、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、無水
テトラクロロフタル酸、塩素化パラフィン、臭素化ビス
フェノールA、および臭素化ナフタレンから選ばれた少
なくとも1種の化合物。
【0010】本発明によれば、繊維基材を上記樹脂組成
物で含浸してなるプリプレグ、このプリプレグの硬化物
からなる1または2以上の層の両面もしくは片面に導電
体層を有することを特徴とするリジッドプリント配線板
用積層体、ならびにこの積層体の導電体層に回路を形成
してなるリジッドプリント配線板も提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物における樹脂
成分(A) は、縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳
香族化合物と単環芳香族化合物との混合物、からなる原
料物質を、少なくとも2個のヒドロキシメチル基または
ハロメチル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤とを
反応させて得た縮合多環多核芳香族樹脂からなる。この
反応は一般に酸触媒の存在下で行われる。
【0012】この縮合多環多核芳香族樹脂は、代表的な
耐熱性樹脂であるポリイミドと比べた場合、長期の耐熱
性ではポリイミドを凌ぎ、誘電率がより低く、さらに吸
水率が非常に低いという特徴を持ち、プリント配線板用
の絶縁基板材料に適した特性を有している。
【0013】この樹脂の合成に用いる原料物質の縮合多
環芳香族化合物としては、ナフタレン、アセナフテン、
フェナントレン、アントラセン、ピレンなどの縮合多環
炭化水素類、ならびにナフトールおよびそのアルキル置
換体等のヒドロキシ含有誘導体が挙げられる。この縮合
多環芳香族化合物に混合して原料物質として使用しうる
単環芳香族化合物としては、フェノール、アルキルフェ
ノール、レゾルシン等のフェノール類やアルキルベンゼ
ン等が挙げられる。
【0014】また、以上のような縮合多環または単環芳
香族化合物から誘導された2以上の芳香族単位が、単結
合、オキシ基、チオ基、メチレン基、フェニレン基、キ
シリレン基等の連結基で連結した多核構造の芳香族化合
物も多環または単環の原料物質として使用できる。さら
には、上記のような芳香族化合物を主成分とする石炭系
または石油系の重質油類、ピッチ類も原料物質として使
用可能である。
【0015】この原料物質と反応させる架橋剤は、少な
くとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメチル基を
有する芳香族化合物、即ち、ベンゼン、キシレン、ナフ
タレン、アントラセン等の単環もしくは縮合多環芳香族
化合物またはそれらのアルキル誘導体等の炭化水素化合
物のヒドロキシメチルまたはハロメチル置換誘導体であ
る。ジヒドロキシメチルベンゼン (キシリレングリコー
ル)、ジヒドロキシメチルキシレン、トリヒドロキシメ
チルベンゼン、ジヒドロキシメチルナフタレン等のヒド
ロキシメチル化合物の使用が好ましい。
【0016】上記の原料物質と架橋剤との反応に用いる
酸触媒は、スルホン酸が好ましく、特に原料物質または
架橋剤の少なくとも一方と反応性であるか、または水不
溶性のスルホン酸が好ましい。
【0017】触媒に適した反応性のスルホン酸基含有酸
触媒としては、架橋剤のヒドロキシメチル基またはハロ
メチル基と反応する芳香族スルホン酸(例、ナフタレン
核もしくはフェノール核を有するスルホン酸、またはカ
ルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、不飽和炭化水素
基等の官能基を有する芳香族スルホン酸) 、ならびに原
料芳香族化合物と反応するヒドロキシメチル基、ハロメ
チル基またはホルミル基を有する有機芳香族スルホン酸
(例、ヒドロキシメチルベンゼンスルホン酸、クロロメ
チルベンゼンスルホン酸、ホルミルベンゼンスルホン
酸、これらのナフタレン誘導体等) が使用できる。
【0018】触媒に適した水不溶性のスルホン酸として
は、スチレン重合体をジビニルベンゼンで架橋させてか
らスルホン化したポリスチレンスルホン酸樹脂、フェノ
ールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等をアルデヒド
か少なくとも2個のヒドロキシメチル基もしくはハロメ
チル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤と縮合させ
たフェノールスルホン酸樹脂、或いは縮合多環多核芳香
族樹脂のスルホン化物等を挙げることができる。また、
ジノニルナフタレンスルホン酸、ジドデシルベンゼンス
ルホン酸などの疎水基を有する水不溶性のスルホン酸も
触媒として使用できる。
【0019】スルホン酸触媒の使用量は、原料物質の反
応性、反応温度などにより異なるが、一般的には原料物
質と架橋剤との混合物に対し0.2 重量%以上必要で、好
ましくは1〜20重量%である。架橋剤と被架橋原料 (原
料物質+酸触媒) の配合比は、モル比で 0.7〜6、特に
1〜3の範囲内が好ましい。反応温度は約50〜200 ℃、
好ましくは80〜180 ℃である。反応圧力は、通常常圧な
いし若干の加圧であるが、反応の結果生成する縮合水を
反応系から除去して反応効率を高めるためには、減圧下
で反応させることもできる。反応は、溶融状態で行なう
のが簡単であるが、適当な溶媒または分散媒を用いて実
施することもできる。
【0020】この反応の進行に伴って反応物の粘度が上
昇し、熱硬化性樹脂 (Bステージ樹脂またはプレポリマ
ー) が得られる。これをさらに加熱して反応を進める
と、不溶不融性の硬化体が生成するので、反応は溶融お
よび溶液成形が可能なBステージ状態の熱硬化性の縮合
多環多核芳香族樹脂が得られる段階で止める。
【0021】この縮合多環多核芳香族樹脂(A) に、(B)
成分として、トリフェニルホスフェート、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン、無水テトラクロロフタル酸、
塩素化パラフィン、臭素化ビスフェノールA、および臭
素化ナフタレンから選ばれた少なくとも1種の化合物を
配合する。(B) 成分を構成する化合物は、いずれも難燃
剤として知られているものである。
【0022】(B) 成分の配合量 (2種以上の化合物を使
用する場合には合計量) は、(A) 成分の縮合多環多核芳
香族樹脂100 重量部に対して1〜10重量部である。1重
量部未満では、UL規格V−0の燃焼性レベルを達成で
きず、10重量部を越えると強度低下が目立つようにな
り、十分な力学強度が得られない。
【0023】(B) 成分の好ましい配合量は、(A) 成分10
0 重量部当たり1〜5重量部であり、より好ましくは1
〜3重量部である。このように難燃剤成分(B) の配合量
が少なくてもUL規格V−0を達成できることが、本発
明の大きな利点である。例えば、ポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂では、UL規格V−0まで難
燃化するには、樹脂100 重量部当たり難燃剤を5〜10重
量部程度配合する必要があり、難燃剤の配合量が5重量
部未満ではV−0まで難燃化することは困難であった。
本発明では難燃剤の配合量が少なくてすむので、コスト
面、安全面、機械的特性のいずれについても有利であ
る。
【0024】上記の(B) 成分のうち、トリフェニルホス
フェート、五酸化アンチモン、臭素化ビスフェノール
A、および臭素化ナフタレンが、樹脂溶液への分散性が
より良好であるか、樹脂溶液に可溶であることから好ま
しい。
【0025】難燃剤となることが知られている化合物に
は、本発明で(B) 成分として使用する化合物以外にも多
くのものがある。しかし、このような他の化合物を難燃
剤として使用すると、力学的強度の低下が大きく、実用
化に適さなくなる。
【0026】縮合多環多核芳香族樹脂(A) と難燃剤化合
物(B) との混合は、常法に従って実施すればよい。例え
ば、樹脂成分(A) を適当な溶媒に溶解した溶液に難燃剤
化合物(B) を混合する方法、樹脂成分(A) を硬化開始温
度より低温に加熱して低粘度の溶融体とし、難燃剤化合
物(B) を混合する方法等が可能である。難燃剤化合物
(B) が有機物の場合には、これを樹脂成分(A) と共通溶
媒に溶解してから混合してもよい。溶媒としては、メチ
ルエチルケトン、アセトン、トルエン、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等が使用できるが、これらに限られな
い。こうして溶液状態で得られた成分(A) と成分(B) の
混合物からなる本発明の樹脂組成物は、そのままプリプ
レグの製造のために繊維基材の含浸に使用することがで
きる。
【0027】本発明の樹脂組成物は、(A) の縮合多環多
核芳香族樹脂と(B) の難燃剤化合物のほかに、プリプレ
グ用組成物に添加される1種もしくは2種以上の添加剤
を含有していてもよい。このような添加剤の例は、ガラ
ス基材との密着性を高めるためのカップリング剤 (例、
シランカップリング剤、チタネートカップリング剤)、
硬化促進剤、顔料もしくは染料などの着色剤である。添
加量は通常の範囲内であれば特に制限されない。
【0028】本発明の樹脂組成物からプリプレグを製造
し、このプリプレグからリジッドプリント配線板を製造
することができる。プリプレグとリジッドプリント配線
板の製造にはいずれも公知の方法を利用できる。
【0029】プリプレグは一般に溶剤法またはホットメ
ルト法により製造される。溶剤法では、本発明の樹脂組
成物を適当な有機溶媒に溶解した樹脂液(ワニス)を繊
維基材に含浸させ、加熱により脱溶媒してプリプレグを
得る。ホットメルト法では、2枚の離型シートの少なく
とも一方に本発明の樹脂組成物を塗工しておき、このシ
ート間に繊維基材を挟んで加熱ロールの間に通し、樹脂
を溶融させて繊維基材に含浸させた後、離型シートを剥
がすとプリプレグが得られる。
【0030】プリプレグの製造に用いる繊維基材は、任
意の絶縁性繊維から構成することができる。ガラス繊維
をクロス、マット、テープなどのウェブに加工したガラ
ス繊維ウェブが一般的であるが、アラミド繊維などの有
機繊維、または石英繊維などのガラス繊維以外の無機繊
維のウェブも使用できる。プリプレグ中の樹脂の含有量
は20〜80重量%の範囲内が好ましい。プリプレグの1枚
当たりの厚みは、通常は50〜200 μm程度である。
【0031】リジッドプリント配線板用の銅張り積層体
は、所定寸法に裁断したプリプレグを必要に応じて所定
厚みになるように複数枚重ね、その片面または両面 (通
常は両面) に銅箔を乗せて熱プレスすることにより製造
できる。銅箔の代わりに、別の導電体層を使用すること
もできる。熱プレスにより、プリプレグ間およびプリプ
レグ−銅箔間が熱圧着すると同時に、プリプレグ中の縮
合多環多核芳香族樹脂が熱硬化し、必要な強度を備えた
銅張り積層体が得られる。適当な熱プレス条件は、温度
120〜230 ℃、加圧力25〜100 kgf/cm2 、保持時間10〜
120 分間である。必要であれば、さらに加熱して、後硬
化させてもよい。
【0032】銅箔は接着剤を用いてプリプレグに接着す
ることもできる。また、別のプリプレグの製造方法とし
て、銅箔を乗せずにプリプレグを熱プレスした後、得ら
れた積層体の表面に電解メッキにより銅層 (または他の
導体金属層) を形成することもできる。
【0033】この銅張り積層体にフォトレジストを塗布
し、配線パターンを有するマスクを通して露光した後、
フォトレジストの現像および銅箔のエッチングを行っ
て、銅箔層 (導電体層) に回路を形成すると、プリント
配線板が得られる。必要に応じて、さらにスルーホール
の形成やスルーホールメッキなどの加工を施す。導電体
層に回路を形成した2以上の積層体を熱圧着させるか、
あるいは銅配線の上に絶縁層と配線層を多層に形成する
ことにより、多層プリント配線板にすることもできる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明の樹脂を用いたプ
リプレグおよび銅張り積層体の製造を例示する。実施例
中、部および%は特に指定しない限り重量部および重量
%である。
【0035】なお、実施例で用いた縮合多環多核芳香族
樹脂は、住金化工製のSKレジンSKR-NMであった。この縮
合多環多核芳香族樹脂は、ナフタレンとパラキシレング
リコールをβ−ナフタレンスルホン触媒の存在下で反応
させて得た、Bステージ状態の褐色透明な樹脂であり、
70℃における溶融粘度が16,500 cps、数平均分子量が58
0 であった。
【0036】(実施例1)縮合多環多核芳香族樹脂をメ
チルエチルケトン溶解した50%溶液に、五酸化アンチモ
ン(Sb2O5) を縮合多環多核芳香族樹脂100 部に対して
0.1〜20部の範囲内で添加した。五酸化アンチモンは、
この溶液に均一に分散した。
【0037】その後、溶液に厚さ0.18mmのガラスクロス
を浸漬して樹脂を含浸させてから、100 ℃で10分間乾燥
させてプリプレグを得た。得られたプリプレグを8枚積
層し、厚さ35μmの銅箔で両側から挟み込んだ状態で熱
プレス成形して銅張り積層体を得た。熱プレス条件は、
180 ℃で60分間+230 ℃で60分間、圧力12 kgf/cm2であ
った。このプリプレグの樹脂含有量は45wt%であった。
【0038】得られた銅張り積層体を裁断した後、銅箔
をエッチングにより完全に除去し、残った絶縁層 (プリ
プレグの積層硬化物) の燃焼性と曲げ強度を、JIS C648
1 に記載された方法に基づいて測定した。表1に測定結
果を示す。
【0039】
【表1】 五酸化アンチモンの配合量が1重量部以上で燃焼性がV
−0相当となることがわかった。また、積層板の曲げ強
度は、五酸化アンチモンの添加量が10重量部まではほと
んど低下しないが、それを超えると低下が目立つように
なり十分な力学強度が得られなかった。このことから、
五酸化アンチモンを1〜10重量部の範囲で添加した材料
は、燃焼性がV−0相当と優秀で、かつ十分な力学強度
が得られることがわかった。
【0040】実施例2 難燃剤成分を五酸化アンチモンから臭素化ナフタレンに
変更して、実施例1を繰り返した。表2に燃焼性と曲げ
強度の測定結果を示す。
【0041】
【表2】 臭素化ナフタレンを添加した場合も、五酸化アンチモン
を添加した場合と同様の傾向を示した。臭素化ナフタレ
ンの添加量が1重量部以上ではV−0相当の燃焼性が得
られ、積層板の曲げ強度は、臭素化ナフタレンの添加量
が10重量部まではほとんど低下しないが、それを超える
と低下が目立つようになり、十分な力学強度が得られな
かった。やはり、臭素化ナフタレンの配合量が1〜10重
量部の範囲で、燃焼性がV−0相当と優秀で、かつ十分
な力学強度が得られた。
【0042】(実施例3)難燃剤成分を本発明の範囲内
の別の化合物に変更し、その配合量を縮合多環多核芳香
族樹脂100 部に対して1重量部と10重量部に固定し、実
施例1を繰り返した。表3に燃焼性と曲げ強度の測定結
果を示す。
【0043】
【表3】 燃 焼 性 曲げ強度(kgf/cm2) 難燃剤成分 1重量部 10重量部 1重量部 10重量部 トリフェニスホスフェート V−0 V−0 35 35 三酸化アンチモン V−0 V−0 37 37 無水テトラクロロフタル酸 V−0 V−0 37 36 塩素化パラフィン V−0 V−0 35 35 臭素化ビスフェノールA V−0 V−0 36 34 やはり難燃剤成分の配合量が1重量部でV−0相当の優
れた燃焼性が得られ、10重量部までは強度低下は少ない
ことが、表3からわかる。
【0044】(比較例1)難燃剤成分を本発明の範囲外
の化合物に変更し、その配合量を縮合多環多核芳香族樹
脂100 部に対して1重量部と10重量部に固定し、実施例
1を繰り返した。表4に燃焼性と曲げ強度の測定結果を
示す。
【0045】
【表4】 燃焼性 曲げ強度(kgf/cm2) 難燃剤成分 1重量部 10重量部 1重量部 10重量部 水酸化アルミニウム 積層板を形成せず (熱硬化反応が進行しない) ホウ酸亜鉛 積層板を形成せず (熱硬化反応が進行しない) 臭素化ジフェニルエーテル V−0 V−0 20 15 臭素化シクロドデカン V−0 V−0 19 17 塩素化ポリエチレン V−0 V−0 15 15 窒素化グアニジン V−0 V−0 17 16 難燃剤の配合量が1重量部と少なくてもV−0相当の優
れた燃焼性が得られたが、曲げ強度が実施例1〜3に比
べて著しく低下した。即ち、本発明の範囲外の化合物を
難燃剤として使用した場合には、力学的強度の低下が大
きくなることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ポリイミドに匹敵する
ような耐熱性を持ち、かつ絶縁性と吸水性の面ではポリ
イミドより優れている、リジッドプリント配線板の絶縁
材料として好適な縮合多環多核芳香族樹脂を用いて、そ
の力学強度を低下させずに、少ない難燃剤の配合量でU
L規格V−0相当の優れた燃焼性を付与することが可能
になる。
【0047】その結果、プリント配線板に現在要求され
ている燃焼性の要求を満たし、他の性能も従来のポリイ
ミドと同等ないし優れている、非常に高性能のリジッド
プリント配線板を安価に製造することができ、リジッド
プリント配線板の高機能化と低価格化に貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:02 5:136 5:095)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A) 成分100 重量部と(B) 成分1〜
    10重量部との混合物からなる樹脂組成物。 (A) 縮合多環芳香族化合物、または縮合多環芳香族化合
    物と単環芳香族化合物との混合物、からなる原料物質
    を、少なくとも2個のヒドロキシメチル基またはハロメ
    チル基を有する芳香族化合物からなる架橋剤と反応させ
    て得た縮合多環多核芳香族樹脂、(B) トリフェニルホス
    フェート、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、無水
    テトラクロロフタル酸、塩素化パラフィン、臭素化ビス
    フェノールA、および臭素化ナフタレンから選ばれた少
    なくとも1種の化合物。
  2. 【請求項2】 繊維基材を請求項1記載の樹脂組成物で
    含浸してなるプリプレグ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプリプレグの硬化物から
    なる1または2以上の層の両面もしくは片面に導電体層
    を有することを特徴とする、リジッドプリント配線板用
    積層体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の積層体の導電体層に回路
    を形成してなるリジッドプリント配線板。
JP28385497A 1997-10-16 1997-10-16 リジッドプリント配線板に適した樹脂組成物 Withdrawn JPH11116779A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100696458B1 (ko) * 2000-10-06 2007-03-19 삼성에스디아이 주식회사 전자관용 음극 및 그 제조방법

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