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JPH10318264A - ころ軸受用合成樹脂製保持器 - Google Patents

ころ軸受用合成樹脂製保持器

Info

Publication number
JPH10318264A
JPH10318264A JP12442097A JP12442097A JPH10318264A JP H10318264 A JPH10318264 A JP H10318264A JP 12442097 A JP12442097 A JP 12442097A JP 12442097 A JP12442097 A JP 12442097A JP H10318264 A JPH10318264 A JP H10318264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
pockets
diameter side
peripheral surface
rollers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12442097A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Higuchi
誠二 樋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP12442097A priority Critical patent/JPH10318264A/ja
Publication of JPH10318264A publication Critical patent/JPH10318264A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ころ6を転動自在に保持したポケット12b
に潤滑油を効率良く循環させて、潤滑不良に基づく損傷
の発生を防止する。 【解決手段】 ころ6の転動面と、内径側、外径側各係
止突部13a、14aとの係合に基づき、合成樹脂製保
持器9aがラジアル方向に変位する事を防止する。合成
樹脂製保持器9aの内外両周面と相手面との間の隙間を
確保する。上記内径側、外径側各係止突部13a、14
aを、柱部11aの長さ方向一部にのみ設け、上記転動
面と上記ポケット12bの開口縁部との間の隙間を確保
する。又、上記合成樹脂製保持器9aの内周面両端部に
傾斜面18、18を設け、この合成樹脂製保持器9aの
内径側に潤滑油が入り込み易くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るころ軸受用合
成樹脂製保持器は、各種機械装置の回転支持部を構成す
るころ軸受に組み込み、複数本のころを転動自在に保持
する。特に、本発明のころ軸受用合成樹脂製保持器は、
上記ころ軸受を組み込んだ回転支持部の潤滑条件が厳し
い場合にも、ころ軸受に、早期摩耗、剥離、焼き付き、
かじり等の損傷が発生する事を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】各種機械装置の回転支持部に転がり軸受
を組み込んでいる。特に、大きな荷重が加わる回転支持
部を構成する為の転がり軸受としては、転動体としてこ
ろを使用するころ軸受を使用している。図8は、この様
なころ軸受1を示している。このころ軸受1は、内周面
に円筒形の外輪軌道2を有する外輪3と、外周面に円筒
形の内輪軌道4を有する内輪5と、これら外輪軌道2と
内輪軌道4との間に転動自在に設けた、複数のころ6、
6とから構成する。又、これら各ころ6、6は、外周面
を上記外輪軌道2及び内輪軌道4に接触する円筒形の転
動面7としている。又、上記各ころ6、6は、金属板を
曲げ形成する事により全体を円筒状に形成した保持器8
に設けたポケット12、12内に、転動自在に保持して
いる。
【0003】図8に示したころ軸受1に組み込んだ保持
器8は、金属製であるが、保持器並びにこの保持器を組
み込んだころ軸受の製作費の低廉化、並びに保持器とこ
ろとの間の滑り抵抗の低減を目的として、保持器を合成
樹脂の射出成形により造る事が、広く行なわれている。
図9〜11は、この様な合成樹脂製保持器9の1例を示
している。この合成樹脂製保持器9は、摩擦係数が低
く、しかも耐油性を有する合成樹脂を射出成形する事に
より一体成形して成る。この合成樹脂製保持器9は、軸
方向(図9の左右方向)に互いに間隔をあけて配置した
1対のリム部10、10と、複数本の柱部11、11と
を備える。これら各柱部11、11は、円周方向に亙っ
て間欠的に配置され、それぞれの両端部を上記1対のリ
ム部10、10の互いに対向する内側面に連続させてい
る。円周方向に隣り合う柱部11、11の円周方向両側
面と上記1対のリム部10、10の互いに対向する内側
面とにより四周を囲まれる矩形の空間部分は、それぞれ
ポケット12a、12aとしている。そして、上記各柱
部11、11の円周方向両側面で、上記合成樹脂製保持
器9の直径方向に関する内端部には内径側係止突部13
を、同じく外端部には外径側係止突部14を、それぞれ
上記各柱部11、11の全長に亙って形成している。
【0004】上述の様な合成樹脂製保持器9によりころ
軸受を構成するころ6を転動自在に保持するには、上記
各ポケット12a、12a内にころ6を、上記合成樹脂
製保持器9の外径側から挿入する。この挿入作業の際に
は、これら各ポケット12a、12aの円周方向両側を
仕切る柱部11、11及びこれら各柱部11、11の側
面に形成した外径側係止突部14を弾性変形させつつ、
上記各ころ6を上記各ポケット12a、12a内に押し
込む。上記各係止突部13、14から外れた部分での上
記各ポケット12a、12aの円周方向に亙る幅W12a
は、上記各ころ6の外径D6 よりも大きい(W12a >D
6 )為、図10〜11に示す様に各ポケット12a内に
ころ6を保持した状態でこれら各ころ6は、各ポケット
12a内で軽い力で転動自在となる。又、上記各ポケッ
ト12a、12aの内径側開口部に存在する1対の内径
側係止突部13、13の先端縁同士の自由状態での間隔
13、並びに外径側開口部に存在する1対の外径側係止
突部14、14の先端縁同士の自由状態での間隔D
14は、それぞれ上記各ころ6の外径D6 よりも小さい
(D6 <D13、D14)。従って、上記各ポケット12、
12内に保持したころ6が、これら各ポケット12、1
2内から不用意に脱落する事はない。
【0005】又、合成樹脂製保持器9のうちで最もラジ
アル方向に亙る厚さが大きい部分である、上記各リム部
10、10の厚さT10は、上記各ころ6の外径D6 より
も小さい(T10<D6 )。従って、これら各ころ6を上
記各ポケット12、12内に保持した状態で、これら各
ころ6の一部は、上記合成樹脂製保持器9の外周面及び
内周面から突出する。そして、これら各ころ6及び合成
樹脂製保持器9を外輪3の内周面と内輪5の外周面との
間に設置した状態では、上記外輪3の内周面と上記各リ
ム部10、10の外周面との間に△D3 なる厚さの外径
側環状隙間が、同じく内輪5の外周面と上記各リム部1
0、10の内周面との間に△D5 なる厚さの内径側環状
隙間が、それぞれ全周に亙って形成される。上記合成樹
脂製保持器9を組み込んだころ軸受の運転時には、上記
各ころ6の公転運動に基づく遠心力により上記各ポケッ
ト12a、12a内に、内径側開口から外径側開口に向
かう潤滑油の流れが惹起される。そして、この潤滑油に
より、上記各ころ6の転動面と、外輪3の内周面に設け
た外輪軌道2及び内輪5の外周面に設けた内輪軌道4と
の当接部を潤滑する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9〜11に示した従
来の合成樹脂製保持器の場合には、ポケット12a、1
2a内に潤滑油が流れにくく、潤滑条件が厳しい場合に
はころ軸受に、早期摩耗、剥離、焼き付き、かじり等の
損傷が発生する可能性がある。この様な損傷を発生させ
る潤滑油の流れ不良の原因は、次のの通りである。
【0007】 各ポケット12a、12aの内径側、
外径側両開口周縁部とこれら各ポケット6、6内に保持
したころ6の転動面との間の隙間が小さい。即ち、上記
各ポケット12a、12aの内径側開口周縁部には1対
の内径側係止突部13、13を、外径側開口周縁部には
1対の外径側係止突部14、14を、それぞれ柱部1
1、11の全長に亙り形成している為、上記隙間の幅が
小さくなる。そして、内径側の隙間を通じて上記各ポケ
ット12a、12a内に流入する潤滑油の量が少なくな
り、外径側の隙間を通じて上記各ポケット12a、12
aから流出する潤滑油の量が少なくなる。この結果、上
記各ポケット12a、12a内を内径側から外径側に流
通する潤滑油の量が少なくなり、潤滑油の量が不足した
り、或はポケット12a、12a内に存在する潤滑油の
温度が上昇し易くなる。潤滑油の温度上昇は、粘度低下
に基づく潤滑性能の悪化の原因となる為、好ましくな
い。
【0008】 1対のリム部10、10の内外両周面
のうち、少なくとも一方の周面と、当該周面が対向する
内輪5の端部外周面又は外輪3の端部内周面との間の隙
間が小さい。即ち、従来の合成樹脂製保持器9の場合に
は、この合成樹脂製保持器9がラジアル方向に亙り変位
する事を防止する為に、上記1対のリム10、10の外
周面を上記外輪3の端部内周面に近接させるか、或はこ
れら両リム10、10の内周面を上記内輪5の端部外周
面に近接させている。上記1対のリム10、10の外周
面を上記外輪3の端部内周面に近接させた場合には、上
記各ポケット12a、12a内に入り込んだ潤滑油がこ
れら各ポケット12a、12a外に流出しにくくなり、
これらポケット12a、12a内に存在する潤滑油の温
度が上昇し易くなる。これに対して、1対のリム10、
10の内周面を上記内輪5の端部外周面に近接させた場
合には、上記各ポケット12a、12a内に潤滑油が流
入しにくくなり、各ころ6の転動面と外輪軌道2及び内
輪軌道4との間に存在する潤滑油が不足しがちになる。
本発明は、この様な潤滑油の流れ不良の原因をなくす事
により、合成樹脂製保持器を組み込んだころ軸受に、早
期摩耗、剥離、焼き付き、かじり等の損傷が発生する事
を防止すべく発明したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のころ軸受用合成
樹脂製保持器は、前述した従来のころ軸受用合成樹脂製
保持器と同様に、合成樹脂により一体成形して成り、1
対のリム部と複数本の柱部とを備える。このうちの1対
のリム部は、軸方向に互いに間隔をあけて配置してお
り、複数本の柱部は、円周方向に亙り間欠的に配置し
て、それぞれの両端部を上記1対のリム部の互いに対向
する内側面に連続させている。そして、この様な合成樹
脂製保持器は、内周面に円筒形の外輪軌道を有する外輪
と、外周面に円筒形の内輪軌道を有する内輪と、外周面
を上記外輪軌道及び内輪軌道に接触する円筒形の転動面
とした複数のころとを備えたころ軸受に組み込み、これ
ら複数のころを転動自在に保持する。
【0010】特に、本発明のころ軸受用合成樹脂製保持
器に於いては、上記各リム部の外径は、このリム部と外
輪とを互いに同心に配置した状態で、上記各リム部の外
周面と上記外輪の内周面との間に厚さが0.4mm以上の
外径側環状隙間が形成される大きさに規制している。
又、上記各リム部の内径は、このリム部と内輪とを互い
に同心に配置した状態で、上記各リム部の内周面と上記
内輪の外周面との間に厚さが0.75mm以上の内径側環
状隙間が形成される大きさに規制している。又、上記各
柱部の円周方向両側面の少なくとも上記合成樹脂製保持
器の内径寄り端部を除く部分は、円周方向に隣り合う柱
部同士の間に存在する各ポケットの幅が、上記合成樹脂
製保持器の直径方向外方に向かう程広くなる方向に傾斜
している。そして、上記各ポケットの数をn個とし、こ
れら各ポケットの幅方向中央部を通る上記合成樹脂製保
持器の直径方向に亙る仮想直線と上記各柱部の円周方向
両側面との交差角度である、これら各側面の傾斜角度を
θとした場合に、この傾斜角度θを0度<θ<(180
/n)度の範囲に規制している。又、上記各柱部の円周
方向両側面でこれら各柱部の長さ方向の一部には、上記
各ポケット内に転動自在に保持したころが当該ポケット
から抜け出る事を防止する為の、脱落防止用の係止突部
を設けている。又、合成樹脂製保持器の軸方向両端部内
周面は、軸方向端縁に向かう程内径が大きくなる方向に
傾斜した円錐凹面状の傾斜面としている。更に、上記各
リム及び上記各柱部は、上記各ポケットに設けた上記係
止突部とこれら各ポケット内に保持したころの転動面と
の係合に基づき、ラジアル方向に亙る変位を制限してい
る。
【0011】
【作用】上述の様に構成する本発明の合成樹脂製保持器
によれば、それぞれ内側にころを転動自在に保持する為
のポケット内に潤滑油を効率良く流通させる事ができ
る。この為、合成樹脂製保持器により転動自在に保持し
た複数個のころの転動面と、内輪軌道及び外輪軌道との
当接部に十分な量の潤滑油を流通させて、早期摩耗、剥
離、焼き付き、かじり等の損傷が発生する事を有効に防
止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜6は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本発明のころ軸受用の合成樹脂
製保持器9aは、前述の図9〜11に示した従来のころ
軸受用の合成樹脂製保持器9と同様に、摩擦係数が低く
耐油性を有する合成樹脂を射出成形する事により一体成
形して成り、1対のリム部10a、10aと複数本の柱
部11a、11aとを備える。このうちの1対のリム部
10a、10aは、円輪状で軸方向(図1、4の左右方
向)に間隔をあけて互いに平行に配置している。又、上
記複数本の柱部11a、11aは、互いに平行に、且つ
円周方向に亙って間欠的に等間隔で配置しており、それ
ぞれの両端部を上記1対のリム部10a、10aの互い
に対向する内側面に連続させている。
【0013】上記各リム部10a、10aの外径D10a
は、これら各リム部10a、10aと外輪3(図8参
照)とを互いに同心に配置した状態で、上記各リム部1
0a、10aの外周面と上記外輪3の内周面との間に、
厚さT3 (図4参照)が0.4mm以上の外径側環状隙間
が形成される大きさに規制している。即ち、上記各リム
部10a、10aの外径をD10a とし、上記外輪3の端
部でこれら各リム部10a、10aの外周面が対向する
部分の内径をR3 とした場合に、R3 (mm)≧D10a
(mm)+0.8(mm)を満たす様に、上記外径D10a
規制している。
【0014】又、上記各リム部10a、10aの内径R
10a は、このリム部10a、10aと内輪5(図8参
照)とを互いに同心に配置した状態で、上記各リム部1
0a、10aの内周面と上記内輪5の外周面との間に、
厚さT5 (図4参照)が0.75mm以上の内径側環状隙
間が形成される大きさに規制している。即ち、上記各リ
ム部10a、10aの内径をR10a とし、上記内輪5の
端部でこれら各リム部10a、10aの内周面が対向す
る部分の外径をD5 とした場合に、R10a (mm)≧D5
(mm)+1.5(mm)を満たす様に、上記内径R10a
規制している。
【0015】又、上記各柱部11a、11aの円周方向
両側面のうち、前記合成樹脂製保持器9aの内径寄り端
部には互いに平行な平坦部15、15を、これら両平坦
部15、15を除く部分には傾斜部16、16を、それ
ぞれ設けている。これら各傾斜部16、16は、円周方
向に隣り合う柱部11a、11a同士の間に存在する各
ポケット12b、12bの円周方向に亙る幅が、上記合
成樹脂製保持器9aの直径方向外方に向かう程広くなる
方向に傾斜している。そして、これら各傾斜部16、1
6の傾斜角度θを、次の様に規制している。尚、上記傾
斜角度θとは、上記各ポケット12b、12bの幅方向
中央部を通る上記合成樹脂製保持器9aの直径方向に亙
る仮想直線α(図2参照)と上記傾斜部16、16の
(仮想)延長面との交差角度である。この様な傾斜角度
θは、上記各ポケット12b、12bの数をn個とした
場合に、0度<θ<(180/n)度の範囲に規制して
いる。尚、上記傾斜角度θの上限値は、上記柱部11
a、11aの円周方向両側面同士が互いに平行になる角
度である。柱部11a、11aの断面形状は、この様
に、円周方向両側面同士が互いに平行である事が好まし
い。
【0016】又、上記各柱部11a、11aの円周方向
両側面でこれら各柱部11a、11aの長さ方向の中間
部両端寄り部分には、それぞれが請求項に記載した係止
突部に相当する、内径側係止突部13a、13aと外径
側係止突部14a、14aとを、合成樹脂製保持器9a
の射出成形時に、この合成樹脂製保持器9aと一体に形
成している。円周方向に亙って互いに対向する位置に形
成した内径側係止突部13a、13aの先端縁同士の間
隔D13a 、並びに外径側係止突部14a、14aの先端
縁同士の間隔D14a は、合成樹脂製保持器9aの自由状
態に於いて、それぞれ上記各ポケット12b内に保持す
べきころ6の外径D6 よりも小さく(D6 >D13a 、D
14a )している。従って、上記内径側係止突部13a、
13aは、上記各ポケット12b、12b内にころ6を
保持した後、ころ軸受の組立以前に、上記各ポケット1
2b、12bからころ6が合成樹脂製保持器9aの内径
側に、不用意に脱落する事を防止する。これに対して上
記各外径側係止突部14a、14aは、やはり組立以前
に、上記各ポケット12b、12bからころ6が合成樹
脂製保持器9aの外径側に、不用意に脱落する事を防止
する。尚、上記内径側係止突部13a、13aの先端縁
同士の間隔D13a 、並びに外径側係止突部14a、14
aの先端縁同士の間隔D14a は、上記ポケット12bの
本体部分の円周方向に亙る幅W12b に比べて、0.5mm
以上小さくしている。
【0017】又、合成樹脂製保持器9aの両端部内周
面、即ち、前記各リム部10a、10aの内周面の全面
と、上記各柱部11a、11aの内周面の一部で上記内
径側係止突部13a、13a及び外径側係止突部14
a、14aよりも上記各柱部11a、11aの長さ方向
両端に寄った部分には、傾斜面18、18を形成してい
る。これら各傾斜面18、18は、それぞれ上記合成樹
脂製保持器9aの軸方向(図1、4の左右方向)端縁に
向かう程内径が大きくなる方向に傾斜している。
【0018】更に、上記各リム10a、10a及び上記
各柱部11a、11aは、上記各ポケット12b、12
bに設けた上記各内径側係止突部13a、13a及び各
外径側係止突部14a、14aと、これら各ポケット1
2b、12b内に保持したころ6の転動面との係合に基
づき、ラジアル方向に亙る変位を制限している。即ち、
上記各内径側係止突部13a、13a及び各外径側係止
突部14a、14aの一部を、上記ころ6の転動面に近
接させる事により、上記各ポケット12b、12b内で
ころ6がラジアル方向に僅かしか変位しない様にしてい
る。従って、合成樹脂製保持器9aにより転動自在に保
持したころ6を、外輪軌道2と内輪軌道4(図8参照)
との間で挟持した状態では、上記合成樹脂製保持器9a
は殆どラジアル方向に変位しなくなる。尚、この合成樹
脂製保持器9aがラジアル方向に変位するのを防止する
事は、振動や騒音の発生を防止する為に必要である。
【0019】上述の様な本発明の合成樹脂製保持器9a
は、内周面に円筒形の外輪軌道2を有する外輪3と、外
周面に円筒形の内輪軌道4を有する内輪5(図8参照)
と、外周面を上記外輪軌道2及び内輪軌道4に接触する
円筒形の転動面とした複数のころ6とを備えたころ軸受
に組み込み、これら複数のころ6を転動自在に保持す
る。前述の様に構成し、上述の様にころ軸受に組み込ん
だ状態で使用する本発明の合成樹脂製保持器9aによれ
ば、それぞれ内側にころ6を転動自在に保持する為のポ
ケット12b、12b内に、潤滑油を効率良く流通させ
る事ができる。
【0020】先ず、上記各リム部10a、10aの外周
面と上記外輪3の内周面との間に厚さが0.4mm以上の
外径側環状隙間を形成する為、上記各ポケット12a、
12aから外部空間に向け、潤滑油を効率良く排出でき
る。従って、上記各ポケット12b、12b内に存在す
る潤滑油の温度上昇を抑えて、この潤滑油の粘度低下に
基づく潤滑不良を防止できる。又、上記各リム部10
a、10aの内周面と上記内輪5の外周面との間に厚さ
が0.75mm以上の内径側環状隙間を形成する為、上記
各ポケット12b、12b内に潤滑油を効率良く送り込
める。この為、これら各ポケット12b、12b内に、
十分量の潤滑油を確保できる。
【0021】又、前記各柱部11a、11aの円周方向
両側面のうち、上記合成樹脂製保持器9aの内径寄り端
部に形成した平坦部15、15よりも直径方向外方に存
在する傾斜部16、16は、上記合成樹脂製保持器9a
の回転に伴って、上記各ポケット12b、12b内に潤
滑油の流れを惹起させる機能を有する。即ち、上記合成
樹脂製保持器9aの回転に伴って上記各傾斜部16、1
6が、上記各ポケット12b、12b内に存在する潤滑
油を円周方向に押す。この結果、遠心力の他、直径方向
外方に向く分力に基づいて、上記各ポケット12b、1
2b内に存在する潤滑油を、これら各ポケット12b、
12bの内径側開口から外径側開口に向けて流す。この
為、上記各ポケット12b、12b内には、十分な量の
潤滑油が効率良く流れる。
【0022】又、上記各ポケット12b、12bからこ
ろ6が脱落する事を防止すべく、上記各柱部11a、1
1aの円周方向両側面に設けた、前記内径側係止突部1
3a、13a及び外径側係止突部14a、14aとは、
上記各柱部11a、11aの長さ方向の一部にのみ設け
ている為、上記各ポケット12b、12bの内周縁とこ
れら各ポケット12b、12b内に転動自在に設けたこ
ろ6の転動面との間に、比較的大きな隙間が存在する。
この為、上記内径側係止突部13a、13a及び外径側
係止突部14a、14aの存在に拘らず、上記各ポケッ
ト12b、12b内への潤滑油の送り込みとこれら各ポ
ケット12b、12bからの潤滑油の排出とを効率良く
行なえる。
【0023】又、上記合成樹脂製保持器9aの両端部内
周面に形成した円錐凹面状の傾斜面18、18の存在に
基づき、上記合成樹脂製保持器9aの両端部内周縁と内
輪5の両端部外周面との間の環状隙間の幅が大きくな
る。この為、やはり上記各ポケット12b、12b内へ
の潤滑油の送り込みを円滑に行なえる様になる。
【0024】以上に述べた様に、本発明の合成樹脂製保
持器9aによれば、上記各ポケット12b、12b内へ
の潤滑油の送り込みと、これら各ポケット12b、12
bからの潤滑油の排出とを効率良く行なえる。この為、
上記各ポケット12b、12b内に転動自在に保持した
複数個のころ6の転動面と、内輪軌道4及び外輪軌道2
との当接部に十分な量の潤滑油を流通させて、早期摩
耗、剥離、焼き付き、かじり等の損傷が発生する事を有
効に防止できる。
【0025】尚、図示の例では、上記各柱部11a、1
1aの外周側面で、これら各柱部11a、11aの長さ
方向に関して、上記内径側係止突部13a、13a及び
外径側係止突部14a、14a同士の間部分に、合成樹
脂製保持器9aの直径方向内方に凹んだ凹部17、17
を形成している。これら各凹部17、17は、上記合成
樹脂製保持器9aの外周面と外輪3の内周面に設けた外
輪軌道2(図8参照)との間の隙間を確保して、円周方
向に隣り合うポケット12b、12b同士の間で潤滑油
が円滑に流れる様にする。この様な凹部17、17を設
ける事により、上記各ポケット12b、12b内の潤滑
油の流れを一層円滑にし、早期摩耗、剥離、焼き付き、
かじり等の損傷防止効果をより一層向上させる事ができ
る。但し、この様な凹部17、17は、必ずしも設ける
必要はない。
【0026】次に、図7は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。上述の第1例が、各柱部11aの円周
方向両側面に内径側端部に平坦部15、15(図2、5
参照)を設けていたのに対して、本例の場合には、この
様な平坦部15、15を設けず、各ポケット12b、1
2bの内径側開口まで、傾斜部16、16を連続させて
いる。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合
と同様である。
【0027】尚、本発明を実施するころ軸受の大きさは
特に限定しないが、工作機械等の回転支持部に組み込む
様な、外輪3の外径が20〜120mm程度、内輪5の内
径が10〜80mm程度、外輪3及び内輪5の幅が10〜
80mm程度のころ軸受に、好ましく実施できる。又、使
用する潤滑油の種類も特に問わないが、粘度が13〜1
50cst 程度の潤滑油を使用する回転支持部等を構成す
るころ軸受に、好ましく使用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明のころ軸受用合成樹脂製保持器
は、以上に述べた通り構成され作用するので、合成樹脂
製保持器を組み込んだころ軸受に、早期摩耗、剥離、焼
き付き、かじり等の損傷が発生する事を防止して、ころ
軸受の耐久性及び信頼性の確保に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】同B−B断面図。
【図4】ころを組み込んだ状態を、一部を省略した状態
で示す断面図。
【図5】図4のC−C断面図。
【図6】同D−D断面図。
【図7】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
様の図。
【図8】ころ軸受の1例を示す部分切断斜視図。
【図9】従来のころ軸受用合成樹脂製保持器の1例を示
す断面図。
【図10】ころを組み込んだ状態を、一部を省略した状
態で示す断面図。
【図11】図10のE−E断面図。
【符号の説明】
1 ころ軸受 2 外輪軌道 3 外輪 4 内輪軌道 5 内輪 6 ころ 7 転動面 8 保持器 9、9a 合成樹脂製保持器 10、10a リム部 11、11a 柱部 12、12a、12b ポケット 13、13a 内径側係止突部 14、14a 外径側係止突部 15 平坦部 16 傾斜部 17 凹部 18 傾斜面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂により一体成形して成り、軸方
    向に互いに間隔をあけて配置した1対のリム部と、円周
    方向に亙って間欠的に配置され、それぞれの両端部を上
    記1対のリム部の互いに対向する内側面に連続させた複
    数本の柱部とを備え、内周面に円筒形の外輪軌道を有す
    る外輪と、外周面に円筒形の内輪軌道を有する内輪と、
    外周面を上記外輪軌道及び内輪軌道に接触する円筒形の
    転動面とした複数のころとを備えたころ軸受に組み込
    み、これら複数のころを転動自在に保持するころ軸受用
    合成樹脂製保持器に於いて、上記各リム部の外径は、こ
    のリム部と外輪とを互いに同心に配置した状態で、上記
    各リム部の外周面と上記外輪の内周面との間に厚さが
    0.4mm以上の外径側環状隙間が形成される大きさに規
    制しており、上記各リム部の内径は、このリム部と内輪
    とを互いに同心に配置した状態で、上記各リム部の内周
    面と上記内輪の外周面との間に厚さが0.75mm以上の
    内径側環状隙間が形成される大きさに規制しており、上
    記各柱部の円周方向両側面の少なくとも上記合成樹脂製
    保持器の内径寄り端部を除く部分は、円周方向に隣り合
    う柱部同士の間に存在する各ポケットの幅が、上記合成
    樹脂製保持器の直径方向外方に向かう程広くなる方向に
    傾斜しており、上記各ポケットの数をn個とし、これら
    各ポケットの幅方向中央部を通る上記合成樹脂製保持器
    の直径方向に亙る仮想直線と上記各柱部の円周方向両側
    面との交差角度である、これら各側面の傾斜角度をθと
    した場合に、この傾斜角度θを0度<θ<(180/
    n)度の範囲に規制しており、上記各柱部の円周方向両
    側面でこれら各柱部の長さ方向の一部には、上記各ポケ
    ット内に転動自在に保持したころが当該ポケットから抜
    け出る事を防止する為の、脱落防止用の係止突部を設け
    ており、合成樹脂製保持器の軸方向両端部内周面は、軸
    方向端縁に向かう程内径が大きくなる方向に傾斜した円
    錐凹面状の傾斜面としており、上記各リム及び上記各柱
    部は、上記各ポケットに設けた上記係止突部とこれら各
    ポケット内に保持したころの転動面との係合に基づき、
    ラジアル方向に亙る変位を制限している事を特徴とする
    ころ軸受用合成樹脂製保持器。
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