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JPH10506132A - 環境から目標物質を選択的に除去するための応答性ゲル及びその方法 - Google Patents

環境から目標物質を選択的に除去するための応答性ゲル及びその方法

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Publication number
JPH10506132A
JPH10506132A JP8508256A JP50825695A JPH10506132A JP H10506132 A JPH10506132 A JP H10506132A JP 8508256 A JP8508256 A JP 8508256A JP 50825695 A JP50825695 A JP 50825695A JP H10506132 A JPH10506132 A JP H10506132A
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JP
Japan
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gel
target substance
target
phase transition
responsive polymer
Prior art date
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Pending
Application number
JP8508256A
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English (en)
Inventor
ゴールド,ハリス
タナカ,トヨイチ
イングリッシュ,アンソニー・イー
キング,キャスリーン・ローズ
レヴィ,ロンダ・ダルメイジ
マサムネ,サトル
ワン,チャンナン
Original Assignee
ジェル・サイエンシィズ・インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジェル・サイエンシィズ・インコーポレーテッド filed Critical ジェル・サイエンシィズ・インコーポレーテッド
Publication of JPH10506132A publication Critical patent/JPH10506132A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/22Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising organic material
    • B01J20/26Synthetic macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/28Treatment of water, waste water, or sewage by sorption
    • C02F1/285Treatment of water, waste water, or sewage by sorption using synthetic organic sorbents

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  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 環境から目標物質を選択的に除去する応答性ゲルが記載される。3次元の可逆的応答性のポリマーゲルは、それらが互いに接近したとき結合部位を形成し、目標物質を結合する能力を持つ目標物質に対する少なくとも2個の結合部からなる。結合部は、環境条件の変化に対応し、可逆的な容積収縮及び膨脹を受けるように適合された応答性ポリマー成分と組み合わされる。ポリマーゲル成分は、容積膨脹の相転移閏値と異なった容積収縮相転移閾値を持つ。応答性ゲルは、ポリマーゲルが相転移閾値で収縮状態に収縮するとき、結合部位が目標物質を結合することができるように、結合部が互いにそして目標物質と充分接近するように置かれるように構築される。相転移閾値でポリマーが膨脹状態に膨脹するとき、結合部はお互いから切り離される。環境から目標物質を除去する方法も記載されており、本発明のポリマーゲルを目標物質、結合部位に対し結合親和性を持ち、そして結合部位で目標物質を結合するように、結合部が互いにそして目標物と充分に接近するように、ゲルが収縮状態に移ことを許す目標物質、と接触させる手順を含む。目標物質及び他の目標物質溶液から選ばれた目標物質を選択的に除去する方法も記載される。好ましい態様において環境条件の変更の手順は、ゲルの温度を変更することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】 環境から目標物質を選択的に除去するための応答性ゲル及びその方法 ここに記載されそして特許請求されている本発明は、フォスターミラー社(Fos ter Miller,Inc.)に与えられたエネルギー省(Department of Energy=DOE)契約番 号DE-FGO2-94ER81667 により一部補助されている。米国政府は、本発明について 一定の権利を有する。 発明の背景 目標とする分子の選択的吸収及び回収は、化学及び薬品工業と同様に生物学的 システムでも最も基本的なプロセスの一つである。それにもかかわらず、自然界 で起こっている生物学的システムと対比して、目標物質を回収するために意図さ れた人工的なシステムの多くは、目標物質に対する選択性及び取り込んだ目標物 質を可逆的に放出する能力に欠けている。多くの場合、目標とする分子の回収は 大掛かりな脱着及び溶剤による洗浄を必要とし、深刻な環境問題を引き起こす。 目標物質を含む環境から目標とする分子を選択的に回収するために用いられる 無数の方法の一つの例として、我々は、水及び廃水中における重金属汚染につい て簡単に取り上げる。ある種の金属は、微量の場合には、食物として摂取するこ とが必須な成分である。しかし、多くの金属は高濃度では毒性であり、神経系統 及び腎機能を冒すものでもある。金属を含む水及び廃水を処理する一般的に用い られる多くの方法がある。最も慣用された処理技術はそれ自体の沈殿によるか、 或いはその効率を増大させる他の処理方法との組み合わせによる。沈殿法は、薬 品を添加して溶液のpHを調整することにより、過飽和溶液を作り、その結果、 沈殿物を得るものである。沈殿法は、非選択的であるとともに、残渣(スラッジ )を生成するものであり、残渣は処分しなければならない。これに続く精製過程 に於て、沈殿物から金属を分離、回収することは非常に困難である。沈殿物は低 い化学的濃度を持ちそしてそのゼラチン質の性質から、相分離は非常に困難であ る。沈殿法においては、化学量論で求められる量を越える薬品(この薬品は無害 であ るとしても)を添加することにより金属が希釈水から濃縮されることから、処分 されるべき物質の総量が増加するという問題を有している。 水から金属を回収するために用いられる他の技術としては、蒸発法、イオン交 換法、隔膜分離法、及びエレクトロウイノイング法が挙げられる。蒸発法は、水 を蒸発することにより、汚染された水を濃縮するものである。蒸発法の主たる利 点は金属濃縮物が、ある特定の濃度においてそのまま再使用ができることである 。蒸発法の主たる欠点はそれがエネルギー集約的方法であり、そのコストは蒸発 すべき水の量によることである。イオン交換法は金属の除去及び回収に関して、 充分に確立された方法であり、1950年代にまで遡ることができるものである。イ オン交換法は金属仕上工業に於て、脱イオン水の製造のため、並びに、再使用を するために用いられたメッキ及び工程の浴の精製に、成功裡に使用されてきた。 イオン交換法の第一の欠点は、連続的に再使用するためには、イオン交換剤を再 生しなければならないという事実にある。さもなければこの方法は極めて不経済 となる。しかしながら、この方法は再生用薬品の費用のゆえに、沈殿法と比較し てなお不経済である。沈殿法と同様に、スラッジの総量は、化学量論的量を越え る再生用薬品を添加する結果として増加することになる。この方法の他の欠点は 一般的に非選択性でありそして特定の金属の回収が困難なことである。特定の金 属に選択的なイオン交換剤であって市場で入手できるものもある。しかしこの方 法はより大量の再生用薬品を必要とする。 電気透析及び逆浸透用の膜は汚染防止及び資源回収用として市場で入手できる 。これらは、両者とも高い運転費及び初期投資、膜が汚れ及び劣化に影響されや すいこと、膜が非選択的であること、充分に高いブライン濃度を経済的に達成す ることができないため、金属回収を行うことが困難であることが理由で、金属回 収には広くは用いられていない。エレクトロウイノイング法は電気的電位差を出 口板に与えることを伴いそして金属を回収する。主たる適用はメッキ洗浄水から のカドミウムの回収及び廃プリント回路板浸液からの銅の回収である。この方法 の非効率性及び付随する経済性は比較的濃縮された溶液に対する適用に限定され る。 要約として、金属を含む水の処理に用いられる方法の殆どは、次の欠点の一つ 又はそれ以上を持っている:高い運転費、非選択的金属除去;処理薬品の使用に より化学量論的必要量を越えた追加のスラッジが生成され、そして処分されなけ ればならない。 リッカ及びタナカ(Ricka and Tanaka)"Phase Transition in Ionic Gels Indu ced by Copper Complexation",Macromolecules,18,83-85,1985,は、アクリル アミドとアクリル酸のコポリマーであるゲルを開発した。ゲルは目標物質(銅+2 イオン)の溶液で膨潤し、アクリル酸含有量が増加するに伴い、多く膨潤した。 これは、ゲルの容積が膨脹するに従って、ゲルのアクリル酸が銅イオンを吸収す ることを示すものである。Cu+2濃度が高い場合においては、この依存関係は逆転 し、ゲルはアクリル酸の含有量が増加するに従って収縮した。ゲルの容積応答性 に対する刺激物質は溶液中の目標物質(銅)である。このゲル系は、ゲルの再生 即ちゲルを目標物質と結合できる潰れた状態に戻す刺激物質が、溶液それ自体で あるがゆえに実際的でない。本発明のゲル及び方法は、目標物質の濃度が比較的 一定な場合に効率良く使用されるゆえ、リッカ/タナカゲルは容積応答を引き起 こすためには、目標物質の濃度を変化させなければならないので使用する事は出 来ない。リッカ及びタナカによって使われたアクリルアミド−アクリル酸ゲルは 、上に列挙した理由のみならず、低価格の刺激物質で再生することが出来ないの で、高濃度、例えば0.1〜1Mの地下水からの重金属の除去には適していない。 発明の概要 本発明は、特異な性状を持つ応答性ポリマーゲルに関し、環境から目標物質を 選択的に除去する事に使用することができる。本発明のゲルの一つの態様は3次 元の可逆応答性のポリマーゲルであって、目標物質に対する少なくとも2個の結 合部を有するものであり、結合部が互いに近接位置にきて結合部位を形成したと きには、結合部は目標物質と結合する能力がある。この結合部はゲルと結合して おり、このゲルは、環境条件の変化に応答して可逆的に容積の収縮及び膨脹を受 けるように適合している応答性ポリマー成分である。ポリマーゲル成分は容積膨 脹の相遷移閾値と異なる容積収縮の相遷移閾値を有する。相転移閾値においてポ リマーゲルが収縮状態に収縮したときには、結合部位が目標物質と結合すること を許す位置に置かれるように結合部が互いに及び目標物質と充分に近接するよう に、応答性ゲルが構築されている。ポリマーが相転移閾値において膨脹状態に膨 脹したときには、結合部が互いに及び目標物質から切り離される。目標物質の濃 度の相違のために、及び、目標物質の種類の相違のために、二つの相遷移閾値は 互いに異なることが最も好ましい。 応答性ポリマー成分は、イオン結合、疎水結合、水素結合及びファンデルワー ルス結合を含む、主として相互作用に起因する容積変化をうけ、そして、応答性 ポリマー成分は、例えば、N-イソプロピルアクリルアミドであり、また、結合部 は、例えば、アクリル酸である。本発明の最も好ましいポリマーゲルは、ゲルの 温度変化に可逆的に応答するものであり、そしてゲルが少なくとも二つの異なっ た相遷移温度閾値を持つことである。 目標物質を環境から除去する方法は、本発明のポリマーゲルを目標物質と接触 させる工程と、ここで、目標物質は結合部位に結合親和性を有するものであり; ゲルが収縮状態に移ることを許す工程と、ここで、結合部が互いに及び目標物質 と充分に近接することにより、該目標物質と結合する結合部位を形成するもので ある;を含む。目標物質を含む環境から目標物質を除去する更なる方法は、ポリ マーゲルを回収すべき目標物質と接触させる工程と;ゲルの温度を変更して、そ の容積収縮を引き起こすことにより、ゲルに結合部位を形成させる工程と、これ により目標物質がゲルに結合する;を含む。一旦結合すると、ゲルの容積膨脹を 引き起こすために、ゲルの温度を再び変更する。ゲルから目標物質を放出するこ とによりゲルを再生する。好ましくは、温度を変更する工程と再生工程が実質的 に同時に起こることである。ゲルの再生の最も好ましい手段は、ゲルを溶離液と 接触させることである。 本発明のゲルは、目標物質と他の目標物質の溶液から、選ばれた目標物質を選 択的に除去することもできる。この方法は、ゲルが他の目標物質の存在下でより も、目標物質の存在下でより低い相遷移閾値をもつ目標物質と他の目標物質を本 発明のポリマーゲルと接触する工程を含む。次に、ゲルの環境条件は2個の目標 物質の相遷移閾値の中間の条件に変化される。ゲルは収縮状態に変化させられ、 結合部は互いに、そして2個の相遷移閾値の低い方の目標物質を結合するように 、目標物質と充分に接近する。好ましい態様において、環境条件の変更工程はゲ ルの温度を変更することを含む。 本明細書に記載された応答性ゲルは、目標物質を使用している環境から除去す るために用いられる慣用された方法に付随する問題の多くを克服する可能性を持 っている。それらは;(i)熱及び光のような廃棄物をそれ自体が生産しない刺激 物質により再生される能力;(ii)低価格の刺激物質により再生される能力;(iii )外部刺激物質の僅かな変化により再生される能力;(iv)可逆性;(v)目標物質濃 度の広範囲にわたって異なる目標物質を除去する能力;(vi)ゲルの再生によって 高度に濃縮された目標物質溶液を生産している間に、溶液から目標物質を除去し そして目標物質溶液の濃度を減少する能力;(vii)一つの目標物質を他の好みに より選択的に除去する能力;(viii)他の無機質塩のような無害の物質の広範囲な 溶液から目標物質を除去する能力;及び(ix)製造するのに安価であること、を含 む特異な性質のゆえに、エネルギー消費を大幅に減少する可能性を持っている。 図面の簡単な説明 図1は、一つは目標物質の基本となる濃度に於ける(M= MO)、そして一つは より高い溶離濃度に於ける(Mrecover)二つの相遷移閾値を持つゲルによる目標 物質結合及び溶離の概略的例示である。 図2は、NIPA/Acc(500mM/200mM)コポリマーゲルの膨潤の程度について、銅+2 イオンを関数としたグラフである。 図3は、NIPA/Acc(500mM/200mM)コポリマーゲルの膨潤の程度について、金属 イオンの種類を関数としたグラフである。 図4は、NIPA/AAm/Acc(648mM/8mM/8mM)コポリマーゲルの膨潤の程度について 、1mM のカルシウム及び銅イオンを関数としたグラフである。 図5は、目標物質濃度が10ミクロモルの銅或いはカルシウムである時の、NIPA /Acc(500mM/200mM)コポリマーゲルの膨潤の応答を例示している。 図6は、NIPA/Acc(500mM/200mM)コポリマーゲルの膨潤の程度を、同濃度の3 種類の異なる2価金属イオン(Cu+2,Ca+2,Fe+2)の関数として示している。 図7は、NIPA(500mM)及びAAc(200mM)から作られたコポリマーゲルの、0,10uM ,及び15mMの銅イオンでの膨潤の程度を示している。 図8は、NIPA-AAcゲルの膨潤の程度を、35℃に於ける目標物質濃度の関数とし て示している。 図9は、NIPA-AAcゲルの膨潤の程度を、40℃に於ける目標物質濃度の関数とし て示している。 図10は、NIPA-AAc-AAmゲル(188mM/256mM/256mM)の膨潤の程度を、目標物質濃 度を変化した時(0μM,6.8μM,及び50μM)の温度の関数として示している。 発明の詳細な説明 ゲルシステム 一般的考察 本発明のポリマーゲルは、分子の機械であり、好ましくは、モノマー構築ブロ ック成分として二つのグループが組み合わされたものを含む。ただし、二重の性 質を持つ単独のモノマー構築ブロックであってもよい。一方の構築ブロック成分 はイオン化されていても良く、これが目標物質と結合する部分である。他方の構 築ブロック成分は、以下に更に詳細に記載するように、目標物質結合部を含むポ リマーが可逆的な容積収縮及び膨脹を行うことができるようにするものである。 本発明の重要な特徴は、両成分が互いに協同して作用することである。目標物 質結合部は、このモノマー成分が重合されることによりゲル中に取り込まれてい るので、ポリマーと結合するとともにポリマー中に分散されている。少なくとも 2個の目標物質結合部が膨脹したゲル内の場所に付着したとき、ゲルは少なくと も1個の“結合部位”を形成することができると考えられる。目標物質を結合す るには、少なくとも2個の目標物質結合部が必要である。 即ち、目標物質は、最も好ましくは、ゲルが収縮した時のみに結合部位に結合 する。これは、ゲルの収縮により、2個の結合部及び目標物質が互いに充分に近 づいて近接することになるからであり、丁度2本の指先が物を摘む時に近付かな ければならないようなものである。モノマー結合部を選択することにより、ポリ マー親和力の実際的調節及び目標物質の選択性を可能にする。ある意味で、ゲル は“筋肉”及び、目標物質を認識する“ピンセット”から成り立っている。“ピ ンセット”は“筋肉”が“ピンセット”を閉じた時に目標物質を捕まえることが でき、そして“筋肉”がそれを開いた時に目標物質を解放する。 結合部相互及び目標物質の近接さ、及びそれによるゲルの結合部位の形成は、 容積的に応答する構築ブロック成分によって調節できる。ゲルは二つの終点の間 、例えば収縮状態及び膨脹状態の間を物理的に膨脹及び収縮できる。故に、ゲル が収縮状態になった時、結合部位が形成されて目標分子を結合できる。しかし、 ゲルがその膨脹状態になった時、2個又はそれ以上の結合部は物理的に離され、 目標物質は結合から解放されることになるから、結合部位における結合親和力は 弱められる。この変換は可逆的であるのが好ましい。この構成の利点は、外部の 環境条件の僅かな変化によって、目標物質を解放しそしてポリマーゲルをリサイ クルして使用するために、結合親和力を弱めることができることにある。 本発明のゲルは、液体と固体状態の中間の物質であって、長いポリマー分子の 架橋網状構造からなる。“ゲル”という用語は、ポリマー鎖が相互結合したマト リックスにより捕獲された液体溶剤を含む3次元に架橋されたポリマー網状構造 をいう。“ポリマー網状構造”という用語は、3次元の絡み合った網目構造を形 成するよう架橋された重合体をいう。“ゲル”という用語は、更に詳細には試料 の大きさに顕微鏡的な変化を起こすに充分な溶剤分子を含む液体と固体の状態の 中間のポリマー網状構造をいう。この用語は、又ゲルマトリックス内の実質的に 全ての溶剤が除去された“乾燥”状態のゲルも含むことを意味する。この用語は 、主として操作上の定義である。この用語の一つの定義は、ゲルの塊がデシケー ター又は乾燥用オーブンの中で、一定の低い値に達した時のことである。 好ましいゲルは“可逆応答性”である、即ち、環境変化が起こった時、環境変 化が全てのゲル或いはその成分が可逆的な容積変化を受けるように作用する。ゲ ルは環境条件の変化に対応し、少なくとも20パーセントの可逆的容積変化を受け るものが好ましい。これにより、ゲルがより少ない液で満たされた状態又は乾燥 状態からより多い液で満たされた状態に膨脹する、あるいは、より多い液で満た された状態からより少ない液で満たされた状態に収縮する。可逆的容積変化は二 つの平衡状態(即ち膨潤及び収縮)の間の遷移を伴う。 ゲルは、ミクロポーラスゲルのような種々の形態で製造することができる。“ ミクロポーラス”という用語は、流体で満たされた無数の細孔をもつ連続した固 体相の二相系をいう。“ミクロ構造”は本明細書で定義されるようにゲルの構造 (例えば細孔、空隙、壁など)で、走査型電子顕微鏡、或いは他の顕微鏡で観察 可能な物で、大きさは0.01から約100 ミクロンの範囲の物である。ゲルは0.01か ら約10ミクロンの範囲の大きさの細孔をもち“ミクロポーラス”である。細孔の 幾つかが相互に接続されている場合ゲルは典型的に“オープンセル”ゲルと呼ば れる。ゲルの全ての細孔が相互に接続されている場合ゲルは“ビコンティニュア ス”ゲルである。細孔が分離して(相互に接続されていない)おり、各細孔の内 部空間が他の細孔と独立している場合、ゲルは“クローズドセル”ゲルである。 本発明はそれら全ての形態学上の形及びそれらの形の組み合わせを包含する。 ゲルの全体又はその成分の可逆的容積変化は、連続的であってもよいし、或い は不連続的であっても良い。“連続的”容積変化は比較的大きな環境条件の変化 によって起こされる容積の可逆変化(即ち収縮及び膨潤)によって特徴付けられ る。更に、膨潤状態及び収縮状態の間の転移点付近に少なくとも一つの安定した 容積が存在する。 本発明のゲルは0.1 度C或いは0.1pH 単位以下のような極めて小さな環境条件 の変化によって起こる膨潤から収縮状態へ、そして再び元に戻る可逆的転移のよ うな“不連続的”容積変化を受けることができる。そのような可逆性ゲルは本明 細書では以後“相転移”ゲルと呼び、そして容積変化の起こる環境条件の僅かな 増加を“相転移閾値”(例えば相転移温度閾値;相転移pH閾値;相転移光エネ ルギー閾値など)と呼ぶ。本明細書に参考文献として取り込まれる、相転移を受 ける合成ポリマーゲルについて記載しているタナカ等(Tanaka et al.)の米国特 許第4,732,930 或いはヒロツ等(Hirotsu et al.)のJ.Chm.Phys.87:15July 19 87を参照されたい。相転移において膨潤から収縮状態の間に安定な容積はなく、 そして理論的には、膨張及び/又は収縮は無限に小さい環境の変化によって起こ る。連続的相転移を受けるゲルは不連続的相転移を受けるゲルと同程度の総容積 変化を持つことができる。応答現象はゲルとして存在する多くの永久的に架橋さ れたポリマー網状構造で観察された。タナカ(Tanaka),Physical Review Letters ,Vol.40,no.12,pp820-823,1978 及びタナカ等(Tanaka et al.),Physlcal Revi ew Letters ,Vol.38,No.14,pp771-774,1977;タナカ等(Tanaka et al.),Physical Review Letters. 5 Vol.45,pg.1636,1980;イラブスキー(Ilavsky),Macromolecul e s ,Vol.15,pg.782,1982; ホロウツ等(Hrouz et al.),Europ.Polym.J.,Vol.17,p g.361,1981; オーミネ等(Ohmine et al.),J .Chm.Physics.VOL.8,pg.6379,198 4;タナカ等(Tanaka et al.),Science,Vol.218,pg.462,1982 及びイラブスキー等 (Ilavsky et al.),Polm .Bull.Vol.7,pg,107,1982;ゲルク(Gehrke),"Responsive Gels:Voume Transitions II";ed K.デュセック(ed.K.Dusek),Springer-Verlag ,New York,pp.81-144(1993);リ等(Li et al.), Ann.Rev.Mat.Sci., 22:243-277( 1992);及びユ等(Yu et al.),Enzyme Microb.Technol.,15:354-366(1993),これら の全ては本明細書に参考文献として取り入れられている。 分子レベルでは、好ましい応答性ゲルは、主として温度、pH、光、溶剤濃度 からなる環境の“引金”条件の限られたレパートリーの少量の変化に敏感である 。巨視的なレベルでは、環境条件の変化のいずれも容積変化を引き起こす特定の 引金としてゲルに課すことができる。これらの環境条件は、必ずしも必要ではな いが、引金と同様であることができ、そして、これらに制限されないが、温度、 電場、フォトンエネルギー、pH、溶剤組成、生体分子の濃度、圧力などの変化 を含む。本発明の応答性ゲルは、環境条件を適切な引金に転換する分子“変換器 (transducer)”として働く物質と結合させても良い。例えば、色素を温度応答性 ゲルに導入しても良い。色素は選ばれたエネルギーの光を吸収しそして光エネル ギーを熱に転換するように設計され、これによってゲルは相転移閾値において温 度により引き起こされる容積変化を受けることができる。本明細書に参考文献と して取り入れられているA.スズキ及びT.タナカ(A.Suzuki and T.Tanaka),Na ture:346:6282(1990)も参照されたい。 上述したように、リッカ及びタナカの先行技術の応答性ゲルの重大な欠点は、 それらの相転移閾値が目標物質の濃度の作用によって起こるという事実である。 本発明の最も好ましいゲルは、容易に発生されそして容易に調節できる温度或い は光のような環境要因によって引き起こされる相転移を持つように設計される。 更に、以下に記載される本発明の方法は、これに関連しては重要であるが、こ れまで高く評価されなかったゲルの他の性質に一部頼っている;即ち目標物質の 濃度が変わった時の相転移閾値の遷移及び同じ目標物質濃度に於ける異なる目標 物質による相転移閾値の遷移である。我々は温度応答性ゲルの相転移閾値が目標 物質濃度の増加に伴いより低い温度に変わるのを観察した(実施例2及び図2参 照)。特に、目標物質が多価のイオンの場合、目標物質の結合親和力が収縮した ゲルの個々のポリマー間に付加的な引き付ける力を与えると信じられる。理論的 な考察については、本明細書に参考文献として取り入れられている、この付加的 な引き付ける力が収縮したゲルの相転移閾値を低下させることを示唆した、T.タ ナカ、D.J.フィルモア、S-T.スン、I.ニイオ、G.A.スイルスロウ、及びA.シャー (T.Tanka,D.J.Fillmore,S-T.Sun,I.Nihio,G.A.Swislow,and A.Shar),Phys,Rev .Letters, 45,1636(1980)及び米国特許第5,100,933(Tanaka et al.)を参照された い。光、pH及び溶剤応答性のゲルの相転移閾値も又、同様に目標物質濃度によ って影響される。本明細書に記載された手順及び環境の種々の引金に応答するゲ ルの開発の既知の一般的な原則により、当業者は選ばれたゲルの相転移閾値の目 標物質の濃度による影響をルーチン的に測定できる。 本発明のゲルの他の重要な性質は一定の目標物質濃度において、温度応答性ゲ ルの相転移閾値が目標物質の種類の変更によって、より低い温度に移ることであ る(図3及び4参照)。選ばれた大きさ及び型の目標物質の、ゲルの目標物質結 合部に対する結合親和力は、主として目標物質と結合部位の間にできた化学結合 の性質による。これはゲルのポリマー間に発生する引き付ける力に影響しそして それゆえに又相転移閾値に影響を及ぼす。 I.ポリマー構造 A.応答性成分 本発明のゲルの最初の必要条件は、全てのゲル又は可逆的に容積変化するその 成分が可逆的に容積変化を受けることである。ゲル全体として、この必要条件を 満たさなければならない。それにもかかわらず、少なくとも一つの成分が要求さ れる容積応答の性質を与える限り、ゲルは結合部を含んでいることになる。 例えば、本発明のゲルは、容積応答性及び目標物質結合部位の必要条件を満た す単一のポリマー網状構造のような、単一物質であっても良い。しかし、ゲルは 、2個又はそれ以上の成分であって各成分が異なった必要な性質を有するもの、 を有することが最も好ましい。コポリマーゲルとして製造できるものは、例えば 、 一方の成分が、目標物質と結合親和力を持つ、少なくとも1個の結合部位を形成 することができ;他方の成分が、環境条件の変化に対応する容積変化の性質を持 つものである。 本来結合型のモノマーは容積変化ゲルの存在下で重合できる。この型のゲルと しては、例えば、ポリ-N イソプロピルアクリルアミド[NIPA: “応答性成分] -/ポリ(アクリル酸)[結合部]を含む。 ゲルは相互浸透性のポリマー網状構造(interpenetrating polymer network=I PN)であっても良い。IPN はポリ-Nイソプロピルアクリルアミドのような容積応 答性を持つことができ、本発明のシステムに合致するようにアクリル酸のような 結合部と結合させても良い。IPN は、IPN の1個のポリマー要素が結合性を与え そして他のポリマー要素が応答性を与えるような両方の性質を持つことができる 。充填される相互浸透性ゲルのポリマーは天然のポリマー、合成ポリマー、或い は架橋された天然及び合成ポリマーを含むことができる。 最も好ましい容積応答成分は、全部又は一部、単一官能基及び多官能基の重合 可能なビニールモノマーの共重合/架橋により作られるポリマーからなることが できる。例示としてのゲルは、N-エチルアクリルアミド、N-n-プロピルアクリル アミド、N-n-プロピルメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、 N-n-イソプロピルメチルアクリルアミド、N-シクロプロピルアクリルアミドのよ うなN-アルキルアクリルアミド(或いは相似のN-アルキルメチルアクリルアミド )誘導体、或いはヒドロキシプロピルアクリレート−コ−アクリルアミド、ジア セトンアクリルアミド−コ−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピ ルアクリレート−コ−ヒドロキシエチルアクリレート、エチルアクリルアミド、 シクロプロピルアクリルアミド、n-プロピルアクリルアミド、及びイソプロピル アクリルアミドのようなアクリレート(或いは相似のメタクリレート)共重合体 を含むことができる。 本発明の可逆的容積変化成分は又、疎水的に改変されたポリエチレングリコー ル及び同様のポリマーが強力な疎水性相互作用によって会合されている、ポリ( ビニルアルコール)−ポリ(アクリル酸)或いはポリ(エチレングリコール)− ポリ(メタクリル酸)系のような物理的相互作用による直鎖ポリマーの架橋に よって作ることができる。電荷錯化及び水素結合も又、特にpHに敏感なゲルに 良く作用する。例はポリ(エチレングリコール)−ポリ(メタクリル酸)或いは ポリ(ビニルアルコール)−ポリ(アクリル酸)である。 また、好ましいものは、化学的に架橋できる天然の重合性開始物質である。本 発明により都合良く使用することのできる例示としてのポリマーは、セルロース エーテルのようなアルキル基−置換のセルロース誘導体を含む。例示としてのセ ルロースエーテルは、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメ チルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースを含む。ポリ(L-プロリン)、 及びポリ(バリン−プロリン−グリシン−X−グリシン)[ここでXは、チロシ ン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、グルタミン酸、リシン、グリシン、 及び他のアミノ酸]も又使用できる。多糖類は、例示として、澱粉類、糖類、キ チン質、及びヒアルロン酸が挙げられる。 本明細書に記載のゲルの容積変化は、分子間力(一般的には本質的に静電気的 であって、ポリマー網状構造を膨脹させるように働くものである)と;ポリマー 網状構造を収縮させるように働く少なくとも一つの引き付ける力との間の競合の 結果である。 本発明のゲルの容積変化は、主としてポリマー鎖それ自体の間及びポリマー鎖 と溶剤との間に働く四つの基本的な力によって起こされる。その力は:単独或い は組合わせで働くイオン性、疎水性、水素結合性及びファンデルワールス結合性 の相互作用を含む。これら相互作用のそれぞれは、本発明の好ましいゲルの容積 変化に対し、独立して責任を持つことができる。これらの基本的な力は、特定の 引金により最も強く影響される。溶剤濃度の変化は、ファンデルワールス相互作 用に最も強く影響し;温度の変化は、疎水性相互作用及び水素結合に最も強く影 響し;そしてpHの変化は、イオン性相互作用に最も強く影響する。 従って、容積変化がイオン性相互作用によって支配される応答性ゲルは、その 成分として、ポリ(アクリル酸)/ポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチル アンモニウムクロリド[MAPTAC])/水;ポリ(アクリル酸)/ポリ(アルキル アミド)/水、などのような弱酸性及び弱アルカリ性の構築ブロックを含む。シ ーゲル及びファイヤストン(Siegel and Firestone),Macromolecules,21:3254- 3259(1988)を参照されたい。この型のゲルはpHに敏感でありより高いpH環境 からより低いpH環境に晒された時収縮する。 容積変化が水素結合によって支配される応答性ゲルは、温度の低下により収縮 し(即ちより高い温度で膨脹する)、そして1個のポリマーとしてポリ(アクリ ル酸)、他のポリマーとしてポリ(アクリルアミド)、及び液体媒体としての水 からなる相互浸透性ポリマー或いはジメチルアクリルアミド及びメタクリル酸の 共重合体で例示される。容積変化が疎水性相互作用によって支配される応答性ゲ ルは、温度を増加させた時に収縮し(即ちより低い温度で膨脹する)、ポリ(N- イソプロピルアクリルアミド:NIPA)により例示される。米国特許第4,863,613 号を参照されたい。更に、NIPAは、ゲルに光応答性を与えるために、プロトポル フィリン或いはクロロフィリンのような分子“変換器”と結合できる。容積変化 がファンデルワールス相互作用によって支配されるゲルは、水素結合に支配され るゲルと同様に温度応答性を発揮し、ポリアクリルアミドによって例示される。 応答性ゲルは、一つ以上の基本的力によって支配されるように処方することが できる。特に、陽及び陰に荷電されたグループの共重合体からなるゲルは、この 要求に合致する。これらのゲルにおいて、ポリマー断片は、イオン性相互作用及 び水素結合により互いに相互作用する。これらの力の組合わせは、数個のpHに 応答する相の存在に帰着する。本明細書に参考文献として取り込まれるアンナカ 及びタナカ(Annaka and Tanaka),Nature 335:430-432(1992),を参照されたい。 等式は容積変化のこれらの様相の全てを定量的に説明する。本明細書に参考文献 として取り込まれる、T.タナカ、D.J.フィルモア、S-T.スン、I.ニイオ、G.A.ス イルスロウ及びA.シャー(T.Tanaka,D.J.Fillmore,S-T.Sun,I.Nihio,G.A.Swilslo w,and A.Shar),Phys.Rev.Letters,455 1636(1980)及び米国特許第5,100,933 号 (Tanaka et al.)を参照されたい。又他の理論的記述についてはS.H.ゲールク(S. H.Gehrke),Adv.Polymer Science 110:81-144(1993)を参照されたい。 ゲルの応答性成分のモル百分率は、広範囲にわたって変更することができる。 しかし、成分のあらゆる組合わせで、本明細書記載の性質を持つゲルが得られる とは限らない。多すぎる応答性成分を持つことと、充分でない結合部持つ中間に 、 選ばれた適用に適した釣り合いの取れた応答性成分/結合部の特定の比が存在す る。応答性成分の好ましい範囲は、約400mM から約5M の間であり、一方通常5 M より多くない結合部が適している。成分の値の範囲をもつゲルを合成するには 、ルーティンの実験以上のものは必要としない。 B.結合部 選択された目標物質に対する各種の親和力基が同定されている選択的イオン交 換の分野では、膨大なデータベースが存在する。それにもかかわらず、選ばれた 親和力基を本発明の目標物質結合のモノマー成分として無差別に使用した場合、 結果としてのゲルはゲルが膨脹状態でも或いは収縮状態でも単に選択的イオン交 換剤のように働く。この場合、各結合部位は単独の結合部でありゲルの容積の膨 脹及び/又は収縮は目標物質に対する単独結合部の親和力には影響を持たない。 しかし、結合には少なくとも2個の部分が必要であるために、結合成分が少なく とも2個の部分(即ちイミノジ酢酸はそれぞれ酢酸基を持つ2個の部分に分割さ れる)に効果的に分割するような方法で結合成分が合成された場合には、ゲルの 収縮及び膨脹は、目標物質に対するゲルの結合親和力(これは、本発明のゲルを 先行技術のゲルから区別する特徴である)に劇的に影響する。従って、選ばれた 結合部が本発明のゲルに適当かという事は、単に目標物質/親和力結合ペアを知 ることからは明白ではない。ルーティンの実験を用いて、当業者は特定の結合部 を2個の成分に容易に分割でき(或いは化学的に成分を新たに(de novo)合成し )、応答性ゲルを形成するためにそれらを重合でき、そして結合部位が再構築さ れてそしてゲルが収縮したときに活性かどうかを測定するために必要なゲルの収 縮及び膨脹を行うことができる。 結合部は、好ましくは: (i)グルタミン酸、リシン、オルニチン、アスパラギン酸、システイン、ヒス チジン、チロシン、及びp-アミノフェニルアラニンの一部のような官能側鎖をも つアルファ−アミノ酸; (ii)ジアミノピメリン酸のようなジアミノジカルボン酸; (iii)イミノジ酢酸及びその誘導体; (iv)アントラニル酸及びその誘導体; (v)サリチル酸及びその誘導体; (vi)ジエチレントリアミン の一部を含む。鉛、亜鉛及び銅に特異的な結合部は好ましくは: (i)Cu,Zn 及びPbを含む広範囲の金属を錯化する融通性のゆえに、エチレンジ アミンテトラ酢酸(EDTA); (ii)鉛に対する親和力のためにピロガロール;及び (iii)それらの低いpHでの効果のゆえにピコリルアミン の一部を含んでいても良い。本明細書に参考文献として取り込まれる、カルモ ン(Calmon),("Specific Ion Exchangers",in Ion Exchange for Pollution Cont rol(Calmon,C.and Gold,H.,eds.),Vol.II,151-154,CRC Press,Boca Raton,FL,1 979;及び"Specific and Chelate Exchangers:New Functional Polymers for Wa ter and Wastewater Treatment,"J.A.W.W.A.,73,652-656,1981を参照されたい。 好ましい目標物質結合部(そしてそれらの収縮した結合部位の型)の例として は、カルボン酸(ポリカルボン酸)、イミノジ酢酸(EDTA)、イソチオウロニウ ム(ポリイソチオウロニウム)、オキシム(例えばジメチルグリオキシム)、及 びピクリルアミン(ジピクリルアミン)を含む。最も好ましくは、結合部が、ゲ ルが膨脹したときには目標物質と結合せず、しかし、ゲルが収縮したときには目 標物質と結合することである。 好ましい結合部は、膨脹したゲル状態では目標物質を結合しないものである。 しかし、個々の結合部は、現実にはある態様において、結合部が収縮状態にある よりはるかに弱い結合親和力ではあるが、膨張状態でもある程度目標物質と結合 することは了解される。最も一般的な例は、イミノジ酢酸であり、結合部位とし て再構成された時はEDTAを得る。イミノジアセティックはそれ自体では2価金属 イオンを弱く結合するが、しかし、一度収縮すると、その結果としてのEDTAは特 定の2価イオンを非常に強く結合する。 結合部は、通常は応答性のゲルマトリックスに、ゲルの重合中に共重合され又 架橋される。最も好ましくは、応答性ポリマー成分力がNIPAの場合、結合性モノ マーはそれらがNIPAマトリックスに付加されるように、ビニル基と共に合成され る。 結合部は、好ましくはポリマー中の100 モノマー単位に対して約1-100 モル、 更に好ましくは100 モノマー単位につき約2-20モル加えられる。 生物学的に重要な分子も本明細書に記載されたゲル及び方法によって分離でき る。例えば、軽質及び重質の免疫グロブリン鎖の可変部の断片を本発明のゲルの 結合部として含めることができる。抗体及びそれの各種の断片の生産は当業者の 充分行える範囲でありそしてそれらの物質をポリマー内に固定する方法も既知で ある。“抗体”という用語は、単クローン性抗体、多クローン性抗体及び目標物 質と選択的応答性の組み替え核酸の技術によって調製された抗体を含むことを意 味する。“選択的応答性”という用語は、目標物質の1個又はそれ以上の抗原決 定基と応答し他の目標物質とは応答しない抗体を指す。抗原決定基は通常アミノ 酸或いは糖の側鎖のような分子の化学的に活性な表面基からなりそして特異的な 電荷特性と同様に特異的な3次元構造的特性を持つ。例として、抗体は:(i)原 核(例えばバクテリア)或いは真核細胞により発現された目標物質で動物を免疫 にすること;細胞は目標物質ペプチドの全て或いは一部についてヌクレオチドコ ード配列を含んでいる;或いは(ii)ペプチドの全て又は一部を発現する全ての細 胞で動物を免疫にすること、を含む方法により選ばれた目標物質となるペプチド のアミノ末端(N-末端)或いはカルボキシ末端(C-末端)で産生できる。選ばれ たペプチド目標物質の生産の見込みを更に改良するために、ペプチド目標物質の アミノ酸配列を増大した免疫原性と関連できる目標物質の部分を特定するため分 析することができる。例えば、ペプチド目標物質の配列は潜在的に免疫原性な表 面エピトープを特定するためコンピューター分析にかけることができる。そのよ うなコンピューター分析は抗原指数、親水性、アムフォフィリックヘリックス或 いはアムフォフィリックシートのような構造的特徴などのプロットの作成を含め られる。生物学的に関連した分子に向けられた単クローン性抗体結合部の調製は 無限増殖細胞系による抗体生産に用いられる全ての技術を用いることができる。 例えば、当初コーラー及びミルスタインにより開発されたハイブリドーマ技術(K ohler and Milstein,Nature,256:495-497,1973)、同様にトリオマ技術、ヒトB- 細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al.,Immunology Today,4:72)、及びヒト単 クローン性抗体を製造するEBV-ハイブリドーマ技術など。又ラリック等(Lallick et al.),の米国特許第5,001,065 号及び(Ladner et al.U.S.patents 4,704,69 4 and 4,976,778)及び本明細書に取り込まれた参考文献を参照されたい。 当業者は、選ばれた目標物質に対する適切な結合部を有する本発明のゲルを得 るために必要な他の設計法則を容易に確かめることができる。単なる例として、 金属イオンの配位化学は確立され、そして銅イオンは例えば、4個のカルボキシ ル基の酸素及び2個のアミン基の窒素のような、電子供与性の6個の基により満 たされるべき6個の配位位置を持つことは了解されている。例えば、本明細書に 参考文献として取り込まれる、D.D.エビング(D.D.Ebbing),General Chemlstry(e d.M.S.Wrihtson),Houghton Mifflin Co.,Boston,1984を参照されたい。 陰イオンも又適当な目標物質であることができる。この場合、適した結合部は アミン、ピリジン及びアマジンを含むことができる(上記カルモン(Calmon)参照 )。 モノマー/ポリマー開始物質を架橋する従来の方法は慣用的に調製されたと知 られる開始物質からルーチンの実験法により本発明のゲルを合成することに使用 できる。重合反応は、重合開始剤、例えば過硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸ソ ーダ、或いはアゾビスイソブチロニトリルのような遊離基開始剤を溶剤、例えば 水、低級アルコール、炭化水素などで希釈して、又は希釈せずに用いて開始され る。しかし、溶剤或いは重合開始剤も、モノマー混合物から重合製品を得るため には常に重要な要素ではなく、慣用的に既知のゲル化法から適切に選択されたい かなる方法も適用できる。架橋反応は又、紫外線又は電子ビーム照射によって引 き起こすことができる。 本発明のポリマーは又、マトリックス或いは隔膜上に固定することができる。 例えば、本物質は支持マトリックス、フィルム又は隔膜、管、中空ファイバー、 固形ファイバー、モールドされた物体、固形粒子、カプセル、ミセル或いはリポ ゾーム様構造に用いることができる。特に、N-イソプロピルアクリルアミド応答 性ゲルビーズの調製が、エマルジョン又は懸濁重合によったことが報告されてい る。本明細書に参考文献として取り込まれる、ヒロセ等(Hirose et al.),Macrom olecules 20,1342-4(1987);ユアサ等の米国特許第5,183,879 号(to Yuasa et a l.);及びコージン社の日本国特許第90-260558 号(to Kohjin Co.,Ltd.)を参照さ れたい。典型的な懸濁架橋法において、水性のポリマー懸濁物は、連続した有機 物の相に導入される。ポリマー懸濁物は、連続有機物相において、混合されない ものでなければならない。本発明のセルロースエーテルポリマーの場合のように 、ポリマーが水相に存在し連続有機物相に導入される場合、この方法は“逆懸濁 架橋”として知られる。ポリマーを含む水相は、水相が連続有機物相内で水滴と して分散するように、連続有機物相内で揺り動かすか又は攪拌される。架橋剤は 懸濁物に含まれポリマーを架橋する。架橋剤は好ましくは二官応基又は多官応基 の化学化合物であり、水滴中のポリマーと、ポリマー鎖の2個又はそれ以上の部 位と反応することができ、これにより水滴の大きさ及び形を保持したポリマー網 状構造を形成する。架橋剤は、連続有機物相に水相を分散するとき或いは後で添 加しても良いが、典型的には有機相に分散される前に、水性懸濁物に添加される 。更に、界面活性剤を、水滴形成を安定化しそして水滴の大きさを調節するため に、連続有機物相に添加しても良い。消泡剤を、水滴形成を促進しそして泡立ち を防ぐために、水溶液に添加しても良い。 C.架橋剤 本発明の実施についての追加の必要事項はゲルが架橋可能、好ましくは化学的 に架橋可能なことである。ポリマー上の2個又はそれ以上の基と反応できる試薬 は架橋剤として機能しそしてポリマーをゲルに転換する。ヒドロキシル、アミド 、カルボキシルのような応答性の側鎖基をもつポリマーは架橋しやすい(これら の基は又水溶性基であることに注意)したがって、架橋剤が水溶性であれば最も 好都合である。 適切な架橋剤は、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、N,N'−メチレン−ビ スアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、グリセリントリアク リレート又はジビニルベンゼンなど、グルタルアルデヒド、ジグリシジルエーテ ル、ジビニルスルホン、ジイソシアネート、エピクロロヒドリン、塩化フォスフ ォリル、トリメタフォスフェート、トリメチロメラミン、ポリアクロレイン及び セリウムイオンレドックスシステムを含む。架橋可能な物質の濃度は、主成分で ある重合可能な物質基準で約0.1 から約10モルパーセントである。架橋剤はポリ マーの部分架橋をもたらし、そしてゲルの機械的強度、膨潤の程度、及び容積変 化の引金の強さを、架橋密度を変化することにより、調節する手段を提供する。 多糖類容積変化成分、特にセルロースエーテル、に対する好ましい架橋剤は、ア ジピン酸(ヘキサン二酸:HOOC(CH2)4COOH)、コハク酸(HOOC(CH2)2COOH)、マロ ン酸(プロパン二酸:CH2(COOH)2)、セバシン酸(デカン二酸:HOOC(CH2)COOH )、グルタル酸(ペンタン二酸:HOOC(CH2)3COOH)或いは1,10-デカンジカルボン 酸のような多官応基のカルボン酸である。酒石酸或いはリンゴ酸のようなジカル ボキシルヒドロキシ酸、同様に1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸のような多官応 基のカルボン酸も又適している。不飽和の二塩基酸は、水溶性ポリマーを、乾燥 及び/又は熱の適用により、物理的に架橋することに用いられている。例えば、 本明細書に参考文献として取り込まれる、米国特許第3,379,720 号(Reid,)を参 照されたい。 D.触媒 過硫酸アンモニウム或いはメタ重亜硫酸ソーダのような遊離基開始剤のような 重合開始剤は、本発明の方法においては通常必要としない。しかし、水酸化物の ようにポリビニルスルホンとの反応に触媒作用を及ぼす触媒は必要である。 II.目標物質を選択的に除去する方法 A.一般的考察 一般的な手順としては、結合した目標物質を持たないゲルを収縮状態にさせる ことからなっており;(i)結合部位を形成するため、結合モノマー基を近接位置 に持っていき;(ii)目標物質と結合部位間の親和力の強さを増加し;そして(iii )ゲルを脱溶媒する。ついで、ゲルは再生される。これは親和力結合の強さを減 少するためそれの膨脹状態に置くことで達成される。次いで活性部位から目標物 質の金属イオンを置換するため溶離剤が添加され、そしてゲル中の目標物質を溶 離液からの適切なイオンで置き換える。 本発明の原理を証明するため、結合モノマー(アクリル酸(CH2=CHCOOH)= Acc )及びN-イソプロピルアクリルアミド(CH2=CHCONHCH(CH3)2= NIPA)からなるコポ リマーが合成された。実施例1を参照されたい。純粋のNIPAゲルは、温度を変化 させた時、水中で33℃で可逆的な容積変化が起こった。少なくとも2個のアクリ ル酸モノマーのカルボキシル基は、1個の2価陽イオンとの結合部位を形成でき る。 目標物質の銅イオンが溶液としてゲルに添加された時、膨脹したポリマー内部 の銅イオンの濃度はポリマー外部と同じであった。ゲルが収縮させられた時、ゲ ルが収縮状態の時は結合部位のみが現れることを示すように上澄溶液の目標物質 金属イオンは減少した。上澄溶液はゲルから分離されそしてゲルは脱イオン水中 で膨脹させられた。ゲルからは非常に僅かの目標物質が放出された。 他の実験において、上澄溶液はゲルから分離されそしてゲルは塩酸中で膨脹さ せられた。酸中の目標物質の濃度は酸中の目標物質の初期濃度の約3-4 倍であっ た。これらの実験は次ぎの原理を示唆する:(i)結合部位はゲルがその膨脹状態 に到達した時に両ケースとも消失したが、しかし目標物質イオンは、ゲルの全体 としての電荷の中性状態の必要性により、膨脹したゲルになお弱く付いていた。 (ii)目標物質の金属イオンを置換するために、H+イオン或いは他の陽イオンは目 標物質の金属イオンのために置換されなければならない。脱イオン水は非常に低 い濃度の(10-8M)H+を持ち、そしてこれだけが非常に長期間にわたってゲルの 結合部から目標物質金属を置換する。塩酸は、しかし、イオン性置換にその高い H+濃度のために充分な早さで寄与する。逆に、陰イオン性目標物質はヒドロキ シル陰イオンを供給するためにNaOHのような塩基による溶離が必要である。 他の実験において、目標物質金属イオンが添加された時、相転移温度閾値は徐 々に低下した。この低下は、目標物質金属イオンに起因する余分のポリマー間の 引力によるものである。遷移の大きさは目標物質濃度に応じて増加した。目標物 質濃度の変化による相転移温度閾値の遷移は、分子の目標物質を回収する操作に 活用できる。 溶液からの目標物質回収の方法は二つの基本的操作を含む:(i)溶液からの目 標物質の除去及び収縮したゲルマトリックス内へのそれらの親和力結合;(ii)ゲ ルからの目標物質の溶離(除去)及び回収。溶液から目標物質を除去しそして回 収することの原理は、特に重金属回収に関しては好結果に証明され、そして以下 に要約され、又容積変化と環境条件(例えば温度、光、pH)の引金の関連をプ ロットした図1で概略的に例示する。実施例1及び2を参照されたい。 選ばれた方法の操作方法は、(a)ゲルの化学的及び物理的性状、(b)溶液からゲ ルマトリックスへの目標物質の親和力結合、及び(c)ゲルマトリックスからの目 標物質の溶離及び回収、による。 1.収着(Sorption) 重金属目標物質の例示的収着工程は次の通りである:(図1参照):濃度MO の目標物質銅イオンの溶液を仮定し、そして我々は銅イオンを濃縮しそしてより 高い濃度MRECOVERで回収したい。第一の相転移閾値はMOにおいてTOであり、 そして第二の閾値はMRECOVERにおいてTRECOVERである。ここで、目標物質濃度 の増加による相転移閾値の低下によりTRECOVER<TOである。 最初に、膨潤したゲルはある環境条件TA(<TO)に於ける最初の溶液(MO )に置かれる;TRECOVERはTOより低いか又は等しい。銅イオンはゲルから自由 に出入りし拡散する。条件はTBに変更される(即ちより高い温度、より多い光 、より高いpH:ここでTRECOVER<TBそしてTB>TO)。ゲルは容積的な収縮 をうけ、そしてゲルが銅イオンでロードされるように、活性部位が結合部の近接 に形成される。溶剤は収縮していくゲルから吐き出され、収縮したゲルの外部の 上澄溶液は稀薄になり、そして捨てられるか、或いはより純粋な溶剤として回収 される。 2.溶離/再生 溶離溶液は次いでゲルと接触させられ、目標物質の溶液濃度が、ゲルが膨脹し た後、MRECOVERになるように収縮する(図1参照)。条件は次いでTC<或いは =TA<TRECOVER<TOに変更される(即ち温度を下げる、光量を下げる、pH を下げる)。結合していた銅イオンは溶離され、濃度MRECOVER>MOで放出され る。溶離溶液は陽イオン(即ちHCl,NaCl)を含んでおり、ゲル内の金属イオンの 全てを置き換える陽イオン(水素又はナトリウムイオン)が選ばれる。ゲルは今 や膨脹され、そして湿潤で多量の金属イオンも無く、そして再生されたゲルとし て次ぎのサイクルに行く準備が整った。第2のサイクルはゲルを最初の溶液に置 くことから始まる。図1は環境条件の大きさが増加すると収縮することが例示さ れているが、ゲルは逆の傾向を示すようにも合成できそして、本発明の範囲から 逸脱することなく、目標物質抽出の方法もそれに従って変更できる。 目標物質分子に対する選択性或いは親和力の差は、相転移閾値の差によって表 示される。実施例3及び図3を参照されたい。我々は相転移閾値温度が、2価の 陽イオンCa,Co,Mg,及びMnについて、ほとんど同じであことを証明した。実質的 な遷移は、2価の陽イオンZn,Co,Fe,及びPbについて観察された。選択的吸収及 び回収は、異なる目標物質間の相転移温度閾値の差を利用することによって達成 できる。例えば、我々はCu+2イオンをCa+2イオンから分離したいと考える。ゲル 収縮の温度をカルシウム及び銅の相転移閾値温度間の中間を選ぶことにより(TCu <TA<TCa)、より多いCu+2イオンが収縮したゲル内に蓄積される。 その様な選択は、実際にNIPA/Acc/AAm(684mM/8TnM/8mM)ゲル684 を、夫々同じ 濃度(1mM)を持つCu+2及びCa+2イオンの溶液に、40℃で浸すことにより達成され た。図4を参照されたい。ゲルが収縮されるような濃度の範囲において、明らか な選択性がある。ゲルはCa+2イオンより5倍以上も多くのCu+2イオンを吸収した 。選択性はゲルが膨潤した時に壊された。 図5は、目標物質が10ミクロモルである時のNIPA/AAc(500mM/200mM)の膨潤応 答を例示する。相転移は今や不連続である(矢印は膨脹状態と収縮状態の間に明 らかな中間の容積状態が無い容積変化を示す;黒三角:カルシウムイオンと、黒 四角:銅イオンを比較されたい)。図5は、又相転移閾値に対する目標物質濃度 の影響を例示する。銅イオン内のゲルの収縮の相転移温度閾値でゲルの銅濃度が 増加されること(黒四角:下向矢印)を、新しいより高い銅濃度での同じゲルの 膨脹(白四角:上向矢印)と比較されたい。 容積応答は、金属イオンの種類に顕著に依存する。ゲルの相転移の性質を決定 するための実験において、3個の異なる2価の金属イオンが考察された:Cu+2,C a,+2及びFe+2(図6)。それらが異なるという事実は、それらイオンの識別を容 易にした。ゲルはカルシウムに対し、最も選択的でないと思われる。これら個々 のイオンは、ゲルの収縮及び膨脹のために適切な温度を選ぶことにより、選択的 に集めることができる。 実施例1:応答性ゲルの性状 ゲルシステムは、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)、アクリル酸(AAc)、 及びアクリルアミド(AAm)のコポリマーからなる。ポリマーゲルは、主として、 一つは容積相転移に責任のある、即ちNIPA、そして他は金属イオンの選択的捕獲 に責任のある、即ちAAc及びAAm、の二つのグループからなる。イオン性モノマー (AAc及びAAm)の添加は、本来非イオン性のNIPAゲルをpH、電界、溶液電解質に 敏感にする。 両グループの全体の濃度は700mM、即ち[NIPA]+[AAc]+[AAm]=700mM に 固定された。これらの成分は8.6mM のN,N'-メチレンビスアクリルアミド(BIS)と 架橋され、そして遊離基共重合の標準的な方法を用いて、脱イオンされた蒸留水 に溶解された。重合(ゲル化)は、室温(20℃)で行われ、そして1.76mMの過硫 酸アンモニウム(APS)の添加により開始され、そして8.6mM のテトラメチルエチ レンジアミン(TEMED)の添加により促進された。ゲル化が完了した後、ゲルは残 存する薬品を洗い流す為大量の水に浸された。濡れたゲルは次いで450 μm のメ ッシュスクリーンを通して絞られた。 このNIPAベースのゲルは次ぎの性状を持つ:(i)室温においてゲルはその膨脹 状態にある;(ii)温度がその相転移温度閾値以上に増加されると、マトリックス 内の全ての液体を放出しゲルは収縮する(イオン性モノマーを含まない([AAc ]+[AAm ]=0)蒸留水中のゲルの相転移温度は、約34℃である);(iii)イオ ン性モノマーがNIPAに添加された時、ゲルはイオン化され、ゲルが蒸留水に晒さ れた時、相転移温度閾値は34℃を越えて増加する;そして(iv)ゲルが金属を含む 溶液に入れられた時、相転移温度閾値は蒸留水に相当するより以下に低下し、そ して相転移温度閾値の遷移は金属濃度に伴い単調に増加する。 これらのゲルの利点はゲルの負の電荷が永久的にゲルマトリックスに付き、そ して細孔構造への金属の拡散時間が比較的、ミクロン単位の粒子に対し秒の単位 で、早いことである。NIPA-AAc-AAmゲルシステムにおいて、AAc 及びAAm は結合 部として働き、そしてNIPAマトリックスに共有的に結合している。 ゲルの応答を開始するのに用いられる刺激物質の関数としてゲルの膨潤或いは 収縮を決定する実験の構成は、一般的に直径dO(直径 110μm 又は 140μm)のガ ラス製マイクロピペットを含む試験管である。前−ゲル溶液がマイクロピペット に加えられた後、ゲル化はピペットの内部で完了される。ピペットの一端のガラ スが切られ、そしてゲルの周囲から取り除かれる。ピペットは環境が調節されて いるより大きな試験管内に吊り下げられている。例えば、ゲルが温度に応答する 時、ピペットは温度調節されている槽内に置かれそして温度が変化される。刺 激物質に晒されるゲルの直径は、顕微鏡により光学的に測定され、そして温度の 関数として記録される。ゲル直径への銅濃度の影響を決定するとき、一定濃度( 及び温度)を持つ銅溶液がゲル上に流され、平衡ゲル直径、d、が測定される。 次いで温度が変更され再び測定がなされる。ある場合には、ゲルの挙動が可逆的 であことを確認するために、温度が連続的に増加されそして連続的に減少される 。 表1は、膨潤曲線が決定されたゲルの組成を示す。 これらのゲルは異なった膨潤曲線を示し、そして64mM以下のAAc の濃度を除き 、全てのゲルは目標物質濃度の関数としての相転移温度閾値に有意な変化を示し た。図2及び7は、五つの異なった銅イオン濃度:0,1μM,3μM,10μM,及び15 mM内での、NIPA(500mM)及びAAc(200mM)より作られたコポリマーゲルの直径を示 す。銅イオン濃度の増加に伴い、相転移閾値に激しい減少があり、これは、これ らのゲルを用いた溶液からの銅イオン除去の実行の可能性を証明している。容積 応答はより高い目標物質濃度(15mM)では連続的になる。 図8及び9は、目標物質濃度の関数としてのNIPA-AAcゲルの膨潤の度合いを示 す。温度は、図8においては35℃に、そして図9では40℃に固定した。より高い 温度(図9)では転移は不連続となる。図10は、種々の目標物質濃度(0μM,6.8 μM,及び50μM,)に於ける、NIPA-AAc-AAmゲル(188mM/256mM/256mM)の膨潤の度 合いを、温度の関数として示し、そして蒸留水にのみ不連続転移を示している。 実施例2:ゲルの収着 バッチ式実験は次ぎの方法で実行された。NIPA-AAc(500mM:200mM)を含む約10 グラムの湿ったゲル(蒸留水を含む)は、各種の濃度の50mLの塩化銅溶液を含む ビーカーに入れられた。ゲルの乾燥重量は0.1 グラムである。溶液及びゲルは連 続的に攪拌された。溶液はゲルの相転移温度より数度高い45から50℃に加熱され 、そしてゲルは収縮した。次いで上澄液の金属濃度は原子吸光分光測光法により 測定された。上澄液は抜き出されそして20mLより僅か多い溶離剤(塩化ナトリウ ム)が相転移温度より低い温度でゲルに加えられた。ゲルは膨脹しそして銅イオ ンを放出した。上澄液の銅濃度が測定された。 溶液からの金属の収着を示した試験結果は、表2に示す。 除去の百分率は、ゲルによって溶液から除去された金属の総量を、最初の金属 濃度が最初のゲル中の水によって希釈されていることを考慮して、最初に溶液中 に見出だされた金属の量で割ったものである。 表2は、亜鉛を除き、ゲルは、ゲルの細孔容積に見出だされるより多くの金属 を除去し、AAc が溶液中の目標物質金属と実際に結合することを示している。除 去の効率に基づけば、鉛はAAc により最も多く結合されるように見え、次いで銅 或いは鉄;亜鉛はAAC によって強くは結合されないように見える。原料溶液中の ナトリウムの存在は、銅に対するゲルの吸い上げを疎外しない。選ばれたゲルに 対し、結合は最初の溶液の目標物質濃度によって制限されるかも知れない。目標 物質濃度が原料溶液においてすでに高すぎる場合、ゲルは更に多くのゲルを結合 する能力を持たないかも知れない。ゲルの能力及び溶液中のイオンの総量の間に は最良の回収を与える最適な比が存在する。 実施例3:ゲルの溶離及び再生 最初に、0.1mM のナトリウム塩溶液がゲルの収縮により結合された目標物質イ オンのゲルを溶離するのに使用した。ゲル中の金属の10パーセント以下が溶離さ れた。次いで塩酸がゲルの溶離に使用された。試験結果は表3に示されている。 一般的に、ゲルマトリックス上に結合された金属の殆どはHCl での溶離により 回収され、そして洗浄溶液の金属の濃度は原料溶液のそれよりも約3倍高かった 。 有用性/適用 本技術の適用は、汚染防止、特に金属イオンの除去及び、廃水及び金属メッキ 浸液のような工程溶液からの、価値ある金属イオンの回収/濃縮を含む。貴金属 のイオンの形のものは、本発明のゲル或いは方法を用いて、それの塩或いは他の 金属化合物から都合良く分離できる。金属は、金、銀、白金、パラジウム、イリ ジウム、オスミウム、ロジウム及びルテニウムを含む。“塩”という用語は、可 溶性塩(それらの溶媒和した単純な及び錯イオンを含む)及び不溶性塩及び金属 エステルを含むことを意図し、“化合物”は、可溶性及び不溶性の酸化物、並び に、金属及び非金属の組み合わせ、例えばテルル化金又はヒ化銀、を含むことを 意図している。典型的な貴金属の単純/錯イオンは、ニトラト白金酸銀、過レニ ウム酸ジアミン銀、プラチナモノヒドロキシクロリックアシド、テトラミン白金 酸塩(II)、クロリドヒドレート、硝酸ニトラトペンタミン白金、塩化金、硝酸銀 、及びテトラミン過レニウム酸亜鉛である。処理されるべきイオンは、鉱石、工 業廃棄物、及び水の精製或いは鉱石処理から得られる濃縮物を含む。例えば、イ オンの形は、遊離金属、金属塩又は金属化合物の採掘;宝石加工;メッキ溶液; 写真フィルム製造及び現像;そして重金属汚染処理からであり得る。金属陽イオ ンが出てくる典型的な塩は、フルオアンチモン酸塩、フルオチタン酸塩、フルオ ゲ ルマニウム酸アンモニウム、メタバナディウム酸カリウム、及びコバルト硝酸塩 、シアノ銅酸塩、鉄酸塩、メタゲルマニウム酸塩七水和物、シュウ酸鉄、モリブ デン酸塩、タングステン酸塩、及びシリコタングステン酸ナトリウム十二水和物 を含む。金属陽イオン原料は、製錬、遊離金属、金属塩、或いは金属化合物から ;製造工程、メッキ溶液、及び重金属汚染処理からの結果である。 その他の適用としては、硬水からカルシウムが除去されナトリウム又は水素と 置き換えられる水の軟化;飲料水源に見出だされる硝酸塩(肥料から発生する) のような負に荷電したイオンの溶液からの除去;汚染防止;医薬及び組み替えD NA製造工程に於ける生物分離、特に中濃度から稀薄なブイヨンからの生物学的 製品の精製;精製は製品にとって非常に高度に選択的でありそして類似した化学 的機能性及び物理的性状の不純物を除去する、が挙げられる。 均等物 好ましい態様の種々の変更或いは改変は、本発明の範囲内で行うことができる ことは、了解されるべきである。それゆえに上の記載に含まれる全ての事項は例 示的であり限定された意味ではないと解釈されることを意図している。
【手続補正書】 【提出日】1997年4月16日 【補正内容】 【図1】 【図2】 【図3】 【図4】 【図5】 【図6】 【図7】 【図8】 【図9】 【図10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イングリッシュ,アンソニー・イー カナダ国ブリティッシュ・コロンビア州ブ イ0エヌ 2ダブリューオー,ロバーツ・ クリーク,ジェネラル・デリバリー (番 地なし) (72)発明者 キング,キャスリーン・ローズ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01775, ストウ,ファーム・ロード 39 (72)発明者 レヴィ,ロンダ・ダルメイジ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01748, ホプキントン,アシュ・ストリート 53 (72)発明者 マサムネ,サトル アメリカ合衆国マサチューセッツ州02159, ニュートン,ブルックリン・ストリート 182 (72)発明者 ワン,チャンナン アメリカ合衆国マサチューセッツ州02140, ケンブリッジ,リンゲ・アベニュー 402, アパートメント 135 【要約の続き】 び他の目標物質溶液から選ばれた目標物質を選択的に除 去する方法も記載される。好ましい態様において環境条 件の変更の手順は、ゲルの温度を変更することからな る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. (i)目標物質に対する少なくとも2個の結合部と、ここで、該少なくとも 2個の結合部が互いに近接位置にきて結合部位を形成したときには、該少なくと も2個の結合部は目標物質と結合する能力があり; (ii)該少なくとも2個の結合部と結合する応答性ポリマー成分と、ここで、該 応答性ポリマー成分は、環境条件の変化に応答して可逆的に容積の収縮及び膨脹 を受けるように適合しているものであり、該ポリマーゲルは、膨脹の相転移閾値 と異なる収縮の相転移閾値を有し、相転移閾値においてポリマーゲルが収縮状態 に収縮するときには、結合部位が目標物質と結合することを許すように該少なく とも2個の結合部が互いに及び目標物質と充分に近接するとともに、該ポリマー が相転移閾値において膨脹状態に膨脹するときには、少なくとも2個の結合部が 互いに及び目標物質から切り離されるように、該応答性ゲルが構築されている、 を有する3次元の可逆的応答性ポリマーゲル。 2. 目標物質の濃度の相違のために、膨脹及び収縮の相転移閾値が互いに異な る、請求の範囲第1項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲル。 3. 一定の目標物質の濃度において、目標物質の種類の相違のために、膨脹及 び収縮の相転移閾値が互いに異なる、請求の範囲第1項に記載の可逆的応答性ポ リマ−ゲル。 4. ゲルが収縮状態にあり、該収縮ゲルに結合している目標物質を含む、請求 の範囲第3項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲル。 5. 該応答性ポリマ−成分が、イオン結合、疎水結合、水素結合、及びファン デルワールス結合からなるグループから選択される、主として相互作用に起因す る容積変化を受ける、請求の範囲第1項に記載の可逆的応答性ポリマーゲル。 6. 該応答性ポリマー成分が、N-イソプロピルアクリルアミドである、請求の 範囲第1項に記載の可逆的応答性ポリマーゲル。 7. 該少なくとも2個の結合部の各々が、同一であるとともに、オキシム、ア クリル酸、イミノジ酢酸及びその誘導体、サリチル酸及びその誘導体、ピコリル アミン、イソチオウロニウム、アントラニル酸及びその誘導体、ジエチレントリ アミン、並びに、ピクリルアミンからなるグループから選択される、請求の範囲 第1項に記載の可逆的応答性ポリマーゲル。 8. 該少なくとも2個の結合部の各々が、同一であるとともに、アミン、ピリ ジン、及びアマジンからなるグループから選択される、請求の範囲第1項に記載 の可逆的応答性ポリマ−ゲル。 9. 該少なくとも2個の結合部の各々が、同一であるとともに、アルファ−ア ミノ酸の断片を含む、請求の範囲第1項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲル。 10. 該アルファ−アミノ酸が、グルタミン酸、リシン、オルニチン、アスパル ギン酸、システイン、ヒスチジン、チロシン、及びp-アミノフェニルアラニンか らなるグループから選択される、請求の範囲第9項に記載の可逆的応答性ポリマ −ゲル。 11. 該応答性ポリマー及び該結合部が、約2.5 対1のモル重量比である、請求 の範囲第6項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲル。 12.ゲルが、ゲルの温度変化に可逆的に応答性であり、そして2つの異なった相 転移温度閾値を持つ、請求の範囲第3項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲル。 13. 請求の範囲第3項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲルを目標物質と接触さ せること、ここで、該目標物質は該結合部位に結合親和性を有し;及び ゲルが収縮状態に移ることを許すこと、ここで、該少なくとも2個の結合部が 互いに及び目標物質と充分に近接することにより、該目標物質と結合する結合部 位を形成する、 を含む目標物質を環境から除去する方法。 14. 請求の範囲第3項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲルを回収すべき目標物 質と接触させること; 該ゲルの温度を変更して、その容積収縮を引き起こすことにより、該ゲルに結 合部位を形成させること; 該ゲルの容積膨脹を引き起こすために、該ゲルの温度を変更すること;及び 該ゲルから目標物質を放出することにより該ゲルを再生すること、 を含む目標物質を含む環境から目標物質を除去する方法。 15. 温度を変更する工程と再生工程が実質的に同時に起こる、請求の範囲第14 項に記載の方法。 16. ゲルの再生工程が、該ゲルを溶離剤と接触させ、膨脹したゲルから目標物 質を置換することを含む、請求の範囲第14項に記載の方法。 17. 請求の範囲第3項に記載の可逆的応答性ポリマ−ゲルを、目標物質及び他 の目標物質と接触させること、ここで、該ゲルは、目標物質中において、該他の 目標物質中においてよりも低い相転移閾値を持つ; 目標物質及び該他の目標物質の相転移閾値の中間の条件に、ゲルの環境条件を 変更すること; ゲルを収縮状態に移すことを許すこと、ここで、該少なくとも2個の結合部が 互いに及び目標物質と充分に近接させることにより、二つの相転移閾値のうちよ り低い方を持つ目標物質と結合する、 を含む、目標物質及び他の目標物質の溶液から、選ばれた目標物質を選択的に 除去する方法。 18. 接触工程が、ゲルを2種の異なる2価陽イオンの目標物質と接触させるこ とを含む請求の範囲第17項に記載の方法。 19. 環境条件の変更工程が、ゲルの温度を変更することを含む、請求の範囲第 17項に記載の方法。
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