JPH1041512A - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置Info
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- JPH1041512A JPH1041512A JP8193225A JP19322596A JPH1041512A JP H1041512 A JPH1041512 A JP H1041512A JP 8193225 A JP8193225 A JP 8193225A JP 19322596 A JP19322596 A JP 19322596A JP H1041512 A JPH1041512 A JP H1041512A
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- mosfet
- wiring
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Abstract
(57)【要約】
【課題】新規な構成にて配線の抵抗成分による電圧降下
に起因する動作速度の低下を抑制することができる半導
体装置を提供する。 【解決手段】シリコン基板5上にシリコン酸化膜7を介
して単結晶シリコン層8,9,10が形成され、単結晶
シリコン層8,9,10にてMOSFET13,14,
15が構成され、少なくともMOSFETのチャネル領
域に対向する位置に他の部分から電気的に絶縁された不
純物ドープトポリシリコン層(バックゲート電極)16
が配置されている。各MOSFETは電源配線の長さに
応じて5つの領域a〜cに区画され、シリコン酸化膜7
の膜厚t1,t2,t3を異ならせることにより、配線
が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧が低くな
っている。
に起因する動作速度の低下を抑制することができる半導
体装置を提供する。 【解決手段】シリコン基板5上にシリコン酸化膜7を介
して単結晶シリコン層8,9,10が形成され、単結晶
シリコン層8,9,10にてMOSFET13,14,
15が構成され、少なくともMOSFETのチャネル領
域に対向する位置に他の部分から電気的に絶縁された不
純物ドープトポリシリコン層(バックゲート電極)16
が配置されている。各MOSFETは電源配線の長さに
応じて5つの領域a〜cに区画され、シリコン酸化膜7
の膜厚t1,t2,t3を異ならせることにより、配線
が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧が低くな
っている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基板に形成され
た複数のMOSFETに対し電源配線により電源電圧が
供給される半導体装置に関し、特に、ゲートアレイ方式
による大面積の回路で構成される携帯機器用等のDS
P、CPU等の半導体装置に有効な技術である。
た複数のMOSFETに対し電源配線により電源電圧が
供給される半導体装置に関し、特に、ゲートアレイ方式
による大面積の回路で構成される携帯機器用等のDS
P、CPU等の半導体装置に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】情報通信機器用ICにおいては、高速・
低消費電力動作が必須の技術であり、絶縁膜上のシリコ
ン薄膜にMOSFETを形成した薄膜SOIMOSFE
Tはエッチングにより素子領域を完全に分離可能であ
り、また、下地絶縁膜による短チャネル効果の抑制、ソ
ース/ドレインの接合容量の低減、垂直方向の電界緩和
による移動度の向上等の効果によりこの用途に最適なデ
バイスである。特にSOI構造の基板としてウエハ直接
接合を用いた貼り合わせ基板は酸素イオン注入を用いた
SIMOX(Separation by Implanted Oxygen )
に比較してシリコン層の結晶性が優れていることから上
記特性においても優れた特性を示すため、情報通信機器
用ICにより適した基板である。貼り合わせ基板にはS
OI膜厚のばらつきが大きく、この基板上に形成したM
OSFETはしきい値電圧のばらつきが大きいという問
題点があったが、絶縁膜中に少なくともMOSFETの
チャネル領域に対向する領域に第2のゲート電極(バッ
クゲート電極)を設け、ここに電圧を印加する、もしく
は電荷を注入しこれを保持することにより対向するMO
SFETのしきい値電圧を調整することが可能となって
いる(特開平2−294076号公報、特開平6−22
4433号公報等)。
低消費電力動作が必須の技術であり、絶縁膜上のシリコ
ン薄膜にMOSFETを形成した薄膜SOIMOSFE
Tはエッチングにより素子領域を完全に分離可能であ
り、また、下地絶縁膜による短チャネル効果の抑制、ソ
ース/ドレインの接合容量の低減、垂直方向の電界緩和
による移動度の向上等の効果によりこの用途に最適なデ
バイスである。特にSOI構造の基板としてウエハ直接
接合を用いた貼り合わせ基板は酸素イオン注入を用いた
SIMOX(Separation by Implanted Oxygen )
に比較してシリコン層の結晶性が優れていることから上
記特性においても優れた特性を示すため、情報通信機器
用ICにより適した基板である。貼り合わせ基板にはS
OI膜厚のばらつきが大きく、この基板上に形成したM
OSFETはしきい値電圧のばらつきが大きいという問
題点があったが、絶縁膜中に少なくともMOSFETの
チャネル領域に対向する領域に第2のゲート電極(バッ
クゲート電極)を設け、ここに電圧を印加する、もしく
は電荷を注入しこれを保持することにより対向するMO
SFETのしきい値電圧を調整することが可能となって
いる(特開平2−294076号公報、特開平6−22
4433号公報等)。
【0003】又、高度な処理性能が要求されるに伴い回
路規模が大きくなるが、一方で激化する市場競争の要求
から短納期を実現するゲートアレイ方式が有効である。
ゲートアレイを用いた大規模の集積回路においてはチッ
プ面積が増大するため、各素子に電源電圧を供給する電
源配線の長さが増大する。例えば、lcm□のチップに
おいて、電源端子からの配線長が5mm程度の長さとな
るチップ内のある領域の素子に電源電圧を供給する際、
配線材料としてρs =60mΩ/□のAl(アルミ)を
用い、配線幅=10μmとした場合、配線抵抗は300
mΩとなるため、この素子の動作時の消費電流が20m
Aとすると、0.6Vの電圧降下が生じる。即ち、配線
の抵抗成分による電圧降下のため同一のチップ内におい
てもチップ中央付近の素子は実効的には低電源電圧下で
の駆動となる。インバータの遅延時間TはT∝1/(V
DD−Vth)2 で表され、しきい値電圧Vthが一定の場合
には電源電圧VDDの低下に伴い遅延時間Tが増大するた
め、回路としての動作速度はこの領域での遅延時間が律
速となり、回路全体の正味の動作速度が遅くなる。
路規模が大きくなるが、一方で激化する市場競争の要求
から短納期を実現するゲートアレイ方式が有効である。
ゲートアレイを用いた大規模の集積回路においてはチッ
プ面積が増大するため、各素子に電源電圧を供給する電
源配線の長さが増大する。例えば、lcm□のチップに
おいて、電源端子からの配線長が5mm程度の長さとな
るチップ内のある領域の素子に電源電圧を供給する際、
配線材料としてρs =60mΩ/□のAl(アルミ)を
用い、配線幅=10μmとした場合、配線抵抗は300
mΩとなるため、この素子の動作時の消費電流が20m
Aとすると、0.6Vの電圧降下が生じる。即ち、配線
の抵抗成分による電圧降下のため同一のチップ内におい
てもチップ中央付近の素子は実効的には低電源電圧下で
の駆動となる。インバータの遅延時間TはT∝1/(V
DD−Vth)2 で表され、しきい値電圧Vthが一定の場合
には電源電圧VDDの低下に伴い遅延時間Tが増大するた
め、回路としての動作速度はこの領域での遅延時間が律
速となり、回路全体の正味の動作速度が遅くなる。
【0004】そこで、動作速度の低下を防ぐためには、
電圧降下を抑制する手法が有効である。そのために、回
路全体を十分に幅が広く抵抗成分が無視できる配線で囲
み、各MOSFETに電源電圧を供給する通常の配線
(支線)はその太い配線を幹線として1層もしくは2層
の配線を用いて回路全体をそれぞれ適当な間隔でそれぞ
れ縞状もしくは網目状に配置し、回路を構成する各MO
SFETは最寄りの支線と接続して実質的な配線距離を
最小限に抑えることによって電圧降下を抑えることがで
きる。又、回路内部にも太い配線を配置し、これも幹線
として使用することによってさらに電圧降下を抑えるこ
とが可能である。
電圧降下を抑制する手法が有効である。そのために、回
路全体を十分に幅が広く抵抗成分が無視できる配線で囲
み、各MOSFETに電源電圧を供給する通常の配線
(支線)はその太い配線を幹線として1層もしくは2層
の配線を用いて回路全体をそれぞれ適当な間隔でそれぞ
れ縞状もしくは網目状に配置し、回路を構成する各MO
SFETは最寄りの支線と接続して実質的な配線距離を
最小限に抑えることによって電圧降下を抑えることがで
きる。又、回路内部にも太い配線を配置し、これも幹線
として使用することによってさらに電圧降下を抑えるこ
とが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電圧降
下を抑えるべく1層配線による縞状の電源配線を用いた
場合には、その電源配線の延設方向に平行な方向にしか
電圧降下の抑制ができない。又、2層配線による網目状
の電源配線を用いた場合は、1層配線の場合よりは良好
であるもののチップ中央付近で電圧降下の抑制の効果が
やはり小さく、さらに電源配線が密に交差するため回路
レイアウトの自由度が小さくなる。さらに、回路内部に
も太い電源配線(幹線)を配置する場合には電圧降下抑
制の効果は大きいが、電源配線の領域はMOSFETを
形成することができないため、回路レイアウトの自由度
が小さくなる。このように回路レイアウトの自由度が小
さいと、例えばゲートアレイにおいてはゲートの使用効
率が小さくなり、マスタスライスとしてより多数のMO
SFETを準備する必要があるためチップ面積が増大す
るという問題がある。
下を抑えるべく1層配線による縞状の電源配線を用いた
場合には、その電源配線の延設方向に平行な方向にしか
電圧降下の抑制ができない。又、2層配線による網目状
の電源配線を用いた場合は、1層配線の場合よりは良好
であるもののチップ中央付近で電圧降下の抑制の効果が
やはり小さく、さらに電源配線が密に交差するため回路
レイアウトの自由度が小さくなる。さらに、回路内部に
も太い電源配線(幹線)を配置する場合には電圧降下抑
制の効果は大きいが、電源配線の領域はMOSFETを
形成することができないため、回路レイアウトの自由度
が小さくなる。このように回路レイアウトの自由度が小
さいと、例えばゲートアレイにおいてはゲートの使用効
率が小さくなり、マスタスライスとしてより多数のMO
SFETを準備する必要があるためチップ面積が増大す
るという問題がある。
【0006】そこで、この発明の目的は、新規な構成に
て配線の抵抗成分による電圧降下に起因する動作速度の
低下を抑制することができる半導体装置を提供すること
にある。
て配線の抵抗成分による電圧降下に起因する動作速度の
低下を抑制することができる半導体装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、SOI構造が採用されるとともにバックゲート電極
が配置された半導体装置において、各MOSFETを電
源配線の長さに応じて複数の領域に区画し、MOSFE
Tのチャネル領域とバックゲート電極との間の絶縁膜の
厚さを領域毎に異ならせて、配線が長い領域でのMOS
FETほどしきい値電圧を低くしたことを特徴としてい
る。よって、電源配線が長い領域でのMOSFETほど
実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい値電圧が低く
なっているので、電源電圧の降下に伴う動作速度の低下
が防止される。このように、配線の抵抗成分による電圧
降下に起因する動作速度の低下を抑制することができ
る。
は、SOI構造が採用されるとともにバックゲート電極
が配置された半導体装置において、各MOSFETを電
源配線の長さに応じて複数の領域に区画し、MOSFE
Tのチャネル領域とバックゲート電極との間の絶縁膜の
厚さを領域毎に異ならせて、配線が長い領域でのMOS
FETほどしきい値電圧を低くしたことを特徴としてい
る。よって、電源配線が長い領域でのMOSFETほど
実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい値電圧が低く
なっているので、電源電圧の降下に伴う動作速度の低下
が防止される。このように、配線の抵抗成分による電圧
降下に起因する動作速度の低下を抑制することができ
る。
【0008】請求項2に記載の発明は、SOI構造が採
用されるとともにバックゲート電極が配置された半導体
装置において、各MOSFETを前記電源配線の長さに
応じて複数の領域に区画し、領域毎にバックゲート電極
を独立に設けるとともにバックゲート電極への印加電圧
または注入電荷量を領域毎に異ならせて、配線が長い領
域でのMOSFETほどしきい値電圧を低くしたことを
特徴としている。よって、電源配線が長い領域でのMO
SFETほど実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい
値電圧が低くなっているので、電源電圧の降下に伴う動
作速度の低下が防止される。このように、配線の抵抗成
分による電圧降下に起因する動作速度の低下を抑制する
ことができる。
用されるとともにバックゲート電極が配置された半導体
装置において、各MOSFETを前記電源配線の長さに
応じて複数の領域に区画し、領域毎にバックゲート電極
を独立に設けるとともにバックゲート電極への印加電圧
または注入電荷量を領域毎に異ならせて、配線が長い領
域でのMOSFETほどしきい値電圧を低くしたことを
特徴としている。よって、電源配線が長い領域でのMO
SFETほど実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい
値電圧が低くなっているので、電源電圧の降下に伴う動
作速度の低下が防止される。このように、配線の抵抗成
分による電圧降下に起因する動作速度の低下を抑制する
ことができる。
【0009】請求項3に記載の発明は、各MOSFET
を電源配線の長さに応じて複数の領域に区画し、MOS
FETにおけるチャネル領域の不純物濃度または不純物
の種類を領域毎に異ならせて、配線が長い領域でのMO
SFETほどしきい値電圧を低くしたことを特徴として
いる。よって、電源配線が長い領域でのMOSFETほ
ど実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい値電圧が低
くなっているので、電源電圧の降下に伴う動作速度の低
下が防止される。このように、配線の抵抗成分による電
圧降下に起因する動作速度の低下を抑制することができ
る。
を電源配線の長さに応じて複数の領域に区画し、MOS
FETにおけるチャネル領域の不純物濃度または不純物
の種類を領域毎に異ならせて、配線が長い領域でのMO
SFETほどしきい値電圧を低くしたことを特徴として
いる。よって、電源配線が長い領域でのMOSFETほ
ど実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい値電圧が低
くなっているので、電源電圧の降下に伴う動作速度の低
下が防止される。このように、配線の抵抗成分による電
圧降下に起因する動作速度の低下を抑制することができ
る。
【0010】
(第1の実施の形態)以下、この発明の第1の実施の形
態を図面に従って説明する。
態を図面に従って説明する。
【0011】図1にはチップ(半導体基板)1の平面図
を示す。チップ1は縦横の寸法がlcm×lcm程度で
あり、本実施の形態の半導体装置は比較的大きなチップ
面積を有するCMOSゲートアレイを構成している。
を示す。チップ1は縦横の寸法がlcm×lcm程度で
あり、本実施の形態の半導体装置は比較的大きなチップ
面積を有するCMOSゲートアレイを構成している。
【0012】チップ1における周辺部には四角環状の電
源配線2が配置され、この電源配線2はチップ1の周辺
部に配置した電源パッド3(電源端子)と接続されてい
る。又、電源配線2は抵抗成分が無視できるほど十分に
幅が広く、幹線となっている。電源配線2に囲まれた回
路形成領域において、電源配線(幹線)2よりも幅が狭
い電源配線(支線)4が平行に、かつ等間隔に複数延設
され、これら支線4は幹線2と接続されている。つま
り、配線4が縞状に配置されている。ここで、各MOS
FETの稼働率が等しく支線に流れる電流量が等しいと
した場合、図1に示すように、支線4の電位勾配(実効
的電源電圧)は中央部が最も低く、両端で高くその間は
直線的な勾配となる。
源配線2が配置され、この電源配線2はチップ1の周辺
部に配置した電源パッド3(電源端子)と接続されてい
る。又、電源配線2は抵抗成分が無視できるほど十分に
幅が広く、幹線となっている。電源配線2に囲まれた回
路形成領域において、電源配線(幹線)2よりも幅が狭
い電源配線(支線)4が平行に、かつ等間隔に複数延設
され、これら支線4は幹線2と接続されている。つま
り、配線4が縞状に配置されている。ここで、各MOS
FETの稼働率が等しく支線に流れる電流量が等しいと
した場合、図1に示すように、支線4の電位勾配(実効
的電源電圧)は中央部が最も低く、両端で高くその間は
直線的な勾配となる。
【0013】個々のMOSFETは最寄りの電源配線
(支線)4から電源電圧VDDが供給されるようになって
いる。即ち、回路を構成する各MOSFETのソース
(あるいはドレイン)に印加される電圧はこの配線2,
4によって供給される。この電源配線(支線)4は本数
が多く間隔が各MOSFET間の距離程度まで狭いほど
電圧降下は小さい。
(支線)4から電源電圧VDDが供給されるようになって
いる。即ち、回路を構成する各MOSFETのソース
(あるいはドレイン)に印加される電圧はこの配線2,
4によって供給される。この電源配線(支線)4は本数
が多く間隔が各MOSFET間の距離程度まで狭いほど
電圧降下は小さい。
【0014】尚、支線4は図1において横方向に配置し
たが、縦方向に縞状に配置してもよい。ここで電源配線
の抵抗成分による電圧降下について述べると、電源パッ
ド3(電源端子)からの配線長が5mmで、配線材料と
してρs =60mΩ/□のAl(アルミ)を用い、配線
幅=10μmとした場合、配線抵抗は300mΩとな
る。そのため、素子の動作時の消費電流が20mAとす
ると、0.6Vの電圧降下が生じる。このとき、電源電
圧VDDが3Vとすると、図1に示すように、回路端の素
子は電源電圧3V、中央部の素子は電源電圧2.4Vで
ある。この際、各MOSFETが電源配線の長さに応じ
て5つの領域a〜eに区画されている。つまり、回路が
支線4の延設方向に5等分され各領域a,b,c,d,
eに分割されている(図中では、左から順にa,b,
c,d,e領域)。領域a,b,c,d,eでの実効的
な電源電圧は平均的には2.9V,2.7V,2.5
V,2.7V,2.9Vであり、各領域の電位差は0.
2Vとなる。
たが、縦方向に縞状に配置してもよい。ここで電源配線
の抵抗成分による電圧降下について述べると、電源パッ
ド3(電源端子)からの配線長が5mmで、配線材料と
してρs =60mΩ/□のAl(アルミ)を用い、配線
幅=10μmとした場合、配線抵抗は300mΩとな
る。そのため、素子の動作時の消費電流が20mAとす
ると、0.6Vの電圧降下が生じる。このとき、電源電
圧VDDが3Vとすると、図1に示すように、回路端の素
子は電源電圧3V、中央部の素子は電源電圧2.4Vで
ある。この際、各MOSFETが電源配線の長さに応じ
て5つの領域a〜eに区画されている。つまり、回路が
支線4の延設方向に5等分され各領域a,b,c,d,
eに分割されている(図中では、左から順にa,b,
c,d,e領域)。領域a,b,c,d,eでの実効的
な電源電圧は平均的には2.9V,2.7V,2.5
V,2.7V,2.9Vであり、各領域の電位差は0.
2Vとなる。
【0015】図1のA部における縦断面図を、図2に示
す。図2において、単結晶シリコン基板5の上には貼合
用ポリシリコン膜6を介して絶縁体層としてのシリコン
酸化膜7が形成されている。このシリコン酸化膜7の表
面に、単結晶半導体層としての薄膜の単結晶シリコン層
(以下、薄膜SOI層という)8,9,10が形成され
ている。このように本実施の形態では半導体基板として
SOI基板30を用いている。
す。図2において、単結晶シリコン基板5の上には貼合
用ポリシリコン膜6を介して絶縁体層としてのシリコン
酸化膜7が形成されている。このシリコン酸化膜7の表
面に、単結晶半導体層としての薄膜の単結晶シリコン層
(以下、薄膜SOI層という)8,9,10が形成され
ている。このように本実施の形態では半導体基板として
SOI基板30を用いている。
【0016】各薄膜SOI層8〜10にはゲート酸化膜
11を介してポリシリコンゲート電極12が配置されて
いる。又、ポリシリコンゲート電極12の下方における
薄膜SOI層8〜10にはチャネル領域(不純物拡散領
域)が形成されるとともに、ポリシリコンゲート電極1
2を挟む領域にはソース・ドレイン領域となる不純物拡
散領域が形成されている。このように、薄膜SOI層8
〜10を用いてMOSFET13,14,15が形成さ
れている。各MOSFET13〜15はチャネル領域の
最大空乏層幅よりもSOI層8〜10の厚さが薄くチャ
ネル形成時にSOI層8〜10が完全に空乏化するよう
になっている。
11を介してポリシリコンゲート電極12が配置されて
いる。又、ポリシリコンゲート電極12の下方における
薄膜SOI層8〜10にはチャネル領域(不純物拡散領
域)が形成されるとともに、ポリシリコンゲート電極1
2を挟む領域にはソース・ドレイン領域となる不純物拡
散領域が形成されている。このように、薄膜SOI層8
〜10を用いてMOSFET13,14,15が形成さ
れている。各MOSFET13〜15はチャネル領域の
最大空乏層幅よりもSOI層8〜10の厚さが薄くチャ
ネル形成時にSOI層8〜10が完全に空乏化するよう
になっている。
【0017】尚、図2ではMOSFET13,14,1
5しか示さなかったが、SOI基板30には各FET1
3,14,15とは異なるチャネル型のMOSFETが
それぞれ形成されており、それぞれC−MOS回路を構
成している。
5しか示さなかったが、SOI基板30には各FET1
3,14,15とは異なるチャネル型のMOSFETが
それぞれ形成されており、それぞれC−MOS回路を構
成している。
【0018】又、ポリシリコン膜6の配置領域における
表層部には、バックゲート電極16が埋設されている。
このバックゲート電極16は不純物がドープされた不純
物ドープトポリシリコン層が用いられ、不純物ドープト
ポリシリコン層にて電荷蓄積用導電体層が構成されてい
る。バックゲート電極(電荷蓄積用不純物ドープトポリ
シリコン層)16の表面は、シリコン酸化膜17にて覆
われている。バックゲート電極16はMOSFETを構
成する各薄膜SOI層8〜10の下方において延設され
ている。
表層部には、バックゲート電極16が埋設されている。
このバックゲート電極16は不純物がドープされた不純
物ドープトポリシリコン層が用いられ、不純物ドープト
ポリシリコン層にて電荷蓄積用導電体層が構成されてい
る。バックゲート電極(電荷蓄積用不純物ドープトポリ
シリコン層)16の表面は、シリコン酸化膜17にて覆
われている。バックゲート電極16はMOSFETを構
成する各薄膜SOI層8〜10の下方において延設され
ている。
【0019】このように、MOSFET13〜15のチ
ャネル領域に対向する位置に他の部分から電気的に絶縁
されたバックゲート電極16が配置されている。領域
a,e(図1参照)におけるMOSFET15(薄膜S
OI層10)の下のシリコン酸化膜7は、その膜厚がt
1となっている。又、領域b,dにおけるMOSFET
14(薄膜SOI層9)の下のシリコン酸化膜7は、そ
の膜厚がt2(<t1)となっている。さらに、領域c
におけるMOSFET13(薄膜SOI層8)の下のシ
リコン酸化膜7は、その膜厚がt3(<t2)となって
いる。つまり、電源配線(幹線)2に遠いMOSFET
ほどシリコン酸化膜7の膜厚は薄くなっており、しきい
値電圧が低くなっている。具体的には、t1は約250
nm、t2は約150nm、t3は約50nmである。
ャネル領域に対向する位置に他の部分から電気的に絶縁
されたバックゲート電極16が配置されている。領域
a,e(図1参照)におけるMOSFET15(薄膜S
OI層10)の下のシリコン酸化膜7は、その膜厚がt
1となっている。又、領域b,dにおけるMOSFET
14(薄膜SOI層9)の下のシリコン酸化膜7は、そ
の膜厚がt2(<t1)となっている。さらに、領域c
におけるMOSFET13(薄膜SOI層8)の下のシ
リコン酸化膜7は、その膜厚がt3(<t2)となって
いる。つまり、電源配線(幹線)2に遠いMOSFET
ほどシリコン酸化膜7の膜厚は薄くなっており、しきい
値電圧が低くなっている。具体的には、t1は約250
nm、t2は約150nm、t3は約50nmである。
【0020】又、シリコン酸化膜7の表面に、薄膜の単
結晶シリコン層(薄膜SOI層)18が形成されてい
る。薄膜SOI層18の上面には酸化膜19を介して不
純物ドープトポリシリコン膜20が配置されている。
結晶シリコン層(薄膜SOI層)18が形成されてい
る。薄膜SOI層18の上面には酸化膜19を介して不
純物ドープトポリシリコン膜20が配置されている。
【0021】薄膜SOI層8〜10,18の上を含めた
シリコン酸化膜7の上には、層間絶縁膜としてのシリコ
ン酸化膜21が配置されている。バックゲート電極16
は、アルミ22、薄膜SOI層18、トンネル酸化膜1
9、不純物ドープトポリシリコン膜20を介してアルミ
よりなる電荷注入線(電荷注入端子)23と接続されて
いる。この電荷注入線23にてバックゲート電極(電荷
蓄積用不純物ドープトポリシリコン層)16に所定量の
電荷が注入されている。
シリコン酸化膜7の上には、層間絶縁膜としてのシリコ
ン酸化膜21が配置されている。バックゲート電極16
は、アルミ22、薄膜SOI層18、トンネル酸化膜1
9、不純物ドープトポリシリコン膜20を介してアルミ
よりなる電荷注入線(電荷注入端子)23と接続されて
いる。この電荷注入線23にてバックゲート電極(電荷
蓄積用不純物ドープトポリシリコン層)16に所定量の
電荷が注入されている。
【0022】又、各MOSFET13,14,15のソ
ース・ドレイン領域には金属配線28が延設されてい
る。そして、図1の領域a,b,c,d,eにおけるM
OSFET13,14,15のソース(あるいはドレイ
ン)は、電源配線(支線)4と接続されている。尚、M
OSFET13,14,15の他の端子(ドレイン(あ
るいはソース))は、アースされる。
ース・ドレイン領域には金属配線28が延設されてい
る。そして、図1の領域a,b,c,d,eにおけるM
OSFET13,14,15のソース(あるいはドレイ
ン)は、電源配線(支線)4と接続されている。尚、M
OSFET13,14,15の他の端子(ドレイン(あ
るいはソース))は、アースされる。
【0023】又、SOI基板30(シリコン酸化膜2
1)の表面は、表面保護膜としてのBPSG膜24で覆
われている。ただし、電荷注入線23の一部領域は電荷
注入用窓として露出している。
1)の表面は、表面保護膜としてのBPSG膜24で覆
われている。ただし、電荷注入線23の一部領域は電荷
注入用窓として露出している。
【0024】次に、この装置の製造方法を、図3〜図1
4を用いて説明する。まず、図3に示すように、高抵抗
単結晶シリコン基板25を用意し、後でSOI層となる
部分に膜厚100nm程度の酸化膜26を形成し、これ
をマスクとしてシリコン基板25を例えば反応性イオン
エッチング法によって深さ約150nm程度エッチング
する。
4を用いて説明する。まず、図3に示すように、高抵抗
単結晶シリコン基板25を用意し、後でSOI層となる
部分に膜厚100nm程度の酸化膜26を形成し、これ
をマスクとしてシリコン基板25を例えば反応性イオン
エッチング法によって深さ約150nm程度エッチング
する。
【0025】そして、マスクとした酸化膜26を除去し
た後、図4に示すように、熱酸化法あるいはCVD法に
よってシリコン基板25の表面に例えば厚さ約400n
mの酸化膜(Si02 )7を形成する。この酸化膜7の
最も薄い場所での膜厚は図2のt1に相当する。
た後、図4に示すように、熱酸化法あるいはCVD法に
よってシリコン基板25の表面に例えば厚さ約400n
mの酸化膜(Si02 )7を形成する。この酸化膜7の
最も薄い場所での膜厚は図2のt1に相当する。
【0026】尚、酸化膜7を形成する前に図3に示す工
程のエッチングによるシリコン基板25のダメージ除去
する処理を行ってもよい。引き続き、図5に示すよう
に、酸化膜7の所望の領域を残し例えば約100nm程
度エッチングする。この酸化膜7をエッチングした箇所
において最も薄い場所での膜厚は図2のt2に相当す
る。
程のエッチングによるシリコン基板25のダメージ除去
する処理を行ってもよい。引き続き、図5に示すよう
に、酸化膜7の所望の領域を残し例えば約100nm程
度エッチングする。この酸化膜7をエッチングした箇所
において最も薄い場所での膜厚は図2のt2に相当す
る。
【0027】さらに、図6に示すように、酸化膜7の所
望の領域を残して再び例えば約100nm程度エッチン
グする。この酸化膜7をエッチングした箇所において最
も薄い場所での膜厚は図2のt3に相当する。
望の領域を残して再び例えば約100nm程度エッチン
グする。この酸化膜7をエッチングした箇所において最
も薄い場所での膜厚は図2のt3に相当する。
【0028】そして、図7に示すように、酸化膜7上に
ポリシリコン膜16を例えば減圧CVD法によって膜厚
20nm程度堆積し、さらにこのポリシリコン膜16に
例えば熱拡散法によりn型不純物であるリンを導入して
不純物ドープトポリシリコン膜(バックゲート電極)1
6とする。
ポリシリコン膜16を例えば減圧CVD法によって膜厚
20nm程度堆積し、さらにこのポリシリコン膜16に
例えば熱拡散法によりn型不純物であるリンを導入して
不純物ドープトポリシリコン膜(バックゲート電極)1
6とする。
【0029】さらに、不純物ドープトポリシリコン膜1
6に対し所望の領域をエッチングした後、図8に示すよ
うに、ポリシリコン膜16の表面に熱酸化法あるいはC
VD法により例えば膜厚200nm程度の酸化膜17を
形成する。
6に対し所望の領域をエッチングした後、図8に示すよ
うに、ポリシリコン膜16の表面に熱酸化法あるいはC
VD法により例えば膜厚200nm程度の酸化膜17を
形成する。
【0030】引き続き、図9に示すように、酸化膜7,
17上に第1層目のポリシリコン膜を例えば減圧CVD
法で膜厚30nm程度堆積し、さらにこのポリシリコン
膜の上に第2層目のポリシリコン膜に例えばCVD法で
膜厚5μm程度堆積してポリシリコン膜6とする。
17上に第1層目のポリシリコン膜を例えば減圧CVD
法で膜厚30nm程度堆積し、さらにこのポリシリコン
膜の上に第2層目のポリシリコン膜に例えばCVD法で
膜厚5μm程度堆積してポリシリコン膜6とする。
【0031】その後、図10に示すように、ポリシリコ
ン膜6の表面を鏡面研磨して平坦化する。そして、図1
1に示すように、鏡面研磨したシリコン基板5を用意
し、その鏡面と高抵抗シリコン基板25の平坦化したポ
リシリコン鏡面とを直接接合法によって貼り合わせ、2
枚の基板を一体化した基板を形成する。
ン膜6の表面を鏡面研磨して平坦化する。そして、図1
1に示すように、鏡面研磨したシリコン基板5を用意
し、その鏡面と高抵抗シリコン基板25の平坦化したポ
リシリコン鏡面とを直接接合法によって貼り合わせ、2
枚の基板を一体化した基板を形成する。
【0032】さらに、基板25側を選択研磨し、図12
に示すように、SOI層になる部分以外の領域の酸化膜
7を表面に露出させる。これにより膜厚150nm程度
のSOI層8,9,10,18が形成され、基板内には
フローティング状態のn+ ポリシリコン層16が形成さ
れる。
に示すように、SOI層になる部分以外の領域の酸化膜
7を表面に露出させる。これにより膜厚150nm程度
のSOI層8,9,10,18が形成され、基板内には
フローティング状態のn+ ポリシリコン層16が形成さ
れる。
【0033】その後、図13に示すように、SOI層
8,9,10,18の上に例えば膜厚10nm程度の酸
化膜11,19と不純物ドープトポリシリコン層12,
20を形成し、更に図14に示すようにSOI層18の
一部にポリシリコン層16に達する貫通孔27を例えば
反応性イオンエッチング法により形成する。
8,9,10,18の上に例えば膜厚10nm程度の酸
化膜11,19と不純物ドープトポリシリコン層12,
20を形成し、更に図14に示すようにSOI層18の
一部にポリシリコン層16に達する貫通孔27を例えば
反応性イオンエッチング法により形成する。
【0034】最後に、図2に示すように、MOSFET
のソース・ドレイン領域、層間絶縁膜21、金属配線2
2,23,28、BPSG膜24を通常のMOS−IC
プロセスと同様に随時形成する。このようにして半導体
装置は完成する。
のソース・ドレイン領域、層間絶縁膜21、金属配線2
2,23,28、BPSG膜24を通常のMOS−IC
プロセスと同様に随時形成する。このようにして半導体
装置は完成する。
【0035】以上説明したように、本製造方法によれば
製造工程の増加は、図5と図6に示した酸化膜エッチン
グの2工程のみである。次に、図2に示す半導体装置の
作用・効果を説明する。
製造工程の増加は、図5と図6に示した酸化膜エッチン
グの2工程のみである。次に、図2に示す半導体装置の
作用・効果を説明する。
【0036】一般的に、薄膜SOIMOSFETにおい
てはSOI層の少なくともチャネル領域に対向する領域
にシリコン酸化膜(絶縁膜)7を介して不純物ドープト
ポリシリコン層(バックゲート電極)16を配置し、そ
の不純物ドープトポリシリコン層16に電荷を注入する
ことによってしきい値電圧の制御が可能である(電圧を
印加することでも可能)。この、しきい値制御用のバッ
クゲート電極16を備えた薄膜SOIMOSFETにお
いて、MOSFETを構成するSOI層8,9,10と
バックゲート電極16との間の距離によってバックゲー
ト電極16に注入された電荷に対するMOSFETに及
ぼす影響が異なる。これを利用してシリコン酸化膜7の
膜厚(距離)t1,t2,t3を異ならせることにより
しきい値電圧を各領域毎に異ならせている。即ち、MO
SFETを形成するSOI層とバックゲート間の距離を
各領域毎に変えることによって各領域のしきい値電圧を
配線距離が長くなるほど0.2Vずつ低くしている。
てはSOI層の少なくともチャネル領域に対向する領域
にシリコン酸化膜(絶縁膜)7を介して不純物ドープト
ポリシリコン層(バックゲート電極)16を配置し、そ
の不純物ドープトポリシリコン層16に電荷を注入する
ことによってしきい値電圧の制御が可能である(電圧を
印加することでも可能)。この、しきい値制御用のバッ
クゲート電極16を備えた薄膜SOIMOSFETにお
いて、MOSFETを構成するSOI層8,9,10と
バックゲート電極16との間の距離によってバックゲー
ト電極16に注入された電荷に対するMOSFETに及
ぼす影響が異なる。これを利用してシリコン酸化膜7の
膜厚(距離)t1,t2,t3を異ならせることにより
しきい値電圧を各領域毎に異ならせている。即ち、MO
SFETを形成するSOI層とバックゲート間の距離を
各領域毎に変えることによって各領域のしきい値電圧を
配線距離が長くなるほど0.2Vずつ低くしている。
【0037】つまり、図2に示すように、シリコン酸化
膜(絶縁膜)7の形状を階段状とすることにより各領域
毎にSOI層とバックゲート間の距離t1,t2,t3
を変えてa,e領域、b,d領域、c領域のしきい値電
圧を任意な値に設定している。
膜(絶縁膜)7の形状を階段状とすることにより各領域
毎にSOI層とバックゲート間の距離t1,t2,t3
を変えてa,e領域、b,d領域、c領域のしきい値電
圧を任意な値に設定している。
【0038】例えば、電源電圧VDDとしきい値電圧Vth
の差を2Vと設定したい場合には、各領域のしきい値電
圧をそれぞれ0.9V、0.7V、0.5V、0.7
V、0.9Vとすると、各領域における電源電圧VDDと
しきい値電圧Vthの差の設定値とのズレは最大でも±
0.1Vと小さく、しかも等しくすることが可能となる
ため、実効的な電源電圧の低下による動作速度の低下を
抑制することが可能となる。このとき、領域の分割数は
多いほど各領域内の電源電圧VDDとしきい値電圧V thの
差の設定値とのズレが小さくなり、動作速度の低下抑制
の効果は大きくなる。
の差を2Vと設定したい場合には、各領域のしきい値電
圧をそれぞれ0.9V、0.7V、0.5V、0.7
V、0.9Vとすると、各領域における電源電圧VDDと
しきい値電圧Vthの差の設定値とのズレは最大でも±
0.1Vと小さく、しかも等しくすることが可能となる
ため、実効的な電源電圧の低下による動作速度の低下を
抑制することが可能となる。このとき、領域の分割数は
多いほど各領域内の電源電圧VDDとしきい値電圧V thの
差の設定値とのズレが小さくなり、動作速度の低下抑制
の効果は大きくなる。
【0039】このように、回路全体の動作速度を低下さ
せないために、配線の抵抗による電圧降下によって実効
的な電源電圧VDDが低下した領域においてもその領域の
電圧降下分に対応した量だけしきい値電圧Vthを低く設
定しており、この手法は簡便なものである。
せないために、配線の抵抗による電圧降下によって実効
的な電源電圧VDDが低下した領域においてもその領域の
電圧降下分に対応した量だけしきい値電圧Vthを低く設
定しており、この手法は簡便なものである。
【0040】このように本実施の形態は、下記の特徴を
有する。 (イ)SOI構造が採用されるとともに不純物ドープト
ポリシリコン層(バックゲート電極)16が配置された
半導体装置において、各MOSFET13,14,15
を電源配線の長さに応じて複数の領域a〜eに区画し、
配線が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧を低
くした。つまり、MOSFET13,14,15のチャ
ネル領域と不純物ドープトポリシリコン層(バックゲー
ト電極)16との間のシリコン酸化膜(絶縁膜)7の厚
さt1,t2,t3を領域毎に異ならせることにより、
領域毎のMOSFET13,14,15のしきい値電圧
を異ならせた。
有する。 (イ)SOI構造が採用されるとともに不純物ドープト
ポリシリコン層(バックゲート電極)16が配置された
半導体装置において、各MOSFET13,14,15
を電源配線の長さに応じて複数の領域a〜eに区画し、
配線が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧を低
くした。つまり、MOSFET13,14,15のチャ
ネル領域と不純物ドープトポリシリコン層(バックゲー
ト電極)16との間のシリコン酸化膜(絶縁膜)7の厚
さt1,t2,t3を領域毎に異ならせることにより、
領域毎のMOSFET13,14,15のしきい値電圧
を異ならせた。
【0041】よって、電源配線が長い領域でのMOSF
ETほど実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい値電
圧が低くなっているので、電源電圧の降下に伴う動作速
度の低下が防止される。つまり、配線の抵抗による電圧
降下によって実効的な電源電圧が低下した領域において
もその領域の電圧降下分に対応した量だけしきい値電圧
を低く設定して回路全体の動作速度を低下させない。こ
のように、配線の抵抗成分による電圧降下に起因する動
作速度の低下の抑制を回路レイアウト的に大きな不利益
を発生せずに達成することができることとなる。又、比
較的簡便な方法によってその構造が実現できる。
ETほど実効的な電源電圧の降下を招くが、しきい値電
圧が低くなっているので、電源電圧の降下に伴う動作速
度の低下が防止される。つまり、配線の抵抗による電圧
降下によって実効的な電源電圧が低下した領域において
もその領域の電圧降下分に対応した量だけしきい値電圧
を低く設定して回路全体の動作速度を低下させない。こ
のように、配線の抵抗成分による電圧降下に起因する動
作速度の低下の抑制を回路レイアウト的に大きな不利益
を発生せずに達成することができることとなる。又、比
較的簡便な方法によってその構造が実現できる。
【0042】尚、支線となる配線(電源配線)4は2層
の金属配線を用いて網目状にしてもよく、このとき、分
割した領域の形状は正方形となる。さらに、回路内の個
々のゲートの駆動率とゲート使用率を考慮し、正確なシ
ミュレーション等から回路内の各MOSFETの電圧降
下量を求め、それに対応した領域に分割する方が前述の
動作速度の低下抑制の効果は大きくなることは言うまで
もない。 (第2の実施の形態)次に、この発明の第2の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
の金属配線を用いて網目状にしてもよく、このとき、分
割した領域の形状は正方形となる。さらに、回路内の個
々のゲートの駆動率とゲート使用率を考慮し、正確なシ
ミュレーション等から回路内の各MOSFETの電圧降
下量を求め、それに対応した領域に分割する方が前述の
動作速度の低下抑制の効果は大きくなることは言うまで
もない。 (第2の実施の形態)次に、この発明の第2の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0043】図15には、図2に代わるチップ1の断面
図を示す。本形態では、分割した領域毎にバックゲート
電極を独立した電極40,41,42としている。この
とき、各バックゲート電極毎に電荷注入(又は電圧印
加)を行い、各領域毎に注入電荷量(又は印加電圧)を
制御することにより領域毎に所望のしきい値電圧を得て
いる。
図を示す。本形態では、分割した領域毎にバックゲート
電極を独立した電極40,41,42としている。この
とき、各バックゲート電極毎に電荷注入(又は電圧印
加)を行い、各領域毎に注入電荷量(又は印加電圧)を
制御することにより領域毎に所望のしきい値電圧を得て
いる。
【0044】このように本形態においては、バックゲー
ト電極40,41,42を領域毎に独立に設け、バック
ゲート電極40,41,42への注入電荷量または印加
電圧を領域毎に異ならせることにより、領域毎のMOS
FETのしきい値電圧を異ならせることができる。
ト電極40,41,42を領域毎に独立に設け、バック
ゲート電極40,41,42への注入電荷量または印加
電圧を領域毎に異ならせることにより、領域毎のMOS
FETのしきい値電圧を異ならせることができる。
【0045】尚、第2の実施の形態は、第1の実施の形
態に比べ、バックゲート電極毎に電圧印加又は電荷注入
用の端子が必要となるが、バックゲート電極とSOI層
間の距離は一定(図2のt1=t2=t3)でよいた
め、製造工程は簡略となる。 (第3の実施の形態)次に、この発明の第3の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
態に比べ、バックゲート電極毎に電圧印加又は電荷注入
用の端子が必要となるが、バックゲート電極とSOI層
間の距離は一定(図2のt1=t2=t3)でよいた
め、製造工程は簡略となる。 (第3の実施の形態)次に、この発明の第3の実施の形
態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0046】図16には、図2に代わるチップ1の断面
図を示す。本形態では、分割した領域毎にしきい値電圧
を決定するチャネル領域の不純物濃度(又はイオン種)
を変えることによって、領域毎に所望のしきい値電圧を
得ている。つまり、図3に示す単結晶シリコン基板25
における各領域となる箇所毎に不純物濃度(又はイオン
種)を変え、チャネル領域の不純物濃度(又はイオン
種)を異ならせる。具体的には、配線が長い領域ほどチ
ャネル領域の不純物濃度を濃くする。
図を示す。本形態では、分割した領域毎にしきい値電圧
を決定するチャネル領域の不純物濃度(又はイオン種)
を変えることによって、領域毎に所望のしきい値電圧を
得ている。つまり、図3に示す単結晶シリコン基板25
における各領域となる箇所毎に不純物濃度(又はイオン
種)を変え、チャネル領域の不純物濃度(又はイオン
種)を異ならせる。具体的には、配線が長い領域ほどチ
ャネル領域の不純物濃度を濃くする。
【0047】このように本形態においては、各MOSF
ETを電源配線の長さに応じて複数の領域a〜eに区画
し、MOSFET13,14,15におけるチャネル領
域の不純物濃度または不純物の種類を領域毎に異ならせ
て、配線が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧
を低くすることができる。
ETを電源配線の長さに応じて複数の領域a〜eに区画
し、MOSFET13,14,15におけるチャネル領
域の不純物濃度または不純物の種類を領域毎に異ならせ
て、配線が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧
を低くすることができる。
【0048】ここで、前記第1の実施の形態と第3の実
施の形態とを比較した場合、イオン注入量を領域毎に打
ち分ける第3の実施の形態を用いた場合には、4工程の
増加があるのに対し、第1の実施の形態では2工程増え
るだけであるのでこの観点からみれば第1の実施の形態
の方が簡便な手法であるといえる。
施の形態とを比較した場合、イオン注入量を領域毎に打
ち分ける第3の実施の形態を用いた場合には、4工程の
増加があるのに対し、第1の実施の形態では2工程増え
るだけであるのでこの観点からみれば第1の実施の形態
の方が簡便な手法であるといえる。
【0049】この第3の実施の形態に関する手法(チャ
ネル領域の不純物濃度または不純物の種類を異ならせる
手法)は、薄膜SOI構造を用いずバックゲート電極も
無い半導体装置においても有用な技術である。
ネル領域の不純物濃度または不純物の種類を異ならせる
手法)は、薄膜SOI構造を用いずバックゲート電極も
無い半導体装置においても有用な技術である。
【0050】これまでの説明においては、C−MOS構
造を用いた場合について述べたが、C−MOS構造では
なく単独のMOSFETを基板内に複数形成した半導体
装置に適用できる。
造を用いた場合について述べたが、C−MOS構造では
なく単独のMOSFETを基板内に複数形成した半導体
装置に適用できる。
【0051】又、これまでの説明においては、各MOS
FETを電源配線の長さに応じて複数の領域に区画する
際に、各領域には1つのC−MOSが配置されていた
が、各領域のMOSFETの数は適宜の数とすることが
できる。
FETを電源配線の長さに応じて複数の領域に区画する
際に、各領域には1つのC−MOSが配置されていた
が、各領域のMOSFETの数は適宜の数とすることが
できる。
【図1】第1の実施の形態におけるウェハの平面図。
【図2】図1のA部における縦断面図。
【図3】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図4】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図5】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図6】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図7】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図8】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図9】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図10】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図11】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図12】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図13】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図14】半導体装置の製造工程を説明するための断面
図。
図。
【図15】第2の実施の形態における半導体装置の断面
図。
図。
【図16】第3の実施の形態における半導体装置の断面
図。
図。
4…電源配線、7…絶縁体層としてのシリコン酸化膜、
8,9,10…単結晶半導体層としての薄膜SOI層、
13,14,15…MOSFET、16…バックゲート
電極、30…半導体基板としてのSOI基板、40,4
1,42…バックゲート電極。
8,9,10…単結晶半導体層としての薄膜SOI層、
13,14,15…MOSFET、16…バックゲート
電極、30…半導体基板としてのSOI基板、40,4
1,42…バックゲート電極。
Claims (3)
- 【請求項1】 SOI基板に複数のMOSFETが形成
されるとともに、MOSFETの少なくともチャネル領
域に対向する位置にバックゲート電極が配置され、さら
に、前記SOI基板上に延設された電源配線により前記
各MOSFETに電源電圧が供給される半導体装置にお
いて、 前記各MOSFETを前記電源配線の長さに応じて複数
の領域に区画し、前記MOSFETのチャネル領域とバ
ックゲート電極との間の絶縁膜の厚さを領域毎に異なら
せて、配線が長い領域でのMOSFETほどしきい値電
圧を低くしたことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 SOI基板に複数のMOSFETが形成
されるとともに、MOSFETの少なくともチャネル領
域に対向する位置にバックゲート電極が配置され、さら
に、前記SOI基板上に延設された電源配線により前記
各MOSFETに電源電圧が供給される半導体装置にお
いて、 前記各MOSFETを前記電源配線の長さに応じて複数
の領域に区画し、領域毎に前記バックゲート電極を独立
に設けるとともにバックゲート電極への印加電圧または
注入電荷量を領域毎に異ならせて、配線が長い領域での
MOSFETほどしきい値電圧を低くしたことを特徴と
する半導体装置。 - 【請求項3】 半導体基板に複数のMOSFETが形成
され、前記半導体基板上に延設された電源配線により前
記各MOSFETに電源電圧が供給される半導体装置に
おいて、 前記各MOSFETを前記電源配線の長さに応じて複数
の領域に区画し、MOSFETにおけるチャネル領域の
不純物濃度または不純物の種類を領域毎に異ならせて、
配線が長い領域でのMOSFETほどしきい値電圧を低
くしたことを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8193225A JPH1041512A (ja) | 1996-07-23 | 1996-07-23 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8193225A JPH1041512A (ja) | 1996-07-23 | 1996-07-23 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1041512A true JPH1041512A (ja) | 1998-02-13 |
Family
ID=16304407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8193225A Pending JPH1041512A (ja) | 1996-07-23 | 1996-07-23 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1041512A (ja) |
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