JPH1048805A - ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク - Google Patents
ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスクInfo
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- JPH1048805A JPH1048805A JP20031696A JP20031696A JPH1048805A JP H1048805 A JPH1048805 A JP H1048805A JP 20031696 A JP20031696 A JP 20031696A JP 20031696 A JP20031696 A JP 20031696A JP H1048805 A JPH1048805 A JP H1048805A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】半透明層を構成している炭窒化珪素膜の膜中の
窒素原子の含有量を制御することにより、所望の光学特
性(位相差、透過率)が再現性良く得られるようにし
て、高精度なパターン形成が可能なハーフトーン型位相
シフトマスクブランク及びマスクを提供することを目的
とする。 【解決手段】透明基板1上の半透明層2が炭窒化珪素膜
からなるハーフトーン型位相シフトマスクブランク及び
ハーフトーン型位相シフトマスにおいて、該炭窒化珪素
膜2の膜中に窒素原子が少なくとも20%以上含まれて
いることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク
ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスクとしたも
のである。
窒素原子の含有量を制御することにより、所望の光学特
性(位相差、透過率)が再現性良く得られるようにし
て、高精度なパターン形成が可能なハーフトーン型位相
シフトマスクブランク及びマスクを提供することを目的
とする。 【解決手段】透明基板1上の半透明層2が炭窒化珪素膜
からなるハーフトーン型位相シフトマスクブランク及び
ハーフトーン型位相シフトマスにおいて、該炭窒化珪素
膜2の膜中に窒素原子が少なくとも20%以上含まれて
いることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク
ブランク及びハーフトーン型位相シフトマスクとしたも
のである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハーフトーン型位相
シフトマスクに関し、特にパターンの解像力を向上させ
るハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフ
トーン型位相シフトマスクの改良に関するものである。
シフトマスクに関し、特にパターンの解像力を向上させ
るハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフ
トーン型位相シフトマスクの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフォトマスクでは、微細なパター
ンの投影露光に際し、近接したパターンはマスクの光透
過部を通過した光が回折し、干渉し合うことによって、
パターン境界部での光強度を強め合い、フォトレジスト
が感光して、ウェハー上に転写されたパターンが分離解
像しないという問題が生じていた。この現象は露光波長
に近い微細なパターンほどその傾向が強く、原理的には
従来のフォトマスクと従来の露光光学系では光の波長以
下の微細パターンを解像することは不可能であった。
ンの投影露光に際し、近接したパターンはマスクの光透
過部を通過した光が回折し、干渉し合うことによって、
パターン境界部での光強度を強め合い、フォトレジスト
が感光して、ウェハー上に転写されたパターンが分離解
像しないという問題が生じていた。この現象は露光波長
に近い微細なパターンほどその傾向が強く、原理的には
従来のフォトマスクと従来の露光光学系では光の波長以
下の微細パターンを解像することは不可能であった。
【0003】そこで、隣接するパターンを透過する投影
光の位相差を互いに180度とすることにより微細パタ
ーンの解像力を向上させるという、位相シフト技術を用
いた位相シフトマスクが開発された。すなわち、隣接す
る開口部の片側に位相シフト部を設けることにより、透
過光が回折し干渉し合う際、位相が反転しているために
境界部の光強度は弱め合い、その結果転写パターンは分
離解像する。この関係は焦点の前後でも成り立っている
ため、焦点が多少ずれていても解像度は従来法よりも向
上し、焦点裕度が改善される。
光の位相差を互いに180度とすることにより微細パタ
ーンの解像力を向上させるという、位相シフト技術を用
いた位相シフトマスクが開発された。すなわち、隣接す
る開口部の片側に位相シフト部を設けることにより、透
過光が回折し干渉し合う際、位相が反転しているために
境界部の光強度は弱め合い、その結果転写パターンは分
離解像する。この関係は焦点の前後でも成り立っている
ため、焦点が多少ずれていても解像度は従来法よりも向
上し、焦点裕度が改善される。
【0004】上記のような位相シフト法はIBMのLe
vensonらによって提唱され、特開昭58−173
744号公報や特公昭62−50811号公報に記載さ
れている。パターンを遮光層で形成する場合は、遮光パ
ターンに隣接する開口部の片側に位相シフト部を設けて
位相反転させるが、遮光層が完全な遮光性を持たず、か
つ、この半透明層によって位相が反転される場合にも、
同様な解像度向上効果が得られ、この場合は特に孤立パ
ターンの解像度向上に有効である。
vensonらによって提唱され、特開昭58−173
744号公報や特公昭62−50811号公報に記載さ
れている。パターンを遮光層で形成する場合は、遮光パ
ターンに隣接する開口部の片側に位相シフト部を設けて
位相反転させるが、遮光層が完全な遮光性を持たず、か
つ、この半透明層によって位相が反転される場合にも、
同様な解像度向上効果が得られ、この場合は特に孤立パ
ターンの解像度向上に有効である。
【0005】後者のような効果を与える位相シフトマス
クを一般にハーフトーン型と称する。この技術には半透
明膜と位相シフト層を積層する2層ハーフトーン型マス
クと半透明層マスクに位相シフト効果も持たせる単層ハ
ーフトーン型マスクの2種類がある。
クを一般にハーフトーン型と称する。この技術には半透
明膜と位相シフト層を積層する2層ハーフトーン型マス
クと半透明層マスクに位相シフト効果も持たせる単層ハ
ーフトーン型マスクの2種類がある。
【0006】ハーフトーン型位相シフト技術は、例えば
第38回春季応用物理学会予稿集第2分冊p535、2
9p−zc−3(1991)に述べられている。位相シ
フト効果を最大にするためには、位相シフト量を180
゜にすることが望ましい。このためにはd=λ/{2
(n−1)}…(dは位相シフト部膜厚、λは露光波
長、nは位相シフト部の屈折率)の関係が成り立つよう
半透明層を形成すればよい。
第38回春季応用物理学会予稿集第2分冊p535、2
9p−zc−3(1991)に述べられている。位相シ
フト効果を最大にするためには、位相シフト量を180
゜にすることが望ましい。このためにはd=λ/{2
(n−1)}…(dは位相シフト部膜厚、λは露光波
長、nは位相シフト部の屈折率)の関係が成り立つよう
半透明層を形成すればよい。
【0007】図4(a)に従来のハーフトーン型位相シ
フトマスクブランク及び(b)には従来のハーフトーン
型位相シフトマスクを示した。図4(a)は透明基板1
1の上に、従来の半透明層12を設けた位相シフトマス
クブランクであり、図4(b)は従来の半透明層12を
パターン化して半透明パターン12aを形成した位相シ
フトマスクである。
フトマスクブランク及び(b)には従来のハーフトーン
型位相シフトマスクを示した。図4(a)は透明基板1
1の上に、従来の半透明層12を設けた位相シフトマス
クブランクであり、図4(b)は従来の半透明層12を
パターン化して半透明パターン12aを形成した位相シ
フトマスクである。
【0008】この半透明層12としては、TaSi化合
物(TaSiO、TaSiN、TaSiON)、Cr化
合物(CrO、CrN、CrON)、酸化炭化ケイ素
(SiCO)などがある。前記従来の半透明層であるT
aSi化合物は、露光光であるエキシマレーザーや洗浄
液であるRCA溶液等のアルカリ溶液に対しての充分な
耐性を持っていない等の問題があった。
物(TaSiO、TaSiN、TaSiON)、Cr化
合物(CrO、CrN、CrON)、酸化炭化ケイ素
(SiCO)などがある。前記従来の半透明層であるT
aSi化合物は、露光光であるエキシマレーザーや洗浄
液であるRCA溶液等のアルカリ溶液に対しての充分な
耐性を持っていない等の問題があった。
【0009】Cr化合物は、反応性ガスを用いて成膜す
る場合、Cr化合物膜の成膜時の光学特性(位相差、透
過率)の再現性が悪く、更に目標光学特性値を達成する
ための領域が狭く制御性が悪い等の問題があった。
る場合、Cr化合物膜の成膜時の光学特性(位相差、透
過率)の再現性が悪く、更に目標光学特性値を達成する
ための領域が狭く制御性が悪い等の問題があった。
【0010】次に、酸化炭化ケイ素(SiCO)膜にお
いて透過率と位相差の光学特性を同時に満たすことは可
能であるが、酸化炭化ケイ素膜成膜時に酸素を少量添加
するだけで光学特性が大きく変化し、成膜時の光学特性
再現性や制御性が悪い。さらに膜の屈折率が小さいので
位相差を目標値まで達成するには膜厚を厚くする必要が
ある。従ってパターン形成時のドライエッチングが長く
なり、加工性が悪くなる。さらにRCA溶液に対して容
易に溶解してしまう等の問題があった。
いて透過率と位相差の光学特性を同時に満たすことは可
能であるが、酸化炭化ケイ素膜成膜時に酸素を少量添加
するだけで光学特性が大きく変化し、成膜時の光学特性
再現性や制御性が悪い。さらに膜の屈折率が小さいので
位相差を目標値まで達成するには膜厚を厚くする必要が
ある。従ってパターン形成時のドライエッチングが長く
なり、加工性が悪くなる。さらにRCA溶液に対して容
易に溶解してしまう等の問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
TaSiO膜、TaSiN膜、TaSiON膜は耐光
性、薬品耐性で、CrO膜、CrN膜、CrON膜、S
iCO膜は成膜時の光学特性再現性や制御性で、さらに
SiCO膜は薬品耐性、加工性で問題があった。
TaSiO膜、TaSiN膜、TaSiON膜は耐光
性、薬品耐性で、CrO膜、CrN膜、CrON膜、S
iCO膜は成膜時の光学特性再現性や制御性で、さらに
SiCO膜は薬品耐性、加工性で問題があった。
【0012】本発明は以上のような問題点に着目してな
されたもので、詳しくは、半透明層を構成している炭窒
化珪素膜の膜中の窒素原子を制御することにより、所望
の光学特性(位相差、透過率)が再現性良く得られるよ
うにして、高精度なパターン形成が可能なハーフトーン
型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シ
フトマスクを提供することを目的とする。
されたもので、詳しくは、半透明層を構成している炭窒
化珪素膜の膜中の窒素原子を制御することにより、所望
の光学特性(位相差、透過率)が再現性良く得られるよ
うにして、高精度なパターン形成が可能なハーフトーン
型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シ
フトマスクを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を解決するために、まず請求項1においては、透明基板
上の半透明層が炭窒化珪素膜からなるハーフトーン型位
相シフトマスクブランクにおいて、該炭窒化珪素膜の膜
中に窒素原子が少なくとも20%以上含まれていること
を特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク
としたものである。
を解決するために、まず請求項1においては、透明基板
上の半透明層が炭窒化珪素膜からなるハーフトーン型位
相シフトマスクブランクにおいて、該炭窒化珪素膜の膜
中に窒素原子が少なくとも20%以上含まれていること
を特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク
としたものである。
【0014】また、請求項2においては、透明基板上に
炭窒化珪素膜からなる半透明層をパターン化してなるハ
ーフトーン型位相シフトマスクにおいて、該炭窒化珪素
膜の膜中に窒素原子が20%以上含まれていることを特
徴とするハーフトーン型位相シフトマスクとしたもので
ある。
炭窒化珪素膜からなる半透明層をパターン化してなるハ
ーフトーン型位相シフトマスクにおいて、該炭窒化珪素
膜の膜中に窒素原子が20%以上含まれていることを特
徴とするハーフトーン型位相シフトマスクとしたもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明をさら
に詳細に説明する。図1は本発明の半透明層を有するハ
ーフトーン型位相シフトマスクブランク及びそれを用い
て作製されたハーフトーン型位相シフトマスクの説明図
である。
に詳細に説明する。図1は本発明の半透明層を有するハ
ーフトーン型位相シフトマスクブランク及びそれを用い
て作製されたハーフトーン型位相シフトマスクの説明図
である。
【0016】本発明は、炭窒化珪素(SiCN)膜を半
透明層として使用し、炭窒化珪素膜の膜中の窒素原子を
制御することにより、所望の光学特性(位相差Ф、透過
率T)を再現性良く得ようとするものであり、その特性
を以下に示す。まず、半透明層である炭窒化珪素膜の光
学特性は位相差Ф:180度、透過率T:5〜15%を
同時に満たす必要がある。
透明層として使用し、炭窒化珪素膜の膜中の窒素原子を
制御することにより、所望の光学特性(位相差Ф、透過
率T)を再現性良く得ようとするものであり、その特性
を以下に示す。まず、半透明層である炭窒化珪素膜の光
学特性は位相差Ф:180度、透過率T:5〜15%を
同時に満たす必要がある。
【0017】ここで、上記の光学特性(位相差Ф、透過
率T)と膜厚dを満足するためには、図2の斜線の範囲
の屈折率nと消衰係数kを有する半透明層を形成してや
ればよい。図2のグラフの斜線部は、横軸に屈折率n、
縦軸に消衰係数kを示したもので、透過率15%と透過
率5%の2本の曲線の間に屈折率nと消衰係数kが入る
と、その膜は位相差180度の時に、透過率5〜15%
の目標値を満たしていることを示している。
率T)と膜厚dを満足するためには、図2の斜線の範囲
の屈折率nと消衰係数kを有する半透明層を形成してや
ればよい。図2のグラフの斜線部は、横軸に屈折率n、
縦軸に消衰係数kを示したもので、透過率15%と透過
率5%の2本の曲線の間に屈折率nと消衰係数kが入る
と、その膜は位相差180度の時に、透過率5〜15%
の目標値を満たしていることを示している。
【0018】次に、SiC(炭化珪素)を主成分とした
ターゲットを用い、アルゴンガスと窒素ガスの混合ガス
による反応性スパッタにより透明基板上に炭窒化珪素膜
を成膜することによってハーフトーン型位相シフトマス
クブランクを得る。ここで、炭窒化珪素膜の膜中の窒素
原子は得られた膜の透明性に影響を及ぼし、膜中の窒素
原子の含有量が20%以下の場合248nmでの透過率
が5%以下になり、透過率の変動幅が大きくなるとが判
明した。さらに、膜中の窒素原子の含有量が20%以上
の炭窒化珪素膜では、膜中の窒素原子の含有量の変化に
対して光学特性の変化は緩やかになる。このことは、窒
素ガス流量が多少変化しても、光学特性の変化は緩やか
で、光学特性の再現性や制御性が容易であることを示し
ている。
ターゲットを用い、アルゴンガスと窒素ガスの混合ガス
による反応性スパッタにより透明基板上に炭窒化珪素膜
を成膜することによってハーフトーン型位相シフトマス
クブランクを得る。ここで、炭窒化珪素膜の膜中の窒素
原子は得られた膜の透明性に影響を及ぼし、膜中の窒素
原子の含有量が20%以下の場合248nmでの透過率
が5%以下になり、透過率の変動幅が大きくなるとが判
明した。さらに、膜中の窒素原子の含有量が20%以上
の炭窒化珪素膜では、膜中の窒素原子の含有量の変化に
対して光学特性の変化は緩やかになる。このことは、窒
素ガス流量が多少変化しても、光学特性の変化は緩やか
で、光学特性の再現性や制御性が容易であることを示し
ている。
【0019】次に、このハーフトーン型位相シフトマス
クブランクに電子線レジストを塗布し、電子線レジスト
層を形成し、電子線描画、現像、ドライエッチング、レ
ジスト剥離等の一連のパターニングプロセスを経てハー
フトーン型位相シフトマスクを得る。さらに、炭窒化珪
素膜の膜中の窒素原子含有量が20%以上になっている
ため、得られたハーフトーン型位相シフトマスクの酸溶
液、アルカリ溶液及びRCA溶液に対し、充分な薬品耐
性を示し、エキシマレーザーに対しても充分な耐性を有
している。
クブランクに電子線レジストを塗布し、電子線レジスト
層を形成し、電子線描画、現像、ドライエッチング、レ
ジスト剥離等の一連のパターニングプロセスを経てハー
フトーン型位相シフトマスクを得る。さらに、炭窒化珪
素膜の膜中の窒素原子含有量が20%以上になっている
ため、得られたハーフトーン型位相シフトマスクの酸溶
液、アルカリ溶液及びRCA溶液に対し、充分な薬品耐
性を示し、エキシマレーザーに対しても充分な耐性を有
している。
【0020】
【実施例】以下、図1、図2及び図3を用いて、実施例
により本発明を具体的に詳述する。尚、ここでの対象波
長はKrFエキシマレーザの248nmとする。
により本発明を具体的に詳述する。尚、ここでの対象波
長はKrFエキシマレーザの248nmとする。
【0021】まず、洗浄済みの合成石英ガラス基板(厚
さ2.3mm,大きさ5インチ角)からなる透明基板1
上に、RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、チャン
バー内にアルゴンガス及び窒素ガスを導入し、SiCを
主成分としたターゲットを反応スパッタさせて炭窒化珪
素膜からなる半透明層2を形成したハーフトーン型位相
シフトマスクブランクを作製した(図1(a)参照)。
さ2.3mm,大きさ5インチ角)からなる透明基板1
上に、RFマグネトロンスパッタ装置を用いて、チャン
バー内にアルゴンガス及び窒素ガスを導入し、SiCを
主成分としたターゲットを反応スパッタさせて炭窒化珪
素膜からなる半透明層2を形成したハーフトーン型位相
シフトマスクブランクを作製した(図1(a)参照)。
【0022】スパッタ時のアルゴンガスと窒素ガスのガ
ス流量比を変えて成膜した炭窒化珪素膜の光学定数(屈
折率n、消衰係数k)及びこれら光学定数から求められ
る膜厚、透過率の各特性値を図3に示す。ここで、実施
例の一例を示すと、例えばスパッタガス流量比Ar/N
2=14/1で成膜した炭窒化珪素膜の屈折率は2.4
5であるので、波長248nmの時に位相を反転するの
に必要な膜厚は855オングストロームとなる。この時
の透過率は7.0%となる。比較のためにアルゴンガス
のみで成膜した膜の特性値も示す。
ス流量比を変えて成膜した炭窒化珪素膜の光学定数(屈
折率n、消衰係数k)及びこれら光学定数から求められ
る膜厚、透過率の各特性値を図3に示す。ここで、実施
例の一例を示すと、例えばスパッタガス流量比Ar/N
2=14/1で成膜した炭窒化珪素膜の屈折率は2.4
5であるので、波長248nmの時に位相を反転するの
に必要な膜厚は855オングストロームとなる。この時
の透過率は7.0%となる。比較のためにアルゴンガス
のみで成膜した膜の特性値も示す。
【0023】ここで、アルゴンガスと窒素ガスのガス流
量比を変えて成膜した炭窒化珪素膜では窒素ガスの流量
比をかなり大幅に変化させたにも係わらず、屈折率n:
2.45〜2. 1、膜厚d:855〜1127オングス
トローム、透過率T:7. 0〜14. 4%と当初目標と
した光学特性(位相差Φ:180度、透過率T:5〜1
5%)を満たすことができた。このことは、炭窒化珪素
膜の膜中の窒素原子含有量が少なくとも20%以上あれ
ば上記光学特性を満たすことができることを示し、アル
ゴン/窒素流量比の広い範囲で光学特性を満たすことが
できる。以上の各種製造条件で得られた炭窒化珪素膜の
光学定数を図2にプロットした結果いずれも斜線部内に
入ることが確認できた。
量比を変えて成膜した炭窒化珪素膜では窒素ガスの流量
比をかなり大幅に変化させたにも係わらず、屈折率n:
2.45〜2. 1、膜厚d:855〜1127オングス
トローム、透過率T:7. 0〜14. 4%と当初目標と
した光学特性(位相差Φ:180度、透過率T:5〜1
5%)を満たすことができた。このことは、炭窒化珪素
膜の膜中の窒素原子含有量が少なくとも20%以上あれ
ば上記光学特性を満たすことができることを示し、アル
ゴン/窒素流量比の広い範囲で光学特性を満たすことが
できる。以上の各種製造条件で得られた炭窒化珪素膜の
光学定数を図2にプロットした結果いずれも斜線部内に
入ることが確認できた。
【0024】次に、透明基板1上に炭窒化珪素膜からな
る半透明層2を形成したハーフトーン型位相シフトマス
クブランク上に電子線レジストをスピナーにより塗布
し、電子線レジスト層3を形成し(図1(b)参照)、
所定のパターンを電子線描画、現像して開口部4を有す
るレジストパターン3aを形成した(図1(c)参
照)。
る半透明層2を形成したハーフトーン型位相シフトマス
クブランク上に電子線レジストをスピナーにより塗布
し、電子線レジスト層3を形成し(図1(b)参照)、
所定のパターンを電子線描画、現像して開口部4を有す
るレジストパターン3aを形成した(図1(c)参
照)。
【0025】次に、レジストパターン3aが形成された
ハーフトーン型位相シフトマスクブランクをドライエッ
チングによりパターニングした。ドライエッチングの方
法としては、通常のフッ素系ガスによるRIE(反応性
イオンエッチング)装置を用いて行った。最後に、レジ
ストパターン3aを剥離処理して、本発明の炭窒化珪素
膜からなる半透明パターン2aを有するハーフトーン型
位相シフトマスクを得た(図1(d)参照)。
ハーフトーン型位相シフトマスクブランクをドライエッ
チングによりパターニングした。ドライエッチングの方
法としては、通常のフッ素系ガスによるRIE(反応性
イオンエッチング)装置を用いて行った。最後に、レジ
ストパターン3aを剥離処理して、本発明の炭窒化珪素
膜からなる半透明パターン2aを有するハーフトーン型
位相シフトマスクを得た(図1(d)参照)。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に示したように、半透明層とし
て膜中の窒素原子が少なくとも20%以上含まれている
炭窒化珪素膜にすることによって、 (1)単層の半透明層で位相差Φ:180度、透過率
T:5〜15%の光学特性を満たすことができる。 (2)上記光学特性を満たす範囲での屈折率nは2. 1
〜2. 5のものが得られ、膜厚:1000±200オン
グストロームに納めることができ、ハーフトーン型位相
シフトマスクを作製する際のパターン加工精度が向上す
る。 (3)上記光学特性を満たす半透明層の成膜条件の制御
性と再現性が容易になる。 (4)得られたハーフトーン型位相シフトマスクは酸溶
液及びRCA溶液に対して充分な耐性を有し、エキシマ
レーザに対しても充分な耐光性を有する。
て膜中の窒素原子が少なくとも20%以上含まれている
炭窒化珪素膜にすることによって、 (1)単層の半透明層で位相差Φ:180度、透過率
T:5〜15%の光学特性を満たすことができる。 (2)上記光学特性を満たす範囲での屈折率nは2. 1
〜2. 5のものが得られ、膜厚:1000±200オン
グストロームに納めることができ、ハーフトーン型位相
シフトマスクを作製する際のパターン加工精度が向上す
る。 (3)上記光学特性を満たす半透明層の成膜条件の制御
性と再現性が容易になる。 (4)得られたハーフトーン型位相シフトマスクは酸溶
液及びRCA溶液に対して充分な耐性を有し、エキシマ
レーザに対しても充分な耐光性を有する。
【図1】(a)本発明のハーフトーン型位相シフトマス
クブランクの構成を示す断面図である。 (b)〜(c)本発明のハーフトーン型位相シフトマス
クの製造工程を示す断面図である。 (d)本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの構成
を示す断面図である。
クブランクの構成を示す断面図である。 (b)〜(c)本発明のハーフトーン型位相シフトマス
クの製造工程を示す断面図である。 (d)本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの構成
を示す断面図である。
【図2】本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンク及びマスクに使用する半透明膜(炭窒化珪素膜)の
波長248nmにおける光学定数(屈折率n、消衰係数
k)を示した説明図である。
ンク及びマスクに使用する半透明膜(炭窒化珪素膜)の
波長248nmにおける光学定数(屈折率n、消衰係数
k)を示した説明図である。
【図3】スパッタ時のアルゴンガスと窒素ガスのガス流
量比を変えて成膜した炭窒化珪素膜の光学定数(屈折率
n、消衰係数k)及びこれら光学定数から求められる膜
厚d、透過率T及び膜中の窒素原子含有量の各特性値を
示したものである。
量比を変えて成膜した炭窒化珪素膜の光学定数(屈折率
n、消衰係数k)及びこれら光学定数から求められる膜
厚d、透過率T及び膜中の窒素原子含有量の各特性値を
示したものである。
【図4】従来のハーフトーン型位相シフトマスクブラン
ク及びハーフトーン型位相シフトマスクを示す断面図で
ある。
ク及びハーフトーン型位相シフトマスクを示す断面図で
ある。
1、11……透明基板 2、12……半透明層 2a、12a……半透明パターン 3………電子線レジスト層 3a……レジストパターン 4………開口部
Claims (2)
- 【請求項1】透明基板上の半透明層が炭窒化珪素膜から
なるハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおい
て、該炭窒化珪素膜の膜中に窒素原子が少なくとも20
%以上含まれていることを特徴とするハーフトーン型位
相シフトマスクブランク。 - 【請求項2】透明基板上に炭窒化珪素膜からなる半透明
層をパターン化してなるハーフトーン型位相シフトマス
クにおいて、該炭窒化珪素膜の膜中に窒素原子が少なく
とも20%以上含まれていることを特徴とするハーフト
ーン型位相シフトマスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20031696A JPH1048805A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20031696A JPH1048805A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1048805A true JPH1048805A (ja) | 1998-02-20 |
Family
ID=16422289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20031696A Pending JPH1048805A (ja) | 1996-07-30 | 1996-07-30 | ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位相シフトマスク |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1048805A (ja) |
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- 1996-07-30 JP JP20031696A patent/JPH1048805A/ja active Pending
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