JPH10326912A - 無転位GaN基板の製造方法及びGaN基材 - Google Patents
無転位GaN基板の製造方法及びGaN基材Info
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- JPH10326912A JPH10326912A JP35070197A JP35070197A JPH10326912A JP H10326912 A JPH10326912 A JP H10326912A JP 35070197 A JP35070197 A JP 35070197A JP 35070197 A JP35070197 A JP 35070197A JP H10326912 A JPH10326912 A JP H10326912A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 厚膜のGaN半導体材料の成長が可能で、し
かも転位欠陥を内包しない無転位GaN基板の製造方法
及びGaN基材を提供すること。 【解決手段】 ベース基板1の表面を、それ自身の表面
からは実質的に結晶成長し得ない材料からなる第一のマ
スク層2で部分的に覆い、次いでベース基板表面の非マ
スク部11を出発点として第一のマスク層2上を覆うま
で第一のGaN層3を成長させてGaN母材Mを得る。
このGaN母材M表面を前記の工程におけるベース基板
1表面とみなして、同様に第二のマスク層21を形成
し、さらに第二のGaN層31の成長を行なう。ここで
第二のマスク層21は非マスク部11上を覆うように形
成する。これにより、第二のGaN層31を無転位の半
導体層と出来る。
かも転位欠陥を内包しない無転位GaN基板の製造方法
及びGaN基材を提供すること。 【解決手段】 ベース基板1の表面を、それ自身の表面
からは実質的に結晶成長し得ない材料からなる第一のマ
スク層2で部分的に覆い、次いでベース基板表面の非マ
スク部11を出発点として第一のマスク層2上を覆うま
で第一のGaN層3を成長させてGaN母材Mを得る。
このGaN母材M表面を前記の工程におけるベース基板
1表面とみなして、同様に第二のマスク層21を形成
し、さらに第二のGaN層31の成長を行なう。ここで
第二のマスク層21は非マスク部11上を覆うように形
成する。これにより、第二のGaN層31を無転位の半
導体層と出来る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばGaN系発
光素子の製造に好適な無転位GaN基板の製造方法及び
GaN基材に関するものである。
光素子の製造に好適な無転位GaN基板の製造方法及び
GaN基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なGaN半導体材料の厚膜成長手
段としては、サファイア基板上にZnO等のバッファ層
を形成し、その上にHVPE法でGaN半導体材料を成
長させる方法がある。また、その改良技術として、サフ
ァイア基板に代え、スピネル、LGO、LAO、Zn
O、SiC等の基板を用いたり、易劈開性の基板を用い
たり、或いは基板表面にマスクを設けその上に選択成長
させる方法等がある。
段としては、サファイア基板上にZnO等のバッファ層
を形成し、その上にHVPE法でGaN半導体材料を成
長させる方法がある。また、その改良技術として、サフ
ァイア基板に代え、スピネル、LGO、LAO、Zn
O、SiC等の基板を用いたり、易劈開性の基板を用い
たり、或いは基板表面にマスクを設けその上に選択成長
させる方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、GaN
半導体材料を厚膜成長させると、GaNとサファイア基
板との格子定数及び熱膨張係数の違いから界面に多大の
ストレスが掛かり、GaNが割れ大型基板が得られない
といった問題点があった。また、転位密度が極めて大き
い(1×109 cm-2〜1×1010cm-2)基板しか得られ
ないといった問題点があった。ここで転位とは、基板上
に半導体層を成長させるときに、格子定数が合致してい
ない(格子不整合)状態で成長させた場合に発生する欠
陥であり、これら転位は結晶欠陥であるため非発光再結
合中心として働いたり、そこが電流のパスとして働き漏
れ電流の原因になるなど、当該GaN半導体材料を発光
素子に用いた場合に発光特性や寿命特性を低下させる原
因となる。
半導体材料を厚膜成長させると、GaNとサファイア基
板との格子定数及び熱膨張係数の違いから界面に多大の
ストレスが掛かり、GaNが割れ大型基板が得られない
といった問題点があった。また、転位密度が極めて大き
い(1×109 cm-2〜1×1010cm-2)基板しか得られ
ないといった問題点があった。ここで転位とは、基板上
に半導体層を成長させるときに、格子定数が合致してい
ない(格子不整合)状態で成長させた場合に発生する欠
陥であり、これら転位は結晶欠陥であるため非発光再結
合中心として働いたり、そこが電流のパスとして働き漏
れ電流の原因になるなど、当該GaN半導体材料を発光
素子に用いた場合に発光特性や寿命特性を低下させる原
因となる。
【0004】従って本発明は、厚膜のGaN半導体材料
の成長が可能で、しかも転位欠陥を内包しない無転位G
aN基板の製造方法及びGaN基材を提供することを目
的とする。
の成長が可能で、しかも転位欠陥を内包しない無転位G
aN基板の製造方法及びGaN基材を提供することを目
的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明の無転位GaN基
板の製造方法は、ベース基板の表面を、それ自身の表面
からは実質的に結晶成長し得ない材料からなるマスク層
で部分的に覆い、次いでベース基板表面の非マスク部を
出発点として前記マスク層上を覆うまでGaN層を成長
させてGaN母材を得る第一の工程と、該GaN母材表
面を前記第一の工程におけるベース基板表面とみなし
て、同様にマスク層形成及びGaN層の成長を行う第二
の工程とからなることを特徴とするものである。
板の製造方法は、ベース基板の表面を、それ自身の表面
からは実質的に結晶成長し得ない材料からなるマスク層
で部分的に覆い、次いでベース基板表面の非マスク部を
出発点として前記マスク層上を覆うまでGaN層を成長
させてGaN母材を得る第一の工程と、該GaN母材表
面を前記第一の工程におけるベース基板表面とみなし
て、同様にマスク層形成及びGaN層の成長を行う第二
の工程とからなることを特徴とするものである。
【0006】また、本発明のGaN基材は、ベース基板
と、このベース基板の表面を部分的に覆う第一のマスク
層と、その上に成長され、ベース基板表面の非マスク部
と直接接触する部位を有すると共に前記マスク層上を覆
う第一のGaN層とからなるGaN母材部分と、該Ga
N母材の表面を部分的に覆う第二のマスク層と、その上
に成長され、GaN母材表面の非マスク部と直接接触す
る部位を有し前記第二のマスク層上を覆う第二のGaN
層とからなる無転位GaN部分とを具備することを特徴
とするものである。
と、このベース基板の表面を部分的に覆う第一のマスク
層と、その上に成長され、ベース基板表面の非マスク部
と直接接触する部位を有すると共に前記マスク層上を覆
う第一のGaN層とからなるGaN母材部分と、該Ga
N母材の表面を部分的に覆う第二のマスク層と、その上
に成長され、GaN母材表面の非マスク部と直接接触す
る部位を有し前記第二のマスク層上を覆う第二のGaN
層とからなる無転位GaN部分とを具備することを特徴
とするものである。
【0007】
【作用】本明細書では、GaN系結晶やサファイア基板
などの六方格子結晶の格子面を4つのミラー指数(hk
il)によって指定する場合があれば、記載の便宜上、
指数が負のときには、その指数の前にマイナス記号を付
けて表記するものとし、この負の指数に関する表記方法
以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じる。従っ
て、GaN系結晶の場合では、C軸に平行なプリズム面
(特異面)は6面あるが、例えば、その1つの面は(1
−100)と表記し、6面を等価な面としてまとめる場
合には{1−100}と表記する。また、前記{1−1
00}面に垂直でかつC軸に平行な面を等価的にまとめ
て{11−20}と表記する。また、(1−100)面
に垂直な方向は〔1−100〕、それと等価な方向の集
合を〈1−100〉とし、(11−20)面に垂直な方
向は〔11−20〕、それと等価な方向の集合を〈11
−20〉と表記する。但し、図面にミラー指数を記入す
る場合があれば、指数が負のときには、その指数の上に
マイナス記号を付けて表記し、ミラー指数の一般的な表
記方法に全て準じる。本発明でいう結晶方位は、全て、
ベース基板上にC軸を厚み方向として成長したGaNの
結晶を基準とする方位である。
などの六方格子結晶の格子面を4つのミラー指数(hk
il)によって指定する場合があれば、記載の便宜上、
指数が負のときには、その指数の前にマイナス記号を付
けて表記するものとし、この負の指数に関する表記方法
以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じる。従っ
て、GaN系結晶の場合では、C軸に平行なプリズム面
(特異面)は6面あるが、例えば、その1つの面は(1
−100)と表記し、6面を等価な面としてまとめる場
合には{1−100}と表記する。また、前記{1−1
00}面に垂直でかつC軸に平行な面を等価的にまとめ
て{11−20}と表記する。また、(1−100)面
に垂直な方向は〔1−100〕、それと等価な方向の集
合を〈1−100〉とし、(11−20)面に垂直な方
向は〔11−20〕、それと等価な方向の集合を〈11
−20〉と表記する。但し、図面にミラー指数を記入す
る場合があれば、指数が負のときには、その指数の上に
マイナス記号を付けて表記し、ミラー指数の一般的な表
記方法に全て準じる。本発明でいう結晶方位は、全て、
ベース基板上にC軸を厚み方向として成長したGaNの
結晶を基準とする方位である。
【0008】本明細書でいう「無転位」とは、転位が全
く存在しない理想的な状態(理論上存在する状態)だけ
を意味するのではなく、サファイア基板上にバッファー
層を介してGaN系結晶を成長させた場合における通常
の転位密度に比べて、産業上その転位の影響を無視し得
る程十分に低い転位密度とされた状態を意味する。
く存在しない理想的な状態(理論上存在する状態)だけ
を意味するのではなく、サファイア基板上にバッファー
層を介してGaN系結晶を成長させた場合における通常
の転位密度に比べて、産業上その転位の影響を無視し得
る程十分に低い転位密度とされた状態を意味する。
【0009】本発明者らは、先にGaNとサファイア基
板との格子定数及び熱膨張係数の違いに起因するGaN
層のクラック対策として、図5に示すように、ベース基
板1上に格子状にパターニングしたマスク層2を施し、
基板露出部へ点在的にチップサイズのGaN層30を成
長させることを提案している(特開平7−273367
号公報)。
板との格子定数及び熱膨張係数の違いに起因するGaN
層のクラック対策として、図5に示すように、ベース基
板1上に格子状にパターニングしたマスク層2を施し、
基板露出部へ点在的にチップサイズのGaN層30を成
長させることを提案している(特開平7−273367
号公報)。
【0010】その後本発明者らがさらに研究を重ねた結
果、点在的に成長させたGaN層30をさらに成長させ
ると、図1に示す如く厚さ方向だけでなく、各GaN層
30からマスク層2上へ向けての横方向へも成長が行わ
れることが確認された。しかも、成長条件によっては結
晶方位依存性を有することが判明した。
果、点在的に成長させたGaN層30をさらに成長させ
ると、図1に示す如く厚さ方向だけでなく、各GaN層
30からマスク層2上へ向けての横方向へも成長が行わ
れることが確認された。しかも、成長条件によっては結
晶方位依存性を有することが判明した。
【0011】さらに、前述の結晶中に存在する転位は、
基板を含む下地から継承するか、何れかの成長界面で発
生し、結晶成長と共に成長する特性がある。非マスク部
を出発点としマスク層を覆うまでGaN結晶を成長させ
た場合、マスク層を覆うのに要する厚み、低転位領域の
形成される場所は、マスク層の方向(マスク層と非マス
ク部との境界線の方向)・GaN結晶を成長させる時の
ガス雰囲気により変化することを見いだした。また、上
述の横方向の成長をさらに進めると、図2に示すよう
に、マスク層2を完全に埋め込み、非常に欠陥の少ない
平坦でクラックの無い大型且つ厚膜のGaN層3が得ら
れる事を見出した。クラックが発生しないのは、マスク
層2界面とGaN層3との界面が分離しているためにス
トレスが緩和されていることが原因と思われる。
基板を含む下地から継承するか、何れかの成長界面で発
生し、結晶成長と共に成長する特性がある。非マスク部
を出発点としマスク層を覆うまでGaN結晶を成長させ
た場合、マスク層を覆うのに要する厚み、低転位領域の
形成される場所は、マスク層の方向(マスク層と非マス
ク部との境界線の方向)・GaN結晶を成長させる時の
ガス雰囲気により変化することを見いだした。また、上
述の横方向の成長をさらに進めると、図2に示すよう
に、マスク層2を完全に埋め込み、非常に欠陥の少ない
平坦でクラックの無い大型且つ厚膜のGaN層3が得ら
れる事を見出した。クラックが発生しないのは、マスク
層2界面とGaN層3との界面が分離しているためにス
トレスが緩和されていることが原因と思われる。
【0012】しかしながら、図2に示すように、この状
態ではマスク層2の上には低転位領域が形成されるもの
の、それ以外の領域では転位は低減されない。そこで本
発明は図3に示すように、このような積層体を母材Mと
し、その上に同様にしてマスク層21を形成することで
転位線の延伸を遮断し、さらにその上にGaN層22を
成長させることで、より無転位状態に近いGaN基板を
得るものである。
態ではマスク層2の上には低転位領域が形成されるもの
の、それ以外の領域では転位は低減されない。そこで本
発明は図3に示すように、このような積層体を母材Mと
し、その上に同様にしてマスク層21を形成することで
転位線の延伸を遮断し、さらにその上にGaN層22を
成長させることで、より無転位状態に近いGaN基板を
得るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら、本発明
の実施の形態につき説明する。図1〜図3は、本発明に
かかる無転位GaN基板の製造方法のプロセスの一例を
示す断面図である。同図では、転位が上層側へ伝搬する
態様のうち、非マスク部から上方に向かって直線的に伝
搬する場合の例を模式的に示している。図1、図2にお
いて、1はベース基板、2は該ベース基板1の表面を部
分的に覆うマスク層(第一のマスク層)、3はベース基
板1の非マスク部11と直接接触する部位を有すると共
に前記マスク層2上を覆うGaN層(第一のGaN層)
である。なお、この第一のGaN層3は、図1に示す点
在状のGaN層30をさらに成長させて形成されるもの
である。
の実施の形態につき説明する。図1〜図3は、本発明に
かかる無転位GaN基板の製造方法のプロセスの一例を
示す断面図である。同図では、転位が上層側へ伝搬する
態様のうち、非マスク部から上方に向かって直線的に伝
搬する場合の例を模式的に示している。図1、図2にお
いて、1はベース基板、2は該ベース基板1の表面を部
分的に覆うマスク層(第一のマスク層)、3はベース基
板1の非マスク部11と直接接触する部位を有すると共
に前記マスク層2上を覆うGaN層(第一のGaN層)
である。なお、この第一のGaN層3は、図1に示す点
在状のGaN層30をさらに成長させて形成されるもの
である。
【0014】そして上記で得られた積層体をGaN母材
Mとして、次段のGaN層の形成が行われる。即ち、G
aN母材Mの表面を前工程におけるベース基板とみなし
て同様の工程、つまり第一のGaN層3の表面に、該表
面を部分的に覆う第二のマスク層21を設け、その上に
第二のGaN層31を成長させるものである。
Mとして、次段のGaN層の形成が行われる。即ち、G
aN母材Mの表面を前工程におけるベース基板とみなし
て同様の工程、つまり第一のGaN層3の表面に、該表
面を部分的に覆う第二のマスク層21を設け、その上に
第二のGaN層31を成長させるものである。
【0015】本発明で用いるベース基板1としては特に
制限はなく、従来からGaN層を成長させる際に汎用さ
れている、例えばサファイア、水晶、SiC等を用いる
ことができる。なかでも、サファイアのC面、A面、6
H−SiC基板、特にC面サファイア基板が好ましい。
またこれら材料の表面に、GaN層との格子定数や熱膨
張係数の違いを緩和するためのZnO、MgOやAlN
等のバッファ層を設けたものであっても良い。
制限はなく、従来からGaN層を成長させる際に汎用さ
れている、例えばサファイア、水晶、SiC等を用いる
ことができる。なかでも、サファイアのC面、A面、6
H−SiC基板、特にC面サファイア基板が好ましい。
またこれら材料の表面に、GaN層との格子定数や熱膨
張係数の違いを緩和するためのZnO、MgOやAlN
等のバッファ層を設けたものであっても良い。
【0016】特に、後に成長させるGaN結晶となるべ
く格子定数が近く、且つ熱膨張係数ができるだけ近いも
のを選択することが、転位などの欠陥を本来的に少なく
する点及びクラック等をより生じにくくする点で望まし
い。また、後述するマスク層2の薄膜形成の際における
高熱やエッチングに対する耐性に優れることが好まし
い。このようなベース基板1として、少なくともその表
層(GaN層3が成長される側の面の表層)がInX G
aY AlZ N(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,
X+Y+Z=1)からなるものが挙げられる。具体的に
は、比較的厚肉のサファイア基板上に、MOVPE法に
よりZnOやAlN等のバッファ層、及びGaN又はG
aAlNの薄層を順次成膜したものが好適に用い得る。
く格子定数が近く、且つ熱膨張係数ができるだけ近いも
のを選択することが、転位などの欠陥を本来的に少なく
する点及びクラック等をより生じにくくする点で望まし
い。また、後述するマスク層2の薄膜形成の際における
高熱やエッチングに対する耐性に優れることが好まし
い。このようなベース基板1として、少なくともその表
層(GaN層3が成長される側の面の表層)がInX G
aY AlZ N(0≦X≦1,0≦Y≦1,0≦Z≦1,
X+Y+Z=1)からなるものが挙げられる。具体的に
は、比較的厚肉のサファイア基板上に、MOVPE法に
よりZnOやAlN等のバッファ層、及びGaN又はG
aAlNの薄層を順次成膜したものが好適に用い得る。
【0017】上記第一、第二のマスク層2、21は、ベ
ース基板1表面における第一のGaN層3の成長可能領
域、及び第一のGaN層3表面における第二のGaN層
30の成長可能領域を実質的に制限することを目的とす
る層であるので、該マスク層を構成する材料としては、
それ自身の表面からは実質的に結晶が成長し得ないもの
であることが必要である。このような材料として例えば
非晶質体が例示され、さらにこの非晶質体としてSi、
Ti、Ta、Zr等の窒化物や酸化物、即ち、Si
O2 、SiNX 、SiO1-X NX 、TiO2 、ZrO2
等が例示される。とりわけ、耐熱性に優れると共に成膜
及びエッチング除去が比較的容易なSiO2、Si
NX 、SiO1-X NX が適しており、またこれら材料の
多層構造でもよい。
ース基板1表面における第一のGaN層3の成長可能領
域、及び第一のGaN層3表面における第二のGaN層
30の成長可能領域を実質的に制限することを目的とす
る層であるので、該マスク層を構成する材料としては、
それ自身の表面からは実質的に結晶が成長し得ないもの
であることが必要である。このような材料として例えば
非晶質体が例示され、さらにこの非晶質体としてSi、
Ti、Ta、Zr等の窒化物や酸化物、即ち、Si
O2 、SiNX 、SiO1-X NX 、TiO2 、ZrO2
等が例示される。とりわけ、耐熱性に優れると共に成膜
及びエッチング除去が比較的容易なSiO2、Si
NX 、SiO1-X NX が適しており、またこれら材料の
多層構造でもよい。
【0018】該マスク層2、21は、例えばMOVP
E、スパッタ、CVD等の方法により基板全表面を覆う
ように形成した後、通常のフォトリソグラフィー技術に
よって光感光性レジストのパターニングを行い、エッチ
ングによって基板の一部を露出させる等の手段で形成さ
れる。
E、スパッタ、CVD等の方法により基板全表面を覆う
ように形成した後、通常のフォトリソグラフィー技術に
よって光感光性レジストのパターニングを行い、エッチ
ングによって基板の一部を露出させる等の手段で形成さ
れる。
【0019】マスク層2、21の形成パターンについて
は特に限定はなく、格子状、ストライプ状、ドット状等
であって良いが、格子状とすればベース基板1表面積を
有効に使用できるため好ましい。格子状マスキングを採
用する場合、ベース基板1の露出パターンの形状は四角
形、その他多角形、円形でも構わない。しかし、横方向
の結晶成長速度はGaN層の〈1−100〉方向よりも
GaN層の〈11−20〉方向が速いという性質がある
ため、図4に示すようにGaN層の〈11−20〉方向
の格子幅AとGaN層の〈1−100〉方向の格子幅B
とを、0≦A≦Bの関係とし、マスク上の結晶性が良好
である特徴を最大限生かすようにすることが望ましい。
なお、格子の幅は1μm〜2mm程度、露出パターンは
四角形の場合は1μm〜2mm角程度とするのが好まし
い。
は特に限定はなく、格子状、ストライプ状、ドット状等
であって良いが、格子状とすればベース基板1表面積を
有効に使用できるため好ましい。格子状マスキングを採
用する場合、ベース基板1の露出パターンの形状は四角
形、その他多角形、円形でも構わない。しかし、横方向
の結晶成長速度はGaN層の〈1−100〉方向よりも
GaN層の〈11−20〉方向が速いという性質がある
ため、図4に示すようにGaN層の〈11−20〉方向
の格子幅AとGaN層の〈1−100〉方向の格子幅B
とを、0≦A≦Bの関係とし、マスク上の結晶性が良好
である特徴を最大限生かすようにすることが望ましい。
なお、格子の幅は1μm〜2mm程度、露出パターンは
四角形の場合は1μm〜2mm角程度とするのが好まし
い。
【0020】本発明においては、マスク層2で部分的に
覆われたベース基坂1の上には、第一のGaN層3が結
晶成長によって形成される。この場合、GaN結晶はベ
ース基板1の非マスク部のみが出発点となって成長が始
まる。即ち、GaN層3とベース基板1との直接接触部
位は、非マスク部のみとなる。さらに成長を続けると、
マスク層2の非マスク部キャビティを完全に埋め、ほど
なくマスク層2上に膨出する。なお成長を行うと、Ga
N結晶は厚さ方向だけでなく、前記膨出部の側面を出発
点として横方向への成長が始まり、やがて他の非マスク
部を出発点とする成長結晶と合流し、ついにはマスク層
2上を完全に覆うと共に厚さ方向への成長が継続して行
き、第一のGaN層3が形成されるものである。
覆われたベース基坂1の上には、第一のGaN層3が結
晶成長によって形成される。この場合、GaN結晶はベ
ース基板1の非マスク部のみが出発点となって成長が始
まる。即ち、GaN層3とベース基板1との直接接触部
位は、非マスク部のみとなる。さらに成長を続けると、
マスク層2の非マスク部キャビティを完全に埋め、ほど
なくマスク層2上に膨出する。なお成長を行うと、Ga
N結晶は厚さ方向だけでなく、前記膨出部の側面を出発
点として横方向への成長が始まり、やがて他の非マスク
部を出発点とする成長結晶と合流し、ついにはマスク層
2上を完全に覆うと共に厚さ方向への成長が継続して行
き、第一のGaN層3が形成されるものである。
【0021】このようにしてGaN層が非マスク部を出
発点として結晶成長しマスク層を覆うまでに要する厚
み、低転位領域が形成される場所は、マスク層の方向
(マスク層と非マスク部との境界線の方向)・GaN結
晶を成長させる時のガス雰囲気により変化する。マスク
層の長手方向を〈11−20〉方向にした場合、横方向
成長速度に対しC軸方向の成長速度が早いため、{1−
101}面などの斜めファセットが形成され易い。よっ
て、ピラミッド状の形状が先ず形成されてから平坦化す
る。このため平坦に埋め込むにはある程度の厚みが必要
となる。一方、マスク層の長手方向を〈1−100〉方
向にした場合、横方向成長速度が速くなるため{1−1
01}面などの斜めファセットは形成され難い。この結
果、平坦に埋め込むのが〈11−20〉に比べて薄くて
済む。
発点として結晶成長しマスク層を覆うまでに要する厚
み、低転位領域が形成される場所は、マスク層の方向
(マスク層と非マスク部との境界線の方向)・GaN結
晶を成長させる時のガス雰囲気により変化する。マスク
層の長手方向を〈11−20〉方向にした場合、横方向
成長速度に対しC軸方向の成長速度が早いため、{1−
101}面などの斜めファセットが形成され易い。よっ
て、ピラミッド状の形状が先ず形成されてから平坦化す
る。このため平坦に埋め込むにはある程度の厚みが必要
となる。一方、マスク層の長手方向を〈1−100〉方
向にした場合、横方向成長速度が速くなるため{1−1
01}面などの斜めファセットは形成され難い。この結
果、平坦に埋め込むのが〈11−20〉に比べて薄くて
済む。
【0022】GaN層を非マスク部を出発点としてマス
ク層上を覆うように成長させる時の成長雰囲気ガスは、
水素・窒素・アルゴン・ヘリウム等が挙げられるが、形
状等を制御する上で水素・窒素が望ましい。水素と窒素
では、C軸方向と横方向の速度比が変動するため、目的
に応じ適時使い分けると素子設計の幅が広がる。基板−
成長層界面を起点とし上に伝搬する転位線(貫通転位)
の形成のされ方は、マスク層の開口部上に{1−10
1}面などの斜めファセットが出る場合、この面で曲げ
られるため、マスク層上に転位が形成され、この結果、
非マスク部(開口部)の上方が低転位領域となる。一
方、横方向成長速度が速く、{1−101}面などの斜
めファセットが形成され難い場合は、転位線はC軸方向
に伝搬する。この場合、マスク層の上方が低転位領域と
なる。この様に、成長条件を変化させることで、マスク
層を埋め込むまでに要する厚さ・低転位領域の位置を制
御できるために、デバイス設計の自由度が上がる。ま
た、GaN層とベース基板との直接接触部位は非マスク
部のみで接触面積は小さく、両者の熱膨張係数の相違の
影響をあまり受けないことから、厚肉のGaN層が容易
に成長させ得るという利点もある。
ク層上を覆うように成長させる時の成長雰囲気ガスは、
水素・窒素・アルゴン・ヘリウム等が挙げられるが、形
状等を制御する上で水素・窒素が望ましい。水素と窒素
では、C軸方向と横方向の速度比が変動するため、目的
に応じ適時使い分けると素子設計の幅が広がる。基板−
成長層界面を起点とし上に伝搬する転位線(貫通転位)
の形成のされ方は、マスク層の開口部上に{1−10
1}面などの斜めファセットが出る場合、この面で曲げ
られるため、マスク層上に転位が形成され、この結果、
非マスク部(開口部)の上方が低転位領域となる。一
方、横方向成長速度が速く、{1−101}面などの斜
めファセットが形成され難い場合は、転位線はC軸方向
に伝搬する。この場合、マスク層の上方が低転位領域と
なる。この様に、成長条件を変化させることで、マスク
層を埋め込むまでに要する厚さ・低転位領域の位置を制
御できるために、デバイス設計の自由度が上がる。ま
た、GaN層とベース基板との直接接触部位は非マスク
部のみで接触面積は小さく、両者の熱膨張係数の相違の
影響をあまり受けないことから、厚肉のGaN層が容易
に成長させ得るという利点もある。
【0023】しかし、上記のように、非マスク部11か
ら第一のGaN層3内には転位等の欠陥が継承されるこ
とがあるために、この第一のGaN層3は完全な無転位
結晶とは言えない。そこで、第一のGaN層3の上に第
二のマスク層21を設け、この第二のマスク層21によ
って第一のGaN層3内を伝搬してきた転位線(残留転
位線)を止めることによって該転位線の延伸を遮断した
状態とし、その上に第二のGaN層31を成長させるこ
とで、より無転位結晶に近いGaN結晶を得んとするも
のである。従って、この第二のGaN層31の上に同様
にしてマスク層及びGaN層を形成する工程をさらに繰
り返す程、完全無転位結晶に近いGaN結晶を得ること
ができる。
ら第一のGaN層3内には転位等の欠陥が継承されるこ
とがあるために、この第一のGaN層3は完全な無転位
結晶とは言えない。そこで、第一のGaN層3の上に第
二のマスク層21を設け、この第二のマスク層21によ
って第一のGaN層3内を伝搬してきた転位線(残留転
位線)を止めることによって該転位線の延伸を遮断した
状態とし、その上に第二のGaN層31を成長させるこ
とで、より無転位結晶に近いGaN結晶を得んとするも
のである。従って、この第二のGaN層31の上に同様
にしてマスク層及びGaN層を形成する工程をさらに繰
り返す程、完全無転位結晶に近いGaN結晶を得ること
ができる。
【0024】また、転位線が第一のGaN層3内を非マ
スク部の上方へ直線的に伝搬する場合には、第二のマス
ク層21を、第一の工程において非マスク部11とされ
た部位の直上をカバーするようにして、GaN母材Mの
表面部位に形成すれば、前記残留転位線の遮断を効果的
に行うことができるので、マスク層及びGaN層を形成
する工程を何回も操り返さずとも高品質なGaN結晶を
得ることが可能となるという利点がある。
スク部の上方へ直線的に伝搬する場合には、第二のマス
ク層21を、第一の工程において非マスク部11とされ
た部位の直上をカバーするようにして、GaN母材Mの
表面部位に形成すれば、前記残留転位線の遮断を効果的
に行うことができるので、マスク層及びGaN層を形成
する工程を何回も操り返さずとも高品質なGaN結晶を
得ることが可能となるという利点がある。
【0025】GaN層3、31の形成材料としては、G
aNだけでなく、GaN系半導体材料も使用でき、例え
ば式InX GaY AlZ N(0≦X≦1,0≦Y≦1,
0≦Z≦1,X+Y+Z=1)で示される材料を使用で
きる。かかるGaN層3の成長方法については制限はな
く、HVPE法、MOCVD法、MBE法等などがよ
い。C軸方向に高速に成長させて厚膜を形成する場合は
HVPE法が好ましいが、薄膜を形成する場合はMOC
VD法が好ましい。
aNだけでなく、GaN系半導体材料も使用でき、例え
ば式InX GaY AlZ N(0≦X≦1,0≦Y≦1,
0≦Z≦1,X+Y+Z=1)で示される材料を使用で
きる。かかるGaN層3の成長方法については制限はな
く、HVPE法、MOCVD法、MBE法等などがよ
い。C軸方向に高速に成長させて厚膜を形成する場合は
HVPE法が好ましいが、薄膜を形成する場合はMOC
VD法が好ましい。
【0026】本発明により得られた無転位GaN基板、
即ち厚肉に成長させた第二のGaN層31を基板とし
て、その上にクラッド層と活性層とからなる発光部等及
び電極を形成することで、LEDやLD等の発光素子を
製造することができる。
即ち厚肉に成長させた第二のGaN層31を基板とし
て、その上にクラッド層と活性層とからなる発光部等及
び電極を形成することで、LEDやLD等の発光素子を
製造することができる。
【0027】
(実施例1)直径2インチ、厚さ330μm、C面サフ
ァイア基板上に、MOVPE装置を使って、厚さ20n
mのAlNバッファ層を低温成長させ、続いて1.5μ
mのGaN薄層を成長させ、ベース基板とした。このベ
ース基板の表面にマスク材料としてSiO2 薄膜をスパ
ッタリング法で形成し、さらにエッチングによって、線
幅100μmで200μmピッチの格子状のパターンの
マスク層とした。即ち、100μm角の正方形の露出部
分が100μm間隔で並ぶ形状となる。これを新たな基
板としてHVPE装置に装填し、300μmの第一のn
型GaN層を成長させた。マスク層は完全に埋め込ま
れ、表面の平坦性は良好であり、2インチ径のn型Ga
N母材が得られた。
ァイア基板上に、MOVPE装置を使って、厚さ20n
mのAlNバッファ層を低温成長させ、続いて1.5μ
mのGaN薄層を成長させ、ベース基板とした。このベ
ース基板の表面にマスク材料としてSiO2 薄膜をスパ
ッタリング法で形成し、さらにエッチングによって、線
幅100μmで200μmピッチの格子状のパターンの
マスク層とした。即ち、100μm角の正方形の露出部
分が100μm間隔で並ぶ形状となる。これを新たな基
板としてHVPE装置に装填し、300μmの第一のn
型GaN層を成長させた。マスク層は完全に埋め込ま
れ、表面の平坦性は良好であり、2インチ径のn型Ga
N母材が得られた。
【0028】このn型GaN母材の表面に、同機にマス
ク材料としてSiO2 薄膜をスパッタリング法で形成
し、線幅100μmで200μmピッチの格子状のパタ
ーンにマスク材料を残し第二のマスク層を形成した。な
お、このマスクパターンニングは、先の工程で非マスク
部とした部位の直上をカバーするものとした。そしてこ
れをHVPE装置に装填し、300μmの第二のn型G
aN層を成長させた。得られたn型GaN基材の第二の
n型GaN層をTEMで評価した結果、転位密度は1×
102 cm-2以下であった。
ク材料としてSiO2 薄膜をスパッタリング法で形成
し、線幅100μmで200μmピッチの格子状のパタ
ーンにマスク材料を残し第二のマスク層を形成した。な
お、このマスクパターンニングは、先の工程で非マスク
部とした部位の直上をカバーするものとした。そしてこ
れをHVPE装置に装填し、300μmの第二のn型G
aN層を成長させた。得られたn型GaN基材の第二の
n型GaN層をTEMで評価した結果、転位密度は1×
102 cm-2以下であった。
【0029】(実施例2)実施例1で作製したベース基
板の表面にマスク材料として厚さ500nmのSiO2
薄膜をスパッタリング法で形成し、線幅200μmの直
線状パターンが400μmピッチで並ぶストライプ状の
パターンにマスク材料を残しマスク層とした。即ち、2
00μm幅の直線の露出部分が、200μm間隔で並ぶ
形状となる。ストライプの方向はGaN層の〈1−10
0〉方向とした。これを新たな基板としてHVPE装置
に装填し、300μmのn型GaN層を成長させた。マ
スク材料は完全に埋め込まれ、クラックの発生は見られ
ず、表面の平坦性の良好な2インチ径のn型GaN母材
が得られた。
板の表面にマスク材料として厚さ500nmのSiO2
薄膜をスパッタリング法で形成し、線幅200μmの直
線状パターンが400μmピッチで並ぶストライプ状の
パターンにマスク材料を残しマスク層とした。即ち、2
00μm幅の直線の露出部分が、200μm間隔で並ぶ
形状となる。ストライプの方向はGaN層の〈1−10
0〉方向とした。これを新たな基板としてHVPE装置
に装填し、300μmのn型GaN層を成長させた。マ
スク材料は完全に埋め込まれ、クラックの発生は見られ
ず、表面の平坦性の良好な2インチ径のn型GaN母材
が得られた。
【0030】このn型GaN母材の表面に、同様にマス
ク材料としてSiO2 薄膜をスパッタリング法で形成
し、同じパターンにマスク材料を残し第二のマスク層を
形成した。なお、このマスクパターンニングは、先の工
程で非マスク部とした部位の直上をカバーするものとし
た。そしてこれをHVPE装置に装填し、300μmの
第二のn型GaN層を成長させ、GaN基材を得た。
ク材料としてSiO2 薄膜をスパッタリング法で形成
し、同じパターンにマスク材料を残し第二のマスク層を
形成した。なお、このマスクパターンニングは、先の工
程で非マスク部とした部位の直上をカバーするものとし
た。そしてこれをHVPE装置に装填し、300μmの
第二のn型GaN層を成長させ、GaN基材を得た。
【0031】(実施例3)結晶構造が6H型であるSi
C基板(0001)上に、マスク材料として厚さ150
nmのSiO2 薄膜を熱CVD法で形成し、10μm径
の円形の露出部分が100μmピッチで並ぶドット状の
パターンにマスク材料を残しマスク層とした。即ち、1
00μm間隔の格子点上に上記の円形露出部分が並んだ
形状となる。これを新たな基板としてHVPE装置に装
填し、300μmのn型GaN層を成長させた。マスク
材料は完全に埋め込まれ、クラックの発生は見られず、
表面の平坦性の良好な2インチ径のn型GaN母材が得
られた。
C基板(0001)上に、マスク材料として厚さ150
nmのSiO2 薄膜を熱CVD法で形成し、10μm径
の円形の露出部分が100μmピッチで並ぶドット状の
パターンにマスク材料を残しマスク層とした。即ち、1
00μm間隔の格子点上に上記の円形露出部分が並んだ
形状となる。これを新たな基板としてHVPE装置に装
填し、300μmのn型GaN層を成長させた。マスク
材料は完全に埋め込まれ、クラックの発生は見られず、
表面の平坦性の良好な2インチ径のn型GaN母材が得
られた。
【0032】このn型GaN母材の表面に、同様にマス
ク材料としてSiO2 薄膜をスパッタリング法で形成
し、同じパターンにマスク材料を残し第二のマスク層を
形成した。なお、このマスクパターンニングは、先の工
程で非マスク部とした部位の直上をカバーするものとし
た。そしてこれをHVPE装置に装填し、350μmの
第二のn型GaN層を成長させ、GaN基材を得た。
ク材料としてSiO2 薄膜をスパッタリング法で形成
し、同じパターンにマスク材料を残し第二のマスク層を
形成した。なお、このマスクパターンニングは、先の工
程で非マスク部とした部位の直上をカバーするものとし
た。そしてこれをHVPE装置に装填し、350μmの
第二のn型GaN層を成長させ、GaN基材を得た。
【0033】(実施例4)マスク層の仕様およびGaN
層の形成方法を次のようにしたこと以外は、実施例1と
同様に第一のn型GaN層を成長させた。マスク層は、
材料をSiO2 とし、形成パターンをストライプ状とし
た。該ストライプは長手方向をGaN層の〈1−10
0〉方向とし、帯状のマスク層の幅、非マスク部の幅
(マスク層同士の隙間)を共に4μmとした。GaN層
の成長は、MOCVD法を用い、雰囲気ガスは水素とし
た。
層の形成方法を次のようにしたこと以外は、実施例1と
同様に第一のn型GaN層を成長させた。マスク層は、
材料をSiO2 とし、形成パターンをストライプ状とし
た。該ストライプは長手方向をGaN層の〈1−10
0〉方向とし、帯状のマスク層の幅、非マスク部の幅
(マスク層同士の隙間)を共に4μmとした。GaN層
の成長は、MOCVD法を用い、雰囲気ガスは水素とし
た。
【0034】非マスク部を結晶成長の出発点として、マ
スク層を覆って上面が平坦になるまでGaNを結晶成長
させたところ、上面が平坦になった時点でのGaN層の
厚みは3μmであった。このとき低転位領域はマスク層
の上方に位置していた。また、GaN層の表面の平坦性
は良好であり、2インチ径のGaN基材が得られた。
スク層を覆って上面が平坦になるまでGaNを結晶成長
させたところ、上面が平坦になった時点でのGaN層の
厚みは3μmであった。このとき低転位領域はマスク層
の上方に位置していた。また、GaN層の表面の平坦性
は良好であり、2インチ径のGaN基材が得られた。
【0035】得られたGaN基材を新たな基板とし、そ
の表面に、GaN層の〈1−100〉方向を長手方向と
するストライプ状の形成パターンにて、かつ下層側の非
マスク部上にマスク層が位置するように、第二のマスク
層を形成した。
の表面に、GaN層の〈1−100〉方向を長手方向と
するストライプ状の形成パターンにて、かつ下層側の非
マスク部上にマスク層が位置するように、第二のマスク
層を形成した。
【0036】非マスク部を結晶成長の出発点とし、第二
のマスク層を覆って上面が平坦になるまで第二のGaN
層を成長させたところ、上面が平坦になった時点でのG
aN層の厚みは3μmであった。最初の基板から伝搬し
ていた転位線は第二のマスク層によって遮られており、
結果として総厚6μmのGaN層の成長によって、表面
全体が低転位なGaN基材が得られた。
のマスク層を覆って上面が平坦になるまで第二のGaN
層を成長させたところ、上面が平坦になった時点でのG
aN層の厚みは3μmであった。最初の基板から伝搬し
ていた転位線は第二のマスク層によって遮られており、
結果として総厚6μmのGaN層の成長によって、表面
全体が低転位なGaN基材が得られた。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明の無転位Ga
N基板の製造方法及びGaN基材によれば、厚膜のGa
N半導体材料の成長が可能で、しかも転位欠陥を実質的
に内包しない無転位GaN基板の作成が可能となる。従
って本発明で得られたGaN基板を発光素子の構成材料
として用いた場合、無転位であるので非発光再結合中心
の生成や漏れ電流の発生の問題は生じず、当該発光素子
の発光特性や寿命特性を低下させることがないという優
れた効果を奏する。
N基板の製造方法及びGaN基材によれば、厚膜のGa
N半導体材料の成長が可能で、しかも転位欠陥を実質的
に内包しない無転位GaN基板の作成が可能となる。従
って本発明で得られたGaN基板を発光素子の構成材料
として用いた場合、無転位であるので非発光再結合中心
の生成や漏れ電流の発生の問題は生じず、当該発光素子
の発光特性や寿命特性を低下させることがないという優
れた効果を奏する。
【図1】本発明に係るGaN基材の成長途中の状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】本発明に係るGaN基材の次段階の成長途中の
状態を示す断面図である。
状態を示す断面図である。
【図3】本発明に係るGaN基材を示す断面図である。
【図4】本発明におけるマスク層パターンの一例を示す
上面図である。
上面図である。
【図5】従来のGaN基材を示す断面図である。
1 ベース基板 11 非マスク部 2 第一のマスク層 21 第二のマスク層 3 第一のGaN層 31 第二のGaN層 M GaN母材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 洋一郎 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内
Claims (6)
- 【請求項1】 ベース基板の表面を、それ自身の表面か
らは実質的に結晶成長し得ない材料からなるマスク層で
部分的に覆い、次いでベース基板表面の非マスク部を出
発点として前記マスク層上を覆うまでGaN層を成長さ
せてGaN母材を得る第一の工程と、 該GaN母材表面を前記第一の工程におけるベース基板
表面とみなして、同様にマスク層形成及びGaN層の成
長を行う第二の工程とからなることを特徴とする無転位
GaN基板の製造方法。 - 【請求項2】 上記第二の工程の終了後、さらに同様な
工程を所要回数繰り返すことを特徴とする請求項1記載
の無転位GaN基板の製造方法。 - 【請求項3】 上記第二の工程で形成されるマスク層
は、第一の工程において非マスク部とされた部位に対応
するGaN母材の表面部位に形成されることを特徴とす
る請求項1記載の無転位GaN基坂の製造方法。 - 【請求項4】 GaN層の成長が、HVPE法、MOC
VD法、MBE法のいずれかによって行われることを特
徴とする請求項1記載の無転位GaN基板の製造方法。 - 【請求項5】 ベース基板と、このベース基板の表面を
部分的に覆う第一のマスク層と、その上に成長され、ベ
ース基板表面の非マスク部と直接接触する部位を有する
と共に前記マスク層上を覆う第一のGaN層とからなる
GaN母材部分と、 該GaN母材の表面を部分的に覆う第二のマスク層と、
その上に成長され、GaN母材表面の非マスク部と直接
接触する部位を有し前記第二のマスク層上を覆う第二の
GaN層とからなる無転位GaN部分とを具備すること
を特徴とするGaN基材。 - 【請求項6】 上記無転位GaN部分が、複数層形成さ
れていることを特徴とする請求項5記載のGaN基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35070197A JPH10326912A (ja) | 1997-03-25 | 1997-12-19 | 無転位GaN基板の製造方法及びGaN基材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9151297 | 1997-03-25 | ||
JP9-91512 | 1997-03-25 | ||
JP35070197A JPH10326912A (ja) | 1997-03-25 | 1997-12-19 | 無転位GaN基板の製造方法及びGaN基材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10326912A true JPH10326912A (ja) | 1998-12-08 |
Family
ID=26432947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35070197A Pending JPH10326912A (ja) | 1997-03-25 | 1997-12-19 | 無転位GaN基板の製造方法及びGaN基材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10326912A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11163404A (ja) * | 1997-11-25 | 1999-06-18 | Toyoda Gosei Co Ltd | GaN系半導体 |
JP2001158698A (ja) * | 1999-12-01 | 2001-06-12 | Sony Corp | 窒化物系iii−v族化合物の結晶製造方法、窒化物系iii−v族化合物結晶基板、窒化物系iii−v族化合物膜およびデバイスの製造方法 |
JP2001196700A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-07-19 | Nichia Chem Ind Ltd | 窒化物半導体の成長方法及び窒化物半導体素子 |
JP2002505519A (ja) * | 1998-02-27 | 2002-02-19 | ノース・キャロライナ・ステイト・ユニヴァーシティ | マスクを通過する横方向のオーバーグロースによる窒化ガリウム半導体層を製造する方法及びそれによって製造された窒化ガリウム半導体の構造体 |
KR100464296B1 (ko) * | 1998-02-05 | 2005-03-08 | 삼성전자주식회사 | 단결정 박막 성장 방법 |
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US7727331B2 (en) | 2001-01-18 | 2010-06-01 | Sony Corporation | Crystal firm, crystal substrate, and semiconductor device |
JP2010222174A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-10-07 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 窒化物半導体構造 |
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US8906788B2 (en) | 2011-01-12 | 2014-12-09 | Tsinghua University | Method for making epitaxial structure |
-
1997
- 1997-12-19 JP JP35070197A patent/JPH10326912A/ja active Pending
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JP2007043037A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-02-15 | Toshiba Corp | 半導体層堆積用基板、電界効果型半導体装置及び電界効果型半導体装置の製造方法。 |
JP2006324680A (ja) * | 2006-06-08 | 2006-11-30 | Sony Corp | 結晶膜、結晶基板および半導体装置 |
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JP2012182459A (ja) * | 2012-03-06 | 2012-09-20 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 窒化物半導体構造 |
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