【発明の詳細な説明】
チャックおよび同様な工具ホルダーの取り外し自在なノーズピース
発明の背景
この発明は、手動または動力駆動されるドライバーにドリルビットのような工
具を釈放自在に保持するためのチャックおよび同様な工具ホルダーに関するもの
である。特に、この発明は、コレットのようなチャックおよび同様な工具ホルダ
ーのための取り外し自在なノーズピースに関するものである。
大半のチャックは、露出されたゴムまたはプラスチックの部分すなわち面を備
えて現在構成されている。例えば、このようなチャックは、チャックを緊締また
は弛めるべく使用者によって握持される1つ以上の露出されたゴムまたはプラス
チックの部分すなわち面を有することがある。このような具合のゴムまたはプラ
スチックの使用は全金属構造のものに対して幾つかの利点を有する。1つの利点
は、チャックの重量が低減される傾向になることである。別の利点は、チャック
の材料費を減少できることである。さらに別の利点は、金属と較べて大きな摩擦
係数のゴムまたはプラスチックが、工具にチャックを緊締したり、または工具を
取り外すためにチャックを次いで弛めるのにキーや他の器具を必要とすることな
く、チャックの作動を容易にすることである。
露出されたゴムやプラスチックの部分すなわち面の起こり得る欠点は、これら
の部分が同様に配置された金属の部分すなわち面よりも、一層容易に、さらに急
速に、かつ、より厳しく摩耗する傾向にあることである。このような摩耗が最も
急速にかつ厳しく起こる傾向にある部分はチャックの末端部すなわち“ノーズ”
に隣接している。チャックにより握持された工具によって加工されているワーク
から飛散する破片によりチャックが最も頻繁に衝撃を受けるのがこの処である。
チャックの急速に回転しているノーズは、チャックに保持された工具が被加工物
を貫通して破壊する時に静止の被加工物と突然に接触することがある。これは、
チャックのノーズにおけるゴムまたはプラスチックに相当な摩耗または損傷を生
じさせる。
以上を考慮して、この発明の目的は、プラスチックまたはゴムの部分すなわち
面を備える改良されたチャックを提供することにある。
この発明の別の目的は、特にチャックのノーズまたはその付近におけるチャッ
クのゴムまたはプラスチックの部分の保護および/または交換を容易にすること
である。
発明の要約
この発明のこれらならびに他の目的は、この発明の原理に従って、チャックの
取り外し自在でかつ取り換え可能なノーズピースを設けることによって達成され
る。取り外し自在なノーズピースはプラスチックリングとすることができる。も
し、望むならば、ノーズピースは、リングと同軸のワッシャ形状でリングによっ
て境界された領域内に延びている弾性ゴム部材を有することができる。このよう
なゴム部材は、チャックに挿入されるドリルビットのような工具を予め中心付け
て保持することを助ける。ゴム部材はまた、チャック機構の外部に破片を維持す
るのを助ける。プラスチックのリングは、チャックに取り付けられる時に、特に
その末端部分を金属で少なくとも部分的に被覆できる。
上述の例に対する変形例として、取り外し自在なノーズピースは、チャックの
末端部に取り外し自在に取り付けられる金属リングとすることができる。金属リ
ングは、チャックの末端部と金属リングのさらに末端の部分との間にスペーサ部
材としてゴムまたはプラスチックを一般的に有する。上述したように、ワッシャ
状の弾性ゴム部材が、先に説明されたものと同様な目的のために金属リングによ
って取り囲まれた領域に設けられてもよい。
この発明の別の特徴、その特性ならびに種々の利点は添付図面ならびに好まし
い実施例の以下の詳細な説明から一層明らかになろう。
図面の簡単な説明
図1はこの発明の第1の図示実施例を示す一部断面した立面図、
図2はこの発明の第2の図示実施例を示す図1と同様な図、
図3はこの発明の第3の図示実施例を示す図1,図2と大体同様な別の図、
図4はこの発明の第4の図示実施例を示す断面図で、図5の線4−4に沿った
図、
図5は図4の方向5−5における図4に示される装置の立面図、
図6はこの発明の第5の実施例を示す断面図で、図7の線6−6に沿った図、
図7は図6の方向7−7における図6に示される装置の立面図、
図8はこの発明の第6の図示実施例を示す断面図で、図9の線8−8に沿った
図、
図9は図8の方向9−9における図8に示される装置の立面図、
図10はこの発明の第7の図示実施例を示す断面図で、図11の線10−10
に沿った図、
図11は図10の方向11−11における図10に示される装置の立面図、
図12はこの発明の第8の図示実施例を示す部分断面図、
図13は図12に示される装置の一部の断面図である。
好ましい実施例の詳細な説明
この発明の第1の図示実施例が図1に示されている。この実施例において、チ
ャック10は金属(例えば鋼)の本体20を有する。3つの金属ジョー30(1
つだけが図1に見られる)が本体20に取り付けられている。ジョー30はチャ
ックの中心長手方向軸線12の周りに互いに等しく離隔されている。ジョー30
は軸線12に沿って末端方向に向って互いに傾斜している。各ジョー30は、軸
線12回りの本体20に対するナット40の回転に対応して、その傾斜した長手
方向軸線32に沿っていずれの方向にも動くことができる。ジョー30の
動く方向は本体20に対するナット40の回転方向によって決められる。ナット
40は、軸線12と同軸の中空で環状のプラスチック部材とすることができるス
リーブ50の回転によって回転される。金属補強リング52が、ナット40の直
近のスリーブ50内に成形されてもよい。ナット40の楽な回転が、ナット40
の基端部面と接触する環状ボールベアリング組立体60によって促進されている
。ボールベアリング組立体60の基端部側は、本体20に固着された環状ベアリ
ングレース70に当接している。
本体20は、手動または動力駆動されるドライバー(図示しない)のスピンド
ルの末端部を受け入れる同軸の基端孔22を有する。ジョー30の末端部の近く
にて、本体20は、チャックがそのジョーの間に握持できる幾種類もの工具(例
えばドリルビット)の柄部または末端部を受け入れるための末端孔24を有する
。
この発明の取り外し自在なノーズピース100は本体20の末端部に取り外し
自在に取り付けられる。この実施例において、ノーズピース100は、軸線12
と同軸のプラスチックリングまたは環状部材110である。部材110の基端部
は、部材110の直ぐ隣接した部分から半径方向内方に突出する環状ビード12
0を有する。部材110が図1に示されるようにチャック10上に存する時に、
ビード120は、チャック10にノーズピース110を離脱自在に保持するよう
本体20の対応する環状溝26にスナップ係合する。ノーズピース100はこれ
によってチャック10に固着錠止されるが、この錠止は、ノーズピースを取り外
すよう所望される時に(例えば、ノーズピースの中央孔112に挿入されるドラ
イバーで、ノーズピースをこじることによって)、解除される。
ノーズピース100がチャック10上にある時に、部材110の末端面114
がチャックの最も末端の面となることが図1から観察されよう。これが(例えば
破片や被加工物との不注意な接触による)摩耗または損傷を最も受けるチャック
面の部分である。ノーズピース100がチャックの他のプラスチック部材(例え
ばスリーブ50)よりもさらに末端にあるために、ノーズピース100はこの他
のプラスチック部材を保護する。もしも、または、ノーズピース100が許容で
きない程に摩耗したり、あるいは損傷したりした時には、前述したように簡単に
取り外したり取り換えることができる。
図2は、ワッシャ形のゴムウエブすなわち膜130が部材110の中央孔11
2内に同軸に設けられていることを除いては、図1と類似の別の実施例を示して
いる(図2に示される最も末端の位置のジョー30にて、ジョーの末端部は部材
130を外方に変形するようできる。しかしながら、簡素化のために、この可能
な部材130の変形は図2には示されていない。)。部材130は好ましくは部
材110と一体である。例えば、部材130が最初に成形され、それから、部材
110が成形される型内に挿入体として用いられてもよい。部材130は、ジョ
ー30に握持されるべく工具を挿入可能な中央孔132を有している。工具が少
なくとも孔132と同じ程大きいとすれば、部材130は工具と弾性係合し、ジ
ョー30と係合する前に工具を中心付けて保持する助けとなる。工具が使用され
ている時に、部材130は、工具の柄部のまわりで破片がチャックに入らないよ
う維持すべく助ける。
図2に示されるように、部材130は、好ましくは部材110の末端部から基
端部方向にへこまされる。これは、より硬いプラスチックリング110がチャッ
クの最も末端の面114を形成し、かつ、虚弱なゴムの部材130が幾分保護さ
れるので望ましい。しかし、もしも、部材130または図2のノーズピース10
0の他の部分が許容できない程摩耗したりあるいは損傷すれば、図2のノーズピ
ースは図1に関連して上述したように取り外して取り換えることができる。
図3はこの発明のさらに別の実施例を示している。一方において、図1と図2
に示されるチャックと図3に示されるチャックとの間には幾らかの違いがあるが
、他方において、これら図面の全てにおいて基本的に同じであるチャックの部分
には同一の参照番号が用いられている。この実施例において、取り外し自在なノ
ーズピース200は軸線12と同軸の金属リング210を有する。金属リング2
10はスリーブ50の末端部に離脱自在に錠止される。特に、金属リング210
は、リングの周りに円周方向に互いに離間した複数個の基端部方向に延びるフィ
ンガ222を有する。各フィンガ222は、チャック10の末端部にリング21
0を釈放自在に保持するようスリーブ50の内側の対応する環状肩部54
の背後に釈放自在に錠止する半径方向外方に延びる突出部220を有している。
フィンガ222は、ノーズピース200をチャックに取り付けあるいは取り外し
できるように半径方向内方に弾性変位する。例えば、ノーズピース200の取り
外しは、スリーブ50の末端面とノーズピース200の隣接面との間にねじ回し
を押し入れてノーズピースをこじり上げることによって達成できる。ノーズピー
ス200がチャック上にある時に、リング210の末端面214はチャックの最
も末端の面と成る。
図3に見られるように、金属リング210は、ゴムまたはプラスチックの別の
リング240のためのカバーあるいは被いである。リング240はチャック10
上の適宜な位置にリング210を(例えば図3に示されるようにチャックの末端
部とリング210の末端部との間のスペーサとして作用することによって)維持
する助けとなってもよい。リング240は、リング210によって境界される領
域212内に(図2の部材130に似た)ゴムのワッシャ形の部材230のため
の係止部材(anchor)をもたらしている。例えば、部材230はリング210の小
さな孔(図示しない)を介してリング240と一体的に、すなわち、一体部材と
することができる。部材230は、図2の部材130がもたらす全ての機能をも
たらす。図2におけるように、部材230は、好ましくはリング210の最も末
端の面214からへこまされ、部材230を幾らか保護する。
この発明のさらにまた別の実施例が図4,図5に示されている。チャックの説
明は図4,図5では繰り返されないが、この実施例に有用なチャックな図3に示
されるチャックと同じにすることができ、以下の説明に見られるチャックとなろ
う。図4,図5に示される実施例において、取り外し自在なノーズピース300
はプラスチックのリングまたは環状部材310である。部材310は図3に示さ
れるような具合にチャックスリーブ50の末端部に取り外し自在に取り付けでき
る。従って、部材310の基端部方向に延びる部分322の半径方向外方に突出
する環状のビード320はチャックスリーブ内側の対応する肩部54(図3)の
背後に離脱自在に錠止する。部材310がこのような具合にチャックに取り付け
られる時に、部材310の末端の面314はチャックの最も末端の面となる。
ノーズピース300をチャックから取り外すことが望まれる時は、ドライバー
の端部が、チャックスリーブ50(図3)の最も末端の面に当接している部材3
10の基端部方向に向いた面に形成され直径方向に相対する2つの凹部316の
いずれかに挿入できる。これはチャックからノーズピース300を外すのを容易
にする。部材50,310の材料は、ノーズピース300がこのように取り外さ
れる時に、ビード320が肩部54から離脱できるよう十分に弾性がある。
図6,図7に示されるさらに別の実施例は図4,図5の実施例と同様であり、
図2の部材130または図3の部材230と同様なゴムのワッシャ形の部材43
0が追加されている。図4,図5の部材と同様である図6,図7の部材は、図4
,図5に使用された符号に100を加えた符号が付けられている。これらの部材
の全ては再度詳細には検討されないだろう。ゴムのワッシャ430は(例えば部
材410が形成される型内に挿入体として用いられることによって)部材410
と好適に一体にされる。部材430は同様な部材130,230の上述した機能
の全てを行う。先に説明した実施例におけるように、部材430はプラスチック
部材410の末端の面414から好適にへこんでいるので、硬質プラスチックが
チャックの末端の面であり、部材430が幾分保護される。
図8,図9に示されるさらに別の実施例は図4,図5に示される実施例とまた
同じであり、プラスチックリング510の末端の面の主要部を被う金属リング5
50が加えられている。図4,図5の部材と同様である図8,図9の部材は図4
,図5の符号に200を加えた符号が付けられている。取り外し自在なノーズピ
ース500は図3に示される型のチャックにまた用いられ、ノーズピース300
(図4,図5)とノーズピース400(図6,図7)がこのようなチャックに取
り外し自在に取り付けできると同様な具合に、このようなチャックに取り外し可
能に取り付けられている。金属リング550はプラスチックリング510と一体
である。例えば、金属リング550は、プラスチックリング510が成形される
型内の挿入体にできる。リング510,550の恒久的一体性を確実に助けるた
めに、リング510は、金属リング550の対応する環状溝552内に半径方向
内方に突出する環状ビード518を有する。ノーズピース500がチャックに取
り付けられる時に、金属リング550の末端の面514はチャックの最も末端の
面と成る。
図10,図11はこの発明のまたさらに他の実施例を示している。この実施例
は図6,図7の実施例と図8,図9の実施例との組み合せである。図10,図1
1において、図6〜図9の部材と同様である部材は、図6,図7に用いられる符
号に200台を加えたり、あるいはまた図8,図9に用いられる符号に100台
を加えた符号が付けられている。従って、取り外し可能なノーズピース600は
、金属リング650により部分的に被われたプラスチックリング610を有する
。ワッシャ形ゴムリング630はリング610,650により取り囲まれた部分
に半径方向に延びているので、リング630の中央孔632を通って挿入される
工具はリング630と弾性係合して中心付けされよう。リング630は先に説明
したリング130,230,430と同様な特質を全て有している。ノーズピー
ス600は、先に説明した実施例300,400,500がこのようなチャック
に取り外し自在に取り付けできると同じ具合に、図3に示されるものと同様なチ
ャックのスリーブ50に取り外し自在に取り付けできる。従って、ノーズピース
600が取り付けられる時に、金属リング650の末端の面614はチャックの
最も末端の面と成る。金属リング650は、リング310(図4,図5)または
リング410(図6,図7)のようなプラスチックリングよりもチャックの末端
部の一層の保護を行う。ゴムリング630は面614からへこんでいるので、リ
ング630が幾らか保護されて、チャックの最も末端の面は金属のままである。
図12はこの発明のさらにまた別の実施例を示している。この実施例は、金属
リング710が図3におけるようなチャックスリーブ50以外のチャック本体2
0に取り外し自在に取り付けられていることを除いては、図3に示される実施例
と全く同様である。図12は、図1〜図3に示されるものに較べて幾分異なった
型のチャック10′を示している。大きな相違は、チャック10′がチャックの
末端部に隣接した本体20に固着された第2のプラスチックスリーブ80を有す
ることである(他の関係にて、チャック10′は先に説明したチャックと同様で
あり、共通の符号が同様な部材に用いられている)。2つのスリーブ50,80
と共に、別の手に各スリーブを握持して相互にスリーブを回転することによって
、ナット40が本体20に対して回転される。先に説明したチャックにお
いて、ナットは、チャックドライバーが正方向または逆方向に動力作動される際
にスリーブ50を保持したり、あるいはもしドライバーがスピンドルロックを有
するならば、ドライバーを固定保持するかのいずれかによって回転される。
図12に示される取り外し自在なノーズピース700をいま考えるに、金属リ
ング710はこのノーズピースの最も末端の部材であり、ノーズピース710が
チャックに取り付けられる時に、金属リング710の最も末端の面714はチャ
ックの最も末端の面となる。ゴムリング740は金属リング710内に形成され
ており、金属リング710から半径方向に延びるゴムワッシャ730と一体に成
っている。例えば、リング740,730はリング710の溝すなわち孔715
(チャック10′が無く、またいずれのゴム部材も無いリング710を示す図1
3参照)を通して相互に一体にできる。従って、リング740,730は実質的
に、かつリング710が挿入体である型内の一部材として同時に成形できる。先
に説明した実施例におけるように、ゴムワッシャ730は金属リング710の最
も末端の面714からへこまされている。
以上の説明はこの発明の原理を示すだけであり、この発明の範囲および精神を
逸脱することなく種々の変更が当業者によってできることが理解されよう。例え
ば、チャックと適合したプラスチックリングのビード120または320のよう
な連続環状ビードの代りに、このようなプラスチックリングは(図2の金属フィ
ンガ222と同様な)個別の円周方向に離間したフィンガを設けることができ、
各フィンガはチャックを釈放自在に係止するためのビード部材または他の適宜な
錠止構造を支持している。別の可能な変形例として、取り外し自在なノーズピー
スおよびチャックにおける錠止構造の形状は、図1において例えばチャックのビ
ードを取り外し自在なノーズピースの溝にスナップ止めするように逆にすること
ができる。ここに示されるいずれの種々の型のチャックあるいは他の一般のチャ
ックがここに示されたいずれの取り外し自在なノーズピースに用いることができ
る。ここに示される種々の実施例は、この発明の取り外し自在なノーズピースが
チャック本体かチャックのスリーブのいずれかに取り付けるよう造ることができ
ることと、ゴムの工具中心付けワッシャを有したりあるいは有さないよう造るこ
とができることを示している。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年10月25日
【補正内容】
露出されたゴムやプラスチックの部分すなわち面の起こり得る欠点は、これら
の部分が同様に配置された金属の部分すなわち面よりも、一層容易に、さらに急
速に、かつ、より厳しく摩耗する傾向にあることである。このような摩耗が最も
急速にかつ厳しく起こる傾向にある部分はチャックの末端部すなわち“ノーズ”
に隣接している。チャックにより握持された工具によって加工されているワーク
から飛散する破片によりチャックが最も頻繁に衝撃を受けるのがこの処である。
チャックの急速に回転しているノーズは、チャックに保持された工具が被加工物
を貫通して破壊する時に静止の被加工物と突然に接触することがある。これは、
チャックのノーズにおけるゴムまたはプラスチックに相当な摩耗または損傷を生
じさせる。
ゼイジグ等の米国特許第4,664,394号明細書は、チャックの末端部に
固着されたほこり除けを示している。しかしながら、このほこり除けの末端面は
、ゴムのような比較的柔らかく、かつ比較的高摩擦で、弾力のある弾性材料で造
られている。この材料は被加工物の破片および/または被加工物との起こり得る
接触等によって簡単に損傷してしまう。さらに、回転しているチャックが静止の
被加工物と接触するように成る場合に、被加工物とチャックとの間を過度な摩擦
力で連結することがある。
以上を考慮して、この発明の目的は、プラスチックまたはゴムの部分すなわち
面を備える改良されたチャックを提供することにある。
この発明の別の目的は、特にチャックのノーズまたはその付近におけるチャッ
クのゴムまたはプラスチックの部分の保護および/または交換を容易にすること
である。
発明の要約
この発明のこれらならびに他の目的は、この発明の原理に従って、チャックの
取り外し自在でかつ取り換え可能なノーズピースを設けることによって達成され
る。取り外し自在なノーズピースは、チャックの比較的硬くて低摩擦の最も末端
の面をプラスチックが形成するプラスチックリングとすることができる。もし、
望むならば、ノーズピースは、リングと同軸のワッシャの形状でリングによって
境界された領域内に延びている、基端部よりへこんでいる弾性ゴム部材を有する
ようにできる。このようなゴム部材は、チャックに挿入されるドリルビットのよ
うな工具を予め中心付けて保持することを助ける。ゴム部材はまた、チャック機
構の外部に破片を維持するのを助ける。プラスチックのリングは、チャックに取
り付けられる時に、特にその末端部分を金属で少なくとも部分的に被覆できる。
上述の例に対する変形例として、取り外し自在なノーズピースは、チャックの
末端部に取り外し自在に取り付けられる金属リングとすることができる。金属リ
ングは、チャックの末端部と金属リングのさらに末端の部分との間にスペーサ部
材としてゴムまたはプラスチックを一般的に有する。上述したように、ワッシャ
状の弾性ゴム部材が、先に説明されたものと同様な目的のために金属リングによ
って取り囲まれた領域に設けられてもよい。
この発明の別の特徴、その特性ならびに種々の利点は添付図面ならびに好まし
い実施例の以下の詳細な説明から一層明らかになろう。
図面の簡単な説明
図1はこの発明の第1の図示実施例を示す一部断面した立面図、
図2はこの発明の第2の図示実施例を示す図1と同様な図、
図3はこの発明の第3の図示実施例を示す図1,図2と大体同様な別の図、
図4はこの発明の第4の図示実施例を示す断面図で、図5の線4−4に沿った
図、
図5は図4の方向5−5における図4に示される装置の立面図、
図6はこの発明の第5の実施例を示す断面図で、図7の線6−6に沿った図、
請求の範囲
1.チャック(10)の末端部に取り外し自在に取り付けられるプラスチックの
環状部材(110,310,410)を含み、該部材(110,310,410
)が前記チャック(10)に取り付けられた時に、該部材(110,310,4
10)が、前記チャック(10)に挿入された工具と実質的に同軸になるチャッ
ク(10)のプラスチックのノーズピース(100,300,400)において
、前記部材(110,310,410)が前記チャック(10)に取り付けられ
た時に、前記環状部材(110,310,410)の末端の面(114,314
,414)が前記チャック(10)の最も末端の面と成ることを特徴とするチャ
ックのプラスチックのノーズピース。
2.前記環状部材(110,410)と実質的に同軸で、ワッシャ(130,4
30)の中央孔を通って前記チャック(10)内に挿入される工具と弾性係合す
べく前記環状部材(110,410)によって取り囲まれた空間内に半径方向内
方に延びる環状のゴムワッシャ(130,430)をさらに含み、前記ワッシャ
(130,430)は、前記部材(110,410)の末端の面(114,41
4)よりへこんでいることを特徴とする請求項1記載のプラスチックのノーズピ
ース。
3.前記環状部材(310,410)の基端部が、前記チャック(10)の補完
的な錠止構造(54)に前記部材(310,410)を釈放自在に錠止する持ち
上ったビード(320,420)を含み、さらに前記持ち上ったビード(320
,420)は前記部材(310,410)の隣接部分から半径方向外方に突出し
ていることを特徴とする請求項1記載のプラスチックのノーズピース。
4.前記持ち上ったビード(320,420)は前記環状部材(310,410
)を囲んで環状に延びていることを特徴とする請求項3記載のプラスチックのノ
ーズピース。
5.前記チャック(10)は、チャックジョー(30)が取り付けられた本体部
材(20)を含み、前記本体(20)は前記部材(20)と実質的に同軸の環状
の末端部を有し、さらに、前記環状部材(110)は前記本体部材(20)との
釈放自在な係合によって前記チャック(10)に取り外し自在に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載のプラスチックのノーズピース。
6.チャック(10)の末端部に取り外し自在に取り付けられたプラスチックの
第1環状部材(520,620)を有し、当該第1環状部材(520,620)
がチャック(10)に取り付けられた時に前記第1環状部材(520,620)
が前記チャック(10)に挿入される工具と実質的に同軸であり、かつ、第1環
状部材(520,620)の末端の面に同軸に取り付けられた第2環状部材(5
50,650)を有し、前記第1環状部材(520,620)が前記チャック(
10)に取り付けられた時に前記第2環状部材(550,650)の末端の面(
514,614)が前記チャック(10)の最も末端の面と成るチャック(10
)のノーズピース(500,600)において、前記第2環状部材(550,6
50)が金属で造られていることを特徴とするチャックのノーズピース。
7.前記第1環状部材(610)と実質的に同軸で、ワッシャ(630)の中央
孔を通ってチャック(10)内に挿入される工具と弾性係合すべく第1環状部材
(610)によって取り囲まれた空間内に半径方向内方に延びる環状のゴムワッ
シャ(630)を含み、さらに前記ワッシャ(630)が前記第2環状部材(6
50)の末端の面からへこんでいることを特徴とする請求項6記載のノーズピー
ス。
8.前記第1環状部材(520,620)の基端部は、前記チャック(10)の
補完的な錠止構造(54)に前記第1環状部材(520,620)を釈放自在に
錠止するための持ち上ったビード(520,620)を有し、さらに、前記持ち
上ったビード(520,620)は前記第1環状部材(520,620)の隣接
部分から半径方向外方に突出していることを特徴とする請求項6記載のノーズピ
ース。
9.持ち上ったビード(520,620)は第1環状部材(520,620)を
囲んで環状に延びていることを特徴とする請求項8記載のノーズピース。
10.チャック(10,10′)の末端部に取り外し自在に取り付けられる第1
環状部材(210,710)を有し、前記第1環状部材(210,710)がチ
ャック(10,10′)に取り付けられた時に、前記第1環状部材(210,7
10)が前記チャック(10,10′)に挿入される工具と実質的に同軸であり
、前記第1環状部材(210,710)の末端の面(214,714)が前記チ
ャック(10,10′)の最も末端の面と成るチャック(10,10′)のノー
ズピース(200,700)において、前記第1環状部材(210,710)に
同軸に取り付けられた第2環状部材(240,740)を有し、前記第1環状部
材(210,710)が前記チャック(10,10′)に取り付けられた時に、
前記第2環状部材(240,740)の少なくとも一部が前記第1環状部材(2
10,710)の一部と前記チャック(10,10′)の一部の間に配置され、
前記第2環状部材(240,740)がゴムとプラスチックとから成る群から選
ばれた材料から造られ、前記第1環状部材(210,710)が金属で造られて
いることを特徴とするチャックのノーズピース。
11.前記第1環状部材(210)は、第1環状部材(210)の残りの部分か
ら基端部の方に延びる複数個の円周方向に離間したフィンガ(222)を有し、
前記第1環状部材(210)は前記フィンガ(222)による前記チャック(1
0)との釈放自在な係合によって前記チャック(10)に取り外し自在に取り付
けられることを特徴とする請求項10記載のノーズピース。
12.前記フィンガ(222)の各々は、前記チャック(10)の補完的な錠止
構造(54)に釈放自在に係合する錠止構造(220)を有することを特徴とす
る請求項11記載のノーズピース。
13.前記フィンガ(222)の各々の前記錠止構造(220)は、前記フィン
ガ(222)の隣接部分から半径方向に突出する突出部を有することを特徴とす
る請求項12記載のノーズピース。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),CA,JP
(72)発明者 シャデック,ルイス,エム.
アメリカ合衆国 29621 サウス カロラ
イナ州 アンダーソン マーチバンクス
45ディー 2418
(72)発明者 ハフ,ロバート,オー.
アメリカ合衆国 29673 サウス カロラ
イナ州 ピードモント ワシントン ドラ
イブ 68