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JPH11103884A - 油脂のエステル交換方法 - Google Patents

油脂のエステル交換方法

Info

Publication number
JPH11103884A
JPH11103884A JP9271336A JP27133697A JPH11103884A JP H11103884 A JPH11103884 A JP H11103884A JP 9271336 A JP9271336 A JP 9271336A JP 27133697 A JP27133697 A JP 27133697A JP H11103884 A JPH11103884 A JP H11103884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
lipase
oils
fats
fat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9271336A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Hirokawa
敏幸 廣川
Wataru Matsumoto
渉 松本
Nobukazu Maeda
亘一 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Asahi Denka Kogyo KK
Priority to JP9271336A priority Critical patent/JPH11103884A/ja
Publication of JPH11103884A publication Critical patent/JPH11103884A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リパーゼを用いた油脂のエステル交換方法に
おいて、リパーゼの活性を長時間保持することができ、
特に活性が低下しやすい高温でのリパーゼと油脂のエス
テル交換反応においてリパーゼの活性を維持することが
でき、しかも簡単に且つ安価に油脂のエステル交換を実
施することができる油脂のエステル交換方法を提供する
こと。 【解決手段】 リパーゼを用いた油脂のエステル交換方
法において、リン脂質を添加した油脂を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リパーゼを用いた
油脂のエステル交換方法において、リン脂質を添加した
油脂を用いる油脂のエステル交換方法に関する。さらに
詳しくはリパーゼの活性の寿命を延長することができる
方法に関するものであり、特に高温でエステル交換反応
を行う際に、リパーゼの活性を長時間維持させることの
できる油脂のエステル交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リパー
ゼを用いたエステル交換反応によって油脂の改質を行う
方法が知られている。使用するリパーゼは、反応時間と
ともにその触媒活性が低下する。特に反応温度が高くな
ると、短時間で酵素活性がなくなる。油脂のエステル交
換において、リパーゼの寿命は、経済性や生産安定性の
面から重要である。
【0003】このリパーゼの寿命を延長させるために、
原料油脂の前処理、固定化酵素の担体の種類、原料油脂
の水分調節等が検討されている。原料油脂の前処理を行
って酵素寿命を延長させる方法として、特開平2―20
3789号公報には、原料油脂をアルカリ性物質と接触
させる方法が開示されている。また、特開平2―203
790号公報には、原料油脂をアルカリ処理した多孔性
物質と接触させる方法が記載されている。しかしなが
ら、これらの方法は、原料油脂中に脂肪酸が存在する
と、脂肪酸が石鹸を生成してしまうためエステル交換油
脂へ影響を与えたり、酵素の寿命延長効果も満足できる
ものではなかった。また、特開平8―140689号公
報には、アミノ基を有する物質で原料油脂を処理して酵
素寿命を延長する方法が記載され、また特開平8―27
51号公報には、酸性白土で原料油を処理して酵素寿命
を延長する方法が記載されているが、これらの方法も高
温反応での酵素の寿命延長効果が十分ではなかった。ま
た、固定化酵素の担体を検討することによって固定化酵
素の寿命を延長する方法として、特開平3―61485
号公報には、水分保持性の高い担体を用いて酵素寿命を
延長する方法が提案されている。しかし、この方法は、
高価な担体を使用するためコストの面で有効な方法とい
えるものではない。また、特開昭62―81498号公
報には、飽和水分量の原料油脂を用いて反応温度の高い
状態において酵素寿命を延長させる方法が提案されてい
るが、この方法は、反応油の酸価が非常に高くなるので
実用的な方法ではない。
【0004】従って、本発明の目的は、リパーゼを用い
た油脂のエステル交換方法において、リパーゼの活性を
長時間保持することができ、特に活性が低下しやすい高
温でのリパーゼと油脂のエステル交換反応においてリパ
ーゼの活性を維持することができ、しかも簡単に且つ安
価に油脂のエステル交換を実施することのできる油脂の
エステル交換方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、リパーゼを用
いた油脂のエステル交換方法において、リン脂質を添加
した油脂を用いることを特徴とする油脂のエステル交換
方法を提供することにより、上記目的を達成したもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の油脂のエステル
交換方法について詳述する。本発明で用いられるリパー
ゼとしては、特に制限はなく、例えばリゾプス属、ムコ
ール属、アスペルギルス属、シュードモナス属、アルカ
リゲネス属、キャンディダ属等の微生物由来のものや動
植物由来のものを使用することができる。また、位置特
異性を持つリパーゼや位置特異性を持たないリパーゼの
どちらでも構わない。これらのリパーゼは、ケイソウ
土、シリカゲル、イオン交換樹脂、アルミナ、セルロー
ス等の担体に固定化して用いることが好ましい。該固定
化リパーゼは、リパーゼの水溶液を上記担体と共に攪
拌、混合した後、乾燥する等の方法により簡便に調製す
ることができる。
【0007】本発明で用いられる油脂としては、特に制
限はなく、例えばパーム油、大豆油、菜種油、コーン
油、ヒマワリ油、サフラワー油、綿実油、米糠油、サル
脂、シア脂、マンゴー核油、カカオ脂、ヤシ油、パーム
核油、魚油、豚脂、牛脂等の動植物油脂及びこれらの硬
化油、分別油等から選ばれた1種または2種以上のもの
を使用することができる。また、これらの油脂とパルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の炭素数6〜24
の脂肪酸又はその低級アルコールエステルとの混合物を
用いることもできる。
【0008】また、本発明で用いられるリン脂質として
は、大豆レシチン、卵黄レシチン、酵素処理レシチン等
をあげることができる。溶解性、作業性、経済性を考慮
すると大豆レシチンが最も好ましい。尚、大豆レシチン
は大豆油を約30〜50重量%含有しているのが一般的
であり、リン脂質として大豆レシチンを用いる場合は、
大豆レシチンから大豆油を除いた重量をリン脂質の重量
とする。
【0009】上記リン脂質の上記油脂への添加量は、特
に制限されないが、エステル交換油脂からリン脂質を除
く工程の簡便さを考慮すると、油脂の重量に対して、好
ましくは0.01〜5.0重量%(以下%とする)、よ
り好ましくは0.03〜3.0%、さらに好ましくは
0.1〜2.0%である。
【0010】このようなリン脂質含有油脂(リン脂質を
添加した油脂)とリパーゼとを反応させ、エステル交換
を行うが、このときのエステル交換はカラム式でもバッ
チ式でもよい。リン脂質によるリパーゼの活性の寿命延
長効果は油脂がリン脂質を含有したものでなければ効果
がなく、リン脂質無添加の油脂とリパーゼとを反応させ
た場合は、リパーゼの活性は急激に低下してしまう。ま
た、担体にリパーゼとリン脂質を固定化した固定化リパ
ーゼを用いても、リパーゼの活性の寿命延長効果はある
が、本発明のように油脂にリン脂質を含有させたものを
用いた場合に比べ、リパーゼの活性の寿命延長効果が劣
る。また、本発明においてリパーゼの活性の寿命延長効
果は、リン脂質含有油脂とリパーゼとの反応温度が50
℃以下でも効果が認められるが、上記反応温度が55℃
以上、好ましくは55〜90℃でより顕著に効果が認め
られる。
【0011】本発明の方法により得られるエステル交換
油脂にはリン脂質が残存しているが、この残存している
リン脂質は通常の脱ガム、脱酸、漂白の工程で除去する
ことができる。ここでいう脱ガムとは、エステル交換油
脂にリン酸またはクエン酸水溶液を添加し、リン脂質を
不溶化させ、これを除去する工程であり、脱酸とは、エ
ステル交換反応で生成した遊離脂肪酸やリン脂質を除去
する工程であり、漂白とは、活性白土やシリカゲル、ア
ルミナ、活性炭等を用いて色素を吸着させる工程であ
る。この3つの工程のうち脱酸を省略、脱ガムを省略、
脱ガムと脱酸工程の両方を省略することもできる。この
場合、リン脂質の除去効果は、3つの工程をすべて行う
のが一番よく、脱酸を省略、脱ガムを省略、脱ガムと脱
酸工程の両方を省略の順にリン脂質の除去効果が少なく
なる。これらの工程を繰り返すことによりリン脂質を除
去することも可能である。また、上記のリン脂質を除去
する工程を行った後にエステル交換油脂を脱臭すること
により、不快な臭いや味のもとなる物質を除去すること
ができ、精製油として使用することができる。
【0012】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によって限定されるものではな
い。
【0013】(実施例1)リパーゼとして、アルカリゲ
ネス由来のリパーゼQL(名糖産業株式会社製)の5%
水溶液20gをラジオライト#3000(昭和化学株式
会社製)50gと混合し、乾燥して固定化酵素を製造し
た。また、原料油脂として、スーパーオレイン(沃素価
65)に、大豆油を50%含有している大豆レシチン
1.0%(リン脂質純分で0.5%)を添加したリン脂
質含有油脂を用意した。上記の固定化酵素4gをカラム
に充填し、定量ポンプで該カラムに反応温度60℃で上
記のリン脂質含有油脂を12g/hrの速さで通液し、
エステル交換を行った。下記の式により、反応率を求
めた。なお、オレオイルジパルミチン(POP)含量は
HPLCにより測定した。
【0014】
【数1】
【0015】また、この反応率と通液速度(通液した油
脂の速度/固定化酵素の量)からエステル交換活性を下
記の式のように定義した。
【0016】
【数2】
【0017】このエステル交換活性は、経時的に減少
し、その減少度合いは下記の式の通りとなる。
【0018】
【数3】
【0019】このとき、初期のエステル交換活性に対
し、エステル交換活性が半分の値をとるときの日数を半
減期として求めると、上記の式より下記の式の通り
となる。
【0020】
【数4】
【0021】上記の式にあてはめて計算すると、実施
例1の酵素の半減期は35日となる。さらに得られたエ
ステル交換油脂を脱ガム処理(リン酸0.15%、75
℃、15分間)、漂白(白土5%、85℃、30分間)
により大豆レシチンを除去し、脱臭(水蒸気を吹き込む
量5%、250℃、60分間)により精製油とした。
【0022】(実施例2)スーパーオレイン(沃素価6
5)に大豆油を50%含有している大豆レシチン2.0
%(リン脂質純分で1.0%)を添加したリン脂質含有
油脂を用いた他は、実施例1と同様の方法でエステル交
換を行い、得られたエステル交換油脂から大豆レシチン
を除去し、精製油とした。この場合の酵素の半減期は4
1日であった。
【0023】(実施例3)スーパーオレイン(沃素価6
5)に大豆油を50%含有している大豆レシチン4.0
%(リン脂質純分で2.0%)を添加したリン脂質含有
油脂を用いた他は、実施例1と同様の方法でエステル交
換を行い、得られたエステル交換油脂から大豆レシチン
を除去し、精製油とした。この場合の酵素の半減期は5
8日であった。
【0024】(実施例4)スーパーオレイン(沃素価6
5)に大豆油を50%含有している大豆レシチン0.1
%(リン脂質純分で0.05%)を添加したリン脂質含
有油脂を用いた他は、実施例1と同様の方法でエステル
交換を行い、得られたエステル交換油脂から大豆レシチ
ンを除去し、精製油とした。この場合の酵素の半減期は
14日であった。
【0025】(実施例5)スーパーオレイン(沃素価6
5)に大豆油を50%含有している大豆レシチン8.0
%(リン脂質純分で4.0%)を添加したリン脂質含有
油脂を用いた他は、実施例1と同様の方法でエステル交
換を行った。大豆レシチンの除去は、実施例1に示した
方法で、脱ガム、漂白を行い、もう一度脱ガム、漂白を
行い、大豆レシチンを除去し、脱臭を行い、精製油とし
た。この場合の酵素の半減期は62日であった。
【0026】(比較例1)実施例1において大豆レシチ
ンを油脂に添加しない他は、実施例1と同様の方法でエ
ステル交換油脂を得た。そして実施例1と同様の方法で
脱ガム、漂白、脱臭工程を行い、精製油とした。この場
合の酵素の半減期は3日であり、大豆レシチンを添加し
た油脂を用いた実施例の場合に比べ、酵素の活性の低下
が速いことがわかる。
【0027】(比較例2)粉末レシチン0.4gを純水
40gで攪拌、混合し、水懸濁液を調製した。これにリ
パーゼQLC(名糖産業株式会社製)2gを加え、液温
20℃で24時間攪拌混合し、リパーゼとレシチンをよ
く接触させた。これをラジオライト#3000(昭和化
学株式会社製)1000gと混合し、乾燥して固定化酵
素を得た。これに大豆レシチン無添加のスーパーオレイ
ンを実施例1と同様の方法で通液し、リン酸処理、漂
白、脱臭工程を行った。この場合の酵素の半減期は9日
であり、大豆レシチンを添加した油脂を用いた実施例の
場合に比べ、酵素の活性の低下が速いことがわかる。
【0028】
【発明の効果】本発明の油脂のエステル交換方法によれ
ば、リパーゼを用いた油脂のエステル交換方法におい
て、リパーゼの活性を長時間保持することができ、特に
活性が低下しやすい高温でのリパーゼと油脂のエステル
交換反応においてリパーゼの活性を維持することがで
き、しかも簡単に且つ安価に油脂のエステル交換を実施
することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リパーゼを用いた油脂のエステル交換方
    法において、リン脂質を添加した油脂を用いることを特
    徴とする油脂のエステル交換方法。
  2. 【請求項2】 0.01〜5.0重量%のリン脂質を添
    加した油脂を用いることを特徴とする請求項1記載の油
    脂のエステル交換方法。
JP9271336A 1997-10-03 1997-10-03 油脂のエステル交換方法 Pending JPH11103884A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7452702B2 (en) 2003-07-16 2008-11-18 Archer-Daniels-Midland Company Method for producing fats or oils
EP2476742A1 (en) 2005-05-13 2012-07-18 Archer-Daniels-Midland Company Method for producing fats or oils

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7452702B2 (en) 2003-07-16 2008-11-18 Archer-Daniels-Midland Company Method for producing fats or oils
EP2476742A1 (en) 2005-05-13 2012-07-18 Archer-Daniels-Midland Company Method for producing fats or oils
US8685680B2 (en) 2005-05-13 2014-04-01 Thomas P. Binder Method for producing fats or oils

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