JPH11109038A - 放射線検出器 - Google Patents
放射線検出器Info
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- JPH11109038A JPH11109038A JP26943897A JP26943897A JPH11109038A JP H11109038 A JPH11109038 A JP H11109038A JP 26943897 A JP26943897 A JP 26943897A JP 26943897 A JP26943897 A JP 26943897A JP H11109038 A JPH11109038 A JP H11109038A
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Landscapes
- Measurement Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電離箱型に比べて小型化に有利な半導体検出
器を用いた放射線検出器において、エネルギー特性の改
善を図りつつ一層の小型化を図る。 【解決手段】 半導体検出器6、8を放射線測定の指向
方向に対して直列に配置する。後段に位置する半導体検
出器8には放射線エネルギーを減衰させて入射させるこ
とにより、その感度特性を前段より高エネルギー寄りに
シフトさせる。これら前段、後段各検出器の計数率を加
算・合成することによりエネルギー特性における感度の
良好な範囲を拡大、改善することができる。後段の半導
体検出器8に対するエネルギーの減衰は、遮蔽箱14だ
けでなく前段の半導体検出器6においても行われるた
め、その分、遮蔽箱14の厚み、重量を低減することが
でき、装置全体の小型化が図られる。
器を用いた放射線検出器において、エネルギー特性の改
善を図りつつ一層の小型化を図る。 【解決手段】 半導体検出器6、8を放射線測定の指向
方向に対して直列に配置する。後段に位置する半導体検
出器8には放射線エネルギーを減衰させて入射させるこ
とにより、その感度特性を前段より高エネルギー寄りに
シフトさせる。これら前段、後段各検出器の計数率を加
算・合成することによりエネルギー特性における感度の
良好な範囲を拡大、改善することができる。後段の半導
体検出器8に対するエネルギーの減衰は、遮蔽箱14だ
けでなく前段の半導体検出器6においても行われるた
め、その分、遮蔽箱14の厚み、重量を低減することが
でき、装置全体の小型化が図られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体を検出部に
用いた放射線検出器に関し、特に感度のエネルギー特性
の向上した放射線検出器に関する。
用いた放射線検出器に関し、特に感度のエネルギー特性
の向上した放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線施設内のγ線等の空間線量
率分布を測定する放射線検出器として、例えばサーベイ
メータが用いられている。サーベイメータは施設内の各
所に移動してその箇所の線量を測定するものであるた
め、携帯に便利なように小型可搬型に構成される。
率分布を測定する放射線検出器として、例えばサーベイ
メータが用いられている。サーベイメータは施設内の各
所に移動してその箇所の線量を測定するものであるた
め、携帯に便利なように小型可搬型に構成される。
【0003】サーベイメータは検出部に何を用いるかに
よって、いくつかの種類に分類される。例えば、電離箱
型サーベイメータ、ガイガー・ミュラー(GM)計数管
型サーベイメータ、シンチレーション型サーベイメー
タ、比例計数管型サーベイメータなどが存在する。
よって、いくつかの種類に分類される。例えば、電離箱
型サーベイメータ、ガイガー・ミュラー(GM)計数管
型サーベイメータ、シンチレーション型サーベイメー
タ、比例計数管型サーベイメータなどが存在する。
【0004】この中では、電離箱型サーベイメータがエ
ネルギー特性、線量直線性の点で他の種類より優れてい
る。
ネルギー特性、線量直線性の点で他の種類より優れてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように電離箱型
サーベイメータは優れた特徴を有するが比較的大きいと
いう問題があった。この大きさの点では、半導体検出器
が有利であるが、半導体検出器において入射放射線によ
って電荷が発生する空乏層を深くすることが難しいた
め、感度が良好なエネルギー範囲が狭いという問題や、
エネルギー特性が悪いといった問題があった。
サーベイメータは優れた特徴を有するが比較的大きいと
いう問題があった。この大きさの点では、半導体検出器
が有利であるが、半導体検出器において入射放射線によ
って電荷が発生する空乏層を深くすることが難しいた
め、感度が良好なエネルギー範囲が狭いという問題や、
エネルギー特性が悪いといった問題があった。
【0006】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、半導体検出器を用いて小型化を図りつつ、
エネルギー特性及び感度が良好なサーベイメータ等の放
射線検出器を提供することを目的とする。
れたもので、半導体検出器を用いて小型化を図りつつ、
エネルギー特性及び感度が良好なサーベイメータ等の放
射線検出器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る放射線検出
器は、放射線検出の指向方向にそれぞれ有感面を向け互
いに直列配置された前段半導体放射線検出器及び後段半
導体放射線検出器を有し、前記後段半導体放射線検出器
は、前記指向方向に対し前記前段半導体放射線検出器の
後方に配置され、前記前段半導体放射線検出器より高エ
ネルギー寄りの感度特性を有することを特徴とする。
器は、放射線検出の指向方向にそれぞれ有感面を向け互
いに直列配置された前段半導体放射線検出器及び後段半
導体放射線検出器を有し、前記後段半導体放射線検出器
は、前記指向方向に対し前記前段半導体放射線検出器の
後方に配置され、前記前段半導体放射線検出器より高エ
ネルギー寄りの感度特性を有することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、指向方向から飛来する放
射線は、先に前段半導体放射線検出器に達し、その後、
後段半導体放射線検出器に達する。後段半導体放射線検
出器には、当初のエネルギーが比較的高く前段放射線半
導体検出器を通過できる放射線が入射することができ
る。そのエネルギーは前段放射線半導体検出器で低減さ
れるので、後段半導体放射線検出器の空乏層の深さが、
例えば前段半導体放射線検出器同様の構成容易な程度に
浅いものであっても、後段半導体放射線検出器は前段半
導体放射線検出器より高エネルギー寄りの感度特性を有
する。
射線は、先に前段半導体放射線検出器に達し、その後、
後段半導体放射線検出器に達する。後段半導体放射線検
出器には、当初のエネルギーが比較的高く前段放射線半
導体検出器を通過できる放射線が入射することができ
る。そのエネルギーは前段放射線半導体検出器で低減さ
れるので、後段半導体放射線検出器の空乏層の深さが、
例えば前段半導体放射線検出器同様の構成容易な程度に
浅いものであっても、後段半導体放射線検出器は前段半
導体放射線検出器より高エネルギー寄りの感度特性を有
する。
【0009】本発明に係る放射線検出器は、前記後段半
導体放射線検出器が、前記有感面の前面に放射線減衰フ
ィルタを備えることを特徴とする。
導体放射線検出器が、前記有感面の前面に放射線減衰フ
ィルタを備えることを特徴とする。
【0010】本発明によれば、放射線は、放射線減衰フ
ィルタを透過した後、後段半導体放射線検出器に達す
る。放射線減衰フィルタにより後段放射線半導体検出器
に入射する放射線のエネルギーをさらに低下させること
ができる。放射線減衰フィルタの厚さ、材質に応じて、
後段半導体放射線検出器の感度特性を前段放射線半導体
検出器の通過のみの場合よりも、さらに高エネルギー寄
りへシフトさせることができる。
ィルタを透過した後、後段半導体放射線検出器に達す
る。放射線減衰フィルタにより後段放射線半導体検出器
に入射する放射線のエネルギーをさらに低下させること
ができる。放射線減衰フィルタの厚さ、材質に応じて、
後段半導体放射線検出器の感度特性を前段放射線半導体
検出器の通過のみの場合よりも、さらに高エネルギー寄
りへシフトさせることができる。
【0011】本発明に係る放射線検出器は、前記前段半
導体放射線検出器の出力に基づく計数率と前記後段半導
体放射線検出器の出力に基づく計数率とを加算して出力
する演算部を有し、各半導体放射線検出器それぞれの感
度特性の違いを相補うことを特徴とする。
導体放射線検出器の出力に基づく計数率と前記後段半導
体放射線検出器の出力に基づく計数率とを加算して出力
する演算部を有し、各半導体放射線検出器それぞれの感
度特性の違いを相補うことを特徴とする。
【0012】本発明によれば、前段半導体放射線検出器
は低エネルギー寄りの感度特性を有し、後段半導体放射
線検出器は高エネルギー寄りの感度特性を有するので、
それぞれの計数率を適当な換算のもとに加算することに
より、それぞれ単独の場合よりも広いエネルギー範囲に
おいて良好な感度特性を得ることができる。
は低エネルギー寄りの感度特性を有し、後段半導体放射
線検出器は高エネルギー寄りの感度特性を有するので、
それぞれの計数率を適当な換算のもとに加算することに
より、それぞれ単独の場合よりも広いエネルギー範囲に
おいて良好な感度特性を得ることができる。
【0013】本発明に係る放射線検出器は、前記前段半
導体放射線検出器が、前記後段半導体放射線検出器より
容量負荷の低い検出部と、前記検出部の出力信号を増幅
する増幅器とを有することを特徴とする。
導体放射線検出器が、前記後段半導体放射線検出器より
容量負荷の低い検出部と、前記検出部の出力信号を増幅
する増幅器とを有することを特徴とする。
【0014】本発明によれば、検出部の容量負荷を抑制
することにより増幅器の負荷が軽減される。これによ
り、増幅器で生じるノイズが抑制され、熱雑音等に特に
埋もれやすい低エネルギー放射線の信号の検出が容易と
なり、放射線検出器の低エネルギー側の感度が向上す
る。
することにより増幅器の負荷が軽減される。これによ
り、増幅器で生じるノイズが抑制され、熱雑音等に特に
埋もれやすい低エネルギー放射線の信号の検出が容易と
なり、放射線検出器の低エネルギー側の感度が向上す
る。
【0015】本発明の好適な態様は、前記前段半導体放
射線検出器の前記検出部が内蔵する放射線検知用半導体
が、前記後段半導体放射線検出器の検出部が内蔵する放
射線検知用半導体より小型であるものである。放射線検
知用半導体を小型にすることにより、その容量負荷が低
減される。
射線検出器の前記検出部が内蔵する放射線検知用半導体
が、前記後段半導体放射線検出器の検出部が内蔵する放
射線検知用半導体より小型であるものである。放射線検
知用半導体を小型にすることにより、その容量負荷が低
減される。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の実施形態であるγ線用サ
ーベイメータの概略のブロック図である。本装置は、放
射線検出部2、データ処理部3及び表示部4からなる。
放射線検出部2は2つの半導体検出器6、8を含む。図
において本装置は左向きの指向性を有する。すなわち半
導体検出器6、8は、その有感面を図において左方向に
向けて配置され、左方向から飛来するγ線に対して主と
して感度を有する。なお、本装置では、その指向性を特
に鋭くする構成とはなっておらず、左側空間から飛来す
るγ線は大体、本装置で検出される。
ーベイメータの概略のブロック図である。本装置は、放
射線検出部2、データ処理部3及び表示部4からなる。
放射線検出部2は2つの半導体検出器6、8を含む。図
において本装置は左向きの指向性を有する。すなわち半
導体検出器6、8は、その有感面を図において左方向に
向けて配置され、左方向から飛来するγ線に対して主と
して感度を有する。なお、本装置では、その指向性を特
に鋭くする構成とはなっておらず、左側空間から飛来す
るγ線は大体、本装置で検出される。
【0018】本装置の一つの特徴は、半導体検出器6と
半導体検出器8とが装置の指向方向に関して直列に配置
されることであり、半導体検出器8は半導体検出器6の
背後に配置される。図2は放射線検出部2の模式的な断
面図である。装置の指向方向に対し前方に位置する半導
体10は半導体検出器6のものであり、半導体12は放
射線検出器8のものである。この配置により、放射線検
出器8の半導体12には、半導体10を透過することに
よりエネルギーが減衰された放射線が入射することにな
る。さらに、半導体12は、例えば鉛、鉄などの放射線
吸収材で形成された遮蔽箱14の内部に配置される。遮
蔽箱14の前面部分は入射γ線に対するエネルギー減衰
用のフィルタとして機能する。また、側面部、背面部は
遮蔽材として機能し、放射線検出の指向方向以外の方向
からのγ線が半導体12へ入射することを防止する。こ
れにより、半導体12の有感面へは、半導体10での減
衰に加えて遮蔽箱14で減衰された放射線が入射するこ
とになる。
半導体検出器8とが装置の指向方向に関して直列に配置
されることであり、半導体検出器8は半導体検出器6の
背後に配置される。図2は放射線検出部2の模式的な断
面図である。装置の指向方向に対し前方に位置する半導
体10は半導体検出器6のものであり、半導体12は放
射線検出器8のものである。この配置により、放射線検
出器8の半導体12には、半導体10を透過することに
よりエネルギーが減衰された放射線が入射することにな
る。さらに、半導体12は、例えば鉛、鉄などの放射線
吸収材で形成された遮蔽箱14の内部に配置される。遮
蔽箱14の前面部分は入射γ線に対するエネルギー減衰
用のフィルタとして機能する。また、側面部、背面部は
遮蔽材として機能し、放射線検出の指向方向以外の方向
からのγ線が半導体12へ入射することを防止する。こ
れにより、半導体12の有感面へは、半導体10での減
衰に加えて遮蔽箱14で減衰された放射線が入射するこ
とになる。
【0019】半導体検出器は、有感面に平行な面状のP
N接合を内部に有した半導体をセンサとして用いる。P
N接合には逆バイアス電圧が印加され電荷空乏層が形成
され、その電荷空乏層においてγ線が電子とホールの対
を生成すると、それらが半導体中の電位勾配に応じて移
動し電流を生じ、これらがそれぞれパルス状の電気信号
として検出される。すなわち半導体検出器は、基本的に
電荷空乏層内で飛程が終了する放射線に対して感度を有
する。
N接合を内部に有した半導体をセンサとして用いる。P
N接合には逆バイアス電圧が印加され電荷空乏層が形成
され、その電荷空乏層においてγ線が電子とホールの対
を生成すると、それらが半導体中の電位勾配に応じて移
動し電流を生じ、これらがそれぞれパルス状の電気信号
として検出される。すなわち半導体検出器は、基本的に
電荷空乏層内で飛程が終了する放射線に対して感度を有
する。
【0020】しかし、その空乏層の深さ範囲はあまり大
きくすることができず、そのため、感度が良好なエネル
ギー範囲が狭いという問題がある。この点に関し、本装
置は、半導体検出器8に半導体検出器6よりもエネルギ
ーが減衰されたγ線を入射させることにより、各半導体
検出器が互いに、異なる装置入射前エネルギー領域に属
するγ線に対して良好な感度を有するように構成されて
いる。つまり、半導体検出器6は半導体検出器8に比し
て低エネルギー領域に良好な感度を有し、一方、半導体
検出器8の感度特性は半導体検出器6に比して高エネル
ギー領域側にシフトする。本装置は半導体検出器8の感
度特性を、前段に位置する半導体検出器6を通過するこ
とによる放射線のエネルギー減衰によりシフトさせる。
そして、さらにシフトが必要な場合は、遮蔽箱14によ
って減衰量が追加される。半導体検出器6を放射線エネ
ルギーの減衰に利用することにより、遮蔽箱14はそれ
単独で減衰を行う場合より厚みを薄くする、または軽量
化することができる。
きくすることができず、そのため、感度が良好なエネル
ギー範囲が狭いという問題がある。この点に関し、本装
置は、半導体検出器8に半導体検出器6よりもエネルギ
ーが減衰されたγ線を入射させることにより、各半導体
検出器が互いに、異なる装置入射前エネルギー領域に属
するγ線に対して良好な感度を有するように構成されて
いる。つまり、半導体検出器6は半導体検出器8に比し
て低エネルギー領域に良好な感度を有し、一方、半導体
検出器8の感度特性は半導体検出器6に比して高エネル
ギー領域側にシフトする。本装置は半導体検出器8の感
度特性を、前段に位置する半導体検出器6を通過するこ
とによる放射線のエネルギー減衰によりシフトさせる。
そして、さらにシフトが必要な場合は、遮蔽箱14によ
って減衰量が追加される。半導体検出器6を放射線エネ
ルギーの減衰に利用することにより、遮蔽箱14はそれ
単独で減衰を行う場合より厚みを薄くする、または軽量
化することができる。
【0021】図1を用いて、次に本装置の回路構成につ
いて説明する。半導体検出器6、8はそれぞれプリアン
プ20、22を有し、その入力端にそれぞれ半導体1
0、12が接続される。半導体10、12で生じたパル
ス状の電気信号はそれぞれプリアンプ20、22に入力
される。
いて説明する。半導体検出器6、8はそれぞれプリアン
プ20、22を有し、その入力端にそれぞれ半導体1
0、12が接続される。半導体10、12で生じたパル
ス状の電気信号はそれぞれプリアンプ20、22に入力
される。
【0022】本装置の他の特徴は、図2にも示されるよ
うに、半導体10が半導体12より小さく形成されるこ
とである。例えば、半導体10の有感面は3mm角の大
きさであり、半導体12の有感面は10mm角の大きさ
である。これにより半導体10のプリアンプ20に対す
る容量負荷は、半導体12のプリアンプ22に対する容
量負荷に比べて抑制される。このため、プリアンプ20
にはプリアンプ22よりもドライブ能力が小さく低ノイ
ズのものを用いることができ、低エネルギー領域をカバ
ーする半導体検出器6のS/N比が改善され感度を向上
させることができる。
うに、半導体10が半導体12より小さく形成されるこ
とである。例えば、半導体10の有感面は3mm角の大
きさであり、半導体12の有感面は10mm角の大きさ
である。これにより半導体10のプリアンプ20に対す
る容量負荷は、半導体12のプリアンプ22に対する容
量負荷に比べて抑制される。このため、プリアンプ20
にはプリアンプ22よりもドライブ能力が小さく低ノイ
ズのものを用いることができ、低エネルギー領域をカバ
ーする半導体検出器6のS/N比が改善され感度を向上
させることができる。
【0023】プリアンプ20で増幅された半導体10か
らのパルス信号は、データ処理部3に設けられたスケー
ラ30に入力され、同様にプリアンプ22で増幅された
半導体12からのパルス信号がスケーラ32に入力され
る。スケーラ30、32はそれぞれ入力される電気信号
のうち所定の閾値を超えるイベントをもって放射線検出
信号であるパルス信号を計数する。
らのパルス信号は、データ処理部3に設けられたスケー
ラ30に入力され、同様にプリアンプ22で増幅された
半導体12からのパルス信号がスケーラ32に入力され
る。スケーラ30、32はそれぞれ入力される電気信号
のうち所定の閾値を超えるイベントをもって放射線検出
信号であるパルス信号を計数する。
【0024】スケーラ30、32からのパルス信号の計
数率は、演算回路34にて所定のデータ処理を施され、
その結果が表示部4に表示される。例えば、演算回路3
4では、半導体検出器6の出力に基づくスケーラ30か
らの計数率と、半導体検出器8の出力に基づくスケーラ
32からの計数率とを、各半導体検出器に内蔵される半
導体10、12の有感面積の比に基づいて、同一面積当
たりの計数値に換算し、それらを加算して、半導体検出
器6による低エネルギー領域の測定結果と半導体検出器
8による高エネルギー領域の測定結果との合成によるエ
ネルギー特性に従った計数率を求める。さらに演算回路
34は合成された計数率を線量率に換算し、例えば表示
部4はこの線量率を表示する。
数率は、演算回路34にて所定のデータ処理を施され、
その結果が表示部4に表示される。例えば、演算回路3
4では、半導体検出器6の出力に基づくスケーラ30か
らの計数率と、半導体検出器8の出力に基づくスケーラ
32からの計数率とを、各半導体検出器に内蔵される半
導体10、12の有感面積の比に基づいて、同一面積当
たりの計数値に換算し、それらを加算して、半導体検出
器6による低エネルギー領域の測定結果と半導体検出器
8による高エネルギー領域の測定結果との合成によるエ
ネルギー特性に従った計数率を求める。さらに演算回路
34は合成された計数率を線量率に換算し、例えば表示
部4はこの線量率を表示する。
【0025】図3は、2つの半導体検出器6、8による
それぞれのエネルギー特性と、それらを合成したエネル
ギー特性との一例を示すグラフである。横軸は装置に入
射するγ線のエネルギーであり、単位はkeVであり、
対数表示されている。縦軸は計数率を単位Sv(シーベ
ルト)の線量当量に換算して表したもので対数表示され
ている。図において、半導体検出器6による特性が曲線
50であり、半導体検出器8による特性が曲線52であ
り、これらを合成した特性が曲線54で表されている。
図に示す例ではおよそ60keVを境に、それ以下で半
導体検出器6の特性が半導体検出器8の特性を上回り、
逆にそれ以上で半導体検出器8の特性が半導体検出器6
の特性を上回る。半導体検出器6、8のそれぞれの特性
を合成した特性は、曲線50、52のそれぞれの感度の
低い部分を互いに補い合って、それら単独よりも幅広い
エネルギー範囲において良好な水準に保たれる。例えば
図に示す例では、およそ20keVから2MeVの範囲
において、エネルギー特性の変動幅は±30%以内に抑
えられる。本装置は、半導体検出器6と半導体検出器8
の2段構成としたが、より多くの段数を直列配置する構
成も可能である。そのような多段構成により、エネルギ
ー特性の合成をより精緻に調整することができ、その変
動幅を一層低減することも可能である。
それぞれのエネルギー特性と、それらを合成したエネル
ギー特性との一例を示すグラフである。横軸は装置に入
射するγ線のエネルギーであり、単位はkeVであり、
対数表示されている。縦軸は計数率を単位Sv(シーベ
ルト)の線量当量に換算して表したもので対数表示され
ている。図において、半導体検出器6による特性が曲線
50であり、半導体検出器8による特性が曲線52であ
り、これらを合成した特性が曲線54で表されている。
図に示す例ではおよそ60keVを境に、それ以下で半
導体検出器6の特性が半導体検出器8の特性を上回り、
逆にそれ以上で半導体検出器8の特性が半導体検出器6
の特性を上回る。半導体検出器6、8のそれぞれの特性
を合成した特性は、曲線50、52のそれぞれの感度の
低い部分を互いに補い合って、それら単独よりも幅広い
エネルギー範囲において良好な水準に保たれる。例えば
図に示す例では、およそ20keVから2MeVの範囲
において、エネルギー特性の変動幅は±30%以内に抑
えられる。本装置は、半導体検出器6と半導体検出器8
の2段構成としたが、より多くの段数を直列配置する構
成も可能である。そのような多段構成により、エネルギ
ー特性の合成をより精緻に調整することができ、その変
動幅を一層低減することも可能である。
【0026】なお、上述のようなサイズの半導体10、
12を用いれば、本装置の外形寸法は、例えば直径約2
5mm、長さ30mm程度の小型サイズに構成される。
12を用いれば、本装置の外形寸法は、例えば直径約2
5mm、長さ30mm程度の小型サイズに構成される。
【0027】
【発明の効果】本発明の放射線検出器によれば、複数の
半導体放射線検出器が直列に配置され、その前段に位置
する半導体放射線検出器が背後の半導体放射線検出器に
対する放射線減衰フィルタの役目を果たすので、後段の
検出器が前段よりも高エネルギー寄りの感度特性を有
し、それら複数の半導体放射線検出器を用いることによ
り幅広いエネルギーレンジにおいて良好な感度で測定を
行うことができるという効果が得られるとともに、エネ
ルギー特性を高エネルギー寄りにシフトさせるために通
常別途設けられる減衰フィルタが後段の半導体放射線検
出器の前面に不要となるか又はその厚み、重量を低減す
ることができ、放射線検出器全体の小型、軽量化が図ら
れる効果が得られ、特にハンディタイプのサーベイメー
タ等において、その携帯が容易になるという効果があ
る。
半導体放射線検出器が直列に配置され、その前段に位置
する半導体放射線検出器が背後の半導体放射線検出器に
対する放射線減衰フィルタの役目を果たすので、後段の
検出器が前段よりも高エネルギー寄りの感度特性を有
し、それら複数の半導体放射線検出器を用いることによ
り幅広いエネルギーレンジにおいて良好な感度で測定を
行うことができるという効果が得られるとともに、エネ
ルギー特性を高エネルギー寄りにシフトさせるために通
常別途設けられる減衰フィルタが後段の半導体放射線検
出器の前面に不要となるか又はその厚み、重量を低減す
ることができ、放射線検出器全体の小型、軽量化が図ら
れる効果が得られ、特にハンディタイプのサーベイメー
タ等において、その携帯が容易になるという効果があ
る。
【図1】 本発明の実施形態であるγ線用サーベイメー
タの概略のブロック図である。
タの概略のブロック図である。
【図2】 放射線検出部の模式的な断面図である。
【図3】 本装置に内蔵される2つの半導体検出器それ
ぞれのエネルギー特性と、それらを合成したエネルギー
特性との一例を示すグラフである。
ぞれのエネルギー特性と、それらを合成したエネルギー
特性との一例を示すグラフである。
2 放射線検出部、3 データ処理部、4 表示部、
6,8 半導体検出器、10,12 半導体、14 遮
蔽箱、20,22 プリアンプ、30,32 スケー
ラ、34 演算回路。
6,8 半導体検出器、10,12 半導体、14 遮
蔽箱、20,22 プリアンプ、30,32 スケー
ラ、34 演算回路。
Claims (5)
- 【請求項1】 放射線検出の指向方向にそれぞれ有感面
を向け互いに直列配置された前段半導体放射線検出器及
び後段半導体放射線検出器を有し、 前記後段半導体放射線検出器は、 前記指向方向に対し前記前段半導体放射線検出器の後方
に配置され、 前記前段半導体放射線検出器より高エネルギー寄りの感
度特性を有すること、を特徴とする放射線検出器。 - 【請求項2】 請求項1記載の放射線検出器において、 前記後段半導体放射線検出器は、 前記有感面の前面に放射線減衰フィルタを備えること、 を特徴とする放射線検出器。
- 【請求項3】 請求項1記載の放射線検出器において、 前記前段半導体放射線検出器の出力に基づく計数率と前
記後段半導体放射線検出器の出力に基づく計数率とを加
算して出力する演算部を有し、 各半導体放射線検出器それぞれの感度特性の違いを相補
うことを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項4】 請求項1記載の放射線検出器において、 前記前段半導体放射線検出器は、 前記後段半導体放射線検出器より容量負荷の低い検出部
と、 前記検出部の出力信号を増幅する増幅器と、 を有することを特徴とする放射線検出器。 - 【請求項5】 請求項4記載の放射線検出器において、 前記前段半導体放射線検出器の前記検出部が内蔵する放
射線検知用半導体は、前記後段半導体放射線検出器の検
出部が内蔵する放射線検知用半導体より小型であること
を特徴とする放射線検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26943897A JPH11109038A (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | 放射線検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26943897A JPH11109038A (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | 放射線検出器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11109038A true JPH11109038A (ja) | 1999-04-23 |
Family
ID=17472441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26943897A Pending JPH11109038A (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | 放射線検出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11109038A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004003882A (ja) * | 2002-04-16 | 2004-01-08 | Aloka Co Ltd | 放射線測定器 |
JP2008256622A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Chiyoda Technol Corp | 積層型放射線測定器 |
JP2012007888A (ja) * | 2010-06-22 | 2012-01-12 | Hitachi Ltd | 放射線計測装置 |
JP2016003892A (ja) * | 2014-06-13 | 2016-01-12 | 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 | ガンマ線計測装置及びガンマ線計測方法 |
-
1997
- 1997-10-02 JP JP26943897A patent/JPH11109038A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004003882A (ja) * | 2002-04-16 | 2004-01-08 | Aloka Co Ltd | 放射線測定器 |
JP2008256622A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Chiyoda Technol Corp | 積層型放射線測定器 |
JP2012007888A (ja) * | 2010-06-22 | 2012-01-12 | Hitachi Ltd | 放射線計測装置 |
JP2016003892A (ja) * | 2014-06-13 | 2016-01-12 | 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 | ガンマ線計測装置及びガンマ線計測方法 |
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