JPH10340821A - イグニッションコイル - Google Patents
イグニッションコイルInfo
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- JPH10340821A JPH10340821A JP9150738A JP15073897A JPH10340821A JP H10340821 A JPH10340821 A JP H10340821A JP 9150738 A JP9150738 A JP 9150738A JP 15073897 A JP15073897 A JP 15073897A JP H10340821 A JPH10340821 A JP H10340821A
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Landscapes
- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 出力性能の向上が図れるとともに、小型化に
適したイグニッションコイルを提供する。 【解決手段】 イグニッションコイル21は、磁心23
と、1次コイル25および2次コイル27がそれぞれ巻
回された1次側ボビン29および2次側ボビン31とを
備えて構成されている。その磁心23に設けられた磁気
ギャップ23b内には、複数、ここでは2つの4角板状
の永久磁石33からなる磁石体34が挿入されており、
1次コイル25の磁場による磁心23の残留磁化が磁石
体34の逆バイアス磁場によって除去されるようになっ
ている。磁石体34は複数の永久磁石33から構成され
ているので、強力な逆バイアス磁場が得られるようにな
っている。
適したイグニッションコイルを提供する。 【解決手段】 イグニッションコイル21は、磁心23
と、1次コイル25および2次コイル27がそれぞれ巻
回された1次側ボビン29および2次側ボビン31とを
備えて構成されている。その磁心23に設けられた磁気
ギャップ23b内には、複数、ここでは2つの4角板状
の永久磁石33からなる磁石体34が挿入されており、
1次コイル25の磁場による磁心23の残留磁化が磁石
体34の逆バイアス磁場によって除去されるようになっ
ている。磁石体34は複数の永久磁石33から構成され
ているので、強力な逆バイアス磁場が得られるようにな
っている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内燃機関
等に使用されるイグニッションコイル、特にシリンダヘ
ッド上に設置可能な独立点火方式のイグニッションコイ
ルに関するものである。
等に使用されるイグニッションコイル、特にシリンダヘ
ッド上に設置可能な独立点火方式のイグニッションコイ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8および図9は従来のイグニッション
コイル1,3の断面図であり、このイグニッションコイ
ル1,3は、電磁鋼板を積層して形成した磁心5と、そ
の磁心5の外周部に備えられ、1次コイル7および2次
コイル9がそれぞれ巻回された1次側ボビン11および
2次側ボビン13とを備えて構成されている。1次コイ
ル7にはバッテリからの直流電圧が断続的に印加される
ようになっており、1次コイル7に印加する電圧をオン
からオフに切り換えたときに2次コイル9に誘発される
起電力が、点火プラグをスパークさせるための電力とし
て取り出されるようになっている。
コイル1,3の断面図であり、このイグニッションコイ
ル1,3は、電磁鋼板を積層して形成した磁心5と、そ
の磁心5の外周部に備えられ、1次コイル7および2次
コイル9がそれぞれ巻回された1次側ボビン11および
2次側ボビン13とを備えて構成されている。1次コイ
ル7にはバッテリからの直流電圧が断続的に印加される
ようになっており、1次コイル7に印加する電圧をオン
からオフに切り換えたときに2次コイル9に誘発される
起電力が、点火プラグをスパークさせるための電力とし
て取り出されるようになっている。
【0003】このようにして1次コイル7に印加する電
圧をオンからオフに切り換えて起電力を取り出す際、磁
心5には1次コイル7が発生させた磁場の影響により残
留磁化が残るのであるが、このイグニッションコイル
1,3では、1次コイル7が発生させる磁場と逆向きの
磁場(逆バイアス)を磁心5にかける永久磁石15が磁
心5の磁気ギャップ5a内に挿入され、この永久磁石1
5の磁場により磁心5の残留磁化が打ち消され、効率良
く高電圧が取り出せるようになっている。
圧をオンからオフに切り換えて起電力を取り出す際、磁
心5には1次コイル7が発生させた磁場の影響により残
留磁化が残るのであるが、このイグニッションコイル
1,3では、1次コイル7が発生させる磁場と逆向きの
磁場(逆バイアス)を磁心5にかける永久磁石15が磁
心5の磁気ギャップ5a内に挿入され、この永久磁石1
5の磁場により磁心5の残留磁化が打ち消され、効率良
く高電圧が取り出せるようになっている。
【0004】図10は磁性体(磁心5)の磁化曲線を示
す図であり、図10に基づいて永久磁石15の挿入によ
ってイグニッションコイル1,3の出力性能が向上する
原理を説明する。1次コイル7に印加する電圧をオンか
らオフに切り換えた際に1次コイル7が発生させる磁場
の変化幅をHwとする。このとき、磁心5に永久磁石1
5を挿入しない場合では、印加電圧をオフするのに伴っ
て磁心5にかかる起磁力HはHwからゼロに変化する。
これに伴って磁心5の磁束密度MはM1からM2に変化
するのであるが、そのときの磁束密度Mの変化幅は、磁
心5の残留磁化の影響により小さな値Mwとなってい
る。
す図であり、図10に基づいて永久磁石15の挿入によ
ってイグニッションコイル1,3の出力性能が向上する
原理を説明する。1次コイル7に印加する電圧をオンか
らオフに切り換えた際に1次コイル7が発生させる磁場
の変化幅をHwとする。このとき、磁心5に永久磁石1
5を挿入しない場合では、印加電圧をオフするのに伴っ
て磁心5にかかる起磁力HはHwからゼロに変化する。
これに伴って磁心5の磁束密度MはM1からM2に変化
するのであるが、そのときの磁束密度Mの変化幅は、磁
心5の残留磁化の影響により小さな値Mwとなってい
る。
【0005】これに対し、永久磁石15を挿入した場合
では、印加電圧をオフするのに伴って磁心5にかかる起
磁力Hは例えばプラスHw/2からマイナスHw/2に
変化し、これに伴って磁心5の磁束密度Mは、永久磁石
15によって与えられる保磁力により磁心5の残留磁化
が軽減されるので、例えばM3からゼロに変化し、この
ときの磁束密度Mの変化幅は、前記値Mwよりも大きな
値Mw’が得られるようになっている。また、2次コイ
ル9から取り出せる起電力は、磁心5の磁束密度Mの変
化幅に比例しているので、永久磁石15の挿入によりイ
グニッションコイル1,3の出力性能の向上が図れるよ
うになっている。
では、印加電圧をオフするのに伴って磁心5にかかる起
磁力Hは例えばプラスHw/2からマイナスHw/2に
変化し、これに伴って磁心5の磁束密度Mは、永久磁石
15によって与えられる保磁力により磁心5の残留磁化
が軽減されるので、例えばM3からゼロに変化し、この
ときの磁束密度Mの変化幅は、前記値Mwよりも大きな
値Mw’が得られるようになっている。また、2次コイ
ル9から取り出せる起電力は、磁心5の磁束密度Mの変
化幅に比例しているので、永久磁石15の挿入によりイ
グニッションコイル1,3の出力性能の向上が図れるよ
うになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、永久磁
石の一般的な性質として、外周部の磁束密度に比べて中
心部の磁束密度が小さくなるという性質があるため、1
枚板の永久磁石15を使用している上述のイグニッショ
ンコイル1,3では、永久磁石15の中央部の磁束密度
が小さくなり、磁心5の残留磁化を取り除くために必要
な保磁力を得るためには、その厚さや表面積(幅×奥行
き)を大きくして永久磁石15を大型化する必要がる。
永久磁石15が大型化すると、磁心5に形成する磁気ギ
ャップ5aもそれに伴って大型化する必要がある。図8
および図9の従来例では、永久磁石15の表面積が磁心
5のコイル装着部の軸直角断面積よりも大きくなってお
り、磁気ギャップ5aを磁心5の軸心に対して斜めに形
成したり(図8)、磁気ギャップ5aを形成する部分の
磁心5の径を拡大したり(図9)することによって対応
している。
石の一般的な性質として、外周部の磁束密度に比べて中
心部の磁束密度が小さくなるという性質があるため、1
枚板の永久磁石15を使用している上述のイグニッショ
ンコイル1,3では、永久磁石15の中央部の磁束密度
が小さくなり、磁心5の残留磁化を取り除くために必要
な保磁力を得るためには、その厚さや表面積(幅×奥行
き)を大きくして永久磁石15を大型化する必要がる。
永久磁石15が大型化すると、磁心5に形成する磁気ギ
ャップ5aもそれに伴って大型化する必要がある。図8
および図9の従来例では、永久磁石15の表面積が磁心
5のコイル装着部の軸直角断面積よりも大きくなってお
り、磁気ギャップ5aを磁心5の軸心に対して斜めに形
成したり(図8)、磁気ギャップ5aを形成する部分の
磁心5の径を拡大したり(図9)することによって対応
している。
【0007】このように磁気ギャップ5aが大きくなる
と、1次コイル7により磁心5を磁化させる際の磁気損
失が大きくなり、却ってイグニッションコイル1,3の
出力性能が低下するという問題がある。また、永久磁石
15の大型化はイグニッションコイル1,3の大型化を
招くという問題もある。
と、1次コイル7により磁心5を磁化させる際の磁気損
失が大きくなり、却ってイグニッションコイル1,3の
出力性能が低下するという問題がある。また、永久磁石
15の大型化はイグニッションコイル1,3の大型化を
招くという問題もある。
【0008】そこで、本発明は前記問題点に鑑み、出力
性能の向上が図れるとともに、小型化に適したイグニッ
ションコイルを提供することを目的とする。
性能の向上が図れるとともに、小型化に適したイグニッ
ションコイルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段は、磁心の周囲に1次コイルおよび2次コ
イルを備え、前記1次コイルに供給する直流電流を変化
させて前記磁心中を通る磁束量を変化させることにより
前記2次コイルに高電圧を誘発させるようにしたイグニ
ッションコイルにおいて、前記磁心に設けられた磁気ギ
ャップ内に、前記1次コイルが発生させる磁場と逆向き
の磁場をこの磁心にかける複数の永久磁石を並列させて
挿入することを特徴とする。
の技術的手段は、磁心の周囲に1次コイルおよび2次コ
イルを備え、前記1次コイルに供給する直流電流を変化
させて前記磁心中を通る磁束量を変化させることにより
前記2次コイルに高電圧を誘発させるようにしたイグニ
ッションコイルにおいて、前記磁心に設けられた磁気ギ
ャップ内に、前記1次コイルが発生させる磁場と逆向き
の磁場をこの磁心にかける複数の永久磁石を並列させて
挿入することを特徴とする。
【0010】好ましくは、前記磁気ギャップは前記磁心
の軸心に対して垂直方向に形成されており、複数の前記
永久磁石がその磁気ギャップ内に平面的に配列されてい
るのがよい。
の軸心に対して垂直方向に形成されており、複数の前記
永久磁石がその磁気ギャップ内に平面的に配列されてい
るのがよい。
【0011】また、好ましくは、前記磁気ギャップは前
記磁心の軸心に対して斜め方向に形成されており、複数
の前記永久磁石がその磁気ギャップ内に平面的に配列さ
れているのがよい。
記磁心の軸心に対して斜め方向に形成されており、複数
の前記永久磁石がその磁気ギャップ内に平面的に配列さ
れているのがよい。
【0012】さらに、好ましくは、前記磁気ギャップは
V字状に形成されており、複数の前記永久磁石がその磁
気ギャップ内にV字状に配列されているのがよい。
V字状に形成されており、複数の前記永久磁石がその磁
気ギャップ内にV字状に配列されているのがよい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
るイグニッションコイルの断面図である。このイグニッ
ションコイル21は、電磁鋼板を積層して形成した磁心
23と、エナメル線からなる1次コイル25および2次
コイル27がそれぞれ巻回された1次側ボビン29およ
び2次側ボビン31とを備えて構成されており、その磁
心23に設けられた磁気ギャップ23b内には、複数、
ここでは2つの4角板状の永久磁石33(希土類磁石)
からなる磁石体34が挿入されている。このように構成
されるイグニッションコイル21は、図示しないケース
に収容され、そのケース内の隙間部には絶縁油やエポキ
シ樹脂等の絶縁物が充填され、2次コイル27の出力高
電圧に耐え得る絶縁性が確保されるようになっている。
るイグニッションコイルの断面図である。このイグニッ
ションコイル21は、電磁鋼板を積層して形成した磁心
23と、エナメル線からなる1次コイル25および2次
コイル27がそれぞれ巻回された1次側ボビン29およ
び2次側ボビン31とを備えて構成されており、その磁
心23に設けられた磁気ギャップ23b内には、複数、
ここでは2つの4角板状の永久磁石33(希土類磁石)
からなる磁石体34が挿入されている。このように構成
されるイグニッションコイル21は、図示しないケース
に収容され、そのケース内の隙間部には絶縁油やエポキ
シ樹脂等の絶縁物が充填され、2次コイル27の出力高
電圧に耐え得る絶縁性が確保されるようになっている。
【0014】磁心23は、ループ状の形状を有してお
り、その外周部の一部の区間に1次側ボビン29および
2次側ボビン31が、1次側ボビン29が2次側ボビン
31の内側になるように、重ねられた状態で備えられて
いる。また、磁心23の1次側および2次側ボビン2
9,31が備えられる部分(コイル装着部)23aに
は、磁心23の軸心と直交する方向に沿って延びる直方
体形状の磁気ギャップ23bが設けられている。
り、その外周部の一部の区間に1次側ボビン29および
2次側ボビン31が、1次側ボビン29が2次側ボビン
31の内側になるように、重ねられた状態で備えられて
いる。また、磁心23の1次側および2次側ボビン2
9,31が備えられる部分(コイル装着部)23aに
は、磁心23の軸心と直交する方向に沿って延びる直方
体形状の磁気ギャップ23bが設けられている。
【0015】磁石体34の各永久磁石33は、図2に示
されるように、磁気ギャップ23bを縦方向に2分割し
たような磁気ギャップ23b内にぴったりと嵌まり込む
大きさおよび形状である。この各永久磁石33は、1次
コイル25が発生させる磁場と反対方向の磁場(逆バイ
アス)を磁心23にかけるように、磁気ギャップ23b
が延びる方向に沿って平面的に並列させた状態で磁気ギ
ャップ23b内に設置されている。また、各永久磁石3
3には、それぞれ独立して製造されたものが用いられて
いる。このような永久磁石33によって構成される磁石
体34は、幅Wが20mm、奥行きDが10mm、厚さ
Tが0.8ないし2.0mm(ここでは1mm)に設定
されており、その幅方向の中央部で2つに分割されてい
る。
されるように、磁気ギャップ23bを縦方向に2分割し
たような磁気ギャップ23b内にぴったりと嵌まり込む
大きさおよび形状である。この各永久磁石33は、1次
コイル25が発生させる磁場と反対方向の磁場(逆バイ
アス)を磁心23にかけるように、磁気ギャップ23b
が延びる方向に沿って平面的に並列させた状態で磁気ギ
ャップ23b内に設置されている。また、各永久磁石3
3には、それぞれ独立して製造されたものが用いられて
いる。このような永久磁石33によって構成される磁石
体34は、幅Wが20mm、奥行きDが10mm、厚さ
Tが0.8ないし2.0mm(ここでは1mm)に設定
されており、その幅方向の中央部で2つに分割されてい
る。
【0016】本実施形態のイグニッションコイル21で
も、従来例と同様に、1次コイル25にバッテリからの
直流電圧を断続的に印加し、1次コイル25に印加する
電圧がオンからオフに切り換わるのに伴って2次コイル
27に誘発される起電力を、点火プラグをスパークさせ
るための電力として取り出すようになっている。1次コ
イル25への印加電圧をオンからオフに切り換えた際、
磁心23には永久磁石33による逆バイアスがかけられ
ているので、1次コイル25が発生させた磁場による残
留磁化の影響が取り除かれ、効率良く高電圧が取り出せ
るようになっている。
も、従来例と同様に、1次コイル25にバッテリからの
直流電圧を断続的に印加し、1次コイル25に印加する
電圧がオンからオフに切り換わるのに伴って2次コイル
27に誘発される起電力を、点火プラグをスパークさせ
るための電力として取り出すようになっている。1次コ
イル25への印加電圧をオンからオフに切り換えた際、
磁心23には永久磁石33による逆バイアスがかけられ
ているので、1次コイル25が発生させた磁場による残
留磁化の影響が取り除かれ、効率良く高電圧が取り出せ
るようになっている。
【0017】また、永久磁石の一般的性質として、周辺
部に比べて中心部の磁束密度が小さくなるという性質が
あるのであるが、本実施形態では、磁石体34を複数の
永久磁石33で構成することによってより強力な逆バイ
アスが得られるようになっている。これは、単一の永久
磁石により磁石体を構成した場合では、図3(a)に示
されるように大きな磁束密度が得られる有効領域(ハッ
チング領域)が磁石体の周辺領域のみであったのが、複
数の永久磁石33により磁石体34を構成した場合で
は、図3(b)に示されるように有効領域が磁石体34
の中央部にも分布するようになり、有効領域の磁石体3
4の表面上に占める割合が増大するためである。
部に比べて中心部の磁束密度が小さくなるという性質が
あるのであるが、本実施形態では、磁石体34を複数の
永久磁石33で構成することによってより強力な逆バイ
アスが得られるようになっている。これは、単一の永久
磁石により磁石体を構成した場合では、図3(a)に示
されるように大きな磁束密度が得られる有効領域(ハッ
チング領域)が磁石体の周辺領域のみであったのが、複
数の永久磁石33により磁石体34を構成した場合で
は、図3(b)に示されるように有効領域が磁石体34
の中央部にも分布するようになり、有効領域の磁石体3
4の表面上に占める割合が増大するためである。
【0018】これを具体的に示すために、単一の永久磁
石により構成された磁石体35(図4(a)参照)と、
2つまたは4つの永久磁石33により構成された磁石体
34(図4(b),(c)参照)との磁束密度の分布の
測定を行った。図5はその測定結果を示すものであり、
図4(a)ないし(c)に対応する磁石体34,35の
表面上における磁束密度分布および平均磁束密度を示
す。その横軸は磁石体34の一端部から他端部までのそ
の幅方向に沿った距離を示しており、縦軸は磁束密度の
大きさを示している。図中、A1ないしA3が、図4
(a)ないし(c)の磁石体34,35の磁束密度分布
を示すグラフであり、B1ないしB3が、図3(a)な
いし(c)の磁石体34,35の表面上における平均磁
束密度を示すグラフである。グラフB1ないしB3よ
り、1枚板の永久磁石からなる磁石体35よりも複数の
永久磁石33からなる磁石体34の方がより強力な逆バ
イアスを得られることが分かる。ここで、磁石体34,
35のサイズは、前記図2に基づいて示した磁石体34
のサイズと等しく設定した。
石により構成された磁石体35(図4(a)参照)と、
2つまたは4つの永久磁石33により構成された磁石体
34(図4(b),(c)参照)との磁束密度の分布の
測定を行った。図5はその測定結果を示すものであり、
図4(a)ないし(c)に対応する磁石体34,35の
表面上における磁束密度分布および平均磁束密度を示
す。その横軸は磁石体34の一端部から他端部までのそ
の幅方向に沿った距離を示しており、縦軸は磁束密度の
大きさを示している。図中、A1ないしA3が、図4
(a)ないし(c)の磁石体34,35の磁束密度分布
を示すグラフであり、B1ないしB3が、図3(a)な
いし(c)の磁石体34,35の表面上における平均磁
束密度を示すグラフである。グラフB1ないしB3よ
り、1枚板の永久磁石からなる磁石体35よりも複数の
永久磁石33からなる磁石体34の方がより強力な逆バ
イアスを得られることが分かる。ここで、磁石体34,
35のサイズは、前記図2に基づいて示した磁石体34
のサイズと等しく設定した。
【0019】以上のように、本実施形態によれば、磁心
23に逆バイアスをかけるための磁石体34が並列配置
された複数、ここでは2つの永久磁石33により構成さ
れているので、従来のように単一の永久磁石を用いるの
に比べて、より強力な逆バイアス磁場を発生させること
ができる。
23に逆バイアスをかけるための磁石体34が並列配置
された複数、ここでは2つの永久磁石33により構成さ
れているので、従来のように単一の永久磁石を用いるの
に比べて、より強力な逆バイアス磁場を発生させること
ができる。
【0020】このため、磁心23の残留磁化を軽減する
に十分な保磁力を確保しながら、磁石体34および磁気
ギャップ23bの厚さおよび面積(幅W×奥行きD)を
小さくすることができるので、イグニッションコイル2
1の出力性能の向上および小型化を図ることができる。
即ち、従来では図8および図9に示されるように永久磁
石および磁気ギャップの面積を磁心のコイル装着部23
aの断面積より大きくする必要があったのであるが、本
実施形態では、磁石体34および磁気ギャップ23bの
面積を磁心23のコイル装着部23aの軸直角断面積と
等しく設定できるようになっている。
に十分な保磁力を確保しながら、磁石体34および磁気
ギャップ23bの厚さおよび面積(幅W×奥行きD)を
小さくすることができるので、イグニッションコイル2
1の出力性能の向上および小型化を図ることができる。
即ち、従来では図8および図9に示されるように永久磁
石および磁気ギャップの面積を磁心のコイル装着部23
aの断面積より大きくする必要があったのであるが、本
実施形態では、磁石体34および磁気ギャップ23bの
面積を磁心23のコイル装着部23aの軸直角断面積と
等しく設定できるようになっている。
【0021】また、磁心23はその磁気ギャップ23b
に磁石体34を挿入しない状態で使用されることがある
のであるが、このように磁気ギャップ23bの厚さおよ
び面積を小さくすることにより、磁石体34を挿入しな
いで使用される際の磁心23の磁気損失も小さくするこ
とができ、磁石体34を挿入していない磁心23を用い
たイグニッションコイルの出力性能も向上させることが
できる。
に磁石体34を挿入しない状態で使用されることがある
のであるが、このように磁気ギャップ23bの厚さおよ
び面積を小さくすることにより、磁石体34を挿入しな
いで使用される際の磁心23の磁気損失も小さくするこ
とができ、磁石体34を挿入していない磁心23を用い
たイグニッションコイルの出力性能も向上させることが
できる。
【0022】さらに、磁気ギャップ23b内に複数の永
久磁石33を並列配置しているので、磁心23に均一に
逆バイアスをかけることができる。このため、磁心23
の残留磁化をムラ無く打ち消すことができ、イグニッシ
ョンコイル21の出力性能を向上させることができる。
久磁石33を並列配置しているので、磁心23に均一に
逆バイアスをかけることができる。このため、磁心23
の残留磁化をムラ無く打ち消すことができ、イグニッシ
ョンコイル21の出力性能を向上させることができる。
【0023】図6は上述のイグニッションコイル21の
第1の変形例を示す断面図である。このイグニッション
コイル41では、磁気ギャップ23bが磁心23のコイ
ル装着部23aの軸心に対して斜め方向に直線状に形成
されており、その磁気ギャップ23b内には、磁石体3
4を構成する2つの永久磁石33が平面的に配列された
状態で挿入されている。
第1の変形例を示す断面図である。このイグニッション
コイル41では、磁気ギャップ23bが磁心23のコイ
ル装着部23aの軸心に対して斜め方向に直線状に形成
されており、その磁気ギャップ23b内には、磁石体3
4を構成する2つの永久磁石33が平面的に配列された
状態で挿入されている。
【0024】図7は上述のイグニッションコイル21の
第2の変形例を示す断面図である。このイグニッション
コイル51では、磁気ギャップ23bが、概ね平板をV
字状に屈曲させたV字形状を有しており、磁心23のコ
イル装着部23aの軸心に対して左右対称になるように
形成されている。その磁気ギャップ23b内には、磁石
体34を構成する2つの永久磁石33がV字状に並列的
に配列された状態で挿入されている。なお、ここでは、
磁気ギャップ23bを軸心に対して左右対称なV字形状
としたが、必ずしも左右対称なV字形状である必要はな
い。
第2の変形例を示す断面図である。このイグニッション
コイル51では、磁気ギャップ23bが、概ね平板をV
字状に屈曲させたV字形状を有しており、磁心23のコ
イル装着部23aの軸心に対して左右対称になるように
形成されている。その磁気ギャップ23b内には、磁石
体34を構成する2つの永久磁石33がV字状に並列的
に配列された状態で挿入されている。なお、ここでは、
磁気ギャップ23bを軸心に対して左右対称なV字形状
としたが、必ずしも左右対称なV字形状である必要はな
い。
【0025】なお、上述の実施形態では、2つの永久磁
石33で磁石体34を構成したが、2つに限らず、任意
の数の永久磁石を用いて磁石体34を構成してもよい。
石33で磁石体34を構成したが、2つに限らず、任意
の数の永久磁石を用いて磁石体34を構成してもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、請求項1ないし4記載の
発明によれば、磁心に設けられた磁気ギャップに、1次
コイルが発生させる磁場と逆向きの磁場をこの磁心にか
ける複数の永久磁石を並列させて挿入してあるので、従
来のように単一の永久磁石を用いるのに比べて、より強
力な逆バイアス磁場を発生させることができる。
発明によれば、磁心に設けられた磁気ギャップに、1次
コイルが発生させる磁場と逆向きの磁場をこの磁心にか
ける複数の永久磁石を並列させて挿入してあるので、従
来のように単一の永久磁石を用いるのに比べて、より強
力な逆バイアス磁場を発生させることができる。
【0027】このため、磁心の残留磁化を軽減するに十
分な保磁力を確保しながら、永久磁石および磁気ギャッ
プの厚さおよび面積を小さくすることができるので、イ
グニッションコイルの出力性能の向上および小型化を図
ることができる。
分な保磁力を確保しながら、永久磁石および磁気ギャッ
プの厚さおよび面積を小さくすることができるので、イ
グニッションコイルの出力性能の向上および小型化を図
ることができる。
【0028】また、磁心はその磁気ギャップに永久磁石
を挿入しない状態で使用されることがあるのであるが、
このように磁気ギャップの厚さおよび面積を小さくする
ことにより、永久磁石を挿入しないで使用される際の磁
心の磁気損失も小さくすることができ、永久磁石を挿入
していない磁心を用いたイグニッションコイルの出力性
能も向上させることができる。
を挿入しない状態で使用されることがあるのであるが、
このように磁気ギャップの厚さおよび面積を小さくする
ことにより、永久磁石を挿入しないで使用される際の磁
心の磁気損失も小さくすることができ、永久磁石を挿入
していない磁心を用いたイグニッションコイルの出力性
能も向上させることができる。
【0029】さらに、磁気ギャップ内に複数の永久磁石
を並列配置しているので、磁心に均一に逆バイアス磁場
をかけることができる。このため、磁心の残留磁化をム
ラ無く打ち消すことができ、イグニッションコイルの出
力性能を向上させることができる。
を並列配置しているので、磁心に均一に逆バイアス磁場
をかけることができる。このため、磁心の残留磁化をム
ラ無く打ち消すことができ、イグニッションコイルの出
力性能を向上させることができる。
【図1】本発明の一実施形態に係るイグニッションコイ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図2】図1のイグニッションコイルに用いられる磁心
の磁気ギャップおよび永久磁石の構成を示す斜視図であ
る。
の磁気ギャップおよび永久磁石の構成を示す斜視図であ
る。
【図3】図3(a)は単一の永久磁石からなる磁石体の
表面の有効領域を示す図であり、図3(b)は2つの永
久磁石からなる磁石体の表面の有効領域を示す図であ
る。
表面の有効領域を示す図であり、図3(b)は2つの永
久磁石からなる磁石体の表面の有効領域を示す図であ
る。
【図4】図4(a)は単一の永久磁石からなる磁石体を
示す図であり、図4(b)は2つの永久磁石からなる磁
石体を示す図であり、図4(c)は4つの永久磁石から
なる磁石体を示す図である。
示す図であり、図4(b)は2つの永久磁石からなる磁
石体を示す図であり、図4(c)は4つの永久磁石から
なる磁石体を示す図である。
【図5】図4(a)ないし(c)の磁石体の表面上にお
ける磁束密度分布および平均磁束密度を示す図である。
ける磁束密度分布および平均磁束密度を示す図である。
【図6】図1のイグニッションコイルの第1の変形例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図7】図1のイグニッションコイルの第2の変形例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図8】第1の従来技術に係るイグニッションコイルを
示す断面図である。
示す断面図である。
【図9】第2の従来技術に係るイグニッションコイルを
示す断面図である。
示す断面図である。
【図10】磁性体(磁心)の磁化曲線を示す図である。
21,41,51 イグニッションコイル 23 磁心 23b 磁気ギャップ 25 1次コイル 27 2次コイル 33 永久磁石
Claims (4)
- 【請求項1】 磁心の周囲に1次コイルおよび2次コイ
ルを備え、前記1次コイルに供給する直流電流を変化さ
せて前記磁心中を通る磁束量を変化させることにより前
記2次コイルに高電圧を誘発させるようにしたイグニッ
ションコイルにおいて、 前記磁心に設けられた磁気ギャップ内に、前記1次コイ
ルが発生させる磁場と逆向きの磁場をこの磁心にかける
複数の永久磁石を並列させて挿入することを特徴とする
イグニッションコイル。 - 【請求項2】 前記磁気ギャップは前記磁心の軸心に対
して垂直方向に形成されており、複数の前記永久磁石が
その磁気ギャップ内に平面的に配列されていることを特
徴とする請求項1に記載のイグニッションコイル。 - 【請求項3】 前記磁気ギャップは前記磁心の軸心に対
して斜め方向に形成されており、複数の前記永久磁石が
その磁気ギャップ内に平面的に配列されていることを特
徴とする請求項1に記載のイグニッションコイル。 - 【請求項4】 前記磁気ギャップはV字状に形成されて
おり、複数の前記永久磁石がその磁気ギャップ内にV字
状に配列されていることを特徴とする請求項1に記載の
イグニッションコイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9150738A JPH10340821A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | イグニッションコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9150738A JPH10340821A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | イグニッションコイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10340821A true JPH10340821A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15503344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9150738A Pending JPH10340821A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | イグニッションコイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10340821A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009076734A (ja) * | 2007-09-21 | 2009-04-09 | Hanshin Electric Co Ltd | 内燃機関用点火コイル |
JP2014060156A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Tempel Steel Company | 少なくとも1つの埋設永久磁石を備えたコアを有する自動車用点火コイル |
JP2015141196A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | 甲神電機株式会社 | 磁気コア及びこれを用いた電流センサ |
WO2016166849A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2016-10-20 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関用点火コイル |
US11830667B2 (en) | 2019-08-22 | 2023-11-28 | Denso Corporation | Ignition coil |
-
1997
- 1997-06-09 JP JP9150738A patent/JPH10340821A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009076734A (ja) * | 2007-09-21 | 2009-04-09 | Hanshin Electric Co Ltd | 内燃機関用点火コイル |
JP2014060156A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Tempel Steel Company | 少なくとも1つの埋設永久磁石を備えたコアを有する自動車用点火コイル |
JP2015141196A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | 甲神電機株式会社 | 磁気コア及びこれを用いた電流センサ |
WO2016166849A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2016-10-20 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関用点火コイル |
JPWO2016166849A1 (ja) * | 2015-04-15 | 2017-06-29 | 三菱電機株式会社 | 内燃機関用点火コイル |
US20180240589A1 (en) * | 2015-04-15 | 2018-08-23 | Mitsubishi Electric Corporation | Ignition coil for internal combustion engine |
US11830667B2 (en) | 2019-08-22 | 2023-11-28 | Denso Corporation | Ignition coil |
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