JPH11106993A - アルミニウムまたは合金の陽極酸化皮膜の電解中和処理方法 - Google Patents
アルミニウムまたは合金の陽極酸化皮膜の電解中和処理方法Info
- Publication number
- JPH11106993A JPH11106993A JP30233197A JP30233197A JPH11106993A JP H11106993 A JPH11106993 A JP H11106993A JP 30233197 A JP30233197 A JP 30233197A JP 30233197 A JP30233197 A JP 30233197A JP H11106993 A JPH11106993 A JP H11106993A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- water
- minutes
- anodic oxide
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
を電解中和処理して、皮膜の水洗量を節減し、且つ、ア
ルカリ耐食性の改善を目的とする方法。 【構成】 Alまたは合金に硫酸浴による陽極酸化皮膜
を作成した後に、中性電導塩を成分とする電解中和浴に
て、交流電圧1−20V,0.5−15分間電解する
と、皮膜の微細孔中に残存する酸分は速やかに、且つ、
充分に中和するので、従来皮膜の洗浄に多量に使用され
ていた水洗量を節減し、同時に皮膜のアルカリ耐食性を
向上する方法である。
Description
下、Alと称する)は、陽極酸化により耐食性および耐
摩耗性の良好な皮膜を作成し、機械部品、建材部品、家
電用部品などに利用されているが、この発明は皮膜作成
後の水洗水の節減を行い、同時に、優れた品質の皮膜を
提供する方法に関するものである。
皮膜を作成すると、例えば厚さ10μmの皮膜には極め
て細長い円筒状の微細孔(直径は約12nm、セル・サ
イズは約35nm、直径:長さの比は約1:1000)
が、Al素地に垂直に生成する。そして、この中には電
解液と反応生成物であるAl塩が充満するので、封孔の
前に酸分は充分に水洗除去することが望まれている。
不充分な場合には、残留酸分は皮膜に作用し、長期間中
に白点状の腐食、部分的変色などを発生し、品質を劣化
することが知られている。また、この酸分は皮膜の水和
反応を阻害するので、封孔は不完全となり、化学的耐食
性を低下することも報告されている。皮膜の水洗とは、
原理的に、微細孔内部の化合物と外部の濃度差による拡
散により、徐々に排出するもので、長時間の水中浸漬が
必要と考えられている。しかし、実用的には工業用水お
よび純水を多量に、且つ、多段的に処理することによ
り、数分間と言う短時間の水洗が施されており、酸分を
完全に除去することは困難と見なされている。このた
め、微細孔中の酸分を除去し、可能な限り中性に保持す
ることが望まれている。
る陽極酸化皮膜を、pHの異なる電解カラー浴にて交流
電解した後に、充分な水洗、高温Ni塩封孔すると、皮
膜のアルカリ耐食性とカラー浴のpHの関係は次表の如
く測定された。すなはち、pH7.0の中性の場合には
良好な性能が見出されている。 一般に、常温の水溶液において、SO4 2−イオンの移
動速度は、1V/cmついて、約5μm/秒と測定され
ている。 そして、周波数50Hzの交流、10V電解
では、1サイクル間に約1μm移動することになる。
長さ約10pmの微細孔中の内部のイオンは、徐々に外
部の中性電解液と置換し、数分間で中和されると考えら
れる。一方、無機酸および塩の拡散係数は、約10−5
Mol・cm2/秒台と測定されているので、全量拡散
する時間は、約105秒(28時間)と計算される。微
細孔内部の酸の拡散は単純ではないが、約15%−硫酸
電解液を含有する場合には、排出されるには数10時間
必要と考えて良かろう。このように、微細孔の中和は、
交流電解による方法が、拡散水洗の方法よりも迅速で効
果的である。なお、直流電解の場合、(+)電解では陰
イオンの放電による酸化物の生成、(−)電解ではH+
イオンによるバリヤー層の破壊があり適当ではないと考
える。
めに、Al上に硫酸浴による陽極酸化皮膜を作成し、電
解中和処理を施すが、浴組成としては、pHは6.0−
7.5の範囲とし、電導度は約50mS/cm以下の無
機酸塩あるいは有機酸塩を使用する。 無機酸塩として
塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウ
ムなど、有機酸塩としてスルファミン酸アンモニウム、
酢酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、しゅう酸アン
モニウムなどを約0.5−50g/Lの範囲で使用する
ことができる。電解条件としてはは、対極に不溶解性の
カーボン、SUS材を利用し、市販交流は50−60H
z、電圧は約1−20V、電流は約0.8A/dm2以
上にならないよう調節する。 バリヤー層を保護するた
め過剰電流を避けるのが良い。浴温度は常温(18−2
5℃)の範囲で使用し、電解液は良くかき混ぜる。電解
時間は約0.5−20分間とする。この電解中和浴は長
時間使用すると酸分とAl分が増加するが、pHが6以
下に低下すれば、適時、更新するかpH調節するのが良
い。陽極酸化皮膜を染料・顔料で色付けをする場合に
は、この前に電解中和処理を施すと一層均一な色付けが
できるし、電解カラーを施す時には、基本的にはカラー
後に電解中和するが、弱酸性、中性性カラー浴の場合は
処理の前に施すのも良い。電解後は表面の塩類を洗浄す
る程度の短時間の水洗のみで、粉ふきの少ない美麗な表
面を得ることができる。実際の工業的陽極酸化処理ライ
ンにおいては、多段水洗槽の何れかを電解中和処理槽に
転用するとことで容易に実施することが可能である。
cm)を、通常の脱脂、軽度のエッチングを施し、30
00mLのビーカー中にて、常法による硫酸陽極酸化浴
(15%−硫酸、0.2%−Al3+、20℃、1.0
A/dm2、Al合金板電極)にて厚さ約10μmの皮
膜を作成し、工業用水中に約10秒間、純水中に約5秒
間浸漬して水洗した。次に、この皮膜を電解中和浴(1
5g/L−硫酸アンモニウム、23℃、プロペラかくは
ん、カーボン板電極、pH6.4)にて、単相交流を0
−15V/30秒間にてソフト・スタートすると、電流
は最大0.5A/dm2から5分間後には0.3A/d
m2に達し終了した。4回の中和電解後pHは6.2に
上昇した。その後、工業用水中に約10秒間、純水中に
約5秒間水洗し、純水封孔(98℃、3分間/μm)を
施した。一方、同じ条件にて作成した陽極酸化皮膜は、
工業用水の流水洗を5分間、純水中に約5秒間浸漬して
水洗し、同じ純水封孔を施した。これらの皮膜は、アル
カリ滴下試験(終点を起電力で判定する方法)を行い、
アルカリ耐食性を測定したが、水洗のみの皮膜の場合に
は平均38秒に留まったのに対し、電解中和した皮膜は
平均55秒を示した。この結果、電解中和皮膜は、明ら
かにアルカリ耐食性の向上が認められた。また、電解中
和処理後の皮膜を、顔料浴(15g/L−しゅう酸第2
鉄アンモニウム・3水塩、60℃、pH5.0、7分
間)および染料浴(10g/L−Al−uminium
Black LLW、60℃、pH4.1、10分
間)の処理で均一な色付けが認められた。 実施例2。 実施例1と同様にして、Al上に硫酸を主体とする陽極
酸化浴(15%−硫酸、0.2%−しゅう酸・2水塩、
0.1%−Al3+、23℃、1.0A/dm2、Al
合金板電極)にて厚さ約10μmの皮膜を作成し、工業
用の流水中に約10秒間、純水中に約5秒間水洗した。
次に、電解中和浴(10g/L−酒石酸アンモニウム、
20℃、SUS−304板電極、プロペラかくはん、p
H6.8に調整)にて、単相交流10V、約0.5−
0.2A/dm2の条件で、5分間および10分間処理
した。 その後、前項と同じ最終水洗を施した。別に、
電解中和を施さない皮膜は、工業用の流水中(水量約1
L/分)に、5分間および10分間、純水水洗を約5秒
間施し、純水封孔後に前項と同様な最終水洗処理した。
アルカリ耐食性は、水洗のみの場合に、5分間は平均3
5秒および10分間は40秒を呈したが、電解中和処理
の5分間は平均52秒および10分間は55秒に上昇し
た。そして、5分間の水洗において、約500L/m2
の水量を節減することが可能であった。また、同じ陽極
酸化皮膜を、電解カラー浴(8g/L−硫酸第一錫、2
5g/L−硫酸ニッケル・6水塩、15g/L−硫酸、
10g/L−酒石酸、20℃、pH0.8、カーボン板
電極)にて、交流0−17V/30秒、0.7A/dm
2、5分間でブロンズ色に加工した後、10秒間の工業
用、5秒間の純水洗し、上記の電解中和を5分間処理
し、同様な水洗後封孔すると、アルカリ耐食性は平均5
8秒を示した。 すなはち、流水洗を5分間施すより
も、電解中和を5分間施した皮膜のアルカリ耐食性は一
層改善することが判明した。 実施例3。 実施例1と同様にして、Al上に常法による硫酸陽極酸
化浴(15%−硫酸、0.2%−Al3+、22℃、
1.1A/dm2、カーボン棒電極)にて、時間を調節
して、厚さ約6、10および15μmの皮膜を作成し
た。電解中和する場合は、工業用流水中に約10秒間、
純水中にて約5秒間水洗し、水洗のみの皮膜は、前者中
に約10分間、後者中に約5秒間水洗した。電解中和浴
(1g/L−酢酸アンモニウム、20℃、SUS−30
4板電極、プロペラかくはん、pH6.9)にて、単相
交流15V、約0.3−0.4A/dm2の条件で10
分間処理し、最後に10秒の工業用水の水洗、5秒間の
純水洗を行った。総ての皮膜は前項と同様な条件で純水
封孔した。皮膜厚さの違いにより処理時間は変化した。
アルカリ耐食性は、皮膜の厚さにより次表のように測定
された。 この結果、工業用水中の流水洗を10分間施すよりも、
流水中で10秒水洗し、電解中和する場合には、明らか
に耐アルカリ耐食性は増加し、且つ、水洗水の節減に寄
与することが理解される。
Claims (1)
- 【請求項1】アルミニウムまたは合金に、硫酸または硫
酸を主体とする電解浴にて陽極酸化皮膜を作成した後、
中性の電導度塩を主成分とする電解浴中にて、対極との
間に交流電圧1−20V、0.5−15分間電解し、微
細孔中の残留酸分を中性塩に置換して中和することによ
り、陽極酸化後の水洗量を節減し、更に、封孔後に皮膜
のアルカリ耐食性を向上することを特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30233197A JPH11106993A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | アルミニウムまたは合金の陽極酸化皮膜の電解中和処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30233197A JPH11106993A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | アルミニウムまたは合金の陽極酸化皮膜の電解中和処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11106993A true JPH11106993A (ja) | 1999-04-20 |
Family
ID=17907657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30233197A Pending JPH11106993A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | アルミニウムまたは合金の陽極酸化皮膜の電解中和処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11106993A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005036315A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-02-10 | Toyo Roki Mfg Co Ltd | アルミニウム又はアルミニウム合金への酸化皮膜の形成方法 |
CN116288588A (zh) * | 2023-03-22 | 2023-06-23 | 江苏先锋精密科技股份有限公司 | 一种铝合金材料高绝缘性阳极氧化工艺 |
US12043750B2 (en) | 2020-02-04 | 2024-07-23 | Sakata Inx Corporation | Continuous inkjet ink composition |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP30233197A patent/JPH11106993A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005036315A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-02-10 | Toyo Roki Mfg Co Ltd | アルミニウム又はアルミニウム合金への酸化皮膜の形成方法 |
US12043750B2 (en) | 2020-02-04 | 2024-07-23 | Sakata Inx Corporation | Continuous inkjet ink composition |
CN116288588A (zh) * | 2023-03-22 | 2023-06-23 | 江苏先锋精密科技股份有限公司 | 一种铝合金材料高绝缘性阳极氧化工艺 |
CN116288588B (zh) * | 2023-03-22 | 2023-12-22 | 江苏先锋精密科技股份有限公司 | 一种铝合金材料高绝缘性阳极氧化工艺 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004502877A (ja) | アルカンスルホン酸を含有する配合による、アルミニウム又はアルミニウム合金の表面処理方法 | |
WO2000001865A1 (fr) | Procede pour traiter la surface d'une preforme en aluminium | |
US3878056A (en) | Process for electrolytic coloring of the anodic oxide film on a aluminum or aluminum base alloys | |
CA1134774A (en) | Anodising aluminium | |
JPH11106993A (ja) | アルミニウムまたは合金の陽極酸化皮膜の電解中和処理方法 | |
JP4253716B2 (ja) | マグネシウム材料製品の表面処理方法 | |
JPS60110895A (ja) | アルミニウム及びアルミニウム合金の電解着色方法 | |
US6506263B1 (en) | Sealant composition | |
JPS60197897A (ja) | アルミニウム又はアルミニウム合金の不透明白色陽極酸化皮膜生成方法 | |
JPS59185799A (ja) | 陽極酸化物被覆の電解着色方法 | |
JPS6253598B2 (ja) | ||
US4917780A (en) | Process for coloring anodized aluminum by AC electrolysis | |
JPS6016520B2 (ja) | アルミニウム表面に不透明白色皮膜を形成する方法 | |
JPS63223199A (ja) | アルミニウム材の電解着色法 | |
JPS6253597B2 (ja) | ||
JP2001329396A (ja) | アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理方法 | |
JP2001329397A (ja) | アルミニウム及びアルミニウム合金の着色方法 | |
JPS6130038B2 (ja) | ||
JPS5948879B2 (ja) | アルミニウムの電解着色法 | |
JPS5956594A (ja) | アルミニウムの着色方法 | |
JPS60215795A (ja) | アルミニウム又はアルミニウム合金の表面白色化処理方法 | |
JPS5813635B2 (ja) | アルミニウムまたはアルミニウム合金の電解着色方法 | |
KR800000172B1 (ko) | 알미늄 또는 알미늄합금재의 착색산화피막생성법(着色酸化皮膜生成法) | |
JPS6020478B2 (ja) | アルミニウムの表面処理方法 | |
JPS5928636B2 (ja) | アルミニウム材表面に着色保護皮膜を形成する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040922 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060612 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060620 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20061024 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |