【発明の詳細な説明】
柔軟性ディスペンサおよび微細繊維を含む収着不織布ウエッブを取り出す方法
本発明は、ディスペンサおよび微細繊維を含む不織布を取り出す方法に関する
。
微細繊維を含む不織布は、一般にこぼれた液体を吸い取るための収着材として
使用される。不織布ウエッブは、段ボール箱内に収納されるスプールに巻かれた
状態で利用することができる。不織布ウエッブは、段ボール箱上のミシン目部分
に沿って穴をあけ、ウエッブを掴んで、所望長さのウエッブがボックスから引き
出されるまでウエッブを引っ張ることによって、ボックスから取り出される。こ
れらの周知のディスペンサで何とか都合良く不織布ウエッブを取り出すこともで
きるが、これらのディスペンサには幾つかの欠点がある。
1つの顕著な欠点は、これらのディスペンサは大きくて、扱いにくいことであ
る。段ボール箱内に、つまり、段ボール箱のコーナーや、スプール芯に無駄な空
間ができて、使用できない範囲が生じることである。段ボール箱が占有するこの
付加的な体積のために、保管や発送のためのコストが増加することになる。
他の欠点は、これらのディスペンサが柔軟でないことである。柔軟性に欠ける
と、ディスペンサが狭い範囲に置かれたとき、容易にその範囲の形状に従うこと
ができない。段ボール箱それ自体もかさ高で扱いにくいので、ディスペンサを管
理したり、運搬するのを幾分難しくすることとなる。
他の欠点は、これらのディスペンサは、ディスペンサを組み立てて、ウエッブ
を取り出すための追加的な部品や工程ステップが必要とされ、生産コストの増加
となる、つまり、例えば、ディスペンサが空になったときには処分しければなら
ないスプールなどの余分な部材が出る。
本発明は、微細繊維を含む収着不織布ウエッブを取り出すための部品に対する
顕著な欠点を克服する。本発明のディスペンサは、かさ高でも、不柔軟性でも、
扱いにくくもない。本発明は、事実上使用できない空間ができないようなディス
ペンサを使用者に提供することができる。このディスペンサは柔軟性があるので
、必要なら、狭い場所に詰め込むことも可能であり、しかも軽量であるので運び
や
すい。さらに、本発明のディスペンサは、比較的製造し易く、完全に使用される
際には、処分、または再使用のために残存する材料も少ない。つまり、本発明の
ディスペンサは、便利で、比較的簡単な、微細繊維の収着不織布ウエッブを取り
出す方法を提供する。
要約すれば、本発明のディスペンサは、(a)手で穴をあけることができる領
域と内部とを有する柔軟性包囲体と、(b)柔軟性包囲体の内部に絡まないよう
に配置される、微細繊維を含む不織布ウエッブであって、第1の先端が包囲体の
内部の穴をあけることができる領域に位置するので、その穴をあけることができ
る領域に手で穴があけられると、使用者は容易にその第1の先端を掴んで、引っ
張り、包囲体から所望長さの不織布ウエッブを絡まないように取り出すことがで
きる不織布ウエッブとから成る。
本発明の方法も同様に有利である。本発明の方法は、
(a)(i)手で穴をあけることができる領域と内部とを有する柔軟性包囲体と
、(ii)柔軟性包囲体の内部に絡まないように配置される微細繊維を含む不織
布ウエッブであって、その第1の先端が包囲体の内部の穴をあけることができる
領域に位置する不織布ウエッブとを含むディスペンサを提供するステップと、
(b)包囲体の手で穴をあけることができる領域に穴をあけるステップと、
(c)不織布ウエッブの第1の先端を掴んで、引っ張り、柔軟性包囲体の内部か
ら絡まない状態で引き出される所望の長さの不織布ウエッブを包囲体の内部から
取り出すステップと、
(d)包囲体の内部に残る不織布ウエッブから所望長さの引き出された不織布ウ
エッブを分離して、後に第2の所望長さの不織布ウエッブを取り出すために掴ん
で、引っ張ることができる新しい第1の先端を創るステップとから成る。
発明のディスペンサおよび方法は、不織布ウエッブが絡まないように柔軟性包
囲体内に配置されることど、使用者が容易に包囲体を開口して、不織布ウエッブ
の先端を掴むことができるように柔軟性包囲体に手で穴をあけることができる領
域を備えることにおいて周知のディスペンサおよび方法と異なる。
所望長さの不織布ウエッブを包囲体から引き出すことができ、引き出された部
分はディスペンサ内に残る不織布ウエッブから分離されても良い。残留する不織
布ウエッブの先端は穴があけられた開口部に位置するので、次の不織布ウエッブ
を容易に容器から引き出すことができる。包囲体の柔軟な性質によって、使用で
きない空間をもたらすコーナーも排除される。さらに、不織布ウエッブの引き出
しを容易にするスプールも不必要となる。包囲体は比較的軽量で、容易に取り扱
えるので、不織布ウエッブを取り出し易くできるように回転させたり、あるいは
向きを変えたりすることもできる。
図において、
第1図は、微細繊維を含む収着不織布ウエッブ12を収容するディスペンサ1
0の斜視図である。
第2図は、不織布ウエッブ12の端面図である。
第3図は、本発明によるディスペンサ40の他の実施例の斜視図である。
本発明の実施においては、容易に効率的な保管および発送ができると共に、十分
に、望ましくは、完全に密封されている柔軟性包囲体内に不織布ウエッブを入れ
ることによって安全で、清潔な状態に収着不織布ウエッブを維持することができ
るディスペンサが提供される。取り出す必要が生じた際に、柔軟性包囲体が、人
の指先によって簡単に穴があけられて、不織布ウエッブの先端を使用者が掴むこ
とができるようになっていても良い。微細繊維を含む不織布ウエッブは、その先
端を掴んで、引っ張ることによって穴があけられた開口部を通して取り出すこと
ができる。
第1図は収着不織布ウエッブ12を収容するディスペンサ10を示す。不織布
ウエッブ12は柔軟性包囲体14内に位置する。ここで用語が使用されるとき、
用語「不織布ウエッブ」は、交絡した繊維の塊がマットのように単独で扱うこと
ができる程度に繊維が絡み合っていることを意味し、用語「柔軟性」は、不織布
ウエッブが包囲体内に詰め込まれるとき包囲体が両手で押し付けた通りの形状に
なるようにすることができると共に、手の圧力が取り除かれると完全に元の形状
に戻ることを意味する。柔軟性包囲体14は手で穴をあけることができる領域1
6(注:第1図において、領域16は穴があけられた状態で示される)を有し、
穴があけられると、不織布ウエッブ12を包囲体14から引き出すことができる
。用語「手で穴をあけることができる」は、さらに他の道具、力、またはミシン
目
などの他の手段を用いることなく伸ばした人差し指の先端を穴をあけることがで
きる領域に押し付けることによって簡単に穴をあけることができるという意味で
、ここでは使用される。包囲体14の全体が、典型的に薄い、柔軟性材料から作
られているので、その全表面が手で穴をあけることができるようになっている。
故に、領域の裂け目が包囲体14の他の領域の外側に拡大するのを防ぐために、
手で穴をあけることができる領域16は、穴があけられた部分の周囲の包囲体を
補強するバンド18によって取り囲まれるのが望ましい。バンド18を除く、柔
軟性包囲体14は、望ましくは薄いプラスチックフィルムなどの事実上一種類の
材料から成り、その結果、補強された部分18を除く全体の表面が手で穴があけ
ることができるようになっても良い。
不織布ウエッブ12は絡まないように柔軟性包囲体内に収容される。第1図に
示された実施例において、不織布ウエッブは、ヘビ状の、絡まらない形態で包囲
体14内に収容される。不織布ウエッブ12の先端20は柔軟性包囲体14のコ
ーナーに位置するのが望ましい。いくらかの不織布ウエッブ12が包囲体14か
ら引き出されるまでに、不織布ウエッブ12は全包囲体14を完全に満たす、つ
まりほとんど使用できない残留空間を空けない。包囲体14は密閉された不織布
ウエッブ12としっかりと、密接に接触するので、包囲体14の表面は、ピンと
張っている、すなわちしっかりと引っ張られた状態である。包囲体14がピンと
張っていると、領域16に十分な力で人の指を押し込むことによって容易に穴を
あけることができる。ピンと張られた状態は、不織布ウエッブの絡まらない状態
を維持し易くもする。例えば、柔軟性包囲体が不織布ウエッブの側に置かれる前
に不織布ウエッブを圧縮しておいても良いので、封じ込められた不織布ウエッブ
の体積は、拘束を受けてない状態におけるよりも柔軟性包囲体内で大いに小さく
なろう。この方法によれば、保管や発送のための体積をさらに低減することがで
きる。
領域16に手で穴をあけた後、、先端20を掴んで、引っ張ることによって包
囲体14の内部から不織布ウエッブ12を引き出すことができる。引き出された
部分22は、包囲体14内に残る不織布ウエッブからミシン目に沿って分離する
ことができる。残っている包囲体14内の不織布ウエッブから部分22を分離す
ると、新しい先端が穴をあけられた領域16に出てくる。新しく出てきた先端を
わけなく掴まえて、引っ張り、ディスペンサ10から他の所望長さの不織布ウエ
ッブを引き出すこともできる。
不織布ウエッブ12は微細繊維を含むので、大量の液体を吸収することができ
る。微細繊維を含む不織布ウエッブには様々な形態があっても良く、例えば、不
織布ウエッブは、米国特許第5,256,466号に記載される折り重ねられた
製品の形態であるか、または米国特許第5,360,654号に記載される細長
いブームの形態であっても良い。それらの開示はここに引用によって含める。
第2図において、4層折り重ね構造26を有する折り重ねられた不織布収着ウ
エッブが示される。折り重ねられた不織布ウエッブは、不織布繊維の完全性を維
持し易くするケース状カバー、すなわちスクリム28を有する。この種の折り重
ね構造は、米国特許第5,256,466号での教示に従って製造されても良い
。4層構造26は両外側にそれぞれ4分の1の微細繊維シート材料32を有し、
内側に、つまりスクリム28を備えていない材料の面に向かって折り重ねられて
いる。これらの折り重ねは外側長手方向の折り重ね線34に沿って在り、中央折
り重ね線36に沿う第2の折り重ねが次に在って、主要な折り重ねを形成し、示
されるような構造を造る。間欠接合38を用いることによってその折り重ね構造
の折り重ね不織布ウエッブ12を安定化させることができる。この接合38は超
音波溶接、またはホットメルト接着方式を用いて行われても良い。この折り重ね
構造は、間欠接合38を剥がすことによって後に平らな構造に展開することがで
きる。故に、この実施例においては、不織布ウエッブ12を展開して、さらに他
の表面積をカバーする2層、または1層の構造を形成することができる。この実
施例は大量の液体がこぼれた際に必要とされよう。
代わりに、微細繊維を含む不織布ウエッブは米国特許5,360,654号で
開示されたような細長いブームの形式であっても良い。この米国特許5,360
,654号で開示された伸長されたブームは、事実上長円形の横断面を有し、隣
接層間の繊維を絡ませることによって互いに接着される複数枚の隣接微細繊維層
から形成される。このブームは、典型的に約50ミリメートル(mm)から30
cmの直径と、約20から600グラム毎メートル(g/m)の線重量と、少な
くとも5グラム毎グラム(g/g)のオイル収着性とを有する。オイル収着性は
、米国特許第5,360,654号に略述された試験に従って決定されても良い
。
第3図は本発明の別の実施例を開示する。第3図に示されるように、柔軟性包
囲体44内にコイル状の不織布ウエッブ42を収容しているディスペンサ40が
提供される。手で穴をあけることができる領域46は柔軟性包囲体46の中央に
位置する。円形補強バンド48は手で穴をあけることができる領域46を取り囲
む。手で穴をあけることができる領域46に第3図に示されるように穴があけら
れると、不織布ウエッブ42の第1の先端50はディスペンサの内部から引き出
されよう。
第1図に示された実施例に反して、第3図に示される実施例は柔軟性包囲体内
にコイル状に巻かれた不織布ウエッブを有する。第1図と第3図との両方に示さ
れるように、不織布ウエッブは柔軟性包囲体全体を完全に満たす。ディスペンサ
は、事実上不織布ウエッブと柔軟性包囲体とだけで構成することができる。不織
布ウエッブを取り出すために必要とされるスプールなどの他の部材もない。さら
に、不織布ウエッブは、包囲体から引き出されるときでもそのウエッブの絡まっ
ていない配列を維持する。不織布ウエッブは、最初から包囲体内に整頓して配置
され、使用中も、包囲体内に計画的に配置される。不織布ウエッブは、ヘビ状、
またはコイル状に巻かれるのが望ましい(用語「巻かれる」は、これらのいずれ
の配向形状をも含むように、ここでは使用される)。不織布ウエッブの一部が残
っている封入ウエッブから破り取られ、すなわち分離された後、後に扱うことが
できるように新しく出てきた先端は使用者によって穴があけられた開口部に在り
、残っているウエッブはその計画的に巻かれた配向形状を保持する。
本発明で使用される不織布ウエッブは、不織布ウエッブ内の繊維材料の重量を
基準にすると、典型的には、少なくとも5重量パーセント微細繊維から成る。好
ましい不織布ウエッブは少なくとも約20重量パーセント微細繊維から成り、さ
らに少なくとも約50から100重量パーセント微細繊維までから成るのが望ま
しい。用語の微細繊維は、約10ミクロン未満の直径を有する繊維を意味する。
好ましい不織布ウエッブは、約5から8ミクロンの平均繊維径を有する微細繊維
を含む。繊維径は、ロンドンのInstitution of Mechanical Engineers(機
械技術者学会)の会報1B(1952年)に載せられたデービス(Davies
),C.N.氏の「The Separation of Airborne Dust and Particles(空中浮
遊塵と粒子との分離)」に記述された方法に従って計算することができる。不織
布ウエッブはウエッブの全体を通じて均一に分配された微細繊維構造を有するの
が望ましい。不織布ウエッブは、典型的に0.5から2.0グラム毎センチメー
トル(g/cm)の線重量を有する。
微細繊維を含む不織布ウエッブは、約0.2未満で、一般に約0.001より
も大きな個体性を有することが望ましい。用語「個体性」は、ウエッブの体積に
対する繊維の体積を意味する。個体性は次式を用いて計算されることが出来る。
ここで、ρbはウエッブのかさ密度であり、ウエッブの体積で割ったウエッブの
重量である。
xiは構成成分iの重量分率、
ρiは構成成分iの密度、
Sは個体性で、
nは構成成分の数である。
不織布ウエッブは、約0.02から0.15までの個体性を有するのが望ましく
、約0.05から0.1までの範囲内にあればさらに好ましい。
微細繊維を含む不織布ウエッブは、一般に50グラム毎平方メートル(g/m2
)より大きく、且つ約600g/m2までの基準重量を有する。典型的に、基準
重量は約100から400g/m2までの範囲内にある。
不織布ウエッブの収着容量は、一般に5から40グラムH2O毎グラムウエッ
ブ(gH2O/gweb)までのものであり、さらに典型的には15から20g
H2O/gwebまでの範囲内にある。収着容量は、国際公開WO95/004
17号で説明された試験に従って測定することができる。
不織布ウエッブは、取り扱われる際にウエッブがその完全性を維持することが
できるのに十分な引張強さを有するのが望ましい。不織布ウエッブは、常態引張
強さと実質的に同じ湿潤引張強さを示すのが望ましい。故に、不織布ウエッブは
、液体を収着した際でもあまり強度を失わない。一般に、不織布ウエッブの乾燥
時(好ましくは湿っているとき)の引張強さは、約0.5ニュートン毎センチメ
ートル(N/cm)よりも大きい、典型的には約1から8N/cmまでである。
引張強さは、INSTRON引張強さ試験機、モデル4302(ジョウ間隔が2
5.4cmで、ジョウ面幅が7.62cmのインストロン社(Instron Corporat
ion)製の)と、2.54cm(1インチ)幅の乾燥サンプルとを12.7cm
/minのクロスヘッド速度で使用して測定することができる。湿潤引張強さは
、ウエッブを引張強さ試験機に設置する前にウエッブを水に浸すことによって測
定される。
不織布ウエッブ内の微細繊維は、密着した繊維の塊として交絡される。繊維は
、例えば溶融ポリマがダイス内に押し通され、押し出された繊維が近接高速気流
によって細くされて、吹出し微細繊維(BMF)の交絡塊を形成する溶融吹出し
工程を利用して交絡させることができる。BMFウエッブを製造する工程は、ウ
ェンテ,ヴァン A(Wente,Van A.)氏著のタイトル名「Superfin
e Thermoplastic Fibers(超微細熱可塑性繊維)」、48インダストリアル エン
ジニアリグ ケミストリ(Industrial Engineering Chemistry)、1342ページ
参照(1956年)、またはウェンテ,ヴァン A(Wente,Van A.
)、ブーン,C.D.(Boone,C.D.)、フルハーティ,E.L.(F
luharty,E.L)氏等によるタイトル名「Manufacture of Super Fine
Organic Fibers(超微細有機繊維の製造)」、1954年5月25日に出版された
ナバル・リサーチ・ラボラトリ(Naval Researce Laboratories)のレポート第4
364号参照、で開示される。微細繊維を含む不織布ウエッブは、カリー(Ca
rey)氏の米国特許第4,011,067号で開示されるような溶体吹出し技
術、またはシム(Simm)氏等の米国特許第4,069,026号で開示される
ような静電技術を利用して製造しても良い。
BMFウエッブを形成するために使用しても良いポリマ構成要素は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ(4-メチルペンテン-1)などのポ
リオレフィンと、ポリオレフィン共重合体と、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルと、デラウエア州ウィ
ルミントンのデュポン社(Dupon Co.)のエラストマ部から入手可能な
HYTRELなどのポリエーテルエステル共重合体と、ポリカーボネートと、ポ
リウレタンと、ポリスチレンと、ナイロン6やナイロン66などのポリアミドと
、テキサス州ヒューストンのシェル オイル カンパニー社(Shell Oi
l Company)製のKRATONの商標名で入手可能なスチレン-ブタジ
エン-スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチ
レン−スチレン、などの熱可塑性エラストマブロック共重合体とを含む。上記ポ
リマ微細繊維の組み合わせ、またはポリマ構成要素の混合を採用しても良い。例
えば、ポリプロピレンとポリ(4−メチル-1-ペンテン)との混合物を使用して
、微細繊維を含む(リード(Reed)氏等の米国特許第4,874,399号
参照)、またはポリプロピレン/ポリエステル繊維(クルーガー(Kruege
r)氏等の米国特許第4,547,420号参照)などの複合繊維を含む不織布
ウエッブを製造することができる。溶液から微細繊維を形成するのに有用なポリ
マは、ポリビニルクロライド、アクリル、アクリル共重合体、ポリスチレン、ポ
リスルホンとを含む。不織布ウエッブは、ポリオレフィンから製造される微細繊
維から、特に、例えば重量パーセントが90よりも大きい主要繊維構成要素とし
てポリプロピレンを含む繊維から成るのが望ましい。このような繊維は良好な収
着特性と共に良好な弾性特性を備えたウエッブを提供できる。
微細繊維に加えて、不織布ウエッブはけん縮、または不けん縮ステープル繊維
などの他の繊維を含んでも良い。ステープル繊維を加えると、不織布ウエッブに
より良好な順応性と改善した弾性とを与えることが出来る。ステープル繊維は、
所定の繊度と、けん縮と、カット長とを持った繊維である。繊度は、一般にテッ
クス、グラム毎キロメートル(g/km)と、線密度との単位で与えられる。け
ん縮は繊維の単位長当たりの曲げ数(クリンプ/センチメートル)を特徴とする
。カット長はカットフィラメントの全長である。本発明で採用されるステープル
繊維は、一般に繊度が約0.1から10テックス、望ましくは0.3から4テッ
ク
スで、けん縮密度が約1から10クリンプ/cm、望ましくは少なくとも2クリ
ンプ/cmで、カット長が約2から15センチメートル、望ましくは約2から2
0センチメートルの範囲である。ステープル繊維を含むウエッブは、メイヤー(
Meyer)氏等の米国特許第4,988、560号と、ハウザー(Hause
r)氏の米国特許第4,118,531号と、ペリー(Perry)氏の米国特
許第3,016,599号とで議論される工程に従って準備しても良い。微細繊
維にステープル繊維が添加されると、ステープル繊維は、典型的に不織布ウエッ
ブ内の繊維材料の約10から50重量パーセントにも成る。
担体繊維として微細繊維(と随意にステープル繊維と)を含む不織布ウエッブ
は、不織布ウエッブ内の収着構造として微細繊維の微小ウエッブをも包含しても
良い。微細繊維の微小ウエッブは、比較的密集した核を有し、その核から延在す
る多数の個々の繊維、そして/または繊維束を備えている。延在する繊維および
繊維束は、不織布ウエッブ内に組み込まれると、微細繊維の微小ウエッブを固定
するための手段となる。微細繊維の微小ウエッブの核は約0.2から2mmの範
囲内にあるのが望ましい。延在する繊維、そして/または繊維束は、核を越えて
延在し、望ましくは約0.07から10mmの全径、さらに約0.2から5mm
の全径となるのが望ましい。微細繊維の微小ウエッブ内の微細繊維径は、担体微
細繊維ウエッブの微細繊維の直径に等しいか、またはそれよりも小さくても良い
。微細繊維の微小ウエッブの微細繊維は、不織布ウエッブ内のステープル繊維、
すなわち担体繊維が不織布ウエッブの強度に関わる主要な要素であるので、微細
繊維に使用するのに通常適切と見なされる直径よりも小さくても良い。不織布ウ
エッブの担体微細繊維よりも直径が小さいほど望ましく、微細繊維の微小ウエッ
ブ内の微細繊維は、不織布ウエッブ内の担体微細繊維よりも少なくとも20パー
セント小さく、さらに少なくとも50パーセントも小さければさらに望ましい。
より小さな直径を有する繊維は微細繊維の微小ウエッブ内での毛細管作用を増し
て、保水のための収着特性を強化することができる。微細繊維の微小ウエッブが
微細繊維を含む不織布ウエッブに採用されると、この微小ウエッブは、一般に繊
維材料の重量を基準にすると、約10から80重量パーセントの範囲内で不織布
ウエッブに現れる。微細繊維の微小ウエッブおよびそれらの製造業者は、インス
レー(Insley)氏の米国特許第4,813,948号に記載されており、
その開示はここに引用によって含める。
微細繊維と、随意にステープル繊維そして/または微細繊維の微小ウエッブと
を含む不織布ウエッブは、繊維材料に加えて、他の材料をも包含しても良い。例
えば、微細繊維の不織布ウエッブは、液体に露出されると、液体と相互に作用し
合う(例えば、液体と化学的、または物理的に反応する)ことができる別個の固
体粒子で添加されても良い。このような粒子は、収着、化学反応、またはこう和
によって構成成分を液体から除去することができる、または触媒を採用して、有
害な液体を無害な液体に変換しても良い。微細繊維の粒子添加不織布ウエッブの
例は、ブラウン(Braun)氏の米国特許第3,971,373号で開示され
ており、活性炭、アルミナ、重炭酸ナトリウム、そして/または銀の別個の固体
粒子が、均一に分散され、物理的にウエッブに保持されて、液体を吸収する、ア
ンダーソン(Anderson)氏等の米国特許第4,100,324号および
コルピン(Kolpin)氏等の米国特許第4,429,001号をも参照する
こと。染料、顔料、充填剤、界面活性剤、研磨剤粒子、光安定剤、難燃剤、吸収
剤、薬剤などの添加剤が、そのような成分を繊維形成溶融ポリマに導入すること
によって、またはウエッブが収集された後にそれらの成分を繊維上に吹き付ける
ことによってウエッブに添加されても良い。
柔軟性包囲体は、手で穴をあけることができる領域を提供すると共に、その内
部に不織布ウエッブを保持することができる材料で有れば事実上どのような形態
のものでも良い。柔軟性包囲体は、透明プラスチックの形態であるのが望ましく
、それでどれだけ多くのウエッブがディスペンサ内にまだ残っているかを見るこ
とができる。透明プラスチックとしては、例えばうっかりしてやってしまうよう
な破損ならばを阻止できるだけの十分な弾力がある一方、ピンと張られた状態で
は、人の指で穴をあけることもできるような多層共有押し出し成形ポリオレフィ
ンフィルムとなろう。このプラスチックは、亀裂が起きる、すなわち脆くなるこ
となく低温(例、ー40°F)でも柔軟性を維持することができる良好な低温捩
り特性を有するのが望ましい。このプラスチックはまた、正常な使用条件下では
破れない強い封止線を形成すべきである。このプラスチックは、典型的に約0.
0
06から0.05mm(約25から200ゲージ)の厚みで、5から25ジュー
ルのボールバースト衝撃強さであるが、10から20ジュールであればさらに望
ましい。このプラスチックは、70から140メガパスカル(MPa)(約10
,000から20,000psi)の引張強さを有するのがの望ましく、80か
ら110MPa(約12,000から15,000psi)であればさらに望ま
しい。このプラスチックはまた、5から20の引裂き強さを有し、6から16で
あればさらに望ましい。包囲体の弾性係数は、典型的に500から1050MP
a(73°Fで、約75,000から150,000psi)であり、650か
ら725MPa(73°Fで、約95,000から105,000psi)であ
ればさらに望ましい。
このプラスチックは熱収縮材料であるのが望ましい。熱収縮プラスチックは、
不織布ウエッブの回りにぴったりと合う包囲体を形成することができる。このプ
ラスチックは、典型的に200°F(93°C)で10から25パーセントの無
制限線形熱収縮率を有する。適切な熱収縮プラスチックの例は、クリョーバック
(Cryovac)タイプMPD2055フィルム、100ゲージを含む。この
熱収縮プラスチックは、3M社から入手可能なスコッチブランド(Scotch
Brand)タイプ351テープなどの補強テープによって手で穴をあけること
ができる領域の周囲を補強することができる。
次の標準化ASTM試験法が主なパラメータを決定するために採用されても良
い。パラメータ
ASTM試験法
ボールバースト衝撃強さ D−3420(方法A;振り子能力50
ジュール;半径12.7ミリメートル半球状
衝撃ヘッド)
引張強さ D−882(方法A)
破断点伸び D−882(方法A)
弾性係数 D−882(方法A)
引裂き強さ D−1938
無制限収縮 D−2732(200°Fで)
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,B
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TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 インスレー,トーマス アイ.
アメリカ合衆国,ミネソタ 55133−3427,
セントポール,ポスト オフィス ボック
ス 33427