JPH10321048A - テンションメンバ、それを用いた軽量低弛度架空電線 - Google Patents
テンションメンバ、それを用いた軽量低弛度架空電線Info
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- JPH10321048A JPH10321048A JP12738097A JP12738097A JPH10321048A JP H10321048 A JPH10321048 A JP H10321048A JP 12738097 A JP12738097 A JP 12738097A JP 12738097 A JP12738097 A JP 12738097A JP H10321048 A JPH10321048 A JP H10321048A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軽量で、温度上昇に伴う弛度増加が少なく、
耐圧潰性も優れているテンションメンバと、それを用い
た軽量低弛度架空電線を提供する。 【解決手段】 このテンションメンバは、PBO繊維を
強化材1とし、耐熱樹脂をマトリックス2とする繊維強
化プラスチック複合体の線材aを複数本撚り合わせて成
り、その外側を、アルミニウム系、銅系もしくは前記耐
熱樹脂のテープ3で拘束したものであって、その層心径
をDr、ピッチ長をPとしたとき、DrとPの間では、
40×Dr<Pの関係が成立していることが好ましい。
耐圧潰性も優れているテンションメンバと、それを用い
た軽量低弛度架空電線を提供する。 【解決手段】 このテンションメンバは、PBO繊維を
強化材1とし、耐熱樹脂をマトリックス2とする繊維強
化プラスチック複合体の線材aを複数本撚り合わせて成
り、その外側を、アルミニウム系、銅系もしくは前記耐
熱樹脂のテープ3で拘束したものであって、その層心径
をDr、ピッチ長をPとしたとき、DrとPの間では、
40×Dr<Pの関係が成立していることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は架空送電線に用いる
テンションメンバとそれを用いた軽量低弛度架空電線に
関し、更に詳しくは、軽量でかつ強度特性が優れ、耐候
性も良好で、高温環境下における弛度増加も起こりにく
く、そして径方向への圧潰も起こしにくいテンションメ
ンバと、それを用いた軽量低弛度架空電線に関する。
テンションメンバとそれを用いた軽量低弛度架空電線に
関し、更に詳しくは、軽量でかつ強度特性が優れ、耐候
性も良好で、高温環境下における弛度増加も起こりにく
く、そして径方向への圧潰も起こしにくいテンションメ
ンバと、それを用いた軽量低弛度架空電線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から多用されている架空送電線は、
複数本の鋼線を所定のピッチ長で撚り合わせた鋼心をテ
ンションメンバとし、その外側に例えばAlやAl合金
から成る送電線を撚り合わせて配置した構造になってい
る。そして全体を鉄塔間に高張力で張り渡して送電線路
が形成される。
複数本の鋼線を所定のピッチ長で撚り合わせた鋼心をテ
ンションメンバとし、その外側に例えばAlやAl合金
から成る送電線を撚り合わせて配置した構造になってい
る。そして全体を鉄塔間に高張力で張り渡して送電線路
が形成される。
【0003】しかしながら、上記した鋼心Al撚線の場
合、テンションメンバである鋼心の単位長さ当りの重量
が大きいので、当該鋼心Al撚線は自重で垂れ下がりや
すい。また、鋼線の熱膨張係数は正の値である。したが
って、例えば送電線の負荷電流を増加させればさせるほ
ど、それに対応して電線温度は上昇する。そしてそれに
応じてテンションメンバは温度上昇するため、テンショ
ンメンバは線膨張し、弛度増加が引き起こされることに
なる。そのため、送電容量を高めようとするときには、
電線温度の上昇に伴う弛度の増加分を予め見込んで、建
設する鉄塔の高さを高くすることが必要となり、建設コ
ストの上昇が不可避となる。
合、テンションメンバである鋼心の単位長さ当りの重量
が大きいので、当該鋼心Al撚線は自重で垂れ下がりや
すい。また、鋼線の熱膨張係数は正の値である。したが
って、例えば送電線の負荷電流を増加させればさせるほ
ど、それに対応して電線温度は上昇する。そしてそれに
応じてテンションメンバは温度上昇するため、テンショ
ンメンバは線膨張し、弛度増加が引き起こされることに
なる。そのため、送電容量を高めようとするときには、
電線温度の上昇に伴う弛度の増加分を予め見込んで、建
設する鉄塔の高さを高くすることが必要となり、建設コ
ストの上昇が不可避となる。
【0004】このようなことから、上記した従来の鋼心
に代えて、軽量で、しかも強度特性が優れている各種の
テンションメンバが提供されている。例えば、アラミド
繊維のような有機質繊維を強化材とし、各種の樹脂ある
いはアルミニウムのような材料をマトリックスとした繊
維強化プラスチック(金属)複合体から成る線材や、炭
素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、
ガラス繊維のような無機質繊維を強化材とし、各種の樹
脂あるいはアルミニウムのような材料をマトリックスと
した繊維強化プラスチック(金属)複合体から成る線材
などが提案されている(特開昭60−37606号公
報、特開昭62−86606号公報、特開平1−104
732号公報、特開平2−181303号公報などを参
照)。
に代えて、軽量で、しかも強度特性が優れている各種の
テンションメンバが提供されている。例えば、アラミド
繊維のような有機質繊維を強化材とし、各種の樹脂ある
いはアルミニウムのような材料をマトリックスとした繊
維強化プラスチック(金属)複合体から成る線材や、炭
素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、
ガラス繊維のような無機質繊維を強化材とし、各種の樹
脂あるいはアルミニウムのような材料をマトリックスと
した繊維強化プラスチック(金属)複合体から成る線材
などが提案されている(特開昭60−37606号公
報、特開昭62−86606号公報、特開平1−104
732号公報、特開平2−181303号公報などを参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼心に
代わるテンションメンバとして提案されている上記した
ような線材の場合、それをテンションメンバとして実使
用したときに次のような問題が生ずる。まず、実働する
架空送電線は温度上昇するので、テンションメンバの温
度も上昇する。テンションメンバの温度は送電線を流れ
る負荷電流の大小によって高低があるが、約300℃に
まで達することがある。
代わるテンションメンバとして提案されている上記した
ような線材の場合、それをテンションメンバとして実使
用したときに次のような問題が生ずる。まず、実働する
架空送電線は温度上昇するので、テンションメンバの温
度も上昇する。テンションメンバの温度は送電線を流れ
る負荷電流の大小によって高低があるが、約300℃に
まで達することがある。
【0006】このような高温になっても、テンションメ
ンバに大きな弛度増加が発生しないように、当該テンシ
ョンメンバの線膨張係数は小さい値であることが必要に
なる。しかしながら、強化材がガラス繊維やボロン繊維
である場合には、それらを用いたテンションメンバの線
膨張係数は7〜8×10-6/℃程度と大きく、高温下に
おける弛度増加の抑制という点で満足のいくものではな
い。
ンバに大きな弛度増加が発生しないように、当該テンシ
ョンメンバの線膨張係数は小さい値であることが必要に
なる。しかしながら、強化材がガラス繊維やボロン繊維
である場合には、それらを用いたテンションメンバの線
膨張係数は7〜8×10-6/℃程度と大きく、高温下に
おける弛度増加の抑制という点で満足のいくものではな
い。
【0007】また、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ア
ラミド繊維などを強化材としたテンションメンバの場
合、これら繊維の引張強度はそれほど高くないため、テ
ンションメンバの強度特性は満足すべきものではなく、
またアラミド繊維の耐熱度は180℃程度であるため、
電線温度が上昇したときに熱劣化を起こしやすいという
点で不満がある。
ラミド繊維などを強化材としたテンションメンバの場
合、これら繊維の引張強度はそれほど高くないため、テ
ンションメンバの強度特性は満足すべきものではなく、
またアラミド繊維の耐熱度は180℃程度であるため、
電線温度が上昇したときに熱劣化を起こしやすいという
点で不満がある。
【0008】更に、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミ
ナ繊維などの無機質繊維はいずれも伸びが小さく靱性に
乏しいので、次のような問題が起こり、これら無機質繊
維をテンションメンバに用いることは好ましくない。す
なわち、上記したような無機質繊維が強化材となってい
る線材をテンションメンバにした架空送電線を架設する
場合、その架設時に電線に取付ける延線車や金車が当該
送電線を通過すると、テンションメンバは大きな曲げ応
力を受け、そのことにより、テンションメンバの折損や
マトリックスのひび割れなどの発生する虞れがあるから
である。
ナ繊維などの無機質繊維はいずれも伸びが小さく靱性に
乏しいので、次のような問題が起こり、これら無機質繊
維をテンションメンバに用いることは好ましくない。す
なわち、上記したような無機質繊維が強化材となってい
る線材をテンションメンバにした架空送電線を架設する
場合、その架設時に電線に取付ける延線車や金車が当該
送電線を通過すると、テンションメンバは大きな曲げ応
力を受け、そのことにより、テンションメンバの折損や
マトリックスのひび割れなどの発生する虞れがあるから
である。
【0009】また、無機質繊維は共通して径方向の圧潰
力に弱いという欠点をもっている。そのため、例えば架
空送電線を圧縮クランプなどで圧縮して鉄塔に引き留め
る場合、そのときの圧縮力でテンションメンバが径方向
に圧潰して、設計基準通りの引留強度を確保することが
できないという問題も発生する。そして、これら無機質
繊維を用いたテンションメンバの製造コストは、後述す
る有機質繊維を用いたものに比べて大幅に高いという問
題があり、そのことは実使用をかなり困難にする。
力に弱いという欠点をもっている。そのため、例えば架
空送電線を圧縮クランプなどで圧縮して鉄塔に引き留め
る場合、そのときの圧縮力でテンションメンバが径方向
に圧潰して、設計基準通りの引留強度を確保することが
できないという問題も発生する。そして、これら無機質
繊維を用いたテンションメンバの製造コストは、後述す
る有機質繊維を用いたものに比べて大幅に高いという問
題があり、そのことは実使用をかなり困難にする。
【0010】一方、強化材が有機質繊維であるテンショ
ンメンバの場合、有機質繊維は無機質繊維に比べて熱劣
化しやすいということの外に、一般に、紫外線暴露によ
り強度低下を引き起こすという性質を備えている。その
ため、テンションメンバは、太陽光を受けて経時的に強
度低下していき、送電線の支持能を喪失することがあ
る。
ンメンバの場合、有機質繊維は無機質繊維に比べて熱劣
化しやすいということの外に、一般に、紫外線暴露によ
り強度低下を引き起こすという性質を備えている。その
ため、テンションメンバは、太陽光を受けて経時的に強
度低下していき、送電線の支持能を喪失することがあ
る。
【0011】また、有機質繊維を強化材とするテンショ
ンメンバの場合、例えば火災などに遭遇すると燃焼する
事態も考えられるので、燃焼防止対策を講じることも必
要になる。本発明は、従来から提案されている繊維強化
プラスチック(金属)複合体の線材から成るテンション
メンバにおける上記した問題を解決し、軽量でかつ強度
特性に優れることは勿論のこと、高温環境下における弛
度増加は小さく、耐候性も良好で、径方向の圧潰も起こ
しづらい新規なテンションメンバとそれを用いた軽量低
弛度架空電線の提供を目的とする。
ンメンバの場合、例えば火災などに遭遇すると燃焼する
事態も考えられるので、燃焼防止対策を講じることも必
要になる。本発明は、従来から提案されている繊維強化
プラスチック(金属)複合体の線材から成るテンション
メンバにおける上記した問題を解決し、軽量でかつ強度
特性に優れることは勿論のこと、高温環境下における弛
度増加は小さく、耐候性も良好で、径方向の圧潰も起こ
しづらい新規なテンションメンバとそれを用いた軽量低
弛度架空電線の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、ポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾール繊維を強化材とし、耐熱樹脂をマトリ
ックスとする繊維強化プラスチック複合体の線材を複数
本撚り合わせて成り、その外側を、アルミニウム系、銅
系もしくは前記耐熱樹脂から成るテープまたはチューブ
で拘束したことを特徴とするテンションメンバ、および
そのテンションメンバの外側に、アルミニウム系または
銅系から成る導体を配置して撚り合わせたことを特徴と
する軽量低弛度架空電線が提供される。
ために、本発明においては、ポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾール繊維を強化材とし、耐熱樹脂をマトリ
ックスとする繊維強化プラスチック複合体の線材を複数
本撚り合わせて成り、その外側を、アルミニウム系、銅
系もしくは前記耐熱樹脂から成るテープまたはチューブ
で拘束したことを特徴とするテンションメンバ、および
そのテンションメンバの外側に、アルミニウム系または
銅系から成る導体を配置して撚り合わせたことを特徴と
する軽量低弛度架空電線が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、テンションメンバについて
説明する。図1は、本発明のテンションメンバの1例A
を示す部分斜視図である。このテンションメンバAは、
後述する線材aの複数本(図では7本)を撚り合わせ、
その外側を、薄いテープ3でラップ巻きすることにより
線材aの全体を拘束し、線材aのばらけを防止したもの
である。
説明する。図1は、本発明のテンションメンバの1例A
を示す部分斜視図である。このテンションメンバAは、
後述する線材aの複数本(図では7本)を撚り合わせ、
その外側を、薄いテープ3でラップ巻きすることにより
線材aの全体を拘束し、線材aのばらけを防止したもの
である。
【0014】線材aの拘束のためには、図示したような
テープ3のラップ巻きに限らず、ラップさせずに適当な
隙間を設けてテープ3を巻回してもよい。更には、テー
プに代えてテンションメンバにチューブをかぶせてもよ
い。ここで、線材aは、断面図である図2に示すよう
に、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
(poly(p-phenylene-2,6-benzobisoxazole)fiber、以
下、PBO繊維という)1を強化材とし、それら繊維を
埋設するマトリックス2が耐熱樹脂で構成されている繊
維強化プラスチック複合体の線材である。
テープ3のラップ巻きに限らず、ラップさせずに適当な
隙間を設けてテープ3を巻回してもよい。更には、テー
プに代えてテンションメンバにチューブをかぶせてもよ
い。ここで、線材aは、断面図である図2に示すよう
に、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維
(poly(p-phenylene-2,6-benzobisoxazole)fiber、以
下、PBO繊維という)1を強化材とし、それら繊維を
埋設するマトリックス2が耐熱樹脂で構成されている繊
維強化プラスチック複合体の線材である。
【0015】このPBO繊維は、次式:
【0016】
【化1】
【0017】を繰り返し単位とするポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維である。こ
のPBO繊維は、引張強度(Ts)が約5.50GPa、
弾性率(E)が約280GPa、融点が600〜650
℃、酸素指数が50〜55、密度(ρ)が約1.56g/
cm3、線膨張係数(α)が−6×10-6/℃程度であ
って、高強度、高弾性であり、耐熱性と難燃性に優れ、
しかも軽量である。そして、線膨張係数は負の値である
ため、温度上昇に伴い熱収縮するという性質を備えてい
る。しかし、他方では、紫外線によって劣化しやすいと
いう性質も備えている。
ベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維である。こ
のPBO繊維は、引張強度(Ts)が約5.50GPa、
弾性率(E)が約280GPa、融点が600〜650
℃、酸素指数が50〜55、密度(ρ)が約1.56g/
cm3、線膨張係数(α)が−6×10-6/℃程度であ
って、高強度、高弾性であり、耐熱性と難燃性に優れ、
しかも軽量である。そして、線膨張係数は負の値である
ため、温度上昇に伴い熱収縮するという性質を備えてい
る。しかし、他方では、紫外線によって劣化しやすいと
いう性質も備えている。
【0018】このPBO繊維1を結束するマトリックス
2の耐熱樹脂としては、例えば電線温度が300℃近辺
にまで上昇した場合でも、熱融解や熱分解を起こすこと
がなく、また熱劣化も起こしづらい樹脂が用いられる。
例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱可
塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リフェニレンスルフィド、フッ素系樹脂などをあげるこ
とができる。
2の耐熱樹脂としては、例えば電線温度が300℃近辺
にまで上昇した場合でも、熱融解や熱分解を起こすこと
がなく、また熱劣化も起こしづらい樹脂が用いられる。
例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱可
塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リフェニレンスルフィド、フッ素系樹脂などをあげるこ
とができる。
【0019】この線材aにおいて、PBO繊維1の体積
占有率は15〜90%(したがって、マトリックス2の
体積占有率は10〜85%)になるように設定すること
が好ましい。PBO繊維1の体積占有率が15%より小
さくなると、線材全体の強度特性、とりわけ引張強度が
低下しはじめてテンションメンバとしての効果は減退す
るとともに、線材全体の線膨張係数を小さくするという
効果を充分に発揮できなくなる。また、PBO繊維1の
体積占有率が90%より大きい場合は、マトリックス2
の量が少なすぎてPBO繊維1は充分に結束されなくな
り、そのため線材全体の強度特性の低下が起こりはじめ
る。PBO繊維のとくに好ましい体積占有率は40〜6
0%である。
占有率は15〜90%(したがって、マトリックス2の
体積占有率は10〜85%)になるように設定すること
が好ましい。PBO繊維1の体積占有率が15%より小
さくなると、線材全体の強度特性、とりわけ引張強度が
低下しはじめてテンションメンバとしての効果は減退す
るとともに、線材全体の線膨張係数を小さくするという
効果を充分に発揮できなくなる。また、PBO繊維1の
体積占有率が90%より大きい場合は、マトリックス2
の量が少なすぎてPBO繊維1は充分に結束されなくな
り、そのため線材全体の強度特性の低下が起こりはじめ
る。PBO繊維のとくに好ましい体積占有率は40〜6
0%である。
【0020】なお、このマトリックス2に、例えば、各
種のカーボンブラック、鉛ガラス粉末、HALS(ヒン
ダードアミン系安定剤)のような紫外線遮断材を分散さ
せておくと、強化材であるPBO繊維の光劣化を抑制す
ることができ、その結果、線材aの耐候性を高めて長期
間テンションメンバとして使用することができるように
なる。その場合、前記紫外線遮断材の量が多すぎると、
線材全体の強度低下などを引き起こすので、分散させる
量は、マトリックスの体積占有率に対し1〜30%に相
当する体積量に設定することが好ましい。
種のカーボンブラック、鉛ガラス粉末、HALS(ヒン
ダードアミン系安定剤)のような紫外線遮断材を分散さ
せておくと、強化材であるPBO繊維の光劣化を抑制す
ることができ、その結果、線材aの耐候性を高めて長期
間テンションメンバとして使用することができるように
なる。その場合、前記紫外線遮断材の量が多すぎると、
線材全体の強度低下などを引き起こすので、分散させる
量は、マトリックスの体積占有率に対し1〜30%に相
当する体積量に設定することが好ましい。
【0021】この線材aは次のようにして製造すること
ができる。すなわち、例えば、マトリックスがポリイミ
ド樹脂やポリアミドイミド樹脂のような熱硬化性樹脂で
ある場合には、まず、所定本数のPBO繊維を集束し、
その集束体を未硬化の樹脂液の中に浸漬して繊維集束体
に当該樹脂を含浸する。その後、所定口径のダイスに通
して余着樹脂を除去して含浸樹脂が半乾燥状態にある線
材に成形したのち、その線材を所定温度に加熱して樹脂
を熱硬化させる。その結果、熱硬化した樹脂と各PBO
繊維との界面は互いに焼付き一体化し、ここに複合体が
形成される。
ができる。すなわち、例えば、マトリックスがポリイミ
ド樹脂やポリアミドイミド樹脂のような熱硬化性樹脂で
ある場合には、まず、所定本数のPBO繊維を集束し、
その集束体を未硬化の樹脂液の中に浸漬して繊維集束体
に当該樹脂を含浸する。その後、所定口径のダイスに通
して余着樹脂を除去して含浸樹脂が半乾燥状態にある線
材に成形したのち、その線材を所定温度に加熱して樹脂
を熱硬化させる。その結果、熱硬化した樹脂と各PBO
繊維との界面は互いに焼付き一体化し、ここに複合体が
形成される。
【0022】また、マトリックスが熱可塑性ポリイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、フッ素系樹脂のような樹脂である場合には、こ
れらの樹脂を、電線やケーブルの製造時に採用されてい
る押出し被覆成形法を適用して、PBO繊維の前記集束
体の表面に押出被覆して形成することもできる。この押
出被覆時に、樹脂は可塑状態にあるので、成形時の圧力
で繊維集束体の中心部にまで侵入し、各PBO繊維の表
面と接触した状態で繊維集束体を埋設する。
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、フッ素系樹脂のような樹脂である場合には、こ
れらの樹脂を、電線やケーブルの製造時に採用されてい
る押出し被覆成形法を適用して、PBO繊維の前記集束
体の表面に押出被覆して形成することもできる。この押
出被覆時に、樹脂は可塑状態にあるので、成形時の圧力
で繊維集束体の中心部にまで侵入し、各PBO繊維の表
面と接触した状態で繊維集束体を埋設する。
【0023】なお、上記した樹脂含浸時や押出被覆時
に、用いる樹脂に前記した紫外線遮断材の所定量を配合
しておけば、光劣化を起こしづらい線材を得ることがで
きる。本発明のテンションメンバの製造に際しては、ま
ず、以上説明した線材aを撚り合わせる。その場合、線
材aを撚り合わせるときのピッチ長をP、撚り合わせ後
のテンションメンバの層心径をDrとしたとき、PとD
rの間では、40×Dr<Pの関係を満足させることが
好ましい。更に好ましくは、100×Dr≦P≦200
×Drの関係を満足させる。
に、用いる樹脂に前記した紫外線遮断材の所定量を配合
しておけば、光劣化を起こしづらい線材を得ることがで
きる。本発明のテンションメンバの製造に際しては、ま
ず、以上説明した線材aを撚り合わせる。その場合、線
材aを撚り合わせるときのピッチ長をP、撚り合わせ後
のテンションメンバの層心径をDrとしたとき、PとD
rの間では、40×Dr<Pの関係を満足させることが
好ましい。更に好ましくは、100×Dr≦P≦200
×Drの関係を満足させる。
【0024】なお、ここでいう層心径Drは、次式:D
r=D−dに基づいて算出される値のことをいう。上記
式において、dは撚り合わせた各線材aの直径を表し、
Dは、撚り合わせたテンションメンバの最大径を表す。
例えば、図1のテンションメンバAの場合、撚り合わせ
た後の断面は図3で示したように、7本の線材列が積層
した状態になっている。ここで、線材aの直径を、d=
3mmとし、7本撚りの外径をDとした場合、このテン
ションメンバAの層心径Drは、Dr=D−d=9−3
=6mmと算出される。
r=D−dに基づいて算出される値のことをいう。上記
式において、dは撚り合わせた各線材aの直径を表し、
Dは、撚り合わせたテンションメンバの最大径を表す。
例えば、図1のテンションメンバAの場合、撚り合わせ
た後の断面は図3で示したように、7本の線材列が積層
した状態になっている。ここで、線材aの直径を、d=
3mmとし、7本撚りの外径をDとした場合、このテン
ションメンバAの層心径Drは、Dr=D−d=9−3
=6mmと算出される。
【0025】本発明のテンションメンバは、P値とDr
値を上記したように関係づけることにより次のような効
果を発揮する。まず、このテンションメンバを用いた送
電線を鉄塔間に架設したときに、鉄塔間(径長間:通
常、200〜500m)に位置する線材aの実質的な長
さは、短いピッチ長で撚り合わせた場合に比べて短くな
る。
値を上記したように関係づけることにより次のような効
果を発揮する。まず、このテンションメンバを用いた送
電線を鉄塔間に架設したときに、鉄塔間(径長間:通
常、200〜500m)に位置する線材aの実質的な長
さは、短いピッチ長で撚り合わせた場合に比べて短くな
る。
【0026】そのため、テンションメンバの径長間にお
ける実質的な重量は軽量化し、また、電線温度が上昇し
た場合であってもテンションメンバの熱膨張に基づく伸
長の絶対値は短くなり、弛度増加が抑制されることにな
る。更に、上記した関係が成立していると、撚り合わさ
れた線材aの相互関係は、互いに接触して平行配列して
いる状態に近似してくるので、例えば、送電線を鉄塔に
引き留めるときに径方向に圧縮力を加えた場合でも、テ
ンションメンバが圧潰するという事態は起こりづらくな
る。すなわち、設計基準の引留強度を確保しやすくな
る。
ける実質的な重量は軽量化し、また、電線温度が上昇し
た場合であってもテンションメンバの熱膨張に基づく伸
長の絶対値は短くなり、弛度増加が抑制されることにな
る。更に、上記した関係が成立していると、撚り合わさ
れた線材aの相互関係は、互いに接触して平行配列して
いる状態に近似してくるので、例えば、送電線を鉄塔に
引き留めるときに径方向に圧縮力を加えた場合でも、テ
ンションメンバが圧潰するという事態は起こりづらくな
る。すなわち、設計基準の引留強度を確保しやすくな
る。
【0027】なお、線材aは繊維強化プラスチック複合
体であるため、鋼心の場合のように撚線工程でスパイラ
ル状のプレフォームをかけることが困難である。したが
って、線材aを撚り合わせただけでは、その端部を切断
すると各線材aが備えているスプリングバック力によっ
て全体がばらけるという問題が起こりやすい。このよう
な問題を防ぐために、本発明では、図1で示したよう
に、撚り合わせた線材aの外側をテープ3でラップ巻き
して線材aの全体を拘束し、線材aのばらけを防止す
る。
体であるため、鋼心の場合のように撚線工程でスパイラ
ル状のプレフォームをかけることが困難である。したが
って、線材aを撚り合わせただけでは、その端部を切断
すると各線材aが備えているスプリングバック力によっ
て全体がばらけるという問題が起こりやすい。このよう
な問題を防ぐために、本発明では、図1で示したよう
に、撚り合わせた線材aの外側をテープ3でラップ巻き
して線材aの全体を拘束し、線材aのばらけを防止す
る。
【0028】線材aの拘束のためには、図示したような
テープ3のラップ巻きに限らず、ラップさせずに適当な
隙間を設けてテープ3を巻回してもよい。更には、テー
プに代えてテンションメンバにチューブをかぶせてもよ
い。このテープやチューブなどとしては、例えばアルミ
ニウム系、銅系の材料から成るテープ、チューブや、ポ
リイミド樹脂、フッ素系樹脂のような耐熱樹脂から成る
テープ、チューブが使用される。
テープ3のラップ巻きに限らず、ラップさせずに適当な
隙間を設けてテープ3を巻回してもよい。更には、テー
プに代えてテンションメンバにチューブをかぶせてもよ
い。このテープやチューブなどとしては、例えばアルミ
ニウム系、銅系の材料から成るテープ、チューブや、ポ
リイミド樹脂、フッ素系樹脂のような耐熱樹脂から成る
テープ、チューブが使用される。
【0029】これらテープやチューブの厚みがあまり厚
くなると、仕上がり後の電線全体の外径に影響を与える
ようになるので、薄ければ薄いほど好適であるが、通
常、50〜200μm程度の厚みであれば、仕上がり後
の電線の外径への影響は小さい。次に、本発明の軽量低
弛度架空電線の例を図4に示す。
くなると、仕上がり後の電線全体の外径に影響を与える
ようになるので、薄ければ薄いほど好適であるが、通
常、50〜200μm程度の厚みであれば、仕上がり後
の電線の外径への影響は小さい。次に、本発明の軽量低
弛度架空電線の例を図4に示す。
【0030】この電線は、図1で示したテンションメン
バAの外側に、導体4を複数本送電線として配置し、そ
れらを撚り合わせたものである。導体4としては、アル
ミニウム単体、Al合金などのアルミニウム系、銅単
体、Cu合金などの銅系の材料で構成される。これらの
材料はいずれも電気抵抗が小さく、送電時のロスを軽減
できるからである。
バAの外側に、導体4を複数本送電線として配置し、そ
れらを撚り合わせたものである。導体4としては、アル
ミニウム単体、Al合金などのアルミニウム系、銅単
体、Cu合金などの銅系の材料で構成される。これらの
材料はいずれも電気抵抗が小さく、送電時のロスを軽減
できるからである。
【0031】また、導体4の断面形状は円形に限定され
るものではなく、セグメント形状であってもよい。セグ
メント形状にすると、導体4を死空間なく配置できるの
で好適である。この架空電線は、テンションメンバAを
用いているので、全体として軽量であり、耐候性も良好
で、高温環境下における弛度増加が抑制されており、ま
た、鉄塔へ引留める場合でも径方向に圧潰しにくいとい
う特性を備えている。
るものではなく、セグメント形状であってもよい。セグ
メント形状にすると、導体4を死空間なく配置できるの
で好適である。この架空電線は、テンションメンバAを
用いているので、全体として軽量であり、耐候性も良好
で、高温環境下における弛度増加が抑制されており、ま
た、鉄塔へ引留める場合でも径方向に圧潰しにくいとい
う特性を備えている。
【0032】
実施例1 東洋紡(株)製のPBO繊維(線膨張係数:−6×10
-6/℃)を約3000デニール集束して太さ1.9mmの
集束体とし、この集束体を、粘度20poise の未硬化ポ
リイミド樹脂の中に連続走行させたのち、口径3mmの
ダイスに通して余着樹脂を除去し、更に温度350℃の
加熱炉に導入してポリイミド樹脂の熱硬化を行い、図2
で示した複合体構造の線材aとした。
-6/℃)を約3000デニール集束して太さ1.9mmの
集束体とし、この集束体を、粘度20poise の未硬化ポ
リイミド樹脂の中に連続走行させたのち、口径3mmの
ダイスに通して余着樹脂を除去し、更に温度350℃の
加熱炉に導入してポリイミド樹脂の熱硬化を行い、図2
で示した複合体構造の線材aとした。
【0033】線材aの製造時に、PBO繊維の集束状態
を変化させることにより、PBO繊維の体積占有率が4
0%、60%である2種類の線材(線径3.0mm)を製
造した。それぞれの線材7本をピッチ長600mmで撚
り合わせたのちその外側にアルミニウムテープを1/2
ラップ巻きしてテンションメンバAを製造した。これら
のテンションメンバAでは、いずれもDrは6.0mm、
Pは600mmであり、40×Dr<Pの関係を満足し
ている。
を変化させることにより、PBO繊維の体積占有率が4
0%、60%である2種類の線材(線径3.0mm)を製
造した。それぞれの線材7本をピッチ長600mmで撚
り合わせたのちその外側にアルミニウムテープを1/2
ラップ巻きしてテンションメンバAを製造した。これら
のテンションメンバAでは、いずれもDrは6.0mm、
Pは600mmであり、40×Dr<Pの関係を満足し
ている。
【0034】各テンションメンバAの外側に、断面がセ
グメント状をし、相当径が2.85mmのアルミニウム導
体24本を配置して撚り合わせ、全体の断面積が160
mm 2 の架空電線にした。得られた各架空電線につき、
下記の架線設計条件下において、径長間(S)を表1の
ように変化させ、電線温度が20℃、200℃になった
のときの弛度を計算した。
グメント状をし、相当径が2.85mmのアルミニウム導
体24本を配置して撚り合わせ、全体の断面積が160
mm 2 の架空電線にした。得られた各架空電線につき、
下記の架線設計条件下において、径長間(S)を表1の
ように変化させ、電線温度が20℃、200℃になった
のときの弛度を計算した。
【0035】架線設計条件:最大使用張力25.5GP
a、高温季の温度15℃、風圧10.2MPa、低温季の
温度−15℃、風圧5.1MPa、被氷6mm、比重0.
9。 比較のために、断面構造は同じである従来のインバ芯ア
ルミニウム撚線についても同様の計算を行った。
a、高温季の温度15℃、風圧10.2MPa、低温季の
温度−15℃、風圧5.1MPa、被氷6mm、比重0.
9。 比較のために、断面構造は同じである従来のインバ芯ア
ルミニウム撚線についても同様の計算を行った。
【0036】以上の結果を一括して表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、本発明の架空電
線は、電線温度が高くなっても弛度増加は抑制されてい
る。例えば、径長間が500mの場合、インバ電線で
も、温度20℃から200℃までの間に弛度が9%も増
加しているにもかかわらず、PBO繊維の体積占有率が
40%である本発明の架空電線では2.6%程度しか弛度
は増加しない。
線は、電線温度が高くなっても弛度増加は抑制されてい
る。例えば、径長間が500mの場合、インバ電線で
も、温度20℃から200℃までの間に弛度が9%も増
加しているにもかかわらず、PBO繊維の体積占有率が
40%である本発明の架空電線では2.6%程度しか弛度
は増加しない。
【0039】また、本発明の架空電線は、PBO繊維の
体積占有率によって弛度の大きさが変化しているが、こ
の体積占有率が大きいほど弛度は小さくなることがわか
る。しかし、体積占有率が大きくなりすぎると、製造コ
ストの上昇を招くので好ましくない。
体積占有率によって弛度の大きさが変化しているが、こ
の体積占有率が大きいほど弛度は小さくなることがわか
る。しかし、体積占有率が大きくなりすぎると、製造コ
ストの上昇を招くので好ましくない。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
のテンションメンバは、線膨張係数が負の値を示すPB
O繊維を強化材とし、耐熱樹脂をマトリックスとする線
材を撚り合わせ、その外側をアルミニウム系、銅系もし
くは前記耐熱樹脂のテープまたはチューブで拘束してい
るので、全体がばらけることはなく、軽量であり、また
高温環境下においても熱膨張量が少なく弛度増加が抑制
され、そして耐熱性も良好である。
のテンションメンバは、線膨張係数が負の値を示すPB
O繊維を強化材とし、耐熱樹脂をマトリックスとする線
材を撚り合わせ、その外側をアルミニウム系、銅系もし
くは前記耐熱樹脂のテープまたはチューブで拘束してい
るので、全体がばらけることはなく、軽量であり、また
高温環境下においても熱膨張量が少なく弛度増加が抑制
され、そして耐熱性も良好である。
【0041】請求項2のテンションメンバは、前記した
線材を撚り合わせたときに、そのピッチ長(P)と層心
径(Dr)との関係を40×Dr<Pとしたので、径方
向の耐圧潰性が優れている。請求項3のテンションメン
バは、耐熱樹脂に紫外線遮断材を分散させているので、
PBO繊維の光劣化は抑制される。
線材を撚り合わせたときに、そのピッチ長(P)と層心
径(Dr)との関係を40×Dr<Pとしたので、径方
向の耐圧潰性が優れている。請求項3のテンションメン
バは、耐熱樹脂に紫外線遮断材を分散させているので、
PBO繊維の光劣化は抑制される。
【0042】請求項4の架空電線は、前記したテンショ
ンメンバを用いているので、全体として軽量であり、負
荷電流の増加による電線温度の上昇が起こっても弛度増
加は少なくなる。したがって、この架空送電線は鉄塔へ
の負担を軽減することができ、しかも鉄塔を低く建設す
ることもできる。すなわち、逆にいえば、既設の鉄塔に
本発明の軽量低弛度架空電線を架線しても、当該電線に
従来よりも大きな負荷電流を流して送電容量を高めるこ
とができる。
ンメンバを用いているので、全体として軽量であり、負
荷電流の増加による電線温度の上昇が起こっても弛度増
加は少なくなる。したがって、この架空送電線は鉄塔へ
の負担を軽減することができ、しかも鉄塔を低く建設す
ることもできる。すなわち、逆にいえば、既設の鉄塔に
本発明の軽量低弛度架空電線を架線しても、当該電線に
従来よりも大きな負荷電流を流して送電容量を高めるこ
とができる。
【図1】本発明のテンションメンバAを示す部分斜視図
である。
である。
【図2】本発明のテンションメンバに用いる線材aを示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】テンションメンバンメンバAの断面状態を示す
説明図である。
説明図である。
【図4】本発明の軽量低弛度架空電線を示す部分斜視図
である。
である。
a 繊維強化プラスチック複合体の線材 1 PBO繊維(強化材) 2 耐熱樹脂(マトリックス) 3 テープ 4 導体
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール繊維を強化材とし、耐熱樹脂をマトリックスとする
繊維強化プラスチック複合体の線材を複数本撚り合わ
せ、その外側を、アルミニウム系、銅系、もしくは前記
耐熱樹脂から成るテープまたはチューブで拘束したこと
を特徴とするテンションメンバ。 - 【請求項2】 前記テンションメンバの層心径をDr、
ピッチ長をPとしたとき、DrとPの間では、40×D
r<Pの関係が成立している請求項1のテンションメン
バ。 - 【請求項3】 前記耐熱樹脂には、紫外線遮断材が分散
されている請求項1または2のテンションメンバ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のテンションメンバの外側
に、アルミニウム系または銅系から成る導体を配置して
撚り合わせたことを特徴とする軽量低弛度架空電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12738097A JPH10321048A (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | テンションメンバ、それを用いた軽量低弛度架空電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12738097A JPH10321048A (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | テンションメンバ、それを用いた軽量低弛度架空電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10321048A true JPH10321048A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=14958565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12738097A Pending JPH10321048A (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | テンションメンバ、それを用いた軽量低弛度架空電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10321048A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001307552A (ja) * | 2000-02-08 | 2001-11-02 | William Brandt Goldsworthy | 複合材補強電気伝送ケーブル |
JP2004508660A (ja) * | 2000-07-14 | 2004-03-18 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 撚りケーブルおよびその製造方法 |
US6878304B2 (en) * | 2000-08-10 | 2005-04-12 | Nippon Soken Inc. | Reduction resistant thermistor, method of production thereof, and temperature sensor |
WO2006046763A1 (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-04 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 複合撚線導体 |
JP2008503056A (ja) * | 2004-06-17 | 2008-01-31 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ケーブルおよびその製造方法 |
CN104505153A (zh) * | 2015-01-04 | 2015-04-08 | 北京亨通斯博通讯科技有限公司 | 新能源汽车用电缆 |
US9362021B2 (en) | 2011-01-24 | 2016-06-07 | Gift Technologies, Llc | Composite core conductors and method of making the same |
US9685257B2 (en) | 2011-04-12 | 2017-06-20 | Southwire Company, Llc | Electrical transmission cables with composite cores |
CN110690005A (zh) * | 2018-07-06 | 2020-01-14 | 东京制纲株式会社 | 电线用耐热芯 |
WO2023121359A1 (ko) * | 2021-12-24 | 2023-06-29 | 엘에스전선 주식회사 | 유연성이 향상된 가공송전선용 중심인장선 및 이를 포함하는 가공송전선 |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP12738097A patent/JPH10321048A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001307552A (ja) * | 2000-02-08 | 2001-11-02 | William Brandt Goldsworthy | 複合材補強電気伝送ケーブル |
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US7409816B2 (en) | 2004-10-27 | 2008-08-12 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Concentric stranded conductor |
JP2006156346A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-06-15 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 複合撚線導体 |
WO2006046763A1 (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-04 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | 複合撚線導体 |
US9362021B2 (en) | 2011-01-24 | 2016-06-07 | Gift Technologies, Llc | Composite core conductors and method of making the same |
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JP2020009620A (ja) * | 2018-07-06 | 2020-01-16 | 東京製綱株式会社 | 電線用耐熱コア |
WO2023121359A1 (ko) * | 2021-12-24 | 2023-06-29 | 엘에스전선 주식회사 | 유연성이 향상된 가공송전선용 중심인장선 및 이를 포함하는 가공송전선 |
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