JPH10333131A - 表示パネル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置 - Google Patents
表示パネル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置Info
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- JPH10333131A JPH10333131A JP9367450A JP36745097A JPH10333131A JP H10333131 A JPH10333131 A JP H10333131A JP 9367450 A JP9367450 A JP 9367450A JP 36745097 A JP36745097 A JP 36745097A JP H10333131 A JPH10333131 A JP H10333131A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高分子分散液晶表示パネル及び該表示パネルを
ライトバルブとして用いる投射型表示装置およびビュー
ファインダなどの表示装置に関し、低コストかつ高輝度
表示を実現すること。 【解決手段】アレイ基板12上には画素電極14がマト
リックス状に形成されており、画素電極14には薄膜ト
ランジスタ155が接続される。また、薄膜トランジス
タ15への光の進入を防止するため樹脂からなる遮光膜
152が形成されている。対向電極25と画素電極14
間には高分子分散液晶層21が狭持されている。また、
対向電極25上には反射防止膜および保護膜として機能
する膜153が形成されている。基板351には誘電体
多層薄膜または有機材料からなる赤、緑、青色のカラー
フィルタ151が形成されている。カラーフィルタ15
1と保護膜153間はビーズ161により接触しないよ
うに保持されている。
ライトバルブとして用いる投射型表示装置およびビュー
ファインダなどの表示装置に関し、低コストかつ高輝度
表示を実現すること。 【解決手段】アレイ基板12上には画素電極14がマト
リックス状に形成されており、画素電極14には薄膜ト
ランジスタ155が接続される。また、薄膜トランジス
タ15への光の進入を防止するため樹脂からなる遮光膜
152が形成されている。対向電極25と画素電極14
間には高分子分散液晶層21が狭持されている。また、
対向電極25上には反射防止膜および保護膜として機能
する膜153が形成されている。基板351には誘電体
多層薄膜または有機材料からなる赤、緑、青色のカラー
フィルタ151が形成されている。カラーフィルタ15
1と保護膜153間はビーズ161により接触しないよ
うに保持されている。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、表示パネル、表示
パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネル
の欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置に関
するものである。 (0002)
パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネル
の欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置に関
するものである。 (0002)
【従来の技術】現在、商品化されている投射型表示装置
(液晶プロジェクタ)およびビューファインダには液晶
の旋光特性を利用したツイストネマティック(TN)液
晶が用いられている。 (0003)TN液晶を用いたTN液晶表示パネルは光
を変調するのに偏光板を用いる必要がある。 (0004)
(液晶プロジェクタ)およびビューファインダには液晶
の旋光特性を利用したツイストネマティック(TN)液
晶が用いられている。 (0003)TN液晶を用いたTN液晶表示パネルは光
を変調するのに偏光板を用いる必要がある。 (0004)
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の様な従
来の装置では、偏光板は入射光の70%近くを吸収して
しまうため光利用効率が悪い。そのためTN液晶表示パ
ネルは高輝度表示を実現することができないという課題
があった。 (0005)また、TN液晶表示パネルは液晶分子を配
向させる必要があるためラビング処理が必要である。し
かし、従来のラビング工程は高度の技術を必要とするた
め製造不良をおこしやすい。そのため、パネルコストを
増大させるという課題があっった。 (0006)本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、表示コントラストなどを一層向上出来る表示パネ
ル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表
示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示
装置を提供することを目的とする。 (0007)
来の装置では、偏光板は入射光の70%近くを吸収して
しまうため光利用効率が悪い。そのためTN液晶表示パ
ネルは高輝度表示を実現することができないという課題
があった。 (0005)また、TN液晶表示パネルは液晶分子を配
向させる必要があるためラビング処理が必要である。し
かし、従来のラビング工程は高度の技術を必要とするた
め製造不良をおこしやすい。そのため、パネルコストを
増大させるという課題があっった。 (0006)本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、表示コントラストなどを一層向上出来る表示パネ
ル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表
示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示
装置を提供することを目的とする。 (0007)
【課題を解決するための手段】第1の本発明の液晶表示
パネルは、例えば、第1の電極基板(11)と、第2の
電極基板(12)と、前記第1の電極基板(11)と第
2の電極基板(12)間に狭持された光散乱状態の変化
として光学像を形成する液晶層(21)と、前記第1の
電極基板(11)と第2の電極基板(12)のうち少な
くとも一方に形成された複数の配線(17)とを具備
し、同一基板上で隣接した前記配線間に電界19を生じ
させることにより、前記液晶層の液晶分子(20)を配
向させる液晶表示パネルである。 (0008)又、例えば、液晶表示パネル(22)の入
射側または出射側もしくは両方の側に偏光板(131)
を配置する。前記隣接した配線(横電界配線と呼ぶ)
(17)により基板と平行に電気力線(19)が生じ
る。この電気力線(19)に沿って液晶分子(20)は
配向する。液晶分子(20)が配向することにより特定
の方向に偏光依存性が生じる。前記特定方向と偏光板の
偏光軸(132)とを一致させることにより散乱特性等
が向上する。 (0009)第2の本発明の表示パネルは、例えば、液
晶層(21)および対向電極(25)を形成した後、前
記対向電極(25)上に、直接、カラーフィルタ(15
1)を形成する。紫外線の照射は対向電極(25)形成
後、カラーフィルタ(151)の形成前に行う。カラー
フィルタとは多層誘電体薄膜からなる干渉フィルタ、ゼ
ラチン等を染色したものが例示される。また、例えば、
カラーフィルタ(151)が機械的破壊することを防止
するため、前記カラーフィルタ上に保護膜(153)を
形成する。 (0010)第3の本発明の表示パネルは、例えば、ア
レイ基板(12)にカラーフィルタ(151)および遮
光膜としてのブラックマトリックス(202)を形成
し、前記カラーフィルタ151上に平滑および絶縁機能
のある薄膜(201)(絶縁膜)を形成する。この薄膜
(201)上にTFT(155)および信号線(15)
等を形成する。その後、対向電極(25)が形成された
対向基板(11)とアレイ基板(12)とを所定間隔あ
けて保持して、前記間隔に液晶と樹脂がまざりあわされ
た混合溶液(315)を注入する。混合溶液315の相
分離は対向基板11側から紫外線を照射することにより
行う。 (0011)第4の本発明の表示パネルは、例えば、対
向電極25上はカラーフィルタ151は形成しない。カ
ラーフィルタ151は別の基板(351)に形成する。
前記基板351と対向電極25間はビーズ(161)に
より所定間隔あけて保持する。また前記間隔には不活性
ガス(352)等を注入し、前記ガスが漏れないように
周辺部を封止樹脂(361)で封止する。 (0012)第5の本発明の表示パネルは、例えば、カ
ラーフィルタ151および対向電極25が形成された基
板11と、PD液晶層(21)とを接着層(371)で
はりあわせた構成である。接着層371は好ましくは液
晶層21の樹脂と同一材料を用いる。 (0013)第6の本発明の表示パネルは、例えば、対
向基板(11)を薄く構成し、前記対向基板11上にカ
ラーフィルタ(151)を形成したものである。対向基
板151の厚みtは画素の対角長をdとしたとき次式を
満足するようにする。カラーフィルタ151は液晶層
(21)に紫外線を照射した後に形成する。 (0014)
パネルは、例えば、第1の電極基板(11)と、第2の
電極基板(12)と、前記第1の電極基板(11)と第
2の電極基板(12)間に狭持された光散乱状態の変化
として光学像を形成する液晶層(21)と、前記第1の
電極基板(11)と第2の電極基板(12)のうち少な
くとも一方に形成された複数の配線(17)とを具備
し、同一基板上で隣接した前記配線間に電界19を生じ
させることにより、前記液晶層の液晶分子(20)を配
向させる液晶表示パネルである。 (0008)又、例えば、液晶表示パネル(22)の入
射側または出射側もしくは両方の側に偏光板(131)
を配置する。前記隣接した配線(横電界配線と呼ぶ)
(17)により基板と平行に電気力線(19)が生じ
る。この電気力線(19)に沿って液晶分子(20)は
配向する。液晶分子(20)が配向することにより特定
の方向に偏光依存性が生じる。前記特定方向と偏光板の
偏光軸(132)とを一致させることにより散乱特性等
が向上する。 (0009)第2の本発明の表示パネルは、例えば、液
晶層(21)および対向電極(25)を形成した後、前
記対向電極(25)上に、直接、カラーフィルタ(15
1)を形成する。紫外線の照射は対向電極(25)形成
後、カラーフィルタ(151)の形成前に行う。カラー
フィルタとは多層誘電体薄膜からなる干渉フィルタ、ゼ
ラチン等を染色したものが例示される。また、例えば、
カラーフィルタ(151)が機械的破壊することを防止
するため、前記カラーフィルタ上に保護膜(153)を
形成する。 (0010)第3の本発明の表示パネルは、例えば、ア
レイ基板(12)にカラーフィルタ(151)および遮
光膜としてのブラックマトリックス(202)を形成
し、前記カラーフィルタ151上に平滑および絶縁機能
のある薄膜(201)(絶縁膜)を形成する。この薄膜
(201)上にTFT(155)および信号線(15)
等を形成する。その後、対向電極(25)が形成された
対向基板(11)とアレイ基板(12)とを所定間隔あ
けて保持して、前記間隔に液晶と樹脂がまざりあわされ
た混合溶液(315)を注入する。混合溶液315の相
分離は対向基板11側から紫外線を照射することにより
行う。 (0011)第4の本発明の表示パネルは、例えば、対
向電極25上はカラーフィルタ151は形成しない。カ
ラーフィルタ151は別の基板(351)に形成する。
前記基板351と対向電極25間はビーズ(161)に
より所定間隔あけて保持する。また前記間隔には不活性
ガス(352)等を注入し、前記ガスが漏れないように
周辺部を封止樹脂(361)で封止する。 (0012)第5の本発明の表示パネルは、例えば、カ
ラーフィルタ151および対向電極25が形成された基
板11と、PD液晶層(21)とを接着層(371)で
はりあわせた構成である。接着層371は好ましくは液
晶層21の樹脂と同一材料を用いる。 (0013)第6の本発明の表示パネルは、例えば、対
向基板(11)を薄く構成し、前記対向基板11上にカ
ラーフィルタ(151)を形成したものである。対向基
板151の厚みtは画素の対角長をdとしたとき次式を
満足するようにする。カラーフィルタ151は液晶層
(21)に紫外線を照射した後に形成する。 (0014)
【数13】 (0015)第7の発明の表示パネルは、例えば、画素
電極(14)と共通電極(212)間に第1のPD液晶
層を形成し、前記画素電極(14)と対向電極(25)
間に第2のPD液晶層を形成したものである。画素電極
に電圧を印加することにより、第1と第2のPD液晶層
が同時に光透過状態となる。共通電極212のシート抵
抗値を低減させるため、共通電極212に沿って金属配
線(471)を形成する。 (0016)本発明の表示パネルを駆動するドライバ回
路(541)等上もしくは下には遮光膜(542)を形
成する。遮光膜542によりドライバ回路541に入射
する光が遮光される。また、遮光膜542のかわりに光
吸収樹脂541でドライブ回路541を包み込む。 (0017)第8の本発明の表示パネルは、例えば、画
素電極(14)間に光変調層(21)を形成せず、空間
を確保する構成である。また信号線(15)上にはBM
(202)を形成する。好ましくは前記空間には不活性
ガス(352)を注入する。製造方法は画素電極(1
4)間に対応するように形成した遮光膜(202)を有
するマスク(181)を作製し、前記マスク181を介
して紫外線(183)を照射する。遮光膜202に照射
された紫外線183は反射または吸収される。そのため
遮光膜202下の樹脂は硬化しない。紫外線183を照
射後、未硬化の樹脂(315)をあらい流すことにより
信号線上に空間を形成できる。 (0018)第9の本発明の表示パネルは、例えば、画
素電極(14)上にカラーフィルタ(151)を形成し
た構成である。PD液晶層(21)はカラーフィルタ1
51の色に応じて水滴状液晶の平均粒子径またはポリマ
ーネットワークの平均孔径を変化させる。カラーフィル
タ151が赤(R)色のときは平均粒子径または平均孔
径は大きくし、カラーフィルタ151が青(B)色のと
きは、平均粒子径または平均孔径は小さくする。平均粒
子径または平均孔径の大きさは照射する紫外線強度およ
び/または液晶と樹脂の種類、含有率を変化させること
により行う。また、図28に示すように焦点距離を変化
させたマイクロレンズ(641)を形成した透明基板
(642)を用いて紫外線を照射することにより行う。
マイクロレンズ(641)は、図67に示すようにプリ
ズムに置きかえてもよい。 (0019)第10の本発明の表示パネルは、例えば、
画素電極(14)の中央部の樹脂成分の含有率を多く
し、画素電極14の周辺部の液晶成分の含有率を多くし
た構成である。液晶の屈折率は樹脂の屈折率よりも高
い。そのため、図70に示す表示パネルは画素中央部の
屈折率が画素周辺部の屈折率よりも低くなる。したがっ
て、混合溶液(315)中の液晶成分の屈折率が樹脂成
分の屈折率よりも大きければ、1つ1つの画素が凹レン
ズとして機能をする。 (0020)第11の本発明の表示パネルは、例えば、
マイクロレンズアレイ(641)を具備するものであ
る。マイクロレンズアレイ基板(642)カラーフィル
タ(151)を形成することにより、液晶層(21)に
カラーフィルタ151を形成することなしにカラー表示
を実現する。また、マイクロレンズ641をR、緑
(G)、Bに着色してもよい。 (0021)マイクロレンズ(641)が、マイクロレ
ンズとしての機能とカラーフィルタ(151)としての
機能をあわせもつ。マイクロレンズはフレネルレンズで
もよい。 (0022)また、マイクロレンズ(641)を画素電
極(14)間に形成することにより画素電極14間にB
M(202)を形成したのと同様の効果を持たせること
ができる。 (0023)第12の本発明の表示パネルは、例えば、
対向電極の下層もしくは画素電極下層に樹脂からなる薄
膜もしくは厚膜を形成し、画素電極(14)の色に対応
して液晶層(21)の膜厚を変化させたものである。赤
色の画素は青色の画素より膜厚を厚くする。好ましく
は、赤色の画素の水滴状液晶の平均粒子径を青色の画素
の水滴状液晶の平均粒子径よりも大きくする。 (0024)第13の本発明の表示パネルは、例えば、
表示パネルの基板のに片面に凹凸を有する反射面を形成
したものである。もしくは液晶層と接する面(対向電極
25,画素電極14)に凹凸を形成し、前記凹凸面上に
カラーフィルタ(151)を形成したものである。 (0025)第14の本発明の表示パネルは、例えば、
ITOで画素電極(14)形成し、前記ITO上に誘電
体ミラー(891)を形成したものである。前記画素電
極14に電圧を印加することにより液晶層(21)が光
透過状態となる。画素欠陥の修正は誘電体ミラー側から
レーザ光を照射して行う。 (0026)本発明のマイクロレンズは、例えば、基板
上に核となる薄膜パターンを形成し、前記基板上に樹脂
溶液に塗布し、前記樹脂溶液を硬化させることによりマ
イクロレンズアレイを形成するものである。薄膜パター
ンの形状を考慮することにより、凹レンズもしくは凸レ
ンズのマイクロレンズアレイ基板を形成できる。また、
前記マイクロレンズ上に金属薄膜を形成することにより
反射型のマイクロレンズアレイを作製できる。 (0027)本発明の表示パネルから出射される光の指
向性を狭指向性とするため光の反射面もしくは表示パネ
ルからの光出射面に、マイクロレンズアレイもしくはプ
リズムシートを配置する。また、表示パネルへの光の入
射面に導光板を配置する。 (0028)第15の本発明の表示パネルは、例えば、
対向電極(25)に電流を流せるようにしたものであ
る。対向電極25の両端に配線(1693)が形成さ
れ、スイッチ(1692)を閉じることにより配線16
93aと1693b間に電流が流れる。電流は対向電極
25を流れる際、熱となり、液晶層(21)を加熱して
液晶層の温度を所定値まで上昇させる。 (0029)本発明の表示パネルのドライバ回路は、例
えば、高過ポリシリコンもしくは単結晶ポリシリコンも
しくは低温ポリシリコン技術を用いて形成されたトラン
ジスタにより構成されている。前記ドライバ回路のシフ
トレジスタの出力にはインバータが多段接続されてい
る。多段接続されたインバータの最終出力はアナログス
イッチのゲートに接続される。アナログスイッチはソー
ス信号線(15)に映像信号を出力する。 (0030)本発明の表示パネルにおいてインバータを
構成するトランジスタのゲート幅をWとし、ゲート長を
Lとし、液晶表示パネルの表示領域の対角長をDとする
とき、以下の関係を満足するようにする。 (0031)
電極(14)と共通電極(212)間に第1のPD液晶
層を形成し、前記画素電極(14)と対向電極(25)
間に第2のPD液晶層を形成したものである。画素電極
に電圧を印加することにより、第1と第2のPD液晶層
が同時に光透過状態となる。共通電極212のシート抵
抗値を低減させるため、共通電極212に沿って金属配
線(471)を形成する。 (0016)本発明の表示パネルを駆動するドライバ回
路(541)等上もしくは下には遮光膜(542)を形
成する。遮光膜542によりドライバ回路541に入射
する光が遮光される。また、遮光膜542のかわりに光
吸収樹脂541でドライブ回路541を包み込む。 (0017)第8の本発明の表示パネルは、例えば、画
素電極(14)間に光変調層(21)を形成せず、空間
を確保する構成である。また信号線(15)上にはBM
(202)を形成する。好ましくは前記空間には不活性
ガス(352)を注入する。製造方法は画素電極(1
4)間に対応するように形成した遮光膜(202)を有
するマスク(181)を作製し、前記マスク181を介
して紫外線(183)を照射する。遮光膜202に照射
された紫外線183は反射または吸収される。そのため
遮光膜202下の樹脂は硬化しない。紫外線183を照
射後、未硬化の樹脂(315)をあらい流すことにより
信号線上に空間を形成できる。 (0018)第9の本発明の表示パネルは、例えば、画
素電極(14)上にカラーフィルタ(151)を形成し
た構成である。PD液晶層(21)はカラーフィルタ1
51の色に応じて水滴状液晶の平均粒子径またはポリマ
ーネットワークの平均孔径を変化させる。カラーフィル
タ151が赤(R)色のときは平均粒子径または平均孔
径は大きくし、カラーフィルタ151が青(B)色のと
きは、平均粒子径または平均孔径は小さくする。平均粒
子径または平均孔径の大きさは照射する紫外線強度およ
び/または液晶と樹脂の種類、含有率を変化させること
により行う。また、図28に示すように焦点距離を変化
させたマイクロレンズ(641)を形成した透明基板
(642)を用いて紫外線を照射することにより行う。
マイクロレンズ(641)は、図67に示すようにプリ
ズムに置きかえてもよい。 (0019)第10の本発明の表示パネルは、例えば、
画素電極(14)の中央部の樹脂成分の含有率を多く
し、画素電極14の周辺部の液晶成分の含有率を多くし
た構成である。液晶の屈折率は樹脂の屈折率よりも高
い。そのため、図70に示す表示パネルは画素中央部の
屈折率が画素周辺部の屈折率よりも低くなる。したがっ
て、混合溶液(315)中の液晶成分の屈折率が樹脂成
分の屈折率よりも大きければ、1つ1つの画素が凹レン
ズとして機能をする。 (0020)第11の本発明の表示パネルは、例えば、
マイクロレンズアレイ(641)を具備するものであ
る。マイクロレンズアレイ基板(642)カラーフィル
タ(151)を形成することにより、液晶層(21)に
カラーフィルタ151を形成することなしにカラー表示
を実現する。また、マイクロレンズ641をR、緑
(G)、Bに着色してもよい。 (0021)マイクロレンズ(641)が、マイクロレ
ンズとしての機能とカラーフィルタ(151)としての
機能をあわせもつ。マイクロレンズはフレネルレンズで
もよい。 (0022)また、マイクロレンズ(641)を画素電
極(14)間に形成することにより画素電極14間にB
M(202)を形成したのと同様の効果を持たせること
ができる。 (0023)第12の本発明の表示パネルは、例えば、
対向電極の下層もしくは画素電極下層に樹脂からなる薄
膜もしくは厚膜を形成し、画素電極(14)の色に対応
して液晶層(21)の膜厚を変化させたものである。赤
色の画素は青色の画素より膜厚を厚くする。好ましく
は、赤色の画素の水滴状液晶の平均粒子径を青色の画素
の水滴状液晶の平均粒子径よりも大きくする。 (0024)第13の本発明の表示パネルは、例えば、
表示パネルの基板のに片面に凹凸を有する反射面を形成
したものである。もしくは液晶層と接する面(対向電極
25,画素電極14)に凹凸を形成し、前記凹凸面上に
カラーフィルタ(151)を形成したものである。 (0025)第14の本発明の表示パネルは、例えば、
ITOで画素電極(14)形成し、前記ITO上に誘電
体ミラー(891)を形成したものである。前記画素電
極14に電圧を印加することにより液晶層(21)が光
透過状態となる。画素欠陥の修正は誘電体ミラー側から
レーザ光を照射して行う。 (0026)本発明のマイクロレンズは、例えば、基板
上に核となる薄膜パターンを形成し、前記基板上に樹脂
溶液に塗布し、前記樹脂溶液を硬化させることによりマ
イクロレンズアレイを形成するものである。薄膜パター
ンの形状を考慮することにより、凹レンズもしくは凸レ
ンズのマイクロレンズアレイ基板を形成できる。また、
前記マイクロレンズ上に金属薄膜を形成することにより
反射型のマイクロレンズアレイを作製できる。 (0027)本発明の表示パネルから出射される光の指
向性を狭指向性とするため光の反射面もしくは表示パネ
ルからの光出射面に、マイクロレンズアレイもしくはプ
リズムシートを配置する。また、表示パネルへの光の入
射面に導光板を配置する。 (0028)第15の本発明の表示パネルは、例えば、
対向電極(25)に電流を流せるようにしたものであ
る。対向電極25の両端に配線(1693)が形成さ
れ、スイッチ(1692)を閉じることにより配線16
93aと1693b間に電流が流れる。電流は対向電極
25を流れる際、熱となり、液晶層(21)を加熱して
液晶層の温度を所定値まで上昇させる。 (0029)本発明の表示パネルのドライバ回路は、例
えば、高過ポリシリコンもしくは単結晶ポリシリコンも
しくは低温ポリシリコン技術を用いて形成されたトラン
ジスタにより構成されている。前記ドライバ回路のシフ
トレジスタの出力にはインバータが多段接続されてい
る。多段接続されたインバータの最終出力はアナログス
イッチのゲートに接続される。アナログスイッチはソー
ス信号線(15)に映像信号を出力する。 (0030)本発明の表示パネルにおいてインバータを
構成するトランジスタのゲート幅をWとし、ゲート長を
Lとし、液晶表示パネルの表示領域の対角長をDとする
とき、以下の関係を満足するようにする。 (0031)
【数14】 (0032)また、トランジスタのPチャンネルのモビ
リティをμp(cm2/V・sec)とすると以下の関
係を満足するようにする。 (0033)
リティをμp(cm2/V・sec)とすると以下の関
係を満足するようにする。 (0033)
【数15】 (0034)また、(n−1)番目のインバータゲート
幅をWn-1,ゲート長をLn-1とし、次段のn番目のイン
バータのゲート幅をWn,ゲート長をLnとするとき、以
下の関係を満足するようにしている。 (0035)
幅をWn-1,ゲート長をLn-1とし、次段のn番目のイン
バータのゲート幅をWn,ゲート長をLnとするとき、以
下の関係を満足するようにしている。 (0035)
【数16】 (0036)また、アナログスイッチ(1192)のゲ
ートに接続されたインバータの電源電圧V1と、前記イ
ンバータの信号入力端子にロジック信号を出力するイン
バータの電源電圧V2とは以下の関係を満足するように
する。なお、シフトレジスタの電源電圧はV2とする。 (0037)
ートに接続されたインバータの電源電圧V1と、前記イ
ンバータの信号入力端子にロジック信号を出力するイン
バータの電源電圧V2とは以下の関係を満足するように
する。なお、シフトレジスタの電源電圧はV2とする。 (0037)
【数17】 (0038)第15の本発明の表示パネルは、例えば、
光の入射面もしくは出射面に凹レンズ状もしくは板状の
透明基板を取りつけている。透明基板には放熱板を取り
付ける。また、透明基板の内部には液体もしくはゲルを
充填させている。 (0039)第16の本発明の表示パネルは、例えば、
赤(R),緑(G),青(B),および輝度(W)の4
色の画素がモザイク状に配置されている。各画素は1フ
レームごとに極性の異なる信号が書き込まれる。 (0040)本発明の欠陥修正方法は、例えば、高分子
分散液晶表示パネルの欠陥修正方法であって、前記液晶
表示パネルの液晶層(21)にレーザ光を照射すること
により液晶層21を変質せしめる液晶表示パネルの欠陥
修正方法である。 (0041)本発明の欠陥修正装置は、例えば、表示パ
ネルの欠陥修正装置であって、赤外線により液晶表示パ
ネルの画素電極(14)位置とスイッチング素子(15
5)の位置のうち少なくとも一方の位置を検出する観察
手段と、レーザ光を照射するレーザ光照射手段(90
1)と、前記観察手段(902)により検出された前記
位置と前記レーザ光が照射される位置とが重なる様に相
対的に液晶表示パネル(22)の位置決めを行う位置決
め手段(911)とを具備する表示パネルの欠陥修正装
置である。 (0042)本発明の表示装置は、例えば、1水平期間
の映像信号期間の映像信号から平均振幅値を算出し、こ
の平均振幅値から第1の大きさの電圧を求める映像信号
処理手段と、1水平期間のブランキング期間に複数のソ
ース信号線に前記第1の大きさの電圧を印加するソース
信号印加手段とを具備するものである。 (0043)第1の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、一水平走査期間の映像信号期間から平均振幅値
を算出し、この平均振幅値から求めた電圧を、液晶表示
パネルの各画素が所望の透過率となるように、水平ブラ
ンキング期間に印加するものである。 (0044)第2の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、一水平走査期間ごとに対向電極(25)に印加
する信号極性を反転させ、前記対向電極(21)の電位
を基準として、ソースドライバ回路(491)よりソー
ス信号線(15)の映像信号を供給し、かつ、前記映像
信号の極性を一水平走査期間ごとに反転する液晶表示パ
ネルの駆動方法である。 (0045)第3の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、映像信号をA/D変換し、データとしてメモリ
に保持させ、次に保持したデータを倍速度で読み出し、
表示パネルで書き込む方法である。残りの1/2フレー
ム(もしくは1/2フィールド)の期間は同じく倍速度
で黒表示を表示パネルに書き込む。つまり、黒表示→画
像表示→黒表示→画像表示を順次行う方法である。 (0046)第4の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、スリットをあけた円筒状の遮光物内に表示パネ
ルを配置し、表示パネルの画像を順次画面上部から遮光
していく方法である。 (0047)第1の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、離形フィルム(182)と基板(12)間に混
合溶液(315)を供給し、圧延ローラ(312)で圧
延する機構を具備する。紫外線(183)は線状に混合
溶液315に供給される。混合溶液を相分離後、離形フ
ィルム182は巻き取りローラ(314)に巻き取られ
る。 (0048)第2の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、表示パネル(22)を乗せる積載台を具備す
る。積載台内にはパネル(22)の温度を所定温度まで
加温するヒーター(739)を有する。拡散板(73
4)と表示パネル22間は供給管(732)を通じて液
またはゲル(735)が供給される。前記液またはゲル
は漏れないように周辺部は封止ゴム(736)により囲
まれる。紫外線(183)は光拡散板(734)を介し
て表示パネル22に照射される。紫外線183は拡散板
734で散乱し均一に表示パネルの混合溶液全体に照射
される。 (0049)第3の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、表示パネル(22)の裏面から紫外線を照射で
きるように構成されている。前記赤外線により表示パネ
ル22の混合溶液を所定温度まで加温できる。また、表
示パネル22の前面には赤外線反射板(741)が配置
される。反射板741は、表示パネル22を透過した赤
外線を反射し、前記表示パネル22の前面からも混合溶
液(315)を加温する。拡散板(734)と表示パネ
ル22間に供給管(732)を通じて液またはゲル(7
35)が供給される。紫外線(183)は表示パネル2
2の前面の対向電極(25)側から拡散板734を介し
て混合溶液315に照射される。表示パネル22の裏面
には紫外線反射板(742)が配置され、紫外線183
を反射し、表示パネル22の裏面からも混合溶液315
の相分離を加速する。 (0050)第4の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、ケース(742)内に表示パネル(22)を収
納し、前記表示パネル22の周囲を液またはゲル(73
5)で満たす。ケース742の内面には反射板(74
2)が形成され、拡散板(734)を介して照射された
紫外線(183)を反射する。そのためケース742内
に紫外線183が乱反射し、表示パネル22の全周囲か
ら混合溶液(315)に紫外線が照射される。 (0051)第1の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、放電発光ランプと液晶表示パネルと、前記放電発光
ランプが放射する光を集光して二次発光体を形成する二
次発光体形成手段と、前記液晶表示パネルが形成する光
学像を投射する投射レンズと、前記液晶表示パネルの光
入射側に配置される第1の絞り手段と、前記液晶表示パ
ネルの光出射側に配置される第2の絞り手段とを具備す
るものである。 (0052)また、液晶表示パネルの画像表示領域の対
角長をD(インチ),放電発光ランプのアーク長をL
(mm)としたとき、投射レンズの有効FナンバーFと
の関係を以下の式を満足するようにしている。ただし、
G=πB/Eとする。 (0053)
光の入射面もしくは出射面に凹レンズ状もしくは板状の
透明基板を取りつけている。透明基板には放熱板を取り
付ける。また、透明基板の内部には液体もしくはゲルを
充填させている。 (0039)第16の本発明の表示パネルは、例えば、
赤(R),緑(G),青(B),および輝度(W)の4
色の画素がモザイク状に配置されている。各画素は1フ
レームごとに極性の異なる信号が書き込まれる。 (0040)本発明の欠陥修正方法は、例えば、高分子
分散液晶表示パネルの欠陥修正方法であって、前記液晶
表示パネルの液晶層(21)にレーザ光を照射すること
により液晶層21を変質せしめる液晶表示パネルの欠陥
修正方法である。 (0041)本発明の欠陥修正装置は、例えば、表示パ
ネルの欠陥修正装置であって、赤外線により液晶表示パ
ネルの画素電極(14)位置とスイッチング素子(15
5)の位置のうち少なくとも一方の位置を検出する観察
手段と、レーザ光を照射するレーザ光照射手段(90
1)と、前記観察手段(902)により検出された前記
位置と前記レーザ光が照射される位置とが重なる様に相
対的に液晶表示パネル(22)の位置決めを行う位置決
め手段(911)とを具備する表示パネルの欠陥修正装
置である。 (0042)本発明の表示装置は、例えば、1水平期間
の映像信号期間の映像信号から平均振幅値を算出し、こ
の平均振幅値から第1の大きさの電圧を求める映像信号
処理手段と、1水平期間のブランキング期間に複数のソ
ース信号線に前記第1の大きさの電圧を印加するソース
信号印加手段とを具備するものである。 (0043)第1の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、一水平走査期間の映像信号期間から平均振幅値
を算出し、この平均振幅値から求めた電圧を、液晶表示
パネルの各画素が所望の透過率となるように、水平ブラ
ンキング期間に印加するものである。 (0044)第2の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、一水平走査期間ごとに対向電極(25)に印加
する信号極性を反転させ、前記対向電極(21)の電位
を基準として、ソースドライバ回路(491)よりソー
ス信号線(15)の映像信号を供給し、かつ、前記映像
信号の極性を一水平走査期間ごとに反転する液晶表示パ
ネルの駆動方法である。 (0045)第3の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、映像信号をA/D変換し、データとしてメモリ
に保持させ、次に保持したデータを倍速度で読み出し、
表示パネルで書き込む方法である。残りの1/2フレー
ム(もしくは1/2フィールド)の期間は同じく倍速度
で黒表示を表示パネルに書き込む。つまり、黒表示→画
像表示→黒表示→画像表示を順次行う方法である。 (0046)第4の本発明の表示パネルの駆動方法は、
例えば、スリットをあけた円筒状の遮光物内に表示パネ
ルを配置し、表示パネルの画像を順次画面上部から遮光
していく方法である。 (0047)第1の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、離形フィルム(182)と基板(12)間に混
合溶液(315)を供給し、圧延ローラ(312)で圧
延する機構を具備する。紫外線(183)は線状に混合
溶液315に供給される。混合溶液を相分離後、離形フ
ィルム182は巻き取りローラ(314)に巻き取られ
る。 (0048)第2の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、表示パネル(22)を乗せる積載台を具備す
る。積載台内にはパネル(22)の温度を所定温度まで
加温するヒーター(739)を有する。拡散板(73
4)と表示パネル22間は供給管(732)を通じて液
またはゲル(735)が供給される。前記液またはゲル
は漏れないように周辺部は封止ゴム(736)により囲
まれる。紫外線(183)は光拡散板(734)を介し
て表示パネル22に照射される。紫外線183は拡散板
734で散乱し均一に表示パネルの混合溶液全体に照射
される。 (0049)第3の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、表示パネル(22)の裏面から紫外線を照射で
きるように構成されている。前記赤外線により表示パネ
ル22の混合溶液を所定温度まで加温できる。また、表
示パネル22の前面には赤外線反射板(741)が配置
される。反射板741は、表示パネル22を透過した赤
外線を反射し、前記表示パネル22の前面からも混合溶
液(315)を加温する。拡散板(734)と表示パネ
ル22間に供給管(732)を通じて液またはゲル(7
35)が供給される。紫外線(183)は表示パネル2
2の前面の対向電極(25)側から拡散板734を介し
て混合溶液315に照射される。表示パネル22の裏面
には紫外線反射板(742)が配置され、紫外線183
を反射し、表示パネル22の裏面からも混合溶液315
の相分離を加速する。 (0050)第4の本発明の表示パネルの製造装置は、
例えば、ケース(742)内に表示パネル(22)を収
納し、前記表示パネル22の周囲を液またはゲル(73
5)で満たす。ケース742の内面には反射板(74
2)が形成され、拡散板(734)を介して照射された
紫外線(183)を反射する。そのためケース742内
に紫外線183が乱反射し、表示パネル22の全周囲か
ら混合溶液(315)に紫外線が照射される。 (0051)第1の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、放電発光ランプと液晶表示パネルと、前記放電発光
ランプが放射する光を集光して二次発光体を形成する二
次発光体形成手段と、前記液晶表示パネルが形成する光
学像を投射する投射レンズと、前記液晶表示パネルの光
入射側に配置される第1の絞り手段と、前記液晶表示パ
ネルの光出射側に配置される第2の絞り手段とを具備す
るものである。 (0052)また、液晶表示パネルの画像表示領域の対
角長をD(インチ),放電発光ランプのアーク長をL
(mm)としたとき、投射レンズの有効FナンバーFと
の関係を以下の式を満足するようにしている。ただし、
G=πB/Eとする。 (0053)
【数18】 (0054)第2の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、モザイク状のカラーフィルタを有する表示パネルを
ライトバルブとして用いたものである。光源(141
4)の出射側に、色純度を向上させる色純度向上フィル
タ(1412)が配置されている。また、表示パネル
(22)の出射側には偏光板(131)が配置され、前
記偏光板131は光軸(1416)から脱着できる。 (0055)第3の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、光軸(1416)から赤外線カットフィルタ(17
02)を脱着できるように構成したものである。また好
ましくは表示パネル(22)の光入射面に赤外線吸収フ
ィルタ(1703)を配置する。室温が低い場合は、ラ
ンプ点灯直後には赤外線カットフィルタ1703は光軸
1416に挿入されていない。そのため輻射熱により表
示パネル22は加熱され液晶層(21)の温度を急速に
上昇させる。液晶層(21)の温度は温度センサ(74
5)で検出する。液晶層21の温度が所定値となると赤
外線カットフィルタ1702が光軸1416に挿入され
る。 (0056)第4の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、光軸(1416)に回転フィルタ(1414)を配
置したものである。回転フィルタ1414は基板に偏光
板(131)をはりつけたものである。ただし、約1/
4の面積には偏光板(131)はない。回転フィルタ1
414は、回転中心点(2023)を中心として回転で
きるように構成されている。回転させることによりスク
リーン(1501)に投射される投射光の通過範囲(2
022)の偏光軸(132)の方向が変化する。回転フ
ィルタ1414は映像信号の垂直(VS)同期信号と同
期をとって回転する。一垂直期間ごとに回転フィルタ1
414は90度回転する。また、表示パネル22には1
フレームごとに右眼の画像と左眼の画像とを切り換えて
表示させる。 (0057)第5の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、表示パネル22とランプ(1411a)間と、表示
パネル22と投射レンズ(1415)間距離のうち少な
くとも一方の距離を収縮できるようにしたものである。
ランプの位置を微調整するための調整機構も具備する。
投射型表示装置を携帯するときは表示装置の全長を収縮
して持ちはこぶ。表示装置を使用するとき全長をのばし
て投射レンズが表示パネル22の光学像を結像するよう
にする。 (0058)
ば、モザイク状のカラーフィルタを有する表示パネルを
ライトバルブとして用いたものである。光源(141
4)の出射側に、色純度を向上させる色純度向上フィル
タ(1412)が配置されている。また、表示パネル
(22)の出射側には偏光板(131)が配置され、前
記偏光板131は光軸(1416)から脱着できる。 (0055)第3の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、光軸(1416)から赤外線カットフィルタ(17
02)を脱着できるように構成したものである。また好
ましくは表示パネル(22)の光入射面に赤外線吸収フ
ィルタ(1703)を配置する。室温が低い場合は、ラ
ンプ点灯直後には赤外線カットフィルタ1703は光軸
1416に挿入されていない。そのため輻射熱により表
示パネル22は加熱され液晶層(21)の温度を急速に
上昇させる。液晶層(21)の温度は温度センサ(74
5)で検出する。液晶層21の温度が所定値となると赤
外線カットフィルタ1702が光軸1416に挿入され
る。 (0056)第4の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、光軸(1416)に回転フィルタ(1414)を配
置したものである。回転フィルタ1414は基板に偏光
板(131)をはりつけたものである。ただし、約1/
4の面積には偏光板(131)はない。回転フィルタ1
414は、回転中心点(2023)を中心として回転で
きるように構成されている。回転させることによりスク
リーン(1501)に投射される投射光の通過範囲(2
022)の偏光軸(132)の方向が変化する。回転フ
ィルタ1414は映像信号の垂直(VS)同期信号と同
期をとって回転する。一垂直期間ごとに回転フィルタ1
414は90度回転する。また、表示パネル22には1
フレームごとに右眼の画像と左眼の画像とを切り換えて
表示させる。 (0057)第5の本発明の投射型表示装置は、例え
ば、表示パネル22とランプ(1411a)間と、表示
パネル22と投射レンズ(1415)間距離のうち少な
くとも一方の距離を収縮できるようにしたものである。
ランプの位置を微調整するための調整機構も具備する。
投射型表示装置を携帯するときは表示装置の全長を収縮
して持ちはこぶ。表示装置を使用するとき全長をのばし
て投射レンズが表示パネル22の光学像を結像するよう
にする。 (0058)
【発明の実施の形態】以下、本発明の表示パネル、表示
パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネル
の欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置に係
る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。 (0059)まず、高分子分散液晶(以下、PD液晶と
呼ぶ)の動作について、図2(a)、図2(b)を用い
て簡単に説明する。図2(a)、(b)は、PD液晶の
動作の説明図である。図2(a)、(b)において、樹
脂成分(ポリマー)24中には水滴状の液晶(以後、水
滴状液晶23と呼ぶ)が分散されている。画素電極14
にはTFT(図示せず)等が接続され、TFTのオン、
オフにより画素電極14に電圧が印加されて、画素電極
14上の液晶配向方向を可変させて光を変調する。図2
(a)に示すように電圧を印加していない状態では、そ
れぞれの水滴状液晶23中の液晶分子は不規則な方向に
配向している。この状態ではポリマー24と水滴状液晶
(液晶成分)23とに屈折率差が生じ、入射光は散乱す
る。 (0060)ここで、図2(b)に示すように、画素電
極14に電圧を印加すると液晶分子の方向がそろう。液
晶分子20が一定方向に配向したときの屈折率をあらか
じめポリマー24の屈折率と合わせておくと、入射光は
散乱せずにアレイ基板12より出射する。なお、後にも
説明するが、PD液晶とは液晶が水滴状のものだけでな
く、一般的に光変調層が樹脂領域と液晶領域で構成され
るものを示す。光変調方式も、散乱,透過の変化に限定
されるものではない。偏光板を用いた表示パネルも技術
的範囲である。 (0061)本明細書の発明において画素電極14等に
電圧を印加するスイッチング素子は、薄膜トランジスタ
(TFT)の他、リングダイオード、TFD、MIM等
の2端子素子、あるいはバリキャップ、サイリスタ、M
OSトランジスタ、FET等であってもよい。なお、こ
れらは広義にはすべて薄膜トランジスタと呼ばれてい
る。さらに、スイッチング素子とはソニー、シャープ等
が試作したプラズマにより液晶層に印加する電圧を制御
するプラズマアドレッシング液晶(PALC)のような
ものおよび光書き込み方式、熱書き込み方式、レーザ書
き込み方式も含まれる。つまり、スイッチング可能な構
造を示す。 (0062)また、主として本発明の表示パネル22
(図中の液晶表示装置22に対応する)はドライバ回路
と画素のスイッチング素子を同時に形成したものである
ので、低温ポリシリコン技術で形成したもの他、高温ポ
リシリコン技術あるいはシリコンウエハなどの単結晶を
用いて形成したものも技術的範囲にはいる。もちろん、
アモルファスシリコン表示パネルも技術的範囲である。
また、画素電極14はITO等の透明電極で形成された
もののほか、金属薄膜、誘電体ミラーで形成された反射
型(方式)等も含む。 (0063)対向電極25は透明電極で形成され、材料
としては酸化インジウム、ITO等が例示される。前記
対向電極25と画素電極14間にはPD液晶(液晶層)
21が狭持されている。本発明の表示パネル22に用い
る液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック
液晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2
種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含
んだ混合物であってもよい。 (0064)なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光
屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビ
フェニル系のネマティック液晶、または、経時変化に安
定なトラン系、クロル系のネマティック液晶が好まし
く、中でもトラン系のネマティック液晶が散乱特性も良
好でかつ、経時変化も生じ難く最も好ましい。 (0065)樹脂材料としては透明なポリマーが好まし
く、ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液晶相との
分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用いる。具体的な
例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に
紫外線照射によって重合硬化するアクリルモノマー、ア
クリルオリゴマーを含有するものが好ましい。中でもフ
ッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は散乱特性が良好
なPD液晶21を作製でき、経時変化も生じ難く好まし
い。 (0066)また、前記液晶材料は、常光屈折率n0が
1.49から1.54のものを用いることがこのまし
く、中でも、常光屈折率n0が1.50から1.53の
ものを用いることがこのましい。また、屈折率差△nが
0.20以上0.30以下のものを用いることが好まし
い。n0,△nが大きくなると耐熱、耐光性が悪くな
る。又、温度依存性も大きくなる。n0,△nが小さけ
れば耐熱、耐光性はよくなるが、散乱特性が低くなり、
表示コントラストが十分でなくなる。 (0067)以上のことおよび検討の結果から、PD液
晶21の液晶材料の構成材料として、常光屈折率n0が
1.50から1.53、かつ、△nが0.20以上0.
30以下のトラン系のネマティック液晶を用い、樹脂材
料としてフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂を採用
することが好ましい。 (0068)このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。 (0069)オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。 (0070)また、重合を速やかに行う為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。 (0071)なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶材料の常光屈折率noとは略一致するようにす
る。液晶層21に電界が印加された時に液晶分子20が
一方向に配向し、液晶層21の屈折率がnoとなる。し
たがって、樹脂の屈折率npと一致し、液晶層21は光
透過状態となる。屈折率npとnoとの差異が大きいと液
晶層21に電圧を印加しても完全に液晶層21が透明状
態とならず、表示輝度は低下する。屈折率npとnoとの
屈折率差は0.1以内が好ましく、さらには0.05以
内が好ましい。 (0072)PD液晶層21中の液晶材料の割合はここ
で規定していないが、一般には40重量%〜95重量%
程度がよく、好ましくは60重量%〜90重量%程度が
よい。40重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散
乱の効果が乏しい。また95重量%以上となると高分子
と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割
合は小さくなり散乱特性は低下する。 (0073)水滴状液晶23の平均粒子径または、ポリ
マーネットワークの平均孔径は、0.5μm以上3.0
μm以下にすることが好ましい。中でも、0.8μm以
上2μm以下が好ましい。PD液晶表示パネルが変調す
る光が短波長(たとえば、B光)の場合は小さく、長波
長(たとえば、R光)の場合は大きくする。水滴状液晶
23の平均粒子径もしくはポリマー・ネットワークの平
均孔径が大きいと、透過状態にする電圧は低くなるが散
乱特性は低下する。小さいと、散乱特性は向上するが、
透過状態にする電圧は高くなる。 (0074)本発明におけるPD液晶とは、液晶が水滴
状に樹脂、ゴム、金属粒子もしくはセラミック(チタン
酸バリウム等)中に分散されたもの、樹脂等(ポリマ
ー)24がスポンジ状(ポリマーネットワーク)とな
り、そのスポンジ状間に液晶が充填されたもの等が該当
し、他に特開平6−208126号公報、特開平6−2
02085号公報、特開平6−347818号公報、特
開平6−250600、特開平5−284542、特開
平8−179320に開示されているような樹脂が層状
等となっているのも包含する。また、特公平3−528
43号公報のように液晶成分がカプセル状の収容媒体に
封入されているものも含む。さらには、液晶または樹脂
等24中に二色性、多色性色素を含有されたものも含
む。また、類似の構成として、樹脂壁に沿って液晶分子
20が配向する構造(図28参照)、特開平6ー347
765号公報もある。これらもPD液晶と呼ぶ。また、
液晶分子20を配向させ、液晶層21中に樹脂粒子30
1を含有させたものもPD液晶である。また、樹脂のか
わりにチタン酸バリウム等のセラミック等を用いたもの
もPD液晶である。さらに、液晶層は一層ではなく2層
以上に多層に構成されたものも含む。 (0075)つまり、PD液晶とは光変調層が液晶成分
と他の材料成分とで構成されたもの全般をいう。光変調
方式は主として散乱−透過で光学像を形成するが、これ
に限定するものではなく、偏光状態を変化させるもので
あってもよい。 (0076)なお、本明細書では液晶層21はPD液晶
としたが、表示パネルの構成、機能および使用目的によ
ってはかならずしもこれに限定するものではなく、TN
液晶層あるいはゲストホスト液晶層、ホメオトロピック
液晶層、強誘電液晶層、反強誘電液晶層、コレステリッ
ク液晶層であってもよい。また、本発明の駆動方法はプ
ラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ
にも適用される。 (0077)液晶層21の膜厚は5〜20μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれない。逆
に厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなる。その
ため、TFT155をオンオフさせる信号を発生するX
ドライバ(ゲートドライバとも呼ぶ)492、ソース信
号線15に映像信号を印加するYドライバ(ソースドラ
イバとも呼ぶ)491の設計などが困難となる。 (0078)液晶層21の膜厚制御としては、図16に
示すように黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファ
イバー、もしくは、黒色の樹脂ビーズまたは黒色の樹脂
ファイバーを用いる。特に、黒色のガラスビーズまたは
黒色のガラスファイバーは、非常に光吸収性が高く、か
つ、硬質のため液晶層21に散布する個数が少なくてす
むので好ましい。 (0079)(図15)に示すように画素電極14と液
晶層21間および液晶層21と対向電極25間に絶縁膜
154を形成することは有効である。絶縁膜154とし
てはTN液晶表示パネル等に用いられるポリイミド等の
配向膜、ポリビニールアルコール(PVA)等の有機
物、SiO2、SiNx、Ta2O3等の無機物が例示さ
れる。好ましくは、密着性等の観点からポリイミド等の
有機物がよい。 (0080)絶縁膜154を電極上に形成することによ
り電荷の保持率を向上できる。そのため、高輝度表示お
よび高コントラスト表示を実現できる。 (0081)絶縁膜154は液晶層21と電極とが剥離
するのを防止する効果もある。前記絶縁膜154が接着
層および緩衝層としての役割をはたす。 (0082)また、絶縁膜154を形成すれば、液晶層
21のポリマーネットワークの孔径(穴径)あるいは水
滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果もある。
これは対向電極25、画素電極14上に有機残留物がの
こっていても絶縁膜154で被覆するためと考えられ
る。被覆の効果はポリイミドよりもPVAの方が良好で
ある。これはポリイミドよりもPVAの方がぬれ性が高
いためと考えられる。しかし、パネルに各種の絶縁膜1
54を作製して実施した信頼性(耐光性、耐熱性など)
試験の結果では、TN液晶の配向膜等に用いるポリイミ
ドを形成した表示パネルは経時変化がほとんど発生せず
良好である。PVAの方は保持率等が低下する傾向にあ
る。 (0083)なお、有機物で絶縁膜154を形成する
際、その膜厚は0.02μm以上の0.1μmの範囲が
好ましく、さらには0.03μm以上0.08μm以下
が好ましい。 (0084)対向基板11,アレイ基板12としてはソ
ーダガラス,石英ガラス基板を用いる。他に金属基板,
セラミック基板,シリコン単結晶,シリコン多結晶基板
も用いることができる。またポリエステルフィルム,P
VAフィルム等の樹脂フィルムを用いることもできる。 (0085)図1は本発明の液晶表示パネルの説明図で
ある。アレイ基板12にはITOからなる画素電極1
4,ソース信号線15,ゲート信号線(図示せず)、T
FT等が形成されている。 (0086)(ソース)信号線15等上には低誘電体膜
16が形成される。この説明図を図6に示す。PD液晶
表示パネル22では(ソース)信号線15等と画素電極
14間の電磁的結合を防止することも重要である。ソー
ス信号線15にはたえず交流電流が印加されている。し
たがって、画素電極14とソース信号線15間には電気
力線19が発生し、この電気力線19に液晶分子20が
配向して、画素電極14周辺部等から“光ぬけ”が発生
する。 (0087)対策としてはソース信号線15およびゲー
ト信号線上、および前記信号線の近傍を液晶層21の比
誘電率よりも低い材料(以下、低誘電体材料と呼ぶ)で
シールドする。低誘電体材料とはSiO2、SiNxな
どの無機材料、液晶層21のポリマー24、レジスト、
ポリビニールアルコール(PVA)などの有機材料が例
示される。前記低誘電体材料を図6の如く薄膜もしくは
厚膜状に形成することにより信号線15と画素電極14
間の電磁結合を防止することができる。当然信号線15
と対向電極25間の電磁結合も防止できるから、低誘電
体膜16上の液晶層21は、ほぼ常時散乱状態となる。 (0088)図6では低誘電体材料を膜状に形成すると
したが、これに限定されるものではなく、図7に示すよ
うに柱状に形成してもよい。柱状にすることにより柱を
液晶層21の膜厚と同一にすることによりビーズを用い
ずとも、液晶膜厚を規定値にすることができる。 (0089)パネル低誘電体柱、低誘電体膜16を容易
に形成できるのは、PD液晶表示パネルは、TN液晶表
示パネルのようにラビングという配向処理が不要なため
である。低誘電体柱、低誘電体膜16が形成されていれ
ばラビング工程時、ラビング布が低誘電体膜16等に引
っかかってうまく対向基板11、アレイ基板12面をこ
すれない(ラビングできない)。そのため製造不良が発
生しやすい。 (0090)低誘電体膜16または低誘電体柱は、着色
してもよい。着色すれば、液晶層21内で乱反射する光
を吸収でき画像品位は向上する。黒色の色素あるいは顔
料を樹脂中に分散したものを用いても良いし、カラーフ
ィルターの様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料
で染色してもよい。黒色色素の例としては、単一で黒色
となるフルオラン系色素を発色させて用いることもでき
るし、緑色系色素と赤色系色素とを混合した配色ブラッ
クを用いることもできる。 (0091)対向基板11上にはストライプ状に対向電
極25が形成されている。図1では、一例として前記対
向電極25はソース信号線15に沿って形成しているよ
うに示しているがこれに限定するものではなく、ゲート
信号線に沿って形成してもよい。 (0092)対向電極25の端にはCrまたはAl等か
らなる遮光膜18が形成されている。膜厚は1000オ
ングストローム以上5000オングストローム以下であ
る。また、Ti,Al,Cr等を多層に構成してもよ
い。 (0093)遮光膜18は、横電界配線17の近傍で発
生する光ぬけを防止するためにある。横電界配線17近
傍では液晶分子20が対向基板11に対し垂直あるいは
垂直に近い角度となる。そのため、液晶分子20の常光
屈折率がn0に近くなり、液晶とポリマー24の屈折率
npとの屈折率差が小さくなる。つまり、液晶層21が
光透過状態となるため光ぬけが生じる。遮光膜18は横
電界配線17近傍の光を遮光する。また、遮光膜18は
対向電極25の抵抗値をさげる役割もある。図1の実施
の形態では対向電極25はストライプ状にカットしてい
るため抵抗値は高くなる。通常、対向電極25はITO
等で形成されるから抵抗値は高い。遮光膜18の一部を
金属材料で形成することにより対向電極25を低抵抗値
化できる。 横電界配線17はITO等の透明材料で形
成してもよい。しかし、横電界配線17は、その抵抗値
を低くするため、ソース信号線15等と同様に、1種類
の金属材料で形成するか、あるいは多種類の金属材料を
積層して形成することが好ましい。厚みは少なくとも1
000オングストローム以上好ましくは0.5μm以上
とする。ただし、横電界配線17にはほとんど電流は流
れないから、抵抗値は多少高くてもよい。形成材料とし
てはTi,Al,Cr,モリブデン,タンタルモリブデ
ン等が例示される。 (0094)横電界配線17に+−の電圧を印加すると
図1に示すように液晶層21に電気力線19が生じる。
電気力線19は、対向基板11,アレイ基板12に平行
に発生する。電気力線19が発生すると前記電気力線に
沿って液晶分子20が配向する。 (0095)図3(a)でも示すように液晶分子20が
正の誘電率をもつ材料の場合、長軸方向に異常光屈折率
neを示し、短軸方向に常光屈折率n0を示す。液晶層2
1に電界(電気力線)19が印加されると図3(b)に
示すように水滴状液晶23内の液晶分子20はその電界
強度に応じて一方向に並ぶ。電界強度が弱いと液晶分子
20はランダム配向状態であり、強くなればなるほど電
気力線19に沿って配向する。 (0096)図3(b)ではaa’方向に電気力線が発
生している。したがって液晶分子20は電気力線の発生
方向aa’方向に長軸を一致させて並ぶ。今、液晶材料
の割合に対しポリマー材料24の割合が少なく無視でき
るものと仮定すると、aa’方向の偏光に対しては液晶
層21の屈折率(アレイ基板12に垂直方向から見た
時)はneであり、bb’方向の偏光に対して液晶層2
1の屈折率はn0である。したがって自然光に対しては
理想的には(n0+ne)/2の屈折率となる。 (0097)液晶層21が図3(b)のように配向して
いない場合で、かつ、液晶層21に無電界状態の時に
は、液晶分子20は3次元的にランダムに配置されてい
る。その際の屈折率は理想的には(2n0+ne)/3と
なる。仮にn0=1.52,ne=1.6として計算して
みれば図3(b)の方が液晶層21の屈折率が高いこと
がわかる。 (0098)PD液晶表示パネルの場合、ポリマー24
と液晶成分の屈折率差が大きいほど散乱性能は高まる。
したがって表示コントラストは高くなる。図5にその透
過率(T)−電圧(V)カーブ(T−Vカーブと呼ぶ)
を概念的に示す。点線が横電界配線17の構成を有する
PD液晶表示パネルの場合であり、実線は、横電界配線
17がない場合である。横電界配線17を有することに
より多少画素電極14に印加すべき電圧は高くなる傾向
がでる。しかし、黒の沈み(透過率小)を実現でき、表
示コントラストを大幅に改善できる。 (0099)図4は横電界配線17の動作をさらに具体
的に説明するための説明図である。対向電極25は液晶
表示パネルの表示領域では複数のストライプ状である
が、周辺部で1つに接続されている。また対向電極25
の電位はグランド(GND)とする。 (0100)横電界配線17は一本とばしごとに左右に
ひき出され、一つとされ信号源41に接続されている。
したがって信号源41の出力電圧により横電界配線17
aと17b間に電気力線が発生する。信号源41は通常
矩形波を出力する。矩形波の振幅値は画素サイズに比例
して増加させる。 (0101)本発明の液晶表示パネル22に画像を表示
するのには、各々の画素電極14に映像信号に対応する
電圧を印加することにより行う。対向電極25と画素電
極14間の電界が強いほど透過率は向上する。逆に電界
が小さいと散乱度が強くなり黒表示となる。 (0102)図7は本発明の他の実施の形態における液
晶表示パネル22の断面図である。横電界配線17は対
向電極25と接触しないように絶縁膜71上に形成され
ている。絶縁膜71は少なくとも2000オングストロ
ーム以上は必要である。対向電極25とのショートを防
止するためである。また横電界配線17としてAlを用
いる場合は注意が必要である。これは、対向電極25の
ITOとAlとが接触すると“電池”が生じ腐食するか
らである。したがってAlを用いる場合には絶縁膜71
のピンホールの発生に十分注意する必要がある。好まし
くは横電界配線はCrを用いるか、Ti,Al,Cr等
の多層構成とするべきである。 (0103)図7の実施の本発明の表示パネルでは対向
電極25はベタ電極(図1のように対向電極25とスト
ライプ状にバターニングしていない)であるから抵抗値
は十分低い。他の構成等は図1の実施例と同一であるの
で説明を省略する。 (0104)なお、本発明の明細書では同一である場
合、類似である場合は説明を省略する。また、同一符号
等を付したものは同一または類似の内容である。さらに
明細書で記載した事項はすべての図面、内容等に適用さ
れる。たとえばPD液晶21に関する内容はすべて本発
明の実施例に適用することができる。図面は説明を容易
にするため拡大,縮小,変形等した箇所が存在する。 (0105)図8の構成はソース信号線15上に低誘電
体膜16を介して横電界配線17を形成したものであ
る。横電界配線17は図1の実施の形態よりも線幅を広
く形成する。これは映像信号が印加されているソース信
号線15から発生する電界が液晶層21におよぶのを防
止する“シールド効果”を横電界配線17にもたせてい
るためである。“シールド効果”を良好なものとするた
め、ソース信号線15幅よりも横電界配線17幅を広く
する。 (0106)図8の構成では横電界配線がシールド効果
を有し、画像ノイズのない安定した表示を実現すること
ができる。ただし、低誘電体膜16の膜厚は極力厚くす
る必要がある。少なくとも0.5μm以上好ましくは1
μm以上とする。これは膜厚が薄いとソース信号線15
と横電界配線17の間でコンデンサが形成されるため寄
生容量が大きくなり、ソースドライバ回路の負荷が大き
くなってしまうためである。 (0107)図9は画素電極14のほぼ中央部上に横電
界配線17を形成した構成である。図7と同様に絶縁膜
16を対向電極25との間に介在させ、電気的に接触し
ないようにする。絶縁膜71は図9に示すように形成幅
を広くとり、画素電極14上全域にわたり形成をしてい
る。 (0108)以上のように構成すると電気力線19は対
向電極25と横電界配線17間にも発生するようにな
る。そのため、対向基板11と平行な方向に配向する液
晶分子20の割合が多くなり、表示コントラスト効果を
向上できる。 (0109)図10は、対向基板11上において(ただ
し、横電界配線17は対向基板11上のみに形成される
ことに限定されるものではない。アレイ基板12上にあ
るいは対向基板11とアレイ基板12との双方に形成し
てもよいことは言うまでもない)、画素電極14の2辺
に沿うように横電界配線17を形成したものである。画
素電極14の位置は点線で示している。 (0110)図10のように横電界配線17を形成すれ
ば、電気力線19は画素電極14に対し斜め方向に生じ
るようになる。したがって液晶分子20も斜め方向に配
向するようになる。また横電界の発生強度も強くなり良
好な表示コントラストを実現できる。 (0111)図11はゲート信号線の形成方向(仮に、
ゲート信号線の形成方向を17c,17dの方向とす
る)およびソース信号線の形成方向(仮に17a,17
bの方向とする)の双方に、横電界配線を形成した構成
図である。横電界配線17c,17dと17a,17b
とは電気的に接触しないように交点には絶縁膜を形成す
る。 (0112)信号源41a、41bは矩形波または正弦
波を出力する。前記信号の振幅は横電界配線17cと1
7d、17aと17bの間隔に比例して増加させる。な
ぜならば、間隔が広いと液晶分子20を配向させるのに
強い電界が必要だからである。 (0113)なお、以上の実施の形態では一画素を取り
囲むように横電界配線17を形成する構成であったが、
何らこれに限定するものではなく、図12に示すように
2画素あるいは3画素以上ごとに1本の横電界配線17
を配置してもよいことは言うまでもない。 (0114)各画素電極14にはスイッチング素子とし
てのTFTが形成される、また、TFTには遮光膜が形
成されている。遮光膜は主として、液晶層21で散乱し
た光がTFTの半導体層に入射することを防止するため
である。光が半導体層に入射すると、TFTがオフ状態
とならない、あるいはTFTのオフ抵抗が低下するホト
コンダクタ現象(以後、ホトコンと呼ぶ)が発生する。
遮光膜の形成材料としては、アクリル樹脂にカーボンを
分散させたものが例示される。また、各種原色顔料
(赤、緑、青、シアン、マゼンダ、イエローの色素)を
最適に混合したものでもよい。またTFT上にSiO2
などで絶縁薄膜を形成し、前記絶縁薄膜上に遮光膜とし
ての金属薄膜を パターニングして形成する方法も例示
される。また、アモルファスシリコンを厚く蒸着し遮光
膜とする方法もある。また、TFTはゲートの下に半導
体層を形成する逆スタッガ構造を採用することが好まし
い。 (0115)なお、PD液晶表示パネルでは、TFTな
どのスイッチング素子はホトコンが発生しにくいように
ポリシリコン技術で形成することが好ましい。ポリシリ
コン技術とは通常のICを作製する半導体技術である高
温ポリシリコン技術、また近年開発が盛んなアモルファ
スシリコン膜を形成し、前記アモルファスシリコン膜を
結晶化させる低温ポリシリコン技術を含む。特に、ドラ
イバ回路をアレイ基板12上に直接形成することがで
き、かつ、低価格でパネルを製造できる可能性のある低
温ポリシリコン技術でTFTを形成することが好まし
い。前記技術で形成したTFTなどはホトコンダクタ現
象の発生が現在ポケットテレビなどで実用化されている
アモルファスシリコン技術で形成したTFTなどに比較
して格段に発生しにくい。そのため、散乱−透過で光変
調をおこなうPD液晶表示パネルに最適である。 (0116)以下、図面を参照しながら本発明の他の実
施例の表示パネルについて説明する。図15は本発明の
液晶表示パネルの断面図である。アレイ基板12にはI
TOからなる画素電極14、ソース信号線(図示せ
ず)、ゲート信号線(図示せず)、TFT155等が形
成されている。 (0117)TFT155上には樹脂からなる遮光膜
(樹脂遮光膜)152を形成する。樹脂で形成するのは
液晶層21とアレイ基板12との密着性を向上させるた
めである。樹脂としては、アクリル樹脂にカーボン,酸
化チタンを含有させたもの、アクリルに色素、染料等を
用いて着色したものが例示される。また、遮光膜152
は金属クロム/酸化クロムの複合膜(2層クロム)で形
成してもよい。 (0118)また、TFT155等のスイッチング素子
上に遮光膜152を形成するのは、TFTあるいはMI
M等への半導体層に光が侵入することを防止するためで
ある。光が侵入するとTFT155等のスイッチング素
子にホトコンダクタ(以後、ホトコンと呼ぶ)現象が発
生し、スイッチング素子のオン・オフ特性が劣化するた
めである。遮光膜152を形成することにより液晶層2
1側から前記半導体層に光が入射することはなくなる。 (0119)遮光膜152は液晶層21内で生じる光の
乱反射(ハレーション)を防止する効果もある。PD液
晶表示パネルは入射光を散乱させることにより光変調を
行う(光学像を形成する)。しかし、散乱光はパネルと
空気との界面で反射し、パネル22内で乱反射する。乱
反射した光は表示パネル22のコントラストを悪化させ
る原因となる。 (0120)遮光膜152は前記乱反射した光を吸収す
る。そのため表示コントラストは向上する。したがって
遮光膜152には入射光を吸収する材料で形成すべきで
ある。前記光を吸収する遮光膜は樹脂にカーボン等をま
ぜあわせることにより容易に実現できる。また、遮光膜
152には乱反射を防止するという観点から、遮光膜1
52は画像表示に有効な光が通過しない領域(画素電極
14上を除く領域、たとえば隣接画素電極間、信号線上
等)等のできるだけ広い領域に形成すべきである。 (0121)対向電極25上にはカラーフィルタ151
を形成する。カラーフィルタ151とはゼラチンに染
料、色素を用いて着色したものが例示される(樹脂カラ
ーフィルタと呼ぶ)。また光硬化型アクリル樹脂に着色
したものでもよい。また、低屈折率と高屈折率の無機材
料の誘電体薄膜を多層に積層したものが例示される(誘
電体カラーフィルタと呼ぶ)。低屈折率層はMgF2、
SiO2、Al2 O3のいずれかを用い、高屈折率層はT
iO2、ZnS、CeO3、ZrTiO4、HfO2、Ta
2O5、ZrO2等を用いる。これらの誘電体膜はカラー
フィルタの赤、緑、青の色に応じて光学的膜厚を調整す
れば所望の光を透過する分光特性が得られる。この原理
はよく知られており、ダイクロイックミラー等に応用さ
れている。カラーフィルタは赤色の色純度に注意を払う
べきである。赤色の純度がわるいと画像が白っぽくなり
表示品位を低下させる。赤色のカラーフィルタ151に
誘電体カラーフィルタを用い、青および緑色のカラーフ
ィルタはコストの安い樹脂カラーフィルタを用いること
が好ましい、誘電体カラーフィルタを画素電極形状にあ
わせてエッチングにより形成し、樹脂カラーフィルタを
印刷等の技術を用いて形成する。 (0122)液晶表示パネル22が透過型の場合はカラ
ーフィルタ151は赤(R)、緑(G)、青(B)色を
選択して透過させるように構成する。液晶表示パネル2
2が反射型(たとえば、画素電極14が金属材料で形成
されている場合、誘電体ミラーで形成されている場合
等)の場合も同様である。なお、カラーフィルタ151
の色はRGBの3色に限定されるものではなく、たとえ
ばシアン、マゼンダ、イエロー色を選択して透過あるい
は反射させるように構成してもよい。 (0123)樹脂カラーフィルタの形成方法としては染
色法,印刷法,電着法,着色感材法のいずれかであって
もよいが、高感度感光性樹脂として、光重合形のアクリ
ル糸や、光架橋形のPVAを等を用いる着色感材法が好
ましい。 (0124)なお、本発明の表示パネルは画素電極14
がマトリックス状に配置されたアクティブマトリックス
型表示パネルを例にあげて説明する。しかし、これに限
定されるものでなく、明確に画素電極がない方式につい
ても、本明細書に示される本発明の技術的思想は適用出
来る。たとえば単純マトリックス型表示パネル、画素電
極がない光書き込み型表示パネルおよび熱書き込み型表
示パネル、レーザ書き込み型表示パネルである。また液
晶表示パネルだけではなく、PLZTを光変調層として
用いた表示パネル、無機ELパネル、有機EL表示パネ
ル,プラズマディスプレイ(PDP)等であってもよ
い。 (0125)カラーフィルタ151上には保護膜153
を形成する。保護膜153はカラーフィルタ151等が
機械的に破壊されることを防止するために形成される。
また、液晶層21への水分の侵入を防止するため等に形
成される。形成材料としてはフェノール樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル系光硬化型樹脂、ウレタン樹脂、シリコ
ン樹脂、ゴム等の樹脂が例示される。また、SiO2等
の無機薄膜でもよい。中でもアクリル系光硬化型樹脂は
スピンナー技術、ロールクォータ技術等で容易に塗布す
ることができ、また硬度も4H以上得られるため好まし
い。硬化させるのも紫外線を照射もしくは可視光を照射
するだけであるから容易である。 (0126)なお、カラーフィルタ151は表面に適度
な凹凸をつけることが好ましい。(エンボス加工と呼
ぶ)カラーフィルタ151の表面で光が反射し、外景が
うつり込むことを防止できるからである。凹凸は5μm
から200μm程度の範囲のものを形成する。また、カ
ラーフィルタ151と対向電極25間には屈折率1.5
5以上1.85以下の薄膜(図示せず)を形成すること
が好ましい。薄膜を形成することにより反射する光を減
少させることができる。 (0127)以下、図31等を参照しながら、表示パネ
ルの製造方法について説明をする。図31は本発明の表
示パネルの製造方法の説明図である。アレイ基板12
と、離形手段としての離形フィルム182間に光硬化性
樹脂の1種である紫外線(UV)硬化樹脂と液晶成分と
を混合した溶液315(以後、混合溶液315と呼ぶ)
を狭持させる。なお、離形フィルム182とアレイ基板
12間にはスペーサ、ファイバー等をあらかじめ散布す
るかもしくは混合溶液315にまぜておく。 (0128)離形フィルム182としてはシリコン樹脂
フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン系樹脂フィルムが例示され、ま
た、樹脂フィルムの表面にシリコン樹脂、フッ素樹脂を
塗布等したものが例示される。その他の材料の場合であ
っても紫外線を透過し、ある程度の柔軟性を有すれば採
用出来る。たとえば、ガラス基板等も用いることはでき
る。 (0129)なお、混合溶液315の樹脂成分は紫外線
硬化樹脂を用いるとしたがこれに限定するものではな
く、可視光で硬化するアクリル樹脂、エポキシ等の2液
性の硬化樹脂、熱硬化型樹脂あるいはゴム系の樹脂を含
有する溶液であってもよい。つまり、液晶と相分離でき
るものであればよい。 (0130)例示として、混合溶液315の成分は下記
の通りである。 (0131) (1)液晶:E−7(BDH社製)(80wt%) (2)紫外線硬化型樹脂:ポリエステルアクリレート
(1.8wt%)と2−エチルヘキシルアクリレート
(18wt%)との混合体 (3)光硬化開始剤:ダロキュアー1173(メルク社
製)(0.2wt%)前記混合溶液315に紫外線(U
V)を照射すれば、光硬化型樹脂内に架橋反応が生じ
る。この架橋反応によって、液晶成分と光硬化型樹脂成
分とが相分離して、光硬化型樹脂中に液晶の小滴が分散
した状態になる。同時に、光硬化型樹脂が硬化する。 (0132)次に、光硬化型樹脂への光の照射量と液晶
の平均粒子径との関係を調べるために行ったテストにつ
いて説明する。 (0133)光硬化型樹脂の紫外線照射量を100,2
00,300,400,500,1000,2000、
2500mJ/cm2とする。 (0134)これらの液晶表示パネルを顕微鏡で観察し
たところ、硬化工程で400mJ/cm2以下の紫外線
しか照射されなかった液晶表示パネルは、液晶の平均粒
子径が5.5μm以上と大きくなっているのに対し、硬
化工程で500mJ/cm2以上の紫外線が照射された
液晶表示パネルは、平均粒子径が1.0〜3.0μmと
小さくなっていることが確認された。これらの液晶表示
パネルのコントラスト及び液晶の平均粒子径を測定した
結果を下記(表1)に示す。 (0135)
パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネル
の欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置に係
る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。 (0059)まず、高分子分散液晶(以下、PD液晶と
呼ぶ)の動作について、図2(a)、図2(b)を用い
て簡単に説明する。図2(a)、(b)は、PD液晶の
動作の説明図である。図2(a)、(b)において、樹
脂成分(ポリマー)24中には水滴状の液晶(以後、水
滴状液晶23と呼ぶ)が分散されている。画素電極14
にはTFT(図示せず)等が接続され、TFTのオン、
オフにより画素電極14に電圧が印加されて、画素電極
14上の液晶配向方向を可変させて光を変調する。図2
(a)に示すように電圧を印加していない状態では、そ
れぞれの水滴状液晶23中の液晶分子は不規則な方向に
配向している。この状態ではポリマー24と水滴状液晶
(液晶成分)23とに屈折率差が生じ、入射光は散乱す
る。 (0060)ここで、図2(b)に示すように、画素電
極14に電圧を印加すると液晶分子の方向がそろう。液
晶分子20が一定方向に配向したときの屈折率をあらか
じめポリマー24の屈折率と合わせておくと、入射光は
散乱せずにアレイ基板12より出射する。なお、後にも
説明するが、PD液晶とは液晶が水滴状のものだけでな
く、一般的に光変調層が樹脂領域と液晶領域で構成され
るものを示す。光変調方式も、散乱,透過の変化に限定
されるものではない。偏光板を用いた表示パネルも技術
的範囲である。 (0061)本明細書の発明において画素電極14等に
電圧を印加するスイッチング素子は、薄膜トランジスタ
(TFT)の他、リングダイオード、TFD、MIM等
の2端子素子、あるいはバリキャップ、サイリスタ、M
OSトランジスタ、FET等であってもよい。なお、こ
れらは広義にはすべて薄膜トランジスタと呼ばれてい
る。さらに、スイッチング素子とはソニー、シャープ等
が試作したプラズマにより液晶層に印加する電圧を制御
するプラズマアドレッシング液晶(PALC)のような
ものおよび光書き込み方式、熱書き込み方式、レーザ書
き込み方式も含まれる。つまり、スイッチング可能な構
造を示す。 (0062)また、主として本発明の表示パネル22
(図中の液晶表示装置22に対応する)はドライバ回路
と画素のスイッチング素子を同時に形成したものである
ので、低温ポリシリコン技術で形成したもの他、高温ポ
リシリコン技術あるいはシリコンウエハなどの単結晶を
用いて形成したものも技術的範囲にはいる。もちろん、
アモルファスシリコン表示パネルも技術的範囲である。
また、画素電極14はITO等の透明電極で形成された
もののほか、金属薄膜、誘電体ミラーで形成された反射
型(方式)等も含む。 (0063)対向電極25は透明電極で形成され、材料
としては酸化インジウム、ITO等が例示される。前記
対向電極25と画素電極14間にはPD液晶(液晶層)
21が狭持されている。本発明の表示パネル22に用い
る液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック
液晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2
種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含
んだ混合物であってもよい。 (0064)なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光
屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビ
フェニル系のネマティック液晶、または、経時変化に安
定なトラン系、クロル系のネマティック液晶が好まし
く、中でもトラン系のネマティック液晶が散乱特性も良
好でかつ、経時変化も生じ難く最も好ましい。 (0065)樹脂材料としては透明なポリマーが好まし
く、ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液晶相との
分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用いる。具体的な
例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に
紫外線照射によって重合硬化するアクリルモノマー、ア
クリルオリゴマーを含有するものが好ましい。中でもフ
ッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は散乱特性が良好
なPD液晶21を作製でき、経時変化も生じ難く好まし
い。 (0066)また、前記液晶材料は、常光屈折率n0が
1.49から1.54のものを用いることがこのまし
く、中でも、常光屈折率n0が1.50から1.53の
ものを用いることがこのましい。また、屈折率差△nが
0.20以上0.30以下のものを用いることが好まし
い。n0,△nが大きくなると耐熱、耐光性が悪くな
る。又、温度依存性も大きくなる。n0,△nが小さけ
れば耐熱、耐光性はよくなるが、散乱特性が低くなり、
表示コントラストが十分でなくなる。 (0067)以上のことおよび検討の結果から、PD液
晶21の液晶材料の構成材料として、常光屈折率n0が
1.50から1.53、かつ、△nが0.20以上0.
30以下のトラン系のネマティック液晶を用い、樹脂材
料としてフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂を採用
することが好ましい。 (0068)このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。 (0069)オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。 (0070)また、重合を速やかに行う為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。 (0071)なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶材料の常光屈折率noとは略一致するようにす
る。液晶層21に電界が印加された時に液晶分子20が
一方向に配向し、液晶層21の屈折率がnoとなる。し
たがって、樹脂の屈折率npと一致し、液晶層21は光
透過状態となる。屈折率npとnoとの差異が大きいと液
晶層21に電圧を印加しても完全に液晶層21が透明状
態とならず、表示輝度は低下する。屈折率npとnoとの
屈折率差は0.1以内が好ましく、さらには0.05以
内が好ましい。 (0072)PD液晶層21中の液晶材料の割合はここ
で規定していないが、一般には40重量%〜95重量%
程度がよく、好ましくは60重量%〜90重量%程度が
よい。40重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散
乱の効果が乏しい。また95重量%以上となると高分子
と液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割
合は小さくなり散乱特性は低下する。 (0073)水滴状液晶23の平均粒子径または、ポリ
マーネットワークの平均孔径は、0.5μm以上3.0
μm以下にすることが好ましい。中でも、0.8μm以
上2μm以下が好ましい。PD液晶表示パネルが変調す
る光が短波長(たとえば、B光)の場合は小さく、長波
長(たとえば、R光)の場合は大きくする。水滴状液晶
23の平均粒子径もしくはポリマー・ネットワークの平
均孔径が大きいと、透過状態にする電圧は低くなるが散
乱特性は低下する。小さいと、散乱特性は向上するが、
透過状態にする電圧は高くなる。 (0074)本発明におけるPD液晶とは、液晶が水滴
状に樹脂、ゴム、金属粒子もしくはセラミック(チタン
酸バリウム等)中に分散されたもの、樹脂等(ポリマ
ー)24がスポンジ状(ポリマーネットワーク)とな
り、そのスポンジ状間に液晶が充填されたもの等が該当
し、他に特開平6−208126号公報、特開平6−2
02085号公報、特開平6−347818号公報、特
開平6−250600、特開平5−284542、特開
平8−179320に開示されているような樹脂が層状
等となっているのも包含する。また、特公平3−528
43号公報のように液晶成分がカプセル状の収容媒体に
封入されているものも含む。さらには、液晶または樹脂
等24中に二色性、多色性色素を含有されたものも含
む。また、類似の構成として、樹脂壁に沿って液晶分子
20が配向する構造(図28参照)、特開平6ー347
765号公報もある。これらもPD液晶と呼ぶ。また、
液晶分子20を配向させ、液晶層21中に樹脂粒子30
1を含有させたものもPD液晶である。また、樹脂のか
わりにチタン酸バリウム等のセラミック等を用いたもの
もPD液晶である。さらに、液晶層は一層ではなく2層
以上に多層に構成されたものも含む。 (0075)つまり、PD液晶とは光変調層が液晶成分
と他の材料成分とで構成されたもの全般をいう。光変調
方式は主として散乱−透過で光学像を形成するが、これ
に限定するものではなく、偏光状態を変化させるもので
あってもよい。 (0076)なお、本明細書では液晶層21はPD液晶
としたが、表示パネルの構成、機能および使用目的によ
ってはかならずしもこれに限定するものではなく、TN
液晶層あるいはゲストホスト液晶層、ホメオトロピック
液晶層、強誘電液晶層、反強誘電液晶層、コレステリッ
ク液晶層であってもよい。また、本発明の駆動方法はプ
ラズマディスプレイ(PDP)、有機ELディスプレイ
にも適用される。 (0077)液晶層21の膜厚は5〜20μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれない。逆
に厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなる。その
ため、TFT155をオンオフさせる信号を発生するX
ドライバ(ゲートドライバとも呼ぶ)492、ソース信
号線15に映像信号を印加するYドライバ(ソースドラ
イバとも呼ぶ)491の設計などが困難となる。 (0078)液晶層21の膜厚制御としては、図16に
示すように黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファ
イバー、もしくは、黒色の樹脂ビーズまたは黒色の樹脂
ファイバーを用いる。特に、黒色のガラスビーズまたは
黒色のガラスファイバーは、非常に光吸収性が高く、か
つ、硬質のため液晶層21に散布する個数が少なくてす
むので好ましい。 (0079)(図15)に示すように画素電極14と液
晶層21間および液晶層21と対向電極25間に絶縁膜
154を形成することは有効である。絶縁膜154とし
てはTN液晶表示パネル等に用いられるポリイミド等の
配向膜、ポリビニールアルコール(PVA)等の有機
物、SiO2、SiNx、Ta2O3等の無機物が例示さ
れる。好ましくは、密着性等の観点からポリイミド等の
有機物がよい。 (0080)絶縁膜154を電極上に形成することによ
り電荷の保持率を向上できる。そのため、高輝度表示お
よび高コントラスト表示を実現できる。 (0081)絶縁膜154は液晶層21と電極とが剥離
するのを防止する効果もある。前記絶縁膜154が接着
層および緩衝層としての役割をはたす。 (0082)また、絶縁膜154を形成すれば、液晶層
21のポリマーネットワークの孔径(穴径)あるいは水
滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果もある。
これは対向電極25、画素電極14上に有機残留物がの
こっていても絶縁膜154で被覆するためと考えられ
る。被覆の効果はポリイミドよりもPVAの方が良好で
ある。これはポリイミドよりもPVAの方がぬれ性が高
いためと考えられる。しかし、パネルに各種の絶縁膜1
54を作製して実施した信頼性(耐光性、耐熱性など)
試験の結果では、TN液晶の配向膜等に用いるポリイミ
ドを形成した表示パネルは経時変化がほとんど発生せず
良好である。PVAの方は保持率等が低下する傾向にあ
る。 (0083)なお、有機物で絶縁膜154を形成する
際、その膜厚は0.02μm以上の0.1μmの範囲が
好ましく、さらには0.03μm以上0.08μm以下
が好ましい。 (0084)対向基板11,アレイ基板12としてはソ
ーダガラス,石英ガラス基板を用いる。他に金属基板,
セラミック基板,シリコン単結晶,シリコン多結晶基板
も用いることができる。またポリエステルフィルム,P
VAフィルム等の樹脂フィルムを用いることもできる。 (0085)図1は本発明の液晶表示パネルの説明図で
ある。アレイ基板12にはITOからなる画素電極1
4,ソース信号線15,ゲート信号線(図示せず)、T
FT等が形成されている。 (0086)(ソース)信号線15等上には低誘電体膜
16が形成される。この説明図を図6に示す。PD液晶
表示パネル22では(ソース)信号線15等と画素電極
14間の電磁的結合を防止することも重要である。ソー
ス信号線15にはたえず交流電流が印加されている。し
たがって、画素電極14とソース信号線15間には電気
力線19が発生し、この電気力線19に液晶分子20が
配向して、画素電極14周辺部等から“光ぬけ”が発生
する。 (0087)対策としてはソース信号線15およびゲー
ト信号線上、および前記信号線の近傍を液晶層21の比
誘電率よりも低い材料(以下、低誘電体材料と呼ぶ)で
シールドする。低誘電体材料とはSiO2、SiNxな
どの無機材料、液晶層21のポリマー24、レジスト、
ポリビニールアルコール(PVA)などの有機材料が例
示される。前記低誘電体材料を図6の如く薄膜もしくは
厚膜状に形成することにより信号線15と画素電極14
間の電磁結合を防止することができる。当然信号線15
と対向電極25間の電磁結合も防止できるから、低誘電
体膜16上の液晶層21は、ほぼ常時散乱状態となる。 (0088)図6では低誘電体材料を膜状に形成すると
したが、これに限定されるものではなく、図7に示すよ
うに柱状に形成してもよい。柱状にすることにより柱を
液晶層21の膜厚と同一にすることによりビーズを用い
ずとも、液晶膜厚を規定値にすることができる。 (0089)パネル低誘電体柱、低誘電体膜16を容易
に形成できるのは、PD液晶表示パネルは、TN液晶表
示パネルのようにラビングという配向処理が不要なため
である。低誘電体柱、低誘電体膜16が形成されていれ
ばラビング工程時、ラビング布が低誘電体膜16等に引
っかかってうまく対向基板11、アレイ基板12面をこ
すれない(ラビングできない)。そのため製造不良が発
生しやすい。 (0090)低誘電体膜16または低誘電体柱は、着色
してもよい。着色すれば、液晶層21内で乱反射する光
を吸収でき画像品位は向上する。黒色の色素あるいは顔
料を樹脂中に分散したものを用いても良いし、カラーフ
ィルターの様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料
で染色してもよい。黒色色素の例としては、単一で黒色
となるフルオラン系色素を発色させて用いることもでき
るし、緑色系色素と赤色系色素とを混合した配色ブラッ
クを用いることもできる。 (0091)対向基板11上にはストライプ状に対向電
極25が形成されている。図1では、一例として前記対
向電極25はソース信号線15に沿って形成しているよ
うに示しているがこれに限定するものではなく、ゲート
信号線に沿って形成してもよい。 (0092)対向電極25の端にはCrまたはAl等か
らなる遮光膜18が形成されている。膜厚は1000オ
ングストローム以上5000オングストローム以下であ
る。また、Ti,Al,Cr等を多層に構成してもよ
い。 (0093)遮光膜18は、横電界配線17の近傍で発
生する光ぬけを防止するためにある。横電界配線17近
傍では液晶分子20が対向基板11に対し垂直あるいは
垂直に近い角度となる。そのため、液晶分子20の常光
屈折率がn0に近くなり、液晶とポリマー24の屈折率
npとの屈折率差が小さくなる。つまり、液晶層21が
光透過状態となるため光ぬけが生じる。遮光膜18は横
電界配線17近傍の光を遮光する。また、遮光膜18は
対向電極25の抵抗値をさげる役割もある。図1の実施
の形態では対向電極25はストライプ状にカットしてい
るため抵抗値は高くなる。通常、対向電極25はITO
等で形成されるから抵抗値は高い。遮光膜18の一部を
金属材料で形成することにより対向電極25を低抵抗値
化できる。 横電界配線17はITO等の透明材料で形
成してもよい。しかし、横電界配線17は、その抵抗値
を低くするため、ソース信号線15等と同様に、1種類
の金属材料で形成するか、あるいは多種類の金属材料を
積層して形成することが好ましい。厚みは少なくとも1
000オングストローム以上好ましくは0.5μm以上
とする。ただし、横電界配線17にはほとんど電流は流
れないから、抵抗値は多少高くてもよい。形成材料とし
てはTi,Al,Cr,モリブデン,タンタルモリブデ
ン等が例示される。 (0094)横電界配線17に+−の電圧を印加すると
図1に示すように液晶層21に電気力線19が生じる。
電気力線19は、対向基板11,アレイ基板12に平行
に発生する。電気力線19が発生すると前記電気力線に
沿って液晶分子20が配向する。 (0095)図3(a)でも示すように液晶分子20が
正の誘電率をもつ材料の場合、長軸方向に異常光屈折率
neを示し、短軸方向に常光屈折率n0を示す。液晶層2
1に電界(電気力線)19が印加されると図3(b)に
示すように水滴状液晶23内の液晶分子20はその電界
強度に応じて一方向に並ぶ。電界強度が弱いと液晶分子
20はランダム配向状態であり、強くなればなるほど電
気力線19に沿って配向する。 (0096)図3(b)ではaa’方向に電気力線が発
生している。したがって液晶分子20は電気力線の発生
方向aa’方向に長軸を一致させて並ぶ。今、液晶材料
の割合に対しポリマー材料24の割合が少なく無視でき
るものと仮定すると、aa’方向の偏光に対しては液晶
層21の屈折率(アレイ基板12に垂直方向から見た
時)はneであり、bb’方向の偏光に対して液晶層2
1の屈折率はn0である。したがって自然光に対しては
理想的には(n0+ne)/2の屈折率となる。 (0097)液晶層21が図3(b)のように配向して
いない場合で、かつ、液晶層21に無電界状態の時に
は、液晶分子20は3次元的にランダムに配置されてい
る。その際の屈折率は理想的には(2n0+ne)/3と
なる。仮にn0=1.52,ne=1.6として計算して
みれば図3(b)の方が液晶層21の屈折率が高いこと
がわかる。 (0098)PD液晶表示パネルの場合、ポリマー24
と液晶成分の屈折率差が大きいほど散乱性能は高まる。
したがって表示コントラストは高くなる。図5にその透
過率(T)−電圧(V)カーブ(T−Vカーブと呼ぶ)
を概念的に示す。点線が横電界配線17の構成を有する
PD液晶表示パネルの場合であり、実線は、横電界配線
17がない場合である。横電界配線17を有することに
より多少画素電極14に印加すべき電圧は高くなる傾向
がでる。しかし、黒の沈み(透過率小)を実現でき、表
示コントラストを大幅に改善できる。 (0099)図4は横電界配線17の動作をさらに具体
的に説明するための説明図である。対向電極25は液晶
表示パネルの表示領域では複数のストライプ状である
が、周辺部で1つに接続されている。また対向電極25
の電位はグランド(GND)とする。 (0100)横電界配線17は一本とばしごとに左右に
ひき出され、一つとされ信号源41に接続されている。
したがって信号源41の出力電圧により横電界配線17
aと17b間に電気力線が発生する。信号源41は通常
矩形波を出力する。矩形波の振幅値は画素サイズに比例
して増加させる。 (0101)本発明の液晶表示パネル22に画像を表示
するのには、各々の画素電極14に映像信号に対応する
電圧を印加することにより行う。対向電極25と画素電
極14間の電界が強いほど透過率は向上する。逆に電界
が小さいと散乱度が強くなり黒表示となる。 (0102)図7は本発明の他の実施の形態における液
晶表示パネル22の断面図である。横電界配線17は対
向電極25と接触しないように絶縁膜71上に形成され
ている。絶縁膜71は少なくとも2000オングストロ
ーム以上は必要である。対向電極25とのショートを防
止するためである。また横電界配線17としてAlを用
いる場合は注意が必要である。これは、対向電極25の
ITOとAlとが接触すると“電池”が生じ腐食するか
らである。したがってAlを用いる場合には絶縁膜71
のピンホールの発生に十分注意する必要がある。好まし
くは横電界配線はCrを用いるか、Ti,Al,Cr等
の多層構成とするべきである。 (0103)図7の実施の本発明の表示パネルでは対向
電極25はベタ電極(図1のように対向電極25とスト
ライプ状にバターニングしていない)であるから抵抗値
は十分低い。他の構成等は図1の実施例と同一であるの
で説明を省略する。 (0104)なお、本発明の明細書では同一である場
合、類似である場合は説明を省略する。また、同一符号
等を付したものは同一または類似の内容である。さらに
明細書で記載した事項はすべての図面、内容等に適用さ
れる。たとえばPD液晶21に関する内容はすべて本発
明の実施例に適用することができる。図面は説明を容易
にするため拡大,縮小,変形等した箇所が存在する。 (0105)図8の構成はソース信号線15上に低誘電
体膜16を介して横電界配線17を形成したものであ
る。横電界配線17は図1の実施の形態よりも線幅を広
く形成する。これは映像信号が印加されているソース信
号線15から発生する電界が液晶層21におよぶのを防
止する“シールド効果”を横電界配線17にもたせてい
るためである。“シールド効果”を良好なものとするた
め、ソース信号線15幅よりも横電界配線17幅を広く
する。 (0106)図8の構成では横電界配線がシールド効果
を有し、画像ノイズのない安定した表示を実現すること
ができる。ただし、低誘電体膜16の膜厚は極力厚くす
る必要がある。少なくとも0.5μm以上好ましくは1
μm以上とする。これは膜厚が薄いとソース信号線15
と横電界配線17の間でコンデンサが形成されるため寄
生容量が大きくなり、ソースドライバ回路の負荷が大き
くなってしまうためである。 (0107)図9は画素電極14のほぼ中央部上に横電
界配線17を形成した構成である。図7と同様に絶縁膜
16を対向電極25との間に介在させ、電気的に接触し
ないようにする。絶縁膜71は図9に示すように形成幅
を広くとり、画素電極14上全域にわたり形成をしてい
る。 (0108)以上のように構成すると電気力線19は対
向電極25と横電界配線17間にも発生するようにな
る。そのため、対向基板11と平行な方向に配向する液
晶分子20の割合が多くなり、表示コントラスト効果を
向上できる。 (0109)図10は、対向基板11上において(ただ
し、横電界配線17は対向基板11上のみに形成される
ことに限定されるものではない。アレイ基板12上にあ
るいは対向基板11とアレイ基板12との双方に形成し
てもよいことは言うまでもない)、画素電極14の2辺
に沿うように横電界配線17を形成したものである。画
素電極14の位置は点線で示している。 (0110)図10のように横電界配線17を形成すれ
ば、電気力線19は画素電極14に対し斜め方向に生じ
るようになる。したがって液晶分子20も斜め方向に配
向するようになる。また横電界の発生強度も強くなり良
好な表示コントラストを実現できる。 (0111)図11はゲート信号線の形成方向(仮に、
ゲート信号線の形成方向を17c,17dの方向とす
る)およびソース信号線の形成方向(仮に17a,17
bの方向とする)の双方に、横電界配線を形成した構成
図である。横電界配線17c,17dと17a,17b
とは電気的に接触しないように交点には絶縁膜を形成す
る。 (0112)信号源41a、41bは矩形波または正弦
波を出力する。前記信号の振幅は横電界配線17cと1
7d、17aと17bの間隔に比例して増加させる。な
ぜならば、間隔が広いと液晶分子20を配向させるのに
強い電界が必要だからである。 (0113)なお、以上の実施の形態では一画素を取り
囲むように横電界配線17を形成する構成であったが、
何らこれに限定するものではなく、図12に示すように
2画素あるいは3画素以上ごとに1本の横電界配線17
を配置してもよいことは言うまでもない。 (0114)各画素電極14にはスイッチング素子とし
てのTFTが形成される、また、TFTには遮光膜が形
成されている。遮光膜は主として、液晶層21で散乱し
た光がTFTの半導体層に入射することを防止するため
である。光が半導体層に入射すると、TFTがオフ状態
とならない、あるいはTFTのオフ抵抗が低下するホト
コンダクタ現象(以後、ホトコンと呼ぶ)が発生する。
遮光膜の形成材料としては、アクリル樹脂にカーボンを
分散させたものが例示される。また、各種原色顔料
(赤、緑、青、シアン、マゼンダ、イエローの色素)を
最適に混合したものでもよい。またTFT上にSiO2
などで絶縁薄膜を形成し、前記絶縁薄膜上に遮光膜とし
ての金属薄膜を パターニングして形成する方法も例示
される。また、アモルファスシリコンを厚く蒸着し遮光
膜とする方法もある。また、TFTはゲートの下に半導
体層を形成する逆スタッガ構造を採用することが好まし
い。 (0115)なお、PD液晶表示パネルでは、TFTな
どのスイッチング素子はホトコンが発生しにくいように
ポリシリコン技術で形成することが好ましい。ポリシリ
コン技術とは通常のICを作製する半導体技術である高
温ポリシリコン技術、また近年開発が盛んなアモルファ
スシリコン膜を形成し、前記アモルファスシリコン膜を
結晶化させる低温ポリシリコン技術を含む。特に、ドラ
イバ回路をアレイ基板12上に直接形成することがで
き、かつ、低価格でパネルを製造できる可能性のある低
温ポリシリコン技術でTFTを形成することが好まし
い。前記技術で形成したTFTなどはホトコンダクタ現
象の発生が現在ポケットテレビなどで実用化されている
アモルファスシリコン技術で形成したTFTなどに比較
して格段に発生しにくい。そのため、散乱−透過で光変
調をおこなうPD液晶表示パネルに最適である。 (0116)以下、図面を参照しながら本発明の他の実
施例の表示パネルについて説明する。図15は本発明の
液晶表示パネルの断面図である。アレイ基板12にはI
TOからなる画素電極14、ソース信号線(図示せ
ず)、ゲート信号線(図示せず)、TFT155等が形
成されている。 (0117)TFT155上には樹脂からなる遮光膜
(樹脂遮光膜)152を形成する。樹脂で形成するのは
液晶層21とアレイ基板12との密着性を向上させるた
めである。樹脂としては、アクリル樹脂にカーボン,酸
化チタンを含有させたもの、アクリルに色素、染料等を
用いて着色したものが例示される。また、遮光膜152
は金属クロム/酸化クロムの複合膜(2層クロム)で形
成してもよい。 (0118)また、TFT155等のスイッチング素子
上に遮光膜152を形成するのは、TFTあるいはMI
M等への半導体層に光が侵入することを防止するためで
ある。光が侵入するとTFT155等のスイッチング素
子にホトコンダクタ(以後、ホトコンと呼ぶ)現象が発
生し、スイッチング素子のオン・オフ特性が劣化するた
めである。遮光膜152を形成することにより液晶層2
1側から前記半導体層に光が入射することはなくなる。 (0119)遮光膜152は液晶層21内で生じる光の
乱反射(ハレーション)を防止する効果もある。PD液
晶表示パネルは入射光を散乱させることにより光変調を
行う(光学像を形成する)。しかし、散乱光はパネルと
空気との界面で反射し、パネル22内で乱反射する。乱
反射した光は表示パネル22のコントラストを悪化させ
る原因となる。 (0120)遮光膜152は前記乱反射した光を吸収す
る。そのため表示コントラストは向上する。したがって
遮光膜152には入射光を吸収する材料で形成すべきで
ある。前記光を吸収する遮光膜は樹脂にカーボン等をま
ぜあわせることにより容易に実現できる。また、遮光膜
152には乱反射を防止するという観点から、遮光膜1
52は画像表示に有効な光が通過しない領域(画素電極
14上を除く領域、たとえば隣接画素電極間、信号線上
等)等のできるだけ広い領域に形成すべきである。 (0121)対向電極25上にはカラーフィルタ151
を形成する。カラーフィルタ151とはゼラチンに染
料、色素を用いて着色したものが例示される(樹脂カラ
ーフィルタと呼ぶ)。また光硬化型アクリル樹脂に着色
したものでもよい。また、低屈折率と高屈折率の無機材
料の誘電体薄膜を多層に積層したものが例示される(誘
電体カラーフィルタと呼ぶ)。低屈折率層はMgF2、
SiO2、Al2 O3のいずれかを用い、高屈折率層はT
iO2、ZnS、CeO3、ZrTiO4、HfO2、Ta
2O5、ZrO2等を用いる。これらの誘電体膜はカラー
フィルタの赤、緑、青の色に応じて光学的膜厚を調整す
れば所望の光を透過する分光特性が得られる。この原理
はよく知られており、ダイクロイックミラー等に応用さ
れている。カラーフィルタは赤色の色純度に注意を払う
べきである。赤色の純度がわるいと画像が白っぽくなり
表示品位を低下させる。赤色のカラーフィルタ151に
誘電体カラーフィルタを用い、青および緑色のカラーフ
ィルタはコストの安い樹脂カラーフィルタを用いること
が好ましい、誘電体カラーフィルタを画素電極形状にあ
わせてエッチングにより形成し、樹脂カラーフィルタを
印刷等の技術を用いて形成する。 (0122)液晶表示パネル22が透過型の場合はカラ
ーフィルタ151は赤(R)、緑(G)、青(B)色を
選択して透過させるように構成する。液晶表示パネル2
2が反射型(たとえば、画素電極14が金属材料で形成
されている場合、誘電体ミラーで形成されている場合
等)の場合も同様である。なお、カラーフィルタ151
の色はRGBの3色に限定されるものではなく、たとえ
ばシアン、マゼンダ、イエロー色を選択して透過あるい
は反射させるように構成してもよい。 (0123)樹脂カラーフィルタの形成方法としては染
色法,印刷法,電着法,着色感材法のいずれかであって
もよいが、高感度感光性樹脂として、光重合形のアクリ
ル糸や、光架橋形のPVAを等を用いる着色感材法が好
ましい。 (0124)なお、本発明の表示パネルは画素電極14
がマトリックス状に配置されたアクティブマトリックス
型表示パネルを例にあげて説明する。しかし、これに限
定されるものでなく、明確に画素電極がない方式につい
ても、本明細書に示される本発明の技術的思想は適用出
来る。たとえば単純マトリックス型表示パネル、画素電
極がない光書き込み型表示パネルおよび熱書き込み型表
示パネル、レーザ書き込み型表示パネルである。また液
晶表示パネルだけではなく、PLZTを光変調層として
用いた表示パネル、無機ELパネル、有機EL表示パネ
ル,プラズマディスプレイ(PDP)等であってもよ
い。 (0125)カラーフィルタ151上には保護膜153
を形成する。保護膜153はカラーフィルタ151等が
機械的に破壊されることを防止するために形成される。
また、液晶層21への水分の侵入を防止するため等に形
成される。形成材料としてはフェノール樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル系光硬化型樹脂、ウレタン樹脂、シリコ
ン樹脂、ゴム等の樹脂が例示される。また、SiO2等
の無機薄膜でもよい。中でもアクリル系光硬化型樹脂は
スピンナー技術、ロールクォータ技術等で容易に塗布す
ることができ、また硬度も4H以上得られるため好まし
い。硬化させるのも紫外線を照射もしくは可視光を照射
するだけであるから容易である。 (0126)なお、カラーフィルタ151は表面に適度
な凹凸をつけることが好ましい。(エンボス加工と呼
ぶ)カラーフィルタ151の表面で光が反射し、外景が
うつり込むことを防止できるからである。凹凸は5μm
から200μm程度の範囲のものを形成する。また、カ
ラーフィルタ151と対向電極25間には屈折率1.5
5以上1.85以下の薄膜(図示せず)を形成すること
が好ましい。薄膜を形成することにより反射する光を減
少させることができる。 (0127)以下、図31等を参照しながら、表示パネ
ルの製造方法について説明をする。図31は本発明の表
示パネルの製造方法の説明図である。アレイ基板12
と、離形手段としての離形フィルム182間に光硬化性
樹脂の1種である紫外線(UV)硬化樹脂と液晶成分と
を混合した溶液315(以後、混合溶液315と呼ぶ)
を狭持させる。なお、離形フィルム182とアレイ基板
12間にはスペーサ、ファイバー等をあらかじめ散布す
るかもしくは混合溶液315にまぜておく。 (0128)離形フィルム182としてはシリコン樹脂
フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン系樹脂フィルムが例示され、ま
た、樹脂フィルムの表面にシリコン樹脂、フッ素樹脂を
塗布等したものが例示される。その他の材料の場合であ
っても紫外線を透過し、ある程度の柔軟性を有すれば採
用出来る。たとえば、ガラス基板等も用いることはでき
る。 (0129)なお、混合溶液315の樹脂成分は紫外線
硬化樹脂を用いるとしたがこれに限定するものではな
く、可視光で硬化するアクリル樹脂、エポキシ等の2液
性の硬化樹脂、熱硬化型樹脂あるいはゴム系の樹脂を含
有する溶液であってもよい。つまり、液晶と相分離でき
るものであればよい。 (0130)例示として、混合溶液315の成分は下記
の通りである。 (0131) (1)液晶:E−7(BDH社製)(80wt%) (2)紫外線硬化型樹脂:ポリエステルアクリレート
(1.8wt%)と2−エチルヘキシルアクリレート
(18wt%)との混合体 (3)光硬化開始剤:ダロキュアー1173(メルク社
製)(0.2wt%)前記混合溶液315に紫外線(U
V)を照射すれば、光硬化型樹脂内に架橋反応が生じ
る。この架橋反応によって、液晶成分と光硬化型樹脂成
分とが相分離して、光硬化型樹脂中に液晶の小滴が分散
した状態になる。同時に、光硬化型樹脂が硬化する。 (0132)次に、光硬化型樹脂への光の照射量と液晶
の平均粒子径との関係を調べるために行ったテストにつ
いて説明する。 (0133)光硬化型樹脂の紫外線照射量を100,2
00,300,400,500,1000,2000、
2500mJ/cm2とする。 (0134)これらの液晶表示パネルを顕微鏡で観察し
たところ、硬化工程で400mJ/cm2以下の紫外線
しか照射されなかった液晶表示パネルは、液晶の平均粒
子径が5.5μm以上と大きくなっているのに対し、硬
化工程で500mJ/cm2以上の紫外線が照射された
液晶表示パネルは、平均粒子径が1.0〜3.0μmと
小さくなっていることが確認された。これらの液晶表示
パネルのコントラスト及び液晶の平均粒子径を測定した
結果を下記(表1)に示す。 (0135)
【表1】 (0136)なお、上記各実施例では光硬化型樹脂とし
てポリエステルアクリレートと2−エチルヘキシルアク
リレートとの混合物を用いたが、2−ヒドロキシエチル
アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレー
ト等でもよい。また、光硬化型樹脂に代えて、熱硬化性
樹脂を用いて熱により反応させてもよい。その場合、ノ
ボラック系熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化剤として
ヘキサメチレンジアミン(ヘキサミン)を用いることが
できる。 (0137)また、液晶に関しても、E−8(BDH
社)やZLI4792(メルク社製)やTL202(メ
ルク社製)等でもよく、重合開始剤もイルガキュア18
4(チバガイギー社製)やイルガキュア651(チバガ
イギー社製)等でもよい。 (0138)以上は光の照射条件であるが、当然のこと
ながら、光の照射前に混合溶液315の層を均一な膜厚
にできなければならない。そのため、図31に示すよう
にアレイ基板12と離形フィルム182間に混合溶液3
15を狭持させた後、圧延ローラ312aと312b間
にはさみ均一な膜厚にする。また、良好な膜厚とするた
めに圧延ローラ312を超音波で振動させることも有効
である。 (0139)離形フィルム182とアレイ基板12間に
混合溶液315を狭持させ、離形フィルム182とアレ
イ基板12間に超音波をかけて振動を与えることによ
り、液晶層21が均一な膜厚になる。また、離形フィル
ム182とアレイ基板12との間に与える圧力も小さく
てすむ。 (0140)供給ローラ313から順次、離形フィルム
182を供給するとともに巻き取りローラ314で離形
フィルム182を回収する。圧延ローラ312で液晶層
21を所定値の膜厚にした後、光照射手段311で紫外
線を照射して混合溶液315を相分離させてPD液晶層
21にする。 (0141)光照射手段311とは1例として高圧水銀
灯であり、またエキシマレーザ(XeCl等)である。
光照射手段311からは光をライン状、もしくはスポッ
ト状に混合溶液315に照射する。 (0142)光照射手段311が光を照射する範囲は図
32に示すように画素サイズの間隔とし、かつ、そのつ
ぎ目(斜線で示す)は画素電極14間にする。これは図
32で斜線が示す範囲は光が2回照射されるため相分離
条件が適正外となるためである。画素電極14間(たと
えばソース信号線15上)は光変調に寄与しないから相
分離条件を適正にする必要がない。もちろん、離形フィ
ルム182のかわりに1枚のガラス基板または樹脂基板
を用い、前記基板上から表示範囲全体に一度に紫外線光
(もしくは可視光)を照射して混合溶液315を相分離
させてもよい。つまり混合溶液315をパネル22全体
にわたり均一な膜厚にした後、パネル全体にわたり紫外
線を照射して相分離を行ってもよい。条件として超高圧
水銀ランプ(商品名:CHM−3000、オーク製作所
製)を用いて50mW/cm2で5分間照射する。 (0143)照射する紫外線は350nm以下はカット
する。350nm以下の波長は液晶成分を劣化させるか
らである。そのため水銀ランプ等から出射される光は紫
外線カットフィルター(商品名:UV−35、東芝
(株)製)を介して混合溶液に照射する。また相分離時
に赤外線(波長が0.8μm以上)をカットすることが
好ましい。赤外線カットフィルターとして、商品名HA
F−50S−30H(シグマ光機(株)製)が例示され
る。 (0144)混合溶液315を相分離後、光変調層(液
晶層)21上から離形フィルム182を除去する。その
後ITOを蒸着して対向電極25を光変調層21上に形
成をする。また必要に応じて光変調層21上にPVA等
からなる絶縁膜154を形成してから対向電極25を形
成する。 (0145)なお、表示パネルの白黒表示の場合はカラ
ーフィルタ151を対向電極25上に形成する必要はな
いが、カラー表示を行う場合はカラーフィルタ151を
対向電極25上に形成する必要があることは言うまでも
ない。カラーフィルタ151の配置形成としてモザイク
状トライアングル状、ストライプ状の3種類がある。こ
れらのいずれを本発明の表示パネルに採用してもよい。
ただし、一般的にモザイク状、トライアングル状、スト
ライプ状の3種類を総称してモザイク状と呼ぶ。 (0146)カラーフィルタ151を対向電極25上に
形成する際は、前記対向電極25上に保護層(図示せ
ず)を形成することが好ましい。保護層としてはウレタ
ン樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂
が例示される。なかでもウレタン樹脂を用いることが好
ましい。 (0147)カラーフィルタ151上には前記保護層
(保護膜)153を形成する。保護層153はアクリル
系の紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。前記カラ
ーフィルタ151は、PD液晶層21が変質、劣化破壊
することを防止するためである。アクリル系紫外線硬化
樹脂は4H程度の硬度が得られる。したがって、カラー
フィルタ151に傷がつくことない。 (0148)以上の製造方法では超高圧水銀ランプから
の光をそのまま(フィルタで不必要な範囲の紫外線光、
赤外線光等をカットはする。)混合溶液315に照射す
るものである。図18は、マスク181を介して紫外線
を照射する方法を示す図である。 (0149)マスク181は紫外線光の透過率が高い部
分Aと低い部分Bが形成されている。透過率が低い部分
はマスク181上にCrなどの膜を蒸着し、パターニン
グすることにより容易に形成できる。Crの蒸着膜の膜
厚を調整することにより紫外線光(可視光)の透過率を
自由に設定できる。 (0150)PD液晶の水滴状液晶の平均粒子径又はポ
リマーネットワークの平均孔径は紫外線の照射強度で変
化する。なお、この平均粒子径と平均孔径とを総称して
平均径と呼ぶことにする。一般的に紫外線の照射量が大
きいほど平均径は小さくなる。紫外線の照射量が少ない
ほど平均径は大きくなる。平均径が小さくなると光透過
状態とするのに要する電圧は高くなり、大きいと低くな
る。一方、平均径が小さいと散乱特性は高くなり、低い
と散乱特性は低くなる。したがって駆動電圧と散乱特性
が所望値に適応するように平均径を定めなければならな
い。 (0151)図18に示すようにマスク181のAの部
分下に画素電極14間がくるようにBの部分下に画素電
極14が位置するようにする。この状態で紫外線光を照
射すると図17に示す状態となる。画素電極14aと1
4b間の液晶層21bは平均径が小さく(0.8μm以
下)なる。画素電極14上は平均径が適正値(0.8μ
m〜1.5μm)となる。画素電極14a上の液晶層2
1aは6〜8(V)の電圧印加により十分透明状態とな
る。しかし、液晶層21bは6〜8(V)の電圧を印加
してもほとんど光透過状態とならない。つまりたえず散
乱状態(黒表示)である。これは、都合がよい。画素電
極14間が黒表示であれば遮光膜(BM)として機能す
るからである。 (0152)また、信号線15近傍、画素電極14間か
らの光漏れを完全に遮光するためには図16に示すよう
に、樹脂遮光膜152を形成する。樹脂を用いるのは、
PD液晶層21層とアレイ基板12とのはくりを防止す
るためである。 (0153)マスク181を用いれば図28のような液
晶層21も形成できる。図28において24が樹脂成分
の多い箇所(もしくは樹脂のみの箇所)であり、23が
液晶成分の多い箇所(もしくは液晶のみの箇所)であ
る。液晶23成分の液晶分子20は樹脂24の壁面に沿
って配向をする。 (0154)マスク181のAの部分は紫外線をほとん
ど減衰することなく透過し、Bの部分はかなり減光する
もしくは透過しない。そのためAの部分下にある混合溶
液315の樹脂成分が硬化を開始し、周辺部の樹脂をひ
きこみ、かつ液晶成分を他部へ追いだす。そのため樹脂
成分の多い箇所24がドーム状となると考えられる。つ
まり画素電極14上はほとんど液晶成分となる。このよ
うな液晶層の構成も本発明にいうPD液晶である。 (0155)以上の実施例は超高圧水銀ランプからの光
を混合溶液315に照射するものであったが、レーザ等
を用いてもよい。図33はレーザ光291を混合溶液3
15に照射して相分離行う方法の説明図である。マスク
181aにはR、G、B色のフィルタ331が形成され
ている。フィルタ331の形状は図34に示すようにモ
ザイク状に配置されている。また、フィルタ331は各
画素に対応するように配置されている。レーザ光291
として白色レーザ等が例示される。図29もしくは図3
3のように表示パネルの前面もしくは裏面から2つのレ
ーザ光291を入射させると干渉がおこり、光の強弱が
しま模様になって生じる。光が強い部分は樹脂が硬化
し、屈折率が低くなり、弱い部分は液晶成分が多くなっ
て屈折率が高くなる。したがって屈折率の高い部分と低
い部分とが交互に層状となる。そのため、干渉効果が生
じ、PD液晶21に特定の波長の光を透過し、または反
射する性質が生じる。これらの層状の構成もPD液晶で
ある。 (0156)同一波長の2つのアルゴンイオンレーザー
を用いてもPD液晶層21を形成することができる。一
方のレーザー光を物体光とし、他方のレーザー光を参照
光とする。この物体光を第1の透明基板側11から入射
させ、同レーザ光である参照光を第2の透明基板12の
側から入射させる。物体光と参照光は干渉パターンを生
じ、混合溶液315中では、その干渉光強度の高い部分
において光重合が開始し、3次元構造の高分子相が形成
されていく。液晶相は高分子相の3次元構造中に準ラン
ダムに配向して介在することになる。 (0157)約50mJ/cm2のレーザ光照射を行い
前記の重合プロセスが進行した時点でレーザ光の照射を
やめ、一様な紫外線光をPD液晶層に約500mJ/c
m2照射し、全体を十分にポリマー化してプロセスを完
了させる。 (0158)このような方法にて作製されたPD液晶層
21は、高分子相の3次元構造が反射型ホログラムとし
て構造制御されるため、観察者側から入射する照明光を
非常に高い効率で観察者側に反射散乱させる機能を有し
ている。本実施例では波長458nm近傍の照明光を9
0%を越える効率で反射散乱し、かつ広い角度範囲で観
察可能である。電圧を約30V印加した画素では液晶分
子20が整列することにより前記反射散乱機能が消え透
明となる。 (0159)以上述べてきたように、本実施例によれ
ば、PD液晶層21の液晶相と高分子相の構造が反射型
ホログラムパターンとして制御されるため、高い後方散
乱性によりコントラストの高い、また視野角の広い液晶
表示パネルを実現できる。 (0160)同一表示パネルに3つの波長帯域の光を選
択して反射する画素を作製するには以下のように行えば
よい。 (0161)マスクを用いて、まず波長458nmのレ
ーザ光により、第1の波長帯域の光を反射するホログラ
ムパターンを作製する。次に前記マスクを1ピッチだけ
ずらせて波長514nmのレーザー光により第2の波長
帯域の光を反射するホログラムパターンを作製する。最
後にマスクをさらに1ピッチだけずらせて波長648n
mのレーザ光により第3の波長帯域の光を反射するホロ
グラムパターンを作製する。 (0162)各パターンは画素を構成する透明電極の位
置にアライメント(位置あわせ)されており、図34に
示すようにモザイク状にR、G、Bの画素が配列してい
る。このようにして構成されたPD液晶層21は見た目
には白い散乱面に見える。しかし、各画素に電圧を印加
しその透過率を変化させていくと赤、緑、青の3色が観
察され、これによってカラー画像が構成できる。 (0163)さらに、これまでの実施例の中で述べてき
たレーザー光による光重合による作製法の他に、本発明
の表示パネルの光変調層21は各種の方法を用いて作成
することができる。いわゆる感光性樹脂を用い、現像処
理を行って樹脂中に樹脂層と空気層からなる干渉稿をつ
くりこれに液晶を浸透させることによっても作製するこ
とができる。 (0164)後者の方法を用い、光スイッチを作成した
例が、ローレンス ドマッシュ(Lawrence Domash)氏
らによって報告されている。(”アクティブ ホログラ
フィック イン ターコネクツ フォー インターファ
クティング ボリューム ストレージ”エスピーアイイ
ー ボル.1662 ピー211(1992)("Active
Holographic In terconnects for Interfacing Volume
Storage" SPIE Vol.1662 p211 (1992))。これらもP
D液晶である。 (0165)以上のような光重合法によって干渉効果を
有する光変調層21を作成するのに好適なモノマーとし
ては液体または低融点のエチレン性不飽和モノマーとく
にアクリルまたはメタアクリル酸エステル類を用いるこ
とができる。これらはたとえば、トリメチロールプロパ
ントリアクリレートのごとき多官能性モノマーであって
もよいし、あるいはポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ウレタンアクリレートのようなオリゴマーであっ
てもよい。これには単独で用いても良いしまた組み合わ
せて用いることもできる。さらに必要に応じて他のモノ
マー、たとえばスチレン、カルバゾール、などを併用し
てもよい。 (0166)これらのモノマー、オリゴマーはとくに限
定されるものではなく、通常高分子分散型液晶作成のた
めに用いられるもの、あるいは特開平2−3082号公
報に提案されているような体積ホログラムを作るための
光重合組成物などのごとき、当該業者にとって既知の各
種モノマー、オリゴマーなどを適宜選択して用い得る。 (0167)コヒーレント光によって光重合させるため
にはその波長にあった増感色素、適当な光重合開始剤な
どが必要で、シアニル色素類、シクロペンタノン類など
の色素、ジフェニルヨードニウム塩やこれと色素との組
み合わせ、各種キノン類、トリフェニルイミダゾイル2
量体と水素ドナーなど多くの組み合わせから適宜選択し
て用い得る。 (0168)その他図30に示すように液晶層21の液
晶302中に樹脂粒子301が浮かんでいるもしくは配
置されているものもPD液晶である。液晶層21の液晶
302は配向処理されている。なお、樹脂粒子301の
かわりにガラス粒子、ファイバーセラミック粒子等でも
よい。 (0169)図30に示す樹脂粒子301は、樹脂粒子
301と他の樹脂粒子301とがポリマーで接続されて
いてもよい。接続されている方がヒステリシスが低減さ
れ特性は向上する。また、樹脂粒子301は粒子状でな
くてもよい。たとえば、多角形でも円盤状でも薄膜状で
も、又、ランダム状態でもよい。 (0170)また、液晶302は配向処理しておく方が
好ましい。配向は150度から200度以内が好まし
い。特に配向は180度近傍が好ましい。配向処理する
ことにより、視野角が拡大される。また、樹脂粒子30
1、液晶302にゲストホスト材料を含有させてもよ
い。染料、色素を含有させてもよい。 (0171)図29、図30に示す液晶層21を有する
表示パネルも高分子分散液晶パネル(PD液晶パネル)
である。PD液晶パネルとは、光変調によって生じる散
乱状態が変化するしないにかかわらす、偏光板の使用の
有無にかかわらず、液晶分子の配向の有無にかかわら
ず、液晶の量の多少にかかわらず、光変調層21に樹脂
成分と液晶成分とを有するもののすべてを意味する。な
お、樹脂はセラミックで置き換えてもよい。これらもP
D液晶に含まれる。 (0172)図31のようにカラーフィルタ151を形
成する前に紫外線を照射して混合溶液315を相分離さ
せるのは、表示範囲の混合溶液315に均一に紫外線光
を照射し、均一な表示範囲全面を散乱特性にするためで
ある。カラーフィルタ151は紫外線光を吸収する。そ
のため、カラーフィルタ151の形成後には混合溶液3
15を相分離させることはできない。または、紫外線光
を照射されたカラーフィルタ151が発熱し、その発熱
により混合溶液315が加熱される。そのため、良好な
相分離条件が得られない。以上の課題の対策としてカラ
ーフィルタ151を相分離工程後に形成する。 (0173)PD液晶は固体であるため、離形フィルム
182を剥離した後、その上に対向電極25を容易に形
成することができる。これはTN液晶では行うことがで
きない方式である。TN液晶は固体だからである。対向
電極25となるITOは常温〜100度の範囲で樹脂基
板上に蒸着する技術は公知として行われている。PD液
晶層も表面は樹脂であるからPD液晶層25上にITO
を容易形成できる。ただし、離形フィルム182をはが
す際、一部の水滴状液晶溝は破壊される。そのため、離
形フィルム182をはがした後、基板12を洗浄し、乾
燥した後PD液晶21上に保護膜としての絶縁膜154
を形成する。その工程後、対向電極25を形成する。 (0174)ITO上にカラーフィルタ151を形成す
ることは何ら問題はない。たとえばR、G、B色のゼラ
チン等を塗布等することにより容易に形成することがで
きる。また、スクリーン印刷すればカラーフィルタ15
1表面の凹凸も印刷スクリーンのメッシュ目により容易
に形成できる。 (0175)アレイ基板12側から紫外線を照射する方
式も考えることができる。もちろん、アレイ基板12側
にはカラーフィルタ151は形成されていないから、紫
外線光はほとんど吸収されることなく混合溶液315に
照射することができる。 (0176)しかし、この場合、紫外線光はTFT15
5、信号線15等に吸収される。紫外線光を吸収した信
号線15等は加熱され、周辺部の混合溶液315も加熱
する。良好な相分離を行わせる(良好な散乱特性を行わ
せる)には相分離時の温度管理も重要である。 (0177)信号線等が加熱されると信号線近傍の混合
溶液315も加熱する。そのため、信号線近傍の平均径
は大きくなる。平均径が大きくなると散乱特性が悪くな
る。したがって、信号線の周辺部の光抜けが生じ、表示
コントラストを低下する。 (0178)図15は対向電極25側にカラーフィルタ
151を形成する構成であったが、図20に示すように
アレイ基板12と画素電極14間にカラーフィルタ15
1を形成する構成も好ましい。カラーフィルタ151は
干渉カラーフィルタで形成することが好ましい。TFT
155等を形成する工程で450〜600度程度となる
高温プロセスが存在するからである。アクリル、ゼラチ
ン等の樹脂カラーフィルタは前記高温プロセスで劣化し
てしまう。 (0179)図20の構成は、誘電体多層膜を積層し、
パターニングすることによりR、G、Bの誘電体カラー
フィルタを形成する。もちろんカラーフィルタが2色の
場合は2回のパターニングで形成することができる。そ
の後、Crなどで遮光膜202を形成する。遮光膜20
2はTFT155の裏面から半導体層に入射する光を防
止するためである。もちろん、R、G、Bの誘電体カラ
ーフィルタを重ねて形成してもよい。 (0180)カラーフィルタ151等を形成後、絶縁層
201を形成する。絶縁層201の膜厚は5000オン
グストローム以上は必要である。SiO2,SxNxの
薄膜を複数回にわけて蒸着して形成する。ピンホールを
防止するためと、カラーフィルタ151の凹凸をなくし
平たん化するためである。しかし、1.5μm以上とな
るとクラックがはいりやすくなる。 (0181)前記絶縁層201上にTFT155、信号
線15等を順次形成をする。その後、対向基板11とア
レイ基板12間に混合溶液315を狭持させて、対向基
板11側から紫外線光を照射して、混合溶液315を相
分離させる。 (0182)混合溶液315をアレイ基板12と対向基
板11間に狭持させる方法としては、前記基板の間隔を
真空状態にしてから真空状態を破り、注入する真空注入
方法、アレイ基板12又は対向基板11に混合溶液31
5を滴下させて両基板をはりあわせる滴下方法、混合溶
液315をロールクォータ等でぬりつけるロールクォー
タ方法、スピンナー等で塗布するスピンナー方法等が例
示される。 (0183)先にも説明したが、画素電極間、画素電極
とTFT155間は電位差が生じると電気力線が生じ、
電気力線に沿って液晶分子が配向する。前記電気力線に
沿って液晶分子が配向すると、配向した箇所に偏光依存
性が生じ光ぬけが生じる。その対策として隣接する画素
電極14間等に液晶層21の液晶成分よりも誘電率の低
い材料で誘電体膜(低誘電体膜)を形成する。この低誘
電体膜152を図21に示す。 (0184)低誘電体膜152材料とはSiO2、Si
Nx、パリレンN、SiOFなどの無機材料 、液晶層
21のポリマー材料、半導体プロセスに用いるレジス
ト、PVA、プラズマ・フロロカーボン(P−CF)な
どの有機材料が例示される。前記低誘電体膜152を図
20の如く薄膜もしくは厚膜状に形成することにより信
号線15等と画素電極14間および隣接画素電極14間
等の電磁結合を防止することができる。また、信号線1
5等と対向電極25間の電磁結合も防止できるから、低
誘電体膜152上の液晶層21は、ほぼ常時散乱状態と
なる。 (0185)特に、プラズマ・フロロカーボン(P−C
F)やパリレンN膜は、SiOFよりも低い比誘電率3
以下を達成できる。また、SiOF膜は、SiF2H2ガ
スで形成することにより誘電率3.3と低下でき好まし
い。また、ハイドロカーボンを含むSiO2膜では、Phe
nyltrimethoxysilaneという材料を使うと吸湿性による
劣化 を抑えることができ、比誘電率も3.1まで低減
できて好ましい。塗布する方法に用いることができるも
のとしては、ハイドロジェンシルセスキオキサン(HS
Q)やSi−H結合を含むロキサンが例示される。 (0186)図21は低誘電体膜を膜状に形成するとし
たが、これに限定されるものではなく、柱状に形成して
もよい。前記柱状の誘電体柱は液晶層21の膜厚と同一
にすることにより、液晶層の膜厚を規定するビーズ16
1が不要となる柱状に形成する場合は対向基板25側に
形成することが好ましい。対向基板11側はTFT15
5を形成する必要がないため構成が簡単であり、また基
板面に平滑性があるから、柱状の低誘電体膜152を形
成することは容易である。 (0187)低誘電体膜152を柱状の形成すれば、前
記柱で液晶層21の膜厚を一定に保つことができる。し
たがって、ビーズ161の散布が必要でない。そのた
め、液晶表示パネルの製造工程が簡略化される。また、
画素電極14上にビーズ161などの障害物がなくなる
ため、良好な画像表示を実現できる。 (0188)このように柱状または厚膜状の誘電体膜1
52を容易に形成できるのは、PD液晶表示パネルは、
TN液晶表示パネルのようにラビングという配向処理が
不要なためである。TN液晶表示パネルに低誘電体柱1
52を形成すれば、低誘電体柱にラビング布が引っかか
ってうまく基板11、12面をこすれない(ラビングで
きない)。 (0189)低誘電体膜152は、着色してもよい。着
色すれば、液晶層21内で乱反射する光を吸収でき画像
品位は向上する。黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に分
散したものを用いても良いし、カラーフィルター151
の様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色し
てもよい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフ
ルオラン系色素を発色させて用いることもできるし、緑
色系色素と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用い
ることもできる。 (0190)以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の液晶表示パネルを投射型表示装置のライトバル
ブとして用いる場合はこれに限定されるものではなく、
R光を変調する液晶表示パネルの低誘電体膜152とし
てはR光を吸収させれば良い。したがって、色素を用い
て天然樹脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分散した
材料を用いることができる。たとえば、アゾ染料、アン
トラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメ
タン染料などから適切な1種、もしくはそれらのうち2
種類以上を組み合わせればよい。特に補色の関係にある
ものを用いることが好ましい。たとえば、入射光が青色
のとき、樹脂152を黄色に着色させる。 (0191)他の構成として図27に示す構成も例示さ
れる。図27に示す構成は以下の工程にて作製される。
まず基板12上にTFT155をまず形成する。その
後、樹脂カラーフィルタ151を形成し、パターニング
するとともに前記樹脂カラーフィルタ151に穴あけ加
工をする。次に前記カラーフィルタ151上に画素電極
14となるITOを蒸着し、前記穴あけ加工した穴を介
して、画素電極14とTFT155のドレイン端子とを
接続する。 (0192)カラーフィルタ151と画素電極14間の
密着性を向上させるため中間層としてSiO2薄膜(図
示せず)を形成することが好ましい。 (0193)以上のように構成すれば、高温プロセスが
必要なTFTをカラーフィルタよりも先に形成するた
め、カラーフィルタ151はコストの安い樹脂カラーフ
ィルタを用いることができる。これは、画素電極14と
なるITOをウエット・エッチングによってパターニン
グする際、エッチングして用いられる、塩酸,硝酸系,
塩鉄系あるいはショウ化水素酸系等のエッチング液晶
が、カラーフィルタ151層を構成する着色樹脂材料に
色あせや表面の荒れ等の悪影響を与えるためである。中
間層を形成することにより、この課題はなくなる。Si
O2の他、アクリル等の感光性樹脂であってもよい。前
記感光性樹脂は平滑化層としても機能するので好まし
い。 (0194)表示パネルが空気と接する面にはAIRコ
ート211が施される。AIRコートとは反射防止膜の
ことである。AIRコート211は3層の構成あるいは
2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波長
帯域での反射を防止するために用いられ、これをマルチ
コートと呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域で
の反射を防止するために用いられ、これをVコートと呼
ぶ。マルチコートとVコートは液晶表示パネルの用途に
応じて使い分ける。通常Vコートは3枚の表示パネルを
ライトバルブとして用いる投射型表示装置に採用され、
マルチコートは液晶表示パネルを直視型表示装置として
用いる場合、一枚の表示パネルでカラー表示を行う投射
型表示装置に採用することが好ましい。 (0195)マルチコートの場合は、酸化アルミニウム
(Al2O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウ
ム(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通常、
λとして520nmもしくはその近傍の値として薄膜は
形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イットリウ
ム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1
=λ/4積層して形成する。SiOは青色側に吸収帯域
があるため青色光を 変調する場合はY2O3を用いた方
がよい。また、物質の安定性からもY2O3の方が安定し
ているため好ましい。なお、先のnは各薄膜の屈折率、
d1は前記薄膜 の物理的膜厚、λは設計主波長である。 (0196)対向電極25および画素電極14等の透明
電極は、第1の誘電体薄膜221a、ITO薄膜25、
第2の誘電体薄膜221bで構成される3層構成にする
ことが好ましい、電極としてのITO薄膜25の光学的
膜厚はλ/2、第1の誘電体薄膜221a、および第2
の誘電体薄膜221bの光学的膜厚はそれぞれλ/4で
ある。この構成を図22(a)に示す。尚、ここでは、
特に対向電極をITOで形成する場合に、ITO薄膜と
記載した。 (0197)第1の誘電体薄膜221aおよび第2の誘
電体薄膜221bの屈折率は1.60以上1.80以下
が望ましい。一例としてSiO、Al2O3、Y2O3、M
gO、CeF3、WO3、PbF2が例示される。 (0198)具体的な構成の一実施例を(表2)に、ま
た、その分光反射率を図23に示す。図23からわかる
ように、(表2)の構成によると波長帯域幅200nm
以上にわたり反射率0.1%以下の特性を実現でき、極
めて高い反射防止効果を得ることができる。なお、本発
明の各表において、散乱状態での液晶層21の屈折率は
1.6としているが、液晶材料およびポリマー材料が変
化すればこの値は変化する。散乱状態の液晶の屈折率を
nx、第1および第2の誘電体薄膜の屈折率をn1、IT
O薄膜の屈折率をn2としたとき、nx<n1<n2の条件
を満足するようにすればよい。 (0199)
てポリエステルアクリレートと2−エチルヘキシルアク
リレートとの混合物を用いたが、2−ヒドロキシエチル
アクリレートやトリメチロールプロパントリアクリレー
ト等でもよい。また、光硬化型樹脂に代えて、熱硬化性
樹脂を用いて熱により反応させてもよい。その場合、ノ
ボラック系熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化剤として
ヘキサメチレンジアミン(ヘキサミン)を用いることが
できる。 (0137)また、液晶に関しても、E−8(BDH
社)やZLI4792(メルク社製)やTL202(メ
ルク社製)等でもよく、重合開始剤もイルガキュア18
4(チバガイギー社製)やイルガキュア651(チバガ
イギー社製)等でもよい。 (0138)以上は光の照射条件であるが、当然のこと
ながら、光の照射前に混合溶液315の層を均一な膜厚
にできなければならない。そのため、図31に示すよう
にアレイ基板12と離形フィルム182間に混合溶液3
15を狭持させた後、圧延ローラ312aと312b間
にはさみ均一な膜厚にする。また、良好な膜厚とするた
めに圧延ローラ312を超音波で振動させることも有効
である。 (0139)離形フィルム182とアレイ基板12間に
混合溶液315を狭持させ、離形フィルム182とアレ
イ基板12間に超音波をかけて振動を与えることによ
り、液晶層21が均一な膜厚になる。また、離形フィル
ム182とアレイ基板12との間に与える圧力も小さく
てすむ。 (0140)供給ローラ313から順次、離形フィルム
182を供給するとともに巻き取りローラ314で離形
フィルム182を回収する。圧延ローラ312で液晶層
21を所定値の膜厚にした後、光照射手段311で紫外
線を照射して混合溶液315を相分離させてPD液晶層
21にする。 (0141)光照射手段311とは1例として高圧水銀
灯であり、またエキシマレーザ(XeCl等)である。
光照射手段311からは光をライン状、もしくはスポッ
ト状に混合溶液315に照射する。 (0142)光照射手段311が光を照射する範囲は図
32に示すように画素サイズの間隔とし、かつ、そのつ
ぎ目(斜線で示す)は画素電極14間にする。これは図
32で斜線が示す範囲は光が2回照射されるため相分離
条件が適正外となるためである。画素電極14間(たと
えばソース信号線15上)は光変調に寄与しないから相
分離条件を適正にする必要がない。もちろん、離形フィ
ルム182のかわりに1枚のガラス基板または樹脂基板
を用い、前記基板上から表示範囲全体に一度に紫外線光
(もしくは可視光)を照射して混合溶液315を相分離
させてもよい。つまり混合溶液315をパネル22全体
にわたり均一な膜厚にした後、パネル全体にわたり紫外
線を照射して相分離を行ってもよい。条件として超高圧
水銀ランプ(商品名:CHM−3000、オーク製作所
製)を用いて50mW/cm2で5分間照射する。 (0143)照射する紫外線は350nm以下はカット
する。350nm以下の波長は液晶成分を劣化させるか
らである。そのため水銀ランプ等から出射される光は紫
外線カットフィルター(商品名:UV−35、東芝
(株)製)を介して混合溶液に照射する。また相分離時
に赤外線(波長が0.8μm以上)をカットすることが
好ましい。赤外線カットフィルターとして、商品名HA
F−50S−30H(シグマ光機(株)製)が例示され
る。 (0144)混合溶液315を相分離後、光変調層(液
晶層)21上から離形フィルム182を除去する。その
後ITOを蒸着して対向電極25を光変調層21上に形
成をする。また必要に応じて光変調層21上にPVA等
からなる絶縁膜154を形成してから対向電極25を形
成する。 (0145)なお、表示パネルの白黒表示の場合はカラ
ーフィルタ151を対向電極25上に形成する必要はな
いが、カラー表示を行う場合はカラーフィルタ151を
対向電極25上に形成する必要があることは言うまでも
ない。カラーフィルタ151の配置形成としてモザイク
状トライアングル状、ストライプ状の3種類がある。こ
れらのいずれを本発明の表示パネルに採用してもよい。
ただし、一般的にモザイク状、トライアングル状、スト
ライプ状の3種類を総称してモザイク状と呼ぶ。 (0146)カラーフィルタ151を対向電極25上に
形成する際は、前記対向電極25上に保護層(図示せ
ず)を形成することが好ましい。保護層としてはウレタ
ン樹脂、紫外線硬化樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂
が例示される。なかでもウレタン樹脂を用いることが好
ましい。 (0147)カラーフィルタ151上には前記保護層
(保護膜)153を形成する。保護層153はアクリル
系の紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。前記カラ
ーフィルタ151は、PD液晶層21が変質、劣化破壊
することを防止するためである。アクリル系紫外線硬化
樹脂は4H程度の硬度が得られる。したがって、カラー
フィルタ151に傷がつくことない。 (0148)以上の製造方法では超高圧水銀ランプから
の光をそのまま(フィルタで不必要な範囲の紫外線光、
赤外線光等をカットはする。)混合溶液315に照射す
るものである。図18は、マスク181を介して紫外線
を照射する方法を示す図である。 (0149)マスク181は紫外線光の透過率が高い部
分Aと低い部分Bが形成されている。透過率が低い部分
はマスク181上にCrなどの膜を蒸着し、パターニン
グすることにより容易に形成できる。Crの蒸着膜の膜
厚を調整することにより紫外線光(可視光)の透過率を
自由に設定できる。 (0150)PD液晶の水滴状液晶の平均粒子径又はポ
リマーネットワークの平均孔径は紫外線の照射強度で変
化する。なお、この平均粒子径と平均孔径とを総称して
平均径と呼ぶことにする。一般的に紫外線の照射量が大
きいほど平均径は小さくなる。紫外線の照射量が少ない
ほど平均径は大きくなる。平均径が小さくなると光透過
状態とするのに要する電圧は高くなり、大きいと低くな
る。一方、平均径が小さいと散乱特性は高くなり、低い
と散乱特性は低くなる。したがって駆動電圧と散乱特性
が所望値に適応するように平均径を定めなければならな
い。 (0151)図18に示すようにマスク181のAの部
分下に画素電極14間がくるようにBの部分下に画素電
極14が位置するようにする。この状態で紫外線光を照
射すると図17に示す状態となる。画素電極14aと1
4b間の液晶層21bは平均径が小さく(0.8μm以
下)なる。画素電極14上は平均径が適正値(0.8μ
m〜1.5μm)となる。画素電極14a上の液晶層2
1aは6〜8(V)の電圧印加により十分透明状態とな
る。しかし、液晶層21bは6〜8(V)の電圧を印加
してもほとんど光透過状態とならない。つまりたえず散
乱状態(黒表示)である。これは、都合がよい。画素電
極14間が黒表示であれば遮光膜(BM)として機能す
るからである。 (0152)また、信号線15近傍、画素電極14間か
らの光漏れを完全に遮光するためには図16に示すよう
に、樹脂遮光膜152を形成する。樹脂を用いるのは、
PD液晶層21層とアレイ基板12とのはくりを防止す
るためである。 (0153)マスク181を用いれば図28のような液
晶層21も形成できる。図28において24が樹脂成分
の多い箇所(もしくは樹脂のみの箇所)であり、23が
液晶成分の多い箇所(もしくは液晶のみの箇所)であ
る。液晶23成分の液晶分子20は樹脂24の壁面に沿
って配向をする。 (0154)マスク181のAの部分は紫外線をほとん
ど減衰することなく透過し、Bの部分はかなり減光する
もしくは透過しない。そのためAの部分下にある混合溶
液315の樹脂成分が硬化を開始し、周辺部の樹脂をひ
きこみ、かつ液晶成分を他部へ追いだす。そのため樹脂
成分の多い箇所24がドーム状となると考えられる。つ
まり画素電極14上はほとんど液晶成分となる。このよ
うな液晶層の構成も本発明にいうPD液晶である。 (0155)以上の実施例は超高圧水銀ランプからの光
を混合溶液315に照射するものであったが、レーザ等
を用いてもよい。図33はレーザ光291を混合溶液3
15に照射して相分離行う方法の説明図である。マスク
181aにはR、G、B色のフィルタ331が形成され
ている。フィルタ331の形状は図34に示すようにモ
ザイク状に配置されている。また、フィルタ331は各
画素に対応するように配置されている。レーザ光291
として白色レーザ等が例示される。図29もしくは図3
3のように表示パネルの前面もしくは裏面から2つのレ
ーザ光291を入射させると干渉がおこり、光の強弱が
しま模様になって生じる。光が強い部分は樹脂が硬化
し、屈折率が低くなり、弱い部分は液晶成分が多くなっ
て屈折率が高くなる。したがって屈折率の高い部分と低
い部分とが交互に層状となる。そのため、干渉効果が生
じ、PD液晶21に特定の波長の光を透過し、または反
射する性質が生じる。これらの層状の構成もPD液晶で
ある。 (0156)同一波長の2つのアルゴンイオンレーザー
を用いてもPD液晶層21を形成することができる。一
方のレーザー光を物体光とし、他方のレーザー光を参照
光とする。この物体光を第1の透明基板側11から入射
させ、同レーザ光である参照光を第2の透明基板12の
側から入射させる。物体光と参照光は干渉パターンを生
じ、混合溶液315中では、その干渉光強度の高い部分
において光重合が開始し、3次元構造の高分子相が形成
されていく。液晶相は高分子相の3次元構造中に準ラン
ダムに配向して介在することになる。 (0157)約50mJ/cm2のレーザ光照射を行い
前記の重合プロセスが進行した時点でレーザ光の照射を
やめ、一様な紫外線光をPD液晶層に約500mJ/c
m2照射し、全体を十分にポリマー化してプロセスを完
了させる。 (0158)このような方法にて作製されたPD液晶層
21は、高分子相の3次元構造が反射型ホログラムとし
て構造制御されるため、観察者側から入射する照明光を
非常に高い効率で観察者側に反射散乱させる機能を有し
ている。本実施例では波長458nm近傍の照明光を9
0%を越える効率で反射散乱し、かつ広い角度範囲で観
察可能である。電圧を約30V印加した画素では液晶分
子20が整列することにより前記反射散乱機能が消え透
明となる。 (0159)以上述べてきたように、本実施例によれ
ば、PD液晶層21の液晶相と高分子相の構造が反射型
ホログラムパターンとして制御されるため、高い後方散
乱性によりコントラストの高い、また視野角の広い液晶
表示パネルを実現できる。 (0160)同一表示パネルに3つの波長帯域の光を選
択して反射する画素を作製するには以下のように行えば
よい。 (0161)マスクを用いて、まず波長458nmのレ
ーザ光により、第1の波長帯域の光を反射するホログラ
ムパターンを作製する。次に前記マスクを1ピッチだけ
ずらせて波長514nmのレーザー光により第2の波長
帯域の光を反射するホログラムパターンを作製する。最
後にマスクをさらに1ピッチだけずらせて波長648n
mのレーザ光により第3の波長帯域の光を反射するホロ
グラムパターンを作製する。 (0162)各パターンは画素を構成する透明電極の位
置にアライメント(位置あわせ)されており、図34に
示すようにモザイク状にR、G、Bの画素が配列してい
る。このようにして構成されたPD液晶層21は見た目
には白い散乱面に見える。しかし、各画素に電圧を印加
しその透過率を変化させていくと赤、緑、青の3色が観
察され、これによってカラー画像が構成できる。 (0163)さらに、これまでの実施例の中で述べてき
たレーザー光による光重合による作製法の他に、本発明
の表示パネルの光変調層21は各種の方法を用いて作成
することができる。いわゆる感光性樹脂を用い、現像処
理を行って樹脂中に樹脂層と空気層からなる干渉稿をつ
くりこれに液晶を浸透させることによっても作製するこ
とができる。 (0164)後者の方法を用い、光スイッチを作成した
例が、ローレンス ドマッシュ(Lawrence Domash)氏
らによって報告されている。(”アクティブ ホログラ
フィック イン ターコネクツ フォー インターファ
クティング ボリューム ストレージ”エスピーアイイ
ー ボル.1662 ピー211(1992)("Active
Holographic In terconnects for Interfacing Volume
Storage" SPIE Vol.1662 p211 (1992))。これらもP
D液晶である。 (0165)以上のような光重合法によって干渉効果を
有する光変調層21を作成するのに好適なモノマーとし
ては液体または低融点のエチレン性不飽和モノマーとく
にアクリルまたはメタアクリル酸エステル類を用いるこ
とができる。これらはたとえば、トリメチロールプロパ
ントリアクリレートのごとき多官能性モノマーであって
もよいし、あるいはポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ウレタンアクリレートのようなオリゴマーであっ
てもよい。これには単独で用いても良いしまた組み合わ
せて用いることもできる。さらに必要に応じて他のモノ
マー、たとえばスチレン、カルバゾール、などを併用し
てもよい。 (0166)これらのモノマー、オリゴマーはとくに限
定されるものではなく、通常高分子分散型液晶作成のた
めに用いられるもの、あるいは特開平2−3082号公
報に提案されているような体積ホログラムを作るための
光重合組成物などのごとき、当該業者にとって既知の各
種モノマー、オリゴマーなどを適宜選択して用い得る。 (0167)コヒーレント光によって光重合させるため
にはその波長にあった増感色素、適当な光重合開始剤な
どが必要で、シアニル色素類、シクロペンタノン類など
の色素、ジフェニルヨードニウム塩やこれと色素との組
み合わせ、各種キノン類、トリフェニルイミダゾイル2
量体と水素ドナーなど多くの組み合わせから適宜選択し
て用い得る。 (0168)その他図30に示すように液晶層21の液
晶302中に樹脂粒子301が浮かんでいるもしくは配
置されているものもPD液晶である。液晶層21の液晶
302は配向処理されている。なお、樹脂粒子301の
かわりにガラス粒子、ファイバーセラミック粒子等でも
よい。 (0169)図30に示す樹脂粒子301は、樹脂粒子
301と他の樹脂粒子301とがポリマーで接続されて
いてもよい。接続されている方がヒステリシスが低減さ
れ特性は向上する。また、樹脂粒子301は粒子状でな
くてもよい。たとえば、多角形でも円盤状でも薄膜状で
も、又、ランダム状態でもよい。 (0170)また、液晶302は配向処理しておく方が
好ましい。配向は150度から200度以内が好まし
い。特に配向は180度近傍が好ましい。配向処理する
ことにより、視野角が拡大される。また、樹脂粒子30
1、液晶302にゲストホスト材料を含有させてもよ
い。染料、色素を含有させてもよい。 (0171)図29、図30に示す液晶層21を有する
表示パネルも高分子分散液晶パネル(PD液晶パネル)
である。PD液晶パネルとは、光変調によって生じる散
乱状態が変化するしないにかかわらす、偏光板の使用の
有無にかかわらず、液晶分子の配向の有無にかかわら
ず、液晶の量の多少にかかわらず、光変調層21に樹脂
成分と液晶成分とを有するもののすべてを意味する。な
お、樹脂はセラミックで置き換えてもよい。これらもP
D液晶に含まれる。 (0172)図31のようにカラーフィルタ151を形
成する前に紫外線を照射して混合溶液315を相分離さ
せるのは、表示範囲の混合溶液315に均一に紫外線光
を照射し、均一な表示範囲全面を散乱特性にするためで
ある。カラーフィルタ151は紫外線光を吸収する。そ
のため、カラーフィルタ151の形成後には混合溶液3
15を相分離させることはできない。または、紫外線光
を照射されたカラーフィルタ151が発熱し、その発熱
により混合溶液315が加熱される。そのため、良好な
相分離条件が得られない。以上の課題の対策としてカラ
ーフィルタ151を相分離工程後に形成する。 (0173)PD液晶は固体であるため、離形フィルム
182を剥離した後、その上に対向電極25を容易に形
成することができる。これはTN液晶では行うことがで
きない方式である。TN液晶は固体だからである。対向
電極25となるITOは常温〜100度の範囲で樹脂基
板上に蒸着する技術は公知として行われている。PD液
晶層も表面は樹脂であるからPD液晶層25上にITO
を容易形成できる。ただし、離形フィルム182をはが
す際、一部の水滴状液晶溝は破壊される。そのため、離
形フィルム182をはがした後、基板12を洗浄し、乾
燥した後PD液晶21上に保護膜としての絶縁膜154
を形成する。その工程後、対向電極25を形成する。 (0174)ITO上にカラーフィルタ151を形成す
ることは何ら問題はない。たとえばR、G、B色のゼラ
チン等を塗布等することにより容易に形成することがで
きる。また、スクリーン印刷すればカラーフィルタ15
1表面の凹凸も印刷スクリーンのメッシュ目により容易
に形成できる。 (0175)アレイ基板12側から紫外線を照射する方
式も考えることができる。もちろん、アレイ基板12側
にはカラーフィルタ151は形成されていないから、紫
外線光はほとんど吸収されることなく混合溶液315に
照射することができる。 (0176)しかし、この場合、紫外線光はTFT15
5、信号線15等に吸収される。紫外線光を吸収した信
号線15等は加熱され、周辺部の混合溶液315も加熱
する。良好な相分離を行わせる(良好な散乱特性を行わ
せる)には相分離時の温度管理も重要である。 (0177)信号線等が加熱されると信号線近傍の混合
溶液315も加熱する。そのため、信号線近傍の平均径
は大きくなる。平均径が大きくなると散乱特性が悪くな
る。したがって、信号線の周辺部の光抜けが生じ、表示
コントラストを低下する。 (0178)図15は対向電極25側にカラーフィルタ
151を形成する構成であったが、図20に示すように
アレイ基板12と画素電極14間にカラーフィルタ15
1を形成する構成も好ましい。カラーフィルタ151は
干渉カラーフィルタで形成することが好ましい。TFT
155等を形成する工程で450〜600度程度となる
高温プロセスが存在するからである。アクリル、ゼラチ
ン等の樹脂カラーフィルタは前記高温プロセスで劣化し
てしまう。 (0179)図20の構成は、誘電体多層膜を積層し、
パターニングすることによりR、G、Bの誘電体カラー
フィルタを形成する。もちろんカラーフィルタが2色の
場合は2回のパターニングで形成することができる。そ
の後、Crなどで遮光膜202を形成する。遮光膜20
2はTFT155の裏面から半導体層に入射する光を防
止するためである。もちろん、R、G、Bの誘電体カラ
ーフィルタを重ねて形成してもよい。 (0180)カラーフィルタ151等を形成後、絶縁層
201を形成する。絶縁層201の膜厚は5000オン
グストローム以上は必要である。SiO2,SxNxの
薄膜を複数回にわけて蒸着して形成する。ピンホールを
防止するためと、カラーフィルタ151の凹凸をなくし
平たん化するためである。しかし、1.5μm以上とな
るとクラックがはいりやすくなる。 (0181)前記絶縁層201上にTFT155、信号
線15等を順次形成をする。その後、対向基板11とア
レイ基板12間に混合溶液315を狭持させて、対向基
板11側から紫外線光を照射して、混合溶液315を相
分離させる。 (0182)混合溶液315をアレイ基板12と対向基
板11間に狭持させる方法としては、前記基板の間隔を
真空状態にしてから真空状態を破り、注入する真空注入
方法、アレイ基板12又は対向基板11に混合溶液31
5を滴下させて両基板をはりあわせる滴下方法、混合溶
液315をロールクォータ等でぬりつけるロールクォー
タ方法、スピンナー等で塗布するスピンナー方法等が例
示される。 (0183)先にも説明したが、画素電極間、画素電極
とTFT155間は電位差が生じると電気力線が生じ、
電気力線に沿って液晶分子が配向する。前記電気力線に
沿って液晶分子が配向すると、配向した箇所に偏光依存
性が生じ光ぬけが生じる。その対策として隣接する画素
電極14間等に液晶層21の液晶成分よりも誘電率の低
い材料で誘電体膜(低誘電体膜)を形成する。この低誘
電体膜152を図21に示す。 (0184)低誘電体膜152材料とはSiO2、Si
Nx、パリレンN、SiOFなどの無機材料 、液晶層
21のポリマー材料、半導体プロセスに用いるレジス
ト、PVA、プラズマ・フロロカーボン(P−CF)な
どの有機材料が例示される。前記低誘電体膜152を図
20の如く薄膜もしくは厚膜状に形成することにより信
号線15等と画素電極14間および隣接画素電極14間
等の電磁結合を防止することができる。また、信号線1
5等と対向電極25間の電磁結合も防止できるから、低
誘電体膜152上の液晶層21は、ほぼ常時散乱状態と
なる。 (0185)特に、プラズマ・フロロカーボン(P−C
F)やパリレンN膜は、SiOFよりも低い比誘電率3
以下を達成できる。また、SiOF膜は、SiF2H2ガ
スで形成することにより誘電率3.3と低下でき好まし
い。また、ハイドロカーボンを含むSiO2膜では、Phe
nyltrimethoxysilaneという材料を使うと吸湿性による
劣化 を抑えることができ、比誘電率も3.1まで低減
できて好ましい。塗布する方法に用いることができるも
のとしては、ハイドロジェンシルセスキオキサン(HS
Q)やSi−H結合を含むロキサンが例示される。 (0186)図21は低誘電体膜を膜状に形成するとし
たが、これに限定されるものではなく、柱状に形成して
もよい。前記柱状の誘電体柱は液晶層21の膜厚と同一
にすることにより、液晶層の膜厚を規定するビーズ16
1が不要となる柱状に形成する場合は対向基板25側に
形成することが好ましい。対向基板11側はTFT15
5を形成する必要がないため構成が簡単であり、また基
板面に平滑性があるから、柱状の低誘電体膜152を形
成することは容易である。 (0187)低誘電体膜152を柱状の形成すれば、前
記柱で液晶層21の膜厚を一定に保つことができる。し
たがって、ビーズ161の散布が必要でない。そのた
め、液晶表示パネルの製造工程が簡略化される。また、
画素電極14上にビーズ161などの障害物がなくなる
ため、良好な画像表示を実現できる。 (0188)このように柱状または厚膜状の誘電体膜1
52を容易に形成できるのは、PD液晶表示パネルは、
TN液晶表示パネルのようにラビングという配向処理が
不要なためである。TN液晶表示パネルに低誘電体柱1
52を形成すれば、低誘電体柱にラビング布が引っかか
ってうまく基板11、12面をこすれない(ラビングで
きない)。 (0189)低誘電体膜152は、着色してもよい。着
色すれば、液晶層21内で乱反射する光を吸収でき画像
品位は向上する。黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に分
散したものを用いても良いし、カラーフィルター151
の様に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色し
てもよい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフ
ルオラン系色素を発色させて用いることもできるし、緑
色系色素と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用い
ることもできる。 (0190)以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の液晶表示パネルを投射型表示装置のライトバル
ブとして用いる場合はこれに限定されるものではなく、
R光を変調する液晶表示パネルの低誘電体膜152とし
てはR光を吸収させれば良い。したがって、色素を用い
て天然樹脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分散した
材料を用いることができる。たとえば、アゾ染料、アン
トラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメ
タン染料などから適切な1種、もしくはそれらのうち2
種類以上を組み合わせればよい。特に補色の関係にある
ものを用いることが好ましい。たとえば、入射光が青色
のとき、樹脂152を黄色に着色させる。 (0191)他の構成として図27に示す構成も例示さ
れる。図27に示す構成は以下の工程にて作製される。
まず基板12上にTFT155をまず形成する。その
後、樹脂カラーフィルタ151を形成し、パターニング
するとともに前記樹脂カラーフィルタ151に穴あけ加
工をする。次に前記カラーフィルタ151上に画素電極
14となるITOを蒸着し、前記穴あけ加工した穴を介
して、画素電極14とTFT155のドレイン端子とを
接続する。 (0192)カラーフィルタ151と画素電極14間の
密着性を向上させるため中間層としてSiO2薄膜(図
示せず)を形成することが好ましい。 (0193)以上のように構成すれば、高温プロセスが
必要なTFTをカラーフィルタよりも先に形成するた
め、カラーフィルタ151はコストの安い樹脂カラーフ
ィルタを用いることができる。これは、画素電極14と
なるITOをウエット・エッチングによってパターニン
グする際、エッチングして用いられる、塩酸,硝酸系,
塩鉄系あるいはショウ化水素酸系等のエッチング液晶
が、カラーフィルタ151層を構成する着色樹脂材料に
色あせや表面の荒れ等の悪影響を与えるためである。中
間層を形成することにより、この課題はなくなる。Si
O2の他、アクリル等の感光性樹脂であってもよい。前
記感光性樹脂は平滑化層としても機能するので好まし
い。 (0194)表示パネルが空気と接する面にはAIRコ
ート211が施される。AIRコートとは反射防止膜の
ことである。AIRコート211は3層の構成あるいは
2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波長
帯域での反射を防止するために用いられ、これをマルチ
コートと呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域で
の反射を防止するために用いられ、これをVコートと呼
ぶ。マルチコートとVコートは液晶表示パネルの用途に
応じて使い分ける。通常Vコートは3枚の表示パネルを
ライトバルブとして用いる投射型表示装置に採用され、
マルチコートは液晶表示パネルを直視型表示装置として
用いる場合、一枚の表示パネルでカラー表示を行う投射
型表示装置に採用することが好ましい。 (0195)マルチコートの場合は、酸化アルミニウム
(Al2O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウ
ム(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通常、
λとして520nmもしくはその近傍の値として薄膜は
形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イットリウ
ム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1
=λ/4積層して形成する。SiOは青色側に吸収帯域
があるため青色光を 変調する場合はY2O3を用いた方
がよい。また、物質の安定性からもY2O3の方が安定し
ているため好ましい。なお、先のnは各薄膜の屈折率、
d1は前記薄膜 の物理的膜厚、λは設計主波長である。 (0196)対向電極25および画素電極14等の透明
電極は、第1の誘電体薄膜221a、ITO薄膜25、
第2の誘電体薄膜221bで構成される3層構成にする
ことが好ましい、電極としてのITO薄膜25の光学的
膜厚はλ/2、第1の誘電体薄膜221a、および第2
の誘電体薄膜221bの光学的膜厚はそれぞれλ/4で
ある。この構成を図22(a)に示す。尚、ここでは、
特に対向電極をITOで形成する場合に、ITO薄膜と
記載した。 (0197)第1の誘電体薄膜221aおよび第2の誘
電体薄膜221bの屈折率は1.60以上1.80以下
が望ましい。一例としてSiO、Al2O3、Y2O3、M
gO、CeF3、WO3、PbF2が例示される。 (0198)具体的な構成の一実施例を(表2)に、ま
た、その分光反射率を図23に示す。図23からわかる
ように、(表2)の構成によると波長帯域幅200nm
以上にわたり反射率0.1%以下の特性を実現でき、極
めて高い反射防止効果を得ることができる。なお、本発
明の各表において、散乱状態での液晶層21の屈折率は
1.6としているが、液晶材料およびポリマー材料が変
化すればこの値は変化する。散乱状態の液晶の屈折率を
nx、第1および第2の誘電体薄膜の屈折率をn1、IT
O薄膜の屈折率をn2としたとき、nx<n1<n2の条件
を満足するようにすればよい。 (0199)
【表2】 (0200)第1の誘電体薄膜221aおよび第2の誘
電体薄膜221bの屈折率は1.60以上1.80以下
が望ましい。(表2)の実施例ではいずれもSiOを用
いたが、どちらか一方、または両方の薄膜を、他にAl
2O3、Y2O3、MgO、CeF3 、WO3、PbF2のい
ずれかを用いても良い。 (0201)(表3)に第1の誘電体薄膜221a、第
2の誘電体薄膜221bをY2O3にした場合を示す。ま
た、その分光反射率を図24に示す。 (0202)
電体薄膜221bの屈折率は1.60以上1.80以下
が望ましい。(表2)の実施例ではいずれもSiOを用
いたが、どちらか一方、または両方の薄膜を、他にAl
2O3、Y2O3、MgO、CeF3 、WO3、PbF2のい
ずれかを用いても良い。 (0201)(表3)に第1の誘電体薄膜221a、第
2の誘電体薄膜221bをY2O3にした場合を示す。ま
た、その分光反射率を図24に示す。 (0202)
【表3】 (0203)図24の分光反射率は図23の場合に比較
してB光およびR光で反射率が多少高くなる傾向があ
る。 (0204)同様に(表4)に第1の誘電体薄膜221
aをSiOに、第2の誘電体薄膜221bをY2O3した
場合を示す。また、その分光反射率を図25に示す。可
視光領域全般にわたり0.1%以下の極めてすぐれた反
射防止効果を実現している。 (0205)
してB光およびR光で反射率が多少高くなる傾向があ
る。 (0204)同様に(表4)に第1の誘電体薄膜221
aをSiOに、第2の誘電体薄膜221bをY2O3した
場合を示す。また、その分光反射率を図25に示す。可
視光領域全般にわたり0.1%以下の極めてすぐれた反
射防止効果を実現している。 (0205)
【表4】 (0206)(表5)に第1の誘電体薄膜221aをA
l2O3に、第2の誘電体薄膜221bをSiOにした場
合を示す。また、その分光反射率を図26に示す。R光
およびB光の領域では反射率が0.5%を越え、適当と
は言えない。 (0207)
l2O3に、第2の誘電体薄膜221bをSiOにした場
合を示す。また、その分光反射率を図26に示す。R光
およびB光の領域では反射率が0.5%を越え、適当と
は言えない。 (0207)
【表5】 (0208)以上のようにITO薄膜25の両面に誘電
体薄膜221aおよび221bを3層に形成することに
より反射光防止効果をもたせることができる。なお、図
23から図26に示す分光反射率は液晶層21の屈折率
が変化すると変化する。つまり液晶材料等に左右される
ので最適化設計が重要である。 (0209)液晶層21と電極としてのITO薄膜25
が直接接していると液晶層21の劣化が進みやすい。こ
れはITO薄膜25中の不純物等が液晶層21に溶出す
るためと考えられる。前述の3層構成のように、ITO
薄膜25と液晶層21との間に誘電体薄膜221を形成
すると液晶層21の劣化することがなくなる。特に誘電
体薄膜221がAl2O3あるいはY2O3の時に良好であ
る。 (0210)誘電体薄膜221がSiOの時はSiOの
屈折率が低下する傾向がみられる。これは液晶21中に
微量に含まれたH2O、O2等の酸素原子とSiOが結び
つき、SiOがSiO2に変化していくためと考えられ
る。その意味では(表2)および(表5)の構成はふさ
わしくない。しかし、SiOは短期間でSiO2に変化
することはなく、実用上は採用できることが多い。 (0211)なお、先の実施例では、第1および第2の
誘電体薄膜221の光学的膜厚をλ/4、画素電極、対
向電極としてのITO薄膜25の光学的膜厚をλ/2と
したが、第1および第2の誘電体薄膜221の光学的膜
厚をλ/4、ITO薄膜25の光学的膜厚をλ/4とし
てもよい。 (0212)さらに、反射防止膜の理論で述べれば、N
を1以上の奇数、Mを1以上の整数としたとき、第1お
よび第2の誘電体薄膜221の光学的膜厚は(N・λ)
/4、ITO薄膜25の光学的膜厚は(N・λ)/4で
あればよい。もしくは、第1および第2の誘電体薄膜2
21の光学的膜厚は(N・λ)/4、ITO薄膜25の
光学的膜厚は(M・λ)/2であればよい。 (0213)さらには、図22(b)で示すように第1
および第2の誘電体薄膜221のうち一方は省略するこ
とができる。その場合は、多少反射防止としての性能は
低下するが、実用上は十分であることが多い。さらには
図22(c)で示すように電極25および誘電体薄膜4
2の膜厚をλ/4としてもよい。この場合も、さきの反
射防止の理論を適用する事ができる。以上のように電極
を層構造とすることにより各電極で反射する光を防止で
きるから、表示コントラストを大幅に向上できる。 (0214)ここで本発明の表示パネルの製造装置につ
いても説明しておく。図73は本発明表示パネルの製造
装置の説明図である。 (0215)積載台738内にはヒーター739が配置
されている。前記ヒーター739は混合溶液315を適
温まで加熱するために用いる。積載台738の表面は平
滑化されており、その表面には反射板737が取り付け
られている。反射板737は積載台738にAl等の金
属材料を蒸着等の技術を用いて直接形成してもよい。ま
た、ステンレス等の板であってもよい。 (0216)混合溶液315が狭持された表示パネル2
2は積載台738上に置かれる。前記表示パネル22の
表示領域の外周はシールゴム736で囲われる。拡散板
734と積載台738間に1kg/cm2程度の押圧を
加えることにより、混合溶液315を均一膜厚にする。 (0217)シールゴム736としてはブチルゴム、シ
リコンゴムが例示される。他に柔軟性をもつものであれ
ば何でもよい。たとえば他にシリコン樹脂、発泡スチロ
ール等の緩衝体、メカニカルなばね、フェノール樹脂等
が例示される。 (0218)拡散板734としてはオパールガラスが例
示される。このオパールガラスはシグマ光機(株)のD
F0−150S−1等がある。オパールガラスは透明ガ
ラス層の表面に光拡散性物質(フッ化カルシウム)を含
有させた乳白色ガラス層を貼り合わせたものである。そ
の他アクリルまたはポリカーボネード樹脂内にTiなど
の粉末を含有させたものも用いることができる。しかし
樹脂からなる拡散板は混合溶液315を相分離させる際
に用いる紫外線を吸収しやすい点が欠点である。 (0219)供給管732は、表示パネル22の基板の
屈折率に近い液体または水を供給する。たとえばシリコ
ン、エチレングリコール等のゲル、水、エチルアルコー
ル、サルチル酸メチル等の液体(共結合液と呼ぶ)を供
給する。一方、排出管733は拡散板734と表示パネ
ル22の空気を排出し、前記間隔にゲル、液体等がスム
ーズに供給されるようにする機能を有する。前記供給管
から供給される液体、ゲル等は拡散板734と表示パネ
ル22間の屈折率差を少なくあるいはなくす光結合層と
して機能する。なお、紫外線光は拡散板734側から照
射する。 (0220)拡散板734と表示パネル22間をゲル等
の光結合液735で結合させるのは以下の理由による。
図75はその理由の説明図である。図75(a)は光結
合液735を用いない場合である。拡散板734に入射
した紫外線光183は散乱する。散乱した光は表示パネ
ル22側に出射される。出射した光が表示パネル22に
入射する角度θ1が臨界角以上であればスネルの法則に
従い全反射してしまう( 紫外線光183a)。したが
って紫外線光183から表示パネル22に入射する角度
が臨界角以下でなければ反射してしまい混合溶液315
の相分離に寄与しない。 (0221)一方、図75に示すように表示パネル22
の入射面には遮光膜(BM)202等の光遮光物が形成
されていることが多い。表示パネル22に入射する紫外
線光の入射角度が小さいと遮光膜202下のAの部分に
は紫外線光はほとんど入射しない(紫外線光202
b)。液晶層21に未重合の樹脂が残ると表示パネルの
信頼性が劣化する。これは後の表示パネルの使用により
徐々に樹脂の硬化が進展していくためと思われる。ま
た、対向基板11と液晶層21との剥離も生じやすくな
る。これは、末重合の樹脂成分が多いため、液晶層21
と対向基板11とが充分に樹脂成分で接着されているた
めと思われる。 (0222)図75(b)に示すように光結合液735
が存在すると、光拡散板734と対向基板11とは一つ
の基板とみなせる。そのため、紫外線光183cに示す
ように臨界角はなくなり、混合溶液315に大きな角度
で紫外線光は進入することができる。したがって、遮光
膜202が形成されていてもA部に紫外線光が入射し、
樹脂を重合(相分離)させることができる。なお、紫外
線光183はレンズ731により効率よく集光される。 (0223)図73に示す製造装置では、積載台738
上に表示パネル22が積載される。また、表示パネル2
2はヒーター739等により良好な相分離条件が得られ
る温度に保たれる。一方、表示パネル22と拡散板73
4間に光結合液735が充填される。その後、拡散板7
34上から0.8〜1.6kg/cm2の圧力で押圧
し、混合溶液315の膜厚 を均一にする。なお、光結
合液735の屈折率は1.35以上1.65以下のもの
を用いる。好ましくは対向基板11の屈折率との屈折率
差が0.05以内のものを用いる。対向基板11の屈折
率が1.53あれば、1.48以上1.58以下であ
る。ただし、エチレングリコール等はほぼ適正な屈折率
を有するが、後の洗浄が必要となるなど問題点も多い。
アルコール類は屈折率は多少低いが、自然に揮発、蒸発
するから洗浄が不要であり好ましい。また光結合液73
5として純水を用いることも好ましい。コストが安く、
表示パネル22に紫外線光を照射後、乾燥させるだけで
よいからである。 (0224)供給管732を閉じ、排出管733から、
拡散板734と表示パネル22間の空気あるいは光結合
液735を排出することにより、表示パネル22の表面
には均一な押圧がかかる。この排出力を適当な値に設定
することにより約0.8〜1.6kg/cm2の圧力を
与えることができる。 (0225)その後、紫外線光183をレンズ731を
介して照射する。なお、レンズ731は集光レンズであ
る。また、紫外線光は、350nm以下の波長の紫外線
光をカットする。また赤外線光もカットして表示パネル
22に照射する。 (0226)尚、拡散板734で紫外線光を拡散(散
乱)させるとしたが、光結合液735中にフッ化カルシ
ウム、チタン(Ti)の粉末を混入させて、紫外線光を
拡散させてもよいが、この場合は、拡散板734は、通
常の透明基板を用いることが出来る。 (0227)混合溶液315の相分離が終了すると光結
合液735の供給を停止するとともに光結合液735を
排出する。また、拡散板734と表示パネル22との間
隔に空気を送りこむ。その後、拡散板734を取りはず
して表示パネル22を取り出す。 (0228)図74はヒーター739のかわりに赤外線
により表示パネル22を所望の温度に加温する方式であ
る。拡散板734の光出射側には赤外線反射板または赤
外線反射膜741が配置または形成されている。 (0229)前記赤外線反射膜741としては一般式M
(1)xM(2)yInzO(x+3y/2+3z/
2)−d(式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のう
ち少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウ
ム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、
比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比
率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ
酸素欠損量dが(x+3y/2+3z/2)の3×10
-5〜1×10-1倍の範囲である)で表され、かつM
(1)、M(2)及びInのうち少なくとも1種の元素
の一部が、他の元素で置換されており、M(1)と置換
されている元素は原子価が2価以上であり、M(2)及
びInと置換される元素は原子価が3価以上である酸化
物からなるものが例示される。また、誘電体多層膜から
なる干渉膜で形成したものが例示される。一方、表示パ
ネル22の裏面には紫外線反射膜もしくは紫外線反射板
742が形成もしくは配置される。1例として誘電体多
層膜からなる干渉膜が例示される。ただし、紫外線の吸
収を少なくするために酸化ハフニウム(HfO2)、S
iO2等からなる誘電体薄膜を積層して形成する必要が
ある。 (0230)赤外線光744は赤外線ランプ等から発生
させ表示パネル22を加温する。表示パネル22を透過
した赤外線光は赤外線反射膜741で反射され、再び表
示パネル22に入射して表示パネル22を加温する。表
示パネルの温度は表示パネル22の一端に取り付けられ
た温度センサ745で検出する。また、供給する光結合
液735も適正値に加温して供給する。 (0231)以上のように表示パネル22は赤外線光に
より所望値まであたためられる。その後紫外線光183
を拡散板734を介して表示パネル22に入射させる。
表示パネル22の裏面側には紫外線反射膜742が配置
されているため、表示パネル22を透過した紫外線光1
83は再び前記紫外線反射膜742で反射されて混合溶
液315を相分離させる。他の構成は図73と同一であ
るので説明を省略する。 (0232)図76に示す本発明の表示パネルの製造装
置は、ケース762内を光結合液735で充填し、その
内に混合溶液315を狭持させた表示パネル22を配置
したものである。表示パネル22は、光結合液735を
加温して供給することにより所望の温度にさせる。 (0233)表示パネル22はケース内762の支え7
61で保持され、表示パネル22の裏面側にも光結合液
735が通過できるようにしている。ケース762の内
面には反射板742もしくは拡散板が配置または形成さ
れている。 (0234)表示パネル22が所定温度になった時点
で、拡散板743を押しさげ、支え761と拡散板73
4で狭持させて混合溶液315を均一な膜厚にする。拡
散板734の押し下げ等は供給管732からの光結合液
315の供給量と、排出管733からの排出量を適正に
することにより実現できる。光結合液315の供給量よ
りも排出量を多くすることにより圧力を大きくすること
ができる。 (0235)以下、順次、本発明の他の実施例における
表示パネルについて説明をする。図35は本発明の表示
パネルの断面図である。対向電極25上にはアクリル系
UV樹膜からなる保護膜153が形成されている。図1
5の構成との差異は図15の表示パネル22は対向電極
25上にカラーフィルタ151を形成しているのに対
し、図35の表示パネル22では基板351上にカラー
フィルタ151を形成している点である。図35の構成
ではカラーフィルタ151は誘電体カラーフィルタであ
っても容易に形成することができる。基板351上には
TFT155等を形成する必要はなく、単にカラーフィ
ルタ151のみを形成すればよい。したがって、カラー
フィルタを形成するのに450度から600度のプロセ
ス温度の制約はなくなるからである。Cr等からなる遮
光膜202に自由に形成できる。遮光膜202はCrの
他六価クロム、Al、Ti等で形成してもよい。また、
樹脂からなる遮光膜であってもよい。 (0236)もちろん、カラーフィルタはゼラチン等の
樹脂材料で作製してもよい。カラーフィルタ151と保
護膜153間にはスペーサ161として直径5〜20μ
mの固着性のSiO3 粒のビーズ161(商品名:シン
シ球AB−8−13μm:触媒化成工業(株))を散布
している。 (0237)前記ビーズ161は40度で90分放置す
ることにより固着することができる。このようにビーズ
161を用いるのはカラーフィルタ151と保護膜15
3が密着するのを防止するためである。もちろん表示画
面全面にわたりカラーフィルタ151と保護膜153が
密着するのであればビーズ161を散布する必要はな
い。しかし、通常ビーズ161を散布しなければ、一部
が密着し、他の部分ははなれた状態となる。これはカラ
ーフィルタ151もしく保護膜153に凹凸があるため
である。また、基板11,12がそっているためであ
る。密着した部分と密着していない部分が生じると屈折
率分布が生じ表示ムラとなる。 (0238)ビーズ161の直径が5μm以下だと保護
膜153の凹凸にビーズ161がはまり込み一部が密着
して表示ムラになる。ビーズ径が20μm以上であれ
ば、画素サイズにしめるビーズ径が大きく、ビーズ部分
で屈折し、表示画像としてビーズ161が認識されてし
まう。したがって、好ましくはビーズ161の直径は8
μm以上15μm以下とすることが好ましい。 (0239)保護膜153はUV樹脂等で形成する。前
記保護膜153は反射防止膜としても機能する。対向電
極25を構成するITOは屈折率が2.0と高く、空気
または真空の1.0と比較して差が大きすぎるためであ
る。ITO上に屈折率が1.5前後の保護膜153を形
成すれば当然反射率を減少させることができる。なお、
保護膜153は構成上必須のものではない。 (0240)カラーフィルタ151と保護膜153間の
空間にはN2、He、Ne、H等の不活性ガスを注入す
る。特に窒素(N)ガスは安定しており好ましい。ま
た、水素(H)は冷却効果が高く表示パネル内の熱を外
部に発散できることから好ましい。この場合は前記ガス
を流動させる。不活性ガスを注入した場合は、前記ガス
がもれないように図36に示すように周辺部を封止樹脂
361で封止しておく。また、不活性ガスを注入せず真
空状態とする方法もある。 (0241)図36に示すようにカラーフィルタ151
の表面にも保護膜153bを形成してもよい。また、表
示パネル22と空気との界面にはAIRコート211を
形成する。なお、混合溶液315の相分離は基板11を
取り付ける前に行う。相分離後、不活性ガスの雰囲気中
でビーズ161を散布し、基板11とアレイ基板12を
はりあわせ、周辺部を封止樹脂361で封止する。 (0242)図37は本発明の他の実施例の表示パネル
の断面図である。基板11にはカラーフィルタ151お
よび遮光膜202が形成され、前記カラーフィルタ15
1上にある対向電極25が形成されている。前記対向電
極25とPD液晶21とは透明な接着層371で貼りあ
わされている。 (0243)以下、図39を参照しながら、図37に示
す本発明の表示パネルの製造方法について説明する。ア
レイ基板12と離形フィルム182間に混合溶液315
が狭持される。混合溶液315の狭持の方法としては滴
下方法、真空注入方法等のいずれでもよい。その後、離
形フィルム182上から1kg/cm2の圧力で 混合溶
液315を均一膜厚にした後、紫外線光を離形フィルム
182上から照射する。この際、紫外線光はアレイ基板
12側からも照射してもよい。通常、離形フィルム18
2が樹脂フィルムの場合は紫外線を透過しにくいため2
000mJ/cm2程度の照射量が必要となる場合が多
い。これは離形 フィルム182の厚みによっても大き
く変動するので実験により決定をする。離形フィルム1
82がガラス基板等の場合は紫外線は透過しやすい。ガ
ラス基板が石英ガラスの場合は最も透過しやすく、ソー
ダガラスの場合は透過しにくい。ガラス基板の場合も紫
外線の照射量は実験により定める必要がある。コーニン
グ社(株)の7059の場合は1000mJ/cm2以
上1500mJ/cm2以下程度である。 (0244)照射する紫外線は350nm以下の波長は
カットする。少なくとも320nm以下の波長は完全に
カットする必要がある。前記液晶が350nm以下波長
の光を吸収し分解、劣化するのを防止するためである。
また、紫外線の照射といっても可視光を含んでいてもよ
いことは言うまでもない。本明細書にいう紫外線光の照
射とは紫外線光の範囲を含む光の照射の意味である。し
かし、赤外線光はカットすることが好ましい。特に1.
5μm以上の波長はカットすることが好ましく、望むな
らば、800nm以上はカットすることが好ましい。赤
外線光はTFT151、ソース信号線15等に吸収さ
れ、前記信号線等発熱する。そのため相分離条件を適正
値範囲外としてしまう。 (0245)次に離形フィルム182をはがすことによ
り図39(b)となる。離形フィルム182を剥離した
後はすぐに図39(c)の工程を開始する必要がある。
PD液晶21が固形であるとしても剥離した箇所の一部
は液晶が露出しているから水分等を吸収し、劣化する恐
れがある。そのため、不要な液晶は洗い流す。 (0246)次に、カラーフィルタ151および対向電
極25を形成した基板351とアレイ基板12とを図3
9(c)に示すようにはりあわせる。この場合、図39
(c)に示すようにビーズ161等を散布してもよい。
しかし、PD液晶層21は軟らかいためビーズ161は
PD液晶層21にめりこんでしまう可能性もある。 (0247)ビーズ161を散布した場合は、対向電極
25とPD液晶層21間に毛細管現象を用いて前記間隔
に混合溶液315を狭持させる。ビーズ161径は2〜
8μmのものを用いる。もちろん滴下法で混合溶液31
5を狭持させてもよい。その後、対向基板11上から押
圧することにより、接着層371は均一な膜厚となる。
この際ビーズ161をPD液晶層21にめりこませ、極
力接着層371を薄くする方が好ましい。なお、ビーズ
161を用いなくとも毛細管現象、滴下方法により極め
て薄い接着層371を形成することができる。ただし、
十分な工法検討を必要とする。 (0248)接着層371を形成後、対向基板11上か
ら約1kg/cm2〜1.5kg /cm2の圧力を印加
する。すると余分な混合溶液315は排出される。その
後、紫外線光を照射して混合溶液315を相分離させて
完成する。 (0249)接着層371の材料として上記実施例では
混合溶液315を用いるとしたが、これに限定するもの
ではなく、アクリル系のUV硬化樹脂でもよい。また、
熱硬化型のエポキシ樹脂で接着層371を形成してもよ
い。 (0250)接着層371を混合溶液315で形成する
場合は前記混合溶液315は光変調に寄与するため接着
層371の膜厚は問題とはならない。しかし、紫外線
(UV)硬化樹脂で形成する場合は、前記UV硬化樹脂
で電圧降下を引き起こす。そのため、極力薄く形成する
ことが重要となる。薄くするには対向基板11とアレイ
基板12間に圧力をかけ、しばらく放置する。 (0251)前記接着層371の膜厚は混合溶液315
で形成する場合は5μm以下とすべきであり他の材料で
形成する場合は少なくとも3μm以下とすべきである。
好ましくは、混合溶液315の場合はPD液晶層21の
膜厚の1/2以下に、その他の材料を用いる場合は1/
3以下とすべきである。対向電極25と画素電極14間
の距離が大きくなると液晶層を透過状態とするのに要す
る電圧が高くなる。 (0252)図37は対向電極25及びカラーフィルタ
151を形成した対向基板11とPD液晶21を形成し
たアレイ基板12とをはりあわせる構成であった。図3
8はカラーフィルタ151を形成した基板351とPD
液晶層21および対向電極25を形成したアレイ基板1
2とをはりあわせる構成である。なお図38に示す表示
パネルは反射型の表示パネルである。 (0253)本発明はいままで表示パネルは透過型とし
て説明をしてきた。しかし、本発明の技術的思想は反射
型の表示パネルにも適用できることは言うまでもない。
たとえば画素電極14をAl等の金属薄膜で形成すれば
反射型の表示パネルとなる。 (0254)図38に示す表示パネル22はアレイ基板
12上にTFT155等のスイッチング素子を形成し、
前記スイッチング素子上に反射電極14aを形成する。
反射電極14aとはAl,Cr等の金属材料で形成すれ
ばよい。またITO電極もしくは金属電極上に誘電体ミ
ラーを形成して構成してもよい。 (0255)前記反射電極14aとTFT155のドレ
イン端子とは接続部382で電気的に接続する。反射電
極14aとTFT155とはドレイン端子以外の箇所で
ショートしないように絶縁層154を形成している。絶
縁層154とはSiO2、SiNx等の無機材料、ポリ
イミド等の有機材料で形成する。ポリイミドの場合はス
ピンナー等で塗布することにより容易にかつ、短時間で
厚い膜厚を形成できるメリットがある。しかし、接続部
382の穴あけ加工がやりにくいという問題点もある。 (0256)反射電極14aを金属材料で形成する場合
は、液晶層21と接する面がAlからなる電極となるよ
うにする。ただしTFT155のドレイン端子とのオー
ム抵抗の観点からTi、Al等の2層構成あるいはT
i、Cr、Al等の3層構成とすることが好ましい。ま
た、Al等の表面の反射率を向上させるため、Al等の
表面にはSiO2からなる薄膜を形成する。 (0257)反射電極14aを金属材料で形成する場合
は隣接した反射電極14a間から入射光が侵入し、TF
T155のホトコンを発生されることを防止するため反
射電極14a間に遮光膜(光吸収膜)381を形成す
る。光吸収膜の形成材料としては遮光膜202,152
の構成材料と同一である。形成方法としては反射電極1
4aをパターニング後、光吸収膜となる樹脂材料を全面
に塗布し、その後表面を研磨すればよい。研磨すること
により、反射電極14aが鏡面化されるとともに同時に
反射電極14a間にのみ光吸収膜381が残る。なお、
研磨した反射電極14aの表面は酸化等を防止するた
め、SiO2膜等の保護膜を形成しておく。 (0258)反射電極14aの表面は鏡面にすることの
みが良いとは限らない。たとえば表示パネル22を携帯
情報端末の表示装置として用いる場合は視野角が広いこ
とも要求される。視野角を要求される場合は反射電極1
4aの表面に凹凸を形成する必要がある。凹凸を形成す
るには表面のAlの結晶粒を大きく成長させる等の方法
がある。Al面に熱処理を行う方法がある。その他PV
A溶液を電極14表面に塗布し、PVAを乾燥させる。
すると、表面に微小な凹凸が生じる。その後、前記凹凸
上に反射電極となる金属材料を蒸着する。 (0259)本発明の表示パネルの製造方法は図39と
同様である。相違点はPD液晶層21の形成後、前記P
D液晶層21上に対向電極25を形成する。保護膜15
3は形成してもしなくてもよい。前記アレイ基板12と
カラーフィルタ151を形成した基板351とを接着層
371で貼りあわせればよい。 (0260)なお、PD液晶層21上にはすでに対向電
極25が形成されていることから、接着層371の膜厚
が厚くともT−Vカーブには影響を与えない。ビーズ1
61は用いても用いなくてもよい。ただビーズ161を
用いた方がカラーフィルタ151と対向電極25間に均
一でかつ適正なギャップを作ることができる。そのた
め、接着剤371の注入がやりやすい。 (0261)図19に示す表示パネルは対向基板11の
表面に直接カラーフィルタ151を形成したものであ
る。ただし、対向基板11の厚みt(mm)は画素の対
角長をd(mm)としたとき次式を満足するようにす
る。 (0262)
体薄膜221aおよび221bを3層に形成することに
より反射光防止効果をもたせることができる。なお、図
23から図26に示す分光反射率は液晶層21の屈折率
が変化すると変化する。つまり液晶材料等に左右される
ので最適化設計が重要である。 (0209)液晶層21と電極としてのITO薄膜25
が直接接していると液晶層21の劣化が進みやすい。こ
れはITO薄膜25中の不純物等が液晶層21に溶出す
るためと考えられる。前述の3層構成のように、ITO
薄膜25と液晶層21との間に誘電体薄膜221を形成
すると液晶層21の劣化することがなくなる。特に誘電
体薄膜221がAl2O3あるいはY2O3の時に良好であ
る。 (0210)誘電体薄膜221がSiOの時はSiOの
屈折率が低下する傾向がみられる。これは液晶21中に
微量に含まれたH2O、O2等の酸素原子とSiOが結び
つき、SiOがSiO2に変化していくためと考えられ
る。その意味では(表2)および(表5)の構成はふさ
わしくない。しかし、SiOは短期間でSiO2に変化
することはなく、実用上は採用できることが多い。 (0211)なお、先の実施例では、第1および第2の
誘電体薄膜221の光学的膜厚をλ/4、画素電極、対
向電極としてのITO薄膜25の光学的膜厚をλ/2と
したが、第1および第2の誘電体薄膜221の光学的膜
厚をλ/4、ITO薄膜25の光学的膜厚をλ/4とし
てもよい。 (0212)さらに、反射防止膜の理論で述べれば、N
を1以上の奇数、Mを1以上の整数としたとき、第1お
よび第2の誘電体薄膜221の光学的膜厚は(N・λ)
/4、ITO薄膜25の光学的膜厚は(N・λ)/4で
あればよい。もしくは、第1および第2の誘電体薄膜2
21の光学的膜厚は(N・λ)/4、ITO薄膜25の
光学的膜厚は(M・λ)/2であればよい。 (0213)さらには、図22(b)で示すように第1
および第2の誘電体薄膜221のうち一方は省略するこ
とができる。その場合は、多少反射防止としての性能は
低下するが、実用上は十分であることが多い。さらには
図22(c)で示すように電極25および誘電体薄膜4
2の膜厚をλ/4としてもよい。この場合も、さきの反
射防止の理論を適用する事ができる。以上のように電極
を層構造とすることにより各電極で反射する光を防止で
きるから、表示コントラストを大幅に向上できる。 (0214)ここで本発明の表示パネルの製造装置につ
いても説明しておく。図73は本発明表示パネルの製造
装置の説明図である。 (0215)積載台738内にはヒーター739が配置
されている。前記ヒーター739は混合溶液315を適
温まで加熱するために用いる。積載台738の表面は平
滑化されており、その表面には反射板737が取り付け
られている。反射板737は積載台738にAl等の金
属材料を蒸着等の技術を用いて直接形成してもよい。ま
た、ステンレス等の板であってもよい。 (0216)混合溶液315が狭持された表示パネル2
2は積載台738上に置かれる。前記表示パネル22の
表示領域の外周はシールゴム736で囲われる。拡散板
734と積載台738間に1kg/cm2程度の押圧を
加えることにより、混合溶液315を均一膜厚にする。 (0217)シールゴム736としてはブチルゴム、シ
リコンゴムが例示される。他に柔軟性をもつものであれ
ば何でもよい。たとえば他にシリコン樹脂、発泡スチロ
ール等の緩衝体、メカニカルなばね、フェノール樹脂等
が例示される。 (0218)拡散板734としてはオパールガラスが例
示される。このオパールガラスはシグマ光機(株)のD
F0−150S−1等がある。オパールガラスは透明ガ
ラス層の表面に光拡散性物質(フッ化カルシウム)を含
有させた乳白色ガラス層を貼り合わせたものである。そ
の他アクリルまたはポリカーボネード樹脂内にTiなど
の粉末を含有させたものも用いることができる。しかし
樹脂からなる拡散板は混合溶液315を相分離させる際
に用いる紫外線を吸収しやすい点が欠点である。 (0219)供給管732は、表示パネル22の基板の
屈折率に近い液体または水を供給する。たとえばシリコ
ン、エチレングリコール等のゲル、水、エチルアルコー
ル、サルチル酸メチル等の液体(共結合液と呼ぶ)を供
給する。一方、排出管733は拡散板734と表示パネ
ル22の空気を排出し、前記間隔にゲル、液体等がスム
ーズに供給されるようにする機能を有する。前記供給管
から供給される液体、ゲル等は拡散板734と表示パネ
ル22間の屈折率差を少なくあるいはなくす光結合層と
して機能する。なお、紫外線光は拡散板734側から照
射する。 (0220)拡散板734と表示パネル22間をゲル等
の光結合液735で結合させるのは以下の理由による。
図75はその理由の説明図である。図75(a)は光結
合液735を用いない場合である。拡散板734に入射
した紫外線光183は散乱する。散乱した光は表示パネ
ル22側に出射される。出射した光が表示パネル22に
入射する角度θ1が臨界角以上であればスネルの法則に
従い全反射してしまう( 紫外線光183a)。したが
って紫外線光183から表示パネル22に入射する角度
が臨界角以下でなければ反射してしまい混合溶液315
の相分離に寄与しない。 (0221)一方、図75に示すように表示パネル22
の入射面には遮光膜(BM)202等の光遮光物が形成
されていることが多い。表示パネル22に入射する紫外
線光の入射角度が小さいと遮光膜202下のAの部分に
は紫外線光はほとんど入射しない(紫外線光202
b)。液晶層21に未重合の樹脂が残ると表示パネルの
信頼性が劣化する。これは後の表示パネルの使用により
徐々に樹脂の硬化が進展していくためと思われる。ま
た、対向基板11と液晶層21との剥離も生じやすくな
る。これは、末重合の樹脂成分が多いため、液晶層21
と対向基板11とが充分に樹脂成分で接着されているた
めと思われる。 (0222)図75(b)に示すように光結合液735
が存在すると、光拡散板734と対向基板11とは一つ
の基板とみなせる。そのため、紫外線光183cに示す
ように臨界角はなくなり、混合溶液315に大きな角度
で紫外線光は進入することができる。したがって、遮光
膜202が形成されていてもA部に紫外線光が入射し、
樹脂を重合(相分離)させることができる。なお、紫外
線光183はレンズ731により効率よく集光される。 (0223)図73に示す製造装置では、積載台738
上に表示パネル22が積載される。また、表示パネル2
2はヒーター739等により良好な相分離条件が得られ
る温度に保たれる。一方、表示パネル22と拡散板73
4間に光結合液735が充填される。その後、拡散板7
34上から0.8〜1.6kg/cm2の圧力で押圧
し、混合溶液315の膜厚 を均一にする。なお、光結
合液735の屈折率は1.35以上1.65以下のもの
を用いる。好ましくは対向基板11の屈折率との屈折率
差が0.05以内のものを用いる。対向基板11の屈折
率が1.53あれば、1.48以上1.58以下であ
る。ただし、エチレングリコール等はほぼ適正な屈折率
を有するが、後の洗浄が必要となるなど問題点も多い。
アルコール類は屈折率は多少低いが、自然に揮発、蒸発
するから洗浄が不要であり好ましい。また光結合液73
5として純水を用いることも好ましい。コストが安く、
表示パネル22に紫外線光を照射後、乾燥させるだけで
よいからである。 (0224)供給管732を閉じ、排出管733から、
拡散板734と表示パネル22間の空気あるいは光結合
液735を排出することにより、表示パネル22の表面
には均一な押圧がかかる。この排出力を適当な値に設定
することにより約0.8〜1.6kg/cm2の圧力を
与えることができる。 (0225)その後、紫外線光183をレンズ731を
介して照射する。なお、レンズ731は集光レンズであ
る。また、紫外線光は、350nm以下の波長の紫外線
光をカットする。また赤外線光もカットして表示パネル
22に照射する。 (0226)尚、拡散板734で紫外線光を拡散(散
乱)させるとしたが、光結合液735中にフッ化カルシ
ウム、チタン(Ti)の粉末を混入させて、紫外線光を
拡散させてもよいが、この場合は、拡散板734は、通
常の透明基板を用いることが出来る。 (0227)混合溶液315の相分離が終了すると光結
合液735の供給を停止するとともに光結合液735を
排出する。また、拡散板734と表示パネル22との間
隔に空気を送りこむ。その後、拡散板734を取りはず
して表示パネル22を取り出す。 (0228)図74はヒーター739のかわりに赤外線
により表示パネル22を所望の温度に加温する方式であ
る。拡散板734の光出射側には赤外線反射板または赤
外線反射膜741が配置または形成されている。 (0229)前記赤外線反射膜741としては一般式M
(1)xM(2)yInzO(x+3y/2+3z/
2)−d(式中、M(1)はマグネシウム及び亜鉛のう
ち少なくとも1つの元素であり、M(2)はアルミニウ
ム及びガリウムのうちの少なくとも1つの元素であり、
比率(x:y)が0.2〜1.8:1の範囲であり、比
率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、かつ
酸素欠損量dが(x+3y/2+3z/2)の3×10
-5〜1×10-1倍の範囲である)で表され、かつM
(1)、M(2)及びInのうち少なくとも1種の元素
の一部が、他の元素で置換されており、M(1)と置換
されている元素は原子価が2価以上であり、M(2)及
びInと置換される元素は原子価が3価以上である酸化
物からなるものが例示される。また、誘電体多層膜から
なる干渉膜で形成したものが例示される。一方、表示パ
ネル22の裏面には紫外線反射膜もしくは紫外線反射板
742が形成もしくは配置される。1例として誘電体多
層膜からなる干渉膜が例示される。ただし、紫外線の吸
収を少なくするために酸化ハフニウム(HfO2)、S
iO2等からなる誘電体薄膜を積層して形成する必要が
ある。 (0230)赤外線光744は赤外線ランプ等から発生
させ表示パネル22を加温する。表示パネル22を透過
した赤外線光は赤外線反射膜741で反射され、再び表
示パネル22に入射して表示パネル22を加温する。表
示パネルの温度は表示パネル22の一端に取り付けられ
た温度センサ745で検出する。また、供給する光結合
液735も適正値に加温して供給する。 (0231)以上のように表示パネル22は赤外線光に
より所望値まであたためられる。その後紫外線光183
を拡散板734を介して表示パネル22に入射させる。
表示パネル22の裏面側には紫外線反射膜742が配置
されているため、表示パネル22を透過した紫外線光1
83は再び前記紫外線反射膜742で反射されて混合溶
液315を相分離させる。他の構成は図73と同一であ
るので説明を省略する。 (0232)図76に示す本発明の表示パネルの製造装
置は、ケース762内を光結合液735で充填し、その
内に混合溶液315を狭持させた表示パネル22を配置
したものである。表示パネル22は、光結合液735を
加温して供給することにより所望の温度にさせる。 (0233)表示パネル22はケース内762の支え7
61で保持され、表示パネル22の裏面側にも光結合液
735が通過できるようにしている。ケース762の内
面には反射板742もしくは拡散板が配置または形成さ
れている。 (0234)表示パネル22が所定温度になった時点
で、拡散板743を押しさげ、支え761と拡散板73
4で狭持させて混合溶液315を均一な膜厚にする。拡
散板734の押し下げ等は供給管732からの光結合液
315の供給量と、排出管733からの排出量を適正に
することにより実現できる。光結合液315の供給量よ
りも排出量を多くすることにより圧力を大きくすること
ができる。 (0235)以下、順次、本発明の他の実施例における
表示パネルについて説明をする。図35は本発明の表示
パネルの断面図である。対向電極25上にはアクリル系
UV樹膜からなる保護膜153が形成されている。図1
5の構成との差異は図15の表示パネル22は対向電極
25上にカラーフィルタ151を形成しているのに対
し、図35の表示パネル22では基板351上にカラー
フィルタ151を形成している点である。図35の構成
ではカラーフィルタ151は誘電体カラーフィルタであ
っても容易に形成することができる。基板351上には
TFT155等を形成する必要はなく、単にカラーフィ
ルタ151のみを形成すればよい。したがって、カラー
フィルタを形成するのに450度から600度のプロセ
ス温度の制約はなくなるからである。Cr等からなる遮
光膜202に自由に形成できる。遮光膜202はCrの
他六価クロム、Al、Ti等で形成してもよい。また、
樹脂からなる遮光膜であってもよい。 (0236)もちろん、カラーフィルタはゼラチン等の
樹脂材料で作製してもよい。カラーフィルタ151と保
護膜153間にはスペーサ161として直径5〜20μ
mの固着性のSiO3 粒のビーズ161(商品名:シン
シ球AB−8−13μm:触媒化成工業(株))を散布
している。 (0237)前記ビーズ161は40度で90分放置す
ることにより固着することができる。このようにビーズ
161を用いるのはカラーフィルタ151と保護膜15
3が密着するのを防止するためである。もちろん表示画
面全面にわたりカラーフィルタ151と保護膜153が
密着するのであればビーズ161を散布する必要はな
い。しかし、通常ビーズ161を散布しなければ、一部
が密着し、他の部分ははなれた状態となる。これはカラ
ーフィルタ151もしく保護膜153に凹凸があるため
である。また、基板11,12がそっているためであ
る。密着した部分と密着していない部分が生じると屈折
率分布が生じ表示ムラとなる。 (0238)ビーズ161の直径が5μm以下だと保護
膜153の凹凸にビーズ161がはまり込み一部が密着
して表示ムラになる。ビーズ径が20μm以上であれ
ば、画素サイズにしめるビーズ径が大きく、ビーズ部分
で屈折し、表示画像としてビーズ161が認識されてし
まう。したがって、好ましくはビーズ161の直径は8
μm以上15μm以下とすることが好ましい。 (0239)保護膜153はUV樹脂等で形成する。前
記保護膜153は反射防止膜としても機能する。対向電
極25を構成するITOは屈折率が2.0と高く、空気
または真空の1.0と比較して差が大きすぎるためであ
る。ITO上に屈折率が1.5前後の保護膜153を形
成すれば当然反射率を減少させることができる。なお、
保護膜153は構成上必須のものではない。 (0240)カラーフィルタ151と保護膜153間の
空間にはN2、He、Ne、H等の不活性ガスを注入す
る。特に窒素(N)ガスは安定しており好ましい。ま
た、水素(H)は冷却効果が高く表示パネル内の熱を外
部に発散できることから好ましい。この場合は前記ガス
を流動させる。不活性ガスを注入した場合は、前記ガス
がもれないように図36に示すように周辺部を封止樹脂
361で封止しておく。また、不活性ガスを注入せず真
空状態とする方法もある。 (0241)図36に示すようにカラーフィルタ151
の表面にも保護膜153bを形成してもよい。また、表
示パネル22と空気との界面にはAIRコート211を
形成する。なお、混合溶液315の相分離は基板11を
取り付ける前に行う。相分離後、不活性ガスの雰囲気中
でビーズ161を散布し、基板11とアレイ基板12を
はりあわせ、周辺部を封止樹脂361で封止する。 (0242)図37は本発明の他の実施例の表示パネル
の断面図である。基板11にはカラーフィルタ151お
よび遮光膜202が形成され、前記カラーフィルタ15
1上にある対向電極25が形成されている。前記対向電
極25とPD液晶21とは透明な接着層371で貼りあ
わされている。 (0243)以下、図39を参照しながら、図37に示
す本発明の表示パネルの製造方法について説明する。ア
レイ基板12と離形フィルム182間に混合溶液315
が狭持される。混合溶液315の狭持の方法としては滴
下方法、真空注入方法等のいずれでもよい。その後、離
形フィルム182上から1kg/cm2の圧力で 混合溶
液315を均一膜厚にした後、紫外線光を離形フィルム
182上から照射する。この際、紫外線光はアレイ基板
12側からも照射してもよい。通常、離形フィルム18
2が樹脂フィルムの場合は紫外線を透過しにくいため2
000mJ/cm2程度の照射量が必要となる場合が多
い。これは離形 フィルム182の厚みによっても大き
く変動するので実験により決定をする。離形フィルム1
82がガラス基板等の場合は紫外線は透過しやすい。ガ
ラス基板が石英ガラスの場合は最も透過しやすく、ソー
ダガラスの場合は透過しにくい。ガラス基板の場合も紫
外線の照射量は実験により定める必要がある。コーニン
グ社(株)の7059の場合は1000mJ/cm2以
上1500mJ/cm2以下程度である。 (0244)照射する紫外線は350nm以下の波長は
カットする。少なくとも320nm以下の波長は完全に
カットする必要がある。前記液晶が350nm以下波長
の光を吸収し分解、劣化するのを防止するためである。
また、紫外線の照射といっても可視光を含んでいてもよ
いことは言うまでもない。本明細書にいう紫外線光の照
射とは紫外線光の範囲を含む光の照射の意味である。し
かし、赤外線光はカットすることが好ましい。特に1.
5μm以上の波長はカットすることが好ましく、望むな
らば、800nm以上はカットすることが好ましい。赤
外線光はTFT151、ソース信号線15等に吸収さ
れ、前記信号線等発熱する。そのため相分離条件を適正
値範囲外としてしまう。 (0245)次に離形フィルム182をはがすことによ
り図39(b)となる。離形フィルム182を剥離した
後はすぐに図39(c)の工程を開始する必要がある。
PD液晶21が固形であるとしても剥離した箇所の一部
は液晶が露出しているから水分等を吸収し、劣化する恐
れがある。そのため、不要な液晶は洗い流す。 (0246)次に、カラーフィルタ151および対向電
極25を形成した基板351とアレイ基板12とを図3
9(c)に示すようにはりあわせる。この場合、図39
(c)に示すようにビーズ161等を散布してもよい。
しかし、PD液晶層21は軟らかいためビーズ161は
PD液晶層21にめりこんでしまう可能性もある。 (0247)ビーズ161を散布した場合は、対向電極
25とPD液晶層21間に毛細管現象を用いて前記間隔
に混合溶液315を狭持させる。ビーズ161径は2〜
8μmのものを用いる。もちろん滴下法で混合溶液31
5を狭持させてもよい。その後、対向基板11上から押
圧することにより、接着層371は均一な膜厚となる。
この際ビーズ161をPD液晶層21にめりこませ、極
力接着層371を薄くする方が好ましい。なお、ビーズ
161を用いなくとも毛細管現象、滴下方法により極め
て薄い接着層371を形成することができる。ただし、
十分な工法検討を必要とする。 (0248)接着層371を形成後、対向基板11上か
ら約1kg/cm2〜1.5kg /cm2の圧力を印加
する。すると余分な混合溶液315は排出される。その
後、紫外線光を照射して混合溶液315を相分離させて
完成する。 (0249)接着層371の材料として上記実施例では
混合溶液315を用いるとしたが、これに限定するもの
ではなく、アクリル系のUV硬化樹脂でもよい。また、
熱硬化型のエポキシ樹脂で接着層371を形成してもよ
い。 (0250)接着層371を混合溶液315で形成する
場合は前記混合溶液315は光変調に寄与するため接着
層371の膜厚は問題とはならない。しかし、紫外線
(UV)硬化樹脂で形成する場合は、前記UV硬化樹脂
で電圧降下を引き起こす。そのため、極力薄く形成する
ことが重要となる。薄くするには対向基板11とアレイ
基板12間に圧力をかけ、しばらく放置する。 (0251)前記接着層371の膜厚は混合溶液315
で形成する場合は5μm以下とすべきであり他の材料で
形成する場合は少なくとも3μm以下とすべきである。
好ましくは、混合溶液315の場合はPD液晶層21の
膜厚の1/2以下に、その他の材料を用いる場合は1/
3以下とすべきである。対向電極25と画素電極14間
の距離が大きくなると液晶層を透過状態とするのに要す
る電圧が高くなる。 (0252)図37は対向電極25及びカラーフィルタ
151を形成した対向基板11とPD液晶21を形成し
たアレイ基板12とをはりあわせる構成であった。図3
8はカラーフィルタ151を形成した基板351とPD
液晶層21および対向電極25を形成したアレイ基板1
2とをはりあわせる構成である。なお図38に示す表示
パネルは反射型の表示パネルである。 (0253)本発明はいままで表示パネルは透過型とし
て説明をしてきた。しかし、本発明の技術的思想は反射
型の表示パネルにも適用できることは言うまでもない。
たとえば画素電極14をAl等の金属薄膜で形成すれば
反射型の表示パネルとなる。 (0254)図38に示す表示パネル22はアレイ基板
12上にTFT155等のスイッチング素子を形成し、
前記スイッチング素子上に反射電極14aを形成する。
反射電極14aとはAl,Cr等の金属材料で形成すれ
ばよい。またITO電極もしくは金属電極上に誘電体ミ
ラーを形成して構成してもよい。 (0255)前記反射電極14aとTFT155のドレ
イン端子とは接続部382で電気的に接続する。反射電
極14aとTFT155とはドレイン端子以外の箇所で
ショートしないように絶縁層154を形成している。絶
縁層154とはSiO2、SiNx等の無機材料、ポリ
イミド等の有機材料で形成する。ポリイミドの場合はス
ピンナー等で塗布することにより容易にかつ、短時間で
厚い膜厚を形成できるメリットがある。しかし、接続部
382の穴あけ加工がやりにくいという問題点もある。 (0256)反射電極14aを金属材料で形成する場合
は、液晶層21と接する面がAlからなる電極となるよ
うにする。ただしTFT155のドレイン端子とのオー
ム抵抗の観点からTi、Al等の2層構成あるいはT
i、Cr、Al等の3層構成とすることが好ましい。ま
た、Al等の表面の反射率を向上させるため、Al等の
表面にはSiO2からなる薄膜を形成する。 (0257)反射電極14aを金属材料で形成する場合
は隣接した反射電極14a間から入射光が侵入し、TF
T155のホトコンを発生されることを防止するため反
射電極14a間に遮光膜(光吸収膜)381を形成す
る。光吸収膜の形成材料としては遮光膜202,152
の構成材料と同一である。形成方法としては反射電極1
4aをパターニング後、光吸収膜となる樹脂材料を全面
に塗布し、その後表面を研磨すればよい。研磨すること
により、反射電極14aが鏡面化されるとともに同時に
反射電極14a間にのみ光吸収膜381が残る。なお、
研磨した反射電極14aの表面は酸化等を防止するた
め、SiO2膜等の保護膜を形成しておく。 (0258)反射電極14aの表面は鏡面にすることの
みが良いとは限らない。たとえば表示パネル22を携帯
情報端末の表示装置として用いる場合は視野角が広いこ
とも要求される。視野角を要求される場合は反射電極1
4aの表面に凹凸を形成する必要がある。凹凸を形成す
るには表面のAlの結晶粒を大きく成長させる等の方法
がある。Al面に熱処理を行う方法がある。その他PV
A溶液を電極14表面に塗布し、PVAを乾燥させる。
すると、表面に微小な凹凸が生じる。その後、前記凹凸
上に反射電極となる金属材料を蒸着する。 (0259)本発明の表示パネルの製造方法は図39と
同様である。相違点はPD液晶層21の形成後、前記P
D液晶層21上に対向電極25を形成する。保護膜15
3は形成してもしなくてもよい。前記アレイ基板12と
カラーフィルタ151を形成した基板351とを接着層
371で貼りあわせればよい。 (0260)なお、PD液晶層21上にはすでに対向電
極25が形成されていることから、接着層371の膜厚
が厚くともT−Vカーブには影響を与えない。ビーズ1
61は用いても用いなくてもよい。ただビーズ161を
用いた方がカラーフィルタ151と対向電極25間に均
一でかつ適正なギャップを作ることができる。そのた
め、接着剤371の注入がやりやすい。 (0261)図19に示す表示パネルは対向基板11の
表面に直接カラーフィルタ151を形成したものであ
る。ただし、対向基板11の厚みt(mm)は画素の対
角長をd(mm)としたとき次式を満足するようにす
る。 (0262)
【数19】 (0263)好ましくは、 (0264)
【数20】 (0265)とする。ただし、tは0.1mm以上とす
る。0.1mm以下だとすぐにわれてしまう。 (0266)これは、対向基板t(mm)があついと視
度差がでて、表示画面が見づらくなるためである。視度
差は画素サイズ(画素の対向長)(mm)に影響するこ
とが検討の結果わかっている。検討の結果上式の関係が
求められた。カラーフィルタ151が誘電体カラーフィ
ルタの場合は機械的にも安定(引っかき傷等が生じにく
い)であるが、樹脂カラーフィルタの場合は機械的にも
弱いのでカラーフィルタ151の表面にアクリル系のU
V樹脂で保護膜(図示せず)を形成する。またカラーフ
ィルタ151の表面で反射する光を防止するためカラー
フィルタ151または保護膜の表面に微小な凹凸を形成
し、エンボス加工することが好ましい。このことは図1
5で説明しているので説明を省略する。 (0267)図19では対向基板11に直接カラーフィ
ルタ151を形成するようの図示したが、これに限定す
るものではなく、たとえばカラーフィルタ151を別の
基板に形成し、前記別の基板をカラーフィルタ151の
形成面が対向基板11と接するように配置もしには接着
してもよい。アレイ基板12と薄い厚さの対向基板1
1、もしくは、対向基板11の代替えとしての対向フィ
ルムをはりあわせる。前記基板11と12間に混合溶液
を挟持させた後、対向基板11側から紫外線光を照射
し、前記混合溶液を相分離させる。次に、カラーフィル
タ151が形成されたフィルタ基板と前記対向基板とを
透明の接着剤もしくは粘着剤(紫外線硬化樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコン樹脂など)ではり合わせる。このよう
に構成することより混合溶液に紫外線を十分に照射で
き、混合溶液を良好に相分離できる。PD液晶は固体で
あるため、対向基板11が薄くともたわむことはなく、
また、フィルタ基板を貼りつける際に、圧力により液晶
層がひずむこともない。 (0268)なお、フィルタ基板はアレイ基板12側に
接着または配置してもよい。この構成ではアレイ基板1
2を薄く形成する必要がある。 (0269)対向基板11またはアレイ基板12の厚み
は0.6mm以下にすることが好ましい。さらに好まし
くは、0.3mm以下にする。また、図19に示す表示
パネルを投射型表示装置のライトバルブとして用いる時
は、前記表示パネル22に入射する入射光のFナンバー
はF7以上F15以下となるように光学系を設計するこ
とが好ましい。以上のように設計することにより高コン
トラスト表示と高輝度表示を実現できる。また、画素は
反射型でもよい。 (0270)ここでのFナンバーFは、F=1/(2s
inθ)で示される。つまり、Fナンバーを規定するこ
とは液晶表示パネルに入射する光の広がり角度を規定し
ていることになる。光の広がり角θが大きいと隣の画素
に入射光が入り込んでしまう。あまりにFナンバーが大
きいと投射光学系の光路長が長くなりすぎシステムサイ
ズが大きくなりすぎる。FナンバーがF7以上であれば
BMで遮光され、たとえばR光が隣接したG画素に入り
込むことはない。 (0271)図19などに示す本発明の表示パネルを、
投射型表示装置のライトバルブとして用いるときは、1
画素の対角サイズをd(mm)とし、対向基板11また
はアレイ基板12の厚みt(mm)とし、入射光のFナ
ンバーをFとしたとき、好ましくは以下の関係を満足す
るようにする。 (0272)
る。0.1mm以下だとすぐにわれてしまう。 (0266)これは、対向基板t(mm)があついと視
度差がでて、表示画面が見づらくなるためである。視度
差は画素サイズ(画素の対向長)(mm)に影響するこ
とが検討の結果わかっている。検討の結果上式の関係が
求められた。カラーフィルタ151が誘電体カラーフィ
ルタの場合は機械的にも安定(引っかき傷等が生じにく
い)であるが、樹脂カラーフィルタの場合は機械的にも
弱いのでカラーフィルタ151の表面にアクリル系のU
V樹脂で保護膜(図示せず)を形成する。またカラーフ
ィルタ151の表面で反射する光を防止するためカラー
フィルタ151または保護膜の表面に微小な凹凸を形成
し、エンボス加工することが好ましい。このことは図1
5で説明しているので説明を省略する。 (0267)図19では対向基板11に直接カラーフィ
ルタ151を形成するようの図示したが、これに限定す
るものではなく、たとえばカラーフィルタ151を別の
基板に形成し、前記別の基板をカラーフィルタ151の
形成面が対向基板11と接するように配置もしには接着
してもよい。アレイ基板12と薄い厚さの対向基板1
1、もしくは、対向基板11の代替えとしての対向フィ
ルムをはりあわせる。前記基板11と12間に混合溶液
を挟持させた後、対向基板11側から紫外線光を照射
し、前記混合溶液を相分離させる。次に、カラーフィル
タ151が形成されたフィルタ基板と前記対向基板とを
透明の接着剤もしくは粘着剤(紫外線硬化樹脂、エポキ
シ樹脂、シリコン樹脂など)ではり合わせる。このよう
に構成することより混合溶液に紫外線を十分に照射で
き、混合溶液を良好に相分離できる。PD液晶は固体で
あるため、対向基板11が薄くともたわむことはなく、
また、フィルタ基板を貼りつける際に、圧力により液晶
層がひずむこともない。 (0268)なお、フィルタ基板はアレイ基板12側に
接着または配置してもよい。この構成ではアレイ基板1
2を薄く形成する必要がある。 (0269)対向基板11またはアレイ基板12の厚み
は0.6mm以下にすることが好ましい。さらに好まし
くは、0.3mm以下にする。また、図19に示す表示
パネルを投射型表示装置のライトバルブとして用いる時
は、前記表示パネル22に入射する入射光のFナンバー
はF7以上F15以下となるように光学系を設計するこ
とが好ましい。以上のように設計することにより高コン
トラスト表示と高輝度表示を実現できる。また、画素は
反射型でもよい。 (0270)ここでのFナンバーFは、F=1/(2s
inθ)で示される。つまり、Fナンバーを規定するこ
とは液晶表示パネルに入射する光の広がり角度を規定し
ていることになる。光の広がり角θが大きいと隣の画素
に入射光が入り込んでしまう。あまりにFナンバーが大
きいと投射光学系の光路長が長くなりすぎシステムサイ
ズが大きくなりすぎる。FナンバーがF7以上であれば
BMで遮光され、たとえばR光が隣接したG画素に入り
込むことはない。 (0271)図19などに示す本発明の表示パネルを、
投射型表示装置のライトバルブとして用いるときは、1
画素の対角サイズをd(mm)とし、対向基板11また
はアレイ基板12の厚みt(mm)とし、入射光のFナ
ンバーをFとしたとき、好ましくは以下の関係を満足す
るようにする。 (0272)
【数21】 (0273)さらに好ましくは、以下の関係を満足する
ようにする。 (0274)
ようにする。 (0274)
【数22】 (0275)以上のように構成することにより、低コス
トで高輝度の投射型表示装置を実現できる。 (0276)図58で示すように信号線15等と画素電
極14間での電磁的結合が生じ、電気力線19が発生す
ると、前記電気力線19に沿って液晶分子20が配向す
る。そのため信号線15近傍に光ぬけが生じ表示コント
ラストを低下させる。 (0277)図6および図16の実施例では信号線15
近傍の電気力線19の発生を抑制するため、低誘電体膜
等を形成した。しかし、低誘電体膜も誘電体である。そ
のため比誘電率は3以上であり電気力線19の抑制効果
は完全ではない。 (0278)図57は信号線15の近傍のPD液晶21
を除去している。そのため信号線15の周辺部の比誘電
率はほぼ1である。画素電極14にPD液晶層21が形
成されている。一方、信号線15上には空間571があ
り、対向電極25上には遮光膜202が形成されてい
る。遮光膜202の形成材料としてはCrなどが例示さ
れる。前記空間571にはN2、Ne、He等の不活性
ガスが注入されている 。不活性ガスとしては特にN2を
用いることが好ましい。 (0279)以下、図59を参照しながら図57に示す
表示パネル22の製造方法について説明をする。図59
は本発明の表示パネル22の製造方法の説明図である。
まず、図59(a)に示すように遮光膜(遮光パター
ン)202が形成されたマスク181とアレイ基板12
間に混合溶液315を狭持させる。遮光膜(遮光パター
ン)202はソース信号線15、ゲート信号線、TFT
155等上に形成される。遮光膜(遮光パターン)20
2はAl,Cr等で形成することが好ましい。紫外線光
等を吸収する割合が小さいからである。またPD液晶層
21を所定膜厚とするために混合溶液315にはビーズ
161をまぜておく。もしくはビーズ161を散布す
る。その後、マスク181側から紫外線光183を照射
する。 (0280)図59(a)工程後の状態を図60に示
す。紫外線光183aは遮光膜(遮光パターン)202
に入射する。そのため混合溶液315には入射せず反射
される。紫外線183bは混合溶液315に入射する。
したがって、混合溶液315のA部の樹脂は重合せず、
B部の重合して、液晶成分と樹脂成分とが相分離する。 (0281)紫外線光183を照射させ、混合溶液31
5を相分離した後、マスク181を取り去ると図59
(c)のようになる。その後、未重合の混合溶液315
を洗いながす。これは純水等で洗浄することで容易であ
る。未重合の部分Aは洗い流されるため、図59(c)
の状態となる。そのため、信号線15、TFT(図示せ
ず)上等の遮光膜(遮光パターン)202が形成された
箇所には空間571が生じる。前記空間部571は空気
であるから比誘電率はほぼ1である。したがって、誘電
率が低く、電気力線は発生しにくい。 (0282)次に、図59(d)に示すように遮光膜2
02を形成した対向基板11とアレイ基板21とを不活
性ガス中で貼り合わせる。接着はUV樹脂等を用いて行
う。 (0283)図59の製造方法で遮光膜(遮光パター
ン)202を形成したマスク181を用いてPD液晶層
21を形成した。このマスクは他の製造方法にも応用で
きる。たとえば図61に示すように対向電極25上に遮
光膜202aが形成されている場合である。 (0284)遮光膜202aは通常Cr等で形成されて
いるため混合溶液315を相分離させる際に紫外線光を
照射すると、紫外線光を吸収し加熱する。そのため遮光
膜202aの周辺部の混合溶液315が加熱され、遮光
膜(BM)近傍のPD液晶層21の平均径が大きくな
る。 (0285)そこで遮光膜202aと同一形状の遮光膜
(遮光パターン)202bを形成したマスク181を用
いて紫外線光を混合溶液315に照射する。紫外線光1
83aは遮光膜(遮光パターン)202bに入射する。
そのため遮光膜202aには入射しない。一方紫外線光
183bは遮光されることなく混合溶液315に入射
し、画素電極14上のそれを相分離する。 (0286)以上のように図61に示すマスク181を
用いて混合溶液315に紫外線光を照射することにより
表示パネルに遮光膜202が形成されていても良好にP
D液晶層21を形成できる。 (0287)なお、遮光膜(遮光パターン)202bは
遮光膜202aの形状にするとしたが、アレイ基板12
側からマスク181を介して紫外線光を照射する場合
は、マスク181の遮光パターンをソース信号線15お
よびゲート信号線およびTFT155等の形状パターン
とすればよいことは言うまでもない。 (0288)図62に示す表示パネル22は画素電極1
4上にカラーフィルタ151を形成してる。画素電極1
4a上にはR色のカラーフィルタ151aを形成し、画
素電極14b上にはG色のカラーフィルタ151bを、
画素電極14c上にはB色のカラーフィルタ151cを
形成している。また、画素電極14a上のPD液晶21
aの平均径aと画素電極14b上のPD液晶21bの平
均径bと画素電極14c上のPD液晶21cの平均径c
との関係はa>b≧cとなるようにしている。 (0289)これは変調する光の波長を最適に変調でき
る平均径とは相関があるからである。光の波長が長いほ
ど平均径は大きくする必要がある。つまりB光を変調す
るPD液晶層21の平均径はR光を変調するPD液晶層
21の平均径より小さくする。 (0290)図63は図62に示す本発明の表示パネル
の製造方法の説明図である。図63(a)に示すように
マスク181はB光を変調するの画素電極14c上を開
口されている。次に遮光膜(遮光パターン)202aを
形成したマスク181とアレイ基板12間に第1の混合
溶液315aを狭持させる。その後、強度cの紫外線光
183cを照射し、マスク181の開口部下の混合溶液
315aを相分離させる。その後マスク181を取りさ
り、未重合の混合溶液315aを洗い流せば図63
(b)の状態となる。 (0291)次に前記マスク181を移動させ、開口部
がG光を変調する画素電極14b上となるようにする。
そして再びマスク181とアレイ基板12間に混合溶液
315bを狭持させ、強度bの紫外線光183bを照射
する。その後、マスク181を取り去り、未重合の混合
溶液315bを洗い流せば図63(d)の状態となる。 (0292)次に対向電極25を形成した対向基板11
とアレイ基板12とを貼り合わせ両基間に混合溶液31
5cを狭持させる。その後、強度aの紫外線光183c
を照射し、R光を変調するの画素電極14a上の混合溶
液315cを相分離させる。 (0293)紫外線光の強度は強度c<強度b<強度a
となるようにする。単位時間あたりの紫外線のエネルギ
ー強度にほぼ比例して平均径は変化する。強度が強いほ
ど平均径は小さくなる。また、混合溶液315の液晶成
分と樹脂成分との比率を変化させても平均径は変化す
る。通常液晶成分の含有率を多くするほど平均径は大き
くなる。以上のようにマスク181を用い、紫外線光1
83の強度および液晶成分と樹脂成分との比率を変化さ
せることにより変調する各入射光の波長に最適な平均径
とすることができる。 (0294)図64はマスク181としてマイクロレン
ズ641が形成された透明基板642を用いたものであ
る。透明基板642上にマイクロレンズ641a、64
1bが形成される。マイクロレンズ641aはBの画素
に対応し、混合溶液315のアの箇所に入射する。また
マイクロレンズ641bはGの画素に対応し、混合溶液
315のイの箇所に入射する。また、マイクロレンズ6
41が形成されていない箇所はRの画素に対応し、混合
溶液315のウの箇所に入射する。透明基板642を平
面的にみると図65のようにマイクロレンズ641等は
配置されている。 (0295)紫外線光183は透明基板642を介して
混合溶液315に照射される。マイクロレンズ641a
の作用により混合溶液315のアの箇所は紫外線の強度
が最も強くなる。マイクロレンズ641bは、焦点距離
がマイクロレンズ641aより長い。そのため混合溶液
315のイの箇所の紫外線光183の強度はアの箇所よ
りも弱くなる。混合溶液315のウの箇所上にはマイク
ロレンズがなく紫外線光183が集光されないため最も
弱くなる。 (0296)以上のようにマイクロレンズ641により
混合溶液315中に光を集光しているのにもかかわら
ず、画素電極14上の混合溶液315を完全に相分離で
きるのは、画素の開口率が50%程度と低い点にある。
マイクロレンズ641で入射光を完全に集光でき、かつ
画素の開口率が50%であれば、アの箇所は単位面積あ
たりの紫外線強度を2倍にできる。つまり、ウの箇所の
紫外線光の強度を1とするとアの箇所の紫外線光の強度
を2倍にしても画素電極14上の混合溶液315を完全
に相分離することができる。 (0297)単位面積あたりの紫外線光の強度を変化さ
せれば平均径は変化する。単位面積あたりの紫外線光の
強度が強くなれば平均径は小さくなる。以上の原理から
マイクロレンズ641の曲率を変化させて集光効率を変
化させれば透明基板642に入射する紫外線光の単位面
積あたりの強度が均一であっても、混合溶液315中に
おいては変調する画素(R、G、B)に応じて最適な平
均径を得ることができる。 (0298)混合溶液315中の単位面積あたりの強度
はマイクロレンズ641の大きさ、焦点距離(曲率)を
変化させれば自由に設定できる。また、マイクロレンズ
641は、金型を作製し、UV樹脂を前記金型に注入し
て転写すれば容易に作製できる。 (0299)図64のように対向基板11側からマイク
ロレンズ641を介して紫外線光を照射する場合はカラ
ーフィルタ151は各画素電極14上に形成する。アレ
イ基板12側からマイクロレンズ641を介して紫外線
光を照射する場合は、対向電極11上にカラーフィルタ
を形成すればよい。 (0300)以上のようにマイクロレンズ641を用い
れば図62のようにR、G、Bの波長に対して最適な平
均径を有する表示パネルを容易に作製できる。 (0301)図64は図65に示すようにカラーフィル
タ151がモザイク状に形成されている場合である。図
66(b)のようにカラーフィルタ151がストライプ
状に形成されている場合は、図66(a)に示すように
ストライプ状のマイクロレンズ641を用いればよい。
焦点距離にもよるが、図66において一例としてマイク
ロレンズ641cをB変調画素に、マイクロレンズ64
1dをG変調画素に、マイクロレンズがない箇所をR光
変調画素に対応させればよい。 (0302)図64ではRの画素に対応する箇所にはマ
イクロレンズ641を形成しないとしたが、図68
(b)のようにR、G、B画素に対応するようにマイク
ロレンズ641a、641b、641cを形成してもよ
い。また、図68(a)のように、マイクロレンズ64
1のかわりに微細なプリズム671を形成してもよい。
また、マイクロレンズ641は表面が凸上のものだけで
なく、図67(b)に示すようにイオン交換技術等を用
いて透明基板642内にマイクロレンズ641を形成し
てもよい。この技術によるマイクロレンズ641の作製
方法は日本板硝子(株)が実用化している。 (0303)図61はマスク181に遮光膜(遮光パタ
ーン)202bを形成し、遮光膜202に紫外線を照射
しないようにして混合溶液315を相分離させるもので
あった。マスク181のかわりに、図69に示すように
マイクロレンズ641を用いても遮光膜202に紫外線
光を照射させることなく混合溶液315を良好に相分離
させることができる。 (0304)透明基板642に入射した紫外線光183
はマイクロレンズ641で集光され、遮光膜202は入
射しない。そのため遮光膜202は紫外線光を吸収する
ことない。したがって、遮光膜202の近傍の平均径が
大きくなって光抜けが生じることはない。 (0305)なお、図69の斜線の箇所に光結合剤69
1を充填することは有効である。光結合剤169として
アクリル樹脂、水、アルコール、エチレングリコール等
が例示される。特に水は工程後乾燥させるだけでよいか
ら好ましい。マイクロレンズ641の屈折率はマイクロ
レンズ641をUV樹脂等で形成した場合、1.45か
ら1.50である。一方、水の屈折率は前記マイクロレ
ンズ641の屈折率よりも0.1程度小さい。また、対
向基板11の厚みは0.8〜1.1mmである。したが
って、マイクロレンズ641の焦点距離も0.8〜1.
1mmにする必要がある。しかし、マイクロレンズ64
1の凸部に接する部分が空気であればその屈折率差が大
きすぎ、マイクロレンズ641の焦点距離が極めて短く
なる。そのため、焦点は対向基板11内となる。これで
は混合溶液315中での紫外線光強度を変化することが
できない。焦点距離を長くするためには、マイクロレン
ズの曲率Rを大きくする必要があるが加工精度上限界が
ある。なぜならば曲率Rが極めて大きくなり、マイクロ
レンズの高さが低くなって、所望のマイクロレンズを作
ることができなくなるからである。対向基板11等の板
厚は0.7mm〜1.1mmであるので、画素サイズ5
0μm〜300μmとするとマイクロレンズ641の焦
点距離はかなり長いものが必要である。光結合剤691
を用いることにより屈折率差が小さくなり、焦点距離の
長いものを作製することが容易になると思われる。 (0306)図69に示すように斜線部に水(光結合剤
691)等を充填するとマイクロレンズとマイクロレン
ズの凸部に接する水との屈折率が小さくなるから焦点距
離も長くなり、丁度、遮光膜202を通過できる程度の
焦点距離を容易に実現できる。また、マイクロレンズ6
41と対向基板11間のハレーションの発生も防止でき
る。マイクロレンズ641により入射光の光路が屈折さ
れるため以上の説明したハレーションの防止の効果はマ
イクロレンズ641がイオン交換技術(図67(b)参
照)で形成されたものにも有効である。また、図64の
場合にもマイクロレンズ641等と基板との間隔に水等
の光結合剤691を充填することは効果があることは言
うまでもない。マイクロレンズは図68(a)のプリズ
ム等に置きかえてもよいことは言うまでもない。 (0307)図69はマイクロレンズ641により画素
電極14上の混合溶液315を良好に相分離させる方法
の説明であった。紫外線光の照射時間は約30秒〜90
秒程度であり、また、前記時間で相分離を完了させる強
度の紫外線を照射する。 (0308)マイクロレンズ641を用い、かつ、紫外
線光の強度を適正にして紫外線光の照射時間を1分以上
にする等、混合溶液の相分離方法を考慮すると、画素電
極14上に樹脂成分との液晶成分との密度分布を生じさ
せることができる。この状態を図70に示す。液晶層2
1の点線が多い箇所が樹脂成分が多いことを示す。樹脂
の屈折率は液晶の屈折率よりも低い。したがって、画素
電極14の中央部(マイクロレンズの中央部)の屈折率
が低く、画素電極14の周辺部にいくにしたがい屈折率
が高くなる。 (0309)また、画素電極14の中央部に樹脂成分の
みとし、周辺部を液晶成分のみとし、液晶分子を前記樹
脂に沿って配向させることができる。このような液晶表
示パネルを単独もしくは偏光板131と組み合わせて用
いることにより、視野角の広い表示パネルを得ることが
できる。 (0310)これはマイクロレンズ641の焦点部の紫
外線光の強度が強いため、中央部の樹脂から硬化を開始
し、中央部の液晶成分を周辺部(もしくは周辺部樹脂成
分を中央部にとりこみながら)に追い出すためと考えら
れる。 (0311)ただし、上記実施例ではマイクロレンズ6
41を用いて図70に示す“分布”を形成するとした
が、図18に示すマスク181を用いても同様の表示パ
ネルを作製できる。マスクで画素電極14の中央部に紫
外線光を照射すればよいのである。また、相分離時に画
素電極14等に電圧を印加すれば液晶分子の配向は容易
となる。 (0312)したがって、図71(a)に示すように
“オフ状態”で入射光を散乱するが、概念的には図71
(c)に示すように凹レンズ711と通常の光散乱モー
ドが組み合わさった状態となっていると思われる。つま
り、一つの画素をみれば中央部の屈折率が低く、周辺部
の屈折率が高いのであるから凹レンズ711として機能
する。また通常のPD液晶層のように水滴状液晶で散乱
もする。そのため凹レンズ効果の分だけ“オフ状態”の
散乱特性が高い。図71(b)の“オン状態”では、液
晶層21の屈折率は均一となるから液晶層21が透明状
態となり入射光がそのまま出射する。以上のことから図
70の表示パネルは表示コントラストを高くできる。た
だし、この効果は直視表示パネルとして用いるときには
視野角が広くなるという効果としても発揮されると考え
られる。 (0313)以上はマイクロレンズ641により混合溶
液315を良好に相分離させる構成であった。しかし、
製造工程において、マイクロレンズ641と画素電極1
4とを位置合わせをするのは時間がかかる。そのため、
マイクロレンズ基板642を対向基板11または/およ
びアレイ基板12とあらかじめ一体化しておいてもよ
い。混合溶液315の相分離時はマイクロレンズ641
で集光して良好に相分離できる。また表示パネルをライ
トバルブとして使用するときはマイクロレンズ641の
集光作用により発光ランプから放射される光をTFT1
55、遮光膜202等で入射光をさえぎられることなく
出射できるため光利用率を高くできる。 (0314)図73に示すように信号線15上にマイク
ロレンズ641aを形成することも効果がある。マイク
ロレンズ641aに入射する紫外線光183bは信号線
15上のA部に強く入射する。そのためA部の液晶層2
1の平均径は小さくなり、高散乱となり、かつ、透過状
態とするに要する電圧は10(V)以上となる。そのた
めA部は常に散乱状態となる。紫外線183aはそのま
ま画素電極14に入射し、前記電極14上の液晶層21
を最適に相分離する。 (0315)以上の本発明の表示パネルではPD液晶層
21は一層として説明してきたが、これには限定されな
い。たとえは図40に示すようにPD液晶の平均径が異
なる液晶層21aと21bを積層してもよいし、図41
に示すように第1の画素電極14aと対向電極25間に
第1PD液晶層21aが形成され、第2の画素電極14
bと対向電極25間に第2のPD液晶層21bが形成さ
れたものでもよい。また画素電極14にそれぞれスイッ
チング素子155が形成されたアクティブマトリックス
型表示パネルだけに限定するものではなく図42に示す
ようにストライプ状電極421で画素を形成する単純マ
トリックス型表示パネルであってもよい。また、図43
に示すように液晶層21aと21bとが積層されその上
に対向電極25が形成され、対向基板11を具備しない
ものであってもよい。また、図44に示すようにマゼン
ダ光を変調する色素等を含有する液晶層21a、シアン
光を変調する色素等を含有する液晶層21b、イエロー
光を変調する色素等を含有する液晶層21cが積層され
た表示パネルであっても良い。また、図45に示すよう
に一層がTN液晶層21bであり、他の層がPD液晶層
21aである表示パネルでもよい。その他液晶層が強誘
電液晶、コレステリック液晶、STN液晶、ホメオトロ
ピック液晶層であってもよい。 (0316)さらには本明細書に記載した技術的思想は
光書き込み型表示パネル、レーザ書き込み型表示パネ
ル、熱書き込み型表示パネル、PDP(プラズマディス
プレイパネル)、PALCD(プラズマアドレス液晶デ
ィスプレイ)、無機EL表示パネル、有機ELパネルに
も適用できる。 (0317)図40、図41は液晶層21を2層で構成
した表示パネルであるが具体的には図46の構成が例示
される。図46は本発明の表示パネルの断面図である。
画素電極14と共通電極212間に第1の液晶層21a
が狭持され、画素電極14と対向電極25間に第2の液
晶層21bが狭持されている。TFT155には遮光膜
152もしくは202が形成されてホトコンの発生を防
止している。また、液晶層21aと21bの組成、構成
等(たとえば平均粒子径)を変化させてもよいことは言
うまでもない。 (0318)図49は図46の表示パネルの等価回路図
である。図49からわかるように画素電極14を共通の
電極として液晶層21aと21bが配置されている。な
お、画素電極14は接続部382でTFT155のドレ
イン端子に接続されている。共通電極212はストライ
プ状のITOからなる電極であり、パネルの表示領域外
で対向電極25と電気的に接続されている。 (0319)図47はアレイ基板12の平面図である。
ただし、理解を容易にするため、画素電極14等は取り
除いたところを示している。共通電極212は全画素電
極14に共通の電極である。本来は全面電極(ベタ電
極)とすることが好ましいが、ゲート信号線471と交
差することがパターン上困難である。そのため本発明で
は図47に示すように絶縁膜154でソース信号線15
と絶縁をたもち、各画素の左右方向に接続し、表示領域
外の箇所で他の共通電極212と電気的接続をとってい
る。さらに表示領域外の箇所で対向電極25と接続を取
っている。なお、対向電極25はITOのベタ電極であ
る。 (0320)共通電極212とソース信号線15が交差
する箇所は、共通電極212の幅を狭くしている。これ
は、共通電極212とソース信号線15とのショートを
防止すること、ソース信号線15の寄生容量を低減させ
るためである。交差部の幅は画素サイズの1/2以下と
することが好ましい。たとえば、画素サイズの縦方向の
長さが100μmであれば50μm以下とする。 (0321)しかし、共通電極212はITOで形成す
るため画素サイズが50μmで、パネルサイズが3イン
チ程度のとき、抵抗値が100KΩ以上となる。そのた
め、TFT155から画素電極14に電圧を書き込んだ
時、同時に共通電極212の電位が変化するという問題
が生じる。その対策として本発明では、共通電極212
上に金属材料からなる金属配線471を形成している。
金属配線としてCr等が例示される。 (0322)図47のAA’線での断面図を図48に示
す。アレイ基板12上にSiO2膜(図示せず)、IT
Oからなるストライプ状の共通電極212が形成され、
共通電極212上に金属配線471が形成されている。
154はSiO2,Ta2O3,TaOx,SiNxなど
からなる絶縁膜である。絶縁膜154はピンホールを防
止するため複数回にわけて蒸着して形成する。 (0323)共通電極212と画素電極14間に蓄積容
量を形成することにより、TFT155のオフ特性が悪
くても画素電極14の電位を1フレーム間保持できる。
特にTFTが低温ポリシリコン技術で形成されている場
合、TFTのオフ特性(オフリークが発生するため)が
悪く、図46に示す共通電極212を形成する構成は有
用である。画素の行方向にストライプ状共通電極212
をITOで形成する構成は図46の2層のPD液晶層を
有する表示パネルと特有の構成ではなく、他の液晶表示
パネル(たとえばTN液晶表示パネル、1層の液晶層を
有するPD液晶表示パネル)にも有用である。 (0324)図46において液晶層21aと液晶層21
bをPD液晶で形成する場合、水滴状液晶の平均粒子径
又はポリマーネットワークの平均孔径を異ならせること
が好ましく、また、一方の液晶にゲストホスト液晶を含
有させること、樹脂に着色を行うことも好ましい。PD
液晶だけでなく図45に示すようにTN液晶等でもよ
い。また各電極25,14に誘電体薄膜を積層して、反
射防止効果をもたせること、空気との界面にAIRコー
トを形成すること等、以前の他の実施例で説明した内容
が適用されることは言うまでもない。 (0325)図50は図46の表示パネルの駆動方法を
説明する説明図である。第1のフィールド(フレーム)
でソースドライバ回路491は正極性の映像信号を出力
し、前記映像信号はソース信号線15、TFT155を
通り画素電極14に書き込まれる。一方、対向電極25
および共通電極212はグランド電位にされている。 (0326)正極性の映像信号が画素電極14に書き込
まれると図50に示すように液晶層21aと21bには
実線で示す電界が生じる。 (0327)第1のフレームの次の第2のフレームでは
ドライバ回路491は負極性の映像信号を出力し、前記
映像信号が画素電極14に書き込まれる。したがって、
液晶層21a、21bには点線で示す電界が生じる。以
上のように画素はフレームごとに信号極性が異なった電
圧が書き込まれ、液晶層21は交流電圧が印加される。 (0328)したがって、画素電極14に電圧を印加す
れば、2つの液晶層21a,21bが同時に光変調され
る。従来の1層のみが光変調される構成と比較して、駆
動方法は同一であるが、2層の液晶層を有することによ
り、表示コントラストは格段に良好となる。 (0329)以下、図51を参照しながら、図46に示
す本発明の表示パネルの製造方法について順次説明す
る。図51(a)では、アレイ基板12上に混合溶液3
15を塗布し、離形フィルム182と基板12間に前記
混合溶液315を狭持させる。塗布の方法としてはスピ
ンナーによる方法、ロールクォーターによる方法、滴下
法による方法等が例示される。なお、スピンナー等によ
り均一に塗布できる場合は離形フィルム182は用いる
必要はないことは明らかである。 (0330)次にアレイ基板12の裏面から紫外線光を
照射する。ただし、混合溶液中の液晶成分は370nm
〜390nmの波長の光を吸収しやすく、前記波長によ
り変質する恐れがある。したがって、前記370nm以
上の紫外線光は極力カットすべきである。紫外線光のカ
ットはUV(紫外線)カットフィルタで容易に行うこと
ができる。 (0331)アレイ基板12の裏面から紫外線光を照射
すると前記紫外線光は混合溶液315の樹脂成分を硬化
させ、液晶成分と樹脂成分とは相分離する。しかし、T
FT155、ゲート・ソース信号線15(図示せず)が
形成された部分に入射した紫外線光は遮光され、この部
分の混合溶液315の樹脂成分は硬化しない。 (0332)また、共通電極212はITOでできてい
るため、紫外線光を透過しにくい。そのため図51
(b)に示す共通電極212上(Bで示す)の混合溶液
315と共通電極212が形成されていないところ(A
で示す)上の混合溶液212とは紫外線光の照射量は異
なってくる。 (0333)通常、水滴状液晶の平均径は単位時間あた
りの紫外線光の照射量が多いほど小さくなる。逆に弱い
ほど大きくなる。この平均径が小さいほど印加電圧には
応答しにくくなる。液晶表示パネルの光変調層としてP
D液晶を用いる場合は、一定値以下の電圧で液晶層21
を光透過状態にする必要があり、同時に一定値以下で最
も散乱特性を高くする必要がある。この条件はプロセス
条件(紫外線光を照射する強度、混合溶液315の温
度、液晶成分と樹脂成分との含有比率、液晶層21の膜
厚等)を検討することにより得られる。 (0334)したがって、図51(a)で照射する紫外
線光の強度等は、共通電極212上(Bの範囲)の液晶
層21が可能な印加電圧の範囲で最も散乱特性を高くで
きるようにする。一方、A上の液晶層21は適値よりも
強い紫外線光が照射されるため水滴状液晶の平均径は適
正値よりも小さくなる。しかし、これは幸いする。Aの
範囲の液晶層21は画像表示に有効な範囲でないため、
画素電極14あるいは共通電極212に印加された電圧
により動作しないことが好ましい。平均径が小さけれ
ば、配向状態の変化をしなくなり、たえず黒表示部とな
る。 (0335)紫外線光を照射後、未硬化の混合溶液31
5を洗いながす。洗浄は純氷、アルコール類等を用いて
行う。この洗浄によりTFT155のドレイン端子等上
の混合溶液315は洗い流される。次に液晶層21a上
に画素電極14を形成する。画素電極14を形成する方
法はPD液晶が樹脂であることから容易である。従来か
ら樹脂であるカラーフィルタ上にITO等を形成するプ
ロセスはよく知られているからである。この画素電極1
4aの形成と同時にTFT155のドレイン端子と前記
画素電極14と接続をとる。 (0336)液晶層21aが厚い場合等は画素電極14
とTFT155のドレイン端子間に段差が生じ、段切れ
が生じる場合がある。それを防止するためにはドレイン
端子上にあらかじめ金属あるいは、導電ペーストなどの
導電材料を積層し、その上に画素電極14を形成すれば
よい。 (0337)液晶層21を2層とする構成は図52に図
示した表示パネルも例示される。図52の構成は2枚の
アレイ基板間に1つの対向電極25と2つの液晶層21
a,21bを形成した構成である。 (0338)図52に示すように2つのアレイ基板12
a,12bを用いることにより透過型の表示パネルであ
るにもかかわらず表示コントラストを向上できる。 (0339)図52の構成では画素電極14aに印加す
る信号の極性と画素電極14bに印加する信号の極性を
互いに逆極性となるようにする。たとえば画素電極14
bに+6(V)の電圧を印加した際には画素電極14a
には−6(V)の電圧を印加するようにする。つまり、
液晶層には6(V)−(−6(V))=12(V)の電
圧を印加できる。1フレーム後には極性を逆にして液晶
層21には交流信号を印加する。 (0340)以上のことより図52の構成において通常
の液晶表示パネルの画素印加電圧に比して2倍の電圧を
印加できることになる。したがって、液晶膜厚を厚く
(2倍)できるから表示コントラストを向上できる。 (0341)なお、アレイ基板12a,12bは同一の
ものを用いることができる。ただしアレイ基板12aと
12bとはソースドライバ回路の走査方向を逆にする必
要があるのは言うまでもない。なお、対向電極25は接
着層371としてもよい。駆動方法は先の説明と同一で
ある。ただし、対向電極25がないため、画素電極14
a,14bに印加する電圧のタイミングを同一にしない
と、液晶層に印加する電圧にロスが生じる。 (0342)以下、図52に示す液晶表示パネルの製造
方法について、図53を用いて説明をする。まずアレイ
基板12と、混合溶液を準備する(図53(a)参
照)。 (0343)アレイ基板12に前記混合溶液315を塗
布する。塗布の方法としてロールクオータ,スピンナー
法が例示される。その際、液晶層21の膜厚を規制する
ビーズ161を散布もしくは混合溶液と同時に塗布して
おく(図53(b)参照)。 (0344)次にフッ素樹脂等がコーティングされた離
形フィルム182または基板を混合溶液315上に重ね
る。この際、空気がはいりこまないように、アレイ基板
12端より少しずつ重ねていく。その時の状態を図53
(c)に示す。次に離形フィルム182等上から加圧す
る。その方法としては、離形フィルム182等端から好
ましくソース信号線15またはゲート信号線472に平
行に加圧する。つまり信号線にそってローラ312など
で加圧していく。すると余分な混合溶液315は押し出
される(図53(c)参照)。 (0345)次に、紫外線光を照射し混合溶液315中
の樹脂成分を重合させ硬化させる(相分離させる)。以
上のように樹脂を重合させポリマー24化したのち、離
形フィルム182等を剥離して取り除く。フッ素樹脂は
離形(剥離)性がよいため容易に液晶層21と剥離する
ことができる。前記工程後の状態を図53(d)に示
す。 (0346)以上の手順で液晶を形成したアレイ基板1
2を1組(2枚)作製する。次に作製した1組のアレイ
基板のうち一方に先の混合溶液315をもう一度ごく薄
く塗布する。そして2つのアレイ基板をはりあわせる。
その後もう一度紫外線光を照射する。すると最後に塗布
した混合溶液315が接着層371となり、2つのアレ
イ基板12は一体となり1つの液晶表示パネルとなる。
なお、接着層はアクリル樹脂、ウレタン樹脂であっても
よい。 (0347)PD液晶層21に入射した光は散乱しハレ
ーションをひきおこす。ハレーションした光が液晶表示
パネルのドライバ回路541(ドライバ回路491,4
92等)に入射すると前記ドライバ回路を構成するトラ
ンジスタにホトコンダクタ現象が生じ誤動作をひきおこ
す。この現象はドライバ回路を低温ポリシリコンあるい
は高温ポリシリコン技術で形成した場合はよく発生す
る。 (0348)ドライバ回路のホトコンダクタ現象を防止
する構成を図54、図55、図56に示す。図54では
ドライバ回路541上に遮光膜542を形成した構成で
ある。遮光膜542の形成材料としてはクロム(C
r)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の金属
材料でもよいが光吸収膜152と同様な光を吸収する樹
脂遮光膜が好ましい。液晶層21で乱反射する光を吸収
することによりドライバ回路541に入射する光を抑制
できるからである。金属遮光膜であればA方向からの光
は完全に遮光することができるが、液晶層21で生じる
ハレーション光は反射してしまい逆にドライバ回路54
1に入射させる結果となってしまうためである。金属膜
でも金属クロム/酸化クロムの複合膜(2層クロム)は
反射率が低く、使用できる。その他、誘電体多層膜から
なる誘電体ミラーでもよい。誘電体ミラーは光吸収がな
く発熱がなく好ましい。 (0349)図55のようにドライバ回路541を周辺
および近傍を光吸収樹脂551で充填することは有効な
効果がある(図16の樹脂遮光膜152)。特に光吸収
樹脂551を光硬化型樹脂のものを採用すればより好ま
しい。たとえばUV硬化型アクリル樹脂である。アレイ
基板12と対向基板11とをはりあわす際、ドライバ回
路541上に前記光吸収樹脂551を滴下しておき、両
基板11、12をはりあわせる。その後、光を前記光吸
収樹脂551に照射させることにより硬化すればよい。
光吸収樹脂551がドライバ回路541への光入射を防
止するとともに、封じ樹脂の機能をもつ。したがって、
図55の封止樹脂361を省略してもよい。 (0350)なお、図56に示すように、ドライバ回路
541を対向基板11より外周に形成した場合は、ドラ
イバ回路541を光吸収樹脂551でモールド(包み込
む)すればよい。 (0351)以上の本発明の表示パネルにおいて、液晶
層21の膜厚は均一であるかのように説明したが、これ
に限定されるものではない。たとえば図77,図78に
示されるようにR,G,Bの変調する光の波長に対応し
て各画素電極14上の液晶層21の膜厚を変化させても
よい。図77は膜厚を変化させた基板12上に画素電極
14を形成した構成であり、図78は膜厚を変化させた
基板11上に対向電極25を形成した構成である。膜厚
を変化させる樹脂214としては、アクリル樹脂、ウレ
タン樹脂が例示される。 (0352)PD液晶はR光を変調する場合には平均径
は0.8から1.2μmと比較的大きく、B光を変調す
る場合は0.6〜1.0μmと比較的小さくすることが
よい。また平均径が大きいと駆動に要する電圧は小さく
て済み、逆に小さいと駆動に用いる場合は高くなる(液
晶層21の膜厚が同一の場合)。R光を変調するときの
表示コントラストとGもしくはB光を変調する表示コン
トラストを同一にするには、R光の変調する液晶層の膜
厚をG,B光のそれより厚くし、平均径を大きくする必
要がある。R光の膜厚を厚くしても平均径が大きけれ
ば、G,B光の液晶層と同一の光透過率にするのに必要
とする電圧は同じとなる。 (0353)以上のことから、R光を変調する画素電極
14aは液晶層21aの膜厚を厚く、かつ、平均径を大
きくする。逆にG,B光を変調する画素電極14b,1
4cの液晶層21b,21cの膜厚を薄く、平均径を小
さくする(R画素と比較して)。 (0354)カラーフィルタ151の膜厚をR,G,B
で変化させて液晶層の膜厚を変化させる表示パネルは、
ノーマリブラックモードのTN液晶表示パネルで過去実
用化されたことがある。しかし、これは液晶の旋光特性
が波長に依存することに対応するものであった。また、
カラーフィルタの膜厚を変化させるとカラーフィルタを
透過する光の分光分布が変化し好ましくない。本発明で
は透明の樹脂214で液晶膜厚を変化させ、前記樹脂上
に対向電極25、画素電極14を形成するから、上記課
題は発生しない。カラーフィルタ151は樹脂214を
形成していない基板側に形成する。 (0355)図77、図78では最も厚い液晶層21a
をR用と、最も薄い液晶層21cをB用とし、中間の膜
厚の液晶層21bをG用とする。液晶層21との界面に
は図16に示すような絶縁膜154を形成し、またTF
T155上、信号線15上等には樹脂からなる遮光膜1
52を形成する。 (0356)表示パネルを反射型にするには図79に示
すようにアレイ基板12もしくは対向基板11の表面に
反射膜792を形成すればよい。反射膜792としては
Alが好ましい。ただし、Al膜792が空気と接する
面には酸化を防止するためSiO2(図示せず)を形成
する。もしくはフィルム(図示せず)等を形成し、Al
膜792が直接空気と接しないようにする。 (0357)入射光はカラーフィルタ151側から入射
する。入射した光は反射膜792で反射し、反射した光
の一部はTFT155に入射する。TFT155に入射
する光を防止するためTFT155の裏面に遮光膜79
1を形成する。 (0358)遮光膜791は図80に示すように画素電
極14に対応するように開口部341が形成されてい
る。つまり、遮光膜791はTFT、信号線15近傍を
遮光するBMとして機能する。遮光膜は金属クロム/酸
化クロムの2層クロムで形成する。遮光膜の反射率が高
いと表示画像にゴースト像が発生するからである。遮光
膜791は樹脂等で形成してもよいが、その際は耐熱性
が課題となる。 (0359)図81は断面図である。アレイ基板12上
には0.1μm程度のSiO2層811が形成される。
これは、アレイ基板12からの不純物の溶出等を防止す
るためである。前記SiO2層811上にCr等で遮光
膜791を形成する。遮光膜791の膜厚は0.1μm
(1000オングストローム)である。前記遮光膜79
1上にSiO2もしくはSiNxからなる絶縁膜214
から形成されている。前記絶縁膜214はピンホール等
の発生を防止するため複数回にわけて形成する。前記絶
縁膜214にITOからなるストライプ状の共通電極2
12(図47参照)が形成されている。画素電極14と
共通電極212間にはSiO2等の誘電体膜812が形
成され、画素電極14および共通電極212を電位とし
て蓄積容量が形成されている。また画素電極14と液晶
層21との界面にはポリイミドからなる絶縁膜154が
形成されている。遮光膜791およびストライプ状の共
通電極212をよび蓄積容量をもつこの構成は、当然の
ことながら本発明の他の表示パネルにも適用される。 (0360)なお、特にことわっていないかぎり、本明
細書の各図面および説明した内容は他の各図面の表示パ
ネル、装置、方法等に相互に適用される。たとえば図4
7の内容および構成は図1の表示パネルにも適用するこ
とができる。 (0361)また、本発明の表示パネルの光変調層21
として光散乱状態の変化として光学像を形成するものを
用いる時、たとえば光変調層としてPD液晶を用いる時
は、光変調層21が電圧無印状態(光散乱状態)で、光
変調層21に入射する微小領域への入射光の照度をE、
前記基板21の法線方向から測定した微小領域の輝度を
Bとし、πを円周率とするとき次式を満足するようにす
る。 (0362)
トで高輝度の投射型表示装置を実現できる。 (0276)図58で示すように信号線15等と画素電
極14間での電磁的結合が生じ、電気力線19が発生す
ると、前記電気力線19に沿って液晶分子20が配向す
る。そのため信号線15近傍に光ぬけが生じ表示コント
ラストを低下させる。 (0277)図6および図16の実施例では信号線15
近傍の電気力線19の発生を抑制するため、低誘電体膜
等を形成した。しかし、低誘電体膜も誘電体である。そ
のため比誘電率は3以上であり電気力線19の抑制効果
は完全ではない。 (0278)図57は信号線15の近傍のPD液晶21
を除去している。そのため信号線15の周辺部の比誘電
率はほぼ1である。画素電極14にPD液晶層21が形
成されている。一方、信号線15上には空間571があ
り、対向電極25上には遮光膜202が形成されてい
る。遮光膜202の形成材料としてはCrなどが例示さ
れる。前記空間571にはN2、Ne、He等の不活性
ガスが注入されている 。不活性ガスとしては特にN2を
用いることが好ましい。 (0279)以下、図59を参照しながら図57に示す
表示パネル22の製造方法について説明をする。図59
は本発明の表示パネル22の製造方法の説明図である。
まず、図59(a)に示すように遮光膜(遮光パター
ン)202が形成されたマスク181とアレイ基板12
間に混合溶液315を狭持させる。遮光膜(遮光パター
ン)202はソース信号線15、ゲート信号線、TFT
155等上に形成される。遮光膜(遮光パターン)20
2はAl,Cr等で形成することが好ましい。紫外線光
等を吸収する割合が小さいからである。またPD液晶層
21を所定膜厚とするために混合溶液315にはビーズ
161をまぜておく。もしくはビーズ161を散布す
る。その後、マスク181側から紫外線光183を照射
する。 (0280)図59(a)工程後の状態を図60に示
す。紫外線光183aは遮光膜(遮光パターン)202
に入射する。そのため混合溶液315には入射せず反射
される。紫外線183bは混合溶液315に入射する。
したがって、混合溶液315のA部の樹脂は重合せず、
B部の重合して、液晶成分と樹脂成分とが相分離する。 (0281)紫外線光183を照射させ、混合溶液31
5を相分離した後、マスク181を取り去ると図59
(c)のようになる。その後、未重合の混合溶液315
を洗いながす。これは純水等で洗浄することで容易であ
る。未重合の部分Aは洗い流されるため、図59(c)
の状態となる。そのため、信号線15、TFT(図示せ
ず)上等の遮光膜(遮光パターン)202が形成された
箇所には空間571が生じる。前記空間部571は空気
であるから比誘電率はほぼ1である。したがって、誘電
率が低く、電気力線は発生しにくい。 (0282)次に、図59(d)に示すように遮光膜2
02を形成した対向基板11とアレイ基板21とを不活
性ガス中で貼り合わせる。接着はUV樹脂等を用いて行
う。 (0283)図59の製造方法で遮光膜(遮光パター
ン)202を形成したマスク181を用いてPD液晶層
21を形成した。このマスクは他の製造方法にも応用で
きる。たとえば図61に示すように対向電極25上に遮
光膜202aが形成されている場合である。 (0284)遮光膜202aは通常Cr等で形成されて
いるため混合溶液315を相分離させる際に紫外線光を
照射すると、紫外線光を吸収し加熱する。そのため遮光
膜202aの周辺部の混合溶液315が加熱され、遮光
膜(BM)近傍のPD液晶層21の平均径が大きくな
る。 (0285)そこで遮光膜202aと同一形状の遮光膜
(遮光パターン)202bを形成したマスク181を用
いて紫外線光を混合溶液315に照射する。紫外線光1
83aは遮光膜(遮光パターン)202bに入射する。
そのため遮光膜202aには入射しない。一方紫外線光
183bは遮光されることなく混合溶液315に入射
し、画素電極14上のそれを相分離する。 (0286)以上のように図61に示すマスク181を
用いて混合溶液315に紫外線光を照射することにより
表示パネルに遮光膜202が形成されていても良好にP
D液晶層21を形成できる。 (0287)なお、遮光膜(遮光パターン)202bは
遮光膜202aの形状にするとしたが、アレイ基板12
側からマスク181を介して紫外線光を照射する場合
は、マスク181の遮光パターンをソース信号線15お
よびゲート信号線およびTFT155等の形状パターン
とすればよいことは言うまでもない。 (0288)図62に示す表示パネル22は画素電極1
4上にカラーフィルタ151を形成してる。画素電極1
4a上にはR色のカラーフィルタ151aを形成し、画
素電極14b上にはG色のカラーフィルタ151bを、
画素電極14c上にはB色のカラーフィルタ151cを
形成している。また、画素電極14a上のPD液晶21
aの平均径aと画素電極14b上のPD液晶21bの平
均径bと画素電極14c上のPD液晶21cの平均径c
との関係はa>b≧cとなるようにしている。 (0289)これは変調する光の波長を最適に変調でき
る平均径とは相関があるからである。光の波長が長いほ
ど平均径は大きくする必要がある。つまりB光を変調す
るPD液晶層21の平均径はR光を変調するPD液晶層
21の平均径より小さくする。 (0290)図63は図62に示す本発明の表示パネル
の製造方法の説明図である。図63(a)に示すように
マスク181はB光を変調するの画素電極14c上を開
口されている。次に遮光膜(遮光パターン)202aを
形成したマスク181とアレイ基板12間に第1の混合
溶液315aを狭持させる。その後、強度cの紫外線光
183cを照射し、マスク181の開口部下の混合溶液
315aを相分離させる。その後マスク181を取りさ
り、未重合の混合溶液315aを洗い流せば図63
(b)の状態となる。 (0291)次に前記マスク181を移動させ、開口部
がG光を変調する画素電極14b上となるようにする。
そして再びマスク181とアレイ基板12間に混合溶液
315bを狭持させ、強度bの紫外線光183bを照射
する。その後、マスク181を取り去り、未重合の混合
溶液315bを洗い流せば図63(d)の状態となる。 (0292)次に対向電極25を形成した対向基板11
とアレイ基板12とを貼り合わせ両基間に混合溶液31
5cを狭持させる。その後、強度aの紫外線光183c
を照射し、R光を変調するの画素電極14a上の混合溶
液315cを相分離させる。 (0293)紫外線光の強度は強度c<強度b<強度a
となるようにする。単位時間あたりの紫外線のエネルギ
ー強度にほぼ比例して平均径は変化する。強度が強いほ
ど平均径は小さくなる。また、混合溶液315の液晶成
分と樹脂成分との比率を変化させても平均径は変化す
る。通常液晶成分の含有率を多くするほど平均径は大き
くなる。以上のようにマスク181を用い、紫外線光1
83の強度および液晶成分と樹脂成分との比率を変化さ
せることにより変調する各入射光の波長に最適な平均径
とすることができる。 (0294)図64はマスク181としてマイクロレン
ズ641が形成された透明基板642を用いたものであ
る。透明基板642上にマイクロレンズ641a、64
1bが形成される。マイクロレンズ641aはBの画素
に対応し、混合溶液315のアの箇所に入射する。また
マイクロレンズ641bはGの画素に対応し、混合溶液
315のイの箇所に入射する。また、マイクロレンズ6
41が形成されていない箇所はRの画素に対応し、混合
溶液315のウの箇所に入射する。透明基板642を平
面的にみると図65のようにマイクロレンズ641等は
配置されている。 (0295)紫外線光183は透明基板642を介して
混合溶液315に照射される。マイクロレンズ641a
の作用により混合溶液315のアの箇所は紫外線の強度
が最も強くなる。マイクロレンズ641bは、焦点距離
がマイクロレンズ641aより長い。そのため混合溶液
315のイの箇所の紫外線光183の強度はアの箇所よ
りも弱くなる。混合溶液315のウの箇所上にはマイク
ロレンズがなく紫外線光183が集光されないため最も
弱くなる。 (0296)以上のようにマイクロレンズ641により
混合溶液315中に光を集光しているのにもかかわら
ず、画素電極14上の混合溶液315を完全に相分離で
きるのは、画素の開口率が50%程度と低い点にある。
マイクロレンズ641で入射光を完全に集光でき、かつ
画素の開口率が50%であれば、アの箇所は単位面積あ
たりの紫外線強度を2倍にできる。つまり、ウの箇所の
紫外線光の強度を1とするとアの箇所の紫外線光の強度
を2倍にしても画素電極14上の混合溶液315を完全
に相分離することができる。 (0297)単位面積あたりの紫外線光の強度を変化さ
せれば平均径は変化する。単位面積あたりの紫外線光の
強度が強くなれば平均径は小さくなる。以上の原理から
マイクロレンズ641の曲率を変化させて集光効率を変
化させれば透明基板642に入射する紫外線光の単位面
積あたりの強度が均一であっても、混合溶液315中に
おいては変調する画素(R、G、B)に応じて最適な平
均径を得ることができる。 (0298)混合溶液315中の単位面積あたりの強度
はマイクロレンズ641の大きさ、焦点距離(曲率)を
変化させれば自由に設定できる。また、マイクロレンズ
641は、金型を作製し、UV樹脂を前記金型に注入し
て転写すれば容易に作製できる。 (0299)図64のように対向基板11側からマイク
ロレンズ641を介して紫外線光を照射する場合はカラ
ーフィルタ151は各画素電極14上に形成する。アレ
イ基板12側からマイクロレンズ641を介して紫外線
光を照射する場合は、対向電極11上にカラーフィルタ
を形成すればよい。 (0300)以上のようにマイクロレンズ641を用い
れば図62のようにR、G、Bの波長に対して最適な平
均径を有する表示パネルを容易に作製できる。 (0301)図64は図65に示すようにカラーフィル
タ151がモザイク状に形成されている場合である。図
66(b)のようにカラーフィルタ151がストライプ
状に形成されている場合は、図66(a)に示すように
ストライプ状のマイクロレンズ641を用いればよい。
焦点距離にもよるが、図66において一例としてマイク
ロレンズ641cをB変調画素に、マイクロレンズ64
1dをG変調画素に、マイクロレンズがない箇所をR光
変調画素に対応させればよい。 (0302)図64ではRの画素に対応する箇所にはマ
イクロレンズ641を形成しないとしたが、図68
(b)のようにR、G、B画素に対応するようにマイク
ロレンズ641a、641b、641cを形成してもよ
い。また、図68(a)のように、マイクロレンズ64
1のかわりに微細なプリズム671を形成してもよい。
また、マイクロレンズ641は表面が凸上のものだけで
なく、図67(b)に示すようにイオン交換技術等を用
いて透明基板642内にマイクロレンズ641を形成し
てもよい。この技術によるマイクロレンズ641の作製
方法は日本板硝子(株)が実用化している。 (0303)図61はマスク181に遮光膜(遮光パタ
ーン)202bを形成し、遮光膜202に紫外線を照射
しないようにして混合溶液315を相分離させるもので
あった。マスク181のかわりに、図69に示すように
マイクロレンズ641を用いても遮光膜202に紫外線
光を照射させることなく混合溶液315を良好に相分離
させることができる。 (0304)透明基板642に入射した紫外線光183
はマイクロレンズ641で集光され、遮光膜202は入
射しない。そのため遮光膜202は紫外線光を吸収する
ことない。したがって、遮光膜202の近傍の平均径が
大きくなって光抜けが生じることはない。 (0305)なお、図69の斜線の箇所に光結合剤69
1を充填することは有効である。光結合剤169として
アクリル樹脂、水、アルコール、エチレングリコール等
が例示される。特に水は工程後乾燥させるだけでよいか
ら好ましい。マイクロレンズ641の屈折率はマイクロ
レンズ641をUV樹脂等で形成した場合、1.45か
ら1.50である。一方、水の屈折率は前記マイクロレ
ンズ641の屈折率よりも0.1程度小さい。また、対
向基板11の厚みは0.8〜1.1mmである。したが
って、マイクロレンズ641の焦点距離も0.8〜1.
1mmにする必要がある。しかし、マイクロレンズ64
1の凸部に接する部分が空気であればその屈折率差が大
きすぎ、マイクロレンズ641の焦点距離が極めて短く
なる。そのため、焦点は対向基板11内となる。これで
は混合溶液315中での紫外線光強度を変化することが
できない。焦点距離を長くするためには、マイクロレン
ズの曲率Rを大きくする必要があるが加工精度上限界が
ある。なぜならば曲率Rが極めて大きくなり、マイクロ
レンズの高さが低くなって、所望のマイクロレンズを作
ることができなくなるからである。対向基板11等の板
厚は0.7mm〜1.1mmであるので、画素サイズ5
0μm〜300μmとするとマイクロレンズ641の焦
点距離はかなり長いものが必要である。光結合剤691
を用いることにより屈折率差が小さくなり、焦点距離の
長いものを作製することが容易になると思われる。 (0306)図69に示すように斜線部に水(光結合剤
691)等を充填するとマイクロレンズとマイクロレン
ズの凸部に接する水との屈折率が小さくなるから焦点距
離も長くなり、丁度、遮光膜202を通過できる程度の
焦点距離を容易に実現できる。また、マイクロレンズ6
41と対向基板11間のハレーションの発生も防止でき
る。マイクロレンズ641により入射光の光路が屈折さ
れるため以上の説明したハレーションの防止の効果はマ
イクロレンズ641がイオン交換技術(図67(b)参
照)で形成されたものにも有効である。また、図64の
場合にもマイクロレンズ641等と基板との間隔に水等
の光結合剤691を充填することは効果があることは言
うまでもない。マイクロレンズは図68(a)のプリズ
ム等に置きかえてもよいことは言うまでもない。 (0307)図69はマイクロレンズ641により画素
電極14上の混合溶液315を良好に相分離させる方法
の説明であった。紫外線光の照射時間は約30秒〜90
秒程度であり、また、前記時間で相分離を完了させる強
度の紫外線を照射する。 (0308)マイクロレンズ641を用い、かつ、紫外
線光の強度を適正にして紫外線光の照射時間を1分以上
にする等、混合溶液の相分離方法を考慮すると、画素電
極14上に樹脂成分との液晶成分との密度分布を生じさ
せることができる。この状態を図70に示す。液晶層2
1の点線が多い箇所が樹脂成分が多いことを示す。樹脂
の屈折率は液晶の屈折率よりも低い。したがって、画素
電極14の中央部(マイクロレンズの中央部)の屈折率
が低く、画素電極14の周辺部にいくにしたがい屈折率
が高くなる。 (0309)また、画素電極14の中央部に樹脂成分の
みとし、周辺部を液晶成分のみとし、液晶分子を前記樹
脂に沿って配向させることができる。このような液晶表
示パネルを単独もしくは偏光板131と組み合わせて用
いることにより、視野角の広い表示パネルを得ることが
できる。 (0310)これはマイクロレンズ641の焦点部の紫
外線光の強度が強いため、中央部の樹脂から硬化を開始
し、中央部の液晶成分を周辺部(もしくは周辺部樹脂成
分を中央部にとりこみながら)に追い出すためと考えら
れる。 (0311)ただし、上記実施例ではマイクロレンズ6
41を用いて図70に示す“分布”を形成するとした
が、図18に示すマスク181を用いても同様の表示パ
ネルを作製できる。マスクで画素電極14の中央部に紫
外線光を照射すればよいのである。また、相分離時に画
素電極14等に電圧を印加すれば液晶分子の配向は容易
となる。 (0312)したがって、図71(a)に示すように
“オフ状態”で入射光を散乱するが、概念的には図71
(c)に示すように凹レンズ711と通常の光散乱モー
ドが組み合わさった状態となっていると思われる。つま
り、一つの画素をみれば中央部の屈折率が低く、周辺部
の屈折率が高いのであるから凹レンズ711として機能
する。また通常のPD液晶層のように水滴状液晶で散乱
もする。そのため凹レンズ効果の分だけ“オフ状態”の
散乱特性が高い。図71(b)の“オン状態”では、液
晶層21の屈折率は均一となるから液晶層21が透明状
態となり入射光がそのまま出射する。以上のことから図
70の表示パネルは表示コントラストを高くできる。た
だし、この効果は直視表示パネルとして用いるときには
視野角が広くなるという効果としても発揮されると考え
られる。 (0313)以上はマイクロレンズ641により混合溶
液315を良好に相分離させる構成であった。しかし、
製造工程において、マイクロレンズ641と画素電極1
4とを位置合わせをするのは時間がかかる。そのため、
マイクロレンズ基板642を対向基板11または/およ
びアレイ基板12とあらかじめ一体化しておいてもよ
い。混合溶液315の相分離時はマイクロレンズ641
で集光して良好に相分離できる。また表示パネルをライ
トバルブとして使用するときはマイクロレンズ641の
集光作用により発光ランプから放射される光をTFT1
55、遮光膜202等で入射光をさえぎられることなく
出射できるため光利用率を高くできる。 (0314)図73に示すように信号線15上にマイク
ロレンズ641aを形成することも効果がある。マイク
ロレンズ641aに入射する紫外線光183bは信号線
15上のA部に強く入射する。そのためA部の液晶層2
1の平均径は小さくなり、高散乱となり、かつ、透過状
態とするに要する電圧は10(V)以上となる。そのた
めA部は常に散乱状態となる。紫外線183aはそのま
ま画素電極14に入射し、前記電極14上の液晶層21
を最適に相分離する。 (0315)以上の本発明の表示パネルではPD液晶層
21は一層として説明してきたが、これには限定されな
い。たとえは図40に示すようにPD液晶の平均径が異
なる液晶層21aと21bを積層してもよいし、図41
に示すように第1の画素電極14aと対向電極25間に
第1PD液晶層21aが形成され、第2の画素電極14
bと対向電極25間に第2のPD液晶層21bが形成さ
れたものでもよい。また画素電極14にそれぞれスイッ
チング素子155が形成されたアクティブマトリックス
型表示パネルだけに限定するものではなく図42に示す
ようにストライプ状電極421で画素を形成する単純マ
トリックス型表示パネルであってもよい。また、図43
に示すように液晶層21aと21bとが積層されその上
に対向電極25が形成され、対向基板11を具備しない
ものであってもよい。また、図44に示すようにマゼン
ダ光を変調する色素等を含有する液晶層21a、シアン
光を変調する色素等を含有する液晶層21b、イエロー
光を変調する色素等を含有する液晶層21cが積層され
た表示パネルであっても良い。また、図45に示すよう
に一層がTN液晶層21bであり、他の層がPD液晶層
21aである表示パネルでもよい。その他液晶層が強誘
電液晶、コレステリック液晶、STN液晶、ホメオトロ
ピック液晶層であってもよい。 (0316)さらには本明細書に記載した技術的思想は
光書き込み型表示パネル、レーザ書き込み型表示パネ
ル、熱書き込み型表示パネル、PDP(プラズマディス
プレイパネル)、PALCD(プラズマアドレス液晶デ
ィスプレイ)、無機EL表示パネル、有機ELパネルに
も適用できる。 (0317)図40、図41は液晶層21を2層で構成
した表示パネルであるが具体的には図46の構成が例示
される。図46は本発明の表示パネルの断面図である。
画素電極14と共通電極212間に第1の液晶層21a
が狭持され、画素電極14と対向電極25間に第2の液
晶層21bが狭持されている。TFT155には遮光膜
152もしくは202が形成されてホトコンの発生を防
止している。また、液晶層21aと21bの組成、構成
等(たとえば平均粒子径)を変化させてもよいことは言
うまでもない。 (0318)図49は図46の表示パネルの等価回路図
である。図49からわかるように画素電極14を共通の
電極として液晶層21aと21bが配置されている。な
お、画素電極14は接続部382でTFT155のドレ
イン端子に接続されている。共通電極212はストライ
プ状のITOからなる電極であり、パネルの表示領域外
で対向電極25と電気的に接続されている。 (0319)図47はアレイ基板12の平面図である。
ただし、理解を容易にするため、画素電極14等は取り
除いたところを示している。共通電極212は全画素電
極14に共通の電極である。本来は全面電極(ベタ電
極)とすることが好ましいが、ゲート信号線471と交
差することがパターン上困難である。そのため本発明で
は図47に示すように絶縁膜154でソース信号線15
と絶縁をたもち、各画素の左右方向に接続し、表示領域
外の箇所で他の共通電極212と電気的接続をとってい
る。さらに表示領域外の箇所で対向電極25と接続を取
っている。なお、対向電極25はITOのベタ電極であ
る。 (0320)共通電極212とソース信号線15が交差
する箇所は、共通電極212の幅を狭くしている。これ
は、共通電極212とソース信号線15とのショートを
防止すること、ソース信号線15の寄生容量を低減させ
るためである。交差部の幅は画素サイズの1/2以下と
することが好ましい。たとえば、画素サイズの縦方向の
長さが100μmであれば50μm以下とする。 (0321)しかし、共通電極212はITOで形成す
るため画素サイズが50μmで、パネルサイズが3イン
チ程度のとき、抵抗値が100KΩ以上となる。そのた
め、TFT155から画素電極14に電圧を書き込んだ
時、同時に共通電極212の電位が変化するという問題
が生じる。その対策として本発明では、共通電極212
上に金属材料からなる金属配線471を形成している。
金属配線としてCr等が例示される。 (0322)図47のAA’線での断面図を図48に示
す。アレイ基板12上にSiO2膜(図示せず)、IT
Oからなるストライプ状の共通電極212が形成され、
共通電極212上に金属配線471が形成されている。
154はSiO2,Ta2O3,TaOx,SiNxなど
からなる絶縁膜である。絶縁膜154はピンホールを防
止するため複数回にわけて蒸着して形成する。 (0323)共通電極212と画素電極14間に蓄積容
量を形成することにより、TFT155のオフ特性が悪
くても画素電極14の電位を1フレーム間保持できる。
特にTFTが低温ポリシリコン技術で形成されている場
合、TFTのオフ特性(オフリークが発生するため)が
悪く、図46に示す共通電極212を形成する構成は有
用である。画素の行方向にストライプ状共通電極212
をITOで形成する構成は図46の2層のPD液晶層を
有する表示パネルと特有の構成ではなく、他の液晶表示
パネル(たとえばTN液晶表示パネル、1層の液晶層を
有するPD液晶表示パネル)にも有用である。 (0324)図46において液晶層21aと液晶層21
bをPD液晶で形成する場合、水滴状液晶の平均粒子径
又はポリマーネットワークの平均孔径を異ならせること
が好ましく、また、一方の液晶にゲストホスト液晶を含
有させること、樹脂に着色を行うことも好ましい。PD
液晶だけでなく図45に示すようにTN液晶等でもよ
い。また各電極25,14に誘電体薄膜を積層して、反
射防止効果をもたせること、空気との界面にAIRコー
トを形成すること等、以前の他の実施例で説明した内容
が適用されることは言うまでもない。 (0325)図50は図46の表示パネルの駆動方法を
説明する説明図である。第1のフィールド(フレーム)
でソースドライバ回路491は正極性の映像信号を出力
し、前記映像信号はソース信号線15、TFT155を
通り画素電極14に書き込まれる。一方、対向電極25
および共通電極212はグランド電位にされている。 (0326)正極性の映像信号が画素電極14に書き込
まれると図50に示すように液晶層21aと21bには
実線で示す電界が生じる。 (0327)第1のフレームの次の第2のフレームでは
ドライバ回路491は負極性の映像信号を出力し、前記
映像信号が画素電極14に書き込まれる。したがって、
液晶層21a、21bには点線で示す電界が生じる。以
上のように画素はフレームごとに信号極性が異なった電
圧が書き込まれ、液晶層21は交流電圧が印加される。 (0328)したがって、画素電極14に電圧を印加す
れば、2つの液晶層21a,21bが同時に光変調され
る。従来の1層のみが光変調される構成と比較して、駆
動方法は同一であるが、2層の液晶層を有することによ
り、表示コントラストは格段に良好となる。 (0329)以下、図51を参照しながら、図46に示
す本発明の表示パネルの製造方法について順次説明す
る。図51(a)では、アレイ基板12上に混合溶液3
15を塗布し、離形フィルム182と基板12間に前記
混合溶液315を狭持させる。塗布の方法としてはスピ
ンナーによる方法、ロールクォーターによる方法、滴下
法による方法等が例示される。なお、スピンナー等によ
り均一に塗布できる場合は離形フィルム182は用いる
必要はないことは明らかである。 (0330)次にアレイ基板12の裏面から紫外線光を
照射する。ただし、混合溶液中の液晶成分は370nm
〜390nmの波長の光を吸収しやすく、前記波長によ
り変質する恐れがある。したがって、前記370nm以
上の紫外線光は極力カットすべきである。紫外線光のカ
ットはUV(紫外線)カットフィルタで容易に行うこと
ができる。 (0331)アレイ基板12の裏面から紫外線光を照射
すると前記紫外線光は混合溶液315の樹脂成分を硬化
させ、液晶成分と樹脂成分とは相分離する。しかし、T
FT155、ゲート・ソース信号線15(図示せず)が
形成された部分に入射した紫外線光は遮光され、この部
分の混合溶液315の樹脂成分は硬化しない。 (0332)また、共通電極212はITOでできてい
るため、紫外線光を透過しにくい。そのため図51
(b)に示す共通電極212上(Bで示す)の混合溶液
315と共通電極212が形成されていないところ(A
で示す)上の混合溶液212とは紫外線光の照射量は異
なってくる。 (0333)通常、水滴状液晶の平均径は単位時間あた
りの紫外線光の照射量が多いほど小さくなる。逆に弱い
ほど大きくなる。この平均径が小さいほど印加電圧には
応答しにくくなる。液晶表示パネルの光変調層としてP
D液晶を用いる場合は、一定値以下の電圧で液晶層21
を光透過状態にする必要があり、同時に一定値以下で最
も散乱特性を高くする必要がある。この条件はプロセス
条件(紫外線光を照射する強度、混合溶液315の温
度、液晶成分と樹脂成分との含有比率、液晶層21の膜
厚等)を検討することにより得られる。 (0334)したがって、図51(a)で照射する紫外
線光の強度等は、共通電極212上(Bの範囲)の液晶
層21が可能な印加電圧の範囲で最も散乱特性を高くで
きるようにする。一方、A上の液晶層21は適値よりも
強い紫外線光が照射されるため水滴状液晶の平均径は適
正値よりも小さくなる。しかし、これは幸いする。Aの
範囲の液晶層21は画像表示に有効な範囲でないため、
画素電極14あるいは共通電極212に印加された電圧
により動作しないことが好ましい。平均径が小さけれ
ば、配向状態の変化をしなくなり、たえず黒表示部とな
る。 (0335)紫外線光を照射後、未硬化の混合溶液31
5を洗いながす。洗浄は純氷、アルコール類等を用いて
行う。この洗浄によりTFT155のドレイン端子等上
の混合溶液315は洗い流される。次に液晶層21a上
に画素電極14を形成する。画素電極14を形成する方
法はPD液晶が樹脂であることから容易である。従来か
ら樹脂であるカラーフィルタ上にITO等を形成するプ
ロセスはよく知られているからである。この画素電極1
4aの形成と同時にTFT155のドレイン端子と前記
画素電極14と接続をとる。 (0336)液晶層21aが厚い場合等は画素電極14
とTFT155のドレイン端子間に段差が生じ、段切れ
が生じる場合がある。それを防止するためにはドレイン
端子上にあらかじめ金属あるいは、導電ペーストなどの
導電材料を積層し、その上に画素電極14を形成すれば
よい。 (0337)液晶層21を2層とする構成は図52に図
示した表示パネルも例示される。図52の構成は2枚の
アレイ基板間に1つの対向電極25と2つの液晶層21
a,21bを形成した構成である。 (0338)図52に示すように2つのアレイ基板12
a,12bを用いることにより透過型の表示パネルであ
るにもかかわらず表示コントラストを向上できる。 (0339)図52の構成では画素電極14aに印加す
る信号の極性と画素電極14bに印加する信号の極性を
互いに逆極性となるようにする。たとえば画素電極14
bに+6(V)の電圧を印加した際には画素電極14a
には−6(V)の電圧を印加するようにする。つまり、
液晶層には6(V)−(−6(V))=12(V)の電
圧を印加できる。1フレーム後には極性を逆にして液晶
層21には交流信号を印加する。 (0340)以上のことより図52の構成において通常
の液晶表示パネルの画素印加電圧に比して2倍の電圧を
印加できることになる。したがって、液晶膜厚を厚く
(2倍)できるから表示コントラストを向上できる。 (0341)なお、アレイ基板12a,12bは同一の
ものを用いることができる。ただしアレイ基板12aと
12bとはソースドライバ回路の走査方向を逆にする必
要があるのは言うまでもない。なお、対向電極25は接
着層371としてもよい。駆動方法は先の説明と同一で
ある。ただし、対向電極25がないため、画素電極14
a,14bに印加する電圧のタイミングを同一にしない
と、液晶層に印加する電圧にロスが生じる。 (0342)以下、図52に示す液晶表示パネルの製造
方法について、図53を用いて説明をする。まずアレイ
基板12と、混合溶液を準備する(図53(a)参
照)。 (0343)アレイ基板12に前記混合溶液315を塗
布する。塗布の方法としてロールクオータ,スピンナー
法が例示される。その際、液晶層21の膜厚を規制する
ビーズ161を散布もしくは混合溶液と同時に塗布して
おく(図53(b)参照)。 (0344)次にフッ素樹脂等がコーティングされた離
形フィルム182または基板を混合溶液315上に重ね
る。この際、空気がはいりこまないように、アレイ基板
12端より少しずつ重ねていく。その時の状態を図53
(c)に示す。次に離形フィルム182等上から加圧す
る。その方法としては、離形フィルム182等端から好
ましくソース信号線15またはゲート信号線472に平
行に加圧する。つまり信号線にそってローラ312など
で加圧していく。すると余分な混合溶液315は押し出
される(図53(c)参照)。 (0345)次に、紫外線光を照射し混合溶液315中
の樹脂成分を重合させ硬化させる(相分離させる)。以
上のように樹脂を重合させポリマー24化したのち、離
形フィルム182等を剥離して取り除く。フッ素樹脂は
離形(剥離)性がよいため容易に液晶層21と剥離する
ことができる。前記工程後の状態を図53(d)に示
す。 (0346)以上の手順で液晶を形成したアレイ基板1
2を1組(2枚)作製する。次に作製した1組のアレイ
基板のうち一方に先の混合溶液315をもう一度ごく薄
く塗布する。そして2つのアレイ基板をはりあわせる。
その後もう一度紫外線光を照射する。すると最後に塗布
した混合溶液315が接着層371となり、2つのアレ
イ基板12は一体となり1つの液晶表示パネルとなる。
なお、接着層はアクリル樹脂、ウレタン樹脂であっても
よい。 (0347)PD液晶層21に入射した光は散乱しハレ
ーションをひきおこす。ハレーションした光が液晶表示
パネルのドライバ回路541(ドライバ回路491,4
92等)に入射すると前記ドライバ回路を構成するトラ
ンジスタにホトコンダクタ現象が生じ誤動作をひきおこ
す。この現象はドライバ回路を低温ポリシリコンあるい
は高温ポリシリコン技術で形成した場合はよく発生す
る。 (0348)ドライバ回路のホトコンダクタ現象を防止
する構成を図54、図55、図56に示す。図54では
ドライバ回路541上に遮光膜542を形成した構成で
ある。遮光膜542の形成材料としてはクロム(C
r)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の金属
材料でもよいが光吸収膜152と同様な光を吸収する樹
脂遮光膜が好ましい。液晶層21で乱反射する光を吸収
することによりドライバ回路541に入射する光を抑制
できるからである。金属遮光膜であればA方向からの光
は完全に遮光することができるが、液晶層21で生じる
ハレーション光は反射してしまい逆にドライバ回路54
1に入射させる結果となってしまうためである。金属膜
でも金属クロム/酸化クロムの複合膜(2層クロム)は
反射率が低く、使用できる。その他、誘電体多層膜から
なる誘電体ミラーでもよい。誘電体ミラーは光吸収がな
く発熱がなく好ましい。 (0349)図55のようにドライバ回路541を周辺
および近傍を光吸収樹脂551で充填することは有効な
効果がある(図16の樹脂遮光膜152)。特に光吸収
樹脂551を光硬化型樹脂のものを採用すればより好ま
しい。たとえばUV硬化型アクリル樹脂である。アレイ
基板12と対向基板11とをはりあわす際、ドライバ回
路541上に前記光吸収樹脂551を滴下しておき、両
基板11、12をはりあわせる。その後、光を前記光吸
収樹脂551に照射させることにより硬化すればよい。
光吸収樹脂551がドライバ回路541への光入射を防
止するとともに、封じ樹脂の機能をもつ。したがって、
図55の封止樹脂361を省略してもよい。 (0350)なお、図56に示すように、ドライバ回路
541を対向基板11より外周に形成した場合は、ドラ
イバ回路541を光吸収樹脂551でモールド(包み込
む)すればよい。 (0351)以上の本発明の表示パネルにおいて、液晶
層21の膜厚は均一であるかのように説明したが、これ
に限定されるものではない。たとえば図77,図78に
示されるようにR,G,Bの変調する光の波長に対応し
て各画素電極14上の液晶層21の膜厚を変化させても
よい。図77は膜厚を変化させた基板12上に画素電極
14を形成した構成であり、図78は膜厚を変化させた
基板11上に対向電極25を形成した構成である。膜厚
を変化させる樹脂214としては、アクリル樹脂、ウレ
タン樹脂が例示される。 (0352)PD液晶はR光を変調する場合には平均径
は0.8から1.2μmと比較的大きく、B光を変調す
る場合は0.6〜1.0μmと比較的小さくすることが
よい。また平均径が大きいと駆動に要する電圧は小さく
て済み、逆に小さいと駆動に用いる場合は高くなる(液
晶層21の膜厚が同一の場合)。R光を変調するときの
表示コントラストとGもしくはB光を変調する表示コン
トラストを同一にするには、R光の変調する液晶層の膜
厚をG,B光のそれより厚くし、平均径を大きくする必
要がある。R光の膜厚を厚くしても平均径が大きけれ
ば、G,B光の液晶層と同一の光透過率にするのに必要
とする電圧は同じとなる。 (0353)以上のことから、R光を変調する画素電極
14aは液晶層21aの膜厚を厚く、かつ、平均径を大
きくする。逆にG,B光を変調する画素電極14b,1
4cの液晶層21b,21cの膜厚を薄く、平均径を小
さくする(R画素と比較して)。 (0354)カラーフィルタ151の膜厚をR,G,B
で変化させて液晶層の膜厚を変化させる表示パネルは、
ノーマリブラックモードのTN液晶表示パネルで過去実
用化されたことがある。しかし、これは液晶の旋光特性
が波長に依存することに対応するものであった。また、
カラーフィルタの膜厚を変化させるとカラーフィルタを
透過する光の分光分布が変化し好ましくない。本発明で
は透明の樹脂214で液晶膜厚を変化させ、前記樹脂上
に対向電極25、画素電極14を形成するから、上記課
題は発生しない。カラーフィルタ151は樹脂214を
形成していない基板側に形成する。 (0355)図77、図78では最も厚い液晶層21a
をR用と、最も薄い液晶層21cをB用とし、中間の膜
厚の液晶層21bをG用とする。液晶層21との界面に
は図16に示すような絶縁膜154を形成し、またTF
T155上、信号線15上等には樹脂からなる遮光膜1
52を形成する。 (0356)表示パネルを反射型にするには図79に示
すようにアレイ基板12もしくは対向基板11の表面に
反射膜792を形成すればよい。反射膜792としては
Alが好ましい。ただし、Al膜792が空気と接する
面には酸化を防止するためSiO2(図示せず)を形成
する。もしくはフィルム(図示せず)等を形成し、Al
膜792が直接空気と接しないようにする。 (0357)入射光はカラーフィルタ151側から入射
する。入射した光は反射膜792で反射し、反射した光
の一部はTFT155に入射する。TFT155に入射
する光を防止するためTFT155の裏面に遮光膜79
1を形成する。 (0358)遮光膜791は図80に示すように画素電
極14に対応するように開口部341が形成されてい
る。つまり、遮光膜791はTFT、信号線15近傍を
遮光するBMとして機能する。遮光膜は金属クロム/酸
化クロムの2層クロムで形成する。遮光膜の反射率が高
いと表示画像にゴースト像が発生するからである。遮光
膜791は樹脂等で形成してもよいが、その際は耐熱性
が課題となる。 (0359)図81は断面図である。アレイ基板12上
には0.1μm程度のSiO2層811が形成される。
これは、アレイ基板12からの不純物の溶出等を防止す
るためである。前記SiO2層811上にCr等で遮光
膜791を形成する。遮光膜791の膜厚は0.1μm
(1000オングストローム)である。前記遮光膜79
1上にSiO2もしくはSiNxからなる絶縁膜214
から形成されている。前記絶縁膜214はピンホール等
の発生を防止するため複数回にわけて形成する。前記絶
縁膜214にITOからなるストライプ状の共通電極2
12(図47参照)が形成されている。画素電極14と
共通電極212間にはSiO2等の誘電体膜812が形
成され、画素電極14および共通電極212を電位とし
て蓄積容量が形成されている。また画素電極14と液晶
層21との界面にはポリイミドからなる絶縁膜154が
形成されている。遮光膜791およびストライプ状の共
通電極212をよび蓄積容量をもつこの構成は、当然の
ことながら本発明の他の表示パネルにも適用される。 (0360)なお、特にことわっていないかぎり、本明
細書の各図面および説明した内容は他の各図面の表示パ
ネル、装置、方法等に相互に適用される。たとえば図4
7の内容および構成は図1の表示パネルにも適用するこ
とができる。 (0361)また、本発明の表示パネルの光変調層21
として光散乱状態の変化として光学像を形成するものを
用いる時、たとえば光変調層としてPD液晶を用いる時
は、光変調層21が電圧無印状態(光散乱状態)で、光
変調層21に入射する微小領域への入射光の照度をE、
前記基板21の法線方向から測定した微小領域の輝度を
Bとし、πを円周率とするとき次式を満足するようにす
る。 (0362)
【数23】 (0363)上式において値が0.5以下となると光変
調層21の散乱性態が高く、表示コントラストも高くで
きるが、駆動電圧が高くなりドライバ回路541の設計
が困難になる。一方、値が3.0以上ではドライバ回路
設計は容易になるが表示コントラストが低くなる。さら
に好ましくは次式を満足するようにする。 (0364)
調層21の散乱性態が高く、表示コントラストも高くで
きるが、駆動電圧が高くなりドライバ回路541の設計
が困難になる。一方、値が3.0以上ではドライバ回路
設計は容易になるが表示コントラストが低くなる。さら
に好ましくは次式を満足するようにする。 (0364)
【数24】 (0365)また、PD液晶を光変調層として用いる場
合、駆動電圧、ヒステリシス特性の改善の課題からPD
液晶の液晶成分としてはトランフッ素系の液晶を用い、
樹脂成分としては分岐系モノマーを使用することが望ま
しい。また液晶成分の粘度Cは液晶の応答性を速くする
観点から (0366)
合、駆動電圧、ヒステリシス特性の改善の課題からPD
液晶の液晶成分としてはトランフッ素系の液晶を用い、
樹脂成分としては分岐系モノマーを使用することが望ま
しい。また液晶成分の粘度Cは液晶の応答性を速くする
観点から (0366)
【数25】 (0367)のものを用い、Δnは (0368)
【数26】 (0369)のものを用いる。なお、本発明のPD液晶
表示パネルに用いた液晶の粘度は27cpであり、Δn
は0.27である。 (0370)反射膜792が平滑であると、視野角が狭
くなる。そのため、表示パネル22を観察する観察者
(使用者)は表示画像を見づらい。この課題を解決する
ため図82に示すように反射膜792に凹凸を形成する
ことが好ましい。反射膜792は凹凸膜821上に形成
する。凹凸膜821は光硬化型アクリル樹脂、熱可塑性
樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、シリコンゴム等で形成する。また、表示パネル22
の表面には外景の写り込みを防止するためエンボス加工
シート822を配置もしはく、接着する。エンボス加工
シート822としては、ポリエステルフィルムにエンボ
ス加工したものが例示される。なお、凹凸膜821およ
び反射膜792は一体として形成したものをアレイ基板
12に貼りつけてもよい。たとえば片面だけにエンボス
加工を行ったシート又は基板に反射膜792を形成し、
前記シート又は基板をアレイ基板12(もしくは対向基
板11)に光結合層、接着剤、粘着剤を用いて貼りつけ
てもよい。また単に前記シート又は基板を配置するだけ
でも十分な効果はある。 (0371)図83は図82の表示パネルの製造方法の
説明図である。アレイ基板12上に滴下法にて混合溶液
315を滴下する(図83(a))。前記混合溶液31
5上にカラーフィルタ151を形成した対向基板11を
かぶせ、対向基板11とアレイ基板12とを押圧して前
記混合溶液315を所定の膜厚とする。 (0372)次にアレイ基板12側より紫外線光183
を照射し、混合溶液315を相分離させる(図83
(b))。次に、アレイ基板12上に紫外線硬化樹脂8
31を塗布する。塗布はスクリーン印刷で行うことが好
ましい。その後、紫外線光183を照射し、前記樹脂8
31を硬化させる(図83(c))。 (0373)硬化後、加温したローラ312で樹脂83
1上を押圧し、微細な凹凸を形成する(図83
(d))。前記ローラ312上には凹凸を転写するため
の突起が形成されている。その後、前記凹凸膜821上
に反射膜792を蒸着してパネル22は完成する。 (0374)以上の製造方法では紫外線硬化樹脂831
を塗布し、前記樹脂上にローラ312で凹凸を形成する
としたが、他にも方法がある。 (0375)たとえば、水でうすめたPVA溶液をアレ
イ基板12に塗布し、前記PVA溶液の水分を蒸発させ
ることにより凹凸を形成する方法がある。PVA溶液は
硬化すると微小な凹凸が表面にあらわれる。その他、微
小なガラスまたは樹脂ファイバー、ビーズ等を含有する
ペーストを塗布する方法もある。前記ペーストが銀ペー
ストのように表面が光沢を有するものの場合は反射膜7
92を形成する必要がない。つまり、前記ペーストを塗
布するとこにより反射膜792を凹凸膜821を同時に
形成できる。またSiO2等の無機薄膜を蒸着し、マス
クを用いてパターニングすることにより凹凸を形成する
方法もある。また同様にレジスト、UV硬化樹脂を塗布
しマスク等を用いてパターニングすることにより凹凸を
形成する方法もある。また、塗布した樹脂を化学的に腐
食させて凹凸を形成する方法がある。 (0376)前記凹凸の高さの差(凹部と凸部との差)
は0.5μm以上5μm以下がよく、内でも1μm以上
3μm以下がよい。また平面部(凹凸でない面積)と凹
凸部(凹凸が形成されている面積)との比は1:1から
1:3の範囲がよい。凹凸の高さが低いと観察者の顔や
外景のうつりこみが生じ、あまり高いと表示パネルの表
示輝度が低くなる。また凹凸部が少ないと同様に観察者
の顔や外量のうつりこみが生じ、また大きいと表示輝度
が低くなる。最適な範囲が存在するのである。なお、以
上の凹凸膜821に関する事項(形成方法、構成材料
等)は他の本発明の表示パネル等にも適用される。 (0377)図84は他の本発明の表示パネルの製造方
法である。基板181に紫外線硬化樹脂831を塗布
し、加温したローラ312で表面に凹凸を形成する。次
に凹凸膜821に反射膜792を形成する前記基板18
1を図84(c)に示すように光結合層691で基板1
2もしくは基板11に貼りつける。光結合剤691と
は、粘着剤アクリル系の透明接着剤、エチレングルコー
ルである。 (0378)なお、凹凸膜821を形成しない方法もあ
る。この構成を図84(d)に示す。基板181に反射
膜792が形成されている。前記反射膜792と基板1
2とが光散乱層841を介して接着されている。光散乱
層841とは粘着剤にTiなどの微粒子を含有させたも
のである。また、屈折率の異なる2つのゲル液体を混在
させた溶液等も例示される。光散乱層841に入射した
光は散乱する。そのため顔のうつり込み等が抑制され
る。 (0379)光散乱層841の散乱特性は光散乱層84
1のある微小領域への入射光の照度をE、前記基板18
1の法線方向が測定して前記微小領域の輝度をBとし、
πを円周率とするとき、次式を満足するようにする。 (0380)
表示パネルに用いた液晶の粘度は27cpであり、Δn
は0.27である。 (0370)反射膜792が平滑であると、視野角が狭
くなる。そのため、表示パネル22を観察する観察者
(使用者)は表示画像を見づらい。この課題を解決する
ため図82に示すように反射膜792に凹凸を形成する
ことが好ましい。反射膜792は凹凸膜821上に形成
する。凹凸膜821は光硬化型アクリル樹脂、熱可塑性
樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、シリコンゴム等で形成する。また、表示パネル22
の表面には外景の写り込みを防止するためエンボス加工
シート822を配置もしはく、接着する。エンボス加工
シート822としては、ポリエステルフィルムにエンボ
ス加工したものが例示される。なお、凹凸膜821およ
び反射膜792は一体として形成したものをアレイ基板
12に貼りつけてもよい。たとえば片面だけにエンボス
加工を行ったシート又は基板に反射膜792を形成し、
前記シート又は基板をアレイ基板12(もしくは対向基
板11)に光結合層、接着剤、粘着剤を用いて貼りつけ
てもよい。また単に前記シート又は基板を配置するだけ
でも十分な効果はある。 (0371)図83は図82の表示パネルの製造方法の
説明図である。アレイ基板12上に滴下法にて混合溶液
315を滴下する(図83(a))。前記混合溶液31
5上にカラーフィルタ151を形成した対向基板11を
かぶせ、対向基板11とアレイ基板12とを押圧して前
記混合溶液315を所定の膜厚とする。 (0372)次にアレイ基板12側より紫外線光183
を照射し、混合溶液315を相分離させる(図83
(b))。次に、アレイ基板12上に紫外線硬化樹脂8
31を塗布する。塗布はスクリーン印刷で行うことが好
ましい。その後、紫外線光183を照射し、前記樹脂8
31を硬化させる(図83(c))。 (0373)硬化後、加温したローラ312で樹脂83
1上を押圧し、微細な凹凸を形成する(図83
(d))。前記ローラ312上には凹凸を転写するため
の突起が形成されている。その後、前記凹凸膜821上
に反射膜792を蒸着してパネル22は完成する。 (0374)以上の製造方法では紫外線硬化樹脂831
を塗布し、前記樹脂上にローラ312で凹凸を形成する
としたが、他にも方法がある。 (0375)たとえば、水でうすめたPVA溶液をアレ
イ基板12に塗布し、前記PVA溶液の水分を蒸発させ
ることにより凹凸を形成する方法がある。PVA溶液は
硬化すると微小な凹凸が表面にあらわれる。その他、微
小なガラスまたは樹脂ファイバー、ビーズ等を含有する
ペーストを塗布する方法もある。前記ペーストが銀ペー
ストのように表面が光沢を有するものの場合は反射膜7
92を形成する必要がない。つまり、前記ペーストを塗
布するとこにより反射膜792を凹凸膜821を同時に
形成できる。またSiO2等の無機薄膜を蒸着し、マス
クを用いてパターニングすることにより凹凸を形成する
方法もある。また同様にレジスト、UV硬化樹脂を塗布
しマスク等を用いてパターニングすることにより凹凸を
形成する方法もある。また、塗布した樹脂を化学的に腐
食させて凹凸を形成する方法がある。 (0376)前記凹凸の高さの差(凹部と凸部との差)
は0.5μm以上5μm以下がよく、内でも1μm以上
3μm以下がよい。また平面部(凹凸でない面積)と凹
凸部(凹凸が形成されている面積)との比は1:1から
1:3の範囲がよい。凹凸の高さが低いと観察者の顔や
外景のうつりこみが生じ、あまり高いと表示パネルの表
示輝度が低くなる。また凹凸部が少ないと同様に観察者
の顔や外量のうつりこみが生じ、また大きいと表示輝度
が低くなる。最適な範囲が存在するのである。なお、以
上の凹凸膜821に関する事項(形成方法、構成材料
等)は他の本発明の表示パネル等にも適用される。 (0377)図84は他の本発明の表示パネルの製造方
法である。基板181に紫外線硬化樹脂831を塗布
し、加温したローラ312で表面に凹凸を形成する。次
に凹凸膜821に反射膜792を形成する前記基板18
1を図84(c)に示すように光結合層691で基板1
2もしくは基板11に貼りつける。光結合剤691と
は、粘着剤アクリル系の透明接着剤、エチレングルコー
ルである。 (0378)なお、凹凸膜821を形成しない方法もあ
る。この構成を図84(d)に示す。基板181に反射
膜792が形成されている。前記反射膜792と基板1
2とが光散乱層841を介して接着されている。光散乱
層841とは粘着剤にTiなどの微粒子を含有させたも
のである。また、屈折率の異なる2つのゲル液体を混在
させた溶液等も例示される。光散乱層841に入射した
光は散乱する。そのため顔のうつり込み等が抑制され
る。 (0379)光散乱層841の散乱特性は光散乱層84
1のある微小領域への入射光の照度をE、前記基板18
1の法線方向が測定して前記微小領域の輝度をBとし、
πを円周率とするとき、次式を満足するようにする。 (0380)
【数27】 (0381)さらに好ましくは次式を満足するようにす
る。 (0382)
る。 (0382)
【数28】 (0383)πB/Eの値が小さいと視野角は広くなる
が、表示パネルの表示輝度は低くなる。πB/Eの値が
大きいと表示輝度は高くなるが視野角は狭くなり、表示
画像が見づらくなる。 (0384)なお図82,図84(d)等では792は
Al等からなる反射膜としたが、クロム/酸化クロムの
2層クロム膜でもよく、また、樹脂中にカーボン、Ti
(チタン)を含有させた膜でもよい。樹脂中にTi等を
含有された膜792は反射膜というよりは光吸収膜とし
て機能する。また、基板181はアレイ基板12側に貼
りつける(貼りつける)としたがこれに限定するもので
はなく、対向基板11側に取り付けてもよい。 (0385)図85は液晶層21に接する面に凹凸膜8
21を形成した表示パネルの断面図である。凹凸膜82
1を液晶層と接する面に形成する場合は凹凸膜821の
高さは2μm以下がよく、好ましくは1.5μm以下が
よい。これは凹凸膜821の凹凸により液晶層21の膜
厚が変化し、液晶層21内の電界不均一性が生じるから
である。その他の凹凸が形成されていない平面部と形成
されている凹凸部との面積、作製方法等に関することは
先の実施例と同様である。 (0386)図85の実施例でも凹凸膜821上に反射
膜792が形成され、前記反射膜792上にカラーフィ
ルタ151が形成されている。反射膜792は対向電極
としても機能する。なお、カラーフィルタ151上にI
TOからなる対向電極25を形成してもよい。カラーフ
ィルタ151で凹凸膜821の凹凸を平滑化し、液晶層
21の膜厚を均一化している。カラーフィルタ151は
赤、青、緑もしくはマゼンダ、イエロー、シアン色に色
分けされている。 (0387)図85では凹凸膜821を形成するとした
が、視野角を広くする目的であれば、平滑な反射膜79
2を形成し、反射膜792上に形成するカラーフィルタ
151内に拡散剤(ガラスビーズ、Ti微粒子等)を含
有させる構成も考えられる。 (0388)図86は画素電極を反射電極14bとした
表示パネル22の断面図である。アレイ基板12上にT
FT155等が形成され、前記TFT155上に感光性
のポリイミドからなる絶縁膜154が形成されている。
前記ポリイミド154に穴あけ加工され反射電極14b
とTFT155のドレイン端子とは接続部382を介し
て接続されている。ポリイミド膜154は表面に凹凸が
形成され、また反射電極14bとポリイミド膜154間
の密着性を向上させるため、間に緩衝層861が形成さ
れている。緩衝層861としてSiO2等が例示され
る。反射電極14bはTi,Al,CrあるいはAl,
Zr等の複合層で形成される。反射電極14b上には平
滑性を得るため、およびカラー表示を行うための機能を
有するカラーフィルタ151が形成されている。 (0389)図87は図86に示す表示パネルの製造方
法の説明図である。TFT等が形成された基板12に感
光性ポリイミド831が塗布される(図87(a))。
次に干渉効果により二次元的に光の強度分布を生じさせ
た光を照射することにより感光性ポリイミドを硬化させ
る。すると前記ポリイミド154は収縮し、表面に凹凸
が生じる(図87(c))。その後、接続部382の穴
あけ加工を行い、反射膜14bを形成する。 (0390)なお、図87において光を照射して感光性
ポリイミドを重合させることにより凹凸を形成するとし
たが、これに限定するものではなく、メッシュスクリー
ン印刷を行うことにより表面に凹凸を容易に生じさせる
ことができる。 (0391)図88は反射電極14bの表面に凹凸を形
成したものである。凹凸の形成方法としては蒸着するA
lの粒子形状を大きくすること、蒸着途中でAl2O3の
結晶粒を成長させ、その後、表面をAl膜で被覆する方
法等が例示される。 (0392)以上の反射型表示パネルは画素電極14を
金属材料で形成するものであった。図89に示す表示パ
ネルは反射手段を誘電体ミラー891で形成したもので
ある。 図89に示すようにアレイ基板12上にTFT
155が形成される。TFT155上には遮光膜152
が形成される。遮光膜152は誘電体ミラー891を透
過してきた光によりホトコンダクタ現象が発生するのを
防止するためのものである。 (0393)TFT155のドレイン端子はITOから
なる画素電極892と接続されている。画素電極892
はマトリックス状に配置され、かつ、TFT155のド
レイン端子以外と電気的接続がないように絶縁膜154
を介して形成される。絶縁膜154は、ポリイミド,S
iO2,SiNx等で形成される。ITO892上には
誘電体ミラー891が形成される。誘電体ミラー891
は高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを規則正しくかつ20
層以上積層したものである。誘電体ミラーが反射する光
の帯域は狭いため、本発明ではR光を反射する誘電体ミ
ラー、G光を反射する誘電体ミラー、B光を反射する誘
電体ミラーの3つの波長帯域の誘電体ミラーを積層して
いる。 (0394)TFT155から出力された電圧は画素電
極892に伝達され、ITO電極892と対向電極25
間に電界が発生し、前記画素電極892上の液晶層が散
乱一透過状態となる。なお、画素電極892はITOと
したがポリシリコン膜であってもよい。薄いポリシリコ
ン膜は多少茶色をおびる程度であり光透過性を有する。
特に赤外の波長はよく透過する。画素電極892はいず
れかの波長の光に対して光透過性を有する材料で形成さ
れたものであれば何でもよい。 (0395)誘電体ミラー891上または対向電極25
上にカラーフィルタ151を形成すれば一枚の表示パネ
ルでカラー表示を行うことができる。また反射型表示パ
ネルは図92に示すように放熱板921をシリコン接着
剤922でパネル裏面に取り付ければ、放熱対策を容易
に行うことができる。 (0396)なお、誘電体ミラー891はITO電極
(画素電極)892上に形成するとしたが、点線で示す
ように誘電体ミラー891上にITO電極(画素電極)
892aを形成してもよい。この場合は誘電体ミラー8
91に穴をあけ加工を行い、画素電極892とTFT1
55のドレイン端子とを接続する。 (0397)ここで本発明の表示パネルの欠陥検査方法
および欠陥修正方法等について順次説明をする。図90
は、図89に示す本発明の液晶表示パネルの検査方法の
説明図である。図89に示す液晶表示パネルがシリコン
基板12上に形成されている場合は、基板12側からT
FT155等を観察することはできない。そのため誘電
体ミラー891側から欠陥TFT155等を観察する。 (0398)観察には赤外線カメラ902を用いる。図
89の液晶表示パネルは誘電体ミラー891を用い、か
つ画素電極892はITOまたはポリシリコンからなる
光透過性を有する材料で形成されている。誘電体ミラー
891は可視光の光を反射する分光特性を有している
が、赤色以上の赤外に対しては光透過性を有する。また
ITO、ポリシリコンも赤外に対しては十分な光透過性
を有する。もし画素電極892等が金属材料で形成され
ておれば赤外線カメラ901でTFT155を観察する
ことはできないであろう。 (0399)以上のように本発明の欠陥検査方法は赤外
線光を用いてアレイを観察することを特徴とする。観察
とは欠陥TFT155の検出、画素電極892のショー
ト、ゴミの検出等である。ショート欠陥等が発生してい
る場合は、レーザトリミング装置902を用いてショー
ト箇所を切断する。またはTFT155をレーザ光で破
壊して黒画素欠陥とする。白画素欠陥は視覚的に見やす
いが黒画素欠陥は見えにくい。したがって、点欠陥修正
は、白点欠陥を黒点欠陥に修正することが主な目的であ
る。 (0400)レーザトリミング装置902としてはYA
Gレーザが適切である。YAGレーザの波長は1.06
μmの赤外領域にある。したがって、画素電極892を
通過させて良好な切断を行うことができる。ただし、Y
AGレーザはパルス状にレーザ光を照射する。一度にレ
ーザ光を照射すると切断箇所の材料が急激に気化し誘電
体ミラー891等を破壊してしまう。パルスの周波数
は、100Hzから10KHz、特に200Hzから1
KHzの範囲が好ましい。またレーザパルスの半値は、
20n秒から500n秒、特に50n秒から200n秒
の範囲がよい。また1箇所に照射するパルス数は2から
10個の範囲がよく、特に3から5個の範囲がよい。こ
れらは実験により求めておかなければならない。 (0401)以上はアレイ基板12の欠陥検査方法およ
び欠陥修正方法であった。図91、図93にPD液晶パ
ネルの欠陥の修正方法およびその装置について説明をす
る。 (0402)先にも述べたように画素欠陥としては白点
画素欠陥がめだつ。白点画素欠陥とは、PD液晶表示パ
ネルの場合たえず画素電極に電圧が供給されている状態
である。したがって、白点画素欠陥を黒点画素欠陥に変
化させればめだたなくなる。方法としては、TFT15
5を破壊する方法、画素電極14上液晶分子に電圧が印
加されても液晶分子20の配向状態が変化しないように
する方法がある。ここではまず液晶分子20に電圧が印
加されても動作しないようにする方法について説明をす
る。 (0403)本実施の形態では、光源としてエキシマレ
ーザを用い、レーザの封入ガスとしてガラス面を透過す
る発振波長351nmを用いる。まず本実施の形態の欠
陥修正装置について説明をする。 (0404)欠陥修正装置は、図91に示すようにエキ
シマレーザ発生装置901aを備え、エキシマレーザ発
生装置901aから出射されるレーザビーム912の光
路上に紫外線反射ミラー901b、マスク181、レン
ズ901c、液晶表示パネル22、XYステージ911
が配置されている。マスク181は図94に示すように
画素形状341に対応する穴があけられている。 (0405)エキシマレーザ発生装置901aから照射
されたレーザビーム912は、紫外線反射ミラー901
bで反射された後、マスク181のスリット341を通
り、レンズ901cを通過して液晶表示パネル22の修
正箇所に集光される。マスク181には矩形のスリット
を有し、前記スリットは液晶表示パネルの画素サイズに
適合するようにされている。一方XYステージ911は
2μm以下の精度で液晶表示パネルで位置決めでき、修
正を要する画素にレーザパルス912が照射される位置
に位置決めする。ただし、レーザ光のスポットは画素サ
イズよりも小さくしてもよい。その場合はXYステージ
911を移動させて順次欠陥画素領域に照射すればよ
い。 (0406)図93は、欠陥修正方法を説明するための
図面である。エキシマレーザ発生装置901aから照射
されるレーザビーム912のパルス数は2以上20以下
パルスが好ましく、特に5以上10パルス以下が好まし
い。またパルスの周波数は、0.1Hz以上100Hz
以下が好ましく、特に0.5Hz以上10Hz以下の範
囲が好ましい。またエネルギー密度は0.2以上1.5
J/cm2以下が好ましく、特に0.5以上1.0J/
cm2の範囲が好ましい。 (0407)エキシマレーザを照射すると液晶分子20
は配向しなくなる。つまり画素電極14に電圧を印加し
ても動作しなくなり、常時散乱状態を維持する(黒欠陥
画素となる)。これはエキシマレーザは短波長のレーザ
光であり、液晶分子20はこの波長の光を吸収する。ま
たポリマー24も吸収しやすい。そのため、液晶分子2
0、ポリマー24が変化し、常時散乱状態となると推測
される。また、レーザ光による加熱による寄与もあると
推測される。 (0408)以上の動作を液晶表示装置の白点画素欠陥
に順次レーザ光912を照射していくことにより液晶表
示パネルの欠陥修正が行われる。白点画素欠陥は通常で
は液晶層21が光透過状態とならない信号(たとえば、
ソース信号線には映像信号を印加せず、ゲート信号線の
みにTFTのオン電圧、オフ電圧を同期的にくりかえす
信号を印加する駆動)を施すことにより検出できる。検
出された白点画素欠陥をあらかじめメモリに記憶し、順
次XYステージ911を制御して欠陥画素がレーザ光の
照射範囲となるように位置決めを行っていけばよい。当
然のことながら、液晶層が光透過状態とならない信号を
印加した状態で白点画素欠陥を観察者が順次検出しなが
ら、一点ずつXYステージ911を作動させてレーザパ
ルスを照射していってもよい。 (0409)なお、図91、図93の実施の形態ではレ
ーザ光発生装置901としてエキシマレーザ光発生装置
を使用するとしたが、これに限定するものではない。た
とえばYAGレーザ光発生装置を用いてもよい。YAG
レーザ光の場合は波長は赤外であるので液晶分子20、
ポリマー24がレーザ光により変化する割合は低いと考
えられる。ただし、加熱により変化させることができ、
結果として欠陥画素上の液晶を常時散乱状態とさせるこ
とができる。 (0410)YAGレーザ光の場合はパルス周波数は、
1Hz以上1KHz以下、特に、10Hz以上100H
z以下が良好な結果を示す。またレーザ光の半値は20
n秒以上200n秒以下がよく、一画素に照射するパル
ス数は1パルス以上10パルス以下、特に2パルス以上
5パルス以下がよい。あまり長期間レーザ光を照射する
と欠陥画素と隣接した画素の液晶にも熱的影響を与え、
正常な画素の液晶分子20が動作しなくなってしまう。 (0411)また、YAGレーザ光を用いる場合をさら
に集光してTFT155を直接破壊する方法、TFT1
55と画素電極14とを切り離す方法も考えられる。こ
れらも白点画素欠陥を黒点画素欠陥にする方法としては
有効な方法であることは言うまでもない。 (0412)また、アレイ基板12がガラス基板の場合
はレーザ光はアレイ基板12側から入射させることも有
効である。TFT155、ソース信号線15等がマスク
のかわりとなりXYステージ911の位置決め精度が悪
くても確実に画素電極14上の液晶層を変化させること
ができる。なお、レーザ光のかわりにキセノン(Xe)
ランプ光の光を集光したものも用いることができる。白
色レーザ、アルゴンガスレーザ、ネオンヘリウムレーザ
等も用いることができる。 (0413)以上の本発明の表示パネルは例外もある
が、基本的には表示パネルにカラーフィルタ151等を
取り付ける構成である。しかし、カラーフィルタは表示
パネルの内面叉は外面に取り付けなくとも図95のよう
に構成することにより1枚の表示パネルでカラー表示を
行うことができる。 (0414)図95の表示パネルはマイクロレンズアレ
イ181の各マイクロレンズ641に対応してカラーフ
ィルタ151が形成されている。たとえばマイクロレン
ズ641aにR色のカラーフィルタ151aが形成さ
れ、マイクロレンズ641bにG色のカラーフィルタ1
51bが形成され、マイクロレンズ641cにB色のカ
ラーフィルタ151cが形成される。 (0415)マイクロレンズ641aは入射光を画素電
極14aに入射する。この際入射光はカラーフィルタを
通過するからR色が画素電極14aに入射する。同様に
マイクロレンズ641bはG色の光を画素電極14bに
入射させ、マイクロレンズ641cはB色の光を画素電
極14cに入射させる。 (0416)以上のように構成することにより表示パネ
ル22がモロクロ表示パネルであってもカラー表示を行
うことができる(表示パネルにカラーフィルタを形成す
ることなしに)。なお、マイクロレンズアレイ641は
表示パネル22の入射側に配置するとしたが、これに限
定するものではなく、表示パネル22の出射側に配置し
てもよいことは言うまでもない。また、マイクロレンズ
アレイ181と表示パネル22間の間隔に光結合剤69
1を注入すればマイクロレンズ641と画素電極14と
の位置ずれが生じずまたハレーションの発生も抑制され
るので好ましいことは言うまでもない。また、図95で
はイオン交換により作製したマイクロレンズアレイのよ
うに図示したがスタンパ(転写型)あるいは金型で形成
したマイクロレンズアレイを用いてもよいことは言うま
でもない。また、エッチング、印刷技術を用いて形成し
てもよい。 (0417)図95では、マイクロレンズ641は別基
板642に形成したが、図102のように表示パネル2
2のガラス基板に直接成形してもよい。画素電極14a
に対応する位置にR色に着色したマイクロレンズ641
aを形成する。同様に画素電極14bに対応する位置に
G色に着色したマイクロレンズ641bを形成し、画素
電極14cに対応する位置にB色に着色したマイクロレ
ンズ641cを形成する。 (0418)マイクロレンズ641はUV硬化樹脂に色
素を含有させて形成をする。まずスタンパをR色のマイ
クロレンズを形成し、次にスタンパ(転写型)でG色の
マイクロレンズを形成し、最後に、B色のマイクロレン
ズを形成するというように3工程を行うことにより図1
02に示すR、G、B色のマイクロレンズを有する表示
パネルを作製できる。 (0419)なお、図102においてマイクロレンズ6
41は対向基板11上に形成すると図示したがこれに限
定するものではなく、アレイ基板12上に形成してもよ
い。またマイクロレンズに着色せずとも、対向基板11
上にカラーフィルタ151を形成し、前記カラーフィル
タ151に対応する位置に透明な(着色されている)マ
イクロレンズを形成してもよいことは言うまでもない。 (0420)図103は表示パネルの基板11,12と
してマイクロレンズ641を内蔵する基板を用いたもの
である。図103の構成をとることにより、表示パネル
から出射した光の指向性は保持される。カラーフィルタ
151は基板11もしくは基板12上の空気との界面に
形成する。 (0421)図102ではスタンパ(転写用金型)等を
用いて円弧状のマイクロレンズを形成したが、マイクロ
レンズを図104に示すようにフレネルレンズ641c
としてもよい。フレネルレンズ641cは図105に示
すように画素ごとに形成されている。 (0422)図106は、マイクロレンズシート106
2の裏面に反射膜962を形成したものを表示パネルの
裏面に配置した構成である。マイクロレンズシート10
62は図に示すようにフレネルレンズ状でないが、図1
02のように円弧状、図95のように平面状のいずれか
であってもよい。また、マイクロレンズ641は視角改
善を目的として配置されているものであから、かならず
しも、1つの画素に対応して形成する必要はなく、複数
個の画素に1つのマイクロレンズを配置すればよい。 (0423)図106において、入射光は対向基板11
側より入射し、画素電極14を出射する。出射した光
は、反射板962で反射され、マイクロレンズ641で
指向性を整えられ、再び対向基板11から出射される。 (0424)1061は図107に示すようなプリズム
シートであり、前記プリズムシートは1枚または複数枚
を重ねて使用される。プリズムシートは出射する光の指
向性を狭くし、表示画面を高輝度化するのに用いられ
る。なお、プリズムシート1061の裏面に反射膜96
2を形成し、図108に示すように図106に示すマイ
クロレンズシート1062のかわりに用いてもよい。ま
た、図106に示すマイクロレンズシート1062は、
金属板を削ることによりマイクロレンズシート1062
を作製すれば、反射膜962は必要がない。なお、マイ
クロレンズシート1062のマイクロレンズ641等に
必ずしも1画素電極14に対して1マイクロレンズ64
1が対応する必要はなく、複数の画素電極14に対し、
1つのマイクロレンズ641を対応させてもよい。 (0425)以上のように片面に反射膜962を有する
マイクロレンズシート1062またはプリズムシート1
061を表示パネルの片面に配置もしくは接着すること
により、適正な視野角を有する反射型の表示パネル22
を構成することができる。さらにプリズムシート106
1を表示パネルの入射面に配置することにより高輝度化
も実現できる。 (0426)PD液晶を光変調層として用いれば光利用
率を向上できるが、さらに、図109の構成をとること
により光利用率を向上できる。図109の構成は導光板
1091をパネル22の表面に接着層371で接着した
ものである。ただし、接着層371は導光板1091と
アレイ基板12との位置関係を固定(たとえば機械的
に)できるのであれば必要がない。 (0427)接着層371としてシリコンゲル、シリコ
ン接着剤、エポキシ接着剤、UV硬化樹脂、粘着剤、熱
可塑樹脂等が例示される。接着剤は導光板1091とア
レイ基板12との熱応力、伸縮率を考慮して選定する。 (0428)導光板1091には表面に反射膜1092
が形成されている。反射膜1092の材料として銀(A
g)が望ましく、他に金(Au)、アルミニウム(A
l)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等も用いること
ができる。なお、Al、Ag等は表面が酸化されやすい
ため、表面にSiO2、TaOxなどの保護膜を形成する
ことが望ましい。 (0429)反射膜1092はスパッタ等の蒸着による
方法、電解メッキ、無電解メッキ技術により形成する方
法が例示される。導光板1091はコスト、加工性の面
から、アクリル、ポリカーボネート、エンジニアリング
プラスティック、PVA等の樹脂から形成することが好
ましい。これらの樹脂は金型による成型技術に容易に導
光のための穴形成を行うことができる。導光の穴は入射
側の開口部1094bを大きく、出射側の開口部109
4aを狭くする。また、開口部1094aは画素電極1
4より大きくあるいは同等とする。 (0430)導光による穴形成を行った基板の表面に反
射膜1092が形成される。最も簡易な方法は無電解メ
ッキ技術で形成することである。ただし剥離しやすいこ
とが難点である。 (0431)なお、図109において、対向電極25上
に保護膜153を形成するように図示したが、これに限
定するものでなく、対向基板11を配置してもよい。ま
た、図109および図15等において保護膜153はプ
ラスチックなどの保護シートにおきかえてもよい。その
場合はカラーフィルタ15上に保護シート(又は保護基
板)をかぶせるもしくは接着剤をもちいてはりつければ
よい。これら保護シート,保護膜153を総称して保護
層と呼ぶ。 (0432)図110は導光板1091の開口部109
4b側からみた平面図である。開口部1094aを画素
電極14の大きさとする。図110は開口部1094b
は方形であるが、図111に示すように開口部1094
bは円形であってもよい。 (0433)図109に示すように入射光1095は反
射膜1092で反射され反射光1095aとなり画素電
極14を通過する。つまり、表示に有効な光となる。反
射膜1092がなければ入射光1095は光1095b
となりTFT155等に入射する。そのため、画素電極
14を通過することがなく、光利用効率は低下する。 (0434)以上のように光は開口部1094bから開
口部1094aに向かって集光され画素電極14に導か
れる。そのため、光利用効率を高くできる。 (0435)図109の反射面1092bは三角錐状で
あるが、図112に示すように反射面1092bは円弧
状にしてもよい。また、導光板1091自身を反射材料
で形成してもよい。たとえば、Alの板に開口部109
4を形成する構成が例示される。また、開口部1094
を透明樹脂962等で埋める構成も例示される。樹脂9
62等はシリコンゲル、UV硬化樹脂等が例示され、ま
た、エチレングリコール等の液体でもよい。液体の場合
は、液体が漏れないように導光板の光入射面にカバーガ
ラス等を重ねて封止すればよい。 (0436)マイクロレンズ641はスタンパもしはく
イオン交換法で作製したものであるが、前記マイクロレ
ンズは価格が高く、かつ、広面積にマイクロレンズを形
成することができない。 (0437)図96は上記課題を解決した本発明のマイ
クロレンズの断面図である。図96に示すマイクロレン
ズアレイはフィルムもしくは基板642に各画素に対応
した凸部961が形成されている。凸部961を平面的
に図示すれば図97の如くになる。凸部961は無機薄
膜を蒸着すること、感光性アクリル樹脂等を感光し、現
像することによって形成される。962は透明樹脂膜で
あり凸部961に透明樹脂膜を塗布し、硬化させること
により形成する。 (0438)透明樹脂膜962材料としては、アクリレ
ート基を有する重合性化合物である。アクリレート系ハ
ードコート剤が例示される。樹脂成分は70〜80%、
粘度は0.15〜0.2Pa・Sのものを用いる。 (0439)図96に示すマイクロレンズアレイは図9
8に示すようにアレイ基板12もしくは対向基板11に
隣接して配置して用いる。つまり、以前に説明したマイ
クロレンズと同様に用いる。また、図100のように凸
部961に反射膜792を形成すれば、反射型のマイク
ロレンズとして用いることができ、図82に示す凹凸膜
821としても用いることができる。また凸部961を
線状に形成すれば図66に示すような線状のマイクロレ
ンズ基板も構成できる。もしくは凸部961の高さを変
化させれば図65に示すR,G,Bで高さの異なるマイ
クロレンズアレイも構成できる。また同様の技術で図8
5に示すように凹凸部821を形成することができる。 (0440)図99は本発明のマイクロレンズアレイの
製造方法の説明図である。基板181にSiO2等の透
明薄膜991を形成し、その薄膜991上にマスクとな
る金属薄膜992を形成する(図99(a))。金属薄
膜992をパターニングし(図99(b))、薄膜99
1をエッチングすることにより凸部961を形成する
(図99(c))。その後アクリレート系ハードコート
剤を凸部961に塗布し、室温で10分間乾燥させる。
その際、塗布されたコート剤が凸部961との表面張力
によりなめらかな凹凸状になる。次に高圧水銀灯を用い
て紫外線光をハードコート剤に0.5J/cm2の強度
で照射し、ハードコート剤の重合性化合物を重合させ
る。 (0441)図99では無機薄膜をエッチングして凸部
961を形成するとしたが、これに限定するものではな
く、感光性アクリル樹脂を基板181に塗布し、マスク
を介して光を照射し、凸部961を形成してもよい。 (0442)図96は凸レンズのマイクロレンズシート
であるが、図101に示すようにレンズ周辺部に凸部9
61aを形成し、前記凸部961aに透明樹脂層962
aを形成すれば凹レンズのマイクロレンズシート(基
板)を作製することができる。 (0443)なお、マイクロレンズ641,962等は
凸レンズのマイクロレンズ(フレネルレンズ)として説
明したが、これに限定するものではなく、表示パネル等
に構成に応じてマイクロレンズ、フレネルレンズを凹レ
ンズ等に変更してもよい。 (0444)液晶層21で散乱した光は対向基板11ま
たは/およびアレイ基板12と空気との界面で反射し反
射光1095aとなり再び液晶層21にもどり散乱する
(ハレーション)。これを2次散乱光と呼ぶ。2次散乱
光はPD液晶表示パネルの表示コントラストを大幅に低
下させる。 (0445)この2次散乱光の発生を防止するため透明
基板1131をアレイ基板12と対向基板11のうち少
なくとも一方に取り付ける。透明基板1131はオプテ
ィカルカップリングにより光結合層371aにより行
う。透明基板1131を取り付けることによりハレーシ
ョンする光は透明基板1131の無効領域(画像表示に
有効な光が通過しない領域)に塗布した光吸収膜113
2により吸収される。 (0446)光吸収膜1132として黒色塗料が例示さ
れる。その他遮光膜152の材料も用いることができ
る。また、研磨して表面をあらした構造であっても効果
はある。これらも光吸収膜1132の概念に含まれると
考えられるべきである。 (0447)図113に透明基板1131の効果を示
す。図16(a)に示すようにパネル22に平行光線を
照射し、出射側から光変調層21の輝度を測定する。輝
度Bとは出射側基板の厚みt対向基板+透明基板113
1の厚みが、有効表示領域の対角長に対して極めて薄
く、かつ、光吸収膜1132がない時に測定した輝度で
ある。具体的にはd=50(mm)に対して出射側基板
の厚みが1(mm)(t=1)である。 (0448)図113(b)は縦軸を輝度比(Be/
B)とし、横軸を相対基板厚(t/d)としている。図
113(b)よりt/d=0.3で一定となり、t/d
<0.3の時、輝度比(Be/B)の低下割合が大きい
ことがわかる。 (0449)輝度比が小さいことは表示コントラストが
高いことを示す。図113(b)によればt/d=0.
25〜0.3以上でコントラスト向上効果は十分であ
り、先のt/dの1/2であるt/d=0.15でも実
用域であることがわかる。したがって、基板の屈折率n
=1.52の時t/dは0.15以上が好ましく、さら
には(t/d)は0.3以上が好ましい。したがって厚
みtとパネルの対角長dの関係は次を満たせばよい。 (0450)
が、表示パネルの表示輝度は低くなる。πB/Eの値が
大きいと表示輝度は高くなるが視野角は狭くなり、表示
画像が見づらくなる。 (0384)なお図82,図84(d)等では792は
Al等からなる反射膜としたが、クロム/酸化クロムの
2層クロム膜でもよく、また、樹脂中にカーボン、Ti
(チタン)を含有させた膜でもよい。樹脂中にTi等を
含有された膜792は反射膜というよりは光吸収膜とし
て機能する。また、基板181はアレイ基板12側に貼
りつける(貼りつける)としたがこれに限定するもので
はなく、対向基板11側に取り付けてもよい。 (0385)図85は液晶層21に接する面に凹凸膜8
21を形成した表示パネルの断面図である。凹凸膜82
1を液晶層と接する面に形成する場合は凹凸膜821の
高さは2μm以下がよく、好ましくは1.5μm以下が
よい。これは凹凸膜821の凹凸により液晶層21の膜
厚が変化し、液晶層21内の電界不均一性が生じるから
である。その他の凹凸が形成されていない平面部と形成
されている凹凸部との面積、作製方法等に関することは
先の実施例と同様である。 (0386)図85の実施例でも凹凸膜821上に反射
膜792が形成され、前記反射膜792上にカラーフィ
ルタ151が形成されている。反射膜792は対向電極
としても機能する。なお、カラーフィルタ151上にI
TOからなる対向電極25を形成してもよい。カラーフ
ィルタ151で凹凸膜821の凹凸を平滑化し、液晶層
21の膜厚を均一化している。カラーフィルタ151は
赤、青、緑もしくはマゼンダ、イエロー、シアン色に色
分けされている。 (0387)図85では凹凸膜821を形成するとした
が、視野角を広くする目的であれば、平滑な反射膜79
2を形成し、反射膜792上に形成するカラーフィルタ
151内に拡散剤(ガラスビーズ、Ti微粒子等)を含
有させる構成も考えられる。 (0388)図86は画素電極を反射電極14bとした
表示パネル22の断面図である。アレイ基板12上にT
FT155等が形成され、前記TFT155上に感光性
のポリイミドからなる絶縁膜154が形成されている。
前記ポリイミド154に穴あけ加工され反射電極14b
とTFT155のドレイン端子とは接続部382を介し
て接続されている。ポリイミド膜154は表面に凹凸が
形成され、また反射電極14bとポリイミド膜154間
の密着性を向上させるため、間に緩衝層861が形成さ
れている。緩衝層861としてSiO2等が例示され
る。反射電極14bはTi,Al,CrあるいはAl,
Zr等の複合層で形成される。反射電極14b上には平
滑性を得るため、およびカラー表示を行うための機能を
有するカラーフィルタ151が形成されている。 (0389)図87は図86に示す表示パネルの製造方
法の説明図である。TFT等が形成された基板12に感
光性ポリイミド831が塗布される(図87(a))。
次に干渉効果により二次元的に光の強度分布を生じさせ
た光を照射することにより感光性ポリイミドを硬化させ
る。すると前記ポリイミド154は収縮し、表面に凹凸
が生じる(図87(c))。その後、接続部382の穴
あけ加工を行い、反射膜14bを形成する。 (0390)なお、図87において光を照射して感光性
ポリイミドを重合させることにより凹凸を形成するとし
たが、これに限定するものではなく、メッシュスクリー
ン印刷を行うことにより表面に凹凸を容易に生じさせる
ことができる。 (0391)図88は反射電極14bの表面に凹凸を形
成したものである。凹凸の形成方法としては蒸着するA
lの粒子形状を大きくすること、蒸着途中でAl2O3の
結晶粒を成長させ、その後、表面をAl膜で被覆する方
法等が例示される。 (0392)以上の反射型表示パネルは画素電極14を
金属材料で形成するものであった。図89に示す表示パ
ネルは反射手段を誘電体ミラー891で形成したもので
ある。 図89に示すようにアレイ基板12上にTFT
155が形成される。TFT155上には遮光膜152
が形成される。遮光膜152は誘電体ミラー891を透
過してきた光によりホトコンダクタ現象が発生するのを
防止するためのものである。 (0393)TFT155のドレイン端子はITOから
なる画素電極892と接続されている。画素電極892
はマトリックス状に配置され、かつ、TFT155のド
レイン端子以外と電気的接続がないように絶縁膜154
を介して形成される。絶縁膜154は、ポリイミド,S
iO2,SiNx等で形成される。ITO892上には
誘電体ミラー891が形成される。誘電体ミラー891
は高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とを規則正しくかつ20
層以上積層したものである。誘電体ミラーが反射する光
の帯域は狭いため、本発明ではR光を反射する誘電体ミ
ラー、G光を反射する誘電体ミラー、B光を反射する誘
電体ミラーの3つの波長帯域の誘電体ミラーを積層して
いる。 (0394)TFT155から出力された電圧は画素電
極892に伝達され、ITO電極892と対向電極25
間に電界が発生し、前記画素電極892上の液晶層が散
乱一透過状態となる。なお、画素電極892はITOと
したがポリシリコン膜であってもよい。薄いポリシリコ
ン膜は多少茶色をおびる程度であり光透過性を有する。
特に赤外の波長はよく透過する。画素電極892はいず
れかの波長の光に対して光透過性を有する材料で形成さ
れたものであれば何でもよい。 (0395)誘電体ミラー891上または対向電極25
上にカラーフィルタ151を形成すれば一枚の表示パネ
ルでカラー表示を行うことができる。また反射型表示パ
ネルは図92に示すように放熱板921をシリコン接着
剤922でパネル裏面に取り付ければ、放熱対策を容易
に行うことができる。 (0396)なお、誘電体ミラー891はITO電極
(画素電極)892上に形成するとしたが、点線で示す
ように誘電体ミラー891上にITO電極(画素電極)
892aを形成してもよい。この場合は誘電体ミラー8
91に穴をあけ加工を行い、画素電極892とTFT1
55のドレイン端子とを接続する。 (0397)ここで本発明の表示パネルの欠陥検査方法
および欠陥修正方法等について順次説明をする。図90
は、図89に示す本発明の液晶表示パネルの検査方法の
説明図である。図89に示す液晶表示パネルがシリコン
基板12上に形成されている場合は、基板12側からT
FT155等を観察することはできない。そのため誘電
体ミラー891側から欠陥TFT155等を観察する。 (0398)観察には赤外線カメラ902を用いる。図
89の液晶表示パネルは誘電体ミラー891を用い、か
つ画素電極892はITOまたはポリシリコンからなる
光透過性を有する材料で形成されている。誘電体ミラー
891は可視光の光を反射する分光特性を有している
が、赤色以上の赤外に対しては光透過性を有する。また
ITO、ポリシリコンも赤外に対しては十分な光透過性
を有する。もし画素電極892等が金属材料で形成され
ておれば赤外線カメラ901でTFT155を観察する
ことはできないであろう。 (0399)以上のように本発明の欠陥検査方法は赤外
線光を用いてアレイを観察することを特徴とする。観察
とは欠陥TFT155の検出、画素電極892のショー
ト、ゴミの検出等である。ショート欠陥等が発生してい
る場合は、レーザトリミング装置902を用いてショー
ト箇所を切断する。またはTFT155をレーザ光で破
壊して黒画素欠陥とする。白画素欠陥は視覚的に見やす
いが黒画素欠陥は見えにくい。したがって、点欠陥修正
は、白点欠陥を黒点欠陥に修正することが主な目的であ
る。 (0400)レーザトリミング装置902としてはYA
Gレーザが適切である。YAGレーザの波長は1.06
μmの赤外領域にある。したがって、画素電極892を
通過させて良好な切断を行うことができる。ただし、Y
AGレーザはパルス状にレーザ光を照射する。一度にレ
ーザ光を照射すると切断箇所の材料が急激に気化し誘電
体ミラー891等を破壊してしまう。パルスの周波数
は、100Hzから10KHz、特に200Hzから1
KHzの範囲が好ましい。またレーザパルスの半値は、
20n秒から500n秒、特に50n秒から200n秒
の範囲がよい。また1箇所に照射するパルス数は2から
10個の範囲がよく、特に3から5個の範囲がよい。こ
れらは実験により求めておかなければならない。 (0401)以上はアレイ基板12の欠陥検査方法およ
び欠陥修正方法であった。図91、図93にPD液晶パ
ネルの欠陥の修正方法およびその装置について説明をす
る。 (0402)先にも述べたように画素欠陥としては白点
画素欠陥がめだつ。白点画素欠陥とは、PD液晶表示パ
ネルの場合たえず画素電極に電圧が供給されている状態
である。したがって、白点画素欠陥を黒点画素欠陥に変
化させればめだたなくなる。方法としては、TFT15
5を破壊する方法、画素電極14上液晶分子に電圧が印
加されても液晶分子20の配向状態が変化しないように
する方法がある。ここではまず液晶分子20に電圧が印
加されても動作しないようにする方法について説明をす
る。 (0403)本実施の形態では、光源としてエキシマレ
ーザを用い、レーザの封入ガスとしてガラス面を透過す
る発振波長351nmを用いる。まず本実施の形態の欠
陥修正装置について説明をする。 (0404)欠陥修正装置は、図91に示すようにエキ
シマレーザ発生装置901aを備え、エキシマレーザ発
生装置901aから出射されるレーザビーム912の光
路上に紫外線反射ミラー901b、マスク181、レン
ズ901c、液晶表示パネル22、XYステージ911
が配置されている。マスク181は図94に示すように
画素形状341に対応する穴があけられている。 (0405)エキシマレーザ発生装置901aから照射
されたレーザビーム912は、紫外線反射ミラー901
bで反射された後、マスク181のスリット341を通
り、レンズ901cを通過して液晶表示パネル22の修
正箇所に集光される。マスク181には矩形のスリット
を有し、前記スリットは液晶表示パネルの画素サイズに
適合するようにされている。一方XYステージ911は
2μm以下の精度で液晶表示パネルで位置決めでき、修
正を要する画素にレーザパルス912が照射される位置
に位置決めする。ただし、レーザ光のスポットは画素サ
イズよりも小さくしてもよい。その場合はXYステージ
911を移動させて順次欠陥画素領域に照射すればよ
い。 (0406)図93は、欠陥修正方法を説明するための
図面である。エキシマレーザ発生装置901aから照射
されるレーザビーム912のパルス数は2以上20以下
パルスが好ましく、特に5以上10パルス以下が好まし
い。またパルスの周波数は、0.1Hz以上100Hz
以下が好ましく、特に0.5Hz以上10Hz以下の範
囲が好ましい。またエネルギー密度は0.2以上1.5
J/cm2以下が好ましく、特に0.5以上1.0J/
cm2の範囲が好ましい。 (0407)エキシマレーザを照射すると液晶分子20
は配向しなくなる。つまり画素電極14に電圧を印加し
ても動作しなくなり、常時散乱状態を維持する(黒欠陥
画素となる)。これはエキシマレーザは短波長のレーザ
光であり、液晶分子20はこの波長の光を吸収する。ま
たポリマー24も吸収しやすい。そのため、液晶分子2
0、ポリマー24が変化し、常時散乱状態となると推測
される。また、レーザ光による加熱による寄与もあると
推測される。 (0408)以上の動作を液晶表示装置の白点画素欠陥
に順次レーザ光912を照射していくことにより液晶表
示パネルの欠陥修正が行われる。白点画素欠陥は通常で
は液晶層21が光透過状態とならない信号(たとえば、
ソース信号線には映像信号を印加せず、ゲート信号線の
みにTFTのオン電圧、オフ電圧を同期的にくりかえす
信号を印加する駆動)を施すことにより検出できる。検
出された白点画素欠陥をあらかじめメモリに記憶し、順
次XYステージ911を制御して欠陥画素がレーザ光の
照射範囲となるように位置決めを行っていけばよい。当
然のことながら、液晶層が光透過状態とならない信号を
印加した状態で白点画素欠陥を観察者が順次検出しなが
ら、一点ずつXYステージ911を作動させてレーザパ
ルスを照射していってもよい。 (0409)なお、図91、図93の実施の形態ではレ
ーザ光発生装置901としてエキシマレーザ光発生装置
を使用するとしたが、これに限定するものではない。た
とえばYAGレーザ光発生装置を用いてもよい。YAG
レーザ光の場合は波長は赤外であるので液晶分子20、
ポリマー24がレーザ光により変化する割合は低いと考
えられる。ただし、加熱により変化させることができ、
結果として欠陥画素上の液晶を常時散乱状態とさせるこ
とができる。 (0410)YAGレーザ光の場合はパルス周波数は、
1Hz以上1KHz以下、特に、10Hz以上100H
z以下が良好な結果を示す。またレーザ光の半値は20
n秒以上200n秒以下がよく、一画素に照射するパル
ス数は1パルス以上10パルス以下、特に2パルス以上
5パルス以下がよい。あまり長期間レーザ光を照射する
と欠陥画素と隣接した画素の液晶にも熱的影響を与え、
正常な画素の液晶分子20が動作しなくなってしまう。 (0411)また、YAGレーザ光を用いる場合をさら
に集光してTFT155を直接破壊する方法、TFT1
55と画素電極14とを切り離す方法も考えられる。こ
れらも白点画素欠陥を黒点画素欠陥にする方法としては
有効な方法であることは言うまでもない。 (0412)また、アレイ基板12がガラス基板の場合
はレーザ光はアレイ基板12側から入射させることも有
効である。TFT155、ソース信号線15等がマスク
のかわりとなりXYステージ911の位置決め精度が悪
くても確実に画素電極14上の液晶層を変化させること
ができる。なお、レーザ光のかわりにキセノン(Xe)
ランプ光の光を集光したものも用いることができる。白
色レーザ、アルゴンガスレーザ、ネオンヘリウムレーザ
等も用いることができる。 (0413)以上の本発明の表示パネルは例外もある
が、基本的には表示パネルにカラーフィルタ151等を
取り付ける構成である。しかし、カラーフィルタは表示
パネルの内面叉は外面に取り付けなくとも図95のよう
に構成することにより1枚の表示パネルでカラー表示を
行うことができる。 (0414)図95の表示パネルはマイクロレンズアレ
イ181の各マイクロレンズ641に対応してカラーフ
ィルタ151が形成されている。たとえばマイクロレン
ズ641aにR色のカラーフィルタ151aが形成さ
れ、マイクロレンズ641bにG色のカラーフィルタ1
51bが形成され、マイクロレンズ641cにB色のカ
ラーフィルタ151cが形成される。 (0415)マイクロレンズ641aは入射光を画素電
極14aに入射する。この際入射光はカラーフィルタを
通過するからR色が画素電極14aに入射する。同様に
マイクロレンズ641bはG色の光を画素電極14bに
入射させ、マイクロレンズ641cはB色の光を画素電
極14cに入射させる。 (0416)以上のように構成することにより表示パネ
ル22がモロクロ表示パネルであってもカラー表示を行
うことができる(表示パネルにカラーフィルタを形成す
ることなしに)。なお、マイクロレンズアレイ641は
表示パネル22の入射側に配置するとしたが、これに限
定するものではなく、表示パネル22の出射側に配置し
てもよいことは言うまでもない。また、マイクロレンズ
アレイ181と表示パネル22間の間隔に光結合剤69
1を注入すればマイクロレンズ641と画素電極14と
の位置ずれが生じずまたハレーションの発生も抑制され
るので好ましいことは言うまでもない。また、図95で
はイオン交換により作製したマイクロレンズアレイのよ
うに図示したがスタンパ(転写型)あるいは金型で形成
したマイクロレンズアレイを用いてもよいことは言うま
でもない。また、エッチング、印刷技術を用いて形成し
てもよい。 (0417)図95では、マイクロレンズ641は別基
板642に形成したが、図102のように表示パネル2
2のガラス基板に直接成形してもよい。画素電極14a
に対応する位置にR色に着色したマイクロレンズ641
aを形成する。同様に画素電極14bに対応する位置に
G色に着色したマイクロレンズ641bを形成し、画素
電極14cに対応する位置にB色に着色したマイクロレ
ンズ641cを形成する。 (0418)マイクロレンズ641はUV硬化樹脂に色
素を含有させて形成をする。まずスタンパをR色のマイ
クロレンズを形成し、次にスタンパ(転写型)でG色の
マイクロレンズを形成し、最後に、B色のマイクロレン
ズを形成するというように3工程を行うことにより図1
02に示すR、G、B色のマイクロレンズを有する表示
パネルを作製できる。 (0419)なお、図102においてマイクロレンズ6
41は対向基板11上に形成すると図示したがこれに限
定するものではなく、アレイ基板12上に形成してもよ
い。またマイクロレンズに着色せずとも、対向基板11
上にカラーフィルタ151を形成し、前記カラーフィル
タ151に対応する位置に透明な(着色されている)マ
イクロレンズを形成してもよいことは言うまでもない。 (0420)図103は表示パネルの基板11,12と
してマイクロレンズ641を内蔵する基板を用いたもの
である。図103の構成をとることにより、表示パネル
から出射した光の指向性は保持される。カラーフィルタ
151は基板11もしくは基板12上の空気との界面に
形成する。 (0421)図102ではスタンパ(転写用金型)等を
用いて円弧状のマイクロレンズを形成したが、マイクロ
レンズを図104に示すようにフレネルレンズ641c
としてもよい。フレネルレンズ641cは図105に示
すように画素ごとに形成されている。 (0422)図106は、マイクロレンズシート106
2の裏面に反射膜962を形成したものを表示パネルの
裏面に配置した構成である。マイクロレンズシート10
62は図に示すようにフレネルレンズ状でないが、図1
02のように円弧状、図95のように平面状のいずれか
であってもよい。また、マイクロレンズ641は視角改
善を目的として配置されているものであから、かならず
しも、1つの画素に対応して形成する必要はなく、複数
個の画素に1つのマイクロレンズを配置すればよい。 (0423)図106において、入射光は対向基板11
側より入射し、画素電極14を出射する。出射した光
は、反射板962で反射され、マイクロレンズ641で
指向性を整えられ、再び対向基板11から出射される。 (0424)1061は図107に示すようなプリズム
シートであり、前記プリズムシートは1枚または複数枚
を重ねて使用される。プリズムシートは出射する光の指
向性を狭くし、表示画面を高輝度化するのに用いられ
る。なお、プリズムシート1061の裏面に反射膜96
2を形成し、図108に示すように図106に示すマイ
クロレンズシート1062のかわりに用いてもよい。ま
た、図106に示すマイクロレンズシート1062は、
金属板を削ることによりマイクロレンズシート1062
を作製すれば、反射膜962は必要がない。なお、マイ
クロレンズシート1062のマイクロレンズ641等に
必ずしも1画素電極14に対して1マイクロレンズ64
1が対応する必要はなく、複数の画素電極14に対し、
1つのマイクロレンズ641を対応させてもよい。 (0425)以上のように片面に反射膜962を有する
マイクロレンズシート1062またはプリズムシート1
061を表示パネルの片面に配置もしくは接着すること
により、適正な視野角を有する反射型の表示パネル22
を構成することができる。さらにプリズムシート106
1を表示パネルの入射面に配置することにより高輝度化
も実現できる。 (0426)PD液晶を光変調層として用いれば光利用
率を向上できるが、さらに、図109の構成をとること
により光利用率を向上できる。図109の構成は導光板
1091をパネル22の表面に接着層371で接着した
ものである。ただし、接着層371は導光板1091と
アレイ基板12との位置関係を固定(たとえば機械的
に)できるのであれば必要がない。 (0427)接着層371としてシリコンゲル、シリコ
ン接着剤、エポキシ接着剤、UV硬化樹脂、粘着剤、熱
可塑樹脂等が例示される。接着剤は導光板1091とア
レイ基板12との熱応力、伸縮率を考慮して選定する。 (0428)導光板1091には表面に反射膜1092
が形成されている。反射膜1092の材料として銀(A
g)が望ましく、他に金(Au)、アルミニウム(A
l)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等も用いること
ができる。なお、Al、Ag等は表面が酸化されやすい
ため、表面にSiO2、TaOxなどの保護膜を形成する
ことが望ましい。 (0429)反射膜1092はスパッタ等の蒸着による
方法、電解メッキ、無電解メッキ技術により形成する方
法が例示される。導光板1091はコスト、加工性の面
から、アクリル、ポリカーボネート、エンジニアリング
プラスティック、PVA等の樹脂から形成することが好
ましい。これらの樹脂は金型による成型技術に容易に導
光のための穴形成を行うことができる。導光の穴は入射
側の開口部1094bを大きく、出射側の開口部109
4aを狭くする。また、開口部1094aは画素電極1
4より大きくあるいは同等とする。 (0430)導光による穴形成を行った基板の表面に反
射膜1092が形成される。最も簡易な方法は無電解メ
ッキ技術で形成することである。ただし剥離しやすいこ
とが難点である。 (0431)なお、図109において、対向電極25上
に保護膜153を形成するように図示したが、これに限
定するものでなく、対向基板11を配置してもよい。ま
た、図109および図15等において保護膜153はプ
ラスチックなどの保護シートにおきかえてもよい。その
場合はカラーフィルタ15上に保護シート(又は保護基
板)をかぶせるもしくは接着剤をもちいてはりつければ
よい。これら保護シート,保護膜153を総称して保護
層と呼ぶ。 (0432)図110は導光板1091の開口部109
4b側からみた平面図である。開口部1094aを画素
電極14の大きさとする。図110は開口部1094b
は方形であるが、図111に示すように開口部1094
bは円形であってもよい。 (0433)図109に示すように入射光1095は反
射膜1092で反射され反射光1095aとなり画素電
極14を通過する。つまり、表示に有効な光となる。反
射膜1092がなければ入射光1095は光1095b
となりTFT155等に入射する。そのため、画素電極
14を通過することがなく、光利用効率は低下する。 (0434)以上のように光は開口部1094bから開
口部1094aに向かって集光され画素電極14に導か
れる。そのため、光利用効率を高くできる。 (0435)図109の反射面1092bは三角錐状で
あるが、図112に示すように反射面1092bは円弧
状にしてもよい。また、導光板1091自身を反射材料
で形成してもよい。たとえば、Alの板に開口部109
4を形成する構成が例示される。また、開口部1094
を透明樹脂962等で埋める構成も例示される。樹脂9
62等はシリコンゲル、UV硬化樹脂等が例示され、ま
た、エチレングリコール等の液体でもよい。液体の場合
は、液体が漏れないように導光板の光入射面にカバーガ
ラス等を重ねて封止すればよい。 (0436)マイクロレンズ641はスタンパもしはく
イオン交換法で作製したものであるが、前記マイクロレ
ンズは価格が高く、かつ、広面積にマイクロレンズを形
成することができない。 (0437)図96は上記課題を解決した本発明のマイ
クロレンズの断面図である。図96に示すマイクロレン
ズアレイはフィルムもしくは基板642に各画素に対応
した凸部961が形成されている。凸部961を平面的
に図示すれば図97の如くになる。凸部961は無機薄
膜を蒸着すること、感光性アクリル樹脂等を感光し、現
像することによって形成される。962は透明樹脂膜で
あり凸部961に透明樹脂膜を塗布し、硬化させること
により形成する。 (0438)透明樹脂膜962材料としては、アクリレ
ート基を有する重合性化合物である。アクリレート系ハ
ードコート剤が例示される。樹脂成分は70〜80%、
粘度は0.15〜0.2Pa・Sのものを用いる。 (0439)図96に示すマイクロレンズアレイは図9
8に示すようにアレイ基板12もしくは対向基板11に
隣接して配置して用いる。つまり、以前に説明したマイ
クロレンズと同様に用いる。また、図100のように凸
部961に反射膜792を形成すれば、反射型のマイク
ロレンズとして用いることができ、図82に示す凹凸膜
821としても用いることができる。また凸部961を
線状に形成すれば図66に示すような線状のマイクロレ
ンズ基板も構成できる。もしくは凸部961の高さを変
化させれば図65に示すR,G,Bで高さの異なるマイ
クロレンズアレイも構成できる。また同様の技術で図8
5に示すように凹凸部821を形成することができる。 (0440)図99は本発明のマイクロレンズアレイの
製造方法の説明図である。基板181にSiO2等の透
明薄膜991を形成し、その薄膜991上にマスクとな
る金属薄膜992を形成する(図99(a))。金属薄
膜992をパターニングし(図99(b))、薄膜99
1をエッチングすることにより凸部961を形成する
(図99(c))。その後アクリレート系ハードコート
剤を凸部961に塗布し、室温で10分間乾燥させる。
その際、塗布されたコート剤が凸部961との表面張力
によりなめらかな凹凸状になる。次に高圧水銀灯を用い
て紫外線光をハードコート剤に0.5J/cm2の強度
で照射し、ハードコート剤の重合性化合物を重合させ
る。 (0441)図99では無機薄膜をエッチングして凸部
961を形成するとしたが、これに限定するものではな
く、感光性アクリル樹脂を基板181に塗布し、マスク
を介して光を照射し、凸部961を形成してもよい。 (0442)図96は凸レンズのマイクロレンズシート
であるが、図101に示すようにレンズ周辺部に凸部9
61aを形成し、前記凸部961aに透明樹脂層962
aを形成すれば凹レンズのマイクロレンズシート(基
板)を作製することができる。 (0443)なお、マイクロレンズ641,962等は
凸レンズのマイクロレンズ(フレネルレンズ)として説
明したが、これに限定するものではなく、表示パネル等
に構成に応じてマイクロレンズ、フレネルレンズを凹レ
ンズ等に変更してもよい。 (0444)液晶層21で散乱した光は対向基板11ま
たは/およびアレイ基板12と空気との界面で反射し反
射光1095aとなり再び液晶層21にもどり散乱する
(ハレーション)。これを2次散乱光と呼ぶ。2次散乱
光はPD液晶表示パネルの表示コントラストを大幅に低
下させる。 (0445)この2次散乱光の発生を防止するため透明
基板1131をアレイ基板12と対向基板11のうち少
なくとも一方に取り付ける。透明基板1131はオプテ
ィカルカップリングにより光結合層371aにより行
う。透明基板1131を取り付けることによりハレーシ
ョンする光は透明基板1131の無効領域(画像表示に
有効な光が通過しない領域)に塗布した光吸収膜113
2により吸収される。 (0446)光吸収膜1132として黒色塗料が例示さ
れる。その他遮光膜152の材料も用いることができ
る。また、研磨して表面をあらした構造であっても効果
はある。これらも光吸収膜1132の概念に含まれると
考えられるべきである。 (0447)図113に透明基板1131の効果を示
す。図16(a)に示すようにパネル22に平行光線を
照射し、出射側から光変調層21の輝度を測定する。輝
度Bとは出射側基板の厚みt対向基板+透明基板113
1の厚みが、有効表示領域の対角長に対して極めて薄
く、かつ、光吸収膜1132がない時に測定した輝度で
ある。具体的にはd=50(mm)に対して出射側基板
の厚みが1(mm)(t=1)である。 (0448)図113(b)は縦軸を輝度比(Be/
B)とし、横軸を相対基板厚(t/d)としている。図
113(b)よりt/d=0.3で一定となり、t/d
<0.3の時、輝度比(Be/B)の低下割合が大きい
ことがわかる。 (0449)輝度比が小さいことは表示コントラストが
高いことを示す。図113(b)によればt/d=0.
25〜0.3以上でコントラスト向上効果は十分であ
り、先のt/dの1/2であるt/d=0.15でも実
用域であることがわかる。したがって、基板の屈折率n
=1.52の時t/dは0.15以上が好ましく、さら
には(t/d)は0.3以上が好ましい。したがって厚
みtとパネルの対角長dの関係は次を満たせばよい。 (0450)
【数29】 (0451)なお、透明基板1131はガラス基板に限
定するものではない。たとえば、アクリル,ポリカーポ
ネートなどの樹脂で構成してもよい。また透明基板11
31を凹レンズ1131bとすることにより、基板厚を
薄くすることができる。さらに凹レンズ1131bに正
レンズ1131aを組み合わせれば、凹レンズ1131
と正レンズ1131aで正負の光学パワーを打ち消すこ
とができ、見かけ上透明基板1131とみなせる。これ
らの構成展開例を図114に示す。 (0452)図54は、対向基板11上に遮光膜542
を形成した構成であった。 (0453)図116は遮光膜542を透明基板113
1(または凹レンズ1131b等)の裏面に形成した構
成である。ドライバ回路541はアレイ基板12上にT
FT155等と同時に低温ポリシリコン技術を用いて形
成されている。もしくはチップオンガラス(COG)技
術によりシリコンチップがアレイ基板12上に取り付け
られている。一方、透明基板1131等の裏面の無効面
(画像表示に有効な光が通過しない領域)に遮光膜54
2が形成または配置されている。形成とは透明基板11
31に直接塗布技術あるいは蒸着技術等により黒色樹脂
あるいは金属薄膜が形成されていることをいう。配置と
は金属板等を挿入することである。ただし、Al金属の
ように光たくがあるものより酸化クロム、六価クロムの
ように黒色の方が好ましい。黒色塗料とはペンキとか、
アクリル樹脂、トランジスタ上に形成した樹脂154等
が例示される。 (0454)直接入射光に対してはケース1161aに
より遮光する。ドライバ回路541とケース1161a
間は空間をあける。これはドライバ回路541からの発
熱を空冷するための空間を確保するためである。ケース
1161は板金技術あるいはプラスティック成型技術で
作製する。 (0455)ケース1161bは下フタであり、透明基
板1131のくぼみにひっかけられて保持されている。
ケース1161bには透明基板1131等を挿入する穴
があけられている。透明基板1131とアレイ基板12
とは光結合層371を介在させて接着される。 (0456)ライトバルブの組み立て方は、まず下フタ
(ケース)1161bに透明基板1131(又は凹レン
ズ)等を挿入する。つぎに十分に脱泡処理をした光結合
層371を滴下して、その後、液晶表示パネル22を挿
入し、透明基板1131と液晶表示パネル22とを接着
する。最後に上フタ(ケース)1161aをはめこみ、
つめ1162が下フタ1161bにひっかかるようにす
る。また必要に応じて、反射防止膜211が形成された
ガラス基板642を光結合層(図示せず)を介して接着
をする。なお、透明基板1131の空気との接触面には
反射防止膜211を形成しておくべきである。 (0457)透明基板1131等を着色して光学フィル
タとすることは効果がある。アクリル樹脂等で透明基板
1131を形成し、前記アクリル樹脂を色素で着色すれ
ば容易に実現できる。透明基板1131等の着色により
液晶表示パネル22からの出射光の色純度を向上でき、
投射画像の色再現性を十分なものにすることができる。 (0458)図116は透明基板1131を樹脂または
ガラスで形成するものであったが、図117のようにケ
ース1161a内にゲルまたは液体1172を注入する
ことによっても実現できる。ケース1161aの内面ま
たは外面には光吸収膜1132を形成または配置する。
ケース1161aを対向基板11にはめこみ、つぎめに
接着剤371aを塗布し、液体1172等を漏れないよ
うにする。また、アレイ基板12はケース(下ふた)1
161bに接着剤371bでとめておく。 (0459)接着剤371aがかたまった後、ケース1
161aに液体またはゲル1172を注入する。たとえ
ばエチレングルコール、サルチル酸メチル、シリコンゲ
ル、エボキシ樹脂等である。屈折率は少なくとも1.4
2以上のものが望ましい。対向基板11等のガラス基板
の屈折率は1.52であるので、ガラス基板との屈折率
差を0.1以内にするためである。0.1以上だと対向
基板11とゲル1172間で反射光が生じてしまう。ゲ
ル1172は着色したものを用いてもよい。液晶表示パ
ネル22で変調された光の帯域幅を狭くして表示画像の
色純度を高めることができるからである。ゲル1172
等を注入後、ガラス基板1171を取りつけ、ゲル11
72等が漏れないように接着剤371c等で封止する。 (0460)ゲル1172等は流動性があるため、液晶
表示パネル22で発熱した熱を伝達するのに都合がよ
い。つまり液晶表示パネル22の冷却に寄与する。また
ゲル1172等はガラスあるいは樹脂に比較して軽いた
め、ライトバルブの軽量化に寄与する。ライトバルブが
大型の場合、ガラス等で透明基板1131を形成する場
合に比較して、図117の構成の方が安価になる。ま
た、軽量化できる。 (0461)また、図115に示すように透明基板11
31の無効領域に放熱板921を取り付ければ、光吸収
膜1132からの熱を良好に放熱することができる。放
熱板921は接着剤922を用いて透明基板1131に
取り付ければよい。 (0462)本発明の液晶表示パネル22を投射型表示
装置のライトバルブとして用いる場合はアレイ基板12
側から光を入射させることが好ましい(図118参
照)。液晶層21に入射した光は散乱し、ハレーション
等を引き起こし、また熱となり液晶パネル22を劣化さ
せる恐れがある。液晶表示パネルの開口率はパネルサイ
ズと画素数にもよるが通常50%程度である。アレイ基
板12側から光を入射させると開口率分の光しか液晶層
21には入射せず、他の光はソース信号線15等で反射
される。そのため、ハレーションする光が減少し、表示
コントラストが向上する。 (0463)以下、本発明の表示パネルのドライバ回路
および表示パネルの駆動方法について説明するが、その
前にアレイ基板の製造方法について説明をする。まずガ
ラス基板12をUS洗浄/水洗/MS/リンサーする。
次にAP−CVDによりSiO2=200nmのアンダ
ーコートを行う。その後、Cr薄膜を1000オングス
トローム蒸着し、パターニングを行うことにより遮光金
属膜791とする。Cr薄膜の他,Al,Ti等も用い
ることができるこの遮光金属膜791の上層に記録膜2
14を形成し、TFT155を形成する。またストライ
プ状の共通電極212を形成する。遮光金属膜791は
外光に対する遮光膜として機能する。また本発明の液晶
表示パネルをライトバルブとして用いる場合は、メタル
ハイライドランプから入射する光を遮光する遮光膜とし
て機能する。さらにこの上にSiO2=200−300
nmの絶縁膜791を形成し、その後AP−CVDでa
−Si:H=85nmを成膜する。その後AS工程を行
い、RIEでSiエッチング,O2アッシャーでレジス
ト除去し、LP−CVD:450度90分の脱水素を行
う。 (0464)次に結晶化はエキシマレーザーで行う。条
件は290/390 mJ/cm2で行う。 (0465)その後AP−CVDでSiO2=85nm
のゲート絶縁膜を成膜し、M−SPでTa=200nm
のゲートメタルを成膜できる。その後ドーピング工程等
を行ってアレイ基板12が完成する。 (0466)図119は、本発明の液晶表示パネルの駆
動回路の構成図である。ゲートドライバ回路492はT
FT Tij(i,jは整数)を動作させる電圧(以下、
オン電圧VONと呼ぶ)と非動作にさせる電圧(以下、オ
フ電圧VOFFと呼ぶ)を出力する。一方、ソースドライ
バ回路491はHDATA端子に印加されたデータを、
CLK端子に印加されたクロック信号により順次転送す
る。データが出力される端子dj(jは整数)は正ロジ
ック信 号(Hレベル)が出力され、前記Hレベルによ
りスイッチ回路1192のスイッチSWjが閉じられ、
SIG端子に印加された映像信号がソース信号線S
j(jは整数)に印加される。前記ソース信号線Sjに印
加された信号は信号線に形成されたコンデンサ1193
に充電される。前記充電された容量は一水平走査期間
(1H期間)保持される。 (0467)TFT Tijはゲート信号線Gi(iは整
数)に印加されたオン電圧に基づき液晶層21および付
加コンデンサ1194に電圧を書き込む。液晶層21の
−端子は画素電極14であり他の1端子は対向電極25
である。付加コンデンサ1194の−端子は画素電極1
4であり、他の1端子は共通電極212である。共通電
極354はすべての付加コンデンサ1194に共通の電
極であり、アレイ基板12上にあって、画素電極14の
下層に形成されている。なお、共通電極212はストラ
イプ状のITO電極のみに限定されない。たとえばベタ
電極状のものでもよい。 (0468)CNT端子にHロジック信号が印加される
とOR回路1191の出力はHレベルとなりすべてのス
イッチ回路1192のSWが閉じ、SIG信号端子に印
加された電圧がすべてのソース信号線に印加される。C
NT端子には一水平走査期間の所定期間だけHレベルと
なる。 (0469)以下、本発明の表示パネルの駆動方法を説
明するため、図119、図120を用いながら説明をす
る。図120において従来の映像信号1はSIG端子に
印加される映像信号を示す。映像信号1は液晶層21の
電気−光学特性(T−Vカーブ)に適合するようにあら
かじめアンプ等およびガンマ回路で振幅値が調整されて
SIG端子に入力されている。したがって映像信号1の
最大振幅値のとき最大透過率Tとなるようにされている
(図122参照)。 (0470)CNT信号はCNT端子に入力されるロジ
ック信号である。映像信号のブランキング時間のにおい
て、バックポーチの所定時間Hレベルとなる。映像信号
2は本発明の液晶表示パネルの駆動回路のSIG端子に
入力される信号である。振幅値がアンプ、ガンマ回路に
より所定値にされていることは映像信号1と同様であ
る。 (0471)映像信号2はバックポーチにCNT信号の
パルス幅より長く、かつブランキング期間のバックポー
チの時間高さhなる振幅のパルスが重畳(以後、重畳パ
ルスと呼ぶ)されている。高さhの振幅値は走査期間の
画像表示期間S内の映像信号の値から定まるものであ
る。 (0472)重畳パルスのタイミングと幅は、CNT信
号と同一幅、同一タイミングであってもよいが、スイッ
チ1192のSWの特性のスピード、動作にあわせて重
畳パルス幅の方を広くすることが好ましい。CNT信号
により重畳パルスの振幅値hがバックポーチの期間にす
べてのソース信号線に書き込まれ、信号線コンデンサに
充電されるのである。 (0473)重畳パルスの高さhは、画像表示期間S
(液晶表示装置に画像表示される映像信号データがある
期間)の振幅値の平均値とすることが好ましい。この理
由を以下に説明する。ただし、この平均値とはT−V特
性を考慮した平均値である。たとえば液晶の立ち上がり
電圧以下であれば、液晶の透過率は変化しない。平均値
とは液晶の透過率を考慮して、透過率の平均値である。 (0474)今、バックポーチ期間内にすべてのソース
信号線Sjに平均値hなる電圧が 書き込まれたとし、そ
の振幅値hを50とする。また、画像表示期間S内の振
幅値の最大値を80、最小値を30とする。そして、ソ
ース信号線S1には振幅値 50、S2には80、S3には
30の振幅値を書き込む必要があるとする。ソースドラ
イバ回路491へのクロック信号によりSIG端子に印
加された映像信号を順次ソース信号線に書き込んでい
く。ソース信号線S1にはすでに50の電圧が 書き込ま
れている。新たに書き込む場合は50あるので信号線コ
ンデンサ1193aに再充電する必要はない。ソース信
号線S2は80の電圧を書き込む必要が あるので、すで
に書き込まれている電圧との差80−50=30だけの
電荷を信号線コンデンサ1193bに書き込めばよい。
ソース信号線S3は30の電圧を書き込む必要があるの
で、すでに書き込まれている電圧との差50−30=2
0だけの電荷を信号線コンデンサ1193cに書き込め
ばよい。ただし、この電圧30,50とは説明を容易に
するために仮に定めているので、本来は透過率が30
%,透過率50%に用する電圧と考える必要がある。 (0475)以上のことからソース信号線Siに再充電
する必要のある電荷量を減少させることができる。これ
はTFTが画素電極14に書き込み時間を長くするのに
相当する。特に図119のように点順次方式(ソース信
号線に順次サンプルホールドしていく方式)では右端の
画素は書き込み時間がブランキング時間のバックポーチ
期間しか確保できないため有効である。なお、現在の高
温ポリシリコン、低温ポリシリコン技術で作製した液晶
表示パネルはすべてこの点順次方式である。 (0476)本発明のCNT端子がない場合、各ソース
信号線には前の一水平走査期間での振幅電圧が書き込ま
れている。仮にすべてのソース信号線に100の電圧が
書き込まれているとすると、ソース信号線S1は100
−50=50、S2は100−80=20、S3は100
−30=70の電荷を再充電させる必要がある。図12
0は1フィールド反転(1フィールド期間ごとにソース
信号線に印加する信号極性を反転させる)駆動の場合で
あるか1H反転(1水平走査(1H)期間ごとにソース
信号線に印加する信号極性を反転させる)駆動の場合
は、さらに書き込み電荷は大きくなる。1H前には極性
が反対の電圧が書き込まれているからである。たとえば
ソース信号線に−100(マイナス極性の意味)の電圧
が書き込まれていたとすると、ソース信号線S1は50
−(−100)=150、S2は80−(100)=1
80、S3は30−(−100)=130の電荷を再充
電させる 必要が生じる。 (0477)映像信号での重畳パルスの振幅値hは次の
画像表示期間S内の振幅データから求める。したがって
図120に示すようにn+1ラインのように振幅値が小
さければ重畳パルスの高さhは小さくなるし、n+2ラ
インのように振幅値が大きければ高くなる。 (0478)図121に重畳パルスの高さhを求める回
路ブロック図を示す。映像信号1はA/D回路1211
によりA/D変換され、A/D変換されたデジタルデー
タはラインメモリ1212(当然のことながらフィール
ドメモリ等を用いてもよい)に一時記憶される。同時に
演算回路1213により画像表示期間S内のデータが加
算される。加算後サンプルデータ数で平均がとられ、重
畳パルスの振幅データが求める。次のこの振幅データは
液晶のT−V特性を考慮した上、ラインメモリに一時的
に記憶されたデータに加えられる。前記処理されたデー
タはD/A変換回路1214によりD/A変換され映像
信号2となる。 (0479)なお、演算回路1213によりデジタル的
に重畳パルスの振幅データを求めるとしたがこれに限定
するものではなく、コンデンサ等を用いて画像表示期間
S内の振幅値を平滑化することによりアナログ的に重畳
パルスの振幅値を求めてもよい。たとえば、映像信号1
は遅延ライン回路を使用して約1H期間遅延をさせ、こ
の遅延映像信号と重畳パルスの振幅パルスとをオペアン
プ等を用いて加算してもよい。 (0480)図120において重畳パルスの振幅値hは
画像表示期間Sの平均値にするとしたが、これは理論上
のことである。実際はスイッチ回路1192の出力イン
ピーダンス、吸い込み電流、はき出し電流特性により異
なってくる。実験によれば、平均値よりも振幅値hは大
きい方が良好な結果が得られる。しかし、あまり大きい
と黒表示レベルの浮き(黒レベルの透過率があがる)が
発生する。実験によれば重畳パルスの振幅値は、画像表
示期間Sの平均値の1.2〜1.4%倍程度にするのが
好ましい。 (0481)図122にT−Vカーブを示す、本発明の
駆動方法を適用した場合を点線で示す。従来の場合は実
線で示す。本発明の駆動方法を実施することによりT−
Vカーブの傾きは大きくなる。つまり画素に印加する電
圧が小さくても透過率Tを高くできる。したがって、そ
の分だけ液晶膜厚21を厚くできるから表示コントラス
トは向上する。 (0482)また、図123(b)に1フィールド(1
F)反転駆動時に映像信号2の波形を、図123(c)
に1H反転駆動時の映像信号2の波形を示す。重畳パル
スの極性および映像信号の特性が反転する。 (0483)なお、以上の説明はノーマリブラック(N
Bと呼ぶ。画素に電圧を印加していない時に黒表示とな
る)モードの場合である。ノーマリホワイト(NWと呼
ぶ。画素に電圧を印加していない時に白表示となる)モ
ードの場合には表示状態を逆に考える必要がある。NW
モードではつまり表示を画素に電圧を印加している状態
では黒表示、無印加では白表示である。ただし、表示状
態が変化するだけで、本発明の駆動方法等はNWモード
の液晶表示装置にも適用できることは言うまでもない。 (0484)PD液晶表示装置の場合、液晶層21を厚
くすることにより、散乱特性が高くなり表示コントラス
トを向上できる。しかし、画素に印加する駆動電圧も高
くなる。したがって、表示コントラストを向上させるた
めには高い電圧を画素に印加できるようにドライバ回路
541を構成する必要がある。 (0485)図124は、本発明の液晶表示パネルの構
成図である。主としてドライバ回路を中心に描いてい
る。奇数のソース信号線はソースドライバ回路491a
に、偶数のソース信号線はソースドライバ回路491b
に接続する。ソースドライバ回路491aと491bが
ソース信号線に出力する映像信号の極性は反対極性とな
るように出力する。今、正極性の映像信号の場合は
“+”で示し、負極性の映像信号の場合は“−”で示
す。かつ、ソースドライバ回路491は1Hごとに映像
信号の極性を切りかえる。すると、画像の表示状態は図
129の如くなる。画素1291aは隣接した画素と互
いに逆極性の映像信号が書き込まれる。以上のようにす
ることにより画素電極14とソース信号線15等との寄
生容量が減少し、またフリッカの発生が少ない良好な画
像表示を実現できる。 (0486)画素電極14に印加する電圧を高くするた
めには各ドライバ491〜492の駆動電圧(電源電
圧)を高くする必要がある。しかし、あまり高くすると
各ドライバのシフトレジストのデータ転送に障害が生じ
たり、発熱により信頼性が低下したりする。 (0487)今、画素電極14に印加する映像信号の振
幅値を+V、−V(0Vを対向電極電位とする)とす
る。するとソースドライバ回路491の電源は+V1は
+V、GND1は−Vとする必要がある。またゲート信
号線Giに印加する電圧VONは+V+1(V)、VOFFは
−V−3(V)にする必要がある。ただし、1(V)は
TFT155のON動作マージン、−3(V)はTFT
155のOFF動作マージンである。したがって、ゲー
トドライバ492のバッファ回路1241の電圧V3は
VON、GND3はVOFFにする必要がある。ゲートドラ
イバ回路492は極力電圧を低くする方が好ましく、V
2はV1、GND2はGND1とする。なお、V1、V
2、V3およびGND1、GNDは少しマージン(0.
5〜1.5(V))を見込む必要がある。 (0488)本発明の特徴はゲートドライバ492にあ
る。つまりシフトレジスタを有する主としてゲートドラ
イバのシフトレジスタ492とゲートバッファ回路12
41の電源を別電源にした点にある。ゲートバッファ回
路1241の電圧絶対値の方がゲートドライブのシフト
レジスタの電圧絶対値より大きい。したがって高速で動
作するゲートドライバのシフトレジスタ492の発熱を
少なくし、かつゲートバッファ1241の電圧をあげて
高電圧をゲート信号線Giに印加できるようにした点で
ある。なお、ゲートバッファ1241のGND3とゲー
トドライバ回路492のGND2は実用上共通にしても
差しつかえない。 (0489)また、ソースドライバ491a、491b
を2つ用いソース信号線を千鳥ひき出し(1本ごとに他
方向に引き出す)とすることによりソースドライバ回路
491の動作クロックを2分の1に低減したことにも特
徴がある。このようにすることにより、図129に示す
フリッカのない良好な画像表示を実現できる。なおバッ
ファ1192はソース信号線15への書き込み電流を増
加させる機能をもつ。 (0490)さらに画素電極14への印加電圧を高くす
るためには、対向電極25への印加信号を1H期間ごと
に反転させる。その際ソースドライバ491a、491
bの出力信号の極性は同じにし、かつ1H期間ごとに映
像信号の極性を反転させる。 (0491)以下、本発明の表示パネルの駆動方法を図
132さらには図133を参照しながら説明をする。図
132において、一点鎖線は対向電極25への印加信号
波形、実線はソースドライバ回路491への入力信号、
点線はソースドライバ回路491への入力信号の信号中
心である。なお、表示パネルの表示画像1311は図1
31に示すものとする。つまり左側が黒表示で右側が白
表示のステップ表示であり、また表示モードはNBモー
ドである。なお画素への信号極性は図129のようにな
る。1フィールド(1フレーム)後には各画素1291
の信号極性は反転させる。 (0492)図132でわかるとおり対向電極25には
矩形波を印加し、かつ、1H期間ごとに反転させる。ソ
ースドライバ回路491への入力波形も1H期間ごとに
反転させる。その際、対向電極25への信号極性と映像
信号(実線)の極性とは反対極性とする。つまり対向電
極の信号極性が“+”のときは映像信号は“−”であ
り、対向電極の信号極性が“−”のときは“+”であ
る。ただし、信号中心(正確には映像信号のペデスタル
レベル)から対向電極25への印加信号の最大値V0は
、図122の立ちあがり電圧Va以下にする必要があ
る。V0がVa以上であれば黒表示ができなくなるためで
ある。 (0493)以上の動作をさらに等価回路で示せば図1
28の如くなる。共通電極212および対向電極25に
は信号発生回路1281から矩形波(仮に+4(V)、
および−4(V)を出力するものとする。つまり、Va
が4(V)であるとする。)を出力する。一方ソースド
ライバ回路491から映像信号(仮に−6(V)、+6
(V)を出力するものとする)を出力する。 (0494)図128(a)に示す1H期間では対向電
極25等には+4(V)が印加され、画素電極14には
ソースドライバ回路491からの映像信号6(V)がT
FT155を通じて印加される。したがって液晶層21
には6(V)−(−4(V))=10(V)なる電圧が
印加されることになる。次の1H期間、図41(b)で
は逆に対向基板25等には−4(V)が、画素電極14
には6(V)が印加される。したがって液晶層21には
−4(V)−(6(V))=−10(V)が印加され
る。このように駆動することにより液晶層21に印加で
きる電圧の実効値を高くできるから相対的に液晶層21
の膜厚を厚くしてもよい。したがって表示コントラスト
を向上できる。 (0495)しかし、少し課題がある。図132におい
てV0は、図122に示す立ち上がり電極Va以下にすれ
ばよいと記述したが、この0(V)からVaの間ではP
D液晶表示パネルは少しずつ透過率が高くなっている。
したがって、Vaの近傍では良好な黒表示を実現するこ
とはできない。 (0496)そこで図133に示すように対向電極への
印加信号波形が高い(+)のとき、ソースドライバ回路
への入力信号波形も+方向にひきあげる。液晶層21に
印加される電圧は対向電極25と画素電極14に印加さ
れる電位差である。対向電極への印加信号波形(電圧)
が+4(V)であり、ソースドライバ回路への入力信号
波形(つまり、画素電極14に印加される電圧)が+4
(V)であれば、液晶層21には電圧が印加されず、画
素は黒表示となる。逆に対向電極への電圧が+4(V)
で画素電極14に印加される電圧が0(V)であれば、
液晶層には+4(V)−0(V)=4(V)の電圧が印
加される。 (0497)図133はこの駆動方法を実現している。
対向電極には1Hごとに反転する矩形波を印加すると同
時に、画素電極14に印加する電圧(信号)は前記対向
電極25に印加する電圧を基準としてソースドライバ回
路491よりソース信号線に出力する。図132の駆動
方法では点線で示す信号中心の基準として対向電極14
に印加される電圧の極性と画素電極14に印加される電
圧の極性とは反対極性であった。図133の駆動方法で
は同一極性の場合が生じる。 (0498)図133の駆動方法は対向電極25への印
加波形の中心(点線で示す)に対し、対向電極25の電
位を基準(0V)として画素電極14に電圧を印加し、
かつ、対向電圧25の電圧極性と画素電極14の電圧極
性が同一極性の電圧となる場合がある駆動方法である。 (0499)図133の駆動方法の効果はソースドライ
バ491からソース信号線15に出力される映像信号の
振幅値を比較すれば容易に理解できる。 (0500)図132では振幅値はVS1であるのに対
し、図133ではVS2となる。VS1>VS2なる関係があ
るので、図133の駆動方法を採用する方がソースドラ
イバ回路491の電源電圧を低くできるので有利であ
る。 (0501)図133の駆動方法を実現する回路を図1
34に示す。ただし、概念的に示している。トランジス
タQ1のベースに映像信号が供給され、コレクタに負極
性、エミッタに正極性の映像信号が出力される。前記
正、負2つの映像信号はコンデンサCにより直流成分が
カットされる。一方、コンデンサCの一端にはアナログ
スイッチ1341bから直流電圧が供給される(クラン
プされる)直流電圧は可変抵抗で作製し、クランプ電圧
の正負極性の絶対値は同一となるようにする。このクラ
ンプ電圧を対向電極25の電位を基準として作製するこ
とにより図133の波形を容易に作ることができる。な
お、アナログスイッチ1341aにより1Hごとに正と
負の極性を切りかえた映像信号がソース信号線15に出
力される。 (0502)高温もしくは低温ポリシリコン技術で作製
した液晶表示パネルを3枚用いて、投射型表示装置を構
成する場合、1つの課題がある。1つの液晶表示パネル
のソースドライバ回路491もしくはゲートドライブ回
路492の走査方向を他の液晶表示パネルに対して反対
方向にする必要があるからである。 (0503)たとえば、図180では、図137に示す
ように液晶表示パネル22bのゲートドライバ回路49
2の走査方向を他の液晶表示パネルのゲートドライバ回
路492の走査方向に対して反対方向にする必要があ
る。これはダイクロイックミラー(DM)1611によ
り画像が上下反転するためである。スクリーン上で3つ
の液晶表示パネルの投射画像を重ねるためには1つの液
晶表示パネルの画像を反転させる必要がある。図180
の構成を縦展開構成と呼ぶ。一方、他の構成(横展開構
成)では、図136に示すように液晶表示パネル22b
のソースドライバ回路491の走査方向を反対方向にす
る必要がある。 (0504)しかし、高温もしくは低温ポリシリコン技
術で作製した液晶表示パネルは、ドライバ回路を1つの
基板内に画素TFTと同時に形成する必要があるため、
設計が複雑な左右反転機能もしくは上下反転機能を有す
るドライバ回路を形成することは困難である。また、ト
ランジスタのモビリティが100以下と低いため、反転
回路は回路構成が複雑である。 (0505)本発明では、図135で示すようにあらか
じめ走査方向の異なるソースドライバ回路491a、4
91bとゲートドライバ回路492a、492bのうち
少なくとも一方を形成する。そして、たとえば、横展開
構成では液晶表示パネル22bはdd’線でゲートドラ
イバ回路492bをゲート信号線から切り離し、かつ、
ソースドライバ回路491aをaa’でソース信号線か
ら切り離す。これは、レーザトリミング技術、エッチン
グ技術を用いることより簡単に実現できる。なお、横展
開構成では、ゲートドライバ回路の走査方向は3つの液
晶表示パネル22で同一方向であるから最初からゲート
ドライバ回路492bを形成する必要はないことは言う
までもない。他の液晶表示パネル22a、22cは、c
c’線でゲートドライバ回路492aをゲート信号線か
ら切り離し、かつ、ソースドライバ回路491bをb
b’でソース信号線から切り離す。 (0506)また、縦展開構成では3つの液晶表示パネ
ル22のソースドライバ回路491aをaa’線でソー
ス信号線から切り離し、液晶表示パネルのゲートライバ
回路492aをcc’でゲート信号線から切り離し、他
の液晶表示パネル22a,22cゲートドライバ回路4
92bをdd’でゲート信号線から切り離す。 (0507)以上のように液晶表示パネルに走査方向が
異なるゲートドライバ回路492あるいはソースドライ
バ回路491を形成し、一方を切り離す。したがって1
種類の液晶表示パネルを製造することにより、図180
の構成の投射型表示装置を容易に構成することができ
る。 (0508)液晶表示パネルは通常R,G,B(又はシ
アン,マゼンダ(赤青),イエロー)の3色の画素を有
する。また、フリッカの低減するために図129,図1
30に示すように示すように隣接画素に極性の異なる電
圧を印加する。 (0509)図138の表示パネルはR,G,Bの画素
に加えて輝度(W)の画素を有する。Wの画素は白黒の
輝度表示を行う。輝度(W)はコンポジット映像信号を
YC分離し、このY信号を用いる。一方R,G,BはC
信号より作製して各画素に印加する。 (0510)PD液晶を用いる表示パネルは高輝度表示
を実現できるが、さらに高輝度表示することが望まれて
いる。一方で高輝度の画像では人間は色の判別能力が低
下するという傾向がある。 (0511)図138の本発明の表示パネルでは液晶層
にPD液晶を用いる。かつ、R,G,Bのカラーフィル
タを有する画素とカラーフィルタを有さない(もちろん
液晶層21の膜厚を他の画素(R,G,B)の膜厚と同
一にするため、透明色の樹脂フィルタを形成してもよ
い)W画素を有する。高輝度表示を行う時はW画素を光
透過状態にし、低輝度表示のときはW画素を非点灯とす
る。 (0512)ソースドライバ回路491の出力により、
アナログスイッチであるトランスファゲート(TG)1
192が順次オン状態にされていく。まず、TGの11
92R1,1192G1,1192B1,1192W1
が同時にオンし、次に前記TGはオフ状態となるととも
にTGの1192R2,1192G2,1192B2,
1192W2がオン状態となる。また次のステップでは
前記TGはオフ状態となるとともにTGの1192R
3,1192G3,1192B3,1192W3がオン
状態となる。以上のように47のTGが組となり順次オ
ンしていく。 (0513)ソースドライバ回路491の動作クロック
は、水平動作クロックであるので高速動作を行う必要が
ある。また、表示パネル内に形成された信号線(SIG
−W,SIG−R,SIG−G,SIG−B)の配線抵
抗は高い。そのため、少なくとも1H期間内に表示パネ
ルに印加される映像信号の極性は同一極性にされる。1
H期間内に信号極性を反転させることは、時定数の関係
等から不可能であるからである。 (0514)しかし、液晶表示パネルではフリッカの低
減の観点から隣接した画素の極性を反転させる必要があ
る。本発明は画素がR,G,B,Wの4種類であり、そ
れに対応する信号線がSIG−R,SIG−G,SIG
−B,SIG−Wの4本である。今、ある水平期間(1
H)内での各信号線に印加する映像信号の極性がSIG
−Rが−極性、SIG−Gが+極性、SIG−Bが−極
性、SIG−Wが+極性であるとする。次の1H期間で
はSIG−Rを+極性、SIG−Gを−極性、SIG−
Bが+極性を印加し、この動作を順次くりかえす。 (0515)以上のように画素に印加すると図139
(b)に示すように、1行目では−+−+−+と隣接し
た画素に極性が異なるように印加できる。画素1291
aと1291eとは同一極性の電圧が印加されているに
もかかわらず、−+−+−+……と交互に極性の異なる
電圧を印加できる。また2行目には+−+−+−……と
印加することができる。このような駆動を行うことによ
りフリッカがなくなり、画素電極14と信号線15との
寄生容量の影響も低減できるので低い電圧で高い液晶層
21の透過率を得ることができる。 (0516)もし、画素がR,G,Bの3色でそれにと
もなう信号線がSIG−R,SIG−G,SIG−Bの
3本であれば図139(a)に示すように+−++−+
+−++−……となり、隣接した画素で極性を異ならせ
ることができない。 (0517)本発明では画素がR,G,B,Wの4色で
あり、それに伴う信号線が4本であるから図139
(b)に示すように横方向に隣接した画素電極14に印
加する電圧極性を反転でき、そのため、寄生容量を低減
でき、液晶層の透過率を向上でき、フリッカの発生もな
くすことができるとした。しかし、これは画素の色の種
類が偶数であれば実現できる。たとえば画素がR,Gの
2色から構成されている場合、R,G,B,W,シア
ン,イエローの6色で構成されている場合が例示され
る。また、画素がR,G,Bの3色でありRが2分割さ
れそれに対応する信号線が2本あり(つまり信号線は計
4本)の場合も本発明の駆動方法、構成に該当する。 (0518)なお、図139(a)の駆動方法では、行
方向に”++−++−++−”と電圧が印加され、つぎ
のフレーム(フィールド)では”−−+−−+−−+”
と電圧が印加される。また、行ごとに反対極性の電圧が
印加されている(たとえば、第1行目は”++−++−
++−”と電圧が印加され、つきの第2行目”−−+−
−+−−+”と電圧が印加されている)。図139
(a)では、カラーフィルタの色は、R,G,Bの3色
(奇数)である。しかし、このように画素に印加する信
号の極性が異なるように印加することによりフリッカの
発生を低減できる。このように、ある画素行におい
て、”−++−++”と信号を印加し、前のフィールド
で逆極性”+−−+−−”の信号を印加する駆動方法の
発明も重要である。つまり、隣接した2画素を同一極性
とし、前記画素の両隣りの1画素に対して、逆極性の信
号を印加し、フィールドごとに書き込む極性を反対極性
とする駆動方法を行うことにより大幅にフリッカの発生
を低減出来る。又、画素の色も通常の3原色(R,G,
B)とすることが出来る。したがって、図139に示す
駆動方法もフリッカ軽減の方法として有効である。ま
た、輝度傾斜も軽減する。 (0519)また、画素の色は、RGBWとしたが、W
の代わりに黒、あるいはマゼンタなどの他の色としても
よい。又、画素の色配列は、図140(a)、(b)に
示す配置でもよい。 (0520)図138の画素の色配置はストライプ状の
配置であるが、本発明は図140(a)(b)に示す画
素配置でも同様の効果を発揮できることは明らかであ
る。 (0521)図124ではソースドライバ491の出力
が直接アナログスイッチ1192のゲートに接続されて
いるように図示したが、実際には図125に示すよう
に、ソースドライバ491のシフトレジスタの出力は多
段インバータ1251が接続されて、インバータ125
1の出力がアナログスイッチ1192のゲートに接続さ
れている。 (0522)インバータはPチャンネルのMOSトラン
ジスタとnチャンネルのMOSトランジスタから構成さ
れる。またアナログスイッチ1192は1つのnチャン
ネルのMOSトランジスタから構成される場合、図12
6に示すようにnチャンネルとPチャンネルのMOSト
ランジスタで構成される場合がある。特に図126のア
ナログスイッチ1192をトランスファゲート(TG)
と呼ぶ。 (0523)アナログスイッチ1192のソース信号線
の書き込み能力の設計は重要である。書き込み能力が不
足すると液晶層の良好な透過率が得られない。逆にアナ
ログスイッチ1192の大きさが大きすぎるとドライバ
回路の大きさが大きくなり、消費電力が増え、また、ド
ライバ回路の製造歩留まりが低下する。 (0524)検討の結果、液晶表示パネルの有効表示領
域の対角長をD(インチ)、TG1192のPチャンネ
ルトランジスタのゲート長をL(μm)、ゲート幅をW
(μm)とするとき、以下の関係を満足する必要があ
る。 (0525)
定するものではない。たとえば、アクリル,ポリカーポ
ネートなどの樹脂で構成してもよい。また透明基板11
31を凹レンズ1131bとすることにより、基板厚を
薄くすることができる。さらに凹レンズ1131bに正
レンズ1131aを組み合わせれば、凹レンズ1131
と正レンズ1131aで正負の光学パワーを打ち消すこ
とができ、見かけ上透明基板1131とみなせる。これ
らの構成展開例を図114に示す。 (0452)図54は、対向基板11上に遮光膜542
を形成した構成であった。 (0453)図116は遮光膜542を透明基板113
1(または凹レンズ1131b等)の裏面に形成した構
成である。ドライバ回路541はアレイ基板12上にT
FT155等と同時に低温ポリシリコン技術を用いて形
成されている。もしくはチップオンガラス(COG)技
術によりシリコンチップがアレイ基板12上に取り付け
られている。一方、透明基板1131等の裏面の無効面
(画像表示に有効な光が通過しない領域)に遮光膜54
2が形成または配置されている。形成とは透明基板11
31に直接塗布技術あるいは蒸着技術等により黒色樹脂
あるいは金属薄膜が形成されていることをいう。配置と
は金属板等を挿入することである。ただし、Al金属の
ように光たくがあるものより酸化クロム、六価クロムの
ように黒色の方が好ましい。黒色塗料とはペンキとか、
アクリル樹脂、トランジスタ上に形成した樹脂154等
が例示される。 (0454)直接入射光に対してはケース1161aに
より遮光する。ドライバ回路541とケース1161a
間は空間をあける。これはドライバ回路541からの発
熱を空冷するための空間を確保するためである。ケース
1161は板金技術あるいはプラスティック成型技術で
作製する。 (0455)ケース1161bは下フタであり、透明基
板1131のくぼみにひっかけられて保持されている。
ケース1161bには透明基板1131等を挿入する穴
があけられている。透明基板1131とアレイ基板12
とは光結合層371を介在させて接着される。 (0456)ライトバルブの組み立て方は、まず下フタ
(ケース)1161bに透明基板1131(又は凹レン
ズ)等を挿入する。つぎに十分に脱泡処理をした光結合
層371を滴下して、その後、液晶表示パネル22を挿
入し、透明基板1131と液晶表示パネル22とを接着
する。最後に上フタ(ケース)1161aをはめこみ、
つめ1162が下フタ1161bにひっかかるようにす
る。また必要に応じて、反射防止膜211が形成された
ガラス基板642を光結合層(図示せず)を介して接着
をする。なお、透明基板1131の空気との接触面には
反射防止膜211を形成しておくべきである。 (0457)透明基板1131等を着色して光学フィル
タとすることは効果がある。アクリル樹脂等で透明基板
1131を形成し、前記アクリル樹脂を色素で着色すれ
ば容易に実現できる。透明基板1131等の着色により
液晶表示パネル22からの出射光の色純度を向上でき、
投射画像の色再現性を十分なものにすることができる。 (0458)図116は透明基板1131を樹脂または
ガラスで形成するものであったが、図117のようにケ
ース1161a内にゲルまたは液体1172を注入する
ことによっても実現できる。ケース1161aの内面ま
たは外面には光吸収膜1132を形成または配置する。
ケース1161aを対向基板11にはめこみ、つぎめに
接着剤371aを塗布し、液体1172等を漏れないよ
うにする。また、アレイ基板12はケース(下ふた)1
161bに接着剤371bでとめておく。 (0459)接着剤371aがかたまった後、ケース1
161aに液体またはゲル1172を注入する。たとえ
ばエチレングルコール、サルチル酸メチル、シリコンゲ
ル、エボキシ樹脂等である。屈折率は少なくとも1.4
2以上のものが望ましい。対向基板11等のガラス基板
の屈折率は1.52であるので、ガラス基板との屈折率
差を0.1以内にするためである。0.1以上だと対向
基板11とゲル1172間で反射光が生じてしまう。ゲ
ル1172は着色したものを用いてもよい。液晶表示パ
ネル22で変調された光の帯域幅を狭くして表示画像の
色純度を高めることができるからである。ゲル1172
等を注入後、ガラス基板1171を取りつけ、ゲル11
72等が漏れないように接着剤371c等で封止する。 (0460)ゲル1172等は流動性があるため、液晶
表示パネル22で発熱した熱を伝達するのに都合がよ
い。つまり液晶表示パネル22の冷却に寄与する。また
ゲル1172等はガラスあるいは樹脂に比較して軽いた
め、ライトバルブの軽量化に寄与する。ライトバルブが
大型の場合、ガラス等で透明基板1131を形成する場
合に比較して、図117の構成の方が安価になる。ま
た、軽量化できる。 (0461)また、図115に示すように透明基板11
31の無効領域に放熱板921を取り付ければ、光吸収
膜1132からの熱を良好に放熱することができる。放
熱板921は接着剤922を用いて透明基板1131に
取り付ければよい。 (0462)本発明の液晶表示パネル22を投射型表示
装置のライトバルブとして用いる場合はアレイ基板12
側から光を入射させることが好ましい(図118参
照)。液晶層21に入射した光は散乱し、ハレーション
等を引き起こし、また熱となり液晶パネル22を劣化さ
せる恐れがある。液晶表示パネルの開口率はパネルサイ
ズと画素数にもよるが通常50%程度である。アレイ基
板12側から光を入射させると開口率分の光しか液晶層
21には入射せず、他の光はソース信号線15等で反射
される。そのため、ハレーションする光が減少し、表示
コントラストが向上する。 (0463)以下、本発明の表示パネルのドライバ回路
および表示パネルの駆動方法について説明するが、その
前にアレイ基板の製造方法について説明をする。まずガ
ラス基板12をUS洗浄/水洗/MS/リンサーする。
次にAP−CVDによりSiO2=200nmのアンダ
ーコートを行う。その後、Cr薄膜を1000オングス
トローム蒸着し、パターニングを行うことにより遮光金
属膜791とする。Cr薄膜の他,Al,Ti等も用い
ることができるこの遮光金属膜791の上層に記録膜2
14を形成し、TFT155を形成する。またストライ
プ状の共通電極212を形成する。遮光金属膜791は
外光に対する遮光膜として機能する。また本発明の液晶
表示パネルをライトバルブとして用いる場合は、メタル
ハイライドランプから入射する光を遮光する遮光膜とし
て機能する。さらにこの上にSiO2=200−300
nmの絶縁膜791を形成し、その後AP−CVDでa
−Si:H=85nmを成膜する。その後AS工程を行
い、RIEでSiエッチング,O2アッシャーでレジス
ト除去し、LP−CVD:450度90分の脱水素を行
う。 (0464)次に結晶化はエキシマレーザーで行う。条
件は290/390 mJ/cm2で行う。 (0465)その後AP−CVDでSiO2=85nm
のゲート絶縁膜を成膜し、M−SPでTa=200nm
のゲートメタルを成膜できる。その後ドーピング工程等
を行ってアレイ基板12が完成する。 (0466)図119は、本発明の液晶表示パネルの駆
動回路の構成図である。ゲートドライバ回路492はT
FT Tij(i,jは整数)を動作させる電圧(以下、
オン電圧VONと呼ぶ)と非動作にさせる電圧(以下、オ
フ電圧VOFFと呼ぶ)を出力する。一方、ソースドライ
バ回路491はHDATA端子に印加されたデータを、
CLK端子に印加されたクロック信号により順次転送す
る。データが出力される端子dj(jは整数)は正ロジ
ック信 号(Hレベル)が出力され、前記Hレベルによ
りスイッチ回路1192のスイッチSWjが閉じられ、
SIG端子に印加された映像信号がソース信号線S
j(jは整数)に印加される。前記ソース信号線Sjに印
加された信号は信号線に形成されたコンデンサ1193
に充電される。前記充電された容量は一水平走査期間
(1H期間)保持される。 (0467)TFT Tijはゲート信号線Gi(iは整
数)に印加されたオン電圧に基づき液晶層21および付
加コンデンサ1194に電圧を書き込む。液晶層21の
−端子は画素電極14であり他の1端子は対向電極25
である。付加コンデンサ1194の−端子は画素電極1
4であり、他の1端子は共通電極212である。共通電
極354はすべての付加コンデンサ1194に共通の電
極であり、アレイ基板12上にあって、画素電極14の
下層に形成されている。なお、共通電極212はストラ
イプ状のITO電極のみに限定されない。たとえばベタ
電極状のものでもよい。 (0468)CNT端子にHロジック信号が印加される
とOR回路1191の出力はHレベルとなりすべてのス
イッチ回路1192のSWが閉じ、SIG信号端子に印
加された電圧がすべてのソース信号線に印加される。C
NT端子には一水平走査期間の所定期間だけHレベルと
なる。 (0469)以下、本発明の表示パネルの駆動方法を説
明するため、図119、図120を用いながら説明をす
る。図120において従来の映像信号1はSIG端子に
印加される映像信号を示す。映像信号1は液晶層21の
電気−光学特性(T−Vカーブ)に適合するようにあら
かじめアンプ等およびガンマ回路で振幅値が調整されて
SIG端子に入力されている。したがって映像信号1の
最大振幅値のとき最大透過率Tとなるようにされている
(図122参照)。 (0470)CNT信号はCNT端子に入力されるロジ
ック信号である。映像信号のブランキング時間のにおい
て、バックポーチの所定時間Hレベルとなる。映像信号
2は本発明の液晶表示パネルの駆動回路のSIG端子に
入力される信号である。振幅値がアンプ、ガンマ回路に
より所定値にされていることは映像信号1と同様であ
る。 (0471)映像信号2はバックポーチにCNT信号の
パルス幅より長く、かつブランキング期間のバックポー
チの時間高さhなる振幅のパルスが重畳(以後、重畳パ
ルスと呼ぶ)されている。高さhの振幅値は走査期間の
画像表示期間S内の映像信号の値から定まるものであ
る。 (0472)重畳パルスのタイミングと幅は、CNT信
号と同一幅、同一タイミングであってもよいが、スイッ
チ1192のSWの特性のスピード、動作にあわせて重
畳パルス幅の方を広くすることが好ましい。CNT信号
により重畳パルスの振幅値hがバックポーチの期間にす
べてのソース信号線に書き込まれ、信号線コンデンサに
充電されるのである。 (0473)重畳パルスの高さhは、画像表示期間S
(液晶表示装置に画像表示される映像信号データがある
期間)の振幅値の平均値とすることが好ましい。この理
由を以下に説明する。ただし、この平均値とはT−V特
性を考慮した平均値である。たとえば液晶の立ち上がり
電圧以下であれば、液晶の透過率は変化しない。平均値
とは液晶の透過率を考慮して、透過率の平均値である。 (0474)今、バックポーチ期間内にすべてのソース
信号線Sjに平均値hなる電圧が 書き込まれたとし、そ
の振幅値hを50とする。また、画像表示期間S内の振
幅値の最大値を80、最小値を30とする。そして、ソ
ース信号線S1には振幅値 50、S2には80、S3には
30の振幅値を書き込む必要があるとする。ソースドラ
イバ回路491へのクロック信号によりSIG端子に印
加された映像信号を順次ソース信号線に書き込んでい
く。ソース信号線S1にはすでに50の電圧が 書き込ま
れている。新たに書き込む場合は50あるので信号線コ
ンデンサ1193aに再充電する必要はない。ソース信
号線S2は80の電圧を書き込む必要が あるので、すで
に書き込まれている電圧との差80−50=30だけの
電荷を信号線コンデンサ1193bに書き込めばよい。
ソース信号線S3は30の電圧を書き込む必要があるの
で、すでに書き込まれている電圧との差50−30=2
0だけの電荷を信号線コンデンサ1193cに書き込め
ばよい。ただし、この電圧30,50とは説明を容易に
するために仮に定めているので、本来は透過率が30
%,透過率50%に用する電圧と考える必要がある。 (0475)以上のことからソース信号線Siに再充電
する必要のある電荷量を減少させることができる。これ
はTFTが画素電極14に書き込み時間を長くするのに
相当する。特に図119のように点順次方式(ソース信
号線に順次サンプルホールドしていく方式)では右端の
画素は書き込み時間がブランキング時間のバックポーチ
期間しか確保できないため有効である。なお、現在の高
温ポリシリコン、低温ポリシリコン技術で作製した液晶
表示パネルはすべてこの点順次方式である。 (0476)本発明のCNT端子がない場合、各ソース
信号線には前の一水平走査期間での振幅電圧が書き込ま
れている。仮にすべてのソース信号線に100の電圧が
書き込まれているとすると、ソース信号線S1は100
−50=50、S2は100−80=20、S3は100
−30=70の電荷を再充電させる必要がある。図12
0は1フィールド反転(1フィールド期間ごとにソース
信号線に印加する信号極性を反転させる)駆動の場合で
あるか1H反転(1水平走査(1H)期間ごとにソース
信号線に印加する信号極性を反転させる)駆動の場合
は、さらに書き込み電荷は大きくなる。1H前には極性
が反対の電圧が書き込まれているからである。たとえば
ソース信号線に−100(マイナス極性の意味)の電圧
が書き込まれていたとすると、ソース信号線S1は50
−(−100)=150、S2は80−(100)=1
80、S3は30−(−100)=130の電荷を再充
電させる 必要が生じる。 (0477)映像信号での重畳パルスの振幅値hは次の
画像表示期間S内の振幅データから求める。したがって
図120に示すようにn+1ラインのように振幅値が小
さければ重畳パルスの高さhは小さくなるし、n+2ラ
インのように振幅値が大きければ高くなる。 (0478)図121に重畳パルスの高さhを求める回
路ブロック図を示す。映像信号1はA/D回路1211
によりA/D変換され、A/D変換されたデジタルデー
タはラインメモリ1212(当然のことながらフィール
ドメモリ等を用いてもよい)に一時記憶される。同時に
演算回路1213により画像表示期間S内のデータが加
算される。加算後サンプルデータ数で平均がとられ、重
畳パルスの振幅データが求める。次のこの振幅データは
液晶のT−V特性を考慮した上、ラインメモリに一時的
に記憶されたデータに加えられる。前記処理されたデー
タはD/A変換回路1214によりD/A変換され映像
信号2となる。 (0479)なお、演算回路1213によりデジタル的
に重畳パルスの振幅データを求めるとしたがこれに限定
するものではなく、コンデンサ等を用いて画像表示期間
S内の振幅値を平滑化することによりアナログ的に重畳
パルスの振幅値を求めてもよい。たとえば、映像信号1
は遅延ライン回路を使用して約1H期間遅延をさせ、こ
の遅延映像信号と重畳パルスの振幅パルスとをオペアン
プ等を用いて加算してもよい。 (0480)図120において重畳パルスの振幅値hは
画像表示期間Sの平均値にするとしたが、これは理論上
のことである。実際はスイッチ回路1192の出力イン
ピーダンス、吸い込み電流、はき出し電流特性により異
なってくる。実験によれば、平均値よりも振幅値hは大
きい方が良好な結果が得られる。しかし、あまり大きい
と黒表示レベルの浮き(黒レベルの透過率があがる)が
発生する。実験によれば重畳パルスの振幅値は、画像表
示期間Sの平均値の1.2〜1.4%倍程度にするのが
好ましい。 (0481)図122にT−Vカーブを示す、本発明の
駆動方法を適用した場合を点線で示す。従来の場合は実
線で示す。本発明の駆動方法を実施することによりT−
Vカーブの傾きは大きくなる。つまり画素に印加する電
圧が小さくても透過率Tを高くできる。したがって、そ
の分だけ液晶膜厚21を厚くできるから表示コントラス
トは向上する。 (0482)また、図123(b)に1フィールド(1
F)反転駆動時に映像信号2の波形を、図123(c)
に1H反転駆動時の映像信号2の波形を示す。重畳パル
スの極性および映像信号の特性が反転する。 (0483)なお、以上の説明はノーマリブラック(N
Bと呼ぶ。画素に電圧を印加していない時に黒表示とな
る)モードの場合である。ノーマリホワイト(NWと呼
ぶ。画素に電圧を印加していない時に白表示となる)モ
ードの場合には表示状態を逆に考える必要がある。NW
モードではつまり表示を画素に電圧を印加している状態
では黒表示、無印加では白表示である。ただし、表示状
態が変化するだけで、本発明の駆動方法等はNWモード
の液晶表示装置にも適用できることは言うまでもない。 (0484)PD液晶表示装置の場合、液晶層21を厚
くすることにより、散乱特性が高くなり表示コントラス
トを向上できる。しかし、画素に印加する駆動電圧も高
くなる。したがって、表示コントラストを向上させるた
めには高い電圧を画素に印加できるようにドライバ回路
541を構成する必要がある。 (0485)図124は、本発明の液晶表示パネルの構
成図である。主としてドライバ回路を中心に描いてい
る。奇数のソース信号線はソースドライバ回路491a
に、偶数のソース信号線はソースドライバ回路491b
に接続する。ソースドライバ回路491aと491bが
ソース信号線に出力する映像信号の極性は反対極性とな
るように出力する。今、正極性の映像信号の場合は
“+”で示し、負極性の映像信号の場合は“−”で示
す。かつ、ソースドライバ回路491は1Hごとに映像
信号の極性を切りかえる。すると、画像の表示状態は図
129の如くなる。画素1291aは隣接した画素と互
いに逆極性の映像信号が書き込まれる。以上のようにす
ることにより画素電極14とソース信号線15等との寄
生容量が減少し、またフリッカの発生が少ない良好な画
像表示を実現できる。 (0486)画素電極14に印加する電圧を高くするた
めには各ドライバ491〜492の駆動電圧(電源電
圧)を高くする必要がある。しかし、あまり高くすると
各ドライバのシフトレジストのデータ転送に障害が生じ
たり、発熱により信頼性が低下したりする。 (0487)今、画素電極14に印加する映像信号の振
幅値を+V、−V(0Vを対向電極電位とする)とす
る。するとソースドライバ回路491の電源は+V1は
+V、GND1は−Vとする必要がある。またゲート信
号線Giに印加する電圧VONは+V+1(V)、VOFFは
−V−3(V)にする必要がある。ただし、1(V)は
TFT155のON動作マージン、−3(V)はTFT
155のOFF動作マージンである。したがって、ゲー
トドライバ492のバッファ回路1241の電圧V3は
VON、GND3はVOFFにする必要がある。ゲートドラ
イバ回路492は極力電圧を低くする方が好ましく、V
2はV1、GND2はGND1とする。なお、V1、V
2、V3およびGND1、GNDは少しマージン(0.
5〜1.5(V))を見込む必要がある。 (0488)本発明の特徴はゲートドライバ492にあ
る。つまりシフトレジスタを有する主としてゲートドラ
イバのシフトレジスタ492とゲートバッファ回路12
41の電源を別電源にした点にある。ゲートバッファ回
路1241の電圧絶対値の方がゲートドライブのシフト
レジスタの電圧絶対値より大きい。したがって高速で動
作するゲートドライバのシフトレジスタ492の発熱を
少なくし、かつゲートバッファ1241の電圧をあげて
高電圧をゲート信号線Giに印加できるようにした点で
ある。なお、ゲートバッファ1241のGND3とゲー
トドライバ回路492のGND2は実用上共通にしても
差しつかえない。 (0489)また、ソースドライバ491a、491b
を2つ用いソース信号線を千鳥ひき出し(1本ごとに他
方向に引き出す)とすることによりソースドライバ回路
491の動作クロックを2分の1に低減したことにも特
徴がある。このようにすることにより、図129に示す
フリッカのない良好な画像表示を実現できる。なおバッ
ファ1192はソース信号線15への書き込み電流を増
加させる機能をもつ。 (0490)さらに画素電極14への印加電圧を高くす
るためには、対向電極25への印加信号を1H期間ごと
に反転させる。その際ソースドライバ491a、491
bの出力信号の極性は同じにし、かつ1H期間ごとに映
像信号の極性を反転させる。 (0491)以下、本発明の表示パネルの駆動方法を図
132さらには図133を参照しながら説明をする。図
132において、一点鎖線は対向電極25への印加信号
波形、実線はソースドライバ回路491への入力信号、
点線はソースドライバ回路491への入力信号の信号中
心である。なお、表示パネルの表示画像1311は図1
31に示すものとする。つまり左側が黒表示で右側が白
表示のステップ表示であり、また表示モードはNBモー
ドである。なお画素への信号極性は図129のようにな
る。1フィールド(1フレーム)後には各画素1291
の信号極性は反転させる。 (0492)図132でわかるとおり対向電極25には
矩形波を印加し、かつ、1H期間ごとに反転させる。ソ
ースドライバ回路491への入力波形も1H期間ごとに
反転させる。その際、対向電極25への信号極性と映像
信号(実線)の極性とは反対極性とする。つまり対向電
極の信号極性が“+”のときは映像信号は“−”であ
り、対向電極の信号極性が“−”のときは“+”であ
る。ただし、信号中心(正確には映像信号のペデスタル
レベル)から対向電極25への印加信号の最大値V0は
、図122の立ちあがり電圧Va以下にする必要があ
る。V0がVa以上であれば黒表示ができなくなるためで
ある。 (0493)以上の動作をさらに等価回路で示せば図1
28の如くなる。共通電極212および対向電極25に
は信号発生回路1281から矩形波(仮に+4(V)、
および−4(V)を出力するものとする。つまり、Va
が4(V)であるとする。)を出力する。一方ソースド
ライバ回路491から映像信号(仮に−6(V)、+6
(V)を出力するものとする)を出力する。 (0494)図128(a)に示す1H期間では対向電
極25等には+4(V)が印加され、画素電極14には
ソースドライバ回路491からの映像信号6(V)がT
FT155を通じて印加される。したがって液晶層21
には6(V)−(−4(V))=10(V)なる電圧が
印加されることになる。次の1H期間、図41(b)で
は逆に対向基板25等には−4(V)が、画素電極14
には6(V)が印加される。したがって液晶層21には
−4(V)−(6(V))=−10(V)が印加され
る。このように駆動することにより液晶層21に印加で
きる電圧の実効値を高くできるから相対的に液晶層21
の膜厚を厚くしてもよい。したがって表示コントラスト
を向上できる。 (0495)しかし、少し課題がある。図132におい
てV0は、図122に示す立ち上がり電極Va以下にすれ
ばよいと記述したが、この0(V)からVaの間ではP
D液晶表示パネルは少しずつ透過率が高くなっている。
したがって、Vaの近傍では良好な黒表示を実現するこ
とはできない。 (0496)そこで図133に示すように対向電極への
印加信号波形が高い(+)のとき、ソースドライバ回路
への入力信号波形も+方向にひきあげる。液晶層21に
印加される電圧は対向電極25と画素電極14に印加さ
れる電位差である。対向電極への印加信号波形(電圧)
が+4(V)であり、ソースドライバ回路への入力信号
波形(つまり、画素電極14に印加される電圧)が+4
(V)であれば、液晶層21には電圧が印加されず、画
素は黒表示となる。逆に対向電極への電圧が+4(V)
で画素電極14に印加される電圧が0(V)であれば、
液晶層には+4(V)−0(V)=4(V)の電圧が印
加される。 (0497)図133はこの駆動方法を実現している。
対向電極には1Hごとに反転する矩形波を印加すると同
時に、画素電極14に印加する電圧(信号)は前記対向
電極25に印加する電圧を基準としてソースドライバ回
路491よりソース信号線に出力する。図132の駆動
方法では点線で示す信号中心の基準として対向電極14
に印加される電圧の極性と画素電極14に印加される電
圧の極性とは反対極性であった。図133の駆動方法で
は同一極性の場合が生じる。 (0498)図133の駆動方法は対向電極25への印
加波形の中心(点線で示す)に対し、対向電極25の電
位を基準(0V)として画素電極14に電圧を印加し、
かつ、対向電圧25の電圧極性と画素電極14の電圧極
性が同一極性の電圧となる場合がある駆動方法である。 (0499)図133の駆動方法の効果はソースドライ
バ491からソース信号線15に出力される映像信号の
振幅値を比較すれば容易に理解できる。 (0500)図132では振幅値はVS1であるのに対
し、図133ではVS2となる。VS1>VS2なる関係があ
るので、図133の駆動方法を採用する方がソースドラ
イバ回路491の電源電圧を低くできるので有利であ
る。 (0501)図133の駆動方法を実現する回路を図1
34に示す。ただし、概念的に示している。トランジス
タQ1のベースに映像信号が供給され、コレクタに負極
性、エミッタに正極性の映像信号が出力される。前記
正、負2つの映像信号はコンデンサCにより直流成分が
カットされる。一方、コンデンサCの一端にはアナログ
スイッチ1341bから直流電圧が供給される(クラン
プされる)直流電圧は可変抵抗で作製し、クランプ電圧
の正負極性の絶対値は同一となるようにする。このクラ
ンプ電圧を対向電極25の電位を基準として作製するこ
とにより図133の波形を容易に作ることができる。な
お、アナログスイッチ1341aにより1Hごとに正と
負の極性を切りかえた映像信号がソース信号線15に出
力される。 (0502)高温もしくは低温ポリシリコン技術で作製
した液晶表示パネルを3枚用いて、投射型表示装置を構
成する場合、1つの課題がある。1つの液晶表示パネル
のソースドライバ回路491もしくはゲートドライブ回
路492の走査方向を他の液晶表示パネルに対して反対
方向にする必要があるからである。 (0503)たとえば、図180では、図137に示す
ように液晶表示パネル22bのゲートドライバ回路49
2の走査方向を他の液晶表示パネルのゲートドライバ回
路492の走査方向に対して反対方向にする必要があ
る。これはダイクロイックミラー(DM)1611によ
り画像が上下反転するためである。スクリーン上で3つ
の液晶表示パネルの投射画像を重ねるためには1つの液
晶表示パネルの画像を反転させる必要がある。図180
の構成を縦展開構成と呼ぶ。一方、他の構成(横展開構
成)では、図136に示すように液晶表示パネル22b
のソースドライバ回路491の走査方向を反対方向にす
る必要がある。 (0504)しかし、高温もしくは低温ポリシリコン技
術で作製した液晶表示パネルは、ドライバ回路を1つの
基板内に画素TFTと同時に形成する必要があるため、
設計が複雑な左右反転機能もしくは上下反転機能を有す
るドライバ回路を形成することは困難である。また、ト
ランジスタのモビリティが100以下と低いため、反転
回路は回路構成が複雑である。 (0505)本発明では、図135で示すようにあらか
じめ走査方向の異なるソースドライバ回路491a、4
91bとゲートドライバ回路492a、492bのうち
少なくとも一方を形成する。そして、たとえば、横展開
構成では液晶表示パネル22bはdd’線でゲートドラ
イバ回路492bをゲート信号線から切り離し、かつ、
ソースドライバ回路491aをaa’でソース信号線か
ら切り離す。これは、レーザトリミング技術、エッチン
グ技術を用いることより簡単に実現できる。なお、横展
開構成では、ゲートドライバ回路の走査方向は3つの液
晶表示パネル22で同一方向であるから最初からゲート
ドライバ回路492bを形成する必要はないことは言う
までもない。他の液晶表示パネル22a、22cは、c
c’線でゲートドライバ回路492aをゲート信号線か
ら切り離し、かつ、ソースドライバ回路491bをb
b’でソース信号線から切り離す。 (0506)また、縦展開構成では3つの液晶表示パネ
ル22のソースドライバ回路491aをaa’線でソー
ス信号線から切り離し、液晶表示パネルのゲートライバ
回路492aをcc’でゲート信号線から切り離し、他
の液晶表示パネル22a,22cゲートドライバ回路4
92bをdd’でゲート信号線から切り離す。 (0507)以上のように液晶表示パネルに走査方向が
異なるゲートドライバ回路492あるいはソースドライ
バ回路491を形成し、一方を切り離す。したがって1
種類の液晶表示パネルを製造することにより、図180
の構成の投射型表示装置を容易に構成することができ
る。 (0508)液晶表示パネルは通常R,G,B(又はシ
アン,マゼンダ(赤青),イエロー)の3色の画素を有
する。また、フリッカの低減するために図129,図1
30に示すように示すように隣接画素に極性の異なる電
圧を印加する。 (0509)図138の表示パネルはR,G,Bの画素
に加えて輝度(W)の画素を有する。Wの画素は白黒の
輝度表示を行う。輝度(W)はコンポジット映像信号を
YC分離し、このY信号を用いる。一方R,G,BはC
信号より作製して各画素に印加する。 (0510)PD液晶を用いる表示パネルは高輝度表示
を実現できるが、さらに高輝度表示することが望まれて
いる。一方で高輝度の画像では人間は色の判別能力が低
下するという傾向がある。 (0511)図138の本発明の表示パネルでは液晶層
にPD液晶を用いる。かつ、R,G,Bのカラーフィル
タを有する画素とカラーフィルタを有さない(もちろん
液晶層21の膜厚を他の画素(R,G,B)の膜厚と同
一にするため、透明色の樹脂フィルタを形成してもよ
い)W画素を有する。高輝度表示を行う時はW画素を光
透過状態にし、低輝度表示のときはW画素を非点灯とす
る。 (0512)ソースドライバ回路491の出力により、
アナログスイッチであるトランスファゲート(TG)1
192が順次オン状態にされていく。まず、TGの11
92R1,1192G1,1192B1,1192W1
が同時にオンし、次に前記TGはオフ状態となるととも
にTGの1192R2,1192G2,1192B2,
1192W2がオン状態となる。また次のステップでは
前記TGはオフ状態となるとともにTGの1192R
3,1192G3,1192B3,1192W3がオン
状態となる。以上のように47のTGが組となり順次オ
ンしていく。 (0513)ソースドライバ回路491の動作クロック
は、水平動作クロックであるので高速動作を行う必要が
ある。また、表示パネル内に形成された信号線(SIG
−W,SIG−R,SIG−G,SIG−B)の配線抵
抗は高い。そのため、少なくとも1H期間内に表示パネ
ルに印加される映像信号の極性は同一極性にされる。1
H期間内に信号極性を反転させることは、時定数の関係
等から不可能であるからである。 (0514)しかし、液晶表示パネルではフリッカの低
減の観点から隣接した画素の極性を反転させる必要があ
る。本発明は画素がR,G,B,Wの4種類であり、そ
れに対応する信号線がSIG−R,SIG−G,SIG
−B,SIG−Wの4本である。今、ある水平期間(1
H)内での各信号線に印加する映像信号の極性がSIG
−Rが−極性、SIG−Gが+極性、SIG−Bが−極
性、SIG−Wが+極性であるとする。次の1H期間で
はSIG−Rを+極性、SIG−Gを−極性、SIG−
Bが+極性を印加し、この動作を順次くりかえす。 (0515)以上のように画素に印加すると図139
(b)に示すように、1行目では−+−+−+と隣接し
た画素に極性が異なるように印加できる。画素1291
aと1291eとは同一極性の電圧が印加されているに
もかかわらず、−+−+−+……と交互に極性の異なる
電圧を印加できる。また2行目には+−+−+−……と
印加することができる。このような駆動を行うことによ
りフリッカがなくなり、画素電極14と信号線15との
寄生容量の影響も低減できるので低い電圧で高い液晶層
21の透過率を得ることができる。 (0516)もし、画素がR,G,Bの3色でそれにと
もなう信号線がSIG−R,SIG−G,SIG−Bの
3本であれば図139(a)に示すように+−++−+
+−++−……となり、隣接した画素で極性を異ならせ
ることができない。 (0517)本発明では画素がR,G,B,Wの4色で
あり、それに伴う信号線が4本であるから図139
(b)に示すように横方向に隣接した画素電極14に印
加する電圧極性を反転でき、そのため、寄生容量を低減
でき、液晶層の透過率を向上でき、フリッカの発生もな
くすことができるとした。しかし、これは画素の色の種
類が偶数であれば実現できる。たとえば画素がR,Gの
2色から構成されている場合、R,G,B,W,シア
ン,イエローの6色で構成されている場合が例示され
る。また、画素がR,G,Bの3色でありRが2分割さ
れそれに対応する信号線が2本あり(つまり信号線は計
4本)の場合も本発明の駆動方法、構成に該当する。 (0518)なお、図139(a)の駆動方法では、行
方向に”++−++−++−”と電圧が印加され、つぎ
のフレーム(フィールド)では”−−+−−+−−+”
と電圧が印加される。また、行ごとに反対極性の電圧が
印加されている(たとえば、第1行目は”++−++−
++−”と電圧が印加され、つきの第2行目”−−+−
−+−−+”と電圧が印加されている)。図139
(a)では、カラーフィルタの色は、R,G,Bの3色
(奇数)である。しかし、このように画素に印加する信
号の極性が異なるように印加することによりフリッカの
発生を低減できる。このように、ある画素行におい
て、”−++−++”と信号を印加し、前のフィールド
で逆極性”+−−+−−”の信号を印加する駆動方法の
発明も重要である。つまり、隣接した2画素を同一極性
とし、前記画素の両隣りの1画素に対して、逆極性の信
号を印加し、フィールドごとに書き込む極性を反対極性
とする駆動方法を行うことにより大幅にフリッカの発生
を低減出来る。又、画素の色も通常の3原色(R,G,
B)とすることが出来る。したがって、図139に示す
駆動方法もフリッカ軽減の方法として有効である。ま
た、輝度傾斜も軽減する。 (0519)また、画素の色は、RGBWとしたが、W
の代わりに黒、あるいはマゼンタなどの他の色としても
よい。又、画素の色配列は、図140(a)、(b)に
示す配置でもよい。 (0520)図138の画素の色配置はストライプ状の
配置であるが、本発明は図140(a)(b)に示す画
素配置でも同様の効果を発揮できることは明らかであ
る。 (0521)図124ではソースドライバ491の出力
が直接アナログスイッチ1192のゲートに接続されて
いるように図示したが、実際には図125に示すよう
に、ソースドライバ491のシフトレジスタの出力は多
段インバータ1251が接続されて、インバータ125
1の出力がアナログスイッチ1192のゲートに接続さ
れている。 (0522)インバータはPチャンネルのMOSトラン
ジスタとnチャンネルのMOSトランジスタから構成さ
れる。またアナログスイッチ1192は1つのnチャン
ネルのMOSトランジスタから構成される場合、図12
6に示すようにnチャンネルとPチャンネルのMOSト
ランジスタで構成される場合がある。特に図126のア
ナログスイッチ1192をトランスファゲート(TG)
と呼ぶ。 (0523)アナログスイッチ1192のソース信号線
の書き込み能力の設計は重要である。書き込み能力が不
足すると液晶層の良好な透過率が得られない。逆にアナ
ログスイッチ1192の大きさが大きすぎるとドライバ
回路の大きさが大きくなり、消費電力が増え、また、ド
ライバ回路の製造歩留まりが低下する。 (0524)検討の結果、液晶表示パネルの有効表示領
域の対角長をD(インチ)、TG1192のPチャンネ
ルトランジスタのゲート長をL(μm)、ゲート幅をW
(μm)とするとき、以下の関係を満足する必要があ
る。 (0525)
【数30】 (0526)さらに好ましくは以下の式を満足するよう
に設計する。 (0527)
に設計する。 (0527)
【数31】 (0528)Pチャンネルトランジスタのモビリティμ
p(cm2/V・sec)とするとき、以下の関係を満
足する必要がある。なお、モビリティμp(cm2/V
・sec)とは50とか30とかという値である。 (0529)
p(cm2/V・sec)とするとき、以下の関係を満
足する必要がある。なお、モビリティμp(cm2/V
・sec)とは50とか30とかという値である。 (0529)
【数32】 (0530)さらに好ましくは以下の関係を満足する必
要がある。 (0531)
要がある。 (0531)
【数33】 (0532)なお、Wの値は100(μm)以上にする
ことが好ましい。 (0533)先にも説明したようにドライバ回路491
のシフトレジスタ回路の出力端にはインバータ1251
が多段に接続されており、その最終出力がTG1192
に接続されている(図126(b)参照)。インバータ
1251の接続段数が多いと接続されているインバータ
1251の特性差が多重(積み重なり)され、シフトレ
ジスタからTGまでの伝達時間に差が生じる(遅延時間
バラツキ)。たとえば、極端な場合では、図138にお
いてトランスファゲートTG1292R1は1.0μs
ec後(シフトレジスタからパルスが出力されてから起
算して)にオンしているのに、TGの1292G1は
1.5μsec後にオンするという状態が生じる。した
がって、シフトレジスタとTG間に作製するインバータ
数は少ない方がよいが、TGのWは非常に大きく、シフ
トレジスタを構成するインバータ(NAND)がTGを
直接駆動することは不可能である。そのためインバータ
を多段接続する必要があるが、たとえば図126(b)
のインバータ1251dのW2/L2の大きさとインバー
タ1251bのW1/L1の大きさの比が大きいと遅延時
間が長くなり、また、インバータの特性がバラツキも大
きくなる。 (0534)図228に遅延時間バラツキ(点線で示
す)と遅延時間比(実線で示す)の関係を示す。横軸は
(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)で示す。たとえば、図
126(b)でインバータ1251bと1251dのL
が同一で2W2=W1であれば(W1/L1)/(W2/
L2)=0.5である。図228のグラフは遅延時間比
は(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)=0.5のときを1
とし、遅延同様に時間バラツキも1としている。 (0535)図228では(Wn-1/Ln-1)/(Wn/
Ln)が大きくなるほどインバータ1251の接続段数
が多くなり遅延時間バラツキが大きくなることを示して
おり、また、(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)が小さく
なるほどインバータ1251から次段へのインバータ1
251への遅延時間が長くなることを示している。この
グラフから遅延時間比および遅延時間バラツキを2以内
にすることが設計上有利である。したがって、次式の条
件を満足させればよい。 (0536)
ことが好ましい。 (0533)先にも説明したようにドライバ回路491
のシフトレジスタ回路の出力端にはインバータ1251
が多段に接続されており、その最終出力がTG1192
に接続されている(図126(b)参照)。インバータ
1251の接続段数が多いと接続されているインバータ
1251の特性差が多重(積み重なり)され、シフトレ
ジスタからTGまでの伝達時間に差が生じる(遅延時間
バラツキ)。たとえば、極端な場合では、図138にお
いてトランスファゲートTG1292R1は1.0μs
ec後(シフトレジスタからパルスが出力されてから起
算して)にオンしているのに、TGの1292G1は
1.5μsec後にオンするという状態が生じる。した
がって、シフトレジスタとTG間に作製するインバータ
数は少ない方がよいが、TGのWは非常に大きく、シフ
トレジスタを構成するインバータ(NAND)がTGを
直接駆動することは不可能である。そのためインバータ
を多段接続する必要があるが、たとえば図126(b)
のインバータ1251dのW2/L2の大きさとインバー
タ1251bのW1/L1の大きさの比が大きいと遅延時
間が長くなり、また、インバータの特性がバラツキも大
きくなる。 (0534)図228に遅延時間バラツキ(点線で示
す)と遅延時間比(実線で示す)の関係を示す。横軸は
(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)で示す。たとえば、図
126(b)でインバータ1251bと1251dのL
が同一で2W2=W1であれば(W1/L1)/(W2/
L2)=0.5である。図228のグラフは遅延時間比
は(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)=0.5のときを1
とし、遅延同様に時間バラツキも1としている。 (0535)図228では(Wn-1/Ln-1)/(Wn/
Ln)が大きくなるほどインバータ1251の接続段数
が多くなり遅延時間バラツキが大きくなることを示して
おり、また、(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)が小さく
なるほどインバータ1251から次段へのインバータ1
251への遅延時間が長くなることを示している。この
グラフから遅延時間比および遅延時間バラツキを2以内
にすることが設計上有利である。したがって、次式の条
件を満足させればよい。 (0536)
【数34】 (0537)また各インバータ1251のPチャンネル
のW/L比(Wp/Lp)とnチャンネルのW/L比(W
s/Ls)とは以下の関係を満足させる必要がある。 (0538)
のW/L比(Wp/Lp)とnチャンネルのW/L比(W
s/Ls)とは以下の関係を満足させる必要がある。 (0538)
【数35】 (0539)さらに、シフトレジスタの出力端からTG
1192間に形成するインバータ1251の段数mは次
式を満足させると遅延時間のバラツキも少なく良好であ
る。 (0540)
1192間に形成するインバータ1251の段数mは次
式を満足させると遅延時間のバラツキも少なく良好であ
る。 (0540)
【数36】 (0541)モビリティμにも課題がある。nチャンネ
ルトランジスタのモビリティμnは小さいとTGおよび
インバータのサイズが大きくなり、消費電力等が大き
く、またドライバの形成面積が大きくなる。そのためパ
ネルサイズが大きくなってしまう。一方、大きいとトラ
ンジスタの特性劣化をひきおこしやすい、そのためモビ
リティμnは以下の範囲がよい。 (0542)
ルトランジスタのモビリティμnは小さいとTGおよび
インバータのサイズが大きくなり、消費電力等が大き
く、またドライバの形成面積が大きくなる。そのためパ
ネルサイズが大きくなってしまう。一方、大きいとトラ
ンジスタの特性劣化をひきおこしやすい、そのためモビ
リティμnは以下の範囲がよい。 (0542)
【数37】 (0543)又、シフトレジスタ491内のクロック信
号のスルーレートは、500V/μsec以下にする。
スルーレートが高いとnチャンネルトランジスタの劣化
が激しい。 (0544)なお、図126等でシフトレジスタの出力
にはインバータ1251を多段に接続するとしたが、N
AND回路でもよい。この場合もいままで説明したW/
L比等の関係が適用される。なお、トランジスタはLD
D(Lowドーピングdrain)構造を採用すること
が望ましい。また、本明細書で記載したW,Lの設計値
に関する事項は特に低温ポリシリコン技術で作製した表
示パネルに適用することが好ましい。 (0545)以下、本発明の図面を参照しながら投射型
表示装置の実施例について説明する。本発明の第1の実
施例における投射型表示装置の構成を図141に示す。
1411は光発生手段としての光源、1412は本発明
の色純度向上フィルタ、1415は投射手段としての投
射レンズである。 (0546)光源1411は放電ランプ1411a、凹
面鏡1411b、紫外線赤外線(UVIR)カットフィ
ルタ1411cにより構成される。ランプ1411aは
メタルハライドランプであり、発光管内にディスプロシ
ウム(Dy)とネオジウム(Nd)が封入されたもので
ある。その発光スペクトルを図147に示す。図147
で明らかなように前記メタルハライドランプが放射する
光の分光分布はDy、Ndによる多数の連続発光スペク
トルと水銀による輝線スペクトルが混在したものであ
る。凹面鏡1411bはガラス製若しくはセラミック製
で、反射面に可視光を反射し、赤外光を透過させる誘電
体膜を蒸着したものである。ランプ1411aからの放
射光に含まれる可視光は、凹面鏡1411bの反射面に
より反射し、その反射光は平行に近い光になる。凹面鏡
1411bから出射する反射光は、UVIRフィルタ1
411cにより赤外光および紫外光が除去されて出射す
る。 (0547)放電ランプ1411aとは、超高圧水銀灯
(UHPランプ)、高圧水銀灯、メタルハライドランプ
(MHランプ)、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、
キセノン(Xe)ランプなどの放電現象を有するランプ
を意味する。その他、広義にはクリプトンランプ、LE
Dランプ、タングステンランプも意味する。本発明の投
射型表示装置では、UHPランプ又は、MHランプを用
いることが好ましい。 (0548)また、アーク長とは、UHPランプ、メタ
ルハライドランプでは、アークを発生する電極の極間距
離、ハロゲンランプは有効フィラメント長、特に最高輝
度の20%以上の領域の長さ、キセノンランプでは最高
輝度の20%以上好ましくは50%以上の発光球の直径
を意味する。ただし、UHPランプ、メタルハライドラ
ンプが直流(DC)点灯型の場合は、アークを生ずる電
極間距離の約60〜80%の長さをアーク長とすること
が好ましい場合がある。 (0549)放電ランプのアーク長をLとし、表示パネ
ルの表示領域の対角長をDとするとき、PD液晶表示パ
ネルをライトバルブとして用いる投射型表示装置では、
D/L>1の関係を満足するようにランプ1411aを
選定する。また、さらに好ましくは、D/L>1.6の
関係を満足することが好ましい。D/Lの値が大きくな
るほど、集光効率は高くなり、高輝度表示を実現できる
が、あまり、大きいとランプに比較してパネルサイズが
大きくなりシステムサイズが大きくなりすぎるからであ
る。従って、D/Lは、2.5以下とすることが好まし
い。 (0550)カラーフィルタ151を図141において
光源側に配置したがこれに限定するものではない。たと
えば、スクリーン(図示せず)側に配置しても良いこと
は言うまでもない。スクリーン側に配置した方が、光源
からに光を直接吸収することがなくカラーフィルタ15
1の劣化が少なくなり好ましい。とくにカラーフィルタ
151がゼラチンなどの樹脂で形成される場合に適用す
べきである。カラーフィルタ151が光学的干渉膜から
なる場合は、前記干渉膜は光をほとんど吸収することが
なく、また、不要な光を反射する。そのため、光学的干
渉膜でカラーフィルタ151を形成している場合はカラ
ーフィルタ151を光源側に向けて配置することが好ま
しい。液晶層21に不要な光が進入することがないた
め、液晶表示パネル22が加熱されることがなく、液晶
層21内で光のハレーションが生じにくくなり、表示コ
ントラストも向上するからである。 (0551)以下、本発明の投射型表示装置に用いる色
純度向上フィルタ1412について説明をする。図14
2に第1の実施例の色純度向上フィルタ1412の拡大
モデルを示す。1422は第1の誘電体多層膜、142
3は第2の誘電体多層膜である。 (0552)ガラス基板642の両面にそれぞれ第1の
誘電体多層膜1422と第2の誘電体多層膜1423を
形成している。第1誘電体多層膜1422は低屈折率層
であるSiO2(屈折率1.46)1424a〜142
4fと、高屈折率層であるTiO2(屈折率2.30)
1425a〜1425fとの交互12層構成であり、S
iO21424aの光学的膜厚が0.188λY(λY=
577nm)、SiO21424b〜1424fの光学
的膜厚が0.375λY、TiO21425a〜1425
fの光学的膜厚が1.125λYである。また、第2の
誘電体多層膜1423は低屈折率層であるSi O214
24g〜1424lと、高屈折率層であるTiO214
25g〜1425fとの交互12層構成であり、SiO
21424の光学的膜厚が0.313λC(λC=49 0
nm)、SiO21424g〜1424kの光学的膜厚
が0.625λC、TiO21425g〜1425lの光
学的膜厚が1.875λCである。 (0553)図144に色純度向上フィルタ1412の
分光透過率を示す。第1の誘電体多層膜1422がイエ
ロー光(半値幅約550〜600nm)、第2の誘電体
多層膜1423がシアン光(半値幅約475〜505n
m)をそれぞれピーク波長で90%以上反射し、レッ
ド、グリーン、ブルーの3原色光のみが高い透過率を示
している。 (0554)なお、高屈折率層の屈折率と低屈折率層の
屈折率層の屈折率差を小さくすれば、さらに反射波長領
域の半値幅を狭くすることができる。 (0555)図143に第2の実施例の色純度向上フィ
ルタ1412の拡大モデル図を示す。1432は第1の
誘電体多層膜、1433は第2の誘電体多層膜である。 (0556)ガラス基板181の両面にそれぞれ第1の
誘電体多層膜1432と第2の誘電体多層膜1433を
形成している。第1誘電体多層膜1432は低屈折率層
であるAl2O3(屈折率1.62)1434a〜143
4hと、高屈折率層であるTiO2(屈折率2.30)
1435a〜1435hとの交互16層構成であり、A
l2O31434aの光学的膜厚が0.188λY(λY=
577nm)、Al2O31434b〜1434hの光学
的膜厚が0.375λY、TiO21435a〜1435
hの光学的膜厚が1.125λYである。また、第2の
誘電体多層膜1433は低屈折率層であるAl2O314
34i〜1434pと、高屈折率層であるTiO214
35i〜1435pと の交互16層構成であり、Al2
O31434pの光学的膜厚が0.313λC(λC=4
90nm)、Al2O31434i〜1434oの光学的
膜厚が0.625λC、 TiO21435i〜1435
5pの光学的膜厚が1.875λCである。 (0557)図145に色純度向上フィルタ1412の
分光透過率を示す。第1の誘電体多層膜1432がイエ
ロー光(半値幅約555〜595nm)、第2の誘電体
多層膜1433がシアン光(半値幅約480〜500n
m)をそれぞれピーク波長で90%以上反射し、レッ
ド、グリーン、ブルーの3原色光のみが高い透過率を示
している。 (0558)なお、図142および図143に示す第1
の実施例および第2の実施例ではガラス基板の両面に第
1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜をそれぞれ形成
したが、一方の面に2種類の誘電体多層膜を重ねて形成
しても同様の性能が得られる。ただし、連続する層数が
多くなるため薄膜の有する内部応力で誘電体多層膜面に
クラックが生ずる恐れがある場合は、ガラス基板の両面
にそれぞれ分けて形成したほうが好ましい。 (0559)また、高屈折率層、低屈折率層の膜厚は、
実施例でシアン光を反射する場合に用いた1.875λ
C、0.625λCよりも厚い膜厚としても周期的に高い
反射率は得られるが、実用上、1層あたりの膜厚が実施
例で用いた膜厚より厚くなる場合もクラックが発生する
危険性があるため好ましくない。 (0560)また、ピーク波長での反射率の絶対値は誘
電体多層膜の層数を増やせば高くすることができる。 (0561)実施例では低屈折率層として、SiO2、
Al2O3、高屈折率層としてTiO2を用いたが、他に
低屈折率層としてMgF2、高屈折率層としてZnS、
CeO2、ZrTiO4、HfO2、Ta2O5、ZrO2を
用いてもよい。 (0562)さらに、第2の実施例のように高屈折率層
と低屈折率層の屈折率差が小さい場合のようにピーク反
射率の絶対値を高くしようとすると、誘電体多層膜の層
数を多くする必要があり、層数によってはクラックの発
生する心配がある。この場合は高屈折率層を、屈折率が
ほぼ同じで、内部応力の方向がそれぞれキャンセルしあ
う方向である性質を有するTiO2とZnSの組み合わ
せとすればよい。屈折率は2種類ともほぼ2.30であ
り応力方向はTiO2が引っ張り応力、ZnSが圧縮応
力であるため、例えば高屈折率層を1層あたりをそれぞ
れTiO2、ZnS、TiO2の3層構成とし、膜厚も3
分割にすれば多層膜全体の内部応力を緩和することがで
き好ましい。 (0563)以上のことから明らかなように、図146
に示したように1層あたりの光学的膜厚がλ/4(λは
反射ピーク波長)の誘電体多層膜構成では、高い反射領
域の半値幅が狭い(50nm以下)色フィルタは実現で
きない。 (0564)これに対し、多層膜を構成する低屈折率膜
と高屈折率膜の光学的膜厚比を1:X(X>1)とし、
Xを大きくすれば、半値幅は若干狭くすることができ
る。しかし、膜厚比は大きくするほど薄膜の有する内部
応力によって低屈折率膜と高屈折率膜との応力のバラン
スがくずれ、多層膜面にクラックを生ずる恐れがある。
そこで、低屈折率膜と高屈折率膜との光学的膜厚比は
1:3より大きくならないようにすることが望ましい
が、このままでは半値幅はイエロー光、もしくはシアン
光のみを反射するという条件には不十分である。 (0565)次に、このタイプの干渉フィルターは、波
長λにおける反射ピークの他に波長λよりも短波長側で
周期的に反射ピークが表れるという分光性能を有する。
しかもその半値幅は周期を重ねるほど狭くなるという特
性を持つ。そこで、この狭い半値幅の周期的な反射ピー
クを利用し、イエロー光、もしくはシアン光の中心波長
へシフトさせればよい。具体的には上記の低屈折率膜と
高屈折率膜の光学的膜厚比が1:3の交互多層膜の膜厚
を相対的に厚くすればよく、イエロー光に対応する半値
幅50nm以下を実現するには第2の周期、シアン光に
対応する半値幅40nm以下を実現するには第3の周期
をシフトさせることが望ましい。 (0566)多層膜の光学的膜厚はイエロー光反射の場
合、相対的に略1.5倍とし、低屈折率層が0.375
λ、高屈折率層が1.125λとすればよく、シアン光
反射の場合、相対的に略2.5倍とし、低屈折率層が
0.625λ、高屈折率層が1.875λとすればよ
い。 (0567)なお、反射ピークは第4以降の周期も存在
するが、多層膜の膜厚が厚くなり過ぎるため耐久性の点
で好ましくない。 (0568)色純度向上フィルタ1412においてλY
=577nmにしていることに考慮を要する。図147
に示すメタルハライドランプは577nmで非常に強い
発光スペクトルがある。このスペクトルは水銀原子によ
る。また、前記577nmの波長はイエロー光に帯域に
該当する。したがって、577nmの波長の光を十分に
カットできなければ、スクリーンに投影される投射画像
の色相を良好にすることはできない。 (0569)また、490nmはNdによる発光スペク
トルである。図147の分光特性ではそれほどピーク値
となっていないが、Ndの添加量により非常に強い発光
スペクトルが発生する。DyおよびNdを含有するメタ
ルハライドランプは分光特性が良好でかつ寿命が長い。
しかし、イエロー色およびシアン色の発光スペクトルが
強い。 (0570)本発明の色純度向上フィルタ1412は前
記490nmかつ577nmの発光スペクトルを十分に
カットでき、カットした帯域の半値幅が50nm程度と
狭く実現していることに特徴がある。この意味で色純度
向上フィルタ1412はメタルハライドランプと組み合
わせて用いた時、相乗効果がある。 (0571)光源1411aからの略平行光は、色純度
向上フィルタ1412に入射する。色純度向上フィルタ
1412では、図144または図145に示す分光特性
に従い、純度の高い3原色光成分のみが透過する。色純
度向上フィルタ1412からの透過光は、フィールドレ
ンズ1413を透過し、本発明の表示パネル22に入射
する。フィールドレンズ1413は液晶表示パネル22
の周辺部を透過する光を投射レンズ1415に入射させ
るためのものである。表示パネル22に入射した光は、
映像信号に応じて透過率の変化として入射光を変調し、
スクリーン(図示せず)上にはカラー画像が形成され
る。投射画像のフォーカス調整は、投射レンズ1415
を光軸1416に沿って移動することにより行う。 (0572)赤、緑、青の各画素のスクリーン上におけ
る投影像に関して、各々の分光特性を図149(a)、
(b)、(c)に示す。点線は、カラーフィルタ151
のみの構成での分光特性であり、実線は色純度向上フィ
ルタ1412を光路に加えて色純度の改善を行った場合
の分光特性である。色純度向上フィルタ1412を用い
ることにより、色純度を劣化させていると思われる光帯
域の成分が減少し、カラーフィルタ151の光透過帯域
と比較して赤、緑、青色成分とも、帯域が狭くなってい
ることがわかる。図148はR、G、Bのカラーフィル
タ151を透過した光を合成した時の分光分布である。
図147の分光特性を有するメタルハライドランプ14
11aが色純度向上フィルタ1412によりシアン光お
よびイエロー光がカットされ図148の分光特性とな
る。 (0573)図150は、色純度向上フィルタ1412
を光路1416中に配置した本発明の投射型表示装置の
色再現性を示す(実線)。カラーフィルタ151のみの
従来の構成(点線)と比較して、色再現範囲が広くなっ
ていることがわかる。 (0574)また、色純度向上フィルタ1412におい
て光源1411からの放射光のうち、不要な光成分を除
去することにより、液晶表示パネル22内のカラーフィ
ルタ151で吸収される光量を減少させることができ
る。したがって、カラーフィルタ151の不要光吸収に
より生じる発熱量が低下するため、カラーフィルタ15
1の劣化を抑制することができる。 (0575)本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成を図151に示す。ランプ1411aから出た
光は凹面鏡1411bにより集光され、UVIRカット
フィルタ1411cにより紫外線光および赤外線光が除
去されて出射する。光源1411からの出射光は、色純
度向上フィルタ1412、フィールドレンズ1413、
本発明の表示パネル22、透明板1131の順に透過
し、投射レンズ1415に入射する。色純度向上フィル
タ1412では、図144または図145に示した分光
特性にしたがい、色純度を劣化させると思われる帯域の
光成分が除去される。透明板1131はPD液晶表示パ
ネル22の出射側に光結合剤371により光学的に結合
されており、透明板1131の無効面には黒色塗料11
32が塗布されている。211は出射等する光の反射を
防止する反射防止膜(AIRコート)である。 (0576)投射レンズ1415の瞳の大きさは、液晶
表示パネル22の画面中心にある画素が透明状態の場合
に、その画素から拡がって出射する光のうち光量で約9
0%が入射する大きさにしている。フィールドレンズ1
413は、液晶表示パネル22の表示領域の周辺部を通
過する光を内側に屈折させて投射レンズ1415の瞳に
入射させ、投射画像の周辺部が暗くならないようにする
ために用いる。投射画像のフォーカス調整は、投射レン
ズ1415を光軸1416に沿って移動することにより
行う。 (0577)液晶表示パネル22には映像信号に応じて
光散乱状態の変化として光学像が形成される。投射レン
ズ1415は、各画素から出射する光のうちある立体角
に含まれる光を取り込む。各画素からの出射光の散乱状
態が変化すれば、その立体角に含まれる光量が変化する
ので、液晶表示パネル22上に散乱状態の変化として形
成された光学像はスクリーン1501上で照度の変化に
変換される。こうして、液晶表示パネル22に形成され
た光学像は、投射レンズ1415によりスクリーン15
01上に拡大投射される。本実施例においても色純度向
上フィルタ1412を用い、前述した実施例と同様の作
用により色再現性を改善することができる。なお、メタ
ルハライドランプ1419aの分光特性を考慮して色純
度向上フィルタ1412の反射光帯域を決定している等
の事項は先の実施例と同様もしくは類似である。 (0578)図152は図151の変形例である。液晶
表示パネル22の出射側に配置された平凹レンズ113
1b以外は図151と同一の構成である。 (0579)投射レンズ1415は平凹レンズ1131
bを組み合わせた状態で、液晶層21上の光学像がスク
リーン1501上に結像するようにしている。平凹レン
ズ1131bの凹面からの出射光が投射レンズ1415
に入射する必要があるので、液晶表示パネル22への入
射角は収束光とする必要がある。投射画像のフォーカス
調整は、投射レンズ1415を光軸1416に沿って移
動することにより行う。 (0580)光源1411からの出射光は色純度向上フ
ィルタ1412、フィールドレンズ1413を介してP
D液晶表示パネル22に入射する。平凹レンズ1131
bの側面に塗布した黒色塗料1132、凹面に蒸着して
いる反射防止膜211は、光の実施例と同様の作用を示
し、投射画像のコントラストを向上させる。 (0581)図141,図151の投射型表示装置を用
いることでカラー表示を実現できる。しかし、前記投射
型表示装置は全長が長く持ちはこびにくいという欠点が
ある。図153,図154は前記課題を解決した投射型
表示装置の説明図である。図153は使用状態の説明図
であり、図154は携帯時の説明図である。図154に
示すように全長を短くできるのは、投射レンズ1415
とパネル22間、パネル22と発光ランプ1411a間
はほとんど空間であるからである。 (0582)筐体1535は投射レンズ1415が取り
付けられた部分1535c,パネル22が取り付けられ
た部分1535b,ランプが取り付けられた部分153
5aの3つの部分で構成される。携帯時は図154に示
すように筐体1535bに筐体1535a,1535c
を収納することにより全長を短くできる。 (0583)パネル22の前後にはフィールドレンズ1
413b,1413cが配置され、パネル22等は取り
付け部1537に取り付けられている。1534bはパ
ネルを冷却するファンであり、また1536はコンポジ
ット信号をRGBコンポーネント信号に変換する回路、
パネルの制御パルスを作製する回路等のプリント基板が
配置された部分である。パネル22は2度〜8度の角度
で少し斜めにたおれるように配置されている。これは斜
め上のスクリーンに画像を投射する時に、画像を良好に
結像させるためである(台形ひずみ補正)。 (0584)レンズ1415はズームレンズであり、レ
ンズ1415のフォーカス調整はレンズ駆動部1536
によって行われる。1533は操作ボタンであり、ビデ
オ入力切りかえボタン、ピクチャー/コントラスト調
整,ズーム/フォーカス調整,電源オンオフスイッチ等
が配置されている。また操作ボタン1533は筐体15
35cから取りはずしてリモコンとしても使用できる。 (0585)操作ボタンのスイッチにランプ1411a
の移動操作ボタンがある。ランプ1411aはXYの2
軸方向に移動できる位置調整具1531に取り付けられ
ている。移動操作ボタンを操作することによりランプ1
411aが前後、左右に移動する。このような操作ボタ
ンを配置するのは、本発明の投射型表示装置では筐体1
535が3つの部分に分離されているため、ランプ14
11aと投射レンズ1415との光軸がずれやすいから
である。この光軸ずれに対応するため、ランプ1411
a位置を位置調整具1531を用いて光軸あわせをす
る。 (0586)表示パネル22としてPD液晶表示パネル
を用いる時は投射レンズ1415の有効FナンバーはF
7以上F10以下とする。また、照明光のFナンバーと
投射レンズFナンバーとはほぼ同一にする。また投射レ
ンズ1415と表示パネル22間には色純度向上フィル
タ1412を配置する。 (0587)1532はランプ電源である。ランプ14
11aは超高圧水銀ランプ(UHPランプ)を使用して
おり、ランプ電力は100Wから150Wのものを用い
ている。1534aはランプ冷却用ファンである。 (0588)冷却ファン1534bは筐体1535内に
外気を吸収し、冷却ファン1534aは筐体1535か
ら外部に空気をはきだす。したがって、パネル22を冷
却した空気がさらにランプを冷却して外部にはきだされ
るように構成されている。 (0589)図154のように筐体が収縮された状態で
は電源オンにするスイッチは動作しないようにしてい
る。図154の状態でランプ1411aが点灯すると冷
却ファン等の空気の経路ができず、表示パネル22等に
損傷を与えるからである。電源オンできるかできないか
(筐体が収縮しているかしていないか)を検出するため
筐体1535aと1535bおよび1535cと153
5bとの接触を検出するスイッチング1539が設けら
れており、前記スイッチ1539により筐体が図153
の状態にあるか否かを検出する。 (0590)図154の投射型表示装置において筐体1
535aと1536bと、筐体1535bと1535c
間が所定の位置になった(投射できる状態になった)か
の否かの検出は、メカニカルなリレースイッチ、プッシ
ュスイッチ、電気的な導電ゴムスイッチ、光検出スイッ
チ、ホール素子などで行う。これらのスイッチ1539
(図中では、1539a〜1539dを付した)などか
らの出力はマイコンで処理される。マイコンは処理結果
にもとづき電源スイッチのオンオフを制御する。 (0591)また、ランプ1411aの点灯後、ランプ
1411aの光出力が十分な値となるまで、表示パネル
22には映像信号を印加しない。また音声も出力しない
ランプ1411a輝度のたちあがり中は音声にノイズが
のりやすく、また映像信号にもノイズが乗りやすいため
である。そのためランプ点灯後、マイコンを用いてタイ
マーを動作させ、所定期間経過後に音声等が出力される
ようにしている。 (0592)以上はスクリーン1501と投射器とが別
々になった構成であった。以上説明した投射型表示装置
を、図155に示すようにキャビネット1535内に光
学系ブロック1551として配置すれば、リア型プロジ
ェクタを構成できる。リア型プロジェクタとはスクリー
ン1501と投射部(投射型表示装置)が一体となった
ものであり、プロジェクションテレビと呼ばれるもので
ある。 (0593)投射型表示装置(光学系ブロック155
1)から出射した光はミラー1552aおよび1552
bで反射されスクリーン1501に出射される。スクリ
ーン1501は透過型のスクリーンであり、フレネルレ
ンズとレンチキュラレンズ(かまぼこ型レンズ)とをは
り合わせたものである。 (0594)また、図156で示すように投射レンズ1
415内にミラー1552を配置し、光学ブロック15
51を横配置とすれば奥行きを短くすることができる。
したがってコンパクトなリア型プロジェクタを構成する
ことができる。一体として形成された投射レンズ141
5内にミラーを配置し、光路を90度まげる構成はリア
プロジェクタに特に有効である。 (0595)先の実施例では液晶表示パネルは透過型で
あった。したがって、投射型表示パネルも透過型であっ
た。しかし、反射型にも構成することは容易である。た
だし、反射型の投射型表示装置に用いるライトバルブは
反射型の液晶表示パネルを用いる。反射型の表示装置の
一例として(図19)に示す画素電極14を反射電極と
してアルミニウム(Al)等を用いて形成したものが例
示される。反射型の表示パネルの場合は対向電極25側
から光は入射し、再び対向電極25側から出射する。し
たがって、透明板1131aは基板11側に光学的に接
続する。 (0596)以下、反射型の投射型表示装置について説
明をする。図157は反射型の投射型表示装置の構成図
である。 (0597)投射レンズ1415は液晶表示パネル22
側の第1レンズ群1415aとスクリーン1501側の
第2レンズ群1415bとで構成され、第1レンズ群1
415aと第2レンズ群1415bとの間には平面ミラ
ー1552が配置されている。液晶表示パネル22の画
面中心にある画素から出射する散乱光は、第1レンズ群
1415aを透過した後、約半分が平面ミラー1552
に入射し、残りが平面ミラー1552に入射せずに第2
レンズ群1415bに入射する。平面ミラー1552の
反射面の法線は投射レンズ1415の光軸1416に対
して45°傾いている。光源1411からの光は色純度
向上フィルタ1412でシアン、イエローの帯域の光が
カットされる。次に前記光は平面ミラー1552で反射
されて第1レンズ群1415aを透過する。 (0598)液晶表示パネル22で反射した光は第1レ
ンズ群1415a、第2レンズ群1415bの順に透過
してスクリーン1501に到達する。投射レンズ141
5の絞りの中心から出て液晶表示パネル22に向かう光
線は、液晶層21にほぼ垂直に入射するように、つまり
テレセントリックとしている。 (0599)図158は偏光ビームスプリッタ(以後、
PBSと呼ぶ)1581を用いた投射型表示装置の構成
図である。光源1411から出射された光は色純度向上
フィルタ1412でシアン、イエロー帯域の以外の光成
分が反射され、PBS1581に入射し、光分離面15
82でS偏光が反射される。反射した光は反射型の液晶
表示パネル22に入射する。前記パネル22は映像信号
に基づいて入射光を変調し、変調した光はPBS158
1と投射レンズ1415を通過し平面ミラー1552で
反射されてスクリーン1501に投射される。
号のスルーレートは、500V/μsec以下にする。
スルーレートが高いとnチャンネルトランジスタの劣化
が激しい。 (0544)なお、図126等でシフトレジスタの出力
にはインバータ1251を多段に接続するとしたが、N
AND回路でもよい。この場合もいままで説明したW/
L比等の関係が適用される。なお、トランジスタはLD
D(Lowドーピングdrain)構造を採用すること
が望ましい。また、本明細書で記載したW,Lの設計値
に関する事項は特に低温ポリシリコン技術で作製した表
示パネルに適用することが好ましい。 (0545)以下、本発明の図面を参照しながら投射型
表示装置の実施例について説明する。本発明の第1の実
施例における投射型表示装置の構成を図141に示す。
1411は光発生手段としての光源、1412は本発明
の色純度向上フィルタ、1415は投射手段としての投
射レンズである。 (0546)光源1411は放電ランプ1411a、凹
面鏡1411b、紫外線赤外線(UVIR)カットフィ
ルタ1411cにより構成される。ランプ1411aは
メタルハライドランプであり、発光管内にディスプロシ
ウム(Dy)とネオジウム(Nd)が封入されたもので
ある。その発光スペクトルを図147に示す。図147
で明らかなように前記メタルハライドランプが放射する
光の分光分布はDy、Ndによる多数の連続発光スペク
トルと水銀による輝線スペクトルが混在したものであ
る。凹面鏡1411bはガラス製若しくはセラミック製
で、反射面に可視光を反射し、赤外光を透過させる誘電
体膜を蒸着したものである。ランプ1411aからの放
射光に含まれる可視光は、凹面鏡1411bの反射面に
より反射し、その反射光は平行に近い光になる。凹面鏡
1411bから出射する反射光は、UVIRフィルタ1
411cにより赤外光および紫外光が除去されて出射す
る。 (0547)放電ランプ1411aとは、超高圧水銀灯
(UHPランプ)、高圧水銀灯、メタルハライドランプ
(MHランプ)、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、
キセノン(Xe)ランプなどの放電現象を有するランプ
を意味する。その他、広義にはクリプトンランプ、LE
Dランプ、タングステンランプも意味する。本発明の投
射型表示装置では、UHPランプ又は、MHランプを用
いることが好ましい。 (0548)また、アーク長とは、UHPランプ、メタ
ルハライドランプでは、アークを発生する電極の極間距
離、ハロゲンランプは有効フィラメント長、特に最高輝
度の20%以上の領域の長さ、キセノンランプでは最高
輝度の20%以上好ましくは50%以上の発光球の直径
を意味する。ただし、UHPランプ、メタルハライドラ
ンプが直流(DC)点灯型の場合は、アークを生ずる電
極間距離の約60〜80%の長さをアーク長とすること
が好ましい場合がある。 (0549)放電ランプのアーク長をLとし、表示パネ
ルの表示領域の対角長をDとするとき、PD液晶表示パ
ネルをライトバルブとして用いる投射型表示装置では、
D/L>1の関係を満足するようにランプ1411aを
選定する。また、さらに好ましくは、D/L>1.6の
関係を満足することが好ましい。D/Lの値が大きくな
るほど、集光効率は高くなり、高輝度表示を実現できる
が、あまり、大きいとランプに比較してパネルサイズが
大きくなりシステムサイズが大きくなりすぎるからであ
る。従って、D/Lは、2.5以下とすることが好まし
い。 (0550)カラーフィルタ151を図141において
光源側に配置したがこれに限定するものではない。たと
えば、スクリーン(図示せず)側に配置しても良いこと
は言うまでもない。スクリーン側に配置した方が、光源
からに光を直接吸収することがなくカラーフィルタ15
1の劣化が少なくなり好ましい。とくにカラーフィルタ
151がゼラチンなどの樹脂で形成される場合に適用す
べきである。カラーフィルタ151が光学的干渉膜から
なる場合は、前記干渉膜は光をほとんど吸収することが
なく、また、不要な光を反射する。そのため、光学的干
渉膜でカラーフィルタ151を形成している場合はカラ
ーフィルタ151を光源側に向けて配置することが好ま
しい。液晶層21に不要な光が進入することがないた
め、液晶表示パネル22が加熱されることがなく、液晶
層21内で光のハレーションが生じにくくなり、表示コ
ントラストも向上するからである。 (0551)以下、本発明の投射型表示装置に用いる色
純度向上フィルタ1412について説明をする。図14
2に第1の実施例の色純度向上フィルタ1412の拡大
モデルを示す。1422は第1の誘電体多層膜、142
3は第2の誘電体多層膜である。 (0552)ガラス基板642の両面にそれぞれ第1の
誘電体多層膜1422と第2の誘電体多層膜1423を
形成している。第1誘電体多層膜1422は低屈折率層
であるSiO2(屈折率1.46)1424a〜142
4fと、高屈折率層であるTiO2(屈折率2.30)
1425a〜1425fとの交互12層構成であり、S
iO21424aの光学的膜厚が0.188λY(λY=
577nm)、SiO21424b〜1424fの光学
的膜厚が0.375λY、TiO21425a〜1425
fの光学的膜厚が1.125λYである。また、第2の
誘電体多層膜1423は低屈折率層であるSi O214
24g〜1424lと、高屈折率層であるTiO214
25g〜1425fとの交互12層構成であり、SiO
21424の光学的膜厚が0.313λC(λC=49 0
nm)、SiO21424g〜1424kの光学的膜厚
が0.625λC、TiO21425g〜1425lの光
学的膜厚が1.875λCである。 (0553)図144に色純度向上フィルタ1412の
分光透過率を示す。第1の誘電体多層膜1422がイエ
ロー光(半値幅約550〜600nm)、第2の誘電体
多層膜1423がシアン光(半値幅約475〜505n
m)をそれぞれピーク波長で90%以上反射し、レッ
ド、グリーン、ブルーの3原色光のみが高い透過率を示
している。 (0554)なお、高屈折率層の屈折率と低屈折率層の
屈折率層の屈折率差を小さくすれば、さらに反射波長領
域の半値幅を狭くすることができる。 (0555)図143に第2の実施例の色純度向上フィ
ルタ1412の拡大モデル図を示す。1432は第1の
誘電体多層膜、1433は第2の誘電体多層膜である。 (0556)ガラス基板181の両面にそれぞれ第1の
誘電体多層膜1432と第2の誘電体多層膜1433を
形成している。第1誘電体多層膜1432は低屈折率層
であるAl2O3(屈折率1.62)1434a〜143
4hと、高屈折率層であるTiO2(屈折率2.30)
1435a〜1435hとの交互16層構成であり、A
l2O31434aの光学的膜厚が0.188λY(λY=
577nm)、Al2O31434b〜1434hの光学
的膜厚が0.375λY、TiO21435a〜1435
hの光学的膜厚が1.125λYである。また、第2の
誘電体多層膜1433は低屈折率層であるAl2O314
34i〜1434pと、高屈折率層であるTiO214
35i〜1435pと の交互16層構成であり、Al2
O31434pの光学的膜厚が0.313λC(λC=4
90nm)、Al2O31434i〜1434oの光学的
膜厚が0.625λC、 TiO21435i〜1435
5pの光学的膜厚が1.875λCである。 (0557)図145に色純度向上フィルタ1412の
分光透過率を示す。第1の誘電体多層膜1432がイエ
ロー光(半値幅約555〜595nm)、第2の誘電体
多層膜1433がシアン光(半値幅約480〜500n
m)をそれぞれピーク波長で90%以上反射し、レッ
ド、グリーン、ブルーの3原色光のみが高い透過率を示
している。 (0558)なお、図142および図143に示す第1
の実施例および第2の実施例ではガラス基板の両面に第
1の誘電体多層膜と第2の誘電体多層膜をそれぞれ形成
したが、一方の面に2種類の誘電体多層膜を重ねて形成
しても同様の性能が得られる。ただし、連続する層数が
多くなるため薄膜の有する内部応力で誘電体多層膜面に
クラックが生ずる恐れがある場合は、ガラス基板の両面
にそれぞれ分けて形成したほうが好ましい。 (0559)また、高屈折率層、低屈折率層の膜厚は、
実施例でシアン光を反射する場合に用いた1.875λ
C、0.625λCよりも厚い膜厚としても周期的に高い
反射率は得られるが、実用上、1層あたりの膜厚が実施
例で用いた膜厚より厚くなる場合もクラックが発生する
危険性があるため好ましくない。 (0560)また、ピーク波長での反射率の絶対値は誘
電体多層膜の層数を増やせば高くすることができる。 (0561)実施例では低屈折率層として、SiO2、
Al2O3、高屈折率層としてTiO2を用いたが、他に
低屈折率層としてMgF2、高屈折率層としてZnS、
CeO2、ZrTiO4、HfO2、Ta2O5、ZrO2を
用いてもよい。 (0562)さらに、第2の実施例のように高屈折率層
と低屈折率層の屈折率差が小さい場合のようにピーク反
射率の絶対値を高くしようとすると、誘電体多層膜の層
数を多くする必要があり、層数によってはクラックの発
生する心配がある。この場合は高屈折率層を、屈折率が
ほぼ同じで、内部応力の方向がそれぞれキャンセルしあ
う方向である性質を有するTiO2とZnSの組み合わ
せとすればよい。屈折率は2種類ともほぼ2.30であ
り応力方向はTiO2が引っ張り応力、ZnSが圧縮応
力であるため、例えば高屈折率層を1層あたりをそれぞ
れTiO2、ZnS、TiO2の3層構成とし、膜厚も3
分割にすれば多層膜全体の内部応力を緩和することがで
き好ましい。 (0563)以上のことから明らかなように、図146
に示したように1層あたりの光学的膜厚がλ/4(λは
反射ピーク波長)の誘電体多層膜構成では、高い反射領
域の半値幅が狭い(50nm以下)色フィルタは実現で
きない。 (0564)これに対し、多層膜を構成する低屈折率膜
と高屈折率膜の光学的膜厚比を1:X(X>1)とし、
Xを大きくすれば、半値幅は若干狭くすることができ
る。しかし、膜厚比は大きくするほど薄膜の有する内部
応力によって低屈折率膜と高屈折率膜との応力のバラン
スがくずれ、多層膜面にクラックを生ずる恐れがある。
そこで、低屈折率膜と高屈折率膜との光学的膜厚比は
1:3より大きくならないようにすることが望ましい
が、このままでは半値幅はイエロー光、もしくはシアン
光のみを反射するという条件には不十分である。 (0565)次に、このタイプの干渉フィルターは、波
長λにおける反射ピークの他に波長λよりも短波長側で
周期的に反射ピークが表れるという分光性能を有する。
しかもその半値幅は周期を重ねるほど狭くなるという特
性を持つ。そこで、この狭い半値幅の周期的な反射ピー
クを利用し、イエロー光、もしくはシアン光の中心波長
へシフトさせればよい。具体的には上記の低屈折率膜と
高屈折率膜の光学的膜厚比が1:3の交互多層膜の膜厚
を相対的に厚くすればよく、イエロー光に対応する半値
幅50nm以下を実現するには第2の周期、シアン光に
対応する半値幅40nm以下を実現するには第3の周期
をシフトさせることが望ましい。 (0566)多層膜の光学的膜厚はイエロー光反射の場
合、相対的に略1.5倍とし、低屈折率層が0.375
λ、高屈折率層が1.125λとすればよく、シアン光
反射の場合、相対的に略2.5倍とし、低屈折率層が
0.625λ、高屈折率層が1.875λとすればよ
い。 (0567)なお、反射ピークは第4以降の周期も存在
するが、多層膜の膜厚が厚くなり過ぎるため耐久性の点
で好ましくない。 (0568)色純度向上フィルタ1412においてλY
=577nmにしていることに考慮を要する。図147
に示すメタルハライドランプは577nmで非常に強い
発光スペクトルがある。このスペクトルは水銀原子によ
る。また、前記577nmの波長はイエロー光に帯域に
該当する。したがって、577nmの波長の光を十分に
カットできなければ、スクリーンに投影される投射画像
の色相を良好にすることはできない。 (0569)また、490nmはNdによる発光スペク
トルである。図147の分光特性ではそれほどピーク値
となっていないが、Ndの添加量により非常に強い発光
スペクトルが発生する。DyおよびNdを含有するメタ
ルハライドランプは分光特性が良好でかつ寿命が長い。
しかし、イエロー色およびシアン色の発光スペクトルが
強い。 (0570)本発明の色純度向上フィルタ1412は前
記490nmかつ577nmの発光スペクトルを十分に
カットでき、カットした帯域の半値幅が50nm程度と
狭く実現していることに特徴がある。この意味で色純度
向上フィルタ1412はメタルハライドランプと組み合
わせて用いた時、相乗効果がある。 (0571)光源1411aからの略平行光は、色純度
向上フィルタ1412に入射する。色純度向上フィルタ
1412では、図144または図145に示す分光特性
に従い、純度の高い3原色光成分のみが透過する。色純
度向上フィルタ1412からの透過光は、フィールドレ
ンズ1413を透過し、本発明の表示パネル22に入射
する。フィールドレンズ1413は液晶表示パネル22
の周辺部を透過する光を投射レンズ1415に入射させ
るためのものである。表示パネル22に入射した光は、
映像信号に応じて透過率の変化として入射光を変調し、
スクリーン(図示せず)上にはカラー画像が形成され
る。投射画像のフォーカス調整は、投射レンズ1415
を光軸1416に沿って移動することにより行う。 (0572)赤、緑、青の各画素のスクリーン上におけ
る投影像に関して、各々の分光特性を図149(a)、
(b)、(c)に示す。点線は、カラーフィルタ151
のみの構成での分光特性であり、実線は色純度向上フィ
ルタ1412を光路に加えて色純度の改善を行った場合
の分光特性である。色純度向上フィルタ1412を用い
ることにより、色純度を劣化させていると思われる光帯
域の成分が減少し、カラーフィルタ151の光透過帯域
と比較して赤、緑、青色成分とも、帯域が狭くなってい
ることがわかる。図148はR、G、Bのカラーフィル
タ151を透過した光を合成した時の分光分布である。
図147の分光特性を有するメタルハライドランプ14
11aが色純度向上フィルタ1412によりシアン光お
よびイエロー光がカットされ図148の分光特性とな
る。 (0573)図150は、色純度向上フィルタ1412
を光路1416中に配置した本発明の投射型表示装置の
色再現性を示す(実線)。カラーフィルタ151のみの
従来の構成(点線)と比較して、色再現範囲が広くなっ
ていることがわかる。 (0574)また、色純度向上フィルタ1412におい
て光源1411からの放射光のうち、不要な光成分を除
去することにより、液晶表示パネル22内のカラーフィ
ルタ151で吸収される光量を減少させることができ
る。したがって、カラーフィルタ151の不要光吸収に
より生じる発熱量が低下するため、カラーフィルタ15
1の劣化を抑制することができる。 (0575)本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成を図151に示す。ランプ1411aから出た
光は凹面鏡1411bにより集光され、UVIRカット
フィルタ1411cにより紫外線光および赤外線光が除
去されて出射する。光源1411からの出射光は、色純
度向上フィルタ1412、フィールドレンズ1413、
本発明の表示パネル22、透明板1131の順に透過
し、投射レンズ1415に入射する。色純度向上フィル
タ1412では、図144または図145に示した分光
特性にしたがい、色純度を劣化させると思われる帯域の
光成分が除去される。透明板1131はPD液晶表示パ
ネル22の出射側に光結合剤371により光学的に結合
されており、透明板1131の無効面には黒色塗料11
32が塗布されている。211は出射等する光の反射を
防止する反射防止膜(AIRコート)である。 (0576)投射レンズ1415の瞳の大きさは、液晶
表示パネル22の画面中心にある画素が透明状態の場合
に、その画素から拡がって出射する光のうち光量で約9
0%が入射する大きさにしている。フィールドレンズ1
413は、液晶表示パネル22の表示領域の周辺部を通
過する光を内側に屈折させて投射レンズ1415の瞳に
入射させ、投射画像の周辺部が暗くならないようにする
ために用いる。投射画像のフォーカス調整は、投射レン
ズ1415を光軸1416に沿って移動することにより
行う。 (0577)液晶表示パネル22には映像信号に応じて
光散乱状態の変化として光学像が形成される。投射レン
ズ1415は、各画素から出射する光のうちある立体角
に含まれる光を取り込む。各画素からの出射光の散乱状
態が変化すれば、その立体角に含まれる光量が変化する
ので、液晶表示パネル22上に散乱状態の変化として形
成された光学像はスクリーン1501上で照度の変化に
変換される。こうして、液晶表示パネル22に形成され
た光学像は、投射レンズ1415によりスクリーン15
01上に拡大投射される。本実施例においても色純度向
上フィルタ1412を用い、前述した実施例と同様の作
用により色再現性を改善することができる。なお、メタ
ルハライドランプ1419aの分光特性を考慮して色純
度向上フィルタ1412の反射光帯域を決定している等
の事項は先の実施例と同様もしくは類似である。 (0578)図152は図151の変形例である。液晶
表示パネル22の出射側に配置された平凹レンズ113
1b以外は図151と同一の構成である。 (0579)投射レンズ1415は平凹レンズ1131
bを組み合わせた状態で、液晶層21上の光学像がスク
リーン1501上に結像するようにしている。平凹レン
ズ1131bの凹面からの出射光が投射レンズ1415
に入射する必要があるので、液晶表示パネル22への入
射角は収束光とする必要がある。投射画像のフォーカス
調整は、投射レンズ1415を光軸1416に沿って移
動することにより行う。 (0580)光源1411からの出射光は色純度向上フ
ィルタ1412、フィールドレンズ1413を介してP
D液晶表示パネル22に入射する。平凹レンズ1131
bの側面に塗布した黒色塗料1132、凹面に蒸着して
いる反射防止膜211は、光の実施例と同様の作用を示
し、投射画像のコントラストを向上させる。 (0581)図141,図151の投射型表示装置を用
いることでカラー表示を実現できる。しかし、前記投射
型表示装置は全長が長く持ちはこびにくいという欠点が
ある。図153,図154は前記課題を解決した投射型
表示装置の説明図である。図153は使用状態の説明図
であり、図154は携帯時の説明図である。図154に
示すように全長を短くできるのは、投射レンズ1415
とパネル22間、パネル22と発光ランプ1411a間
はほとんど空間であるからである。 (0582)筐体1535は投射レンズ1415が取り
付けられた部分1535c,パネル22が取り付けられ
た部分1535b,ランプが取り付けられた部分153
5aの3つの部分で構成される。携帯時は図154に示
すように筐体1535bに筐体1535a,1535c
を収納することにより全長を短くできる。 (0583)パネル22の前後にはフィールドレンズ1
413b,1413cが配置され、パネル22等は取り
付け部1537に取り付けられている。1534bはパ
ネルを冷却するファンであり、また1536はコンポジ
ット信号をRGBコンポーネント信号に変換する回路、
パネルの制御パルスを作製する回路等のプリント基板が
配置された部分である。パネル22は2度〜8度の角度
で少し斜めにたおれるように配置されている。これは斜
め上のスクリーンに画像を投射する時に、画像を良好に
結像させるためである(台形ひずみ補正)。 (0584)レンズ1415はズームレンズであり、レ
ンズ1415のフォーカス調整はレンズ駆動部1536
によって行われる。1533は操作ボタンであり、ビデ
オ入力切りかえボタン、ピクチャー/コントラスト調
整,ズーム/フォーカス調整,電源オンオフスイッチ等
が配置されている。また操作ボタン1533は筐体15
35cから取りはずしてリモコンとしても使用できる。 (0585)操作ボタンのスイッチにランプ1411a
の移動操作ボタンがある。ランプ1411aはXYの2
軸方向に移動できる位置調整具1531に取り付けられ
ている。移動操作ボタンを操作することによりランプ1
411aが前後、左右に移動する。このような操作ボタ
ンを配置するのは、本発明の投射型表示装置では筐体1
535が3つの部分に分離されているため、ランプ14
11aと投射レンズ1415との光軸がずれやすいから
である。この光軸ずれに対応するため、ランプ1411
a位置を位置調整具1531を用いて光軸あわせをす
る。 (0586)表示パネル22としてPD液晶表示パネル
を用いる時は投射レンズ1415の有効FナンバーはF
7以上F10以下とする。また、照明光のFナンバーと
投射レンズFナンバーとはほぼ同一にする。また投射レ
ンズ1415と表示パネル22間には色純度向上フィル
タ1412を配置する。 (0587)1532はランプ電源である。ランプ14
11aは超高圧水銀ランプ(UHPランプ)を使用して
おり、ランプ電力は100Wから150Wのものを用い
ている。1534aはランプ冷却用ファンである。 (0588)冷却ファン1534bは筐体1535内に
外気を吸収し、冷却ファン1534aは筐体1535か
ら外部に空気をはきだす。したがって、パネル22を冷
却した空気がさらにランプを冷却して外部にはきだされ
るように構成されている。 (0589)図154のように筐体が収縮された状態で
は電源オンにするスイッチは動作しないようにしてい
る。図154の状態でランプ1411aが点灯すると冷
却ファン等の空気の経路ができず、表示パネル22等に
損傷を与えるからである。電源オンできるかできないか
(筐体が収縮しているかしていないか)を検出するため
筐体1535aと1535bおよび1535cと153
5bとの接触を検出するスイッチング1539が設けら
れており、前記スイッチ1539により筐体が図153
の状態にあるか否かを検出する。 (0590)図154の投射型表示装置において筐体1
535aと1536bと、筐体1535bと1535c
間が所定の位置になった(投射できる状態になった)か
の否かの検出は、メカニカルなリレースイッチ、プッシ
ュスイッチ、電気的な導電ゴムスイッチ、光検出スイッ
チ、ホール素子などで行う。これらのスイッチ1539
(図中では、1539a〜1539dを付した)などか
らの出力はマイコンで処理される。マイコンは処理結果
にもとづき電源スイッチのオンオフを制御する。 (0591)また、ランプ1411aの点灯後、ランプ
1411aの光出力が十分な値となるまで、表示パネル
22には映像信号を印加しない。また音声も出力しない
ランプ1411a輝度のたちあがり中は音声にノイズが
のりやすく、また映像信号にもノイズが乗りやすいため
である。そのためランプ点灯後、マイコンを用いてタイ
マーを動作させ、所定期間経過後に音声等が出力される
ようにしている。 (0592)以上はスクリーン1501と投射器とが別
々になった構成であった。以上説明した投射型表示装置
を、図155に示すようにキャビネット1535内に光
学系ブロック1551として配置すれば、リア型プロジ
ェクタを構成できる。リア型プロジェクタとはスクリー
ン1501と投射部(投射型表示装置)が一体となった
ものであり、プロジェクションテレビと呼ばれるもので
ある。 (0593)投射型表示装置(光学系ブロック155
1)から出射した光はミラー1552aおよび1552
bで反射されスクリーン1501に出射される。スクリ
ーン1501は透過型のスクリーンであり、フレネルレ
ンズとレンチキュラレンズ(かまぼこ型レンズ)とをは
り合わせたものである。 (0594)また、図156で示すように投射レンズ1
415内にミラー1552を配置し、光学ブロック15
51を横配置とすれば奥行きを短くすることができる。
したがってコンパクトなリア型プロジェクタを構成する
ことができる。一体として形成された投射レンズ141
5内にミラーを配置し、光路を90度まげる構成はリア
プロジェクタに特に有効である。 (0595)先の実施例では液晶表示パネルは透過型で
あった。したがって、投射型表示パネルも透過型であっ
た。しかし、反射型にも構成することは容易である。た
だし、反射型の投射型表示装置に用いるライトバルブは
反射型の液晶表示パネルを用いる。反射型の表示装置の
一例として(図19)に示す画素電極14を反射電極と
してアルミニウム(Al)等を用いて形成したものが例
示される。反射型の表示パネルの場合は対向電極25側
から光は入射し、再び対向電極25側から出射する。し
たがって、透明板1131aは基板11側に光学的に接
続する。 (0596)以下、反射型の投射型表示装置について説
明をする。図157は反射型の投射型表示装置の構成図
である。 (0597)投射レンズ1415は液晶表示パネル22
側の第1レンズ群1415aとスクリーン1501側の
第2レンズ群1415bとで構成され、第1レンズ群1
415aと第2レンズ群1415bとの間には平面ミラ
ー1552が配置されている。液晶表示パネル22の画
面中心にある画素から出射する散乱光は、第1レンズ群
1415aを透過した後、約半分が平面ミラー1552
に入射し、残りが平面ミラー1552に入射せずに第2
レンズ群1415bに入射する。平面ミラー1552の
反射面の法線は投射レンズ1415の光軸1416に対
して45°傾いている。光源1411からの光は色純度
向上フィルタ1412でシアン、イエローの帯域の光が
カットされる。次に前記光は平面ミラー1552で反射
されて第1レンズ群1415aを透過する。 (0598)液晶表示パネル22で反射した光は第1レ
ンズ群1415a、第2レンズ群1415bの順に透過
してスクリーン1501に到達する。投射レンズ141
5の絞りの中心から出て液晶表示パネル22に向かう光
線は、液晶層21にほぼ垂直に入射するように、つまり
テレセントリックとしている。 (0599)図158は偏光ビームスプリッタ(以後、
PBSと呼ぶ)1581を用いた投射型表示装置の構成
図である。光源1411から出射された光は色純度向上
フィルタ1412でシアン、イエロー帯域の以外の光成
分が反射され、PBS1581に入射し、光分離面15
82でS偏光が反射される。反射した光は反射型の液晶
表示パネル22に入射する。前記パネル22は映像信号
に基づいて入射光を変調し、変調した光はPBS158
1と投射レンズ1415を通過し平面ミラー1552で
反射されてスクリーン1501に投射される。
【0002】(0600)以上の実施例は色純度向上フ
ィルタ1412を用いて投射画像の色純度を改善するも
のであった。図159はダイクロイックプリズム159
1を用いて色純度の改善を行うものである。 (0601)光源1411から放射された光はダイクロ
イックプリズム1591aの界面1582a,1582
bによりR,G,Bの3原色光に分離される。分離され
た光はミラー1552a,1552bに反射されレンズ
1592を透過し、再びダイクロイックミラー1591
bの界面1582c,1582dで合成される。合成さ
れた光はレンズ1413bを通過し、表示パネル22で
変調されて投射レンズ1415で投射される。 (0602)発光ランプ1411aからの光のうちシア
ンとイエロー光をカットするため光路には帯域カットフ
ィルタ1594a,1594bが配置されている。帯域
カットフィルタは光吸収型フィルタであり、吸収した光
は熱となる。しかし、誘電体ミラーのように光を反射す
ることがなく、ハレーションをひきおこさない。そのた
め、ゴースト像等の発生はない。この帯域カットフィル
タ1594により不要な帯域の光をカットするため表示
パネル22に入射する光は良好な3原色となる。そのた
め投射画像の色純度を向上できる。 (0603)レンズ板1592は、一枚のアクリル板に
フレネルレンズ1593を複数形成したものである。フ
レネルレンズ1593a,1593cはリレーレンズと
して機能する。1つのレンズ板1592に複数のレンズ
1593を形成し、このレンズ板1592を複数の光路
(たとえばR,G,Bの光路)に配置する。レンズ板1
592内のレンズ1593間距離(たとえば1593a
と1593b間距離)は精度よく作製されている。従来
の投射型表示装置では複数の光路(R,G,Bの光路)
にそれぞれ個別のリレーレンズ等が配置されている。そ
のため、前記個別のレンズの位置調整をそれぞれ行う必
要があり、調整に時間を要する。本発明は1つのレンズ
板1592に複数のレンズ1593が形成されているた
め、レンズ板1592の位置調整を行うことにより複数
の光路内のレンズの位置調整を同時に行うことができ
る。 (0604)レンズ板1592は、アクリル,ポリカー
ボネート等の透明な樹脂をプレス加工することにより容
易に作製することができる。 (0605)なお、図160に示すようにレンズ159
3は円弧状のレンズ(1593a,1593b,159
3c)でもよい。また、図160に示すように帯域カッ
トフィルタ1594のかわりに図159のミラー155
2a,1552bをダイクロイックミラー1611a,
1611bとしてもよい。ダイクロイックミラー161
1は不要な光(シアン、イエロー光)を透過し、必要な
光の光路を90度曲げて反射する。 (0606)図161はレンズ板1592に2つのレン
ズ1593a,1593bが形成された場合の実施例で
ある。レンズ1593aは第1の光路中に配置され、レ
ンズ1593bは第2の光路中に配置されている。ダイ
クロイックミラー1611aは図162(a)に示すよ
うにR光の範囲の光を反射する。ダイクロイックミラー
1611bは図162(b)に示すようにB光およびG
光の範囲の光を反射する。したがって、図162に示す
帯域kの範囲の光(イエロー光)はカットされるので投
射画像を色純度を改善できる。 (0607)以上の実施例では表示パネル1枚を用い、
前記表示パネル22にカラーフィルタ151等を形成し
ておくことによりカラー表示を行うものであった。本発
明の1つのレンズ板1592に複数のレンズ1593を
形成し、各レンズ1593を異なる光路に配置して投射
型表示装置を構成する方法は、表示パネルを複数有する
投射型表示装置にも応用できる。 (0608)図163はR,G,Bの3の表示領域を有
する表示パネル22を用いた投射型表示装置にレンズ板
1592を配置した構成図である。 (0609)発光ランプ1411aから放射された光は
ダイクロイックミラー1611a,1611bにより
R,G,B光に分離され、分離された光はレンズ板15
92の各レンズ1593を通過して表示パネル22の表
示領域1631a,1631b,1631cに入射す
る。表示領域1631で変調された光はダイクロイック
ミラー1611a,1611bで不要な光をカットし色
純度の向上が行われるとともに、ダイクロイックミラー
1611c,1611dで1つの光路に合成されて、投
射レンズ1415で投射される。 (0610)図163等ではR光とB光の光路とG光の
光路では光路長が異なる。つまり、RおよびB光の光路
長の方がG光の光路長よりも長い。そのためレンズ15
93a,1593cとレンズ1593bの焦点距離等は
異ならせている。 (0611)図163は1つの表示パネルにR,G,B
光を変調する3つの表示領域を有するものをライトバル
ブとして用いた構成図である。しかし、言うまでもな
く、図164のようにR光を変調する表示パネル22
a、G光を変調する表示パネル22b、B光を変調する
表示パネル22cの3つを有する投射型表示装置にも、
本発明のレンズ板1592の技術適思想は適用できる。 (0612)投射型表示装置(液晶プロジェクタ)は年
々高輝度表示化傾向にある。そのためランプ1411a
の出力は増大してきている。したがって、表示パネル2
2aに入射する光量も多くなり表示パネル、偏光板が加
熱されることにより劣化する。偏光板、表示パネル22
を冷却するために現在は冷却ファンによる空気冷却が行
われている。しかし、冷却ファンの冷却能力にも限界が
あり、又冷却能力を高めるために冷却ファンの回転数を
増大させると回転音が大きくなってしまう。 (0613)本発明は、図165に示すように表示パネ
ル22等に対して、水素冷却を行うものである。1例と
して、図164に示す点線の範囲をケース1651で取
り囲み、ケース1651内に表示パネル22、偏光板
(図示せず)、ダイクロイックプリズム(ダイクロイッ
クミラー)1591を配置する。ケース1651内に水
素を充填する。ケースは透明樹脂、ガラスで作製し、光
が通過する領域には界面反射を防止するためにAIRコ
ート211膜を形成する。 (0614)水素は熱伝達率、表面熱伝導率はそれぞれ
空気の6.69倍、1.35倍であり比較も大きい。そ
のため、冷却効果が大きいため表示パネル22等を十分
に冷却できる。また、水素は密度が空気の7%と軽いた
め、風損が少なくなり、効率が向上する。したがって冷
却ファンの音を減少させることができる。さらに水素に
空気に比べて不活性であるので表示パネルを劣化させる
ことが少ない。 (0615)ケース1651内に表示パネル22を配置
し、ケースを密封することにより、表示パネルの表面等
にホコリ等が付着することがなくなる。また、ケース1
651内に冷却ファン1534を配置することにより、
冷却ファンの音も外にもれることがなくなる。なお、図
166はケース1651の上部から見た図である。 (0616)ケース1651内には少なくとも表示パネ
ル22が配置される。冷却ファン1534は放熱板92
1に風を吹き付け、放熱板921はケース1534内の
熱をケース1651外に放出する。冷却ファンはたえず
ケース1651内の水素を流動させ、流動した水素は表
示パネル22を冷却する。そのため表示パネル22に温
度分布が発生しない。 (0617)図165(a)はケース1651内に冷却
ファン1534を配置するとしたが、図165(b)の
ようにペルチェ素子(電子冷却素子)を配置することも
有効である。ペルチェ素子は素子に流す電流量を制御す
ることにより容易にケース内の温度制御を行うことがで
きる。またペルチェ素子に流す電流の方向を逆にするこ
とによりケース内の空気(水素)を暖めることもでき
る。ケースの密封も可動部がないため好都合である。ペ
ルチェ素子がケース内からうばった熱は放熱板921に
直接伝達されてケース1651外に放出される。ペルチ
ェ素子1652は冷却ファンを必要とせず、騒音の発生
もない。なお、ケース1651外部の放熱板921に冷
却ファンで空気をふきつけることにより、さらに冷却能
力を向上させることができる。 (0618)図164では表示パネル部をケース165
1で取り囲み冷却する例を示したが、これに限定するも
のではなく、ランプ1411等をケース1651で取り
囲み冷却することも効果がある。また投射型表示装置全
体を密封し、水素で冷却することも効果がある。 (0619)図164、165(a),(b)等でケー
ス1651内に水素を充填し、表示パネル22などを冷
却するとしたが、その他、6ふっ化硫黄(SF6)、ヘ
リウムなどを用いてもよい。 (0620)また、表示パネル22は反射型の表示パネ
ルでもよい。反射型の表示パネルとしてテキサスインス
ルメント(TI)社が開発しているデジタルマイクロミ
ラーデバイス(DMD)が例示される。前記表示パネル
の裏面からペルチェ素子(電子冷却素子)で冷却すると
ともに、プリズム1591と表示パネル22間に水素を
流動させて表示パネルなどを冷却する。また、前記表示
パネル全体を水素等で冷却してもよい。また、表示パネ
ルは有機EL表示パネル、無機ELパネル、TN表示パ
ネル、ゲストホスト液晶表示パネル、STN表示パネ
ル、ホメオトロピックモードの表示パネル、熱書き込み
表示パネル、LED表示パネル、光書き込み表示パネ
ル、レーザ書き込み表示パネル、強誘電液晶表示パネル
でもよい。 (0621)また、水素による冷却は、回転フィルタ1
414の冷却にも有効である。特に、回転フィルタ14
14に偏光板が形成されている場合、光吸収型のフィル
タ(たとえば、R,G,Bのカラーフィルタ)が形成さ
れている場合に有効である。前記回転フィルタ1414
はランプからの光を吸収し発熱するからである。回転フ
ィルタ1414を水素などで冷却することにより回転フ
ィルタ1414の熱を効率よく放熱させることができ
る。 (0622)なお、プリズム1591はCCD用プリズ
ム(図201参照)でもよく、また、ダイクロイックミ
ラーに置き換えてもよい。また、ケース1651を用い
ず、図153の筐体1535内全体に水素を充填して冷
却してもよい。 (0623)図165(a),(b)は水素冷却で表示
パネル等を冷却する方法であるが、水素のかわりにシリ
コンオイル、水、フロン液等を用いてもよい。図16
7,図168はその説明図である。図168に示すよう
に表示パネル22はケース1651a内に配置され、表
示パネルの周囲はエチレングルコール、シリコンオイル
等の冷却液1682が充填されている。この冷却液16
82により表示パネル22の熱をうばい、表示パネルを
冷却する。ケース1651aはプリズム1591にかぶ
せるように配置している。 (0624)ケース1651aはケース1651bと接
続されており、冷却液1682の上面には窒素ガス16
81が充電され、冷却液1682が酸化されることを防
止している。冷却液1682の上部に空間をとるのは冷
却液1682は温度により体積が変化するからである。
ケース1651bはB,Cの2の室にわかれており、こ
の室にもシリコンオイル等が充填されているが、B,C
の室はケース1651aのAの室と異なり、外気とA室
の冷却液とが接続するのを防止する封止液1683とし
て機能する。封止液1683および窒素ガス1681で
冷却液1682が酸化されることおよびスラッジ(不純
物)が発生することを防止している。図167は図16
8のAA’線での断面図である。 (0625)図168は封止液1683を充填するため
ケース1651bを具備するが、冷却液1682の上部
にコンサベータ等の膜を形成すればケース1651bは
必要がない。また冷却液1682内に活性アルミナのよ
うな吸湿剤を入れておけば冷却液1682内の水分など
を吸着し、冷却液1682の劣化を防止できる。また、
冷却材をポンプ等を用いて流動させればさらに冷却能力
を向上できる。 (0626)PD液晶を光変調層として用いる表示パネ
ルは高輝度表示を実現できるが、PD液晶表示パネルに
は課題がある。それは低温時にヒステリシス特性が発生
することである。ヒステリシスが生じると画像焼きつけ
が発生する。ヒステリシスはパネル温度が10度以下に
発生しやすい。 (0627)表示パネル22を投射型表示装置のライト
バルブとして用いる時、ランプ点灯後、しばらくすれば
ランプの熱によりは加熱される。そのためパネル22の
温度は高くなってヒステリシスは生じない。しかし、室
温が低く(10度以下)、かつランプ点灯直後はヒステ
リシスが生じるので課題となる。 (0628)図169はヒステリシス対策を行った本発
明の表示パネルの説明図である。対向基板11が一方に
ずれてアレイ基板12に取り付けられている。対向電極
11上に配線1693が形成されている。配線はBMに
するクロム(Cr)と同時に形成する。また銀ペースト
等で形成することもできる。ただし、配線の抵抗値は対
向電極25のITOのシート抵抗より低くなるようにす
る。 (0629)配線1693の一端にはペースト等で接続
点1694が形成され、前記接続点1694とからリー
ド線1695が引き出されている。リード線1695に
は、交流の電流源1691と接続されている。スイッチ
1692を閉じることにより配線1693aと1693
b間に電流が流れる。 (0630)一方、アレイ基板12にはソースドライブ
回路491およびゲートドライブ回路492が形成さ
れ、前記配線1693と前記ドライブ回路とは接触しな
い位置に形成されている。また配線1693は封止樹脂
361の外側に形成されている。 (0631)スイッチ1692が閉じることにより配線
1693aと1693b間に電流が流れる。前記電流は
対向電極25としてのITOを流れる。ITOは比較的
抵抗値が高いため、前記電流が流れることによりジュー
ル熱を発生し、発生した熱は液晶層21を加温する。加
温されることによりPD液晶層21は10度以上の温度
となり、ヒステリシスは発生しなくなる。 (0632)スイッチ1692は、投射型表示装置の電
源スイッチおよび表示パネルの温度を検出する温度セン
サ745(図74参照)および電源投入されてからの時
間をカウントするマイクロコンピュータ(タイマー)と
連動している。電源スイッチが投入され、かつ表示パネ
ル22の温度が所定値(たとえば10度以下)の場合に
スイッチ1692は閉じられ、対向電極25に電流が流
れる。しかし、液晶層21が所定温度(たとえば10
度)以上となってもすぐには表示パネルの温度は高くな
らない。その場合マイクロコンピュータのタイマーによ
ってすでに液晶層21が所定温度以上になったと判断し
てスイッチ1692を開く。 (0633)対向電極25に電流を流している時は表示
パネルの表示画像は不安定(たとえば輝度傾斜がでた
り、ノイズが多くなったり)になる場合がある。そこで
対向電極25に電流を流している時は画像表示は行わな
いようにする。その時間はわずかであり通常は10秒間
程度である。 (0634)ランプ1411aが点灯すると、パネル2
2はすでにランプからの光により熱せられるから再びヒ
ステリシスがでることはない。逆に、ファンをまわして
表示パネルを冷却する必要がある。 (0635)以上のように対向電極25に直接電流を流
すことによりPD液晶層21を直接加熱することができ
る。そのためヒステリシス対策を迅速に行うことができ
る。なお、温度センサ745からの出力に応じて配線1
693間に流す電流を調整できることが望ましい。たと
えば温度センサ745の出力が−10度であれば、配線
1693に3Aの電流を流し、+10度であれば1Aの
電流を流すという制御をする。 (0636)なお、温度センサ745として熱電対を用
いる熱電温度計、半導体等の抵抗率が温度によって変化
するのを利用する抵抗温度計、放射温度計、光高温計、
バイメタル温度計、光電高温計が例示される。 (0637)図169はパネル22でヒステリシス対策
をしたものである。図170は光学系でヒステリシス対
策をする場合の説明図である。もちろん、図169と図
170の対策を両方同時に実施してもよいことは言うま
でもない。 (0638)ランプ1411の出射側にはUVIRカッ
トフィルタが配置されているのが通常である。UVIR
カットフィルタは通常1枚のカットフィルタで構成され
ている。図170は紫外線(UV)カットフィルタ17
01と赤外線(IR)カットフィルタ1702を1つず
つ具備する。 (0639)ランプ1411aが点灯されたとき、IR
カットフィルタ1702は光路1416から除去されて
いる(1702aの位置)。するとランプ1411aか
ら放射された赤外線光による輻射熱で表示パネル22が
加熱される。そのため表示パネル22はすぐに暖めら
れ、温度が10度以上となってヒステリシスは発生しな
くなる。表示パネル22が所定温度まで加熱されるとI
Rカットフィルタ1702は光路1416に挿入される
(1702bの位置)。光路に挿入するタイミングは温
度センサ745で検出する。また、ランプ点灯度一定時
間経過後、強制的に光路に挿入してもよい。ただし温度
センサ745の出力が電源オン時すでに所定温度より高
いと信号を出しているとき(たとえば30度)はランプ
点灯直後に光路1416にIRカットフィルタ1702
を挿入する。表示パネル22が加熱されすぎ劣化してし
まうからである。 (0640)また、必要に応じて表示パネル22の入射
面または出射面に赤外線吸収フィルタ1703を取り付
けることも効果がある。ランプ1411aからの赤外線
光を前記フィルタ1703が吸収し、ヒステリシスが生
じない温度まで急速に表示パネル22を加熱するからで
ある。 (0641)光路へのIRカットフィルタ1702の挿
入と除去は図171に示すような構造にすれば容易であ
る。IRカットフィルタ1702は90度角度を回転す
るモータ1711に取り付けられている。ランプ141
1a点灯直後はIRカットフィルタ1702は点線の位
置に保持されている。ランプ1411a点灯後、所定時
間経過するか、もしくは表示パネル22が所定温度にな
れば、モータ1711は90度回転し、IRカットフィ
ルタ1702を光路1416に挿入する(実線位置)。
IRカットフィルタ1702は行きすぎないようにダン
パ(緩衝部材)1712で留められる。以上のように構
成することによりヒステリシス対策を行うことが容易に
できる。 (0642)前述の本発明の投射型表示装置は表示パネ
ル22を1枚用いるものであった。他に2枚の表示パネ
ル22を用いる構成も考えられる。その構成図を図17
2に示す。 (0643)光源1411から放射される白色光は色純
度向上フィルタ1412によりシアン光とイエロー光が
カットされ、前記カットされた光はPBS1581aに
よりP偏光とS偏光に分離される。S偏光はPBS15
81aで反射されミラー1552bで角度を曲げられ、
フィールドレンズ1413bを透過し、液晶表示パネル
22bに入射する。またP偏光はPBS1581aを透
過したP偏光は同じくミラー1552aで角度を曲げら
れ、フィールドレンズ1413aを透過し、液晶表示パ
ネル22aに入射する。それぞれの液晶表示パネル22
は入射光を変調し、変調された光はPBS1581bで
合成されて投射レンズ1415によりスクリーン(図示
せず)に拡大投射される。 (0644)同様に図173に示すように光源1411
が2つ有する投射型表示装置も考えられる。この場合、
PBS1581aが不要となる。 (0645)以下、さらに本発明の投射型表示装置につ
いて説明をする。まず、図1等に示す横電界配線17を
有する液晶表示パネル22について補足説明をする。こ
れらの表示パネルは所定の偏光に対して散乱性能が良好
という特徴がある。図3(b)に示すように電界19に
より液晶分子20が配向すると、aa’方向の偏光に対
して液晶分子20の屈折率はneとなる。そのため樹脂
成分24との間に強い屈折率のミスマッチが生じ強く散
乱する。したがって、aa’方向の偏光を本発明の液晶
表示パネルに入射させるようにすれば表示コントラスト
を高くできる。 (0646)偏光板(偏光軸)の配置としては、図1
3、図14に示す構成が例示される。基本的に横電界発
生方向133と偏光軸132と一致させる。図13
(a)および図14(a)は、液晶表示パネル22の入
出射側のそれぞれに偏光手段(たとえば偏光板131、
偏光ビームスプリッタ(PBS)等)を配置した構成、
図13(b)、(c)および図14(b)、(c)は、
入射面もしくは出射面のいずれか一方に偏光手段を配置
した構成である。 (0647)図174は本発明の投射型表示装置の構成
図である。ただし、説明に不要な構成要素は省略してい
る。凹面鏡1411bの曲率はランプ1411aのアー
ク長および投射レンズ1415にあわせて適正値に設計
する。PD液晶表示パネル22をライトバルブとして用
いる投射型表示装置は投射レンズ1415のFナンバー
が大きいため、凹面鏡はだ円面鏡で構成することが好ま
しい。ダイクロイックミラー1611aは赤(R)光を
反射し(RDM)、ダイクロイックミラー1611bは
緑(G)光を反射(GDM)するものとする。 (0648)発光ランプ1411aから放射された光は
UVIRカットフィルタ1411cでUV光およびIR
光がカットされる。前記光はPBS1581に入射す
る。PBS1581の光分離面1582を通過する光の
偏光軸132(P偏光又はS偏光)は表示パネル22の
横電界発生方向133と一致させる。光分離面1582
で反射した光はミラー1552aで反射した後、λ/2
板1741で偏光軸B2を90度回転させた後、λ/2
板1741から出射される。また投射レンズ1415の
入射側には偏光手段(偏光板131又はPBS等)が配
置され、前記偏光手段の偏光軸132はλ/2板174
1を出射する偏光軸132と略一致させている。 (0649)PBS1581を出射した光はダイクロイ
ックミラー1611aおよび1611bでR、G、Bの
3原色光の光路に分離され、それぞれの光路に配置され
た表示パネル22により変調される。変調された光はダ
イクロイックミラー1611cおよび1611dで一つ
の光路に合成されて投射レンズ1415によりスクリー
ン(図示せず)で拡大投射される。 (0650)以上のように本発明の投射型表示装置で
は、本発明の表示パネル22を用い、かつ前記表示パネ
ル22に偏光を入射させることにより良好な表示コント
ラストを実現できる。なお偏光板131はなくても実用
上十分な表示コントラストを実現できる。 (0651)図175は本発明の他の実施の形態におけ
る投射型表示装置の構成図である。発光ランプ1411
aから出射した光はPBS1581によりP偏光とS偏
光に分離される。今、仮に光分離面1582を通過する
光をP偏光、反射する光をS偏光とする。P偏光の光は
Rフィルタ1751aによりR光のみがフィルタを通過
する。一方S偏光はリレーレンズ1413により液晶表
示パネル22aと22bの光路長を調整される。またミ
ラー1552aで反射され、Bフィルタ1751bでB
光のみがフィルタを通過する。R光は液晶表示パネル2
2aに、B光は液晶表示パネル22bに入射する。な
お、PBS1581の出射端にλ/2板1741を配置
された場合は、液晶表示パネル22aと22bの横電界
発生方向133は同じでよいが、λ/2板がない場合は
横電界発生方向133は90度異ならせる。たとえば液
晶表示パネル22aはゲート信号線に平行に横電界配線
17を形成すればよいし、液晶表示パネル22bはソー
ス信号線15に平行に横電界配線17を形成しておけば
よい。また、図10の構成であれば、入射する光の偏光
方向が異なっていても同じ表示コントラストを高く維持
できる。 (0652)表示パネル22で変調された光はミラー1
522で反射され、反射型プリズム1752に入射す
る。1例として反射型プリズム1752とは2等辺三角
プリズムに反射ミラーが形成されたものである。プリズ
ム1752で反射した光は偏光板131に入射し投射レ
ンズ1415でスクリーン1501に拡大投射される。 (0653)表示パネル22aは赤色光を変調し、その
画像がスクリーン1501に投射される。一方、表示パ
ネル22bは青色光を変調し、その画像がスクリーン1
501に投射される。したがって、スクリーン1501
には赤と青の2色の画像が表示される。これを片眼が
赤、他方が青色のフィルタを取り付けられためがねでみ
れば立体表示を見ることができる。当然のことながら表
示パネル22aに入力する映像信号と表示パネル22b
に入力する映像信号とはカメラ等で撮影する際に立体画
像(3Dと呼ぶ)となるようにしておく必要はある。 (0654)フィルタ1751がなく、液晶表示パネル
22にカラーフィルタが取り付けてもよい。またλ/2
板1741がない場合は、右眼と左眼に偏光軸を90度
異なるめがねをかけることによりカラー表示の3Dを観
察することができる。 (0655)以上は液晶表示パネル22に偏光を入射さ
せるため、入射側等に偏光手段を配置する構成の投射型
表示装置の実施の形態であった。しかし、これらの偏光
手段がなくとも実用上は十分な画像表示を実現できるこ
とは言うまでもない。以下その実施の形態について順次
説明する。 (0656)図176は本発明の投射型表示装置の構成
図である。1611aはB光を反射させるダイクロイッ
クミラー(BDM)、1611bはG光を反射させるダ
イクロイックミラー(GDM)、1611cはR光を反
射させるダイクロイックミラー(RDM)である。な
お、BDM1611aからRDM1611cの配置は同
図の順序に限定するものではない。また、最後のRDM
1611cは全反射ミラーにおきかえてもよいことは言
うまでもない。 (0657)R光を変調する液晶表示パネル22cの液
晶層21の膜厚を他のGおよびB光を変調する液晶表示
パネル22a、22bの液晶層21の膜厚に比較して厚
めにして構成する。また、変調する光の波長に応じて、
液晶の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネットワ
ークの平均孔径を変化させている。変調の光の波長が長
くなるほど前記平均粒子径または平均孔径は大きくす
る。これは光が長波長になるほど散乱特性が低下しコン
トラストが低くなる傾向があるからである。このことは
先の実施の形態に対しても適用すべきである。1415
は投射レンズ、1762はしぼりとしてのアパーチャで
ある。なお、アパーチャ1762は、投射型表示装置の
動作の説明上図示したものである。アパーチャ1762
は投射光学系の集光角を規定するものであるから、投射
光学系の機能に含まれるものとして考えればよい。つま
り投射光学系のF値が大きければアパーチャ1762の
穴径は小さいと考えることができる。高コントラスト表
示を得るためには投射光学系のF値は大きいほどよい。
しかし、大きくなると白表示の輝度は低下する。具体的
にはアパーチャは用いず、投射レンズ1415の機能に
アパーチャ1762の機能は含まれるレンズである。 (0658)図177は図176をより具体的に表すた
めに斜視図で図示したものである。1771はフィール
ドレンズである。ただし、リレーレンズ1761などの
説明に不要な部品は省略している。図177の光学系を
光学系ブロック1551として図155に示すキャビネ
ット1535に配置すればプロジェクションテレビを構
成できる。 (0659)以下、本発明の投射型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。 (0660)光源1411から白色光が照射され、この
白色光のB光成分はBDM1611aにより反射され
る。このB光は液晶表示パネル22aに入射する、表示
パネル22aで散乱した光はアパーチャ1762aで遮
光され、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ
1762aを通過する。変調された光は投射レンズ14
154aによりスクリーン1501に拡大投影される。
以上のようにして、スクリーン1501には画像のB光
成分が表示される。同様に液晶表示パネル22bはG光
成分の光を変調し、また、液晶表示パネル22cはR光
成分の光を変調して、スクリーン1501上にはカラー
画像が表示される。 (0661)図176は3つの液晶表示パネル22を用
いる構成であったが図163、図178に示すように3
つの表示領域を有する1つの液晶表示パネルを用いれば
投射型表示装置の構成を簡略化できる。 (0662)図163、図178の液晶表示パネル22
は1つのアレイ基板12上に3つの表示領域(B、G、
R)を有する。つまりマトリックス状に画素電極が形成
された表示領域を3つもつ。対向基板11は、図178
に示すように3つの対向基板11に分けても良いが、3
つの表示領に対し1の対向基板11でもよい。ゲートド
ライブ回路492は表示領域Bの左側と、表示領域Rの
右側に形成もしくは配置される。ソースドライブ回路4
91はそれぞれの表示領域に対して個々に形成もしくは
配置される。 (0663)ゲートドライブ回路492aは奇数番目の
ゲート信号線が接続され、偶数番目のゲート信号線はゲ
ートドライブ回路492bに接続される。このようにゲ
ート信号線492を接続することによりゲート信号線4
92への信号の遅延等により生じる表示画像の左右輝度
ムラを防止できる。これはゲート信号線に抵抗があるた
め一時刻でみたとき、ゲートドライバ回路492の出力
近傍の電圧と信号線端の電圧とが異なるために生じる。
図178のようにすれば、R、B表示領域ではくし状に
輝度ムラが生じるおそれはあるが、視覚的に認識される
ことはない。 (0664)図179は、図178の液晶表示パネルを
ライトバルブとして用いた投射型表示装置の構成図であ
る。以上の構成にすることにより、図178に示す表示
領域間距離kを短くすることができ、光学ブロックを小
型化できる。また3つの表示領域を同時に位置決め調整
できるため、フォーカス調整等を高速に行える。 (0665)図176、図179は3つの投射レンズ1
415によりスクリーン1501に拡大投射する方式で
あるが、一つの投射レンズ1415で拡大投射する方式
もある。その構成図を図180に示す。 (0666)説明を容易にするため、22bをG光の映
像を表示する液晶表示パネル、22aをR光の映像を表
示する液晶表示パネル、22cをB光の映像を表示する
液晶表示パネルとする。なお、光源1411部分と表示
パネル22等を配置した部分とは分離壁1801で分離
する。これは光源1411からの熱で表示パネルを劣化
しないようにダイクロイックミラー1611aはR光を
反射し、G光とB光を透過する。ダイクロイックミラー
1611bはG光を反射し、B光を透過させる。ダイク
ロイックミラー1611cはR光を透過し、G光を反射
させる。また、ダイクロイックミラー1611dはRお
よびG光を透過させ、B光を反射する。 (0667)光発生手段1411aから出射された光は
全反射ミラー1552aにより反射され、光の方向を変
化させられる。前記光はダイクロイックミラー1611
a、1611bによりR・G・B光の3原色の光路に分
離され、R光はフィールドレンズ1771aに、G光は
フィールドレンズ1771bに、B光はフィールドレン
ズ1771cに入射する。各フィールドレンズ1771
は各光を集光し、液晶表示パネル22はそれぞれ映像信
号に対応して液晶21の配向を変化させ、光を変調す
る。このように変調されたR・G・B光はダイクロイッ
クミラー1611c、1611dにより合成され、投射
レンズ1415によりスクリーン1501に拡大投影さ
れる。 (0668)図181は反射型の投射型表示装置の一実
施の形態の構成図である。ここでは説明を容易にするた
めに、22aをR光を変調する液晶表示パネル、22b
をG光を変調する液晶表示パネル、22cをB光を変調
する液晶表示パネルであるとして説明する。 (0669)図181においてダイクロイックミラー1
611は色合成系と色分離系を兼用している。光源から
の出射された白色光は平面ミラー1552によりおりま
げられ、投射レンズ1415の第1群1415bに入射
する。UVIRカットフィルタ1411cの帯域は半値
の値で430nm〜690nmである。以後、光の帯域
を記述する際は半値で表現する。ダイクロイックミラー
1611aはR光を反射し、B光およびG光を透過させ
る。R光はダイクロイックミラー1611cで帯域制限
され液晶表示パネル22aに入射する。R光の帯域は6
00〜690nmとする。一方、ダイクロイックミラー
1611bはB光を反射し、G光を透過させる。B光は
液晶表示パネル22bに、R光は液晶表示パネル22a
に入射する。入射するB光の帯域は430nm〜490
nm、G光の帯域は510nm〜570nmである。こ
れらの光の帯域は本発明の他の投射型表示装置について
も同様である。各液晶表示パネル22はそれぞれの映像
信号に応じて散乱状態の変化として光学像が形成する。
各液晶表示パネル22で形成された光学系はダイクロイ
ックミラー1611で色合成され、投射レンズ1415
に入射し、スクリーン1501上に拡大投射される。 (0670)ダイクロイックミラー1611は、特定の
波長の光を反射(透過)させるフィルタとして機能す
る。たとえば、ダイクロイックミラー1611bは、光
源1411からの光が、液晶表示パネル22bに入射す
る際に、特定の波長の光を反射する。また、液晶表示パ
ネル22bで反射した光が、投射レンズ1415に入射
する際に、特定の波長の光を反射する。 (0671)1つのダイクロイックミラー1611は、
液晶表示パネル22に入射する際と、出射する際の2回
光を反射する。図181の構成では、1つのダイクロイ
ックミラー1611で、2回、光の波長の帯域制限をす
る。つまり、ダイクロイックミラー1611は2次のフ
ィルタとして機能している。図180のダイクロイック
ミラー1611に比較して、帯域制限をするカットオフ
特性が急峻となる。そのため、各液晶表示パネル22に
入射する光の帯域にオーバーラップが生じない。したが
って、色再現性が良好となり、高品位の画像表示を実現
できる。 (0672)また、ダイクロイックミラー1611を色
分離機能と色合成機能とを、兼用することにより、投射
型表示装置のシステムサイズの小型化を実現している。 (0673)図181に示す本発明の反射方式の投射型
表示パネルにおいて光分離面に入射する光の入射方向と
出射方向に注意する必要がある。具体的には、図181
は図182の如くする必要がある。つまり、図181は
図示および説明を容易にするために表示したのにすぎな
い。以下、図182のようにすべき理由について説明を
する。 (0674)図181に示した構成の場合、光源141
1からの出射光とが液晶表示パネル22上を照明する照
明光の光軸1811aと、液晶表示パネル22によって
反射され投射レンズ1415を経てスクリーン1501
に到達する投射光の光軸1811bは、ダイクロイック
ミラー1611に入射する角度が互いに異なる。ダイク
ロイックミラー1611はガラス基板上に誘電体多層膜
を蒸着し、特定の波長帯域の光を透過、または反射する
ものが用いられる。このタイプのダイクロイックミラー
1611は、光線の入射角依存により分光性能がシフト
するという特性を持ち、図181のように光軸1811
aと光軸1811bが異なる角度で入射する場合は、色
分離する分光特性と色合成する分光特性が互いに異なる
ため、所望の色純度の投射画像を得ることは困難であ
る。 (0675)図182の投射型表示装置の構成では、照
明光の光軸1811aと、液晶表示パネル22によって
反射され、投射レンズ1415により投射される投射光
の光軸1811bとが、液晶表示パネル22の中心法線
とダイクロイックミラー1611等の光分離面の中心法
線とを含む平面に対し対称にできる。したがって、光分
離面への入射角を互いに等しくすることができる。従っ
て、色分離後の分光性能と色合成後の分光性能が一致
し、スクリーン1501上に表示される投射画像は所望
の色純度を得ることができる。 (0676)このように、図182の投射型表示装置の
利点は明らかなように、自然光を利用した反射型の液晶
表示パネルを用いた場合の色純度が良好で、かつ色均一
性に優れた投射画像の表示を容易に実現できることであ
る。 (0677)ダイクロイックミラー1611a,161
1bはガラス基板に低屈折率層と高屈折率層とを交互に
積層した誘電体多層膜を蒸着したものであり、色分離合
成面は、いずれも液晶表示パネル22a,22b,22
cの光変調層21に対して45°の角度で配置されてい
る。 (0678)ランプから出射した光はコールドミラー1
552a、ミラー1552を経てダイクロイックミラー
1611a,1611bに順次入射する。ダイクロイッ
クミラー1611a,1611bに入射した光はR、
G、Bの3原色光に分離され、それぞれ対応する3つの
液晶表示パネル22a,22b,22cに入射し、その
反射光は再びダイクロイックミラー1611a,161
1bに入射する。R,G,Bの3原色光はダイクロイッ
クミラー1611a,1611bによって合成され、開
口絞りを透過した後、投射レンズ1415によってスク
リーン1501上に拡大投射される。 (0679)液晶表示パネル22a,22b,22cに
入射した光のうち、散乱状態の画素に入射し、散乱光と
なって反射された光は投射レンズ1415の開口絞り、
またはレンズ鏡筒(図示せず)の内壁によってその大部
分が遮光されて黒表示となる。一方、非散乱状態の画素
に入射し、正反射されて進行する光は投射レンズ141
5の開口絞り、及び投射レンズ1415を構成するレン
ズ群を透過し、白表示としてスクリーン1501に到達
する。このようにして液晶表示パネル22a,22b,
22c上で散乱モード、非散乱モードとして変調された
光学像がスクリーン上に投射画像として表示される。 (0680)図182に示す構成では、光源1415か
ら出射する照明光の光軸1811aと液晶表示パネル2
2によって反射された投射光の光軸1811bとを含む
平面が、液晶表示パネル22の中心法線とダイクロイッ
クミラー1611a,1611bの中心法線とを含む平
面に対して垂直に配置されているので、光軸1811a
と光軸1811bを含む面はダイクロイックミラー16
11a,1611bの色分離合成面と45°の角度をな
している。従って、照明光、投射光ともに同じ入射角4
5°でダイクロイックミラー1611a,1611bに
入射させることができる。 (0681)ダイクロイックミラー1611a,161
1bの分光透過率を、図183(a)、(b)に示す。
図183(a)はダイクロイックミラー1611aへの
光線入射角が45°の場合の分光透過率を示すもので、
ダイクロイックミラー1611aはR光を反射し、G
光、B光を透過するタイプである。また、図183
(b)はダイクロイックミラー1611bへの光線入射
角が45°の場合の分光透過率を示すもので、ダイクロ
イックミラー1611bはB光を反射し、G光を透過す
るタイプである。 (0682)本実施の形態の構成によれば、色分離の場
合の分光性能の、色合成した場合の分光性能が一致する
ため、図183(a)、(b)に示した分光性能をその
まま投射画像に反映することができる。 (0683)比較のため、以下に図183の実施の形態
と同じダイクロイックミラーを用いて、図183のよう
に構成した場合について説明する。照明光の光軸181
1aが液晶表示パネル22へ仮に5°で入射するように
構成すると照明光の光軸1811aと投射光の光軸18
11bは10°の角度をなし、照明光のダイクロイック
ミラー1611a,1611bへの入射角は40°、投
射光のダイクロイックミラー1611a,1611bへ
の入射角は50°となる。入射角が40°の場合と入射
角が50°の場合の分光透過率を図184(a)、
(b)に示す。図184(a)はダイクロイックミラー
1611a、図184(b)はダイクロイックミラー1
611bの分光透過率を示したもので、図中の実線は光
線の入射角が40°の場合、点線は光線の入射角が50
°の場合を示している。図184(a)、(b)より、
入射角依存による波長シフトのため照明光の分光性能と
投射光の分光性能が大幅に異なり、光の利用効率を低下
させずに所望の色純度を得ることは困難であることがわ
かる。 (0684)同様に、投射光と照明光のダイクロイック
ミラー1611に入射する角度を考慮するという技術的
思想は他の反射型の投射型表示装置にそのまま適用で
き、後に説明するがダイクロイックプリズムを用いるの
であっても同様に適用できることは言うまでもない。 (0685)図185はダイクロイックプリズム159
1を用いて色分離色合成を行う投射型表示装置の構成図
である。ダイクロイックプリズム1591には2つの光
分離面1582a、1582bを有しており、前記光分
離面1582で白色光をR・GおよびBの3原色光に分
離する。各液晶表示装置22は光結合層371を介して
ダイクロイックプリズム1591に取りつけられてい
る。つまり、ダイクロイックプリズム1591には光結
合層371でオプティカルカップリング(OC)されて
貼り付けられている。プリズム1591の無効領域(画
像表示に有効な光が通過しない領域)には光吸収膜11
32が塗布されている。 (0686)図185において液晶表示パネル22cは
R光を変調し、光分離面1582aはR光を反射すると
する。入射光は光反射面1582aで反射して液晶表示
パネル22aの光変調層21に入射する。光変調層21
に入射した光は画素電極14に印加された電圧の大きさ
に応じて散乱させる。散乱されなかった光は再び光分離
面1582aで反射して出射光となる。散乱した光のそ
のほとんどがプリズム1591の無効領域に形成された
光吸収膜1132に入射して吸収される。以上のように
して液晶層21で散乱された光のほとんどは光吸収膜1
132で吸収される。したがって散乱光は出射光となる
ことはない。なお、液晶表示パネル22c、22bでも
動作は22aと同様であるので省略をする。 (0687)なお、光吸収膜1132とはTFT155
上の遮光膜152と同様の材料で形成する。また黒色塗
料あるいは液晶表示パネル22が変調する光と補色の関
係にある色素、染料を塗布してもよい。また、無効領域
を荒らして白濁状態にした構成でもよい。また黒色等の
板をはりつけてもよい。 (0688)プリズム1591に液晶表示パネル22を
オプティカルカップリングし、かつプリズム1591の
無効領域に光吸収膜を形成もしくは配置するという構成
は、図71の構成にも適用することができる。 (0689)図187はプリズム1591aに液晶表示
パネル22aおよび22bをオプティカルカップリング
し、三角プリズム1591cに液晶表示パネル22cを
オプティカルカップリングした構成である。 (0690)結像系にダイクロイックミラーを用いる
と、ダイクロイックミラー1611は平面状であるの
で、筐体に位置決めすることがむつかしい。ダイクロイ
ックミラー1611の少しのかたむきでスクリーンに3
つの表示パネル22の光学像位置ずれが発生する。また
経時変化(そり等)が発生しやすく3つの表示パネル2
2の結像の位置ずれが発生しやすい。図187の構成で
あれば経時変化に安定でかつ結像の位置の調整がやりや
すい。なお、液晶表示パネル22で散乱した光をプリズ
ム1591の表面に形成した光吸収膜1132で吸収す
ることにより液晶層21へのもどり光をなくし、2次散
乱光の発生を防止するという効果は図185と同様であ
るので説明を省略する。また表示パネル22とプリズム
1591と一体として構成し(光学部品として)すれ
ば、液晶表示パネル22位置調整もいらず調整工程を大
幅に短縮できることは言うまでもない。 (0691)なお、図187、図188の照明系はリレ
ーレンズ1871を用いて構成している。また凹面鏡1
411bはだ円面鏡を採用している。このようにするこ
とにより照明光のF値を大きくすることができ、表示コ
ントラストを向上できる。 (0692)図188はL形のプリズム1591に3つ
の液晶表示パネル22を取り付けた構成である。図18
7の構成と比較してプリズムが1つですみ、結像の調整
が容易であり、液晶表示パネル22の位置調整が全く不
要となる。なお、光吸収膜1132の形成領域も広範囲
にできるので2次散乱光の発生も少なく、極めて良好な
表示コントラストを実現できる。 (0693)次にさらに投射型表示装置において高輝度
表示を維持しながら、表示コントラストを高くする方法
について説明する。図189は、前記方法を実現するた
めの第1の実施の形態である。投射レンズ1415は、
前レンズ群1891bと後レンズ群1891aから構成
される。出力部レンズ1897と後群レンズ1891b
は、絞り1896と絞り1898を互いに共役の関係と
する。 (0694)入力部レンズアレイ1894は、複数の入
力部レンズ1899を二次元状に配列して構成する。そ
の構成の一例を図190に示す。矩形の開口を有する1
0個の入力部レンズ1899を正円の領域に内接するよ
うに配列している。10個の入力部レンズ1899は、
同一開口形状の平凸レンズであり、矩形開口の長辺と短
辺の比を4:3としている。 (0695)同様に中央部レンズアレイ1895は、複
数の中央部レンズ1900を二次元状に配列して構成す
る。入力部レンズ1899と同数で同一開口を有する中
央部レンズ1900を、入力部レンズアレイ1894と
同様に配列している。 (0696)投射型表示装置における照明の手順を説明
する。メタルハライドランプ1411aの発光体189
2から放射される光は、放物面鏡1411bにより反射
されて光軸1416とおよそ平行に進行し、入力部レン
ズアレイ1894に入射する。放物面鏡1411bから
出射する光の断面形状は一般に正円となるので、入力部
レンズ1899の開口の総和がこれに内接するように入
力部レンズアレイ1894を構成する。入力部レンズア
レイ1894を通過した光は、入力部レンズ1899と
同数の部分光束に分割され、各部分光束は、PD液晶表
示パネル22の表示領域を照明する。 (0697)入力部レンズ1899を通過した光は、各
々、対応する中央部レンズ1900の開口に導かれて収
斂される。中央部レンズ1900の各々の開口上には、
二次発光体(例えば、図189に示す1901A、19
01B)が形成される。中央部レンズアレイ1895上
に形成される複数の二次発光体1901の一例を、図1
91に模式的に示す。中央部レンズ1900は、各々、
対応する光をPD液晶表示パネル22の表示領域上に有
効に伝達する。具体的に、対応する入力部レンズ189
9の主平面上の物体(例えば、図189に示す1902
A、1902B)の実像1893をPD液晶表示パネル
22の表示領域近傍に形成する。ただし、各々の中央部
レンズ1900は適当に偏心させており、複数の像を重
畳させて1つの実像1893を形成する。 (0698)以上の構成によれば、PD液晶表示パネル
22の表示領域と入力部レンズ1899の各々の開口と
は、互いにおよそ共役の関係となる。従って、入力部レ
ンズ1899の開口をPD液晶表示パネル22の表示領
域と相似形状とすれば、照明光の断面と表示領域の形状
を整合させて、光損失を抑制できる。従って、図190
に示した入力部レンズアレイ1894は、NTSCに対
応したアスペクト比が4:3の映像を表示するPD液晶
表示パネル22と組み合わせて用いるとよい。 (0699)一般に、放物面鏡などの凹面鏡から出射す
る光には、比較的大きな明るさむらがある。明るさむら
の大きい光をそのまま伝達してPD液晶表示パネル22
を照明すると、投射画像の明るさの均一性が低下する。
明るさが比較的均一な領域のみを利用して照明すると、
利用できない光が増加するので光利用効率が低下する。
これに対し、本発明の投射型表示装置は、高い光利用効
率を得ると共に、明るさの均一性の優れた投射画像を得
ることができる利点がある。その理由を以下に述べる。 (0700)入力部レンズアレイ1894は、明るさむ
らの大きな光を複数の部分光束に分割する。各部分光束
の入力部レンズ1899の開口上における明るさむら
は、分割前の光束断面の明るさむらと比較して小さい。
中央部レンズ1895の各々は、明るさむらの少ない部
分光束を適当な大きさに拡大し、PD液晶表示パネル2
2の表示領域上に重畳させる。従って、明るさの均一性
の良好な照明を実現できる。 (0701)入力部レンズ1899の開口の総和を入射
する光束の断面に内接させるので、入力部レンズアレイ
1894における光損失は少ない。また、中央部レンズ
1900の開口の各々を二次発光体1901に対して十
分な大きさとするので、中央部レンズアレイ1895に
おける光損失は少ない。さらに、PD液晶表示パネル2
2に入射する光の断面を表示領域の形状に整合させるの
で、PD液晶表示パネル22における光損失は少ない。
従って、発光体1892から放射される光の大部分は、
放物面鏡1411bにより反射され、入力部レンズアレ
イ1894、中央部レンズアレイ1895、出力部レン
ズ1897、PD液晶表示パネル22を通過して投射レ
ンズ1415に到達する。従って、投射レンズ1415
における光損失を抑制すれば、高い光利用効率を実現
し、明るく、明るさの均一性の優れた投射画像を得る。 (0702)ところで、中央部レンズアレイ1895上
には離散的に複数の二次発光体1901が形成されるの
で、この場合の照明光の有効Fナンバーは、二次発光体
1901の面積の総和から等価的に換算される照射角か
ら定める必要がある。一方、PD液晶表示パネル22か
ら光軸1416と最も角度を成して出射する光の集光角
は、この等価的な照射角よりも大きな値となる。従っ
て、光損失を抑制するためには、投射レンズ1415の
有効Fナンバーを照明光の実効的な有効Fナンバーより
も小さくする必要がある。これは、PD液晶表示パネル
の場合に、投射画像のコントラストを低下させるので問
題がある。 (0703)これに対し、本実施例の投射型表示装置
は、絞り1896と絞り1898の働きにより、光損失
を増加させることなく照明光側と投射レンズ側の開口を
いずれも必要最小限の大きさにできるので、コントラス
トの低下を抑制できる。具体的には、離散的に形成され
る二次発光体1901の有効領域に合わせて、照明光側
の絞り1896の開口を図192に示すような形状とす
る。破線は図191の中央部レンズ1900の各々の開
口に対応する。また、投射レンズ側の絞り1898の開
口上には二次発光体1901の実像が形成されるので、
絞り1898の開口形状も、絞り1896の開口形状と
同様にする。これにより、絞り1896を通過した光は
絞り1898を通過するので、高い光利用効率を実現で
きる。同時に、投射レンズ1415は照明光が必要とす
る必要最小限の開口を提供するので、コントラストの高
い表示画像を実現できる。その結果、明るく高画質の投
射画像を提供できるので、非常に大きな効果を得ること
ができる。 (0704)本発明の投射型表示装置に用いる入力部レ
ンズアレイ1894、中央部レンズアレイ1895、絞
り1896、絞り1898は、以下のように構成すると
なお良い。図193は、この場合の中央部レンズアレイ
1895の構成を示す。一般に、二次発光体1901の
大きさは、光軸近傍に位置する入力部レンズ1899の
形成するものほど大きい。従って、中央部レンズ190
0の各々の開口は必ずしも同一である必要はなく、二次
発光体1901の各々に対して必要十分な大きさとすれ
ばよい。開口を有効に異ならせた複数の中央部レンズ1
900を凝集して配列し、中央部レンズアレイ1895
を構成すれば、開口領域の総和を小さくできる利点があ
る。中央部レンズアレイ1895と組み合わせる入力部
レンズアレイ1895は、図192に示したものと同様
に構成し、入力部レンズ1899の各々を適当に偏心さ
せ、対応する中央部レンズ1900の開口中心に二次発
光体1901を形成すればよい。 (0705)この場合、照明光側の絞り1896の代わ
りに図194に示す開口形状の絞り1898を用いると
よい。投射レンズ側の絞り1898についても同様であ
る。これにより、光損失を生じることなく、中央部レン
ズアレイ1895の開口径を小さくでき、かつ、投射レ
ンズ1415のレンズ径を小さくできる利点がある。 (0706)本実施例の投射型表示装置は、以上述べた
ように離散的に複数の二次発光体を形成して表示パネル
22を照明する場合に、より大きな効果を得る。最大集
光角の大きな投射レンズ1415を用いたとしても、離
散的に複数の開口を有する絞りを備えることで、表示パ
ネル22から出射する光に対して必要最小限の開口を提
供できる。その結果、明るくコントラストの高い投射画
像を得ることができる。 (0707)図199は、図189の投射型表示装置を
発展させ、3枚のPD液晶表示パネル22を用いてフル
カラー表示を行う投射型表示装置の構成図である。な
お、以下の実施の形態に関しては、主として第1の実施
の形態との差異を中心として説明する。図198は、三
原色に対応した3枚のPD液晶表示装置22を用いてい
る。放物面鏡1411b、入力部レンズアレイ189
4、中央部レンズアレイ1895、出力部レンズ189
7等は、図189に示したものと同様である。また、図
189で説明したのと同様の手順により、PD液晶表示
パネル22a、22b、22cの各表示領域を照明す
る。ただし、ダイクロイックミラー1611a、161
1bと、平面ミラー1552bの働きにより、照明光は
三原色の色光に分解され、それぞれ対応するPD液晶表
示パネル22の表示領域上に導かれる。 (0708)PD液晶表示パネル22は、各々の表示領
域上には外部から供給される映像信号に応じて、三原色
に対応した光学像が形成される。投射レンズ1415
は、前レンズ群1891b、後レンズ群1891aから
構成され、三原色の光学像をスクリーン1501上に拡
大投影する。PD液晶表示パネル22から出射する光
は、ダイクロイックミラー1611c、1611dと、
平面ミラー1552cの働きにより一つの光路が合成さ
れるので、フルカラーの投射画像を得る。 (0709)照明光側の絞り1896と投射レンズ側の
絞り1898は、図189に示したものと同様のもの
を、同様の目的で用いる。絞り1896と絞り1898
が互いに共役の関係となるように、出力部レンズ189
7と後群レンズ1891bを適切に構成する。動作は先
の説明とほぼ同様であるので省略をする。 (0710)PD液晶表示パネル22の出射側には透明
接着剤を用い凹面を出射側に向けて平凹レンズ1311
bを結合し、前記レンズ1311bの側面には光吸収膜
1132を塗布し、凹面には反射防止膜を蒸着してい
る。平凹レンズ1331bはアクリル樹脂を用い、成型
加工により作成している。成型加工は金型があれば、同
一のレンズを作成できるので、量産性がよい。 (0711)凹レンズ1311bの出射側には、正レン
ズ1311aが近接して配置されている。正レンズ13
11aの凸面の曲率半径は、凹レンズ1311b凹面の
曲率半径と等しい。両レンズの凸面の間に薄い空気間隔
を設けている。正レンズ1311aの両面は平凹レンズ
1311bと同様に反射防止膜が蒸着されている。ま
た、投射レンズ1415は、凹レンズ1311b、正レ
ンズ1311aを組み合わせた状態で、液晶層21上の
光学像がスクリーン1501上に結像するようにしてい
る。投射画像のフォーカス調整は投射レンズを光軸14
16に沿って移動することにより行う。 (0712)PD液晶表示パネル22は、TN液晶表示
装置ほど光学特性の入射角依存性が強くないが、入射光
の入射角があまり大きい場合には、液晶層21を通過す
るときの光路長が長くなるために散乱特性が変化する。
つまり、PD液晶表示パネル22に入射する光線の入射
角が場所により異なれば、投射画像の画質が不均一とな
る。一方、凹レンズ1311bの凹面の曲率半径を小さ
くしようとすると、PD液晶表示パネル22に収束角の
大きな収束光を入射させるか、または投射レンズ141
5の有効径を大きくする必要がある。前者はPD液晶表
示パネル22上の場所により画質が均一でないために、
投射画像の画質が不均一となり、後者は投射レンズ14
15が大型化しコスト高になるという問題がある。PD
液晶表示パネル22の散乱特性の入射角依存性が大きい
場合、図198および図199に示したように、凹レン
ズ1311bとに正レンズ1311aを組み合わせれ
ば、投射レンズ1415を大型化することなく、PD液
晶表示パネル22に平行に近い光を入射させることがで
きるので、投射画像の画質均一性を確保しやすい。 (0713)図198および図199は透過型の液晶表
示パネル22をライトバルブとして用いる構成であった
が、図189の絞り1896等を用いて表示コントラス
トを向上させるという技術的思想は反射型の投射型表示
装置にも適用できる。その一例を図200に示す。 (0714)図200は、反射型のPD液晶表示パネル
をライトバルブとして適用した実施の形態である。な
お、凹レンズ1311bは凹レンズ状のものに限定され
るものではなく、たとえば、板状のものでもよい。 (0715)反射型の投射型表示装置では投射レンズ1
415の上位置に絞り1898を配置する。下位置は入
射光の経路だからである。その他の構成の説明は、すで
に説明しているので説明は省略をする。 (0716)図201は色分離色合成光学系にプリズム
2011を用いた構成である。図201のプリズムの構
成は、業務用ビデオカメラのCCD部に採用されている
ものであるから説明を要さないであろう。表示パネル2
2としてPD液晶表示パネルの他、テキサスインスルメ
ント社が開発している。DMD(デジタルマイクロミラ
ーデバイス)でもよい。 (0717)図189、図198、図200等のレンズ
アレイ1894,1895,1896,1898を有す
る投射型表示装置についさらに詳述する。なお、このよ
うな投射型表示装置を離散開口表示装置と呼ぶ。 (0718)図195はPD液晶表示パネルとの散乱ゲ
インGと、透過率が90%以上となる駆動電圧の関係グ
ラフである。まず散乱ゲインGは、PD液晶表示パネル
22に光を照射し、前記光変調層21への光入射面の照
度をE、光出射面(もしくは光入射面)かつ、光変調層
の法線方向から測定した光変調層の輝度をB、円周率を
πとしたとき、次式であらわす。 (0719)
ィルタ1412を用いて投射画像の色純度を改善するも
のであった。図159はダイクロイックプリズム159
1を用いて色純度の改善を行うものである。 (0601)光源1411から放射された光はダイクロ
イックプリズム1591aの界面1582a,1582
bによりR,G,Bの3原色光に分離される。分離され
た光はミラー1552a,1552bに反射されレンズ
1592を透過し、再びダイクロイックミラー1591
bの界面1582c,1582dで合成される。合成さ
れた光はレンズ1413bを通過し、表示パネル22で
変調されて投射レンズ1415で投射される。 (0602)発光ランプ1411aからの光のうちシア
ンとイエロー光をカットするため光路には帯域カットフ
ィルタ1594a,1594bが配置されている。帯域
カットフィルタは光吸収型フィルタであり、吸収した光
は熱となる。しかし、誘電体ミラーのように光を反射す
ることがなく、ハレーションをひきおこさない。そのた
め、ゴースト像等の発生はない。この帯域カットフィル
タ1594により不要な帯域の光をカットするため表示
パネル22に入射する光は良好な3原色となる。そのた
め投射画像の色純度を向上できる。 (0603)レンズ板1592は、一枚のアクリル板に
フレネルレンズ1593を複数形成したものである。フ
レネルレンズ1593a,1593cはリレーレンズと
して機能する。1つのレンズ板1592に複数のレンズ
1593を形成し、このレンズ板1592を複数の光路
(たとえばR,G,Bの光路)に配置する。レンズ板1
592内のレンズ1593間距離(たとえば1593a
と1593b間距離)は精度よく作製されている。従来
の投射型表示装置では複数の光路(R,G,Bの光路)
にそれぞれ個別のリレーレンズ等が配置されている。そ
のため、前記個別のレンズの位置調整をそれぞれ行う必
要があり、調整に時間を要する。本発明は1つのレンズ
板1592に複数のレンズ1593が形成されているた
め、レンズ板1592の位置調整を行うことにより複数
の光路内のレンズの位置調整を同時に行うことができ
る。 (0604)レンズ板1592は、アクリル,ポリカー
ボネート等の透明な樹脂をプレス加工することにより容
易に作製することができる。 (0605)なお、図160に示すようにレンズ159
3は円弧状のレンズ(1593a,1593b,159
3c)でもよい。また、図160に示すように帯域カッ
トフィルタ1594のかわりに図159のミラー155
2a,1552bをダイクロイックミラー1611a,
1611bとしてもよい。ダイクロイックミラー161
1は不要な光(シアン、イエロー光)を透過し、必要な
光の光路を90度曲げて反射する。 (0606)図161はレンズ板1592に2つのレン
ズ1593a,1593bが形成された場合の実施例で
ある。レンズ1593aは第1の光路中に配置され、レ
ンズ1593bは第2の光路中に配置されている。ダイ
クロイックミラー1611aは図162(a)に示すよ
うにR光の範囲の光を反射する。ダイクロイックミラー
1611bは図162(b)に示すようにB光およびG
光の範囲の光を反射する。したがって、図162に示す
帯域kの範囲の光(イエロー光)はカットされるので投
射画像を色純度を改善できる。 (0607)以上の実施例では表示パネル1枚を用い、
前記表示パネル22にカラーフィルタ151等を形成し
ておくことによりカラー表示を行うものであった。本発
明の1つのレンズ板1592に複数のレンズ1593を
形成し、各レンズ1593を異なる光路に配置して投射
型表示装置を構成する方法は、表示パネルを複数有する
投射型表示装置にも応用できる。 (0608)図163はR,G,Bの3の表示領域を有
する表示パネル22を用いた投射型表示装置にレンズ板
1592を配置した構成図である。 (0609)発光ランプ1411aから放射された光は
ダイクロイックミラー1611a,1611bにより
R,G,B光に分離され、分離された光はレンズ板15
92の各レンズ1593を通過して表示パネル22の表
示領域1631a,1631b,1631cに入射す
る。表示領域1631で変調された光はダイクロイック
ミラー1611a,1611bで不要な光をカットし色
純度の向上が行われるとともに、ダイクロイックミラー
1611c,1611dで1つの光路に合成されて、投
射レンズ1415で投射される。 (0610)図163等ではR光とB光の光路とG光の
光路では光路長が異なる。つまり、RおよびB光の光路
長の方がG光の光路長よりも長い。そのためレンズ15
93a,1593cとレンズ1593bの焦点距離等は
異ならせている。 (0611)図163は1つの表示パネルにR,G,B
光を変調する3つの表示領域を有するものをライトバル
ブとして用いた構成図である。しかし、言うまでもな
く、図164のようにR光を変調する表示パネル22
a、G光を変調する表示パネル22b、B光を変調する
表示パネル22cの3つを有する投射型表示装置にも、
本発明のレンズ板1592の技術適思想は適用できる。 (0612)投射型表示装置(液晶プロジェクタ)は年
々高輝度表示化傾向にある。そのためランプ1411a
の出力は増大してきている。したがって、表示パネル2
2aに入射する光量も多くなり表示パネル、偏光板が加
熱されることにより劣化する。偏光板、表示パネル22
を冷却するために現在は冷却ファンによる空気冷却が行
われている。しかし、冷却ファンの冷却能力にも限界が
あり、又冷却能力を高めるために冷却ファンの回転数を
増大させると回転音が大きくなってしまう。 (0613)本発明は、図165に示すように表示パネ
ル22等に対して、水素冷却を行うものである。1例と
して、図164に示す点線の範囲をケース1651で取
り囲み、ケース1651内に表示パネル22、偏光板
(図示せず)、ダイクロイックプリズム(ダイクロイッ
クミラー)1591を配置する。ケース1651内に水
素を充填する。ケースは透明樹脂、ガラスで作製し、光
が通過する領域には界面反射を防止するためにAIRコ
ート211膜を形成する。 (0614)水素は熱伝達率、表面熱伝導率はそれぞれ
空気の6.69倍、1.35倍であり比較も大きい。そ
のため、冷却効果が大きいため表示パネル22等を十分
に冷却できる。また、水素は密度が空気の7%と軽いた
め、風損が少なくなり、効率が向上する。したがって冷
却ファンの音を減少させることができる。さらに水素に
空気に比べて不活性であるので表示パネルを劣化させる
ことが少ない。 (0615)ケース1651内に表示パネル22を配置
し、ケースを密封することにより、表示パネルの表面等
にホコリ等が付着することがなくなる。また、ケース1
651内に冷却ファン1534を配置することにより、
冷却ファンの音も外にもれることがなくなる。なお、図
166はケース1651の上部から見た図である。 (0616)ケース1651内には少なくとも表示パネ
ル22が配置される。冷却ファン1534は放熱板92
1に風を吹き付け、放熱板921はケース1534内の
熱をケース1651外に放出する。冷却ファンはたえず
ケース1651内の水素を流動させ、流動した水素は表
示パネル22を冷却する。そのため表示パネル22に温
度分布が発生しない。 (0617)図165(a)はケース1651内に冷却
ファン1534を配置するとしたが、図165(b)の
ようにペルチェ素子(電子冷却素子)を配置することも
有効である。ペルチェ素子は素子に流す電流量を制御す
ることにより容易にケース内の温度制御を行うことがで
きる。またペルチェ素子に流す電流の方向を逆にするこ
とによりケース内の空気(水素)を暖めることもでき
る。ケースの密封も可動部がないため好都合である。ペ
ルチェ素子がケース内からうばった熱は放熱板921に
直接伝達されてケース1651外に放出される。ペルチ
ェ素子1652は冷却ファンを必要とせず、騒音の発生
もない。なお、ケース1651外部の放熱板921に冷
却ファンで空気をふきつけることにより、さらに冷却能
力を向上させることができる。 (0618)図164では表示パネル部をケース165
1で取り囲み冷却する例を示したが、これに限定するも
のではなく、ランプ1411等をケース1651で取り
囲み冷却することも効果がある。また投射型表示装置全
体を密封し、水素で冷却することも効果がある。 (0619)図164、165(a),(b)等でケー
ス1651内に水素を充填し、表示パネル22などを冷
却するとしたが、その他、6ふっ化硫黄(SF6)、ヘ
リウムなどを用いてもよい。 (0620)また、表示パネル22は反射型の表示パネ
ルでもよい。反射型の表示パネルとしてテキサスインス
ルメント(TI)社が開発しているデジタルマイクロミ
ラーデバイス(DMD)が例示される。前記表示パネル
の裏面からペルチェ素子(電子冷却素子)で冷却すると
ともに、プリズム1591と表示パネル22間に水素を
流動させて表示パネルなどを冷却する。また、前記表示
パネル全体を水素等で冷却してもよい。また、表示パネ
ルは有機EL表示パネル、無機ELパネル、TN表示パ
ネル、ゲストホスト液晶表示パネル、STN表示パネ
ル、ホメオトロピックモードの表示パネル、熱書き込み
表示パネル、LED表示パネル、光書き込み表示パネ
ル、レーザ書き込み表示パネル、強誘電液晶表示パネル
でもよい。 (0621)また、水素による冷却は、回転フィルタ1
414の冷却にも有効である。特に、回転フィルタ14
14に偏光板が形成されている場合、光吸収型のフィル
タ(たとえば、R,G,Bのカラーフィルタ)が形成さ
れている場合に有効である。前記回転フィルタ1414
はランプからの光を吸収し発熱するからである。回転フ
ィルタ1414を水素などで冷却することにより回転フ
ィルタ1414の熱を効率よく放熱させることができ
る。 (0622)なお、プリズム1591はCCD用プリズ
ム(図201参照)でもよく、また、ダイクロイックミ
ラーに置き換えてもよい。また、ケース1651を用い
ず、図153の筐体1535内全体に水素を充填して冷
却してもよい。 (0623)図165(a),(b)は水素冷却で表示
パネル等を冷却する方法であるが、水素のかわりにシリ
コンオイル、水、フロン液等を用いてもよい。図16
7,図168はその説明図である。図168に示すよう
に表示パネル22はケース1651a内に配置され、表
示パネルの周囲はエチレングルコール、シリコンオイル
等の冷却液1682が充填されている。この冷却液16
82により表示パネル22の熱をうばい、表示パネルを
冷却する。ケース1651aはプリズム1591にかぶ
せるように配置している。 (0624)ケース1651aはケース1651bと接
続されており、冷却液1682の上面には窒素ガス16
81が充電され、冷却液1682が酸化されることを防
止している。冷却液1682の上部に空間をとるのは冷
却液1682は温度により体積が変化するからである。
ケース1651bはB,Cの2の室にわかれており、こ
の室にもシリコンオイル等が充填されているが、B,C
の室はケース1651aのAの室と異なり、外気とA室
の冷却液とが接続するのを防止する封止液1683とし
て機能する。封止液1683および窒素ガス1681で
冷却液1682が酸化されることおよびスラッジ(不純
物)が発生することを防止している。図167は図16
8のAA’線での断面図である。 (0625)図168は封止液1683を充填するため
ケース1651bを具備するが、冷却液1682の上部
にコンサベータ等の膜を形成すればケース1651bは
必要がない。また冷却液1682内に活性アルミナのよ
うな吸湿剤を入れておけば冷却液1682内の水分など
を吸着し、冷却液1682の劣化を防止できる。また、
冷却材をポンプ等を用いて流動させればさらに冷却能力
を向上できる。 (0626)PD液晶を光変調層として用いる表示パネ
ルは高輝度表示を実現できるが、PD液晶表示パネルに
は課題がある。それは低温時にヒステリシス特性が発生
することである。ヒステリシスが生じると画像焼きつけ
が発生する。ヒステリシスはパネル温度が10度以下に
発生しやすい。 (0627)表示パネル22を投射型表示装置のライト
バルブとして用いる時、ランプ点灯後、しばらくすれば
ランプの熱によりは加熱される。そのためパネル22の
温度は高くなってヒステリシスは生じない。しかし、室
温が低く(10度以下)、かつランプ点灯直後はヒステ
リシスが生じるので課題となる。 (0628)図169はヒステリシス対策を行った本発
明の表示パネルの説明図である。対向基板11が一方に
ずれてアレイ基板12に取り付けられている。対向電極
11上に配線1693が形成されている。配線はBMに
するクロム(Cr)と同時に形成する。また銀ペースト
等で形成することもできる。ただし、配線の抵抗値は対
向電極25のITOのシート抵抗より低くなるようにす
る。 (0629)配線1693の一端にはペースト等で接続
点1694が形成され、前記接続点1694とからリー
ド線1695が引き出されている。リード線1695に
は、交流の電流源1691と接続されている。スイッチ
1692を閉じることにより配線1693aと1693
b間に電流が流れる。 (0630)一方、アレイ基板12にはソースドライブ
回路491およびゲートドライブ回路492が形成さ
れ、前記配線1693と前記ドライブ回路とは接触しな
い位置に形成されている。また配線1693は封止樹脂
361の外側に形成されている。 (0631)スイッチ1692が閉じることにより配線
1693aと1693b間に電流が流れる。前記電流は
対向電極25としてのITOを流れる。ITOは比較的
抵抗値が高いため、前記電流が流れることによりジュー
ル熱を発生し、発生した熱は液晶層21を加温する。加
温されることによりPD液晶層21は10度以上の温度
となり、ヒステリシスは発生しなくなる。 (0632)スイッチ1692は、投射型表示装置の電
源スイッチおよび表示パネルの温度を検出する温度セン
サ745(図74参照)および電源投入されてからの時
間をカウントするマイクロコンピュータ(タイマー)と
連動している。電源スイッチが投入され、かつ表示パネ
ル22の温度が所定値(たとえば10度以下)の場合に
スイッチ1692は閉じられ、対向電極25に電流が流
れる。しかし、液晶層21が所定温度(たとえば10
度)以上となってもすぐには表示パネルの温度は高くな
らない。その場合マイクロコンピュータのタイマーによ
ってすでに液晶層21が所定温度以上になったと判断し
てスイッチ1692を開く。 (0633)対向電極25に電流を流している時は表示
パネルの表示画像は不安定(たとえば輝度傾斜がでた
り、ノイズが多くなったり)になる場合がある。そこで
対向電極25に電流を流している時は画像表示は行わな
いようにする。その時間はわずかであり通常は10秒間
程度である。 (0634)ランプ1411aが点灯すると、パネル2
2はすでにランプからの光により熱せられるから再びヒ
ステリシスがでることはない。逆に、ファンをまわして
表示パネルを冷却する必要がある。 (0635)以上のように対向電極25に直接電流を流
すことによりPD液晶層21を直接加熱することができ
る。そのためヒステリシス対策を迅速に行うことができ
る。なお、温度センサ745からの出力に応じて配線1
693間に流す電流を調整できることが望ましい。たと
えば温度センサ745の出力が−10度であれば、配線
1693に3Aの電流を流し、+10度であれば1Aの
電流を流すという制御をする。 (0636)なお、温度センサ745として熱電対を用
いる熱電温度計、半導体等の抵抗率が温度によって変化
するのを利用する抵抗温度計、放射温度計、光高温計、
バイメタル温度計、光電高温計が例示される。 (0637)図169はパネル22でヒステリシス対策
をしたものである。図170は光学系でヒステリシス対
策をする場合の説明図である。もちろん、図169と図
170の対策を両方同時に実施してもよいことは言うま
でもない。 (0638)ランプ1411の出射側にはUVIRカッ
トフィルタが配置されているのが通常である。UVIR
カットフィルタは通常1枚のカットフィルタで構成され
ている。図170は紫外線(UV)カットフィルタ17
01と赤外線(IR)カットフィルタ1702を1つず
つ具備する。 (0639)ランプ1411aが点灯されたとき、IR
カットフィルタ1702は光路1416から除去されて
いる(1702aの位置)。するとランプ1411aか
ら放射された赤外線光による輻射熱で表示パネル22が
加熱される。そのため表示パネル22はすぐに暖めら
れ、温度が10度以上となってヒステリシスは発生しな
くなる。表示パネル22が所定温度まで加熱されるとI
Rカットフィルタ1702は光路1416に挿入される
(1702bの位置)。光路に挿入するタイミングは温
度センサ745で検出する。また、ランプ点灯度一定時
間経過後、強制的に光路に挿入してもよい。ただし温度
センサ745の出力が電源オン時すでに所定温度より高
いと信号を出しているとき(たとえば30度)はランプ
点灯直後に光路1416にIRカットフィルタ1702
を挿入する。表示パネル22が加熱されすぎ劣化してし
まうからである。 (0640)また、必要に応じて表示パネル22の入射
面または出射面に赤外線吸収フィルタ1703を取り付
けることも効果がある。ランプ1411aからの赤外線
光を前記フィルタ1703が吸収し、ヒステリシスが生
じない温度まで急速に表示パネル22を加熱するからで
ある。 (0641)光路へのIRカットフィルタ1702の挿
入と除去は図171に示すような構造にすれば容易であ
る。IRカットフィルタ1702は90度角度を回転す
るモータ1711に取り付けられている。ランプ141
1a点灯直後はIRカットフィルタ1702は点線の位
置に保持されている。ランプ1411a点灯後、所定時
間経過するか、もしくは表示パネル22が所定温度にな
れば、モータ1711は90度回転し、IRカットフィ
ルタ1702を光路1416に挿入する(実線位置)。
IRカットフィルタ1702は行きすぎないようにダン
パ(緩衝部材)1712で留められる。以上のように構
成することによりヒステリシス対策を行うことが容易に
できる。 (0642)前述の本発明の投射型表示装置は表示パネ
ル22を1枚用いるものであった。他に2枚の表示パネ
ル22を用いる構成も考えられる。その構成図を図17
2に示す。 (0643)光源1411から放射される白色光は色純
度向上フィルタ1412によりシアン光とイエロー光が
カットされ、前記カットされた光はPBS1581aに
よりP偏光とS偏光に分離される。S偏光はPBS15
81aで反射されミラー1552bで角度を曲げられ、
フィールドレンズ1413bを透過し、液晶表示パネル
22bに入射する。またP偏光はPBS1581aを透
過したP偏光は同じくミラー1552aで角度を曲げら
れ、フィールドレンズ1413aを透過し、液晶表示パ
ネル22aに入射する。それぞれの液晶表示パネル22
は入射光を変調し、変調された光はPBS1581bで
合成されて投射レンズ1415によりスクリーン(図示
せず)に拡大投射される。 (0644)同様に図173に示すように光源1411
が2つ有する投射型表示装置も考えられる。この場合、
PBS1581aが不要となる。 (0645)以下、さらに本発明の投射型表示装置につ
いて説明をする。まず、図1等に示す横電界配線17を
有する液晶表示パネル22について補足説明をする。こ
れらの表示パネルは所定の偏光に対して散乱性能が良好
という特徴がある。図3(b)に示すように電界19に
より液晶分子20が配向すると、aa’方向の偏光に対
して液晶分子20の屈折率はneとなる。そのため樹脂
成分24との間に強い屈折率のミスマッチが生じ強く散
乱する。したがって、aa’方向の偏光を本発明の液晶
表示パネルに入射させるようにすれば表示コントラスト
を高くできる。 (0646)偏光板(偏光軸)の配置としては、図1
3、図14に示す構成が例示される。基本的に横電界発
生方向133と偏光軸132と一致させる。図13
(a)および図14(a)は、液晶表示パネル22の入
出射側のそれぞれに偏光手段(たとえば偏光板131、
偏光ビームスプリッタ(PBS)等)を配置した構成、
図13(b)、(c)および図14(b)、(c)は、
入射面もしくは出射面のいずれか一方に偏光手段を配置
した構成である。 (0647)図174は本発明の投射型表示装置の構成
図である。ただし、説明に不要な構成要素は省略してい
る。凹面鏡1411bの曲率はランプ1411aのアー
ク長および投射レンズ1415にあわせて適正値に設計
する。PD液晶表示パネル22をライトバルブとして用
いる投射型表示装置は投射レンズ1415のFナンバー
が大きいため、凹面鏡はだ円面鏡で構成することが好ま
しい。ダイクロイックミラー1611aは赤(R)光を
反射し(RDM)、ダイクロイックミラー1611bは
緑(G)光を反射(GDM)するものとする。 (0648)発光ランプ1411aから放射された光は
UVIRカットフィルタ1411cでUV光およびIR
光がカットされる。前記光はPBS1581に入射す
る。PBS1581の光分離面1582を通過する光の
偏光軸132(P偏光又はS偏光)は表示パネル22の
横電界発生方向133と一致させる。光分離面1582
で反射した光はミラー1552aで反射した後、λ/2
板1741で偏光軸B2を90度回転させた後、λ/2
板1741から出射される。また投射レンズ1415の
入射側には偏光手段(偏光板131又はPBS等)が配
置され、前記偏光手段の偏光軸132はλ/2板174
1を出射する偏光軸132と略一致させている。 (0649)PBS1581を出射した光はダイクロイ
ックミラー1611aおよび1611bでR、G、Bの
3原色光の光路に分離され、それぞれの光路に配置され
た表示パネル22により変調される。変調された光はダ
イクロイックミラー1611cおよび1611dで一つ
の光路に合成されて投射レンズ1415によりスクリー
ン(図示せず)で拡大投射される。 (0650)以上のように本発明の投射型表示装置で
は、本発明の表示パネル22を用い、かつ前記表示パネ
ル22に偏光を入射させることにより良好な表示コント
ラストを実現できる。なお偏光板131はなくても実用
上十分な表示コントラストを実現できる。 (0651)図175は本発明の他の実施の形態におけ
る投射型表示装置の構成図である。発光ランプ1411
aから出射した光はPBS1581によりP偏光とS偏
光に分離される。今、仮に光分離面1582を通過する
光をP偏光、反射する光をS偏光とする。P偏光の光は
Rフィルタ1751aによりR光のみがフィルタを通過
する。一方S偏光はリレーレンズ1413により液晶表
示パネル22aと22bの光路長を調整される。またミ
ラー1552aで反射され、Bフィルタ1751bでB
光のみがフィルタを通過する。R光は液晶表示パネル2
2aに、B光は液晶表示パネル22bに入射する。な
お、PBS1581の出射端にλ/2板1741を配置
された場合は、液晶表示パネル22aと22bの横電界
発生方向133は同じでよいが、λ/2板がない場合は
横電界発生方向133は90度異ならせる。たとえば液
晶表示パネル22aはゲート信号線に平行に横電界配線
17を形成すればよいし、液晶表示パネル22bはソー
ス信号線15に平行に横電界配線17を形成しておけば
よい。また、図10の構成であれば、入射する光の偏光
方向が異なっていても同じ表示コントラストを高く維持
できる。 (0652)表示パネル22で変調された光はミラー1
522で反射され、反射型プリズム1752に入射す
る。1例として反射型プリズム1752とは2等辺三角
プリズムに反射ミラーが形成されたものである。プリズ
ム1752で反射した光は偏光板131に入射し投射レ
ンズ1415でスクリーン1501に拡大投射される。 (0653)表示パネル22aは赤色光を変調し、その
画像がスクリーン1501に投射される。一方、表示パ
ネル22bは青色光を変調し、その画像がスクリーン1
501に投射される。したがって、スクリーン1501
には赤と青の2色の画像が表示される。これを片眼が
赤、他方が青色のフィルタを取り付けられためがねでみ
れば立体表示を見ることができる。当然のことながら表
示パネル22aに入力する映像信号と表示パネル22b
に入力する映像信号とはカメラ等で撮影する際に立体画
像(3Dと呼ぶ)となるようにしておく必要はある。 (0654)フィルタ1751がなく、液晶表示パネル
22にカラーフィルタが取り付けてもよい。またλ/2
板1741がない場合は、右眼と左眼に偏光軸を90度
異なるめがねをかけることによりカラー表示の3Dを観
察することができる。 (0655)以上は液晶表示パネル22に偏光を入射さ
せるため、入射側等に偏光手段を配置する構成の投射型
表示装置の実施の形態であった。しかし、これらの偏光
手段がなくとも実用上は十分な画像表示を実現できるこ
とは言うまでもない。以下その実施の形態について順次
説明する。 (0656)図176は本発明の投射型表示装置の構成
図である。1611aはB光を反射させるダイクロイッ
クミラー(BDM)、1611bはG光を反射させるダ
イクロイックミラー(GDM)、1611cはR光を反
射させるダイクロイックミラー(RDM)である。な
お、BDM1611aからRDM1611cの配置は同
図の順序に限定するものではない。また、最後のRDM
1611cは全反射ミラーにおきかえてもよいことは言
うまでもない。 (0657)R光を変調する液晶表示パネル22cの液
晶層21の膜厚を他のGおよびB光を変調する液晶表示
パネル22a、22bの液晶層21の膜厚に比較して厚
めにして構成する。また、変調する光の波長に応じて、
液晶の水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネットワ
ークの平均孔径を変化させている。変調の光の波長が長
くなるほど前記平均粒子径または平均孔径は大きくす
る。これは光が長波長になるほど散乱特性が低下しコン
トラストが低くなる傾向があるからである。このことは
先の実施の形態に対しても適用すべきである。1415
は投射レンズ、1762はしぼりとしてのアパーチャで
ある。なお、アパーチャ1762は、投射型表示装置の
動作の説明上図示したものである。アパーチャ1762
は投射光学系の集光角を規定するものであるから、投射
光学系の機能に含まれるものとして考えればよい。つま
り投射光学系のF値が大きければアパーチャ1762の
穴径は小さいと考えることができる。高コントラスト表
示を得るためには投射光学系のF値は大きいほどよい。
しかし、大きくなると白表示の輝度は低下する。具体的
にはアパーチャは用いず、投射レンズ1415の機能に
アパーチャ1762の機能は含まれるレンズである。 (0658)図177は図176をより具体的に表すた
めに斜視図で図示したものである。1771はフィール
ドレンズである。ただし、リレーレンズ1761などの
説明に不要な部品は省略している。図177の光学系を
光学系ブロック1551として図155に示すキャビネ
ット1535に配置すればプロジェクションテレビを構
成できる。 (0659)以下、本発明の投射型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。 (0660)光源1411から白色光が照射され、この
白色光のB光成分はBDM1611aにより反射され
る。このB光は液晶表示パネル22aに入射する、表示
パネル22aで散乱した光はアパーチャ1762aで遮
光され、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ
1762aを通過する。変調された光は投射レンズ14
154aによりスクリーン1501に拡大投影される。
以上のようにして、スクリーン1501には画像のB光
成分が表示される。同様に液晶表示パネル22bはG光
成分の光を変調し、また、液晶表示パネル22cはR光
成分の光を変調して、スクリーン1501上にはカラー
画像が表示される。 (0661)図176は3つの液晶表示パネル22を用
いる構成であったが図163、図178に示すように3
つの表示領域を有する1つの液晶表示パネルを用いれば
投射型表示装置の構成を簡略化できる。 (0662)図163、図178の液晶表示パネル22
は1つのアレイ基板12上に3つの表示領域(B、G、
R)を有する。つまりマトリックス状に画素電極が形成
された表示領域を3つもつ。対向基板11は、図178
に示すように3つの対向基板11に分けても良いが、3
つの表示領に対し1の対向基板11でもよい。ゲートド
ライブ回路492は表示領域Bの左側と、表示領域Rの
右側に形成もしくは配置される。ソースドライブ回路4
91はそれぞれの表示領域に対して個々に形成もしくは
配置される。 (0663)ゲートドライブ回路492aは奇数番目の
ゲート信号線が接続され、偶数番目のゲート信号線はゲ
ートドライブ回路492bに接続される。このようにゲ
ート信号線492を接続することによりゲート信号線4
92への信号の遅延等により生じる表示画像の左右輝度
ムラを防止できる。これはゲート信号線に抵抗があるた
め一時刻でみたとき、ゲートドライバ回路492の出力
近傍の電圧と信号線端の電圧とが異なるために生じる。
図178のようにすれば、R、B表示領域ではくし状に
輝度ムラが生じるおそれはあるが、視覚的に認識される
ことはない。 (0664)図179は、図178の液晶表示パネルを
ライトバルブとして用いた投射型表示装置の構成図であ
る。以上の構成にすることにより、図178に示す表示
領域間距離kを短くすることができ、光学ブロックを小
型化できる。また3つの表示領域を同時に位置決め調整
できるため、フォーカス調整等を高速に行える。 (0665)図176、図179は3つの投射レンズ1
415によりスクリーン1501に拡大投射する方式で
あるが、一つの投射レンズ1415で拡大投射する方式
もある。その構成図を図180に示す。 (0666)説明を容易にするため、22bをG光の映
像を表示する液晶表示パネル、22aをR光の映像を表
示する液晶表示パネル、22cをB光の映像を表示する
液晶表示パネルとする。なお、光源1411部分と表示
パネル22等を配置した部分とは分離壁1801で分離
する。これは光源1411からの熱で表示パネルを劣化
しないようにダイクロイックミラー1611aはR光を
反射し、G光とB光を透過する。ダイクロイックミラー
1611bはG光を反射し、B光を透過させる。ダイク
ロイックミラー1611cはR光を透過し、G光を反射
させる。また、ダイクロイックミラー1611dはRお
よびG光を透過させ、B光を反射する。 (0667)光発生手段1411aから出射された光は
全反射ミラー1552aにより反射され、光の方向を変
化させられる。前記光はダイクロイックミラー1611
a、1611bによりR・G・B光の3原色の光路に分
離され、R光はフィールドレンズ1771aに、G光は
フィールドレンズ1771bに、B光はフィールドレン
ズ1771cに入射する。各フィールドレンズ1771
は各光を集光し、液晶表示パネル22はそれぞれ映像信
号に対応して液晶21の配向を変化させ、光を変調す
る。このように変調されたR・G・B光はダイクロイッ
クミラー1611c、1611dにより合成され、投射
レンズ1415によりスクリーン1501に拡大投影さ
れる。 (0668)図181は反射型の投射型表示装置の一実
施の形態の構成図である。ここでは説明を容易にするた
めに、22aをR光を変調する液晶表示パネル、22b
をG光を変調する液晶表示パネル、22cをB光を変調
する液晶表示パネルであるとして説明する。 (0669)図181においてダイクロイックミラー1
611は色合成系と色分離系を兼用している。光源から
の出射された白色光は平面ミラー1552によりおりま
げられ、投射レンズ1415の第1群1415bに入射
する。UVIRカットフィルタ1411cの帯域は半値
の値で430nm〜690nmである。以後、光の帯域
を記述する際は半値で表現する。ダイクロイックミラー
1611aはR光を反射し、B光およびG光を透過させ
る。R光はダイクロイックミラー1611cで帯域制限
され液晶表示パネル22aに入射する。R光の帯域は6
00〜690nmとする。一方、ダイクロイックミラー
1611bはB光を反射し、G光を透過させる。B光は
液晶表示パネル22bに、R光は液晶表示パネル22a
に入射する。入射するB光の帯域は430nm〜490
nm、G光の帯域は510nm〜570nmである。こ
れらの光の帯域は本発明の他の投射型表示装置について
も同様である。各液晶表示パネル22はそれぞれの映像
信号に応じて散乱状態の変化として光学像が形成する。
各液晶表示パネル22で形成された光学系はダイクロイ
ックミラー1611で色合成され、投射レンズ1415
に入射し、スクリーン1501上に拡大投射される。 (0670)ダイクロイックミラー1611は、特定の
波長の光を反射(透過)させるフィルタとして機能す
る。たとえば、ダイクロイックミラー1611bは、光
源1411からの光が、液晶表示パネル22bに入射す
る際に、特定の波長の光を反射する。また、液晶表示パ
ネル22bで反射した光が、投射レンズ1415に入射
する際に、特定の波長の光を反射する。 (0671)1つのダイクロイックミラー1611は、
液晶表示パネル22に入射する際と、出射する際の2回
光を反射する。図181の構成では、1つのダイクロイ
ックミラー1611で、2回、光の波長の帯域制限をす
る。つまり、ダイクロイックミラー1611は2次のフ
ィルタとして機能している。図180のダイクロイック
ミラー1611に比較して、帯域制限をするカットオフ
特性が急峻となる。そのため、各液晶表示パネル22に
入射する光の帯域にオーバーラップが生じない。したが
って、色再現性が良好となり、高品位の画像表示を実現
できる。 (0672)また、ダイクロイックミラー1611を色
分離機能と色合成機能とを、兼用することにより、投射
型表示装置のシステムサイズの小型化を実現している。 (0673)図181に示す本発明の反射方式の投射型
表示パネルにおいて光分離面に入射する光の入射方向と
出射方向に注意する必要がある。具体的には、図181
は図182の如くする必要がある。つまり、図181は
図示および説明を容易にするために表示したのにすぎな
い。以下、図182のようにすべき理由について説明を
する。 (0674)図181に示した構成の場合、光源141
1からの出射光とが液晶表示パネル22上を照明する照
明光の光軸1811aと、液晶表示パネル22によって
反射され投射レンズ1415を経てスクリーン1501
に到達する投射光の光軸1811bは、ダイクロイック
ミラー1611に入射する角度が互いに異なる。ダイク
ロイックミラー1611はガラス基板上に誘電体多層膜
を蒸着し、特定の波長帯域の光を透過、または反射する
ものが用いられる。このタイプのダイクロイックミラー
1611は、光線の入射角依存により分光性能がシフト
するという特性を持ち、図181のように光軸1811
aと光軸1811bが異なる角度で入射する場合は、色
分離する分光特性と色合成する分光特性が互いに異なる
ため、所望の色純度の投射画像を得ることは困難であ
る。 (0675)図182の投射型表示装置の構成では、照
明光の光軸1811aと、液晶表示パネル22によって
反射され、投射レンズ1415により投射される投射光
の光軸1811bとが、液晶表示パネル22の中心法線
とダイクロイックミラー1611等の光分離面の中心法
線とを含む平面に対し対称にできる。したがって、光分
離面への入射角を互いに等しくすることができる。従っ
て、色分離後の分光性能と色合成後の分光性能が一致
し、スクリーン1501上に表示される投射画像は所望
の色純度を得ることができる。 (0676)このように、図182の投射型表示装置の
利点は明らかなように、自然光を利用した反射型の液晶
表示パネルを用いた場合の色純度が良好で、かつ色均一
性に優れた投射画像の表示を容易に実現できることであ
る。 (0677)ダイクロイックミラー1611a,161
1bはガラス基板に低屈折率層と高屈折率層とを交互に
積層した誘電体多層膜を蒸着したものであり、色分離合
成面は、いずれも液晶表示パネル22a,22b,22
cの光変調層21に対して45°の角度で配置されてい
る。 (0678)ランプから出射した光はコールドミラー1
552a、ミラー1552を経てダイクロイックミラー
1611a,1611bに順次入射する。ダイクロイッ
クミラー1611a,1611bに入射した光はR、
G、Bの3原色光に分離され、それぞれ対応する3つの
液晶表示パネル22a,22b,22cに入射し、その
反射光は再びダイクロイックミラー1611a,161
1bに入射する。R,G,Bの3原色光はダイクロイッ
クミラー1611a,1611bによって合成され、開
口絞りを透過した後、投射レンズ1415によってスク
リーン1501上に拡大投射される。 (0679)液晶表示パネル22a,22b,22cに
入射した光のうち、散乱状態の画素に入射し、散乱光と
なって反射された光は投射レンズ1415の開口絞り、
またはレンズ鏡筒(図示せず)の内壁によってその大部
分が遮光されて黒表示となる。一方、非散乱状態の画素
に入射し、正反射されて進行する光は投射レンズ141
5の開口絞り、及び投射レンズ1415を構成するレン
ズ群を透過し、白表示としてスクリーン1501に到達
する。このようにして液晶表示パネル22a,22b,
22c上で散乱モード、非散乱モードとして変調された
光学像がスクリーン上に投射画像として表示される。 (0680)図182に示す構成では、光源1415か
ら出射する照明光の光軸1811aと液晶表示パネル2
2によって反射された投射光の光軸1811bとを含む
平面が、液晶表示パネル22の中心法線とダイクロイッ
クミラー1611a,1611bの中心法線とを含む平
面に対して垂直に配置されているので、光軸1811a
と光軸1811bを含む面はダイクロイックミラー16
11a,1611bの色分離合成面と45°の角度をな
している。従って、照明光、投射光ともに同じ入射角4
5°でダイクロイックミラー1611a,1611bに
入射させることができる。 (0681)ダイクロイックミラー1611a,161
1bの分光透過率を、図183(a)、(b)に示す。
図183(a)はダイクロイックミラー1611aへの
光線入射角が45°の場合の分光透過率を示すもので、
ダイクロイックミラー1611aはR光を反射し、G
光、B光を透過するタイプである。また、図183
(b)はダイクロイックミラー1611bへの光線入射
角が45°の場合の分光透過率を示すもので、ダイクロ
イックミラー1611bはB光を反射し、G光を透過す
るタイプである。 (0682)本実施の形態の構成によれば、色分離の場
合の分光性能の、色合成した場合の分光性能が一致する
ため、図183(a)、(b)に示した分光性能をその
まま投射画像に反映することができる。 (0683)比較のため、以下に図183の実施の形態
と同じダイクロイックミラーを用いて、図183のよう
に構成した場合について説明する。照明光の光軸181
1aが液晶表示パネル22へ仮に5°で入射するように
構成すると照明光の光軸1811aと投射光の光軸18
11bは10°の角度をなし、照明光のダイクロイック
ミラー1611a,1611bへの入射角は40°、投
射光のダイクロイックミラー1611a,1611bへ
の入射角は50°となる。入射角が40°の場合と入射
角が50°の場合の分光透過率を図184(a)、
(b)に示す。図184(a)はダイクロイックミラー
1611a、図184(b)はダイクロイックミラー1
611bの分光透過率を示したもので、図中の実線は光
線の入射角が40°の場合、点線は光線の入射角が50
°の場合を示している。図184(a)、(b)より、
入射角依存による波長シフトのため照明光の分光性能と
投射光の分光性能が大幅に異なり、光の利用効率を低下
させずに所望の色純度を得ることは困難であることがわ
かる。 (0684)同様に、投射光と照明光のダイクロイック
ミラー1611に入射する角度を考慮するという技術的
思想は他の反射型の投射型表示装置にそのまま適用で
き、後に説明するがダイクロイックプリズムを用いるの
であっても同様に適用できることは言うまでもない。 (0685)図185はダイクロイックプリズム159
1を用いて色分離色合成を行う投射型表示装置の構成図
である。ダイクロイックプリズム1591には2つの光
分離面1582a、1582bを有しており、前記光分
離面1582で白色光をR・GおよびBの3原色光に分
離する。各液晶表示装置22は光結合層371を介して
ダイクロイックプリズム1591に取りつけられてい
る。つまり、ダイクロイックプリズム1591には光結
合層371でオプティカルカップリング(OC)されて
貼り付けられている。プリズム1591の無効領域(画
像表示に有効な光が通過しない領域)には光吸収膜11
32が塗布されている。 (0686)図185において液晶表示パネル22cは
R光を変調し、光分離面1582aはR光を反射すると
する。入射光は光反射面1582aで反射して液晶表示
パネル22aの光変調層21に入射する。光変調層21
に入射した光は画素電極14に印加された電圧の大きさ
に応じて散乱させる。散乱されなかった光は再び光分離
面1582aで反射して出射光となる。散乱した光のそ
のほとんどがプリズム1591の無効領域に形成された
光吸収膜1132に入射して吸収される。以上のように
して液晶層21で散乱された光のほとんどは光吸収膜1
132で吸収される。したがって散乱光は出射光となる
ことはない。なお、液晶表示パネル22c、22bでも
動作は22aと同様であるので省略をする。 (0687)なお、光吸収膜1132とはTFT155
上の遮光膜152と同様の材料で形成する。また黒色塗
料あるいは液晶表示パネル22が変調する光と補色の関
係にある色素、染料を塗布してもよい。また、無効領域
を荒らして白濁状態にした構成でもよい。また黒色等の
板をはりつけてもよい。 (0688)プリズム1591に液晶表示パネル22を
オプティカルカップリングし、かつプリズム1591の
無効領域に光吸収膜を形成もしくは配置するという構成
は、図71の構成にも適用することができる。 (0689)図187はプリズム1591aに液晶表示
パネル22aおよび22bをオプティカルカップリング
し、三角プリズム1591cに液晶表示パネル22cを
オプティカルカップリングした構成である。 (0690)結像系にダイクロイックミラーを用いる
と、ダイクロイックミラー1611は平面状であるの
で、筐体に位置決めすることがむつかしい。ダイクロイ
ックミラー1611の少しのかたむきでスクリーンに3
つの表示パネル22の光学像位置ずれが発生する。また
経時変化(そり等)が発生しやすく3つの表示パネル2
2の結像の位置ずれが発生しやすい。図187の構成で
あれば経時変化に安定でかつ結像の位置の調整がやりや
すい。なお、液晶表示パネル22で散乱した光をプリズ
ム1591の表面に形成した光吸収膜1132で吸収す
ることにより液晶層21へのもどり光をなくし、2次散
乱光の発生を防止するという効果は図185と同様であ
るので説明を省略する。また表示パネル22とプリズム
1591と一体として構成し(光学部品として)すれ
ば、液晶表示パネル22位置調整もいらず調整工程を大
幅に短縮できることは言うまでもない。 (0691)なお、図187、図188の照明系はリレ
ーレンズ1871を用いて構成している。また凹面鏡1
411bはだ円面鏡を採用している。このようにするこ
とにより照明光のF値を大きくすることができ、表示コ
ントラストを向上できる。 (0692)図188はL形のプリズム1591に3つ
の液晶表示パネル22を取り付けた構成である。図18
7の構成と比較してプリズムが1つですみ、結像の調整
が容易であり、液晶表示パネル22の位置調整が全く不
要となる。なお、光吸収膜1132の形成領域も広範囲
にできるので2次散乱光の発生も少なく、極めて良好な
表示コントラストを実現できる。 (0693)次にさらに投射型表示装置において高輝度
表示を維持しながら、表示コントラストを高くする方法
について説明する。図189は、前記方法を実現するた
めの第1の実施の形態である。投射レンズ1415は、
前レンズ群1891bと後レンズ群1891aから構成
される。出力部レンズ1897と後群レンズ1891b
は、絞り1896と絞り1898を互いに共役の関係と
する。 (0694)入力部レンズアレイ1894は、複数の入
力部レンズ1899を二次元状に配列して構成する。そ
の構成の一例を図190に示す。矩形の開口を有する1
0個の入力部レンズ1899を正円の領域に内接するよ
うに配列している。10個の入力部レンズ1899は、
同一開口形状の平凸レンズであり、矩形開口の長辺と短
辺の比を4:3としている。 (0695)同様に中央部レンズアレイ1895は、複
数の中央部レンズ1900を二次元状に配列して構成す
る。入力部レンズ1899と同数で同一開口を有する中
央部レンズ1900を、入力部レンズアレイ1894と
同様に配列している。 (0696)投射型表示装置における照明の手順を説明
する。メタルハライドランプ1411aの発光体189
2から放射される光は、放物面鏡1411bにより反射
されて光軸1416とおよそ平行に進行し、入力部レン
ズアレイ1894に入射する。放物面鏡1411bから
出射する光の断面形状は一般に正円となるので、入力部
レンズ1899の開口の総和がこれに内接するように入
力部レンズアレイ1894を構成する。入力部レンズア
レイ1894を通過した光は、入力部レンズ1899と
同数の部分光束に分割され、各部分光束は、PD液晶表
示パネル22の表示領域を照明する。 (0697)入力部レンズ1899を通過した光は、各
々、対応する中央部レンズ1900の開口に導かれて収
斂される。中央部レンズ1900の各々の開口上には、
二次発光体(例えば、図189に示す1901A、19
01B)が形成される。中央部レンズアレイ1895上
に形成される複数の二次発光体1901の一例を、図1
91に模式的に示す。中央部レンズ1900は、各々、
対応する光をPD液晶表示パネル22の表示領域上に有
効に伝達する。具体的に、対応する入力部レンズ189
9の主平面上の物体(例えば、図189に示す1902
A、1902B)の実像1893をPD液晶表示パネル
22の表示領域近傍に形成する。ただし、各々の中央部
レンズ1900は適当に偏心させており、複数の像を重
畳させて1つの実像1893を形成する。 (0698)以上の構成によれば、PD液晶表示パネル
22の表示領域と入力部レンズ1899の各々の開口と
は、互いにおよそ共役の関係となる。従って、入力部レ
ンズ1899の開口をPD液晶表示パネル22の表示領
域と相似形状とすれば、照明光の断面と表示領域の形状
を整合させて、光損失を抑制できる。従って、図190
に示した入力部レンズアレイ1894は、NTSCに対
応したアスペクト比が4:3の映像を表示するPD液晶
表示パネル22と組み合わせて用いるとよい。 (0699)一般に、放物面鏡などの凹面鏡から出射す
る光には、比較的大きな明るさむらがある。明るさむら
の大きい光をそのまま伝達してPD液晶表示パネル22
を照明すると、投射画像の明るさの均一性が低下する。
明るさが比較的均一な領域のみを利用して照明すると、
利用できない光が増加するので光利用効率が低下する。
これに対し、本発明の投射型表示装置は、高い光利用効
率を得ると共に、明るさの均一性の優れた投射画像を得
ることができる利点がある。その理由を以下に述べる。 (0700)入力部レンズアレイ1894は、明るさむ
らの大きな光を複数の部分光束に分割する。各部分光束
の入力部レンズ1899の開口上における明るさむら
は、分割前の光束断面の明るさむらと比較して小さい。
中央部レンズ1895の各々は、明るさむらの少ない部
分光束を適当な大きさに拡大し、PD液晶表示パネル2
2の表示領域上に重畳させる。従って、明るさの均一性
の良好な照明を実現できる。 (0701)入力部レンズ1899の開口の総和を入射
する光束の断面に内接させるので、入力部レンズアレイ
1894における光損失は少ない。また、中央部レンズ
1900の開口の各々を二次発光体1901に対して十
分な大きさとするので、中央部レンズアレイ1895に
おける光損失は少ない。さらに、PD液晶表示パネル2
2に入射する光の断面を表示領域の形状に整合させるの
で、PD液晶表示パネル22における光損失は少ない。
従って、発光体1892から放射される光の大部分は、
放物面鏡1411bにより反射され、入力部レンズアレ
イ1894、中央部レンズアレイ1895、出力部レン
ズ1897、PD液晶表示パネル22を通過して投射レ
ンズ1415に到達する。従って、投射レンズ1415
における光損失を抑制すれば、高い光利用効率を実現
し、明るく、明るさの均一性の優れた投射画像を得る。 (0702)ところで、中央部レンズアレイ1895上
には離散的に複数の二次発光体1901が形成されるの
で、この場合の照明光の有効Fナンバーは、二次発光体
1901の面積の総和から等価的に換算される照射角か
ら定める必要がある。一方、PD液晶表示パネル22か
ら光軸1416と最も角度を成して出射する光の集光角
は、この等価的な照射角よりも大きな値となる。従っ
て、光損失を抑制するためには、投射レンズ1415の
有効Fナンバーを照明光の実効的な有効Fナンバーより
も小さくする必要がある。これは、PD液晶表示パネル
の場合に、投射画像のコントラストを低下させるので問
題がある。 (0703)これに対し、本実施例の投射型表示装置
は、絞り1896と絞り1898の働きにより、光損失
を増加させることなく照明光側と投射レンズ側の開口を
いずれも必要最小限の大きさにできるので、コントラス
トの低下を抑制できる。具体的には、離散的に形成され
る二次発光体1901の有効領域に合わせて、照明光側
の絞り1896の開口を図192に示すような形状とす
る。破線は図191の中央部レンズ1900の各々の開
口に対応する。また、投射レンズ側の絞り1898の開
口上には二次発光体1901の実像が形成されるので、
絞り1898の開口形状も、絞り1896の開口形状と
同様にする。これにより、絞り1896を通過した光は
絞り1898を通過するので、高い光利用効率を実現で
きる。同時に、投射レンズ1415は照明光が必要とす
る必要最小限の開口を提供するので、コントラストの高
い表示画像を実現できる。その結果、明るく高画質の投
射画像を提供できるので、非常に大きな効果を得ること
ができる。 (0704)本発明の投射型表示装置に用いる入力部レ
ンズアレイ1894、中央部レンズアレイ1895、絞
り1896、絞り1898は、以下のように構成すると
なお良い。図193は、この場合の中央部レンズアレイ
1895の構成を示す。一般に、二次発光体1901の
大きさは、光軸近傍に位置する入力部レンズ1899の
形成するものほど大きい。従って、中央部レンズ190
0の各々の開口は必ずしも同一である必要はなく、二次
発光体1901の各々に対して必要十分な大きさとすれ
ばよい。開口を有効に異ならせた複数の中央部レンズ1
900を凝集して配列し、中央部レンズアレイ1895
を構成すれば、開口領域の総和を小さくできる利点があ
る。中央部レンズアレイ1895と組み合わせる入力部
レンズアレイ1895は、図192に示したものと同様
に構成し、入力部レンズ1899の各々を適当に偏心さ
せ、対応する中央部レンズ1900の開口中心に二次発
光体1901を形成すればよい。 (0705)この場合、照明光側の絞り1896の代わ
りに図194に示す開口形状の絞り1898を用いると
よい。投射レンズ側の絞り1898についても同様であ
る。これにより、光損失を生じることなく、中央部レン
ズアレイ1895の開口径を小さくでき、かつ、投射レ
ンズ1415のレンズ径を小さくできる利点がある。 (0706)本実施例の投射型表示装置は、以上述べた
ように離散的に複数の二次発光体を形成して表示パネル
22を照明する場合に、より大きな効果を得る。最大集
光角の大きな投射レンズ1415を用いたとしても、離
散的に複数の開口を有する絞りを備えることで、表示パ
ネル22から出射する光に対して必要最小限の開口を提
供できる。その結果、明るくコントラストの高い投射画
像を得ることができる。 (0707)図199は、図189の投射型表示装置を
発展させ、3枚のPD液晶表示パネル22を用いてフル
カラー表示を行う投射型表示装置の構成図である。な
お、以下の実施の形態に関しては、主として第1の実施
の形態との差異を中心として説明する。図198は、三
原色に対応した3枚のPD液晶表示装置22を用いてい
る。放物面鏡1411b、入力部レンズアレイ189
4、中央部レンズアレイ1895、出力部レンズ189
7等は、図189に示したものと同様である。また、図
189で説明したのと同様の手順により、PD液晶表示
パネル22a、22b、22cの各表示領域を照明す
る。ただし、ダイクロイックミラー1611a、161
1bと、平面ミラー1552bの働きにより、照明光は
三原色の色光に分解され、それぞれ対応するPD液晶表
示パネル22の表示領域上に導かれる。 (0708)PD液晶表示パネル22は、各々の表示領
域上には外部から供給される映像信号に応じて、三原色
に対応した光学像が形成される。投射レンズ1415
は、前レンズ群1891b、後レンズ群1891aから
構成され、三原色の光学像をスクリーン1501上に拡
大投影する。PD液晶表示パネル22から出射する光
は、ダイクロイックミラー1611c、1611dと、
平面ミラー1552cの働きにより一つの光路が合成さ
れるので、フルカラーの投射画像を得る。 (0709)照明光側の絞り1896と投射レンズ側の
絞り1898は、図189に示したものと同様のもの
を、同様の目的で用いる。絞り1896と絞り1898
が互いに共役の関係となるように、出力部レンズ189
7と後群レンズ1891bを適切に構成する。動作は先
の説明とほぼ同様であるので省略をする。 (0710)PD液晶表示パネル22の出射側には透明
接着剤を用い凹面を出射側に向けて平凹レンズ1311
bを結合し、前記レンズ1311bの側面には光吸収膜
1132を塗布し、凹面には反射防止膜を蒸着してい
る。平凹レンズ1331bはアクリル樹脂を用い、成型
加工により作成している。成型加工は金型があれば、同
一のレンズを作成できるので、量産性がよい。 (0711)凹レンズ1311bの出射側には、正レン
ズ1311aが近接して配置されている。正レンズ13
11aの凸面の曲率半径は、凹レンズ1311b凹面の
曲率半径と等しい。両レンズの凸面の間に薄い空気間隔
を設けている。正レンズ1311aの両面は平凹レンズ
1311bと同様に反射防止膜が蒸着されている。ま
た、投射レンズ1415は、凹レンズ1311b、正レ
ンズ1311aを組み合わせた状態で、液晶層21上の
光学像がスクリーン1501上に結像するようにしてい
る。投射画像のフォーカス調整は投射レンズを光軸14
16に沿って移動することにより行う。 (0712)PD液晶表示パネル22は、TN液晶表示
装置ほど光学特性の入射角依存性が強くないが、入射光
の入射角があまり大きい場合には、液晶層21を通過す
るときの光路長が長くなるために散乱特性が変化する。
つまり、PD液晶表示パネル22に入射する光線の入射
角が場所により異なれば、投射画像の画質が不均一とな
る。一方、凹レンズ1311bの凹面の曲率半径を小さ
くしようとすると、PD液晶表示パネル22に収束角の
大きな収束光を入射させるか、または投射レンズ141
5の有効径を大きくする必要がある。前者はPD液晶表
示パネル22上の場所により画質が均一でないために、
投射画像の画質が不均一となり、後者は投射レンズ14
15が大型化しコスト高になるという問題がある。PD
液晶表示パネル22の散乱特性の入射角依存性が大きい
場合、図198および図199に示したように、凹レン
ズ1311bとに正レンズ1311aを組み合わせれ
ば、投射レンズ1415を大型化することなく、PD液
晶表示パネル22に平行に近い光を入射させることがで
きるので、投射画像の画質均一性を確保しやすい。 (0713)図198および図199は透過型の液晶表
示パネル22をライトバルブとして用いる構成であった
が、図189の絞り1896等を用いて表示コントラス
トを向上させるという技術的思想は反射型の投射型表示
装置にも適用できる。その一例を図200に示す。 (0714)図200は、反射型のPD液晶表示パネル
をライトバルブとして適用した実施の形態である。な
お、凹レンズ1311bは凹レンズ状のものに限定され
るものではなく、たとえば、板状のものでもよい。 (0715)反射型の投射型表示装置では投射レンズ1
415の上位置に絞り1898を配置する。下位置は入
射光の経路だからである。その他の構成の説明は、すで
に説明しているので説明は省略をする。 (0716)図201は色分離色合成光学系にプリズム
2011を用いた構成である。図201のプリズムの構
成は、業務用ビデオカメラのCCD部に採用されている
ものであるから説明を要さないであろう。表示パネル2
2としてPD液晶表示パネルの他、テキサスインスルメ
ント社が開発している。DMD(デジタルマイクロミラ
ーデバイス)でもよい。 (0717)図189、図198、図200等のレンズ
アレイ1894,1895,1896,1898を有す
る投射型表示装置についさらに詳述する。なお、このよ
うな投射型表示装置を離散開口表示装置と呼ぶ。 (0718)図195はPD液晶表示パネルとの散乱ゲ
インGと、透過率が90%以上となる駆動電圧の関係グ
ラフである。まず散乱ゲインGは、PD液晶表示パネル
22に光を照射し、前記光変調層21への光入射面の照
度をE、光出射面(もしくは光入射面)かつ、光変調層
の法線方向から測定した光変調層の輝度をB、円周率を
πとしたとき、次式であらわす。 (0719)
【数38】 (0720)散乱ゲインGが小さいほど散乱特性が良好
なことを示し、高コントラスト表示を行うことができ
る。しかし、図195で示すように駆動電圧も高くな
る。逆にGが大きいと駆動電圧(V)は低くなるが表示
コントラストも低くなってしまう。駆動電圧(V)はド
ライバ回路541とくにソースドライバ回路491の設
計に大きく関係する。ドライバ回路の耐電圧性を考慮す
ると駆動電圧(画素電極14に印加する電圧の絶対値)
は10(V)が最大と考えられる。駆動電圧が10
(V)のときも散乱ゲインGは0.7〜0.8である。
散乱ゲインGが悪い方が駆動電圧が低くなりドライバ設
計上は課題がなくなるが、表示コントラストは著しく悪
くなる。後にも説明するが散乱ゲインGが3以下にする
必要がある。したがって、PD液晶表示パネルの散乱ゲ
インは次式を満足させる必要がある。 (0721)
なことを示し、高コントラスト表示を行うことができ
る。しかし、図195で示すように駆動電圧も高くな
る。逆にGが大きいと駆動電圧(V)は低くなるが表示
コントラストも低くなってしまう。駆動電圧(V)はド
ライバ回路541とくにソースドライバ回路491の設
計に大きく関係する。ドライバ回路の耐電圧性を考慮す
ると駆動電圧(画素電極14に印加する電圧の絶対値)
は10(V)が最大と考えられる。駆動電圧が10
(V)のときも散乱ゲインGは0.7〜0.8である。
散乱ゲインGが悪い方が駆動電圧が低くなりドライバ設
計上は課題がなくなるが、表示コントラストは著しく悪
くなる。後にも説明するが散乱ゲインGが3以下にする
必要がある。したがって、PD液晶表示パネルの散乱ゲ
インは次式を満足させる必要がある。 (0721)
【数39】 (0722)中でも散乱ゲインGは次式を満足すること
が好ましい。 (0723)
が好ましい。 (0723)
【数40】 (0724)次に離散開口表示装置において、表示パネ
ル22の表示領域の対角長をD(インチ)とし、発光ラ
ンプ1411aのアーク長L(mm)としたとき、最適
な投射レンズの有効Fナンバーの関係を図196に示
す。このFナンバーとは投射レンズのひとみ利用率が最
大(最適)となる値をいう。つまり、あるランプのアー
ク長とパネルサイズのときに投射レンズのFナンバーを
少しずつ高くしていき、スクリーンの投射光束が低下し
はじめる時の値である。図196が示すようにD/Lの
値が大きくなるにつれ投射レンズのFナンバーは大きく
なる。Fナンバーが低くなると表示コントラストが低下
する。一方Fナンバーが大きくなると、光路長がながく
なり、投射型表示装置が大きくなりすぎる。一応の目標
としてFナンバーは5以上12以下とするべきである。 (0725)図197はD/Lと表示コントラスト(C
R)関係を示し、変数として散乱ゲインG=0.7,
1,2,3を図示している。プロジェクションテレビの
場合、表示コントラストは150以上は必要である。1
50のコントラストを得ようとすると図197のグラフ
では散乱G=0.7〜0.9の時にD/Lは1.0とな
る。その時のFナンバーは図196のグラフではFナン
バーはF=5となる。また、散乱特性が低いとき散乱ゲ
インG=2〜3の時に図197のグラフではD/Lは
2.0となる。この時のFナンバーは図196のグラフ
ではFナンバー12となる。 (0726)つまり、液晶層21の駆動電圧、ドライバ
491の設計、投射レンズの設計、システムサイズを考
慮すると、離散開口表示装置ではFナンバーは以下の条
件を満足する必要がある。 (0727)
ル22の表示領域の対角長をD(インチ)とし、発光ラ
ンプ1411aのアーク長L(mm)としたとき、最適
な投射レンズの有効Fナンバーの関係を図196に示
す。このFナンバーとは投射レンズのひとみ利用率が最
大(最適)となる値をいう。つまり、あるランプのアー
ク長とパネルサイズのときに投射レンズのFナンバーを
少しずつ高くしていき、スクリーンの投射光束が低下し
はじめる時の値である。図196が示すようにD/Lの
値が大きくなるにつれ投射レンズのFナンバーは大きく
なる。Fナンバーが低くなると表示コントラストが低下
する。一方Fナンバーが大きくなると、光路長がながく
なり、投射型表示装置が大きくなりすぎる。一応の目標
としてFナンバーは5以上12以下とするべきである。 (0725)図197はD/Lと表示コントラスト(C
R)関係を示し、変数として散乱ゲインG=0.7,
1,2,3を図示している。プロジェクションテレビの
場合、表示コントラストは150以上は必要である。1
50のコントラストを得ようとすると図197のグラフ
では散乱G=0.7〜0.9の時にD/Lは1.0とな
る。その時のFナンバーは図196のグラフではFナン
バーはF=5となる。また、散乱特性が低いとき散乱ゲ
インG=2〜3の時に図197のグラフではD/Lは
2.0となる。この時のFナンバーは図196のグラフ
ではFナンバー12となる。 (0726)つまり、液晶層21の駆動電圧、ドライバ
491の設計、投射レンズの設計、システムサイズを考
慮すると、離散開口表示装置ではFナンバーは以下の条
件を満足する必要がある。 (0727)
【数41】 (0728)有効対角長D(インチ)と有効アーク長L
(mm)を考慮して、D/Lで示せば、以下の関係、即
ち、 (0729)
(mm)を考慮して、D/Lで示せば、以下の関係、即
ち、 (0729)
【数42】 (0730)を満足する必要がある。 (0731)図197にも示すように表示コントラスト
は散乱ゲインの関数である。散乱ゲインGとを考慮すれ
ば、必要なFナンバーFとの関係は以下の式を満足する
必要がある。 (0732)
は散乱ゲインの関数である。散乱ゲインGとを考慮すれ
ば、必要なFナンバーFとの関係は以下の式を満足する
必要がある。 (0732)
【数43】 (0733)離散開口表示装置では前述の関係を満足す
ることにより良好な画像表示を実現できる。 (0734)明るい室内で投射型表示装置からの投射画
像を表示すると、外光によりコントラストが低下する。
その場合、スクリーン1501に偏光スクリーン203
1を用いればよい。偏光スクリーン1501は偏光板の
裏面に反射シートをはりつけたものである。 (0735)偏光スクリーンで良好な画像表示を行うた
めにはスクリーン2031の偏光軸132と投射する光
の偏光軸132とを一致させる必要がある。 (0736)そこで図141に示すように本発明の投射
型表示装置では、投射物であるスクリーン2031と表
示パネル22の出射端間に偏光板(シート)を配置す
る。図141では、点線で表示した1414a又は14
14bである。この偏光手段を仮に回転フィルタ141
4と呼ぶ。 (0737)図202に回転フィルタ1414の平面図
を図示している。回転フィルタ1414は回転中心点2
023を中心として回転できるように構成されており、
約1/4の範囲に切り取られている。また表面には偏光
板131がはりつけられている。偏光板131の偏光軸
132は図の方向である。また、点線は表示パネル22
から出射し、投射レンズ1415に入射する光が通過す
る範囲である。なおこの点線の範囲を光透過範囲と呼
ぶ。 (0738)偏光スクリーン2031の偏光軸132は
定まっているわけではない。製品によって異なる場合が
ある。たとえば図203に示すように上下方向に偏光軸
132bが配置されている場合もあるし、図204のよ
うに左右方向に偏光軸132bが配置されている場合も
ある。また図205のように斜め方向に偏光軸132b
が配置されている場合もある。 (0739)図203のように偏光スクリーン2031
aの偏光軸132bの方向となっている場合は回転フィ
ルタ1414を回転させて光通過範囲2022の偏光軸
132aを上下方向になるようにする。回転フィルタ1
414の回転は手動で行ってもよいし、又、モーター等
を用いて自動で回転させてもよい。同様に図204に示
すように偏光スクリーン2031aの偏光軸132bが
左右方向の場合は回転フィルタ1414を回転させて光
通過範囲2022の偏光軸132aを左右方向にすれば
よい。また、図205にように斜め方向の場合は、回転
フィルタ1414を回転させ、光通過範囲2022の偏
光軸を132aの方向にすればよい。 (0740)以上のように本発明の投射型表示装置では
回転フィルタ1414を回転させることにより、あらゆ
る偏光スリクリーン2031の偏光軸132aに対応す
ることができる。また、図206に示すようにスクリー
ン1501が偏光スクリーンでない場合(偏光軸をもた
ない場合)あるいはコントラストは必要でなく明るい画
像表示が求められる場合は回転フィルタ1414の偏光
板がない部分を光透過範囲2022とする。偏光板の光
透過率は約40%であるから図206に示すように回転
フィルタ1414を配置することにより2倍以上の高輝
度表示を行うことができる。 (0741)図207は回転フィルタ1414の他の実
施例である。図207に示す回転フィルタ1414は半
分に偏光板がはりつけられ、1/4が偏光板がなく、残
りの1/4が補正フィルタ2072が貼りつけられてい
る。 (0742)補正フィルタ2072はランプ1411a
の発光色に応じて光路に挿入される。投射型表示装置の
発光ランプ1411aとしてメタルハライドランプが用
いられている場合はG光を減少させる補正フィルタつま
り、G光の帯域を狭くするフィルタにする。つまり、G
光の帯域を狭くするフィルタにする。投射型表示装置を
データプロジェクタとして用いる場合は、色再現性は問
題とされず、明るければよい。しかし、ビデオ画像を表
示する場合は色再現性が問題となる。そこで、ビデオ画
像を表示するときに、補正フィルタ2072を光路に挿
入配置する。 (0743)通常メタルハライドランプ1411aは、
図147の分光分布でも理解できるとおりG光の割合が
多い。データプロジェクタとして用いる場合は緑っぽい
画像であっても問題ではない。しかし、ビデオ画像の場
合は緑を減光させる必要がある。補正フィルタ2072
は緑を減光するフィルタとして用いる。補正フィルタ2
072は色素を含有させた樹脂あるいはガラスで容易に
作製できる。また誘電体多層膜で形成してもよい。表示
画像の色純度を表示パネル22に印加する映像信号で補
正することもできるが、回路コストが高くなる。補正フ
ィルタ2072で変更できれば簡易でありコストも安く
なる。 (0744)光透過範囲2022がCの領域であれば偏
光軸132は上下方向となり、Dの領域であれば偏光軸
132は左右方向となる。またBの領域であればデータ
プロジェクタとして明るい表示画像を表示できるし、光
透過範囲2022をAの領域とすれば色を補正してビデ
オ画像として最適な色再現性にできる。なお、回転フィ
ルタ1414は回転中心点2023で回転をさせるとし
たが、かならずしも回転する必要はなく、偏光板あるい
は補正フィルタを図141の点線の箇所(1414a又
は1414b)に挿入できるように構成しておけばよ
い。つまり偏光板あるいは補正フィルタ2072を光軸
1416に適時挿入できるように構成しておけばよい。
また、発光ランプ1411aがハロゲンランプである場
合は赤の光の割合が多いから図207に示す補正フィル
タ2072は赤色を減光するフィルタとすればよいこと
は言うまでもない。 (0745)図208は他の実施例における回転フィル
タ1414の平面図、および断面図である。回転フィル
タ1414は偏光板131がはりつけられたA、B、
C、Dの4つの領域と遮光膜2081が形成された領域
Eからなる。 (0746)透明基板2082には遮光膜2081が形
成されている。遮光膜2081としては黒色塗料、金属
板、金属薄膜が例示される。前記遮光膜2081上に偏
光板131がはりつけられている。なお、遮光膜208
1と偏光板131の順序は逆であってもよい。 (0747)回転フィルタ1414は1フィールド(1
フレーム)で90度回転する。つまり光透過範囲202
2の偏光軸132は1フィールド(1フレーム)で同期
をとって90度変化する。図209は本発明の投射型表
示装置の動作の説明図である。観察者は右眼と左眼の偏
光軸が90度異なる偏光メガネ2091をかけてスクリ
ーン1501の画像を観察する。なお、スクリーン15
01は偏光スクリーンではない。 (0748)図209(a)のように回転フィルタ14
14が回転し、第1のフィールド(フレーム)で偏光軸
132が上下方向になると右眼にのみスクリーン150
1の表示画像がみえる。この時、表示パネル22は右眼
の表示画像を表示する。第1のフィールド(フレーム)
の次の第2のフィールド(フレーム)では、図209
(b)のように回転フィルタ1414が回転し、偏光軸
132が左右方向となると左眼にのみスクリーン150
1の表示画像がみえる。この時、表示パネル22は左眼
の表示画像を表示する。 (0749)以上のように回転フィルタ1414の回転
と、表示パネル22の表示画像とを同期をとることによ
り観察者の眼には左眼と右眼とをきりかえて表示画像を
見ることになる。表示画像を立体(3D)画像とするこ
とにより観察者は立体視を行うことができる。 (0750)なお、遮光膜2081は左眼と右眼とを切
りかわるときに、画像を見えなくするようにするもので
ある。表示には障害がない場合は形成しなくてもよいこ
とは言うまでもない。 (0751)以上のように回転フィルタ1414を回転
して偏光軸132を変化できるのは、PD液晶表示パネ
ル22に特有である。PD液晶表示パネル22は自然光
を変調する表示パネルだからである。TN液晶表示パネ
ルの場合は光変調に偏光板131が必須であるから、出
射側の偏光板131の偏光軸132を回転させることは
でない。 (0752)以上の実施例において回転フィルタ141
4は投射物(スクリーン)と表示パネル22間に配置す
るとした。しかし、表示パネル22の入射側に配置して
もよい。なぜならば表示パネル22に偏光を入射させた
場合で、かつ表示パネルの液晶層21が光透過状態であ
れば偏光状態は維持されるからである。しかし、散乱状
態では偏光状態はくずれるから効果の低下することはあ
るが実用上は問題がない。なぜならば、画素が散乱状態
は黒表示だからである。白表示では偏光状態がたもたれ
るから偏光スクリーン2031には表示コントラストが
高い画像を表示できる。また良好な3D表示を行うこと
もできる。したがって、回転フィルタ(偏光軸を回転で
きる手段)はランプ1411bの出射端から、スクリー
ン間に配置されていればよい。 (0753)なお、図208において、回転フィルタ1
414を回転中心点2023で回転し、光透過範囲20
22を点2023より上側に配置するとしたが、これに
限定するものではなく、図222のように、光透過範囲
2022を回転中心点2023を中心として配置しても
よいことは言うまでもない。回転フィルタ1414が9
0度回転するごとに偏光軸132は90度変化する。た
だし、図208のように遮光膜2081は形成できない
が、回転フィルタ1414のサイズが小さくなり、小ス
ペース化を実現できる。 (0754)また、図203、図208等では回転フィ
ルタ1414を用いてスクリーンに投射する偏光軸13
2を変化させるとしたが、これに限定するものではなく
図227のようにTN液晶表示パネル22aに置きかえ
てもよい。表示パネル22aの出射側もしくは入射側に
偏光板もしくはPBSを配置し、偏光をTN液晶表示パ
ネル22aに入射させる。TN液晶表示パネル22aは
電圧を印加することにより偏光軸を90度回転できる。
そのためTN液晶表示パネル22aに電圧印加状態と無
印加状態とを切りかえることにより偏光軸を90度変化
することができる。以上のようにTN液晶表示パネル2
2aを自動または手動で、あるいは1フィールド(フレ
ーム)で偏光軸方向を切りかえることにより、偏光スク
リーン2031の偏光軸132に一致させることがで
き、また立体視(3D)表示を実現できる。図227の
TN液晶表示パネル22aは画素電極を形成する必要は
ない。2つの電極間にTN液晶を狭持させたもので十分
である。TN液晶表示パネル22aのかわりにPLZT
表示パネルでもよい。 (0755)以上の実施例では透過型の表示パネルを用
いる投射型表示装置について説明したが、反射型でも構
成できる。反射型の表示パネルの入射側に回転フィルタ
1414等を配置すればよい。 (0756)さらに前述の実施例では回転フィルタ14
14を回転させ、あるいはTN液晶表示パネル22aを
用いて偏光軸を回転あるいは変化させるとしたが、前記
デバイスを固定し、スクリーン2031を回転させても
同一の効果が得られることは言うまでもない。 (0757)また、回転フィルタ1414は手動で回転
するように説明したがこれに限定するものではなく、モ
ーターで回転させても良いことはいうまでもない。ま
た、回転中心点2023で回転せずとも円形などの枠
(図示せず)に回転フィルタ1414をはめ込み、前記
枠を回転させても良い。 (0758)また、モーターの回転角度をあらかじめ設
定しておき、ボタン1を押すと投射光の通過範囲202
2が図203の状態となるように、ボタン2を押すと図
204の状態となるように、ボタン3を押すと図206
の状態となるようにあらかじめ設定しておけば便利であ
る。 (0759)図223は回転フィルタ1414をビュー
ファインダに適用した構成図である。図222などに示
す回転フィルタ1414を観察者の眼2231と表示パ
ネル22間のA,またはB位置に配置する。もしくは先
に説明したように偏光状態が保たれる場合は光源218
1と表示パネル22間に配置してもよい。 (0760)観察者の眼2231と回転フィルタ141
4間には偏光メガネ2091(または偏光板)を配置す
る。回転フィルタ1414の回転と、表示パネル22の
表示画像とを同期をとることにより観察者は立体視(3
D)を見ることができる。 (0761)図223はランプ状の光源2181を用い
た実施例であるが、図224に示すように面光源224
1を用いても良い。面光源2241は蛍光発光の原理に
より平面が発光するようにしたものである。三洋電機
(株)などが製造している。また、棒状の蛍光管をボッ
クス内に配置し、光出射面に光散乱板を配置したもので
もよい。また、回転フィルタ1414は図202、図2
07のものを用いても良い。また、補正フィルタ207
2を光軸から脱着できるようにすることにより表示画像
の色補正を行うこともできる。その場合は、図202、
図207、図222の回転フィルタ1414のかわり
に、色ガラスを光軸に挿入できるようにすればよい。色
ガラスはホヤ(HOYA)(株)、シグマ光機(株)が
販売しているものを用いる。 (0762)回転フィルタ1414は表示パネル22の
光出射側に配置するとしたが、これに限定するものでは
なく、たとえば、光源1411と表示パネル22間ある
いは光源1411の直後などに配置してもよい。回転フ
ィルタ1414は光路1416上の光を偏光または光の
波長帯域を挟帯域にするものであるから、光路1416
のどこに配置してもその効果は発揮される。 (0763)光源1411の凹面鏡1411bが大きい
時は、回転フィルタ1414を光源1411の直後(図
141において、点線1414cで示した)に配置した
方が、光学系の大きさが小さくなる効果がある。凹面鏡
1411bが大きくなるときとは、凹面鏡1411bの
直径よりも表示パネル22の表示領域の対角長が小さい
ときである。 (0764)回転フィルタ1414は比較的大きい(面
積が広い)。凹面鏡1411bが大きいときは、凹面鏡
1411bの出射側直後に回転フィルタを配置すること
により、回転フィルタ1414が邪魔にならず、光学系
をコンパクトにできる。ただし、回転フィルタ1414
が加熱されることを防止するため、回転フィルタ141
4の光入射面には赤外線カットフィルタを配置するか、
もしくは回転フィルタ1414の裏面に誘電体多層膜か
らなる赤外線反射膜を形成することが好ましい。 (0765)回転フィルタ1414は図202、図20
7、図208に示すものの他、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の3原色に塗り分けられたものでも
よい。この3原色の回転フィルタを用いれば、1枚のモ
ノクロ表示の表示パネルを時分割で駆動することにより
カラー表示を実現できる。RGBのフィルタは誘電体多
層膜で形成してもよい。誘電体多層膜は光を吸収しない
ため、加熱されることがなく好ましい。また、補正フィ
ルタ2072も誘電体多層膜で形成することが好まし
い。 (0766)なお、表示パネルの遮光膜(BM)202
も誘電体多層膜で形成することにより入射光を吸収する
ことがなくなる。そのため、表示パネルが加熱されるこ
とが少なくなり、より強度の強い光を前記表示パネルに
入射できるようになる。その結果、本発明の投射型表示
装置はより高輝度表示を実現できる。また、誘電体多層
膜からなるカラーフィルタはガラス基板にR、G、Bご
とに形成し、所定の形状にカットして、ポリカーボネー
トなどの透明の円盤に貼り付けることにより構成しても
よい。 (0767)回転フィルタ1414は反射型でも構成で
きる。たとえば、アルミの円盤にR、G、Bもしくはシ
アン、マゼンタ、イエローのカラーフィルタを塗布する
ことにより作製すればよい。 (0768)回転フィルタ1414の表面には静電気の
発生を防止するため、静電気防止加工を施しておくこと
が好ましい。たとえば、表面を親水基が多い樹脂などで
被覆すればよい。また、回転フィルタ1414におい
て、表示に有効な光が通過しない領域には凹凸を形成す
る。これは回転フィルタ1414と空気との摩擦を低減
するためである。ゴルフボールの表面に凹凸を形成する
ことにより、摩擦が減り、飛距離がのびる原理の応用で
ある。 (0769)本発明の表示パネルは投射型表示装置のラ
イトバルブとしてのみでなく、たとえばビデオカメラに
用いる表示装置(ビューファインダと呼ぶ)にも採用で
きる。以下、本発明の表示パネル22をビューファイン
ダのライトバルブとして採用した実施例を説明する。 (0770)図218は本発明のビューファインダの外
観図であり、図219は図218の断面図である。ボデ
ー2186の内部には、集光レンズ2183および表示
パネル22が配置されている。また、接眼リング218
4の内部には接眼レンズ2185が配置されている。2
181は蛍光発光管を用いた光源であり、光源(蛍光発
光管)2181が放射する光は遮光板であるアパーチャ
2182の中央部の穴2189から出射される。ボデー
2186、接眼リング2184等は不要光を吸収するた
めに、内面を黒色あるいは暗色に塗装している。なお、
蛍光発光管である光源2181は発光ダイオード(LE
D)、蛍光発光素子(VFD)等を用いてもよい。ある
いは、面発生源等を用いることもできる。表示パネル2
2の入出射面には偏光板131を配置してもよい。 (0771)一例として、表示パネル22の表示領域の
対角長Dは約18mmであり、集光レンズ2183は有
効直径が20mm、焦点距離が15mmである。集光レ
ンズ2183は平凸レンズであり、平面側を発光素子2
181側に向けている。なお、集光レンズ2183、接
眼レンズ2185はフレネルレンズに置き換えてもよ
い。フレネルレンズにすればビューファインダの体積を
小さくでき、また、軽量化できる。 (0772)光源(発光素子)2181から広い立体角
に放射された光は、集光レンズ2183により平行に近
く、指向性の狭い光に変換され、表示パネル22の対向
基板側から入射する。観察者は接眼ゴム2187に眼を
密着させて、表示パネル22の表示画像を見ることにな
る。つまり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されている。
表示パネル22の全画素が光を直進させる場合を仮定し
た時、集光レンズ2183は光源(発光素子)2181
から放射され、集光レンズ2183の有効領域に入射す
る光が接眼レンズ2185を透過した後にすべて観察者
の瞳に入射するようにしている。このようにして観察者
は、表示パネル22の小さな表示画像を拡大して見るこ
とができる。 (0773)ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼ゴム2187によりほぼ固定されるため、その背後に
配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として棒状
の蛍光管を用いたライトボックスを用いる従来のビュー
ファインダでは、表示パネル22の表示領域とほぼ同じ
大きさの領域から、ある方向の微小立体角内に進む光だ
けが利用され、他の方向に進む光は利用されない。つま
り、光利用効率が非常に悪い。 (0774)本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
2183により平行に近い光に変換する。こうすると、
集光レンズ2183からの出射光は指向性が狭くなる。
観察者の視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光
でもビューファインダの用途に十分となる。発光体の大
きさが小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよ
うに、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定
して表示画像を見ることを利用している。通常の直視液
晶表示パネルでは一定の視野角が必要であるが、ビュー
ファインダは所定方向から表示画像を良好に観察できれ
ば用途として十分である。なお、本発明のビューファイ
ンダとビデオカメラとも取り付け金具2188でビデオ
カメラに(図示せず)固定される。 (0775)接眼リング2183のボデー2186への
挿入度合いを調整することにより、観察者の視力に合わ
せてピント調整を行うことができる。なお、接眼ゴム2
187により観察者の眼の位置が固定されるので、ビュ
ーファインダの使用中に視点位置がずれることはほとん
どない。視点が固定されておれば、液晶表示パネル22
への光の指向性が狭くても観察者は良好な画像を見るこ
とができる。さらに良好に見えるようにするには、光源
(発光素子)2181からの光の放射方向を最適な方向
に移動させればよい。 (0776)図220は本発明のビューファインダに用
いる光源(発光素子)2181の一実施例としての蛍光
発光管の断面図である。図220に示すように、蛍光発
光管は外観としては豆電球状の形状である。2201は
ガラスからなるケースであり、直径は2.4mm〜10
mmである。2203はフィラメントである。直流4V
〜8V程度の電圧を印加することによりフィラメント2
203は加熱される。2204はアノードであり、印加
電圧は直流15〜25V程度である。アノード電圧によ
り、フィラメント2203の加熱により放出された電子
は加速される。ケース2201内には水銀分子(図示せ
ず)が封入されており、前記加速された電子は水銀分子
と衝突する事により紫外線を放出する。この紫外線が蛍
光体2202を励起し可視光が発生する。このような光
源(発光素子)2181としてミニパイロ電機社製の蛍
光発光管(ルナライト05シリーズ)がある。あるいは
東北電子(株)の直径2.4mmのものがある。 (0777)駆動はパルス駆動を行うことにより、放射
する光量を調整できる。パルスの周波数は、30ヘルツ
以上とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノード
に2204印加する電圧をパルス信号とすることによ
り、パルス幅に比例して放射光量を可変できる。 (0778)なお、図220(b)で示すように、ケー
ス2201上に遮光膜2205を形成し、発光素子21
81からでる光の放射面積が小さくなる。したがって、
図219に示すようなアパーチャ(遮光板)2182は
必要でなくなる。 (0779)図220のランプ2181熱陰極発光管で
ある。そのため、外部温度が低いと発光輝度が低下す
る。その対策のため図221に示すようにケース220
1は内ケース2201a外ケース2201bの2層とす
ることが好ましい。内ケース2201aと外ケース22
01b間は空気層もくしは真空にする。ランプは基板2
211にゴム性の接続コネクタ2212を介して取り付
けられる。接続コネクタ2212は基板2212の穴に
挿入され固定され、またランプの端子はハンダ付けされ
る。 (0780)以上のように、本発明のビューファインダ
は光源(発光素子)2181の小さな発光体から広い立
体角に放射される光を、集光レンズ2183により効率
良く集光するので、蛍光管を用いた面光源のバックライ
トを用いる場合に比較して、光源の消費電力を大幅に低
減することができる。 (0781)図219は本発明の表示パネル22をビュ
ーファインダに適用した例であるが、図225のように
ビデオモニターとしても適用できる。図225はビデオ
モニターの断面図である。 (0782)光源(発光ランプ)2181から出射され
た光は、アバーチャ2182の穴から出射され、ミラー
1552で反射されて光路を折り曲げられる。ミラー1
552で反射させるのはビデオモニターの奥ゆきを短く
するためである。反射した光は集光レンズであるフレネ
ルレンズ2183に入射し、略平行光に変換される。前
記変換された光は表示パネル22に入射し、前記表示パ
ネル22は映像信号にもとづいて入射光を変調する。表
示パネル22には透明基板1311を取りつけ2次散乱
光の発生を防止して表示コントラストを向上させてい
る。 (0783)本発明の表示パネルは直視型の表示装置に
も適用できる。図226はその構成図である。棒状の蛍
光管2262から放射された白色光は反射シート226
3で反射され、または直接に導光板2261に入射す
る。反射シート2263としてはポリエステルフィルム
に銀を蒸着したもの等が例示される。また、導光板22
61の厚みd2と 蛍光管2262の直径d1とはd2>2
d1かつ3d2<4d1の関係を満足させる。前記範囲で
導光板2261へ入射する光量が多くなり、光利用率が
高くなる。 (0784)導光板2261の表面には拡散点が形成さ
れ、拡散点に入射した光は導光板2261から出射す
る。導光板2261上にはプリズムシート1061が1
枚もしくは2枚配置されている。プリズムシート106
1は狭指向性の光に変換する機能を有する。 (0785)表示パネル22の入射面と出射面には偏光
板131aと131bが配置されているの前記偏光板1
31は直交ニコルに配置される。つまり偏光板131a
の偏光軸132aと偏光板131bの偏光軸132bと
は直交するように配置される。表示パネル22はPD液
晶を用いておりノーマリホワイトモードで画像を表示す
る。 (0786)次に、動画表示時、液晶表示パネル等の表
示画像がボヤけるということについて説明をする。 (0787)液晶プロジェクタの表示画像を低下させる
原因に動画表示時に画面がぼやけるという現象がある。
この原因として 1.液晶の応答時間が遅い 2.画素に電荷を1フィールド(1フレーム)期間の
間、保持しているというメモリ性が考えられる。 (0788)1の液晶の応答時間はTN液晶およびPD
液晶の立ち上がり時間+立ち下がり時間は30msec
程度(パネル温度30℃以上時)であり、1フレームが
1/60=16msecとすれば十分追従しているはず
である。問題は2である。CRTは電子ビームで書き込
み、ピーク輝度を高くし、あとは残存時間で表示する。
そのため白黒表示がはっきりとし、応答性もよく、高画
質表示までも何ら問題はない。液晶表示パネルは1フレ
ーム期間の間ずっと一定の輝度を保持し、平均輝度で画
像を表示する。そのため動画時に応答時間が遅く感じら
れる。 (0789)図216のブロック図は動画表示等の応答
時間を改善する回路の説明図である。概念的には第1の
画像と第2の画像の表示期間との間に黒の画面を表示す
る。表示方法の概念を図215に示す。なお、説明を容
易にするため、画面に“F”という文字を表示するとし
たが、実際は自然画等が表示される。 (0790)まず、図215(a)に示すように画面の
上から順次画像“F”を表示していく。図215(b)
は画像“F”の表示を終了したところを示している。次
に図215(c)に示すように画面(表示領域、又は表
示画像)1631の上から順次黒表示を行う。黒表示を
終了したところを図215(d)に示す。つまり、画像
表示(自然画等)と黒表示とを交互に行う。なお、液晶
表示パネル22の駆動方法は1H反転駆動もしくは1カ
ラム反転駆動がクロストーク等が発生せず良好である。 (0791)画像表示を行う期間Aと、黒表示を行う期
間Bは1:1にすることが回路構成が簡易になり、Xお
よびYドライバ回路の設計も容易である。つまり1度メ
モリに保持させた映像信号を倍速読み出しして、液晶表
示パネル22に順次書き込んでいけばよい。ただし、
1:1に限定するものではなし、当然のことながら黒表
示期間Bを短くしてもよい。また黒表示期間は表示パネ
ル22に黒表示を行うとしたがこれに限定するものでは
なく、ダークレベル(灰色あるいは中間調)でもよい
し、また、白表示でもよい。(以後、ラスター表示と呼
ぶ)また輝度を低減した自然画等を表示してもよい。 (0792)図216に示すように映像信号SIGはA
/D変換回路2161でデジタルデータに変換され、F
メモリ(フィールドメモリ又はフレームメモリ)216
2の記憶手段に保持される。一方、ラスター表示設定回
路2163では黒表示期間Bの表示輝度レベルを設定す
る回路である。ラスター表示設定回路2163は場合に
よっては自然画等を出力する場合もある。倍速読み出し
回路2164は第1のフレーム(フィールド)の前半で
(画像表示期間A)Fメモリ2162からデータを読み
だし、倍速で表示パネル22に画像を書き込む。また第
1のフレームの後半(黒表示期間B)でラスター表示設
定回路の設定値にもとづき、ラスター表示を表示パネル
22に対して行う。 (0793)図215では自然画表示と黒表示を交互に
行うとしたが、図217に示すように1本ずつまたは、
複数の水平ライン(以後、この1本または複数の水平ラ
インの組を表示ライン組と呼ぶ)を組みとして自然画表
示と黒表示を行ってもよい。たとえば図217(a)で
は画面の上から表示ライン組ずつ自然画を表示し、また
斜線で示す表示ライン組(これを黒ライン組と呼ぶ)に
黒表示しラスター表示等)を行う。図217(b)は一
画面が書き込みが終了したところを示している。次の図
217(c)では画面の上からは黒ライン組を書き込
み、つぎに表示ライン組に自然画を書き込む。この動作
を順次行っていき図217(d)で一画面の書き込みを
終了する。 (0794)以上の図217に示す駆動方法でも自然画
の次のフレーム(フィールド)では黒表示(ラスター表
示)されることになり、動画像の応答性は改善される。
得にNTSC等のインタレース(飛び越し走査)表示で
は表示ライン組を1本の水平ラインとすれば、図217
の駆動方法を容易に実現できる。つまり、インタレース
で送られてきた信号を倍速で表示パネルに書き込み、自
然画表示の次のラインは黒表示を書き込む。この動作を
くりかえしていけばよい。 (0795)なお、図215から図217に示す駆動方
法および駆動回路は液晶表示パネル22を対象として説
明をしてきた。しかし、これに限定されるものではなく
すべてのドットマトリックス型表示パネルに適用される
ものである。ドットマトリックスパネルは画素の輝度を
一定期間(フレームあるいはフィールド期間)保持す
る。この保持には液晶表示パネル22のように一定状態
で保持するものが当然に含まれる。他にパルス変調(P
WM変調等)も1フレームもしくは1フィールドを平均
して画素に一定輝度保持するものと本発明の技術的範囲
に含まれると考えることができる。なぜならば、パルス
の組み合わせで一定の表示を行うからであり、CRTの
1つのピーク輝度で表示を行うものとは異なるからであ
る。パルス駆動(PWM変調等)により1フレーム間で
所定の輝度を表示するから、画素に電荷を保持している
ものと考えられる。 (0796)したがって本発明の駆動方法は、プラズマ
ディスプレイ(PDP)、TI社が開発した反射型のデ
ィジタルマイクロミラーデバイス(DMD,DLP)も
当然技術的に適用可能である。他に有機ELディスプレ
イ、LEDディスプレイ、無機ELディスプレイ、蛍光
発光管、FEDも含まれる。これらのドットマトリック
スはすべては(つまり電子銃を用いるCRT方式以外
は)本発明の駆動方式を適用すれば動画の応答性等に効
果がある。さらには、松下電器産業が開発したフラット
CRT(CFP)も本発明の技術を適用することができ
る。 (0797)また図210に示す構成によっても動画ボ
ケを改善できる。2101はドラム(円筒)状の物体で
あり、前記ドラム2101内に表示パネル22が配置さ
れている。ドラム2101は回転中心点2023を中心
として矢印方向に回転する。ドラム2101は遮光部2
102と光透過部2103とが交互に形成されている。
入射した光は光軸1416を進み、表示パネル22で変
調されて投射レンズ1415で投射される。レンズ14
13は表示パネル22の表示画像がスクリーンに結像す
るように配置される。 (0798)ドラム2101を投射レンズ1415側か
らみると図211のようになる。ドラム2101が回転
するにつれて、ドラム2101の遮光部2102が表示
画像(画面)1631を遮光していく、図211(a)
は表示画像1631の上部だけ遮光したところを示し、
図211(b)は画面1631のほとんどを遮光したと
ころを示す。 (0799)図212を用いてさらに詳しく説明する。
簡単のために画像は第1フレームで“F”という文字を
表示し、次のフレームで“A”という文字を表示すると
する。まず図212(a)で完全に“F”という文字が
表示され投射レンズ1415でスクリーンに投射されて
いるとする。つまりドラム2101の透過部2103を
光が通過しているとする。ドラム2101が回転するに
つれ図212(b)に示すように画面1631の上部よ
り遮光部2102により遮光されていく。この時、表示
パネル22には画面上部から“A”の文字を書き込んで
いく。つまり、遮光部2102の進行速度に同期して次
のフレームを表示パネルに表示していくのである。図2
12(d)の状態では遮光部2102で完全に遮光され
るとともに“A”の文字が表示されている。次に遮光部
2102が回転するとともに画面上部から“A”の文字
が表示されていく。 (0800)以上のことから遮光部2102と透過部2
103の組で1フレーム(フィールド)を表示する。し
たがって、遮光部2102を透過部2103の面積が同
一であれば1フィールドの1/2の時間だけ画像が表示
されることになる。なお、遮光部2102と透過部21
03の面積比率は1:1である必要はない。遮光部の面
積が小さくなるほど投射画像の輝度は高くなる。しか
し、動画ボケは改善されにくくなる。 (0801)図212のスクリーン上の点Bの明るさ
は、図213の点線となる。つまり遮光部で暗くなり、
透過部で明るくなる。つまり明−暗−明−暗をくりかえ
する。もし、ドラム2101がなければ実線となる。 (0802)以上のように明暗をくりかえすことによ
り、CRTでのピーク輝度表示を疑似的に表現できるよ
うになり、動画ボケが改善されると考えられる。 (0803)本実施例も図216の実施例と同様に他の
表示パネルに適用できることは言うまでもない。 (0804)画面の上部から画像を順次遮光し、また上
部から順次表示する方法は図214に示す表示パネルで
実現できる。 (0805)図214の表示パネルは液晶層21aと2
1bで構成されており、液晶層21aは画素電極14と
対向電極間に狭持されている。また液晶層21bは対向
電極とストライプ状電極421間に狭持されている。ス
トライプ状電極421は画素電極14の一行ごとに対応
している。液晶層21aはアクティブマトリックス駆動
により自然画を表示する。一方液晶層21bは単純マト
リックス駆動を行う。ストライプ状電極421に電圧が
印加されるとPD液晶層21は光透過状態となり、電圧
が無印加だと散乱状態となり黒表示となる。液晶層21
aの画像を表示するときは液晶層21bは透過状態とす
る。ストライプ状電極421を走査していくことで図2
12に示す画像表示を行えることは明らかである。した
がって動画ボケを改善できる。 (0806)図214では一枚の液晶パネルに遮光動作
を行う液晶層21bと画像表示を行う液晶層21aとを
形成したが、遮光動作を行う液晶層21を有する表示パ
ネル22aと画像表示を行う液晶層21を有する表示パ
ネル22bとを作製し、2枚の表示パネル22a,22
bをはりあわせる、あるいは近接して配置することによ
り図212の画像表示を実現できる。 (0807)図214はPD液晶層21bと他の液晶層
21a(たとえば、TN液晶層。なお、PD液晶でもよ
い)の複数の液晶層21を有する液晶を有する表示パネ
ル22である。この表示パネルはライトバルブとして用
いることが有効であるが、これに限定されず、直視表示
パネルとしても用いることができる。 (0808)図214の表示パネル22はアクティブマ
トリックス型の表示パネル(液晶層は21a)と単純マ
トリックス型の表示パネル(液層層は21b)の2つの
液晶層を有する表示パネルである。単純マトリックスと
は、ストライプ状の電極を具備する表示パネル、8セグ
メントなどの数字○×などの単純は記号などを表示する
表示パネルを意味する。 (0809)また、図214では液晶層21aと液晶層
21b間は対向電極25のみしか形成されていないが、
これに限定するものではなく、ガラスもしくは樹脂で形
成された基板に対向電極25が形成されたものでもよ
い。つまり、アレイ基板11と対向電極が形成された基
板25と基板12との間に液晶層21aと液晶層21b
が配置されたものが本発明の表示パネルである。 (0810)液晶層21aはマトリックス状に配置され
た画素に電圧が印加され、画像を表示する。液晶層21
bは数字もしくは記号などが表示される。前記数字など
は散乱状態の時は白色に表示される。また、電圧が印加
されると透明になり下の液晶層21aの画像が直接見え
るようになる。つまり、図214の表示パネルは2つの
液晶層の画像を重ね合わせてみることができる。たとえ
ば、液晶層21aに表示されたテレビ動画画像を、液晶
層21bでスモーク(もや)をかけたり、8セグメント
を使用して時刻を白色(もちろん着色してもよい)で表
示したりできる。また、表示の一部にモザイク表示を行
うことができる。 (0811)図120、図215、図217および図2
16などの駆動方法などは、当然のことながら、本発明
の投射型表示装置、直視表示パネル(装置)、ビューフ
ァインダに適用できる。適用することにより、動画応答
性などが改善され、高品位の画像表示を行うことができ
る。 (0812)以上のように、本明細書に記載の事項は相
互に適用される。たとえば図1と図15の表示パネルの
組み合わせ、図1に図112の構成を適用すること、図
74、図76の製造方法を図1、図15などの表示パネ
ルの製造方法として適用すること、本発明の表示パネル
を本発明の投射型表示装置に適用すること、図124、
図125および図126などで説明したドライバ回路を
図1、図15、図27、図28などの表示パネルに適用
すること、図13の偏光板の配置に関する事項を図15
3、図164、図219、図226の表示装置などに適
用すること、本発明の表示パネルを図226などの表示
装置に用いること、本発明の表示パネルをビューファイ
ンダに適用することなどである。 (0813)図84(d)において、光散乱層841に
は塗料、色素、染料などの黒色あるいは光を吸収させる
材料を含有させてもよい。これらを含有させることによ
り、表示画像の黒がしずみ高品位表示をなる。 (0814)また、含有させるのではなく、これらの塗
料、色素、染料などを基板642あるいは基板12の表
面に塗布もしくは蒸着してもよい。六価クロムなどの酸
化クロムを蒸着する構成もこのましい。また、基板表面
に科学的処理を行い表面に凹凸を形成してもよい。これ
らの構成も視野角を拡大し、表示画像の黒表示をより黒
くでき、高品位表示を実現できる。 (0815)同様に、図82に示す凹凸膜821、図1
12に示す透明樹脂膜962などにチタン等の微粉末を
含有させること、上記染料、色素を含有させることも同
様の効果等が得られる。 (0816)また、図68、図69などに示すマイクロ
レンズ641、プリズム671もしくは光結合剤691
に染料、色素などで着色することにより混合溶液315
に照射する光の帯域を制限することができ、相分離を良
好にすることができる。 (0817)図96、図100、図101などのマイク
ロレンズアレイにおいて、透明樹脂膜962はポリビニ
ールアルコール(PVA)を用いてもよい。また、熱硬
化型のエポキシ樹脂、2液硬化型の樹脂(主剤、硬化開
始剤)の樹脂、シリコン樹脂などを用いてもよい。これ
らのうち光透過性が高く、硬化時に収縮率が比較的大き
いものを用いる。 (0818)なお、マイクロレンズ(たとえば図95)
基板642は、表示パネルの光出射側に配置してもよ
い。 (0819)図105、図106に示すフレネルレンズ
641c,641、プリズムシート1061は、複数の
画素に対し1つのフレネルレンズ641c,641など
を配置してもよい。さらに視野角の改善であれば、表示
パネル22の表示領域全体に1つのフレネルレンズ64
1c,641を配置してもよい。表示パネルへの入射光
の方向と観察者の目の位置とを適切に一致させることに
より、表示パネル22の表示画像を良好に観察すること
ができる。尚、マイクロレンズ基板642とフレネルレ
ンズ641c,641は、形状は異なるが、同一の機能
を有するものである。 (0820)また、図106、図108に示すフレネル
レンズ641c,641、プリズムシート1061など
は、平面側を表示パネルの方に向けることが好ましい。
前記レンズなどに入射する光の反射率が低減し、光の乱
反射が抑制されて高品位表示を実現できる。また、前記
基板642、マイクロレンズ、プリズムなどの表面には
反射防止膜を形成しておくことが好ましい。 (0821)反射防止膜は、平均粒径が5から200n
mの範囲の含フッ素重合体の微粒子を積層し、微粒子間
にミクロボイドを形成してなる低屈折層を含むものが例
示され、また、屈折率が1.35から1.45の光硬化
樹脂が例示される。また、誘電体多層膜で形成してもよ
い。 (0822)また、本発明の透過型表示パネル、反射型
表示パネルの液晶層21として、主としてPD液晶を用
いると説明してきたが、これに限定するものではなく、
STN液晶、TN液晶、ゲストホスト液晶、強誘電液
晶、ホメオトロピック液晶、日立製作所などが試作した
櫛電極構成を持ち水平方向で液晶分子の配向角度を変化
させて光変調する液晶、ソニーが試作したプラズマアド
レス液晶でもよい。また、表示パネルの構成によって
は、有機EL表示パネル、無機EL表示パネル、プラズ
マ表示パネル、LED表示パネルにも適用できる。投射
型表示装置、ビューファインダ、直視表示装置、製造方
法、駆動方法、駆動装置についても同様である。 (0823)フレネルレンズ(又は、マイクロレンズ)
641等は、凹レンズでも凸レンズでもよい。観察者の
見る位置に適合するように設定すればよい。また、図1
06のフレネルレンズ641等は、金属板を加工するこ
とにより、反射型のフレネルレンズに構成することもで
きる。 (0824)また、図95では、カラーフィルタ151
はマイクロレンズ641の出射側に配置したが、カラー
フィルタ151は入射側に配置してもよい。つまり、カ
ラーフィルタ151を出射した光がマイクロレンズ64
1を透過し、液晶表示パネルに入射する。マイクロレン
ズ641はかまぼこ型でもよいし、マイクロレンズ64
1に着色してカラーフィルタ151とマイクロレンズ6
41とを一体としてもよい。 (0825)尚、本明細書では、画素電極がない表示パ
ネルが存在することも考慮して、画素電極そのものを示
すところは、例えば、画素電極14と記載し、画素電極
のないタイプも含めた広義の意味での画素を示すところ
は、例えば、画素14として記載した。 (0826)以上述べたところから明らかなように本発
明は、表示コントラストなどを従来に比べてより一層向
上できると言う長所を有する。 (0827)また、本発明の表示パネルは液晶層を相分
離を行ってからカラーフィルタを形成するものであるの
でPD液晶層を最適な条件で相分離を行うことができ、
良好な表示コントラストを実現できる。またカラーフィ
ルタを画素電極14の下層に形成することにより対向電
極25側から紫外線を照射できPD液晶層を良好に相分
離できる。 (0828)また、画素電極14間に空間を形成するこ
とにより信号線15と画素電極14間の電磁結合を防止
でき画素電極周辺等の光ぬけが発生せず良好な表示コン
トラストを実現できる。 (0829)またマイクロレンズ、あるいはマスクを用
いてPD液晶層を相分離するため、R、G、Bの変調す
る光の波長に最適な平均径のPD液晶層を画素単位で形
成できる。 (0830)また、本発明の投射型表示装置は本発明の
表示パネルをライトバルブとして用いるため高い表示コ
ントラストを実現でき、また低温時液晶層を加温するし
くみを有するためヒステリシスの発生もない。また回転
フィルタを映像信号と周期をとって回転させることによ
り立体視(3D)を実現することができる。 (0831)
ることにより良好な画像表示を実現できる。 (0734)明るい室内で投射型表示装置からの投射画
像を表示すると、外光によりコントラストが低下する。
その場合、スクリーン1501に偏光スクリーン203
1を用いればよい。偏光スクリーン1501は偏光板の
裏面に反射シートをはりつけたものである。 (0735)偏光スクリーンで良好な画像表示を行うた
めにはスクリーン2031の偏光軸132と投射する光
の偏光軸132とを一致させる必要がある。 (0736)そこで図141に示すように本発明の投射
型表示装置では、投射物であるスクリーン2031と表
示パネル22の出射端間に偏光板(シート)を配置す
る。図141では、点線で表示した1414a又は14
14bである。この偏光手段を仮に回転フィルタ141
4と呼ぶ。 (0737)図202に回転フィルタ1414の平面図
を図示している。回転フィルタ1414は回転中心点2
023を中心として回転できるように構成されており、
約1/4の範囲に切り取られている。また表面には偏光
板131がはりつけられている。偏光板131の偏光軸
132は図の方向である。また、点線は表示パネル22
から出射し、投射レンズ1415に入射する光が通過す
る範囲である。なおこの点線の範囲を光透過範囲と呼
ぶ。 (0738)偏光スクリーン2031の偏光軸132は
定まっているわけではない。製品によって異なる場合が
ある。たとえば図203に示すように上下方向に偏光軸
132bが配置されている場合もあるし、図204のよ
うに左右方向に偏光軸132bが配置されている場合も
ある。また図205のように斜め方向に偏光軸132b
が配置されている場合もある。 (0739)図203のように偏光スクリーン2031
aの偏光軸132bの方向となっている場合は回転フィ
ルタ1414を回転させて光通過範囲2022の偏光軸
132aを上下方向になるようにする。回転フィルタ1
414の回転は手動で行ってもよいし、又、モーター等
を用いて自動で回転させてもよい。同様に図204に示
すように偏光スクリーン2031aの偏光軸132bが
左右方向の場合は回転フィルタ1414を回転させて光
通過範囲2022の偏光軸132aを左右方向にすれば
よい。また、図205にように斜め方向の場合は、回転
フィルタ1414を回転させ、光通過範囲2022の偏
光軸を132aの方向にすればよい。 (0740)以上のように本発明の投射型表示装置では
回転フィルタ1414を回転させることにより、あらゆ
る偏光スリクリーン2031の偏光軸132aに対応す
ることができる。また、図206に示すようにスクリー
ン1501が偏光スクリーンでない場合(偏光軸をもた
ない場合)あるいはコントラストは必要でなく明るい画
像表示が求められる場合は回転フィルタ1414の偏光
板がない部分を光透過範囲2022とする。偏光板の光
透過率は約40%であるから図206に示すように回転
フィルタ1414を配置することにより2倍以上の高輝
度表示を行うことができる。 (0741)図207は回転フィルタ1414の他の実
施例である。図207に示す回転フィルタ1414は半
分に偏光板がはりつけられ、1/4が偏光板がなく、残
りの1/4が補正フィルタ2072が貼りつけられてい
る。 (0742)補正フィルタ2072はランプ1411a
の発光色に応じて光路に挿入される。投射型表示装置の
発光ランプ1411aとしてメタルハライドランプが用
いられている場合はG光を減少させる補正フィルタつま
り、G光の帯域を狭くするフィルタにする。つまり、G
光の帯域を狭くするフィルタにする。投射型表示装置を
データプロジェクタとして用いる場合は、色再現性は問
題とされず、明るければよい。しかし、ビデオ画像を表
示する場合は色再現性が問題となる。そこで、ビデオ画
像を表示するときに、補正フィルタ2072を光路に挿
入配置する。 (0743)通常メタルハライドランプ1411aは、
図147の分光分布でも理解できるとおりG光の割合が
多い。データプロジェクタとして用いる場合は緑っぽい
画像であっても問題ではない。しかし、ビデオ画像の場
合は緑を減光させる必要がある。補正フィルタ2072
は緑を減光するフィルタとして用いる。補正フィルタ2
072は色素を含有させた樹脂あるいはガラスで容易に
作製できる。また誘電体多層膜で形成してもよい。表示
画像の色純度を表示パネル22に印加する映像信号で補
正することもできるが、回路コストが高くなる。補正フ
ィルタ2072で変更できれば簡易でありコストも安く
なる。 (0744)光透過範囲2022がCの領域であれば偏
光軸132は上下方向となり、Dの領域であれば偏光軸
132は左右方向となる。またBの領域であればデータ
プロジェクタとして明るい表示画像を表示できるし、光
透過範囲2022をAの領域とすれば色を補正してビデ
オ画像として最適な色再現性にできる。なお、回転フィ
ルタ1414は回転中心点2023で回転をさせるとし
たが、かならずしも回転する必要はなく、偏光板あるい
は補正フィルタを図141の点線の箇所(1414a又
は1414b)に挿入できるように構成しておけばよ
い。つまり偏光板あるいは補正フィルタ2072を光軸
1416に適時挿入できるように構成しておけばよい。
また、発光ランプ1411aがハロゲンランプである場
合は赤の光の割合が多いから図207に示す補正フィル
タ2072は赤色を減光するフィルタとすればよいこと
は言うまでもない。 (0745)図208は他の実施例における回転フィル
タ1414の平面図、および断面図である。回転フィル
タ1414は偏光板131がはりつけられたA、B、
C、Dの4つの領域と遮光膜2081が形成された領域
Eからなる。 (0746)透明基板2082には遮光膜2081が形
成されている。遮光膜2081としては黒色塗料、金属
板、金属薄膜が例示される。前記遮光膜2081上に偏
光板131がはりつけられている。なお、遮光膜208
1と偏光板131の順序は逆であってもよい。 (0747)回転フィルタ1414は1フィールド(1
フレーム)で90度回転する。つまり光透過範囲202
2の偏光軸132は1フィールド(1フレーム)で同期
をとって90度変化する。図209は本発明の投射型表
示装置の動作の説明図である。観察者は右眼と左眼の偏
光軸が90度異なる偏光メガネ2091をかけてスクリ
ーン1501の画像を観察する。なお、スクリーン15
01は偏光スクリーンではない。 (0748)図209(a)のように回転フィルタ14
14が回転し、第1のフィールド(フレーム)で偏光軸
132が上下方向になると右眼にのみスクリーン150
1の表示画像がみえる。この時、表示パネル22は右眼
の表示画像を表示する。第1のフィールド(フレーム)
の次の第2のフィールド(フレーム)では、図209
(b)のように回転フィルタ1414が回転し、偏光軸
132が左右方向となると左眼にのみスクリーン150
1の表示画像がみえる。この時、表示パネル22は左眼
の表示画像を表示する。 (0749)以上のように回転フィルタ1414の回転
と、表示パネル22の表示画像とを同期をとることによ
り観察者の眼には左眼と右眼とをきりかえて表示画像を
見ることになる。表示画像を立体(3D)画像とするこ
とにより観察者は立体視を行うことができる。 (0750)なお、遮光膜2081は左眼と右眼とを切
りかわるときに、画像を見えなくするようにするもので
ある。表示には障害がない場合は形成しなくてもよいこ
とは言うまでもない。 (0751)以上のように回転フィルタ1414を回転
して偏光軸132を変化できるのは、PD液晶表示パネ
ル22に特有である。PD液晶表示パネル22は自然光
を変調する表示パネルだからである。TN液晶表示パネ
ルの場合は光変調に偏光板131が必須であるから、出
射側の偏光板131の偏光軸132を回転させることは
でない。 (0752)以上の実施例において回転フィルタ141
4は投射物(スクリーン)と表示パネル22間に配置す
るとした。しかし、表示パネル22の入射側に配置して
もよい。なぜならば表示パネル22に偏光を入射させた
場合で、かつ表示パネルの液晶層21が光透過状態であ
れば偏光状態は維持されるからである。しかし、散乱状
態では偏光状態はくずれるから効果の低下することはあ
るが実用上は問題がない。なぜならば、画素が散乱状態
は黒表示だからである。白表示では偏光状態がたもたれ
るから偏光スクリーン2031には表示コントラストが
高い画像を表示できる。また良好な3D表示を行うこと
もできる。したがって、回転フィルタ(偏光軸を回転で
きる手段)はランプ1411bの出射端から、スクリー
ン間に配置されていればよい。 (0753)なお、図208において、回転フィルタ1
414を回転中心点2023で回転し、光透過範囲20
22を点2023より上側に配置するとしたが、これに
限定するものではなく、図222のように、光透過範囲
2022を回転中心点2023を中心として配置しても
よいことは言うまでもない。回転フィルタ1414が9
0度回転するごとに偏光軸132は90度変化する。た
だし、図208のように遮光膜2081は形成できない
が、回転フィルタ1414のサイズが小さくなり、小ス
ペース化を実現できる。 (0754)また、図203、図208等では回転フィ
ルタ1414を用いてスクリーンに投射する偏光軸13
2を変化させるとしたが、これに限定するものではなく
図227のようにTN液晶表示パネル22aに置きかえ
てもよい。表示パネル22aの出射側もしくは入射側に
偏光板もしくはPBSを配置し、偏光をTN液晶表示パ
ネル22aに入射させる。TN液晶表示パネル22aは
電圧を印加することにより偏光軸を90度回転できる。
そのためTN液晶表示パネル22aに電圧印加状態と無
印加状態とを切りかえることにより偏光軸を90度変化
することができる。以上のようにTN液晶表示パネル2
2aを自動または手動で、あるいは1フィールド(フレ
ーム)で偏光軸方向を切りかえることにより、偏光スク
リーン2031の偏光軸132に一致させることがで
き、また立体視(3D)表示を実現できる。図227の
TN液晶表示パネル22aは画素電極を形成する必要は
ない。2つの電極間にTN液晶を狭持させたもので十分
である。TN液晶表示パネル22aのかわりにPLZT
表示パネルでもよい。 (0755)以上の実施例では透過型の表示パネルを用
いる投射型表示装置について説明したが、反射型でも構
成できる。反射型の表示パネルの入射側に回転フィルタ
1414等を配置すればよい。 (0756)さらに前述の実施例では回転フィルタ14
14を回転させ、あるいはTN液晶表示パネル22aを
用いて偏光軸を回転あるいは変化させるとしたが、前記
デバイスを固定し、スクリーン2031を回転させても
同一の効果が得られることは言うまでもない。 (0757)また、回転フィルタ1414は手動で回転
するように説明したがこれに限定するものではなく、モ
ーターで回転させても良いことはいうまでもない。ま
た、回転中心点2023で回転せずとも円形などの枠
(図示せず)に回転フィルタ1414をはめ込み、前記
枠を回転させても良い。 (0758)また、モーターの回転角度をあらかじめ設
定しておき、ボタン1を押すと投射光の通過範囲202
2が図203の状態となるように、ボタン2を押すと図
204の状態となるように、ボタン3を押すと図206
の状態となるようにあらかじめ設定しておけば便利であ
る。 (0759)図223は回転フィルタ1414をビュー
ファインダに適用した構成図である。図222などに示
す回転フィルタ1414を観察者の眼2231と表示パ
ネル22間のA,またはB位置に配置する。もしくは先
に説明したように偏光状態が保たれる場合は光源218
1と表示パネル22間に配置してもよい。 (0760)観察者の眼2231と回転フィルタ141
4間には偏光メガネ2091(または偏光板)を配置す
る。回転フィルタ1414の回転と、表示パネル22の
表示画像とを同期をとることにより観察者は立体視(3
D)を見ることができる。 (0761)図223はランプ状の光源2181を用い
た実施例であるが、図224に示すように面光源224
1を用いても良い。面光源2241は蛍光発光の原理に
より平面が発光するようにしたものである。三洋電機
(株)などが製造している。また、棒状の蛍光管をボッ
クス内に配置し、光出射面に光散乱板を配置したもので
もよい。また、回転フィルタ1414は図202、図2
07のものを用いても良い。また、補正フィルタ207
2を光軸から脱着できるようにすることにより表示画像
の色補正を行うこともできる。その場合は、図202、
図207、図222の回転フィルタ1414のかわり
に、色ガラスを光軸に挿入できるようにすればよい。色
ガラスはホヤ(HOYA)(株)、シグマ光機(株)が
販売しているものを用いる。 (0762)回転フィルタ1414は表示パネル22の
光出射側に配置するとしたが、これに限定するものでは
なく、たとえば、光源1411と表示パネル22間ある
いは光源1411の直後などに配置してもよい。回転フ
ィルタ1414は光路1416上の光を偏光または光の
波長帯域を挟帯域にするものであるから、光路1416
のどこに配置してもその効果は発揮される。 (0763)光源1411の凹面鏡1411bが大きい
時は、回転フィルタ1414を光源1411の直後(図
141において、点線1414cで示した)に配置した
方が、光学系の大きさが小さくなる効果がある。凹面鏡
1411bが大きくなるときとは、凹面鏡1411bの
直径よりも表示パネル22の表示領域の対角長が小さい
ときである。 (0764)回転フィルタ1414は比較的大きい(面
積が広い)。凹面鏡1411bが大きいときは、凹面鏡
1411bの出射側直後に回転フィルタを配置すること
により、回転フィルタ1414が邪魔にならず、光学系
をコンパクトにできる。ただし、回転フィルタ1414
が加熱されることを防止するため、回転フィルタ141
4の光入射面には赤外線カットフィルタを配置するか、
もしくは回転フィルタ1414の裏面に誘電体多層膜か
らなる赤外線反射膜を形成することが好ましい。 (0765)回転フィルタ1414は図202、図20
7、図208に示すものの他、赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の3原色に塗り分けられたものでも
よい。この3原色の回転フィルタを用いれば、1枚のモ
ノクロ表示の表示パネルを時分割で駆動することにより
カラー表示を実現できる。RGBのフィルタは誘電体多
層膜で形成してもよい。誘電体多層膜は光を吸収しない
ため、加熱されることがなく好ましい。また、補正フィ
ルタ2072も誘電体多層膜で形成することが好まし
い。 (0766)なお、表示パネルの遮光膜(BM)202
も誘電体多層膜で形成することにより入射光を吸収する
ことがなくなる。そのため、表示パネルが加熱されるこ
とが少なくなり、より強度の強い光を前記表示パネルに
入射できるようになる。その結果、本発明の投射型表示
装置はより高輝度表示を実現できる。また、誘電体多層
膜からなるカラーフィルタはガラス基板にR、G、Bご
とに形成し、所定の形状にカットして、ポリカーボネー
トなどの透明の円盤に貼り付けることにより構成しても
よい。 (0767)回転フィルタ1414は反射型でも構成で
きる。たとえば、アルミの円盤にR、G、Bもしくはシ
アン、マゼンタ、イエローのカラーフィルタを塗布する
ことにより作製すればよい。 (0768)回転フィルタ1414の表面には静電気の
発生を防止するため、静電気防止加工を施しておくこと
が好ましい。たとえば、表面を親水基が多い樹脂などで
被覆すればよい。また、回転フィルタ1414におい
て、表示に有効な光が通過しない領域には凹凸を形成す
る。これは回転フィルタ1414と空気との摩擦を低減
するためである。ゴルフボールの表面に凹凸を形成する
ことにより、摩擦が減り、飛距離がのびる原理の応用で
ある。 (0769)本発明の表示パネルは投射型表示装置のラ
イトバルブとしてのみでなく、たとえばビデオカメラに
用いる表示装置(ビューファインダと呼ぶ)にも採用で
きる。以下、本発明の表示パネル22をビューファイン
ダのライトバルブとして採用した実施例を説明する。 (0770)図218は本発明のビューファインダの外
観図であり、図219は図218の断面図である。ボデ
ー2186の内部には、集光レンズ2183および表示
パネル22が配置されている。また、接眼リング218
4の内部には接眼レンズ2185が配置されている。2
181は蛍光発光管を用いた光源であり、光源(蛍光発
光管)2181が放射する光は遮光板であるアパーチャ
2182の中央部の穴2189から出射される。ボデー
2186、接眼リング2184等は不要光を吸収するた
めに、内面を黒色あるいは暗色に塗装している。なお、
蛍光発光管である光源2181は発光ダイオード(LE
D)、蛍光発光素子(VFD)等を用いてもよい。ある
いは、面発生源等を用いることもできる。表示パネル2
2の入出射面には偏光板131を配置してもよい。 (0771)一例として、表示パネル22の表示領域の
対角長Dは約18mmであり、集光レンズ2183は有
効直径が20mm、焦点距離が15mmである。集光レ
ンズ2183は平凸レンズであり、平面側を発光素子2
181側に向けている。なお、集光レンズ2183、接
眼レンズ2185はフレネルレンズに置き換えてもよ
い。フレネルレンズにすればビューファインダの体積を
小さくでき、また、軽量化できる。 (0772)光源(発光素子)2181から広い立体角
に放射された光は、集光レンズ2183により平行に近
く、指向性の狭い光に変換され、表示パネル22の対向
基板側から入射する。観察者は接眼ゴム2187に眼を
密着させて、表示パネル22の表示画像を見ることにな
る。つまり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されている。
表示パネル22の全画素が光を直進させる場合を仮定し
た時、集光レンズ2183は光源(発光素子)2181
から放射され、集光レンズ2183の有効領域に入射す
る光が接眼レンズ2185を透過した後にすべて観察者
の瞳に入射するようにしている。このようにして観察者
は、表示パネル22の小さな表示画像を拡大して見るこ
とができる。 (0773)ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼ゴム2187によりほぼ固定されるため、その背後に
配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として棒状
の蛍光管を用いたライトボックスを用いる従来のビュー
ファインダでは、表示パネル22の表示領域とほぼ同じ
大きさの領域から、ある方向の微小立体角内に進む光だ
けが利用され、他の方向に進む光は利用されない。つま
り、光利用効率が非常に悪い。 (0774)本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
2183により平行に近い光に変換する。こうすると、
集光レンズ2183からの出射光は指向性が狭くなる。
観察者の視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光
でもビューファインダの用途に十分となる。発光体の大
きさが小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよ
うに、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定
して表示画像を見ることを利用している。通常の直視液
晶表示パネルでは一定の視野角が必要であるが、ビュー
ファインダは所定方向から表示画像を良好に観察できれ
ば用途として十分である。なお、本発明のビューファイ
ンダとビデオカメラとも取り付け金具2188でビデオ
カメラに(図示せず)固定される。 (0775)接眼リング2183のボデー2186への
挿入度合いを調整することにより、観察者の視力に合わ
せてピント調整を行うことができる。なお、接眼ゴム2
187により観察者の眼の位置が固定されるので、ビュ
ーファインダの使用中に視点位置がずれることはほとん
どない。視点が固定されておれば、液晶表示パネル22
への光の指向性が狭くても観察者は良好な画像を見るこ
とができる。さらに良好に見えるようにするには、光源
(発光素子)2181からの光の放射方向を最適な方向
に移動させればよい。 (0776)図220は本発明のビューファインダに用
いる光源(発光素子)2181の一実施例としての蛍光
発光管の断面図である。図220に示すように、蛍光発
光管は外観としては豆電球状の形状である。2201は
ガラスからなるケースであり、直径は2.4mm〜10
mmである。2203はフィラメントである。直流4V
〜8V程度の電圧を印加することによりフィラメント2
203は加熱される。2204はアノードであり、印加
電圧は直流15〜25V程度である。アノード電圧によ
り、フィラメント2203の加熱により放出された電子
は加速される。ケース2201内には水銀分子(図示せ
ず)が封入されており、前記加速された電子は水銀分子
と衝突する事により紫外線を放出する。この紫外線が蛍
光体2202を励起し可視光が発生する。このような光
源(発光素子)2181としてミニパイロ電機社製の蛍
光発光管(ルナライト05シリーズ)がある。あるいは
東北電子(株)の直径2.4mmのものがある。 (0777)駆動はパルス駆動を行うことにより、放射
する光量を調整できる。パルスの周波数は、30ヘルツ
以上とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノード
に2204印加する電圧をパルス信号とすることによ
り、パルス幅に比例して放射光量を可変できる。 (0778)なお、図220(b)で示すように、ケー
ス2201上に遮光膜2205を形成し、発光素子21
81からでる光の放射面積が小さくなる。したがって、
図219に示すようなアパーチャ(遮光板)2182は
必要でなくなる。 (0779)図220のランプ2181熱陰極発光管で
ある。そのため、外部温度が低いと発光輝度が低下す
る。その対策のため図221に示すようにケース220
1は内ケース2201a外ケース2201bの2層とす
ることが好ましい。内ケース2201aと外ケース22
01b間は空気層もくしは真空にする。ランプは基板2
211にゴム性の接続コネクタ2212を介して取り付
けられる。接続コネクタ2212は基板2212の穴に
挿入され固定され、またランプの端子はハンダ付けされ
る。 (0780)以上のように、本発明のビューファインダ
は光源(発光素子)2181の小さな発光体から広い立
体角に放射される光を、集光レンズ2183により効率
良く集光するので、蛍光管を用いた面光源のバックライ
トを用いる場合に比較して、光源の消費電力を大幅に低
減することができる。 (0781)図219は本発明の表示パネル22をビュ
ーファインダに適用した例であるが、図225のように
ビデオモニターとしても適用できる。図225はビデオ
モニターの断面図である。 (0782)光源(発光ランプ)2181から出射され
た光は、アバーチャ2182の穴から出射され、ミラー
1552で反射されて光路を折り曲げられる。ミラー1
552で反射させるのはビデオモニターの奥ゆきを短く
するためである。反射した光は集光レンズであるフレネ
ルレンズ2183に入射し、略平行光に変換される。前
記変換された光は表示パネル22に入射し、前記表示パ
ネル22は映像信号にもとづいて入射光を変調する。表
示パネル22には透明基板1311を取りつけ2次散乱
光の発生を防止して表示コントラストを向上させてい
る。 (0783)本発明の表示パネルは直視型の表示装置に
も適用できる。図226はその構成図である。棒状の蛍
光管2262から放射された白色光は反射シート226
3で反射され、または直接に導光板2261に入射す
る。反射シート2263としてはポリエステルフィルム
に銀を蒸着したもの等が例示される。また、導光板22
61の厚みd2と 蛍光管2262の直径d1とはd2>2
d1かつ3d2<4d1の関係を満足させる。前記範囲で
導光板2261へ入射する光量が多くなり、光利用率が
高くなる。 (0784)導光板2261の表面には拡散点が形成さ
れ、拡散点に入射した光は導光板2261から出射す
る。導光板2261上にはプリズムシート1061が1
枚もしくは2枚配置されている。プリズムシート106
1は狭指向性の光に変換する機能を有する。 (0785)表示パネル22の入射面と出射面には偏光
板131aと131bが配置されているの前記偏光板1
31は直交ニコルに配置される。つまり偏光板131a
の偏光軸132aと偏光板131bの偏光軸132bと
は直交するように配置される。表示パネル22はPD液
晶を用いておりノーマリホワイトモードで画像を表示す
る。 (0786)次に、動画表示時、液晶表示パネル等の表
示画像がボヤけるということについて説明をする。 (0787)液晶プロジェクタの表示画像を低下させる
原因に動画表示時に画面がぼやけるという現象がある。
この原因として 1.液晶の応答時間が遅い 2.画素に電荷を1フィールド(1フレーム)期間の
間、保持しているというメモリ性が考えられる。 (0788)1の液晶の応答時間はTN液晶およびPD
液晶の立ち上がり時間+立ち下がり時間は30msec
程度(パネル温度30℃以上時)であり、1フレームが
1/60=16msecとすれば十分追従しているはず
である。問題は2である。CRTは電子ビームで書き込
み、ピーク輝度を高くし、あとは残存時間で表示する。
そのため白黒表示がはっきりとし、応答性もよく、高画
質表示までも何ら問題はない。液晶表示パネルは1フレ
ーム期間の間ずっと一定の輝度を保持し、平均輝度で画
像を表示する。そのため動画時に応答時間が遅く感じら
れる。 (0789)図216のブロック図は動画表示等の応答
時間を改善する回路の説明図である。概念的には第1の
画像と第2の画像の表示期間との間に黒の画面を表示す
る。表示方法の概念を図215に示す。なお、説明を容
易にするため、画面に“F”という文字を表示するとし
たが、実際は自然画等が表示される。 (0790)まず、図215(a)に示すように画面の
上から順次画像“F”を表示していく。図215(b)
は画像“F”の表示を終了したところを示している。次
に図215(c)に示すように画面(表示領域、又は表
示画像)1631の上から順次黒表示を行う。黒表示を
終了したところを図215(d)に示す。つまり、画像
表示(自然画等)と黒表示とを交互に行う。なお、液晶
表示パネル22の駆動方法は1H反転駆動もしくは1カ
ラム反転駆動がクロストーク等が発生せず良好である。 (0791)画像表示を行う期間Aと、黒表示を行う期
間Bは1:1にすることが回路構成が簡易になり、Xお
よびYドライバ回路の設計も容易である。つまり1度メ
モリに保持させた映像信号を倍速読み出しして、液晶表
示パネル22に順次書き込んでいけばよい。ただし、
1:1に限定するものではなし、当然のことながら黒表
示期間Bを短くしてもよい。また黒表示期間は表示パネ
ル22に黒表示を行うとしたがこれに限定するものでは
なく、ダークレベル(灰色あるいは中間調)でもよい
し、また、白表示でもよい。(以後、ラスター表示と呼
ぶ)また輝度を低減した自然画等を表示してもよい。 (0792)図216に示すように映像信号SIGはA
/D変換回路2161でデジタルデータに変換され、F
メモリ(フィールドメモリ又はフレームメモリ)216
2の記憶手段に保持される。一方、ラスター表示設定回
路2163では黒表示期間Bの表示輝度レベルを設定す
る回路である。ラスター表示設定回路2163は場合に
よっては自然画等を出力する場合もある。倍速読み出し
回路2164は第1のフレーム(フィールド)の前半で
(画像表示期間A)Fメモリ2162からデータを読み
だし、倍速で表示パネル22に画像を書き込む。また第
1のフレームの後半(黒表示期間B)でラスター表示設
定回路の設定値にもとづき、ラスター表示を表示パネル
22に対して行う。 (0793)図215では自然画表示と黒表示を交互に
行うとしたが、図217に示すように1本ずつまたは、
複数の水平ライン(以後、この1本または複数の水平ラ
インの組を表示ライン組と呼ぶ)を組みとして自然画表
示と黒表示を行ってもよい。たとえば図217(a)で
は画面の上から表示ライン組ずつ自然画を表示し、また
斜線で示す表示ライン組(これを黒ライン組と呼ぶ)に
黒表示しラスター表示等)を行う。図217(b)は一
画面が書き込みが終了したところを示している。次の図
217(c)では画面の上からは黒ライン組を書き込
み、つぎに表示ライン組に自然画を書き込む。この動作
を順次行っていき図217(d)で一画面の書き込みを
終了する。 (0794)以上の図217に示す駆動方法でも自然画
の次のフレーム(フィールド)では黒表示(ラスター表
示)されることになり、動画像の応答性は改善される。
得にNTSC等のインタレース(飛び越し走査)表示で
は表示ライン組を1本の水平ラインとすれば、図217
の駆動方法を容易に実現できる。つまり、インタレース
で送られてきた信号を倍速で表示パネルに書き込み、自
然画表示の次のラインは黒表示を書き込む。この動作を
くりかえしていけばよい。 (0795)なお、図215から図217に示す駆動方
法および駆動回路は液晶表示パネル22を対象として説
明をしてきた。しかし、これに限定されるものではなく
すべてのドットマトリックス型表示パネルに適用される
ものである。ドットマトリックスパネルは画素の輝度を
一定期間(フレームあるいはフィールド期間)保持す
る。この保持には液晶表示パネル22のように一定状態
で保持するものが当然に含まれる。他にパルス変調(P
WM変調等)も1フレームもしくは1フィールドを平均
して画素に一定輝度保持するものと本発明の技術的範囲
に含まれると考えることができる。なぜならば、パルス
の組み合わせで一定の表示を行うからであり、CRTの
1つのピーク輝度で表示を行うものとは異なるからであ
る。パルス駆動(PWM変調等)により1フレーム間で
所定の輝度を表示するから、画素に電荷を保持している
ものと考えられる。 (0796)したがって本発明の駆動方法は、プラズマ
ディスプレイ(PDP)、TI社が開発した反射型のデ
ィジタルマイクロミラーデバイス(DMD,DLP)も
当然技術的に適用可能である。他に有機ELディスプレ
イ、LEDディスプレイ、無機ELディスプレイ、蛍光
発光管、FEDも含まれる。これらのドットマトリック
スはすべては(つまり電子銃を用いるCRT方式以外
は)本発明の駆動方式を適用すれば動画の応答性等に効
果がある。さらには、松下電器産業が開発したフラット
CRT(CFP)も本発明の技術を適用することができ
る。 (0797)また図210に示す構成によっても動画ボ
ケを改善できる。2101はドラム(円筒)状の物体で
あり、前記ドラム2101内に表示パネル22が配置さ
れている。ドラム2101は回転中心点2023を中心
として矢印方向に回転する。ドラム2101は遮光部2
102と光透過部2103とが交互に形成されている。
入射した光は光軸1416を進み、表示パネル22で変
調されて投射レンズ1415で投射される。レンズ14
13は表示パネル22の表示画像がスクリーンに結像す
るように配置される。 (0798)ドラム2101を投射レンズ1415側か
らみると図211のようになる。ドラム2101が回転
するにつれて、ドラム2101の遮光部2102が表示
画像(画面)1631を遮光していく、図211(a)
は表示画像1631の上部だけ遮光したところを示し、
図211(b)は画面1631のほとんどを遮光したと
ころを示す。 (0799)図212を用いてさらに詳しく説明する。
簡単のために画像は第1フレームで“F”という文字を
表示し、次のフレームで“A”という文字を表示すると
する。まず図212(a)で完全に“F”という文字が
表示され投射レンズ1415でスクリーンに投射されて
いるとする。つまりドラム2101の透過部2103を
光が通過しているとする。ドラム2101が回転するに
つれ図212(b)に示すように画面1631の上部よ
り遮光部2102により遮光されていく。この時、表示
パネル22には画面上部から“A”の文字を書き込んで
いく。つまり、遮光部2102の進行速度に同期して次
のフレームを表示パネルに表示していくのである。図2
12(d)の状態では遮光部2102で完全に遮光され
るとともに“A”の文字が表示されている。次に遮光部
2102が回転するとともに画面上部から“A”の文字
が表示されていく。 (0800)以上のことから遮光部2102と透過部2
103の組で1フレーム(フィールド)を表示する。し
たがって、遮光部2102を透過部2103の面積が同
一であれば1フィールドの1/2の時間だけ画像が表示
されることになる。なお、遮光部2102と透過部21
03の面積比率は1:1である必要はない。遮光部の面
積が小さくなるほど投射画像の輝度は高くなる。しか
し、動画ボケは改善されにくくなる。 (0801)図212のスクリーン上の点Bの明るさ
は、図213の点線となる。つまり遮光部で暗くなり、
透過部で明るくなる。つまり明−暗−明−暗をくりかえ
する。もし、ドラム2101がなければ実線となる。 (0802)以上のように明暗をくりかえすことによ
り、CRTでのピーク輝度表示を疑似的に表現できるよ
うになり、動画ボケが改善されると考えられる。 (0803)本実施例も図216の実施例と同様に他の
表示パネルに適用できることは言うまでもない。 (0804)画面の上部から画像を順次遮光し、また上
部から順次表示する方法は図214に示す表示パネルで
実現できる。 (0805)図214の表示パネルは液晶層21aと2
1bで構成されており、液晶層21aは画素電極14と
対向電極間に狭持されている。また液晶層21bは対向
電極とストライプ状電極421間に狭持されている。ス
トライプ状電極421は画素電極14の一行ごとに対応
している。液晶層21aはアクティブマトリックス駆動
により自然画を表示する。一方液晶層21bは単純マト
リックス駆動を行う。ストライプ状電極421に電圧が
印加されるとPD液晶層21は光透過状態となり、電圧
が無印加だと散乱状態となり黒表示となる。液晶層21
aの画像を表示するときは液晶層21bは透過状態とす
る。ストライプ状電極421を走査していくことで図2
12に示す画像表示を行えることは明らかである。した
がって動画ボケを改善できる。 (0806)図214では一枚の液晶パネルに遮光動作
を行う液晶層21bと画像表示を行う液晶層21aとを
形成したが、遮光動作を行う液晶層21を有する表示パ
ネル22aと画像表示を行う液晶層21を有する表示パ
ネル22bとを作製し、2枚の表示パネル22a,22
bをはりあわせる、あるいは近接して配置することによ
り図212の画像表示を実現できる。 (0807)図214はPD液晶層21bと他の液晶層
21a(たとえば、TN液晶層。なお、PD液晶でもよ
い)の複数の液晶層21を有する液晶を有する表示パネ
ル22である。この表示パネルはライトバルブとして用
いることが有効であるが、これに限定されず、直視表示
パネルとしても用いることができる。 (0808)図214の表示パネル22はアクティブマ
トリックス型の表示パネル(液晶層は21a)と単純マ
トリックス型の表示パネル(液層層は21b)の2つの
液晶層を有する表示パネルである。単純マトリックスと
は、ストライプ状の電極を具備する表示パネル、8セグ
メントなどの数字○×などの単純は記号などを表示する
表示パネルを意味する。 (0809)また、図214では液晶層21aと液晶層
21b間は対向電極25のみしか形成されていないが、
これに限定するものではなく、ガラスもしくは樹脂で形
成された基板に対向電極25が形成されたものでもよ
い。つまり、アレイ基板11と対向電極が形成された基
板25と基板12との間に液晶層21aと液晶層21b
が配置されたものが本発明の表示パネルである。 (0810)液晶層21aはマトリックス状に配置され
た画素に電圧が印加され、画像を表示する。液晶層21
bは数字もしくは記号などが表示される。前記数字など
は散乱状態の時は白色に表示される。また、電圧が印加
されると透明になり下の液晶層21aの画像が直接見え
るようになる。つまり、図214の表示パネルは2つの
液晶層の画像を重ね合わせてみることができる。たとえ
ば、液晶層21aに表示されたテレビ動画画像を、液晶
層21bでスモーク(もや)をかけたり、8セグメント
を使用して時刻を白色(もちろん着色してもよい)で表
示したりできる。また、表示の一部にモザイク表示を行
うことができる。 (0811)図120、図215、図217および図2
16などの駆動方法などは、当然のことながら、本発明
の投射型表示装置、直視表示パネル(装置)、ビューフ
ァインダに適用できる。適用することにより、動画応答
性などが改善され、高品位の画像表示を行うことができ
る。 (0812)以上のように、本明細書に記載の事項は相
互に適用される。たとえば図1と図15の表示パネルの
組み合わせ、図1に図112の構成を適用すること、図
74、図76の製造方法を図1、図15などの表示パネ
ルの製造方法として適用すること、本発明の表示パネル
を本発明の投射型表示装置に適用すること、図124、
図125および図126などで説明したドライバ回路を
図1、図15、図27、図28などの表示パネルに適用
すること、図13の偏光板の配置に関する事項を図15
3、図164、図219、図226の表示装置などに適
用すること、本発明の表示パネルを図226などの表示
装置に用いること、本発明の表示パネルをビューファイ
ンダに適用することなどである。 (0813)図84(d)において、光散乱層841に
は塗料、色素、染料などの黒色あるいは光を吸収させる
材料を含有させてもよい。これらを含有させることによ
り、表示画像の黒がしずみ高品位表示をなる。 (0814)また、含有させるのではなく、これらの塗
料、色素、染料などを基板642あるいは基板12の表
面に塗布もしくは蒸着してもよい。六価クロムなどの酸
化クロムを蒸着する構成もこのましい。また、基板表面
に科学的処理を行い表面に凹凸を形成してもよい。これ
らの構成も視野角を拡大し、表示画像の黒表示をより黒
くでき、高品位表示を実現できる。 (0815)同様に、図82に示す凹凸膜821、図1
12に示す透明樹脂膜962などにチタン等の微粉末を
含有させること、上記染料、色素を含有させることも同
様の効果等が得られる。 (0816)また、図68、図69などに示すマイクロ
レンズ641、プリズム671もしくは光結合剤691
に染料、色素などで着色することにより混合溶液315
に照射する光の帯域を制限することができ、相分離を良
好にすることができる。 (0817)図96、図100、図101などのマイク
ロレンズアレイにおいて、透明樹脂膜962はポリビニ
ールアルコール(PVA)を用いてもよい。また、熱硬
化型のエポキシ樹脂、2液硬化型の樹脂(主剤、硬化開
始剤)の樹脂、シリコン樹脂などを用いてもよい。これ
らのうち光透過性が高く、硬化時に収縮率が比較的大き
いものを用いる。 (0818)なお、マイクロレンズ(たとえば図95)
基板642は、表示パネルの光出射側に配置してもよ
い。 (0819)図105、図106に示すフレネルレンズ
641c,641、プリズムシート1061は、複数の
画素に対し1つのフレネルレンズ641c,641など
を配置してもよい。さらに視野角の改善であれば、表示
パネル22の表示領域全体に1つのフレネルレンズ64
1c,641を配置してもよい。表示パネルへの入射光
の方向と観察者の目の位置とを適切に一致させることに
より、表示パネル22の表示画像を良好に観察すること
ができる。尚、マイクロレンズ基板642とフレネルレ
ンズ641c,641は、形状は異なるが、同一の機能
を有するものである。 (0820)また、図106、図108に示すフレネル
レンズ641c,641、プリズムシート1061など
は、平面側を表示パネルの方に向けることが好ましい。
前記レンズなどに入射する光の反射率が低減し、光の乱
反射が抑制されて高品位表示を実現できる。また、前記
基板642、マイクロレンズ、プリズムなどの表面には
反射防止膜を形成しておくことが好ましい。 (0821)反射防止膜は、平均粒径が5から200n
mの範囲の含フッ素重合体の微粒子を積層し、微粒子間
にミクロボイドを形成してなる低屈折層を含むものが例
示され、また、屈折率が1.35から1.45の光硬化
樹脂が例示される。また、誘電体多層膜で形成してもよ
い。 (0822)また、本発明の透過型表示パネル、反射型
表示パネルの液晶層21として、主としてPD液晶を用
いると説明してきたが、これに限定するものではなく、
STN液晶、TN液晶、ゲストホスト液晶、強誘電液
晶、ホメオトロピック液晶、日立製作所などが試作した
櫛電極構成を持ち水平方向で液晶分子の配向角度を変化
させて光変調する液晶、ソニーが試作したプラズマアド
レス液晶でもよい。また、表示パネルの構成によって
は、有機EL表示パネル、無機EL表示パネル、プラズ
マ表示パネル、LED表示パネルにも適用できる。投射
型表示装置、ビューファインダ、直視表示装置、製造方
法、駆動方法、駆動装置についても同様である。 (0823)フレネルレンズ(又は、マイクロレンズ)
641等は、凹レンズでも凸レンズでもよい。観察者の
見る位置に適合するように設定すればよい。また、図1
06のフレネルレンズ641等は、金属板を加工するこ
とにより、反射型のフレネルレンズに構成することもで
きる。 (0824)また、図95では、カラーフィルタ151
はマイクロレンズ641の出射側に配置したが、カラー
フィルタ151は入射側に配置してもよい。つまり、カ
ラーフィルタ151を出射した光がマイクロレンズ64
1を透過し、液晶表示パネルに入射する。マイクロレン
ズ641はかまぼこ型でもよいし、マイクロレンズ64
1に着色してカラーフィルタ151とマイクロレンズ6
41とを一体としてもよい。 (0825)尚、本明細書では、画素電極がない表示パ
ネルが存在することも考慮して、画素電極そのものを示
すところは、例えば、画素電極14と記載し、画素電極
のないタイプも含めた広義の意味での画素を示すところ
は、例えば、画素14として記載した。 (0826)以上述べたところから明らかなように本発
明は、表示コントラストなどを従来に比べてより一層向
上できると言う長所を有する。 (0827)また、本発明の表示パネルは液晶層を相分
離を行ってからカラーフィルタを形成するものであるの
でPD液晶層を最適な条件で相分離を行うことができ、
良好な表示コントラストを実現できる。またカラーフィ
ルタを画素電極14の下層に形成することにより対向電
極25側から紫外線を照射できPD液晶層を良好に相分
離できる。 (0828)また、画素電極14間に空間を形成するこ
とにより信号線15と画素電極14間の電磁結合を防止
でき画素電極周辺等の光ぬけが発生せず良好な表示コン
トラストを実現できる。 (0829)またマイクロレンズ、あるいはマスクを用
いてPD液晶層を相分離するため、R、G、Bの変調す
る光の波長に最適な平均径のPD液晶層を画素単位で形
成できる。 (0830)また、本発明の投射型表示装置は本発明の
表示パネルをライトバルブとして用いるため高い表示コ
ントラストを実現でき、また低温時液晶層を加温するし
くみを有するためヒステリシスの発生もない。また回転
フィルタを映像信号と周期をとって回転させることによ
り立体視(3D)を実現することができる。 (0831)
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、表示コントラストなどを従来に比べてより一層
向上できると言う長所を有する。 (0832)また、本発明の表示パネルは、良好な表示
コントラストを実現できるという長所を有する。又、P
D液晶層を良好に相分離できるという長所を有する。 (0833)また、本発明は、R、G、Bの変調する光
の波長に最適な平均径のPD液晶層を画素単位で形成で
きるという長所を有する。 (0834)また、本発明の投射型表示装置は、高い表
示コントラストを実現できるという長所を有する。ま
た、ヒステリシスの発生がないという長所を有する。ま
た、立体視(3D)を実現することができるという長所
を有する。更に、本発明は、高輝度表示を実現出来ると
いう長所を有する。
発明は、表示コントラストなどを従来に比べてより一層
向上できると言う長所を有する。 (0832)また、本発明の表示パネルは、良好な表示
コントラストを実現できるという長所を有する。又、P
D液晶層を良好に相分離できるという長所を有する。 (0833)また、本発明は、R、G、Bの変調する光
の波長に最適な平均径のPD液晶層を画素単位で形成で
きるという長所を有する。 (0834)また、本発明の投射型表示装置は、高い表
示コントラストを実現できるという長所を有する。ま
た、ヒステリシスの発生がないという長所を有する。ま
た、立体視(3D)を実現することができるという長所
を有する。更に、本発明は、高輝度表示を実現出来ると
いう長所を有する。
【図1】対向電極基板に横電界を発生させる配線を形成
した本発明の表示パネルの説明図である。
した本発明の表示パネルの説明図である。
【図2】高分子分散液晶表示パネルの動作原理の説明図
である。
である。
【図3】高分子分散液晶表示パネルの偏光依存性を説明
する説明図である。
する説明図である。
【図4】本発明の表示パネルの動作原理を説明するため
の説明図である。
の説明図である。
【図5】本発明の表示パネルの特性を説明するための説
明図である。
明図である。
【図6】本発明の表示パネルの動作を説明するための説
明図である。
明図である。
【図7】本発明の表示パネルの断面図である。
【図8】本発明の他の実施例における表示パネルの断面
図である。
図である。
【図9】本発明の他の実施例における表示パネルの動作
の説明図である。
の説明図である。
【図10】本発明の他の実施例における表示パネルの動
作の説明図である。
作の説明図である。
【図11】本発明の他の実施例における表示パネルの動
作の説明図である。
作の説明図である。
【図12】本発明の他の実施例における表示パネルの動
作の説明図である。
作の説明図である。
【図13】本発明の表示パネルの光入出射に偏光板を配
置した際の説明図である。
置した際の説明図である。
【図14】本発明の表示パネルの光入出射に偏光板を配
置した際の説明図である。
置した際の説明図である。
【図15】対向電極上にカラーフィルタを配置した本発
明の表示パネルの断面図である。
明の表示パネルの断面図である。
【図16】液晶層と接する面に絶縁膜を配置した本発明
の液晶表示パネルの断面図である。
の液晶表示パネルの断面図である。
【図17】2種類の粒子径の液晶層を形成した本発明の
表示パネルの断面図である。
表示パネルの断面図である。
【図18】図17に示す本発明の表示パネルの製造方法
の説明図である。
の説明図である。
【図19】本発明の他の実施例における表示パネルの断
面図である。
面図である。
【図20】画素電極下にカラーフィルタおよび遮光膜を
形成した本発明の表示パネルの断面図である。
形成した本発明の表示パネルの断面図である。
【図21】画素電極下に共通電極を形成した本発明の表
示パネルの断面図である。
示パネルの断面図である。
【図22】図21の表示パネルにおける反射防止構造の
説明図である。
説明図である。
【図23】本発明の表示パネルの特性を示す分光分布図
である。
である。
【図24】本発明の表示パネルの特性を示す分光分布図
である。
である。
【図25】本発明の表示パネルの特性を示す分光分布図
である。
である。
【図26】本発明の表示パネルの特性を示す分光分布図
である。
である。
【図27】本発明の他の実施例における表示パネルの断
面図である。
面図である。
【図28】高分子分散液晶表示パネルの製造方法等の説
明図である。
明図である。
【図29】高分子分散液晶表示パネルの製造方法等の説
明図である。
明図である。
【図30】高分子分散液晶表示パネルの構造の説明図で
ある。
ある。
【図31】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図32】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図33】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図34】図33で説明した製造方法において用いるマ
スクの説明図である。
スクの説明図である。
【図35】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図36】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図37】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図38】本発明の反射型の液晶表示パネルの断面図で
ある。
ある。
【図39】図37等に示す本発明の表示パネルの製造方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図40】本発明の液晶表示パネルの光変調層の構造の
説明図である。
説明図である。
【図41】本発明の液晶表示パネルの光変調層の構造の
説明図である。
説明図である。
【図42】本発明の液晶表示パネルの光変調層の構造の
説明図である。
説明図である。
【図43】本発明の液晶表示パネルの光変調層の構造の
説明図である。
説明図である。
【図44】本発明の液晶表示パネルの光変調層の構造の
説明図である。
説明図である。
【図45】本発明の液晶表示パネルの光変調層の構造の
説明図である。
説明図である。
【図46】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図47】図46に示す液晶表示パネルの説明図であ
る。
る。
【図48】図46に示す液晶表示パネルの説明図であ
る。
る。
【図49】図46に示す本発明の液晶表示パネルの等価
回路図である。
回路図である。
【図50】図46に示す本発明の液晶表示パネルの動作
の説明図である。
の説明図である。
【図51】図46に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図52】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図53】図52に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図54】ドライバ回路上に遮光膜を本発明の液晶表示
パネルの断面図である。
パネルの断面図である。
【図55】ドライバ回路上に光吸収層を形成した本発明
の液晶表示パネルの断面図である。
の液晶表示パネルの断面図である。
【図56】ドライバ回路上に光吸収層を形成した本発明
の液晶表示パネルの断面図である。
の液晶表示パネルの断面図である。
【図57】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図58】図57に示す本発明の液晶表示パネルの説明
図である。
図である。
【図59】図57に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図60】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図61】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図62】本発明の液晶表示パネルの断面図である。
【図63】図62に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図64】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の製造方法の説明図である。
の製造方法の説明図である。
【図65】図64における基板181の説明図である。
【図66】図64における基板181の説明図である。
【図67】図64における基板181の説明図である。
【図68】図64における基板181の説明図である。
【図69】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の製造方法の説明図である。
の製造方法の説明図である。
【図70】本発明の液晶表示パネルの断面図である。
【図71】図70における本発明の液晶表示パネルの動
作の説明図である。
作の説明図である。
【図72】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図73】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図74】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図75】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図76】本発明の液晶表示パネルの製造方法の説明図
である。
である。
【図77】本発明の液晶表示パネルの断面図である。
【図78】本発明の液晶表示パネルの断面図である。
【図79】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図80】図79の液晶表示パネルの遮光膜の説明図で
ある。
ある。
【図81】図79の表示パネルの断面図である。
【図82】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図83】図82に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図84】図82に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図85】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図86】本発明の他の実施例における反射型の液晶表
示パネルの断面図である。
示パネルの断面図である。
【図87】図86に示す本発明の液晶表示パネルの製造
方法の説明図である。
方法の説明図である。
【図88】本発明の他の実施例における反射型の液晶表
示パネルの断面図である。
示パネルの断面図である。
【図89】本発明の他の実施例における反射型の液晶表
示パネルの断面図である。
示パネルの断面図である。
【図90】本発明の液晶表示パネルの欠陥修正の説明図
である。
である。
【図91】本発明の液晶表示パネルの欠陥修正の説明図
である。
である。
【図92】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図93】本発明の液晶表示パネルの欠陥修正方法の説
明図である。
明図である。
【図94】本発明の液晶表示パネルの欠陥修正に用いる
マスクの説明図である。
マスクの説明図である。
【図95】本発明の他の実施例における液晶表示パネル
の断面図である。
の断面図である。
【図96】本発明のマイクロレンズアレイ基板の断面図
である。
である。
【図97】本発明のマイクロレンズアレイ基板の説明図
である。
である。
【図98】本発明のマイクロレンズアレイ基板を取り付
けた液晶表示パネルの断面図である。
けた液晶表示パネルの断面図である。
【図99】本発明のマイクロレンズアレイ基板の製造方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図100】本発明の他の実施例におけるマイクロレン
ズアレイ基板の断面図である。
ズアレイ基板の断面図である。
【図101】本発明の他の実施例におけるマイクロレン
ズアレイ基板の平面図および断面図である。
ズアレイ基板の平面図および断面図である。
【図102】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図103】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図104】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図105】図104におけるマイクロレンズ部の平面
図である。
図である。
【図106】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図107】プリズムシートの斜視図である。
【図108】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図109】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図110】図109の液晶表示パネルの平面図であ
る。
る。
【図111】図109の液晶表示パネルの平面図であ
る。
る。
【図112】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの一部断面図である。
ルの一部断面図である。
【図113】本発明の液晶表示パネルの特性を説明する
説明図である。
説明図である。
【図114】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの説明図である。
ルの説明図である。
【図115】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの斜視図である。
ルの斜視図である。
【図116】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図117】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの断面図である。
ルの断面図である。
【図118】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの動作を説明する説明図である。
ルの動作を説明する説明図である。
【図119】本発明の液晶表示パネルの駆動方法を説明
する等価回路図である。
する等価回路図である。
【図120】本発明の液晶表示パネルの駆動方法の説明
図である。
図である。
【図121】本発明の液晶表示パネルの駆動回路のブロ
ック図である。
ック図である。
【図122】本発明の液晶表示パネルの駆動方法を説明
する説明図である。
する説明図である。
【図123】本発明の液晶表示パネルの駆動方法を説明
する説明図である。
する説明図である。
【図124】本発明の表示パネルの駆動回路の等価回路
図である。
図である。
【図125】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図で
ある。
ある。
【図126】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図で
ある。
ある。
【図127】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図で
ある。
ある。
【図128】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図129】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図130】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図131】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図132】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図133】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図134】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図で
ある。
ある。
【図135】本発明の他の実施例における表示パネルの
駆動方法の説明図である。
駆動方法の説明図である。
【図136】本発明の他の実施例における表示パネルの
駆動方法の説明図である。
駆動方法の説明図である。
【図137】本発明の他の実施例における表示パネルの
駆動方法の説明図である。
駆動方法の説明図である。
【図138】本発明の他の実施例における表示パネルの
駆動方法の説明図である。
駆動方法の説明図である。
【図139】本発明の他の実施例における表示パネルの
駆動方法の説明図である。
駆動方法の説明図である。
【図140】本発明の他の実施例における表示パネルの
駆動方法の説明図である。
駆動方法の説明図である。
【図141】光発明の投射型表示装置の構成図である。
【図142】色純度向上フィルタ(光学フィルタ)の構
成図である。
成図である。
【図143】色純度向上フィルタ(光学フィルタ)の他
の実施例における構成図である。
の実施例における構成図である。
【図144】色純度向上フィルタ(光学フィルタ)の特
性図である。
性図である。
【図145】色純度向上フィルタ(光学フィルタ)の特
性図である。
性図である。
【図146】色純度向上フィルタ(光学フィルタ)の特
性図である。
性図である。
【図147】メタルハライドランプの分光分布特性図で
ある。
ある。
【図148】色純度向上フィルタ(光学フィルタ)を通
過する光の分光分布特性図である。
過する光の分光分布特性図である。
【図149】カラーフィルタを通過する光の分光分布特
性図である。
性図である。
【図150】X−Y色度図である。
【図151】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図152】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図153】本発明の携帯型液晶プロジェクタの構成図
である。
である。
【図154】図153の液晶プロジェクタを収縮させた
ときの構成図である。
ときの構成図である。
【図155】本発明のプロジェクションテレビの構成図
である。
である。
【図156】図155の光学ブロックの構成図である。
【図157】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図158】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図159】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図160】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図161】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図162】図161の投射型表示装置のダイクロイッ
クミラーの分光分布特性図である。
クミラーの分光分布特性図である。
【図163】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図164】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図165】本発明の液晶プロジェクタの冷却構造の説
明図である。
明図である。
【図166】本発明の液晶プロジェクタの冷却構造の説
明図である。
明図である。
【図167】本発明の他の実施例における液晶プロジェ
クタの冷却構造の説明図である。
クタの冷却構造の説明図である。
【図168】本発明の他の実施例における液晶プロジェ
クタの冷却構造の説明図である。
クタの冷却構造の説明図である。
【図169】本発明の液晶表示パネルの温度依存特性補
償方法の説明図である。
償方法の説明図である。
【図170】本発明の液晶表示パネルの温度依存特性補
償方法の説明図である。
償方法の説明図である。
【図171】本発明の液晶表示パネルの温度依存特性補
償方法の説明図である。
償方法の説明図である。
【図172】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの構成図である。
ルの構成図である。
【図173】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの構成図である。
ルの構成図である。
【図174】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの構成図である。
ルの構成図である。
【図175】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの構成図である。
ルの構成図である。
【図176】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの構成図である。
ルの構成図である。
【図177】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの構成図である。
ルの構成図である。
【図178】本発明の他の実施例における液晶表示パネ
ルの平面図である。
ルの平面図である。
【図179】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図180】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図181】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図182】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図183】図182に示す投射型表示装置のダイクロ
イックミラーの分光分布特性図である。
イックミラーの分光分布特性図である。
【図184】従来の投射型表示装置のダイクロイックミ
ラーの分光分布特性図である。
ラーの分光分布特性図である。
【図185】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図186】図185のダイクロイックプリズムの説明
図である。
図である。
【図187】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図188】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図189】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図190】図189の投射型表示装置に用いる光学部
品等の説明図である。
品等の説明図である。
【図191】図189の投射型表示装置に用いる光学部
品等の説明図である。
品等の説明図である。
【図192】図189の投射型表示装置に用いる光学部
品等の説明図である。
品等の説明図である。
【図193】図189の投射型表示装置に用いる光学部
品等の説明図である。
品等の説明図である。
【図194】図189の投射型表示装置に用いる光学部
品等の説明図である。
品等の説明図である。
【図195】本発明の液晶表示パネルの特性の説明図で
ある。
ある。
【図196】本発明の投射型表示装置のパネルサイズ・
ランプアーク長とFナンバーとの関係の説明図である。
ランプアーク長とFナンバーとの関係の説明図である。
【図197】本発明の投射型表示装置のパネルサイズ・
ランプアーク長と表示コントラストとの関係の説明図で
ある。
ランプアーク長と表示コントラストとの関係の説明図で
ある。
【図198】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図199】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図200】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図201】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の構成図である。
置の構成図である。
【図202】本発明の回転フィルタの説明図である。
【図203】本発明の回転フィルタの説明図である。
【図204】本発明の回転フィルタの説明図である。
【図205】本発明の回転フィルタの説明図である。
【図206】本発明の回転フィルタの説明図である。
【図207】本発明の他の実施例における回転フィルタ
の説明図である。
の説明図である。
【図208】本発明の他の実施例における回転フィルタ
の説明図である。
の説明図である。
【図209】本発明の立体表示装置の説明図である。
【図210】本発明の動画表示特性等を改善する投射型
表示装置の説明図である。
表示装置の説明図である。
【図211】本発明の動画表示特性等を改善する投射型
表示装置の説明図である。
表示装置の説明図である。
【図212】本発明の液晶表示パネルを駆動する駆動方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図213】本発明の液晶表示パネルを駆動する駆動方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図214】本発明の液晶表示パネルを駆動する駆動方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図215】本発明の液晶表示パネルを駆動する駆動方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図216】本発明の液晶表示パネルを駆動する駆動方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図217】本発明の液晶表示パネルを駆動する駆動方
法の説明図である。
法の説明図である。
【図218】本発明のビューファインダの外観図であ
る。
る。
【図219】本発明のビューファインダの構成図であ
る。
る。
【図220】ビューファインダに用いる発光ランプの構
成図である。
成図である。
【図221】本発明のビューファインダに用いる発光ラ
ンプの構成図である。
ンプの構成図である。
【図222】ビューファインダ等に用いる回転フィルタ
の説明図である。
の説明図である。
【図223】本発明のビューファインダの構成図であ
る。
る。
【図224】本発明のビューファインダの構成図であ
る。
る。
【図225】本発明の他の実施例におけるビューファイ
ンダの構成図である。
ンダの構成図である。
【図226】本発明の液晶表示装置の構成図である。
【図227】本発明の他の実施例における投射型表示装
置の説明図である。
置の説明図である。
【図228】本発明の表示装置のドライバ回路の説明図
である。
である。
11 対向基板 12 アレイ基板 14 画素電極 15 ソース信号線 16 低誘電体膜 17 横電界配線 18 遮光膜 19 電気力線 20 液晶分子 21 液晶層 22 液晶表示装置 23 水滴状液晶 24 樹脂 25 対向電極 41 信号源 71 絶縁膜 131 偏光板(偏光手段) 132 偏光軸 133 横電界発生方向 151 カラーフィルタ 152 樹脂遮光膜(ブラックマトリックス BM) 153 保護膜 154 絶縁膜 155 TFT 161 ビーズ 15 ソース信号線 181 マスク 182 離型フィルム(基板)または剥離フィルム 183 紫外線光 201 絶縁膜 202 遮光膜 211 AIRコート 212 共通電極 213 反射防止膜 214 平滑膜 221 誘電体薄膜 291 レーザ光 301 樹脂粒子(樹脂成分密集部) 302 液晶成分(液晶過多部) 311 光照射手段 312 圧延ローラ 313 供給ローラ 314 巻き取りローラ 315 混合溶液 331 フィルタ 291 レーザ光(光線) 341 開口部 351 基板 352 不活性ガス層 361 封止樹脂 371 接着層 381 光吸収層 382 接続部 14a 反射電極(反射型画素) 471 金属配線 472 ゲート信号線 491、492、541 ドライバ回路(ドライブI
C) 542 遮光膜 571 空間(光変調層がない箇所) 19 電気力線 231 遮光パターン 641 マイクロレンズ(光屈曲手段) 671 プリズム 691 光結合剤(オプティカルカップリング層) 711 凹レンズ 731 レンズ 732 供給管 733 排出管 734 拡散板 735 光結合液 736 シールゴム(緩衝物) 737 反射板(反射シート) 738 ヒーター台(積載台) 739 ヒーター 741 赤外線反射膜 742 紫外線反射膜 743 透明基板 744 赤外線光 745 温度センサ 761 支え 762 ケース 791 遮光膜(BM) 792 反射膜(反射手段) 811 絶縁薄膜 812 誘電体膜 821 凹凸膜 822 エンボス加工シート 831 光硬化樹脂 841 光散乱層 861 緩衝層 14b 反射電極(画素) 891 誘電体ミラー 892 透明電極(ITO) 901 レーザトリミング装置 902 赤外線カメラ 921 放熱板 922 接着剤 901a レーザ光発生装置 901b ミラー 901c 集光レンズ 911 XYステージ 912 レーザ光 961 凸部(突部) 962 透明樹脂膜 991 透明薄膜 992 金属薄膜 1061 プリズムシート 1062 フレネルレンズシート 1091 導光板 1092 反射膜 1093 接着層 1094 開口部 1095 入射光(出射光) 1121 反射体 1131 透明基板 1132 光吸収膜 1133 散乱光 1131a,1131b レンズ(透明基板) 1161 ケース 1162 つめ 1171 ふた 1172 エチレングリコール(オプティカルカップリ
ング液) 1191 OR回路 1192 スイッチ回路 1193 信号線コンデンサ 1194 付加コンデンサ 1211 A/D 1212 ラインメモリ 1213 演算回路 1214 D/A 1251 インバータ 1281 信号源 1282 映像信号回路 1291 画素 1311 表示画面 1341 アナログスイッチ 1361 走査方向 1411 光源 1411a ランプ 1411b 凹面鏡 1411c UVIRカットフィルタ 1412 色フィルタ 1413 レンズ 1414 回転フィルタ(色分離フィルタ) 1415 投射レンズ 1416 光軸 1422、1423、1432、1433 誘電体多層
膜 1424、1425、1434、1435 誘電体薄膜 1501 スクリーン 1531 位置調整具 1532 ランプ電源 1533 操作ボタン 1534 冷却ファン 1535 筐体 1536 レンズ駆動部 1537 取り付け部 1538 パネル用信号発生源 1551 光学系ブロック 1552 ミラー 1581 偏光ビームスプリッタ(偏光分離手段 PB
S) 1582 光分離面 1591 ダイクロイックプリズム(色分離手段) 1592 レンズ板 1593 レンズ 1594 帯域カットフィルタ(帯域カットミラー) 1611 ダイクロイックミラー 1631 表示領域 1651 ケース 1652 ペルチェ素子(電子冷却素子) 1681 窒素ガス(不活性ガス) 1682 冷却液 1683 封じ液 1691 電流源 1692 スイッチ 1693 配線 1694 接続点 1701 紫外線カットフィルタ(紫外線吸収フィル
タ) 1702 赤外線カットフィルタ(赤外線吸収フィル
タ) 1703 赤外線吸収フィルタ(赤外線カットフィル
タ) 1711 モータ 1712 ダンパ(緩衝部材) 1741 λ/2板 1742 偏光板(偏光手段) 1751 フィルタ 1752 反射プリズム 1761 リレーレンズ 1762 アパーチャ 1771 フィールドレンズ 1801 分離壁 1811 光線 1861 光入射面 1871 レンズ 1891a 後群レンズ 1891b 前群レンズ 1892 発光体 1893 実像 1894 入力部レンズアレイ 1895 中央部レンズアレイ 1896 絞り(照明光側) 1897 出口部レンズ 1898 絞り(投射レンズ側) 1899 入力部レンズ 1900 中央部レンズ 1901 2次発光体 2011 プリズム(CCDプリズム) 2021 回転中心 2022 投射光の通過領域 2031 偏光スクリーン 2072 補正フィルタ(色フィルタ) 2081 遮光膜 2082 透明基板 2091 偏光メガネ 2101 ドラム(回転体) 2102 遮光部 2103 透過部 2161 A/D変換回路 2162 F(フィールド、フレーム)メモリ 2163 ラスター設定回路 2164 倍速読み出し回路 2165 信号分割回路 2181 発光ランプ 2182 アパーチャ 2183 集光レンズ 2184 接眼リング 2185 接眼レンズ 2186 ボディ 2187 接眼ゴム 2188 取り付け金具 2189 穴 2201 ケース 2202 蛍光体 2203 フィラメント 2204 アノード 2205 遮光膜 2211 回路基板 2212 接続コネクタ 2213 はんだ 2231 観察者の目 2241 面光源 2261 導光板 2262 蛍光管 2263 反射シート 2231 単純マトリックスパネル
C) 542 遮光膜 571 空間(光変調層がない箇所) 19 電気力線 231 遮光パターン 641 マイクロレンズ(光屈曲手段) 671 プリズム 691 光結合剤(オプティカルカップリング層) 711 凹レンズ 731 レンズ 732 供給管 733 排出管 734 拡散板 735 光結合液 736 シールゴム(緩衝物) 737 反射板(反射シート) 738 ヒーター台(積載台) 739 ヒーター 741 赤外線反射膜 742 紫外線反射膜 743 透明基板 744 赤外線光 745 温度センサ 761 支え 762 ケース 791 遮光膜(BM) 792 反射膜(反射手段) 811 絶縁薄膜 812 誘電体膜 821 凹凸膜 822 エンボス加工シート 831 光硬化樹脂 841 光散乱層 861 緩衝層 14b 反射電極(画素) 891 誘電体ミラー 892 透明電極(ITO) 901 レーザトリミング装置 902 赤外線カメラ 921 放熱板 922 接着剤 901a レーザ光発生装置 901b ミラー 901c 集光レンズ 911 XYステージ 912 レーザ光 961 凸部(突部) 962 透明樹脂膜 991 透明薄膜 992 金属薄膜 1061 プリズムシート 1062 フレネルレンズシート 1091 導光板 1092 反射膜 1093 接着層 1094 開口部 1095 入射光(出射光) 1121 反射体 1131 透明基板 1132 光吸収膜 1133 散乱光 1131a,1131b レンズ(透明基板) 1161 ケース 1162 つめ 1171 ふた 1172 エチレングリコール(オプティカルカップリ
ング液) 1191 OR回路 1192 スイッチ回路 1193 信号線コンデンサ 1194 付加コンデンサ 1211 A/D 1212 ラインメモリ 1213 演算回路 1214 D/A 1251 インバータ 1281 信号源 1282 映像信号回路 1291 画素 1311 表示画面 1341 アナログスイッチ 1361 走査方向 1411 光源 1411a ランプ 1411b 凹面鏡 1411c UVIRカットフィルタ 1412 色フィルタ 1413 レンズ 1414 回転フィルタ(色分離フィルタ) 1415 投射レンズ 1416 光軸 1422、1423、1432、1433 誘電体多層
膜 1424、1425、1434、1435 誘電体薄膜 1501 スクリーン 1531 位置調整具 1532 ランプ電源 1533 操作ボタン 1534 冷却ファン 1535 筐体 1536 レンズ駆動部 1537 取り付け部 1538 パネル用信号発生源 1551 光学系ブロック 1552 ミラー 1581 偏光ビームスプリッタ(偏光分離手段 PB
S) 1582 光分離面 1591 ダイクロイックプリズム(色分離手段) 1592 レンズ板 1593 レンズ 1594 帯域カットフィルタ(帯域カットミラー) 1611 ダイクロイックミラー 1631 表示領域 1651 ケース 1652 ペルチェ素子(電子冷却素子) 1681 窒素ガス(不活性ガス) 1682 冷却液 1683 封じ液 1691 電流源 1692 スイッチ 1693 配線 1694 接続点 1701 紫外線カットフィルタ(紫外線吸収フィル
タ) 1702 赤外線カットフィルタ(赤外線吸収フィル
タ) 1703 赤外線吸収フィルタ(赤外線カットフィル
タ) 1711 モータ 1712 ダンパ(緩衝部材) 1741 λ/2板 1742 偏光板(偏光手段) 1751 フィルタ 1752 反射プリズム 1761 リレーレンズ 1762 アパーチャ 1771 フィールドレンズ 1801 分離壁 1811 光線 1861 光入射面 1871 レンズ 1891a 後群レンズ 1891b 前群レンズ 1892 発光体 1893 実像 1894 入力部レンズアレイ 1895 中央部レンズアレイ 1896 絞り(照明光側) 1897 出口部レンズ 1898 絞り(投射レンズ側) 1899 入力部レンズ 1900 中央部レンズ 1901 2次発光体 2011 プリズム(CCDプリズム) 2021 回転中心 2022 投射光の通過領域 2031 偏光スクリーン 2072 補正フィルタ(色フィルタ) 2081 遮光膜 2082 透明基板 2091 偏光メガネ 2101 ドラム(回転体) 2102 遮光部 2103 透過部 2161 A/D変換回路 2162 F(フィールド、フレーム)メモリ 2163 ラスター設定回路 2164 倍速読み出し回路 2165 信号分割回路 2181 発光ランプ 2182 アパーチャ 2183 集光レンズ 2184 接眼リング 2185 接眼レンズ 2186 ボディ 2187 接眼ゴム 2188 取り付け金具 2189 穴 2201 ケース 2202 蛍光体 2203 フィラメント 2204 アノード 2205 遮光膜 2211 回路基板 2212 接続コネクタ 2213 はんだ 2231 観察者の目 2241 面光源 2261 導光板 2262 蛍光管 2263 反射シート 2231 単純マトリックスパネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/35 302 G09F 9/35 302 G09G 3/36 G09G 3/36
Claims (76)
- 【請求項1】 第1の電極基板と、 第2の電極基板と、 前記第1の電極基板と第2の電極基板間に狭持されたP
D液晶層と、 前記第1の電極基板と第2の電極基板のうち少なくとも
一方に形成された複数の配線とを具備し、 同一基板上で隣接した前記配線間に電界を生じさせるこ
とにより、前記液晶層の液晶分子を配向させることを特
徴とする表示パネル。 - 【請求項2】 前記第1の電極基板には、マトリクス状
に配置された画素電極が形成されており、前記第2の電
極基板には対向電極が形成されている特徴とする請求項
1記載の表示パネル。 - 【請求項3】 表示パネルの光入射面と光出射面のうち
少なくとも一方に偏光手段が、配置または形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の表示パネル。 - 【請求項4】 マトリックス状に画素電極が形成された
第1の基板と、 対向電極と、 前記対向電極と画素電極間に挟持されたPD液晶層と、 前記対向電極上に形成されたカラーフィルタと、 前記カラーフィルタ上に形成または配置された保護層と
を具備することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項5】 マトリックス状に画素が形成された第1
の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板のうち少なくとも一方の基
板上で、且つその基板が空気と接する面に形成または配
置されたカラーフィルタとを具備し、 前記カラーフィルタが形成された基板の厚みをtとし、
前記画素の対角長をdとした時、以下の関係を満足する
ことを特徴とする表示パネル。 【数1】 - 【請求項6】 第1の透明基板と、 前記第1の透明基板上にマトリックス状に形成された画
素電極と、 前記画素電極に電圧を印加するスイッチング素子と、 前記スイッチング素子と前記第1の透明基板間に形成さ
れた遮光膜と、 前記画素電極と前記第1の透明基板間に形成されたカラ
ーフィルタと、 対向電極が形成された第2の透明基板と、 前記対向電極と画素電極間に挟持された液晶層とを具備
することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項7】 電極基板と離形フィルム間に、液晶成分
と樹脂成分とを混合させた混合溶液を挟持させ、押圧す
ることにより前記混合溶液を所定の膜厚にする第1の工
程と、 前記混合溶液に光を照射し、前記混合溶液の液晶成分と
樹脂成分とを相分離させる第2の工程と、 前記離形フィルムを剥離する第3の工程と、を備えたこ
とを特徴とする表示パネルの製造方法。 - 【請求項8】 第1の電極と第2の電極間にPD液晶が
挟持された第1の基板と、 カラーフィルタが形成された第2の基板とを備え、 前記第1の基板と第2の基板とが所定間隔あけて保持さ
れていることを特徴とする表示パネル。 - 【請求項9】 マトリックス状に形成された画素電極
と、 PD液晶層とを有する第1の基板と、 カラーフィルタが形成された第2の基板とを備え、 前記カラーフィルタとPD液晶層間が接着層で接着され
ていることを特徴とする表示パネル。 - 【請求項10】 第1の電極と、 第2の電極と、 マトリックス状に形成された画素電極と、 前記第1の電極と前記画素電極間に挟持されている第1
のPD液晶層と、 前記第2の電極と前記画素電極間に挟持されている第2
のPD液晶層と、を備えたことを特徴とする表示パネ
ル。 - 【請求項11】 マトリックス状に形成された画素電極
と、前記画素電極に電圧を印加するスイッチング素子
と、遮光膜と、透明材料によりストライプ状に形成され
た共通電極とを有する第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記対向電極と前記画素電極間に挟持された光変調層と
を具備し、 前記スイッチング素子に光が入射しないように前記遮光
膜が形成され、前記共通電極と前記画素電極を電極とし
てコンデンサが形成されていることを特徴とする表示パ
ネル。 - 【請求項12】 前記共通電極に積層して金属配線がス
トライプ状に形成されていることを特徴とする請求項1
1記載の表示パネル。 - 【請求項13】 前記光変調層は、PD液晶層であり、 前記PD液晶層の液晶成分はトラン系の液晶であり、
又、前記PD液晶層の樹脂成分には分岐系のモノマーを
含有していること特徴とする請求項11記載の表示パネ
ル。 - 【請求項14】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持された液晶層
と、 前記第2の基板に形成された遮光膜と、 ポリシリコン技術で前記画素電極と同時に前記第1の基
板に形成されたドライバ回路とを具備し、 前記遮光膜が前記ドライバ回路上を遮光するように配置
されていることを特徴とする表示パネル。 - 【請求項15】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持された液晶層
と、 ポリシリコン技術で前記画素電極と同時に前記第1の基
板に形成されたドライバ回路とを具備し、 前記ドライバ回路は遮光樹脂でモールドされていること
を特徴とする表示パネル。 - 【請求項16】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持されたPD液
晶層とを具備し、 隣接した前記画素電極間に空間が保持されていることを
特徴とする表示パネル。 - 【請求項17】 画素がマトリックス状に配置された第
1の基板と、第3の基板またはシートとの間に、未硬化
の樹脂成分と液晶成分とを混合させた混合溶液を狭持さ
せる第1の工程と、 周期的な屈折率分布を有する第4の基板を介して、前記
混合溶液に光を印加し前記混合溶液を相分離させて光変
調層を形成する第2の工程と、を備えたことを特徴とす
る表示パネルの製造方法。 - 【請求項18】 前記第4の基板はマイクロレンズアレ
イであり、前記マイクロレンズが前記画素位置に対応す
るように形成または配置されていることを特徴とする請
求項17記載の表示パネルの製造方法。 - 【請求項19】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持されたPD液
晶層とを具備し、 前記画素電極の中央部が、前記画素電極の周辺部よりも
樹脂成分が多いかもしくは樹脂成分のみで構成されてお
り、 前記画素電極の周辺部が、前記画素電極の中央部よりも
液晶成分が多いかもしくは液晶成分のみで構成されてこ
とを特徴とする表示パネル。 - 【請求項20】 前記表示パネルの光入射面と光出射面
のうち少なくとも一方に偏光板が配置されていることを
特徴とする請求項19記載の表示パネル。 - 【請求項21】 第1の電極基板と第2の電極基板間に
未硬化の樹脂成分と液晶成分と混合した混合溶液を狭持
させてセルを構成し、 前記セルと光散乱手段との間に、屈折率が1.35以上
1.6以下の液体またはゲルを供給し、 前記光散乱手段に紫外線光を照射することにより、前記
混合溶液の樹脂成分を硬化させることを特徴とするPD
液晶表示パネルの製造方法。 - 【請求項22】 第1の電極基板と第2の電極基板間に
未硬化の樹脂成分と液晶成分と混合した混合溶液を狭持
させてセルを構成し、 前記セルと光散乱手段との間に、屈折率が1.35以上
1.6以下の液体またはゲルを供給し、 赤外線光を前記セルに照射して前記セルを所定温度と
し、 次に、前記光散乱手段に紫外線光を照射することによ
り、前記混合溶液の樹脂成分を硬化させることを特徴と
するPD液晶表示パネルの製造方法。 - 【請求項23】 光散乱手段と、 屈折率が1.35以上1.6以下の液体またはゲルを供
給する供給手段と、 紫外線光発生手段と、 赤外線光発生手段と、 前記表示パネルと前記光散乱手段間を所定間隔で保持す
る保持手段とを具備し、 前記供給手段は、前記保持手段で所定間隔で保持された
前記液晶表示パネルと前記光散乱手段間に液体またはゲ
ルを充填し、 前記紫外線光発生手段は、前記光散乱手段を介して前記
液晶表示パネルの液晶層に光を照射し、 前記赤外線光発生手段は、前記積載手段を介して前記液
晶表示パネルの液晶層に光を照射することを特徴とする
PD液晶表示パネルの製造装置。 - 【請求項24】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極と、少なくとも第1の色と第2の色の2種類の
カラーフィルタとが形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持されたPD液
晶層と、 前記第1の色のカラーフィルタに対応する画素電極と前
記第1の基板との間に形成された透明薄膜層とを備え、 前記第1の色のカラーフィルタに対応する液晶層の膜厚
よりも前記第2の色のカラーフィルタに対応する液晶層
の膜厚の方が厚いことを特徴とする表示パネル。 - 【請求項25】 マトリックス状に形成された画素電極
と、少なくとも第1の色と第2の色の2種類のカラーフ
ィルタとが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持されたPD液晶層
と、 前記第1の色のカラーフィルタに対応する対向電極と第
2の基板との間に形成された透明薄膜層とを備え、 前記第1の色のカラーフィルタに対応する液晶層の膜厚
よりも第2の色のカラーフィルタに対応する液晶層の膜
厚の方が厚いことを特徴とする表示パネル。 - 【請求項26】 第1の電極基板と、 第2の電極基板と、 前記第1の電極基板と第2の電極基板間に挟持されたP
D液晶層と、 前記第2の電極基板の空気との界面に形成または配置さ
れた、反射機能を有する凹凸部と、を具備することを特
徴とする表示パネル。 - 【請求項27】 前記凹凸部は、樹脂から形成され、
又、前記凹凸部の高さは0.5μm以上3μm以下であ
り、 前記凹凸部上に反射膜が形成されていることを特徴とす
る請求項26記載の表示パネル。 - 【請求項28】 前記第1の電極基板上にエンボス加工
をおこなったシートまたは基板が配置または接着されて
いることを特徴とする請求項26記載の表示パネル。 - 【請求項29】 第1の電極基板と、 第2の電極基板と、 前記第1の電極基板と第2の電極基板間に挟持されたP
D液晶層と、 光反射機能を有する第3の基板またはシートと、 光散乱層とを具備し、 前記第3の基板または前記シートが、前記第2の電極基
板と前記光散乱層を介して配置されていることを特徴と
する表示パネル。 - 【請求項30】 前記光散乱層に光を入射し、前記光散
乱層に入射する微少領域の照度をE、前記光散乱層の法
線方向から測定した輝度をB、円周率をπとするとき、
以下の条件を満足することを特徴とする請求項29記載
の表示パネル。 【数2】 - 【請求項31】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持されたP
D液晶層とを具備し、 PD液晶層が電圧無印加状態の時、前記PD液晶層に光
を入射し、前記PD液晶層に入射する微少領域の照度を
E、表示パネルの出射側から前記PD液晶層の法線方向
から測定した輝度をB、円周率をπとするとき、以下の
条件を満足することを特徴とする表示パネル。 【数3】 - 【請求項32】 PD液晶の液晶成分はトラン系の液晶
であり、樹脂成分には分岐系のモノマーを含有し、液晶
成分の粘度C(CP)が次式を満足することを特徴とす
る請求項31記載の表示パネル。 【数4】 - 【請求項33】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 凹凸膜および前記凹凸膜上に形成された反射膜と、前記
反射膜上に形成されたカラーフィルタとを有する第2の
基板と、 前記第1の基板と第2の基板との間に挟持されたPD液
晶層を具備することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項34】 前記凹凸膜の高さは0.5μm以上2
μm以下であることを特徴とする請求項33記載の表示
パネル。 - 【請求項35】 表面に凹凸が形成された反射電極と、
前記反射電極の表面に形成されたカラーフィルタとを有
する第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持されたPD液晶層
を具備することを特徴とする反射型のPD液晶表示パネ
ル。 - 【請求項36】 前記凹凸の高さは0.5μm以上2μ
m以下であることを特徴とする請求項35記載の表示パ
ネル。 - 【請求項37】 マトリックス状に形成された画素電極
と、誘電体ミラーとが形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液
晶層とを具備し、 前記画素電極は透明電極であり、前記誘電体ミラーの下
または上に形成されていることを特徴とする表示パネ
ル。 - 【請求項38】 前記PD液晶表示パネルのPD液晶層
に光を照射することにより、液晶層を変質させることを
特徴とするPD液晶表示パネルの欠陥修正方法。 - 【請求項39】 前記光はレーザ光は、パルス状のレー
ザ光であることを特徴とする請求項38記載のPD液晶
表示パネルの欠陥修正方法。 - 【請求項40】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液
晶層と、 マイクロレンズがマトリックス状に形成された第3の基
板と、 前記第3の基板の表面に形成されたカラーフィルタとを
具備し、 前記液晶層に入射または出射する光が前記カラーフィル
タおよびマイクロレンズを透過するように配置されてい
ることを特徴とする表示パネル。 - 【請求項41】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に挟持された液晶層と、 少なくとも第1の色光を透過する第1のマイクロレンズ
と、第2の色光を透過する第2もマイクロレンズとがマ
トリックス状に配置された光屈曲手段とを具備し、 前記液晶層に入射または出射する光が前記マイクロレン
ズを透過するように前記光屈曲手段が配置されているこ
とを特徴とする表示パネル。 - 【請求項42】 前記液晶層はPD液晶層であり、 前記PD液晶層の液晶成分はトラン系の液晶であり、前
記液晶層の樹脂成分には分岐系のモノマーを含有し、液
晶成分の粘度Cが次式を満足することを特徴とする請求
項41記載の表示パネル。 【数5】 - 【請求項43】 基板上にマトリックス状に形成された
凸部と、 前記凸部を滑らかに被覆する透明樹脂膜とを具備するマ
イクロレンズアレイ。 - 【請求項44】 前記透明樹脂はアクリレート基を有す
る重合性化合物であることを特徴とする請求項43記載
のマイクロレンズアレイ。 - 【請求項45】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板との間に挟持された液晶層
と、 第3の基板上にマトリックス状に形成された凸部と、前
記凸部を滑らかに被覆する透明樹脂膜とを有するマイク
ロレンズアレイと、 を具備することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項46】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板との間に挟持されたPD液
晶層と、 フレネルレンズが形成された第3の基板とを具備し、 前記第3の基板が、前記第1の基板側と前記第2の基板
側のうち少なくとも一方に配置されていることを特徴と
する表示パネル。 - 【請求項47】 前記フレネルレンズの表面または裏面
で光を反射することを特徴とする請求項46記載の表示
パネル。 - 【請求項48】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された液
晶層と、 マトリックス状に光学的に貫通穴が形成された第3の基
板とを具備し、 前記貫通穴の第1の平面の穴面積が、他方の第2の平面
の穴面積よりも大きく、 前記第2の平面が前記液晶層
側を向くように、前記第3の基板は配置されていること
を特徴とする表示パネル。 - 【請求項49】 PD液晶表示パネルと、 前記PD液晶表示パネルに取り付けられたケースと、 前記ケース内に充填された液体またはゲルと、 前記ケースにおいて、画像表示に有効な光が通過する領
域以外の部分に形成又は配置された光吸収手段と、を備
えたことを特徴とする表示パネル。 - 【請求項50】 低温ポリシリコン技術で作製したアク
ティブマトリックス型表示パネルであって、 前記表示パネルのソース信号線に映像信号を印加するト
ランスファゲートを構成するPチャンネルトランジスタ
のゲート長をW(μm)、ゲート幅をL(μm)とし、
前記表示パネルの有効表示領域の対角長をD(インチ)
としたとき、次式を満足することを特徴とするアクティ
ブマトリックス型表示パネル。 【数6】 - 【請求項51】 低温ポリシリコン技術で作製したアク
ティブマトリックス型表示パネルであって、 前記表示パネルのソース信号線に映像信号を印加するト
ランスファゲートを構成するPチャンネルトランジスタ
のゲート長をW(μm)、ゲート幅をL(μm)とし、
前記Pチャンネルトランジスタのモビリティをμpと
し、前記表示パネルの有効表示領域の対角長をD(イン
チ)としたとき、次式を満足することを特徴とするアク
ティブマトリックス型表示パネル。 【数7】 - 【請求項52】 低温ポリシリコン技術で作製したアク
ティブマトリックス型表示パネルであって、 前記表示パネルのソースドライバ回路のシフトレジスタ
からソース信号線に映像信号を印加するトランスファゲ
ート間に複数のインバータ回路が接続されており、 前記任意のインバータ回路を構成するPチャンネルトラ
ンジスタのゲート長をWp(μm)、ゲート幅をLp(μ
m)とし、前記インバータ回路を構成するNチャンネル
トランジスタのゲート長をWs(μm)、ゲート幅をLs
(μm)としたとき、次式を満足することを特徴とする
アクティブマトリックス型表示パネル。 【数8】 - 【請求項53】 低温ポリシリコン技術で作製したアク
ティブマトリックス型表示パネルであって、 前記表示パネルのソースドライバ回路のシフトレジスタ
からソース信号線に映像信号を印加するトランスファゲ
ート間に複数のインバータ回路が接続されており、 前記第1のインバータ回路を構成するPチャンネルトラ
ンジスタのゲート長をWn(μm)、ゲート幅をLn(μ
m)とし、前記第1のインバータ回路の前段のインバー
タ回路を構成するPチャンネルトランジスタのゲート長
をWn-1(μm)、ゲート幅をLn-1(μm)としたと
き、次式を満足することを特徴とするアクティブマトリ
ックス型表示パネル。 【数9】 - 【請求項54】 一水平走査期間のうち、液晶表示パネ
ルに表示する範囲の映像信号から平均振幅値を求め、 前記平均振幅値からソース信号線に印加する電圧を求
め、 前記求められた電圧を、水平ブランキング期間に、前記
液晶表示パネルの複数のソース信号線に印加することを
特徴とする液晶表示パネルの駆動方法。 - 【請求項55】 一水平走査期間ごとに対向電極に印加
する信号極性を反転させ、 前記対向電極の電位を基準として、ソースドライバ回路
よりソース信号線に電圧を印加し、かつ、前記映像信号
の極性を一水平走査期間ごとに反転することを特徴とす
る液晶表示パネルの駆動方法。 - 【請求項56】 ポリシリコン技術で作製したアクティ
ブマトリックス型表示パネルであって、 走査方向が左方向の第1のソースドライバ回路と走査方
向が右方向の第2のソースドライバ回路を形成し、 第1または第2のソースドライバ回路のいずれか一方を
ソース信号線から切断することを特徴とするアクティブ
マトリックス型表示パネル。 - 【請求項57】 nを1以上の整数としたとき、2n色
のカラーフィルタを有し、表示領域の行方向において、
隣接した画素に極性の異なる電圧を印加する駆動回路を
具備することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項58】 前記カラーフィルタの色は、赤
(R)、緑(G)、青(B)、透明(W)であることを
特徴とする請求項57記載の表示パネル。 - 【請求項59】 画素電極がマトリックス状に形成され
た第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と前記第2の基板間に挟持されたPD液
晶層と、 前記対向電極の一端と他端との間に電流を流す電流印加
手段と、 を具備することを特徴とする表示パネル。 - 【請求項60】 発光ランプと、 前記発光ランプを取り付けた第1の筐体と、 液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルを取り付けた第2の筐体と、 投射レンズと、 前記投射レンズを取り付けた第3の筐体とを具備し、 前記第1の筐体と前記第2の筐体と前記第3の筐体のう
ち、少なくとも1つの筐体が他の筐体と分離されて形成
されており、 前記発光ランプと前記液晶表示パネルとの間隔、及び前
記液晶表示パネルと前記投射レンズとの間隔のうち少な
くとも一方の間隔が可変であることを特徴とする投射型
表示装置。 - 【請求項61】 前記発光ランプと前記液晶表示パネル
との間隔、及び/又は前記液晶表示パネルと前記投射レ
ンズとの間隔が所定距離離れていることを検出する検出
手段を具備し、 前記検出手段からの信号に基づいてランプ点灯スイッチ
が動作可能になることを特徴とする請求項60記載の投
射型表示装置。 - 【請求項62】 発光ランプと、 前記発光ランプから放射される光を少なくとも第1の光
路と第2の光路に分離する光分離手段と、 第1のレンズと第2のレンズが形成されたレンズ基板
と、 前記第1のレンズが前記第1の光路に配置され、前記第
2のレンズが前記第2の光路に配置されていることを特
徴とする投射型表示装置。 - 【請求項63】 レンズはフレネルレンズであることを
特徴とする請求項62記載の投射型表示装置。 - 【請求項64】 発光ランプと、 前記発光ランプから放射される光を変調する表示パネル
と、 前記表示パネルで変調された光を投射する投射レンズ
と、 前記表示パネルを格納するケースとを具備し、 前記ケース内に水素が充填されていることを特徴とする
投射型表示装置。 - 【請求項65】 発光ランプと、 前記発光ランプから放射される光を変調する表示パネル
と、 前記表示パネルで変調された光を投射する投射レンズ
と、 前記表示パネルを格納するケースとを具備し、 前記ケース内に冷却液が充填されていることを特徴とす
る投射型表示装置。 - 【請求項66】 前記ケース内にペルチェ素子が配置さ
れ、前記表示パネルが前記ペルチェ素子で冷却されるこ
とを特徴とする請求項64記載の投射型表示装置。 - 【請求項67】 発光ランプと、 前記発光ランプが放射する光を変調する表示パネルと、 前記表示パネルが変調した光を投射する投射手段と、 前記光発生手段と前記表示パネル間に配置または形成さ
れた前記表示パネルに到達する赤外線をカットする赤外
線カット手段とを具備し、 前記赤外線カット手段は光軸から脱着できることを特徴
とする投射型表示装置。 - 【請求項68】 放電ランプを有する光発生手段と、 前記放電ランプから放射される光を変調するPD液晶表
示パネルと、 前記光発生手段と前記PD液晶表示パネルとの間に配置
された、第1および第2のレンズアレイと、 前記第2のレンズアレイと前記PD液晶表示パネルとの
間に配置された複数の穴を有する第1の絞りと、 前記PD液晶表示パネルの出射側に配置された複数の穴
を有する第2の絞りと、 前記PD液晶表示パネルで変調された光を投射する投射
手段とを具備し、 前記放電ランプのアーク長をL(mm)、前記PD液晶
表示パネルの表示領域の対角長をD(インチ)としたと
き、以下の条件と満足することを特徴とする投射型表示
装置。 【数10】 - 【請求項69】 放電ランプを有する光発生手段と、 前記放電ランプから放射される光を変調するPD液晶表
示パネルと、 前記光発生手段と前記PD液晶表示パネルとの間に配置
された、第1および第2のレンズアレイと、 前記第2のレンズアレイと前記PD液晶表示パネルとの
間に配置された複数の穴を有する第1の絞りと、 前記PD液晶表示パネルの出射側に配置された複数の穴
を有する第2の絞りと、 前記PD液晶表示パネルで変調された光を投射する投射
レンズとを具備し、 前記投射レンズの有効FナンバーFが以下の範囲である
ことを特徴とする投射型表示装置。 【数11】 - 【請求項70】 放電ランプを有する光発生手段と、 前記放電ランプから放射される光を変調するPD液晶表
示パネルと、 前記光発生手段と前記PD液晶表示パネルとの間に配置
された、第1および第2のレンズアレイと、 前記第2のレンズアレイと前記PD液晶表示パネルとの
間に配置された複数の穴を有する第1の絞りと、 前記PD液晶表示パネルの出射側に配置された複数の穴
を有する第2の絞りと、 前記PD液晶表示パネルで変調された光を投射する投射
手段とを具備し、 前記PD液晶表示パネルのPD液晶層に光を入射し、前
記PD液晶層に入射する微少領域の照度をE、前記PD
液晶層の法線方向から測定した輝度をB、円周率をπと
し、 前記放電ランプのアーク長をL(mm)、前記PD液晶
表示パネルの表示領域の対角長をD(インチ)としたと
き、以下の条件と満足することを特徴とする投射型表示
装置。 【数12】 - 【請求項71】 光発生手段と、 前記光発生手段が放射する光を変調する表示パネルと、 前記表示パネルが変調した光を投影物に投射する投射手
段と、 前記投影物と前記表示パネルとの間に配置された偏光手
段とを具備し、 前記偏光手段の偏光軸方向を可変できることを特徴とす
る投射型表示装置。 - 【請求項72】 前記偏光手段は回転可能であり、前記
表示パネルの表示画像は前記偏光手段の回転と同期をと
って表示することを特徴をする請求項71記載に投射型
表示装置。 - 【請求項73】 蛍光発光ランプと、 前記発光ランプが放射する光を変調する表示パネルと、 前記表示パネルが変調した光を観察者に見えるようにす
る接眼レンズと、 前記観察者と前記表示パネル間に配置された偏光手段と
を具備し、 前記偏光手段は回転可能であり、前記表示パネルの表示
画像は前記偏光手段の回転と同期をとって表示すること
を特徴とする表示装置。 - 【請求項74】 光発生手段と、 前記遮光部および透過部が配置された実質上円筒状の回
転体と、 前記回転体内に配置された表示パネルとを具備し、 前記回転体が回転し、前記遮光部の位置の移動に伴い、
前記表示パネルの画像を書き換えることを特徴とする投
射型表示装置。 - 【請求項75】 映像表示と、低輝度表示または黒表示
とを、周期的に繰り返し表示することを特徴とする表示
パネルの駆動方法。 - 【請求項76】 アクティブマトリックス表示をおこな
う第1の光変調層と、 単純マトリックス駆動をおこなう第2の光変調層とを具
備し、 前記第1の光変調層と前記第2の光変調層とが近接して
配置されていることを特徴とする表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP9367450A JPH10333131A (ja) | 1996-12-17 | 1997-12-16 | 表示パネル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8-336777 | 1996-12-17 | ||
JP9-82595 | 1997-04-01 | ||
JP8259597 | 1997-04-01 | ||
JP9367450A JPH10333131A (ja) | 1996-12-17 | 1997-12-16 | 表示パネル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004148728A Division JP2004302478A (ja) | 1996-12-17 | 2004-05-19 | アクティブマトリックス型表示パネル、ビューファインダ、及び投射型表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10333131A true JPH10333131A (ja) | 1998-12-18 |
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ID=27303963
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9367450A Pending JPH10333131A (ja) | 1996-12-17 | 1997-12-16 | 表示パネル、表示パネルの製造方法、表示パネルの駆動方法、表示パネルの欠陥修正方法、及び表示パネルを用いた表示装置 |
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