JPH1072535A - 耐湿性生分解樹脂発泡体 - Google Patents
耐湿性生分解樹脂発泡体Info
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- JPH1072535A JPH1072535A JP26503096A JP26503096A JPH1072535A JP H1072535 A JPH1072535 A JP H1072535A JP 26503096 A JP26503096 A JP 26503096A JP 26503096 A JP26503096 A JP 26503096A JP H1072535 A JPH1072535 A JP H1072535A
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- starch
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- polyvinyl alcohol
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】物品を梱包する際に緩衝材等として使用される
プラスチック発泡体を、生分解性を有するものに転換し
たところ、全く耐湿性がなかったので、耐湿性のあるも
のを開発する。 【解決手段】主として、澱粉40〜80重量%、ポリビ
ニールアルコール10〜20重量%、及び、脂肪族ポリ
エステル10〜40重量%からなる発泡体、並びに、澱
粉40〜80重量%、ポリビニールアルコール19〜5
5重量%、及び、ポリプロピレン10〜40重量%から
なる発泡体を、耐湿性生分解樹脂発泡体として提供す
る。
プラスチック発泡体を、生分解性を有するものに転換し
たところ、全く耐湿性がなかったので、耐湿性のあるも
のを開発する。 【解決手段】主として、澱粉40〜80重量%、ポリビ
ニールアルコール10〜20重量%、及び、脂肪族ポリ
エステル10〜40重量%からなる発泡体、並びに、澱
粉40〜80重量%、ポリビニールアルコール19〜5
5重量%、及び、ポリプロピレン10〜40重量%から
なる発泡体を、耐湿性生分解樹脂発泡体として提供す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐湿性を有する生分
解性樹脂発泡体に関するものである。従来、発泡ポリス
チレンのような樹脂発泡体は、生鮮食料品のトレーやカ
ップ麺の容器や家電製品等の緩衝材として使用されてき
た。しかし、ポリスチレンのような合成樹脂製品は、使
用後の焼却・埋設等の処理上の問題があることから、生
分解性樹脂発泡体への転換が図られるようになった。し
かしながら、これまでの生分解性樹脂発泡体は、いずれ
も耐湿性がなく、湿度の高いところでは使用することが
できなかった。本発明は、このような耐湿性に係わる問
題を解決した生分解性樹脂発泡体に関するものである。
解性樹脂発泡体に関するものである。従来、発泡ポリス
チレンのような樹脂発泡体は、生鮮食料品のトレーやカ
ップ麺の容器や家電製品等の緩衝材として使用されてき
た。しかし、ポリスチレンのような合成樹脂製品は、使
用後の焼却・埋設等の処理上の問題があることから、生
分解性樹脂発泡体への転換が図られるようになった。し
かしながら、これまでの生分解性樹脂発泡体は、いずれ
も耐湿性がなく、湿度の高いところでは使用することが
できなかった。本発明は、このような耐湿性に係わる問
題を解決した生分解性樹脂発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、りんご等の果実や陶磁器を梱包し
輸送する際の緩衝材として、藁や籾殻等の天然材料をそ
のまま利用したり、木綿や古新聞紙等の天然材料を多少
加工したものを利用したりしてきた。その後、合成樹脂
産業の発展とともに、ポリスチレン発泡体が開発される
と、ポリスチレン発泡体は、機械部品や電機部品や家電
製品等の緩衝材だけでなく、生鮮食料品のトレーやカッ
プ麺の容器にまで利用されるようになった。しかしなが
ら、これらのポリスチレン発泡体を初め、他の食料品の
包装や日用品・家具等に使用される合成樹脂製品は、使
用後ゴミとして廃棄されると、焼却すれば、高温になり
焼却炉を損傷し、埋立地等に投棄すれば、藁や木綿等の
天然物とは異なり、微生物により分解されることなく、
何時までも嵩高のまま残って、その土地の植物の生育に
支障を来たすとともに、地盤の安定化を損ない、また、
時として、鳥や野性動物や魚等に誤食され、これらの動
物の健康をそこなう等の問題が発生した。そのため、生
分解性プラスチックの開発が進められた。
輸送する際の緩衝材として、藁や籾殻等の天然材料をそ
のまま利用したり、木綿や古新聞紙等の天然材料を多少
加工したものを利用したりしてきた。その後、合成樹脂
産業の発展とともに、ポリスチレン発泡体が開発される
と、ポリスチレン発泡体は、機械部品や電機部品や家電
製品等の緩衝材だけでなく、生鮮食料品のトレーやカッ
プ麺の容器にまで利用されるようになった。しかしなが
ら、これらのポリスチレン発泡体を初め、他の食料品の
包装や日用品・家具等に使用される合成樹脂製品は、使
用後ゴミとして廃棄されると、焼却すれば、高温になり
焼却炉を損傷し、埋立地等に投棄すれば、藁や木綿等の
天然物とは異なり、微生物により分解されることなく、
何時までも嵩高のまま残って、その土地の植物の生育に
支障を来たすとともに、地盤の安定化を損ない、また、
時として、鳥や野性動物や魚等に誤食され、これらの動
物の健康をそこなう等の問題が発生した。そのため、生
分解性プラスチックの開発が進められた。
【0003】生分解性プラスチックの中で最初に開発さ
れたものは、とうもろこし澱粉を混入した低密度ポリエ
チレン等の澱粉を混入したプラスチックである。その
後、基材の樹脂として、強度等の観点からポリプロピレ
ンが使用され、親水性等の観点からポリビニールアルコ
ール等も使用されるようになった。このような澱粉含有
プラスチックは、土壌中に廃棄されると、先ず、混入さ
れた澱粉の部分が微生物によって分解され、それによっ
てプラスチックが多孔質化され、表面積が増え、それに
よって合成樹脂成分も、風化や他の微生物の作用が受け
易くなり、最終的に土壌に同化されるものと考えられ
る。なお、多孔質化されても、ポリエチレンや、ポリプ
ロピレンは、微生物によって完全には分解されずそのま
ま土壌中に残るともいわれているが、ポリビニールアル
コールは、土壌中のシュードモナス・プチダで分解され
ることが明らかになっている。このような特性を有する
澱粉を混入した生分解性プラスチックは、一般に耐水性
がない。そして、この耐水性がないことを逆手にとっ
て、水をかけると30分ほどで1/20に収縮し、減量
化できることを特色にしているものさえある。
れたものは、とうもろこし澱粉を混入した低密度ポリエ
チレン等の澱粉を混入したプラスチックである。その
後、基材の樹脂として、強度等の観点からポリプロピレ
ンが使用され、親水性等の観点からポリビニールアルコ
ール等も使用されるようになった。このような澱粉含有
プラスチックは、土壌中に廃棄されると、先ず、混入さ
れた澱粉の部分が微生物によって分解され、それによっ
てプラスチックが多孔質化され、表面積が増え、それに
よって合成樹脂成分も、風化や他の微生物の作用が受け
易くなり、最終的に土壌に同化されるものと考えられ
る。なお、多孔質化されても、ポリエチレンや、ポリプ
ロピレンは、微生物によって完全には分解されずそのま
ま土壌中に残るともいわれているが、ポリビニールアル
コールは、土壌中のシュードモナス・プチダで分解され
ることが明らかになっている。このような特性を有する
澱粉を混入した生分解性プラスチックは、一般に耐水性
がない。そして、この耐水性がないことを逆手にとっ
て、水をかけると30分ほどで1/20に収縮し、減量
化できることを特色にしているものさえある。
【0004】一方、生物体内に存在するグリコール酸や
乳酸等のヒドロキシ脂肪酸をエステル重合させたポリエ
ステルも開発され、手術の際に使用される生体吸収性縫
合糸等の医療材料として使用されている。更に、これら
のポリエステルにおいて、メチレン鎖を長くすれば、耐
水性が向上するものの親水性が低下して、生体内で分解
されず、また、微生物による生分解速度が遅くなると考
えられるが、琥珀酸とエチレングリコールとの縮合物、
琥珀酸と1,4−ブタンジオールとの縮合物、アジピン
酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとの縮合物等
のように、メチレン鎖10個以下の低分子のモノマーが
縮合したポリエステルであれば、土壌中で急速に崩壊す
ることが知られている。
乳酸等のヒドロキシ脂肪酸をエステル重合させたポリエ
ステルも開発され、手術の際に使用される生体吸収性縫
合糸等の医療材料として使用されている。更に、これら
のポリエステルにおいて、メチレン鎖を長くすれば、耐
水性が向上するものの親水性が低下して、生体内で分解
されず、また、微生物による生分解速度が遅くなると考
えられるが、琥珀酸とエチレングリコールとの縮合物、
琥珀酸と1,4−ブタンジオールとの縮合物、アジピン
酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとの縮合物等
のように、メチレン鎖10個以下の低分子のモノマーが
縮合したポリエステルであれば、土壌中で急速に崩壊す
ることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、現在、
生分解性プラスチックとして、多量に使用されているも
のは、澱粉を混入したプラスチックであるが、いずれ
も、耐水性や耐湿性に乏しく、梱包用の緩衝用発泡体と
して使用する場合等には、ポリエチレンフィルム等で作
った防湿用の袋に入れて使用することが必要であり、袋
への挿入、袋の破れに対する注意や点検、使用後の袋の
廃棄等の面倒な作業があった。また、梱包品が全く濡れ
るおそれがない場合でも、緩衝用発泡体を、家電製品や
機械部品の梱包にそのまま使用すれば、空気中の湿度を
吸収して発泡体がへたり、収納した物品との間に隙間が
できて、緩衝材としての機能が損なわれ、あるいは、果
物や野菜の梱包に使用すれば、果物や野菜の水分を吸収
して発泡体が泥状化し、緩衝材としての機能が全くなく
なる等の問題が発生していた。本発明が解決しようとす
る課題は、このような梱包用の緩衝材等に使用される生
分解性プラスチック発泡体において、耐湿性を有するも
のを提供することにある。
生分解性プラスチックとして、多量に使用されているも
のは、澱粉を混入したプラスチックであるが、いずれ
も、耐水性や耐湿性に乏しく、梱包用の緩衝用発泡体と
して使用する場合等には、ポリエチレンフィルム等で作
った防湿用の袋に入れて使用することが必要であり、袋
への挿入、袋の破れに対する注意や点検、使用後の袋の
廃棄等の面倒な作業があった。また、梱包品が全く濡れ
るおそれがない場合でも、緩衝用発泡体を、家電製品や
機械部品の梱包にそのまま使用すれば、空気中の湿度を
吸収して発泡体がへたり、収納した物品との間に隙間が
できて、緩衝材としての機能が損なわれ、あるいは、果
物や野菜の梱包に使用すれば、果物や野菜の水分を吸収
して発泡体が泥状化し、緩衝材としての機能が全くなく
なる等の問題が発生していた。本発明が解決しようとす
る課題は、このような梱包用の緩衝材等に使用される生
分解性プラスチック発泡体において、耐湿性を有するも
のを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題を解決するため、当初、澱粉を混入したプラスチック
のマスターバッチに、天然の蝋等の天然の固形油脂等を
混合して、発泡体を製造することを試みた。しかし、エ
クストルーダーで処理する間に、水と油脂とが分離する
等の問題が発生して、均一な発泡体を製造することはで
きなかった。そこで、更に研究を重ねた結果、本発明に
到達したものである。本発明は、主として、澱粉40〜
80重量%、ポリビニールアルコール10〜20重量
%、及び、脂肪族ポリエステル10〜40重量%からな
る耐湿性生分解樹脂発泡体(以下「第1発明」とい
う)、及び、主として、澱粉40〜80重量%、ボリビ
ニールアルコール19〜55重量%、及び、ポリプロピ
レン1〜5重量%からなる耐湿性生分解樹脂発泡体(以
下「第2発明」という)からなる。
題を解決するため、当初、澱粉を混入したプラスチック
のマスターバッチに、天然の蝋等の天然の固形油脂等を
混合して、発泡体を製造することを試みた。しかし、エ
クストルーダーで処理する間に、水と油脂とが分離する
等の問題が発生して、均一な発泡体を製造することはで
きなかった。そこで、更に研究を重ねた結果、本発明に
到達したものである。本発明は、主として、澱粉40〜
80重量%、ポリビニールアルコール10〜20重量
%、及び、脂肪族ポリエステル10〜40重量%からな
る耐湿性生分解樹脂発泡体(以下「第1発明」とい
う)、及び、主として、澱粉40〜80重量%、ボリビ
ニールアルコール19〜55重量%、及び、ポリプロピ
レン1〜5重量%からなる耐湿性生分解樹脂発泡体(以
下「第2発明」という)からなる。
【0007】第1発明は、主として、澱粉40〜80重
量%、ポリビニールアルコール10〜20重量%、及
び、脂肪族ポリエステル10〜40重量%からなる耐湿
性生分解樹脂発泡体である。ここで使用される澱粉は、
必ずしもとうもろこし澱粉に限定されず、微生物によっ
て分解される澱粉であればどのようなものでもよいが、
高温高圧状態から常温常圧状態に放出した際に含有水分
によって膨化する穀物澱粉の方がより好ましい。また、
ポリビニールアルコールは、澱粉との親和性がある程度
の鹸化度を有し樹脂として使用されるものであればどの
ようなものでもよい。また、脂肪族ポリエステルとして
は、生分解性だけから考えれば、乳酸やグリコール酸の
ように、エステル結合間の脂肪鎖の長さが短い方がよい
が、耐湿性を高めるためには、生分解性が失われない範
囲で、エステル結合間の脂肪鎖の長さが長い方がよい。
なお、その他に含まれる成分としては、界面活性材、顔
料、その他の樹脂用の添加物があげられる。
量%、ポリビニールアルコール10〜20重量%、及
び、脂肪族ポリエステル10〜40重量%からなる耐湿
性生分解樹脂発泡体である。ここで使用される澱粉は、
必ずしもとうもろこし澱粉に限定されず、微生物によっ
て分解される澱粉であればどのようなものでもよいが、
高温高圧状態から常温常圧状態に放出した際に含有水分
によって膨化する穀物澱粉の方がより好ましい。また、
ポリビニールアルコールは、澱粉との親和性がある程度
の鹸化度を有し樹脂として使用されるものであればどの
ようなものでもよい。また、脂肪族ポリエステルとして
は、生分解性だけから考えれば、乳酸やグリコール酸の
ように、エステル結合間の脂肪鎖の長さが短い方がよい
が、耐湿性を高めるためには、生分解性が失われない範
囲で、エステル結合間の脂肪鎖の長さが長い方がよい。
なお、その他に含まれる成分としては、界面活性材、顔
料、その他の樹脂用の添加物があげられる。
【0008】第1発明における澱粉の量は、40〜80
重量%の範囲であることが必要で、40重量%未満であ
ると生分解速度が遅くなり発泡性が弱くなる。また、8
0重量%を超えると耐湿性がなくなり強度が低くなる。
ポリビニールアルコールの量は、10〜20重量%の範
囲であることが必要で、10重量%未満であると強度が
低下し、20重量%を超えると生分解速度が遅くなり発
泡性が弱くなる。脂肪族ポリエステルの量は、10〜4
0重量%の範囲であることが必要で、10重量%未満で
あると耐湿性が失われ、40重量%を超えると発泡性に
乏しくなる。
重量%の範囲であることが必要で、40重量%未満であ
ると生分解速度が遅くなり発泡性が弱くなる。また、8
0重量%を超えると耐湿性がなくなり強度が低くなる。
ポリビニールアルコールの量は、10〜20重量%の範
囲であることが必要で、10重量%未満であると強度が
低下し、20重量%を超えると生分解速度が遅くなり発
泡性が弱くなる。脂肪族ポリエステルの量は、10〜4
0重量%の範囲であることが必要で、10重量%未満で
あると耐湿性が失われ、40重量%を超えると発泡性に
乏しくなる。
【0009】第1発明に係わる耐湿性生分解樹脂発泡体
は、澱粉40〜80重量%、ポリビニールアルコール1
0〜20重量%、及び、脂肪族ポリエステル10〜40
重量%を混合して、水分が10〜15重量%になるよう
に調整した後、エクストルーダに供給し、200℃〜2
70℃、60〜100気圧に加熱加圧して、ノズルから
大気圧下に押し出し、含有する水分の急激な気化により
発泡させることによって製造される。この場合、予め、
澱粉40〜80重量%とポリビニールアルコール10〜
20重量%とを混練したペレットを使用してもよい。更
に、例えばノバモント(Novamont)社製「マタ
ービー(Mater−Bi)」(PE01U)等のよう
な市販の澱粉とポリビニールアルコールとの混練ペレッ
トを使用してもよい。
は、澱粉40〜80重量%、ポリビニールアルコール1
0〜20重量%、及び、脂肪族ポリエステル10〜40
重量%を混合して、水分が10〜15重量%になるよう
に調整した後、エクストルーダに供給し、200℃〜2
70℃、60〜100気圧に加熱加圧して、ノズルから
大気圧下に押し出し、含有する水分の急激な気化により
発泡させることによって製造される。この場合、予め、
澱粉40〜80重量%とポリビニールアルコール10〜
20重量%とを混練したペレットを使用してもよい。更
に、例えばノバモント(Novamont)社製「マタ
ービー(Mater−Bi)」(PE01U)等のよう
な市販の澱粉とポリビニールアルコールとの混練ペレッ
トを使用してもよい。
【0010】第2発明は、主として、澱粉40〜80重
量%、ボリビニールアルコール19〜55重量%、及
び、ポリプロピレン1〜5重量%からなる耐湿性生分解
樹脂発泡体である。第1発明と同様に、ここで使用され
る澱粉は、必ずしもとうもろこし澱粉に限定されず、微
生物によって分解される澱粉であればどのようなもので
もよいが、高温高圧状態から常温常圧状態に放出した際
に含有水分によって膨化する穀物澱粉の方がより好まし
い。また、ポリビニールアルコールは、澱粉との親和性
がある程度の鹸化度を有し樹脂として使用されるもので
あればどのようなものでもよい。また、ポリプロピレン
は、通常のプラスチックに使用されるものであれば、ど
のようなものでもよい。
量%、ボリビニールアルコール19〜55重量%、及
び、ポリプロピレン1〜5重量%からなる耐湿性生分解
樹脂発泡体である。第1発明と同様に、ここで使用され
る澱粉は、必ずしもとうもろこし澱粉に限定されず、微
生物によって分解される澱粉であればどのようなもので
もよいが、高温高圧状態から常温常圧状態に放出した際
に含有水分によって膨化する穀物澱粉の方がより好まし
い。また、ポリビニールアルコールは、澱粉との親和性
がある程度の鹸化度を有し樹脂として使用されるもので
あればどのようなものでもよい。また、ポリプロピレン
は、通常のプラスチックに使用されるものであれば、ど
のようなものでもよい。
【0011】第2発明における澱粉の量は、40〜80
重量%の範囲であることが必要で、40重量%未満であ
ると生分解速度が遅くなり発泡性が弱くなる。また、8
0重量%を超えると耐湿性がなくなり強度が低くなる。
ポリビニールアルコールの量は、19〜55重量%の範
囲であることが必要で、19重量%未満であると強度が
低下し、55重量%を超えると生分解速度が遅くなり発
泡性が弱くなる。ポリプロピレンの量は、1〜5重量%
の範囲であることが必要で、1重量%未満であると耐湿
性が失われ、5重量%を超えると土壌中に長期に残存す
る部分が多くなる。
重量%の範囲であることが必要で、40重量%未満であ
ると生分解速度が遅くなり発泡性が弱くなる。また、8
0重量%を超えると耐湿性がなくなり強度が低くなる。
ポリビニールアルコールの量は、19〜55重量%の範
囲であることが必要で、19重量%未満であると強度が
低下し、55重量%を超えると生分解速度が遅くなり発
泡性が弱くなる。ポリプロピレンの量は、1〜5重量%
の範囲であることが必要で、1重量%未満であると耐湿
性が失われ、5重量%を超えると土壌中に長期に残存す
る部分が多くなる。
【0012】第2発明に係わる耐湿性生分解樹脂発泡体
は、澱粉40〜80重量%、ポリビニールアルコール1
9〜55重量%、及び、ポリプロピレン1〜5重量%を
混合して、水分が10〜15重量%になるように調整し
た後、エクストルーダに供給し、200℃〜270℃、
60〜100気圧に加熱加圧して、ノズルから大気圧下
に押し出し、含有する水分の急激な気化により発泡させ
ることによって製造される。この場合も、予め、澱粉4
0〜80重量%とポリビニールアルコール10〜20重
量%とを混練したペレットを使用してもよい。
は、澱粉40〜80重量%、ポリビニールアルコール1
9〜55重量%、及び、ポリプロピレン1〜5重量%を
混合して、水分が10〜15重量%になるように調整し
た後、エクストルーダに供給し、200℃〜270℃、
60〜100気圧に加熱加圧して、ノズルから大気圧下
に押し出し、含有する水分の急激な気化により発泡させ
ることによって製造される。この場合も、予め、澱粉4
0〜80重量%とポリビニールアルコール10〜20重
量%とを混練したペレットを使用してもよい。
【0013】第1発明に係わる耐湿性生分解樹脂発泡体
は、いずれも微生物で分解される澱粉、ポリビニールア
ルコール、及び、脂肪族ポリエステルからなっているの
で、全体として生分解性を有するが、第2発明に係わる
耐湿性生分解樹脂発泡体は、微生物で分解される澱粉と
ポリビニールアルコール、及び、微生物で分解されない
ポリプロピレンからなるので、大部分は、微生物により
分解されるが、1〜5重量%のポリプロピレンは、土壌
中の1成分として長期に残存することになる。従って、
第2発明に係わる耐湿性生分解樹脂発泡体は、厳密に
は、生分解性ではなく、生崩壊性を有することになる。
は、いずれも微生物で分解される澱粉、ポリビニールア
ルコール、及び、脂肪族ポリエステルからなっているの
で、全体として生分解性を有するが、第2発明に係わる
耐湿性生分解樹脂発泡体は、微生物で分解される澱粉と
ポリビニールアルコール、及び、微生物で分解されない
ポリプロピレンからなるので、大部分は、微生物により
分解されるが、1〜5重量%のポリプロピレンは、土壌
中の1成分として長期に残存することになる。従って、
第2発明に係わる耐湿性生分解樹脂発泡体は、厳密に
は、生分解性ではなく、生崩壊性を有することになる。
【0014】第1発明、及び、第2発明に係わる耐湿性
生分解樹脂発泡体は、高温高圧状態から常温常圧状態に
放出した際に、澱粉粒子中に含有される水が急激に気化
することによって多孔質化し、多数の親水基を有するポ
リビニールアルコールが、その細孔の壁面に強靱性を与
え、更に、脂肪族ポリエステルやポリプロピレンが、細
孔の壁面に耐湿性を与えるているものと推定される。
生分解樹脂発泡体は、高温高圧状態から常温常圧状態に
放出した際に、澱粉粒子中に含有される水が急激に気化
することによって多孔質化し、多数の親水基を有するポ
リビニールアルコールが、その細孔の壁面に強靱性を与
え、更に、脂肪族ポリエステルやポリプロピレンが、細
孔の壁面に耐湿性を与えるているものと推定される。
【0015】
1.第1発明に係わる発泡体の製造 〔実施例1〕とうもろこし澱粉(籠島澱粉(株)製)5
7重量部、ポリビニールアルコール(日本合成化学
(株)製「ゴーセノール」NM−11)30重量部、ポ
リブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製「ビオノ
ーレ」#1903)10重量部、及び、炭酸カルシウム
3重量部の混合物に、水分が10重量%になるよう水を
補充して、2軸エクストルーダーに供給し、最高設定温
度250℃、最高圧力60気圧で、内径2mmのノズル
から大気中に押し出して、ほぼ円柱状の発泡体(以下
「発泡体1」という)を製造した。
7重量部、ポリビニールアルコール(日本合成化学
(株)製「ゴーセノール」NM−11)30重量部、ポ
リブチレンサクシネート(昭和高分子(株)製「ビオノ
ーレ」#1903)10重量部、及び、炭酸カルシウム
3重量部の混合物に、水分が10重量%になるよう水を
補充して、2軸エクストルーダーに供給し、最高設定温
度250℃、最高圧力60気圧で、内径2mmのノズル
から大気中に押し出して、ほぼ円柱状の発泡体(以下
「発泡体1」という)を製造した。
【0016】〔実施例2〕とうもろし澱粉82重量部と
樹脂用ポリビニールアルコール18重量部とをよく混練
してペレット化し、水分が13重量%になるように調整
したものに、ポリブチレンサクシネート10重量部を混
合し、実施例1と同様に、2軸エクストルーダーを使用
して発泡体を製造した。その外観等は実施例1のものと
全く同じであった。
樹脂用ポリビニールアルコール18重量部とをよく混練
してペレット化し、水分が13重量%になるように調整
したものに、ポリブチレンサクシネート10重量部を混
合し、実施例1と同様に、2軸エクストルーダーを使用
して発泡体を製造した。その外観等は実施例1のものと
全く同じであった。
【0017】2.第2発明に係わる発泡体の製造 〔実施例3〕とうもろし澱粉82重量部と樹脂用ポリビ
ニールアルコール18重量部とをよく混練してペレット
化し、水分が13重量%になるように調整したものに、
樹脂用ポリプロピレン3重量部を混合し、2軸エクスト
ルーダーで、最高設定温度270℃、最高圧力70気圧
で、内径2mmのノズルから大気中に押し出して、発泡
体(以下「発泡体2」という)を製造した。その外観等
は実施例1のものと全く同じであった。
ニールアルコール18重量部とをよく混練してペレット
化し、水分が13重量%になるように調整したものに、
樹脂用ポリプロピレン3重量部を混合し、2軸エクスト
ルーダーで、最高設定温度270℃、最高圧力70気圧
で、内径2mmのノズルから大気中に押し出して、発泡
体(以下「発泡体2」という)を製造した。その外観等
は実施例1のものと全く同じであった。
【0018】3.比較例の調製 比較のため、ほぼ同一の形状の王子製袋社製「エコホー
ム」(以下「発泡体3」という)、及び、ストラパック
社製「リネイチャー」(以下「発泡体4」という)を選
択した。
ム」(以下「発泡体3」という)、及び、ストラパック
社製「リネイチャー」(以下「発泡体4」という)を選
択した。
【0019】4.耐湿性試験 縦横50×50cm、高さ70cmの容器の底部に水を
入れ、その上に細孔を有する中蓋を設け、その上の空間
を縦横25×25cm、高さ60cmの部屋に区切り、
各部屋に50cmの高さに、発泡体1〜4を詰め、各部
屋ごとに3.5kgの錘を載せて、高さと吸湿率の経時
的変化を調べた。その結果は、図1の通りであった。図
1から、72時間経過後、比較例の発泡体3、及び、4
の高さが、それぞれ、元の高さの約半分、及び、元の高
さの約1/4にまで収縮しているのに対して、本発明に
係わる発泡体1、及び、2は、ともに、元の高さの約8
割の高さを維持しており、かつ、72時間経過後の比較
例の発泡体3、4の吸湿率が約7%であるのに対して、
本発明に係わる発泡体1、2の吸湿率は、その約半分で
あることから、本発明に係わる発泡体は、耐湿性を有す
ることが明らかである。
入れ、その上に細孔を有する中蓋を設け、その上の空間
を縦横25×25cm、高さ60cmの部屋に区切り、
各部屋に50cmの高さに、発泡体1〜4を詰め、各部
屋ごとに3.5kgの錘を載せて、高さと吸湿率の経時
的変化を調べた。その結果は、図1の通りであった。図
1から、72時間経過後、比較例の発泡体3、及び、4
の高さが、それぞれ、元の高さの約半分、及び、元の高
さの約1/4にまで収縮しているのに対して、本発明に
係わる発泡体1、及び、2は、ともに、元の高さの約8
割の高さを維持しており、かつ、72時間経過後の比較
例の発泡体3、4の吸湿率が約7%であるのに対して、
本発明に係わる発泡体1、2の吸湿率は、その約半分で
あることから、本発明に係わる発泡体は、耐湿性を有す
ることが明らかである。
【0020】5.使用試験 更に、本発明に係わる発泡体を、試験的に実際に数種の
物品の梱包用の緩衝材として使用した結果、日常の気候
や、通常の加重条件では、全くへたったり、隙間ができ
たりすることもなく、十分に緩衝材として機能させるこ
とができた。
物品の梱包用の緩衝材として使用した結果、日常の気候
や、通常の加重条件では、全くへたったり、隙間ができ
たりすることもなく、十分に緩衝材として機能させるこ
とができた。
【0021】
【発明の効果】本発明に係わる耐湿性生分解樹脂発泡体
は、前述のような構成と特性を有しており、単に土壌中
の微生物によって分解されるだけでなく、通常の梱包用
の緩衝材として要求される耐湿性を具備するので、物品
の運搬を通して産業の発展に寄与するのみならず、環境
汚染の防止にも寄与するものである。
は、前述のような構成と特性を有しており、単に土壌中
の微生物によって分解されるだけでなく、通常の梱包用
の緩衝材として要求される耐湿性を具備するので、物品
の運搬を通して産業の発展に寄与するのみならず、環境
汚染の防止にも寄与するものである。
【図1】本発明の発泡体と比較例の重さによる収縮と吸
湿率の変化を示す図である。
湿率の変化を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 主として、澱粉40〜80重量%、ポリ
ビニールアルコール10〜20重量%、及び、脂肪族ポ
リエステル10〜40重量%からなる耐湿性生分解樹脂
発泡体 - 【請求項2】 主として、澱粉40〜80重量%、ボリ
ビニールアルコール19〜55重量%、及び、ポリプロ
ピレン1〜5重量%からなる耐湿性生分解樹脂発泡体
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26503096A JP3398851B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 耐湿性生分解樹脂発泡体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26503096A JP3398851B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 耐湿性生分解樹脂発泡体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1072535A true JPH1072535A (ja) | 1998-03-17 |
JP3398851B2 JP3398851B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=17411617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26503096A Expired - Fee Related JP3398851B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 耐湿性生分解樹脂発泡体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3398851B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007246869A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 生分解性樹脂発泡体 |
-
1996
- 1996-08-29 JP JP26503096A patent/JP3398851B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007246869A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-09-27 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 生分解性樹脂発泡体 |
JP4615465B2 (ja) * | 2006-03-20 | 2011-01-19 | 古河電気工業株式会社 | 生分解性樹脂発泡体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3398851B2 (ja) | 2003-04-21 |
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